JPWO2005007915A1 - マルテンサイト系ステンレス鋼 - Google Patents

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Abstract

スーパー13Cr鋼より優れた耐硫化物応力腐食割れ性を有し、2相ステンレス鋼に匹敵する強度と耐食性を示すマルテンサイト系ステンレス鋼は、質量%で、C:0.001〜0.1%、Si:0.05〜1.0%、Mn:0.05〜2.0%、P:0.025%以下、S:0.010%以下、Cr:11〜18%、Ni:1.5〜10%、sol.Al:0.001〜0.1%、N:0.1%以下、O:0.01%以下、Cu:0〜5%、固溶Mo量:3.5〜7%であって、かつ下記(1)式を満たし、場合により下記A〜C群の少なくとも1の群から選んだ1種または2種以上の元素をさらに含有し、残部はFeおよび存在すれば未固溶Moならびに不純物から本質的に成る化学組成を有する:(1)式 :Ni−bal.=30(C+N)+0.5(Mn+Cu)+Ni+8.2−1.1(Cr+Mo+1.5Si)≧−4.5 A群−W:0.2〜5%; B群−V:0.001〜0.50%、Nb:0.001〜0.50%、Ti:0.001〜0.50%、およびZr:0.001〜0.50%; C群−Ca:0.0005〜0.05%、Mg:0.0005〜0.05%、REM:0.0005〜0.05%、およびB:0.0001〜0.01%。

Description

本発明は、耐炭酸ガス腐食性および耐硫化物応力腐食割れ性に優れたマルテンサイト系ステンレス鋼に関する。本発明のマルテンサイト系ステンレス鋼は、炭酸ガスや硫化水素ガスを含む原油や天然ガスを汲み出す油井管(OCTG)(oil country tubular goods)や、その原油を輸送するフローラインやラインパイプ用の鋼管、油井井戸坑底機器、バルブ等の材料として有用である。
近年、石油または天然ガスを採取するための井戸の環境がますます過酷になっているため、地中から原油を掘り出す油井管や、腐食を抑制する処理を行わず原油をそのまま輸送する際の配管の腐食が大きな問題となっている。
従来、炭酸ガスを多量に含む原油を採掘する油井に対しては、Cr添加鋼の耐食性が良好であることから、13Crマルテンサイト系ステンレス鋼(0.2%C−13%Cr)が主に使用されてきた。また、炭酸ガスだけでなく、さらに微量硫化水素をも含む原油を採掘する油井の場合には、上記13Crマルテンサイト系ステンレス鋼では硫化物応力腐食割れへの感受性が高いため、炭素含有量を低減し、Ni、Moを添加した、スーパー13Cr鋼(0.01%C−12%Cr−5〜7%Ni−0.5〜2.5%Mo)が開発され、その使用範囲が拡大してきている。
しかし、さらに硫化水素を多く含む原油環境になると、スーパー13Cr鋼では硫化物応力腐食割れが発生するので、やむなく上級グレードのステンレス鋼である2相ステンレス鋼を使用しなければならなかった。2相ステンレス鋼には、高強度を得るためには冷間加工が必要で、製造コストが高くなるという問題があった。
マルテンサイト系ステンレス鋼において硫化水素に対する耐食性を向上させるには、Mo添加量を増加させると良好になることが予想される。実際に実用化されている材料の実験データからは、Mo添加量を増加すると、微量の硫化水素環境中での耐食性が向上することが示されている。
M.Ueda,et al,CORROSION 92(1992),Paper No.55のFigure 4は、Mo添加量を増加することによって、微量硫化水素含有環境中の腐食速度が著しく抑制され、硫化物応力腐食割れ性が抑制されることを示している。しかし、Mo添加量が2%を越えると、その耐食性改善効果は頭打ちの傾向となり、大幅な改善が得られなくなることも示唆されている。
このような実験事実が影響を与えたと思われるが、現在実用化されているマルテンサイト系ステンレス鋼では、Moの添加量は高々3%程度である。
一方、特許文献にもMoを多量に添加したマルテンサイト系ステンレス鋼は少なからず開示されている。例えば、特開平2−243740号公報、特開平3−120337号公報、特開平5−287455号公報、特開平7−41909号公報、特開平8−41599号公報、特開平10−130785号公報、特開平11−310855号公報、特開2002−363708号公報等に、高Mo含有マルテンサイト系ステンレス鋼が例示されている。しかし、これらの特許文献には、現状の高々3%Moを添加したマルテンサイト系ステンレス鋼に比べて、Mo含有量をさらに高めることによって、耐食性、特に耐硫化物応力腐食割れ特性が向上することを明示した実施例は無く、高Moにすることによって、一段と優れた耐食性、例えば耐硫化物応力腐食割れ性を得る技術はこれらの特許文献に開示されていない。従って、現行のスーパー13Cr鋼より耐硫化物応力腐食割れ性を改善した鋼は、従来技術に開示されているとは言えない。
特開2000−192196号公報には、2相ステンレス鋼と同等レベルの耐食性を有するマルテンサイト系ステンレス鋼を目的として、高Mo含有鋼とし、さらにCoを添加した鋼が開示されている。この鋼は、実施例において2相ステンレス鋼と同等レベルの耐食性を示すと述べられている。しかし、化学組成が、高Mo含有であるだけでなく、Coというステンレス鋼では通常あまり含有させない元素を含有するので、Mo量の増加だけで耐食性が大きく改善されたとは判断し難く、Coの影響も考慮に入れる必要がある。もっとも、Coは高価な元素であるので、場合によっては2相ステンレス鋼よりも高価なマルテンサイト系ステンレス鋼になる可能性があり、実用上も問題である。
特開2003−3243号公報には、Moを多量添加するが、焼戻しを実施してラーベス相主体の金属間化合物を析出させ、高強度にした鋼が開示されている。すなわち、スーパー13Cr鋼と同等の耐食性を有し、さらに強度を高めるため、析出強化の目的でMo添加量を増加させている。添加Mo量を増加しても、Moが金属間化合物となって析出すれば、耐食性の向上は期待できない。
本発明は、微量硫化水素が混入した炭酸ガス環境での耐食性に優れる、低炭素のスーパー13Crマルテンサイト系ステンレス鋼よりさらに優れた耐食性、特に耐硫化物応力腐食割れ性を有するマルテンサイト系ステンレス鋼を提供する。
本発明者らは、硫化水素を含む環境での耐食性を向上させると思われるMoの添加が、添加量がある程度以上になると、その効果が飽和する原因を調査した。その結果、高Mo材では金属間化合物が析出しやすく、それによって耐食性の向上が頭打ちになることを見い出した。
そこで、高Moマルテンサイト系ステンレス鋼において、耐食性に及ぼす金属間化合物の影響を詳細に調査した。その結果、金属間化合物自体は耐食性を低下させないと思われるが、金属間化合物が析出することによって、鋼中に固溶しているMo量(固溶Mo量)が低下し、耐食性の向上が停滞することを突き止めた。
これらを実験結果で次に説明する。
Mo添加量を0.2〜5%の範囲で変化させたマルテンサイト系ステンレス鋼組成について、950℃から水焼入れした後に600℃で時効処理して焼戻しを行った鋼材(A)と、水焼入れまま(焼戻しなし)の鋼材(B)とを各組成ごとに準備した。
各鋼材について、後述する電解抽出により固溶Mo量を求めた結果を、図1(A)および図1(B)に示す。
図1(A)は焼戻し鋼材(A)の結果である。この図から、マルテンサイト系高Mo鋼に対する従来の一般的な製造方法である焼入れと焼戻し処理を行うと、添加Mo量を増加させても、Mo量が3%以上になると、固溶Mo量が頭打ちとなることが分かる。
図1(B)は焼入れまま鋼材(B)の結果である。この図からわかるように、添加Mo量の増加に伴って、固溶Mo量が増加し、高Mo固溶が実現された鋼材となっている。
これらの鋼材の試験片に、種々の硫化物含有環境において、その耐力に相当する応力を負荷して平滑4点曲げ試験を実施し、硫化物応力腐食割れが発生するか否かを調査した。それらの結果を、図2(A)およびおよび図2(B)に示す。各図の縦軸に腐食環境を示すが、上方に行くにしたがって条件は厳しくなる。図中、黒丸は割れが発生する場合、白丸は割れが発生しない場合を示す。
図2(A)は焼戻し鋼材(A)の耐硫化物応力腐食割れ性を示す。添加Mo量を3%以上に増やしても、耐食性は横ばいとなり、Mo添加の効果が飽和して、それ以上の耐食性の改善は見られない。
一方、焼入れまま鋼材(B)の耐硫化物応力腐食割れ性を図2(B)に示す。図2(A)とは異なり、添加Mo量が3%以上に増えると、さらに耐食性が改善される。
図1(A)、(B)と図2(A)、(B)の結果から、Mo含有マルテンサイト系ステンレス鋼の耐食性は添加Mo量ではなく、固溶Mo量に依存して改善されることが明らかである。
従って、現行のスーパー13Cr鋼の耐食性を改善するために、単にMo添加量を増加させるだけでは十分でなく、固溶状態で鋼中に存在するMo量を増加させる必要がある。
また、金属組織中のδフェライト量が多くなりすぎると、δフェライトとマルテンサイトの界面に金属間化合物が析出しやすく、耐食性が低下することも判明した。従って、固溶Mo量の増大による耐食性の改善を確実にするには、δフェライト量の指標となる次式で示されるNi−bal.の値が一定値以上になる化学組成とすることが有効である。
Ni−bal.=30(C+N)+0.5(Mn+Cu)+Ni+8.2−1.1(Cr+Mo+1.5Si)
本発明に係るマルテンサイト系ステンレス鋼は、質量%で、
C:0.001〜0.1%、Si:0.05〜1.0%、Mn:0.05〜2.0%、P:0.025%以下、
S:0.010%以下、Cr:11〜18%、Ni:1.5〜10%、sol.Al:0.001〜0.1%、
N:0.1%以下、O:0.01%以下、Cu:0〜5%、固溶Mo量:3.5〜7%、
であって、かつ下記(1)式を満たし、場合により下記A〜C群の少なくとも1の群から選んだ1種または2種以上の元素をさらに含有し、残部はFeおよび存在すれば未固溶Moならびに不純物から本質的に成る化学組成を有する:
(1)式:Ni−bal.=30(C+N)+0.5(Mn+Cu)+Ni+8.2−1.1(Cr+Mo+1.5Si)≧−4.5
A群−W:0.2〜5%;
B群−V:0.001〜0.50%、Nb:0.001〜0.50%、Ti:0.001〜0.50%、および
Zr:0.001〜0.50%;
C群−Ca:0.0005〜0.05%、Mg:0.0005〜0.05%、REM:0.0005〜0.05%、および
B:0.0001〜0.01%。
Cuを含有する場合、その含有量は0.1〜5質量%の範囲とすることが好ましい。
本発明によれば、スーパー13Cr鋼の使用限界を超え、これまで高価な2相ステンレス鋼を使用しなければならなかった厳しい環境においても使用が可能な、高強度で靱性、耐食性に優れた、マルテンサイト系ステンレス鋼が提供できる。なお、本鋼種は溶接しても使用でき、油井管だけでなく、フローライン、ラインパイプなどの用途としても好適に使用できる。
図1(A)は焼戻し鋼材について添加Mo量と固溶Mo量との関係を示すグラフである。
図1(B)は焼入れまま鋼材について添加Mo量と固溶Mo量との関係を示すグラフである。
図2(A)は焼戻し鋼材について、添加Mo量と種々の環境における耐硫化物応力腐食割れ性との関係を示すグラフである。
図2(B)は焼入れまま鋼材について、添加Mo量と種々の環境における耐硫化物応力腐食割れ性との関係を示すグラフである。
発明の詳細な説明
本発明に係るマルテンサイト系ステンレス鋼の化学組成について次に説明する。なお、本明細書において化学組成を示す「%」は特に指定しない限り「質量%」である。
C:0.001〜0.1%
Cの含有量が0.1%越えると、鋼の焼き入れままの硬度が高くなり、その耐硫化物応力腐食割れ特性が低下する。強度は低下するが高耐食を得るために、C含有量は低ければ低い方が良い。しかし、経済的に製造容易なことを考慮すると、C含有量の下限は0.001%である。好ましいC含有量は0.001〜0.03%である。
Si:0.05〜1.0%
Siは脱酸に必要な元素であるが、フェライト生成元素であるので、添加しすぎるとδフェライトが生成して、鋼の耐食性、熱間加工性が低下する。脱酸のために0.05%以上添加する。Si添加量が1.0%を越えるとδフェライトが生成しやすくなる。δフェライトは、その周辺にラーベス相、シグマ相等の金属間化合物が析出しやすくなり、鋼の耐食性を低下させる。好ましいSi含有量は0.1〜0.3%である。
Mn:0.05〜2.0%
Mnは脱酸材として製鋼上必要な元素である。Mn添加量が0.05%未満では、脱酸作用が不足して、鋼の靱性、耐食性が低下する。一方、Mn添加量が2.0%を越えても、鋼の靱性が低下する。好ましいMn含有量は0.1〜0.5%である。
P:0.025%以下
Pは不純物として鋼中に存在し、鋼の耐食性、靱性を低下させる。十分な耐食性、靱性を得るためにP含有量を0.025%以下とするが、その含有量は低ければ低い程良い。
S:0.010%以下
Sも不純物として鋼中に存在し、鋼の熱間加工性、耐食性、靱性を低下させる。十分な熱間加工性、耐食性、靱性を得るためにS含有量を0.010%以下とするが、その含有量は低ければ低い程良い。
Cr:11〜18%
Crは鋼の耐炭酸ガス腐食性を向上させるのに有効な元素である。Cr含有量が11%未満では十分な耐炭酸ガス腐食性が得られない。Cr含有量が18%を越えると、δフェライトが生成しやすくなり、δフェライトの周辺にはラーベス相、シグマ相等の金属間化合物が析出しやすくなり、鋼の耐食性が低下する。Cr含有量は好ましくは14.5%未満である。
Ni:1.5〜10%
低C高Crの組成の鋼においてδフェライトの生成を抑制するために、Niを添加する。Ni添加量が1.5%未満ではδフェライトの生成を抑止できない。Ni添加量が10%を越えると、鋼のMs点が低下しすぎて、残留オーステナイトが大量に生成し、高強度が得られなくなる。鋳造時のモールドサイズが大きくなるほど、偏析が起こり易くなって、δフェライトが生成しやすくなる。それを防ぐために、Ni添加量は好ましくは3〜10%、より好ましくは5〜10%である。
固溶Mo:3.5〜7%
Moは鋼に最良の耐硫化物応力腐食割れ特性を付与するための重要な元素である。前述したように、良好な耐硫化物応力腐食割れ性を得るには、Moに関しては、添加量を規定するのではなく、鋼中の固溶Mo量で規定する必要がある。3.5%以上の固溶Mo量を確保できないと、2相ステンレス鋼と同等以上の耐食性が得られない。固溶Mo量の上限は性能面からは特に規定されないが、実質上Moが容易に固溶する上限は7%である。固溶Mo量は、好ましくは4〜7%、より好ましくは4.5〜7%である。なお、Moの添加量に関しては特に制限を設けないが、コストや偏析を考慮すると、10%程度が上限となる。
sol.Al:0.001〜0.1%
Alは脱酸のために必要な元素である。sol.Al量が0.001%未満ではその効果が期待できない。Alは強力なフェライト生成元素であるので、sol.Al量が0.1%を越えるとδフェライトが生成しやすくなる。好ましいsol.Al量は0.005〜0.03%である。
N:0.1%以下
Nの含有量が0.1%を越えると、鋼の硬度が高くなり、靱性の低下と耐硫化物応力腐食割れ特性の低下が問題となってくる。N含有量は低ければ低いほうが、靱性、耐食性が良好となるので、N含有量が好ましくは0.05%以下、より好ましくは0.025%以下、最も好ましくは0.010%以下である。
O(酸素):0.01%以下
酸素量が0.01%を越えると、鋼の靱性、酎食性が低下する。
Cu:0〜5%
Cuは、さらなる耐炭酸ガス腐食性、耐硫化物応力腐食割れ特性の向上を必要とする場合に、添加することができる。また、時効処理を行うことによりさらに高強度が得られる効果を得たい場合にも添加することができる。Cuを添加する場合、上記効果を得るには0.1%以上の添加が必要である。Cu添加量が5%を越えると、鋼の熱間加工性が低下して製造歩留まりが低下する。Cuを添加する場合、好ましい含有量は0.5〜3.5%であり、より好ましくは1.5〜3.0%である。
上記各成分の他、必要に応じて、以下のA群、B群、C群のうちの少なくとも1の群から、各1種以上の元素を添加できる。
A群−W:0.2〜5%
Wは炭酸ガス環境での鋼の局部腐食性をさらに向上させるために添加しても良い。その効果を得るためには、0.2%以上のWの添加が必要である。Wの含有量が5%を越えると、δフェライトの生成により、金属間化合物が析出しやすくなる。Wを添加する場合、その好ましい含有量は0.5〜2.5%である。
B群−V:0.001〜0.50%、Nb:0.001〜0.50%、Ti:0.001〜0.50%、Zr:0.001〜0.50%
V、Nb、Ti、およびZrの1種または2種以上は、Cを固定し、鋼の強度ばらつきを少なくするために添加することができる。これらの各元素について、添加量がそれぞれ0.001%未満の場合はその効果が期待できず、それぞれ0.50%を越える添加ではδフェライトが生成し、その周囲に金属間化合物が生成して耐食性が低下する。これらの元素を添加する場合、その好ましい含有量はそれぞれ0.005〜0.3%である。
C群−Ca:0.0005〜0.05%、Mg:0.0005〜0.05%、REM:0.0005〜0.05%、B:0.0001 〜0.01%
Ca、Mg、REM、Bは、いずれも鋼の熱間加工性を向上させるのに有効な元素である。また、鋳造時のノズルつまりを防止する作用も有する。その効果を得たい場合、これらのうち1種または2種以上を選んで添加することができる。しかし、Ca、Mg、REMはその含有量が0.0005%未満、Bは0.0001%未満では、上記効果が得られない。一方、Ca、Mg、REMはそれぞれ0.05%を超えて含有させると粗大な酸化物が生成し、Bは0.01%を超えて含有させると粗大な窒化物が生成し、それらが孔食起点となって鋼の耐食性が低下する。これらの各元素を添加する場合、Ca、Mg、REMの好ましい含有量は0.0005〜0.01%であり、Bの好ましい含有量は0.0005〜0.005%である。
固溶Mo量の定量:
固溶Mo量は次の手順で求めることが出来る。
添加Mo量が既知の鋼の試験片を、非水溶媒系の10%AA系電解液中で電解抽出処理する。10%AA系電解液は、10%アセチルアセトン−1%塩化テトラメチルアンモニウムのメタノール溶液である。この電解抽出により、鉄や固溶合金元素は溶解するが、金属間化合物は溶解せずに残留する。その後、抽出残渣の残留Mo量を適宜の分析手法で求める。添加Mo量と抽出残渣中の残留Mo量の差が固溶Mo量である。
製造方法:
この発明に係る3.5%以上の固溶Mo量を有する鋼の製造方法は特に制限されない。そのような鋼が得られるプロセスを以下に例示するが、それ以外の方法も、必要な固溶Mo量が確保できれば利用できる。
3.5%以上のMoを含有する所定組成の鋼を鋳造後、得られたインゴットを1200℃程度以上の高温で1時間程度以上加熱してから分塊圧延を実施する。この加熱を行う理由は、インゴットの偏析部にδフェライトが残存して金属間化合物が生成しやすいためである。さらに、再度1200℃程度以上の高温で1時間程度以上の加熱を行ってから、圧延等の熱間加工を実施する。継目無鋼管の場合は、かかる熱間加工工程は、穿孔および圧延工程になる。熱間加工後、加工歪みを除去するために鋼のAc点以上の温度に加熱保持してから、水冷する。得られた焼入れままの状態では、残留オーステナイトが多量に存在して強度が低い場合は、Moが鋼中で拡散できない500℃未満の温度での時効処理をさらに実施しても良い。
金属組織:
本発明のステンレス鋼の金属組織は、マルテンサイト相が存在する組織であればよく、特に規定はしない。しかし、強度を確保する観点から、少なくとも30体積%以上がマルテンサイト相である金属組織が好ましい。残部は残留オーステナイト主体の組織であることが好ましい。
δフェライトは存在しても良いが、その周囲に金属間化合物が析出しやすくなるので、極力その生成を抑えるのが好ましい。δフェライト量の指標となるNi−bal.の値が、次の(1)式で示すように、−4.5以上となるようにする。
Ni−bal.=30(C+N)+0.5(Mn+Cu)+Ni+8.2−1.1(Cr+Mo+1.5Si)≧−4.5 …… (1)
(1)式中の合金元素は、その添加量(質量%)を代入する。Cu無添加鋼では、Cuの数値に0を代入する。δフェライトの生成傾向は、鋼の高温の鋳込み時の状態に影響されるので、Moに関しては、最終製品における固溶Mo量と析出Mo量に関係なく、添加Mo量を代入する。
δフェライトは少なければ少ないほど耐食性が良好であるので、Ni−bal.の値は好ましくは−3.5以上、より好ましくは−2.5以上、最も好ましくは−2以上である。
以下の実施例は、本発明を例示するものであり、本発明は実施例に示した態様に制限されるものではない。
表1に示す化学組成(Mo量は添加量)の鋼を溶製し、インゴットに鋳込んだ。これらのインゴットを1250℃で2時間加熱した後、鍛造にてブロックを作成した。これらのブロックを再び1250℃で2時間加熱して、肉厚10mmの圧延材を作成した。圧延材は一旦室温まで冷却した後、950℃で15分加熱の後、水冷した。一部は水冷ままとし、残りは水冷後に100℃〜620℃で1時間の時効処理による熱処理を施した。
表1において、鋼A〜Uは高Mo添加鋼、鋼Vは従来のスーパー13Cr鋼、鋼Wは2相ステンレス鋼である。鋼A〜Uの高Mo添加鋼のうち、鋼TおよびUはNi−bal.の値が−4.5より小さい点において本発明の要件を満たさない。二相ステンレス鋼Wは、1050℃で溶体化処理後、冷間加工により表2に示す強度に調整した。
各鋼材の固溶Mo量を前記方法により求めた結果を表2に示す。
表2の試験No.1〜19は、鋼A〜Sを用いて、熱処理は強制冷却のままか、500℃以下の低温時効をした例であり、添加したMo量の全量またはほぼ全量が固溶していた。これに対し、同じ組成の鋼を用いて、徐冷するか、500℃以上の高温時効した例が試験No.24〜42であり、固溶Mo量は添加Mo量より著しく低下し、添加Mo量を高くしても3.5%以上の固溶Mo量を確保することができなかった。
試験No.20〜21はδフェライトが多く存在する例であって、金属間化合物が析出し易く、固溶Mo量は低下している。試験No.22は、従来のMo添加量が2.5%以下の例であって、この場合には、Mo量が少ないため、500℃以上で時効処理を行っても、Moは全て固溶していた(図1(A),1(B)を参照)。
各鋼材について、機械的性質を評価するために引張り試験を、耐食性を評価するために平滑4点曲げ試験を実施した。4点曲げ試験は、引張試験で求めた表2に示す降伏応力に対応する曲げ応力が表面に負荷されるように試験片をセットし、その状態で、以下の2水準の環境[図2(A)、(B)の縦軸の上から2番目と1番目と同じ条件]の試験液に、各材料について試験片2枚ずつを336時間浸漬することにより実施し、試験後の割れの有無で評価した。
環境1:25%NaCl、0.01atm HS+30atm CO、pH3.5
環境2:25%NaCl、0.03atm HS+30atm CO、pH3.5
表2において、○○は2枚とも割れ無し、○×は1枚割れ発生、××は2枚とも割れ発生を示す。
試験No.1〜19は本発明で規定される固溶Mo量が確保できた鋼材の例である。引張り試験における降伏応力は最低でも900MPaと、冷間加工した2相ステンレス鋼W(試験No.23)を超える高い強度が得られている。この高強度にもかかわらず、環境1における耐食性ですべて割れを発生せず、良好な耐食性が得られている。そのうち、試験No.3、4、12〜19の鋼材は、Cuを本発明に従った量で含有し、環境1より厳しい環境2でも良好な耐食性を示す。Cuを含有しないが、比較的固溶Mo量が多量に確保された試験No.10、11の鋼材は、他のCuを含有しない鋼より若干耐食性が改善されるが、十分ではないので、固溶Mo量確保とCu添加の両方を満たすと、耐食性が著しく改善されることが明確である。
試験No.20、21は、固溶Mo量は本発明で規定する量を確保できているが、Ni−bal.の値が小さすぎるため、良好な耐食性が得られていない。
試験No.22は従来のスーパー13Cr鋼の例で、耐食性が劣っている。試験No.23は良好な耐食性を有する2相ステンレス鋼の例を示す。
試験No.24〜42は、固溶Mo量が本発明の規定を達成していない例であり、固溶Mo量を除く化学組成はそれぞれ試験No.1〜19と同じである。これらの鋼材は、試験No.1〜19の対応する鋼材に比べて、強度は全般に低くなっているにもかかわらず、耐食性も低下している。従って、固溶Mo量を3.5%以上に確保することは強度と耐食性の両方を著しく改善するのに必須であることが明らかである。
以上に本発明を好適態様について説明したが、本発明はそれらに限定されるものではなく、本発明の範囲内で各種の変更が可能であることはいうまでもない。
Figure 2005007915
Figure 2005007915

Claims (3)

  1. 質量%で
    C:0.001〜0.1%、Si:0.05〜1.0%、Mn:0.05〜2.0%、P:0.025%以下、
    S:0.010%以下、Cr:11〜18%、Ni:1.5〜10%、sol.Al:0.001〜0.1%、
    N:0.1%以下、O:0.01%以下、Cu:0〜5%、固溶Mo量:3.5〜7%、
    W:0〜5%、V:0〜0.50%、Nb:0〜0.50%、Ti:0〜0.50%、Zr:0〜0.50%、
    Ca:0〜0.05%、Mg:0〜0.05%、REM:0〜0.05%、B:0〜0.01%、
    であって、かつ下記(1)式を満たし、残部はFeおよび存在すれば未固溶Moならびに不純物から本質的に成る化学組成を有するマルテンサイト系ステンレス鋼:
    (1)式:Ni−bal.=30(C+N)+0.5(Mn+Cu)+Ni+8.2−1.1(Cr+Mo+1.5Si)≧−4.5
  2. 前記化学組成が0.1〜5質量%のCuを含有する請求項1記載のマルテンサイト系ステンレス鋼。
  3. 前記化学組成が、質量%で、下記A〜C群の少なくとも1の群から選んだ1種または2種以上の元素を含有する請求項1または2に記載のマルテンサイト系ステンレス鋼。
    A群−W:0.2〜5%;
    B群−V:0.001〜0.50%、Nb:0.001〜0.50%、Ti:0.001〜0.50%、および
    Zr:0.001〜0.50%;
    C群−Ca:0.0005〜0.05%、Mg:0.0005〜0.05%、REM:0.0005〜0.05%、および
    B:0.0001〜0.01%。
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