JP5245238B2 - 拡管性に優れた油井管用ステンレス鋼管およびその製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、原油の油井あるいは天然ガスのガス井に使用される、油井管用の鋼材に関し、特に炭酸ガス(CO2)、塩素イオン(Cl-)などを含む極めて腐食環境の厳しい油井、ガス井での使用に適した、高耐食性能に加え高拡管性能を具備した、拡管性に優れた油井管用ステンレス鋼管およびその製造方法に関するものである。
近年に至り、原油価格の高騰や近い将来に予想される石油資源の枯渇化を目前にして、従来かえりみられなかったような深層油田(ガス田も含む)に対する開発が、世界的規模で盛んになっている。このような油田(あるいはガス田)は一般に深度が極めて深く、またその雰囲気は高温でかつ、CO2、Cl-等を含む厳しい腐食環境となっている。したがってこのような油田、ガス田の採掘に使用される油井管としては、高強度で、しかも耐食性を兼ね備えた材質が要求される。また、寒冷地における油田開発も活発になってきており、高強度に加えて低温靭性が要求されることも多い。
一方、これら深層油田の開発には多大な掘削コストがかかるという問題があったが、最近、比較的細い鋼管を油井中で拡管させる技術が実用化された(例えば特許文献1,2参照)。この手法を用いることにより、掘削断面積が減って掘削コストは低減することになったが、鋼管に対しては優れた拡管性が要求されることになった。
特表平7-567010号公報 国際公開公報WO98/00626号公報
一般的にいって、CO2、Cl-等を含む環境下では耐CO2腐食性に優れた13%Crマルテンサイト系ステンレス鋼管が使用されるのが普通である。しかし、通常の焼入れ焼戻し処理を行ったマルテンサイト系ステンレス鋼管では、充分な拡管性が得られていないという問題があった。このため、油井中の拡管という新技術適用のためには、耐CO2腐食性に優れ、しかも拡管性にも優れる、油井管用ステンレス鋼管の開発が強く望まれていた。
本発明は、かかる事情に鑑み、CO2、Cl-等を含む苛酷な腐食環境下において、優れた耐CO2腐食性に加え、優れた拡管性を示し、かつコスト的にも有利な、拡管性に優れた油井管用ステンレス鋼管およびその製造方法を提供することを目的とする。
発明者らは、前記目的を達成するために、耐CO2腐食性の点では油井管に適すると考えられるマルテンサイト系ステンレス鋼管に着目し、その組織をコントロールすることにより拡管性を改善する方針を立て、この方針に沿って、代表的なマルテンサイト系ステンレス鋼である13%Cr鋼をベースとして、種々の合金成分について、CO2、Cl-を含む環境下での耐食性を調べるための実験、検討を重ねた。その結果、Cを従来よりも著しく低減した13%Cr鋼において、Ni,Mo,Vを添加し、さらにS,Si,Al,Oを低減するとともに、各種合金元素の含有量を特定範囲内に制限し、併せて組織をコントロールすることによって、良好な熱間加工性、耐食性が確保されるとともに、拡管性が著しく改善されることを見出し、以下に要旨を示す本発明をなすに至ったのである。
(請求項1) 鋼組成が、質量%で、C:0.004%以上0.010%未満、Si:0.20〜0.50%、Mn:0.10〜1.50%、P:0〜0.03%、S:0〜0.005%、Cr:11.0〜17.0%、Ni:2.0〜7.0%、Mo:0.1〜3.0%、Al:0.01〜0.05%、V:0.041〜0.20%、N:0.004%以上0.01%未満、O:0.0023〜0.008%を含有し、残部Fe及び不可避的不純物からなり、鋼組織が、焼戻しマルテンサイトを主相とし、焼入れマルテンサイト:3体積%以上及びオーステナイト:15体積%以上を含む組織であり、限界拡管率が40%以上である拡管性に優れた油井管用ステンレス鋼管。
(請求項2) 鋼組成が、質量%で、C:0.004%以上0.010%未満、Si:0.20〜0.50%、Mn:0.10〜1.50%、P:0〜0.03%、S:0〜0.005%、Cr:11.0〜17.0%、Ni:2.0〜7.0%、Mo:0.1〜3.0%、Al:0.01〜0.05%、V:0.041〜0.20%、N:0.004%以上0.01%未満、O:0.0023〜0.008%を含有し、さらに、Nb:0.050〜0.20%、Cu:0.55〜3.5%、Ti:0.037〜0.3%、Zr:0.014〜0.2%、Ca:0.001〜0.01%、B:0.0005〜0.01%、W:0.72〜3.0%のうち1種又は2種以上を含有し、残部Fe及び不可避的不純物からなり、鋼組織が、焼戻しマルテンサイトを主相とし、焼入れマルテンサイト:3体積%以上及びオーステナイト:15体積%以上を含む組織であり、限界拡管率が40%以上である拡管性に優れた油井管用ステンレス鋼管。
(請求項3) 鋼組成のCr分率を11.0〜14.0質量%とした請求項1又は2に記載の拡管性に優れた油井管用ステンレス鋼管
(請求項4) 鋼組成のCr分率を14.0質量%超17.0質量%以下とした請求項1又は2に記載の拡管性に優れた油井管用ステンレス鋼管。
(請求項5) 鋼組織のオーステナイト分率を30体積%超とした請求項1〜のいずれかに記載の拡管性に優れた油井管用ステンレス鋼管
(請求項6) 請求項1〜4のいずれかに記載される鋼組成の鋼材を、熱間加工により継目無鋼管に造管し、造管後空冷以上の冷却速度で冷却し、その後、下記の焼入れ焼戻し処理を施すことを特徴とする、限界拡管率が40%以上になる拡管性に優れた油井用ステンレス鋼管の製造方法。

入れ焼戻し処理:(焼入れ:)800℃以上に再加熱し、その温度に5分以上保持した後、空冷以上の冷却速度で200℃以下まで冷却した後、(焼戻し:)Ac1点を超える温度に加熱する。
本発明乃至参考発明のステンレス鋼管は、C含有量を従来よりも著しく低減した13%Cr鋼において、C,Si,Mn,Cr,Mo,Ni,N,Oの含有量を限定し、かつ焼戻しマルテンサイトを主相とする組織中に、参考発明ではオーステナイトを20体積%超(好ましくは30体積%超)、本発明では焼入れマルテンサイトを3体積%以上及びオーステナイトを15体積%以上(好ましくは30体積%超)、含ませたことにより、CO2,Cl-を含む高温の厳しい腐食環境下でも十分な耐食性を示し、しかも高拡管率の拡管に耐える加工性を確保し得るものである。したがって、上述のような苛酷な腐食環境下で使用される油井管として好適なものである。
まず、本発明の鋼管の鋼組成の限定理由を述べる。鋼組成における成分含有量の単位は質量%であり、%と略記した。
C:0.004%以上0.010%未満
Cはマルテンサイト系ステンレス鋼材の強度に関係する重要な元素であり、含有量が多いほど強度が上昇する。ところが拡管用鋼管を考えた場合、拡管前の強度は低い方が望ましく、0.010%未満とした。
Si:0.20〜0.50
Siは通常の製鋼過程において脱酸剤として必要な元素であるが、0.50%を超えると耐CO2腐食性を低下させ、さらに熱間加工性も低下させることから、Siは0.50%以下とした。なお、熱間加工性とは、熱間加工時(すなわち継目無鋼管造管時)に継目無鋼管に疵または割れなどの欠陥が発生し難い性質をいう。
Mn:0.10〜1.50%
Mnは油井管用マルテンサイト系ステンレス鋼管としての強度を確保するために0.10%以上必要であるが、1.50%を超えると靭性に悪影響を及ぼすことから、Mnは0.10〜1.50%とした。なお、好ましくは0.30〜1.00%である。
P:0〜0.03
Pは耐CO2腐食性、耐CO2応力腐食割れ性、耐孔食性及び耐硫化物応力腐食割れ性をともに劣化させる元素であり、その含有量は可及的に少ないことが望ましいが、極端な低減は製造コストの上昇を招く。工業的に比較的安価に実施可能でかつ耐CO2応力腐食割れ性、耐孔食性及び耐硫化物応力腐食割れ性を劣化させない範囲でPは0.03%以下とした。
S:0〜0.005
Sはパイプ製造過程においてその熱間加工性を著しく劣化させる元素であり、可及的に少ないことが望ましいが、0.005%以下に低減すれば通常の工程でのパイプ製造が可能となることから、Sはその上限を0.005%とした。なお、好ましくは0.003%以下である。
Cr:11.0〜17.0%
Crは耐CO2腐食性、耐CO2応力腐食割れ性を保持するために主要な元素であり、耐食性の観点からは11.0%以上必要であるが、17.0%を超えると熱間加工性が劣化することから、Crは11.0〜17.0%とした。なお、熱間加工性の観点からは、好ましくは11.5〜14.0%である。一方、耐CO2腐食性、耐CO2応力腐食割れ性の観点からは、好ましくは14.0%超17.0%以下である。
Ni:2.0〜7.0%
Niは保護皮膜を強固にして、耐CO2腐食性、耐CO2応力腐食割れ性、耐孔食性及び耐硫化物応力腐食割れ性を高めるとともに、Cを低減した13%Cr鋼材の強度を上昇させるために添加されるが、2.0%未満ではその効果は認められず、7.0%を超えると強度低下を引き起こすことから、Niは2.0〜7.0%とした。
Mo:0.1〜3.0
MoはCl-による孔食に対して抵抗性を与える元素であるが、3.0%を超えるとδフェライトの発生を招き耐CO2腐食性、耐CO2応力腐食割れ性及び熱間加工性が低下する。また高コストとなることから、Moは3.0%以下とした。なお、コストの関係から好ましくは0.1%以上、2.2%以下である。
Al:0.01〜0.05
Alは強力な脱酸作用を有するが、0.05%を超えると靭性に悪影響を及ぼすことから、Alは0.05%以下とした。
V:0.041〜0.20
Vは強度を上昇させる効果、及び耐応力腐食割れ性を改善する効果があるが、0.20%を超えて添加すると靭性を劣化させるため、0.20%以下とした。
N:0.004%以上0.01%未満
Nは耐孔食性を著しく向上させる元素であり、またマルテンサイト系ステンレス鋼材の強度に関係する重要な元素であり、含有量が増えるほど強度が上昇する。ところが拡管用鋼管を考えた場合、拡管前の強度は低いほうが望ましく、0.01%未満とした。
O:0.0023〜0.008
Oは本発明の鋼管の性能を十分に発揮させるために、極めて重要な特に含有量規制が必要な元素である。すなわち、その含有量が多いと各種の酸化物を形成して熱間加工性、耐CO2応力腐食割れ性、耐孔食性、耐硫化物応力腐食割れ性を著しく低下させるため、Oは0.008%以下とした。
さらに、本発明に係る鋼組成では、選択添加元素として、Nb:0.050〜0.20、Cu:0.55〜3.5、Ti:0.037〜0.3、Zr:0.014〜0.2、Ca:0.001〜0.01%、B:0.0005〜0.01%、W:0.72〜3.0のうち1種または2種以上を含有してもよい。
Nb:0.050〜0.20
Nbは靭性改善効果、強度を上げる効果があるが、0.20%を超えての添加は逆に靭性を低下させるので、0.20%以下とした。
Ca:0.001〜0.01%
CaはSをCaSとして固定しS系介在物を球状化することにより、介在物の周囲のマトリックスの格子歪を小さくして、水素のトラップ能を下げる作用がある。その効果は0.001%未満では顕著ではなく、0.005%を超えるとCaOの増加を招き、耐CO2腐食性、耐孔食性が低下することから、Caは0.001〜0.01%とした。
Cu:0.55〜3.5
Cuは保護皮膜を強固にして、鋼中への水素の侵入を抑制し、耐硫化物応力腐食割れ性を高める元素であるが、3.5%を超えると高温でCuSが粒界析出し、熱間加工性が低下することから、Cuは3.5%以下とした。
Ti:0.037〜0.3、Zr:0.014〜0.2、B:0.0005〜0.01%、W:0.72〜3.0
Ti,Zr,B,Wは強度を上昇させる効果、及び耐応力腐食割れ性を改善する効果があるが、Tiは0.3%を超えて、Zrは0.2%を超えて、Wは3.0%を超えて添加すると靭性を劣化させるため、また、Bは0.0005%未満では効果がなく、0.01%を超えた添加は靭性を劣化させるため、それぞれTi:0.3%以下、Zr:0.2%以下、B:0.0005〜0.01%、W:3.0%以下とした。
次に、ミクロ組織の限定理由を述べる。参考発明の鋼管のミクロ組織は、安定した拡管性を得るために、(i)主相(50体積%以上の相)が焼戻しマルテンサイトである組織中に、オーステナイト:20体積%超を含むものとした。なお、(i)において、オーステナイト:20体積%超に代えて、(ii)焼入れマルテンサイト:3体積%以上及びオーステナイト:15体積%以上とした本発明の鋼管のミクロ組織でも同様の効果が得られる。さらに、上記(i),(ii)のいずれの鋼組織においても、より安定した拡管性を得るためには、オーステナイト分率は、30体積%超とするのが好ましい。
また、本発明の拡管性に優れた油井管用ステンレス鋼管は、効果顕現性の点で、限界拡管率が40%以上であるものである
次に、本発明の鋼管の好ましい製造方法について、継目無鋼管を例として説明する。まず、上記組成になる溶鋼を、転炉、電気炉、真空溶解炉等通常公知の溶製方法で溶製し、連続鋳造法、造塊‐分塊圧延法等通常公知の方法でビレット等の鋼材とすることが好ましい。この鋼材を加熱し、通常のマンネスマン‐プラグミル方式、あるいはマンネスマン‐マンドレルミル方式の製造工程を用いて熱間加工し、造管して所望寸法の継目無鋼管とする。造管後継目無鋼管は空冷以上の冷却速度で室温まで冷却することが好ましい。
前記造管後冷却したままの鋼管焼入れ焼戻し処理を施す。
焼入れ処理としては、800℃以上に再加熱し、その温度に5分以上保持した後、空冷以上の冷却速度で200℃以下、好ましくは室温まで冷却する。再加熱温度が800℃未満では組織を充分なマルテンサイト組織とすることができず、強度が低下する場合がある。
焼入れ処理後の焼戻し処理としては、Ac1点を超える温度に加熱する。Ac1点を超える温度に加熱することにより、オーステナイトの析出、あるいは本発明ではさらに焼入れマルテンサイトの析出が起る
また、本発明では、熱間加工性の観点からS,Si,Al,Oを著しく低減して鋼材の熱間加工性を向上させている。したがって、この鋼材から鋼管を製造するにあたっては、通常の製造工程に何ら手を加えることなく製造できる。継目無鋼管だけでなく、電縫鋼管、UOE鋼管への適用も可能である。
表1に示す組成になる鋼を真空溶解炉で溶製し、十分に脱ガスした後、100kg鋼塊とし、これを研究用モデルシームレス圧延機により熱間穿孔圧延後、空冷して、外径3.3インチ、肉厚0.5インチのパイプを製造した。次いで各パイプから試験片素材を切り出し、表2に示す条件で焼入れ焼戻し処理を行なった。
該処理後の試験片について、以下の調査を行なった。
・引張特性調査:パイプ長手方向を試験方向としてASTM A370に準拠した引張試験を行ない、YS(降伏強さ)、TS(引張強さ)を測定した。
・ミクロ組織調査:肉厚中心部のミクロ組織をエッチングにより現出させ、画像処理により、焼戻しマルテンサイト、オーステナイト、焼入れマルテンサイトの各相を同定し、各相の体積%を求めた。
・拡管性調査:パイプにプラグを押込んで拡管し、その際、拡管率((プラグ径−初期パイプ内径)/初期パイプ内径×100(%))が5%刻みで増すように使用プラグ径を増大させていき、拡管中のパイプに割れが発生した時の拡管率(限界拡管率)で拡管性を評価した。目標拡管率は40%以上である。
・耐食性調査:拡管率15%で拡管したパイプから厚さ3mm、幅30mm、長さ40mmの腐食試験片を機械加工により作製し、腐食試験(条件:30気圧のCO雰囲気と平衡させた、液温140℃の20%NaCl水溶液中に2週間浸漬)を行ない、試験後の重量減から計算した腐食速度及び10倍ルーペ観察による孔食発生の有無により耐食性を評価した。
これらの調査結果を表2に示す。Cr含有量が11.0%未満の場合腐食速度が大きくなっている。なお、適用可能限界腐食速度は0.127mm/yである。また、Moを含まない場合は孔食が発生した。本発明例はいずれも、高拡管性を有し、かつ耐CO2腐食性に優れることが明らかである。このように、本発明の鋼管は、拡管用油井管として十分使用可能であることがわかる。
Figure 0005245238
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Claims (6)

  1. 鋼組成が、質量%で、C:0.004%以上0.010%未満、Si:0.20〜0.50%、Mn:0.10〜1.50%、P:0〜0.03%、S:0〜0.005%、Cr:11.0〜17.0%、Ni:2.0〜7.0%、Mo:0.1〜3.0%、Al:0.01〜0.05%、V:0.041〜0.20%、N:0.004%以上0.01%未満、O:0.0023〜0.008%を含有し、残部Fe及び不可避的不純物からなり、鋼組織が、焼戻しマルテンサイトを主相とし、焼入れマルテンサイト:3体積%以上及びオーステナイト:15体積%以上を含む組織であり、限界拡管率が40%以上である拡管性に優れた油井管用ステンレス鋼管。
  2. 鋼組成が、質量%で、C:0.004%以上0.010%未満、Si:0.20〜0.50%、Mn:0.10〜1.50%、P:0〜0.03%、S:0〜0.005%、Cr:11.0〜17.0%、Ni:2.0〜7.0%、Mo:0.1〜3.0%、Al:0.01〜0.05%、V:0.041〜0.20%、N:0.004%以上0.01%未満、O:0.0023〜0.008%を含有し、さらに、Nb:0.050〜0.20%、Cu:0.55〜3.5%、Ti:0.037〜0.3%、Zr:0.014〜0.2%、Ca:0.001〜0.01%、B:0.0005〜0.01%、W:0.72〜3.0%のうち1種又は2種以上を含有し、残部Fe及び不可避的不純物からなり、鋼組織が、焼戻しマルテンサイトを主相とし、焼入れマルテンサイト:3体積%以上及びオーステナイト:15体積%以上を含む組織であり、限界拡管率が40%以上である拡管性に優れた油井管用ステンレス鋼管。
  3. 鋼組成のCr分率を11.0〜14.0質量%とした請求項1又は2に記載の拡管性に優れた油井管用ステンレス鋼管。
  4. 鋼組成のCr分率を14.0質量%超17.0質量%以下とした請求項1又は2に記載の拡管性に優れた油井管用ステンレス鋼管。
  5. 鋼組織のオーステナイト分率を30体積%超とした請求項1〜のいずれかに記載の拡管性に優れた油井管用ステンレス鋼管。
  6. 請求項1〜4のいずれかに記載される鋼組成の鋼材を、熱間加工により継目無鋼管に造管し、造管後空冷以上の冷却速度で冷却し、その後、下記の焼入れ焼戻し処理を施すことを特徴とする、限界拡管率が40%以上になる拡管性に優れた油井用ステンレス鋼管の製造方法。

    入れ焼戻し処理:(焼入れ:)800℃以上に再加熱し、その温度に5分以上保持した後、空冷以上の冷却速度で200℃以下まで冷却した後、(焼戻し:)Ac1点を超える温度に加熱する。
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