JP5798953B2 - プラズマ分光分析装置 - Google Patents

プラズマ分光分析装置 Download PDF

Info

Publication number
JP5798953B2
JP5798953B2 JP2012050497A JP2012050497A JP5798953B2 JP 5798953 B2 JP5798953 B2 JP 5798953B2 JP 2012050497 A JP2012050497 A JP 2012050497A JP 2012050497 A JP2012050497 A JP 2012050497A JP 5798953 B2 JP5798953 B2 JP 5798953B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
flow path
narrow portion
plasma
channel
narrow
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2012050497A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2013185918A (ja
Inventor
小原 賢信
賢信 小原
高村 禅
禅 高村
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Hitachi High Tech Corp
Original Assignee
Hitachi High Technologies Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Hitachi High Technologies Corp filed Critical Hitachi High Technologies Corp
Priority to JP2012050497A priority Critical patent/JP5798953B2/ja
Priority to US14/383,119 priority patent/US9804094B2/en
Priority to PCT/JP2012/080524 priority patent/WO2013132706A1/ja
Publication of JP2013185918A publication Critical patent/JP2013185918A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP5798953B2 publication Critical patent/JP5798953B2/ja
Expired - Fee Related legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Classifications

    • GPHYSICS
    • G01MEASURING; TESTING
    • G01NINVESTIGATING OR ANALYSING MATERIALS BY DETERMINING THEIR CHEMICAL OR PHYSICAL PROPERTIES
    • G01N21/00Investigating or analysing materials by the use of optical means, i.e. using sub-millimetre waves, infrared, visible or ultraviolet light
    • G01N21/62Systems in which the material investigated is excited whereby it emits light or causes a change in wavelength of the incident light
    • G01N21/66Systems in which the material investigated is excited whereby it emits light or causes a change in wavelength of the incident light electrically excited, e.g. electroluminescence
    • G01N21/67Systems in which the material investigated is excited whereby it emits light or causes a change in wavelength of the incident light electrically excited, e.g. electroluminescence using electric arcs or discharges
    • GPHYSICS
    • G01MEASURING; TESTING
    • G01NINVESTIGATING OR ANALYSING MATERIALS BY DETERMINING THEIR CHEMICAL OR PHYSICAL PROPERTIES
    • G01N21/00Investigating or analysing materials by the use of optical means, i.e. using sub-millimetre waves, infrared, visible or ultraviolet light
    • G01N21/01Arrangements or apparatus for facilitating the optical investigation
    • G01N21/03Cuvette constructions
    • G01N21/05Flow-through cuvettes
    • GPHYSICS
    • G01MEASURING; TESTING
    • G01NINVESTIGATING OR ANALYSING MATERIALS BY DETERMINING THEIR CHEMICAL OR PHYSICAL PROPERTIES
    • G01N2201/00Features of devices classified in G01N21/00
    • G01N2201/06Illumination; Optics
    • G01N2201/067Electro-optic, magneto-optic, acousto-optic elements
    • GPHYSICS
    • G01MEASURING; TESTING
    • G01NINVESTIGATING OR ANALYSING MATERIALS BY DETERMINING THEIR CHEMICAL OR PHYSICAL PROPERTIES
    • G01N2201/00Features of devices classified in G01N21/00
    • G01N2201/08Optical fibres; light guides

Landscapes

  • Health & Medical Sciences (AREA)
  • Physics & Mathematics (AREA)
  • Life Sciences & Earth Sciences (AREA)
  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Analytical Chemistry (AREA)
  • Biochemistry (AREA)
  • General Health & Medical Sciences (AREA)
  • General Physics & Mathematics (AREA)
  • Immunology (AREA)
  • Pathology (AREA)
  • Nuclear Medicine, Radiotherapy & Molecular Imaging (AREA)
  • Investigating, Analyzing Materials By Fluorescence Or Luminescence (AREA)

Description

本発明は、プラズマ発光を利用して液体試料の分析を行うプラズマ分光分析装置に関する。
本発明の背景技術として、特許第3932368号公報(特許文献1)がある。特許文献1には、絶縁性材料で形成された流路に流路の断面積よりも著しく小さい断面積を有する狭小部を設け、流路及び狭小部に導電性液体を満たした後、狭小部を通過するように電界を印加し、狭小部でプラズマを発生させるプラズマの発生方法及び元素分析方法が記載されている。また、絶縁性材料で形成された流路に流路の断面積よりも著しく小さい断面積を有する狭小部が配設され、狭小部を通過するように電界を印加するための手段が配設されているプラズマの発生装置及びそのプラズマの発生装置を有する発光分光分析装置が記載されている。
特許第3932368号公報
特許文献1には、流路及び流路の断面積よりも著しく小さい断面積を有する狭小部に関して、大きさ及び相互の断面積の比率に関する記載がある。また、流路の狭小部と主要部、及び接続部の流路の深さが一定で、平面的に構成された流路の実施例が記載されている。
特許文献1には、流路の狭小部から接続部及び主要部の深さが一定ではない、三次元的な広がりをもつ流路に関する記載はない。しかし、検討の結果、流路の狭小部から接続部、主要部へと流路の深さと幅が増大し、三次元的な広がりを持つ流路では、流路の深さが一定で平面的に構成された流路を使う場合に比較して、プラズマ発光の強度が増大する利点はあるものの、気泡及びプラズマの挙動が不安定で、現象の再現性に問題があることが分かった。そこで、本発明では、三次元的な広がりを持つ流路の形状を規定することで、現象再現性を大きく向上し、検出感度と検出精度及び再現性を大きく向上したプラズマ分光分析装置を提供する。
特許文献1には、流路の設置方向に関する記載がない。しかし、特に、微小量しかない試料を扱う場合に有利な、試料溶液の流量が小さいもしくは電圧印加の間隔が短い計測条件の下では、流路の設置方向は、現象再現性に大きな影響を与えることが分かった。また、特に、現象再現性の悪い条件の下で、流路の設置方向は、現象再現性に大きな影響を与えることが分かった。そこで、本発明では、流路の設置方向を適切に規定することで、現象再現性を向上し、検出感度と検出精度及び再現性を大きく向上したプラズマ分光分析装置を提供する。
特許文献1には、狭小部以外での計測に関する記載はなく、検出位置の違いによる感度向上に関する記述もない。しかし、検討の結果、狭小部以外で計測することは、検出感度に影響があることが分かった。そこで、本発明では、計測の対象とする流路中の領域を選択することにより、検出感度を大きく向上したプラズマ分光分析装置を提供する。
本発明は、上記課題を解決する手段を複数含んでいるが、その一例を挙げるならば、狭小部を設けた流路に導電性液体を満たし、流路に電界を印加して気泡を生じさせ、気泡にプラズマを発生させる分光分析装置であって、狭小部から流路の主要部への接続部が実質的に円錐形であり、流路の主要部が実質的に円筒形である流路を用いるものである。
また、別な一例を挙げるならば、流路に導電性液体を満たし、流路に電界を印加して気泡を生じさせ、気泡にプラズマを発生させる分光分析装置であって、実質的に鉛直線と平行となるように流路を設置するものである。
また、別な一例を挙げるならば、狭小部を設けた流路に導電性液体を満たし、流路に電界を印加して気泡を生じさせ、気泡にプラズマを発生させる分光分析装置であって、流路の狭小部に隣接する領域を計測の対象とするものである。
本発明によれば、試料溶液に放電を生じさせ、そのプラズマ中の発光を用いて分析を行う方法において、発光強度を増大させかつ現象再現性を向上させることで、検出感度と検出精度及び再現性を向上させることができる。
上記した以外の、課題、構成及び効果は、以下の実施形態の説明により明らかにされる。
本発明のプラズマ分光分析装置を構成する流路の例を示す図である。 流路と電極及びコネクタ配置の例を示す図である。 プラズマ分光分析装置の全体構成例を示す図である。 比較対象となる流路の例を示す図である。 比較対象となる流路と、電極及びコネクタ配置を示す図である。 比較対象となる流路の例を示す図である。 比較対象となる流路と、電極及びコネクタの配置を示す図である。 流路の違いと鉛の平均発光強度と変動係数との関係を示す図である。 本発明のプラズマ分光分析装置を構成する流路内部の様子を示す図である。 図6Aを説明する図である。 比較対象となる流路内部の様子を示す図である。 流路を鉛直線と平行に設置したプラズマ分光分析装置の構成例の一部を示す図である。 鉛の発光強度の変動係数を示す図である。 流路の例を示す図である。 流路の例を示す図である。 流路の例を示す図である。 流路の例を示す図である。 流路の例を示す図である。 流路内部の原子発光分布の例を示す図である。 流路内部の原子発光と背景光の強度比の分布の例を示す図である。 流路内部の原子発光分布の例を示す図である。 流路内部の原子発光と背景光の強度比の分布の例を示す図である。 流路内部の原子発光分布の例を示す図である。 流路内部の原子発光と背景光の強度比の分布の例を示す図である。 流路の狭小部を鉛直線と平行に設置する、プラズマ分光分析装置の例を示す図である。 鉛の発光強度の変動係数を示す図である。
プラズマの発光強度は、印加電圧の大きさや電圧印加時間の他に、流路の形状や電極の配置、試料溶液の組成等によって変わるため、一概にその生成条件を特定することは難しいが、印加電圧は望ましくは500V以上、より望ましくは1kV以上、より望ましくは1.2kV程度以上、更に望ましくは1.5kV以上である。電圧印加時間は望ましくは0.1ミリ秒以上、より望ましくは1ミリ秒以上、より望ましくは5ミリ秒以上、更に望ましくは20ミリ秒以上である。
試料溶液は電気伝導性であることが必要で、一般に元素分析で使われる酸、例えば硝酸などが適当である。その他にも塩酸、硫酸など各種の酸を使うことも可能であり、また電気伝導性を持つ塩類が含まれる溶液も用いることができる。
流路の適切な大きさは、印加電圧の大きさや電圧印加時間の他に、電極の配置、試料溶液の組成等によって変わるため、一概に特定することは難しいが、流路の電圧印加方向の長さは1mmから300mm程度、より望ましくは3mmから20mm程度、より望ましくは5mmから15mm程度である。
ここでいう流路とは、絶縁性の材料を用いて作成されており、流路断面が閉じた形状をしているものである。ここでは、ある時点においては液体が一方向にのみ流れる流路を考えている。本発明では、電極を用いて電圧を印加し発光を生じせしめるため、流路内の電極の位置が明確である場合には、電極の間の流路を実質的な流路の範囲とし、その電極の位置を流路の端と考えてよい。
本発明では、狭小部を持つ流路を取り扱っており、狭小部の意義上から、流路には狭小部より大きな流路断面を持つ部分があり、これを流路の主要部とよぶ。また、狭小部と流路の主要部を接続する部分を、流路の接続部とよぶ。ここでは、狭小部が流路の端以外の部分にあるものを想定しているため、狭小部から流れの上流下流の両方にむけて、流路の接続部と、流路の主要部が、それぞれ存在する。流路の接続部と主要部の境界を一概に定義することは難しいが、流路の接続部は狭小部から流路の主要部に向けて流路が広がっていく部分を指し、流路の主要部は流路がほとんど広がっていかない部分を指す。流路の接続部と流路の主要部の境界が上の定義では明確にできない場合には、流路の幅が狭小部の幅の3倍程度に広がる部分までを流路の接続部、それより狭小部から離れたところを流路の主要部と考えてもよい。流路の上流下流のそれぞれに対して接続部と主要部が存在するが、本発明の一例で規定する形状は、少なくとも上流もしくは下流側のどちらかの接続部と主要部に対して当てはまるものを対象としている。当然ながら、上流下流の両方に当てはまるものも本発明の対象となる。
本発明の一例では、流路の狭小部と接続部、主要部の深さが一定の平面的に構成された流路ではなく、接続部と主要部の深さと幅の両方が狭小部より広がる、三次元的な広がりを持つ流路を対象としている。最も適切な流路形状の一例は、狭小部から流路の主要部への接続部が実質的に円錐形であり、流路の主要部が実質的に円筒形であるものである。
流路の接続部の円錐形については、10゜から80゜程度の半頂角を持つものが適当である。角度がこの範囲を外れて小さすぎても大きすぎても、狭小部で気泡が発生し両側に広がる際の挙動が不安定になり、結果として現象の再現性が低下する。また、接続部が実質的に円錐形とは、真に円錐形を取れない場合には、楕円錐形もしくは多角錐形のように、軸対称性がある程度高い形状を指す。軸対称性が高いと気泡の挙動安定性がよく、現象再現性のよさにつながる。接続部の形状が判別しにくい場合には、接続部の中心軸に垂直な各流路断面において、中心を通る最も長い線分と最も短い線分の比が2対1以下である場合も実質的に円錐とみなせ、現象の再現性がある程度保たれるため、望ましい。
流路の主要部が実質的に円筒形とは、真に円筒形を取れない場合には、楕円柱もしくは多角柱のように、軸対称性が高く、まっすぐで、断面積の変化がないものを指す。主要部の形状をこのようにすることで、狭小部で発生して主要部にまで広がる気泡の挙動安定性がよくなり、結果として現象再現性をよくすることができる。また、このような形状により、発生した気泡が送液により流路からきれいに除去されやすくなり、次の電圧印加の際に気泡が残っていないため、現象の再現性が保たれる、という効果もある。特に気泡の除去の観点から、主要部の形状及び断面積の変化はないことが望ましく、仮にある場合にでも、主要部の中心線を結ぶ線に垂直な流路断面積の変化が2倍以下であることが望ましい。流路の主要部の断面積が大きな部分に気泡がたまりやすいため、断面積が変化する場合には、その最大断面積が狭小部の近くではなく発光に関する影響の少ない流路の端付近に存在することが望ましい。また、気泡除去の観点から、流路の主要部はまっすぐであることが望ましく、仮に完全にまっすぐでない場合でも、流路の主要部の中心を結ぶ線の曲がりが60°以下であれば問題ない。気泡成長時の安定性の観点から、狭小部と主要部の中心軸が一致していることが望ましいが、仮にずれている場合でも、そのずれの大きさとそのずれの方向の主要部の流路断面の幅の比が2分の1以下であれば、現象の再現性は十分によい。
発生した気泡を送液によって除去するためには、発生する気泡の大きさ、又はその体積の2分の1の大きさに対して、流路の主要部の流路断面が同等もしくは小さいことが、発生した気泡を送液によって除去するためには望ましい。検討の結果、典型的な気泡のサイズは、10μL程度であった。相当する球の直径から考えると、流路断面の最大幅が望ましくは2.7mm程度以下であればよい。
また、流路の鉛直方向の幅が水平方向の幅よりも広い場合、発生した気泡が流路の中で浮き上がってしまい、十分に押し流されないことがあるため、流路の主要部の鉛直方向の幅が水平方向の幅と同等もしくは小さいことが望ましい。
本発明の一例では、流路の配置方向に関して、流路を実質的に鉛直線と平行になるように設置する。浮力の効果により、発生した気泡が最も自然に送液によって除去されるため、現象再現性が保たれるためである。特に送液量が小さく、電圧印加の間隔が短い、現象再現性を保つのには不利な条件下では顕著な効果がある。最も望ましい構成は、流路がまっすぐであり、その流路の中心を通る直線を鉛直線と平行に設置するものである。実質的には、流路の中心を通る線と鉛直線の作る内角が60°以下であれば、気泡に十分に浮力が働き、現象再現性を保つ効果がある。また、狭小部の向きを鉛直線と平行にすることも重要であり、これも狭小部と鉛直線の作る内角が60°以下であれば、気泡に十分に浮力が働き、現象再現性を保つ効果がある。いずれの場合も、流体の移動の向きは鉛直方向下側から鉛直方向上側の向きにするのが望ましい。また、電極の極性については、マイナス極側で発生する気泡の量が、プラス極側で発生するものよりも多いことから、マイナス極側で発生した気泡が流路の内部に入りにくいよう、鉛直方向上側の電極をマイナス極に、鉛直方向下側の電極をプラス極にするのが望ましい。
本発明の一例では、流路の狭小部に隣接する領域を計測の対象とすることが望ましい。流路の狭小部に隣接するプラス極側の接続部において、狭小部と同等以上に原子発光が強く、また原子発光と背景光の強度比が最も大きくなるためである。特に原子発光と背景光の強度比は接続部内の狭小部の延長を含まない部分について最も大きくなる。これらの領域を計測の対象とすることで、検出感度の高い計測が可能となる。
以下、図面を参照して本発明の実施の形態を説明する。
[実施例1]
本実施例では、プラズマ分光分析装置の例を説明する。
図1Aは、本実施例のプラズマ分光分析装置を構成する流路100の例を説明する図である。流路100は、幅A及びA’、全長B、中央に幅a及びa’,長さbの狭小部を持つ流路である。流路の狭小部、接続部及び主要部を合わせて表示した。狭小部の幅a及びa’は流路の幅Aに比べて狭く、望ましくは流路の幅Aの1/3以下、さらに望ましくは1/5以下である。狭小部の長さbは流路100の全長Bに比べて短く、望ましくは全長Bの1/5以下、さらに望ましくは1/10以下である。流路の全長Bは、1mm以上300mm以下であることが望ましい。
本発明は、流路の狭小部と接続部、主要部の深さが一定の平面的に構成された流路ではなく、接続部と主要部の深さと幅の両方が狭小部より広がる、三次元的な広がりを持つ流路を対象としている。最も適切な流路形状の一例は、狭小部から流路の主要部への接続部が実質的に円錐形であり、流路の主要部が実質的に円筒形であるものである。幅A及びA’はほぼ等しいことが望まれる。ここでは主要部の断面が真円となる流路を使用し、幅A及びA’は1.6mmとした。狭小部の断面は正方形のものを用い、幅a及びa’は0.2mmとした。円筒のような丸みを帯びた断面形状ではなく、正方形というまっすぐな辺をもつ断面を採用することにより、狭小部内側からの発光の計測が容易になる利点がある。狭小部の長さbは0.64mmとした。
流路の主要部である幅A及びA’の部分に対する狭小部の接続部は、狭小部を貫く中心軸からの角度である半頂角θが27°となる円錐形に形成し、狭小部と流路の接続部、流路の主要部を貫く中心軸が一致する構成とした。円錐の頂点の角度で表すと54°である。このように中心軸対称である形状を選択することで、プラズマ発光現象の現象再現性を向上することができる。材料の流路端となる平面からドリルで穴を開けて研磨するだけの流路加工で製造できるため、他の複雑な構成よりも加工コストが低くなる利点もある。円錐の頂点の角度は極端なものでなければよく、例えば半頂角10゜から80゜程度の範囲内であればよい。
流路を構成する材料としては、絶縁材料であり、かつ計測対象となる発光波長での光の透過性能が高く、薬品耐性なかでも酸に対する耐性がある材料が望ましく、例えば各種光学ガラスや光学部品用の樹脂などを採用することができる。本実施例では、UV透過性が高く、耐衝撃性の高い、石英ガラス101を流路の材料として用いた。
図1Bは、流路100と電極、コネクタ、配管との関係の例を説明する図である。流路100の右側端では、コネクタ120を、石英ガラス101にO−リング123を介して押し付ける方法で接続し、外部から液を流す際の液漏れを防いでいる。コネクタ120には電極121、配管接続口122が固定されている。配管接続口122に配管124が接続されている。本実施例では、電極121として直径0.5mmの白金線を使用した。電極121の先端は、流路100の端に来るようにセットしている。コネクタ120の内部の空洞は試料溶液等の液体が通過する部分となるが、気泡の抜け等をよくするため、流路端からまっすぐ接続する構成でかつその径も流路とほぼ同じであることが望ましい。ここでは、コネクタ120の内部の空洞の径を1.6mmとした。また、コネクタ120の材料はテフロンとした。流路100の右側端と同様に、左側端にも、O−リング128、コネクタ125、電極126、配管接続口127、配管129を配置している。電極121,126はコネクタ120,125のそれぞれ中心に位置しており、2つの電極と狭小部を結ぶ線は直線になるように配置されている。
図2は、本実施例のプラズマ分光分析装置の構成例を示す概略図である。流路100周辺の接続に関しては、図1Bに記載の通りであり、説明を省略する。配管124にはシリンジポンプ140が接続されている。シリンジポンプ140を制御することで、シリンジポンプ140に入った溶液を流路100に送液することができる。シリンジポンプ140は信号線149を介してコンピュータ150に接続されており、コンピュータ150によって動作が制御される。他方の配管129の先には廃液容器141が設置されている。
電極121,126は、それぞれ高圧電線155,156を介して電源152に接続されている。本実施例では、電源152として直流パルス電源を用いた。高圧電線156の途中に電流計測のための電流計154が直列に接続されている。コンピュータ150は、信号線151を介して電源152に接続されており、入力された情報に基づき、電源152の出力電圧の設定やトリガーを用いたオン・オフのタイミング制御を行うことができる。また、コンピュータ150は、信号線153を介して電流計154に接続されており、電流計154の計測データを取り込み、計測データを情報処理して、電源150の制御に用いることができる。
光ファイバー端143は光ファイバー144の端部であり、流路100に向けて設置される。光ファイバー144のもう一つの端は、分光器145に接続されている。光ファイバー端143で受光した光は、光ファイバー144を経由して、分光器145に入力され、分光される。分光器145は信号線147を介してコンピュータ150に接続されており、コンピュータ150から分光器145を制御することができる。
分光器145には、検出器としてCCDカメラ等の撮像装置146が接続されており、分光器145で分光された光を受光する。撮像装置146は信号線148を介してコンピュータ150に接続されており、コンピュータ150から撮像装置146を制御することができる。撮像装置146で計測された分光スペクトルの情報は、コンピュータ150の記憶装置に記録され、情報処理することができる。この発光に関連するデータと電流計154で計測され、コンピュータ150の記録装置に記録された、電流の時間変化に関するデータを合わせ、コンピュータ150で情報処理を行うこともできる。コンピュータ150は、上記のように、制御部としての機能と演算部としての機能を同時に持つ。
図1A、図1B及び図2に示したプラズマ分光分析装置に対して、鉛100ppmを含む0.1規定の硝酸溶液を試料溶液として流路に供給し、電圧を印加して、発光を計測した手順を以下に示す。分光器145を経由して撮像装置146で計測された発光の分光スペクトルのうち、鉛由来の発光線(405.78nm)に着目し、背景光強度を差し引いた正味発光強度を、鉛由来の発光強度として計測した。なお、試料溶液として鉛を含む溶液を用いたのはあくまで説明のための一例であり、他の元素を含む溶液に対しても同様の手順で分析を実行することが可能であり、同様の現象、効果が観察できる。
空の流路100に対して、まず水を流し、次いで0.1規定の硝酸を流し、洗浄した。まず、シリンジポンプ140のシリンジに水を入れ、コンピュータ150からの指示でシリンジポンプ140を動かすことで、配管124、配管接続口122、コネクタ120の内部を介して、流路100に水を流し入れて洗浄し、下流側のコネクタ125の内部、配管接続口127、配管129を介して、廃液容器141に洗浄後の水を回収した。次に、同様の手順で0.1規定の硝酸を流し、流路100を洗浄した。
次に、試料溶液である、鉛100ppmを含む0.1規定の硝酸溶液を同様の手順で流路100に流し入れ、電圧印加による発光を行った。適切な印加電圧は望ましくは500V以上、より望ましくは1kV以上、より望ましくは1.2kV程度以上、更に望ましくは1.5kV以上である。電圧印加時間は望ましくは0.1ミリ秒以上、より望ましくは1ミリ秒以上、より望ましくは5ミリ秒以上、更に望ましくは20ミリ秒以上である。ここでは、印加電圧1.5kV、電圧印加パルス幅5ミリ秒とした。
本実施例では、電源152の極性を、高圧電線155側に正の高電圧を印加し、高圧電線156側がグラウンドとなるようにセットした。つまり、試料送液の上流側の電極121がマイナス極、試料送液の下流側の電極126がプラス極であるように、電極の極性をセットした。電極の極性と試料溶液の流れの方向の関係は、この組み合わせに限定されるものではなく、逆の組み合わせでもよい。
コンピュータ150は電圧の印加開始信号を発生する。電源152は、コンピュータ150からの信号を受け、その信号に合わせて流路100に対して電圧の印加を行う。撮像装置146の露光制御は、電圧印加信号と同様の信号をコンピュータ150から撮像装置146に入力して行った。電流計154による電流計測は、電源152への電圧印加開始の信号と同期した信号をコンピュータ150から出力し、電流計154への信号として入力して行った。
図1A及び図1Bに示す流路100を用いたプラズマ分光分析装置では、従来に比べて非常に高い発光強度が得られ、発光強度の変動係数が1%程度の、放電計測としては非常に再現性の高い分析結果を得ることができる。比較のために、図1A及び図1Bとは異なる2つの流路を用いて同様に鉛の発光を計測して得た結果を以降に示す。
図3Aは、比較対象となる流路200の例を説明する図である。流路200は石英ガラス201の中に作成されており、幅A、全長B、高さC,中央に幅a及びc,長さbの狭小部、接続角θ1及びθ2を持つ流路である。流路の狭小部、接続部及び主要部を合わせて表示した。ここでは幅Aは1.6mm,全長Bは10.5mm、高さCは5mmとした。狭小部の断面は、幅a及びcは0.1mm、長さbは0.5mmとした。接続部の角度θ1及びθ2は45°とした。流路200も流路100と同様、流路の狭小部と接続部、主要部の深さが一定の平面的に構成された流路ではなく、接続部と主要部の深さと幅の両方が狭小部より広がる、三次元的な広がりを持つ流路であるが、その広がり方の対称性が低く、流路の主要部の形状も軸対称性が悪い流路形状の例である。図3Aの下部の図で説明すると、接続部では、鉛直方向上向きのみに流路が広がっており、下向きには広がっていない。つまり、明らかに非対称な形状である。また流路端の丸穴に向かう流路の主要部の流路断面の形状はいびつであり、対称性が高くまっすぐで断面積の変化のない、円筒形や多角柱形のような形状ではない。
図3Bは、流路200と電極、コネクタ、配管との関係の例を説明する図である。流路200の右側端では、コネクタ220を、石英ガラス201にO−リング223を介して接続し、コネクタ220には電極221、配管接続口222が固定されている。配管接続口222に配管224が接続されている。電極221の先端は、流路200の端に来るようにセットしている。流路200の右側端と同様に、左側端にも、O−リング228、コネクタ225、電極226、配管接続口227、配管229を配置している。電極221,226はコネクタ220,225のそれぞれ中心に位置している。図1A及び図1Bに示した流路100と異なり、流路200の中心を結ぶ線は直線ではなく、大きな角度を持って曲がっていることが分かる。流路の主要な部分の流路断面積の変化は5倍以上であり、変化の割合が大きい状態である。
図4Aは、比較対照となる別の流路300の例を説明する図である。流路300は石英ガラス301の中に作成されており、幅A、全長B、高さC、中央に幅a、長さbの狭小部、接続角θを持つ流路である。流路の深さcは均一であり、接続部を含めた高さCを持つ。流路の狭小部、接続部及び主要部を合わせて表示した。ここでは幅Aは3mm,全長Bは10.5mm、高さCは2mmとした。狭小部の幅aは0.1mm、長さbは0.4mmとした。接続部の角度θは45°であり、流路の深さcは0.08mmとした。流路300も流路100と同様、中央部に狭小部を持つ流路であるが、コネクタへの接続部分を除き流路の深さが一定であり、平面状の構成をもつ流路である。
図4Bは、流路300と電極、コネクタ、配管との関係の例を説明する図である。流路300の右側端では、コネクタ320を、石英ガラス301にO−リング323を介して接続し、コネクタ320には電極321、配管接続口322が固定されている。配管接続口322に配管324が接続されている。電極321の先端は、流路300の端に来るようにセットしている。流路300の右側端と同様に、左側端にも、O−リング328、コネクタ325、電極326、配管接続口327、配管329を配置している。電極321,326はコネクタ320,325のそれぞれ中心に位置している。
図2のプラズマ分光分析装置中の図1Bに相当する部分を図3B及び図4Bと置き換え、同様に鉛の発光計測を行った結果の例を図5に示す。鉛の発光強度の平均を比較すると、流路100を用いた場合が最も大きく、流路200を用いた場合にも同程度に大きく、流路300を用いた場合には小さいことがわかる。流路100及び流路200は、流路の狭小部から主要部に向けて三次元的に広がる流路であるのに対して、流路300のみが均一な深さを持つ平面状の流路であるため、計測された発光強度の大きな違いはこの流路構成の違いによるものと考えられる。流路100及び流路200では、流路300に比較して、狭小部付近への電界集中の度合いが高いことと、また、発生する気体の体積が大きいため発生するプラズマの実質的な体積も大きいことが、プラズマ発光強度の大きい原因であると推定できる。つまり、流路の狭小部から主要部に向けて三次元的に広がる流路を用いることは、発光強度の増大に大きな効果があり、検出感度を向上させる有力な方法といえる。
次に、計測された鉛の発光強度の変動係数を比較すると、流路100を用いた場合が最も小さく、次いで流路300を用いた場合が同程度に小さく、流路200を用いた場合に非常に大きくなることが分かる。ここで、変動係数とは、発光強度の標準偏差を発光強度の平均値で割った値である。変動係数が小さいということは現象再現性がよいということであり、分析手法としては望ましい。発光強度を向上させるだけであれば、流路100と流路200に大きな差はないが、流路200には現象再現性が悪いという大きな問題があることが分かる。
流路100は、流路の接続部が円錐形であり、また主要部が円筒形である軸対称性の高いまっすぐな流路であるのに対して、流路200では、流路の断面の形状がいびつで軸対称性が悪く、曲がっており、断面積変化も大きい流路である。この流路形状の違いが、発光強度の変動係数が大きくなること、つまり現象再現性が悪くなることの原因であると考えられる。
図6Aは、流路100と同様に、接続部が円錐形でかつ主要部が円筒形の流路に、電圧を印加した際の気泡の挙動を高速カメラで撮影した画像の例である。主要部の幅は1.6mmであり、接続部の半頂角は27°である。狭小部の断面は正方形であり、幅は0.2mm、長さは0.64mmとした。図は、電圧1.6kVを18ミリ秒印加した後の様子である。画像中の明るい部分は照明によるものであり、この測定条件では、照明が明るいため、プラズマ発光は顕著に観察されていない。図6Bは図6Aの様子を説明するための模式図である。流路の中央になる狭小部の両側に気泡が発生し、成長していることが分かる。次に示す例に比べ、気泡が安定して成長し、特に流路の上流側である図の右側では流路一杯に広がっており、右端の気液界面も安定していることが分かる。流路の左側でも気泡は安定に成長しており、安定な状態であった。このように気泡の挙動が安定であるため、発光強度の再現性がよい、と考えられる。この画像から推定した気泡の体積は約5μLであり、電圧の印加条件によって大きな違いは生じなかった。
図6Cは、流路200と同様に、流路の狭小部から主要部に向けて三次元的に広がる流路であるが、接続部の広がり方の対称性が悪く、流路の接続部に続く主要部においても軸対称性がなくいびつな流路断面形状を取っており、かつ流路の断面積の変化が大きくかつ大きく曲がっている流路に電圧を印加した際の気泡の挙動を高速カメラで撮影した画像の例である。主要部の幅は1.6mm,全長は10.5mm、高さは5mmであり、狭小部の断面は、幅0.1mmの正方形、狭小部の長さbは0.5mmとした。接続部の角度は45°とした。図は、電圧1.6kVを12ミリ秒印加した後の様子である。図3Bに示す配置で、図の下側から上向きに撮影を行っている。画像中の明るい部分は発光によるものではなく、照明によるものであり、図6Aに比べて暗いのは、照明の多くの部分がコネクタによって遮られたことによるものである。図6Aでは安定した気泡が発生し成長する様子が見られるが、図6Cは明確で安定な気液の界面は観察されず、気液界面が乱れていることが分かる。プラズマ発光は気泡の気液界面の間での放電によるため、安定な気液界面が形成されることは、現象再現性の向上に対して重要であり、対称性の低い流路構成では、気液界面が乱れるため、現象再現性が悪い。
二つの高速カメラの画像を詳細に観察すると、まず、気泡が発生し成長する際に、狭小部から流路の主要部に向けて、気泡が噴出しているような様子が見て取れる。図6Aの場合では、噴出した気泡が千切れることなく、流路の主要部に到達してそこからゆっくり気泡が成長していることが分かる。また、狭小部のプラス極側に相当する左側では、狭小部を出た接続部において、気泡が流路一杯に広がらず、気泡の細い筒状の部を試料溶液が取り囲む形状をしていることが分かる。しかし、図6Cの場合、流路の接続部の対称性が悪いため、噴出した気泡が液体からの非対称な力を受け、気泡が細かく千切れてしまうことが見て取れる。そのため、気泡が安定して成長せず、現象再現性がわるいことが分かる。
また、二つの高速カメラの画像から、電圧印加時に気泡が振動している様子を観察できる。電圧印加時に発生するジュール熱が気泡を大きくする方向に働くのに対して、液の流れは気泡を小さくする方向に働き、流路の形状の影響も含めた流体的な効果の元に、振動が発生していると考えられるが、この際、流路の接続部及び主要部の対称性がよい図6Aでは発生した気泡が千切れないのに対して、流路の対称性が悪い図6Cの場合、振動時に非対称な力が気泡に加わるため気泡が千切れてしまうことが観察された。そのため、気泡が安定して成長せず、現象再現性が悪いことが分かる。
また、図6Cでは、気泡が噴出した際に、発生した気泡に浮力が働き、鉛直上方向に逃げてしまうため、すぐにカメラの焦点範囲からはずれ、気泡が画像から消えてしまうという現象も観察される。流路の主要部の対称性が悪く曲がっているため、気泡に鉛直方向に浮力が加わり、気泡の安定な成長が阻害されることも、現象再現性が悪い原因である。また、狭小部より上流側の流路内で千切れた気泡は、電圧印加パルスの間の時間に、流路の端まで押し流されていないことが分かる。流路が曲がっておりかつ太さが適切でないため、液体の流れが均一ではなく、流速の小さな部分ができ、そこに気泡が入り込んだ場合には、気泡の除去が困難となっていると考えられる。流路内部に残っている気泡は、次の電圧印加時の電界集中度及び発生した気泡の挙動に影響を与えるため、電圧印加毎の現象再現性がさらに悪くなることも分かる。
発生する気泡の体積は、一般に0.1μLから100μL程度であり、典型的には1μLから10μL程度であり、さらに典型的には5μL程度である。流路の曲がりに気泡が入り込む場合には、気泡の断面積より流路断面積の大きい部分では気泡以外の部分を溶液が流れてしまうため気泡が十分に押し出されない、という面もある。発生する気泡の大きさ、又はその体積の2分の1の大きさに対して、流路の幅は同程度か細いことが望ましい。本来狭小部への電界集中度を上げて発光強度を増すためには、流路の主要部を太くすることが望ましいが、現象再現性を確保する目的にはそぐわない場合があることが分かる。気泡を単純に球形と考えた場合、体積100μL、10μL、5μL、2.5μLの場合の直径は、5.8mm、2.7mm、2.1mm、1.7mm程度である。よって流路断面の最大幅が望ましくは5.8mm程度以下、より望ましくは2.7mm程度以下、より望ましくは2.1mm程度以下、より望ましくは1.7mm程度以下であればよい。電圧集中の面から考えると、主要部の幅は大きい方がよいと考えられるため、例えば望ましくは2.7mm程度以下であればよい。また、気泡は流路の鉛直方向に浮力を持ち、流路の鉛直方向の下側から離れやすい性質を持つため、流路の鉛直方向の幅が水平方向の幅と同等もしくは小さいことが望ましい。
液体中に発生した気泡中の放電に関するシミュレーションは、現在のところ現実的に実行することは不可能であり、当然気泡及び液体の流体的な挙動をこの放電のシミュレーションと結び付けて行うことも現実的に不可能であるため、ここで示した気泡の挙動や大きさに関する知見は、これらの実験結果により初めて明らかとなったものである。
本実施例にて例示し説明したとおり、狭小部を設けた流路に導電性液体を満たし、流路に電界を印加して気泡を生じさせ、気泡にプラズマを発生させる分光分析装置において、接続部の形状が円錐形のように対称性が高い形状をとり、流路の主要部の形状が円筒形のような、軸対称性が高く断面形状が変化しない、まっすぐな流路構成を採択することは、検出精度及び再現性を向上させるために有効である。
本実施例では、特定の流路の形態を例に説明したが、本発明の範囲は実施例記載の形態にとどまるものではなく、他の流路形状についても有効である。
[実施例2]
本実施例では、流路を鉛直線と平行に設置する、プラズマ分光分析装置の例を説明する。
図7は、本実施例のプラズマ分光分析装置を構成する流路400の配置の例を説明する図である。流路400は、流路100と同様の形状をもつ流路である。流路400は石英ガラス401の中に作成されている。流路400はその向きが鉛直方向に平行になるように設置されている。図1Bの場合と同様に、流路400の下側端では、コネクタ420を、石英ガラス401にO−リング423を介して押し付ける方法で接続し、外部から液を流す際の液漏れを防いでいる。コネクタ420には電極421、配管接続口422が固定されている。配管接続口422に配管424が接続されている。電極421の先端は、流路400の端に来るようにセットしている。流路400の下側端と同様に、上側端にも、O−リング428、コネクタ425、電極426、配管接続口427、配管429を配置している。
プラズマ分光分析を実施する際には、図2に示したプラズマ分光分析装置の構成例を示す概略図の中で、図1Bに記載の部分を図7記載の部分に置き換え、光ファイバー端143の位置を流路400の位置に合わせて使用した。試料溶液の送液方向は鉛直方向下側から鉛直方向上側になるよう、配管424をシリンジポンプ140に、配管429を廃液回収容器141に、それぞれ接続した。
パルス電圧印加によるプラズマ発生時には、気泡が発生しており、電圧印加パルス毎の現象再現性及びそれに伴う発光強度の再現性を向上させるためには、電圧印加パルスとパルスの間の時間に、直前の電圧印加により発生した気泡を、できる限り除去することが重要である。つまり、発光強度の再現性を上げるためには、流量を大きくかつ電圧印加パルスの間の時間を長くして、電圧印加パルスの間の時間に流れる試料の体積を大きくすればよいと考えられる。しかし、この方法は、分析に使用する試料体積が大きくなってしまうという問題がある。特に、微量体積しかない試料溶液を分析する際には、大きな問題となる。逆にいうと、従来では、微量体積しかない試料溶液を分析する際には、流量もしくは電圧印加パルスの間の時間を大きく取ることはできないため、気泡を除去するには不利な条件、つまり再現性が低下しやすい条件での分析を余儀なくされていた。
図7に示す、流路を鉛直線に平行に設定したプラズマ分光分析装置では、試料溶液の使用量が小さい、再現性が低下しやすい条件でも、高い発光強度を維持でき、かつ発光強度の変動係数が十分に小さい、再現性の高い分析結果を得ることができる。比較のため、図7の流路を水平方向に平行になるように設置して得られた発光計測の結果を合わせて以下に示す。
図8は、実施例1に記載の方法で、鉛100ppmを含む0.1規定の硝酸溶液を試料溶液として流路に供給し、電圧を印加してプラズマ発光を起こし、鉛由来の発光線(405.78nm)の発光強度を計測した結果の例である。試料の流量と、電圧印加パルス間で電圧が印加されていない時間を変数として、流路の設置方向による、発光強度の変動係数を記載している。
比較の対象である、流路の設置方向が水平の場合、流量及びパルス間の時間のいずれも大きい、一番左の条件では、十分に小さな変動係数が得られ、計測される発光強度の再現性は高いが、流量を低下させた真ん中の条件及びパルス間の間隔を短くした一番右の条件では、10%程度にまで変動係数が上昇し、再現性が低下することが分かる。
これに対して、流路の設置方向が鉛直方向に平行の場合、流量及びパルス間の時間のいずれも大きい、一番左の条件では、小さな変動係数が得られ、計測される発光強度の再現性は高く、流量を低下させた真ん中の条件及びパルス間の間隔を短くした一番右の条件でも、変動係数が5%未満に収まり、水平方向に設置した場合に比べて、再現性が比較的高く維持されることが分かる。つまり、この方法によれば、使用する試料の体積を、従来と比較して30%程度、もしくは12%程度に減少させることができ、微量体積しかない試料溶液での計測が容易となる。
流路を鉛直線と平行に設置することで、発生した気泡自身の浮力により、気泡が流路の出口側に向かって動きやすくなることが、この効果の原因の一つである。浮力の効果を大きくするためには、流路の中心を結ぶ線が直線で、この直線が鉛直線と平行であれば最も望ましい。仮に完全に平行でない場合でも、流路の中心を結ぶ線と鉛直線とのなす内角が60°以下であれば、浮力が十分に働き、効果がある。また、狭小部を鉛直線と平行に設置することも効果があり、この場合も仮に完全に鉛直線と平行でなくても、鉛直線となす内角が60°以下であれば十分効果がある。いずれの場合でも、流体の移動方向は鉛直方向下側から上側に設定するのがよい。
本実施例では、特定の流路の形態を例に説明したが、本発明の範囲は実施例記載の形態にとどまるものではなく、他の流路形状についても有効である。
[実施例3]
本実施例では、プラズマ分光分析装置における、他の流路形状の例を説明する。説明の図中に流路形状と共に、流路の狭小部、接続部及び主要部を表示した。
図9Aは、プラズマ分光分析装置を構成する流路の例を説明する図である。この例では、図1Aに記載の流路100と異なり、狭小部の断面を円形とした。また、狭小部の両側に設定される流路の接続部の円筒状の形態を左右で異なる径、長さとなるように調整した。この形状においても、流路の接続部の広がりの対称性は保たれ、流路の主要部の断面形状の変化がなく、流路がまっすぐであるという条件は確保されている。
図9Aに示した流路に特徴的な効果の一つは、狭小部の左右に広がる気泡に合わせた適切なサイズ設計ができることである。図6Aで示した、電圧印加時の気泡の様子から分かる通り、狭小部の両側への気泡の広がり方は一様ではない。狭小部のそれぞれの側の気泡のサイズに合った流路径を選択することで、気泡界面が流路端に設置される電極に到達し、過電流が流れて流路を破損するなどの問題を回避することができる。また、流路の径を調整することで、印加電圧が、溶液ではなく気泡の部分に安定して集中する状態を設定することもでき、再現性の高い分析が可能となる。
図9Bは、プラズマ分光分析装置を構成する流路の別な例を説明する図である。この例では、図1Aに記載の流路100と異なり、狭小部の両側にある流路の主要部を円筒状ではなく実質的に円錐状とした。実質的に円錐状とは、円錐状、楕円錐状、多角錐状などのように、軸対称性がある程度高く、軸に沿って断面積が単調に変化する形状を指す。この形状においても、流路の接続部の広がりの対称性は保たれ、流路がまっすぐであるという条件は確保されている。
図9Bに示した流路に特徴的な効果の一つは、狭小部の左右に広がる気泡の体積が多少変化した場合にも、狭小部の両側にできる気液界面間の距離が影響を受けにくく、電圧印加パルス毎の発光強度の再現性が向上することである。狭小部から離れるにつれ、流路の断面積が大きくなるため、気泡の体積が増えた場合でも、気液界面間の距離は体積に比例するよりも小さい程度にしか影響を受けない。気泡内の放電現象は、気泡内に印加される電界強度に大きく影響を受け、これは気液界面間の距離に依存するため、気液界面の距離が大きく変化しないことは、発光強度の再現性向上に効果があり、再現性の高い分析が可能となる。
同様の効果として、適用できる電圧印加条件の幅が広くなることがあげられる。一般に電圧印加の条件を変更すると気泡のサイズが変わるため、最適な流路長さは印加電圧の条件によって異なるが、この流路では気泡のサイズ変化の気液界面間距離への影響が比較的小さいため、電圧印加条件を変更したときの影響が小さい。
図9Cは、プラズマ分光分析装置を構成する別な流路の例を説明する図である。この例では、図1Aに記載の流路100と異なり、狭小部及び流路の接続部、流路の主要部の流路断面を正六角形とした。この形状においても、流路の接続部の広がりの対称性は保たれ、流路の主要部の断面形状の変化がなく、流路がまっすぐであるという条件は確保されている。
図9Cに示した流路に特徴的な効果の一つは、流路作成の際に別な作成方法を選択できることである。流路100のような円筒形状の流路を作成する場合、最も一般的な手段はドリルによる加工である。流路100の形状を選択する効果の一つに、ドリル加工が採用できることにより流路の加工コストを低くでき、分析装置のコストを下げられることがあるが、切削時に出る削りかすが、流路の狭小部に詰まり洗浄が困難になることがあることや、流路内面を十分に滑らかに研磨することが難しいことなどの問題がある。流路断面を多角形にすることで、流路中心軸を含む平面で流路を2つに分けた形状を切削により加工することが容易になり、のちにこの2つの部分を張り合わせて流路を完成させることで、上記の問題を回避できる。この例では正六角形の流路断面を示したが、四角形、八角形等他の多角形の流路断面を採用することも有効である。
図9Dは、プラズマ分光分析装置を構成する別な流路の例を説明する図である。この例では、図1Aに記載の流路100と異なり、狭小部に対して、流路の主要部が少し傾いて接続している。狭小部の端部を流路の接続部及び主要部と同様に傾けることにより、この形状においても、流路の接続部の広がりの対象性は保たれている。また、流路の主要部の断面形状の変化がなく、流路の曲がりが十分に小さいという条件は確保されている。
図9Dに示した流路に特徴的な効果の一つは、狭小部を、流路を構成する材料の壁の近くに設定することが容易となることである。図1A及び図9A、図9B、図9Cに示した流路に比較して、流路の形状が異なるため、それぞれの狭小部から見て図の下側にある流路を構成する材料の厚みを薄くすることが可能である。プラズマの発光は、発光場所から全ての方向に均等に向かっていると考えられ、受光できる光量は、発光場所からの距離の2乗に反比例すると考えられるので、狭小部を壁近くに設定することで、受光部を発光部に近づけることができ、検出感度を向上させることができる。仮に、流路を構成する材料の壁近傍に光ファイバー端を配置して受光を行う例について考えると、図1Aに示した流路100で2.5mm程度、図9Dに示した流路で0.5mm程度の距離になると考えられるので、図9Dの流路で受光できる光量は図1Aの流路の25倍になり、検出感度の増大に大きな効果がある。
図9Eは、プラズマ分光分析装置を構成する別な流路の例を説明する図である。この例では、図1Aに記載の流路100と異なり、狭小部の中心軸と流路の主要部の中心軸がずれている。ずれの大きさとずれ方向の主要部の流路断面の幅の比は2分の1以下である。流路の主要部の断面形状の変化がなく、流路がまっすぐであるという条件は確保されている。
図9Eに示した流路に特徴的な効果の一つは、図9Dに記載の流路と同様に、狭小部を、流路を構成する材料の壁の近くに設定することが容易となることである。図1A及び図9A、図9B、図9Cに示した流路に比較した場合、流路の膨らみ方が異なるため、それぞれの狭小部から見て図の下側にある、流路を構成する材料の厚みを薄くすることが可能で、その結果、図9Dと同様に、検出感度を向上することができる。また、図9Dに記載の流路に比べた場合、流路の構成が単純で、流路の加工費用が低くなるという効果がある。図3Aに記載の流路と比較した場合、流路に曲がりがないため、電圧印加により発生する気泡を、電圧パルス間の時間で、試料溶液の流れによって除去することが容易であり、発光強度の再現性が向上するという効果がある。
本実施例では、プラズマ分光分析装置における、流路形状の例を説明したが、本発明はこの実施例に記載の流路形状のみに限定されるものではない。また、流路の設置方向については言及していないが、流路を鉛直方向に設置して使用することも可能であり、有効である。
[実施例4]
本実施例では、狭小部以外を計測対象領域とする、プラズマ分光分析装置の例を説明する。
図10Aは、図1Aに示した流路100での原子発光の分布の例を示す図である。鉛100ppmを含む0.1規定の硝酸溶液を試料溶液とし、1.6kVの電圧を20ミリ秒印加した。図中左側をプラス極、右側をマイナス極として電圧を印加している。鉛の原子発光(405.78nm)を透過する、中心波長405nmで半値幅が10nmのバンドパスフィルター越しに、発光分布を計測した。鉛を含まない0.1規定の硝酸溶液を試料溶液として同様の条件で計測したものを背景光と考え、得られた発光分布から差分して、鉛の原子発光のみの分布を得ている。この鉛の原子発光分布を見ると、狭小部に隣接する、プラス極側の流路の接続部に強い発光が見られることが分かる。そのため、これまで行われてきた狭小部を計測対象領域とする計測よりも、接続部、特にプラス極側の接続部を計測対象領域とする計測の方が、感度が高く有利であることが分かる。
図10Bは、流路100での原子発光と背景光の強度比の分布の例を示す図である。前段落で説明したやり方で得られた、鉛の原子発光の強度と背景光の強度の比を図示したものであり、背景光強度に対する原子発光強度の比が大きいほど白色が強くなるように表示している。この強度比の分布を見ると、狭小部よりも、狭小部に隣接する、プラス極側の流路の接続部で高い比が見られることが分かる。原子発光と背景光の強度の比が高い方が、高感度計測には有利であるため、これまで行われてきた狭小部を計測対象領域とする計測よりも、狭小部に隣接する領域、特にプラス極側の接続部を計測対象領域とする計測の方が、感度が高く有利であることが分かる。また、この分布を図6A及び図6Bに示した高速カメラの画像と重ねあわせると、プラス極側の接続部付近の気液界面の分布と同じであることが分かる。そのため、狭小部に隣接する領域、特にプラス極側の接続部の気液界面付近で計測することは、高感度計測に有利であることが分かる。気液界面は流路の狭小部を延長した部分よりも流路の壁に近いところに存在しているため、特にプラス極側の接続部のうち、流路の中心を除く、流路の壁に近いところで計測することが、高感度計測に有利であることが分かる。
ここで説明した効果が、電圧の印加方向に依存することは、電圧の印加方向を反転する実験を行った場合、今度は狭小部の右側に発光強度の高い領域が現れることで確認できている。プラス極側に特に顕著に効果が見られる原因の一つに、図6Aで示すような特徴的な気液界面の形成が挙げられる。この特徴的な気液界面が形成される理由の一つは、電圧印加によって流路の内壁に沿って生じる電気浸透流の向きがプラス極側からマイナス極側の方向であり、壁に沿って溶液がプラス極側から狭小部に向かって押されていることに一員があると考えられる。
図10A、図10Bに例示される効果は、図1Aに示した流路100のみに限定されるものではない。同じ実験を図3Aに示した流路200に対して行い、流路の底面側から得られた原子発光分布を図11Aに、得られた原子発光と背景光の強度比の分布を図11Bに、それぞれ示す。図11Aの鉛の原子発光分布を見ると、狭小部でも発光は確認できるが、プラス極側の流路の接続部に強い発光が見られることが分かる。また、図11Bの鉛の原子発光の強度と背景光の強度の比をみると、図10Bと同様の分布が得られていることが分かる。
また、平面状の流路に対しても、同様の効果が得られることが分かっている。接続部の接続角度を45°とした図4Aの流路300に対して、同様の実験を行い、流路の底面側から得られた原子発光分布を図12Aに、得られた原子発光と背景光の強度比の分布を図12Bに、それぞれ示す。ここでは、2.5kVの電圧を1.8ミリ秒印加した。図12Aの鉛の原子発光分布を見ると、狭小部でも大きな発光は確認できるが、プラス極側の流路の接続部でも同様の強度の原子発光が見られることが分かる。また、図12Bの鉛の原子発光の強度と背景光の強度の比をみると、図10Bと同様に、原子発光と背景光の強度比が高い領域が、プラス極側の接続部にあることが分かる。よって、流路100、200の場合と同様に、狭小部に隣接した、プラス極側の接続部を計測領域とすることで、これまで行われてきた狭小部を計測対象領域とする計測よりも、高感度な計測が可能となることが分かる。
[実施例5]
本実施例では、流路の狭小部を鉛直線と平行に設置する、プラズマ分光分析装置の例を説明する。
図13は、本実施例のプラズマ分光分析装置を構成する流路500の配置の例を説明する図である。流路500は、流路200と同様の形状をもつ流路である。流路500は石英ガラス501の中に作成されている。流路500はその狭小部の向きが鉛直方向に平行になるように設置されている。図3Bの場合と同様に、流路500の下側端では、コネクタ520を、石英ガラス501にO−リング523を介して押し付ける方法で接続し、外部から液を流す際の液漏れを防いでいる。コネクタ520には電極521、配管接続口522が固定されている。配管接続口522に配管524が接続されている。電極521の先端は、流路500の端に来るようにセットしている。流路500の下側端と同様に、上側端にも、O−リング528、コネクタ525、電極526、配管接続口527、配管529を配置している。
プラズマ分光分析を実施する際には、図2に示したプラズマ分光分析装置の構成例を示す概略図の中で、図1Bに記載の部分を図13記載の部分に置き換え、光ファイバー端143の位置を流路500の位置に合わせて使用した。試料溶液の送液方向は鉛直方向下側から鉛直方向上側になるよう、配管524をシリンジポンプ140に、配管529を廃液回収容器141に、それぞれ接続した。
この実施例では、流路を鉛直線にした場合の電極の極性を含めて検討するため、鉛直向き上側の電極526をプラス極にした場合とマイナス極にした場合とを比較した。図13の流路を水平方向に平行になるように設置して得られた発光計測の結果を合わせて以下に示す。
図14は、実施例1に記載の方法で、鉛1ppmを含む0.1規定の硝酸溶液を試料溶液として流路に供給し、800Vの電圧を2ミリ秒印加してプラズマ発光を起こし、鉛由来の発光線(405.78nm)の発光強度を計測した結果の例である。流路の配置と、鉛直に設置した場合には上側の電極の極性を変数として、発光強度の変動係数を記載している。
流路の設置方向が水平の場合、発光強度の変動係数は大きく、再現性が低い結果が得られる。流路の軸対称性の低さが原因の一つである。これに対して、流路の設置方向が鉛直方向に平行の場合、電極の配置がいずれの場合にも、流路の設置方向が水平な場合よりも、発光強度の変動係数が小さく、再現性の高い結果が得られる。つまり流路の設置方向を鉛直方向に平行にすることによって、再現性を向上することが出来る。
さらに、鉛直向き上側の電極526の極性をプラス極にした場合に比べて、マイナス極にした場合の方が、変動係数が小さく、再現性の高い結果を得られる。電極の極性の再現性への影響についてはいろいろな可能性が考えられるが、その一つに気泡の発生は、マイナス極の方が、プラス極より多いということがあげられる。電圧印加によって発生する気泡を流路に停滞させてないことが再現性を向上する大きな要因であるため、マイナス極側で発生する気泡が流路に入りこまない、鉛直向き上側の電極がマイナス極の場合の方が再現性がよいと考えられる。
本実施例では、特定の流路の形態を例に説明したが、本発明の範囲は実施例記載の形態にとどまるものではなく、他の流路形状についても有効である。
なお、本発明は、上記した実施例に限定されるものではなく、様々な変形例が含まれる。例えば、上記した実施例は本発明を分かりやすく説明するために詳細に説明したものであり必ずしも説明した全ての構成を備えるものに限定されるものではない。また、ある実施例の構成の一部を他の実施例の構成に置き換えることが可能であり、また、ある実施例の構成に他の実施例の構成を加えることも可能である。また、各実施例の構成の一部について、他の構成の追加・削除・置換をすることが可能である。
また、上記実施例では、限定された元素、溶液組成、計測条件を例として用いて説明を行ったが、本発明は実施例に記載の元素、溶液組成、計測条件に限定されるものではない。
100,200,300,400 流路
101,201,301,401 石英ガラス
120,125,220,225,320,325,420,425,520,525 コネクタ
121,126,221,226,321,326,421,426,521,526 電極
122,127,222,227,322,327,422,427,522,527 配管接続口
123,128,223,228,323,328,423,428,523,528 O−リング
124,129,224,229,324,329,424,429,524,529 配管
140 シリンジポンプ
141 廃液回収容器
143 光ファイバー端
144 光ファイバー
145 分光器
146 撮像装置
150 コンピュータ
147,148,149,151,153 信号線
152 電源
154 電流計
155,156 高圧電線

Claims (16)

  1. 小さな流路断面を有する狭小部と、前記狭小部より大きな流路断面を有する主要部と、前記狭小部と前記主要部とを接続する接続部とを有し、試料溶液が供給される流路と、
    前記狭小部を挟んで配置され前記流路に電圧を印加するための一対の電極と、
    前記電圧印加によって前記流路に生じた気泡中に発生するプラズマ発光を分光して計測する計測部とを有し、
    前記接続部が実質的に円錐形であり、前記主要部が実質的に円筒形であることを特徴とする、プラズマ分光分析装置。
  2. 前記流路の接続部の中心軸に垂直な流路断面において、中心を通る最も長い線分と最も短い線分の長さの比が2対1以下であることを特徴とする請求項1に記載のプラズマ分光分析装置。
  3. 前記主要部の流路断面において、中心を通る最も長い線分と最も短い線分の長さの比が2対1以下であることを特徴とする請求項1に記載のプラズマ分光分析装置。
  4. 前記主要部の中心を結ぶ線に垂直な流路断面積の変化が2倍以下であることを特徴とする、請求項1に記載のプラズマ分光分析装置。
  5. 前記主要部の中心を結ぶ線の曲がりが60°以下であることを特徴とする請求項1に記載のプラズマ分光分析装置。
  6. 前記狭小部の中心軸と前記主要部の中心軸の位置のずれの大きさとそのずれ方向の前記主要部の流路断面の幅の比が2分の1以下であることを特徴とする請求項1に記載のプラズマ分光分析装置。
  7. 前記主要部の鉛直方向の幅が水平方向の幅と同等もしくは前記水平方向の幅より小さいことを特徴とする請求項1に記載のプラズマ分光分析装置。
  8. 小さな流路断面を有する狭小部と、前記狭小部より大きな流路断面を有する主要部と、前記狭小部と前記主要部とを接続する接続部とを有し、試料溶液が供給される流路と、
    前記狭小部を挟んで配置され前記流路に電圧を印加するための一対の電極と、
    前記電圧印加によって前記流路に生じた気泡中に発生するプラズマ発光を分光して計測する計測部とを有し、
    実質的に鉛直線と平行となるように前記流路を設置したことを特徴とするプラズマ分光分析装置。
  9. 前記流路の中心を結ぶ線が直線であり、前記直線が鉛直線と平行であるように流路を設置したことを特徴とする請求項8に記載のプラズマ分光分析装置。
  10. 前記流路の中心を結ぶ線と鉛直線とのなす最大の内角が60°以下であるように流路を設置したことを特徴とする請求項8に記載のプラズマ分光分析装置。
  11. 前記狭小部を鉛直線となす最大の内角が60°以下であるように設置したことを特徴とする請求項8に記載のプラズマ分光分析装置。
  12. 流体の移動方向が鉛直下側から鉛直上側であることを特徴とする請求項8に記載のプラズマ分光分析装置。
  13. 鉛直上側の電極がマイナス極であり、鉛直下側の電極がプラス極であることを特徴とする請求項8に記載のプラズマ分光分析装置。
  14. 小さな流路断面を有する狭小部と、前記狭小部より大きな流路断面を有する主要部と、前記狭小部と前記主要部とを接続する接続部とを有し、試料溶液が供給される流路と、
    前記狭小部を挟んで配置され前記流路に電圧を印加するための一対の電極と、
    前記電圧印加によって前記流路に生じた気泡中に発生するプラズマ発光を分光して計測する計測部とを有し、
    前記計測部は、前記狭小部に隣接する領域を計測の対象とすることを特徴とするプラズマ分光分析装置。
  15. 前記狭小部から見てプラス極側の前記接続部を計測の対象とすることを特徴とする請求項14に記載のプラズマ分光分析装置。
  16. 前記狭小部から見てプラス極側の接続部のうち前記狭小部の延長領域を除いた領域を計測の対象とすることを特徴とする請求項14に記載のプラズマ分光分析装置。
JP2012050497A 2012-03-07 2012-03-07 プラズマ分光分析装置 Expired - Fee Related JP5798953B2 (ja)

Priority Applications (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2012050497A JP5798953B2 (ja) 2012-03-07 2012-03-07 プラズマ分光分析装置
US14/383,119 US9804094B2 (en) 2012-03-07 2012-11-20 Plasma spectrometer
PCT/JP2012/080524 WO2013132706A1 (ja) 2012-03-07 2012-11-20 プラズマ分光分析装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2012050497A JP5798953B2 (ja) 2012-03-07 2012-03-07 プラズマ分光分析装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2013185918A JP2013185918A (ja) 2013-09-19
JP5798953B2 true JP5798953B2 (ja) 2015-10-21

Family

ID=49116205

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2012050497A Expired - Fee Related JP5798953B2 (ja) 2012-03-07 2012-03-07 プラズマ分光分析装置

Country Status (3)

Country Link
US (1) US9804094B2 (ja)
JP (1) JP5798953B2 (ja)
WO (1) WO2013132706A1 (ja)

Families Citing this family (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP6498959B2 (ja) * 2014-02-21 2019-04-10 アークレイ株式会社 プラズマ分光分析方法
JP6480210B2 (ja) 2014-02-28 2019-03-06 アークレイ株式会社 プラズマ発生用チップ、プラズマ発生装置およびプラズマ分光分析方法
JP6480211B2 (ja) * 2014-02-28 2019-03-06 アークレイ株式会社 プラズマ発生用チップ、プラズマ発生装置およびプラズマ分光分析方法
US10180425B2 (en) * 2014-09-10 2019-01-15 Konica Minolta Laboratory U.S.A., Inc. SPFS biosensor based on nucleic acid ligand structural change
DE102015210123B4 (de) * 2015-06-02 2022-03-17 Deutsches Zentrum für Luft- und Raumfahrt e.V. Messsystem zur Gasanalyse sowie Verfahren zur Gasanalyse
CN108781499B (zh) * 2016-03-14 2020-09-29 株式会社富士 等离子发生装置

Family Cites Families (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US3144551A (en) * 1960-03-28 1964-08-11 Atomic Energy Authority Uk Beryllium monitor means utilizing an electric arc and spectrum analyzer
JPH04366749A (ja) * 1991-06-14 1992-12-18 Hitachi Ltd レ−ザブレイクダウン微粒子計測システム
JP3052665B2 (ja) * 1993-01-26 2000-06-19 株式会社日立製作所 フローセル装置
US5407638A (en) * 1993-04-28 1995-04-18 Shell Oil Company Detector-cell adapted for continuous-flow absorption detection
JPH10300671A (ja) 1997-04-22 1998-11-13 Yokogawa Electric Corp 微粒子計測装置
US7875825B2 (en) * 2004-03-25 2011-01-25 Japan Advanced Institute Of Science And Technology Plasma generating equipment
JP2010197358A (ja) * 2009-02-27 2010-09-09 Tokai Kogaku Kk 分光分析装置及び元素分析装置
JP5530222B2 (ja) * 2010-03-02 2014-06-25 国立大学法人北陸先端科学技術大学院大学 プラズマ発生手段、プラズマ発生装置及び元素分析方法

Also Published As

Publication number Publication date
WO2013132706A1 (ja) 2013-09-12
US20150015880A1 (en) 2015-01-15
US9804094B2 (en) 2017-10-31
JP2013185918A (ja) 2013-09-19

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5798953B2 (ja) プラズマ分光分析装置
JP5705591B2 (ja) プラズマ分光分析装置
RU2637795C2 (ru) Анализ образцов для масс-цитометрии
US6621077B1 (en) Apparatus and method for atmospheric pressure-3-dimensional ion trapping
EP1102986B8 (en) Apparatus and method for atmospheric pressure 3-dimensional ion trapping
CN108885189A (zh) 通过微流体自由流电泳分离和分析样品
JP5530222B2 (ja) プラズマ発生手段、プラズマ発生装置及び元素分析方法
WO2015152003A1 (ja) 孔形成方法及び測定装置
US20240151630A1 (en) Microparticle sorting device, microparticle sorting system, droplet sorting device, droplet control device, and droplet control program
JP2013536936A (ja) 発光分光分析のための改良型放電箱
JP6539023B2 (ja) 粒子分析装置
EP3650841A1 (en) Method and device for the spectral analysis of a chemical composition of molten metals
CN111316088A (zh) 火花发射光谱仪及其操作方法
WO2010079586A1 (ja) 光計測装置及び検体識別分注装置
US9068892B2 (en) Method for the emission analysis of the elemental composition of liquid media
JPWO2018047441A1 (ja) 微小粒子測定装置及び微小粒子測定方法
AU2016393383A2 (en) Apparatus and method for analyzing a process slurry flow sample
WO2018147462A1 (ja) 粒子検出装置及び粒子検出方法
WO2018110699A1 (ja) 磁場生成装置、測定セル、分析装置、及び粒子分離装置
JP6654761B2 (ja) 画像解析型の粒度分布測定装置
Zhu et al. Improving the sensitivity of confocal laser induced fluorescence detection to the sub-picomolar scale for round capillaries by laterally shifting the laser focus point
JP7320454B2 (ja) 流体特性の横方向検出
RU183650U1 (ru) Устройство для оптической эмиссионной спектроскопии жидкостей
JP6480211B2 (ja) プラズマ発生用チップ、プラズマ発生装置およびプラズマ分光分析方法
AU2016102390A4 (en) Apparatus and method for analyzing a process slurry flow sample

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20140718

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20150728

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20150824

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 5798953

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

S531 Written request for registration of change of domicile

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313531

S533 Written request for registration of change of name

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313533

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees