JP4893196B2 - 高靭性でかつ耐食性に優れた油井用高強度ステンレス鋼管 - Google Patents

高靭性でかつ耐食性に優れた油井用高強度ステンレス鋼管 Download PDF

Info

Publication number
JP4893196B2
JP4893196B2 JP2006263704A JP2006263704A JP4893196B2 JP 4893196 B2 JP4893196 B2 JP 4893196B2 JP 2006263704 A JP2006263704 A JP 2006263704A JP 2006263704 A JP2006263704 A JP 2006263704A JP 4893196 B2 JP4893196 B2 JP 4893196B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
less
stainless steel
steel pipe
strength
resistance
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2006263704A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2008081793A (ja
Inventor
光男 木村
健 島本
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
JFE Steel Corp
Original Assignee
JFE Steel Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by JFE Steel Corp filed Critical JFE Steel Corp
Priority to JP2006263704A priority Critical patent/JP4893196B2/ja
Publication of JP2008081793A publication Critical patent/JP2008081793A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4893196B2 publication Critical patent/JP4893196B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Landscapes

  • Heat Treatment Of Articles (AREA)

Description

この発明は、原油あるいは天然ガスの油井、ガス井に使用される油井用鋼管に係り、とくに、炭酸ガス(CO2)、塩素イオン(Cl-)等を含み、極めて厳しい腐食環境の油井、ガス井用として好適な、優れた耐食性を有する油井用高強度ステンレス鋼管に関する。なお、この発明でいう「高強度ステンレス鋼管」とは、降伏強さ:654MPa(95ksi)を超える強度を有するステンレス鋼管をいうものとする。
近年、原油価格の高騰や、近い将来に予想される石油資源の枯渇化に対処するために、従来、省みられなかったような深層油田や、開発が一旦は放棄されていた腐食性の強いサワーガス田等に対する開発が、世界的規模で盛んになっている。このような油田、ガス田は一般に深度が極めて深く、またその雰囲気も高温でかつ、CO2、Cl-等を含む厳しい腐食環境となっている。したがって、このような油田、ガス田の採掘に使用される油井用鋼管としては、高強度で、しかも耐食性に優れた鋼管が要求されている。
従来から、CO2、Cl-等を含む環境下の油田、ガス田では、油井用鋼管として、耐CO2腐食性に優れた13%Crマルテンサイト系ステンレス鋼管が使用されてきた。しかし、通常の13%Crマルテンサイト系ステンレス鋼管は、Cl-を多量に含み100℃を超える高温の環境下では、使用に耐えられなくなるという問題があった。そのため、耐食性が要求される井戸では、二相ステンレス鋼管が用いられていた。しかし、二相ステンレス鋼管は、合金元素量が多く、熱間加工性が劣り特殊な熱間加工法でしか製造できず、高価であるという問題がある。また、従来の13%Crマルテンサイト系ステンレス鋼管では降伏強さが654MPaを超えると靭性の低下が著しくなり、使用に耐えなくなるという問題もあった。
また、近年、寒冷地における油田開発も活発になってきており、高強度に加えて、優れた低温靱性を有することが要求されることも多い。
このようなことから、熱間加工性に優れ、安価である13%Crマルテンサイト系ステンレス鋼をベースとした、降伏強さが654MPa(95ksi)を超える高強度で、かつ優れた耐CO2腐食性と、高靭性とを有する油井用高強度13%Crマルテンサイト系ステンレス鋼管が強く望まれていた。
このような要望に対し、例えば、特許文献1には、Cを0.005 〜0.05%と制限し、Ni:2.4〜6%とCu:0.2〜4%とを複合添加し、さらにMoを0.5〜3%添加し、さらにNieqを10.5以上に調整した組成を有する、耐食性に優れた13%Crマルテンサイト系ステンレス継目無鋼管が提案されている。この継目無鋼管は、API‐C95級以上の高強度と、180℃以上のCO2を含む環境における耐食性と、耐SCC性とを兼ね備えたマルテンサイト系ステンレス継目無鋼管であるとしている。
また、特許文献2には、C:0.005〜0.05%、N:0.005〜0.1%を含み、Ni:3.0〜6.0%、Cu:0.5〜3%、Mo:0.5〜3%に調整した13%Crマルテンサイト系ステンレス鋼組成と、焼戻しマルテンサイトと20体積%以上のγ相とが混在した組織とを有する耐硫化物応力腐食割れ性に優れたマルテンサイト系ステンレス鋼が提案されている。このマルテンサイト系ステンレス鋼は、γ相を20体積%以上含む焼戻しマルテンサイト組織を有し、顕著に向上した耐硫化物応力腐食割れ性を有するとしている。
また、特許文献3には、10〜15%Crを含有するマルテンサイト系ステンレス鋼の組成で、Cを0.005〜0.05%と制限し、Ni:4.0%以上、Cu:0.5〜3%を複合添加し、さらにMoを1.0〜3.0%添加し、さらにNieqを−10以上に調整した組成と、 焼戻しマルテンサイト相、マルテンサイト相、残留オーステナイト相からなり、焼戻しマルテンサイト相とマルテンサイト相の合計の分率を60〜90%とする組織を有する、耐食性、耐硫化物応力腐食割れ性に優れたマルテンサイト系ステンレス鋼が提案されている。このマルテンサイト系ステンレス鋼は、湿潤炭酸ガス環境および湿潤硫化水素環境における耐食性と耐硫化物応力腐食割れ性に優れるとしている。
また、特許文献4には、15%超19%以下のCrを含有し、C:0.05%以下、N:0.1%以下、Ni:3.5〜8.0%を含み、さらにMo:0.1〜4.0%を含有し、30Cr+36Mo+14Si−28Ni≦455 (%)、21Cr+25Mo+17Si+35Ni≦731(%)を同時に満足する鋼組成を有する硫化物応力割れ性に優れた油井用マルテンサイト系ステンレス鋼材が提案されている。このマルテンサイト系ステンレス鋼材は、塩化物イオン、炭酸ガスと微量の硫化水素ガスとが存在する苛酷な油井環境中でも優れた耐食性を有するとしている。
また、特許文献5には、C:0.005〜0.05%、Si:0.05〜0.5%、Mn:0.2〜1.8%、P:0.03%以下、S:0.005%以下、Cr:15.5〜18%、Ni:1.5〜5%、Mo:1〜3.5%、V:0.02〜0.2%、N:0.01〜0.15%、O:0.006%以下を含有し、かつCr+0.65Ni+0.6Mo+0.55Cu−20C≧19.5およびCr+Mo+0.3Si−43.5C−0.4Mn−Ni−0.3Cu−9N≧11.5を満足する組成と、マルテンサイト相をベース相とし、フェライト相を10〜60体積%、あるいはさらにオーステナイト相を30体積%以下含有する組織とを有する耐食性に優れた油井用高強度ステンレス鋼管が提案されている。
特開平8‐120345号公報 特開平9‐268349号公報 特開平10‐1755号公報 特許第2814528号公報 特開2005‐336595号公報
特許文献1〜特許文献5に記載された技術で製造された、改良型マルテンサイト系ステンレス鋼管では、それまでの従来型13%Crマルテンサイト系ステンレス鋼管に比べて、とくにCO2、Cl-を含む高温腐食環境下での耐食性が著しく向上するとされる。しかし、これら改良型マルテンサイト系ステンレス鋼管は、H2Sが存在する腐食環境下では硫化物応力腐食割れ(SSC)を引き起こしやすいという問題があった。このような問題は、とくに、降伏強さ:792MPa(110ksi)以上を有する高強度マルテンサイト系ステンレス鋼管で顕著となる。
この発明は、上記した従来技術の問題に鑑みて成されたものであり、熱間加工性に優れるとともに、YS:654MPaを超える高強度を有し、CO2、Cl-等を含む170℃以上の苛酷な高温腐食環境下において、優れた耐CO2腐食性を示し、さらにH2Sが存在する環境下においても、優れた耐SSC性を示し、かつ高靭性を有する、安価な油井用高強度マルテンサイト系ステンレス鋼管を提供することを目的とする。
なお、この発明でいう「高強度マルテンサイト系ステンレス鋼管」は、降伏強さが654MPa(95ksi)を超える強度を有するマルテンサイト系ステンレス鋼管をいうものとする。また、この発明でいう「高靭性」とは、シャルピー衝撃試験の−20℃における吸収エネルギーが50J以上を示す場合をいうものとする。
本発明者らは、上記した目的を達成するために、改良型13%Crマルテンサイト系ステンレス鋼管の組成をベース組成として、降伏強さ:654MPa(95ksi)を超える高強度を維持した状態で、CO2、Cl-等を含む高温環境下での耐CO2腐食性と、さらにH2Sが存在する環境における耐SSC性に及ぼす合金元素の影響について鋭意研究した。その結果、Cを従来より著しく低減した13%Crマルテンサイト系ステンレス鋼において、Crを15.5〜17.5%と従来より増量して含み、さらにNi、Cuの適正量を含み、Mo+0.8Wが2.0 〜4.5の範囲内となるように、Mo、W含有量を調整して含むとともに、さらに次(1)式
Cr+3.2Mo+2.6W−10C ≧ 23.4 …(1)
(ここで、Cr、Mo、W、C:各元素の含有量(mass%))
を満足するように、Cr、Mo、W、C含有量を調整することにより、H2Sが存在する環境における耐SSC性が顕著に向上することを見出した。また、さらに、次(2)式
Cr+Mo+0.5W+0.3Si−43.5C−0.4Mn−0.3Cu−Ni−9N≧11.5 …(2)
(ここで、Cr、Mo、W、Si、C、Mn、Cu、Ni、N:各元素の含有量(mass%))
を満足するように、Cr、Mo、W、Si、C、Mn、Cu、Ni、N含有量を調整することにより、継目無鋼管製造のために十分な、優れた熱間加工性と、さらに所望の高強度が確保できることを見出した。
この発明は、上記した知見に基づき、さらに検討を加えて完成されたものである。すなわち、この発明の要旨は次のとおりである。
(1)mass%で、C:0.04%以下、Si:0.50%以下、Mn:0.20〜1.80%、P:0.03%以下、S:0.005%以下、Cr:15.5〜17.5%、Ni:2.5〜5.5%、V:0.20%以下、Mo:1.5〜3.5%、W:0.50〜3.0%、Al:0.05%以下、N:0.15%以下、O:0.006%以下を、次(1)〜(3)式
Cr+3.2Mo+2.6W−10C≧ 23.4 …(1)
Cr+Mo+0.5W+0.3Si−43.5C−0.4Mn−0.3Cu−Ni−9N≧11.5 …(2)
2.2 ≦ Mo+0.8W ≦4.5 …(3)
(ここで、Cr、Mo、W、Si、C、Mn、Cu、Ni、N:各元素の含有量(mass%))
を満足するように含有し、残部Feおよび不可避的不純物からなる組成を有することを特徴とする、高靱性で、耐食性に優れた油井用高強度ステンレス鋼管。
(2)(1)において、前記組成に加えてさらに、mass%で、Cu:0.5〜3.5%を含有する組成とすることを特徴とする油井用高強度ステンレス鋼管。
(3)(1)または(2)において、前記組成に加えてさらに、mass%で、Nb:0.20%以下、Ti:0.3%以下、Zr:0.2%以下、B:0.01%以下のうちから選ばれた1種または2種以上を含有する組成とすることを特徴とする油井用高強度ステンレス鋼管。
(4)(1)ないし(3)のいずれかにおいて、前記組成に加えてさらに、mass%で、Ca:0.0005〜0.01%を含有する組成とすることを特徴とする油井用高強度ステンレス鋼管。
(5)(1)ないし(4)のいずれかにおいて、マルテンサイト相をベース相とし、さらにフェライト相を体積率で、10〜50%含有する組織を有することを特徴とする油井用高強度ステンレス鋼管。
本発明によれば、CO2、Cl-を含み、さらにH2Sを含む高温の苛酷な腐食環境下においても、十分な耐食性を示す高強度ステンレス鋼管を容易に提供でき、油井管の耐久性が顕著に向上し、産業上格段の効果を奏する。
まず、本発明高強度ステンレス鋼管の組成限定理由について説明する。以下、とくに断らない限りmass%は、単に%と記す。
C:0.04%以下
Cは、マルテンサイト系ステンレス鋼の強度に関係する重要な元素であり、所望の強度を確保するためには、0.005%以上含有することが望ましいが、0.04%を超えて含有すると、Ni含有による焼戻時の鋭敏化が増大しやすくなる。このため、この焼戻時の鋭敏化を防止する目的から、Cは0.04%以下に限定した。なお、好ましくは、耐食性の観点から0.005〜0.03%の範囲である。
Si:0.50%以下
Siは、通常の製鋼過程において脱酸剤として作用する元素であり、この発明では、0.05%以上含有させることが望ましいが、0.50%を超えて含有すると、耐CO2腐食性が低下し、さらに熱間加工性も低下する。このために、Siは0.50%以下に限定した。なお、好ましくは0.10〜0.35%である。
Mn:0.20〜1.80%
Mnは、強度を増加させる元素であり、この発明では油井用マルテンサイト系ステンレス鋼管として必要な強度を確保するために0.20%以上の含有を必要とするが、1.80%を超える含有は、靭性に悪影響を及ぼす。このため、Mnは0.20〜1.80%の範囲に限定した。なお、好ましくは0.25〜0.60%である。
P:0.03%以下
Pは、耐CO2腐食性、耐CO2応力腐食割れ性、耐孔食性および耐硫化物応力腐食割れ性を劣化させる元素であり、この発明では可及的に低減することが望ましいが、極端な低減は製造コストの上昇を招く。工業的に比較的安価に実施可能でかつ耐CO2腐食性、耐CO2応力腐食割れ性、耐孔食性および耐硫化物応力腐食割れ性を劣化させない範囲として、Pは0.03%以下に限定した。なお、好ましくは0.02%以下である。
S:0.005%以下
Sは、パイプ製造過程において熱間加工性を著しく劣化させる元素であり、可及的に少ないことが望ましいが、0.005%以下に低減すれば通常工程でのパイプ製造が可能となることから、Sは0.005%以下に限定した。なお、好ましくは0.003%以下である。
Cr:15.5〜17.5%
Crは、保護被膜を形成して耐食性を向上させる元素で、とくに耐CO2腐食性、耐CO2応力腐食割れ性の向上に有効に寄与するとともに、耐硫化物応力腐食割れ性(耐SSC性)を向上させる作用を有する元素である。この発明では特に、高温における耐食性向上の観点から、15.5%以上の含有を必要とする。一方、17.5%を超える含有は、強度を低下させる。このため、この発明では、Crは15.5〜17.5%の範囲に限定した。なお、好ましくは16.0〜17.0%である。
Ni:2.5〜5.5%
Niは、保護被膜を強固する作用を有し、耐CO2腐食性、耐CO2応力腐食割れ性、耐孔食性および耐硫化物応力腐食割れ性を高める元素である。このような効果を、この発明が対象とする苛酷な腐食環境下で確保するためには、2.5%以上のNi含有を必要とする。一方、5.5%を超える含有は、マルテンサイト組織の安定性が低下し、強度が低下する。このため、Niは2.5〜5.5%の範囲に限定した。なお、好ましくは3.0〜5.0%である。
V:0.20%以下
Vは、強度を上昇させるとともに、耐SSC性を改善する効果を有する元素であり、このような効果を得るためには、0.01%以上含有することが望ましいが、0.20%を超えて含有すると、靱性が低下する。このため、Vは0.20 %以下に限定した。 なお、好ましくは0.05〜0.08%である。
Mo:1.5〜3.5%
Moは、Cl-による孔食に対する抵抗性を増加させる作用を有する元素であり、さらに耐SSC性の向上に有効に作用する。このような効果を、この発明が対象とする苛酷な腐食環境下で確保するためには、1.5%以上の含有を必要とする。一方、3.5%を超えて含有すると、強度が低下するとともに、材料コストを高騰させる。このため、Moは1.5〜3.5%の範囲に限定した。なお、好ましくは1.8〜3.0%である。
W:0.50〜3.0%
Wは、Moと同様に、耐SSC性の向上に有効な元素であり、このような効果は、0.50%以上の含有で顕著となる。一方、3.0%を超える含有は、靱性を劣化させる。このため、Moは0.50〜3.0%の範囲に限定した。なお、好ましくは0.7〜2.0%である。
この発明では、Mo、W含有量は、上記した範囲内でかつ、次(3)式
2.2 ≦ Mo+0.8W ≦4.5 …(3)
(ここで、Mo、W:各元素の含有量(mass%))
を満足するように調整される。MoとWを複合して含有することにより、耐SSC性が顕著に向上する。Mo+0.8Wを2.2以上とすることにより、この発明が対象とするCO2、Cl-を含み、さらにH2Sを含む高温の苛酷な腐食環境下でも、優れた耐SSC性を確保できる。一方、Mo+0.8Wが4.5を超えると、靱性、熱間加工性の低下を引き起こす。このため、この発明では、Mo、Wが(3)式を満足する、Mo+0.8Wが2.2〜4.5の範囲となるように、Mo、W含有量を調整することとした。
Al:0.05%以下
Alは、強力な脱酸作用を有する元素であり、このような効果を得るためには、0.002%以上含有することが望ましいが、0.05%を超える含有は、靭性に悪影響を及ぼす。このため、Alは0.05%以下に限定した。なお、好ましくは0.03%以下である。
N:0.15%以下
Nは、耐孔食性を著しく向上させる元素であり、このような効果は、0.01%以上の含有で顕著となる。一方、0.15%を超える含有は、種々の窒化物を形成して靭性を低下させる。このため、Nは0.15%以下に限定した。なお、好ましくは0.02〜0.08%である。
O:0.006%以下
Oは、鋼中では酸化物として存在し、各種特性に悪影響を及ぼすため、できるだけ低減することが望ましい。とくにO含有量が0.006%を超えて多くなると、熱間加工性、耐CO2応力腐食割れ性、耐孔食性、耐硫化物応力腐食割れ性および靭性を著しく低下させる。このため、Oは0.006%以下に限定した。
上記した成分が基本の組成であるが、この発明では、上記した組成に加えてさらに、Cu:0.5〜3.5%、および/または、Nb:0.20%以下、Ti:0.3%以下、Zr:0.2%以下、B:0.01%以下のうち1種または2種以上、および/または、Ca:0.0005〜0.01%、を必要に応じて選択して含有することができる。
Cu:0.5〜3.5%
Cuは、保護皮膜を強固にして鋼中への水素の侵入を抑制し、耐硫化物応力腐食割れ性を向上させる作用を有する元素であり、必要に応じて含有できる。このような効果を得るためには、0.5%以上含有することが好ましい。一方、3.5%を超える含有は、高温でのCuSの粒界析出を招き、熱間加工性が低下する。このため、含有する場合には、Cuは、0.5〜3.5%の範囲に限定することが好ましい。なお、より好ましくは0.5〜2.5%、さらに好ましくは0.8〜1.5%である。
Nb:0.20%以下、Ti:0.3%以下、Zr:0.2%以下、B:0.01%以下のうちから選ばれた1種または2種以上
Nb、Ti、Zr、Bはいずれも、強度を増加させる元素であり、必要に応じて選択して1種以上、含有することができる。なお、Nbは、上記した効果に加えて、さらに靭性を向上させる効果も有する。また、Ti、Zr、Bは、上記した効果に加えて、さらに耐応力腐食割れ性を改善する効果も有する。このような効果を得るためには、Nb:0.01%以上、Ti:0.01%以上、Zr:0.01%以上、B:0.0005%以上、含有することが望ましい。一方、Nb:0.20%、Ti:0.3%、Zr:0.2%、B:0.01%を超えて含有すると、靱性が低下する。このため、含有する場合には、Nb:0.20%以下、Ti:0.3%以下、Zr:0.2%以下、B:0.01%以下に限定することが好ましい。なお、より好ましくはNb:0.02〜0.10%、Ti:0.02〜0.12%、Zr:0.02〜0.08%、B:0.0005〜0.003%である。
Ca:0.0005〜0.01%
Caは、SをCaSとして固定し、硫化物系介在物を球状化する作用を有する元素である。これにより、介在物周辺のマトリックスの格子歪を小さくして、介在物の水素のトラップ能を低下させる効果を有する。このような効果は、0.0005%以上の含有で顕著となるが、0.01%を超える含有は、CaOの増加を招き、耐CO2腐食性、耐孔食性が低下する。このため、Caは含有する場合には、0.0005〜0.01%の範囲に限定することが好ましい。
この発明では、上記した各成分を上記した範囲内で含み、かつ次(1)式
Cr+3.2Mo+2.6W−10C ≧ 23.4 …(1)
および、次(2)式
Cr+Mo+0.5W+0.3Si−43.5C−0.4Mn−0.3Cu−Ni−9N≧11.5 …(2)
(ここで、Cr、Mo、W、Si、C、Mn、Cu、Ni、N:各元素の含有量(mass%))
を満足するように、各成分の含有量を調整する。
上記した(1)式を満足するように、Cr、Mo、W、C含有量を調整することにより、耐SSC性が顕著に向上する。(1)式を満足することができない場合には、充分な耐SSC性を確保できない。また、P、S、Oを上記した範囲にそれぞれ低減することに加えて、さらに上記した(2)式を満足するように、Cr、Mo、W、Si、C、Mn、Cu、Ni、N含有量を調整することにより、マルテンサイト系ステンレス鋼継目無管を造管するために必要十分な熱間加工性を確保でき、さらに所望の強度を維持することができる。P、S、Oを上記した範囲にそれぞれ低減することのみでは、マルテンサイト系ステンレス鋼継目無管を造管するために必要十分な熱間加工性を確保できない。また、(2)式を満足することができない場合には、マルテンサイト系ステンレス鋼継目無管製造のための熱間加工性が不足する。
上記した成分以外の残部は、Feおよび不可避的不純物である。
この発明になる高強度ステンレス鋼管は、上記した組成を有し、好ましくはさらにマルテンサイト相をベース相とし、さらにフェライト相を体積率で、10〜50%含有する組織を有する。この発明になる高強度ステンレス鋼管では、高強度を維持するために、組織は、マルテンサイト相をベース相とする組織とする。そして、この発明では、強度を低下させずに耐食性を向上させる目的で、体積率で、10%以上のフェライト相を含有する組織とすることが好ましい。一方、フェライト相が体積率で50%を超えると、強度の低下が著しくなる。このため、この発明鋼管においては、フェライト相分率を体積率で10〜50%の範囲に限定することが好ましい。なお、より好ましくは12〜30%である。なお、フェライト相以外の第二相としては、20体積%以下のオーステナイト相を含有してもなんら問題はない。
次に、この発明になる高強度ステンレス鋼管の好ましい製造方法について、継目無鋼管を例にして説明する。
まず、上記した組成を有する溶鋼を、転炉、電気炉、真空溶解炉等の通常公知の溶製方法で溶製し、連続鋳造法、造塊−分塊圧延法等、通常の方法でビレット等の鋼管素材とすることが好ましい。ついで、これら鋼管素材を加熱し、通常のマンネスマン−プラグミル方式、あるいはマンネスマン−マンドレルミル方式の製造工程を用いて熱間加工し造管して、所望寸法の継目無鋼管とする。
造管後、継目無鋼管は、空冷以上の冷却速度で室温まで冷却することが好ましい。これにより、鋼管の組織を、マルテンサイト相をベース相とする組織とすることができる。なお、プレス方式による熱間押出で継目無鋼管を製造してもよい。
なお、造管後、空冷以上の冷却速度での冷却に続いて、さらに800℃以上の温度に再加熱したのち、空冷以上の冷却速度で100℃以下好ましくは室温まで冷却する焼入れ処理を施すことが好ましい。これにより、好ましくは適正量のフェライト相を含む、微細で高靭性のマルテンサイト組織とすることができる。焼入れ加熱温度が、800℃未満では、所望の強度を確保できなくなる。このため、焼入れ処理の加熱温度は800℃以上好ましくは1100℃以下の温度とすることが好ましい。
焼入れ処理を施された継目無鋼管は、ついで、650℃以下の温度に加熱され、空冷以上の冷却速度で冷却される焼戻処理を施されることが好ましい。650℃以下好ましくは500℃以上の温度に加熱し、焼戻しすることにより、組織は焼戻しマルテンサイト相、さらに少量のフェライト相とからなる組織となり、所望の高強度とさらには所望の高靭性、所望の優れた耐食性を有する継目無鋼管となる。なお、焼入れ処理なしで上記した焼戻処理のみを施してもよい。
ここまでは、継目無鋼管を例にして説明したが、本発明鋼管はこれに限定されるものではない。上記した本発明範囲内の組成を有する鋼管素材を用いて、通常の工程に従い、電縫鋼管、UOE鋼管を製造し、油井用鋼管とすることも可能である。
上記した本発明範囲内の組成を有する鋼管素材を用いて、通常の製造工程にしたがい得られた継目無鋼管以外の鋼管、例えば電縫鋼管、UOE鋼管では、造管後の鋼管に、上記した焼入れ−焼戻処理である、800℃以上の温度に再加熱したのち空冷以上の冷却速度で100℃以下好ましくは室温まで冷却する焼入れ処理と、ついで650℃以下、好ましくは500℃以上の温度に加熱し空冷以上の冷却速度で冷却する焼戻処理とを施すことが好ましい。
表1に示す組成の溶鋼を脱ガス後、100kg鋼塊(鋼管素材)に鋳造し、モデルシームレス圧延機による熱間加工により造管し、造管後空冷または水冷し、外径83.8mm×肉厚12.7mm(3.3in×肉厚0.5in)の継目無鋼管とした。
得られた継目無鋼管について、造管後冷却のままで内外表面の割れ発生の有無を目視で調査し、熱間加工性を評価した。なお、鋼管の前後端面で1mm以上の長さの割れが存在する場合を割れ有り(×)とし、それ以外を割れ無し(○)とした。
また、得られた継目無鋼管から、試験片素材を切り出し、表2に示す条件、すなわち920℃で1h加熱したのち、水冷(800〜500℃までの平均冷却速度:10℃/s)する焼入れ処理を施した。さらに表2に示す条件、すなわち500〜650℃の範囲の温度で30min間保持し、空冷する焼戻処理を施した。なお、一部の鋼管は造管後冷却のままとした。
このように、造管後冷却のまま、あるいはさらに焼入れ−焼戻処理を施された試験片素材から、組織観察用試験片を採取し、組織観察用試験片を王水で腐食して走査型電子顕微鏡(400倍)で組織を撮像し、画像解析装置を用いて、フェライト相の組織分率(体積%)を算出した。
また、残留オーステナイト相組織分率は、X線回折法を用いて測定した。焼入れ−焼戻処理を施された試験片素材から測定用試験片を採取し、X線回折によりγの(220)面、αの(211)面、の回折X線積分強度を測定し、次式
γ(体積率)=100/(1+(IαRγ/IγRγ))
ここで、Iα:αの積分強度
Rγ:αの結晶学的理論計算値
Iγ:γの積分強度
Rγ:γの結晶学的理論計算値
を用いて換算した。なお、マルテンサイト相の分率はこれらの相以外の残部として算出した。
また、造管後冷却のまま、あるいはさらに焼入れ−焼戻処理を施された試験片素材から、API 弧状引張試験片を採取し、引張試験を実施し引張特性(降伏強さYS、引張強さTS)を求めた。
また、造管後冷却のまま、あるいはさらに焼入れ−焼戻処理を施された試験片素材から、JIS Z 2242の規定に準拠して、Vノッチ試験片(5mm厚)を採取し、シャルピー衝撃試験を実施し、−40℃における吸収エネルギーvE-40を求め、靭性を評価した。
さらに、造管後冷却のまま、あるいはさらに焼入れ−焼戻処理を施された試験片素材から、厚さ3mm×幅30mm×長さ40mmの腐食試験片を機械加工によって作製し、腐食試験を実施した。
腐食試験は、オートクレーブ中に保持された試験液:20%NaCl水溶液(液温:220℃、100気圧のCO2ガス雰囲気) 中に、腐食試験片を浸漬し、浸漬期間を2週間として実施した。腐食試験後の試験片について、重量を測定し、腐食試験前後の重量減から計算した腐食速度を求めた。また、試験後の腐食試験片について倍率:10倍のルーペを用いて試験片表面の孔食発生の有無を観察した。なお孔食が、直径0.3mm以上の場合を孔食発生有りとし、それ以外を孔食無しとした。
さらに、造管後冷却のまま、あるいはさらに焼入れ−焼戻処理を施された試験片素材から、NACE-TM0177 Method Aの規定に準拠して、丸棒状の試験片(平行部の直径:6.4mm)を機械加工によって作製し、耐SSC試験を実施した。
耐SSC試験は、試験容器中に保持された試験液:20%NaCl水溶液(液温:25℃、H2S:0.1気圧、CO2:0.9気圧の雰囲気、液pH:3.5(0.5%CH3COOH+CH3COONaで調整)) 中に、試験片を浸漬し、浸漬期間を30日(720h)とし、該試験片に100%SMYS(Specified Minimum Yield Strength)の応力を付加して、試験片の破断の有無を調査した。破断した場合を耐SCC性に劣るとして×、破断しなかった場合を耐SCC性に優れるとして○、として評価した。
得られた結果を表3に示す。
Figure 0004893196
Figure 0004893196
Figure 0004893196
本発明例はいずれも、鋼管表面の割れ発生は認められず、熱間加工性に優れていることがわかる。また、本発明例はいずれも、降伏強さYS:654MPa以上の高強度を有し、CO2を含み220℃という高温で苛酷な腐食環境下における腐食速度も小さく耐CO2腐食性に優れ、また孔食の発生も無く、CO2を含み220℃という高温で苛酷な腐食環境下における耐食性に優れた鋼管となっている。また、本発明例はいずれも、H2Sを含む雰囲気下でもSSCの発生はなく、耐SSC性に優れた鋼管となっていることがわかる。
これに対し、本発明の範囲を外れる比較例は、表面に割れが発生し熱間加工性が低下しているか、あるいは腐食速度が大きく、孔食が発生し耐食性が低下しているか、あるいはSSCが発生し耐SSC性が低下している。とくに (1)式および/または(3)式を満足しない組成の比較例は、SSCが発生している。また、とくに(2)を満足しない組成の比較例では、熱間加工性が低下している。なお、フェライト量が本発明の好適範囲を外れる場合には、強度が低下し、降伏強さYS:654MPa以上の高強度を満足できていない。

Claims (5)

  1. mass%で、
    C:0.04%以下、 Si:0.50%以下、
    Mn:0.20〜1.80%、 P:0.03%以下、
    S:0.005%以下、 Cr:15.5〜17.5%、
    Ni:2.5〜5.5%、 V:0.20%以下、
    Mo:1.5〜3.5%、 W:0.50〜3.0%、
    Al:0.05%以下、 N:0.15%以下、
    O:0.006%以下
    を、下記(1)〜(3)式を満足するように含有し、残部Feおよび不可避的不純物からなる組成を有することを特徴とする、高靱性で、耐食性に優れた油井用高強度ステンレス鋼管。

    Cr+3.2Mo+2.6W−10C≧ 23.4 …(1)
    Cr+Mo+0.5W+0.3Si−43.5C−0.4Mn−0.3Cu−Ni−9N≧11.5 …(2)
    2.2 ≦ Mo+0.8W ≦4.5 …(3)
    ここで、Cr、Mo、W、Si、C、Mn、Cu、Ni、N:各元素の含有量(mass%)
  2. 前記組成に加えてさらに、mass%で、Cu:0.5〜3.5%を含有する組成とすることを特徴とする請求項1に記載の油井用高強度ステンレス鋼管。
  3. 前記組成に加えてさらに、mass%で、Nb:0.20%以下、Ti:0.3%以下、Zr:0.2%以下、B:0.01%以下のうちから選ばれた1種または2種以上を含有する組成とすることを特徴とする請求項1または2に記載の油井用高強度ステンレス鋼管。
  4. 前記組成に加えてさらに、mass%で、Ca:0.0005〜0.01%を含有する組成とすることを特徴とする請求項1ないし3のいずれかに記載の油井用高強度ステンレス鋼管。
  5. マルテンサイト相をベース相とし、さらにフェライト相を体積率で、10〜50%含有する組織を有することを特徴とする請求項1ないし4のいずれかに記載の油井用高強度ステンレス鋼管。
JP2006263704A 2006-09-28 2006-09-28 高靭性でかつ耐食性に優れた油井用高強度ステンレス鋼管 Active JP4893196B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2006263704A JP4893196B2 (ja) 2006-09-28 2006-09-28 高靭性でかつ耐食性に優れた油井用高強度ステンレス鋼管

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2006263704A JP4893196B2 (ja) 2006-09-28 2006-09-28 高靭性でかつ耐食性に優れた油井用高強度ステンレス鋼管

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2008081793A JP2008081793A (ja) 2008-04-10
JP4893196B2 true JP4893196B2 (ja) 2012-03-07

Family

ID=39352946

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2006263704A Active JP4893196B2 (ja) 2006-09-28 2006-09-28 高靭性でかつ耐食性に優れた油井用高強度ステンレス鋼管

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4893196B2 (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN103286127A (zh) * 2013-06-14 2013-09-11 首钢总公司 原油油船货油舱上甲板用耐腐蚀钢板的制造方法及钢板

Families Citing this family (25)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR20110018455A (ko) * 2008-07-23 2011-02-23 닛폰 스틸 앤드 스미킨 스테인레스 스틸 코포레이션 요소수 탱크용 페라이트계 스테인리스강
AR073884A1 (es) * 2008-10-30 2010-12-09 Sumitomo Metal Ind Tubo de acero inoxidable de alta resistencia excelente en resistencia a la fisuracion bajo tension por sulfuros y a la corrosion de gas de acido carbonico en alta temperatura.
JP5446335B2 (ja) * 2009-03-10 2014-03-19 Jfeスチール株式会社 油井用高強度ステンレス鋼管の評価方法
AR076669A1 (es) * 2009-05-18 2011-06-29 Sumitomo Metal Ind Acero inoxidable para pozos de petroleo, tubo de acero inoxidable para pozos de petroleo, y metodo de fabricacion de acero inoxidable para pozos de petroleo
JP5640762B2 (ja) * 2011-01-20 2014-12-17 Jfeスチール株式会社 油井用高強度マルテンサイト系ステンレス継目無鋼管
JP5488643B2 (ja) * 2012-05-31 2014-05-14 Jfeスチール株式会社 油井管用高強度ステンレス鋼継目無管およびその製造方法
JP5924256B2 (ja) 2012-06-21 2016-05-25 Jfeスチール株式会社 耐食性に優れた油井用高強度ステンレス鋼継目無管およびその製造方法
JP6045256B2 (ja) 2012-08-24 2016-12-14 エヌケーケーシームレス鋼管株式会社 高強度高靭性高耐食マルテンサイト系ステンレス鋼
JP5967066B2 (ja) * 2012-12-21 2016-08-10 Jfeスチール株式会社 耐食性に優れた油井用高強度ステンレス継目無鋼管およびその製造方法
EP3042968B1 (en) 2013-09-04 2020-12-09 JFE Steel Corporation Method of manufacturing a high-strength stainless steel pipe and high-strength stainless steel pipe
MX2016015099A (es) * 2014-05-21 2017-02-22 Jfe Steel Corp Tuberia de acero inoxidable sin costura de alta resistencia para productos tubulares de region petrolifera y metodo para la fabricacion de la misma.
JP6137082B2 (ja) * 2014-07-31 2017-05-31 Jfeスチール株式会社 低温靭性に優れた油井用高強度ステンレス継目無鋼管およびその製造方法
WO2016079920A1 (ja) * 2014-11-19 2016-05-26 Jfeスチール株式会社 油井用高強度ステンレス継目無鋼管
US11193179B2 (en) 2015-01-15 2021-12-07 Jfe Steel Corporation Seamless stainless steel pipe for oil country tubular goods and method of manufacturing the same
CN107250405B (zh) 2015-02-20 2019-12-24 杰富意钢铁株式会社 高强度无缝厚壁钢管及其制造方法
US10876183B2 (en) 2015-07-10 2020-12-29 Jfe Steel Corporation High-strength seamless stainless steel pipe and method of manufacturing high-strength seamless stainless steel pipe
JP6409827B2 (ja) * 2015-08-18 2018-10-24 Jfeスチール株式会社 油井用継目無ステンレス鋼管の製造方法
MX2018005245A (es) * 2016-01-13 2018-08-01 Nippon Steel & Sumitomo Metal Corp Metodo para fabricar tubos de acero inoxidable para pozos de petroleo y tubo de acero inoxidable para pozos de petroleo.
MX2018009591A (es) 2016-02-08 2018-09-11 Jfe Steel Corp Tubo de acero inoxidable sin soldadura de alta resistencia para articulos tubulares para la industria del petroleo y metodo de fabricacion de tubo de acero inoxidable sin soldadura de alta resistencia.
CA3026554C (en) 2016-07-27 2021-03-23 Jfe Steel Corporation High-strength seamless stainless steel pipe for oil country tubular goods, and method for producing the same
BR112019013803A2 (pt) 2017-01-13 2020-01-21 Jfe Steel Corp tubo de aço inoxidável sem costura de alta resistência e método de produção do mesmo
US11306369B2 (en) 2017-02-24 2022-04-19 Jfe Steel Corporation High-strength stainless steel seamless pipe for oil country tubular goods, and method for producing same
WO2019035329A1 (ja) 2017-08-15 2019-02-21 Jfeスチール株式会社 油井用高強度ステンレス継目無鋼管およびその製造方法
WO2022224640A1 (ja) 2021-04-21 2022-10-27 Jfeスチール株式会社 ステンレス鋼管およびその製造方法
CN116145051A (zh) * 2022-12-13 2023-05-23 钢铁研究总院有限公司 一种高耐蚀经济型油井管钢及其制备方法

Family Cites Families (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS581044A (ja) * 1981-06-24 1983-01-06 Sumitomo Metal Ind Ltd 耐応力腐食割れ性に優れた高強度油井管用合金
JP3254146B2 (ja) * 1996-10-29 2002-02-04 川崎製鉄株式会社 耐応力腐食割れ性および高温引張り特性に優れた油井管用高強度マルテンサイト系ステンレス鋼
JP2002060910A (ja) * 2000-08-11 2002-02-28 Sumitomo Metal Ind Ltd 高Cr溶接鋼管
AR045073A1 (es) * 2003-07-22 2005-10-12 Sumitomo Chemical Co Acero inoxidable martensitico
JP5109222B2 (ja) * 2003-08-19 2012-12-26 Jfeスチール株式会社 耐食性に優れた油井用高強度ステンレス継目無鋼管およびその製造方法
JP4462005B2 (ja) * 2003-10-31 2010-05-12 Jfeスチール株式会社 耐食性に優れたラインパイプ用高強度ステンレス鋼管およびその製造方法

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN103286127A (zh) * 2013-06-14 2013-09-11 首钢总公司 原油油船货油舱上甲板用耐腐蚀钢板的制造方法及钢板
CN103286127B (zh) * 2013-06-14 2015-06-24 首钢总公司 原油油船货油舱上甲板用耐腐蚀钢板的制造方法及钢板

Also Published As

Publication number Publication date
JP2008081793A (ja) 2008-04-10

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4893196B2 (ja) 高靭性でかつ耐食性に優れた油井用高強度ステンレス鋼管
JP5109222B2 (ja) 耐食性に優れた油井用高強度ステンレス継目無鋼管およびその製造方法
JP6766887B2 (ja) 油井用高強度ステンレス継目無鋼管およびその製造方法
JP5446335B2 (ja) 油井用高強度ステンレス鋼管の評価方法
JP6399259B1 (ja) 油井用高強度ステンレス継目無鋼管およびその製造方法
JP4363327B2 (ja) 油井用ステンレス鋼管およびその製造方法
JP5967066B2 (ja) 耐食性に優れた油井用高強度ステンレス継目無鋼管およびその製造方法
JP5924256B2 (ja) 耐食性に優れた油井用高強度ステンレス鋼継目無管およびその製造方法
WO2017138050A1 (ja) 油井用高強度ステンレス継目無鋼管およびその製造方法
JP4978073B2 (ja) 耐食性に優れる油井用高靭性超高強度ステンレス鋼管およびその製造方法
JP4462005B2 (ja) 耐食性に優れたラインパイプ用高強度ステンレス鋼管およびその製造方法
JP6156609B1 (ja) 油井用高強度ステンレス継目無鋼管およびその製造方法
JP6237873B2 (ja) 油井用高強度ステンレス継目無鋼管
WO2005042793A1 (ja) 耐食性に優れたラインパイプ用高強度ステンレス鋼管およびその製造方法
JP2011241477A (ja) 溶接熱影響部の耐粒界応力腐食割れ性に優れたラインパイプ用Cr含有鋼管
JP7315097B2 (ja) 油井用高強度ステンレス継目無鋼管およびその製造方法
WO2019225281A1 (ja) 油井管用マルテンサイト系ステンレス継目無鋼管およびその製造方法
JP7226675B1 (ja) 油井用高強度ステンレス継目無鋼管およびその製造方法
JP4470617B2 (ja) 耐炭酸ガス腐食性に優れる油井用高強度ステンレス鋼管
JP4978070B2 (ja) 拡管性に優れる油井用ステンレス鋼管
JP4449174B2 (ja) 油井用高強度マルテンサイト系ステンレス鋼管の製造方法
JP6819837B1 (ja) ステンレス継目無鋼管
JP4289109B2 (ja) 耐食性に優れた油井用高強度ステンレス鋼管
JP5040215B2 (ja) 拡管性に優れる油井用ステンレス鋼管
JP7347714B1 (ja) 油井用高強度ステンレス継目無鋼管

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20090821

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20100520

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20110915

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20111122

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20111205

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 4893196

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20150106

Year of fee payment: 3

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250