JPWO2005017026A1 - ゴム質重合体含有材料、この製造方法、これを配合してなる熱可塑性樹脂 - Google Patents
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Abstract
Description
さらに、上記本発明のゴム質重合体含有材料は、前記無機微粉末の含有量が、ゴム質重合体100質量部に対し0.05〜8質量部であることが好ましい。
さらに、上記本発明のゴム質重合体含有材料は、前記硬質共重合体の含有量が、ゴム質重合体100質量部に対し0.5〜10質量部であることが好ましい。
さらに、上記本発明のゴム質重合体含有材料は、前記硬質共重合体が、20万〜500万の重量平均分子量を有する硬質共重合体であることが好ましい。
スルホン酸系または硫酸系アルカリ金属塩を含むジエン系ゴムを主成分とするゴム質重合体ラテックスを連続して噴霧装置で噴霧している乾燥機内に、該噴霧装置とは独立した噴霧装置で40℃〜85℃のガラス転移温度を有する硬質共重合体のラテックスを連続的に噴霧すること、および/または、
Si系化合物およびTi系化合物ならびにMg、Al、Ca、BaおよびZnの塩化物、炭酸塩および硫酸塩よりなる群から選ばれた化合物からなる1種または2種以上の無機微粉末を、前記ラテックスとは独立に、連続的に投入すること、を特徴とするゴム質重合体含有材料の製造方法である。
本発明におけるゴム質重合体は、ジエン系ゴムを主成分とする。
(ジエン系ゴム)
ジエン系ゴムとしては、ポリブタジエン、ポリイソプレン、スチレン−ブタジエン共重合体、アクリロニトリル−ブタジエン共重合体、ポリクロロプレンなどを挙げることができる。
好ましくは、ゴム重合に用いる単量体は、単量体全量を100質量%とした場合、1,3−ブタジエン(Bdと表すことがある)、イソプレン、クロロプレン等のジエン系単量体を60質量%以上、より好ましくは65質量%以上、残余が前記ジエン系単量体と共重合しうる一種または二種以上のビニル系単量体とからなる。
本発明におけるジエン系ゴムの乳化重合においては、不均化ロジン酸、オレイン酸、ステアリン酸などの高級脂肪酸のアルカリ金属塩といった公知の乳化剤、及び/又はスルホン酸系、硫酸系アルカリ金属塩から選ばれた乳化剤を使用することができる。これらの中では、スルホン酸系、硫酸系アルカリ金属塩を用いることが好ましい。
本発明におけるジエン系ゴムを主成分とするゴム質重合体は、このようなジエン系ゴムに、ビニル系単量体をグラフト共重合することにより調製することができる。
なお、スルホン酸系または硫酸系アルカリ金属塩は、前述した如く、ジエン系ゴムの重合時、ジエン系ゴムを主成分とするゴム質重合体の調製時にすることができ、場合によってはこれら両方で使用してもよいが、ジエン系ゴムの重合時に、スルホン酸系または硫酸系アルカリ金属塩の添加量が所定量となるように添加しておくことが好ましい。
乳化剤の使用量は、1質量部以上とすると重合中に凝集物が生成することがなく、また本発明のゴム質重合体含有材料の粉体特性が向上し、さらに本発明のゴム質重合体含有材料を熱可塑性樹脂に配合してなる熱可塑性樹脂組成物の成型時に滑性が良好になり十分な長期成型安定性を有するものとすることができ、金型からの離型性も向上する。一方、乳化剤の使用量を10質量部以下とすると重合中の泡立ちがなく、これにより生産性が向上し、表面外観が良好な成型品が得られるので好ましい。
Si系化合物の例としては、例えば、二酸化珪素、けいそう土等を、Ti系化合物の例としては、酸化チタンなどを挙げることができる。また、Mg、Al、Ca、BaおよびZnの塩化物、炭酸塩および硫酸塩の例としては、例えば、炭酸マグネシウム、炭酸カルシウム、硫酸バリウム、クレー、タルク、メタ珪酸カルシウムなどを用いることができる。
これらの化合物は天然物であっても合成物であってもよい。無機微粉末は、一種または二種以上を組み合わせて使用することができる。これらの中では、二酸化珪素およびカルシウム塩が好ましい。二酸化珪素としては特に制限されないが、疎水性シリカ、親水性シリカなどあらゆる種類の二酸化珪素を使用することができる。カルシウム塩としては特に制限されないが、その中でも炭酸カルシウムが好ましい。炭酸カルシウムは安価であり、大幅にコストを高めることなく、効果的にゴム質重合体含有材料の粉体特性の改良を行うことができる。
本発明の熱可塑性樹脂組成物は、本発明のゴム質重合体含有材料を熱可塑性樹脂に配合して得る。本発明のゴム質重合体含有材料は、粉体、顆粒またはペレット状であってもよい。本発明のゴム質重合体含有材料は、熱可塑性樹脂100質量部に対して、0.1〜80質量部配合することが好ましく、0.2〜50質量部を配合するのがより好ましい。ゴム質重合体含有材料の配合量を0.1質量部以上とすると本発明の熱可塑性樹脂組成物の成型物の耐衝撃性が高くなり、80質量部以下とすると本発明の熱可塑性樹脂組成物の成型物の外観が良好となりまたコストを低減することができ好ましい。
また本発明の熱可塑性樹脂組成物には、必要に応じて、染料、顔料、安定剤、補強材、充填剤、難燃剤等の各種の添加剤を配合することができる。
PVC:信越化学(株)製、TK−700(商品名)
PC :日本ジーイープラスチック(株)製、レキサン141(商品名)
PBT:三菱レイヨン(株)製、タフペットN1000(商品名)
ABS:宇部サイコン(株)製、UX050(商品名)
AS :宇部サイコン(株)製、SR05B(商品名)
(1)重量平均粒子径(dw)
キャピラリー式粒度分布計(米国MATEC社製、CHDF2000型粒度分布計;商品名)を用い、MATEC社が推奨する標準条件、すなわち、専用の粒子分離用キャピラリー式カートリッジおよびキャリア液を用い、液性はほぼ中性、流速1.4ml/min、圧力を約4000psi、温度35℃に保ち、蒸留水で濃度約3%となるよう希釈したラテックス試料0.1mlを試料として測定した。なお、標準粒子径物質として米国DUKE社製の粒子径既知の単分散ポリスチレンを0.02μmから0.8μmの範囲内で合計12点用いた。
共重合体の組成より、下記Foxの式(T.G.Fox,Bull.Am.Phys.Soc.,vol.1,123(1956))にて計算した。
1/Tg=(w1/Tg1)+(w2/Tg2)+・・・+(wn/Tgn)
上記式において、Tgは、共重合体のガラス転移温度(K)を、Tg1〜Tgnは共重合体を構成する各単量体の単独重合体のガラス転移温度(K)を、nは、共重合体を構成する単量体種の数を、w1〜wnは、共重合体を構成する各単量体の共重合体における重量分率を表す。
なお、本発明においては、ポリメチルメタクリレートのTgとして378K、ポリブチルアクリレートのTgとして219K、ポリブチルメタクリレートのTgとして293Kの値を用い、共重合体を構成する各単量体の重量分率として、各単量体の仕込み組成(重量分率)を用いてガラス転移温度を求めた。
GPC(東ソー(株)製、GPC−8020;商品名)を用い、溶離液としてテトラヒドロフラン、カラムとしてTSK−GEL SUPER HM−H(東ソー(株)製;商品名)6.0mmφ×150mmを二本使用し、流速0.5ml/min、温度40℃に保った状態で、THFで濃度約2.4mg/mlとなるよう希釈した試料10μlを注入して測定した。
(4−1)粉体流動性
JIS K 6741に記載の嵩比重測定装置にゴム質重合体含有材料の粉体50gを入れ、10秒当たりに粉体が落下する質量を測定した(単位はg/10秒)。この数値が大きいほど粉体流動性が良好である。
(4−2)耐ブロッキング性
円筒容器にゴム質重合体含有材料の粉体を20g入れ、50℃で17.5kPaの圧力下で6時間静置した。得られたブロックを12メッシュのふるい上に載せ、ミクロ型電磁振動ふるい機(筒井理化製)で振動を与え、ブロックが60%破砕する時間を測定した。この時間が短いほど、耐ブロッキング性が良好である。
熱可塑性樹脂がポリ塩化ビニルの場合は、6インチロールにて、185℃でゴム質重合体含有材料を配合して得た組成物を3分間溶融混練後、4.9MPa、185℃でプレス成型して、サンプル試験片を得た。
熱可塑性樹脂がポリ塩化ビニル以外の場合は、ゴム質重合体含有材料を配合して得た組成物を30mm二軸押出機にて260℃でペレット化し、その後90℃でペレットを12時間乾燥し、成型温度260℃で射出成型してサンプル試験片を得た。アイゾット衝撃強さは、ASTM D256に準じて測定した。
熱可塑性樹脂がポリ塩化ビニルの場合における、加工時における滑性維持性の指標として、本試験を実施した。6インチロールにて、195℃でゴム質重合体含有材料を配合して得た組成物を溶融混練し、1分間隔でロールからの剥れやすさを確認し、ロールから剥れなくなるまでの時間を評価した。この時間が長いほど、滑性が良好である。
熱可塑性樹脂がポリ塩化ビニル以外の場合における、加工時における滑性の指標として、本試験を実施した。ゴム質重合体含有材料を配合して得た組成物を30mm二軸押出機にて260℃でペレット化する際の、トルクを測定した。このトルク値が小さいほど、滑性が良好である。
熱可塑性樹脂がポリ塩化ビニルの場合は、6インチロールにて、185℃でゴム質重合体含有材料を配合して得た組成物を溶融混練(3分間および10分間)し、得られたサンプルのYIを比較し、YIの差が10以下であればA、10を越え15以下であればB、15を越えればCとした。
熱可塑性樹脂がポリ塩化ビニル以外の場合は、ゴム質重合体含有材料を配合して得た組成物を30mm二軸押出機にて260℃でペレット化し、この操作を三回繰り返した。その後90℃でペレットを12時間乾燥し、成型温度260℃で射出成型してサンプル試験片を得た。このサンプルとアイゾット衝撃強さ試験用試験片とのYIを比較し、YIの差が5以下であればA、5を越えて10以下であればB、10を越えればCとした。
熱可塑性樹脂がポリ塩化ビニルの場合は、ゴム質重合体含有材料を配合して得た組成物から、スクリュー径30mmの一軸押出機により、樹脂温度190℃で厚さ0.2mmのシートを成型し、このシートの表面の艶、フィッシュアイ等の表面外観を、A、B、C、D、E、Fの六段階で目視評価した。基準を以下に示した。また、熱可塑性樹脂がポリ塩化ビニル以外の場合は、アイゾット衝撃試験用の試験片について、その表面外観を上記と同様にして評価した。なお、C以上を合格とした。
A;成型品表面に艶があり、フィッシュアイやフローマークなどの表面外観異常がほとんど認められない。
B;成型品表面に艶があり、ごく少数のフィッシュアイが認められるが、他の表面外観異常がほとんど認められない。
C;成型品表面に艶があり、少数のフィッシュアイが認められるが、他の表面外観異常がほとんど認められない。
D;成型品表面の艶が低下し、少数のフィッシュアイが認められる。
E;成型品表面の艶が低下し、やや多めのフィッシュアイが認められる。
F;成型品表面の艶が非常に低下し、多数のフィッシュアイが認められる。
攪拌装置付き反応装置に、脱イオン水250質量部、アルケニルコハク酸カリウム1.0質量部、メチルメタクリレート(MMAと表すことがある)68質量部、ブチルメタクリレート(BMAと表すことがある)30質量部、ブチルアクリレート(BAと表すことがある)2質量部を仕込み、攪拌を開始し、50℃に昇温した。ついで、脱イオン水30質量部および過硫酸カリウム0.15質量部の混合物を反応装置内に添加して重合を開始し、5時間保持して、硬質共重合体(P−1)のラテックスを得た。硬質共重合体(P−1)の重量平均分子量は240万、ガラス転移温度は70℃であった。得られた結果を纏めて表1に示した。
メチルメタクリレート92.5質量部、ブチルアクリレート7.5質量部およびn−オクチルメルカプタン0.001質量部を仕込んだこと以外は製造例1と同様にして、硬質共重合体(P−2)のラテックスを得た。硬質共重合体(P−2)の重量平均分子量は240万、ガラス転移温度は85℃であった。得られた結果を纏めて表1に示した。
メチルメタクリレート68質量部、ブチルメタクリレート6質量部、ブチルアクリレート26質量部を仕込んだこと以外は製造例1と同様にして、硬質共重合体(P−3)のラテックスを得た。硬質共重合体(P−3)の重量平均分子量は240万、ガラス転移温度は40℃であった。得られた結果を纏めて表1に示した。
メチルメタクリレート86質量部、ブチルアクリレート14質量部を仕込んだこと以外は製造例1と同様にして、硬質共重合体(P−4)のラテックスを得た。硬質共重合体(P−4)の重量平均分子量は500万、ガラス転移温度は70℃であった。得られた結果を纏めて表1に示した。
メチルメタクリレート68質量部、ブチルメタクリレート30質量部、ブチルアクリレート2質量部およびn−オクチルメルカプタン0.07質量部を仕込んだこと以外は製造例1と同様にして、硬質共重合体(P−5)のラテックスを得た。硬質共重合体(P−5)の重量平均分子量は20万、ガラス転移温度は70℃であった。得られた結果を纏めて表1に示した。
メチルメタクリレート98質量部、ブチルアクリレート2質量部およびn−オクチルメルカプタン0.001質量部を仕込んだこと以外は製造例1と同様にして、硬質共重合体(P−6)のラテックスを得た。硬質共重合体(P−6)の重量平均分子量は240万、ガラス転移温度は100℃であった。得られた結果を纏めて表1に示した。
メチルメタクリレート60質量部、ブチルアクリレート40質量部およびn−オクチルメルカプタン0.001質量部を仕込んだこと以外は製造例1と同様にして、硬質共重合体(P−7)のラテックスを得た。硬質共重合体(P−7)の重量平均分子量は240万、ガラス転移温度は20℃であった。得られた結果を纏めて表1に示した。
(ジエン系ゴム重合体の調製)
第一単量体として以下の物質を70Lオートクレーブに仕込み、昇温して43℃になったときレドックス系開始剤を反応機内に添加し、反応を開始し、さらに65℃まで昇温した。
第一単量体
1,3−ブタジエン 23.4質量部
スチレン 6.6質量部
p−メンタンヒドロペルオキシド 0.1質量部
ピロリン酸ナトリウム 0.5質量部
ラウリル硫酸ナトリウム 0.1質量部
(花王(株)製、エマール2F;商品名)
脱イオン水 70 質量部
レドックス系開始剤
硫酸第一鉄 0.0003質量部
エチレンジアミン四酢酸二ナトリウム 0.0009質量部
ロンガリット 0.3質量部
脱イオン水 5 質量部
重合開始から2時間後に下記の開始剤を反応機内に添加し、その直後より下記の第二単量体、乳化剤、脱イオン水を2時間に渡り連続滴下した。
開始剤
p−メンタンヒドロペルオキシド 0.2質量部
第二単量体
1,3−ブタジエン 54.6質量部
スチレン 15.4質量部
乳化剤、脱イオン水
ラウリル硫酸ナトリウム 1.9質量部
(花王(株)製、エマール2F;商品名)
脱イオン水 75 質量部
重合開始から15時間反応させて、ブタジエン系ゴム重合体のラテックスを得た。得られたブタジエン系ゴム重合体のラテックスの重量平均粒子径は200nmであった。
上記重合で得られたブタジエン系ゴム重合体ラテックスを固形分として70質量部、ラウリル硫酸ナトリウム(花王(株)製、エマール2F;商品名)0.6質量部、ロンガリット0.6質量部を窒素置換したフラスコ内に仕込み、内温を70℃に保持して、メチルメタクリレート7.5質量部、エチルアクリレート1.5質量部及びクメンヒドロペルオキシドを上記単量体混合物を100質量部とした場合に0.3質量部含有する混合物を1時間かけて滴下した後1時間保持した。その後、前段階で得られた重合体の存在下で、第2段目としてスチレン15質量部及びクメンヒドロペルオキシドをスチレンを100質量部とした場合に0.3質量部含有する混合物を1時間かけて滴下した後3時間保持した。
しかる後に、第1段目および第2段目で得られた重合体の存在下で、第3段目としてメチルメタクリレート6質量部およびクメンヒドロペルオキシドをメチルメタクリレートを100質量部とした場合に0.3質量部含有する混合物を0.5時間かけて滴下した後1時間保持してから重合を終了してジエン系ゴムを主成分とするゴム質重合体のラテックスを得た。得られたジエン系ゴムを主成分とするゴム質重合体(G−1)ラテックスにブチル化ハイドロキシトルエン0.5質量部を添加した。
上記ゴム質重合体(G−1)ラテックスの固形分100質量部に対し、製造例1の硬質共重合体(P−1)ラテックスの固形分が2質量部の割合となるように、製造例1の硬質共重合体(P−1)ラテックスを圧力ノズルから、上記ゴム質重合体ラテックスを硬質共重合体(P−1)ラテックスとは別の加圧2流体ノズルから同時に、各々、スプレードライヤー内に噴霧してゴム質重合体含有材料(B−1)を得た。得られたゴム質重合体含有材料について粉体特性を評価した。結果を纏めて表2−1に示した。
ジエン系ゴム質重合体を含むゴム質重合体含有材料の調製において、製造例1の硬質共重合体(P−1)ラテックスに代えて製造例2の硬質共重合体(P−2)ラテックスとした以外は実施例1と同様にして、ゴム質重合体含有材料(B−2)を得た。得られたゴム質重合体含有材料について粉体特性を評価した。結果を纏めて表2−1に示した。
ジエン系ゴム質重合体を含むゴム質重合体含有材料の調製において、製造例1の硬質共重合体(P−1)ラテックスに代えて製造例3の硬質共重合体(P−3)ラテックスとした以外は実施例1と同様にして、ゴム質重合体含有材料(B−3)を得た。得られたゴム質重合体含有材料について粉体特性を評価した。結果を纏めて表2−1に示した。
ジエン系ゴム質重合体を含むゴム質重合体含有材料の調製において、製造例1の硬質共重合体(P−1)ラテックスに代えて製造例4の硬質共重合体(P−4)ラテックスとした以外は、実施例1と同様にして、ゴム質重合体含有材料(B−4)を得た。得られたゴム質重合体含有材料について粉体特性を評価した。結果を纏めて表2−1に示した。
ジエン系ゴム質重合体を含むゴム質重合体含有材料の調製において、製造例1の硬質共重合体(P−1)ラテックスに代えて製造例5の硬質共重合体(P−5)ラテックスとした以外は、実施例1と同様にして、ゴム質重合体含有材料(B−5)を得た。得られたゴム質重合体含有材料について粉体特性を評価した。結果を纏めて表2−1に示した。
硬質共重合体(P−1)ラテックスの固形分が0.5質量部の割合となるように、硬質共重合体(P−1)ラテックスを噴霧した以外は、実施例1と同様にしてゴム質重合体含有材料(B−6)を得た。得られたゴム質重合体含有材料について粉体特性を評価した。結果を纏めて表2−1に示した。
硬質共重合体(P−1)ラテックスの固形分が5質量部の割合となるように、硬質共重合体(P−1)ラテックスを噴霧した以外は、実施例1と同様にしてゴム質重合体含有材料(B−7)を得た。得られたゴム質重合体含有材料について粉体特性を評価した。結果を纏めて表2−1に示した。
硬質共重合体(P−1)ラテックスの固形分が10質量部の割合となるように、硬質共重合体(P−1)ラテックスを噴霧した以外は、実施例1と同様にしてゴム質重合体含有材料(B−8)を得た。得られたゴム質重合体含有材料について粉体特性を評価した。結果を纏めて表2−1に示した。
ゴム質重合体(G−1)ラテックスに代えて、ジエン系ゴム質重合体の調製において、第一単量体における1,3−ブタジエンの使用量23.4質量部に代えて30.0質量部とし、スチレンの使用量6.6質量部に代えて0質量部とし、第二単量体における1,3−ブタジエンの使用量54.6質量部に代えて70.0質量部とし、スチレンの使用量15.4質量部に代えて0質量部とした以外は実施例1と同様にして、ゴム質重合体含有材料(B−9)を得た。得られたゴム質重合体含有材料について粉体特性を評価した。結果を纏めて表2−1に示した。
なお、ブタジエンゴム重合体ラテックスの重量平均粒子径は190nmであった。
ゴム質重合体(G−1)ラテックスの固形分100質量部に対し、アエロジルR972(アエロジルと表すことがある)(日本アエロジル(株)製;商品名)を0.3質量部の割合となるように、アエロジルを自動計量しエジェクターに吸引させ、気流が流れている配管に導入し、その気流にのせてスプレードライヤーに導入し、上記ゴム質重合体ラテックスは加圧2流体ノズルから同時に、各々、スプレードライヤーに導入・噴霧した以外は実施例1と同様にしてゴム質重合体含有材料(B−10)を得た。得られたゴム質重合体含有材料について粉体特性を評価した。結果を纏めて表2−1に示した。
第二単量体を連続滴下する際に用いるラウリル硫酸ナトリウム量1.9質量部に代えてこの量を1.33質量部とし、ジエン系ゴムを主成分とするゴム質重合体を調製する際に使用するラウリル硫酸ナトリウムの量0.6質量部に代えてこの量を0質量部とした以外は実施例10と同様にして、ゴム質重合体含有材料(B−11)を得た。得られたゴム質重合体含有材料について粉体特性を評価した。結果を纏めて表2−1に示した。
ジエン系ゴムを主成分とするゴム質重合体を調製する際に使用するラウリル硫酸ナトリウムの量0.6質量部に代えてこの量を3.6質量部とした以外は実施例10と同様にしてゴム質重合体含有材料(B−12)を得た。得られたゴム質重合体含有材料について粉体特性を評価した。結果を纏めて表2−1に示した。
ジエン系ゴムを主成分とするゴム質重合体を調製する際に使用するラウリル硫酸ナトリウムの量0.6質量部に代えてこの量を8.6質量部とした以外は実施例10と同様にしてゴム質重合体含有材料(B−13)を得た。得られたゴム質重合体含有材料について粉体特性を評価した。結果を纏めて表2−1に示した。
ラウリル硫酸ナトリウムに代えて、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム(花王(株)製、ネオペレックスF25;商品名)を使用した以外は実施例10と同様にしてゴム質重合体含有材料(B−14)を得た。得られたゴム質重合体含有材料について粉体特性を評価した。結果を纏めて表2−1に示した。
ゴム質重合体(G−1)ラテックスに代えて、ジエン系ゴム質重合体の調製において、第一単量体における1,3−ブタジエンの使用量23.4質量部に代えて30.0質量部とし、スチレンの使用量6.6質量部に代えて0質量部とし、第二単量体における1,3−ブタジエンの使用量54.6質量部に代えて70.0質量部とし、スチレンの使用量15.4質量部に代えて0質量部とした以外は実施例10と同様にしてゴム質重合体含有材料(B−15)を得た。得られたゴム質重合体含有材料について粉体特性を評価した。結果を纏めて表2−1に示した。
なお、ブタジエンゴム重合体ラテックスの重量平均粒子径は190nmであった。
ゴム質重合体(G−1)ラテックスの固形分100質量部に対し、アエロジルR972(日本アエロジル(株)製;商品名)0.3質量部の導入に代えて0.05質量部の導入とした以外は実施例10と同様にしてゴム質重合体含有材料(B−16)を得た。得られたゴム質重合体含有材料について粉体特性を評価した。結果を纏めて表2−1に示した。
ゴム質重合体ラテックスの固形分100質量部に対し、アエロジルR972(日本アエロジル(株)製;商品名)0.3質量部の導入に代えて0.8質量部の導入とした以外、他は実施例10と同様にしてゴム質重合体含有材料(B−17)を得た。得られたゴム質重合体含有材料について粉体特性を評価した。結果を纏めて表2−1に示した。
ゴム質重合体(G−1)ラテックスの固形分100質量部に対し、アエロジルR972(日本アエロジル(株)製;商品名)0.3質量部の導入に代えて、炭酸カルシウム(炭カルと略記することがある)0.5質量部の導入とした以外は実施例10と同様にしてゴム質重合体含有材料(B−18)を得た。得られたゴム質重合体含有材料について粉体特性を評価した。結果を纏めて表2−1に示した。
ジエン系ゴム質重合体を含むゴム質重合体含有材料の調製において、さらに、ゴム質重合体(G−1)ラテックスの固形分100質量部に対し、アエロジルR972(日本アエロジル(株)製;商品名)を0.3質量部の割合で実施例10と同様にしてスプレードライヤーに導入した以外は実施例1と同様にして、ゴム質重合体含有材料(B−19)を得た。得られたゴム質重合体含有材料について粉体特性を評価した。結果を纏めて表2−1に示した。
ゴム質重合体(G−1)ラテックスの固形分100質量部に対し、アエロジル(日本アエロジル(株)製;商品名)0.3質量部に代えて0.8質量部の割合となるように導入し、製造例1の硬質共重合体(P−1)ラテックスの固形分2質量部に代えて0.5質量部の割合となるように噴霧した以外は実施例19と同様にしてゴム質重合体含有材料(B−20)を得た。得られたゴム質重合体含有材料について粉体特性を評価した。結果を纏めて表2−1に示した。
ゴム質重合体(G−1)ラテックスの固形分100質量部に対し、アエロジル(日本アエロジル(株)製;商品名)0.3質量部に代えて0.05質量部の割合となるように導入し、製造例1の硬質共重合体(P−1)ラテックスの固形分2質量部に代えて10質量部の割合となるように噴霧した以外は、実施例19と同様にしてゴム質重合体含有材料(B−21)を得た。得られたゴム質重合体含有材料について粉体特性を評価した。結果を纏めて表2−1に示した。
ジエン系ゴム質重合体を含むゴム質重合体含有材料の調製において、アエロジルR972(日本アエロジル(株)製;商品名)を0.3質量部の割合で導入したのに代えて、炭酸カルシウムを0.5質量部の割合で導入した以外は、実施例19と同様にしてゴム質重合体含有材料(B−22)を得た。得られたゴム質重合体含有材料について粉体特性を評価した。結果を纏めて表2−1に示した。
ゴム質重合体(G−1)ラテックスに代えて、ジエン系ゴム質重合体の調製において、第一単量体における1,3−ブタジエンの使用量23.4質量部に代えて30.0質量部とし、スチレンの使用量6.6質量部に代えて0質量部とし、第二単量体における1,3−ブタジエンの使用量54.6質量部に代えて70.0質量部とし、スチレンの使用量15.4質量部に代えて0質量部とした以外は、実施例19と同様にして、ゴム質重合体含有材料(B−23)を得た。得られたゴム質重合体含有材料について粉体特性を評価した。結果を纏めて表2−1に示した。
製造例1の硬質共重合体(P−1)ラテックスを使用しないこと以外は、実施例1と同様にして、ゴム質重合体含有材料(C−1)を得た。得られたゴム質重合体含有材料について粉体特性を評価した。結果を纏めて表2−2に示した。
アエロジルR972(日本アエロジル(株)製;商品名)に代えて、ニッケル金属粉(金属Niと表すことがある)とした以外は、実施例10と同様にして、ゴム質重合体含有材料(C−2)を得た。得られたゴム質重合体含有材料について粉体特性を評価した。結果を纏めて表2−2に示した。
硬質共重合体(P−1)ラテックスに代えて硬質共重合体(P−6)ラテックスとした以外は、実施例1と同様にして、ゴム質重合体含有材料(C−3)を得た。得られたゴム質重合体含有材料について粉体特性を評価した。結果を纏めて表2−2に示した。
硬質共重合体(P−1)ラテックスに代えて硬質共重合体(P−7)ラテックスとした以外は、実施例1と同様にして、ゴム質重合体含有材料(C−4)を得た。得られたゴム質重合体含有材料について粉体特性を評価した。結果を纏めて表2−2に示した。
アエロジルR972(日本アエロジル(株)製;商品名)に代えて、ニッケル金属粉とした以外は、実施例19と同様にして、ゴム質重合体含有材料(C−5)を得た。得られたゴム質重合体含有材料について粉体特性を評価した。結果を纏めて表2−2に示した。
製造例1の硬質共重合体(P−1)ラテックスに代えて、製造例6の硬質共重合体(P−6)ラテックスとした以外は、実施例19と同様にして、ゴム質重合体含有材料(C−6)を得た。得られたゴム質重合体含有材料について粉体特性を評価した。結果を纏めて表2−2に示した。
製造例1の硬質共重合体(P−1)に代えて、製造例7の硬質共重合体(P−7)ラテックスとした以外は、実施例19と同様にして、ゴム質重合体含有材料(C−7)を得た。得られたゴム質重合体含有材料について粉体特性を評価した。結果を纏めて表2−2に示した。
ジエン系ゴム重合体の調製およびジエン系ゴムを主成分とするゴム質重合体ラテックスの調製において、ラウリル硫酸ナトリウム(花王(株)製、エマール2F;商品名)に代えてオレイン酸カリウム(OAKと表すことがある)(花王(株)製、OSソープ;商品名)とした以外は、実施例10と同様にして、ゴム質重合体含有材料(C−8)を得た。得られたゴム質重合体含有材料について粉体特性を評価した。結果を纏めて表2−2に示した。
ジエン系ゴム重合体の調製およびジエン系ゴムを主成分とするゴム質重合体ラテックスの調製において、ラウリル硫酸ナトリウム(花王(株)製、エマール2F;商品名)に代えてオレイン酸カリウム(花王(株)製、OSソープ;商品名)とした以外は、実施例1と同様にして、ゴム質重合体含有材料(C−9)を得た。得られたゴム質重合体含有材料について粉体特性を評価した。結果を纏めて表2−2に示した。
ジエン系ゴム重合体の調製およびジエン系ゴムを主成分とするゴム質重合体ラテックスの調製において、ラウリル硫酸ナトリウム(花王(株)製、エマール2F;商品名)に代えてオレイン酸カリウム(花王(株)製、OSソープ;商品名)とした以外は、実施例19と同様にして、ゴム質重合体含有材料(C−10)を得た。得られたゴム質重合体含有材料について粉体特性を評価した。結果を纏めて表2−2に示した。
前記熱可塑性樹脂および上記実施例および比較例で得たゴム質重合体含有材料を用い、上記アイゾット衝撃強さ、スティッキング時間、押出しトルク、成型品熱安定性および成型品表面外観の評価に関する項において説明した方法に基づき、熱可塑性樹脂組成物を調製し試験片を作製し評価した。得られた結果を表3−1および表3−2に示した。
また、表3−1および表3−2に示したように、実施例の熱可塑性樹脂組成物からなる試験片は、いずれも、比較例の熱可塑性樹脂組成物からなる試験片よりもアイゾット衝撃強さが大きく耐衝撃性に優れている。また、実施例の熱可塑性樹脂組成物は、比較例の熱可塑性樹脂組成物に比較してスティッキング時間が長く、トルクも小さく、滑性に優れており、かつ、成型時の熱安定性にも優れ、得られた成型品の表面外観も優れている。
Claims (7)
- ジエン系ゴムを主成分とするゴム質重合体と、スルホン酸系もしくは硫酸系アルカリ金属塩と、Si系化合物およびTi系化合物ならびにMg、Al、Ca、BaおよびZnの塩化物、炭酸塩および硫酸塩よりなる群から選ばれた化合物からなる1種または2種以上の無機微粉末、および/またはガラス転移温度が40℃〜85℃の硬質共重合体とを含むことを特徴とするゴム質重合体含有材料。
- 前記スルホン酸系もしくは硫酸系アルカリ金属塩の含有量が、ゴム質重合体100質量部に対し1〜10質量部であることを特徴とする請求項1記載のゴム質重合体含有材料。
- 前記無機微粉末の含有量が、ゴム質重合体100質量部に対し0.05〜8質量部であることを特徴とする請求項1または2記載のゴム質重合体含有材料。
- 前記硬質共重合体の含有量が、ゴム質重合体100質量部に対し0.5〜10質量部であることを特徴とする請求項1ないし3のいずれかに記載のゴム質重合体含有材料。
- 前記硬質共重合体が、20万〜500万の重量平均分子量を有する硬質共重合体であることを特徴とする請求項1ないし4のいずれかに記載のゴム質重合体含有材料。
- 請求項1ないし5のいずれかに記載のゴム質重合体含有材料を熱可塑性樹脂に配合してなる熱可塑性樹脂組成物。
- ゴム質重合体ラテックスを乾燥機中で噴霧乾燥することによって得られるゴム質重合体含有材料の製造方法であって、
スルホン酸系または硫酸系アルカリ金属塩を含むジエン系ゴムを主成分とするゴム質重合体ラテックスを連続して噴霧装置で噴霧している乾燥機内に、該噴霧装置とは独立した噴霧装置で40℃〜85℃のガラス転移温度を有する硬質共重合体のラテックスを連続的に噴霧すること、および/または、Si系化合物およびTi系化合物ならびにMg、Al、Ca、BaおよびZnの塩化物、炭酸塩および硫酸塩よりなる群から選ばれた化合物からなる1種または2種以上の無機微粉末を、前記ラテックスとは独立に、連続的に投入すること、を特徴とするゴム質重合体含有材料の製造方法。
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