JP2018063242A - プラズマ分光分析方法、及び非ターゲットに由来するプラズマ発光の抑制剤 - Google Patents

プラズマ分光分析方法、及び非ターゲットに由来するプラズマ発光の抑制剤 Download PDF

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Abstract

【課題】非ターゲットに由来するプラズマ発光を抑制可能なプラズマ分光分析方法を提供する。【解決手段】プラズマ分光分析方法は、試料の存在下、一対の電極のうち一方の電極の近傍に、前記試料中のターゲットを濃縮する濃縮工程と、前記一対の電極への電圧印加により、前記試料中でプラズマを発生させるプラズマ発生工程と、前記プラズマにより生じた前記ターゲットの発光を検出する検出工程とを含み、前記プラズマ発生工程は消泡剤の存在下で行われることを特徴とする。【選択図】図2

Description

本開示は、プラズマ分光分析方法、及び非ターゲットに由来するプラズマ発光の抑制剤に関する。
微量金属元素分析法として、ターゲットである金属を含む試料に電圧を印加してプラズマを発生させ、そのプラズマ発光を検出する方法が知られている(例えば、特許文献1参照)。
しかし、試料を前記分析に供した場合、ターゲットに由来するプラズマのピーク波形に加えて、ターゲットには由来しない別のプラズマのピーク波形が生じる場合がある。このため、例えば、ターゲットに由来するプラズマのピーク波形に、他のピーク波形が重なることで、ターゲットに由来するプラズマのピーク波形が正しく捉えられず、ターゲットを正確に分析できないという問題がある。
国際公開第2012/120919号
前記他のピーク波形は、試料に含まれるターゲット以外の非ターゲットに由来するものと考えられる。非ターゲットの影響を回避する方法として、試料をフィルターろ過して、試料から非ターゲットを除去する、試料の前処理方法が考えられる。
しかし、試料に対してフィルターを用いた前処理を行なうと、例えば、試料におけるターゲットの濃度等が変化するおそれがある。
そこで、本開示は、例えば、試料に対し、フィルターろ過による前処理を行うことなく、非ターゲットに由来するプラズマ発光を抑制可能な方法を提供する。
前記課題を解決するために、本開示のプラズマ分光分析方法は、
試料の存在下、一対の電極のうち一方の電極の近傍に、前記試料中のターゲットを濃縮する濃縮工程と、
前記一対の電極への電圧印加により、前記試料中でプラズマを発生させるプラズマ発生工程と、
前記プラズマにより生じた前記ターゲットの発光を検出する検出工程とを含み、
前記プラズマ発生工程は消泡剤の存在下で行われることを特徴とする。
本開示の非ターゲットに由来するプラズマ発光の抑制剤は、消泡剤を含み、本開示のプラズマ分光分析方法に使用することを特徴とする。
本開示のプラズマ分光分析方法によれば、例えば、試料に対し、フィルターろ過による前処理を行うことなく、非ターゲットに由来するプラズマ発光が抑制可能となる。
図1(A)は、プラズマ分光分析装置の模式透視斜視図を示し、(B)は、図1(A)のI−I方向から見た模式断面図である。 図2は、実施例1における、水銀に由来する発光のピーク付近のスペクトルを示すグラフであり、(A)が、被検者Aの実施例試料A及び比較例試料Aの結果であり、(B)が、被検者Bの実施例試料B及び比較例試料Bの結果である。 図3は、実施例1における、鉛に由来する発光のピーク付近のスペクトルを示すグラフであり、(A)が、被検者Aの実施例試料A及び比較例試料Aの結果であり、(B)が、被検者Bの実施例試料B及び比較例試料Bの結果である。 図4は、実施例2における、添加したエタノール濃度の異なる尿試料における、水銀に由来する発光のピーク付近のスペクトルを示すグラフである。 図5は、実施例2における、添加したエタノール濃度の異なる尿試料における、鉛に由来する発光のピーク付近のスペクトルを示すグラフである。 図6は、実施例3における、異なる消泡剤を添加した尿試料における、(A)水銀に由来する発光のピーク付近のスペクトルを示すグラフ、及び、(B)鉛に由来する発光のピーク付近のスペクトルを示すグラフである。 図7は、参考例における、蒸留水を添加した尿試料における、(A)水銀に由来する発光のピーク付近のスペクトルを示すグラフ、及び、(B)鉛に由来する発光のピーク付近のスペクトルを示すグラフである。
<プラズマ分光分析方法>
本開示のプラズマ分光分析方法(以下、「分析方法」ともいう。)は、試料の存在下、一対の電極のうち一方の電極の近傍に、前記試料中のターゲットを濃縮する濃縮工程と、前記一対の電極への電圧印加により、前記試料中でプラズマを発生させるプラズマ発生工程と、前記プラズマにより生じた前記ターゲットの発光を検出する検出工程とを含み、前記プラズマ発生工程は消泡剤の存在下で行われることを特徴とする。その他の工程及び条件は、特に制限されない。
本発明者は、鋭意研究の結果、メカニズムは不明であるが、消泡剤の存在下において、プラズマを発生させることによって、非ターゲットに由来するプラズマ発光を抑制できるとの知見を得た。このため、本開示の分析方法によれば、例えば、フィルターろ過により試料から非ターゲットを除去する前処理を行うことなく、消泡剤の存在下でプラズマ発生工程を行うことによって、非ターゲットに由来するプラズマ発光を抑制することができる。この結果、非ターゲットに由来するプラズマ発光の影響が低減され、ターゲットに由来するプラズマ発光を検出することで、ターゲットをより精度良く分析することが可能である。
本開示において、消泡剤の存在下でプラズマを発生させることによる、非ターゲットに由来するプラズマ発光抑制のメカニズムは、以下のように推測される。プラズマ発生工程を、消泡剤の存在下で行うことにより、試料中において、電極を中心に成長する気泡の量は、消泡剤の非存在下と比較すると、相対的に少なくなる。また、濃縮工程では、ターゲットは、一対の電極のうち一方の電極の近傍に濃縮されている一方、非ターゲットは電極の近傍には濃縮されておらず試料中に分散された状態である。このため、消泡剤によって気泡の量が減ると、電極近傍に濃縮されたターゲットと比較して、相対的に、気泡表面に存在する非ターゲットの量が低減されると考えられる。これにより、プラズマによって気泡表面で生じる非ターゲットに由来するプラズマ発光も抑制されることになる。なお、本発明は、上記推測には何ら制限されない。
本開示の分析方法において、消泡剤は、一般的に消泡剤として用いられるものであればよく、特に制限されない。消泡剤としては、例えば、アルコール化合物、界面活性剤、及びケトン化合物があげられる。
アルコール化合物としては、例えば、メタノール、エタノール、イソプロパノール、及びブタノール等があげられる。界面活性剤としては、例えば、オイル系界面活性剤、エマルジョン系界面活性剤、及びポリエーテル系界面活性剤等があげられる。オイル系界面活性剤としては、例えば、SNデフォーマー777(商標)があげられる。エマルジョン系界面活性剤としては、例えば、SNデフォーマー388N(商標)があげられる。ポリエーテル系界面活性剤としては、例えば、トリトン(商標)X−100があげられる。ケトン化合物としては、例えば、アセトンがあげられる。本開示においては、消泡剤として、1種類を使用してもよいし、2種類以上を併用してもよい。
試料に対する消泡剤の添加量は、特に制限されず、例えば、試料中の濃度(v/v)が、0.025体積%以上12.5体積%以下であることが好ましく、0.25体積%以上10体積%以下であることがより好ましく、2.5体積%以上7.5体積%以下であることがさらに好ましい。
本開示の分析方法において、試料は、例えば、検体である。検体は、液体の検体でもよいし、固体の検体でもよい。検体としては、例えば、検体の未希釈液をそのまま液体検体として使用してもよいし、検体を媒体に、懸濁、分散又は溶解した希釈液を液体検体として使用してもよい。検体が固体の場合、例えば、検体を媒体に懸濁、分散又は溶解した希釈液を液体検体として使用することが好ましい。前記媒体としては、特に制限されず、例えば、水、緩衝液等があげられる。検体としては、例えば、生体由来の検体(試料)、環境由来の検体(試料)、金属、化学物質、医薬品等があげられる。生体由来の検体としては、特に制限されず、尿、血液、毛髪、唾液、汗、爪等があげられる。血液検体としては、例えば、赤血球、全血、血清、血漿等があげられる。生体としては、例えば、ヒト、非ヒト動物、植物等があげられ、非ヒト動物としては、例えば、ヒトを除く哺乳類、魚介類等があげられる。環境由来の検体としては、特に制限されず、例えば、食品、水、土壌、大気、空気等があげられる。食品としては、例えば、生鮮食品又は加工食品等があげられる。水としては、例えば、飲料水、地下水、河川水、海水、生活排水等があげられる。
ターゲットとしては、特に制限されず、例えば、金属、化学物質等があげられる。金属としては、特に制限されず、例えば、アルミニウム(Al)、アンチモン(Sb)、ヒ素(As)、バリウム(Ba)、ベリリウム(Be)、ビスマス(Bi)、カドミウム(Cd)、セシウム(Cs)、ガドリニウム(Gd)、鉛(Pb)、水銀(Hg)、ニッケル(Ni)、パラジウム(Pd)、白金(Pt)、テルル(Te)、タリウム(Tl)、トリウム(Th)、スズ(Sn)、タングステン(W)、ウラン(U)等の金属があげられる。化学物質としては、例えば、試薬、農薬、化粧品等があげられる。ターゲットは、1種類でもよいし、2種類以上でもよい。
ターゲットが金属の場合、試料は、例えば、検体中の金属を分離するための試薬を含んでもよい。試薬としては、例えば、キレート剤、マスキング剤等があげられる。キレート剤としては、例えば、ジチゾン、チオプロニン、メソ−2,3−ジメルカプトコハク酸(DMSA)、2,3−ジメルカプト−1−プロパンスルホン酸ナトリウム(DMPS)、エチレンジアミン四酢酸(EDTA)、ニトリロ三酢酸(NTA)、エチレンジアミン−N,N’−ジコハク酸(EDDS)、αリポ酸等があげられる。本開示において、「マスキング」は、SH基の反応性を不活性にすることを意味し、例えば、SH基の化学修飾により行うことができる。マスキング剤としては、例えば、マレイミド、N−メチルマレイミド、N−エチルマレイミド、N−フェニルマレイミド、マレイミドプロピオン酸、ヨードアセトアミド、ヨード酢酸等があげられる。
非ターゲットとは、ターゲット以外の物質をいう。非ターゲットとしては、例えば、水、ガラス、石等の非金属があげられる。
試料は、例えば、pHを調整した試料(以下、「pH調整試料」ともいう。)でもよい。pH調整試料のpHは、特に制限されない。試料のpHの調整方法は、特に制限されず、例えば、アルカリ性試薬、酸性試薬等のpH調整試薬が使用できる。
アルカリ性試薬としては、例えば、アルカリ及びその水溶液等があげられる。アルカリとしては、特に制限されず、例えば、水酸化ナトリウム、水酸化リチウム、水酸化カリウム、アンモニア等があげられる。アルカリの水溶液としては、例えば、アルカリを水又は緩衝液で希釈したものがあげられる。アルカリの水溶液において、アルカリの濃度は、特に制限されず、例えば、0.01mol/L以上5mol/L以下である。
酸性試薬としては、例えば、酸及びその水溶液等があげられる。酸としては、特に制限されず、例えば、塩酸、硫酸、酢酸、ホウ酸、リン酸、クエン酸、リンゴ酸、コハク酸、硝酸等があげられる。酸の水溶液としては、例えば、酸を水又は緩衝液で希釈したものがあげられる。酸の水溶液において、酸の濃度は、特に制限されず、例えば、0.01mol/L以上5mol/L以下である。
電極としては、特に制限されず、例えば、固体電極があげられ、具体例として、棒電極等があげられる。電極の材料は、特に制限されず、固形導電材料であればよく、例えば、ターゲットの種類に応じて、適宜決定できる。電極の材料は、例えば、非金属でもよいし、金属でもよいし、これらの混合物でもよい。電極の材料が非金属を含む場合、電極の材料は、例えば、1種類の非金属を含んでもよいし、2種類以上の非金属を含んでもよい。非金属としては、例えば、炭素等があげられる。電極の材料が金属を含む場合、電極の材料は、例えば、1種類の金属を含んでもよいし、2種類以上の金属を含んでもよい。金属としては、例えば、金、白金、銅、亜鉛、スズ、ニッケル、パラジウム、チタン、モリブデン、クロム、鉄等があげられる。電極の材料が2種類以上の金属を含む場合、電極の材料は、合金でもよい。合金は、例えば、真鍮、鋼、インコネル(登録商標)、ニクロム、ステンレス等があげられる。一対の電極は、例えば、同じ材料でもよいし、異なる材料でもよい。
電極の大きさは、特に制限されず、例えば、試料と接液可能な大きさであればよい。電極が棒電極である場合、電極の直径は、例えば、0.02mm以上50mm以下であることが好ましく、0.05mm以上5mm以下であることがより好ましい。電極の長さは、例えば、0.1mm以上200mm以下であることが好ましく、0.3mm以上50mmであることがより好ましい。一対の電極の大きさは、同じでもよいし、異なってもよい。
本開示の分析方法における濃縮工程は、前述のように、試料の存在下、一対の電極のうち一方の電極の近傍に、試料中のターゲットを濃縮する工程である。濃縮の方法は、特に制限されず、例えば、試料の存在下、一対の電極への電圧印加により、一対の電極のうち一方の電極の近傍に試料中のターゲットを濃縮することができる。一対の電極は、例えば、試料に接触(接液)している。濃縮工程において、電極の近傍の範囲は、特に制限されず、例えば、後述するプラズマ発生工程において、プラズマが発生する範囲があげられる。本開示において、電極の近傍は、例えば、電極上、すなわち電極と接している部分も含む。
通常、試料の前処理として、試料を濃縮して試料の全体積(全液量)を低減することにより、試料中の単位体積あたりのターゲット量を増加させることがある。これに対して、一対の電極のうち一方の電極の近傍に前記試料中のターゲットを濃縮する方法、例えば、一対の電極への電圧印加を行う方法によれば、試料の全体積を低減させる前処理を行わない場合でも、電極の近傍において局所的にターゲットを集積できる。この方法によれば、例えば、続くプラズマ発生工程において、ターゲットが集積した電極側において発生したプラズマにより、濃縮されたターゲットに由来するプラズマ発光が生じ、局所的に高濃度となったターゲットを効率よく分析できる。電圧印加による濃縮工程によれば、例えば、使用する試料においてターゲットが低濃度の場合でも、本開示の分析方法により、より簡便に、より高い感度で試料を分析できる。
濃縮工程において、例えば、ターゲットの一部を電極の近傍に濃縮してもよいし、ターゲットの全部を電極の近傍に濃縮してもよい。
濃縮工程では、後述する検出工程において、ターゲットの検出に使用する電極、すなわちプラズマが発生する電極にターゲットを濃縮するように、電極の電荷条件を設定することが好ましい。前記電荷条件は、特に制限されず、例えば、ターゲットが正の電荷を有する場合、プラズマが発生する電極が負の電荷を有するように電荷条件を設定すればよい。また、例えば、ターゲットが負の電荷を有する場合、プラズマが発生する電極が正の電荷を有するように電荷条件を設定すればよい。
以下、一対の電極への電圧印加により濃縮を行う方法について詳細に説明する。
ターゲットの濃縮は、例えば、電圧によって調節できる。当業者であれば、濃縮がおきる電圧(以下、「濃縮電圧」ともいう。)を適宜設定できる。濃縮電圧は、例えば、1mV以上であってもよく、400mV以上であってもよい。濃縮電圧の上限は、特に制限されず、例えば、1000V以下であってもよい。濃縮電圧は、例えば、濃縮工程の期間を通して同じ電圧でもよいし、濃縮工程の期間中に変動してもよい。また、濃縮電圧は、例えば、プラズマが発生しない電圧でもよい。
濃縮工程の時間は、特に制限されず、濃縮電圧に応じて、適宜設定できる。濃縮工程の時間は、例えば、0.2分以上40分以下であることが好ましく、1分以上5分以下であってもよい。一対の電極への電圧印加は、例えば、連続的に印加してもよいし、非連続的に印加してもよい。非連続的な印加は、例えば、パルス印加があげられる。電圧印加が非連続的な場合、濃縮工程の時間とは、濃縮電圧を印加している時間と濃縮電圧を印加していない時間とを合計した濃縮工程の時間を表す。電圧印加が連続的な場合、濃縮工程の時間とは、濃縮電圧を印加している時間を表す。
濃縮電圧の印加が非連続的な場合、濃縮電圧を印加している時間の合計の時間(濃縮電圧を印加していない時間を含まない時間)は、特に制限されず、濃縮電圧に応じて、適宜設定できる。濃縮電圧を印加している時間の合計の時間は、例えば、0.2分以上40分以下であることが好ましく、10分以上40分以下であることがより好ましく、1分以上5分以下であってもよい。
電極への電圧の印加は、電圧印加手段により行うことができる。電圧印加手段は、特に制限されず、例えば、電極間に電圧を印加できればよく、公知の手段として電圧器等が使用できる。濃縮工程において、電極間の電流は、例えば、一定でもよいし、変動してもよく、例えば、0.01mA以上200mA以下であることが好ましく、10mA以上60mA以下であることがより好ましく、10mA以上40mA以下であることがさらに好ましい。
濃縮工程において、電圧印加時の一対の電極間の電流は、例えば、一定であってもよい。「電圧印加時の一対の電極間の電流が一定」とは、電圧印加時の一対の電極間の電流が定電流であることを意味する。本開示において、「電流が一定」又は「定電流」とは、電極間の電流値が実質的に一定である場合を含む。電流値が実質的に一定である場合とは、電流値が設定した電流値から経時的に変動する場合であっても、電極間の電流値(A)が、設定した電流値(A)±20%の範囲内(0.8×A≦A≦1.2×A)に維持されることを意味する。例えば、電極間の電流値(A)が、設定した電流値±10%の範囲内(0.9×A≦A≦1.1×A)に維持される場合、又は設定した電流値±5%の範囲内(0.95×A≦A≦1.05×A)に維持される場合には、「電流が一定」又は「定電流」であるといえる。前記設定した電流値は、例えば、後述する一対の電極間の電流の説明を援用できる。
なお、濃縮工程の電圧印加が非連続的な印加である場合、「電圧印加時の一対の電極間の電流が一定」である場合における「電圧印加時」とは、電圧を印加している期間を表し、電圧を印加していない期間を含まない期間を表す。
濃縮工程において、電圧印加時の一対の電極間の電流が一定であると、試料分析時の分析誤差の発生を抑制することができる傾向にある。例えば、共存物質(例えば、EDTA)を含む試料と、前記共存物質を含まない試料とについて、本開示の分析方法で同じ濃度のターゲット(例えば、Pb)を分析した際に、前記共存物質を含む試料における前記ターゲット量の測定値と、前記共存物質を含まない試料における前記ターゲット量の測定値との差(誤差)を抑制することができる傾向にある。具体的には、例えば、前記誤差を、基準値に対して、±15%以内、好ましくは±10%以内、より好ましくは±5%以内の範囲に抑制することができる傾向にある。前記基準値は公知の方法にて適宜設定することができる。
濃縮工程において、電圧印加時の一対の電極間の電流が一定である場合、電圧印加時の一対の電極間の電流は、濃縮工程の全期間を通して一定であってもよく、濃縮工程の一部の期間において一定であってもよい。一対の電極間の電流が一定である期間は、濃縮工程の濃縮電圧を印加している時間の合計の時間に対して50%以上であることが好ましく、70%以上であることがより好ましく、80%以上であることがさらに好ましく、90%以上であることが特に好ましく、100%であることが極めて好ましい。
濃縮工程において、一対の電極への電圧印加は、例えば、分析誤差をより抑制できることから非連続的な印加が好ましい。一対の電極への電圧印加が非連続的印加の場合、濃縮工程は、例えば、一対の電極への電圧印加を行う電圧印加工程と、一対の電極への電圧印加を行わない電圧非印加工程とを含む。この場合、電圧印加工程において、例えば、電圧印加時の一対の電極間の電流が、一定であってもよい。
電圧印加工程では、一対の電極への電圧印加を行うことにより、例えば、一対の電極のうち一方の電極の近傍に、試料中のターゲットを濃縮する。電圧印加工程では、後述するプラズマ発生工程においてプラズマが発生する電極、すなわち、後述する検出工程において、ターゲットの発光の検出に使用する電極にターゲットを濃縮するように、電極の電荷条件を設定することが好ましい。電圧印加工程において、一対の電極に印加する電圧は、例えば、前述の濃縮電圧の説明を援用できる。また、電圧印加工程において、一対の電極間の電流は、例えば、0.01mA以上200mA以下であることが好ましく、10mA以上60mA以下であることがより好ましく、10mA以上40mA以下であることがさらに好ましい。特に好ましくは、一対の電極間の電流は、10mA、又は20mAに設定できる。
電圧印加工程は、1回実施してもよいし、複数回実施してもよい。電圧印加工程が複数回行われる場合、1回の電圧印加工程における一対の電極間の電流は定電流であることが好ましい。また、この場合、複数回の電圧印加工程の電流値は同じであっても異なってもよく、同じであることが好ましい。
電圧非印加工程では、一対の電極への電圧印加を行わない。このため、電圧非印加工程では、例えば、少なくとも一方の電極の近傍へのターゲットの濃縮が生じない。電圧非印加工程において、一対の電極に印加する電圧は、0Vである。また、電圧印加工程において、一対の電極間の電流は、0mAに設定できる。なお、電圧非印加工程における一対の電極に印加する電圧及び電流の例示は、例えば、電極外から電極に印加する電圧及び電流の例示である。このため、一対の電極間では、例えば、電極の材料、試料の種類、試料の状態等に基づく電位差が生じてもよい。
電圧非印加工程は、1回実施してもよいし、複数回実施してもよい。また、電圧非印加工程は、電圧印加工程と同じ回数実施してもよいし、異なる回数実施してもよいが、前者が好ましい。
電圧印加工程と、電圧非印加工程との調整は、例えば、印加する電圧の調節により行うことができる。印加する電圧の調節としては、例えば、電気回路を閉回路と開回路とに切り替える方法がある。
電気回路を閉回路と開回路とに切り替える場合、例えば、電気回路を閉回路と開回路とに切り替えることにより、電圧印加工程と電圧非印加工程とを交互に行う。閉回路の状態が、電圧印加工程であり、電気回路を閉回路とすることで、一対の電極に電圧を印加できる。また、開回路の状態が、電圧非印加工程であり、開回路とすることで、電圧を非印加、つまり、電圧0ボルト(V)とすることができる。閉回路の電圧は、電圧印加工程の電圧、すなわち、濃縮電圧であり、開回路の電圧、つまり、0Vは、電圧非印加工程の電圧であり、一対の電極に電圧は印加されない。閉回路の電圧は、特に制限されず、例えば、濃縮電圧の例示を援用できる。
濃縮工程において、電圧印加工程と電圧非印加工程とを各1回行う繰り返しを1セットとした場合、1セットの時間は、特に制限されない。1セットの時間を、以下、印加周期ともいう。印加周期は、下限が、例えば、250m秒以上であることが好ましく、1000m秒以上であることがより好ましく、2000m秒以上であることがさらに好ましく、分析感度がより向上することから、3000m秒以上であることが特に好ましい。また、印加周期は、上限が、例えば、600000m秒以下であることが好ましく、64000m秒以下であることがより好ましい。印加周期の範囲は、例えば、250m秒以上600000m秒以下であることが好ましく、1000m秒以上600000m秒以下であることがより好ましく、2000m秒以上600000m秒以下であることがさらに好ましい。
濃縮工程において、電圧印加工程と電圧非印加工程とを各1回行う繰り返しを1セットとした場合、1セットの時間における電圧非印加工程の時間は、特に制限されない。以下、電圧非印加工程の時間を、非印加時間ともいう。非印加時間は、下限が、例えば、125m秒以上であることが好ましく、1000m秒以上であることがより好ましく、1500m秒以上であることがさらに好ましい。非印加時間の上限は、例えば、300000m秒以下であることが好ましく、32000m秒以下であることがより好ましい。非印加時間の範囲は、例えば、125m秒以上300000m秒以下であることが好ましく、1000m秒以上300000m秒以下であることがより好ましく、1500m秒以上300000m秒以下であることがさらに好ましい。
濃縮工程において、電圧印加工程と電圧非印加工程とを各1回行う繰り返しを1セットとした場合、1セットの時間における電圧印加工程の時間の割合は、特に制限されない。前記割合を、以下、Dutyともいう。なお、Dutyは、後述のプラズマ発生工程においても同様に定義される。Dutyは、下限が、例えば、1%以上であることが好ましく、25%以上であることがより好ましく、50%以上であることがさらに好ましい。Dutyの上限は、例えば、100%未満であることが好ましく、85%以下であることがより好ましく、50%以下であることがさらに好ましい。Dutyの範囲は、例えば、1%以上100%未満であることが好ましく、15%以上85%以下であることがより好ましく、45%以上55%以下であることがさらに好ましい。Dutyは、例えば、50%であることが好ましい。
濃縮工程において電圧印加工程と電圧非印加工程との繰り返し回数は、特に制限されず、例えば、2回以上9600回以下であることが好ましく、300回以上9600回以下であることがより好ましく、3回以上5回以下であってもよい。
濃縮工程について、電圧印加工程と電圧非印加工程との1セットあたりの条件を以下に例示するが、本発明は、これには限定されない。
印加周期:250m秒以上600000m秒以下
非印加時間:125m秒以上300000m秒以下
Duty:1%以上100%未満
電圧印加工程の電流:0.01mA以上200mA以下
電圧非印加工程の電流:0mA
本開示の分析方法において、プラズマ発生工程は、消泡剤の存在下、一対の電極への電圧印加により、試料中でプラズマを発生させる工程である。
本開示の分析方法において、消泡剤は、プラズマ発生工程において存在すればよく、分析系に対する添加時期は、特に制限されない。消泡剤は、例えば、濃縮工程の前に、試料に予め添加してもよいし、濃縮工程の後、且つプラズマ発生工程の前に試料に添加してもよい。
プラズマ発生工程は、濃縮工程と連続的に行ってもよいし、非連続的に行ってもよい。前者の場合、プラズマ発生工程は、濃縮工程の終了と同時にプラズマ発生工程を行う。後者の場合、プラズマ発生工程は、濃縮工程の終了後から所定時間内にプラズマ発生工程を行う。前記所定時間は、例えば、濃縮工程後、0.001秒以上1000秒以下であってもよく、1秒以上10秒以下であってもよい。
プラズマ発生工程において、「プラズマを発生させる」とは、プラズマを実質的に発生させることであり、具体的には、プラズマ発光の検出において、実質的に検出可能な発光を示すプラズマの発生を意味する。具体例として、プラズマ発光の検出器により、プラズマ発光が検出可能である場合に、プラズマが発生したといえる。
実質的なプラズマの発生は、例えば、電圧によって調節できる。このため、当業者であれば、実質的に検出可能な発光を示すプラズマを発生させるための電圧(以下、「プラズマ電圧」ともいう。)は、適宜設定できる。プラズマ電圧は、例えば、10V以上であってもよく、好ましくは、100V以上であってもよい。プラズマ電圧の上限は、特に制限されず、例えば、1000V以下であってもよい。プラズマが発生する電圧は、例えば、濃縮が起こる電圧に対して、相対的に高い電圧である。このため、プラズマ電圧は、濃縮電圧に対して、高い電圧であることが好ましい。プラズマ電圧は、例えば、一定でもよいし、変動してもよい。
プラズマ発生工程の時間は、特に制限されず、プラズマ電圧に応じて、適宜設定できる。プラズマ電圧を印加する時間は、例えば、0.001秒以上0.02秒以下であることが好ましく、0.001秒以上0.01秒以下であることがより好ましい。一対の電極への電圧印加は、例えば、連続的に印加してもよいし、非連続的に印加してもよい。非連続的な印加は、例えば、パルス印加があげられる。電圧印加が非連続的な場合、プラズマ発生工程の時間は、プラズマ電圧を印加している時間とプラズマ電圧を印加していない時間とを合計したプラズマ発生工程の時間を表す。電圧印加が連続的な場合、プラズマ発生工程の時間は、プラズマ電圧を印加している時間を表す。
プラズマ電圧の印加が非連続的である場合、1回のプラズマ電圧を印加している時間は、特に制限されず、プラズマ電圧に応じて、適宜設定できる。1回のプラズマ電圧を印加する時間は、例えば、0.01m秒以上0.1m秒以下であることが好ましく、0.001秒以上0.02秒以下であってもよく、0.001秒以上0.01秒以下であってもよい。
プラズマ電圧の印加が非連続的である場合、プラズマ電圧を印加している時間の合計の時間(プラズマ電圧を印加していない時間を含まない時間)は、特に制限されず、プラズマ電圧に応じて、適宜設定できる。プラズマ電圧を印加している時間の合計の時間は、例えば、0.001秒以上0.02秒以下であることが好ましく、0.001秒以上0.01秒以下であることがより好ましい。
プラズマ発生工程において、プラズマが発生する電極は、例えば、一対の電極の接液面積を異なる接液面積とすることで調節できる。具体的には、一方の電極の接液面積を他方の電極の接液面積に対して小さくすることで、前者に、プラズマを発生させることができる。このため、一対の電極は、試料との接液面積が異なる一対の電極であり、一対の電極のうち、試料との接液面積が小さい電極が、プラズマ発生によりターゲットを分析する電極であることが好ましい。一対の電極の接液面積が異なる場合、一対の電極の接液面積の差は、例えば、0.001cm以上300cm以下であることが好ましく、1cm以上10cm以下であることがより好ましい。本開示において、「接液面積」は、試料と接する面積を意味する。接液面積の調節方法は、特に制限されず、例えば、試料に浸漬する電極の長さを異なる長さにする方法、試料と接する電極の一部を絶縁性材料により被覆する方法等があげられる。絶縁性材料は、特に制限されず、例えば、樹脂、シリコーン、ガラス、紙、セラミックス、ゴム等があげられる。樹脂は、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、ポリ塩化ビニル、ポリエチレンテレフタレート、ポリメタクリレート、ポリアミド、飽和ポリエステル樹脂、アクリル樹脂、ポリブチレンテレフタレート(PBT)、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、ポリメチルペンテン(例えば、登録商標TPX)等の熱可塑性樹脂、尿素樹脂、メラミン樹脂、フェノール樹脂、フッ素樹脂、ガラスエポキシ等のエポキシ樹脂、不飽和ポリエステル樹脂等の熱硬化性樹脂等があげられる。シリコーンとしては、例えば、ポリジメチルシロキサン等があげられる。
電極への電圧の印加は、電圧印加手段により行うことができる。電圧印加手段は、例えば、前述の説明が援用できる。プラズマ発生工程において、一対の電極間の電流は、例えば、0.01mA以上100000mA以下に設定することが好ましく、50mA以上2000mA以下に設定することがより好ましい。
本開示の分析方法において、検出工程は、プラズマにより生じたターゲットの発光を検出する工程である。
検出工程において、発生したプラズマの発光は、例えば、連続的に検出してもよいし、非連続的に検出してもよい。発光の検出としては、例えば、発光の有無の検出、発光の強度の検出、特定の波長の検出、スペクトルの検出等があげられる。特定の波長の検出としては、例えば、ターゲットが、プラズマ発光時に発する特有の波長の検出があげられる。発光の検出方法は、特に制限されず、例えば、CCD(Charge Coupled Device)、分光器等の公知の光学測定機器が利用できる。
検出工程は、例えば、プラズマ発生工程で発生したプラズマによる発光の検出であるため、プラズマ発生工程と並行して行われる。検出工程は、例えば、濃縮工程と連続的に行ってもよいし、非連続的に行ってもよい。前者の場合、例えば、検出工程は、濃縮工程の終了と同時に、プラズマ発生工程と並行して行われる。後者の場合、例えば、検出工程は、濃縮工程の終了後から所定時間内に、プラズマ発生工程と並行して行われる。前記所定時間は、例えば、濃縮工程後、0.001秒以上1000秒以下であってもよく、1秒以上10秒であってもよい。
本開示の分析方法は、さらに、検出工程における検出結果から、試料中のターゲットの濃度を算出する算出工程を含んでもよい。前記検出結果としては、例えば、前述の発光の強度等があげられる。算出工程において、ターゲットの濃度は、例えば、検出結果、及び検出結果と試料中のターゲットの濃度との相関関係に基づき、算出できる。前記相関関係は、例えば、ターゲットの濃度が既知である標準試料について、本開示の分析方法により得られた検出結果と、標準試料のターゲットの濃度とをプロットすることにより求めることができる。標準試料は、ターゲットの希釈系列が好ましい。このように算出を行うことによって、信頼性の高い定量が可能となる。
本開示の分析方法において、一対の電極は、透光部を含む容器内に配置されていてもよい。この場合、検出工程において、透光部を通してターゲットの発光を受光可能に配置された受光部により前記発光を検出する。容器、透光部、受光部等の説明は、例えば、後述する本開示の分析方法に使用できる分析装置の説明を援用できる。
次に、本開示の分析方法に使用される分析装置の一例について、図面を参照し説明する。また、図面においては、説明の便宜上、各部の構造は適宜簡略化して示す場合があり、各部の寸法比等は、実際とは異なり、模式的に示す場合がある。
図1において、(A)は、プラズマ分光分析装置の模式透視斜視図であり、(B)は、(A)において、I−I方向からみた模式断面図である。図1(A)及び(B)に示すように、分析装置10は、一対の電極1、2、容器4、及び受光部5を含み、容器4は、透光部3を含み、容器4の外部には、一対の電極1、2への電圧印加により発生したターゲットに由来するプラズマ発光を、透光部3を通して受光可能に配置された受光部5が配置されている。また、電極1は、容器4の底面に対して垂直方向に配置され、その一端は、透光部3と当接するように配置されている。電極2は、容器4の側面から内部に向かって配置されている。電極1は、絶縁性材料6により被覆されている。分析装置10において、ターゲットを含む試料は、例えば、容器4の筒内に、電極1、2と接するように導入される。図1において、分析装置10は、縦置き型の分析装置としているが、分析装置10は、例えば、横置き型の分析装置としてもよい。
電極1は、その表面の一部を絶縁性材料6により被覆されているが、絶縁性材料6は、任意の構成であり、あってもよいし、なくてもよい。また、電極1、2は、容器4の異なる面に配置されているが、電極1、2の配置位置は、特に制限されず、任意の位置に配置できる。
図1において、電極1と透光部3とは接しているが、例えば、電極1が透光部3から離れて配置されてもよい。電極1と容器4の底面との距離は、特に制限されず、例えば、0cm以上2cm以下であってもよく、0cm以上0.5cm以下であることが好ましい。
透光部3の材料は、特に制限されず、例えば、一対の電極1、2への電圧印加により発生した発光を透光する材料であればよく、発光の波長に応じて、適宜設定できる。透光部3の材料は、例えば、石英ガラス、アクリル樹脂(例えば、ポリメチルメタクリレート(PMMA))、ホウケイ酸ガラス、ポリカーボネート(PC)、シクロオレフィンポリマー(COP)、メチルペンテンポリマー(TPX(登録商標))等があげられる。透光部3の大きさは、特に制限されず、例えば、一対の電極1、2への電圧印加により発生した発光を透過可能な大きさであればよい。
図1において、容器4は、有底筒状であるが、容器4の形状はこれに限定されず、任意の形状としてよい。容器4の材料は、特に制限されず、例えば、アクリル樹脂(例えば、ポリメチルメタクリレート(PMMA))、ポリプロピレン(PP)、ポリエチレン(PE)、ポリ塩化ビニル(PVC)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリスチレン(PS)等があげられる。容器4の容積は、例えば、0.5cm以上1.5cm以下であってもよく、0.3cm以上0.5cm以下であってもよい。容器4が有底筒状である場合、容器4の直径は、例えば、0.4cm以上50cm以下であってもよく、1cm以上5cm以下であることが好ましい。容器4の高さは、例えば、0.3cm以上50cm以下であってもよく、0.7cm以上2cm以下であることが好ましい。
受光部5は、特に制限されず、例えば、CCD、分光器等の公知の光学測定機器であってもよい。受光部5は、例えば、分析装置10の外部に配置された光学測定機器に発光を伝送する伝送手段でもよい。伝送手段としては、例えば、光ファイバー等の伝送路があげられる。
容器4の製造方法は、特に制限されず、例えば、射出成型等により、成型体を製造してもよいし、プレート等の基材に凹部を形成することで製造してもよい。その他、容器4等の製造方法は、特に制限されず、例えば、リソグラフィ、切削加工等があげられる。
<プラズマ発光の抑制剤>
本開示の非ターゲットに由来するプラズマ発光の抑制剤(以下、「抑制剤」ともいう。)は、本開示の分析方法に使用される消泡剤を主成分として含有することを特徴とする。本開示の抑制剤は、消泡剤を含み、本開示の分析方法に使用することが特徴であり、その他の構成及び条件は、特に制限されない。本開示の抑制剤によれば、本開示の分析方法において、非ターゲットに由来するプラズマ発光を抑制できる。
本開示の抑制剤における消泡剤の詳細は、本開示の分析方法に用いる消泡剤の説明を援用できる。本開示の抑制剤における本開示の分析方法の詳細は、上述した通りである。
主成分とは、本開示の分析方法において非ターゲットに由来するプラズマ発光を抑制する機能を有する成分を表す。抑制剤は、消泡剤のみを含んでいてもよく、消泡剤のほか、副成分として添加剤等を含んでもよい。
抑制剤の剤型は、特に制限されず、消泡剤の種類等によって適宜設定できる。抑制剤の剤型は、例えば、固体であってもよいし、液体であってもよい。
本開示の消泡剤は、本開示のプラズマ分光分析における非ターゲットに由来するプラズマ発光の抑制剤として使用することができる。
次に、実施例について説明する。なお、本発明は、下記の実施例により制限されない。
(実施例1)
消泡剤を共存させることにより、試料中の非ターゲットに由来するプラズマ発光が抑制されることを確認した。
(1)プラズマ分光分析装置
プラズマ分光分析装置として、有底筒状の透明PMMA製容器(高さ15mm×直径φ10mm)を準備した。前記容器の底部の中央には、石英ガラスを配置した。前記容器内に、電極1と電極2とを配置した。前記電極1は、前記容器底面に対して垂直方向に配置した。そして、電極1の一端が、前記容器の底部の石英ガラスに当接するように配置した。電極1は、直径0.12mmの真鍮棒を使用した。電極1は、先端から0.3mmまでを露出し、その他の領域を絶縁したものを使用した。電極2は、電極1に対して垂直方向であって、前記容器の側面から内部に向かって配置した。電極2は、直径2.5mmの炭素電極棒を使用した。また、前記石英ガラスを介して、電極1の先端と対面するように光ファイバーを配置した。前記光ファイバーは、直径400μm 単芯の光ファイバーを使用した。また、前記光ファイバーは、凹面グレーティング方式の分光器(自家調製)に接続した。
(2)水銀の分析
被検者2名(A及びB)から尿試料を採取し、それぞれの尿試料に、終濃度5体積%となるようにエタノールを添加した。エタノール添加の尿試料を、実施例の試料A及びBとし、エタノール未添加の尿試料を、比較例の試料A及びBとした。
そして、前記分析装置の容器の内部に、前記各試料400μLを導入した。電極1と電極2との間に、電極1が陰極(カソード)となり、電極2が陽極(アノード)となるよう、下記の濃縮条件で電圧を印加し、電極1の近傍に水銀を濃縮した。
(濃縮条件)
印加周期:4秒
非印加時間:2秒
パルス幅:2秒
Duty:50%
電圧印加時の電流:20mA
電圧非印加時の電流:0mA
印加回数:300回
濃縮工程の時間:1200秒
濃縮工程の直後に、電極1と電極2との間に、電極1が陽極となり、電極2が陰極となるよう、下記のプラズマ発生条件で電圧及び電流を印加し、プラズマを発生させ、前記プラズマによるプラズマ発光について、各波長における発光強度(カウント値)を測定した。なお、水銀由来のプラズマの発光のピーク波長は、約253nmである。
(プラズマ発生条件)
パルス幅:50μ秒
Duty:50%
電圧印加時の電圧値:500V
電圧非印加時の電圧値:0V
印加回数:25回
プラズマ発生工程の時間:2.5m秒
これらの結果を図2に示す。図2は、水銀に由来する発光のピーク付近のスペクトルを示すグラフであり、(A)が、被検者Aの実施例試料A及び比較例試料Aの結果であり、(B)が、被検者Bの実施例試料B及び比較例試料Bの結果である。図2において、横軸は、波長を示し、縦軸は、発光強度(カウント値)を示す。また、図2において、実線は、実施例試料の結果を示し、破線は、比較例試料の結果を示す。
図2(A)に示すように、比較例試料Aの結果(点線)では、水銀特有のプラズマ発光の波長(253nm付近)において、明確なピークが確認されず、それよりも低い波長(252nm付近)に非ターゲットに由来するピークが確認された。これに対して、実施例試料Aの結果(実線)では、ベースラインが下がり、非ターゲットに由来するピークが消失し、水銀特有の波長においてのみピークが確認できた。また、図2(B)においても同様であり、比較例試料Bの結果(点線)では、水銀特有の波長においてピークが確認されているが、それ以外の波長においても非ターゲットに由来するピークが確認された。これに対して、実施例試料Bの結果(実線)では、ベースラインが下がり、非ターゲットに由来するピークが消失し、水銀特有の波長においてのみピークが確認できた。これらの結果から、本開示の分析方法によれば、非ターゲット由来のプラズマ発光を抑制し、ターゲットである水銀を高感度に分析できることがわかった。
(3)鉛の分析
実施例1(2)と同じ尿試料を使用し、実施例1(2)と同様にして、各波長における発光強度(カウント値)を測定した。なお、鉛由来のプラズマの発光のピーク波長は、約368nmである。
これらの結果を図3に示す。図3は、鉛に由来する発光のピーク付近のスペクトルを示すグラフであり、(A)が、被検者Aの実施例試料A及び比較例試料Aの結果であり、(B)が、被検者Bの実施例試料B及び比較例試料Bの結果である。図3において、横軸は、波長を示し、縦軸は、発光強度(カウント値)を示す。また、図3において、実線は、実施例試料の結果を示し、破線は、比較例試料の結果を示す。
図3(A)に示すように、比較例試料Aの結果(点線)では、鉛特有のプラズマ発光の波長(368nm付近)において、ピークが確認されているが、それ以外の波長(362nm及び364nm付近)においても非ターゲットに由来するピークが確認された。これに対して、実施例試料Aの結果(実線)では、ベースラインが下がり、362nm付近における非ターゲットに由来するピークが消失し、364nm付近における非ターゲットに由来するピークが減少し、鉛特有の波長のピークが明確になった。また、図3(B)においても同様であり、比較例試料Bの結果(点線)では、鉛特有の波長において、ピークが確認されているが、それ以外の波長においても非ターゲットに由来するピークが確認された。これに対して、実施例試料Bの結果(実線)では、ベースラインが下がり、362nm付近における非ターゲットに由来するピークが消失し、364nm付近における非ターゲットに由来するピークが減少し、鉛特有の波長のピークが明確になった。これらの結果から、本開示の分析方法によれば、非ターゲット由来のプラズマ発光を抑制し、ターゲットである鉛を高感度に分析できることがわかった。
(実施例2)
消泡剤の濃度を変化させ、試料中の非ターゲットに由来するプラズマ発光が抑制されることを確認した。
(1)水銀の分析
被験者から採取した尿試料に対し、終濃度が、0体積%、5体積%、又は12.5体積%となるようにエタノールを添加した以外は、実施例1(2)と同様にして、尿試料における水銀の分析を行った。
これらの結果を図4に示す。図4は、異なるエタノール濃度である尿試料における、水銀に由来する発光のピーク付近のスペクトルを示すグラフである。図4において、横軸は、波長を示し、縦軸は、発光強度(カウント値)を示す。図4に示すように、エタノール未添加(0体積%)の試料では、水銀特有の波長(253nm付近)において、ピークが確認されているが、それ以外の波長(252nm付近)においても非ターゲットに由来するピークが確認された。これに対して、エタノール添加の試料では、いずれのエタノール濃度であっても、ベースラインが下がり、非ターゲットに由来するピークがほぼ消失し、水銀特有の波長においてのみピークが確認できた。
(2)鉛ピークの測定
実施例2(1)と同じ尿試料を使用し、実施例2(1)と同様にして、尿試料における鉛の分析を行った。
これらの結果を図5に示す。図5は、異なるエタノール濃度である尿試料における、鉛に由来する発光のピーク付近のスペクトルを示すグラフである。図5において、横軸は、波長を示し、縦軸は、発光強度(カウント値)を示す。図5に示すように、エタノール未添加(0体積%)の試料では、鉛特有の波長(368nm付近)において、ピークが確認されているが、それ以外の波長(362nm及び364nm付近)においても非ターゲットに由来するピークが確認された。これに対して、いずれのエタノール濃度であっても、ベースラインが下がり、362nm付近における非ターゲットに由来するピークが消失し、364nm付近における非ターゲットに由来するピークが減少し、鉛特有の波長におけるピークが明確になった。
実施例2(1)及び(2)のいずれにおいても、エタノール濃度12.5体積%の条件では、非ターゲットに由来する発光が充分に抑制され、且つ、ターゲットに由来する発光のピークは、比較例試料におけるピークの1/2程度維持された。この結果は、十分なS/N比が維持されていると言える。さらに、エタノール濃度が5体積%の場合は、非ターゲットに由来する発光が抑制され、且つ、ターゲットに由来する発光のピークは、比較例試料におけるピークの3/4程度維持された。この結果は、より良いS/N比と言える。
(実施例3)
様々な消泡剤を用いて、試料中の非ターゲットに由来するプラズマ発光が抑制されることを確認した。
被験者から採取した尿試料に対し、消泡剤として、エタノール、メタノール、ブタノール、イソプロパノール、アセトン、SNデフォーマー777(サンノプコ)、又はトリトン(商標)X−100を使用し、終濃度が、それぞれ、5体積%となるように添加、又は未添加(0体積%)とした以外は、実施例1(2)と同様にして、尿試料における水銀及び鉛の分析を行った。消泡剤未添加の尿試料を、比較例試料とした。
この結果を図6に示す。図6は、異なる消泡剤を添加した尿試料における、(A)水銀に由来する発光のピーク付近のスペクトルを示すグラフ、及び、(B)鉛に由来する発光のピーク付近のスペクトルを示すグラフである。図6において、横軸は、波長を示し、縦軸は、発光強度(カウント値)を示す。図6(A)に示すように、比較例試料の場合(点線)、水銀特有のプラズマ発光の波長(253nm付近)において、ピークが確認されているが、それ以外の波長(251.6nm付近)においても非ターゲットに由来するピークが確認された。これに対して、いずれの消泡剤を添加した場合も、ベースラインが下がり、非ターゲットに由来するピークが減少し、水銀特有の波長におけるピークが明確になった。特に、ブタノール、イソプロパノール、アセトン、又はSNデフォーマー777を添加した場合、非ターゲットに由来するピークがほぼ消失していた。また、図6(B)に示すように、比較例試料の場合(点線)、鉛特有のプラズマ発光の波長(368nm付近)において、ピークが確認されているが、それ以外の波長(360.4nm、362nm及び364nm付近)においても非ターゲットに由来するピークが確認された。これに対して、いずれの消泡剤を添加した場合も、ベースラインが下がり、非ターゲットに由来するピークが減少し、鉛特有の波長におけるピークが明確になった。
(参考例)
蒸留水の添加によっては、試料中の非ターゲットに由来するプラズマ発光が抑制されないことを確認した。
ターゲット以外の発光ピークの発生が、試料の粘度によるものか否かを確認するため、尿試料を蒸留水で希釈し、ターゲット以外の発光ピークに与える影響を確認した。具体的には、被験者から採取した尿試料に対し、消泡剤に代えて、終濃度が、25体積%となるように蒸留水を添加、又は未添加(0体積%)とした以外は、実施例1(2)と同様にして、尿試料における水銀及び鉛の分析を行った。
この結果を図7に示す。図7は、蒸留水を添加した尿試料における、(A)水銀に由来する発光のピーク付近のスペクトルを示すグラフ、及び、(B)鉛に由来する発光のピーク付近のスペクトルを示すグラフである。図7において、横軸は、波長を示し、縦軸は、発光強度(カウント値)を示す。図7(A)に示すように、蒸留水未添加の試料の場合(実線)、実施例3における比較例試料の結果と同様に、水銀特有のプラズマ発光の波長(253nm付近)において、ピークが確認され、それ以外の波長(251.6nm付近)においても非ターゲットに由来するピークが確認された。これに対して、蒸留水を添加した試料では、実施例3における消泡剤を添加した場合とは異なり、ベースラインが上がり、非ターゲットに由来するピークが増加していた。また、図7(B)に示すように、蒸留水未添加の試料の場合(実線)、実施例3における比較例試料の結果と同様に、鉛特有のプラズマ発光の波長(368nm付近)において、ピークが確認され、それ以外の波長(360.4nm、362nm及び364nm付近)においても非ターゲットに由来するピークが確認された。これに対して、蒸留水を添加した試料では、実施例3における消泡剤を添加した場合とは異なり、ベースラインが上がり、非ターゲットに由来するピークが増加していた。これらの結果から、ターゲット以外の発光ピークの発生が、試料の粘度によるものではないことが示唆された。
以上、実施形態及び実施例を参照して本発明を説明したが、本発明は、上記実施形態及び実施例に限定されるものではない。本発明の構成や詳細には、本発明のスコープ内で当業者が理解しうる様々な変更をできる。
本開示のプラズマ分光分析方法は、例えば、試料に対するフィルターろ過による非ターゲットの除去を行うことなく、非ターゲットに由来するプラズマ発光を抑制できる。このため、例えば、試料中のターゲットの濃度等が変化することなく、且つ高い感度で試料を分析できる。このため、本開示のプラズマ分光分析方法は、例えば、プラズマ発光を利用した元素等の分析に、極めて有用である。
1、2 電極
3 透光部
4 容器
5 受光部
6 絶縁性材料
10 分析装置

Claims (20)

  1. 試料の存在下、一対の電極のうち一方の電極の近傍に、前記試料中のターゲットを濃縮する濃縮工程と、
    前記一対の電極への電圧印加により、前記試料中でプラズマを発生させるプラズマ発生工程と、
    前記プラズマにより生じた前記ターゲットの発光を検出する検出工程とを含み、
    前記プラズマ発生工程は消泡剤の存在下で行われる、プラズマ分光分析方法。
  2. 前記濃縮工程が、前記試料の存在下、前記一対の電極への電圧印加により、前記一対の電極のうち一方の電極の近傍に前記試料中のターゲットを濃縮する工程である、請求項1に記載のプラズマ分光分析方法。
  3. 前記濃縮工程において、前記電圧印加時の一対の電極間の電流が、一定である、請求項2に記載のプラズマ分光分析方法。
  4. 前記濃縮工程が、
    前記一対の電極への電圧印加を行う電圧印加工程と、
    前記一対の電極への電圧印加を行わない電圧非印加工程とを含み、
    前記電圧印加工程において、前記電圧印加時の一対の電極間の電流が一定である、請求項3に記載のプラズマ分光分析方法。
  5. 前記濃縮工程において、前記電圧印加工程と前記電圧非印加工程とを各1回行う繰り返しを1セットとし、前記1セットの時間が、0.25秒以上である、請求項4に記載のプラズマ分光分析方法。
  6. 前記濃縮工程において、前記電圧印加工程と前記電圧非印加工程とを各1回行う繰り返しを1セットとし、前記1セットの時間における前記電圧非印加工程の時間が、0.125秒以上である、請求項4又は請求項5に記載のプラズマ分光分析方法。
  7. 前記濃縮工程において、前記電圧印加工程と前記電圧非印加工程とを各1回行う繰り返しを1セットとし、前記1セットの時間における前記電圧印加工程の時間の割合が、1%以上99%以下の範囲である、請求項4から請求項6のいずれか一項に記載のプラズマ分光分析方法。
  8. 前記濃縮工程において、前記電圧印加時の一対の電極間の電流値が、0.01mA以上200mA以下の範囲である、請求項2から請求項7のいずれか一項に記載のプラズマ分光分析方法。
  9. 前記一対の電極は、前記試料との接液面積が異なる一対の電極であり、
    前記一対の電極のうち、前記試料との接液面積が小さい電極が、前記一対の電極のうち一方の電極であり、且つ、前記発光の検出により前記ターゲットを分析する電極である、請求項1から請求項8のいずれか一項に記載のプラズマ分光分析方法。
  10. 前記消泡剤が、アルコール化合物、界面活性剤、及びケトン化合物からなる群から選択された少なくとも1つである、請求項1から請求項9のいずれか一項に記載のプラズマ分光分析方法。
  11. 前記消泡剤がアルコール化合物であり、前記アルコール化合物が、メタノール、エタノール、イソプロパノール、及びブタノールからなる群から選択された少なくとも1つである、請求項10に記載のプラズマ分光分析方法。
  12. 前記消泡剤が界面活性剤であり、前記界面活性剤が、オイル系界面活性剤、エマルジョン系界面活性剤、及びポリエーテル系界面活性剤からなる群から選択された少なくとも1つである、請求項10に記載のプラズマ分光分析方法。
  13. 前記試料に対する、前記消泡剤の濃度が、0.025体積%〜12.5体積%の範囲である、請求項1から請求項12のいずれか一項に記載のプラズマ分光分析方法。
  14. 前記プラズマ発生工程における前記電圧は、前記濃縮工程における前記電圧より高い電圧である、請求項2から請求項13のいずれか一項に記載のプラズマ分光分析方法。
  15. 前記濃縮工程における前記電圧は、1mV以上である、請求項2から請求項14のいずれか一項に記載のプラズマ分光分析方法。
  16. 前記プラズマ発生工程における前記電圧は、10V以上である、請求項1から請求項15のいずれか一項に記載のプラズマ分光分析方法。
  17. 前記ターゲットは、金属である、請求項1から請求項16のいずれか一項に記載のプラズマ分光分析方法。
  18. 前記金属は、アルミニウム、アンチモン、ヒ素、バリウム、ベリリウム、ビスマス、カドミウム、セシウム、ガドリニウム、鉛、水銀、ニッケル、パラジウム、白金、テルル、タリウム、トリウム、スズ、タングステン、及びウランからなる群から選択された少なくとも一つの金属である、請求項17に記載のプラズマ分光分析方法。
  19. 前記一対の電極は、容器内に配置され、
    前記容器は、透光部を含み、
    前記容器の外部には、前記透光部を通して前記ターゲットに由来するプラズマ発光を受光可能な受光部が配置されている、請求項1から請求項18のいずれか一項に記載のプラズマ分光分析方法。
  20. 請求項1から請求項19のいずれか一項に記載のプラズマ分光分析方法に使用される前記消泡剤を主成分として含有する、非ターゲットに由来するプラズマ発光の抑制剤。
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