JP4940970B2 - 厚肉13Cr系ステンレス鋼管の製造方法 - Google Patents

厚肉13Cr系ステンレス鋼管の製造方法 Download PDF

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本発明は、原油あるいは天然ガスの油井、ガス井に使用される油井用13Crマルテンサイト系ステンレス鋼管に係り、とくに、厚肉継目無鋼管を安定して製造する方法に関する。
近年、原油価格の高騰や、近い将来に予想される石油資源の枯渇化に対処するために、掘削技術の発達は目覚しく、従来、省みられなかったような深層油田や、一旦は開発が放棄されていた腐食性の強いガスを伴うような油田に対する開発が、世界的規模で盛んになっている。このような油田は一般に深度が極めて深いため、その雰囲気は高温、高圧でかつ、腐食性ガスを随伴する厳しい環境となっている。このような油田の増加に伴い、油井用鋼管として、とくに耐食性に優れる鋼管が要望されている。
このような耐食性に優れた鋼管は、とくに油井において中央に配置され、内側を生産流体(原油)が流れるチュービング、および該チュービングの外側に配置される、プロダクションケーシングとして、使用されることになる。とくに、ケーシングは、地層の圧力に抗し、抗壁の崩壊を防止することが主たる役割であり、一般により高強度で、厚肉の鋼管が使用されている。
また、近年、ロシアやカナダなどの寒冷地における油田開発も活発になっており、使用される油井用鋼管にはさらに優れた低温靭性を保持することが要求されている。
このようなことから、とくにプロダクションケーシング用として、耐食性に優れ、高強度でかつ高靭性の厚肉鋼管が要望されている。
1980年代から、CO2等を含む環境下の油田、ガス田では、油井用鋼管として、耐CO2腐食性に優れた13%Crマルテンサイト系ステンレス鋼管が使用されてきた。しかし、通常の13%Crマルテンサイト系ステンレス鋼管は、耐CO2腐食性に優れるものの、低温靭性が低く、寒冷地での使用が制限されていた。
このような問題に対し、例えば、特許文献1には、C:0.15 〜0.22%を含み、Si、Mn、S、Al、Nを適正範囲に調整し、Pを0.008%以下に低減し、さらにB:0.0005〜0.02%を添加し、Cr:11〜14%を含有する低温靭性に優れた高強度マルテンサイト系ステンレス鋼管が提案されている。特許文献1に記載された技術は、オーステナイト化温度を950℃以下の低温とする熱処理を施すことにより結晶粒を微細化し、降伏応力:650MPa以上の高強度を有し、かつ優れた低温靭性を有する鋼管が得られるとしている。
特開2001-323339号公報
13%Crマルテンサイト系ステンレス鋼は、焼入れ性が高く、オーステナイト化後空冷しても、マルテンサイト組織(焼入れ組織)を得ることができる。しかし、特許文献1に記載された技術におけるようにオーステナイト化温度を低温とすると、とくに肉厚が10mm以上の厚肉鋼管では、極端な強度低下を生ずる場合があり、再熱処理等の工程を必要とするため、生産性が大きく阻害されるという問題があった。
本発明は、上記した従来技術の問題を解決し、安定して所望の強度を確保できかつ高靭性を有する、肉厚が10mm以上の厚肉13Crマルテンサイト系ステンレス継目無鋼管の製造方法を提案することを目的とする。なお、ここでいう「高靭性」とは、シャルピー衝撃試験の試験温度:−20℃における吸収エネルギーvE−20が50J以上である場合をいうものとする。
本発明者らは、上記した目的を達成するために、13Crマルテンサイト系ステンレス鋼管の機械的特性に及ぼす焼入れ条件の影響について、鋭意検討した。
まず、本発明者らが行った実験結果について説明する。
表1に示す組成の、圧延まま13Crマルテンサイト系ステンレス鋼管(外径φ87mm×肉厚14.8mm)を用意した。これら鋼管から、試験片(φ4mm×10mm)を採取し、該試験片に900〜1000℃の範囲の各温度に加熱(保持:5min)したのち、肉厚8mm〜30mmの鋼管の放冷時に相当する冷却(冷却停止温度:50℃以下)を施し、冷却中の熱膨張変化を測定するとともに、冷却完了後、硬さ(ビッカース硬さHV:試験力:98N)を測定した。なお、放冷時の冷却は、伝熱計算により求めた冷却曲線をもとにした。
Figure 0004940970
得られた結果を、加熱温度Tと冷却速度CRとの関係で図1に示す。○印または□印中の数字は冷却後の試験片の硬さHVである。なお、冷却中の熱膨張変化でフェライト変態が明瞭に認められた場合を□印で示している。○印はフェライト変態が認められない場合である。図1から、13Crマルテンサイト系ステンレス鋼管においては、フェライト変態が生じると、強度の急激な低下が生じるため、安定して所望の強度を確保するためには、加熱温度Tと冷却速度CRとの関係は、次(1)式
T ≧ −2.5CR+1015 ……(1)
(ここで、T:焼入れ加熱温度(℃)、CR:700〜600℃の平均冷却速度(℃/min))
を満足する必要があることを見いだした。焼入れ時の冷却速度CRは鋼管の肉厚でほぼ決定されるため、肉厚に応じて焼入れ加熱温度を上記した(1)式を満足するように調整すれば、フェライトの生成による極端な強度低下を生じることなく、安定して所望の強度を有する厚肉鋼管の製造が可能となることを新規に見いだした。
なお、所望の強度とは、米国石油協会(API)企画の5CT、L80級、すなわち降伏強さ80ksi(551MPa)級、あるいはそれ以上の強度レベルを前提とする。
この発明は、上記した知見に基づき、さらに検討を加えて完成されたものである。すなわち、この発明の要旨は次のとおりである。
(1)mass%で、C:0.15〜0.22%、Si:1.0%以下、Mn:1.0%以下、P:0.020%以下、S:0.010%以下、Cr:12〜14%、を含有し、残部Feおよび不可避的不純物からなる組成を有する継目無鋼管に、930℃以上1000℃以下の温度に加熱し、放冷の冷却速度CRで100℃以下の温度まで冷却する焼入れ処理を施し、ついでAc変態点以下の温度に加熱する焼戻処理を施すに当り、前記焼入れ処理の加熱温度Tと前記冷却速度CRとの関係が次(1)式
T ≧−2.5CR+1015 …(1)
(ここで、T:加熱温度(℃)、CR:700〜600℃の平均冷却速度(℃/min))
を満足するように調整することを特徴とする肉厚が10mm以上の厚肉13Crマルテンサイト系ステンレス継目無鋼管の製造方法。
(2)(1)において、前記組成に加えてさらに、mass%で、Cu:0.25%以下、Ni:0.5%以下のうちの1種または2種を含有する組成とすることを特徴とする厚肉13Crマルテンサイト系ステンレス継目無鋼管の製造方法。
(3)(1)または(2)において、前記組成に加えてさらに、mass%で、V:0.10%以下、Nb:0.10%以下のうちの1種または2種を含有する組成とすることを特徴とする厚肉13Crマルテンサイト系ステンレス継目無鋼管の製造方法。
本発明によれば、生産性を阻害することなく容易に、安定して降伏強さ:551MPa(80ksi)級あるいはそれ以上の強度を確保でき、かつ高靭性をも合わせ有する厚肉13Crマルテンサイト系ステンレス継目無鋼管を製造でき、産業上格段の効果を奏する。
本発明で使用する13Crマルテンサイト系ステンレス継目無鋼管の製造方法は、とくに限定する必要はないが、つぎのような工程で製造することが好ましい。下記に示す組成の溶鋼を、転炉、電気炉、真空溶解炉等の通常公知の溶製方法で溶製し、連続鋳造法、造塊−分塊圧延法等、通常の方法でビレット等の鋼管素材とすることが好ましい。ついで、これら鋼管素材を加熱し、通常のマンネスマン−プラグミル方式、あるいはマンネスマン−マンドレルミル方式の製造工程を用いて熱間加工し造管して、所望寸法の継目無鋼管とする。造管後、継目無鋼管は、空冷以上の冷却速度で室温まで冷却することが好ましい。これにより、鋼管の組織を、マルテンサイト相をベース相とする組織とすることができる。なお、プレス方式による熱間押出で継目無鋼管を製造してもよい。
まず、本発明で使用する13Crマルテンサイト系ステンレス継目無鋼管の組成限定理由について説明する。以下、とくに断らない限りmass%は、単に%と記す。
C:0.15〜0.22%
Cは、マルテンサイト系ステンレス鋼の強度に関係する重要な元素であり、所望の強度、および優れた熱間加工性を確保するためには、本発明では0.15%以上の含有を必要とする。一方、0.22%を超える含有は、靭性を低下させるとともに、焼割れ、置割れ等に対する感受性が増大する。このため、Cは0.15〜0.22%の範囲に限定した。なお、好ましくは0.18〜0.21%である。
Si:1.0%以下
Siは、通常の製鋼過程において脱酸剤として作用する元素であり、0.01%以上含有させることが望ましいが、1.0%を超えて含有すると、δ−フェライトが多量に生成し所望の強度を確保できにくくなり、さらに熱間加工性も低下する。このために、Siは1.0%以下に限定した。なお、好ましくは0.05〜0.5%である。
Mn:1.0%以下
Mnは、オーステナイト形成元素であり、δ−フェライトの生成を抑制し、熱間加工性を向上させる効果を有する元素であり、0.1%以上含有することが望ましい。一方、1.0%を超える含有は、靭性に悪影響を及ぼす。このため、Mnは1.0%以下に限定した。なお、好ましくは0.2〜0.8%である。
P:0.020%以下
Pは、偏析しやすい元素であり、特に継目無鋼管素材の中心偏析部に濃化すると熱間加工性を著しく低下させ、継目無鋼管の製造に大きな支障をもたらすとともに、靭性、耐食性を低下させるため、可及的に低減することが望ましいが、極端な低減は製造コストの上昇を招く。工業的に比較的安価に実施可能でかつ熱間加工性、靭性、耐食性を劣化させない範囲として、Pは0.020%以下に限定した。なお、好ましくは0.015%以下である。
S:0.010%以下
Sは、パイプ製造過程において熱間加工性を著しく劣化させる元素であり、可及的に少ないことが望ましいが、0.010%以下に低減すれば通常工程でのパイプ製造が可能となることから、Sは0.010%以下に限定した。なお、好ましくは0.003%以下である。
Cr:12〜14%
Crは、保護被膜を形成して耐食性を向上させる元素である。このような効果を得るためには、12%以上の含有を必要とする。一方、Crはフェライト形成元素であるため、14%を超えて含有すると、δ−フェライトの生成が著しくなり、熱間加工性が低下し、さらには所望の強度を確保することが難しくなる。このため、Crは12〜14%の範囲に限定した。なお、好ましくは12.5〜13.5%である。
上記した成分が基本の成分であるが、これら基本の組成に加えてさらに、Cu:0.25%以下、Ni:0.5%以下のうちの1種または2種、および/または、V:0.10%以下、Nb:0.10%以下のうちの1種または2種を選択して含有することができる。
Cu:0.25%以下、Ni:0.5%以下のうちの1種または2種
Cu、Niはいずれも、保護皮膜を強固にして耐食性を向上させる元素であり、必要に応じて選択して含有できる。
このような効果を得るためには、Cu:0.1%以上、Ni:0.1%以上含有することが好ましい。一方、Cu:0.25%を超える含有は、熱間加工性が低下し、また、Ni:0.5%を超える含有は、Ac1変態点が低下し、焼戻に長時間を要するため、効率的な強度調整が困難となる。このため、含有する場合には、Cu:0.25%以下、Ni:0.5%以下にそれぞれ限定することが好ましい。
V:0.10%以下、Nb:0.10%以下のうちの1種または2種
V、Nbはいずれも、強度を上昇させる作用を有する元素であり、必要に応じて選択して含有できる。このような効果を得るためには、V:0.01%以上、Nb:0.005%以上含有することが望ましいが、V:0.10%、Nb:0.10%を超える含有は、靱性が低下する。このため、含有する場合には、V:0.10%以下、Nb:0.10%以下にそれぞれ限定することが好ましい。
上記した成分以外の残部は、Feおよび不可避的不純物からなる。なお、不可避的不純物としてはN:0.04%以下、O:0.01%以下が許容できる。
本発明では、上記した組成を有する継目無鋼管に、930℃以上1000℃以下の温度T(℃)に加熱し、放冷の冷却速度CR(℃/min)で100℃以下の温度、好ましくは室温まで冷却する焼入れ処理を施す。
本発明では、焼入れ処理における加熱温度Tは、930℃以上1000℃以下でかつ、冷却速度CRとの関係で次(1)式
T ≧−2.5CR+1015 …(1)
(ここで、T:加熱温度(℃)、CR:700〜600℃の平均冷却速度(℃/min))
を満足するように調整する。
焼入れ処理の加熱温度Tが930℃未満では、オーステナイト単相域に加熱したとしても冷却に際しフェライトが生成しやすく、焼入れ後の組織を所望のマルテンサイト組織とすることができなくなる。また、焼入れ処理の加熱温度Tが、前記(1)式を満足しない場合には、焼入れ処理の冷却に際し、フェライトが生成し、強度の顕著な低下を伴う。このため、焼入れ処理における加熱温度Tを、930℃以上でかつ、冷却速度CRとの関係で前記(1)式を満足するように調整するものとした。なお、焼入れ処理の加熱温度Tは、結晶粒の粗大化し、高靭性を確保する観点から1050℃以下とすることが好ましい。なお、より好ましくは1000℃以下である。
また、加熱温度Tに加熱したのちの冷却は、放冷の冷却速度CRで冷却(焼入れ)する。ここで、使用する冷却速度CRは、鋼管の肉厚に依存し、管内面での700〜600℃の平均冷却速度を用いるものとする。なお、冷却は、100℃以下の温度まで、好ましくは室温まで行う。冷却の停止温度が100℃を超える温度では、所望のマルテンサイト組織が得られず、所望の強度を確保できなくなる場合がある。
なお、焼入れ処理における加熱温度Tは、前記した(1)式を満足するように、冷却速度の支配因子である肉厚に応じて選定しても良
焼入れ処理を施された継目無鋼管は、ついで、Ac1変態点以下の温度に加熱する焼戻処理を施される。この焼戻処理により、所望の強度とさらには所望の高靭性、所望の優れた耐食性を有する継目無鋼管となる。焼戻処理の加熱温度がAc1変態点を超える高温では、オーステナイトが生成し、冷却時にマルテンサイトに変態するため、靭性が低下するとともに所望の強度に調整することが難しくなる。また、焼戻処理の加熱温度は600℃以上とすることが好ましい。焼戻処理の加熱温度が600℃未満では、所望の高靭性を確保できなくなる。
表2に示す組成の鋼管素材を、1250℃に加熱したのち、マンネスマン・プラグミル方式、あるいはモデル継目無鋼管圧延機による熱間加工により継目無鋼管に造管し、造管後空冷し、表3に示す外径(mm)×肉厚(mm)の継目無鋼管とした。
得られた継目無鋼管から、試験片素材を切り出し、表3に示す加熱条件で加熱したのち、表3に示す冷却条件で冷却する焼入れ処理を施した。さらに表3に示す条件で焼戻する焼戻処理を施した。なお、焼戻処理後、放冷した。
なお、焼入れ処理後の試験片素材から、硬さ試験片(大きさ:肉厚×10mm幅×10mm長さ)を採取し、管軸方向に垂直な断面を研磨し、ビッカース硬度計(試験力:98N)を用いて、JIS Z 2244の規定に準拠して、ビッカース硬さHVを測定した。測定点は、肉厚中央で3点とし、それらを算術平均してその鋼管の焼入れ後硬さとした。
また、焼入れ処理−焼戻処理後の試験片素材から、JIS Z 2201の規定に準拠して、管軸方向に引張方向が一致するようにJIS 12号引張試験片を採取し、JIS Z 2241の規定に準拠して引張試験を実施し、降伏強さYS、引張強さTS、および伸びElを測定し、さらに降伏比YRを算出した。
また、焼入れ処理−焼戻処理後の試験片素材から、JIS Z 2242の規定に準拠して、試験片の長さ方向が管軸方向に一致するようにVノッチ試験片を採取し、−20℃でシャルピー衝撃試験を実施し、−20℃における吸収エネルギー(J)を求め、靭性を評価した。なお、各3本ずつ行い、それらの算術平均をその鋼管の−20℃における吸収エネルギーvE−20(J)とした。
さらに、焼入れ処理−焼戻処理後の試験片素材から、厚さ3mm×幅30mm×長さ40mmの腐食試験片を機械加工によって作製し、腐食試験を実施した。
腐食試験は、オートクレーブ中に保持された試験液:20%NaCl水溶液(液温:80℃、30気圧のCO2ガス雰囲気)中に、腐食試験片を浸漬し、浸漬期間を2週間として実施した。腐食試験後の試験片について、重量を測定し、腐食試験前後の重量減から計算した腐食速度を求めた。
得られた結果を表4に示す。
Figure 0004940970
Figure 0004940970
Figure 0004940970
本発明例はいずれも、10mm厚を超える厚肉の鋼管であるにもかかわらず、降伏強さYS: 551MPa以上の高強度と、vE−20:50J以上の高靭性とを安定して確保でき、しかも腐食量も少なく、油井用として好適な優れた耐食性を有している鋼管となっている。一方、本発明の範囲を外れる比較例は、顕著な強度低下が見られ、所望のYS:551MPa以上を確保できなかった。
ビッカース硬さHVに及ぼす焼入れ処理の加熱温度Tと冷却速度CRの関係を示すグラフである。

Claims (3)

  1. mass%で、
    C:0.15〜0.22%、 Si:1.0%以下、
    Mn:1.0%以下、 P:0.020%以下、
    S:0.010%以下、 Cr:12〜14%、
    を含有し、残部Feおよび不可避的不純物からなる組成を有する鋼管に、930℃以上1000℃以下の温度に加熱し、放冷の冷却速度CRで100℃以下の温度まで冷却する焼入れ処理を施し、ついでAc1変態点以下の温度に加熱する焼戻処理を施すに当り、前記焼入れ処理の加熱温度Tと前記冷却速度CRとの関係が下記(1)式を満足するように調整することを特徴とする肉厚が10mm以上の厚肉13Crマルテンサイト系ステンレス鋼管の製造方法。

    T ≧ −2.5CR+1015 …(1)
    ここで、T:加熱温度(℃)、CR:700〜600℃の平均冷却速度(℃/min)
  2. 前記組成に加えてさらに、mass%で、Cu:0.25%以下、Ni:0.5%以下のうちの1種または2種を含有する組成とすることを特徴とする請求項1に記載の厚肉13Crマルテンサイト系ステンレス鋼管の製造方法。
  3. 前記組成に加えてさらに、mass%で、V:0.10%以下、Nb:0.10%以下のうちの1種または2種を含有する組成とすることを特徴とする請求項1または2に記載の厚肉13Crマルテンサイト系ステンレス鋼管の製造方法。
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