JPH09195003A - 二相ステンレス鋼 - Google Patents

二相ステンレス鋼

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Publication number
JPH09195003A
JPH09195003A JP1698296A JP1698296A JPH09195003A JP H09195003 A JPH09195003 A JP H09195003A JP 1698296 A JP1698296 A JP 1698296A JP 1698296 A JP1698296 A JP 1698296A JP H09195003 A JPH09195003 A JP H09195003A
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JP
Japan
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stainless steel
corrosion resistance
weight
duplex stainless
less
Prior art date
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Pending
Application number
JP1698296A
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English (en)
Inventor
Yoshiyo Shiraishi
佳代 白石
Koichi Yamagishi
浩一 山岸
Takeshi Obara
剛 小原
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Sumitomo Metal Mining Co Ltd
Original Assignee
Sumitomo Metal Mining Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 従来のオーステナイト系ステンレス鋼より、
強度を低下させることなく、さらに優れた耐食性を備え
た二相ステンレス鋼を提供する。 【解決手段】 Cr:20〜35重量%、Ni:3〜1
2重量%、Mo:0.5〜10重量%、W:3重量%を
超え、8重量%以下、Co:0.01〜2重量%、C
u:0.1〜5重量%、N:0.05〜0.5重量%、
C:0.12重量%以下、Si:1重量%以下、Mn:
2重量%以下を含み、残部が鉄および不可避不純物から
なる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、高強度および高耐
食性が必要とされる装置部材などに用いられる二相ステ
ンレス鋼に関する。
【0002】
【従来の技術】高強度および高耐食性を持つ材料が必要
な用途には、河川などで水力発電に用いられる水車ラン
ナーや各種鉱山で過酷な条件で使用される掘削機部品な
ど多種類ある。河川などで水力発電に用いられる水車ラ
ンナーには、従来、SUS304やSUS316などの
オーステナイト系ステンレス鋼が用いられている。とこ
ろで、近年、酸性雨や生活排水などにより、河川水の酸
性化、塩素濃度の増大など水質悪化が著しい。このよう
な環境変化に伴って、従来用いられているオーステナイ
ト系ステンレス鋼に応力腐食割れという破断に至る腐食
が多く見られるようになった。耐応力腐食割れ性の優れ
たステンレス鋼としては、フェライト系ステンレス鋼が
知られている。しかし、フェライト系ステンレス鋼は、
耐応力腐食割れはほとんど起こらないものの、耐衝撃性
が著しく悪い。
【0003】フェライト相とオーステナイト相からなる
二相ステンレス鋼は、従来、そのほとんどが、引張強
度、耐力および耐食性の向上を目的に開発されたもので
あり、通常、フェライト系ステンレス鋼とオーステナイ
ト系ステンレス鋼の中間的な性質を持つ。例えば、耐応
力腐食割れ性は、フェライト系ステンレス鋼よりも若干
劣るものの、オーステナイト系ステンレス鋼よりも優れ
ている。そこで、水車ランナー材料用に、耐食性のさら
に優れた二相ステンレス鋼の開発が求められてきてい
る。
【0004】また、各種鉱山でさらに過酷な条件で使用
される掘削機などには、従来、電気防食やインヒビター
処理を行った普通鋼を用いてきた。しかし、上記のよう
な防食処理を行うことにより、コストが高くなり、高価
なステンレス鋼を使用するコストと同程度となる。その
ため、ステンレス鋼を掘削機部品に使用する機運が高ま
り、特に機械的特性に優れた二相ステンレス鋼が使用さ
れるようになった。ところが、近年の鉱山開発の掘削環
境はさらに厳しくなり、例えば、温泉などの硫化水素環
境、海水などの塩素イオン環境で使用されることが多く
なっている。 そこで、掘削機部品用にも、耐食性のさ
らに優れた二相ステンレス鋼の開発が求められている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】そこで、本発明の目的
は、従来のオーステナイト系ステンレス鋼より、強度を
低下させることなく、さらに優れた耐食性を備えた二相
ステンレス鋼を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記目的を達
成するものとして、Cr:20〜35重量%、Ni:3
〜12重量%、Mo:0.5〜10重量%、W:3重量
%を超え、8重量%以下、Co:0.01〜2重量%、
Cu:0.1〜5重量%、N:0.05〜0.5重量
%、C:0.12重量%以下、Si:1重量%以下、M
n:2重量%以下を含み、残部が鉄および不可避不純物
からなる二相ステンレス鋼である。なお、以下、組成を
示す%は、重量%を意味する。
【0007】
【発明の実施の形態】本発明の二相ステンレス鋼の成分
および組成の限定理由について述べる。Crは、耐食性
向上、およびフェライト相形成による強度向上に寄与す
る元素である。20%未満では耐食性が低下し、35%
を超えると、靱性が低下する。Niは、オーステナイト
相を安定化し、靱性と耐全面腐食性を向上させる元素で
ある。3%未満ではオーステナイト相が消失し、12%
を超えるとオーステナイト相の量が増大し強度が低下す
る。Moは、耐孔食性に寄与する元素であり、0.5%
未満では十分な耐孔食性は得られず、10%を超えると
脆化する。Wは、耐衝撃性向上に最も寄与する元素であ
り、また、Moとの共存下で耐孔食性を向上させる。W
の含有量の下限は、2%であっても本発明の目的は達成
できるが、W:2〜3%の範囲は、本発明者の一部が先
に提案した(特願平6−164789)ので、Wの含有
量を3%を超えるようにした。Wの含有量が8%を超え
ると、耐応力腐食割れ性や耐隙間腐食性などの耐食性が
低下する。Coは、耐隙間腐食性を向上させると共に、
オーステナイト相中に濃縮して伸びを向上させる元素で
ある。0.01%未満では耐隙間腐食性が十分ではな
く、2%を超えると耐力が低下する。
【0008】Cuは、非酸化性環境での耐食性、特に耐
全面腐食性を向上させ、0.1%未満ではその寄与が十
分ではなく、5%を超えると鋳造偏析をおこして強度低
下を招く。Nは、オーステナイト相中に固溶し耐孔食
性、耐隙間腐食性を著しく向上させる。0.05%未満
ではその効果が十分ではなく、0.5%を超えるとCr
との化合物を形成し、逆に耐食性を低下させる。Cは、
オーステナイト相形成元素である。0.12%を超える
とCr炭化物を析出し、延性、靱性、耐食性が低下す
る。Siは、鋼溶製の際、溶鋼の脱酸、脱硫のために必
要な元素である。1%を超えると強度や耐食性が低下す
る。Mnは、鋼溶製の際、溶鋼の脱酸、脱硫のために必
要な元素である。2%を超えると耐食性が低下する。
【0009】
【実施例】
[実施例1〜3、比較例1、2、従来例1、2]高周波
大気溶解炉で所定の組成に溶解した溶湯を、竪型遠心鋳
造装置の、回転数750rpmで回転する直径50cm
の円筒形鋳型に鋳造して、肉厚15cmのリング状鋳塊
とした。この後、鋳塊に1150℃、6時間の熱処理を
施した。得られた熱処理後の鋳塊から引張り試験片、衝
撃試験片、耐食性試験片を切り出した。なお、引張試験
は、JIS Z 2241に準拠し、JIS Z 22
01の14A号試験片を使用した。その結果から0.2
%耐力と伸びを測定した。衝撃試験は、JIS Z 2
242に準拠し、JIS Z 2202の4号試験片を
使用し、20℃でのシャルピー衝撃値を測定した。耐食
性試験は、耐応力腐食割れ性を評価するもので、JIS
G 0576に準拠した。すなわち、沸騰した42%
MgCl2 水溶液中にU字曲げ試験片を120時間浸漬
後、割れ発生の有無を観察した。各試験片の化学分析値
(%)を表1に、得られた試験結果を表2に示す。
【0010】
【表1】
【0011】
【表2】
【0012】表1および表2から、次のことが分かる。
すなわち、実施例1〜3では、いずれも、従来のオース
テナイト系ステンレス鋼である従来例1、2と比較し
て、衝撃値は同程度、0.2%耐力は2倍以上、伸びは
低下するものの、十分な値である25%以上であるの
で、総合的に同程度である。一方、耐食性は、沸騰Mg
Cl2 水溶液中でも割れは発生せず、優れた耐応力腐食
割れ性を示した。これに対して、Wの添加量が多すぎる
比較例1では、衝撃値は高いが、割れが発生しており、
耐応力腐食割れ性が悪い。また、Wの添加量が少ない比
較例2では、衝撃値が著しく低い値となっている。
【0013】
【発明の効果】本発明により、従来のオーステナイト系
ステンレス鋼より、強度を低下させることなく、さらに
優れた耐食性を備えた二相ステンレス鋼を提供すること
ができる。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 Cr:20〜35重量%、Ni:3〜1
    2重量%、Mo:0.5〜10重量%、W:3重量%を
    超え、8重量%以下、Co:0.01〜2重量%、C
    u:0.1〜5重量%、N:0.05〜0.5重量%、
    C:0.12重量%以下、Si:1重量%以下およびM
    n:2重量%以下を含み、残部が鉄および不可避不純物
    からなる二相ステンレス鋼。
JP1698296A 1996-01-08 1996-01-08 二相ステンレス鋼 Pending JPH09195003A (ja)

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Cited By (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2021033672A1 (ja) 2019-08-19 2021-02-25 日本製鉄株式会社 二相ステンレス鋼材
WO2021225103A1 (ja) 2020-05-07 2021-11-11 日本製鉄株式会社 二相ステンレス継目無鋼管
WO2023054599A1 (ja) 2021-10-01 2023-04-06 日本製鉄株式会社 二相ステンレス鋼管
WO2023054343A1 (ja) 2021-09-29 2023-04-06 日本製鉄株式会社 二相ステンレス鋼材
WO2023058630A1 (ja) 2021-10-04 2023-04-13 日本製鉄株式会社 二相ステンレス鋼材
WO2023058631A1 (ja) 2021-10-04 2023-04-13 日本製鉄株式会社 二相ステンレス鋼材

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WO2023054343A1 (ja) 2021-09-29 2023-04-06 日本製鉄株式会社 二相ステンレス鋼材
WO2023054599A1 (ja) 2021-10-01 2023-04-06 日本製鉄株式会社 二相ステンレス鋼管
WO2023058630A1 (ja) 2021-10-04 2023-04-13 日本製鉄株式会社 二相ステンレス鋼材
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