JP2002060910A - 高Cr溶接鋼管 - Google Patents

高Cr溶接鋼管

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JP2002060910A
JP2002060910A JP2000244148A JP2000244148A JP2002060910A JP 2002060910 A JP2002060910 A JP 2002060910A JP 2000244148 A JP2000244148 A JP 2000244148A JP 2000244148 A JP2000244148 A JP 2000244148A JP 2002060910 A JP2002060910 A JP 2002060910A
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Takahiro Kushida
隆弘 櫛田
Kazuhiro Ogawa
和博 小川
Masahiko Hamada
昌彦 濱田
Tomohiko Omura
朋彦 大村
Kunio Kondo
邦夫 近藤
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Nippon Steel Corp
Original Assignee
Sumitomo Metal Industries Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】降伏強さが551MPa以上で、しかも耐食性および
加工性に優れる高Cr溶接鋼管を提供する。 【解決手段】本発明の溶接鋼管は、母材が、C≦0.05
%、Si:0.05〜1%、Mn:0.05〜2%、P≦0.025%、S≦
0.01%、Cr:15〜20%、Ni:4〜7%、Mo:1.5〜4%、A
l:0.001〜0.1%、Ti≦0.015%、N≦0.02%、残:Fe
で、降伏強さが551MPa以上、降伏比85%以下、組織がマ
ルテンサイト相を主とするフェライト相との2相組織
鋼、溶接金属が、C≦0.05%、Si:0.05〜1%、Mn:0.05
〜2%、P≦0.025%、S≦0.01%、Cr:11〜18%、Ni:5
〜10%、Mo:1.5〜4%、Al:0.001〜0.1%、Ti:0.002
〜0.03%、N≦0.05%、O≦0.065%、残部:Feで、Cr、N
iおよびMoの関係が式「−1≦Cr+Mo−1.7×Ni≦13−220
×O」と式「25≦Cr+Mo+1.8×Ni≦30」を満足し、組織
がマルテンサイト相を主とするオーステナイト相との2
相組織である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、高Cr溶接鋼管に
関し、より詳しくは、耐炭酸ガス腐食性および耐硫化物
応力割れ性(以下、両者を総称して耐食性と称す)に優
れ、炭酸ガスや硫化水素を含む原油や天然ガスの掘削や
輸送に用いられる油井管やラインパイプとして好適な高
Cr溶接鋼管に関する。
【0002】また、本発明は、溶加材を用いるアーク溶
接法によりオープンパイプの突き合わせ部を溶接して得
られる溶接鋼管、もしくはこの溶接鋼管や継目無管の管
端同士を突き合わせ円周溶接して長尺管とし、これをリ
ールに円筒状に巻き取ってコイル状となした高Cr溶接
鋼管に関する。
【0003】さらに、本発明は、降伏比(降伏強さ/引
張強さ)が85%以下で加工性に優れ、敷設時に曲げや
曲げ戻しの冷間加工を受けるパイプラインや、拡管使用
される油井管として好適な高Cr溶接鋼管に関する。
【0004】
【従来の技術】近年生産される石油や天然ガス中には、
湿潤な炭酸ガスが含有される場合が増加している。この
ような環境中では、炭素綱や低合金鋼は著しく腐食され
るため、腐食抑制剤の添加がおこなわれている。
【0005】しかし、腐食抑制剤の効果は、高温では失
われるのに加え、海底のパイプラインでは腐食抑制剤の
添加回収に膨大なコストがかかる。また、環境問題から
このような腐食抑制剤の使用は、避けられる傾向にあ
る。
【0006】このような背景のもとに腐食抑制剤の添加
を必要としない耐食材料として、油井管ではAISI
420鋼に代表されるような12〜13質量%のCrを
含有するマルテンサイト系の高Cr鋼が広く使用され始
めている。AISI 420鋼では、高強度を得るため
に比較的多量(0.16〜0.22質量%程度)のCが
添加されている。
【0007】一方、ラインパイプでは、敷設に際してパ
イプとパイプは管端同士を突き合わせ円周溶接して溶接
接合される。AISI 420鋼のような炭素含有量が
比較的多い高Cr鋼を通常の溶接方法で溶接した場合に
は、溶接熱影響部の硬さが上昇して、衝撃特性が劣化
し、硫化物応力割れ感受性も高くなる。このような問題
を解決するには、C含有量を下げて溶接熱影響部での硬
さ上昇を抑えることが有効であり、たとえば特開平2−
243740号公報や同5−287455号公報などに
Ni添加低Cマルテンサイト系の高Cr鋼の技術が示さ
れている。以上の技術により、湿潤な炭酸ガスを含有す
る石油や天然ガス用のラインパイプに適する継目無鋼管
の製造が可能となっている。
【0008】さらに、特開平4−191319号公報に
は、熱延法で製造されたC含有量が0.08質量%以下
の低C高Cr鋼板を連続的にオープンパイプに成形して
その突き合わせ部を電縫溶接した後、電縫溶接部を熱処
理することにより、耐食性に優れる電縫鋼管を得る技術
が示されている。また、レーザ溶接にて造管する方法も
数多く提案されている。
【0009】また更に、上記の低C高Cr鋼の溶接に適
した溶接材料(溶加材)として、特開平10−1466
91号公報には、C含有量を低減し、かつ式「%Ni+
30×%C+0.5×%Mn」で定義されるNi当量、
および式「%Cr+%Mn+1.5×%Si+0.5×
%Nb」で定義されるCr当量を特定の範囲に制限する
ことにより、優れた耐割れ性、強度および靭性を得るガ
スメタルアーク溶接方法が提案されている。
【0010】従来、継目無鋼管は海底仕上油井のフロー
ラインとして、薄肉の溶接鋼管は陸上のフローラインと
して短い距離で使われてきたが、以下の最近の要望には
従来技術での対応が困難になってきた。
【0011】(a) 各油井の原油や天然ガスをまとめて輸
送するトランクラインとしても、腐食抑制剤を使わず耐
食性に優れる高Cr鋼管の使用が検討され始めた。それ
ゆえ大径厚肉の鋼管が要求され、従来の継目無鋼管や電
縫鋼管では対応できないようになってきた。大径厚肉管
の代表的な製管方法としては、厚鋼板をUプレスとOプ
レス、あるいはロールベンダーでオープンパイプに成形
した後、その突き合わせ部をサブマージアーク溶接で溶
接する製管方法がある。
【0012】特開平7−41857号公報には、低Cで
13〜17質量%のCrを含有する鋼を素材とする溶融
溶接法による溶接鋼管の製造方法が提案されており、母
材と溶接金属を特定の成分範囲に制御した上で造管溶接
後に管全体を熱処理する方法が示されている。しかし、
この方法は、造管溶接後、管体に熱処理をする方法であ
るので製造能率が悪いため、その溶接鋼管を多量かつ安
価に製造することが極めて困難であると推定される。
【0013】(b) パイプラインの敷設コストを下げる観
点からリーリング敷設が増加している。リーリング敷設
とは、長尺の鋼管をリールに円筒状に巻き取って現地ま
で船で運び、そこで巻き戻しながら敷設していく方法で
ある。このリーリング敷設は、船上で短尺鋼管の管端同
士を突き合わせ円周溶接しながら敷設する方法とは異な
り、工場での突き合わせ円周溶接とリールへの巻き取
り、および船上での巻き戻しを並行におこなえるので施
設工期を短縮することができる。ただし、リールへの巻
き取りと巻き戻し時には冷間加工が加わるので、加工性
に優れる鋼管が要求される。しかし、従来のマルテンサ
イト系高Cr鋼は、降伏比が高く、必ずしも加工性が充
分とはいえなかった。なお、加工性としては、降伏比
(降伏強さ/引張強さ)85%以下が1つの目安とされ
る。
【0014】(c) 油井管としても、油井の掘削コストを
下げる観点から、拡管ケーシングが検討されている。従
来の油井では、掘削後まずケーシングで坑井を保護し、
その中に径の細いチュービングを入れて生産する。生産
流体は、このチュービング内だけを流れる。拡管ケーシ
ングとは、ケーシングとチュービングを挿入した後、文
字通りに管の内側から押し広げる方法であり、掘削した
スペースを有効にほぼ全て生産に活用することができ
る。さらに、油井管は、現状ねじ継手で1本ずつ締結さ
れて油井に挿入されていくのがほとんどであるが、管端
同士を突き合わせ円周溶接したりして得られる長尺鋼管
をコイル状にリールに巻き取ったものを巻き戻して挿入
していくコイルドチュービングと呼ばれる使用が連続的
に拡管できるので、この拡管ケーシングに適している。
そして、拡管時には、やはり伸びにして20〜30%の
冷間加工が加わるため、加工性に優れることが要求さ
れ、加工性としては、上記のリーリング施設の場合と同
様に、降伏比(降伏強さ/引張強さ)85%以下が1つ
の目安とされる。
【0015】なお、高Cr溶接鋼管に関する従来の知見
事項としては、以下のことが周知である。すなわち、母
材の耐炭酸ガス腐食性は、10もしくは11質量%以上
のCr含有量で確保できる。耐硫化物応力割れ性は、硫
化水素分圧に応じた適量のMo添加により確保できる。
溶接性は、0.05質量%以下のC含有量で確保でき
る。このような低C−高Cr鋼は、その組織をマルテン
サイト組織にするためにはNi添加が必要であり、マル
テンサイト単相組織にするには、CrとMoの合計含有
量によるが、一般的に数%以上のNi添加が必要であ
る。
【0016】一方、マルテンサイト系の溶接金属に関し
ては、その靭性向上には、低酸素化と適量のオーステナ
イト相生成が望ましいが、フェライト相は望ましくな
い。また、溶接高温割れ防止には、フェライト相生成が
望ましいことが定性的に知られている。
【0017】さらに、高Cr鋼とは異なる炭素鋼や低合
金鋼が対象ではあるが、フェライト相+マルテンサイト
相の2相組織化が低降伏比を確保するのに有効なことが
知られている(たとえば、特開平12−8144号公
報)。
【0018】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記の現状
に鑑み、大径厚肉のラインパイプ、リーリング敷設用ラ
インパイプ、拡管ケーシング用コイルドチュービング等
に用いて好適な、API規格に規定される5L X80
(降伏強さ≧551MPa)以上の高強度で、しかも耐
食性および降伏比85%以下を目安とする加工性に優れ
る高Cr鋼を母材とした溶接鋼管を提供することを目的
としている。
【0019】ここで、大径厚肉管に好適とは、素材鋼板
および溶接製管後の鋼管において熱処理を実施せず、圧
延のままおよび溶接のままで、所望の強度、靱性、耐食
性および加工性が得られることである。すなわち、圧延
のままの鋼板をそのままオープンパイプに成形してその
突き合わせ部を溶接接合し、この溶接接合後に熱処理を
おこなわないままでも、所望の強度、靱性、耐食性およ
び加工性を具備した材質設計が求められる。この材質設
計は、鋼管が継目無鋼管の場合でも、製管後に焼入れ焼
戻しをおこなわず、製管のままで、所望の強度、靱性、
耐食性および加工性が得られる利点がある。
【0020】また、溶接のままで後熱処理をおこなわず
に、母材の強度、靱性、耐食性および加工性を損なわい
ような溶接技術は、オープンパイプの突き合わせ部溶接
ばかりか、リーリング敷設用ラインパイプや拡管ケーシ
ング用コイルドチュービングとなす上での管端同士の突
き合わせ円周溶接にも共通する課題である。
【0021】母材および溶接金属それぞれで見た場合、
課題解決の方向は、従来技術の欄でも述べたように、定
性的に理解されているが、溶接鋼管やこの溶接鋼管等を
リールに巻き取ったコイル状の溶接構造物としての鋼管
全体を見た場合、先の課題を全て解決する母材と溶接金
属の適正な組み合わせはないのが現状である。このこと
は、次のことからも明らかである。
【0022】すなわち、前述したように、たとえば特開
平7−41857号公報には、低Cで13〜17質量%
のCrを含有する鋼からなる溶融溶接法による溶接鋼管
の製造方法の発明が示されているが、そこには母材およ
び溶接金属を特定の成分範囲に制御した上で管全体を熱
処理する方法であり、溶接のままという課題は解決され
ていない。
【0023】また、特開平12−8144号公報には、
溶接鋼管を熱処理せずに溶接のままで製造する方法の発
明が示されているが、そこに示される発明は強度が前述
したAPI規格に規定されるX56(降伏強さ≧386
MPa)〜X70(降伏強さ≧482MPa)以上の低
強度鋼についての発明であり、また、加工性の目安とな
る降伏比と靱性については何らの考慮もなされていな
い。
【0024】
【課題を解決するための手段】本発明者等は、上記の課
題を達成するために種々実験研究をおこなった。その結
果、以下のことが判明した。
【0025】高Cr鋼を圧延のままや溶接のままで使用
する場合、マルテンサイト単相では強度が高すぎるの
で、マルテンサイト相より強度の小さい相との混合組織
とする必要がある。
【0026】フェライト相またはオーステナイト相を含
有させることによって強度を低下させることが可能であ
る。
【0027】圧延のままで、母材の強度と降伏比を所望
のAPI規格に規定されるX80級の強度と85%以下
の降伏比にするには、組織を主としてマルテンサイト相
として、フェライト相を20〜40体積%の範囲にする
のがよい。このとき、母材をマルテンサイト相+オース
テナイト相の2相組織とするには、多量のNi添加が必
要となって経済的でない上に、溶接熱影響部や溶接金属
部において所望の性能が得られなくなる。
【0028】溶接高温割れを生じずに、溶接のままで、
溶接金属の強度、靭性および加工性を適正に保つするた
めには、フェライト形成元素であるCr、Moとオース
テナイト形成元素であるNiのバランスが重要である。
【0029】さらに、適正な靭性を得るためには、酸素
量の影響をも考慮することが重要である。その条件を検
討したところ、下記の(1) 式と(2) 式を同時に満足させ
る必要があることがわかった。
【0030】 −1≦Cr+Mo−1.7×Ni≦13−220×O ・・・ (1) 25≦Cr+Mo+1.8×Ni≦30 ・・・・・・・・・ (2) ここで、(1) および(2) 式中の元素記号は、溶接金属中
の各元素の含有量(質量%)を意味する。
【0031】すなわち、(1) 式中、「Cr+Mo−1.
7×Ni」の項は、フェライト相の形成傾向を表す実験
式であり、この項の値が小さいほどフェライト相の生成
量が減少し、靭性が向上する。ただし、この項の値が−
1より小さいと、凝固直後にフェライト相が形成しなく
なって高温割れが発生するようになる。一方、この項の
値が大きすぎると、フェライト相の生成量が増加し、靭
性が低下する。
【0032】また、溶接金属の靭性には、O(酸素)量
が大きな影響を与えるが、式「Cr+Mo−1.7×N
i≦13−220×O」を満足するO含有量であれば、
所望の靭性が確保される。
【0033】さらに、(2) 式中、「Cr+Mo+1.8
×Ni」の項は、オーステナイト相の形成傾向を表す実
験式であり、この項の値が25未満になると、オーステ
ナイト相が生成せず、靭性が低下する。逆に、この項の
値が30を超えると、オーステナイト相の生成量が増加
し、充分な引張強さが確保できない。
【0034】ここで、溶接金属の充分な引張強さとは、
継手引張試験をおこなった際に、溶接部で破断すること
なく、母材部が破断することを意味する。本発明では、
母材の強度をX80(降伏強さ≧551MPa)以上と
定めたので、溶接金属の引張強さについても650MP
a以上が確保できるようにした。
【0035】以上を整理すれば、次の通りである。溶接
金属においては、凝固過程では溶接高温割れを防ぐため
にフェライト相が存在し、凝固の後期およびその後の熱
サイクル過程でフェライト相が消失して、強度、靱性お
よび加工性の観点から、組織を主としてマルテンサイト
相として、オーステナイト相を5〜30体積%の範囲に
するのがよい。特に、靱性の観点からは、O(酸素)量
が高くなる溶融溶接法により得られる溶接金属において
は、マルテンサイト相とオーステナイト相の2相組織が
望ましく、マルテンサイト相とフェライト相の2相組織
では高靱性は得にくい。
【0036】そして、本発明において最も苦労した点
は、母材と溶接金属の両者において所望の性能が得られ
る適正な組み合わせを見出したことである。
【0037】まず、大径溶接鋼管を製造するときのよう
に、大入熱溶接における溶接熱影響部の靱性確保のため
には、母材のNi含有量が重要で、4質量%以上のNi
添加が必要であることがわかった。
【0038】このようなNi含有量を前提に、圧延のま
までの母材の強度が所望のX80以上の強度を有し、し
かも降伏比が85%以下のマルテンサイト相とフェライ
ト相の混合組織にするには、Cr含有量を15質量%以
上にする必要がある。このCr含有量15質量%以上と
いう技術思想は、Cr含有量が13質量%程度である従
来の高Cr鋼の技術思想とは一線を画すものである。
【0039】次に、本発明では母材と溶接金属を異なる
化学組成と組織、具体的には母材をマルテンサイト相と
フェライト相の2相組織、溶接金属をマルテンサイト相
とオーステナイト相の2相組織にしたことが大きな特徴
点の一つであるが、そのためには、同じフェライト形成
元素であるCrとMoのバランスが重要であり、1.5
質量%以上のMo添加が必要であることがわかった。な
お、Moは耐硫化物応力割れ性の向上に極めて有効な元
素であり、この結果として、耐硫化物応力割れ性は充分
なもとのなることもわかった。
【0040】すなわち、上記の知見に基づいて完成させ
た本発明の要旨は、下記の高Cr溶接鋼管にある。
【0041】母材が、質量%で、C:0.05%以下、
Si:0.05〜1%、Mn:0.05〜2%、P:
0.025%以下、S:0.01%以下、Cr:15〜
20%、Ni:4〜7%、Mo:1.5〜4%、Al:
0.001〜0.1%、Ti:0.015%以下、N:
0.02%以下を含み、残部が実質的にFeからなり、
降伏強さが551MPa以上、降伏比(降伏強さ/引張
強さ)が85%以下で、かつ組織がマルテンサイト相を
主とするフェライト相との2相組織からなる鋼であり、
溶接金属が、質量%で、C:0.05%以下、Si:
0.05〜1.0%、Mn:0.05〜2%、P:0.
025%以下、S:0.01%以下、Cr:11〜18
%、Ni:5〜10%、Mo:1.5〜4%、Al:
0.001〜0.1%、Ti:0.002〜0.03
%、N:0.05%以下、O(酸素):0.065%以
下を含み、残部が実質的にFeからなり、Cr、Niお
よびMoの関係が下記の(1) 式と(2) 式を満足し、組織
がマルテンサイト相を主とするオーステナイト相との2
相組織である高Cr溶接鋼管。
【0042】 −1≦Cr+Mo−1.7×Ni≦13−220×O ・・・ (1) 25≦Cr+Mo+1.8×Ni≦30 ・・・・・・・・・ (2) ここで、(1) および(2) 式中の元素記号は、溶接金属中
の各元素の含有量(質量%)を意味する。
【0043】上記本発明の高Cr溶接鋼管は、母材の鋼
が、Feの一部に代えて、下記のイ〜ニに記載のグルー
プのうちから選ばれた1グループ以上の元素を含むもの
であってもよい。
【0044】イ)Cu:0.1〜3%およびW:0.1
〜4%の1種以上、 ロ)Co:0.1〜5%、 ハ)Nb:0.001〜0.5%、Zr:0.001〜
0.5%およびV:0.01〜0.5%のうちの1種以
上、 ニ)Ca:0.0005〜0.05%、Mg:0.00
05〜0.05%およびREM:0.0005〜0.0
5%の1種以上。
【0045】また、溶接金属が、Feの一部に代えて、
下記のイ〜ハに記載のグループのうちから選ばれた1グ
ループ以上の元素を含むものでもあってもよい。
【0046】イ)Cu:0.1〜3%およびW:0.1
〜4%の1種以上、 ロ)Co:0.1〜5%、 ハ)Nb:0.001〜0.5%、Zr:0.001〜
0.5%およびV:0.01〜0.5%の1種以上。
【0047】さらに、鋼管はリールに円筒状に巻き取ら
れたコイル状であってもよい。
【0048】
【発明の実施の形態】以下、本発明の高Cr溶接鋼管を
上記のように定めた理由について詳細に説明する。な
お、以下において、「%」は特に断らない限り「質量
%」を意味する。また、「%Cr」等は当該元素記号の
溶接金属中の含有量を意味する。
【0049】C:0.05%以下(母材、溶接金属共
通) 本発明において、Cは、溶接金属はもちろん、母材では
溶接熱影響部の硬さを上昇させ、硫化物応力割れ感受性
を高める有害な元素であり、低ければ低いほど望ましい
が、0.05%以下であれば特に問題ないので、その上
限を0.05%とした。好ましい上限は0.02%、よ
り好ましい上限は0.01%である。
【0050】Si:0.05〜1%(母材、溶接金属共
通) Siは、母材および溶接金属とも、脱酸のために添加さ
れる。0.05%以下ではその効果がほとんどない。一
方、過剰の添加は衝撃特性の低下を生じるため、その上
限を1%とする。好ましい範囲は0.05〜0.5%、
より好ましい範囲は0.1〜0.3%である。
【0051】Mn:0.05〜2%(母材、溶接金属共
通) Mnは、上記のSiと同様に、母材および溶接金属の脱
酸に効果がある。0.05%以下ではその効果がほとん
どない。一方、過剰の添加は、特にMn偏析に起因して
衝撃特性の低下を生じさせ、また、熱間加工性も損なう
ので、その上限を2%とする。好ましい範囲は0.05
〜1%、より好ましい範囲は0.15〜0.5%であ
る。
【0052】P:0.025%以下(母材、溶接金属共
通) Pは鋼中に含まれる不純物元素で、母材においては靱性
を低下させ、溶接金属においては溶接高温割れ感受性を
高める。よって、その含有量は少なければ少ないほど望
ましが、0.025%までであれば特に問題ないことか
ら、その上限を0.025%とした。好ましい上限は
0.015%、より好ましい上限は0.01%である。
【0053】S:0.01%以下(母材、溶接金属共
通) Sは、上記のPと同様、鋼中に含まれる不純物元素で、
母材においては熱間加工性を低下させ、溶接金属におい
ては溶接高温割れ感受性を高める。よって、その含有量
は少なければ少ないほど望ましが、0.01%までであ
れば特に問題ないことから、その上限を0.01%とし
た。好ましい上限は0.005%、より好ましい上限は
0.002%である。
【0054】Cr:(母材:15〜20%、溶接金属:
11〜18%) Crは耐食性を確保する上で必須の元素であり、11%
以上の添加で優れた耐食性が得られ、好ましくは12%
以上添加するのがよい。
【0055】しかしながら、母材においては、後述する
Ni量で、圧延のままで所望のX80級の強度、85%
以下の降伏比となるマルテンサイト相とフェライト相の
混合組織にするには、15%以上が必要である。逆に、
20%を超えると、マルテンサイト変態開始温度が低下
してオーステナイト相が残留し、圧延のままで所望の強
度を確保できなくなる。よって、母材のCr含有量は1
5〜20%とした。好ましい範囲は15.5〜18%、
より好ましい範囲は15.5〜17%である。
【0056】一方、溶接金属においては、先に述べた耐
食性の観点から決定され、11%以上あればよい。しか
し、18%を超える多量の添加はフェライト相の生成を
促進し、強度と靱性の低下を招く。よって、溶接金属の
Cr含有量は11〜18%とした。好ましい範囲は11
〜18%、より好ましい範囲は11〜15%である。
【0057】Ni:(母材:4〜7%、溶接金属:5〜
10%) 母材においては、Niは、溶接熱影響部の靭性確保に必
須の元素である。溶接熱影響部において遷移温度−30
℃以下となるようなシャルピー衝撃特性を得るために4
%以上が必要であり、4%未満では溶接熱影響部の中で
も特に高温に加熱された部分でフェライト量が大幅に増
加し、強度低下も起こる。逆に、7%を超えるとオース
テナイト相が残留し、圧延のままで所望の強度を確保で
きなくなる。よって、母材のNi含有量は4〜7%とし
た。好ましい範囲は4.5〜7%、より好ましい範囲は
4.5〜6%である。なお、より大入熱での溶接を可能
とするためには、Ni含有量は上限に近いほど好まし
い。
【0058】一方、溶接金属においても、Niは、靭性
確保に必須の元素である。特に、溶接金属では母材に比
べて不純物としてのO(酸素)含有量が高くなるため、
遷移温度−30℃以下となるようなシャルピー衝撃特性
を得るには5%以上が必要である。しかし、10%を超
える過剰な添加はオーステナイト相の形成により強度を
低下させる他、高価な元素でコスト上昇を招き経済的で
ない。よって、溶接金属のNi含有量は5〜10%とし
た。好ましい範囲は6〜9%、より好ましい範囲は6.
5〜8%である。
【0059】Mo:1.5〜4%(母材、溶接金属共
通) Moは、本発明の特徴である母材と溶接金属が異なる化
学組成と組織(母材はフェライト相とマルテンサイト相
の2相組織、溶接金属はオーステナイト相とマルテンサ
イト相の2相組織)とするために、同じフェライト形成
元素であるCrとバランスを保つために重要な元素であ
る。母材、溶接金属とも、1.5%未満ではその効果が
得られない。一方、Moは高価な元素であり、4%以上
の添加はコスト上昇を招き経済的でない。よって、Mo
含有量は1.5〜4%とした。なお、Moは耐硫化物応
力割れ性を高める元素でもあるので、2%以上の添加が
望ましく、好ましい範囲は2〜4%、より好ましい範囲
は2〜3.5%である。
【0060】Ti:(母材:0.015%以下、溶接金
属:0.002〜0.03%) Tiは脱酸元素、あるいは固溶CおよびNを炭窒化物と
して固定し強度、靭性を安定させる効果を狙って添加さ
れることがある。ところが、フェライト相+マルテンサ
イト相の2相組織の母材においては、Ti添加は靭性を
著しく低下させるので、その含有量は少なければ少ない
ほどよいが、不純物としてのTi含有量が0.015%
までであれば特に問題ないことが判明した。よって、母
材のTi含有量は0.015%以下とした。好ましい上
限は0.01%、より好ましい上限は0.005%であ
る。
【0061】一方、溶接金属においては、アークの安定
化のためにTiがワイヤ(溶加材=溶接材料)に添加さ
れる。このため、溶接金属には、不可避的にTiが含ま
れるようになるが、微量で酸化物の凝集粗大化を防ぐ効
果を発揮する。このアーク安定化効果と酸化物の凝集粗
大化防止効果は、溶接金属中に0.002%以上のTi
が含まれていれば得られる。そして、溶接金属に含まれ
るTiは酸化物を形成するため、上記母材におけるよう
な靭性に及ぼす悪影響が小さく、0.03%程度までで
あれば許容可能である。よって、溶接金属のTi含有量
は0.002〜0.03%とした。
【0062】Al:0.001〜0.1%(母材、溶接
金属共通) Alは、母材および溶接金属とも、脱酸のために添加さ
れる。しかし、その含有量が0.001%未満ではその
効果が得られない。一方、その含有量が0.1%を超え
ると、衝撃特性の低下を招く。よって、Al含有量は
0.001〜0.1とした。好ましい範囲は0.005
〜0.05%、より好ましい範囲は0.01〜0.05
%である。なお、本発明にいうAlとは、Sol.Al
(酸可溶Al)のことである。
【0063】N:(母材:0.02%以下、溶接金属:
0.05%以下) Nは不純物元素であり、母材および溶接金属の靭性に大
きな悪影響を及ぼすので、その含有量は低ければ低いほ
ど好ましいが、フェライト相+マルテンサイト相の2相
組織の母材では0.02%、マルテンサイト相+オース
テナイト相の2相組織の溶接金属では0.05%までで
あればいずれも許容しうる。よって、母材のN含有量は
0.02%以下、溶接金属のN含有量は0.05%以下
とした。母材の好ましいN含有量の上限は0.01%、
溶接金属の好ましいN含有量の上限は0.02%であ
る。なお、靭性に及ぼすNの悪影響の程度は、フェライ
ト相+マルテンサイト相の2相組織の母材に比べ、マル
テンサイト相+オーステナイト相の2相組織の溶接金属
の方が小さい。
【0064】O(酸素):(溶接金属:0.065%以
下) 酸素は母材および溶接金属中に含まれる不純物元素であ
り、上記のNと同様に、靭性に大きな影響を及ぼす。特
に、サブマージアーク方法により得られる溶接金属のO
含有量は母材に比べて1桁大きな量となる。このため、
溶接金属のO含有量を管理することが靭性確保の観点か
ら極めて重要であり、その含有量は低ければ低いほど好
ましいが、0.065%までであれば許容できることか
ら、溶接金属のO含有量は0.065%以下とした。な
お、O含有量は、次に述べる下記(1) 式の関係を満足す
る必要がある。
【0065】溶接金属のCr、Mo、NiおよびOの関
係: 溶接金属の強度および靭性を適正に保つためには、フェ
ライト形成元素のCrおよびMoと、オーステナイト形
成元素のNiとの量バランスが重要であり、さらにはO
含有量の影響をも考慮する必要があり、下記の(1) 式と
(2) 式を同時に満足させる必要がある。
【0066】 −1≦Cr+Mo−1.7×Ni≦13−220×O ・・・ (1) 25≦Cr+Mo+1.8×Ni≦30 ・・・・・・・・・ (2) これは、前述したように、(1) 式中の「Cr+Mo−
1.7×Ni」の項は、フェライト相の形成傾向を表
し、この項の値が小さいほどフェライト相の生成量が減
少して靭性は向上するが、その値が−1未満では、凝固
直後にフェライト相が形成しなくなって高温割れが発生
する。逆に、その値が「13−220×O」で求められ
る値を超えると、O含有量に対してフェライト相が多す
ぎることとなって靭性が低下する。
【0067】また、(2) 式中の「Cr+Mo+1.8×
Ni」の項は、オーステナイト相の形成傾向を表し、こ
の項の値が25未満であると、オーステナイト相が生成
せず靭性が低下する。逆に、30を超えると、オーステ
ナイト相の生成量が多くなりすぎて充分な強度、具体的
には継手の引張試験をおこなった際に母材部で破断し、
溶接部の引張強さ650MPa以上という強度の確保が
できなくなるためである。
【0068】組織:本発明の目的の一つは、API規格
に規定される5L X80以上の強度を有し、しかも降
伏比が85%以下の高Cr溶接鋼管を得ることにある
が、そのためには主たる組織が高強度なマルテンサイト
組織で、強度の低い軟化第2相を含む混合組織とする必
要がある。本発明では、母材については主として経済性
(高価なNiの添加量が少なくて済む)の観点からフェ
ライト相との混合組織の方が望ましく、溶接金属につい
ては靱性の観点からオーステナイト相との混合組織の方
が望ましいことから、母材の組織はマルテンサイト相と
フェライト相の2相組織、溶接金属の組織はマルテンサ
イト相とオーステナイト相の2相組織とした。
【0069】なお、母材の組織に占めるフェライト相の
割合、および溶接金属の組織に占めるオーステナイト相
の割合は、いずれも特に制限しないが、母材の組織に占
めるフェライト相の割合は10〜45体積%、好ましく
は20〜40体積%、より好ましくは25〜35体積%
とするのが望ましい。また、溶接金属の組織に占めるオ
ーステナイト相の割合は、5〜30体積%、好ましくは
10〜25体積%、より好ましくは15〜25体積%と
するのが望ましい。
【0070】本発明の高Cr溶接鋼管は、以上の条件を
満たせば充分であるが、その母材および溶接金属は、上
記の成分以外に、必要に応じて下記の元素のうちの1種
以上をFeの一部に代えて含んでもよく、この場合でも
その基本的な諸特性は何ら損なわれない。
【0071】W、Cu:(母材、溶接金属共通) これらの元素は添加しなくてもよいが、添加すれば、い
ずれの元素も耐硫化物応力割れ性を向上させる。このた
め、その効果を得たい場合にはいずれか一方または両方
を添加することができ、その効果はいずれの元素も0.
1%以上で顕著になる。しかし、3%を超えるWおよび
4%を超えるCu添加は、母材については熱間加工性、
溶接金属については耐溶接高温割れが劣化する。したが
って、添加する場合のこれら元素の含有量は、Wの場合
0.1〜3%、Cuの場合0.1〜4%とするのがよ
い。
【0072】Co:(母材、溶接金属共通) Coは添加しなくてもよいが、添加すれば、高温でのオ
ーステナイト相を安定化させ、高温に加熱される溶接熱
影響部や溶接金属部の靱性を向上させる。このため、そ
の効果を得たい場合には添加することができ、その効果
は0.1%以上で顕著になるが、高価な元素で多量の添
加はコスト上昇を招く。したがって、添加する場合のC
o含有量は0.1〜5%とするのがよい。
【0073】Nb、Zr、V:(母材、溶接金属共通) これらの元素は添加しなくてもよいが、添加すれば、い
ずれの元素もCおよびNを固定し、強度ばらつきを小さ
くする。このため、その効果を得たい場合にはいずれか
いずれか1種または2種以上を添加することができ、そ
の効果はNbとZrでは0.001%以上、Vでは0.
01%%以上で顕著になる。しかし、いずれの元素も
0.5%を超えて含有させると靭性劣化を招く。したが
って、添加する場合のNb含有量とZr含有量は0.0
01〜0.5%、V含有量は0.01〜0.5%とする
のがよい。
【0074】Ca、Mg、REM:(母材) これらの元素は添加しなくてもよいが、添加すれば、い
ずれの元素も母材の熱間加工性を向上させる。このた
め、その効果を得たい場合にはいずれかいずれか1種ま
たは2種以上を添加することができ、その効果はいずれ
の元素も0.0005%以上で顕著になる。しかし、い
ずれの元素も0.05%を超えて含有させると靭性劣化
を招く。したがって、添加する場合のこれら元素の含有
量は、いずれの元素も0.0005〜0.05%とする
のがよい。なお、REMの含有量は合計含有量である。
【0075】以上に説明した本発明の高Cr溶接鋼管を
構成する母材鋼板の圧延熱処理方法としては、素材の鋼
を1150〜1250℃程度に加熱し、1000〜11
00℃程度で圧延を終了すれば、圧延のままで所望の性
能が得られる。このとき、圧延後の冷却は、空冷、水冷
のいずれであってもよい。また、圧延後、900℃以上
に再加熱後焼入れし、次いで、500〜700℃で焼戻
ししても、所望の性能が得られる。
【0076】造管方法については、公知のいかなる成形
法を用いてもよく、例えば、UOプレス成形法、プレス
ベンド成形法、ロールベンド成形法などを挙げることが
できる。また、オープンパイプの突き合わせ部の溶接方
法としては、サブマージアーク溶接方法が一般的である
が、その他の溶加材をTIG法やMIG法を用いてもよ
い。その際、溶接条件には特別な制約はなく、その溶接
条件は本発明で規定する条件を満足する溶接金属が得ら
れるように適宜選定すればよい。
【0077】なお、本発明の高Cr溶接鋼管は、母材が
鋼板の溶接鋼管以外に、上記母材鋼板の圧延熱処理方法
と同様の条件のもとに製造された継目無鋼管の管端同士
を突き合わせ、その突き合わせ部を上記TIG法やMI
G法によって円周溶接して溶接接合されたものであって
もよいことはいうまでもない。さらに、その使用状態を
含む製品形態は、通常の直管状や曲げ管状に限らず、前
述したようにリールに円筒状に巻き取られたコイルであ
ってもよい。
【0078】
【実施例】《実施例1》溶接熱影響部の靭性に及ぼす成
分元素の影響を調査するために小型の真空溶解炉(18
0kg容量)を用いて表1に示す化学組成を有する11
種類の鋼を溶製し、鍛造、圧延、熱処理をおこなって、
厚さ19mm、幅180mm、長さ700mmの鋼板に
仕上げた。
【0079】各鋼板の加熱、圧延条件および母材の特性
を表2に示す。母材の強度はJISZ2201に規定さ
れる5号引張試験片、靭性は板厚中央から採取したJI
S(1980) Z2202に規定されるフルサイズの4号シ
ャルピー試験片を用いて調べた。
【0080】また、実溶接の前に、溶接熱影響部の靱性
を、板厚中央から採取した厚さ11mm、幅11mm、
長さ60mmの試験片に高周波加熱により再現溶接熱サ
イクルを付与した後、上記と同じシャルピー試験片に加
工して試験をおこない、−30℃での吸収エネルギーで
評価した。ラインパイプでは、使用温度においてシャル
ピー試験の吸収エネルギーが30〜60J以上であるこ
とを要求される。ここでは、−30℃にて50J以上の
吸収エネルギーを有するか否かを判断基準とした。
【0081】再現溶接熱サイクルは、100℃/秒で1
400℃に加熱し、3秒間保持した後に6℃/秒で冷却
する熱サイクルを与えており、20mmの鋼板に5.5
kJ/mmで溶接した場合に相当する。これはサブマー
ジアーク溶接として標準的な範囲に入る。
【0082】表2に示す結果からわかるように、代符A
1の鋼は、Niの量が不足しており、充分な溶接熱影響
部靭性を有していない。代符A5の鋼は、Tiの量が多
すぎるために、溶接熱影響部の靭性が低い。
【0083】代符B1の鋼板は、Crの量が不足してお
り、降伏強さがX80を大きく超えて実質X100に近
いために、降伏比が85%を上回っている。代符B3の
鋼板は、Crの量が多すぎるため、降伏強さがX80の
下限値の551MPaを下回っている。
【0084】代符C1の鋼板は、Moの量が不足してお
り、降伏強さがX80を大きく超えて実質X100に近
いために、降伏比が85%を上回っている。一方、代符
C2の鋼板は、代符C1の鋼板に比べてCrがわずかし
か変わらないものの、降伏強さがX80の下限値の55
1MPaを下回る強度となっている。これはCrの含有
量が20%を超えるところでオーステナイト相も生成し
たためである。このように、Moの含有量が本発明で規
定する範囲を外れる領域では、わずかのCr含有量の違
いが強度に影響を及ぼす。特に靱性も不芳である。
【0085】これに対して、本発明で規定する条件を全
て満足する代符A2〜A4、B2およびC3の鋼板は、
いずれも、強度、降伏比および再現熱サイクルによる溶
接熱影響部靭性のいずれもに優れている。
【0086】
【表1】
【表2】 《実施例2》次に、溶接鋼管の溶接部の特性を実継手で
評価するため、実施例1で準備した代符B2とC3の鋼
板を母材とし、この母材をオープンパイプに成形後、そ
の突き合わせ部をサブマージアーク溶接法で溶接接合す
る試験をおこなった。
【0087】その際、表3に示す化学組成を有する12
種類の直径が4mmのワイヤと、表4に示す組成を有す
る塩基度が異なる3種類の溶融型フラックスを種々組み
合わせて溶接し、溶接金属が表5に示す化学組成の19
種類の溶接鋼管を製作した。
【0088】なお、溶接は3電極のサブマージアーク溶
接機を用いて入熱量4.5kJ/mmでおこなった。
【0089】溶接金属の溶接高温割れ感受性は、上記溶
接鋼管の製造時に高温割れの発生の有無を確認し、割れ
が発生しなかったもの良好「○」、発生したものを不芳
「×」として評価した。
【0090】引張試験は、試験片の平行部に溶接金属、
溶接熱影響部および母材を含むように、平行部の長さが
110mm、評点間距離が100mmのJIS Z22
01に規定される5号引張試験片に準じた引張試験片
を、溶接線に直交する方向に採取し、室温でおこなっ
た。試験の結果、母材部で破断したものを良好「○」、
溶接金属部で破断したものを不芳「×」として評価し
た。
【0091】靭性は、各々の溶接継手から溶接金属の中
央にノッチを加工したJIS(1980)Z2202に規定さ
れるフルサイズの4号シャルピー試験片を採取して試験
をおこない、−30℃での吸収エネルギーを評価した。
評価は、母材の再現熱サイクル試験と同様に、50J以
上の吸収エネルギーを有するものを良好「○」、50J
未満のものを不芳「×」とした。
【0092】耐食性試験は次の要領でおこなった。試験
片の長手方向の中央に、一方の溶接線が位置するよう
に、厚さ5mm、幅20mm、平行部長さ165mmの
板状試験片を、溶接線に直交する方向から採取した。溶
接ビードの余盛りは、片面にそのまま残し、裏面は平滑
に研削した。この試験片を用いて、4点曲げ法により母
材の実際の降伏強さの100%の応力を付加して、温度
が25℃の0.03atmH2 S−10%NaCl−p
H4.5(酢酸と酢酸ナトリウムで調整)浴中で、硫化
物応力割れ試験をおこなった。試験の結果、割れが認め
られなかったものを、耐硫化物応力割れ性が良好
「○」、認められたものを不芳「×」として評価した。
【0093】加工性については、突き合わせ溶接した鋼
板を、曲率半径38mmで曲げる試験をおこなって評価
することとし、割れ、座屈等を生じずに曲げられたもの
を加工性が良好「○」、それ以外のものは不芳「×」と
した。これらの結果を、表6にまとめて示した。
【0094】試番1〜3、9、12および15は、「C
r+Mo−1.7×Ni」の値が本発明で規定する上限
値を上回り、溶接金属部の靱性が芳しくない。
【0095】試番5、9および15は、「Cr+Mo+
1.8×Ni」の値が本発明で規定する上限値を上回
り、結果として溶接金属部のオーステナイト相の割合が
高すぎて、溶接金属の強度が低く、溶接金属部で破断し
た。
【0096】試番10および11は、「Cr+Mo−
1.7×Ni」の値が本発明で規定する下限値を下回
り、溶接金属にフェライト相が晶出し、溶接高温割れが
生じた。
【0097】試番13は、Cr量が低すぎて、耐硫化物
応力割れ性に劣る。試番16は、溶接金属の酸素量が高
すぎるために靱性が劣る。
【0098】試番1と19は、「Cr+Mo+1.8×
Ni」の値が本発明で規定する下限値を下回り、曲げ試
験で溶接金属部に割れを生じた。これは、溶接金属部の
オーステナイト相の割合が低すぎて、溶接金属の強度が
高く、降伏比も高かったためと推定される これに対し、本発明で規定する条件を全て満足する試番
4、6〜8、14、17および18は、継手強度、溶接
金属および溶接熱影響部での靭性、耐割れ性、加工性と
もに良好である。
【0099】
【表3】
【表4】
【表5】
【表6】
【発明の効果】本発明の高Cr溶接鋼管は、耐炭酸ガス
腐食性、耐硫化物応力割れ性および加工性に優れてい
る。このため、炭酸ガスや硫化水素を含む原油や天然ガ
スの掘削や輸送に用いられる油井管やラインパイプとし
て好適である。特に、加工性に優れるので、リールに円
筒状に巻き取ってコイル状とすることができ、リーリン
グ敷設用のラインパイプや拡管ケーシング用コイルドチ
ュービングに容易に適用できる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 濱田 昌彦 大阪府大阪市中央区北浜4丁目5番33号 住友金属工業株式会社内 (72)発明者 大村 朋彦 大阪府大阪市中央区北浜4丁目5番33号 住友金属工業株式会社内 (72)発明者 近藤 邦夫 大阪府大阪市中央区北浜4丁目5番33号 住友金属工業株式会社内 Fターム(参考) 3H111 AA01 BA03 BA34 DA08 DB08 DB11

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】母材が、質量%で、C:0.05%以下、
    Si:0.05〜1%、Mn:0.05〜2%、P:
    0.025%以下、S:0.01%以下、Cr:15〜
    20%、Ni:4〜7%、Mo:1.5〜4%、Al:
    0.001〜0.1%、Ti:0.015%以下、N:
    0.02%以下を含み、残部が実質的にFeからなり、
    降伏強さが551MPa以上、降伏比(降伏強さ/引張
    強さ)が85%以下で、かつ組織がマルテンサイト相を
    主とするフェライト相との2相組織からなる鋼であり、
    溶接金属が、質量%で、C:0.05%以下、Si:
    0.05〜1.0%、Mn:0.05〜2%、P:0.
    025%以下、S:0.01%以下、Cr:11〜18
    %、Ni:5〜10%、Mo:1.5〜4%、Al:
    0.001〜0.1%、Ti:0.002〜0.03
    %、N:0.05%以下、O(酸素):0.065%以
    下を含み、残部が実質的にFeからなり、Cr、Niお
    よびMoの関係が下記の(1) 式と(2) 式を満足し、組織
    がマルテンサイト相を主とするオーステナイト相との2
    相組織である高Cr溶接鋼管。 −1≦Cr+Mo−1.7×Ni≦13−220×O ・・・ (1) 25≦Cr+Mo+1.8×Ni≦30 ・・・・・・・・・ (2) ここで、(1) および(2) 式中の元素記号は、溶接金属中
    の各元素の含有量(質量%)を意味する。
  2. 【請求項2】母材の鋼が、Feの一部に代えて、下記の
    イ〜ニに記載のグループのうちから選ばれた1グループ
    以上の元素を含む請求項1に記載の高Cr溶接鋼管。 イ)Cu:0.1〜3%およびW:0.1〜4%の1種
    以上、 ロ)Co:0.1〜5%、 ハ)Nb:0.001〜0.5%、Zr:0.001〜
    0.5%およびV:0.01〜0.5%のうちの1種以
    上、 ニ)Ca:0.0005〜0.05%、Mg:0.00
    05〜0.05%およびREM:0.0005〜0.0
    5%の1種以上、
  3. 【請求項3】溶接金属が、Feの一部に代えて、下記の
    イ〜ハに記載のグループのうちから選ばれた1グループ
    以上の元素を含む請求項1または2に記載の高Cr溶接
    鋼管。 イ)Cu:0.1〜3%およびW:0.1〜4%の1種
    以上、 ロ)Co:0.1〜5%、 ハ)Nb:0.001〜0.5%、Zr:0.001〜
    0.5%およびV:0.01〜0.5%の1種以上、
  4. 【請求項4】鋼管がリールに円筒状に巻き取られたコイ
    ル状である請求項1〜3のいずれかに記載の高Cr溶接
    鋼管。
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