JP2002212684A - 高温強度の高いマルテンサイト系ステンレス鋼 - Google Patents

高温強度の高いマルテンサイト系ステンレス鋼

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JP2002212684A
JP2002212684A JP2001014700A JP2001014700A JP2002212684A JP 2002212684 A JP2002212684 A JP 2002212684A JP 2001014700 A JP2001014700 A JP 2001014700A JP 2001014700 A JP2001014700 A JP 2001014700A JP 2002212684 A JP2002212684 A JP 2002212684A
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retained austenite
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temperature
metal structure
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JP2001014700A
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Inventor
Kunio Kondo
邦夫 近藤
Takashi Amaya
尚 天谷
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Nippon Steel Corp
Original Assignee
Sumitomo Metal Industries Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】高温強度にも優れたマルテンサイト系ステンレ
ス鋼の提供。 【解決手段】質量%で、C:0.001〜0.04%、
Si:0.05〜1%、Mn:0.05〜1.5%、C
r:10〜14%、Ni:1.5〜8%、Al:0.0
005〜0.05%、N:0.001〜0.07%を基
本成分とし、必要に応じて、Mo、Cu、Ti、V、N
b、Zr%、Ca、Mg、REMおよびBの中の1種以
上を含み、不純物のPが0.03%以下、Sが0.01
%以下で、実質的に焼戻しマルテンサイトと体積分率で
1〜25%の残留オーステナイトの混合組織からなる
鋼。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、原油、天然ガスな
どの油井用、ガス井用またはそれらの輸送用の鋼管など
の鋼材に好適な、耐食性、耐応力腐食割れ性および溶接
性に優れるとともに、さらに高温強度の高いマルテンサ
イト系ステンレス鋼に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、油田、ガス田はますます深度が増
し、またその雰囲気はCO 、Cl 、H Sな
どを含む厳しい腐食性の雰囲気になっており、さらに1
50〜200℃程度までの高温雰囲気になっている。こ
のような油田、ガス田の採掘用、および原油、天然ガス
などの輸送用の鋼材(以下、これらをまとめて「油井用
鋼材」と略記することがある)には、従来から、高価な
二相ステンレス鋼よりも、安価な13%Cr鋼をベース
とした鋼材が用いられており、その鋼材の耐食性、耐応
力腐食割れ性、溶接性、および高温強度等の特性の改善
が図られてきた。
【0003】特開平9−316611号公報および特開
平11−61347号公報には、耐食性および溶接性に
優れたラインパイプ用マルテンサイト系ステンレス鋼が
提案されている。その鋼は、13%Cr鋼をベースに、
CおよびNの含有量を下げるとともに、NiおよびMo
を含有させることにより、耐食性および溶接性を改善し
たというものである。さらに、NbおよびVを含有させ
ることにより、80〜150℃における高温強度の特性
が改善されるとしている。しかし、同公報に開示されて
いる鋼は、通常の焼入れ、焼戻し処理された鋼であるの
で、常温強度に対する100℃または150℃での強度
(降伏応力または引張強さ)の低下の度合いが大きい。
【0004】特開平10−130787号公報には、耐
応力腐食割れ性および高温引張り特性に優れた油井管用
マルテンサイト系ステンレス鋼が提案されている。この
鋼は13%Cr鋼をベースに、NbおよびVを含有させ
ることにより、高温引張り特性を改善したというもので
あるが、これも通常の焼入れ、焼戻し処理された鋼であ
る。従って、常温強度に対する前記高温強度の低下の度
合いが大きい。
【0005】前記のように、油井用鋼材には、200℃
程度まででの高温強度を要求されることが多くなってき
ているが、高温でも強度の低下が十分に小さい13Cr
系の鋼材は未だ開発されていない。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、原油、天然
ガスなどの油井用、ガス井用またはそれらの輸送用の鋼
管などの鋼材(油井用鋼材)として好適な、耐食性、耐
応力腐食割れ性および溶接性に優れるとともに、さらに
200℃程度まででの強度(以下、単に高温強度と記す
ことがある)も高い13Crマルテンサイト系ステンレ
ス鋼を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明の高温強度の高い
マルテンサイト系ステンレス鋼は、下記(1)の化学組
成と(2)の金属組織を特徴とするものである。 (1)化学組成(%は質量%である) C:0.001〜0.04%、Si:0.05〜1%、
Mn:0.05〜1.5%、Cr:10〜14%、N
i:1.5〜8%、Al:0.0005〜0.05%、
N:0.001〜0.07%、残部は実質的にFeで、
不純物としてのPが0.03%以下、同じくSが0.0
1%以下。
【0008】上記の成分の他に下記の(イ)〜(ハ)の
元素群の少なくとも1群の中から選んだ少なくとも1種
の成分を含むことができる。
【0009】(イ)それぞれ0.05〜3%のMoおよ
びCu、(ロ)それぞれ0.005〜0.5%のTi、
V、NbおよびZr、(ハ)それぞれ0.0002〜
0.005%のCa、Mg、REMおよびB。 (2)金属組織 実質的に焼戻しマルテンサイトおよび残留オーステナイ
トの混合組織からなり、残留オーステナイトの体積分率
が1〜25%。
【0010】上記の「実質的に焼戻しマルテンサイトお
よび残留オーステナイトの混合組織」とは、焼入れされ
たマルテンサイトが焼戻し処理されて、変態歪が緩和さ
れるとともに少量の炭化物、窒化物または炭窒化物が析
出した状態の焼戻しマルテンサイトと、冷却しても変態
のない安定な残留オーステナイトとが混合する金属組
織、または、さらに、これらの混合組織に少量の焼入れ
ままのマルテンサイトおよび/またはδフェライトが存
在する金属組織、のことを意味する。
【0011】このような残留オーステナイトの体積分率
は、例えば、X線回折法(B.D.CULLITY著、
松村源太郎訳、昭和60年アグネ社発行の「X線回折要
論」に記載される直接比較法)などにより求めることが
できる。
【0012】また、本発明で規定する「高温強度が高
い」とは、常温での強度に比べて150〜200℃程度
での高温強度の低下が少ないことを意味する。
【0013】
【発明の実施の形態】本発明者は、油井用鋼材として用
いられている13%Crマルテンサイト系ステンレス鋼
について、その高温強度の低下に及ぼす鋼材の化学組成
および金属組織の影響を詳しく検討した。その結果、金
属組織の影響が大きいことが明らかになり、とくに焼戻
しマルテンサイトと残留オーステナイトの混合組織に調
整し、かつ残留オーステナイトの体積分率を適正な範囲
とすることにより、高温強度の高いマルテンサイト系ス
テンレス鋼が得られることを確認した。しかも、このよ
うな組織の調整は、耐食性、耐応力腐食割れ性および溶
接性等の基本的な性質にはまったく悪い影響を及ぼさな
いことが判明した。
【0014】金属組織の調整によって高温強度を高くす
ることができるということは、高価な合金元素を含有さ
せなくても、またはその含有量を少なくしても、高温強
度の高い鋼材が得られることを意味する。これは、鋼材
価格を下げるという経済的効果の他に、コスト上昇を許
容して高価な元素を含有させる場合には、さらに、高温
強度の高い鋼が得られることを意味し、技術上の効果も
大きい。
【0015】ところで、油井用鋼材に関する最も権威あ
る国際的標準であるNACE Standard MR
0175−92によると、ASTM A487 Gra
deのCA6NM(13%Cr−4%Ni−0.8%M
o鋼)では、固溶化熱処理後に焼戻し処理を2回行うこ
とにより、たとえ残留オーステナイトが生成しても、そ
の残留オーステナイトをフェライトと炭化物に分解し、
残留オーステナイトを消失させる熱処理が推奨されてい
る。つまり、従来の油井用の13%Cr鋼では金属組織
中に残留オーステナイトを生成させないことが常識とな
っていた。
【0016】これに対して、本発明では金属組織を実質
的に焼戻しマルテンサイトおよび残留オーステナイトの
混合組織とし、残留オーステナイトを積極的に生成させ
る。したがって、従来の考え方とは根本的に相違する。
このような新しい着想を得た基礎試験について以下に説
明する。
【0017】[基礎試験]質量%で、C:0.008
%、Si:0.31%、Mn:0.42%、Cr:1
2.2%、Ni:6.3%、Mo:2.5%、Al:
0.003%、N:0.007%、残部:実質的にFe
よりなる鋼の180kgを真空溶解炉で溶製した後、鋳
造して鋼塊とした。この鋼塊を1200℃で20時間加
熱し、拡散によって鋼塊を均質化する、いわゆる拡散焼
きなましの熱処理を行った後、鍛伸して厚さ30mm、
幅70mmの鋼板を製造した。その後、この鋼板を11
50℃に加熱して圧延し、厚さ12mmの鋼板を製造し
た。
【0018】この厚さ12mmの鋼板を900℃で30
分間加熱し、固溶化熱処理を行った後に空冷して、鋼板
の金属組織をマルテンサイトとした。その後に、550
℃で10時間加熱した後に空冷する通常の焼戻し熱処
理、または、Ac 変態温度を超えて、Ac 変態
温度未満の温度域である610℃で1〜300分間加熱
した後に空冷する熱処理(以下、二相域熱処理と記す)
を施した。
【0019】このような熱処理をした鋼板から、厚さ2
mm、幅、長さ各20mmの鋼板サンプルを切り出し、
サンプル表層部を化学研磨して加工層を取り除いた後、
前述のX線回折法により残留オーステナイトを同定する
とともに、その残留オーステナイトの体積分率を求め
た。
【0020】また、得られた鋼板から、直径6mm、平
行部の長さ40mmの引張り試験片を採取し、常温、1
50℃および200℃の各温度に試験片を加熱して引張
試験を行った。表1に、焼戻し処理および二相域熱処理
の条件、残留オーステナイトの体積分率および引張試験
結果を示す。
【0021】
【表1】 表1に示すように、550℃で10時間加熱した後に空
冷する通常の焼戻し処理を行った試験片の金属組織に
は、残留オーステナイトが存在しなかった。一方、61
0℃で1〜300分間加熱した後に空冷する二相域熱処
理を行った試験片の金属組織は、残留オーステナイトが
体積分率で2〜30%存在する混合組織であった。
【0022】550℃で焼戻し処理を行った試験片で
は、150℃における降伏応力および引張強さは、常温
の降伏応力および引張強さの約90%程度まで低下し、
200℃における降伏応力および引張強さは、常温の降
伏応力および引張強さの86〜89%程度まで低下し
た。
【0023】一方、610℃で30分間の二相域熱処理
を行った試験片では、残留オーステナイトの体積分率は
12%であった。常温における降伏応力および引張強さ
は、550℃で10時間の焼戻し処理を行った試験片と
ほぼ同じレベルであり、150℃における降伏応力およ
び引張強さは、常温の降伏応力および引張強さの93〜
96%程度までしか低下せず、200℃における降伏応
力および引張強さは、常温の降伏応力および引張強さの
90〜95%程度までしか低下していない。
【0024】610℃で1分間、5分間、または120
分間の二相域熱処理を行った場合でも、610℃で30
分間の二相域熱処理を行った場合と、ほぼ同じ結果にな
っている。
【0025】また、610℃で300分間の二相域熱処
理を行った試験片では、残留オーステナイトの体積分率
は30%であった。常温における降伏応力は639MP
aであり、常温での降伏応力が低かった。
【0026】このように、13%Cr鋼をベースとする
マルテンサイト系ステンレス鋼では、高温での強度低下
を抑制するために添加されているNbおよび/またはV
を使用しなくても、鋼材の金属組織を固溶化熱処理後に
空冷してマルテンサイトとし、その後二相域熱処理し
て、焼戻しマルテンサイトと残留オーステナイトの混合
組織とすることにより、200℃程度まででの高温強度
の低下を抑制できることがわかった。その理由は、次の
ように考えられる。
【0027】金属組織が焼戻しマルテンサイトの単相で
あれば、150〜200℃程度の高温になると、強度
(降伏応力および引張強さ)が低下することは良く知ら
れている。また、金属組織がオーステナイトの単相の場
合も、同様に高温強度は低下する。
【0028】一方、焼戻しマルテンサイトに適正な体積
分率の残留オーステナイトが混合した金属組織とする
と、マルテンサイトとオーステナイトとの間で元素の相
分配が起こり、生成したオーステナイトにC、Nなどの
元素が濃縮する。そのような元素の濃縮したオーステナ
イトは安定化して残留オーステナイトとなる。C、Nな
どの元素が濃縮した残留オーステナイトでは、200℃
程度まででの高温では、歪み時効作用により、強度の低
下が抑制されるものと考えられる。
【0029】上記のような原理で、残留オーステナイト
の体積分率が1〜25%である本発明のマルテンサイト
系ステンレス鋼は、常温での強度に比べて200℃程度
まででの高温強度の低下が小さいのである。
【0030】本発明の鋼は、焼戻しマルテンサイトに適
正な体積分率の残留オーステナイトが混合した金属組織
とすることにより、上述の高い高温強度を得ているが、
このような金属組織の調整は、耐食性、耐応力腐食割れ
性および溶接性等の基本的な性質にはまったく悪い影響
を及ぼさない。これらの特性は、合金成分の総合的は作
用効果によってもたらされるのである。以下、まず、本
発明のマルテンサイト系ステンレス鋼の化学組成を前述
のとおりに定めた理由について説明する。
【0031】C:0.001〜0.04% Cは、オーステナイトに濃化して、オーステナイトを安
定化して未変態のままで残す効果があり、また、150
〜200℃程度まででの高温強度の低下を抑制する元素
である。その含有量が0.001%未満では、その効果
が少ない。一方、その含有量が0.04%を超えると、
鋼材の溶接時に溶接割れが発生しやすくなる。また、C
、H Sなどを含む腐食環境における耐食性、
耐応力腐食割れ性が劣化する。したがって、Cの含有量
は0.001〜0.04%とした。
【0032】Si:0.05〜1% Siは、脱酸剤として有効な元素である。しかし、その
含有量が0.05%未満では、脱酸時のAlの損失が大
きくなる。一方、Si含有量が1%を超えると靱性が低
下する。したがって、Siの含有量は0.05〜1%と
した。
【0033】Mn:0.05〜1.5% Mnは、鋼材の強度を高めるのに効果的な元素である。
また、オーステナイト生成元素であり、鋼材の焼入れ処
理時に、δフェライトの析出を抑制し、鋼材の金属組織
を安定してマルテンサイトとする効果のある元素であ
る。しかし、後者の効果については、その含有量が0.
05%未満では小さい。一方、Mnの含有量が1.5%
を超えると、靱性および耐食性が劣化する。したがっ
て、Mnの含有量は0.05〜1.5%とした。
【0034】Cr:10〜14% Crは、CO 、Cl 、H Sなどを含む厳し
い腐食環境における耐食性、耐応力腐食割れ性などを確
保するために重要な元素である。またCrは、適切な含
有量の範囲であれば、固溶化熱処理時の金属組織がオー
ステナイトであり、鋼材の焼入れ処理時に、金属組織を
安定してマルテンサイトとする効果のある元素である。
これらの目的のために、10%以上含有させる。一方、
14%を超えると金属組織にδフェライトが生成しやす
くなり、高温強度が劣化する。したがって、Crの含有
量は10〜14%とした。
【0035】Ni:1.5〜8% Niは、オーステナイト生成元素であり、鋼材の焼入れ
処理時に、δフェライトの析出を抑制し、鋼材の金属組
織を安定してマルテンサイトとする効果のある元素であ
る。さらに、NiはAc 変態温度を低下させて、オ
ーステナイトを安定化する元素である。これらの目的の
ために、1.5%以上含有させる。一方、8%を超える
と鋼材が高価になる。したがって、Niの含有量は1.
5〜8%とした。
【0036】Al:0.0005〜0.05% Alは、脱酸剤として有効な元素である。その目的のた
めに、0.0005%以上含有させる。一方その含有量
が0.05%を超えると鋼の靱性が劣化する。したがっ
て、Alの含有量は0.0005〜0.05%とした。
【0037】N:0.001〜0.07% Nは、オーステナイトに濃化して、オーステナイトを安
定化して焼入れ後も未変態のままで残す効果があり、ま
た、150〜200℃程度まででの高温強度の低下を抑
制元素である。その含有量が0.001%未満では、そ
の効果が少ない。一方、その含有量が0.07%を超え
ると、鋼材の溶接時に溶接割れが発生しやすくなり、ま
た、靱性が劣化する。したがって、Nの含有量は0.0
01〜0.07%とした。
【0038】P:0.03%以下 Pは、鋼中に不純物として含まれ、鋼の靱性に著しい悪
影響を及ぼすとともに、CO などを含む腐食環境に
おける耐食性を劣化させる。そのため、その含有は低け
れば低いほどよいが、0.03%までであればとくに問
題がないので、その上限を0.03%とした。
【0039】S:0.01%以下 Sは、上記のPと同様、鋼中に不純物として含まれ、鋼
の熱間加工性に著しい悪影響を及ぼす。従って、その含
有は低ければ低いほどよいが、0.01%までであれば
とくに問題はないので、その上限を0.01%とした。
【0040】Mo、Cu:これらの元素は、含有させな
くてもよいが、含有させると、いずれもCO、Cl
、H S含む腐食環境における耐食性、耐応力腐食
割れ性を向上させる元素である。その効果を得たい場合
には、いずれか一方を単独で、または両方を複合して含
有させることができ、その効果は、MoおよびCuとも
に0.05%以上で顕著になる。しかし、それぞれ3%
を超えるMoおよびCuは、その効果が飽和するととも
に、溶接熱影響部の靱性低下を招く。したがって、含有
させる場合の含有量は、Mo、Cuともに0.05〜3
%とするのがよい。
【0041】Ti、V、Nb、Zr:これらの元素も必
ずしも添加しなくてよいものである。しかし、いずれも
Sを含む腐食環境に対する耐応力腐食割れ性を向上
させるとともに、高温での強度を向上させる元素であ
る。その効果を得たい場合には、いずれか1種または2
種以上含有させることができる。その効果は、Ti、
V、NbおよびZrともに、それぞれ0.005%以上
で顕著になる。しかし、0.5%を超えるTi、V、N
bおよびZrは、鋼の靱性を劣化させる。したがって、
含有させる場合の含有量は、Ti、V、NbおよびZr
ともに、それぞれ0.005〜0.5%とするのがよ
い。
【0042】Ca、Mg、REM(希土類元素)、B:
これらの元素は、いずれも鋼の熱間加工性を向上させる
元素である。従って、鋼の熱間加工を特に改善した場合
に、いずれか1種または2種以上含有させることができ
る。その効果は、Ca、Mg、REMおよびBともに、
0.0002%以上で顕著になる。しかし、いずれも含
有量が0.005%を超えると、鋼の靱性を劣化させる
とともに、CO などを含む腐食環境における耐食性
を劣化させる。したがって、添加する場合の含有量は、
Ca、Mg、REMおよびBともに、それぞれ0.00
02〜0.005%とするのがよい。
【0043】次に、実質的に焼戻しマルテンサイトおよ
び残留オーステナイトの混合組織とし、残留オーステナ
イトの体積分率が1%〜25%である金属組織とする理
由について説明する。
【0044】上記の混合組織中の残留オーステナイトに
は、前述のとおりで、C、Nなどが濃縮し、150〜2
00℃程度までの温度域では、歪み時効作用により強度
の低下が抑制される。
【0045】残留オーステナイトの体積分率が1%未満
では、高温強度の低下を抑制する効果が小さい。一方、
残留オーステナイトの体積分率が25%を超えると、常
温での強度が低下する。
【0046】焼戻しマルテンサイトおよび残留オーステ
ナイトの混合組織の中に、焼入れままのマルテンサイト
および/またはδフェライトが存在すると、H Sな
どを含む腐食環境における耐応力腐食割れ性が劣化する
ので、金属組織中の焼入れままのマルテンサイトとδフ
ェライトの体積分率は、それぞれ5%以下とするのが望
ましい。
【0047】このような実質的に焼戻しマルテンサイト
と残留オーステナイトの混合組織で、残留オーステナイ
トの体積分率が1%〜25%である金属組織を得るた
め、たとえば、次の熱処理を行うのが望ましい。
【0048】すなわち、前述の化学組成に調整した鋼を
熱間加工により厚鋼板、鋼管などの形状とした後にAc
変態温度以上の温度領域でのオーステナイト単相の
状態から空冷して、金属組織をマルテンサイトとする
か、または、それら形状とした後に空冷したものを、再
加熱してAc 変態温度以上の温度領域でのオーステ
ナイト単相の状態とした後に、空冷してマルテンサイト
とする。その後、これらの鋼材をAc 変態温度を超
えてAc 変態温度未満の温度域に加熱して、その後
空冷する熱処理を行う。これらの熱処理における冷却
は、鋼材に変形、割れなどが発生しなければ、油冷、水
冷などでも構わない。本発明の化学組成の鋼のAc
変態温度は、その化学組成によって異なるが約600〜
700℃程度であり、またAc 変態温度は約750
〜850℃程度である。
【0049】
【実施例】表2に示す化学組成の鋼の各50kgを真空
溶解炉で溶製した後、鋳造して鋼塊とした。この鋼塊を
1250℃で2時間の拡散焼なまし処理を行った後、鍛
伸して厚さ30mm、幅120mmの鋼板を製造した。
その後、この鋼板を1200℃に加熱して圧延し、厚さ
12mmの鋼板を製造した。
【0050】この厚さ12mmの鋼板を900℃で30
分間加熱し、溶体化処理した後に空冷して、鋼板の金属
組織をマルテンサイトとした。その後に、種々の温度お
よび時間の条件で加熱した後に空冷する熱処理を施し、
残留オーステナイトの体積分率を変化させた鋼板を製造
した。表2に示す鋼のAc 変態温度は約600〜7
00℃程度であり、またAc 変態温度は約750〜
850℃程度である。
【0051】
【表2】 このような熱処理をした鋼板から、厚さ2mm、幅、長
さ各20mmの鋼板サンプルを切り出し、サンプル表層
部を化学研磨して加工層を取り除いた後、前述のX線回
折法により残留オーステナイトを同定するとともに、そ
の残留オーステナイトの体積分率を求めた。
【0052】一方、熱処理後の鋼板から、直径6mm、
平行部の長さ40mmの引張り試験片を採取し、常温お
よび200℃の各温度で引張試験を行った。
【0053】また、熱処理後の鋼板を用いて、JIS
Z 3158の「y形溶割れ試験方法」に規定される溶
接試験を行い、鋼板の溶接性の評価を行った。評価は、
溶接割れの発生しなかったものを「○」、溶接割れの発
生したものを「×」として、表3に示した。
【0054】さらに、熱処理後の鋼板から、厚さ2m
m、幅10mm、長さ30mmの試験片を切り出し、炭
酸ガス腐食試験を実施した。オートクレーブで3MPa
の炭酸ガスを飽和させた5%NaCl溶液中に、試験片
を175℃で200時間浸漬した。評価は、孔食の発生
しなかったものを「○」、孔食の発生したものを「×」
として、表3に示した。
【0055】さらに、熱処理後の鋼板から、厚さ2m
m、幅10mm、長さ75mmの4点曲げ試験用の試験
片を切り出し、降伏応力の60%の応力を付加し、その
試験片を1KPaの硫化水素ガスを飽和させた5%Na
Cl溶液中に、25℃で200時間浸漬した。評価は、
破断しなかったものを「○」、破断したものを「×」と
して、表3に示した。
【0056】
【表3】 表3に示すとおり、試験No.1〜22のいずれにおい
ても、鋼板の溶接性の評価、炭酸ガス腐食試験における
耐食性の評価、およびH Sを含む腐食環境に対する
耐応力腐食割れ性の評価は全て「○」で、各試験結果で
とくに差はなく、良好な結果であった。
【0057】本発明例の試験No.1では前記(イ)群
から(ハ)群までの任意添加元素を含まない鋼Aを用
い、焼戻しマルテンサイトと残留オーステナイトが混合
した金属組織で、かつ、残留オーステナイトの体積分率
が10%となるように熱処理を施した。200℃におけ
る降伏応力および引張強さは、常温での降伏応力および
引張強さの92%程度であり、200℃の高温強度は少
ししか低下していない。
【0058】一方、比較例の試験No.2では、同じ鋼
Aを用い、残留オーステナイトを含まない焼戻しマルテ
ンサイトのみの金属組織となるように熱処理を施した。
200℃における降伏応力および引張強さは、常温での
降伏応力および引張強さの87〜88%程度であり、2
00℃の高温強度は大きく低下した。
【0059】本発明例の試験No.3では、任意添加元
素のMoを含む鋼Bを用い、焼戻しマルテンサイトと残
留オーステナイトが混合した金属組織で、かつ、残留オ
ーステナイトの体積分率が9%となるように熱処理を施
した。200℃における降伏応力および引張強さは、常
温での降伏応力および引張強さの90〜93%程度であ
り、200℃の高温強度は少ししか低下しなかった。
【0060】一方、比較例の試験No.4では、同じ鋼
Bを用い、残留オーステナイトを含まない焼戻しマルテ
ンサイトのみの金属組織となるように熱処理を施した。
200℃における降伏応力および引張強さは、常温での
降伏応力および引張強さの85〜86%程度であり、2
00℃の高温強度は大きく低下した。
【0061】本発明例の試験No.5では、任意添加元
素のTiを含む鋼Cを用い、焼戻しマルテンサイトと残
留オーステナイトが混合した金属組織で、かつ、残留オ
ーステナイトの体積分率が20%となるように熱処理を
施した。200℃における降伏応力および引張強さは、
常温での降伏応力および引張強さの91〜94%程度で
あり、200℃の高温強度は少ししか低下しなかった。
【0062】一方、比較例の試験No.6では、同じ鋼
Cを用い、残留オーステナイトを含まない焼戻しマルテ
ンサイトのみの金属組織となるように熱処理を施した。
200℃における降伏応力および引張強さは、常温での
降伏応力および引張強さの85〜87%程度であり、2
00℃の高温強度は大きく低下した。
【0063】本発明例の試験No.7では、任意添加元
素のCaを含む鋼Dを用い、焼戻しマルテンサイトと残
留オーステナイトが混合した金属組織で、かつ、残留オ
ーステナイトの体積分率が11%となるように熱処理を
施した。200℃における降伏応力および引張強さは、
常温での降伏応力および引張強さの92〜93%程度で
あり、200℃の高温強度は少ししか低下しなかった。
また、熱間圧延した厚さ12mmの鋼板端部の表面性状
が、とくに良好な鋼板が得られた。
【0064】一方、比較例の試験No.8では、同じ鋼
Dを用い、残留オーステナイトを含まない焼戻しマルテ
ンサイトのみの金属組織となるように熱処理を施した。
200℃における降伏応力および引張強さは、常温での
降伏応力および引張強さの85〜86%程度であり、2
00℃の高温強度は大きく低下した。なお、熱間圧延し
た厚さ12mmの鋼板の表面性状は良好であった。
【0065】本発明例の試験No.9、No.11、N
o.13、No.15、No.17、No.19および
No.21では、任意添加元素を含む鋼E、鋼F、鋼
G、鋼H、鋼I、鋼Jまたは鋼Kを用い、焼戻しマルテ
ンサイトと残留オーステナイトが混合した金属組織で、
かつ、残留オーステナイトの体積分率が5〜24%とな
るように熱処理を施した。200℃における降伏応力お
よび引張強さは、常温での降伏応力および引張強さの9
0〜94%程度であり、200℃の高温強度は少ししか
低下しなかった。また、これら試験のうちで、Mgを含
有する試験No.13、REMを含有する試験No.1
5、Caを含有する試験No.17、Bを含有する試験
No.19、およびCaを含有する試験No.21で
は、熱間圧延した厚さ12mmの鋼板端部の表面性状
が、とくに良好な鋼板が得られた。
【0066】比較例の試験No.10、No.12、N
o.14、No.16、No.18、No.20および
No.22では、任意添加元素を含む鋼E、鋼F、鋼
G、鋼H、鋼I、鋼Jまたは鋼Kを用い、残留オーステ
ナイトを含まない焼戻しマルテンサイトのみの金属組織
となるように熱処理を施した。200℃における降伏応
力および引張強さは、常温での降伏応力および引張強さ
の85〜89%程度であり、200℃の高温強度は大き
く低下した。
【0067】
【発明の効果】本発明のマルテンサイト系ステンレス鋼
は、耐食性、耐応力腐食割れ性および溶接性に優れると
ともに、さらに高温においても強度の低下が小さい。従
って、この鋼は、原油、天然ガスなどの油井用、ガス井
用またはそれらの輸送用の鋼管などの鋼材にきわめて好
適である。

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】質量%で、C:0.001〜0.04%、
    Si:0.05〜1%、Mn:0.05〜1.5%、C
    r:10〜14%、Ni:1.5〜8%、Al:0.0
    005〜0.05%、N:0.001〜0.07%、残
    部:実質的にFeからなり、不純物としてのPが0.0
    3%以下、同じくSが0.01%以下であり、金属組織
    が実質的に焼戻しマルテンサイトおよび残留オーステナ
    イトの混合組織で、残留オーステナイトの体積分率が1
    〜25%である高温強度の高いマルテンサイト系ステン
    レス鋼。
  2. 【請求項2】質量%で、C:0.001〜0.04%、
    Si:0.05〜1%、Mn:0.05〜1.5%、C
    r:10〜14%、Ni:1.5〜8%、Al:0.0
    005〜0.05%、N:0.001〜0.07%、お
    よびそれぞれ0.05〜3%のMoとCuのうちの少な
    くとも一方、残部:実質的にFeからなり、不純物とし
    てのPが0.03%以下、同じくSが0.01%以下で
    あり、金属組織が実質的に焼戻しマルテンサイトおよび
    残留オーステナイトの混合組織で、残留オーステナイト
    の体積分率が1〜25%である高温強度の高いマルテン
    サイト系ステンレス鋼。
  3. 【請求項3】質量%で、C:0.001〜0.04%、
    Si:0.05〜1%、Mn:0.05〜1.5%、C
    r:10〜14%、Ni:1.5〜8%、Al:0.0
    005〜0.05%、N:0.001〜0.07%、お
    よびそれぞれ0.005〜0.5%のTi、V、Nbお
    よびZrの少なくとも1種、残部:実質的にFeからな
    り、不純物としてのPが0.03%以下、同じくSが
    0.01%以下であり、金属組織が実質的に焼戻しマル
    テンサイトおよび残留オーステナイトの混合組織で、残
    留オーステナイトの体積分率が1〜25%である高温強
    度の高いマルテンサイト系ステンレス鋼。
  4. 【請求項4】質量%で、C:0.001〜0.04%、
    Si:0.05〜1%、Mn:0.05〜1.5%、C
    r:10〜14%、Ni:1.5〜8%、Al:0.0
    005〜0.05%、N:0.001〜0.07%、そ
    れぞれ0.05〜3%のMoとCuのうちの少なくとも
    一方、ならびにそれぞれ0.005〜0.5%のTi、
    V、NbおよびZrの少なくとも1種、残部:実質的に
    Feからなり、不純物としてのPが0.03%以下、同
    じくSが0.01%以下であり、金属組織が実質的に焼
    戻しマルテンサイトおよび残留オーステナイトの混合組
    織で、残留オーステナイトの体積分率が1〜25%であ
    る高温強度の高いマルテンサイト系ステンレス鋼。
  5. 【請求項5】Feの一部に代えて、それぞれ0.000
    2〜0.005%のCa、Mg、REM、およびBの中
    の少なくとも1種を含む請求項1〜4のいずれかに記載
    の高温強度の高いマルテンサイト系ステンレス鋼。
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