JP4462005B2 - 耐食性に優れたラインパイプ用高強度ステンレス鋼管およびその製造方法 - Google Patents

耐食性に優れたラインパイプ用高強度ステンレス鋼管およびその製造方法 Download PDF

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Description

この発明は、油井あるいはガス井で生産された原油あるいは天然ガスを輸送するパイプラインに使用される鋼管に係り、特に炭酸ガス(CO2)、塩素イオン(Cl-)などを含み極めて厳しい腐食環境の油井、ガス井で生産された原油あるいは天然ガスを輸送するラインパイプ用として好適な、優れた耐食性と耐硫化物応力腐食割れ性を有する高強度ステンレス鋼管およびその製造方法に関する。なお、この発明でいう「高強度ステンレス鋼管」とは、降伏強さ:413MPa(60ksi)以上の強度を有するステンレス鋼管をいうものとする。
近年、原油価格の高騰や、近い未来に予想される石油資源の枯渇化に対処するため、従来は省みられなかったような深層油田や、開発が一旦は放棄されていた腐食性の強いサワーガス田等に対する開発が、世界的規模で盛んになっている。このような油田、ガス田は一般に深度が極めて深く、またその雰囲気は高温でかつ、CO2、Cl-等を含む厳しい腐食環境となっている。したがって、このような油田、ガス田で生産された原油、ガスの輸送に使用されるラインパイプとしては、高強度で高靭性、しかも耐食性に優れた材質を有する鋼管が要求される。また、海洋における油田開発も活発となっており、パイプラインの敷設コストの低減という観点から、使用する鋼管には、優れた溶接性をも具備することが要求される。
従来から、ラインパイプの材質としては、CO2、Cl-を含む環境下でも溶接性の観点から炭素鋼を使用し、防食はインヒビターを添加して行っていた。しかし、インヒビターは、高温での効果が十分とはいえないこと、さらには環境汚染を引き起こすことなど、問題があり使用を控える動きがある。また、一部のパイプラインでは、二相ステンレス鋼管が使用されている。しかし、二相ステンレス鋼管は耐食性に優れるが、合金元素量が多く、熱間加工性に劣り特殊な熱間加工法でしか製造できず、高価であるという問題がある。そのため、その使用を制限する傾向にある。このような問題から、安価で溶接性および耐食性に優れたラインパイプ用鋼管が要望されている。
このような要望に対し、例えば、特許文献1、特許文献2、特許文献3には、ラインパイプ用として、溶接性を改善した11%Crあるいは12%Crマルテンサイト系ステンレス鋼管が提案されている。
特許文献1に記載された鋼管は、低炭素化して溶接部の硬さ上昇を制御した、溶接部の耐食性に優れたラインパイプ用マルテンサイト系ステンレス鋼管である。また、特許文献2に記載された鋼管は、合金元素量を調整することにより、耐食性を向上させたマルテンサイト系ステンレス鋼管である。特許文献3に記載された鋼管は、溶接性と耐食性を両立させたラインパイプ用マルテンサイト系ステンレス鋼管である。
特開平08−41599号公報 特開平09−228001号公報 特開平09−316611号公報
しかしながら、特許文献1、特許文献2、特許文献3に記載された技術で製造された11%Crあるいは12%Crマルテンサイト系ステンレス鋼管は、硫化水素分圧が高くなる環境下では、硫化物応力腐食割れが発生する場合があり、さらにCO、Cl-等を含み、150℃を超える高温の環境下では、安定して所望の耐食性を示さなくなるという問題があった。
本発明は、従来技術におけるかかる事情に鑑みて成されたものであり、安価で、CO、Cl-等を含む150 ℃以上の高温の苛酷な腐食環境下においても優れた耐CO腐食性を示し、さらに高硫化水素環境下においても優れた耐硫化物応力腐食割れ性を示し、かつ優れた低温靭性および優れた溶接性を兼ね備えたラインパイプ用高強度ステンレス鋼管およびその製造方法を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記した課題を達成すべく、代表的なマルテンサイト系ステンレス鋼である12%Cr鋼の組成をベースとして、CO、Cl等を含む高温の腐食環境下における耐食性、高硫化水素環境下での耐硫化物応力腐食割れ性に及ぼす各種要因の影響について鋭意、検討を重ねた。その結果、12%Crマルテンサイト系ステンレス鋼において、Crを大幅に増量するとともに、従来よりC、Nを著しく低減し、さらにCr、Ni、Mo、あるいはさらにCuを適正量含有する組成とし、さらには、組織をマルテンサイト相をベース相として、フェライト相、および残留オーステナイト相を含む組織とすることにより、降伏強さが413MPa(60ksi)以上の高強度と、良好な熱間加工性と、苛酷な環境下での耐食性、さらには優れた溶接性が確保できることを見出し、本発明を成すに至ったのである。
まず、本発明者らが行った検討内容について詳しく説明する。
従来のマルテンサイト系ステンレス継目無鋼管の製造においては、フェライト相が生成して組織がマルテンサイト単相とならない場合には、強度が低下し熱間加工性が低下するため、鋼管の製造が困難となるという考えが一般的であった。
そこで、本発明者らは、熱間加工性に及ぼす成分の影響について、さらに詳細に検討した。その結果、鋼管組成を次(2)式
Cr+Mo+0.3Si−43.5C−Ni−0.3Cu−9N≧11.5 ………(2)
(ここで、Cr、Ni、Mo、Cu、C、Si、Mn、N:各元素の含有量(mass%))
を満足するように調整することにより、熱間加工性が顕著に向上し熱間加工時の割れ発生を防止できることを見出した。
(2)式左辺値と、熱間加工時(すなわち、継目無鋼管造管時)に13%Cr系ステンレス継目無鋼管の端面に発生する割れ長さとの関係を図1に示す。図1から、(2)式左辺値の値が8.0以下の場合、あるいは(2)式左辺値の値が11.5以上、好ましくは12.0以上の場合に、割れ発生が防止できることがわかる。(2)式左辺値の値が8.0以下の場合は、フェライトが全く発生しない領域に相当し、この領域はフェライト相を生成させないという従来の熱間加工性向上の考え方の領域である。一方、(2)式左辺値の値が大きくなるにしたがい、生成するフェライト量が増加するが、(2)式左辺値の値が11.5以上の領域はフェライトが比較的多く生成する領域となる。すなわち、本発明者らは、(2)式左辺値が11.5以上となるように組成を調整し、造管時にフェライトが比較的多く生成した組織にするという、従来とは全く異なる考え方を採用することにより、熱間加工性を顕著に向上させることができることをはじめて見出したことになる。
熱間加工時に13%Cr系ステンレス鋼継目無管の端面に発生する割れ長さを、フェライト量との関係で整理し図2に示す。図2から、従来の考え方の通り、フェライト量が体積%で0%の場合には割れは発生しないが、フェライトが生成するとともに割れが発生する。しかし、さらに生成するフェライト量を増加させ、体積率で10%以上、好ましくは15%以上のフェライト相を生成させると、従来の考え方とは異なり、割れの発生を防止できるのである。すなわち、(2)式を満足するように成分を調整し、適正範囲のフェライト相を生成させた、フェライト−マルテンサイト二相組織とすることにより、熱間加工性が向上し割れ発生を防止できる。
しかし、(2)式を満足するように成分調整して、組織がフェライト−マルテンサイト二相組織となると、熱処理中に生じる元素の分配により耐食性が劣化する懸念がある。二相組織とすると、C、Ni、Cu等のオーステナイト生成元素はマルテンサイト相に、Cr、Mo等のフェライト生成元素はフェライト相に拡散し、熱処理後の最終製品では、結果として、各相間で成分のばらつきが生じることになる。マルテンサイト相では耐食性に有効なCr量が低下し、耐食性を劣化させるC量が増加し、均一組織の場合に比べてた異色性が低下することが懸念される。
そこで、本発明者らは、耐食性に及ぼす成分の影響についてさらに検討した。その結果、次(1)式
Cr+0.65Ni+0.6Mo+0.55Cu−20C≧18.5 ………(1)
(ここで、 Cr、Ni、Mo、Cu、C:各元素の含有量 (mass%))
を満足するように成分調整することにより、組織をフェライト−マルテンサイト二相組織としても、十分な耐食性が確保できることを見出した。
(1)式左辺値と、COおよびClを含む200℃の高温環境下における腐食速度との関係を図3に示す。図3から、(1)式を満足するように成分を調整することにより、組織をフェライト−マルテンサイト二相組織としても、COおよびClを含む200℃の高温環境下においても十分な耐食性を確保できることがわかる。
(1)式からも明らかなように、耐食性を向上させるためにはCr含有量の増加が有効である。しかし、Crはフェライトの生成を促進させる。そのため、フェライトの生成を抑制する目的で、従来ではCr含有量に見合う量のNiを含有させる必要があった。しかし、Cr含有量に合わせてNi含有量を増加させると、オーステナイト相が安定化して、ラインパイプ用鋼管として必要な強度を確保することができなくなるという問題があった。
このような問題に対し、本発明者らは、更なる検討を行なった結果、適正量のフェライト相を含む、フェライト−マルテンサイト二相組織を維持した状態でCr含有量を増加させることにより、オーステナイト相の残留量を低く抑制でき、ラインパイプ用鋼管として十分な強度を確保できることを見出した。
本発明者らが得た、フェライト−マルテンサイト二相組織を有する13%Cr系ステンレス継目無鋼管の熱処理後の降伏強さYSとCr含有量の関係を図4に示す。なお、図4には、組織が、マルテンサイト単相またはマルテンサイト−オーステナイト二相組織とした場合の熱処理後のYSとCr含有量との関係も併記した。図4から、組織を適正量のフェライト相を含む、フェライト−マルテンサイト二相組織に維持して、Cr含有量を増加することにより、ラインパイプ用鋼管として十分な強度を確保できることを新規に見出した。一方、組織を、マルテンサイト単相またはマルテンサイト−オーステナイト二相組織とした場合には、Cr量を増加するとYSが低下する。
また、ラインパイプ用鋼管は、パイプラインの敷設時に、円周溶接を施される。円周溶接はパイプ本体の熱処理と異なり、小入熱の部分加熱で冷却速度が速く熱影響部が著しく硬化する。熱影響部が硬化すると溶接割れの発生に繋がる。そこで、円周溶接時の溶接割れ発生に及ぼす成分の影響について検討した。その結果、鋼管組成を次(3)式
C+N≦0.025 ………(3)
を満足するように調整することにより、溶接割れの発生がなく優れた溶接性を確保できることを見出した。(3)式左辺値とyスリット溶接割れ試験による割れ発生率との関係を図5に示す。図5から(3)式左辺値を0.025以下とすることにより、溶接割れを防止できることを見出した。なお、割れ発生率は各5本のyスリット溶接割れ試験を実施し、割れ個数/試験個数より求めた。
本発明は上記した知見に基づいてさらに検討を行い、得られたものである。
すなわち、本発明の要旨は、つぎのとおりである。
(1)mass%で、C:0.001〜0.015%、Si:0.01〜0.5%、Mn:0.1〜1.8%、P:0.03%以下、S:0.005%以下、Cr:15〜18%、Ni:0.5%以上5.5%未満、Mo:0.5〜3.5%、V:0.02〜0.2%、N:0.001〜0.015%、O:0.006%以下を、次(1)、(2)および(3)式
Cr+0.65Ni+0.6Mo+0.55Cu−20C≧18.5 ………(1)
Cr+Mo+0.3Si−43.5C−0.4Mn−Ni−0.3Cu−9N≧11.5 ………(2)
C+N≦0.025 ………(3)
(ここで、C、Ni、Mo、Cr、Si、Mn、Cu、N:各元素の含有量(mass%))
を満足するように含み、残部Feおよび不可避的不純物よりなる組成と、マルテンサイト相をベースとして、体積率で40%以下の残留オーステナイト相と10〜60%のフェライト相からなる組織を有することを特徴とする耐食性に優れたラインパイプ用高強度ステンレス継目無鋼管。
(2)(1)において、前記組成に加えてさらに、mass%で、Al:0.002〜0.05%を含有する組成を有することを特徴とするラインパイプ用高強度ステンレス継目無鋼管。
(3) (1)又は(2)において、前記Niの含有量が、mass%で、1.5〜5.0%であることを特徴とするラインパイプ用高強度ステンレス継目無鋼管。
(4)(1)ないし(3)のいずれかにおいて、前記Moの含有量が、mass%で、1.0〜3.5%であることを特徴とするラインパイプ用高強度ステンレス継目無鋼管。
(5)(1)ないし(3)のいずれかにおいて、前記Moの含有量が、mass%で、2%超3.5%以下であることを特徴とするラインパイプ用高強度ステンレス継目無鋼管。
(6)(1)ないし(5)のいずれかにおいて、前記組成に加えてさらに、mass%で、Cu:3.5%以下を含有する組成とすることを特徴とするラインパイプ用高強度継目無ステンレス鋼管。
(7)(ないし(5)のいずれかにおいて、前記Cuの含有量が、mass%で0.5以上1.14%以下であることを特徴とするラインパイプ用高強度ステンレス継目無鋼管。
(8)(1)ないし(7)のいずれかにおいて、前記組成に加えてさらに、mass%で、Nb:0.2%以下、Ti:0.3%以下、Zr:0.2%以下、B:0.01%以下、W:3.0%以下のうちから選ばれた1種又は2種以上を含有する組成とすることを特徴とするラインパイプ用高強度ステンレス継目無鋼管。
(9)(1)ないし(8)のいずれかにおいて、前記組成に加えてさらに、mass%で、Ca:0.01%以下を含有する組成とすることを特徴とするラインパイプ用高強度ステンレス継目無鋼管。
10(1)ないし(9)のいずれかにおいて、前記フェライト相が、体積率で15〜50%であることを特徴とするラインパイプ用高強度ステンレス継目無鋼管。
11(1)ないし(10)のいずれかにおいて、前記残留オーステナイト相が、体積率で30%以下であることを特徴とするラインパイプ用高強度ステンレス継目無鋼管。
12)C:0.001〜0.015%、Si:0.01〜0.5%、Mn:0.1〜1.8%、P:0.03%以下、S:0.005%以下、Cr:15〜18%、Ni:0.5%以上5.5%未満、Mo:0.5〜3.5%、V:0.02〜0.2%、N:0.001〜0.015%、O:0.006%以下を、次(1)、(2)および(3)式
Cr+0.65Ni+0.6Mo+0.55Cu−20C≧18.5 ………(1)
Cr+Mo+0.3Si−43.5C−0.4Mn−Ni−0.3Cu−9N≧11.5 ………(2)
C+N≦0.025 ………(3)
(ここで、Cr、Ni、Mo、Cu、C、Si、Mn、N:各元素の含有量(mass%))
を満足するように含み、残部Feおよび不可避的不純物よりなる組成を有する鋼管素材を所定寸法の鋼管に造管し、該鋼管に、850℃以上の温度に再加熱したのち空冷以上の冷却速度で100℃以下まで冷却し、ついで700℃以下の温度に加熱する焼入れ−焼戻処理を施し、マルテンサイト相をベースとして、体積率で40%以下の残留オーステナイト相と10〜60%のフェライト相からなる組織を有する鋼管とすることを特徴とする耐食性に優れたラインパイプ用高強度ステンレス鋼管の製造方法。
13)(12)において、前記鋼管素材を加熱し、熱間加工により造管して、造管後、空冷以上の冷却速度で室温まで冷却し、所望寸法の継目無鋼管とし、ついで、該継目無鋼管に、前記焼入れ−焼戻処理を施すことを特徴とするラインパイプ用高強度ステンレス鋼管の製造方法。
14)(12)または(13)において、前記焼入れ−焼戻処理に代えて、700℃以下の温度に加熱する焼戻処理を施すことを特徴とするラインパイプ用高強度ステンレス鋼管の製造方法。
15)(12)ないし(14)のいずれかにおいて、前記組成に加えてさらに、mass%で、Al:0.002〜0.05%を含有する組成を有することを特徴とするラインパイプ用高強度ステンレス鋼管の製造方法。
16)(12)ないし(15)のいずれかにおいて、前記Niの含有量が、mass%で、1.5〜5.0%であることを特徴とするラインパイプ用高強度ステンレス鋼管の製造方法。
17)(12)ないし(16)のいずれかにおいて、前記Moの含有量が、mass%で、1.0〜3.5%であることを特徴とするラインパイプ用高強度ステンレス鋼管の製造方法。
18)(12)ないし(16)のいずれかにおいて、前記Moの含有量が、mass%で、2%超3.5%以下であることを特徴とするラインパイプ用高強度ステンレス鋼管の製造方法。
19)(12)ないし(18)のいずれかにおいて、前記組成に加えてさらに、mass%で、Cu:3.5%以下を含有することを特徴とするラインパイプ用高強度ステンレス鋼管の製造方法。
20)(12ないし(18)のいずれかにおいて、前記Cuの含有量が、mass%で、0.5%以上1.14%以下であることを特徴とするラインパイプ用高強度ステンレス鋼管。
21)(12)ないし(20)のいずれかにおいて、前記組成に加えてさらに、mass%で、Nb:0.2%以下、Ti:0.3%以下、Zr:0.2%以下、W:3%以下、B:0.01%以下のうちから選ばれた1種または2種以上を含有することを特徴とするラインパイプ用高強度ステンレス鋼管の製造方法。
22)(12)ないし(21)のいずれかにおいて、前記組成に加えてさらに、mass%で、Ca:0.01%以下を含有することを特徴とするラインパイプ用高強度ステンレス鋼管の製造方法。
23)()ないし(11)のいずれかに記載の高強度ステンレス鋼管を溶接接合してなる溶接構造物。
本発明によれば、降伏強さが413MPa(60ksi)を超える高強度で、CO、Clを含む高温の厳しい腐食環境下、および高硫化水素環境下において充分な耐食性を有し、低温靭性および溶接性に優れたラインパイプ用高強度ステンレス鋼管を、安価にしかも安定して製造でき、産業上格段の効果を奏する。本発明によれば、耐食性および靭性に優れたパイプライン等の溶接構造物を安価に構成できるという効果もある。
まず、本発明のラインパイプ用高強度ステンレス鋼管の組成限定理由について説明する。以下、組成におけるmass%は単に%と記す。
C:0.001〜0.015%
Cは、マルテンサイト系ステンレス鋼の強度に関係する重要な元素であるが、本発明では、0.001%以上の含有を必要とするが、多量に含有すると、Ni含有による焼戻し時の鋭敏化が起こりやすくなる。この焼戻し時の鋭敏化を防止するために、Cは0.015%を上限とした。このようなことから本発明では、Cは0.001〜0.015%の範囲に限定した。耐食性、溶接性の観点からもCはできるだけ少ないほうが好ましい。なお、好ましくは0.002〜0.01の範囲である。
Si:0.01〜0.5%
Siは、脱酸剤として作用する元素であり、通常の製鋼過程において必要であり、0.01%以上の含有を必要とするが、0.5%を超える含有は、耐CO腐食性を低下させ、さらには熱間加工性をも低下させる。このため、Siは0.01〜0.5%の範囲に限定した。
Mn:0.1〜1.8%
Mnは、強度を増加させる元素であり、本発明における所望の強度を確保するために0.1%以上の含有を必要とするが、1.8%を超えて含有すると靭性に悪影響を及ぼす。このため、Mnは0.1〜1.8%の範囲に限定した。なお、好ましくは0.2〜0.9%である。
P:0.03%以下
Pは、耐CO耐食性、耐CO応力腐食割れ性、耐孔食性および耐硫化物腐食割れ性をともに劣化させる元素であり、本発明では可及的に低減することが望ましいが、極端な低減は製造コストの上昇を招く。工業的に比較的安価に実施可能でかつ耐CO腐食性、耐CO応力腐食割れ性、耐孔食性および耐硫化物応力腐食割れ性をともに劣化させない範囲でPは0.03%以下とした。なお、好ましくは0.02%以下である。
S:0.005%以下
Sは、パイプ製造過程において熱間加工性を著しく劣化させる元素であり、可及的に少ないことが望ましいが、0.005%以下に低減すれば通常工程でのパイプ製造が可能となることから、Sはその上限を0.005%とした。なお、好ましくは0.003%以下である。
Cr:15〜18%
Crは、保護皮膜を形成して耐食性を向上させる元素であり、とくに耐CO腐食性、耐CO応力腐食割れ性の向上に寄与する有効な元素である。本発明では特に、苛酷な環境下における耐食性を向上させる観点から15%以上の含有を必要とする。一方、18%を超える含有は熱間加工性を劣化させる。このため、Crは15〜18%の範囲に限定した。
Ni:0.5%以上5.5%未満
Niは、高Cr鋼の保護皮膜を強固にして、耐食性を向上させるとともに、低C高Cr鋼の強度を増加させる作用を有する元素であり、本発明では0.5%以上の含有を必要とするが、5.5%以上の含有は、熱間加工性が低下するとともに、強度の低下を招く。このため、Niは0.5%以上5.5%未満に限定した。なお、好ましくは1.5〜5.0%である。
Mo:0.5〜3.5%
Moは、Clによる孔食に対する抵抗性を増加させる元素であり、本発明では、0.5%以上の含有を必要とする。Moが0.5%未満では高温環境下での耐食性が不十分となる。一方、3.5%を超える含有は、耐食性および熱間加工性を低下させるとともに、製造コストの高騰を招く。このため、Moは0.5〜3.5%の範囲に限定した。なお、好ましくは1.0〜3.5%、より好ましくは2%超3.5%以下である。
V:0.02〜0.2%
Vは、強度を上昇させるとともに、耐応力腐食割れ性を改善する効果を有する。このような効果は、0.02%以上の含有で顕著となるが、0.2%を超えて含有すると、靭性が劣化する。このため、Vは0.02〜0.2%の範囲に限定した。なお、好ましくは0.02〜0.08%である。
N:0.001〜0.015%
Nは、溶接性を著しく劣化させる元素であり、できるだけ低減することが望ましい。過度の低減は、製造コストの高騰を招くため0.001%を下限とした。0.015%を超える含有は円周溶接割れを生じる可能性があり、本発明でのNの上限とした。
O:0.006%以下
Oは、鋼中では酸化物として存在し各種特性に大きな影響を及ぼすため、できるだけ低減することが好ましい。O含有量が0.006%を超えて多くなると、熱間加工性、耐CO応力腐食割れ性、耐孔食性、耐硫化物応力腐食割れ性および靭性を著しく低下させる。このため、本発明では、Oは0.006%以下に限定した。
上記した基本組成に加えてさらに、本発明では、さらにAl:0.002〜0.05%を含有できる。Alは、強力な脱酸作用を有する元素であり0.002%以上含有することが望ましいが、0.05%を超える含有は、靭性に悪影響を及ぼす。このため、Alは0.002〜0.05%の範囲に限定することが好ましい。なお、より好ましくは0.03%以下である。なお、Al無添加の場合には、不可避的不純物として0.002%未満程度が許容される。Alを0.002%未満程度に制限すれば低温靭性、耐孔食性が顕著に向上するという利点がある。
また、本発明では、上記した各組成に加えて、さらにCu:3.5%以下を含有できる。
Cuは、保護皮膜を強固にして、鋼中への水素の侵入を抑制し、耐硫化物応力腐食割れ性を高める元素であり、このような効果を得るためには0.5%以上含有することが望ましい。一方、3.5%を超える含有は、CuSの粒界析出を招き、熱間加工性が低下する。このため、Cuは3.5%以下に限定することが好ましい。なお、より好ましくは、0.5〜1.14%である。
また、本発明では、上記した各組成に加えて、さらにNb:0.2%以下、Ti:0.3%以下、Zr:0.2%以下、B:0.01%以下、W:3.0%以下のうちから選ばれた1種又は2種以上を選択して含有できる。
Nb、Ti、Zr、B、Wは、いずれも強度を増加させる作用を有し、必要に応じ選択して1種または2種以上を含有できる。
Nbは、炭窒化物を形成し、強度の増加、さらには靭性の向上に寄与する元素である。このような効果を得るためには、Nb:0.02%以上含有することが好ましいが、0.2%を超える含有は靭性を低下させる。このため、Nbは0.2%以下に限定することが好ましい。
Ti、Zr、B、Wは、いずれも強度を増加させるとともに、耐応力腐食割れ性を改善する作用を有する元素である。このような効果は、Ti:0.02%以上、Zr:0.02%以上、B:0.0005%以上、W:0.25%以上の含有で顕著となるが、Ti:0.3%、Zr:0.2%、B:0.01%、W:3.0%をそれぞれ超える含有は、靭性を劣化させる。このため、Ti:0.3%以下、Zr:0.2%以下、B:0.01%以下、W:3.0%以下に限定することが好ましい。
また、本発明では、上記した各組成に加えて、さらにCa:0.01%以下を含有できる。Caは、SをCaSとして固定し硫化物系介在物を球状化する作用を有し、これにより介在物周囲のマトリックスの格子歪を小さくして、介在物の水素トラップ能を低下させる効果を有する元素であり、必要に応じ含有できる。このような効果を得るためには0.0005%以上含有することが望ましいが、0.01%を超える含有は、CaOの増加を招き、耐CO2腐食性、耐孔食性が低下する。このため、Caは0.01%以下に限定することが好ましい。なお、より好ましくは、0.0005〜0.005%である。
上記した成分以外の残部は、Feおよび不可避的不純物である。
本発明では、上記した範囲の成分を、次(1)〜(3)式
Cr+0.65Ni+0.6Mo+0.55Cu−20C≧18.5 ………(1)
Cr+Mo+0.3Si−43.5C−0.4Mn−Ni−0.3Cu−9N≧11.5 ………(2)
C+N≦0.025 ………(3)
(ここで、Cr、Ni、Mo、Cu、C、Si、Mn、N:各元素の含有量(mass%))
を満足するように含有する。なお、式中の元素で含有しない元素は零として計算するものとする。
Cr+0.65Ni+0.6Mo+0.55Cu−20C≧18.5 ………(1)
(1)式の左辺は耐食性を評価する指数であり、(1)式の左辺値が18.5未満では、CO、Clを含む高温の厳しい腐食環境下、および高硫化水素環境下において所望の耐食性を示さなくなる。このため、本発明では、Cr、Ni、Mo、Cu、Cを上記した範囲内でかつ(1)式を満足するように調整する。なお、(1)式左辺値は20.0以上とすることが好ましい。
Cr+Mo+0.3Si−43.5C−0.4Mn−Ni−0.3Cu−9N≧11.5 ………(2)
(2)式の左辺は、熱間加工性を評価する指数であり、本発明では、Cr、Mo、Si、C、Ni、Mn、Cu、Nを上記した範囲内でかつ(2)式を満足するように調整する。(2)式の左辺値が11.5未満では、フェライト相の析出が不十分で熱間加工性が不足し継目無鋼管の製造が困難となる。本発明では、熱間加工性を向上させるために、P、S、Oを著しく低減しているが、P、S、Oをそれぞれ低減するのみでは、マルテンサイト系ステンレス鋼継目無鋼管を造管するうえで十分な熱間加工性を確保できない。継目無鋼管を製造するために必要十分な熱間加工性を確保するには、P、S、Oを著しく低減したうえで、(2)式を満足するように、Cr、Mo、Si、C、Ni、Mn、Cu、N含有量を調整することが肝要となる。なお、熱間加工性向上の観点からは(2)式左辺値は12.0以上とすることが好ましい。
C+N≦0.025 ………(3)
(3)式の左辺は、溶接性を評価する指数であり、(3)式の左辺値が0.025を超えると、溶接割れが多発する。このため、本発明では、(3)式を満足するようにC、Nを調整する。
本発明のラインパイプ用高強度ステンレス鋼管は、上記した組成に加えて、マルテンサイト相をベース相とし、体積率で40%以下、より好ましくは30%以下の残留オーステナイトと10〜60%、より好ましくは15〜50%のフェライト相を含む組織を有する。また、本発明でいうマルテンサイト相には、焼戻しマルテンサイト相をも含むものとする。マルテンサイト相をベース相とすることにより、高強度のステンレス鋼管とすることができる。なお、マルテンサイト相は体積率で25%以上含有することが好ましい。また、フェライト相は、軟質で加工性を向上させる組織であり、本発明では、体積率で10%以上含有する。一方、フェライト相が体積率で60%を超えると所望の高強度を確保することが困難となる。このため、フェライト相は、体積率で10〜60%とする。なお、より好ましくは15〜50%である。また、残留オーステナイト相は靭性を向上させる組織であるが、体積率で40%超えると所望の高強度を確保することが困難となる。このため残留オーステナイト相は体積率で40%以下とする。なお、残留オーステナイト相は体積率で30%以下とすることがより好ましい。
つぎに、本発明のラインパイプ用高強度ステンレス鋼管の好ましい製造方法について継目無鋼管を例として説明する。

まず、上記した組成を有する溶鋼を、転炉、電気炉、真空溶解炉等の通常公知の溶製方法で溶製し、連続鋳造法、造塊−分塊圧延法等通常公知の方法でビレット等の鋼管素材とすることが好ましい。ついで、これら鋼管素材を加熱し、通常のマンネスマン−プラグミル方式、あるいはマンネスマン−マンドレルミル方式の製造工程を用いて熱間加工し造管して、所望寸法の継目無鋼管とする。造管後継目無鋼管は、空冷以上、好ましくは800〜500℃までの平均で0.5℃/s以上、の冷却速度で室温まで冷却することが好ましい。
上記した本発明範囲内の組成を有する継目無鋼管であれば、熱間加工後、空冷以上、好ましくは800〜500℃までの平均で0.5℃/s以上、の冷却速度で室温まで冷却することにより、マルテンサイト相をベース相とする組織とすることができる。熱間加工(造管)後、空冷以上、好ましくは800〜500℃までの平均で0.5℃/s以上、の冷却速度で冷却する処理のままとしてもよいが、本発明ではさらに焼入れ−焼戻処理を施すことが好ましい。
焼入れ処理として、850℃以上に再加熱し、その温度に10min以上保持したのち、空冷以上、好ましくは800〜500℃までの平均で0.5℃/s以上、の冷却速度で100℃以下、好ましくは室温まで冷却する処理とすることが好ましい。焼入れ加熱温度が、850℃未満では、組織を十分なマルテンサイト組織とすることができず、強度が低下する傾向となる。このため、焼入れ処理の再加熱温度は850℃以上の温度に限定することが好ましい。また、再加熱後の冷却速度が、空冷未満、800〜500℃までの平均で0.5℃/s未満では、組織を十分なマルテンサイト組織とすることができない。このため、再加熱後の冷却速度は、空冷以上、800〜500℃までの平均で0.5℃/s以上、の冷却速度とすることが好ましい。
焼戻処理としては、焼入れ処理後、ついで、700℃以下の温度に加熱する処理とすることが好ましい。700℃以下、好ましくは400 ℃以上の温度に加熱し、焼戻しすることにより、組織は焼戻しマルテンサイト相、残留オーステナイト相、フェライト相を含む組織となり、所望の高強度とさらには所望の高靭性、所望の優れた耐食性を有する継目無鋼管となる。なお、上記した温度に加熱し所定時間の保持した後は、空冷以上の冷却速度で冷却することが好ましい。
なお、上記した焼入れ−焼戻処理に代えて、700℃以下好ましくは400 ℃以上の温度に加熱し、焼戻しする焼戻し処理のみを施しても良い。
ここまでは、継目無鋼管を例にして説明したが、本発明鋼管はこれに限定されるものではない。上記した本発明範囲内の組成を有する鋼管素材を用いて、通常の工程に従い、電縫鋼管、UOE鋼管を製造し、ラインパイプ用鋼管とすることも可能である。
なお、電縫鋼管、UOE鋼管等の鋼管においても、造管後の鋼管に、上記した焼入れ−焼戻処理を施すことが好ましい。本発明の高強度ステンレス鋼管を溶接接合して溶接構造物とすることができる。溶接構造物としては、パイプライン、ライザ等が例示できる。なお、ここでいう溶接構造物には、本発明の高強度ステンレス鋼管同士の接合に加えて、本発明の高強度ステンレス鋼管と他種の鋼管との接合をも含むものとする。
以下、本発明を実施例に基づいてさらに詳細に説明する。
(実施例1)
表1に示す組成の溶鋼を脱ガス後、100kgf鋼塊に鋳造し鋼管素材とした。ついでこれら鋼管素材を用いて、モデルシームレス圧延機による熱間加工により造管し、造管後空冷し、外径3.3in×肉厚0.5inの継目無鋼管とした。
得られた継目無鋼管について、造管後空冷のままで内外表面の割れ発生の有無を目視で調査し、熱間加工性を評価した。パイプ前後端面で長さ5mm以上の割れがある場合を割れ有りとし、それ以外を割れ無しとした。
また、得られた継目無鋼管に、表2に示す条件で焼入れ加熱保持したのち、焼入れした。さらに表2に示す条件の焼戻処理を施した。
得られた継目無鋼管から、組織観察用試験片を採取した。組織観察用試験片をKOH電解で腐食して走査型電子顕微鏡(400倍)で50視野以上、組織を撮像し画像解析装置を用いて、フェライト相の組織分率(体積%)を算出した。また、残留オーステナイト相の組織分率は、得られた継目無鋼管から測定用試験片を採取してX線回折法を用いて測定した。X線回折によりγの(220)面、αの(211)面、の回折X線積分強度を測定し、次式
γ(体積%)=100/{1+(IαRγ/IγRα)}
ここで、Iα:αの積分強度、
Iγ:γの積分強度、
Rα:αの結晶学的理論計算値、
Rγ:γの結晶学的理論計算値
を用いて換算した。なお、マルテンサイト相の組織分率はこれらの相以外の残部として算出した。
また、得られた継目無鋼管から、API 弧状引張試験片を採取し、引張試験を実施し引張特性(降伏強さYS、引張強さTS)を求めた。
また、得られた継目無鋼管について、同種の鋼管の端部同士を当接し、表4に示す溶接材料を用いて、表4に示す溶接条件で溶接管継手を作製した。
得られた溶接管継手について、溶接割れの発生の有無を目視で調査した。
さらに、得られた溶接管継手から、試験片を採取し、溶接部靭性試験、溶接部腐食試験、溶接部孔食試験、溶接部硫化物応力腐食割れ試験を実施した。試験方法は次の通りとした。
(1)溶接部靭性試験
得られた溶接管継手から、JIS Z 2202の規定に準拠して、ノッチ位置を溶接熱影響部としたVノッチ試験片(厚さ:5mm)を採取し、JIS Z 2242の規定に準拠してシャルピー衝撃試験を実施し、−60℃における吸収エネルギーvE−60(J)を求め、溶接熱影響部の靭性を評価した。
(2)溶接部腐食試験
得られた溶接管継手から、厚さ3mm×幅30mm×長さ40mmの腐食試験片を溶接金属、溶接熱影響部および母材部を含むように機械加工により採取した。腐食試験は、オートクレーブ中に保持された試験液:20%NaCl水溶液(液温:200 ℃、50 気圧のCO2 ガス雰囲気) 中に、腐食試験片を浸漬し、浸漬期間を2週間として実施した。腐食試験後の試験片について、重量を測定し、腐食試験前後の重量減から計算した腐食速度を求めた。
(3)溶接部孔食試験
得られた溶接管継手から試験片を溶接金属、溶接熱影響部および母材部を含むように機械加工により採取した。孔食試験は、試験片を40%CaCl2(液温:70℃)液中に浸漬し、24時間保持した。試験後、孔食発生の有無を10倍のルーペを用いて観察し、孔食無の場合を○、有の場合を×として評価した。なお、直径0.2mm以上の孔食が観察された場合を孔食有とし、それ以外を無とした。
(4)溶接部硫化物応力腐食割れ試験
得られた溶接管継手から、NACE−TM0177 Method Aに規定される定荷重型試験片を溶接金属、溶接熱影響部および母材部を含むように機械加工により採取した。硫化物応力腐食割れ試験は、試験片をオートクレーブ中に保持された試験液:20%NaCl水溶液(pH:4.0、H2 S分圧:0.005MPa)中に保持し、付加応力を母材降伏応力の90%として、試験期間:720hとして実施した。割れ発生有を×、割れ発生無を○として評価した。
得られた結果を表3に示す。
本発明例はいずれも、鋼管表面の割れ発生は認められず熱間加工性に優れた鋼管であり、また降伏強さYS:413MPa以上の高強度を有する高強度鋼管となっている。また、本発明例はいずれも、溶接部の割れ発生もなく溶接性に優れ、さらに−60℃における吸収エネルギーが50J以上と溶接熱影響部靭性に優れ、また母材部を含め溶接部では、腐食速度も小さく、孔食や硫化物応力腐食割れの発生もなく、CO を含み200 ℃という高温で苛酷な腐食環境下および高硫化水素環境下において充分な溶接部耐食性を示している。
これに対し、本発明の範囲を外れる比較例は、表面に割れが発生し熱間加工性が低下しているか、あるいは溶接部靭性が低下しているか、あるいは溶接部に割れが発生しているか、あるいは母材または溶接部の腐食速度が大きく耐食性が劣化しているか、あるいは母材または溶接部に孔食が発生して耐孔食性が劣化しているか、あるいは母材または溶接部に硫化物応力腐食割れが発生し耐硫化物応力割れ性が劣化している。
(実施例2)
表5に示す組成の溶鋼を脱ガス後、100kgf鋼塊に鋳造し鋼管素材とした。これら鋼管素材を用いて、実施例1と同様に、モデルシームレス圧延機による熱間加工により造管し、造管後空冷または水冷し、外径3.3 in×肉厚0.5 inの継目無鋼管とした。
得られた継目無鋼管について、造管後空冷のままで内外表面の割れ発生の有無を目視で調査し、熱間加工性を評価した。パイプ前後端面で長さ5mm以上の割れがある場合を割れ有とし、それ以外を割れ無とした。
また、得られた継目無鋼管に、表6に示す条件で焼入れ加熱保持したのち、焼入れした。さらに表6に示す条件の焼戻処理を施した。なお、一部の鋼管では、焼入れ処理を行わず、焼戻処理のみとした。
実施例1と同様に、得られた継目無鋼管から、組織観察用試験片、測定用試験片を採取しフェライト相の組織分率(体積%)、残留オーステナイト相の組織分率(体積%)、マルテンサイト相の組織分率(体積%)を算出した。
また、得られた継目無鋼管から、API 弧状引張試験片を採取し、実施例1と同様に、引張試験を実施し引張特性(降伏強さYS、引張強さTS)を求めた。また、得えられた継目無鋼管から、Vノッチ試験片(厚さ:5mm)を採取し、−40℃における吸収エネルギーvE−40(J)を求めた。
また、得られた継目無鋼管について、同種の鋼管の端部同士を当接し、実施例1と同様に、表4に示す溶接材料を用いて、表4に示す溶接条件で溶接し溶接管継手を作製した。
得られた溶接管継手について、溶接割れの発生の有無を目視で調査した。
さらに、得られた溶接管継手から、試験片を採取し、溶接部靭性試験、溶接部腐食試験、溶接部硫化物応力腐食割れ試験を実施した。試験方法は次の通りとした。
(1)溶接部靭性試験
得られた溶接管継手から、JIS Z 2202の規定に準拠してノッチ位置を溶接熱影響部としたVノッチ試験片(厚さ:5mm)を採取し、JIS Z 2242の規定に準拠してシャルピー衝撃試験を実施し、−40℃における吸収エネルギーvE−40(J)を求め、溶接熱影響部の靭性を評価した。
(2)溶接部腐食試験
得られた溶接管継手から、溶接金属、溶接熱影響部および母材を含む、厚さ3mm×幅30mm×長さ40mmの腐食試験片を機械加工により採取した。腐食試験は、実施例1と同様に、オートクレーブ中に保持された試験液:20%NaCl水溶液(液温:200 ℃、50 気圧のCOガス雰囲気) 中に、腐食試験片を浸漬し、浸漬期間を2週間として実施した。腐食試験後の試験片について、重量を測定し、腐食試験前後の重量減から計算した腐食速度を求めた。また、試験後の腐食試験片について倍率:10倍のルーペを用いて試験片表面の孔食発生の有無を観察した。なお、直径0.2mm以上の孔食が観察された場合を孔食有とし、それ以外を無とした。
(3)溶接部硫化物応力腐食割れ試験
得られた溶接管継手から、NACE−TM0177 Method Aに規定される定荷重型試験片を機械加工により採取した。硫化物応力腐食割れ試験は、実施例1と同様に、試験片をオートクレーブ中に保持された試験液:20%NaCl水溶液(pH:4.0、HS分圧:0.005MPa)中に保持し、付加応力を母材降伏応力の90%として、試験期間:720hとして実施した。割れ発生有を×、割れ発生無を○として評価した。
得られた結果を表7に示す。
本発明例はいずれも、鋼管表面の割れ発生は認められず熱間加工性に優れた鋼管であり、また降伏強さYS:413MPa以上の高強度を有し、さらに−40℃における吸収エネルギーが50J以上の高靭性を有する高強度鋼管となっている。また、本発明例はいずれも、溶接部の割れ発生もなく溶接性に優れ、さらに−40℃における吸収エネルギーが50J以上と溶接熱影響部靭性に優れ、さらに母材部を含め溶接部では、腐食速度も小さく、孔食や硫化物応力腐食割れの発生もなく、COを含み200 ℃という高温で苛酷な腐食環境下および高硫化水素環境下において充分な耐食性を示している。
これに対し、本発明の範囲を外れる比較例は、表面に割れが発生し熱間加工性が低下しているか、あるいは母材靭性が低下しているか、あるいは溶接割れが発生し溶接性が低下しているか、あるいは溶接部靭性が低下しているか、あるいは母材または溶接部の腐食速度が大きく、あるいは孔食が発生して耐食性が劣化しているか、あるいは硫化物応力腐食割れが発生し耐硫化物応力腐食割れ性が劣化している。
熱間加工時に発生する割れ長さに及ぼす鋼板組成の影響を示すグラフである。 熱間加工時に発生する割れ長さとフェライト量との関係を示すグラフである。 Co2およびCl-を含む200℃の高温環境下の腐食速度に及ぼす鋼板組成の影響を示すグラフである。 熱処理後の降伏強さYSとCr含有量との関係を示すグラフである。 yスリット溶接割れ試験における溶接割れ発生率に及ぼす(C+N)量の影響を示すグラフである。

Claims (23)

  1. mass%で、
    C:0.001〜0.015%、 Si:0.01〜0.5%、
    Mn:0.1〜1.8%、 P:0.03%以下、
    S:0.005%以下、 Cr:15〜18%、
    Ni:0.5%以上5.5%未満、 Mo:0.5〜3.5%、
    V:0.02〜0.2%、 N:0.001〜0.015%、
    O:0.006%以下
    を、下記(1)、(2)および(3)式を満足するように含み、残部Feおよび不可避的不純物よりなる組成と、マルテンサイト相をベースとして、体積率で40%以下の残留オーステナイト相と10〜60%のフェライト相からなる組織を有することを特徴とする耐食性に優れたラインパイプ用高強度ステンレス継目無鋼管。

    Cr+0.65Ni+0.6Mo+0.55Cu−20C≧18.5 ………(1)
    Cr+Mo+0.3Si−43.5C−0.4Mn−Ni−0.3Cu−9N≧11.5 ………(2)
    C+N≦0.025 ………(3)
    ここで、C、Ni、Mo、Cr、Si、Mn、Cu、N:各元素の含有量(mass%)
  2. 前記組成に加えてさらに、mass%で、Al:0.002〜0.05%を含有する組成を有することを特徴とする請求項1に記載のラインパイプ用高強度ステンレス継目無鋼管。
  3. 前記Niの含有量が、mass%で、1.5〜5.0%であることを特徴とする請求項1又は2に記載のラインパイプ用高強度ステンレス継目無鋼管。
  4. 前記Moの含有量が、mass%で、1.0〜3.5%であることを特徴とする請求項1ないし3のいずれかに記載のラインパイプ用高強度ステンレス継目無鋼管。
  5. 前記Moの含有量が、mass%で、2%超3.5%以下であることを特徴とする請求項1ないし3のいずれかに記載のラインパイプ用高強度ステンレス継目無鋼管。
  6. 前記組成に加えてさらに、mass%で、Cu:3.5%以下を含有する組成とすることを特徴とする請求項1ないし5のいずれかに記載のラインパイプ用高強度ステンレス継目無鋼管。
  7. 前記Cuの含有量が、mass%で0.5%以上1.14%以下であることを特徴とする請求項1ないし5のいずれかに記載のラインパイプ用高強度ステンレス継目無鋼管。
  8. 前記組成に加えてさらに、mass%で、Nb:0.2%以下、Ti:0.3%以下、Zr:0.2%以下、B:0.01%以下、W:3.0%以下のうちから選ばれた1種又は2種以上を含有する組成とすることを特徴とする請求項1ないし7のいずれかに記載のラインパイプ用高強度ステンレス継目無鋼管。
  9. 前記組成に加えてさらに、mass%で、Ca:0.01%以下を含有する組成とすることを特徴とする請求項1ないし8のいずれかに記載のラインパイプ用高強度ステンレス継目無鋼管。
  10. 前記フェライト相が、体積率で15〜50%であることを特徴とする請求項1ないし9のいずれかに記載のラインパイプ用高強度ステンレス継目無鋼管。
  11. 前記残留オーステナイト相が、体積率で30%以下であることを特徴とする請求項1ないし10のいずれかに記載のラインパイプ用高強度ステンレス継目無鋼管。
  12. C:0.001〜0.015%、 Si:0.01〜0.5%、
    Mn:0.1〜1.8%、 P:0.03%以下、
    S:0.005%以下、 Cr:15〜18%、
    Ni:0.5%以上5.5%未満、 Mo:0.5〜3.5%、
    V:0.02〜0.2%、 N:0.001〜0.015%、
    O:0.006%以下
    を、下記(1)、(2)および(3)式を満足するように含み、残部Feおよび不可避的不純物よりなる組成を有する鋼管素材を所定寸法の鋼管に造管し、該鋼管に、850℃以上の温度に再加熱したのち空冷以上の冷却速度で100℃以下まで冷却し、ついで700℃以下の温度に加熱する焼入れ−焼戻処理を施し、マルテンサイト相をベースとして、体積率で40%以下の残留オーステナイト相と10〜60%のフェライト相からなる組織を有する鋼管とすることを特徴とする耐食性に優れたラインパイプ用高強度ステンレス鋼管の製造方法。

    Cr+0.65Ni+0.6Mo+0.55Cu−20C≧18.5 ………(1)
    Cr+Mo+0.3Si−43.5C−0.4Mn−Ni−0.3Cu−9N≧11.5 ………(2)
    C+N≦0.025 ………(3)
    ここで、Cr、Ni、Mo、Cu、C、Si、Mn、N:各元素の含有量(mass%)
  13. 前記鋼管素材を加熱し、熱間加工により造管して、造管後、空冷以上の冷却速度で室温まで冷却し、所望寸法の継目無鋼管とし、ついで、該継目無鋼管に、前記焼入れ−焼戻処理を施すことを特徴とする請求項12に記載のラインパイプ用高強度ステンレス鋼管の製造方法。
  14. 前記焼入れ−焼戻処理に代えて、700℃以下の温度に加熱する焼戻処理を施すことを特徴とする請求項12又は13に記載のラインパイプ用高強度ステンレス鋼管の製造方法。
  15. 前記組成に加えてさらに、mass%で、Al:0.002〜0.05%を含有する組成を有することを特徴とする請求項12ないし14のいずれかに記載のラインパイプ用高強度ステンレス鋼管の製造方法。
  16. 前記Niの含有量が、mass%で、1.5〜5.0%であることを特徴とする請求項12ないし15のいずれかに記載のラインパイプ用高強度ステンレス鋼管の製造方法。
  17. 前記Moの含有量が、mass%で、1.0〜3.5%であることを特徴とする請求項12ないし16のいずれかに記載のラインパイプ用高強度ステンレス鋼管の製造方法。
  18. 前記Moの含有量が、mass%で、2%超3.5%以下であることを特徴とする請求項12ないし16のいずれかに記載のラインパイプ用高強度ステンレス鋼管の製造方法。
  19. 前記組成に加えてさらに、mass%で、Cu:3.5%以下を含有することを特徴とする請求項12ないし18のいずれかに記載のラインパイプ用高強度ステンレス鋼管の製造方法。
  20. 前記Cuの含有量が、mass%で、0.5%以上1.14%以下であることを特徴とする請求項12ないし18のいずれかに記載のラインパイプ用高強度ステンレス鋼管の製造方法。
  21. 前記組成に加えてさらに、mass%で、Nb:0.2%以下、Ti:0.3%以下、Zr:0.2%以下、W:3%以下、B:0.01%以下のうちから選ばれた1種または2種以上を含有することを特徴とする請求項12ないし20のいずれかに記載のラインパイプ用高強度ステンレス鋼管の製造方法。
  22. 前記組成に加えてさらに、mass%で、Ca:0.01%以下を含有することを特徴とする請求項12ないし21のいずれかに記載のラインパイプ用高強度ステンレス鋼管の製造方法。
  23. 請求項1ないし11のいずれかに記載の高強度ステンレス鋼管を溶接接合してなる溶接構造物。
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