JP4915697B2 - 液中プラズマを用いた成膜方法および液中プラズマ成膜装置 - Google Patents

液中プラズマを用いた成膜方法および液中プラズマ成膜装置 Download PDF

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Description

本発明は、液体中で発生させたプラズマを用いた成膜方法および本成膜方法に用いられる成膜装置に関するものである。
従来から、プラズマを用いた成膜方法として気相プラズマによる蒸着が幅広く行われている。しかし、気相プラズマでは、原料を気体の状態で供給するため、物質密度が低く、成膜速度を向上させることが困難であった。そこで、液体中でプラズマを発生させることで物質密度の高い液体の状態で原料を供給することができる液中プラズマを用いた成膜方法が、注目されている。
液中プラズマを用いた成膜方法は、たとえば、特許文献1および特許文献2に開示されている。これらの特許文献では、常温常圧において液体状態で存在するドデカン(C1226)に超音波を用いて気泡を発生させるとともに、気泡が発生している位置に電磁波を照射して、気泡中に高エネルギーのプラズマを発生させている。このとき、ドデカンは、気泡の内部で気体の状態で存在し、プラズマにより励起される。そして、気泡を基材に接触させることにより、基材の表面に炭素が堆積し、非晶質炭素膜が高速成膜される。
特開2003−297598号公報 特開2004−152523号公報
ところで、非晶質炭素膜にクロム、チタン、タングステン等の金属元素などを添加することで、非晶質炭素膜の特性が向上することが知られている。そのため、液体中で発生させたプラズマを用いる成膜方法においても、金属を含有する非晶質炭素膜の成膜が望まれる。しかしながら、この成膜方法は、上述のように、液体を原料の供給源としており、金属材料を原料の供給源として用いることはこれまで成されていない。また、今後、液中プラズマを用いた成膜方法において、金属材料のみならず、液体で供給することのできない原料を含む被膜の形成が求められると考えられる。
そこで、本発明は、液中プラズマを用いる成膜において、液体のみならず固体をも原料とした膜を基材の表面に成膜できる成膜方法および本成膜方法に用いることができる成膜装置を提供することを目的とする。
本発明の液中プラズマを用いた成膜方法は、
第一の原料を含む液体中に、第二の原料を含む固体からなる供給源と基材とを互いに対向させて配設する配設工程と、
前記供給源と前記基材との間を連続して接続する気相空間を形成する気相空間形成工程と、
前記供給源を溶融および/または蒸発させることで前記第二の原料を前記液体および/または前記気相空間中に供給する第二原料供給工程と、
前記第一の原料からなるプラズマまたは該第一の原料と前記第二の原料とからなるプラズマを前記気相空間に発生させるプラズマ発生工程と、
を経て、前記基材の表面に前記第一の原料および前記第二の原料の分解成分を堆積させることを特徴とする。
なお、気相空間形成工程、第二原料供給工程およびプラズマ発生工程のうちの2以上の工程は、同時に行われてもよい。
また、本発明は、上記本発明の液中プラズマを用いた成膜方法に用いられる成膜装置であって、
第一の原料を含む液体を入れる容器と、
第二の原料を含む固体からなり、前記液体中で基材と対向させて前記容器内に配設される供給源と、
前記供給源と前記基材との間を連続して接続する気相空間を形成する気相空間形成手段と、
前記供給源を溶融および/または蒸発させることで前記第二の原料を前記液体および/または前記気相空間中に供給する第二原料供給手段と、
前記第一の原料からなるプラズマまたは該第一の原料と前記第二の原料とからなるプラズマを前記気相空間に発生させるプラズマ発生手段と、
を備え、前記基材の表面に前記第一の原料および前記第二の原料の分解成分を堆積させることを特徴とする成膜装置であってもよい。
本発明の液中プラズマを用いた成膜方法によれば、第二原料供給工程において、第二の原料を含む固体からなる供給源を溶融および/または蒸発させる。供給源が溶融および/または蒸発することで、第二の原料は、液体および/または気相空間中に供給され、プラズマ発生工程においてプラズマ状態となる。液体中に供給された第二の原料は、液体とともに気相空間中に取り込まれ、プラズマ発生工程において第一の原料とともにプラズマ状態になる。
しかし、第二の原料は、固体に含まれるため、液体に含まれる第一の原料と比較して、第二の原料をプラズマ状態で気相空間内部に留めておくことが困難である。そのため、気相空間が供給源から離れた位置にある場合には、プラズマは弱まり、第二の原料が液体中に分散しやすくなる。本発明の成膜方法では、気相空間形成工程で形成される気相空間は、供給源と基材との間を連続して接続するため、第二の原料は気相空間中でプラズマ状態を維持しやすく、液体中への分散が抑制される。その結果、液体から供給された第一の原料のみならず固体の供給源から供給された第二の原料も、基材の表面に堆積させることが可能となる。
また、本発明の液中プラズマを用いた成膜方法において、気相空間形成工程、第二原料供給工程およびプラズマ発生工程は、ともに、供給源に高周波電力を印加することで併行する工程であってもよい。供給源に高周波電力を印可するだけで、気相空間の形成、第二の原料の供給およびプラズマの発生を同時に行うことができる。
以下に、本発明の液中プラズマを用いた成膜方法および液中プラズマ成膜装置を実施するための最良の形態を説明する。
[液中プラズマを用いた成膜方法]
本発明の液中プラズマを用いた成膜方法(以下「本発明の成膜方法」と略記)は、主として、配設工程と、気相空間形成工程、第二原料供給工程およびプラズマ発生工程と、を経て、基材の表面に第一の原料および第二の原料の分解成分を堆積させる。
配設工程では、第一の原料を含む液体中に、第二の原料を含む固体からなる供給源と基材とを互いに対向させて配設する。第一の原料および第二の原料は、それらの分解成分が形成される膜の成分とほぼ一致するため、目的の膜の種類に応じて選択すればよい。
たとえば、非晶質炭素膜を成膜する場合には、第一の原料として、常温常圧で液状である有機化合物を用いるとよい。有機化合物としては、ドデカン等の炭化水素、エチルエーテル、テトラヒドロフラン等のエーテル、メタノール、エタノール等のアルコール、フェノール(芳香族炭化水素核の1以上の水素原子を1以上の水酸基で置換した石炭酸(COH)以外の化合物も含む)等が挙げられる。これらの有機化合物は、単独で用いてもよし、2種以上を混合して用いてもよい。また、酸化珪素膜を成膜する場合には、珪素を含む有機化合物を用いればよく、具体的には、シリコーンオイル等のシリコーン化合物が挙げられる。なお、常温常圧で液状でない有機化合物であっても、水やアルコール、エーテル等に可溶であれば第一の原料を含む液体として使用可能である。
添加元素を含有する非晶質炭素膜を成膜する場合には、アルコールなどの第一の原料とともに、添加元素からなる第二の原料を用いるのが望ましい。たとえば、添加元素が金属元素の場合には、第二の原料は、銅、アルミニウム、鉄、タングステン、銀、モリブデン、金、白金、チタンおよびクロムのうちの少なくとも1種を含む金属材料であるのが望ましい。第二の原料は、これらの金属の他、炭素、珪素などを含有してもよい。
配設工程では、供給源と基材とが互いに対向するように、液体中に配設される。供給源と基材との具体的な配置については、[液中プラズマ成膜装置]において後述する。
気相空間形成工程では、供給源と基材との間を連続して接続する気相空間を形成する。気相空間を形成する方法のひとつとして、液体を加熱する方法がある。液体を加熱することにより、液体を沸騰させて液体中に気泡を発生させる。その気泡により気相空間を形成すればよい。液体を加熱する具体的な方法としては、液体中に発熱体を設け、液体を加熱する方法が挙げられる。このとき、気泡は、必ずしも供給源と基材との間に形成されないため、液体を対流させるなどして気泡を所望の位置に移動させるとよい。一方、供給源および/または基材そのものを発熱体として利用することも可能であり、供給源および/または基材を昇温させて液体を加熱してもよい。供給源および/または基材は、通電加熱、誘導加熱などの方法で昇温させることが可能である。供給源および/または基材を昇温させる方法は、気泡が供給源と基材との間に形成されやすいため望ましい。
また、気相空間形成工程は、液体中に超音波を付与して発生させた気泡により気相空間を形成する工程であってもよい。
第二原料供給工程は、供給源を溶融および/または蒸発させることで第二の原料を液体および/または気相空間中に供給する。第二原料供給工程では、第二の原料を液体および/または気相空間中に供給することで、プラズマ発生工程において第二の原料からなるプラズマの発生を容易にさせる。
供給源を溶融および/または蒸発させる方法のひとつとして、供給源を加熱する方法がある。供給源を所定の温度以上に加熱することで供給源を溶融および/または蒸発させればよい。たとえば、供給源にレーザを照射することで、供給源は加熱される。また、レーザの種類や強度を適宜選択して供給源を局所的に加熱することで、固体からなる供給源の表面から原子、イオン、分子、クラスターなどを容易に飛散させられる(レーザアブレーション)。
また、後に詳説するプラズマ発生工程において気相空間にプラズマが発生するが、本発明の成膜方法では、大気圧の近傍(0.01〜1013hPa)の気相空間でプラズマを発生させることができる。このとき発生するプラズマの密度は高く、プラズマの温度は非常に高くなる(約5000K)ことが知られている。そのため、気相空間中のプラズマを供給源に接触させることで、供給源をプラズマの熱により加熱することが可能となる。この際、気相空間形成工程において供給源を昇温させることで気泡を供給源の表面から発生させると、供給源とプラズマとが高い頻度で接触するため、気相空間の供給源側がプラズマの熱により良好に加熱される。
また、供給源と基材との間に電圧を印可することにより、供給源を溶融および/または蒸発させることも可能である。たとえば、供給源と基材との間に電圧を印可すると放電が起きるが、気相空間が大気圧の近傍である場合には、電子なだれが生じやすい。その結果、局所的に大電流が流れる。大電流が流れると、ジュール熱が発生する。このジュール熱により供給源を加熱することが可能となる。この際、気相空間形成工程において供給源を昇温させることで気泡を供給源の表面から発生させると、供給源と気相空間とが高い頻度で接触するため、供給源がジュール熱で加熱されやすい。また、第二原料供給工程は、プラズマ発生工程で発生するプラズマに含まれるイオンを電界により加速し、そのイオンからの衝撃により供給源の表面から気相空間に原子を飛散させる(スパッタリング)工程であってもよい。なお、印可される電圧は、直流と交流のいずれであってもよい。交流が印可されても、鉄系材料のようなスパッタされにくい種類の基材を適宜選択することで、基材に対するスパッタリングが抑制される。
プラズマ発生工程は、第一の原料からなるプラズマまたは第一の原料と第二の原料とからなるプラズマを気相空間に発生させる。気相空間の内部では、少なくとも第一の原料が高温高圧の気体状態で存在し、プラズマが発生しやすい状態にある。そのため、プラズマは、気相空間に電磁波を照射することで、容易に発生する。電磁波としては、中波、短波、マイクロ波などの電波や赤外線、可視光、紫外線、エックス線などが望ましい。中でも、電波を用いるのが好ましく、望ましい電波の振動数の範囲は13MHz〜2.5GHzである。
また、本発明の成膜方法は、供給源に高周波電力を印加することで、気相空間形成工程、第二原料供給工程およびプラズマ発生工程を併行することができる。高周波電力を用いた本発明の成膜方法については、[液中プラズマ成膜装置]の欄で詳説する。なお、高周波電力を用いる場合には、上述のレーザを併用することで、供給源の溶融および/または蒸発を促進させてもよい。さらに、配設工程において第三の原料を含む固体からなる他の供給源を第二の原料を含む固体からなる供給源と隣接させて配設し、他の供給源をレーザにより加熱して第三の原料を液体および/または気相空間に供給してもよい。
気相空間の内部に発生した第一の原料からなるプラズマまたは第一の原料と第二の原料とからなるプラズマは、気相空間が供給源と基材との間で連続して両者を接続したときに、基材の表面に接触する。プラズマ状態に活性化された原料は、基材の表面に堆積する。なお、第一の原料や第二の原料がプラズマにより活性化されて基材の表面に堆積する原理は、従来のプラズマCVD法と同様である。また、第二の原料からなるプラズマが形成されない場合であっても、溶解した第二の原料が基材の表面に直接付着することにより第一の原料とともに第二の原料が基材の表面に堆積する。
以下に、本発明の成膜方法に用いられる液中プラズマ成膜装置(以下「本発明の成膜装置」と略記)を説明する。
[液中プラズマ成膜装置]
図1は液中プラズマ成膜装置の一例を示す説明図、図2は液中プラズマ成膜装置において高周波電源装置を用いた場合の高周波回路の一例を示す回路図である。なお、図1および図2は、本発明の液中プラズマを用いた成膜方法に用いられる液中プラズマ成膜装置の一例を示す図であって、図に示される形態に限定されるものではない。
液中プラズマ成膜装置は、第一の原料を含む液体Lを入れる容器3と、第二の原料を含む固体からなる供給源1と、を備える。液体Lの種類については、既に述べた通りである。液体Lを入れる容器としては、成膜処理中、液体Lを良好に保持できる容器であれば、その形状や材質に特に限定はない。
供給源1は、第二の原料を含む固体からなり、液体L中で基材4と対向させて容器3内に配設される。供給源1の材質、すなわち、第二の原料の種類については、既に述べた通りである。供給源1は、液体L中で基材4と対向するように配設されればよいが、基材4の配置位置よりも鉛直上方に配設されてもよい。供給源4から供給された第二の原料のうちの液中に分散した第二の原料を、重力の作用により基材4側に分散させやすくするためである。また、気相形成手段(後述)により形成される気相空間Gが上方へと移動しやすいため、新たな気相空間が形成される空間が確保されて、成膜効率が高まるためである。その他、供給源1は、基材4の配置位置よりも鉛直下方に配設(図1)されてもよいし、鉛直線に対して基材4とほぼ同じ位置(たとえば図1を90°回転させた状態)に配設されてもよい。また、図1では、1つの容器3に対して、供給源1が1つ配置されているが、複数個ならべて配置してもよい。
基材4の種類や形状に特に限定はなく、金属製の基材のほか、無機ガラス、ゴム、木材、紙などにも成膜が可能である。
本発明の成膜装置は、さらに、供給源1と基材4との間を連続して接続する気相空間Gを形成する気相空間形成手段を備える。気相空間形成手段としては、液体Lを加熱して液体L中に気泡を発生させる液体加熱装置であるのが好ましい。液体加熱装置としては、液体L中に設置される発熱体のほか、液体L中に配設された供給源1および/または基材4を昇温させる昇温装置であるとよい。
液体中に発生させた気泡により供給源1と基材4との間を連続して接続する気相空間Gを形成するには、たとえば、供給源1の表面から基材4の表面までの距離を気泡の大きさに応じて設定するとよい。たとえば、通常、液体Lの沸騰によって形成されうるであろう気泡の大きさから考えて、供給源1の表面から基材4の表面までの最短の間隔Dを0.5〜1.75mmとするのがよい。Dが0.5mm未満では、供給源1と基材4との間で短絡を起こし、供給源1から溶解した第二の原料が基材4の表面に付着しやすくなり、第一の原料による成膜が遅くなるので望ましくない。そのため、Dを0.5mm以上さらには0.75mm以上とするのが好ましい。Dが1.75mmを超える場合には、第二の原料が液体中に分散しやすくなるため、第二の原料を含む被膜の成膜が困難となる。さらに好ましいDの範囲は、1.5mm以下さらには1.25mm以下である。
供給源1の表面から基材4の表面までの最短の間隔Dを一定に保ちたい場合には、供給源1および/または基材4に間隔維持手段を設けるとよい。成膜範囲が広かったり膜厚を厚く成膜したりする場合には、成膜中に供給源1が消耗して間隔Dが大きくなることがある。そのため、たとえば、供給源1を背後から付勢することで間隔Dを常に所定の間隔に保つ付勢手段などを設けるとよい。一方、成膜中の間隔Dを変動させて、基材4の表面に堆積する第二の原料の量を制御することも可能である。
また、本発明の成膜装置は、液体Lを対流させて気相空間Gが供給源1と基材4との間を接続するのを助長する液体対流手段を備えるとよい。液体対流手段により、たとえば、供給源4側から基材4の表面へと気泡を押しつけるような流れを形成することにより、供給源1の表面から基材4の表面までの距離Dが1.75mmを超える場合であっても、両者を連続して接続する気相空間Gが形成される。
また、気相空間形成手段は、液体L中に超音波を付与して気泡を形成する超音波発生装置であってもよい。たとえば、ホーン型超音波発生ユニットを用いることで、液体中の所望の位置に気泡が形成される。
本発明の成膜装置は、供給源1を溶融および/または蒸発させることで第二の原料を液体Lおよび/または気相空間G中に供給する第二原料供給手段を備える。第二原料供給手段としては、供給源1を加熱する供給源加熱装置であるのが好ましい。供給源加熱装置としては、供給源1にレーザを照射するレーザ発振装置を用いることができる。
また、供給源1と基材4との間に電圧を印可する電圧印加装置を備えてもよい。供給源1と基材4との間に電圧を印可することで発生するジュール熱により、供給源1が加熱される。また、電圧印加装置を用い、気相空間G内に発生するプラズマに含まれるイオンを電界により加速することで、供給源1の表面がスパッタリングされ、第二の原料が気相空間Gへと供給される。
本発明の成膜装置は、第一の原料からなるプラズマまたは第一の原料と第二の原料とからなるプラズマを気相空間に発生させるプラズマ発生手段を備える。プラズマ発生手段としては、気相空間中に電磁波を照射する電磁波照射装置であるとよい。使用可能な電磁波は、既に述べた通りである。
また、プラズマ発生手段により大気圧近傍の気相空間Gに発生したプラズマは、前述のように高温である。プラズマの熱により供給源1を加熱することもできるため、プラズマ発生手段と上記の第二原料供給手段とを兼用することも可能である。
また、本発明の成膜装置は、さらに、容器3を含む空間を減圧する排気手段を備えてもよい。減圧することにより、気相空間Gおよびプラズマの発生が容易となる。この際の圧力は、1〜600hPaさらには1〜300hPaが望ましい。なお、減圧は、気泡およびプラズマの発生の開始時に特に有効であるため、気泡およびプラズマの発生が安定したら、常圧にしても構わないが、供給源1と基材4との間における気相空間Gの接触状態ならびにプラズマを維持するために必要な圧力を調整する制御機能を有するとよい。
また、気相空間形成手段、第二原料供給手段およびプラズマ発生手段が、供給源1に高周波電力を印加する高周波電源装置2であれば、高周波電源装置2のみで気相空間形成手段、第二原料供給手段およびプラズマ発生手段を兼用できる。このとき、供給源1は、液体L中でプラズマを発生させる液中プラズマ用電極として作用する。液中プラズマ用電極は、液体Lと接触する放電端面をもつ導電部材と、放電端面を少なくとも除く導電部材の外周に設けられた絶縁部材と、を有するのがよい。
導電部材は、導電性の材料からなればその材質に特に限定はなく、第二の原料を含む固体からなる供給源である。また、導電部材の形状にも特に限定はない。絶縁部材は、エポキシ樹脂、フェノール樹脂または不飽和ポリエステル樹脂などの樹脂製あるいはアルミナ、アルミナ−シリカまたはジルコニアなどのセラミックス製であるのが好ましい。なお、絶縁部材は、前述の「第三の原料」の供給源として用いることも可能である。
高周波電源は、液中プラズマ用電極すなわち供給源1に電力を供給する。高周波電源は、たとえば、図2に示すような高周波回路により制御されるとよい。図2に示すように、高周波電源2から整合器21を通じて共振回路30へと電力が供給される。共振回路30はコイル31、32およびコンデンサ33からなり、共振回路30の接点Cおよび接点Dが、それぞれ供給源1および基材4に接続されるとよい。共振回路30は、入力高周波の周波数に共振するよう設定されている。なお、図2では、接点Cの側を接地して基材4に接続し、接点Dを供給源1に接続する。使用する周波数は、液体の種類やプラズマの用途に合わせて適宜選択すればよく、3MHz〜3GHzの範囲で使用するとよい。特に、液体Lとして水溶液を使用する場合には、工業的に許可された13.56MHzや27.12MHzを使用すると、液体Lによる吸収を受けにくい。
共振回路は必ずしもこの形式である必要はない。直列共振でも構わないし、周波数が高い場合には線路共振器や空洞共振器を利用することもできる。
容器3に液体Lを入れ、高周波電源2を作動させて供給源1に電力を供給すると、供給源1の先端部に集中した高周波により誘導加熱された供給源1が発熱して、液体Lに気泡が生じる。気泡の内部は気体状態の液体Lが高温高圧で存在し、プラズマが発生しやすい状態にある。そのため、電力の供給と同時に気泡が生じる位置に高周波が照射されることで、気泡の内部に第一の原料からなるプラズマが発生する。さらに、このとき、プラズマの熱、ジュール熱およびスパッタリングにより供給源1が溶融および/または蒸発し、供給源1の表面から第二の原料が液体Lおよび/または気相空間G中に供給され、第二の原料もプラズマ状態となる。
なお、発生するプラズマは高温・高エネルギーであって原料の分解・合成などに効果的なものであるが、一方、液中にあるために巨視的には低温であり安全で取り扱いやすいものである。また、物質密度が高い液体中のプラズマであるために、反応速度は極めて高い。
以上、本発明の液中プラズマを用いた成膜方法および液中プラズマ成膜装置の実施形態を説明したが、本発明は、上記実施形態に限定されるものではない。本発明の要旨を逸脱しない範囲において、当業者が行い得る変更、改良等を施した種々の形態にて実施することができる。
以下に、本発明の液中プラズマを用いた成膜方法および本発明の液中プラズマ成膜装置の実施例を挙げて、本発明を具体的に説明する。本実施例では、以下に説明する液中プラズマ発生装置を用いた。用いた液中プラズマ発生装置を図2〜図4を用いて説明する。
[液中プラズマ発生装置]
液中プラズマ成膜装置(図3)は、石英ガラス製で円筒形状である容器本体と、その下部開口端および上部開口端を閉塞するステンレス製で略円板状の閉塞部材と、からなる容器3を備える。下部開口端を閉塞する閉塞部材には、その中心部に液中プラズマ用電極1(供給源)が固定されている。液中プラズマ用電極1は、その端部が容器3の内部に突出して配置されている。
容器3の内部に液体Lが満たされている場合には、液中プラズマ用電極1の放電端面10は、液体Lと接触する。液中プラズマ用電極1の上方には基板4が互いに対向するように保持されており、放電端面10から基板4の表面までの距離(電極−基板間距離D)は、所定の長さに設定される。基板4は、全体が液体Lの中に浸された状態で、容器3に固定された保持具40に保持される。保持具40は、容器本体の上部開口端を閉塞する閉塞部材に絶縁体34を介して固定されている。保持具40は、容器内で基板4を往復移動させる基板移動装置(図略)をもつ。
液中プラズマ用電極1および基板4はコイルやコンデンサ等に結線され、高周波が供給される共振回路30(図2)に組み込まれる。なお、基板4は、基材4と電気的に導通する保持具40を介して共振回路30に結線される。このとき共振回路30は、コンデンサ33の容量は120pFで、コイル31を0.2μH、コイル32を0.7μH、コイル31とコイル32の抵抗の和を0.5Ωとした。
容器3は、容器3よりも一回り寸法の大きな外部容器91の内部に納められる。外部容器91は、排気通路95を介して外部容器91と連結する真空ポンプ90を有する他は、容器3と同様の構成である。なお、基材4を保持する保持具40は、絶縁体94を介して外部容器91に固定されている。
液中プラズマ用電極1は、金属製の導電部材11と絶縁部材16とからなる。液中プラズマ用電極1を図4に示す。図4は、液中プラズマ用電極1の長手方向断面図(図4の右図)および長手方向に垂直方向の断面図(図4の左図)である。導電部材11は、ともに金属製で、30mm×40mm×1mmの板状体12と、板状体12を保持する角柱状の保持体13と、からなる。板状体12において40mm×1mmの放電端面10の縁部には、R=0.2mmの面取り部14が形成されている。放電端面10と背向する他端部は、その中央の一部が、幅1mmの溝を有する保持体13の溝に挿入されている。また、絶縁部材16は、エポキシ樹脂製の絶縁カバーである。絶縁カバーは、導電部材11の表面(放電端面10を除く)を覆う。放電端面10の周囲における絶縁カバーの厚さは3mmである。
[実施例1]
上記の液中プラズマ成膜装置を用いて、基板表面に被膜を成膜した。
液体Lとしてメタノールを準備し、液中プラズマ発生装置の容器3に満たした。また、液中プラズマ用電極1には、アルミニウム(A1050(JIS))製の導電部材11を用いた。基板4には、ハイス鋼(SKH51(JIS))板材を準備した。
電極−基板間距離D(放電端面10から基板4の表面までの距離:以下「距離D」と記載)が1mmとなるように、液中プラズマ用電極1および基板4を容器3内に配設した。
はじめに、外部容器91の内部を減圧して、容器内圧力を200hPaとした。つぎに、高周波電源装置2からの出力電力の周波数を27.12MHzとして、液中プラズマ用電極1への供給電力を所定の値に調節し、内部にプラズマが発生した気泡を電極−基板間に発生させた。この間、距離Dを保った状態で、保持具40により基板4を電極1の長手方向と垂直方向に移動させた。基板4の移動は、0.8mm/秒の速さで60mmを1.5往復(移動距離にして180mm)とした。
[実施例2]
液中プラズマ用電極1の導電部材11を銅(C1011(JIS))製としたほかは、実施例1と同様にして基板4の表面に被膜を成膜した。
[実施例3]
距離Dを1.5mmとしたほかは、実施例2と同様にして基板4の表面に被膜を成膜した。
[実施例4]
距離Dを0.5mmとしたほかは、実施例2と同様にして基板4の表面に被膜を成膜した。
[比較例1]
距離Dを2mmとしたほかは、実施例2と同様にして基板4の表面に被膜を成膜した。
なお、これ以後、実施例1〜4の成膜後の基板をそれぞれ試料#11〜#14、比較例1の成膜後の基板を試料#01とする。これらの試料の作製条件を表1に示す。
Figure 0004915697
[1.成膜中の電極−基板間の観察]
実施例1〜4および比較例1の成膜中の電極−基板間の状態を目視で観察した。比較例1では、電極−基板間の距離Dが2mmとなるよう、実施例1〜4よりも間隔を広くして成膜した。そのため、液中プラズマ用電極1の放電端面10から生じた気泡は、放電端面10に接触した状態で基板4の表面に接触するのではなく、放電端面10から離れた状態で接触した。一方、距離Dを0.5〜1.5mmとした実施例1〜4では、液中プラズマ用電極1の放電端面10から生じた気泡は、放電端面10に接触した状態で基板4の表面にも接触していた。また、実施例3と比較例1の成膜中の電極−基板間の状態を目視で観察した結果、距離Dが1.75mm以下であれば、液中プラズマ用電極1の放電端面10から生じた気泡が、放電端面10に接触した状態で基板4の表面に接触すると推測できた。
なお、実施例4は、距離Dが0.5mmで非常に狭いが、電極−基板間で短絡が発生した様子は確認されなかった。
[2.被膜の観察]
#11〜#14および#01の試料の表面を観察したところ、いずれの試料においても、基板の表面の40mm×60mm程度の範囲に被膜が形成された。#11〜#13および#01の試料には、非晶質炭素膜と思われる黒色の被膜が形成されていた。
一方、#14の試料には、金属光沢がある被膜が形成された。しかし、成膜中に短絡が確認されなかったことから、電極表面から溶融した銅がそのまま基板表面で凝固したのではなく、プラズマにより成膜されたのだと考えられる。
[3.被膜の評価]
試料#11〜#14および試料#01の被膜について、断面観察(#11および#12のみ)、表面観察および表面分析を行った。断面観察には、収束イオンビーム(FIB)法を用いた。表面観察および表面分析には、SEM/EDXによるSEM(走査電子顕微鏡)観察およびEDX分析(エネルギー分散型蛍光X線分析)、EPMA(電子線マイクロアナライザ)による面分析を用いた。結果を図5〜図16にそれぞれ示す。
なお、図5および図8に、#11および#12の断面をFIB法により観察した結果をそれぞれ示す。図6、図9、図11、図13および図15に、各試料の表面を観察したSEM像をそれぞれ示す。また、図7、図10、図12、図14および図16に、EPMAにより得られた各試料の被膜の組成像(反射電子像)およびマッピングによる各元素の二次元的な分布をそれぞれ示す。なお、図7、図10、図12、図14および図16において、鉄成分の分布は灰色(元の画像では赤)、炭素成分の分布は明るい灰色(元のデータでは緑)、アルミニウム成分の分布はさらに明るい灰色(元の画像では黄色)で示される。
FIB法による断面観察(図5および図8)によれば、#11の被膜の膜厚は0.4〜1.3μm、#12の被膜の膜厚は0.3〜1.1μmであった。一般的な気相プラズマによる成膜に比べ、成膜速度が速いことが推測できる。
#11の表面をSEMにより観察し、被膜が形成された位置(図6のF1)と被膜がほとんど形成されていない位置(図6のS1)のEDX分析を行った。位置F1からは、炭素(C):73.77at%、鉄(Fe):14.75at%、酸素(O):8.20at%、アルミニウム(Al):1.18at%検出された。一方、位置S1からは、C:33.74at%、Fe:56.83at%、O:2.75at%、Al:0.10at%検出された。
ここで、基板に用いたハイス鋼(SKH51)は、表2に示す合金元素を含み(単位はwt%)、アルミニウムを含まない。すなわち、被膜が形成された位置F1からは、被膜の成分であるC、OおよびAlが主として検出されるとともに、被膜の下に存在する基板の成分であるFeが検出された。一方、被膜がほとんど形成されていない位置S1からは、基板のFeは多く検出されたがAlはほとんど検出されなかった。
Figure 0004915697
同様に、#12〜#14および#01の表面をSEMにより観察し、被膜が形成された位置(各SEM像のF2、F3、F4およびF0)と被膜がほとんど形成されていない位置(各SEM像のS2、S3、S4およびS0)のEDX分析を行った。分析結果を表3にまとめて示す。
Figure 0004915697
ここで、基板に用いたハイス鋼(SKH51)は、表2に示す合金元素を含み、銅を含まない。すなわち、#12〜#14において、被膜が形成された位置F2、F3およびF4からは、被膜の成分であるC、OおよびCuが主として検出されるとともに、被膜の下に存在する基板の成分であるFeが検出された。一方、被膜がほとんど形成されていない位置S2、S3およびS4からは、基板のFeは多く検出されたがCuはほとんど検出されなかった。
また、#01については、被膜が形成された位置F0において検出されたCuは0.20at%であった。これは、#12のS2や#13のS3のような被膜がほとんど形成されていない位置でのCuの検出量と同程度であるため、#01の被膜にはCuがほとんど含まれないことがわかった。
また、#11〜#14の被膜をEPMAにより分析すると、図7、図10、図12、図14および図16からわかるように、Cが存在する位置に、AlまたはCuが多く存在していることがわかった。
すなわち、SEM/EDXおよびEPMAによる分析から、各実施例において成膜された被膜は、液体に含まれるエタノール由来のCおよびOと、液中プラズマ用電極に含まれるAlまたはCuとを含むことがわかった。
本発明の液中プラズマ発生装置の一例を示す説明図である。 本発明の液中プラズマ発生装置に用いられる高周波回路の一例を示す回路図である。 実施例に用いた液中プラズマ発生装置の説明図である。 実施例の液中プラズマ用電極の一例を示す断面図であって、互いに直交する2つの断面を示す。 試料#11の断面を収束イオンビーム(FIB)法により観察した結果を示す図面代用写真である。 試料#11の表面を走査電子顕微鏡(SEM)により観察した結果を示す図面代用写真である。 エネルギー分散型蛍光X線分析(EPMA)により得られた試料#11の被膜の組成像(反射電子像)およびマッピングによる各元素の二次元的な分布を示す図面代用写真である。 試料#12の断面をFIB法により観察した結果を示す図面代用写真である。 試料#12の表面をSEMにより観察した結果を示す図面代用写真である。 EPMAにより得られた試料#12の被膜の組成像およびマッピングによる各元素の二次元的な分布を示す図面代用写真である。 試料#13の表面をSEMにより観察した結果を示す図面代用写真である。 EPMAにより得られた試料#13の被膜の組成像およびマッピングによる各元素の二次元的な分布を示す図面代用写真である。 試料#14の表面をSEMにより観察した結果を示す図面代用写真である。 EPMAにより得られた試料#14の被膜の組成像およびマッピングによる各元素の二次元的な分布を示す図面代用写真である。 試料#01の表面をSEMにより観察した結果を示す図面代用写真である。 EPMAにより得られた試料#01の被膜の組成像およびマッピングによる各元素の二次元的な分布を示す図面代用写真である。
符号の説明
1:液中プラズマ用電極(供給源)
2:高周波電源装置(気相空間形成手段、第二原料供給手段およびプラズマ発生手段)
3:容器
4:基板(基材)
L:液体

Claims (17)

  1. 第一の原料を含む液体中に、第二の原料を含む固体からなる供給源と基材とを互いに対向させて配設する配設工程と、
    前記供給源と前記基材との間を連続して接続する気相空間を形成する気相空間形成工程と、
    前記供給源を溶融および/または蒸発させることで前記第二の原料を前記液体および/または前記気相空間中に供給する第二原料供給工程と、
    前記第一の原料からなるプラズマまたは該第一の原料と前記第二の原料とからなるプラズマを前記気相空間に発生させるプラズマ発生工程と、
    を経て、前記基材の表面に前記第一の原料および前記第二の原料の分解成分を堆積させることを特徴とする液中プラズマを用いた成膜方法。
  2. 前記気相空間形成工程は、前記液体を加熱して該液体中に気泡を発生させ、該気泡により前記気相空間を形成する工程である請求項1記載の液中プラズマを用いた成膜方法。
  3. 前記気相空間形成工程は、前記供給源および/または前記基材を昇温させて前記液体を加熱する工程である請求項2記載の液中プラズマを用いた成膜方法。
  4. 前記気相空間形成工程は、前記液体中に超音波を付与して発生させた気泡により前記気相空間を形成する工程である請求項1記載の液中プラズマを用いた成膜方法。
  5. 前記第二原料供給工程は、前記供給源を加熱する工程である請求項1記載の液中プラズマを用いた成膜方法。
  6. 前記第二原料供給工程は、前記供給源にレーザを照射する工程である請求項5記載の液中プラズマを用いた成膜方法。
  7. 前記第二原料供給工程は、前記プラズマ発生工程で発生するプラズマに含まれるイオンを電界により加速し、該イオンからの衝撃により前記供給源の表面から前記気相空間に原子を飛散させる工程である請求項1記載の液中プラズマを用いた成膜方法。
  8. 前記プラズマ発生工程は、前記気相空間に電磁波を照射してプラズマを発生させる工程である請求項1記載の液中プラズマを用いた成膜方法。
  9. 前記気相空間形成工程、前記第二原料供給工程および前記プラズマ発生工程は、ともに、前記供給源に高周波電力を印加することで併行する工程である請求項1記載の液中プラズマを用いた成膜方法。
  10. 前記第一の原料は有機化合物であり、前記第二の原料は、銅、アルミニウム、鉄、タングステン、銀、モリブデン、金、白金、チタンおよびクロムのうちの少なくとも1種を含む金属材料であり、前記基材の表面には、該金属を含む非晶質炭素膜が形成される請求項1記載の液中プラズマを用いた成膜方法。
  11. 前記配設工程は、前記供給源の表面から前記基材の表面までの最短の間隔を0.5〜1.75mmとなるように配設する工程である請求項1記載の液中プラズマを用いた成膜方法。
  12. 第一の原料を含む液体を入れる容器と、
    第二の原料を含む固体からなり、前記液体中で基材と対向させて前記容器内に配設される供給源と、
    前記供給源と前記基材との間を連続して接続する気相空間を形成する気相空間形成手段と、
    前記供給源を溶融および/または蒸発させることで前記第二の原料を前記液体および/または前記気相空間中に供給する第二原料供給手段と、
    前記第一の原料からなるプラズマまたは該第一の原料と前記第二の原料とからなるプラズマを前記気相空間に発生させるプラズマ発生手段と、
    を備え、前記基材の表面に前記第一の原料および前記第二の原料の分解成分を堆積させることを特徴とする液中プラズマ成膜装置。
  13. 前記気相空間形成手段、前記第二原料供給手段および前記プラズマ発生手段は、前記供給源に高周波電力を印加する高周波電源装置である請求項12記載の液中プラズマ成膜装置。
  14. 前記供給源の表面から前記基材の表面までの最短の間隔が0.5〜1.75mmである請求項12記載の液中プラズマ成膜装置。
  15. 前記供給源は、その表面から前記基材の表面までの最短の間隔を一定に保つ間隔維持手段を備える請求項12記載の液中プラズマ成膜装置。
  16. 前記供給源は、前記基材の配置位置よりも鉛直上方に配設されている請求項12記載の液中プラズマ成膜装置。
  17. さらに、前記液体を対流させて前記気相空間が前記供給源と前記基材との間を接続するのを助長する液体対流手段を備える請求項12記載の液中プラズマ成膜装置。
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