JP2021123608A - 樹脂組成物、路面標示用塗料及び路面標示用塗料の製造方法 - Google Patents

樹脂組成物、路面標示用塗料及び路面標示用塗料の製造方法 Download PDF

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陽一 秋山
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Abstract

【課題】高温下で十分な流動性を有し、且つ、黄色度が低く、より均質な白色を表現可能な、路面標示用塗料を提供すること。【解決手段】水添石油樹脂と、酸性基を有する添加剤と、無機充填材と、白色顔料と、を含有し、前記添加剤の含有量が、前記水添石油樹脂及び前記添加剤の混合物の酸価が0.5mgKOH/g以上となる含有量である、路面標示用塗料。【選択図】なし

Description

本発明は、樹脂組成物、路面標示用塗料及び路面標示用塗料の製造方法に関する。
従来から、道路交通に関する様々な情報(具体的には、道路標示、区画線等の路面標示)が塗料を用いて路面に標示されている。路面標示用塗料にはホットメルトタイプのものがよく用いられており、例えば、特許文献1には、熱可塑性の塗料材に白色の硬質骨材を配合させた路面標示材が記載されている。
特開2018−003297号公報
路面標示用塗料には、施工性の観点から、加熱時の十分な流動性が求められている。また、近年、意匠性の向上、視認性の向上等を理由として、より着色(特に黄色着色)の少ないより均質な白色を呈する路面標示用塗料が求められている。
そこで、本発明は、高温下で十分な流動性を有し、且つ、黄色度が低く、より均質な白色を表現可能な、路面標示用塗料を提供することを目的とする。本発明はまた、当該路面標示用塗料におけるバインダとして好適な樹脂組成物、及び、当該路面標示用塗料の製造方法を提供することを目的とする。
本発明の一側面は、水添石油樹脂と酸性基を有する添加剤との混合物であり、酸価が0.5mgKOH/g以上である、樹脂組成物に関する。
一態様において、上記添加剤は、ポリアルケニル無水コハク酸であってよい。
一態様に係る樹脂組成物は、路面標示用塗料用バインダであってよい。
本発明の他の一側面は、水添石油樹脂と、酸性基を有する添加剤と、無機充填材と、白色顔料と、を含有し、上記添加剤の含有量が、上記水添石油樹脂及び上記添加剤の混合物の酸価が0.5mgKOH/g以上となる含有量である、路面標示用塗料に関する。
一態様において、上記添加剤は、ポリアルケニル無水コハク酸であってよい。
本発明の更に他の一側面は、上記樹脂組成物と、無機充填材と、白色顔料と、を混合して、路面標示用塗料を得る工程を含む、路面標示用塗料の製造方法に関する。
本発明によれば、高温下で十分な流動性を有し、且つ、黄色度が低く、より均質な白色を表現可能な、路面標示用塗料が提供される。また、本発明によれば、当該路面標示用塗料におけるバインダとして好適な樹脂組成物、及び、当該路面標示用塗料の製造方法が提供される。
以下、本発明の好適な実施形態について詳細に説明する。
(樹脂組成物)
本実施形態の樹脂組成物は、水添石油樹脂と酸性基を有する添加剤との混合物である。また、本実施形態の樹脂組成物の酸価は、0.5mgKOH/gである。
このような樹脂組成物は、路面標示用塗料におけるバインダとして好適に用いることができる。そして、上記樹脂組成物をバインダとした用いることで、高温下で十分な流動性を有し、且つ、黄色度は低く、より均質な白色を表現可能な路面標示用塗料を容易に得ることができる。
上記効果が奏される理由は必ずしも明らかではないが、以下のように考えられる。従来、石油樹脂をバインダとした路面標示用塗料では、石油樹脂が有する不飽和結合に起因する着色があり、十分に低い黄色度を実現するためには白色顔料の添加量を多くする必要があり、流動性の確保が難しいという課題があった。これに対して、本実施形態では、水添石油樹脂を使用しているため、不飽和結合に起因する着色が抑制され、白色顔料の添加量を過度に増やすことなく低い黄色度を実現できる。また、本実施形態では、樹脂組成物の酸価が0.5mgKOH/g以上となるよう酸性基を有する添加剤が添加されている。これにより、路面標示用塗料の典型的な成分である無機充填材及び白色顔料と樹脂成分との親和性が向上し、高温下での流動性が向上すると考えられる。
樹脂組成物の酸価は、好ましくは0.6mgKOH/g以上であり、より好まくは0.7mgKOH/g以上であり、1.0mgKOH/g以上であってもよい。これにより、高温時の流動性に一層優れる路面標示用塗料が得られる。また、樹脂組成物の酸価は、例えば10.0mgKOH/g以下であり、好ましくは7.0mgKOH/g以下、より好ましくは6.0mgKOH/g以下である。これにより、より黄色度の低い路面標示用塗料が得られやすくなる。樹脂組成物の酸価は、添加剤の含有量を変更することで適宜調整できる。
なお、本明細書中、樹脂組成物の酸価は、JIS K2501 石油製品及び潤滑油―中和価試験方法に準拠して測定される値を示す。
<水添石油樹脂>
水添石油樹脂は、石油樹脂の水添物ということもできる。
石油樹脂としては、公知の石油樹脂を特に制限無く用いることができる。
石油樹脂は、不飽和炭化水素の重合体であってよい。不飽和炭化水素は、重合性基である炭素−炭素二重結合を有し、互いに重合可能な化合物である。
不飽和炭化水素は、例えば、石油由来の原料油から熱分解等を経て採取される留分に含まれるものであってよく、石油由来のC5留分、C9留分に主に含まれるものであってよい。
不飽和炭化水素は、例えば、五員環を有する脂環式化合物(以下、単に脂環式化合物ともいう。)及び芳香族炭化水素化合物からなる群より選ばれる少なくとも1種を含んでいてよい。
脂環式化合物は、五員環を有し芳香環を有しない化合物である。脂環式化合物としては、例えば、ジシクロペンタジエン骨格を有するDCPD系化合物、シクロペンタジエン骨格を有するCPD系化合物(C5系化合物)等が挙げられる。ここで、ジシクロペンタジエン骨格とは、ジシクロペンタジエンの有する炭素骨格を示す。シクロペンタジエン骨格とは、シクロペンタジエンの有する炭素骨格を示す。
DCPD系化合物としては、ジシクロペンタジエン、メチルジシクロペンタジエン等が挙げられる。CPD系化合物としては、例えば、シクロペンタジエン、メチルシクロペンタジエン等が挙げられる。
脂環式化合物としては、DCPD系化合物が好ましく、ジシクロペンタジエンがより好ましい。脂環式化合物に占めるDCPD系化合物の割合は、例えば50質量%以上であってよく、好ましくは60質量%以上、より好ましくは70質量%以上であり、100質量%であってもよい。
芳香族炭化水素化合物は、芳香環を有する化合物である。芳香族炭化水素化合物は、例えば、石油由来のC9留分に主に含まれるC9系化合物であってよい。芳香族炭化水素化合物としては、例えば、インデン(C)骨格を有するインデン系化合物、スチレン骨格を有するスチレン系化合物等が挙げられる。インデン系化合物としては、例えば、インデン、メチルインデン等が挙げられる。スチレン系化合物としては、例えば、スチレン、メチルスチレン等が挙げられる。
不飽和炭化水素は、上述の脂環式化合物及び芳香族炭化水素化合物以外に、他の不飽和炭化水素を更に含んでいてもよい。他の不飽和炭化水素としては、例えば、環状構造を有しない脂肪族化合物、五員環を有しない脂環式化合物(以下、単に「脂環式化合物」とした場合は五員環を有する脂環式化合物を示し、五員環を有しない脂環式化合物を示す場合は「五員環を有しない脂環式化合物」と表記する。)、複素環を有する複素環式化合物等が挙げられる。脂肪族化合物としては、例えば、ピペリレン、イソプレン等が挙げられる。複素環式化合物としては、クマロン等が挙げられる。
これらの他の不飽和炭化水素の含有量は、不飽和炭化水素の全量基準で5質量%以下であってよく、1質量%以下であってよく、0質量%であってもよい。すなわち、不飽和炭化水素中の脂環式化合物及び芳香族炭化水素化合物の合計含有量は、不飽和炭化水素の全量基準で95質量%以上であってよく、99質量%以上であってよく、100質量%であってもよい。
石油樹脂は、脂環式化合物及び芳香族炭化水素化合物からなる群より選ばれる少なくとも一種の化合物に由来する構造単位を有する重合体、ということもできる。
石油樹脂は、不飽和炭化水素の重合により得ることができる。不飽和炭化水素の重合方法は特に限定されず、公知の重合方法から適宜選択することができる。
石油樹脂は、例えば、不飽和炭化水素の熱重合により得られたものであってよい。熱重合の方法は特に限定されず、例えば、不飽和炭化水素を含む原料組成物を所定の反応温度に加熱することで実施してよい。
熱重合の反応温度は特に限定されず、例えば250℃以上であってよく、好ましくは260℃以上、より好ましくは270℃以上である。また、熱重合の反応温度は、例えば300℃以下であってよく、好ましくは290℃以下、より好ましくは280℃以下である。
熱重合の反応時間(反応系を上記反応温度に維持する時間)は特に限定されず、例えば30〜180分であってよく、好ましくは60〜120分である。
熱重合に用いられる原料組成物は、不飽和炭化水素以外の成分を更に含有していてもよい。例えば、石油由来の留分(C5留分、C9留分等)には、重合性基を有さず、熱重合に関与しない非重合性炭化水素を更に含有する場合がある。熱重合に用いられる原料組成物は、このような非重合性炭化水素を更に含有していてもよい。非重合性炭化水素としては、例えば、飽和炭化水素(アルカン、シクロアルカン等)、芳香族炭化水素(ベンゼン、トルエン等)等が挙げられる。原料化合物に、不飽和炭化水素以外の成分が含まれる場合は、例えば、不飽和炭化水素を熱重合させた後に軽質分除去(蒸留)を行うことで、これを除去することができる。
水添石油樹脂は、石油樹脂の部分水添物であっても完全水添物であってもよく、黄色度の低減(色相改善)の観点からは完全水添物であることが好ましい。すなわち、水添石油樹脂は、石油樹脂の有する不飽和結合等の還元部位の一部又は全部が水添されたものであってよい。
水添石油樹脂の軟化点は、特に制限されないが、例えば80℃以上であってよく、90℃以上であってもよく、100℃以上であってもよい。これにより、路面標示用塗料によって形成される路面標示材が、耐熱性、耐摩擦性により優れたものとなる。また、水添石油樹脂の軟化点は、例えば150℃以下であってよく、130℃以下であってもよく、120℃以下であってもよい。これにより、路面標示用塗料の施工性がより向上する。なお、本明細書において、水添石油樹脂の軟化点は、メトラートレド社のDP70を使用して、ASTM D6090に準拠した方法により測定される値を意味する。
水添石油樹脂の重量平均分子量は特に制限されず、例えば4000以下であってよく、2000以下であってもよく、1000以下であってもよい。また、水添石油樹脂の重量平均分子量は、例えば300以上であってよく、350以上であってもよい。なお、本明細書において、水添石油樹脂の重量平均分子量は、GPC(ゲル浸透クロマトグラフィー)により測定され、標準ポリスチレン換算した値を意味する。
水添石油樹脂は、不飽和炭化水素の重合体(すなわち、石油樹脂)を水添して得ることができる。石油樹脂を水添し、水添物を得る方法は特に制限されず、公知の方法を用いることができる。例えば、水素化触媒の充填されたリアクターに石油樹脂を流通させ、水素の存在下で水素化触媒と石油樹脂とを接触させることで、水添を行うことができる。
水素化触媒は特に限定されず、例えば、ニッケル系触媒、パラジウム系触媒、プラチナ系触媒等であってよい。
水添反応の条件は、石油樹脂の種類、所望される水添石油樹脂の物性等に応じて適宜変更することができる。水添反応における水素圧は、例えば5MPa以上であってよく、10MPa以上であってよい。また、水添反応における水素圧は、例えば30MPa以下であってよく、20MPa以下であってよい。水添反応における反応温度は、例えば200℃以上であってよく、230℃以上であってよい。また、水添反応における反応温度は、例えば310℃以下であってよく、300℃以下であってよい。
水添石油樹脂の含有量は、樹脂組成物の全量基準で、例えば50質量%以上であってよく、好ましくは70質量%以上、より好ましくは90質量%以上である。
<添加剤>
添加剤は、酸性基を有し、水添石油樹脂と相溶する化合物であればよい。なお、本明細書中、酸性基とは、酸性を示す基、又は、加水分解により酸性を示す基を生じる基を示す。
添加剤が有する酸性基は特に限定されず、例えば、カルボン酸基、スルホン酸基、リン酸基、酸無水物基等が挙げられる。
添加剤は、例えば、無機充填材の分散性を向上させる分散剤として機能する化合物であってよい。すなわち、添加剤としては、無機充填材用分散剤として公知の成分から、適宜選択して使用することができる。
添加剤としては、例えば、ポリアルケニル無水コハク酸、脂肪族多価カルボン酸、ポリカルボン酸アミン、長鎖アミノアマイド燐酸、長鎖アミノアマイドエステル酸、変性ポリアマイド、燐酸エステル系界面活性剤、ポリエーテル燐酸エステルアミン、ポリエーテル燐酸エステル、ポリエーテルエステル酸アミン、ポリアクリル酸、ポリアクリル酸ナトリウム、カルボン酸系共重合体、スルホン酸系共重合体等が挙げられる。
これらのうち、上述の効果がより顕著に得られる観点からは、ポリアルケニル無水コハク酸が好ましく、ポリイソブチレン無水コハク酸(PIBSA)がより好ましい。
添加剤の含有量は特に限定されず、樹脂組成物の酸価が0.5mgKOH/g以上となる量であればよい。添加剤の含有量を調整することで、樹脂組成物の酸価を調整することができる。
(路面標示用塗料)
本実施形態の路面標示用塗料は、水添石油樹脂と、酸性基を有する添加剤と、無機充填材と、白色顔料と、を含有する。また、路面標示用塗料中、添加剤の含有量は、水添石油樹脂及び添加剤の混合物の酸価が0.5mgKOH/g以上となる含有量である。
本実施形態の路面標示用塗料は、高温下で十分な流動性を有するため施工性に優れる。また、本実施形態の路面標示用塗料は、黄色度が低く、より均質な白色を表現できる。
本実施形態の路面標示用塗料は,上述の樹脂組成物と、無機充填材と、白色顔料と、を含有する路面標示用塗料、ということもできる。
路面標示用塗料中の水添石油樹脂の含有量は、路面標示用塗料の全量基準で、例えば3質量%以上であってよく、好ましくは5質量%以上、より好ましくは10質量%以上である。これにより、路面標示材の路面への密着性の向上、無機物の固着性良化という効果が奏される。また、路面標示用塗料中の水添石油樹脂の含有量は、路面標示用塗料の全量基準で、例えば30質量%以下であってよく、好ましくは25質量%以下、より好ましくは20質量%以下である。これにより、路面標示材表面への粉塵等の付着抑制という効果が奏される。
無機充填材としては、路面標示用塗料に使用される公知の無機充填材を特に制限無く用いることができる。無機充填材としては、例えば、炭酸カルシウム、タルク(ケイ酸マグネシウム)、クレー等が挙げられ、これらのうち炭酸カルシウムが特に好ましい。
路面標示用塗料中の無機充填材の含有量は特に限定されず、水添石油樹脂100質量部に対して、例えば300質量部以上であってよく、好ましくは350質量部以上、より好ましくは400質量部以上である。これにより、路面標示用塗料によって形成される路面標示材が、耐熱性、耐摩擦性により優れたものとなる。また、路面標示用塗料中の無機充填材の含有量は、水添石油樹脂100質量部に対して、例えば800質量部以下であってよく、好ましくは700質量部以下、より好ましくは600質量部以下である。これにより、路面標示材の視認性向上、強度向上という効果が奏される。
白色顔料としては、路面標示用塗料に使用される公知の白色顔料を特に制限無く用いることができる。白色顔料としては、例えば、酸化チタン、亜鉛華(亜鉛白)、鉛白等が挙げられ、これらのうち酸化チタンが特に好ましい。
路面標示用塗料中の白色顔料の含有量は特に限定されず、水添石油樹脂100質量部に対して、例えば5質量部以上であってよく、好ましくは7質量部以上、より好ましくは10質量部以上である。これにより、路面標示材の視認性向上という効果が奏される。また、製造コスト低減の観点からは、路面標示用塗料中の白色顔料の含有量は、水添石油樹脂100質量部に対して、例えば150質量部以下であってよく、好ましくは100質量部以下、より好ましくは50質量部以下である。
路面標示用塗料は、上記以外に、反射材を更に含有していてもよい。反射材としては、路面標示用塗料に使用される公知の反射材を特に制限無く用いることができる。反射材としては、例えばガラスビーズが挙げられる。
路面標示用塗料中の反射材の含有量は特に限定されず、水添石油樹脂100質量部に対して、例えば30質量部以上であってよく、好ましくは50質量部以上、より好ましくは70質量部以上である。これにより、夜間における路面標示材の視認性向上という効果が奏される。また、路面標示用塗料中の反射材の含有量は、水添石油樹脂100質量部に対して、例えば300質量部以下であってよく、好ましくは250質量部以下、より好ましくは200質量部以下である。これにより、路面標示材の耐久性、耐摩耗性の向上という効果が奏される。
路面標示用塗料は、上記以外の他の成分を更に含有していてもよい。他の成分としては、例えば、可塑剤としてのオイル類、表面のべたつき防止のための高分子材料等が挙げられる。
路面標示用塗料の使用方法は特に限定されず、例えば、路面上に加熱した路面標示用塗料を配置し、常温まで冷却することで、路面上に標示材を形成することができる。加熱温度は、水添石油樹脂の軟化点以上の温度であればよく、例えば120〜250℃であってよく、150〜200℃であってもよい。
路面標示用塗料の製造方法は特に限定されず、例えば、上述の各成分を混合して製造することができる。
好適な一態様において、路面標示用塗料は、上述の樹脂組成物と、無機充填材と、白色顔料と、を混合することにより製造してよい。すなわち、路面標示用塗料の製造方法は、上述の樹脂組成物と、無機充填材と、白色顔料と、を混合する工程を含んでいてよい。この製造方法では、予め、水添石油樹脂及び添加剤を含む樹脂組成物が調製されているため、添加剤の偏在が少なくなり、無機充填材及び白色顔料が均一に分散しやすく、均一な路面標示用塗料が得られやすい傾向がある。
以上、本発明の好適な実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではない。
以下、実施例によって本発明を更に詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
(実施例A−1:樹脂組成物の調製)
石油樹脂(ジシクロペンタジエンの重合体)をニッケル系触媒の存在下、水素圧15MPa、220℃の条件で水添し、水添石油樹脂(重量平均分子量:650、軟化点:104℃)を得た。この水添石油樹脂にポリイソブチレン無水コハク酸(PIBSA)を添加して、酸価が0.525mgKOH/gの樹脂組成物A−1を得た。
(実施例A−2〜A−5:樹脂組成物の調製)
PIBSAの添加量を変更したこと以外は実施例A−1と同様にして、酸価の異なる樹脂組成物を得た。実施例A−2では、酸価が0.7mgKOH/gの樹脂組成物A−2が得られた。実施例A−3では、酸価が1.05mgKOH/gの樹脂組成物A−3が得られた。実施例A−4では、酸価が1.4mgKOH/gの樹脂組成物A−4が得られた。実施例A−5では、酸価が1.75mgKOH/gの樹脂組成物A−5が得られた。
(比較例a−1:樹脂組成物の調製)
PIBSAの添加量を変更したこと以外は実施例A−1と同様にして、酸価の異なる樹脂組成物を得た。比較例a−1では、酸価が0.35mgKOH/gの樹脂組成物a−1が得られた。
(実施例A−6:樹脂組成物の調製)
石油樹脂(ジシクロペンタジエン及びC9留分の重合体(ジシクロペンタジエン/C9留=60/40(質量比)))をニッケル系触媒の存在下、水素圧15MPa、220℃の条件で水添し、水添石油樹脂(重量平均分子量:750、軟化点:102℃)を得た。この水添石油樹脂にポリイソブチレン無水コハク酸(PIBSA)を添加して、酸価が0.7mgKOH/gの樹脂組成物A−6を得た。
(実施例A−7:樹脂組成物の調製)
石油樹脂(C9留分の重合体)をニッケル系触媒の存在下、水素圧15MPa、220℃の条件で水添し、水添石油樹脂(重量平均分子量:1150、軟化点:99℃、水添率:約75%)を得た。この水添石油樹脂にポリイソブチレン無水コハク酸(PIBSA)を添加して、酸価が0.7mgKOH/gの樹脂組成物A−7を得た。
(実施例A−8:樹脂組成物の調製)
石油樹脂(C9留分の重合体)をニッケル系触媒の存在下、水素圧15MPa、220℃の条件で水添し、水添石油樹脂A−8(重量平均分子量:1020、軟化点:100℃、水添率:約95%)を得た。水添石油樹脂A−8にポリイソブチレン無水コハク酸(PIBSA)を添加して、酸価が0.7mgKOH/gの樹脂組成物A−7を得た。
(比較例a−2:樹脂組成物の調製)
石油樹脂(C5留分の重合体、重量平均分子量:3000、軟化点:98℃)にポリイソブチレン無水コハク酸(PIBSA)を添加して、酸価が0.7mgKOH/gの樹脂組成物a−2を得た。
(実施例B−1:路面標示用塗料の製造)
100質量部の樹脂組成物A−1、229質量部の粒状炭酸カルシウム(カルファイン製、寒水石KD−1)、229質量部の重質炭酸カルシウム(カルファイン製、重質炭酸カルシウムKS−800)、107質量部のガラスビーズ(ポッターズバロティーニ製、JIS R 3301 1号)、36質量部の酸化チタン顔料(石原産業製、酸化チタンA−220)、7質量部のPE WAX(中国精油製、ポリレッツ200EL)及び7質量部のアルキッドオイル(荒川化学製)を、180℃の温度、30分間の条件で混合し、路面標示用塗料B−1を得た。
(実施例B−2〜B−5:路面標示用塗料の製造)
樹脂組成物A−1に代えて、樹脂組成物A−2〜A−5を用いたこと以外は、実施例B−1と同様にして、路面標示用塗料B−2〜B−5を得た。
(比較例b−1〜b−2:路面標示用塗料の製造)
樹脂組成物A−1に代えて、樹脂組成物a−1〜a−2を用いたこと以外は、実施例B−1と同様にして、路面標示用塗料b−1〜b−2を得た。
実施例B−1〜B−5及び比較例b−1〜b−2の路面標示用塗料について、以下の方法で、黄色度及び流動性を評価した。
<黄色度の評価>
JIS K5665に則り、JIS Z8722の分光測色方法により黄色度を求めた。次に、比較例b−2の黄色度を100としたときの、実施例B−1〜B−5及び比較例b−1の黄色度の相対値(値が小さい方が黄色度が低い)を求めた。結果を表1に示す。
<流動性の評価>
路面標示材を粉砕し、40gをガラス瓶に入れ、200℃で30分間加熱した。その後、溶融した路面標示材を所定の高さから15g流し出し、冷え固まったのちのサンプル重量と面積により、流動性(cm/g)を求めた。次に、比較例b−2の流動性を100としたときの、実施例B−1〜B−5及び比較例b−1の流動性の相対値(値が大きい方が流動性が高い)を求めた。結果を表1に示す。
Figure 2021123608
表1に示すとおり、実施例B−1〜B−5では、比較例b−2と同程度の高い流動性を維持しつつ、十分に低い黄色度が実現された。
(実施例B−6〜B−8:路面標示用塗料の製造)
樹脂組成物A−1に代えて樹脂組成物A−6〜A−8を用いたこと以外は、実施例B−1と同様にして、路面標示用塗料B−6〜B−8を得た。得られた路面標示用塗料について、実施例B−1等と同様に、黄色度及び流動性を評価した。結果を表2に示す。
Figure 2021123608
表2に示すとおり、実施例B−1と異なる石油樹脂由来の水添石油樹脂を用いた実施例B−6〜B−8でも、比較例b−2と同程度の高い流動性を維持しつつ、十分に低い黄色度が実現された。
(実施例B−9〜B−10:路面標示用塗料の製造)
酸化チタン顔料の配合量を、樹脂組成物100質量部に対して27質量部(実施例B−9)又は18質量部(実施例B−10)に変更したこと以外は、実施例B−1と同様にして、路面標示用塗料B−9及びB−10を得た。得られた路面標示用塗料について、実施例B−1(酸化チタン顔料が樹脂組成物100質量部に対して36質量部)と同様に、黄色度及び流動性を評価した。結果を表3に示す。
Figure 2021123608
(実施例B−11〜B−12:路面標示用塗料の製造)
酸化チタン顔料の配合量を、樹脂組成物100質量部に対して27質量部(実施例B−11)又は18質量部(実施例B−12)に変更したこと以外は、実施例B−2と同様にして、路面標示用塗料B−11及びB−12を得た。得られた路面標示用塗料について、実施例B−2(酸化チタン顔料が樹脂組成物100質量部に対して36質量部)と同様に、黄色度及び流動性を評価した。結果を表4に示す。
Figure 2021123608
(実施例B−13〜B−14:路面標示用塗料の製造)
酸化チタン顔料の配合量を、樹脂組成物100質量部に対して27質量部(実施例B−13)又は18質量部(実施例B−14)に変更したこと以外は、実施例B−4と同様にして、路面標示用塗料B−13及びB−14を得た。得られた路面標示用塗料について、実施例B−4(酸化チタン顔料が樹脂組成物100質量部に対して36質量部)と同様に、黄色度及び流動性を評価した。結果を表5に示す。
Figure 2021123608
(実施例B−15〜B−16:路面標示用塗料の製造)
酸化チタン顔料の配合量を、樹脂組成物100質量部に対して27質量部(実施例B−15)又は18質量部(実施例B−16)に変更したこと以外は、実施例B−6と同様にして、路面標示用塗料B−15及びB−16を得た。得られた路面標示用塗料について、実施例B−6(酸化チタン顔料が樹脂組成物100質量部に対して36質量部)と同様に、黄色度及び流動性を評価した。結果を表6に示す。
Figure 2021123608
表3〜表6に示すとおり、実施例の路面標示用塗料では、白色顔料である酸化チタンの量を低減しても十分に低い黄色度が維持された。

Claims (6)

  1. 水添石油樹脂と酸性基を有する添加剤との混合物であり、
    酸価が0.5mgKOH/g以上である、樹脂組成物。
  2. 前記添加剤が、ポリアルケニル無水コハク酸である、請求項1に記載の樹脂組成物。
  3. 路面標示用塗料用バインダである、請求項1又は2に記載の樹脂組成物。
  4. 水添石油樹脂と、
    酸性基を有する添加剤と、
    無機充填材と、
    白色顔料と、
    を含有し、
    前記添加剤の含有量が、前記水添石油樹脂及び前記添加剤の混合物の酸価が0.5mgKOH/g以上となる含有量である、路面標示用塗料。
  5. 前記添加剤が、ポリアルケニル無水コハク酸である、請求項4に記載の路面標示用塗料。
  6. 請求項1〜3のいずれか一項に記載の樹脂組成物と、無機充填材と、白色顔料と、を混合して、路面標示用塗料を得る工程を含む、路面標示用塗料の製造方法。
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