JPS58144460A - 製紙サクションロ−ル用高腐食疲労強度二相ステンレス鋳鋼 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は高腐食疲労強度を有する二相ステンレス鋳鋼に
関する。

フエライトーオーステナイト二相組織を有するステンレ
ス鋳鋼は、その組織的特性により耐力および耐食性のす
ぐれた材料として知られ、強度と耐食性が要求される各
種装置・機器部材として賞月されている。しかしながら
、塩素イオンを含む腐食環境における腐食疲労強度が十
分でなく、繰返し応力の作用する条件下では、早期に材
料劣化が進行し、部材としての安定性に欠ける。

本発明は、上記問題を解決したものであり、Ｆｅ−Ｃｒ
−Ｎｉ系をベースとする化学成分組成の適切な選択と組
合せによって、高耐力、高耐食性とともに、すぐれた腐
食疲労強度を具備せしめ、これら緒特性が要求される用
途、例えば製紙用サクションロール、海水ポンプ、その
他各種化学装置に用いられる材料としての安定性および
耐久性を味証したものである。

すなわち、本発明は、Ｃ０１１％以下（重量％、以下同
じ）、Ｓｉ２．０％以下、Ｍｎ２．０％以下、Ｃｒ　２
２．０〜２７．０　％、Ｎｉ　　５．０〜９．０％、Ｍ
。

１、１〜２．５％、Ｃｕ　　Ｏ，５〜２．５％、Ｃｏ　
　０．５〜２．０％、Ｖｏ、５〜２．０％、残部Ｆｅお
よび不可避の不純物からなる二相ステンレス鋳鋼、並び
に材料特性を更に改善する目的で、上記各合金元素のほ
か、Ｎｂ　Ｏ，０５〜１．０％、Ｔａ　０．０５〜１．
０％およびＴｉＯ，０１〜０５％からなる群より選らば
れる１種もしくは２種以上の元素を含有する二相ステン
レス鋳鋼を提供する。

以下、本発明ステンレス鋳鋼の成分限定理由を説明する
。

Ｃ：Ｏ，ｔ％以下 Ｃは強力なオーステナイト生成元素であり、かつオース
テナイト相を固溶強化する働きを有する。

しかし、含有量が多くなると、Ｍ２Ｒｃ、、で表わされ
る炭化物を形成し、耐食性元素であるＣｒが消費される
ことなどにより耐食性の・氏子を招く。また、該炭化物
の多量の析出によって靭性が悪化する。よって、Ｃ量は
０．１％以下とする。

なお、大型、厚肉鋳鋼品などの鋳造においては、溶湯の
凝固完了までに長時間を要するため、凝固過程における
炭化物析出量の増加、偏析が助長され易い。従って、か
かる鋳鋼品の鋳造を目的とする場合は、Ｃ量を０６０５
％以下とするのが好ましい。

Ｓｉ：２．０％以下 Ｓｉ　は強力な脱酸剤であり、また鋳造性の改善に寄与
する。ただし、多量の添加は、脆化などの材料特性の劣
化を招くので、２．０％を上限とする。

Ｍｎ：２．０％以下 Ｍｎは強力な脱酸・脱硫作用を有し、かつ鋳造性の改善
効果を有するか、多量に含まれると、耐食性が低下する
ので、２．０％以下とする。

Ｃｒ　：　２２．０−２７．０％ Ｃｒはフェライト生成元素であり、フェライト相の形成
による高強度化と、ステンレス鋼としての耐食性を得る
ために欠くことのできない基本元素である。その含有量
は、高強度と高耐食性を確保するために少欠とも２２．
０％を要する。その効果は含有量の増加とともに増大す
るが、多量に添加すると、靭性が低下するので、２７．
０％を上限とする。

Ｎｉ：５．０〜９．０％ Ｎｉはオーステナイト生成元素であり、靭性および耐食
性の改善に著効を発揮する。その含有量は、前記Ｃｒの
含有量とのバランスにより二相組織のフェライト量とオ
ーステナイト量の比率を決定する。従って、本発明にお
いては、二相の適切な量的バランスのもとに、高耐食性
、高靭性および高強度などの諸特性を確保するために、
前記Ｃｒ含有装とＩニ関連して、Ｎｉ含有量を５．０〜
９．０％とする。

Ｍｏ　：　１．１〜２．５％ Ｍｏは耐食性、特に隙間腐食や孔食に対する抵抗性の改
善に大きな効果を有する。含有量が１．１％に満たない
と、その効果が十分でなく、一方２．５％をこえると、
靭性の低下、〆相の析出促進による材料劣ｆヒをきたす
。よって、１．１〜２．５％とする。

Ｃｕ　：　０．５〜２．５％ Ｃｕはオーステナイト相の固溶強化による強度の向上、
非酸化性酸に対する耐食性改善効果を有する。この効果
を得るために０．５％以上含有されるが、多量に含まれ
ると、金属間化合物の析出により脆化などの材料劣化が
生ずるので２．５％を」二限とする。

Ｃｏ　：　０．５〜２．０％ Ｃｏはオーステナイト相を固溶強化して強度を高め、ま
た腐食疲労強度の向上をもたらす。このためには少くと
も０．５％の含有を要するが、２．０鴨をこえるとその
効果はほぼ飽和する。従って、０．５〜２．０％とする
。なお、腐食疲労強度の改善効果は、前記Ｃｕとの複合
含有により、Ｃｕが存在しない場合に比し−そう高めら
れる。

Ｖ：０．５〜２，０％ ■は結晶粒を微細化し、強度の向上、腐食疲労強度の改
善効果を有する。含有量が０．５％に満たないと、効果
が十分でない。含有量を増すとともに効果は増大するが
、２．０％をこえるとその効果はほぼ飽和する。よって
、０．５〜２．０％とする。

本発明ステンレス鋳鋼は、上記各合金元素のはか、更に
Ｎｂ、ＴａおよびＴｉからなる群より選らばれる１種ま
たは２種以上の元素を含有することもある。

Ｎｂ：０．０５〜１．０％ ＮｂはＣとの強い親和力によりＣを固定し、Ｃｒ２３Ｃ
６の析出を抑制することによって耐食性、特に耐粒界腐
食性を高める。また、結晶粒の微細化効果を有する。含
有量が０，０５％に満たないと、その効果は十分でなく
、一方１．０％をこえると効果がほぼ飽和するので、０
．０５〜１．０％とする。

Ｔａ　：　０．０５〜１．０％ Ｎｂと同じく、Ｃを固定しＣｒ２３　Ｃ６炭化物の析出
を抑制し、耐粒界腐食性を高める。この効果を得るため
に０．０５％以上を要するが、１．０％をこえても、そ
れ以上の効果の増加は少ない。よって、０．０５〜１，
０％とする。

Ｔｉ：０．０１〜０．５％ Ｔｉ　はＣと結合し、Ｃｒ２３　Ｃ６の析出を抑制する
ことにより、耐粒界腐食性を改善するほか、結晶粒を微
細化する効果を有する。含有量が０．０１％未満では、
十分な効果が得られず、一方０，５％をこえると、効果
が飽和するほか、靭性の低下を招く。従って、０．０１
〜０．５％とする。

なお、Ｐ、Ｓ、その池、工業的溶製上不可避的に混入す
る不純物元素は、むろん可及的に低いことが望ましいか
、通常の溶製技術上混入する範囲内の存在を許容する。

例えば、Ｓは０．０４％以下、Ｐは０．０４％以下であ
れば本発明の趣旨が損なわれることはない。

次に実施例により本発明鋼の材料特性について具体的に
説明する。

実施例 第１表に掲示の各種成分組成を有する合金を溶製、鋳造
し、各合金を１１００°ＣＸ２時間の固溶化処理・急冷
して得られた各供試材につき、耐食性および機械的性質
を測定した。供試Ｕ’ＮＯ，１〜６は本発明鋳鋼、Ｎｏ
、１０〜１３は比較材（Ｎｏ、１１はＪＩＳ　　５Ｃ５
１１相当材、１１１ｏ、１２は５Ｃ５１４相当材）であ
る。

第２表に測定結果を示す。但し、腐食疲労強度は、塩素
イオ７（Ｃ１）　１１０００ｐｐ　　オヨび硫酸イオン
（ＳＯ；　）　２５０　ｐｐｍを含む腐食液（ｐＨ８，
５）中における小野式回転曲げ疲労試験により測定した
。表中の数値は、同試験における１０　サイクルでの耐
久限度（Ｋｙ／ｍｍ）　　である。

また、耐孔食性を示す孔食停止電位（Ｖ　、　ＳＣＥ　
）は、前記と同じ腐食液中、掃引速度２４０　ｓｅｃ／
■で、＋２Ｖ、ＳＣＥまで掃引したのち、逆掃引したと
きにもとの分極曲線と交わる電位である。

この電位が貴である程、耐孔食性のよいことを意味する
。

第２表材料特性 上記試験結果から明らかなように、本発明鋳鋼は、塩素
イオンを含む腐食環境中で、比較材に比し、格段にすぐ
れた腐食疲労強度を有し、かつ耐孔食性に代表される耐
食性も従来材に比し極めて良好である。また、機械的諸
性質にもすぐれ、従来材と同等もしくはそれ以上の強度
および靭性を具備している。

以北のように、本発明二相ステンレス鋳鋼は、耐食性、
強度、靭性並ひに腐食疲労強度にすぐれており、従って
、例えば製紙用ロール、化学装置材料、ポンプ部品、海
水機器材料など、上記材料特性が同時に要求される各種
装置・機器桐刺として従来材を凌駕する安定性と耐久性
を保証する。

代理人　弁理士　　宮崎新八部

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 ＋１１　　Ｃ０，１％以下、Ｓｉ２．０％以下、Ｍｎ　
   ２．０％以下、Ｃｒ　２２．０〜２７．０％、Ｎｉ　　
   ５．０〜９．０％、Ｍｏ　　１．１〜２．５％、Ｃｕ　
   Ｏ，５〜２．５％、Ｃｏ０．５〜２．０％、Ｖｏ、５〜
   ２．０％、残部Ｆｅおよび不可避の不純物からなる高腐
   食疲労強度二相ステンレス鋳鋼。 ｆ２１ｃ０．１％以下、Ｓｉ２．０％以下、Ｍｎ２．０
   ％以下、Ｃｒ　２２．０〜２７．０％、Ｎｉ　　５．０
   〜９．０％、Ｍｏ　　１．１〜２．５％、Ｃｕ　　Ｏ，
   ５〜２．５％、Ｃ。 Ｏ，５〜２．０％、Ｖｏ、５〜２．０％、オヨびＮｂ０
   ．０５〜１．０％、Ｔａ０．０５〜１゜０％、Ｔｉ０．
   ０１〜０．５％から選ばれる１種もしくは２種以上の元
   素、残部Ｆｅおよび不可避の不純物からなる高腐食疲労
   強度二相ステンレス鋳鋼。