JPS6059291B2 - 製紙サクションロ−ル用高腐食疲労強度二相ステンレス鋳鋼 - Google Patents

製紙サクションロ−ル用高腐食疲労強度二相ステンレス鋳鋼

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JPS6059291B2
JPS6059291B2 JP57027665A JP2766582A JPS6059291B2 JP S6059291 B2 JPS6059291 B2 JP S6059291B2 JP 57027665 A JP57027665 A JP 57027665A JP 2766582 A JP2766582 A JP 2766582A JP S6059291 B2 JPS6059291 B2 JP S6059291B2
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    • C22C38/46—Ferrous alloys, e.g. steel alloys containing chromium with nickel with vanadium

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は製紙サクションロール用高腐食疲労強度を有
する二相ステンレス鋳鋼に関する。
フエライトーオーステナイトニ相組織を有するステン
レス鋳鋼は、その組織的特性により耐力および耐食性の
すぐれた材料として知られ、製紙用サクションロール等
の強度と耐食性が要求される各種装置・機器部材として
賞用されている。
製紙 サクションロールは、抄紙された湿潤紙から、塩
素イオン等を含む強腐食性液てある白水を吸引脱水する
ための、表面に多数の小孔（吸引孔）を有する中空体で
ある。その脱水処理は、湿潤紙をサクションロール上を
通過させながら、サクションロールに対向する押圧ロー
ルとの間で押圧し、白水を搾出すると共に、サクション
ロール表面の小孔を介してロール内に吸引・排出するこ
とにより行われる。 しかるに、従来の二相ステンレス
鋳鋼からなるサクションロールは、塩素イオン等を含む
白水と接触する腐食環境における腐食疲労強度が十分て
なく、押圧ロール等による繰り返し応力の作用下に、早
期に材料劣化が進行し、部材としての安定性に欠ける。
本発明は、上記問題を解決したものであり、Ｆｅ−Ｃ
ｒ−Ｎｉ系をベースとする化学成分組成の適切な選択と
組合せによつて、高耐力、高耐食性とともに、すぐれた
腐食疲労強度を具備せしめたも一のである。
すなわち、本発明は、Ｃｏ、１％以下（重量％、以下
同じ）、Ｓｉ２、Ｏ％以下、Ｍｎ２、Ｏ％以下、Ｃｒ２
２．０〜２７．０％、Ｎｉ５．０〜９．０％、Ｍ０１．
１〜２．５％、ＣＵＯ、５〜２．５％、ＣＯＯ．５〜２
．０％、ＶＯ．５〜２．０％、残証ｅおよび不可避の不
純物からなる二相ステンレス鋳鋼、並びに材料特性を更
に改善する目的で、上記各合金元素のほか、ＮｂＯ．Ｏ
５〜１．０％、ＴａＯ．Ｏ５〜１．０％およびＴｉＯ．
Ｏｌ〜０．５％からなる群より選ばれる１種もしくは２
種以上の元素を含有する製紙サクションロール用二相ス
テンレス鋳鋼を提供する。
以下、本発明ステンレス鋳鋼の成分限定理由を説明する
。Ｃ：０．１％以下 Ｃは強力なオーステナイト生成元素であり、かつオース
テナイト相を固溶強化する働きを有する。
しかし、含有量が多くなると、Ｍ２３Ｃ６で表わされる
炭化物を形成し、耐食性元素であるＣｒが消費されるこ
となどにより耐食性の低下を招く。また、該炭化物の多
量の析出によつて靭性が悪化する。よつて、Ｃ量は０．
１％以下とする。なお、大型、厚肉鋳鋼品などの鋳造に
おいては、溶湯の凝固完了までに長時間を要するため、
凝固過程における炭化物析出量の増加、偏析が助長され
易い。従つて、かかる鋳鋼品の鋳造を目的とする場合は
、Ｃ量を０．０５％以下とするのが好ましい。Ｓｉ：２
．０％以下Ｓｉは強力な脱酸剤てあり、また鋳造性の改
善に寄与する。
ただし、多量の添加は、脆化などの材料特性の劣化を招
くのて、２．０％を上限とする。Ｍｎ：２．０％以下Ｍ
ｎは強力が脱酸・脱硫作用を有し、かつ鋳造性の改善効
果を有するが、多量に含まれると、耐食性が低下するの
て、２．０％以下とする。
Ｃｒ：２２．０〜２７．０％Ｃｒはフェライト生成元素
であり、フェライト相の形成による高強度化と、ステン
レス鋼としての耐食性を得るために欠くことのできない
基本元素てある。
その含有量は、高強度と高耐食性を確！保するために少
なくとも２２．０％を要する。その効果は含有量の増加
とともに増大するが、多量に添加すると、靭性が低下す
るので、２７．０％を上限とする。Ｎｉ：５．０〜９．
０％ Ｎ１はオーステナイト生成元素てあり、靭性および耐食
性の改善に著効を発揮する。
その含有量は、前記Ｃｒの含有量とのバランスによりニ
相組織のフェライト量とオーステナイト量の比率を決定
する。従つて、本発明においては、二相の適切な量的バ
ランスのもとに、高耐食性、高靭性および高強度などの
諸特性を確保するために、前記Ｃｒ含有量とに関連して
、Ｎ１含有量を５．０〜９．０％とする。ＭＯ：１．１
〜２．５％ ＭＯは耐食性、特に隙間腐食や孔食に対する抵抗性の改
善に大きな効果を有する。
含有量が１．１％に満たないと、その効果が十分でなく
、一方１２．５％をこえると、靭性の低下、ｏ相の析出
促進による材料劣化をきたす。よつて、１．１〜２．５
％とする。ＣＵ：０．５〜２．５％ Ｃｕはオーステナイト相の固溶強化による強度の向上、
非酸化性酸に対する耐食性改善効果を有する。
この効果を得るために０．５％以上含有されるが、多量
に含まれると、金属間化合物の析出により脆化などの材
料劣化が生ずるので２．５％を上限とする。ＣＯ：０．
５〜２．０％ ＣＯはオーステナイト相を固溶強化して強度を高め、ま
た腐食疲労強度の向上をもたらす。
このためには少なくとも０．５％の含有を要するが、２
．０％をこえるとその効果はほぼ飽和する。従つて、０
．５〜２．０％とする。なお、腐食疲労強度の改善効果
は、前記Ｃｕとの複合含有により、Ｃｕが存在しない場
合に比し一そう高められる。Ｖ：０．５〜２．０％ 結晶粒を微細化し、強度の向上、腐食疲労強度の改善効
果を有する。
含有量が０．５％に満たないと、効果が十分でない。含
有量を増すとともに効果は増大するが、２．０％をこえ
るとその効果はほぼ飽和する。よつて、０．５〜２．０
％とする。本発明ステンレス鋳鋼は、上記各合金元素の
ほか、更にＮｂ．．ＴａおよびＴｉからなる群より選ば
れる１種または２種以上の元素を含有することもある。
Ｎｂ：０．０５〜１．０％ ＮｂはＣとの強い親和力によりＣを固定し、Ｃｒ２３ｃ
６の析出を抑制することによつて耐食性、特に耐粒界腐
食性を高める。
また、結晶粒の微細化効果を有する。含有量が０．０５
％％に満たないと、その効果は十分でなく、一方１．０
％をこえると効果がはぼ飽和するので、０．０５〜１．
０％とする。Ｔａ：０．０５〜１．０％Ｎｂと同じく、
Ｃを固定しＣｒ２３ｃ６炭化物の析出を抑制し、耐粒界
腐食性を高める。この効果を得るために０．０５％以上
を要するが、１．０％をこえても、それ以上の効果の増
加は少ない。よつて、０．０５〜１．０％とする。Ｔｉ
：０．０１〜０．５％ ＴｌはＣと結合し、Ｃｒ２３ｃ６の析出を抑制すること
により、耐粒界腐食性を改善するほか、結晶粒を微細化
する効果を有する。
含有量が０．０１％未満では、十分な効果が得られず、
一方０．５％をこえると、効果が飽和するほか、靭性の
低下を招く。従つて、０．０１〜０．５％とする。なお
、Ｐ．Ｓｌその他、工業的溶製上不可避的に混入する不
純物元素は、むろん可及的に低いことが望ましいが、通
常の溶製技術上混入する範囲内の存在を許容する。
例えば、Ｓは０．０４％以下、Ｐは０．０４％以下であ
れば本発明の趣旨が損なわれることはない。次に実施例
により本発明鋼の材料特性について具体的に説明する。
実施例 第１表に掲示の各種成分組成を有する合金を溶製、鋳造
し、各合金を１１００′Ｃ×２時間の固溶化処理・急冷
して得られた各供試材につき、耐食性および機械的性質
を測定した。
供試材ＮＯ．ｌ〜１０は本発明鋳鋼、ＮＯ．ｌＯｌ〜１
０７は比較材（ＮＯ．ｌＯ６はＪＩＳＳＣＳｌｌ相当材
、ＮＯ．ｌＯ７はＳＣＳｌ湘当材）である。第２表に測
定結果を示す。
但し、腐食疲労強度は、塩素イオン（Ｃｅ−）１０００
ｐｐｍおよび硫酸イオン（ＳＯ４−）２５０ｐｐｍを含
む腐食液（ＰＨ３．５）中における小野式回転曲げ疲労
試験により測定した。表中の数値は、同試験における１
Ｃｆ３サイクルでの耐久限度（Ｋ９／Ｔｎ２）である。
また、耐孔食性を示す孔食停止電位（Ｖ，ＳＣＥ）は、
前記と同じく腐食液中、掃引速度４（ト）Ｅｃ／ｖで、
＋２Ｖ，ＳＣＥまで掃引したのち、逆掃引したときにも
との分極曲線と交わる電位てある。
この電位が貴である程、耐孔食性のよいこと″を意味す
る。上記試験結果から明らかなように、本発明鋳鋼は、
塩素イオンを含む腐食環境中て、比較材に比し、格段に
すくれた腐食疲労強度を有し、かつ耐孔食性に代表され
る耐食性も従来材に比し極めて良好てある。
また、機械的諸性質にもすぐれ、従来材と同等もしくは
それ以上の強度および靭性を具備している。以上のよう
に、本発明二相ステンレス鋳鋼は、耐食性、強度、靭性
並びに腐食疲労強度にすくれており、従つて、製紙用サ
クションロール材として好適てあり、従来材を凌ぐ安定
性と耐久性を保証する。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 １ Ｃ０．１％以下、Ｓｉ２．０％以下、Ｍｎ２．０％
    以下、Ｃｒ２２．０〜２７．０％、Ｎｉ５．０〜９．０
    ％、Ｍｏ１．１〜２．５％、Ｃｕ０．５〜２．５％、Ｃ
    ｏ０．５〜２．０％、Ｖ０．５〜２．０％、残部Ｆｅお
    よび不可避の不純物からなる製紙サクションロール用高
    腐食疲労強度二相ステンレス鋳鋼。 ２ Ｃ０．１％以下、Ｓｉ２．０％以下、Ｍｎ２．０％
    以下、Ｃｒ２２．０〜２７．０％、Ｎｉ５．０〜９．０
    ％、Ｍｏ１．１〜２．５％、Ｃｕ０．５〜２．５％、Ｃ
    ｏ０．５〜２．０％、Ｖ０．５〜２．０％、およびＮｂ
    ０．０５〜１．０％、Ｔａ０．０５〜１．０％、Ｔｉ０
    ．０１〜０．５％から選ばれる１種もしくは２種以上の
    元素、残部Ｆｅおよび不可避の不純物からなる製紙サク
    ションロール用高腐食疲労強度二相ステンレス鋳鋼。
JP57027665A 1982-02-23 1982-02-23 製紙サクションロ−ル用高腐食疲労強度二相ステンレス鋳鋼 Expired JPS6059291B2 (ja)

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