JP5042553B2 - 耐すきま腐食性、成形性に優れたフェライト系ステンレス鋼 - Google Patents

耐すきま腐食性、成形性に優れたフェライト系ステンレス鋼 Download PDF

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本発明は、自動車、二輪車の排気系、燃料系や、給湯設備等、構造上すきま部が存在する機器、配管等において、優れた耐すきま腐食性と成形性が必要とされる部材に使用されるフェライト系ステンレス鋼に関する。
近年、フェライト系ステンレス鋼のもつ耐食性、加工性、コストパフォーマンスを利用して、さまざまな用途へ使用されるようになってきている。ステンレス鋼製の機器や配管部材の耐久性において、特に重要なのは、孔食、すきま腐食、応力腐食割れといった局部腐食であり、フェライト系ステンレス鋼においては、孔食、すきま腐食が重要である。溶接部、フランジ取り合い部など構造上すきまが存在する部材においては、特にすきま腐食が重要であり、すきま腐食に起因する孔あきにより、内部流体が漏洩することが問題となる。たとえば自動車の場合、燃料タンク、燃料給油管などの重要な部品に関して10年から15年に保証期間を延長する動きにあり、長期間にわたって信頼性を担保する必要が生じている。
こうしたすきま腐食により孔あきや、すきま腐食を起点とした応力腐食割れによる損傷を防止するために、特開2003−277992号公報(下記特許文献1)、特許3545759号公報(下記特許文献2)には、塗装や犠牲防食による対策が提示されている。
塗装の場合には、その前処理工程で溶剤等を使用するため環境対応への負荷が、犠牲防食の場合にはメンテナンスコストがかかる問題がある。そのため、塗装や犠牲防食に頼らずに無垢の材料で耐すきま腐食を担保することが望ましい。その一つとして、Cr、Moを多量に添加することで耐食性を向上させたフェライト系ステンレス鋼の適用が考えられるが、高Cr、高Moを含有する鋼種は成形性に劣る問題があるとともに、高価である。そのため、Moのように高価な元素を多量に添加することなく、耐食性と成形性が両立できるような材料が望まれていた。
また、特許2880906号公報(下記特許文献3)には、P添加によって耐食性を高め、CaおよびAlを適正量添加することにより清浄度向上および介在物形態等の制御を狙ったフェライト系ステンレス鋼が開示されており、Mo、Cu、Ni、Coなどの選択添加が併せて記載されている。しかし、Pは溶接性を劣化させるため溶接構造物を製造するときの阻害要因になると共に、製造性を低下させるためコストが上昇する。また、Pによる加工性低下を補うために適量のCaおよびAlを添加しているが、適正範囲が狭く製鋼コストが増大するため、かえって高価な材料となりフェライト系ステンレス鋼を使用するメリットが薄れる。
また、特開2005−89828号公報(下記特許文献4)には、Ni添加によって耐すきま腐食性を向上させたフェライト系ステンレス鋼が開示されており、耐すきま腐食性をさらに向上させることを目的としたMo、Cuの選択添加が併せて記載されている。Niは成形性を低下させるため、自動車の排気系、燃料系部品など高度な成形性が要求される部材に対しては成形が困難となる問題があった。
特開2003−277992号公報 特許3545759号公報 特許2880906号公報 特開2005−89828号公報
本発明は、前述のような従来技術の問題点を解決し、すきま部の耐孔あき性(耐すきま腐食性)と成形性に優れたフェライト系ステンレス鋼を提供することを課題とする。
本発明等は、前述の課題を解決すべく鋭意検討の結果、Niによって耐すきま腐食性を向上させつつ、Niによって低下する成形性を、Alの適正量添加とAl/Nb比を確保することによって優れたすきま部の耐孔あき性(耐すきま腐食性)と高度な成形性とを両立させたフェライト系ステンレス鋼を提供するものであり、その要旨とするところは、特許請求の範囲に記載した通りの下記内容である。
(1)質量%で、C:0.001〜 0.02%、N:0.001〜0.02%、Si:0.01〜1%、Mn:0.05〜1%、P:0.04%以下、S:0.01%以下、Ni:0.15〜3%、Cr:11〜22%、Mo:0.5〜3%、
Ti:0.01〜0.5%、Nb:0.08%未満、Al:0.1%を超え1%以下を含み、かつ、Cr、Ni、Mo、Alを下記(A)式および(B)式を満たす範囲で含み、残部がFeおよび不可避不純物からなることを特徴とする耐すきま腐食性、成形性に優れたフェライト系ステンレス鋼。
Cr+3Mo+6Ni≧23 ・・・(A)
Al/Nb≧10 ・・・(B)
(2)Cu:0.1~1.5%、V:0.02〜3.0%の1種または2種を下記(A)´式を満たす範囲で含むことを特徴とする請求項1に記載の耐すきま腐食性、成形性に優れたフェライト系ステンレス鋼。
Cr+3Mo+6(Ni+Cu+V)≧23 ・・・(A)'
(3)Ca:0.0002〜0.002%、Mg:0.0002〜0.002%、B:0.0002〜0.005%のいずれかを1種または2種以上含むことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の耐すきま腐食性、成形性に優れたフェライト系ステンレス鋼。
本発明によれば、優れたすきま部の耐孔あき性(耐すきま腐食性)と高度な成形性とを両立させたフェライト系ステンレス鋼を提供することができるため、自動車、二輪車の排気系、燃料系や、給湯設備等、構造上すきま部が存在しすきま腐食が問題となる部材に対し、本発明の耐すきま腐食性に優れたフェライト系ステンレス鋼を適用することで、耐孔あき性が向上するため部材の寿命延長に有効である。
特に、自動車の燃料タンク、燃料給油管などの長寿命を要求される重要部品の素材として適している。また、成形性も良好であるため、部材への加工が容易であると共に、製品が鋼管である場合の素材としても適している。
自動車、二輪車の排気系、燃料系や、給湯設備等、構造上すきま部が存在する機器、配管においては、すきま腐食に起因する孔あきがその部材の寿命を決定する重要な因子となる。本発明者らは、すきま腐食により孔あきに至るまでの過程を、すきま腐食が発生するまでの誘導期間と、すきま腐食発生後の成長の期間の2つに分けて、鋭意研究を進めた。
その結果、フェライト系ステンレス鋼は、特に後者の腐食成長の期間が短いことが、孔あきまでの期間を短くする大きな要因であり、すきま腐食の成長速度を抑制することが耐孔あき寿命を向上させる重要な因子であることが判明した。その中で、種々の合金元素の影響を評価したところ、Niがすきま腐食の成長速度抑制に最も有効であり、Cr+3Mo+6Niの値を23以上とすることで耐すきま腐食性が向上することを見出した。
図1に示す大小二枚の試験片を重ねて二点(図1中で○で示す部位)でスポット溶接した試験片を用いて、図2に示す試験条件で試験を行い、すきま部の最大侵食深さを求めた。結果を図3に示すが、Cr+3Mo+6Niの値を23以上とすることで最大すきま腐食深さが明確に低下していることがわかる。
一方、種々のフェライト系ステンレス鋼を溶製し、成形性に及ぼす成分の影響を検討した。その結果、Alを適量添加した場合に成形性が良好である場合があり、またAlとNbの比がある値を満足するときに成形性と耐リジング性の両方が優れた特性を示すことが判明した。(16〜19%)Cr−(0.8〜2.8%)Ni−1.0%Mo−0.2%Ti鋼を基本成分としてAlおよびNb量を変化させた鋼種を熱延、焼鈍、冷延、焼鈍により0.8mm厚みの鋼板を作製し、成形性および耐リジング性を評価した結果を図4に示す。なお成形性は後述する円筒深絞り成形試験における成形可否で、耐リジング性は円筒深絞り後の縦壁部に凹凸5μm以上の凹凸が存在するか否かで良不良を判断した。図より太い実線で囲んだ領域、すなわちAl量が0.1%〜1.0%であり、かつAl/Nbの値が10以上である場合に良好な成形性ならびに耐リジング性が得られることがわかる。このように成形性および耐リジング性の点から、Al量は最適な範囲があり、多すぎても少なすぎても両特性のどちらかが不良となること、またこれまでに着目されたことが無かったNbとAlの比が重要な指標であることをはじめて明らかにした。Al適量添加による成形性向上効果のメカニズムは明確ではないが、Alはフェライト生成元素であるため、高温でのオーステナイト相の生成を抑制し、その結果、成形性に有利なフェライト相の集合組織を形成するためと考えられる。また、Al/Nbを制御することで成形性ならびに耐リジング性が良好となる原因についても明確ではないが、NbとAlの固溶強化力、炭窒化物生成能、再結晶速度への影響などの差が関与していると考えられる。
本発明は、このような知見に基づいてなされたものである。以下に本発明で規定される化学組成についてさらに詳しく説明する。
C: 耐粒界腐食性、加工性を低下させるため、その含有量を低く抑える必要がある。しかしながら、過度に低めることは精練コストを上昇させるため、0.001〜0.02%とした。
N:耐孔食性に有用な元素であるが、耐粒界腐食性、加工性を低下させるため、その含有量を低く抑える必要がある。しかしながら、過度に低めることは精練コストを上昇させるため、0.001〜0.02%とした。
Si: 脱酸元素として有用であると共に、耐食性に有効な元素であるが、加工性を低下させるため、その含有量を0.01〜1%とした。望ましくは0.03〜0.3%である。
Mn:脱酸元素として有用であるが、過剰に含有させると耐食性を劣化させるので、0.05〜1%とした。望ましくは0.05〜0.5%である。
P: 溶接性、加工性を低下させるので、その含有量を低く抑える必要がある。しかし、過度に低めることは、原料コスト、精練コストを高める。そのため、Pの含有量は0.001〜0.04%が好ましい。
S: Sは、CaS、MnSといった溶解しやすい硫化物として存在すると、孔食あるいはすきま腐食の起点となりうる。そのため、0.01%以下とした。
Cr: 耐すきま腐食性を確保する上で基本となる元素であり、少なくとも11%以上必要である。含有量を増加させるほど耐すきま腐食性は向上するが、本発明で特に必要としている耐孔あき性において、すきま腐食発生後の進展速度を低減させる効果が大きくない。また、加工性、製造性を低下させるため、上限を22%とした。
望ましくは15〜22%である。
Ni:すきま部の耐孔あき性(耐すきま腐食性)において、すきま腐食発生後の進展速度を低減させるうえで、最も効果的な元素である。その効果を発現させるには少なくとも0.15%必要である。特にMoと複合させるとさらにその効果が高まる。含有量を増加させるほどその効果は高まるが、過剰に含有させると、応力腐食割れの感受性が増加すると共に、成形性を低下させる。また、コストアップ要因にもなるので上限を3%とした。望ましくは0.4〜3%である。
Mo:Moは特にすきま腐食の発生に対して効果的であること、Niとの組み合わせにより、すきま腐食発生後の進展速度抑制効果がより大きくなることで、すきま部の耐孔あき性(耐すきま腐食性)を向上させることができる。そのため、0.5%以上含有させることが必要となる。しかしながら、過剰の添加は、加工性を劣化させると共に、高価であるためコストアップにつながる。したがって、0.5〜3%とした。望ましくは0.5〜2.5%である。
Ti:C、Nを固定し、溶接部の耐粒界腐食性、加工性を向上させる上で有用な元素であり、少なくとも0.01%以上必要である。ここで、Tiは(C+N)の和の4倍以上含有させることが望ましい。しかしながら過剰の添加は、製造時の表面疵の原因となり、製造性を劣化させるため、上限を0.5%とした。望ましくは0.03〜0.3%である。
Nb:通常はC、Nを固定する元素としてTiと同様に扱われることが多い。本発明においては多量の添加は成形性並びに耐リシ゛ンク゛性を劣化させる。また後述のごとくAl/Nbの比を規定することが極めて重要であり、多量のNbを添加することはAl添加量の増加を招くため、上限を0.08%とした。原料コストの大幅な増加をもたらさずに製造するためには0.01%以下とすることが望ましい。なお、通常の量産製造工程においては、不可避不純物として0.001〜0.005%程度含まれることが多い。
Al:Alは脱酸効果等精練上有用な元素であることは知られており、数十ppm程度含有させることがある。本発明においては、さらにAl添加量を増加させたときに冷延鋼板の成形性が顕著に向上し、0.1%を超えて含有させた場合にその効果が認められた。しかしがながら過剰の添加は、逆に成形性を低下させるとともに、靭性を低下させるとので1%以下とした。望ましくは0.1%を超え0.5%以下である。Al添加による成形性向上効果のメカニズムは明確ではないが、Alはフェライト生成元素であるため、高温でのオーステナイト相の生成を抑制し、その結果、成形性に有利なフェライト相の集合組織を形成するためと考えられる。
Al/Nb:本発明者によってはじめて明らかになった指標であり、この値が10以上である場合に良好な成形性ならびに耐リジング性が得られる。この値はNb無添加の場合に極めて大きくなるので、上限は特に規定しない。Al/Nbを制御することで成形性ならびに耐リジング性が良好となる原因については明確ではないが、NbとAlの固溶強化力、炭窒化物生成能、再結晶速度への影響などの差が関与していると考えられる。
Cu:耐すきま腐食性を確保する上で、必要に応じて含有させることができる。Cuは、Niとの組み合わせにより、すきま腐食発生後の進展速度抑制効果がより大きくなることで、すきま部の耐孔あき性(耐すきま腐食性)を向上させることができる。そのため、含有させる場合には0.1%以上含有させることが望ましい。しかしながら、過剰の添加は、加工性を劣化させると共に、高価であるためコストアップにつながる。したがって、含有させる場合には0.1〜1.5%とするのが望ましい。
V: 耐すきま腐食性をさらに向上させる目的で、必要に応じて含有させることができる。Vは、Moと同様特にすきま腐食の発生に対して効果的であるが、過剰の添加はコストアップ要因となるので、0.02〜3.0%とした。
また、耐すきま腐食性をさらに向上させるためには、Cu、Vの1種または2種を下記(A)´式を満たす範囲で含むことが好ましい。
Cr+3Mo+6(Ni+Cu+V)≧23 ・・・(A)´
Ca:Caは、Alと同様脱酸効果等精練上有用な元素であり、必要に応じて0.0002〜0.002%の範囲で含有させることが望ましい。
Mg:Al、Caと同様脱酸効果等精練上有用な元素であり、また、組織を微細化し、加工性、靭性の向上にも有用であることから、必要に応じてMg:0.0002〜0.002%の範囲で含有させることが望ましい。
B:Bは2次加工性を向上させるのに有用な元素であり、必要に応じて含有させることができる。しかしながら過剰に含有させると、1次加工性を低下させるので、0.0002〜0.005%とした。
表1に示す化学組成を有する鋼を溶製し、熱延、冷延、焼鈍工程を経て、板厚1.0mmの鋼板を製造した。この冷延鋼板を用いて耐すきま腐食性、成形性、耐リジング性を評価した。
(耐すきま腐食性)
冷延鋼板より、幅60mm、長さ130mmと幅30mm、長さ60mmの試験片を切り出した後、エメリー紙にて#320まで湿式研磨を施した。その後、図1に示すような形状にスポット溶接を施し、幅60mm、長さ130mmの端面と裏面をシールテープにより被覆した。
この試験片を用いて、図2に示す条件にて乾湿繰り返し試験を行った。 180サイクル完了後、大小試験片を分離した。その後、腐食生成物を除去して、スポット溶接隙間部の侵食深さを光学顕微鏡焦点深度法により測定した。なお、ここに定めた試験条件以外については、自動車技術者協会規格の自動車用材料腐食試験方法であるJASO M609-91に規定される条件に準じた。10点以上測定した侵食深さの中から最大値を求め、その最大値が800μmを下回るものを○、800μm以下を超えるものを×とした。本発明で対象としているステンレス鋼の板厚は0.8〜2.0mmが主体であり、最も薄い板厚を基準とした。
(成形性)
成形性については円筒深絞り試験で評価した。成形条件は、ポンチ径:Φ50mm、ポンチ肩R:5mm、ダイス肩R:5mm、ブランク径:Φ100mm、しわ押さえ力:1トン、摩擦係数:0.11〜0.13とした。なお、この摩擦係数は、40℃で動粘度1200mm2/secの潤滑油を鋼板の表裏面に塗布することで得られるレベルである。上記条件で成形限界絞り比:2.20の深絞り成形ができるかどうかをもって成形性を評価した。すなわち成形できれば○、途中で成形割れが生じた場合は×とした。
(耐リジング性)
耐リジング性については、冷延鋼板より圧延方向と平行方向に引張試験片を採取し、15%引張後に圧延方向と垂直方向の表面凹凸(うねり)を2次元粗度計にて測定した。凹凸の最大高さを持ってリジング高さと定義した。リジング高さが15μm未満である場合には○とし、15μm以上である場合は×とした。
これらの試験結果を表2に示す。
本発明範囲内にあるNo.1〜No.13の鋼は、耐すきま腐食性が良好であると共に、成形性、耐リジング性が良好である。Ni範囲と(A)式の値が本発明範囲から外れるNo.14、Mo範囲と(A)式の範囲が本発明範囲から外れるNo.15は耐すきま腐食性に劣る。また、Al範囲と(B)式の範囲が本発明から外れるNo.16は、耐リジング性に劣る。Nb範囲と(B)式の範囲が本発明から外れるNo.17は、成形性、耐リジング性共に劣る。
以上の実施例により、本発明の効果が確認された。
Figure 0005042553
Figure 0005042553
本発明のすきま部の耐孔あき性(耐すきま腐食性)と成形性に優れたフェライト系ステンレス鋼は、自動車、二輪車の排気系、燃料系や、給湯設備等、構造上すきま部が存在し優れた耐すきま腐食性と成形性が要求される部材として有用である。特に、自動車用の燃料タンク、燃料給油管などの長寿命を要求される重要部品に適している。
試験片形状を示した図である。 CCT試験条件を示した図である。 (A)式と最大侵食深さの関係を示した図である。 成形性と耐リジング性の評価結果を示した図である。

Claims (3)

  1. 質量%で、
    C:0.001〜 0.02%、
    N:0.001〜0.02%、
    Si:0.01〜1%、
    Mn:0.05〜1%、
    P:0.04%以下、
    S:0.01%以下、
    Ni:0.15〜3%、
    Cr:11〜22%、
    Mo:0.5〜3%、
    Ti:0.01〜0.5%、
    Nb:0.08%未満、
    Al:0.1%を超え1%以下を含み、かつ、
    Cr、Ni、Mo、Alを下記(A)式および(B)式を満たす範囲で含み、残部がFeおよび不可避不純物からなることを特徴とする耐すきま腐食性、成形性に優れたフェライト系ステンレス鋼。
    Cr+3Mo+6Ni≧23 ・・・(A)
    Al/Nb≧10 ・・・(B)
  2. Cu:0.1~1.5%、V:0.02〜3.0%の1種または2種を下記(A)´式を満たす範囲で含むことを特徴とする請求項1に記載の耐すきま腐食性、成形性に優れたフェライト系ステンレス鋼。
    Cr+3Mo+6(Ni+Cu+V)≧23 ・・・(A)´
  3. Ca:0.0002〜0.002%、Mg:0.0002〜0.002%、B:0.0002〜0.005%のいずれかを1種または2種以上含むことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の耐すきま腐食性、成形性に優れたフェライト系ステンレス鋼。
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