JPWO2005000918A1 - 酸変性石油樹脂及び熱融着型路面区画線表示用材料 - Google Patents
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Abstract
Description
ところで、上記のような熱融着型の区画線標示用材料を路面に施工するに際しては、溶融粘度が低く、良好な流動性を示し、比較的低い温度で施工できる材料が要望されている。
これに対して本出願人は、先に、モノオレフィンと炭素数4〜5の鎖状共役ジエンとを酸性ハロゲン化金属触媒の存在下に、重合溶媒としてシクロオレフィン、またはシクロオレフィンを5重量%以上含む炭化水素を用いてカチオン重合して得られる軟化点60〜130℃の炭化水素樹脂にカルボキシル基または酸無水物基を導入した酸変性石油樹脂を配合した熱融着型路面区画線標示用材料を提案した(特開平11−172192号公報参照)。
上記の酸変性石油樹脂を用いることで、溶融粘度が低く、良好な流動性を示し、比較的低い温度で施工できる熱融着型区画線標示用材料が得られるものの、複数の施工場所で施工を行なう場合、ひとつの施工場所から別の施工場所へ移動する間に、溶融状態の熱融着型区画線標示用材料が変色し、その商品価値が著しく低下してしまう(耐熱色相安定性に劣る。)場合があった。
本発明者等は、上記の課題を解決するために鋭意検討を進めた結果、(A)有機アルミニウム化合物と、(B)特定のハロゲン化炭化水素とを、重合触媒として用いて、飽和炭化水素溶媒および/または芳香族炭化水素溶媒中、炭素数4〜6のオレフィン性不飽和炭化水素単量体を主体とする単量体を重合するに際して、重合反応を開始した後に、(A)の少なくとも一部および/または(B)の少なくとも一部を反応器に添加して重合して得られた石油樹脂に、炭素数8以下のエチレン性不飽和カルボン酸またはその無水物を付加反応させて得られる、特定範囲の溶融色相、軟化点および酸価を有する酸変性石油樹脂を用いると、溶融粘度が低く、比較的低い温度で良好な流動性を示し、かつ、色調に優れ、耐熱色相安定性にも優れる熱融着型区画線標示用材料が得られることを見出し、この知見に基づいて、本発明を完成するに至った。
かくして本発明によれば、炭素数4〜6のオレフィン性不飽和炭化水素単量体単位を主体とする石油樹脂に、炭素数8以下のエチレン性不飽和カルボン酸またはその無水物に由来するカルボキシル基または酸無水物基を導入した酸変性石油樹脂であって、その溶融色相がガードナー色数で4以下、軟化点が60〜130℃、かつ酸価が0.5mgKOH/g以上である酸変性石油樹脂が提供される。
また、本発明によれば、(A)有機アルミニウム化合物と、(B)3級炭素原子にハロゲン原子が結合したハロゲン化炭化水素(B1)または炭素−炭素不飽和結合に隣接する炭素原子にハロゲン原子が結合したハロゲン化炭化水素(B2)とを、重合触媒として用いて、飽和炭化水素溶媒および/または芳香族炭化水素溶媒中、炭素数4〜6のオレフィン性不飽和炭化水素単量体を主体とする単量体を重合するに際して、重合反応を開始した後に、(A)の少なくとも一部および/または(B)の少なくとも一部を反応器に添加して重合して得られた石油樹脂に、炭素数8以下のエチレン性不飽和カルボン酸またはその無水物を付加反応させることを特徴とする前記の酸変性石油樹脂の製造方法が提供される。
さらに、本発明によれば、前記の酸変性石油樹脂、着色顔料および充填剤を含んでなる熱融着型路面区画線標示用材料が提供される。
(酸変性石油樹脂およびその製造方法)
本発明の酸変性石油樹脂は、炭素数4〜6のオレフィン性不飽和炭化水素単量体単位を主体とする石油樹脂に、炭素数8以下のエチレン性不飽和カルボン酸またはその無水物に由来するカルボキシル基または酸無水物基を導入した酸変性石油樹脂であって、その溶融色相がガードナー色数で4以下、軟化点が60〜130℃、かつ酸価が0.5mgKOH/g以上のものである。
本発明の酸変性石油樹脂の原料となる石油樹脂は、炭素数4〜6のオレフィン性不飽和炭化水素単量体単位を主体とするものである。
炭素数4〜6のオレフィン性不飽和炭化水素単量体単位の含有量は、好ましくは90重量%以上、より好ましくは95重量%以上、特に好ましくは100重量%である。この量が少なすぎると、熱融着型路面区画線標示用材料としての耐候性が劣る傾向にある。
炭素数4〜6のオレフィン性不飽和炭化水素単量体としては、炭素数4〜6のモノオレフィン性不飽和炭化水素およびジオレフィン性不飽和炭化水素が挙げられる。
炭素数4〜6のモノオレフィン性不飽和炭化水素としては、例えば、イソブテン、1−ブテン、2−ブテン、1−ペンテン、2−ペンテン、メチルブテン、メチルペンテン、ヘキセンなどの鎖状モノオレフィン;シクロペンテン、メチルシクロペンテン、シクロヘキセンなどの環状モノオレフィン;などが挙げられる。
炭素数4〜6のジオレフィン性不飽和炭化水素としては、例えば、1,3−ブタジエン、イソプレン、1,3−ペンタジエン、1,3−ヘキサジエンなどの鎖状共役ジエン;シクロペンタジエン、メチルシクロペンタジエンなどの環状共役ジエン:1,2−ブタジエン、1,4−ペンタジエンなどの非共役ジエン;などが挙げられる。
石油樹脂を製造する際の炭素数4〜6のオレフィン性不飽和炭化水素単量体の使用量は、単量体全量に対して、好ましくは90重量%以上、より好ましくは95重量%以上、特に好ましくは100重量%である。この量が少なすぎると、熱融着型路面区画線標示用材料としての耐候性が劣る傾向にある。
炭素数4〜6のモノオレフィン性不飽和炭化水素と炭素数4〜6のジオレフィン性不飽和炭化水素との比率は、重量比で、20/80〜80/20、より好ましくは25/75〜75/25の範囲にあることが好ましい。
軟化点60〜130℃の酸変性石油樹脂を効率よく得るために、炭素数4〜6のオレフィン性不飽和炭化水素単量体全量に対して、1,3−ペンタジエンを25〜75重量%の範囲で含むことが好ましい。
本発明の酸変性石油樹脂の原料となる石油樹脂は、炭素数4〜6のオレフィン性不飽和炭化水素単量体と共重合可能な他の単量体単位を含有していてもよい。その含有量は、好ましくは10重量%以下、より好ましくは5重量%以下である。この量が多すぎると、熱融着型路面区画線標示用材料としての耐候性が劣る傾向にある。
炭素数4〜6のオレフィン性不飽和炭化水素単量体と共重合可能な他の単量体としては、例えば、スチレン、α−メチルスチレン、p−メチルスチレン、エチルスチレン、t−ブチルスチレンなどの芳香族ビニル単量体;2,4,4−トリメチル−1−ペンテン、2,4,4−トリメチル−2−ペンテン、ヘプテン、オクテンなどの炭素数7以上の鎖状モノオレフィン;メチルシクロヘキセン、ジシクロペンタジエン、インデン、クマロンなどが挙げられる。
石油樹脂を製造する際の他の単量体の使用量は、単量体全量に対して、好ましくは10重量%以下、より好ましくは5重量%以下である。この量が多すぎると、熱融着型路面区画線標示用材料としての耐候性が劣る傾向にある。
本発明の酸変性石油樹脂は、前記の石油樹脂に、炭素数8以下のエチレン性不飽和カルボン酸またはその無水物に由来するカルボキシル基または酸無水物基を導入したものである。
炭素数8以下のエチレン性不飽和カルボン酸またはその無水物としては、例えば、アクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸、エタクリル酸などのエチレン性不飽和モノカルボン酸;マレイン酸、フマル酸、イタコン酸、シトラコン酸、無水マレイン酸、無水イタコン酸、無水シトラコン酸などのエチレン性不飽和多価カルボン酸およびその無水物;マレイン酸モノメチル、フマル酸モノエチルなどのエチレン性不飽和多価カルボン酸の部分エステル;などが挙げられる。なかでも、炭素数8以下のエチレン性不飽和多価カルボン酸およびその無水物が好ましく、炭素数8以下のエチレン性不飽和多価カルボン酸の無水物がより好ましく、無水マレイン酸が特に好ましい。
酸変性石油樹脂の溶融色相は、ガードナー色数で4以下、好ましくは3以下である。この数値が4を超えると、耐熱色相安定性に劣る。
酸変性石油樹脂の軟化点は、60〜130℃、好ましくは80〜120℃である。軟化点が低いと、熱融着型区画線標示用材料に用いた場合に、耐汚染性に劣るので不適である。軟化点が高いと、熱融着型区画線標示用材料に用いた場合に、流動性に劣る。
酸変性石油樹脂の重量平均分子量は、好ましくは1,000〜10,000、より好ましくは1,200〜6,000である。この範囲にあれば、流動性と骨材の分散性により優れる熱融着型区画線標示用材料が得られる。
酸変性石油樹脂における重量平均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)との比(Mw/Mn)は、1.2〜4であることが好ましく、1.5〜3.5であることがより好ましい。この比が上記範囲にあると、溶融粘度が低く流動性に優れる熱融着型区画線標示用材料が得られる。
酸変性石油樹脂の酸価は、0.5mgKOH/g以上、好ましくは0.5〜25mgKOH/g、より好ましくは1〜20mgKOH/gである。酸価が低いと、熱融着型区画線標示用材料に用いた場合に、流動性に劣る。酸価が高すぎる酸変性石油樹脂は、その溶融色相が高くなる傾向にある。
本発明の酸変性石油樹脂の製造方法は、(A)有機アルミニウム化合物と、(B)3級炭素原子にハロゲン原子が結合したハロゲン化炭化水素(B1)または炭素−炭素不飽和結合に隣接する炭素原子にハロゲン原子が結合したハロゲン化炭化水素(B2)とを、重合触媒として用いて、飽和炭化水素溶媒および/または芳香族炭化水素溶媒中、炭素数4〜6のオレフィン性不飽和炭化水素単量体を主体とする単量体を重合するに際して、重合反応を開始した後に、(A)の少なくとも一部および/または(B)の少なくとも一部を反応器に添加して重合して得られた石油樹脂に、炭素数8以下のエチレン性不飽和カルボン酸またはその無水物を付加反応させることを特徴とする。
重合触媒としては、(A)有機アルミニウム化合物と、(B)3級炭素原子にハロゲン原子が結合したハロゲン化炭化水素(B1)または炭素−炭素不飽和結合に隣接する炭素原子にハロゲン原子が結合したハロゲン化炭化水素(B2)であるハロゲン化炭化水素と、を用いる。
有機アルミニウム化合物(A)としては、例えば、トリメチルアルミニウム、トリエチルアルミニウム、トリブチルアルミニウム、トリイソブチルアルミニウムなどのアルキルアルミニウム化合物;エチルアルミニウムジクロライド、エチルアルミニウムジブロマイド、ジエチルアルミニウムクロライド、ジエチルアルミニウムブロマイド、エチルアルミニウムセスキクロライド、エチルアルミニウムセスキブロマイドなどのハロゲン化アルキルアルミニウム化合物;などが挙げられる。上記の有機アルミニウム化合物(A)は、単独で用いても、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
なかでも、ハロゲン化アルキルアルミニウム化合物が好ましく、エチルアルミニウムジクロライド、ジエチルアルミニウムクロライド、エチルアルミニウムセスキクロライドがより好ましく、エチルアルミニウムセスキクロライドが特に好ましく使用できる。
(A)の使用量は、重合に使用する単量体混合物100重量部に対し、好ましくは0.05〜10重量部、より好ましくは0.1〜5重量部である。この量が少ないと重合収率が低下して生産性に劣り、逆に多いと得られる酸変性石油樹脂の溶融色相が高くなる傾向がある。
(B)ハロゲン化炭化水素は、3級炭素原子にハロゲン原子が結合したハロゲン化炭化水素(B1)または炭素−炭素不飽和結合に隣接する炭素原子にハロゲン原子が結合したハロゲン化炭化水素(B2)である。(A)有機アルミニウム化合物と前記の(B)ハロゲン化炭化水素とを併用することにより、重合活性が著しく向上する。
ハロゲン化炭化水素(B1)としては、例えば、t−ブチルクロライド、t−ブチルブロマイド、2−クロロ−2−メチルブタン、トリフェニルメチルクロライドなどが挙げられる。なかでも、t−ブチルクロライドが好ましく使用できる。
炭素−炭素不飽和結合に隣接する炭素原子にハロゲン原子が結合したハロゲン化炭化水素(B2)における不飽和結合としては、炭素−炭素2重結合および炭素−炭素3重結合が挙げられ、芳香族環における炭素−炭素2重結合も含む。
ハロゲン化炭化水素(B2)としては、例えば、ベンジルクロライド、ベンジルブロマイド、(1−クロロエチル)ベンゼン、アリルクロライド、3−クロロ−1−プロピン、3−クロロ−1−ブテン、3−クロロ−1−ブチン、ケイ皮クロライドなどが挙げられる。なかでも、ベンジルクロライドが好ましく使用できる。
上記(B)は、単独で用いても、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
(B)の使用量は、(A)に対するモル比で、好ましくは0.05〜50、より好ましくは0.1〜10の範囲である。この使用量が少ないと重合収率が低下して生産性が劣り、逆に多いと得られる酸変性石油樹脂の溶融色相が高くなる傾向がある。
本発明の製造方法においては、重合反応を開始した後に、(A)有機アルミニウム化合物の少なくとも一部および/または(B)ハロゲン化炭化水素の少なくとも一部を反応器に添加して重合することが必須である。
(A)および(B)の全量を反応器に一括で添加して重合反応を開始すると、反応が暴走し、反応熱の除去が困難になり易く、得られる酸変性石油樹脂の溶融色相が高くなる。
重合反応が開始した後に、添加する(A)の割合は、重合に使用する(A)全量に対して、好ましくは50重量%以上、より好ましくは70重量%以上、特に好ましくは90重量%以上である。
重合反応が開始した後に、添加する(B)の割合は、重合に使用する(B)全量に対して、好ましくは50重量%以上、より好ましくは70重量%以上、特に好ましくは90重量%以上である。
(A)および(B)の添加方法としては、以下の3つの方法が挙げられる。
(1)(A)を反応器に全量添加し、重合反応が開始した後、(B)の少なくとも一部を反応器に添加する方法。
(2)(B)を反応器に全量添加し、重合反応が開始した後、(A)の少なくとも一部を反応器に添加する方法。
(3)(A)の一部および/または(B)の一部を反応器に添加し、重合反応が開始した後、(A)の残部と(B)の残部とを、反応器に添加する方法。
重合反応を開始した後に、(A)有機アルミニウム化合物の少なくとも一部および/または(B)ハロゲン化炭化水素の少なくとも一部の反応器への添加方法としては、分割して添加する方法および連続的に添加する方法が挙げられる。なかでも、より溶融色相の低い酸変性石油樹脂が製造できる点で、連続的に添加する方法が好ましい。連続添加する際の添加速度は、一定でも、変化させてもよい。
(A)の少なくとも一部および/または(B)の少なくとも一部を反応器に添加する際には、該成分を重合で使用する溶媒で希釈して添加することもできる。
飽和炭化水素溶媒としては、例えば、n−ペンタン、n−ヘキサン、2−メチルペンタン、3−メチルペンタン、n−ヘプタン、2−メチルヘキサン、3−メチルヘキサン、3−エチルペンタン、2,2−ジメチルペンタン、2,3−ジメチルペンタン、2,4−ジメチルペンタン、3,3−ジメチルペンタン、2,2,3−トリメチルブタン、2,2,4−トリメチルペンタンなどの炭素数5〜10の鎖状飽和炭化水素;シクロペンタン、シクロヘキサン、シクロヘプタン、シクロオクタンなどの炭素数5〜10の環状飽和炭化水素が挙げられる。
芳香族炭化水素溶媒としては、例えば、ベンゼン、トルエン、キシレンなどの炭素数6〜10の芳香族炭化水素が挙げられる。
上記の溶媒は、単独で使用しても、2種以上を混合して使用してもよい。混合して使用する場合、その量比は適宜選択することができる。
上記の溶媒は、溶融色相がより低い酸変性石油樹脂が得られる点で、塩素原子、臭素原子などのハロゲン置換基を有さないものであることが好ましい。
上記溶媒の使用量は、単量体混合物100重量部当り、好ましくは10〜1000重量部、より好ましくは50〜500重量部である。この量が多いと生産性に劣り、逆に少ないと反応熱の除熱が困難となると共に、得られる酸変性石油樹脂の溶融色相が高くなる傾向にある。
上記溶媒は、予めその全量を反応器に添加しても、その一部を反応器に添加し、重合を開始した後に残部を添加してもよい。
本発明の方法においては、単量体混合物の一部を反応器に添加し、重合反応を開始した後に、残部を反応器に添加して重合することが好ましい。重合反応を開始する前に添加する単量体混合物の量は、単量体混合物全量に対して、好ましくは1〜50重量%、より好ましくは5〜30重量%である。
重合反応を開始した後に添加する残部の添加方法は、分割して添加する方法でも、連続的に添加する方法でもよい。なかでも、反応温度の制御がし易く、溶融色相の低い酸変性石油樹脂を製造しやすい点で、連続的に添加する方法が好ましく採用できる。連続的に添加する場合の添加速度は、一定であっても、変化させてもよい。
単量体混合物の反応器への添加方法は、反応器に各単量体を別々に添加しても、予め混合したものを添加してもよく、重合に使用する溶媒で希釈して添加してもよい。
重合反応を開始する前に、反応器に添加する単量体としては、環状モノオレフィンが好ましく挙げられる。その添加量は、予め反応器に添加されている溶媒100重量部に対して、5〜50重量部の範囲であることが好ましい。
単量体混合物の一部を反応器に添加し、重合反応を開始した後に、その残部を反応器に連続的に添加して重合する場合、その連続添加の開始時点と終了時点に、(A)の少なくとも一部および/または(B)の少なくとも一部の連続添加の開始時点と終了時点を、それぞれ、合わせることが好ましい。
重合温度は、通常、−20〜100℃、より好ましくは0〜80℃である。重合温度が低すぎると重合活性が低下して生産性に劣り、逆に高すぎると酸変性石油樹脂の溶融色相が高くなる傾向にある。
重合反応時の圧力は、大気圧下でも加圧下でもよい。
反応時間は、適宜選択できるが、通常、30分間〜12時間、好ましくは1〜6時間である。
上記のように重合反応を行い、所望の重合転化率で、メタノール、アンモニア水溶液などの重合停止剤を添加して、重合反応を停止する。なお、重合停止剤を添加して、重合触媒を不活性化した際に生成する、溶媒に不溶な触媒残渣をろ過により除去してもよい。
重合反応停止後、未反応の単量体と溶媒とを除去し、さらに水蒸気蒸留などにより低分子量のオリゴマー成分を除去し、冷却することにより、固体状の石油樹脂が得られる。
得られた石油樹脂には、老化防止剤、紫外線吸収剤、ワックスなどの添加剤を所望により添加してもよい。
以上のようにして得られた石油樹脂に、炭素数8以下のエチレン性不飽和カルボン酸またはその無水物を付加反応させる。固形状の石油樹脂を取得することなく、溶融状態の石油樹脂を得た後、引き続き該付加反応を行なうこともできる。
炭素数8以下のエチレン性不飽和カルボン酸またはその無水物は、前述したとおりである。
付加反応の方法としては、例えば、グラフト重合する方法、熱付加反応、いわゆるディールス・アルダー反応やエン付加反応による方法が採用できる。具体的には、石油樹脂と炭素数8以下のエチレン性不飽和カルボン酸またはその無水物とを、溶媒の不在下または存在下で、ラジカル発生剤の不在下または存在下の条件で、通常、加熱することにより行なうことができる。なかでも、溶媒およびラジカル発生剤の不在下で、石油樹脂と炭素数8以下のエチレン性不飽和カルボン酸またはその無水物とを加熱する方法が好ましく採用できる。
付加反応の際に使用できる溶媒としては、付加反応を阻害しないものであれば特に限定されないが、例えば、前述の石油樹脂の製造において使用する溶媒を例示することができる。
ラジカル発生剤としては、例えば、ジ−tert−ブチルパーオキシド、ジクミルパーオキシド、ベンゾイルパーオキシド,tert−ブチルパーオキシドベンゾエート,メチルエチルケトンパーオキシドなどの過酸化物;アゾビスイソブチロニトリルなどのアゾ化合物;などが挙げられる。
炭素数8以下のエチレン性不飽和カルボン酸またはその無水物の使用量は、付加反応効率を考慮して、得られる酸変性石油樹脂の酸価が所望に範囲となるように適宜調節すればよいが、石油樹脂100重量部に対して、好ましくは0.1〜5重量部、より好ましくは0.2〜4重量部である。
反応温度は、好ましくは150〜300℃、より好ましくは180〜270℃である。反応温度が低すぎると反応効率に劣るので、生産性が悪化する傾向があり、逆に高すぎると、得られた酸変性石油樹脂の溶融色相が高くなる傾向がある。
反応時間は、得られる酸変性石油樹脂の酸価が所望の範囲になるように適宜選択すればよいが、好ましくは10分間〜10時間、より好ましくは30分間〜5時間である。
未反応の炭素数8以下のエチレン性不飽和カルボン酸またはその無水物を多量に含んでいたり、溶媒を含んでいたりする場合には、加熱状態で、減圧下および/または窒素やヘリウムなどの不活性ガスを吹き込んで、溶媒や未反応物を除去することもできる。
以上のように付加反応させた後、冷却することにより固形状の酸変性石油樹脂が得られる。得られた酸変性石油樹脂には、老化防止剤、紫外線吸収剤、ワックスなどの添加剤を所望により添加してもよい。
また、さらに所望により、得られた酸変性石油樹脂に、メタノール、エタノール、エチレングリコール、プロピレングリコールなどのアルコール類によるエステル化反応;メチルアミン、エチレンジアミンなどの有機アミンやアンモニアによるアミド化反応;ナトリウム、カリウム、カルシウム、マグネシウムなどのアルカリ金属またはアルカリ土類金属による塩形成反応;などを行なうこともできる。
本発明の酸変性石油樹脂は、例えば、粘接着剤用の粘着付与剤、ゴム用改質剤、アスファルト改質剤、塗料やインキ用のビヒクル、熱融着型区画線標示用材料の粘結剤などとして好適に使用できる。なかでも、熱融着型区画線標示用材料の粘結剤として、特に好適に使用できる。
(熱融着型路面区画線標示用材料)
本発明の熱融着型路面区画線標示用材料は、前記の酸変性石油樹脂、着色顔料および充填剤を含んでなる。
酸変性石油樹脂の配合量は、熱融着型路面区画線標示用材料中、好ましくは5〜40重量%、より好ましくは10〜20重量%である。
着色顔料としては、例えば、二酸化チタン、亜鉛華、リトポン、鉛白等の白色顔料;黄鉛、耐熱黄鉛、有機系黄色顔料等の黄色顔料が挙げられる。着色顔料の配合量は、熱融着型路面区画線表示用材料中、1〜10重量%が好ましく、2〜6重量%がより好ましい。着色顔料の配合量がこの範囲であれば、昼間、夜間とも視認性が良好である。
充填剤としては、例えば、炭酸カルシウム、寒水石、タルク、溶融アルミナ等従来から用いられているものが使用できる。その配合量は、熱融着型路面区画線標示用材料中、好ましくは25〜80重量%、より好ましくは30〜70重量%である。
本発明の熱融着型路面区画線標示用材料には、上記の成分以外に、本発明の酸変性石油樹脂以外の粘結樹脂、可塑剤、反射材、無機繊維、有機繊維、蓄光顔料、蛍光顔料、夜光顔料、沈降防止剤、流動性改良剤、老化防止剤、紫外線吸収剤などを配合してもよい。
本発明の酸変性石油樹脂以外の粘結樹脂としては、例えば、従来公知の生ロジン、マレイン化ロジン、マレイン化ロジンエステル樹脂、水添ロジン、石油樹脂、水添石油樹脂、テルペン樹脂などが挙げられる。
可塑剤としては、例えば、アマニ油、綿実油、大豆油、ヒマシ油などの天然油;フタル酸エステル、アジピン酸エステルなどのエステル系合成油;ポリブテン油、ポリブタジエン油、ポリペンタジエン油などのポリマー油;液状炭化水素樹脂、液状テルペン樹脂、液状ロジンなどの液状樹脂;ナフテン系プロセス油、芳香族系プロセス油、パラフィン系プロセス油などの鉱油;アルキッド樹脂、キシレン樹脂などが挙げられる。その配合量は、熱融着型路面区画線表示用材料中、好ましくは0.5〜5重量%、より好ましくは1〜4重量%である。可塑剤の配合量がこの範囲であれば、施工し易く、低温時の可とう性、乾燥性および汚染性も良好である。
反射材としては、主にガラスビーズが用いられる。ガラスビーズの粒径は、好ましくは0.1〜3mm、より好ましくは0.5〜2mmである。粒径がこの範囲であれば、視認性に優れる。
反射材の配合量は、熱融着型路面区画線標示用材料中、好ましくは5〜30重量%、より好ましくは10〜20重量%である。配合量がこの範囲にあれば、施工し易く、夜間での視認性にも優れている。
経日での視認性を向上させる目的でガラスカレット(粒径0.1〜3mm程度)を混合しても良い。
本発明の熱融着型路面区画線標示用材料は、通常、施工現場に運搬された後、加熱ニーダーなどの加熱溶融混練装置を用いて、170〜210℃で溶融混練される。得られた溶融物は、平滑表示・区画線用施工機を用いて、溶融状態で道路上に施工される。施工にあたり、予め道路表面に下地処理を施すこともできる。
本発明の熱融着型路面区画線標示用材料は、溶融粘度が低く、比較的低い温度で良好な流動性を示し、かつ、色調に優れ、耐熱色相安定性にも優れているので、路面への施工がし易く、溶融状態で長時間貯蔵した場合においても施工が可能となる。また、本発明の酸変性石油樹脂を使用すれば、比較的高価な着色顔料の使用量を減量して熱融着型路面区画線標示用材料を調製することもできる。
評価は以下に示すように行なった。
[酸変性石油樹脂の物性評価]
(1)溶融色相
石油樹脂を150℃で溶融し、この溶融物の色相をJIS K 0071−2に従い測定し、ガードナー色数で示す。
(2)溶液色相
石油樹脂の50%トルエン溶液を調製し、この溶液の色相をJIS K 0071−2に従い測定し、ガードナー色数で示す。
(3)軟化点(℃)
JIS K 2531によって規定された環球法により測定した。
(4)重量平均分子量および分子量分布
ゲル・パーミエーション・クロマトグラフィー分析し、標準ポリスチレン換算値の重量平均分子量(Mw)および数平均分子量(Mn)を求め、分子量分布は、重量平均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)との比(Mw/Mn)で示す。
[熱融着型路面区画線表示用材料の物性評価]
(5)溶融粘度
配合物を180℃で30分間加熱溶融して均一な混合物とし、BM型粘度計(ブルックフィールド社製)により4番ローターを使用し、回転数6rpmと60rpmの2点について、180℃における溶融粘度(単位:mPa・s)を測定した。
(6)流動性
底部に直径8mmの穴を有する内径30mm、深さ50mmのステンレス製容器に手で保持するための柄を取り付けた、フォードカップと称する治具を用いて、180℃に調節された配合物をフォードカップにいっぱいになるまで入れる。フォードカップを持ち上げたときから、フォードカップを上から覗いてカップ底部の穴がみえる迄に要する時間(単位:秒)を測定して流動性を評価した。数値が小さい程、流動性に優れる。
(7)骨材沈降性
100ccのガラスビーカーに180℃で加熱混合された配合物を入れ、230℃に調節されたオーブン中に1時間静置したのち冷却し、固化した配合物を上下方向に切断して、ガラスビーズ、粗粒炭酸カルシウムなどの骨材が含まれていない上層部の厚みを測定し、配合物全体の厚みに対する百分率で表示することにより、骨材の沈降性を評価した。数値が小さい程、骨材沈降性に優れている。
(8)圧縮強度
テンシロン圧縮強度計(インストロン型)を用いて、圧縮速度30mm/分、温度20℃の条件下で圧縮試験を行ない、圧縮強度(単位:kN/cm2)を測定した。
(9)黄色度
JIS K 5665に定められた方法に従って、黄色度を測定した。数値が小さい程、色調に優れている。
(10)耐熱色相安定性
配合物を220℃で溶融混練しながら、経時で、配合物の黄色度を測定し、黄色度が0.1に達するまでに要する時間を求めた。この時間が長い程、耐熱色相安定性に優れている。
引き続き、1,3−ペンタジエン57部、シクロペンテン16部および炭素数4〜6の鎖状モノオレフィン化合物の混合物(1−ペンテン、2−ブテン、メチルブテンなどを含む。)27部からなる単量体混合物と、EASC1.08部(全使用量の90%)とを、それぞれ、別のラインを通して、60分に亘り、反応器に連続的に添加しながら重合を行なった。単量体混合物の添加を完了した後、さらに50℃で10分間、後反応を行なった。
次いで、メタノールとアンモニア水の混合物を反応器に添加して、重合反応を停止した。この時の重合転化率は81%であった。
重合停止により生成した沈殿物をろ過により除去した後、得られた重合体溶液を蒸留釜に仕込み、窒素雰囲気下で加熱し、重合溶媒と未反応単量体を除去した。次いで、240℃以上で、飽和水蒸気を吹き込みながら、低分子量のオリゴマー成分を除去した。
その後、溶融状態の樹脂100部に対して、酸変性剤として無水マレイン酸0.4部を添加して、230℃にて1時間付加反応させ、老化防止剤として2,6−ジ−t−ブチル−p−クレゾール0.3部を添加して、混合した。蒸留釜から溶融状態の樹脂を取り出し、室温まで放冷して、酸変性石油樹脂Aを得た。
酸変性石油樹脂Aの物性を測定し、その結果を表1に示す。
酸変性石油樹脂Aを14部、重質炭酸カルシウム32.1部、粗粒炭酸カルシウム32.1部、二酸化チタン5部、ガラスビーズ15部および大豆油と大豆油変性アルキッドの等量混合物1.8部を、180℃で15分間混練して、熱融着型路面区画線表示用材料組成物を得た。この組成物の物性を測定し、その結果を表1に示す。
酸変性石油樹脂Aに代えて、酸変性石油樹脂Bを用いる以外は、実施例1と同様にして、熱融着型路面区画線表示用材料組成物を調製した。この組成物の物性を測定し、その結果を表1に示す。
引き続き、1,3−ペンタジエン57部、シクロペンテン16部および炭素数4〜6の鎖状モノオレフィン化合物の混合物(1−ペンテン、2−ブテン、メチルブテンなどを含む。)27部からなる単量体混合物と、先に添加したEASCの2倍モルに相当する量のt−ブチルクロライドとを、それぞれ、別のラインを通して、60分に亘り、反応器に連続的に添加しながら重合を行なった。単量体混合物の添加を完了した後、さらに50℃で10分間、後反応を行なった。
次いで、メタノールとアンモニア水の混合物を反応器に添加して、重合反応を停止した。この時の重合転化率は80%であった。
重合停止により生成した沈殿物をろ過により除去した後、得られた重合体溶液を蒸留釜に仕込み、窒素雰囲気下で加熱し、重合溶媒と未反応単量体を除去した。次いで、240℃以上で、飽和水蒸気を吹き込みながら、低分子量のオリゴマー成分を除去した。
その後、溶融状態の樹脂100部に対して、酸変性剤として無水マレイン酸0.4部を添加して、230℃にて1時間付加反応させ、老化防止剤として2,6−ジ−t−ブチル−p−クレゾール0.3部を添加して、混合した。蒸留釜から溶融状態の樹脂を取り出し、室温まで放冷して、酸変性石油樹脂Cを得た。
酸変性石油樹脂Cの物性を測定し、その結果を表1に示す。
酸変性石油樹脂Aに代えて、酸変性石油樹脂Cを用いる以外は、実施例1と同様にして、熱融着型路面区画線表示用材料組成物を調製した。この組成物の物性を測定し、その結果を表1に示す。
(比較例1)
EASC1.2部に代えて、塩化アルミニウム1.2部を使用し、t−ブチルクロライドの添加を行なわない以外は、実施例3と同様にして、酸変性石油樹脂Dを得た。酸変性石油樹脂Dの物性を測定し、その結果を表1に示す。
石油樹脂Aに代えて、石油樹脂Dを用いる以外は、実施例1と同様にして、熱融着型路面区画線表示用材料組成物を調製した。この組成物の物性を測定し、その結果を表1に示す。
(比較例2)
反応器にシクロペンタン78部およびシクロヘキセン22部を仕込み、50℃に昇温した後、エチルアルミニウムセスキクロライド(EASC)1.2部および該EASCの2倍モルに相当する量のt−ブチルクロライドを添加した。
引き続き、1,3−ペンタジエン57部、シクロペンテン16部および炭素数4〜6の鎖状モノオレフィン化合物の混合物(1−ペンテン、2−ブテン、メチルブテンなどを含む。)27部からなる単量体混合物を、60分に亘り、反応器に連続的に添加しながら重合を行なった。単量体混合物の添加を完了した後、さらに50℃で10分間、後反応を行なった。
次いで、メタノールとアンモニア水の混合物を反応器に添加して、重合反応を停止した。この時の重合転化率は81%であった。
重合停止により生成した沈殿物をろ過により除去した後、得られた重合体溶液を蒸留釜に仕込み、窒素雰囲気下で加熱し、重合溶媒と未反応単量体を除去した。次いで、240℃以上で、飽和水蒸気を吹き込みながら、低分子量のオリゴマー成分を除去した。
その後、溶融状態の樹脂100部に対して、酸変性剤として無水マレイン酸0.4部を添加して、230℃にて1時間付加反応させ、老化防止剤として2,6−ジ−t−ブチル−p−クレゾール0.3部を添加して、混合した。蒸留釜から溶融状態の樹脂を取り出し、室温まで放冷して、酸変性石油樹脂Eを得た。酸変性石油樹脂Eの物性を測定し、その結果を表1に示す。
石油樹脂Aに代えて、石油樹脂Eを用いる以外は、実施例1と同様にして、熱融着型路面区画線表示用材料組成物を調製した。この組成物の物性を測定し、その結果を表1に示す。
表1から次のようなことがわかる。
従来使用されている塩化アルミニウムを重合触媒として用いて製造した酸変性石油樹脂Dは、その溶融色相が高く、該樹脂を用いた熱融着型路面区画線表示用材料は、耐熱色相安定性に劣る(比較例1)。
エチルアルミニウムセスキクロライドおよびt−ブチルクロライドを重合触媒として用い、それらの全量を一括で添加して製造した酸変性石油樹脂Eは、その溶融色相が高く、該樹脂を用いた熱融着型路面区画線表示用材料は、耐熱色相安定性に劣る(比較例2)。
これらの比較例に対して、本発明の酸変性石油樹脂は、その溶融色相が低く、該樹脂を用いた熱融着型路面区画線表示用材料は、溶融粘度が低く、比較的低い温度で良好な流動性を示し、かつ、色調に優れ、耐熱色相安定性に優れている(実施例1〜3)。
Claims (3)
- 炭素数4〜6のオレフィン性不飽和炭化水素単量体単位を主体とする石油樹脂に、炭素数8以下のエチレン性不飽和カルボン酸またはその無水物に由来するカルボキシル基または酸無水物基を導入した酸変性石油樹脂であって、その溶融色相がガードナー色数で4以下、軟化点が60〜130℃、かつ酸価が0.5mgKOH/g以上である酸変性石油樹脂。
- (A)有機アルミニウム化合物と、(B)3級炭素原子にハロゲン原子が結合したハロゲン化炭化水素(B1)または炭素−炭素不飽和結合に隣接する炭素原子にハロゲン原子が結合したハロゲン化炭化水素(B2)とを、重合触媒として用いて、飽和炭化水素溶媒および/または芳香族炭化水素溶媒中、炭素数4〜6のオレフィン性不飽和炭化水素単量体を主体とする単量体を重合するに際して、重合反応を開始した後に、(A)の少なくとも一部および/または(B)の少なくとも一部を反応器に添加して重合して得られた石油樹脂に、炭素数8以下のエチレン性不飽和カルボン酸またはその無水物を付加反応させることを特徴とする請求の範囲第1項記載の酸変性石油樹脂の製造方法。
- 請求の範囲第1項記載の酸変性石油樹脂、着色顔料および充填剤を含んでなる熱融着型路面区画線表示用材料。
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