JP2861024B2 - 油井用マルテンサイト系ステンレス鋼材とその製造方法 - Google Patents

油井用マルテンサイト系ステンレス鋼材とその製造方法

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【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は、油井あるいはガス井(以下、単に「油井」
と総称する)に使用される油井用の鋼材とその製造方法
に関し、特に炭酸ガス、硫化水素、塩素イオンなど腐食
性不純物を含有していて極めて腐食環境の厳しい油井
(ガス井)で使用されるのに適した耐食性と強度とを有
する鋼材とその製造方法に関するものである。
(従来の技術) 近年、石油または天然ガスを採取するための井戸の環
境がますます過酷なものになっており、深さの増加に加
えて炭酸ガス、硫化水素を含む油井が増え、それにつれ
て材料の強度が要求される一方、腐食などによる材料の
脆化が大きな問題となっている。
従来、一般の油井用鋼材の一つである油井管は炭素鋼
や低合金鋼を使用するのが通常であったが、使用する油
井の環境が過酷になるにつれて、合金量を増加させた鋼
が用いられるようになってきている。例えば、炭酸ガス
を多く含有する油井では、Crの添加が耐食性を著しく向
上させることが知られており、Crを9%添加した9Cr−1
Mo鋼や、Crを13%添加したSUS420マルテンサイト系ステ
ンレス鋼が多く用いられてきている。ところが、Crを添
加したマルテンサイト鋼は耐硫化物応力腐食割れ性が芳
しくなく、前述のような炭酸ガスだけでなく硫化水素を
も同時に含むような環境下では応力腐食割れ感受性が極
めて高く、その使用が制限されているのが実情である。
このような炭酸ガスと硫化水素とを同時に含む油井環
境では、現状では、さらに合金元素を高めた2相ステン
レス鋼やオーステナイト系ステンレス鋼を用いざるを得
ないが、合金元素の添加が多くなってくるのでコスト上
昇が著しい。
特開昭60−174859号公報には、上述のSUS420鋼をベー
スに、Ni、Moの添加および0.02%以下へのC量の低下を
図って、腐食性の高い油井環境下での耐硫化水素腐食性
を確保させようという試みが開示されている。
この公報に開示された鋼種によれば、確かにCr、Moの
添加で耐食性は向上するが、工業的に0.02%以下という
低Cの鋼を製造するにはコストがかかる。一方、マルテ
ンサイト系ステンレス鋼の強度はC量に多く依存してい
るので、C量のバラツキが強度バラツキになるので、強
度レベルを一定に保つためには厳しいC量のコントロー
ルが要求され、この点からもコスト上昇は免れない。
しかも、焼入れ・焼戻しを行ってAPI規格のL80および
C90の強度レベルを確保している。
(発明が解決しようとする課題) ここに、本発明の一般的な目的は、それら従来技術の
問題点を解決することであって、油井用鋼材に要求され
る高強度を備え、炭酸ガスと硫化水素の共存する環境下
でも良好な耐食性を有する鋼で、かついたずらに合金元
素を高めず、経済性をも満足させる鋼材とその製造方法
を提供することである。
従来の9Cr−1Mo鋼やSUS420鋼では、炭酸ガスに対する
耐食性が良好なものの、硫化水素に対する耐食性が不十
分であった。特に、油井の中では採油初期には、腐食性
不純物としては炭酸ガスのみであったものが、採油を継
続するにつれてバクテリアによって硫化水素が発生す
る、いわゆるバクテリア腐食問題などが近年報告される
につれて、硫化物応力腐食割れに抵抗性を具備した鋼材
が求めれらている。現状ではコストが大幅に向上する2
相ステンレス鋼や高合金を使用せざるを得ないが、これ
らの鋼は、例えば油井管としての満足な強度を有してお
らず、冷間加工で強度を満足させるため、管端を据込鍛
造で予め増肉するアップセット品が製造できないという
弱点をも有している。このようなアップセット加工は油
井管の場合、管相互の連結用のネジが管端に形成されて
薄肉化するため、所定の強度確保のために必要な工程で
ある。
したがって、本発明のより具体的目的は、いたずらに
合金量を高めずに、硫化水素に対する耐応力腐食割れ性
を充分に改善して、さらに油井管として適正な高強度を
有し、アップセット品も製造可能な加工性を備えた鋼と
それを使用した鋼材、例えば油井管とその製造方法とを
提供することである。
(課題を解決するための手段) 本発明者らは、かかる目的を達成すべく、まず炭酸ガ
ス、硫化水素および塩化物イオンを含む環境下での耐応
力腐食割れ性を中心とする耐食性に及ぼす合金元素の影
響を調べるべく、各種の実験、検討を重ねた結果、次の
ような知見を得た。
Niを適正量添加した鋼では上述した環境での耐食性
が、(Cr+Mo)wt%量で整理でき、炭化物や窒化物にな
っていない有効Cr、有効Mo量を増加するためにCおよび
Nの上限を定めればよいこと。
さらに高強度を有する必要性から安定にマルテンサイ
ト一相鋼を得る成分系とすること。
このような低Cマルテンサイト鋼は、焼入れ時の強度
がC量で大幅に変化するため、工業的に安定した強度を
有する製品の製造が難しいが、Ti、Nb、V、Zrを添加す
るとC量が変動しても強度が変動しないこと。
すなわち、本発明者らの知見によれば、Ti、Nb、Vお
よびZrを添加することにより、いたずらに低Cにする必
要がなく、C:0.05%以下程度であっても十分な耐食性が
確保されるとともに、多少C量がバラついても安定した
強度を有する製品の製造が可能となる。さらには、Ti、
Nb、V、Zr等の炭化物安定化元素の添加は焼入れまま材
の強度を低下させるので、今までのマルテンサイト系ス
テンレス鋼の常識であった焼入れ、焼き戻し処理を経ず
して焼入れままでも適切な強度と耐食性を有する画期的
な鋼が得られるのである。
よって、ここに本発明の要旨とするところは、 重量%で、 C:0.05%以下、Si:1.0%以下、 Mn:0.5〜3.0%、P:0.04%以下、 S:0.005%以下、Cr:9.0〜15%、 Mo:0.1〜7.0%、Ni:5.2〜8%、 Al:0.001〜0.1%、N:0.1%以下、 さらに Ti:0.5%以下、Nb:0.5%以下、V:0.5%以下およびZr:
0.5%以下のうちの1種または2種以上、 ただし、Cr+Mo:10.5%以上、 残部はFeおよび不可避的不純物 より成り、かつ 30Cr(%)+36Mo(%)+14Si(%)−28Ni(%)≦455(%) 21Cr(%)+25Mo(%)+17Si(%)+35Ni(%)≦731(%) である鋼組成を有する硫化物応力腐食割れ性に優れた油
井用マルテンサイト系ステンレス鋼材である。
上記鋼組成にはさらに必要によりCa:0.001〜0.05%、
Mg:0.001〜0.05%、La:0.001〜0.05%およびCe:0.001〜
0.05%のうちの1種または2種以上を含有していてもよ
い。
したがって、本発明によれば、従来マルテンサイト系
ステンレス鋼の常識である焼入れ、焼戻し処理をせず圧
延まま、あるいは焼入れままでも強度バラツキが小さ
く、高強度とすぐれた耐食性とを有する鋼材が得られ
る。また、焼入れ時の強度バラツキが小さいので焼戻し
後の強度コントロールも容易である。
このように、本発明によれば、熱間加工ままでも、焼
入れままでも、あるいは焼入れ焼き戻し処理しても、さ
らには鋳造もしくは溶接ままでも使用に耐えるのであっ
て、したがって本発明にかかる鋼材は、これまで知られ
ることのなかったすぐれたマルテンサイト系ステンレス
鋼材である。
なお、ここに「鋼材」は板材、枠材はもちろん、管材
をも包含する。
(作用) 次に、本発明において上述のように鋼組成を限定した
理由を詳述する。なお、本明細書において「%」はとく
に断りがない限り、「重量%」である。
C:含有量が0.05%を超えると、強度が上昇しすぎ、硫化
物応力割れ感受性が高くなるので、上限を0.05%とし
た。なお、耐食性の面からはCは少なければ少ない程よ
く、望ましくは0.02%以下である。
Si:通常の製鋼過程で脱酸剤として必要である。1.0%を
超えると靭性が低下するので1.0%を上限とした。
Mn:熱間加工性を改善するために0.5%以上の含有が必要
である。3.0%を超える添加ではその効果が飽和してし
まうと共に、靭性が低下する。Mn量が多いと残留オース
テナイトが生成しやすいので望ましくは0.5〜1.0%とす
るのが望ましい。
S:熱間加工性からは少なければ少ない程良好である。脱
硫コストとのかねあいで上限を0.005%とすれば通常の
熱間加工が可能である。
P:0.04%を超えると硫化物応力割れ性が著しく低下す
る。
Cr:耐食性皮膜を形成させるには9.0%以上必要である。
15%を超えると耐食性の向上以上にコストが上昇するの
と、Moとの相乗作用でフェライトが生成しやすくなり強
度が得られなくなるので上限を15%以下とした。
Mo:硫化水素に対する耐食性に効果を有する。0.1%未満
ではその効果が少なく、7%を超えるとCrとの相乗作用
でフェライトが生成しやすくなり、強度が得られなくな
るので上限を7.0%以下とした。
Cr+Mo:この値が10.5%未満であると、耐応力腐食割れ
性の確保が十分でない。好ましくは12%以上である。こ
の値は大きければ大きいほど、耐応力腐食割れ性が改善
される。
Ni:必要な強度、耐食性を確保するのに添加するのであ
って、5.2%未満ではその効果が十分でなく、一方8%
を超えると残留オーステナイトが多くなって強度が確保
できなくなる。特にNi:5.2〜8%の範囲でCr+Mo添加に
よる耐食性改善が著しい。
Al:脱酸剤として使用する。0.001%未満ではその効果が
なく、0.1%を超えると介在物が多くなって耐食性が損
なわれる。
N:0.1%を超えると強度が上昇しすぎ硫化物応力耐食割
れ感受性が高くなる。耐食性の面からもNは少ない方が
良好で、望ましくは0.02%以下である。
Ti,Nb,V,Zr:これらの合金元素は高温の熱間加工時や溶
体化時にCやNと化合物を作り、鋼中のフリーな(C+
N)量をコントロールする作用を有し、実生産におい
て、圧延まま、あるいは溶体化まま、あるいは焼戻し後
の強度のコントロールがその配合量を調節することによ
り可能となる。それぞれ0.5%を超えるとその効果が飽
和する。
これらの元素の少なくとも1種の配合によりC量のバ
ラツキに影響されず安定したしかもその程度が高い強度
が得られる。このようなすぐれた強度特性をもった鋼は
焼入れまゝでもあるいは冷却まゝでも使用できるのであ
り、その意義は大きい。
Ca,Mg,La,Ce:これらの合金元素は所望により添加され熱
間加工性の改善に使用する。それぞれ0.001%未満では
効果がなく0.05%を超えると耐食性が低下する。
さらに、本発明にあっては、鋼組成は次の式を満足し
なければならない。
30Cr(%)+36Mo(%)+14Si(%)−28Ni(%)≦455(%) ・・・式(1) 21Cr(%)+25Mo(%)+17Si(%)+35Ni(%)≦731(%) ・・・式(2) すなわち、本発明の対象鋼種は油井用であるのですぐ
れた強度と耐食性を確保するうえでマルテンサイト単相
鋼が望ましく、通常のオーステナイト化温度である900
〜1100℃でオーステナイト単相鋼となり、冷却すればマ
ルテンサイト鋼に変態することが必要である。高温でδ
フェライトが生成せずにオーステナイト相となるには式
(1)を満足する必要がある。
一方、室温にまで冷却してマルテンサイト単一鋼にな
るには式(2)を満足する必要がある。
以上の組成を有する鋼は通常の熱間加工で例えば管体
にまで成形した後、特に急冷を要せず冷却したままでも
適正な強度と耐食性を兼ね備えているが、さらに熱処理
を行うと、一層耐食性が向上する。なお、熱間加工後に
急冷しても問題ない。
本発明にしたがって、製管を行ってから熱処理を行う
場合は、次のいずれかの方法が望ましい。
(I)熱間加工後、急冷または徐冷したものをAc1点以
下で焼戻す。
(II)熱間加工後、急冷または徐冷したものをAc1点以
上で加熱し、一部もしくはすべで再オーステナイト化し
た後急冷または徐冷して焼入れる。
(III)さらに(II)の材料をAc1点以下で焼入した後に
急冷または徐冷する。
(I)の場合は直接焼入れ−焼戻し過程となり、加熱
温度は直接焼入れ時の残留応力を緩和する意味合いでそ
の範囲の決定を行う。従って、好ましくは応力緩和の起
こる450℃以上、Ac1点以下で行う。
(II)の場合は、焼入れままの熱処理となる。Ac1
以上に加熱して、一部あるいは全部オーステナイト化し
た後冷却する。再オーステナイト化は均質化の意味合い
もあるのでAc3点以上の温度が望ましい。
(III)の場合、(II)で焼入れした材料の応力緩和
のための焼戻しを行うから再加熱はAc1点以下とする。
なお、本発明における製管は特に制限されないが、例
示すればマンネスマン・マンドレルミル法のような工程
を経て製管法がある。
次に実施例により本発明をさらに具体的に説明する。
なお、以下の実施例にあっては熱間圧延を行うだけで
あるが、当業者には製管工程を行った場合も同様の作用
効果を示すものであることは理解されよう。
実施例 第1表に示す組成を有するA〜U鋼をそれぞれ溶製
し、熱間圧延で12mm厚の板とした。このうち、同じよう
な成分系でTi、Nb、V、Zrが添加されている本発明の範
囲内であるF、H鋼とTi、Nb、V、Zrが添加されていな
いQ、R、S、Tについて第2表に示す熱処理を行い直
径4mm、平行部34mmの引張り試験片を採取して引張り強
度を測定した。Ac3点以上に加熱後空冷(徐冷)された
ものを含めて水冷、油冷などにより焼入れ(急冷)した
ものを「Q」その後Ac1点以下に加熱して焼戻ししたも
のを「QT」と表わす。
結果を第2表にまとめて示すとともに、第1図に熱処
理まゝおよびその後焼戻し処理したそれぞれの鋼につい
てC量と引張り強度との相関を整理してグラフで示す。
図示グラフから明らかなように、比較鋼では焼入れま
ま材(Q)でも、焼戻し後(QT)でもどちらもC量が増
加するとともに引張り強度が顕著に上昇する。しかし、
本発明鋼では、C量のバラツキに影響されず強度が一定
に保たれている。従って、鋼中のC量の微量コントロー
ルが極めて難しい工業的プロセスでは、強度を安定させ
る効果として、本発明によるTi、Nb、V、Zr添加は極め
て有用であることが分かる。
なお、本発明鋼にあっては冷却時いずれもマルテンサ
イト単一相であった。
さらに、本発明にかかるA〜H鋼従来例のJ、K鋼、
比較例のL〜PおよびU鋼について第3表に示す熱処理
を行った後、強度、腐食速度、硫化物応力腐食割れ性に
ついて試験した。
引張り試験は、直径4mm、平行部34mmの引張り試験片
を採取して行った。
腐食試験は、いずれも2mm厚×10mm幅×80mm長のUベ
ンド曲げ試験片をそれぞれ2個作成し、第2図に示すよ
うに、試験片1を曲げ治具2によって曲率半径Rが7.5m
mとなるように曲げ応力を付した状態で行った。試験環
境は5%NaCl+0.01気圧H2S+30気圧CO2とし、336時間
の浸漬試験後、試料を取り出し、腐食減量を測定すると
ともに肉眼による外観観察および試験片断面の光学顕微
鏡観察によって割れの有無を調査した。なお、試験温度
は25℃とした。
これら両試験の結果を第3表にまとめて示す。
従来例10、11は従来の13Cr鋼と9Cr−1Mo鋼の結果であ
るが、この環境では腐食速度が大きく割れも見られ、好
ましくない。
比較例12〜19はそれぞれ、C、N量が本発明鋼種に比
べ多くなっており、強度が著しく高く、腐食速度が良好
なものの応力割れを起こしている。
比較例16は、(Cr+Mo)量が10.5%に満たず、耐食性
が劣っている。比較例17、18はそれぞれ数式の計算値を
満たしていないもので強度が油井管として適切でない。
比較例19は特開昭60−174859号に開示する鋼に相当
し、これはTi、Nb等が添加されていないので、焼入れま
まの強度が高すぎ、硫化物応力割れをおこしている。
しかしながら、本発明例1〜9に示すように、本発明
鋼種は種々の熱処理条件で処理しても、あるいは熱間圧
延まゝでも油井管としての必要な引張り強度と、耐食性
を兼ねそなえており、上述のような苛酷な環境で使用さ
れる油井管として好適に使用し得ることが分かる。これ
らの鋼はいずれも、マルテンサイト単一相であった。
(発明の効果) 以上実施例からも明らかなとおり、本発明は、塩化物
イオンと炭酸ガスと微量の硫化水素ガスが存在する苛酷
な環境中でも満足する耐食性を備え、かつ油井管として
適当な強度も有し、さらに工業的には強度バラツキの小
さい均質な鋼材が容易に得られるという、まことに有益
な鋼を提供するものであり、その実用上の利益は大き
い。
【図面の簡単な説明】
第1図は、熱処理後の引張り強さを、鋼中のC量で整理
した図;および 第2図は、実施例で用いたUベンド曲げ試験片の応力付
与状態を示す図である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) C22C 38/00 - 38/60 C21D 6/00 102 C21D 8/00 - 8/10

Claims (6)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】重量%で、 C:0.05%以下、Si:1.0%以下、 Mn:0.5〜3.0%、P:0.04%以下、 S:0.005%以下、Cr:9.0〜15%、 Mo:0.1〜7.0%、Ni:5.2〜8%、 Al:0.001〜0.1%、N:0.1%以下、 さらに Ti:0.5%以下、Nb:0.5%以下、V:0.5%以下およびZr:0.
    5%以下のうちの1種または2種以上、 ただし、Cr+Mo:10.5%以上、 残部はFeおよび不可避的不純物 より成り、かつ 30Cr(%)+36Mo(%)+14Si(%)−28Ni(%)≦455(%) 21Cr(%)+25Mo(%)+17Si(%)+35Ni(%)≦731(%) である鋼組成を有する硫化物応力腐食割れ性に優れた油
    井用マルテンサイト系ステンレス鋼材。
  2. 【請求項2】重量%で、さらにCa:0.001〜0.05%、Mg:
    0.001〜0.05%、La:0.001〜0.05%およびCe:0.001〜0.0
    5%のうちの1種または2種以上を含む、請求項1記載
    の油井用マルテンサイト系ステンレス鋼材。
  3. 【請求項3】請求項1または2記載のマルテンサイト系
    ステンレス鋼を用いて熱間成形後、急冷または徐冷する
    ことを特徴とする硫化物応力腐食割れ性に優れた油井用
    鋼材の製造方法。
  4. 【請求項4】請求項1または2記載のマルテンサイト系
    ステンレス鋼を用いて熱間成形後、急冷または徐冷して
    からAc1点以下に加熱した後、急冷または徐冷すること
    を特徴とする硫化物応力腐食割れ性に優れた油井用鋼材
    の製造方法。
  5. 【請求項5】請求項1または2記載のマルテンサイト系
    ステンレス鋼を用いて熱間成形後、急冷または徐冷して
    からAc1点以上に加熱した後、急冷または徐冷すること
    を特徴とする硫化物応力腐食割れ性に優れた油井用鋼材
    の製造方法。
  6. 【請求項6】請求項1または2記載のマルテンサイト系
    ステンレス鋼を用いて熱間成形後、急冷または徐冷して
    からAc1点以上の温度に加熱した後、急冷または徐冷
    し、次いでAc1点以下の温度に再加熱して、以後急冷ま
    たは徐冷することを特徴とする硫化物応力腐食割れ性に
    優れた油井用鋼材の製造方法。
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