JP4462005B2 - 耐食性に優れたラインパイプ用高強度ステンレス鋼管およびその製造方法 - Google Patents
耐食性に優れたラインパイプ用高強度ステンレス鋼管およびその製造方法 Download PDFInfo
- Publication number
- JP4462005B2 JP4462005B2 JP2004311885A JP2004311885A JP4462005B2 JP 4462005 B2 JP4462005 B2 JP 4462005B2 JP 2004311885 A JP2004311885 A JP 2004311885A JP 2004311885 A JP2004311885 A JP 2004311885A JP 4462005 B2 JP4462005 B2 JP 4462005B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- less
- stainless steel
- pipe
- strength stainless
- mass
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Expired - Fee Related
Links
Landscapes
- Heat Treatment Of Articles (AREA)
Description
特許文献1に記載された鋼管は、低炭素化して溶接部の硬さ上昇を制御した、溶接部の耐食性に優れたラインパイプ用マルテンサイト系ステンレス鋼管である。また、特許文献2に記載された鋼管は、合金元素量を調整することにより、耐食性を向上させたマルテンサイト系ステンレス鋼管である。特許文献3に記載された鋼管は、溶接性と耐食性を両立させたラインパイプ用マルテンサイト系ステンレス鋼管である。
本発明は、従来技術におけるかかる事情に鑑みて成されたものであり、安価で、CO2、Cl-等を含む150 ℃以上の高温の苛酷な腐食環境下においても優れた耐CO2腐食性を示し、さらに高硫化水素環境下においても優れた耐硫化物応力腐食割れ性を示し、かつ優れた低温靭性および優れた溶接性を兼ね備えたラインパイプ用高強度ステンレス鋼管およびその製造方法を提供することを目的とする。
従来のマルテンサイト系ステンレス継目無鋼管の製造においては、フェライト相が生成して組織がマルテンサイト単相とならない場合には、強度が低下し熱間加工性が低下するため、鋼管の製造が困難となるという考えが一般的であった。
そこで、本発明者らは、熱間加工性に及ぼす成分の影響について、さらに詳細に検討した。その結果、鋼管組成を次(2)式
Cr+Mo+0.3Si−43.5C−Ni−0.3Cu−9N≧11.5 ………(2)
(ここで、Cr、Ni、Mo、Cu、C、Si、Mn、N:各元素の含有量(mass%))
を満足するように調整することにより、熱間加工性が顕著に向上し熱間加工時の割れ発生を防止できることを見出した。
Cr+0.65Ni+0.6Mo+0.55Cu−20C≧18.5 ………(1)
(ここで、 Cr、Ni、Mo、Cu、C:各元素の含有量 (mass%))
を満足するように成分調整することにより、組織をフェライト−マルテンサイト二相組織としても、十分な耐食性が確保できることを見出した。
(1)式からも明らかなように、耐食性を向上させるためにはCr含有量の増加が有効である。しかし、Crはフェライトの生成を促進させる。そのため、フェライトの生成を抑制する目的で、従来ではCr含有量に見合う量のNiを含有させる必要があった。しかし、Cr含有量に合わせてNi含有量を増加させると、オーステナイト相が安定化して、ラインパイプ用鋼管として必要な強度を確保することができなくなるという問題があった。
本発明者らが得た、フェライト−マルテンサイト二相組織を有する13%Cr系ステンレス継目無鋼管の熱処理後の降伏強さYSとCr含有量の関係を図4に示す。なお、図4には、組織が、マルテンサイト単相またはマルテンサイト−オーステナイト二相組織とした場合の熱処理後のYSとCr含有量との関係も併記した。図4から、組織を適正量のフェライト相を含む、フェライト−マルテンサイト二相組織に維持して、Cr含有量を増加することにより、ラインパイプ用鋼管として十分な強度を確保できることを新規に見出した。一方、組織を、マルテンサイト単相またはマルテンサイト−オーステナイト二相組織とした場合には、Cr量を増加するとYSが低下する。
C+N≦0.025 ………(3)
を満足するように調整することにより、溶接割れの発生がなく優れた溶接性を確保できることを見出した。(3)式左辺値とyスリット溶接割れ試験による割れ発生率との関係を図5に示す。図5から(3)式左辺値を0.025以下とすることにより、溶接割れを防止できることを見出した。なお、割れ発生率は各5本のyスリット溶接割れ試験を実施し、割れ個数/試験個数より求めた。
すなわち、本発明の要旨は、つぎのとおりである。
(1)mass%で、C:0.001〜0.015%、Si:0.01〜0.5%、Mn:0.1〜1.8%、P:0.03%以下、S:0.005%以下、Cr:15〜18%、Ni:0.5%以上5.5%未満、Mo:0.5〜3.5%、V:0.02〜0.2%、N:0.001〜0.015%、O:0.006%以下を、次(1)、(2)および(3)式
Cr+0.65Ni+0.6Mo+0.55Cu−20C≧18.5 ………(1)
Cr+Mo+0.3Si−43.5C−0.4Mn−Ni−0.3Cu−9N≧11.5 ………(2)
C+N≦0.025 ………(3)
(ここで、C、Ni、Mo、Cr、Si、Mn、Cu、N:各元素の含有量(mass%))
を満足するように含み、残部Feおよび不可避的不純物よりなる組成と、マルテンサイト相をベースとして、体積率で40%以下の残留オーステナイト相と10〜60%のフェライト相からなる組織を有することを特徴とする耐食性に優れたラインパイプ用高強度ステンレス継目無鋼管。
(2)(1)において、前記組成に加えてさらに、mass%で、Al:0.002〜0.05%を含有する組成を有することを特徴とするラインパイプ用高強度ステンレス継目無鋼管。
(3) (1)又は(2)において、前記Niの含有量が、mass%で、1.5〜5.0%であることを特徴とするラインパイプ用高強度ステンレス継目無鋼管。
(4)(1)ないし(3)のいずれかにおいて、前記Moの含有量が、mass%で、1.0〜3.5%であることを特徴とするラインパイプ用高強度ステンレス継目無鋼管。
(5)(1)ないし(3)のいずれかにおいて、前記Moの含有量が、mass%で、2%超3.5%以下であることを特徴とするラインパイプ用高強度ステンレス継目無鋼管。
(6)(1)ないし(5)のいずれかにおいて、前記組成に加えてさらに、mass%で、Cu:3.5%以下を含有する組成とすることを特徴とするラインパイプ用高強度継目無ステンレス鋼管。
(7)(1)ないし(5)のいずれかにおいて、前記Cuの含有量が、mass%で0.5以上1.14%以下であることを特徴とするラインパイプ用高強度ステンレス継目無鋼管。
(8)(1)ないし(7)のいずれかにおいて、前記組成に加えてさらに、mass%で、Nb:0.2%以下、Ti:0.3%以下、Zr:0.2%以下、B:0.01%以下、W:3.0%以下のうちから選ばれた1種又は2種以上を含有する組成とすることを特徴とするラインパイプ用高強度ステンレス継目無鋼管。
(9)(1)ないし(8)のいずれかにおいて、前記組成に加えてさらに、mass%で、Ca:0.01%以下を含有する組成とすることを特徴とするラインパイプ用高強度ステンレス継目無鋼管。
(10)(1)ないし(9)のいずれかにおいて、前記フェライト相が、体積率で15〜50%であることを特徴とするラインパイプ用高強度ステンレス継目無鋼管。
(11)(1)ないし(10)のいずれかにおいて、前記残留オーステナイト相が、体積率で30%以下であることを特徴とするラインパイプ用高強度ステンレス継目無鋼管。
(12)C:0.001〜0.015%、Si:0.01〜0.5%、Mn:0.1〜1.8%、P:0.03%以下、S:0.005%以下、Cr:15〜18%、Ni:0.5%以上5.5%未満、Mo:0.5〜3.5%、V:0.02〜0.2%、N:0.001〜0.015%、O:0.006%以下を、次(1)、(2)および(3)式
Cr+0.65Ni+0.6Mo+0.55Cu−20C≧18.5 ………(1)
Cr+Mo+0.3Si−43.5C−0.4Mn−Ni−0.3Cu−9N≧11.5 ………(2)
C+N≦0.025 ………(3)
(ここで、Cr、Ni、Mo、Cu、C、Si、Mn、N:各元素の含有量(mass%))
を満足するように含み、残部Feおよび不可避的不純物よりなる組成を有する鋼管素材を所定寸法の鋼管に造管し、該鋼管に、850℃以上の温度に再加熱したのち空冷以上の冷却速度で100℃以下まで冷却し、ついで700℃以下の温度に加熱する焼入れ−焼戻処理を施し、マルテンサイト相をベースとして、体積率で40%以下の残留オーステナイト相と10〜60%のフェライト相からなる組織を有する鋼管とすることを特徴とする耐食性に優れたラインパイプ用高強度ステンレス鋼管の製造方法。
(13)(12)において、前記鋼管素材を加熱し、熱間加工により造管して、造管後、空冷以上の冷却速度で室温まで冷却し、所望寸法の継目無鋼管とし、ついで、該継目無鋼管に、前記焼入れ−焼戻処理を施すことを特徴とするラインパイプ用高強度ステンレス鋼管の製造方法。
(14)(12)または(13)において、前記焼入れ−焼戻処理に代えて、700℃以下の温度に加熱する焼戻処理を施すことを特徴とするラインパイプ用高強度ステンレス鋼管の製造方法。
(15)(12)ないし(14)のいずれかにおいて、前記組成に加えてさらに、mass%で、Al:0.002〜0.05%を含有する組成を有することを特徴とするラインパイプ用高強度ステンレス鋼管の製造方法。
(16)(12)ないし(15)のいずれかにおいて、前記Niの含有量が、mass%で、1.5〜5.0%であることを特徴とするラインパイプ用高強度ステンレス鋼管の製造方法。
(17)(12)ないし(16)のいずれかにおいて、前記Moの含有量が、mass%で、1.0〜3.5%であることを特徴とするラインパイプ用高強度ステンレス鋼管の製造方法。
(18)(12)ないし(16)のいずれかにおいて、前記Moの含有量が、mass%で、2%超3.5%以下であることを特徴とするラインパイプ用高強度ステンレス鋼管の製造方法。
(19)(12)ないし(18)のいずれかにおいて、前記組成に加えてさらに、mass%で、Cu:3.5%以下を含有することを特徴とするラインパイプ用高強度ステンレス鋼管の製造方法。
(20)(12)ないし(18)のいずれかにおいて、前記Cuの含有量が、mass%で、0.5%以上1.14%以下であることを特徴とするラインパイプ用高強度ステンレス鋼管。
(21)(12)ないし(20)のいずれかにおいて、前記組成に加えてさらに、mass%で、Nb:0.2%以下、Ti:0.3%以下、Zr:0.2%以下、W:3%以下、B:0.01%以下のうちから選ばれた1種または2種以上を含有することを特徴とするラインパイプ用高強度ステンレス鋼管の製造方法。
(22)(12)ないし(21)のいずれかにおいて、前記組成に加えてさらに、mass%で、Ca:0.01%以下を含有することを特徴とするラインパイプ用高強度ステンレス鋼管の製造方法。
(23)(1)ないし(11)のいずれかに記載の高強度ステンレス鋼管を溶接接合してなる溶接構造物。
C:0.001〜0.015%
Cは、マルテンサイト系ステンレス鋼の強度に関係する重要な元素であるが、本発明では、0.001%以上の含有を必要とするが、多量に含有すると、Ni含有による焼戻し時の鋭敏化が起こりやすくなる。この焼戻し時の鋭敏化を防止するために、Cは0.015%を上限とした。このようなことから本発明では、Cは0.001〜0.015%の範囲に限定した。耐食性、溶接性の観点からもCはできるだけ少ないほうが好ましい。なお、好ましくは0.002〜0.01の範囲である。
Siは、脱酸剤として作用する元素であり、通常の製鋼過程において必要であり、0.01%以上の含有を必要とするが、0.5%を超える含有は、耐CO2腐食性を低下させ、さらには熱間加工性をも低下させる。このため、Siは0.01〜0.5%の範囲に限定した。
Mn:0.1〜1.8%
Mnは、強度を増加させる元素であり、本発明における所望の強度を確保するために0.1%以上の含有を必要とするが、1.8%を超えて含有すると靭性に悪影響を及ぼす。このため、Mnは0.1〜1.8%の範囲に限定した。なお、好ましくは0.2〜0.9%である。
Pは、耐CO2耐食性、耐CO2応力腐食割れ性、耐孔食性および耐硫化物腐食割れ性をともに劣化させる元素であり、本発明では可及的に低減することが望ましいが、極端な低減は製造コストの上昇を招く。工業的に比較的安価に実施可能でかつ耐CO2腐食性、耐CO2応力腐食割れ性、耐孔食性および耐硫化物応力腐食割れ性をともに劣化させない範囲でPは0.03%以下とした。なお、好ましくは0.02%以下である。
Sは、パイプ製造過程において熱間加工性を著しく劣化させる元素であり、可及的に少ないことが望ましいが、0.005%以下に低減すれば通常工程でのパイプ製造が可能となることから、Sはその上限を0.005%とした。なお、好ましくは0.003%以下である。
Cr:15〜18%
Crは、保護皮膜を形成して耐食性を向上させる元素であり、とくに耐CO2腐食性、耐CO2応力腐食割れ性の向上に寄与する有効な元素である。本発明では特に、苛酷な環境下における耐食性を向上させる観点から15%以上の含有を必要とする。一方、18%を超える含有は熱間加工性を劣化させる。このため、Crは15〜18%の範囲に限定した。
Niは、高Cr鋼の保護皮膜を強固にして、耐食性を向上させるとともに、低C高Cr鋼の強度を増加させる作用を有する元素であり、本発明では0.5%以上の含有を必要とするが、5.5%以上の含有は、熱間加工性が低下するとともに、強度の低下を招く。このため、Niは0.5%以上5.5%未満に限定した。なお、好ましくは1.5〜5.0%である。
Moは、Cl−による孔食に対する抵抗性を増加させる元素であり、本発明では、0.5%以上の含有を必要とする。Moが0.5%未満では高温環境下での耐食性が不十分となる。一方、3.5%を超える含有は、耐食性および熱間加工性を低下させるとともに、製造コストの高騰を招く。このため、Moは0.5〜3.5%の範囲に限定した。なお、好ましくは1.0〜3.5%、より好ましくは2%超3.5%以下である。
Vは、強度を上昇させるとともに、耐応力腐食割れ性を改善する効果を有する。このような効果は、0.02%以上の含有で顕著となるが、0.2%を超えて含有すると、靭性が劣化する。このため、Vは0.02〜0.2%の範囲に限定した。なお、好ましくは0.02〜0.08%である。
Nは、溶接性を著しく劣化させる元素であり、できるだけ低減することが望ましい。過度の低減は、製造コストの高騰を招くため0.001%を下限とした。0.015%を超える含有は円周溶接割れを生じる可能性があり、本発明でのNの上限とした。
O:0.006%以下
Oは、鋼中では酸化物として存在し各種特性に大きな影響を及ぼすため、できるだけ低減することが好ましい。O含有量が0.006%を超えて多くなると、熱間加工性、耐CO2応力腐食割れ性、耐孔食性、耐硫化物応力腐食割れ性および靭性を著しく低下させる。このため、本発明では、Oは0.006%以下に限定した。
Cuは、保護皮膜を強固にして、鋼中への水素の侵入を抑制し、耐硫化物応力腐食割れ性を高める元素であり、このような効果を得るためには0.5%以上含有することが望ましい。一方、3.5%を超える含有は、CuSの粒界析出を招き、熱間加工性が低下する。このため、Cuは3.5%以下に限定することが好ましい。なお、より好ましくは、0.5〜1.14%である。
Nb、Ti、Zr、B、Wは、いずれも強度を増加させる作用を有し、必要に応じ選択して1種または2種以上を含有できる。
Ti、Zr、B、Wは、いずれも強度を増加させるとともに、耐応力腐食割れ性を改善する作用を有する元素である。このような効果は、Ti:0.02%以上、Zr:0.02%以上、B:0.0005%以上、W:0.25%以上の含有で顕著となるが、Ti:0.3%、Zr:0.2%、B:0.01%、W:3.0%をそれぞれ超える含有は、靭性を劣化させる。このため、Ti:0.3%以下、Zr:0.2%以下、B:0.01%以下、W:3.0%以下に限定することが好ましい。
本発明では、上記した範囲の成分を、次(1)〜(3)式
Cr+0.65Ni+0.6Mo+0.55Cu−20C≧18.5 ………(1)
Cr+Mo+0.3Si−43.5C−0.4Mn−Ni−0.3Cu−9N≧11.5 ………(2)
C+N≦0.025 ………(3)
(ここで、Cr、Ni、Mo、Cu、C、Si、Mn、N:各元素の含有量(mass%))
を満足するように含有する。なお、式中の元素で含有しない元素は零として計算するものとする。
(1)式の左辺は耐食性を評価する指数であり、(1)式の左辺値が18.5未満では、CO2、Cl−を含む高温の厳しい腐食環境下、および高硫化水素環境下において所望の耐食性を示さなくなる。このため、本発明では、Cr、Ni、Mo、Cu、Cを上記した範囲内でかつ(1)式を満足するように調整する。なお、(1)式左辺値は20.0以上とすることが好ましい。
(2)式の左辺は、熱間加工性を評価する指数であり、本発明では、Cr、Mo、Si、C、Ni、Mn、Cu、Nを上記した範囲内でかつ(2)式を満足するように調整する。(2)式の左辺値が11.5未満では、フェライト相の析出が不十分で熱間加工性が不足し継目無鋼管の製造が困難となる。本発明では、熱間加工性を向上させるために、P、S、Oを著しく低減しているが、P、S、Oをそれぞれ低減するのみでは、マルテンサイト系ステンレス鋼継目無鋼管を造管するうえで十分な熱間加工性を確保できない。継目無鋼管を製造するために必要十分な熱間加工性を確保するには、P、S、Oを著しく低減したうえで、(2)式を満足するように、Cr、Mo、Si、C、Ni、Mn、Cu、N含有量を調整することが肝要となる。なお、熱間加工性向上の観点からは(2)式左辺値は12.0以上とすることが好ましい。
(3)式の左辺は、溶接性を評価する指数であり、(3)式の左辺値が0.025を超えると、溶接割れが多発する。このため、本発明では、(3)式を満足するようにC、Nを調整する。
本発明のラインパイプ用高強度ステンレス鋼管は、上記した組成に加えて、マルテンサイト相をベース相とし、体積率で40%以下、より好ましくは30%以下の残留オーステナイトと10〜60%、より好ましくは15〜50%のフェライト相を含む組織を有する。また、本発明でいうマルテンサイト相には、焼戻しマルテンサイト相をも含むものとする。マルテンサイト相をベース相とすることにより、高強度のステンレス鋼管とすることができる。なお、マルテンサイト相は体積率で25%以上含有することが好ましい。また、フェライト相は、軟質で加工性を向上させる組織であり、本発明では、体積率で10%以上含有する。一方、フェライト相が体積率で60%を超えると所望の高強度を確保することが困難となる。このため、フェライト相は、体積率で10〜60%とする。なお、より好ましくは15〜50%である。また、残留オーステナイト相は靭性を向上させる組織であるが、体積率で40%超えると所望の高強度を確保することが困難となる。このため残留オーステナイト相は体積率で40%以下とする。なお、残留オーステナイト相は体積率で30%以下とすることがより好ましい。
つぎに、本発明のラインパイプ用高強度ステンレス鋼管の好ましい製造方法について継目無鋼管を例として説明する。
ここまでは、継目無鋼管を例にして説明したが、本発明鋼管はこれに限定されるものではない。上記した本発明範囲内の組成を有する鋼管素材を用いて、通常の工程に従い、電縫鋼管、UOE鋼管を製造し、ラインパイプ用鋼管とすることも可能である。
表1に示す組成の溶鋼を脱ガス後、100kgf鋼塊に鋳造し鋼管素材とした。ついでこれら鋼管素材を用いて、モデルシームレス圧延機による熱間加工により造管し、造管後空冷し、外径3.3in×肉厚0.5inの継目無鋼管とした。
得られた継目無鋼管について、造管後空冷のままで内外表面の割れ発生の有無を目視で調査し、熱間加工性を評価した。パイプ前後端面で長さ5mm以上の割れがある場合を割れ有りとし、それ以外を割れ無しとした。
得られた継目無鋼管から、組織観察用試験片を採取した。組織観察用試験片をKOH電解で腐食して走査型電子顕微鏡(400倍)で50視野以上、組織を撮像し画像解析装置を用いて、フェライト相の組織分率(体積%)を算出した。また、残留オーステナイト相の組織分率は、得られた継目無鋼管から測定用試験片を採取してX線回折法を用いて測定した。X線回折によりγの(220)面、αの(211)面、の回折X線積分強度を測定し、次式
γ(体積%)=100/{1+(IαRγ/IγRα)}
ここで、Iα:αの積分強度、
Iγ:γの積分強度、
Rα:αの結晶学的理論計算値、
Rγ:γの結晶学的理論計算値
を用いて換算した。なお、マルテンサイト相の組織分率はこれらの相以外の残部として算出した。
また、得られた継目無鋼管について、同種の鋼管の端部同士を当接し、表4に示す溶接材料を用いて、表4に示す溶接条件で溶接管継手を作製した。
得られた溶接管継手について、溶接割れの発生の有無を目視で調査した。
(1)溶接部靭性試験
得られた溶接管継手から、JIS Z 2202の規定に準拠して、ノッチ位置を溶接熱影響部としたVノッチ試験片(厚さ:5mm)を採取し、JIS Z 2242の規定に準拠してシャルピー衝撃試験を実施し、−60℃における吸収エネルギーvE−60(J)を求め、溶接熱影響部の靭性を評価した。
(2)溶接部腐食試験
得られた溶接管継手から、厚さ3mm×幅30mm×長さ40mmの腐食試験片を溶接金属、溶接熱影響部および母材部を含むように機械加工により採取した。腐食試験は、オートクレーブ中に保持された試験液:20%NaCl水溶液(液温:200 ℃、50 気圧のCO2 ガス雰囲気) 中に、腐食試験片を浸漬し、浸漬期間を2週間として実施した。腐食試験後の試験片について、重量を測定し、腐食試験前後の重量減から計算した腐食速度を求めた。
(3)溶接部孔食試験
得られた溶接管継手から試験片を溶接金属、溶接熱影響部および母材部を含むように機械加工により採取した。孔食試験は、試験片を40%CaCl2(液温:70℃)液中に浸漬し、24時間保持した。試験後、孔食発生の有無を10倍のルーペを用いて観察し、孔食無の場合を○、有の場合を×として評価した。なお、直径0.2mm以上の孔食が観察された場合を孔食有とし、それ以外を無とした。
(4)溶接部硫化物応力腐食割れ試験
得られた溶接管継手から、NACE−TM0177 Method Aに規定される定荷重型試験片を溶接金属、溶接熱影響部および母材部を含むように機械加工により採取した。硫化物応力腐食割れ試験は、試験片をオートクレーブ中に保持された試験液:20%NaCl水溶液(pH:4.0、H2 S分圧:0.005MPa)中に保持し、付加応力を母材降伏応力の90%として、試験期間:720hとして実施した。割れ発生有を×、割れ発生無を○として評価した。
(実施例2)
表5に示す組成の溶鋼を脱ガス後、100kgf鋼塊に鋳造し鋼管素材とした。これら鋼管素材を用いて、実施例1と同様に、モデルシームレス圧延機による熱間加工により造管し、造管後空冷または水冷し、外径3.3 in×肉厚0.5 inの継目無鋼管とした。
また、得られた継目無鋼管に、表6に示す条件で焼入れ加熱保持したのち、焼入れした。さらに表6に示す条件の焼戻処理を施した。なお、一部の鋼管では、焼入れ処理を行わず、焼戻処理のみとした。
また、得られた継目無鋼管から、API 弧状引張試験片を採取し、実施例1と同様に、引張試験を実施し引張特性(降伏強さYS、引張強さTS)を求めた。また、得えられた継目無鋼管から、Vノッチ試験片(厚さ:5mm)を採取し、−40℃における吸収エネルギーvE−40(J)を求めた。
得られた溶接管継手について、溶接割れの発生の有無を目視で調査した。
さらに、得られた溶接管継手から、試験片を採取し、溶接部靭性試験、溶接部腐食試験、溶接部硫化物応力腐食割れ試験を実施した。試験方法は次の通りとした。
(1)溶接部靭性試験
得られた溶接管継手から、JIS Z 2202の規定に準拠してノッチ位置を溶接熱影響部としたVノッチ試験片(厚さ:5mm)を採取し、JIS Z 2242の規定に準拠してシャルピー衝撃試験を実施し、−40℃における吸収エネルギーvE−40(J)を求め、溶接熱影響部の靭性を評価した。
(2)溶接部腐食試験
得られた溶接管継手から、溶接金属、溶接熱影響部および母材を含む、厚さ3mm×幅30mm×長さ40mmの腐食試験片を機械加工により採取した。腐食試験は、実施例1と同様に、オートクレーブ中に保持された試験液:20%NaCl水溶液(液温:200 ℃、50 気圧のCO2ガス雰囲気) 中に、腐食試験片を浸漬し、浸漬期間を2週間として実施した。腐食試験後の試験片について、重量を測定し、腐食試験前後の重量減から計算した腐食速度を求めた。また、試験後の腐食試験片について倍率:10倍のルーペを用いて試験片表面の孔食発生の有無を観察した。なお、直径0.2mm以上の孔食が観察された場合を孔食有とし、それ以外を無とした。
(3)溶接部硫化物応力腐食割れ試験
得られた溶接管継手から、NACE−TM0177 Method Aに規定される定荷重型試験片を機械加工により採取した。硫化物応力腐食割れ試験は、実施例1と同様に、試験片をオートクレーブ中に保持された試験液:20%NaCl水溶液(pH:4.0、H2S分圧:0.005MPa)中に保持し、付加応力を母材降伏応力の90%として、試験期間:720hとして実施した。割れ発生有を×、割れ発生無を○として評価した。
Claims (23)
- mass%で、
C:0.001〜0.015%、 Si:0.01〜0.5%、
Mn:0.1〜1.8%、 P:0.03%以下、
S:0.005%以下、 Cr:15〜18%、
Ni:0.5%以上5.5%未満、 Mo:0.5〜3.5%、
V:0.02〜0.2%、 N:0.001〜0.015%、
O:0.006%以下
を、下記(1)、(2)および(3)式を満足するように含み、残部Feおよび不可避的不純物よりなる組成と、マルテンサイト相をベースとして、体積率で40%以下の残留オーステナイト相と10〜60%のフェライト相からなる組織を有することを特徴とする耐食性に優れたラインパイプ用高強度ステンレス継目無鋼管。
記
Cr+0.65Ni+0.6Mo+0.55Cu−20C≧18.5 ………(1)
Cr+Mo+0.3Si−43.5C−0.4Mn−Ni−0.3Cu−9N≧11.5 ………(2)
C+N≦0.025 ………(3)
ここで、C、Ni、Mo、Cr、Si、Mn、Cu、N:各元素の含有量(mass%) - 前記組成に加えてさらに、mass%で、Al:0.002〜0.05%を含有する組成を有することを特徴とする請求項1に記載のラインパイプ用高強度ステンレス継目無鋼管。
- 前記Niの含有量が、mass%で、1.5〜5.0%であることを特徴とする請求項1又は2に記載のラインパイプ用高強度ステンレス継目無鋼管。
- 前記Moの含有量が、mass%で、1.0〜3.5%であることを特徴とする請求項1ないし3のいずれかに記載のラインパイプ用高強度ステンレス継目無鋼管。
- 前記Moの含有量が、mass%で、2%超3.5%以下であることを特徴とする請求項1ないし3のいずれかに記載のラインパイプ用高強度ステンレス継目無鋼管。
- 前記組成に加えてさらに、mass%で、Cu:3.5%以下を含有する組成とすることを特徴とする請求項1ないし5のいずれかに記載のラインパイプ用高強度ステンレス継目無鋼管。
- 前記Cuの含有量が、mass%で0.5%以上1.14%以下であることを特徴とする請求項1ないし5のいずれかに記載のラインパイプ用高強度ステンレス継目無鋼管。
- 前記組成に加えてさらに、mass%で、Nb:0.2%以下、Ti:0.3%以下、Zr:0.2%以下、B:0.01%以下、W:3.0%以下のうちから選ばれた1種又は2種以上を含有する組成とすることを特徴とする請求項1ないし7のいずれかに記載のラインパイプ用高強度ステンレス継目無鋼管。
- 前記組成に加えてさらに、mass%で、Ca:0.01%以下を含有する組成とすることを特徴とする請求項1ないし8のいずれかに記載のラインパイプ用高強度ステンレス継目無鋼管。
- 前記フェライト相が、体積率で15〜50%であることを特徴とする請求項1ないし9のいずれかに記載のラインパイプ用高強度ステンレス継目無鋼管。
- 前記残留オーステナイト相が、体積率で30%以下であることを特徴とする請求項1ないし10のいずれかに記載のラインパイプ用高強度ステンレス継目無鋼管。
- C:0.001〜0.015%、 Si:0.01〜0.5%、
Mn:0.1〜1.8%、 P:0.03%以下、
S:0.005%以下、 Cr:15〜18%、
Ni:0.5%以上5.5%未満、 Mo:0.5〜3.5%、
V:0.02〜0.2%、 N:0.001〜0.015%、
O:0.006%以下
を、下記(1)、(2)および(3)式を満足するように含み、残部Feおよび不可避的不純物よりなる組成を有する鋼管素材を所定寸法の鋼管に造管し、該鋼管に、850℃以上の温度に再加熱したのち空冷以上の冷却速度で100℃以下まで冷却し、ついで700℃以下の温度に加熱する焼入れ−焼戻処理を施し、マルテンサイト相をベースとして、体積率で40%以下の残留オーステナイト相と10〜60%のフェライト相からなる組織を有する鋼管とすることを特徴とする耐食性に優れたラインパイプ用高強度ステンレス鋼管の製造方法。
記
Cr+0.65Ni+0.6Mo+0.55Cu−20C≧18.5 ………(1)
Cr+Mo+0.3Si−43.5C−0.4Mn−Ni−0.3Cu−9N≧11.5 ………(2)
C+N≦0.025 ………(3)
ここで、Cr、Ni、Mo、Cu、C、Si、Mn、N:各元素の含有量(mass%) - 前記鋼管素材を加熱し、熱間加工により造管して、造管後、空冷以上の冷却速度で室温まで冷却し、所望寸法の継目無鋼管とし、ついで、該継目無鋼管に、前記焼入れ−焼戻処理を施すことを特徴とする請求項12に記載のラインパイプ用高強度ステンレス鋼管の製造方法。
- 前記焼入れ−焼戻処理に代えて、700℃以下の温度に加熱する焼戻処理を施すことを特徴とする請求項12又は13に記載のラインパイプ用高強度ステンレス鋼管の製造方法。
- 前記組成に加えてさらに、mass%で、Al:0.002〜0.05%を含有する組成を有することを特徴とする請求項12ないし14のいずれかに記載のラインパイプ用高強度ステンレス鋼管の製造方法。
- 前記Niの含有量が、mass%で、1.5〜5.0%であることを特徴とする請求項12ないし15のいずれかに記載のラインパイプ用高強度ステンレス鋼管の製造方法。
- 前記Moの含有量が、mass%で、1.0〜3.5%であることを特徴とする請求項12ないし16のいずれかに記載のラインパイプ用高強度ステンレス鋼管の製造方法。
- 前記Moの含有量が、mass%で、2%超3.5%以下であることを特徴とする請求項12ないし16のいずれかに記載のラインパイプ用高強度ステンレス鋼管の製造方法。
- 前記組成に加えてさらに、mass%で、Cu:3.5%以下を含有することを特徴とする請求項12ないし18のいずれかに記載のラインパイプ用高強度ステンレス鋼管の製造方法。
- 前記Cuの含有量が、mass%で、0.5%以上1.14%以下であることを特徴とする請求項12ないし18のいずれかに記載のラインパイプ用高強度ステンレス鋼管の製造方法。
- 前記組成に加えてさらに、mass%で、Nb:0.2%以下、Ti:0.3%以下、Zr:0.2%以下、W:3%以下、B:0.01%以下のうちから選ばれた1種または2種以上を含有することを特徴とする請求項12ないし20のいずれかに記載のラインパイプ用高強度ステンレス鋼管の製造方法。
- 前記組成に加えてさらに、mass%で、Ca:0.01%以下を含有することを特徴とする請求項12ないし21のいずれかに記載のラインパイプ用高強度ステンレス鋼管の製造方法。
- 請求項1ないし11のいずれかに記載の高強度ステンレス鋼管を溶接接合してなる溶接構造物。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2004311885A JP4462005B2 (ja) | 2003-10-31 | 2004-10-27 | 耐食性に優れたラインパイプ用高強度ステンレス鋼管およびその製造方法 |
Applications Claiming Priority (5)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2003373404 | 2003-10-31 | ||
JP2004038854 | 2004-02-16 | ||
JP2004117445 | 2004-04-13 | ||
JP2004135973 | 2004-04-30 | ||
JP2004311885A JP4462005B2 (ja) | 2003-10-31 | 2004-10-27 | 耐食性に優れたラインパイプ用高強度ステンレス鋼管およびその製造方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2005336599A JP2005336599A (ja) | 2005-12-08 |
JP4462005B2 true JP4462005B2 (ja) | 2010-05-12 |
Family
ID=35490483
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2004311885A Expired - Fee Related JP4462005B2 (ja) | 2003-10-31 | 2004-10-27 | 耐食性に優れたラインパイプ用高強度ステンレス鋼管およびその製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP4462005B2 (ja) |
Families Citing this family (24)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP5042553B2 (ja) * | 2006-08-03 | 2012-10-03 | 新日鐵住金ステンレス株式会社 | 耐すきま腐食性、成形性に優れたフェライト系ステンレス鋼 |
JP5089103B2 (ja) * | 2006-05-09 | 2012-12-05 | 新日鐵住金ステンレス株式会社 | 耐食性に優れたステンレス鋼 |
CA2776892C (en) | 2006-05-09 | 2014-12-09 | Nippon Steel & Sumikin Stainless Steel Corporation | Ferritic stainless steel excellent in resistance to crevice corrosion and formability |
JP4978073B2 (ja) * | 2006-06-16 | 2012-07-18 | Jfeスチール株式会社 | 耐食性に優れる油井用高靭性超高強度ステンレス鋼管およびその製造方法 |
JP4978070B2 (ja) * | 2006-06-16 | 2012-07-18 | Jfeスチール株式会社 | 拡管性に優れる油井用ステンレス鋼管 |
JP4893196B2 (ja) * | 2006-09-28 | 2012-03-07 | Jfeスチール株式会社 | 高靭性でかつ耐食性に優れた油井用高強度ステンレス鋼管 |
JP4940970B2 (ja) * | 2007-01-31 | 2012-05-30 | Jfeスチール株式会社 | 厚肉13Cr系ステンレス鋼管の製造方法 |
JP5399635B2 (ja) * | 2008-01-25 | 2014-01-29 | Jfeスチール株式会社 | 拡管性に優れる油井用ステンレス鋼管およびその製造方法 |
AR073884A1 (es) | 2008-10-30 | 2010-12-09 | Sumitomo Metal Ind | Tubo de acero inoxidable de alta resistencia excelente en resistencia a la fisuracion bajo tension por sulfuros y a la corrosion de gas de acido carbonico en alta temperatura. |
EP2439301B1 (en) | 2009-05-07 | 2017-03-22 | Nisshin Steel Co., Ltd. | High strength stainless steel pipe |
BR112012026595A2 (pt) * | 2010-04-19 | 2016-07-12 | Jfe Steel Corp | tubo de aço contendo cr para tubo para condução excelente em resistência a rachaduras por corrosão sob tensão intergranular em zona termicamente afetada soldada |
CA2795326C (en) * | 2010-04-28 | 2016-05-17 | Sumitomo Metal Industries, Ltd. | High-strength stainless steel for oil well and high-strength stainless steel pipe for oil well |
JP5640777B2 (ja) * | 2011-01-31 | 2014-12-17 | Jfeスチール株式会社 | 溶接熱影響部の耐粒界応力腐食割れ性に優れたラインパイプ用Cr含有鋼管 |
EP2843068B1 (en) * | 2012-04-26 | 2020-12-16 | JFE Steel Corporation | A METHOD OF MAKING A Cr-CONTAINING STEEL PIPE FOR LINEPIPE EXCELLENT IN INTERGRANULAR STRESS CORROSION CRACKING RESISTANCE OF WELDED HEAT AFFECTED ZONE |
JP5488643B2 (ja) * | 2012-05-31 | 2014-05-14 | Jfeスチール株式会社 | 油井管用高強度ステンレス鋼継目無管およびその製造方法 |
JP5924256B2 (ja) * | 2012-06-21 | 2016-05-25 | Jfeスチール株式会社 | 耐食性に優れた油井用高強度ステンレス鋼継目無管およびその製造方法 |
EP3042968B1 (en) | 2013-09-04 | 2020-12-09 | JFE Steel Corporation | Method of manufacturing a high-strength stainless steel pipe and high-strength stainless steel pipe |
CN103789629A (zh) * | 2014-01-16 | 2014-05-14 | 安徽省杨氏恒泰钢管扣件加工有限公司 | 一种耐磨无缝钢管材料及其制备方法 |
BR102014005015A8 (pt) * | 2014-02-28 | 2017-12-26 | Villares Metals S/A | aço inoxidável martensítico-ferrítico, produto manufaturado, processo para a produção de peças ou barras forjadas ou laminadas de aço inoxidável martensítico-ferrítico e processo para a produção de tudo sem costura de aço inoxidável martensítico-ferrítico |
JP6137082B2 (ja) * | 2014-07-31 | 2017-05-31 | Jfeスチール株式会社 | 低温靭性に優れた油井用高強度ステンレス継目無鋼管およびその製造方法 |
US11193179B2 (en) | 2015-01-15 | 2021-12-07 | Jfe Steel Corporation | Seamless stainless steel pipe for oil country tubular goods and method of manufacturing the same |
CA3024694A1 (en) * | 2016-05-20 | 2017-11-23 | Nippon Steel & Sumitomo Metal Corporation | Steel bar for downhole member, and downhole member |
CN108393355A (zh) * | 2018-03-26 | 2018-08-14 | 天津商业大学 | 一种油气井用新型无缝钢管的制造方法 |
CN116121664A (zh) * | 2022-12-13 | 2023-05-16 | 钢铁研究总院有限公司 | 一种高耐蚀高韧性经济型钢及其制备方法 |
-
2004
- 2004-10-27 JP JP2004311885A patent/JP4462005B2/ja not_active Expired - Fee Related
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP2005336599A (ja) | 2005-12-08 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP4462005B2 (ja) | 耐食性に優れたラインパイプ用高強度ステンレス鋼管およびその製造方法 | |
US11286548B2 (en) | High-strength stainless steel seamless pipe for oil country tubular goods, and method for manufacturing same | |
JP4893196B2 (ja) | 高靭性でかつ耐食性に優れた油井用高強度ステンレス鋼管 | |
JP6399259B1 (ja) | 油井用高強度ステンレス継目無鋼管およびその製造方法 | |
JP5109222B2 (ja) | 耐食性に優れた油井用高強度ステンレス継目無鋼管およびその製造方法 | |
WO2017138050A1 (ja) | 油井用高強度ステンレス継目無鋼管およびその製造方法 | |
JP5765036B2 (ja) | 溶接熱影響部の耐粒界応力腐食割れ性に優れたラインパイプ用Cr含有鋼管 | |
JP5446335B2 (ja) | 油井用高強度ステンレス鋼管の評価方法 | |
JP4978073B2 (ja) | 耐食性に優れる油井用高靭性超高強度ステンレス鋼管およびその製造方法 | |
JP4363327B2 (ja) | 油井用ステンレス鋼管およびその製造方法 | |
JP6156609B1 (ja) | 油井用高強度ステンレス継目無鋼管およびその製造方法 | |
WO2005042793A1 (ja) | 耐食性に優れたラインパイプ用高強度ステンレス鋼管およびその製造方法 | |
JP7315097B2 (ja) | 油井用高強度ステンレス継目無鋼管およびその製造方法 | |
JP4470617B2 (ja) | 耐炭酸ガス腐食性に優れる油井用高強度ステンレス鋼管 | |
JP5640777B2 (ja) | 溶接熱影響部の耐粒界応力腐食割れ性に優れたラインパイプ用Cr含有鋼管 | |
JP4552268B2 (ja) | 油井用高強度マルテンサイト系ステンレス鋼管の接続方法 | |
JP6819837B1 (ja) | ステンレス継目無鋼管 | |
JP5245238B2 (ja) | 拡管性に優れた油井管用ステンレス鋼管およびその製造方法 | |
JP2002105604A (ja) | 耐食性および溶接性に優れたラインパイプ用高Crマルテンサイト系ステンレス鋼管およびその製造方法 | |
JP3966136B2 (ja) | 耐食性に優れたラインパイプ用ステンレス鋼管 | |
JP3509604B2 (ja) | ラインパイプ用高Cr鋼管 | |
WO2013161089A1 (ja) | 溶接熱影響部の耐粒界応力腐食割れ性に優れたラインパイプ用Cr含有鋼管 | |
JP7347714B1 (ja) | 油井用高強度ステンレス継目無鋼管 | |
JP7279863B2 (ja) | ステンレス鋼管およびその製造方法 | |
JP2914113B2 (ja) | 耐食性に優れた高強度・高靱性マルテンサイト系ステンレス溶接鋼管の製造方法 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20070822 |
|
A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20090916 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20091104 |
|
A521 | Written amendment |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20091225 |
|
TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20100126 |
|
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20100208 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130226 Year of fee payment: 3 |
|
R150 | Certificate of patent or registration of utility model |
Ref document number: 4462005 Country of ref document: JP Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130226 Year of fee payment: 3 |
|
LAPS | Cancellation because of no payment of annual fees |