JP2015161010A - リールバージ敷設性に優れるラインパイプ用マルテンサイト系ステンレス鋼管およびその製造方法 - Google Patents

リールバージ敷設性に優れるラインパイプ用マルテンサイト系ステンレス鋼管およびその製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】リールバージ敷設性に優れたラインパイプ用マルテンサイト系ステンレス鋼管を提供する。
【解決手段】質量%で、C:0.015%未満、N:0.020%未満、Cr:10〜14%、Ni:4.0〜8.0%、Mo:1.0〜4.0%、Ti:0.03〜0.15%、V:0.02〜0.10%を含む組成を有し、マルテンサイト相を主体とし、残留オーステナイト相を体積率で5〜20%含む組織を有する鋼管の母材平均硬さHVが、リールバージ敷設時に想定される負荷歪量ε(%)に応じて、ε<1の場合、HV≦300−12εまたはε≧1の場合、HV≦292−4ε(ここで、ε(%)={r/(R+r)}×100、r:鋼管の外半径(mm)、R:リールの外半径(mm)、HV:リールバージ敷設前の鋼管の母材平均硬さ(HV))を満足するように、熱処理を施して調整する。
【選択図】図2

Description

本発明は、天然ガスや原油等を輸送するラインパイプ用として好適な、マルテンサイト系ステンレス鋼管に係り、とくにラインパイプをリールバージ法により敷設する際に問題となるリールバージ敷設性の改善、すなわち塑性歪と加熱に起因した脆化の抑制(防止)に関する。
近年、従来では省みられなかったような深層油田あるいは海底油田や、開発が一旦放棄されていた腐食性の強いサワーガス田等の開発が盛んに進められており、採掘された天然ガスや原油の輸送のための海底パイプラインの敷設も必要となる。
海底パイプラインの敷設方法としては、最近ではリールバージ法が多用されている。リールバージ法は、図3(a)に示すように、陸上でラインパイプとなる鋼管の管長手方向端部同士を順次円周溶接して長尺の鋼管1とし、得られた長尺の鋼管1をバージ3のリール2に巻取ったのち、図3(b)に示すように、バージ3で海上の敷設箇所に運び、リール2から長尺の鋼管1を巻き戻しながら、海底4に敷設する方法である。
このリールバージ法による敷設では、長尺の鋼管をリールに巻き取る時あるいはリールから巻き戻す時に、鋼管の一部に引張及び圧縮の応力がかかる。そのため、特性の劣化が生じ、極端な場合には、割れが発生する場合がある。
このような問題に対し、例えば、特許文献1には、重量%で、C:0.03〜0.20%、Mn:0.50〜1.5%、Si:0.05〜0.50%、Al:0.005〜0.060%を含み、さらにNb、V、TiをNb+V+Tiが0.040%以下を満足するように含み、炭素当量Ceqが0.20〜0.36、溶接割れ感受性Pcmが0.25以下で、降伏比が85%以下で、溶接軟化部の少ない、リールバージ敷設性に優れる高靭性電縫鋼管が記載されている。特許文献1に記載された技術によれば、優れた円周溶接部靭性を有し、リールバージ敷設用電縫鋼管として利用できるとしている。
さらに、パイプライン敷設後の操業に際しては、パイプ内に150℃程度の流体(石油、ガス)が流され、しかもその状態が長期間維持される。そのため、敷設時の塑性歪と操業時の加熱とに起因して歪時効が生じ、とくに鋼管の円周溶接部が脆化し割れが発生しやすくなるという問題があった。
このような問題に対し、例えば、特許文献2には、母材および溶接金属がいずれも、質量%で、C:0.02%以下、Si:1%以下、Cr:7〜14%、Ni:0.5〜9%、Ti:0〜0.3%、Mo:0〜5%、W:0〜5%、Cu:0〜5%、V:0〜0.1%、Nb:0〜0.05%、Ca:0〜0.015%を含み、不純物としてP:0.03%以下、S:0.01%以下、Al:0.1%以下、N:0.07%以下と少なく調整し、C、N、Tiが特定関係を満足し、含まれる介在物の平均粒径が10μm以上の介在物量が1×10個/m以下の鋼からなる耐歪時効性に優れたマルテンサイト系ステンレス鋼溶接継手が記載されている。特許文献2に記載された技術によれば、塑性歪を受けた後に時効されても脆化が生じず、耐歪時効性に優れ、リールバージ敷設法が適用される海底ラインパイプ用に適用できるとしている。
特公平06−53912号公報 特開2002−226947号公報
特許文献1に記載された技術では、溶接部の軟化を防止しリールバージ敷設性を向上させるために、Nb、V、Tiの合計量を厳密に調整し、また、特許文献2に記載された技術では、溶接部の歪時効脆化を抑制し、リールバージ敷設性を向上させるために、C、N量を、さらにはC、N量をTiとの関係で、厳密に調整している。そのため、特許文献1、2に記載された技術では、製造コストの高騰を招く。
実際にリールバージ法でパイプラインを敷設する際に鋼管に負荷される歪は、敷設船の仕様や、使用する鋼管のサイズにより種々変化する。そのため、リールバージ敷設に起因する鋼管特性の低下度合は、パイプラインの施工工事ごとに変化する。したがって、特許文献1、2に記載された技術を、リールバージ敷設に起因する鋼管特性の低下度合の小さい場合まで適用することは、経済的に不利となる。このため、リールバージ敷設工事それぞれに対応して鋼管特性の低下を防止できる実用的でかつ簡便な方法が要望されていた。
本発明は、かかる従来技術の問題を有利に解決し、リールバージ敷設性に優れたラインパイプ用マルテンサイト系ステンレス鋼管の製造方法を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記した目的を達成するため、まず、リールバージ敷設時に鋼管に負荷される歪条件について検討した。その結果、リールバージ敷設に際して、鋼管のリール側では圧縮−引張の繰返しによる歪が、また鋼管のリール外側では引張−圧縮の繰返しによる歪、がそれぞれ2回負荷される。そして、敷設後、操業時には、管内を流れる流体により加熱される。この歪負荷とその後の加熱による歪時効が生じ、鋼管の機械的特性が低下する。
この状況を、硬さの変化に着目して検討した。硬さに及ぼす歪負荷条件の影響を、Moを2.0質量%含むマルテンサイト系ステンレス鋼管について、歪時効後の硬さHVで図1に示す。(a)は、母材の硬さHVを示し、(b)は歪を単軸圧縮または単軸引張で3.0%負荷し、250℃×60min時効させた後の硬さHVを、(c)は、歪を引張で3.0%負荷したのち、圧縮で元の長さまで戻るように負荷するか、あるいは歪を圧縮で3.0%負荷したのち、引張で元の長さまで戻るように負荷し、しかるのちに250℃×60min時効させた後の硬さHVを、(d)は(c)と同じ歪負荷を2回繰返し、250℃×60min時効させた後の硬さHVを、(e)は(c)と同じ歪負荷を3回繰返し、時効させた後の硬さを、それぞれ示す。図1から、歪負荷の方向により歪時効後の硬さは大きくは変化しないこと、また引張−圧縮の歪負荷繰返し回数の増加は時効後の硬さにほとんど影響しないことがわかる。この結果から、単軸引張歪負荷による時効後の特性変化に及ぼす歪量の影響を把握することで十分に、リールバージ敷設後の歪時効による鋼管特性の低下度合をある程度推定できることに思い至った。
そこで、Mo:2.0〜2.5質量%含有するマルテンサイト系ステンレス鋼管4種について、単軸引張により5%までの歪を負荷し、250℃×60min時効させた後の硬さHV(荷重:10kgf)を測定した。その結果を負荷歪εと時効後硬さHVとの関係で図2に示す。図2から、母材硬さ(ε:0%)によらず、負荷歪εに依存して時効後硬さHVは増加すること、また、負荷歪ε:1%を境にして、時効後硬さHVの増加傾向が異なることを見出した。
そして、本発明者らは、図2の結果から、マルテンサイト系ステンレス鋼管において、リールバージ敷設後の鋼管(ラインパイプ)の機械的特性劣化の程度を問題のない範囲内とする、すなわち歪時効後の硬さHVを300以下に保持するには、リールバージ敷設前の鋼管母材のビッカース硬さHVが、次(1)式または次(2)式
ε<1の場合 HV≦ 300−12ε ‥‥(1)
ε≧1の場合 HV≦ 292−4ε ‥‥(2)
(ここで、ε(%)={r/(R+r)}×100、r:鋼管の外半径(mm)、R:リールバージ船のリールの外半径(mm)、HV:リールバージ敷設前の鋼管の母材平均硬さ(HV))
を満足する必要があることに想到した。
本発明は、かかる知見に基づき、更に検討を加えて完成されたものである。すなわち、本発明の要旨は次のとおりである。
(1)リールバージ敷設されるラインパイプ用マルテンサイト系ステンレス鋼管であって、質量%で、C:0.015%未満、N:0.020%未満、Si:1.0%以下、Mn:2.0%以下、P:0.03%以下、S:0.010%以下、Al:0.10%以下、Cr:10〜14%、Ni:4.0〜8.0%、Mo:1.0〜4.0%、Ti:0.03〜0.15%、V:0.02〜0.10%を含み、残部Feおよび不可避的不純物からなる組成と、マルテンサイト相を主体とし、残留オーステナイト相を体積率で5〜20%含む組織とを有し、かつリールバージ敷設時に想定される負荷歪量ε(%)に応じて、次(1)式または次(2)式
ε<1の場合 HV≦ 300−12ε ‥‥(1)
ε≧1の場合 HV≦ 292−4ε ‥‥(2)
(ここで、ε(%)={r/(R+r)}×100、r:鋼管の外半径(mm)、R:リールバージ船のリールの外半径(mm)、HV:リールバージ敷設前の鋼管の母材平均硬さ(HV))
を満足する鋼管の母材平均硬さHVを有することを特徴とするリールバージ敷設性に優れたラインパイプ用マルテンサイト系ステンレス鋼管。
(2)(1)において、前記組成に加えてさらに、質量%で、次A群〜C群
A群:Cu:4%以下、Co:4%以下、W:4%以下のうちから選ばれた1種または2種以上、
B群:Nb:0.10%以下、Zr:0.10%以下、Hf:0.20%以下、Ta:0.20%以下のうちから選ばれた1種または2種以上、
C群:Ca:0.010%以下、Mg:0.010%以下、REM:0.010%以下、B:0.010%以下のうちから選ばれた1種または2種以上
のうちから選ばれた1群または2群以上を含有することを特徴とする請求項1に記載のラインパイプ用マルテンサイト系ステンレス鋼管。
(3)素材鋼管に、熱処理を施して、リールバージ敷設向け鋼管とするに当たり、前記素材鋼管を、質量%で、C:0.015%未満、N:0.020%未満、Si:1.0%以下、Mn:2.0%以下、P:0.03%以下、S:0.010%以下、Al:0.10%以下、Cr:10〜14%、Ni:4.0〜8.0%、Mo:1.0〜4.0%、Ti:0.03〜0.15%、V:0.02〜0.10%を含み、残部Feおよび不可避的不純物からなる組成のマルテンサイト系ステンレス鋼管とし、前記熱処理後の前記鋼管の母材平均硬さHVが、リールバージ敷設時に想定される負荷歪量ε(%)に応じて次(1)式または次(2)式
ε<1の場合 HV≦ 300−12ε ‥‥(1)
ε≧1の場合 HV≦ 292−4ε ‥‥(2)
(ここで、ε(%)={r/(R+r)}×100、r:鋼管の外半径(mm)、R:リールバージ船のリールの外半径(mm)、HV:リールバージ敷設前の鋼管の母材平均硬さ(HV))
を満足するように、前記熱処理を、焼入れ処理と焼戻処理とを施す熱処理とすることを特徴とするリールバージ敷設向けラインパイプ用マルテンサイト系ステンレス鋼管の製造方法。
(4)(3)において、前記組成に加えてさらに、質量%で、次A群〜C群
A群:Cu:4%以下、Co:4%以下、W:4%以下のうちから選ばれた1種または2種以上、
B群:Nb:0.10%以下、Zr:0.10%以下、Hf:0.20%以下、Ta:0.20%以下のうちから選ばれた1種または2種以上、
C群:Ca:0.010%以下、Mg:0.010%以下、REM:0.010%以下、B:0.010%以下のうちから選ばれた1種または2種以上
のうちから選ばれた1群または2群以上を含有することを特徴とする請求項3に記載のリールバージ敷設向けラインパイプ用マルテンサイト系ステンレス鋼管の製造方法。
(5)(3)または(4)において、前記素材鋼管が、鋼管素材を加熱し、熱間加工により造管して継目無鋼管としたのち、該熱間加工後の継目無鋼管を空冷以上の冷却速度で室温まで冷却してなる継目無鋼管であることを特徴とするリールバージ敷設向けラインパイプ用マルテンサイト系ステンレス鋼管の製造方法。
(6)ラインパイプ用マルテンサイト系ステンレス鋼管の選別方法であって、ラインパイプ用マルテンサイト系ステンレス鋼管を対象とし、該対象とするマルテンサイト系ステンレス鋼管の母材硬さを測定し、得られた鋼管の母材平均硬さHVが、リールバージ敷設時に想定される負荷歪量ε(%)に応じて次(1)式または次(2)式
ε<1の場合 HV≦ 300−12ε ‥‥(1)
ε≧1の場合 HV≦ 292−4ε ‥‥(2)
(ここで、ε(%)={r/(R+r)}×100、r:鋼管の外半径(mm)、R:リールバージ船のリールの外半径(mm)、HV:リールバージ敷設前の鋼管の母材平均硬さ(HV))
を満足する場合に、当該ラインパイプ用マルテンサイト系ステンレス鋼管をリールバージ敷設向けとして選別することを特徴とするリールバージ敷設向ラインパイプ用マルテンサイト系ステンレス鋼管の選別方法。
本発明によれば、リールバージ敷設向ラインパイプとして、リールバージ敷設による鋼管の機械的劣化程度の少ない、リールバージ敷設性に優れたマルテンサイト系ステンレス鋼管を、実用的でかつ簡便な方法で提供でき、産業上格段の効果を奏する。
歪時効後の硬さに及ぼす歪負荷方法の影響を示すグラフである。 歪時効後の硬さと負荷歪量の関係を示すグラフである。 リールバージ法による海底ラインパイプの敷設状況を模式的に示す概略図である。
本発明鋼管は、質量%で、C:0.015%未満、N:0.020%未満、Si:1.0%以下、Mn:2.0%以下、P:0.03%以下、S:0.010%以下、Al:0.10%以下、Cr:10〜14%、Ni:4.0〜8.0%、Mo:1.0〜4.0%、Ti:0.03〜0.15%、V:0.02〜0.10%を含み、残部Feおよび不可避的不純物からなる組成を有する。
まず、本発明マルテンサイト系ステンレス鋼管の組成限定理由について説明する。以下、組成における「質量%」は単に「%」と記す。
C:0.015%未満
Cは、鋼中に固溶し、鋼管の強度増加に寄与する元素であるが、しかし、Cは、Cr炭化物として析出しやすく、Cr欠乏層を形成して、溶接熱影響部(HAZ)におけるIGSCC(粒界応力腐食割れ:Intergranular Stress Corrosion Cracking)の発生原因となるため、Cはできるだけ低減することが好ましい。また、Cの多量含有は、溶接熱影響部(HAZ)靭性を低下させ、溶接割れを生じさせる。このため、Cは0.015%未満に限定した。なお、好ましくは0.010%以下である。
N:0.020%未満
Nは、Cと同様に、鋼中に固溶し、鋼管の強度増加に寄与する元素であるが、しかし、Nは、窒化物形成元素(Ti、Nb、Zr、V、Hf、Ta等)と結合し炭化物を形成しやすく、Ti、Nb、Zr、V、Hf、Ta等の炭化物形成元素の含有量を実質的に低減することになる。したがって、Nの多量含有は、Cr欠乏層形成の抑制やIGSCCの抑制等のこれら炭化物形成元素による効果を低減することになる。また、このため、Nは0.020%未満に限定した。
Si:1.0%以下
Siは、脱酸剤として作用するとともに、固溶して鋼管の強度増加に寄与する元素である。このような効果を得るためには0.05%以上含有することが望ましい。Siがフェライト生成元素であるため、1.0%を超える多量の含有は母材靭性およびHAZ靭性を低下させる。このため、Siは1.0%以下に限定した。なお、好ましくは0.1〜0.5%である。
Mn:2.0%以下
Mnは、固溶して鋼管の強度増加に寄与するとともに、フェライトの生成を抑制し、母材靭性およびHAZ靭性を向上させる元素である。このような効果を得るためには、0.1%以上含有することが望ましい。一方、2.0%を超えて含有しても効果が飽和し、含有量に見合う効果が期待できなくなる。このため、Mnは2.0%以下に限定した。なお、好ましくは0.2〜1.2%である。
P:0.03%以下
Pは、粒界に偏析し粒界強度を低下させ耐応力腐食割れ性に悪影響を及ぼす元素であり、本発明ではできるだけ低減することが望ましいが、0.03%までは許容できる。このため、Pは0.03%以下に限定した。なお、熱間加工性の観点から、好ましくは0.02%以下である。なお、過度のPの低減は、精錬コストの高騰を招くとともに、生産性の低下をももたらすため、0.005%以上とすることが好ましい。
S:0.010%以下
Sは、鋼中ではMnS等の硫化物系介在物として存在し、加工性を低下させるため、本発明ではできるだけ低減することが望ましいが、0.010%までは許容できる。このため、Sは0.010%以下に限定した。好ましくは0.004%以下である。なお、過度のSの低減は、精錬コストの高騰や生産性に低下をもたらすため、0.0005%以上とすることが好ましい。
Al:0.10%以下
Alは、脱酸剤として作用する元素であり、このような効果を得るためには0.001%以上含有することが望ましい。一方、0.10%を超える含有は、靭性を低下させる。このため、Alは0.10%以下に限定した。なお、好ましくは0.01〜0.04%である。
Cr:10〜14%
Crは、耐食性を向上させる基本元素である。所望の耐食性を確保するために、本発明では10%以上の含有を必要とする。一方、14%を超える含有は、フェライト相を生成しやすくなり、マルテンサイト相主体の組織を安定して形成するためには、多量の合金元素の含有を必要とするため、材料コストの高騰を招く。このようなことから、Crは10〜14%の範囲に限定した。
Ni:4.0〜8.0%
Niは、固溶して鋼管の強度増加に寄与するとともに、さらに靭性を向上させ、耐炭酸ガス腐食性を向上させる元素である。また、Niはオーステナイト生成元素であり、低炭素含有域でマルテンサイト相主体の組織を安定して確保するために有効に作用する元素である。このような効果を得るためには、4.0%以上の含有を必要とする。一方、8.0%を超える含有は、材料コストを高騰させるとともに、変態点が低下しすぎて、焼戻温度を低温側とする必要があり、所望の特性を確保するための焼戻処理時間が長時間側となり、生産性の低下を招く。このため、Niは4.0〜8.0%の範囲に限定した。なお、好ましくは5.0〜7.0%である。
Mo:1.0〜4.0%
Moは、耐応力腐食割れ性、耐硫化物応力腐食割れ性、耐孔食性を向上させる元素である。このような効果を得るためには1.0%以上含有する必要がある。一方、4.0%を超える含有は、フェライト相が生成しやすくなり、耐硫化物応力腐食割れ性の向上効果が飽和し、含有量に見合う効果が期待できなくなり、経済的に不利となる。このため、Moは1.0〜4.0%の範囲に限定した。なお、好ましくは1.5〜3.0%である。
Ti:0.03〜0.15%
Tiは、炭化物形成元素であり、しかもCrより炭化物形成能が強く、溶接熱影響部(HAZ)でのCr欠乏層の形成を抑制する作用を有する元素である。通常、溶接熱サイクルで高温に加熱され、一度、固溶したCが、冷却時あるいはその後の熱サイクルによりCr炭化物として旧オーステナイト粒界に析出しCr欠乏層を形成するがしかし、Tiを含有することにより、CはTi炭化物となり、Ti炭化物が溶接熱サイクルで高温に加熱されても、溶解しにくいため、HAZにおいて固溶Cの発生が抑制され、これによりCr炭化物の形成が抑制されて、HAZの耐硫化物応力腐食割れ性が向上する。このような作用はTiが最も大きく、Tiは耐硫化物応力腐食割れ性向上に大きく寄与する元素といえる。このような効果を得るためには、Tiは0.03%以上の含有を必要とする。一方、0.15%を超える含有は、耐溶接割れ性、靭性を低下させる。このようなことから、Tiは0.03〜0.15%の範囲に限定した。なお、好ましくは0.06〜0.12%である。
V:0.02〜0.10%
Vは、Tiと同様に、炭化物形成元素であり、しかもCrより炭化物形成能が強く、HAZの耐硫化物応力腐食割れ性向上に大きく寄与する元素である。また、Vは、高温強度の増加にも寄与する。このような効果を得るためには、0.02%以上の含有を必要とする。0.02%未満の含有では、80〜150℃における強度(高温強度)を確保するうえでは不十分である。一方、0.10%を超える含有は、靭性の低下を招く。このため、Vは0.02〜0.10%の範囲に限定した。なお、好ましくは0.03〜0.07%である。
上記した成分が基本の成分であるが、基本組成に加えて、必要に応じてさらに、選択元素として、次A群〜C群
A群:Cu:4%以下、Co:4%以下、W:4%以下のうちから選ばれた1種または2種以上、
B群:Nb:0.10%以下、Zr:0.10%以下、Hf:0.20%以下、Ta:0.20%以下のうちから選ばれた1種または2種以上、
C群:Ca:0.010%以下、Mg:0.010%以下、REM:0.010%以下、B:0.010%以下のうちから選ばれた1種または2種以上
のうちから選ばれた1群または2群以上を含有してもよい。
A群:Cu:4%以下、Co:4%以下、W:4%以下のうちから選ばれた1種または2種以上
A群:Cu、Co、Wはいずれも、炭酸ガスを含有する天然ガスを輸送するラインパイプ用鋼管として要求される特性である、耐炭酸ガス腐食性を向上させる元素であり、必要に応じて選択して1種または2種以上含有できる。
Cuは、オーステナイト形成元素であり、耐炭酸ガス腐食性を向上させるとともに、低炭素含有域において、マルテンサイト相を主体とする組織を安定して確保するために有効に作用する。このような効果を得るためには、0.5%以上含有することが望ましい。一方、4%を超えて含有しても、効果が飽和し、含有量に見合う効果が期待できなくなり経済的に不利となる。このため、含有する場合、Cuは4%以下に限定することが好ましい。より好ましくは1.0〜2.5%である。
Coは、オーステナイト形成元素であり、耐炭酸ガス腐食性を向上させるとともに、低炭素含有域において、マルテンサイト相を主体とする組織を安定して確保するために有効に作用する。このような効果を得るためには、0.5%以上含有することが望ましい。一方、4%を超えて含有しても、効果が飽和し、含有量に見合う効果が期待できなくなり経済的に不利となる。このため、含有する場合、Coは4%以下に限定することが好ましい。より好ましくは1.0〜2.5%である。
Wは、耐炭酸ガス腐食性を向上させるとともに、さらに耐応力腐食割れ性、耐硫化物応力腐食割れ性、耐孔食性の向上に寄与する元素である。このような効果を得るためには、0.5%以上含有することが望ましい。一方、4.0%を超えて含有すると、フェライト相が生成しやすくなり、靭性が低下するとともに、耐硫化物応力腐食割れ性の向上効果が飽和し、含有量に見合う効果が期待できなくなり、経済的に不利となる。このため、含有する場合、Wは4.0%以下に限定することが好ましい。なお、より好ましくは1.0〜3.0%である。
B群:Nb:0.10%以下、Zr:0.10%以下、Hf:0.20%以下、Ta:0.20%以下のうちから選ばれた1種または2種以上
B群:Nb、Zr、Hf、Taはいずれも、Ti、Vと同様に炭化物形成元素であり、しかもCrより炭化物形成能が強く、HAZの耐硫化物応力腐食割れ性向上に大きく寄与する元素であり、必要に応じて選択して1種または2種以上含有できる。このような効果を得るためには、Nb:0.03%以上、Zr:0.03%以上、Hf:0.03%以上、Ta:0.03%以上をそれぞれ含有することが好ましい。一方、Nb:0.10%、Zr:0.10%、Hf:0.20%、Ta:0.20%をそれぞれ超える含有は、耐溶接割れ性、靭性を低下させる。このため、含有する場合、Nb:0.10%以下、Zr:0.10%以下、Hf:0.20%以下、Ta:0.20%以下にそれぞれ限定することが好ましい。なお、より好ましくはNb:0.03〜0.08%、Zr:0.03〜0.08%、Hf:0.10〜0.18%、Ta:0.10〜0.18%である。
C群:Ca:0.010%以下、Mg:0.010%以下、REM:0.010%以下、B:0.010%以下のうちから選ばれた1種または2種以上
C群:Ca、Mg、REM、Bはいずれも、熱間加工性の向上、割れ等の鋳造欠陥の発生抑制を介して、製造安定性の向上に有効に作用する元素であり、必要に応じて選択して1種または2種以上含有できる。このような効果を得るためには、Ca:0.0005%以上、Mg:0.0010%以上、REM:0.0010%以上、B:0.0005%以上、それぞれ含有することが望ましい。一方、Ca:0.010%、Mg:0.010%、REM:0.010%、B:0.010%、をそれぞれ超える含有は、粗大介在物の生成を促進し、耐食性、靭性を著しく低下させる。このため、含有する場合、Ca:0.010%以下、Mg:0.010%以下、REM:0.010%以下、B:0.010%以下に、それぞれ限定することが好ましい。なかでもCaは、鋼管の品質を安定して向上させることができ、しかも安価であり製造コストを低く抑えることができ、最も有効な元素である。なお、Caのより好ましい範囲は、0.0005〜0.0030%である。
上記した成分以外の残部は、Feおよび不可避的不純物からなる。
本発明鋼管は、上記した組成を有し、さらにマルテンサイト相を主体とし、残留オーステナイト相を体積率で5〜20%含む組織を有する。
鋼管組織を、マルテンサイト相を主体とする組織とすることにより、所望の高強度を維持しながら、高靭性を兼備する鋼管とすることができる。ここでいう「主体とする」とは、当該相が体積率で70%以上、好ましくは80%以上を占める組織をいうものとする。マルテンサイト相が70%未満では、ラインパイプとして要求される所定の高強度(例えば、降伏強さ:550MPa以上、引張強さTS:700MPa以上)を安定して確保することができない。
また、本発明鋼管では、主体であるマルテンサイト相以外の第二相として、体積率で5〜20%の残留オーステナイト相を含む。残留オーステナイト相を5%以上含有することにより、鋼管靭性が向上し、ラインパイプとして所定の靭性(例えば、シャルピー衝撃試験の破面遷移温度vTrs:−40℃以下)を確保することができる。残留オーステナイト相が5%未満では、所定の靭性を確保できない。一方、残留オーステナイト相が20%を超えて存在すると、鋼管強度が低下して所定の高強度を確保できなくなる。
本発明鋼管では、母材平均硬さHVが、リールバージ敷設時に想定される負荷歪量ε(%)に応じて次(1)式または次(2)式
ε<1の場合 HV≦ 300−12ε ‥‥(1)
ε≧1の場合 HV≦ 292−4ε ‥‥(2)
(ここで、ε(%)={r/(R+r)}×100、r:鋼管の外半径(mm)、R:リールバージ船のリールの外半径(mm)、HV:リールバージ敷設前の鋼管の母材平均硬さ(HV))
を満足する。
母材平均硬さHVが、リールバージ敷設時に想定される負荷歪量ε(%)に応じて(1)式または(2)式を満足しない場合には、リールバージ敷設時の歪負荷と操業時の加熱による歪時効で、強度が増加し、靭性が低下する。(1)式または(2)式を満足しておれば、歪時効による靭性低下は問題ない範囲に留まる。
つぎに、本発明鋼管の製造方法について、説明する。
本発明では、素材鋼管に、熱処理を施して、リールバージ敷設向け鋼管とする。
素材鋼管としては、上記した組成を有する鋼管を適用する。素材鋼管の製造方法はとくに限定する必要はない。常用の方法で製造された、継目無鋼管あるいは溶接鋼管がいずれも素材鋼管として適用可能である。
素材鋼管の製造方法について、継目無鋼管を例として説明する。
上記した組成を有する溶鋼を、転炉、電気炉、真空溶解炉等の通常の溶製方法で溶製し、連続鋳造法、造塊−分塊圧延法等の公知の方法で、ビレット等の鋼管素材とする。ついで、これら鋼管素材を加熱し、通常のマンネスマン−プラグミル方式、あるいはマンネスマン−マンドレルミル方式等の常用の製造設備を用いて、熱間加工して造管し、所望寸法の継目無鋼管とすることが好ましい。なお、得られた継目無鋼管は、空冷以上の冷却速度で室温まで冷却することが好ましい。上記した組成を有する鋼管であれば、熱間加工後、空冷以上の冷却速度で室温まで冷却することにより、マルテンサイト相を主体とする組織を有する鋼管とすることができる。なお、鋼管素材を、熱間押出設備を用いて継目無鋼管としても何ら問題はない。
なお、上記した組成を有する鋼管素材を用いて、通常の工程に従い、電縫鋼管、UOE鋼管、スパイラル鋼管などの溶接鋼管とし、これを素材鋼管としてもよい。
本発明鋼管の製造方法では、熱処理後の鋼管の母材平均硬さHVが、リールバージ敷設時に想定される負荷歪量ε(%)に応じて次(1)式または次(2)式
ε<1の場合 HV≦ 300−12ε ‥‥(1)
ε≧1の場合 HV≦ 292−4ε ‥‥(2)
(ここで、ε(%)={r/(R+r)}×100、r:鋼管の外半径(mm)、R:リールバージ船のリールの外半径(mm)、HV:リールバージ敷設前の鋼管の母材平均硬さ(HV))
を満足するように、素材鋼管に熱処理を施す。ここでいう「平均硬さ」は、鋼管の管肉厚中心部で3点以上ビッカース硬さを測定しその平均硬さを言うものとする。管肉厚中心部とは、肉厚中心位置から肉厚に対しての±10%の範囲をいうものとする。
素材鋼管に施す熱処理は、焼入れ処理と焼戻処理を施す熱処理とする。焼入れ処理は750〜1000℃の温度に加熱したのち、空冷以上の冷却速度で100℃以下まで冷却する処理とすることが、また焼戻処理は550〜700℃の温度で加熱する処理とすることが好ましい。
本発明では、熱処理後の鋼管の母材平均硬さHVが上記した(1)式または(2)式を満足するように、とくに、焼戻処理の温度および/または保持時間を調整することが好ましい。
上記した(1)式または(2)式を満足するように、熱処理後の鋼管の母材平均硬さHVを調整することにより、リールバージ敷設による歪負荷と操業時の加熱とによる歪時効が生じても、ラインパイプ(鋼管)の顕著な特性劣化を生じることはなくなる。
また、上記した(1)式または(2)式を利用して、ラインパイプ用マルテンサイト系ステンレス鋼管を対象として、リールバージ敷設向け鋼管を選別することもできる。
対象とするラインパイプ用マルテンサイト系ステンレス鋼管の母材平均硬さ(ビッカース硬さ)HVを測定し、得られた母材平均硬さHVが、リールバージ敷設時に想定される負荷歪量ε(%)に応じて上記した(1)式または(2)式を満足する場合に、当該鋼管をリールバージ敷設向け鋼管として選別する。この選別方法によれば、リールバージ敷設による歪負荷と操業時の加熱とによる歪時効が生じても、ラインパイプ(鋼管)の顕著な特性劣化を生じることがなくなる。
以下、実施例に基づき、さらに本発明について説明する。
表1に示す組成の溶鋼を転炉で溶製し、連続鋳造法でスラブとしたのち、該スラブを熱間圧延によりビレット(丸鋼片)とし鋼管素材とした。得られた鋼管素材を用いて、通常のマンネスマン−プラグミル方式の製造設備を用いて、熱間造管して継目無鋼管(外径273mmφ×肉厚15.7mm)とした。なお、造管後、空冷した。
得られた継目無鋼管を素材鋼管とし、素材鋼管に熱処理を施した。熱処理は、表2に示す温度、保持時間の焼入れ処理および焼戻処理とした。
熱処理後の鋼管から、硬さ測定用試験片を採取し、内外表面から1.5mmおよび肉厚中心部(肉厚中心位置±1.0mmの範囲)の各4点計12点でビッカース硬さ計(荷重:10kgf)を用いて母材硬さを測定し、得られた硬さを算術平均し母材平均硬さHVを算出した。得られた鋼管の母材平均硬さHVを表3に示す。
熱処理後の鋼管から試験材(弧状試験材)を採取し、歪時効処理を施した。リールバージ敷設を想定した歪負荷とし、
ε(%)={r/(R+r)}×100、
(ここで、r:鋼管の外半径(mm)、R:リールバージ船のリールの外半径(mm))で算出した歪εを単軸引張で負荷したのち、250℃×60minの加熱処理を施した。なお、εは、種々のリールの外半径Rに対応して種々、変化させた。
ついで、歪時効処理を施された試験材から、試験片を採取し、硬さ試験、引張試験、シャルピー衝撃試験、炭酸ガス腐食試験、硫化物応力腐食割れ試験を実施した。なお、参考として、歪時効処理なしの場合も同様に試験した。試験方法は次のとおりとした。
(1)硬さ試験
歪時効処理を施された試験材から、硬さ測定用試験片を採取し、ISO 3183の規定に準拠して、ビッカース硬さ計(荷重:10kgf)で、内外表面から1.5mmおよび肉厚中央部の硬さを各4点計12点測定し、得られた硬さ値を算術平均して、歪時効処理後の母材の平均硬さHVとした。
(2)引張試験
歪時効処理を施された試験材から、引張方向が管軸方向に一致するように、ASTM A370の規定に準拠して、引張試験片(平行部径12.5mmφ)を採取し、ASTM A370の規定に準拠して、引張試験を実施し、歪時効処理後の引張特性(降伏強さYS、引張強さTS、伸びEl)を求めた。
(3)シャルピー衝撃試験
歪時効処理を施された試験材から、肉厚中央部からASTM A370の規定に準拠して、試験片の長手方向が管軸方向に一致するようにVノッチ試験片(厚さ:10mm)を採取し、試験温度:−46℃でシャルピー衝撃試験を実施し、吸収エネルギーvE−46(J)を求めた。なお、試験片は各3本とし、得られた吸収エネルギーの平均値を、歪時効処理後の各鋼管の吸収エネルギーとした。
(4)炭酸ガス腐食試験
歪時効処理を施された試験材から機械加工により腐食試験片(厚さ3mm×幅25mm×長さ50mm)を採取し、腐食試験を実施した。腐食試験は、オートクレーブ中に保持された3.0MPaの炭酸ガスを飽和させた20%NaCl水溶液(液温:160℃)中に腐食試験片を浸漬した。浸漬期間は30日間とした。試験後、腐食試験片の重量を測定し、腐食試験前後の重量減から腐食速度を算出した。また、試験後の腐食試験片について倍率:10倍のルーペを用いて孔食発生の有無を観察した。孔食が発生しなかった場合を○、それ以外を×とした。
(5)硫化物応力腐食割れ試験
歪時効処理を施された試験材から試験片(平行部直径6.4mmφ)を採取し、NACE TM0177 Method Aに準拠して定荷重引張型SSC試験を実施した。使用した試験液は、5%NaCl+NaHCO3液(pH:4.5)とし、10%H2S+CO2混合ガスを流しながら試験を行った。負荷応力は歪時効前の母材降伏応力の90%とし、試験期間は720hとした。試験期間内に破断しなかった場合を○、破断した場合を×とした。
得られた結果を表3に示す。
Figure 2015161010
Figure 2015161010
Figure 2015161010
(1)または(2)式を満足する鋼管母材硬さを有する本発明例は、リールバージ敷設を想定した歪負荷と、操業を想定した加熱とを組み合わせた歪時効処理を施されたのちに顕著な強度増加、顕著な靭性低下、耐炭酸ガス腐食性および耐硫化物応力腐食割れ性の顕著な低下もなく、リールバージ敷設性に優れた鋼管であることがわかる。一方、本発明範囲を外れる比較例は、リールバージ敷設を想定した歪時効処理後に、強度、硬さ、靭性、耐炭酸ガス腐食性および耐硫化物応力腐食割れ性のいずれかにおいて著しい特性の低下が認められ、リールバージ敷設向ラインパイプ用鋼管としては不適当であることがわかる。
1 長尺の鋼管
2 リール
3 バージ
4 海底

Claims (6)

  1. リールバージ敷設されるラインパイプ用マルテンサイト系ステンレス鋼管であって、質量%で、
    C :0.015%未満、 N :0.020%未満、
    Si:1.0%以下、 Mn:2.0%以下、
    P :0.03%以下、 S :0.010%以下、
    Al:0.10%以下、 Cr:10〜14%、
    Ni:4.0〜8.0%、 Mo:1.0〜4.0%、
    Ti:0.03〜0.15%、 V :0.02〜0.10%
    を含み、残部Feおよび不可避的不純物からなる組成と、マルテンサイト相を主体とし、残留オーステナイト相を体積率で5〜20%含む組織とを有し、かつリールバージ敷設時に想定される負荷歪量ε(%)に応じて、下記(1)式または下記(2)式を満足する鋼管の母材平均硬さHVを有することを特徴とするリールバージ敷設性に優れたラインパイプ用マルテンサイト系ステンレス鋼管。

    ε<1の場合 HV≦ 300−12ε ‥‥(1)
    ε≧1の場合 HV≦ 292−4ε ‥‥(2)
    ここで、ε(%)={r/(R+r)}×100
    r:鋼管の外半径(mm)、
    R:リールバージ船のリールの外半径(mm)、
    HV:リールバージ敷設前の鋼管の母材平均硬さ(HV)
  2. 前記組成に加えてさらに、質量%で、下記A群〜C群のうちから選ばれた1群または2群以上を含有することを特徴とする請求項1に記載のラインパイプ用マルテンサイト系ステンレス鋼管。

    A群:Cu:4%以下、Co:4%以下、W:4%以下のうちから選ばれた1種または2種以上、
    B群:Nb:0.10%以下、Zr:0.10%以下、Hf:0.20%以下、Ta:0.20%以下のうちから選ばれた1種または2種以上、
    C群:Ca:0.010%以下、Mg:0.010%以下、REM:0.010%以下、B:0.010%以下のうちから選ばれた1種または2種以上
  3. 素材鋼管に、熱処理を施して、リールバージ敷設向け鋼管とするに当たり、
    前記素材鋼管を、質量%で、
    C :0.015%未満、 N :0.020%未満、
    Si:1.0%以下、 Mn:2.0%以下、
    P :0.03%以下、 S :0.010%以下、
    Al:0.10%以下、 Cr:10〜14%、
    Ni:4.0〜8.0%、 Mo:1.0〜4.0%、
    Ti:0.03〜0.15%、 V :0.02〜0.10%
    を含み、残部Feおよび不可避的不純物からなる組成のマルテンサイト系ステンレス鋼管とし、
    前記熱処理後の前記鋼管の母材平均硬さHVが、リールバージ敷設時に想定される負荷歪量ε(%)に応じて下記(1)式または下記(2)式を満足するように、前記熱処理を、焼入れ処理と焼戻処理とを施す熱処理とする
    ことを特徴とするリールバージ敷設向けラインパイプ用マルテンサイト系ステンレス鋼管の製造方法。

    ε<1の場合 HV≦ 300−12ε ‥‥(1)
    ε≧1の場合 HV≦ 292−4ε ‥‥(2)
    ここで、ε(%)={r/(R+r)}×100
    r:鋼管の外半径(mm)、
    R:リールバージ船のリールの外半径(mm)、
    HV:リールバージ敷設前の鋼管の母材平均硬さ(HV)
  4. 前記組成に加えてさらに、質量%で、下記A群〜C群のうちから選ばれた1群または2群以上を含有することを特徴とする請求項3に記載のリールバージ敷設向けラインパイプ用マルテンサイト系ステンレス鋼管の製造方法。

    A群:Cu:4%以下、Co:4%以下、W:4%以下のうちから選ばれた1種または2種以上、
    B群:Nb:0.10%以下、Zr:0.10%以下、Hf:0.20%以下、Ta:0.20%以下のうちから選ばれた1種または2種以上、
    C群:Ca:0.010%以下、Mg:0.010%以下、REM:0.010%以下、B:0.010%以下のうちから選ばれた1種または2種以上
  5. 前記素材鋼管が、鋼管素材を加熱し、熱間加工により造管して継目無鋼管としたのち、該熱間加工後の継目無鋼管を空冷以上の冷却速度で室温まで冷却してなる継目無鋼管であることを特徴とする請求項3または4に記載のリールバージ敷設向けラインパイプ用マルテンサイト系ステンレス鋼管の製造方法。
  6. ラインパイプ用マルテンサイト系ステンレス鋼管の選別方法であって、
    ラインパイプ用マルテンサイト系ステンレス鋼管を対象とし、該対象とするマルテンサイト系ステンレス鋼管の母材硬さを測定し、得られた鋼管の母材平均硬さHVが、リールバージ敷設時に想定される負荷歪量ε(%)に応じて下記(1)式または下記(2)式を満足する場合に、当該ラインパイプ用マルテンサイト系ステンレス鋼管をリールバージ敷設向けとして選別することを特徴とするリールバージ敷設向ラインパイプ用マルテンサイト系ステンレス鋼管の選別方法。

    ε<1の場合 HV≦ 300−12ε ‥‥(1)
    ε≧1の場合 HV≦ 292−4ε ‥‥(2)
    ここで、ε(%)={r/(R+r)}×100
    r:鋼管の外半径(mm)、
    R:リールバージ船のリールの外半径(mm)、
    HV:リールバージ敷設前の鋼管の母材平均硬さ(HV)
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