JP2002180210A - マルテンサイト系ステンレス鋼 - Google Patents

マルテンサイト系ステンレス鋼

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JP2002180210A JP2000384965A JP2000384965A JP2002180210A JP 2002180210 A JP2002180210 A JP 2002180210A JP 2000384965 A JP2000384965 A JP 2000384965A JP 2000384965 A JP2000384965 A JP 2000384965A JP 2002180210 A JP2002180210 A JP 2002180210A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】優れた靱性と耐食性を備えたNi含有量が3%
以下と低い安価な低Cマルテンサイト系ステンレス鋼の
提供。 【解決手段】質量%で、C:0.03%以下、Si:
0.05〜1%、Mn:0.05〜2%、P:0.02
5%以下、S:0.01%以下、Cr:9.5〜12
%、Ni:1〜3%、Mo:0.05〜1.5%、N:
0.05%以下、O:0.01%以下を含有する組織が
焼戻しマルテンサイトとフレッシュマルテンサイトの混
合組織であってフレッシュマルテンサイトの量が1%〜
80%であるステンレス鋼。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、靱性および炭酸ガ
ス腐食性に優れた低降伏比のマルテンサイト系ステンレ
ス鋼に関し、このステンレス鋼は炭酸ガスを含む原油を
採掘する油井管や原油を輸送するフローライン、ライン
パイプ、油井井戸坑底機器およびバルブ等の用途に好適
である。
【0002】
【従来の技術】石油、天然ガス資源の減少に伴い、陸上
だけでなく海底油田の開発が活発となっている。海底油
田を開発する場合、掘削、精製基地となる海上プラット
フォームを建造し、プラットフォーム上から油井管にて
石油、天然ガスを汲み上げる。さらに、腐食性を低下さ
せるために脱水、脱硫等の精製をプラットフォーム上で
実施した後、安価な炭素鋼や合金鋼のパイプラインにて
搬送する方法が一般的である。しかしながらプラットフ
ォームの建造、維持コストが莫大なため、近年新たにプ
ラットフォームの建造を必要としない海底油田採掘技術
が開発されている。
【0003】すなわち、プラットフォームから油井管を
直接地中の油層まで降ろさず、油井管を海底から地中の
油層まで降ろして海底で油井を仕上げ(sub sea comple
tion)て、腐食性の高い原油、ガスをそのままフローラ
インで既存のプラットフォームまで搬送する方法であ
る。この場合、フローラインは搬送する媒体に対して優
れた耐食性を有していることが必要であり、油井管と同
等程度の耐食性を有するステンレス、高合金等の材質が
必要となる。
【0004】油井に多く含まれる炭酸ガスによる腐食に
対して高Cr鋼が有効であることは知られており、炭酸
ガスを多く含む油井管用にはAPI−13Crで規定さ
れる0.2%C−13%Cr鋼が多く使用されている。
しかしながら、この材料はC濃度が高いため溶接性は好
ましくなく、フローラインやラインパイプのように溶接
して使用される用途には不向きであった。そこで、近年
C含有量を低減して、かわりにオーステナイト生成元素
としてNiを添加したスーパー13Cr鋼と呼ばれる新
しい溶接性に優れた鋼種が開発されている。
【0005】しかし、スーパー13Cr鋼はNiを5〜
7%と多量に含有しておりAPI−13Crに比べて大
幅に高価になるという問題がある。また、単純にNi含
有量を低減すると熱間加工性、耐食性および靭性を低下
させるδフェライトが生成するだけでなく、Ni含有量
自体が靭性を支配するため、靭性の確保が難しい。
【0006】特開平9−228001号、特開平10−
1752号、特開平11−61267号の各公報には、
2%以下のNiを含有する低Cマルテンサイト系ステン
レス鋼において、靭性を確保する手法が開示されてい
る。いずれも、Cuを添加することにより、Ni低減に
よる靭性低下を抑制することを特徴としている。
【0007】特開平8−295939号公報には、Cu
を必須元素とした低Cマルテンサイト系ステンレス鋼を
熱処理することにより靭性を向上させるラインパイプ用
高Crマルテンサイト鋼管の製造方法が開示されてい
る。
【0008】特開平10−1752号公報には、Cuお
よびNを添加して靱性を改善した低Cマルテンサイト系
ステンレス鋼が、また特開平11−61267号公報に
はCuを必須元素とした鋼に、焼入れと焼戻し熱処理の
中間で2相域での熱処理を施すことにより靭性を改善す
るマルテンサイト継目無鋼管の製造方法が開示されてい
る。
【0009】このように、上記従来技術はいずれもNi
を低減して靭性が低下した鋼にCuを添加することによ
って靭性を確保するか、さらにCuを添加した鋼を用い
て熱処理等を特定して靭性の改善を図った技術である。
【0010】しかしながら、ステンレス鋼においてCu
は熱間加工性やクリープ強度を低下させることがあり、
不純物として好ましくない場合が多く、Cuを添加した
鋼はスクラップリサイクル性にも問題がある。そこで、
Cuを添加することなく靭性を確保する方策が必要とさ
れていた。また、上記熱処理により靱性を確保する方法
においては、製造コストの面からは熱処理回数はなるべ
く少ない方がよく、熱間加工後室温に冷却することなく
焼入れする直接焼き入れ方法による製造が望ましいが、
この場合結晶粒が粗大になり、靭性確保がさらに困難に
なる問題があった。
【0011】上記特開平11−61267号公報には、
直接焼入れ材の靭性確保のための熱処理方法が開示され
ているが、直接焼入れ後、2相域熱処理と焼戻しによる
2回の熱処理が必要で、直接焼入れによる熱処理軽減効
果が全く得られない問題があった。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】本発明の課題は、Ni
含有量が3%以下と低く安価な低Cマルテンサイト系ス
テンレス鋼において、Cuを添加することなく、また熱
処理を多数回施すことなく靱性、耐食性に優れた低降伏
比マルテンサイト系ステンレス鋼を提供することにあ
る。
【0013】
【課題を解決するための手段】Cuを添加することな
く、また多数回の熱処理を施さなく、直接焼入れ材であ
っても靭性、耐食性に優れた安価な低Cマルテンサイト
系ステンレス鋼を開発するため鋭意検討した結果、以下
の知見を得ることができた。
【0014】a)靭性、耐食性さらに熱間加工性を確保
するためには、δフェライトを生成させてはならない。
δフェライトの生成を抑制してNiを低減するために
は、Niに代わるオーステナイト生成元素を添加する
か、フェライト生成元素の低減が必要である。
【0015】b)オーステナイト生成元素であるCuは
スクラップのリサイクル性に問題があり、また他のオー
ステナイト生成元素であるC、Nも溶接部の強度を上昇
させて靭性、耐食性を低下させるので利用できない。
【0016】c)したがって、フェライト生成元素であ
るCrの含有量を低減する必要がある。油井管のAPI
−13CrのCr含有量は約13%であるが、含有する
CやNによってかなりのCrがCr炭窒化物となって耐
食性に寄与しなくなっているので低C、低Nの材料では
13%のCr量を確保する必要はなく、最低限9.5%
のCr含有量があればAPI−13Crと同等の耐炭酸
ガス腐食性が得られ、また12%を超えるとδフェライ
トが生成して熱間加工性、耐食性および靭性が低下する
ことから、Cr含有量はAPI−13Crより低減した
9.5%〜12%とするのがよい。
【0017】d)Cuを含有しない成分系でNiを低減
すると靭性が低下するが、その対策としては金属組織の
コントロールが有効であり、焼戻しマルテンサイトとフ
レッシュマルテンサイトの混合組織とすれば靭性が改善
でき、特にフレッシュマルテンサイトの靭性を確保する
ためには、少量のMoを添加する必要がある。
【0018】e)そのフレッシュマルテンサイト率が1
〜80%であると溶接構造物として良好な85%以下の
降伏比も得られる。
【0019】本発明は、このような知見に基づきなされ
たもので、その要旨は以下の通りである。
【0020】(1)質量%で、C:0.03%以下、S
i:0.05〜1%、Mn:0.05〜2%、P:0.
025%以下、S:0.01%以下、Cr:9.5〜1
2%、Ni:1〜3%、Mo:0.05〜1.5%、
N:0.05%以下、O:0.01%以下を含有し、残
部がFeおよび不純物からなり、金属組織が焼戻しマル
テンサイトとフレッシュマルテンサイトの混合組織であ
ってフレッシュマルテンサイトの量が1%〜80%であ
るマルテンサイト系ステンレス鋼。
【0021】(2)さらに、V:0.001〜0.5
%、Nb:0.001〜0.5%、Ti:0.001〜
0.5%およびZr:0.001〜0.5%のうちから
選ばれた1種又は2種以上を含有する上記(1)に記載
のマルテンサイト系ステンレス鋼。 (3)さらに、Ca:0.0005〜0.05%、M
g:0.0005〜0.05%、REM:0.0005
〜0.05%のうちから選ばれた1種又は2種以上を含
有する上記(1)に記載のマルテンサイト系ステンレス
鋼。
【0022】(4)さらに、V:0.001〜0.5
%、Nb:0.001〜0.5%、Ti:0.001〜
0.5%およびZr:0.001〜0.5%のうちから
選ばれた1種又は2種以上と、Ca:0.0005〜
0.05%、Mg:0.0005〜0.05%、RE
M:0.0005〜0.05%のうちから選ばれた1種
又は2種以上とを含有する上記(1)に記載のマルテン
サイト系ステンレス鋼。
【0023】(5)さらに、sol.Alを0.001〜
0.1%を含有する上記(1)〜(4)に記載のマルテ
ンサイト系ステンレス鋼。
【0024】(6)さらに、Bを0.0003〜0.0
1%を含有する上記(1)〜(5)に記載のマルテンサ
イト系ステンレス鋼。
【0025】なお、光学顕微鏡によりフレッシュマルテ
ンサイトと焼戻しマルテンサイトとを判別するのが困難
なため、フレッシュマルテンサイト率は下記式により求
めるものとする。 フレッシュマルテンサイト率=(c−b)/(a−b)
×100(%) ここで、 aは、1000℃から水焼き入れしたときのロックウェ
ルC硬度 bは、焼入れ後、Ac1点温度−20℃で焼戻したときの
硬度 cは、最終熱処理後のロックウエル硬度C とする。ただし、上記式が負になった場合は、フレッシ
ュマルテンサイト率を0%とする。また、析出強化が作
用したときには上記計算値が100%を超えることがあ
るが、その場合はフレッシュマルテンサイト率を、それ
ぞれ100%とする。
【0026】
【発明の実施の形態】以下に、この発明において、化学
組成と金属組織を規定した理由を説明する。なお、化学
組成の%表示は全て質量%を示す。
【0027】C:Cは、その含有量が0.03%を超え
ると、フレッシュマルテンサイトの強度が高くなり、靭
性が低下するのでその上限を0.03%と定めた。C含
有量は低ければ低いほうがよい。C含有量が低いほど焼
き戻しマルテンサイトとフレッシュマルテンサイトの混
合組織としたときの靭性が良好になるので、好ましくは
0.2%以下、より好ましくは0.009%以下であ
る。
【0028】Si:Siは、脱酸に必要な元素である
が、フェライト生成元素であるので添加しすぎるとδフ
ェライトが生成して熱間加工性、靭性および耐食性を低
下させる。脱酸のためには0.05%以上含有させる必
要がある。一方、1%を超えるとフェライトが生成しや
すくなるので、その範囲を0.05〜1%とした。
【0029】Mn:Mnは、脱酸材として製鋼上必要な
元素である。0.05%未満では脱酸作用が不足して靭
性および耐食性が低下するので、下限を0.05%とし
た。高温でδフェライトを析出させないためには、多量
含有させることが好ましく、1%を超える量が好まし
い。一方、2%を超えるとかえって靭性が低下するので
上限を2%とした。
【0030】P:Pは、不純物として鋼中に存在し、耐
食性および靭性を低下させる。十分な耐食性と靭性を得
るためには0.025%以下とする必要があるが、その
含有量は低ければ低い程良好であり、厳しい低温靭性が
要求される場合は0.02%以下、さらに厳しい低温靭
性が要求される場合は0.015%以下が好ましい。
【0031】S:Sは、不純物として鋼中に存在し、熱
間加工性、耐食性および靭性を低下させる。それらの充
分な特性を得るためには、0.01%以下が必要である
が、その含有量は低ければ低い程良好であり、0.00
2%以下が好ましい。
【0032】Cr:Crは、耐炭酸ガス腐食性を向上さ
せる成分である。9.5%未満では十分な耐炭酸ガス腐
食性が得られないので下限を9.5%とした。また、多
量に含有させると高価になるためNiの上限を3%とし
た場合において、Cr量が12%を超えると、圧延時の
加熱でδフェライトが生成しやすく熱間加工性、靭性お
よび耐食性が低下するので12%を上限とした。圧延加
熱温度はより高温の方が、変形抵抗が減少して工具寿命
が長くなるので、より高温加熱でもδフェライトが生成
しない成分系が好ましい。したがって、Crの上限は好
ましくは11.5%、より好ましくは10.9%であ
る。また、炭酸ガスに対する十分な耐食性を確保するに
はCrは多いほど良好な結果が得られるので10%以上
がより望ましい。Ni:C含有量を低減した高Cr鋼に
おいて、Niはδフェライトの生成を抑制し、靭性を確
保するための必須の元素である。Ni含有量が1%未満
ではδフェライトの生成を抑止できず、また靭性低下が
著しいので上限を1%とした。靭性の確保の観点からは
Ni含有量は多いほど良好であるので、好ましくは1.
5%以上である。特性の観点からはNiの上限は無いが
Niは高価な元素であり、多量に添加すると油井管のA
PI−13Crとのコスト差が大きくなるので3%を上
限と定めた。なお、コストを油井管に近付けるために
は、Ni添加量はなるべく低減する方が好ましく、さら
に経済性を追求する場合には上限を2.5%、より好ま
しくは2%とするのが望ましい。
【0033】Mo:Moは、本発明鋼において重要な元
素であり、焼き戻されていないフレッシュマルテンサイ
トが存在する組織であっても良好な靭性を確保するため
に含有させる必要がある。この効果を得るためには0.
05%以上含有させる必要がある。さらに、耐硫化物応
力割れ特性を改善する効果も有するため、多量になるほ
ど耐食性が向上するが、Moは高価な元素でありコスト
高とならないように上限を1.5%とした。したがっ
て、最小限の含有量が望ましく、好ましい範囲は0.0
5〜0.5%、より好ましい範囲は0.05〜0.3%
である。
【0034】N:Nは、靭性を大幅に低下させる元素で
ある。その含有量が0.05%を超えると、フレッシュ
マルテンサイトの強度が高くなり、靭性が大幅に低下す
るので上限を0.05%と定めた。N含有量は低ければ
低いほうがいい。なお、N含有量が低いほど焼戻しマル
テンサイトとフレッシュマルテンサイトの混合組織とし
たときの靭性が良好になるので、N含有量は好ましくは
0.02%以下、より好ましくは0.01%以下に制限
した方がよい。
【0035】O(酸素):Oは、含有量が0.01%を
超えると、靭性、耐食性が低下が著しいので、0.01
%以下とした。
【0036】上記の化学組成に、さらに必要により下記
の元素を含有させることができる。 V、Nb、Ti、Zr:これらの元素は、焼戻しマルテ
ンサイトとフレッシュマルテンサイトの混合組織とした
ときに強度を向上させるとともに、Cを固定し、強度の
ばらつきを少なくする作用があり、そのような効果を得
る目的で含有させることができる。それぞれの元素の含
有量が0.001%未満の場合はそれらの効果が期待で
きず、0.5%を超える過剰な含有量ではδフェライト
が生成して熱間加工性が低下するので含有させる場合は
それぞれ0.001〜0.5%とした。
【0037】sol.Al:Alは、脱酸のために添加でき
る元素である。添加する場合には、前記効果を得るには
0.001%以上が必要である。一方、Alは強力なフ
ェライト生成元素であるので、含有量が0.1%を超え
るとδフェライトが生成するので、含有させる場合の上
限は0.1%である。
【0038】B:Bは、靭性と熱間加工性を改善する効
果を有するので、それらの効果を得る場合に含有させ
る。前記効果を得るには0.0003%以上が必要であ
り、一方0.01%を超えると耐食性が低下するので、
含有させる場合は0.0003〜0.01%とした。
【0039】Ca、Mg、REM:いずれの元素も鋼の
熱間加工性を向上させるのに有効な元素である。また、
鋳造時のノズルつまりを防止する作用も有する。これら
の効果を得たい場合には、1種又は2種以上を選んで含
有させる。しかし、いずれの元素もその含有量が0.0
005%未満では上記効果が得られない。一方、0.0
5を超えて含有させると、粗大な酸化物が生成し、孔食
起点となって耐食性が低下する。したがって、含有させ
る場合、それぞれ0.0005〜0.05%とした。
【0040】フレッシュマルテンサイト率:本発明のス
テンレス鋼の主な金属組織は、焼戻しマルテンサイトと
フレッシュマルテンサイトであるが、さらに極少量のδ
フェライトと析出物を含む場合がある。 フレッシュマ
ルテンサイト量が極少ないと靭性確保は困難であり、靱
性を確保するためには1%以上であることが必要であ
る。また、多く存在し過ぎると、強度が上昇し過ぎてか
えって靭性が低下するので、フレッシュマルテンサイト
率は1〜80%とした。良好な靭性を確保するためには
フレッシュマルテンサイト量は必要最小限が望ましく、
好ましくは1〜60%、より好ましくは1〜40%であ
る。
【0041】本発明はCuを添加せず、かつNiの低い
高Cr鋼において靭性を大幅に向上させるため、焼戻し
マルテンサイトにフレッシュマルテンサイトが一定量存
在する状態とし、さらに少量のMoを含有させることを
特徴としており、熱処理は特に特定されないが、本発明
で規定する金属組織は、例えば熱間加工後に下記のよう
な熱処理を施すことにより得られる。
【0042】まず、フレッシュマルテンサイトを残存さ
せるために、最終熱処理が焼戻しであると、フレッシュ
マルテンサイトは全て焼戻しマルテンサイトとなってし
まうため、最終熱処理はAc1点以上の温度とする必要
がある。Ac1点以上の温度に加熱すれば、オーステナ
イトが生成し、本発明で規定された化学組成では冷却に
より残留オーステナイトとはならずマルテンサイト変態
する。したがって、80%以下のオーステナイトと焼戻
しマルテンサイトの2相域に加熱して冷却すると、所望
の組織が得られる。また、オーステナイト単相域まで加
熱しても、その後の冷却速度が遅いと、マルテンサイト
変態後に一部の組織が冷却途中に自動的に焼戻しされる
ので、この場合でもフレッシュマルテンサイトと焼戻し
マルテンサイトとの混合組織が得られる。フレッシュマ
ルテンサイトの定量は組織観察では極めて困難であり、
代わりに前記マルテンサイト率を表す計算式により定量
する。なお、この効果は特に靭性の確保が困難である高
温で圧延終了後、直ちにまたは再加熱した後に空冷また
は急冷した比較的結晶粒の粗大なインライン熱処理材に
おける効果が大きく、熱間加工後直接焼入れしてさらに
Ac1点〜Ac3点の温度域に加熱、冷却しその後の焼戻し
を実施しない熱処理で特に効果が大きい。また、Ac3点
以上に加熱して放冷することによってセルフテンパーさ
れた焼戻しマルテンサイトとフレッシュマルテンサイト
が混在する組織としてもよい。
【0043】従来の技術ではインライン熱処理では靭性
を確保することができず、圧延後焼入れ、焼戻しという
2回の熱処理が必要であったが、本発明により圧延後冷
却した後、1回の2相域熱処理で良好な特性がえられる
ので、インライン熱処理が可能となる利点がある。
【0044】
【実施例】表1および表2示す化学組成のステンレス鋼
を溶製した後熱間鍛造し、さらに熱間圧延にて厚さ12
mm、幅180mm、長さ700mmの鋼板に仕上げ
た。仕上げ温度は全て1000℃とし、仕上げ後直ちに
950℃の炉内に入れて10分間均熱した後水冷を施し
直接焼き入れを実施した。次いで、最終熱処理の温度を
種々変化させてフレッシュマルテンサイト率を変化させ
た。
【0045】
【表1】
【表2】 これらの焼入れ、焼戻し処理した鋼板から、溶接部の特
性を評価するため下記の方法で溶接継ぎ手を製作した。
【0046】すなわち、熱処理後の各鋼板から、それぞ
れ幅70mm、長さ400mmの2枚の溶接継ぎ手用の
鋼板を切り出し、圧延方向の側面に開先加工を施して突
き合わせて、25Cr系のスーパー2相ステンレス鋼の
溶接材料を用いてガス・タングステン・アーク溶接(G
TAW)法にて溶接した。
【0047】焼入れ、焼戻し処理を施したままの鋼板
(以下母材という)および溶接継ぎ手から、下記の試験
片を加工し、機械的特性と耐食性を調査した。
【0048】母材および溶接継ぎ手から製作した試験片 シャルピー衝撃試験片:JIS4号シャルピー試験片 試験片の長さ方向が圧延直角方向となるように製作し、
溶接継ぎ手からは、溶接熱影響部から切り出し、ノッチ
位置はボンドから1mmとした。 母材から製作した試験片 引張り試験片:直径4mm、標点間距離20mm 引張り方向が圧延方向となるように製作 耐食性試験片:、厚さ2mm、幅10mm、長さ75m
m 耐食性試験は、分圧30気圧の炭酸ガスを飽和させた8
0℃の25%NaCl溶液に、200時間浸漬して腐食
速度を測定した。これらの試験結果を、表3および表4
に示す。
【0049】
【表3】
【表4】 なお、表3、4中の耐食性の評価は、腐食速度が0.1
mm/年未満の場合を”○”、0.1mm/年以上の場
合を”×”と表示した。
【0050】試験No.1〜34は本発明例で、本発明
で規定した化学組成を有する鋼No.S1〜S34を用
い、フレッシュマルテンサイト率が7〜80%の範囲に
ある。これらの鋼は、引張り強さ80ksiグレード
(降伏強度:550MPa以上)の高強度を有しなが
ら、84%以下と降伏比が低く、母材の靭性および耐食
性、および溶接部の靭性ともに良好である。
【0051】試験No.35〜37(鋼No.S35〜
S37:API13Cr相当鋼)は従来例で、フレッシ
ュマルテンサイトを析出させたが、フレッシュマルテン
サイトの強度が著しく高いので、いずれも強度が高過
ぎ、靭性が低下しているとともに、耐食性が劣ってお
り、また降伏比も高い。
【0052】一方、比較例の試験No.38〜42は、
鋼の化学組成は本発明で規定する範囲内にあり、フレッ
シュマルテンサイト率が規定範囲から外れている例であ
る。比較例の試験の試験No.43〜46は、マルテン
サイト率は本発明の規定を満たしてはいるが、化学組成
が本発明で規定する範囲からはずれた例で、いずれも母
材および、溶接部の靭性が大幅に低下している。
【0053】なお、本実施例は圧延した鋼板で試験をお
こなったが、継目無鋼管や溶接鋼管においても同様の特
性が得られる。
【0054】
【発明の効果】本発明によれば、Cuを添加せずにNi
を低減しても靭性、耐食性が確保でき、溶接構造物とし
ての安全性が高まる低降伏比を有し、安価で溶接性に優
れたマルテンサイト系ステンレス鋼が提供できる。ま
た、本発明鋼は圧延後の冷却の後、1回の熱処理により
得られ、製造コストも抑制できる利点を有する。

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】質量%で、C:0.03%以下、Si:
    0.05〜1%、Mn:0.05〜2%、P:0.02
    5%以下、S:0.01%以下、Cr:9.5〜12
    %、Ni:1〜3%、Mo:0.05〜1.5%、N:
    0.05%以下、O:0.01%以下を含有し、残部が
    Feおよび不純物からなり、金属組織が焼戻しマルテン
    サイトとフレッシュマルテンサイトの混合組織であって
    フレッシュマルテンサイトの量が1〜80%であること
    を特徴とするマルテンサイト系ステンレス鋼。
  2. 【請求項2】質量%で、C:0.03%以下、Si:
    0.05〜1%、Mn:0.05〜2%、P:0.02
    5%以下、S:0.01%以下、Cr:9.5〜12
    %、Ni:1〜3%、Mo:0.05〜1.5%、N:
    0.05%以下、O:0.01%以下を含有し、さらに
    V:0.001〜0.5%、Nb:0.001〜0.5
    %、Ti:0.001〜0.5%およびZr:0.00
    1〜0.5%のうちから選ばれた1種又は2種以上を含
    有し、残部がFe及び不純物からなり、金属組織が焼戻
    しマルテンサイトとフレッシュマルテンサイトの混合組
    織であってフレッシュマルテンサイトの量が1〜80%
    であることを特徴とするマルテンサイト系ステンレス
    鋼。
  3. 【請求項3】質量%で、C:0.03%以下、Si:
    0.05〜1%、Mn:0.05〜2%、P:0.02
    5%以下、S:0.01%以下、Cr:9.5〜12
    %、Ni:1〜3%、Mo:0.05〜1.5%、N:
    0.05%以下、O:0.01%以下を含有し、さらに
    Ca:0.0005〜0.05%、Mg:0.0005
    〜0.05%、REM:0.0005〜0.05%のう
    ちから選ばれた1種又は2種以上を含有し、残部がFe
    および不純物からなり、金属組織が焼戻しマルテンサイ
    トとフレッシュマルテンサイトの混合組織であってフレ
    ッシュマルテンサイトの量が1〜80%であることを特
    徴とするマルテンサイト系ステンレス鋼。
  4. 【請求項4】質量%で、C:0.03%以下、Si:
    0.05〜1%、Mn:0.05〜2%、P:0.02
    5%以下、S:0.01%以下、Cr:9.5〜12
    %、Ni:1〜3%、Mo:0.05〜1.5%、N:
    0.05%以下、O:0.01%以下を含有し、さらに
    V:0.001〜0.5%、Nb:0.001〜0.5
    %、Ti:0.001〜0.5%およびZr:0.00
    1〜0.5%のうちから選ばれた1種又は2種以上と、
    Ca:0.0005〜0.05%、Mg:0.0005
    〜0.05%、REM:0.0005〜0.05%のう
    ちから選ばれた1種又は2種以上とを含有し、残部がF
    eおよび不純物からなり、金属組織が焼戻しマルテンサ
    イトとフレッシュマルテンサイトの混合組織であってフ
    レッシュマルテンサイトの量が1〜80%であることを
    特徴とするマルテンサイト系ステンレス鋼。
  5. 【請求項5】Feの一部に代えて、sol.Alを0.00
    1〜0.1%を含有する請求項1〜4に記載のマルテン
    サイト系ステンレス鋼。
  6. 【請求項6】Feの一部に代えて、Bを0.0003〜
    0.01%を含有する請求項1〜5に記載のマルテンサ
    イト系ステンレス鋼。
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