JPH0770403A - 新規組成物および該組成物からなる粘接着剤、シーラント - Google Patents

新規組成物および該組成物からなる粘接着剤、シーラント

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JPH0770403A
JPH0770403A JP24357293A JP24357293A JPH0770403A JP H0770403 A JPH0770403 A JP H0770403A JP 24357293 A JP24357293 A JP 24357293A JP 24357293 A JP24357293 A JP 24357293A JP H0770403 A JPH0770403 A JP H0770403A
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JP
Japan
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group
block copolymer
conjugated diene
polybutene
hydrogenated
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Pending
Application number
JP24357293A
Other languages
English (en)
Inventor
Yoshihiro Goshi
義広 合志
Kichiza Sumiyama
吉佐 角山
Okitsugu Tsuji
興亜 辻
Eiichi Matsuzaka
栄一 松坂
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Eneos Corp
Original Assignee
Nippon Petrochemicals Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 高温時の接着性に優れ、そしてポリオレフィ
ン系プラスチックや金属等の極性の被着体に対する接着
性に優れた新規組成物およびこの新規組成物を含む粘接
着剤、シーラントを提供する。 【構成】 (a)少なくとも1個のビニル芳香族化合物
を主体とする重合体ブロックSと、少なくとも1個の共
役ジエン化合物を主体とする重合体から誘導される誘導
体ブロックBとからなり、該誘導体ブロックが前記共役
ジエン化合物を主体とする重合体ブロックを水素添加し
てなるものである水素添加ブロック共重合体100重量
部、および(b)極性基を有する数平均分子量が500
〜100,000の範囲にあるポリブテン10〜200
重量部、からなることを特徴とする新規組成物、並びに
該組成物を用いた粘接着剤、シーラント。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、極性基を有するポリブ
テンを用いたことを特徴とする、優れた耐熱性、耐候
性、密着性を有する新規組成物およびこの新規組成物を
含む粘接着剤、シーラントに関する。
【0002】
【従来の技術】熱可塑性エラストマーは、明瞭な熱可塑
性を示し、しかもゴム弾性を示すということから、種々
の分野、例えば履物、工業部品、自動車関連部品、家庭
用電気製品の部品、電線被覆用、プラスチックの改質
剤、粘・接着剤のベースポリマー、アスファルト改質、
その他雑貨等の分野で広く使われるようになり、その優
れた特性が注目されてきた。中でも、ビニル芳香族化合
物のブロックと共役ジエン化合物のブロックとを有する
ブロック共重合体は、他のエラストマーに比較してゴム
的性質に優れることから、ゴム弾性が重視されるような
分野に広く使用されるようになって来た。しかしなが
ら、ビニル芳香族化合物−共役ジエンブロック共重合体
は、ポリマー鎖中に不飽和二重結合を有することから、
耐候性、耐熱安定性に劣り、高温で処理したり、長時間
使用する用途には使用できないという欠点があった。
【0003】この欠点を解消するために、ビニル芳香族
化合物−共役ジエンブロック共重合体の共役ジエン部分
の二重結合に水素添加をして、耐候性、熱安定性を改良
するという方法が種々行なわれている。
【0004】近年、この水素添加された水素化ブロック
共重合体の用途開発が進み、水素化ブロック共重合体に
粘着付与樹脂やポリブテンを混入した組成物をホットメ
ルト接着剤およびホットメルトシーラントとして利用す
る特許出願が種々なされ、従来のホットメルト組成物の
問題点であった耐熱性、耐老化性、耐温度依存性といっ
た品質面の欠陥が解消されつつある。
【0005】例えば、ホットメルト接着剤については、
特公平4−65880号公報、特公平5−8954号公
報、特公平5−8955号公報等で提案されており、水
素添加熱可塑性ゴムに粘着付与樹脂、ワックス、ポリブ
テンが添加されており、また、ホットメルトシーラント
としては特開平1−217093号公報、特開平2−1
53946号公報等で提案されており、水素添加熱可塑
性ゴムにブチルゴム、ワックス、粘着付与樹脂、軟化剤
としてのポリブテンが添加されている。
【0006】また、ホットメルトシーラントとしては水
素添加熱可塑性エラストマーに低分子量のポリアルケ
ン、変性用樹脂、充填剤を添加する方法が開示されてい
る(U.S.P.4,138,378)。
【0007】しかしながら、いずれもポリオレフィン系
プラスチックや極性の被着体に対する接着性および高温
時の接着性といった問題が解消されていない状況にあ
る。例えば、近年、自動車の軽量化やデザインの複雑化
に伴いヘッドランプの一部ではレンズとハウジングとの
接着およびシールに水素添加熱可塑性ゴムを主体とした
ホットメルトシーラントが使用されている。しかしなが
ら、ランプ点灯時には付近温度が100℃前後になるた
めにこの温度に耐える接着強度の高いシーラント、すな
わち高温の接着性の良好なシーラントが要望されている
(特開平1−217093号公報)。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、上記
課題点の解消された新規組成物を提供するものであり、
高温時の接着性に優れ、そしてポリオレフィン系プラス
チックや金属等の極性の被着体に対する接着性に優れた
新規組成物およびこの新規組成物を含む粘接着剤、シー
ラントを提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明の上記目的は、極
性基を有するポリブテンを用いることにより達成され
る。
【0010】すなわち本発明の第1は、(a)少なくと
も1個のビニル芳香族化合物を主体とする重合体ブロッ
クSと、少なくとも1個の共役ジエン化合物を主体とす
る重合体から誘導される誘導体ブロックBとからなり、
該誘導体ブロックが前記共役ジエン化合物を主体とする
重合体ブロックを水素添加してなるものである水素添加
ブロック共重合体100重量部および(b)極性基を有
する数平均分子量が500〜100,000の範囲にあ
るポリブテン10〜200重量部からなることを特徴と
する新規組成物を提供するものである。
【0011】また、本発明の第2は、該新規組成物を含
む粘接着剤を提供するものである。さらに、本発明の第
3は、該新規組成物を含むシーラントを提供するもので
ある。
【0012】以下、本発明について詳しく説明する。本
発明に用いられる成分(a)の水素添加ブロック共重合
体は、少なくとも1個のビニル芳香族化合物を主体とす
る重合体ブロックと、少なくとも1個の共役ジエン化合
物を主体とする重合体とからなり、該誘導体ブロックが
前記共役ジエン化合物を主体とする重合体ブロックを水
素添加してなる誘導体ブロックである。
【0013】本発明で使用する水素添加ブロック共重合
体は、ポリマー構造が下記一般式(1)〜(3)で表さ
れる水素添加ブロック共重合体、あるいはこれらの任意
の混合物である。
【0014】
【化1】
【0015】
【化2】
【0016】
【化3】
【0017】(上式において、Sはビニル芳香族化合物
を主とする重合体ブロックであり、Bは共役ジエン化合
物を主体とする重合体とからなり、該誘導体ブロックが
前記共役ジエン化合物を主体とする重合体ブロックを水
素添加してなる誘導体ブロックである。SブロックとB
ブロックとの境界は必ずしも明瞭に区別される必要はな
い。nは1以上の整数であり、一般には1〜5の整数で
ある。)
【0018】あるいは下記一般式(4)〜(7)で表さ
れる水素添加ブロック共重合体、あるいはこれらの任意
の混合物である。
【0019】
【化4】
【0020】
【化5】
【0021】
【化6】
【0022】
【化7】
【0023】(上式において、S、Bは前記と同じであ
り、Xは例えば四塩化ケイ素、四塩化スズ、エポキシ化
大豆油、カルボン酸のエステル等のカップリング剤の残
基または多官能有機リチウム化合物等の開始剤の残基を
示す。mおよびnは1以上の整数である。一般には1〜
5の整数である。)
【0024】これらの中で、とりわけ好適なものはポリ
マー鎖の両末端がビニル芳香族化合物を主とする重合体
ブロックで形成されている水素添加ブロック共重合体で
ある。
【0025】そして、該水素添加ブロック共重合体は、
ビニル芳香族化合物を5〜60重量%含み、ビニル芳香
族化合物を主体とする重合体ブロックSが、ビニル芳香
族化合物の含有量が50重量%以上の重合体ブロックで
あり、水素添加された共役ジエンとビニル芳香族化合物
との共重合体部分および/またはビニル芳香族化合物重
合体部分から構成される。また、共役ジエン化合物を主
体とする重合体とからなり、該誘導体ブロックが前記共
役ジエン化合物を主体とする重合体ブロックを水素添加
してなる誘導体ブロックBは、ビニル芳香族化合物の含
有量が50重量%未満の重合体ブロックであり、水素添
加された共役ジエンとビニル芳香族化合物との共重合体
部分および/または水素添加された共役ジエン重合体部
分から構成される。水素添加された共役ジエンとビニル
芳香族化合物との共重合体部分のビニル芳香族化合物は
ポリマー鎖中の分布がランダム、テーパード(分子鎖に
沿ってモノマー成分が増加または減少するもの)、一部
ブロック状またはこれらの任意の組合せでなっていても
よく、ビニル芳香族化合物を主体とする重合体ブロック
および共役ジエン化合物を主体とする重合体とからな
り、該誘導体ブロックが前記共役ジエン化合物を主体と
する重合体ブロックを水素添加してなる誘導体ブロック
がそれぞれ2個以上ある場合は、各ブロックはそれぞれ
が同一構造であってもよく、異なる構造であってもよ
い。
【0026】水素添加ブロック共重合体を構成するビニ
ル芳香族化合物としてはスチレン、o−メチルスチレ
ン、p−メチルスチレン、p−tert−ブチルスチレ
ン、1,3−ジメチルスチレン、α−メチルスチレン、
ビニルナフタレン、ビニルアントラセン等があるが、特
に一般的なものとしてはスチレンが挙げられる。これら
は1種のみならず2種以上混合して使用してもよい。水
素添加された共役ジエン化合物を構成する水素添加前の
共役ジエン化合物としては、1対の共役二重結合を有す
るジオレフィンであり、例えば1,3−ブタジエン、2
−メチル−1,3−ブタジエン(イソプレン)、2,3
−ジメチル−1,3−ブタジエン、1,3−ペンタジエ
ン、1,3−ヘキサジエン等であるが、特に一般的なも
のとしては1,3−ブタジエン、イソプレンが挙げられ
る。これらは1種のみならず2種以上混合して使用して
もよい。そして共役ジエン化合物を主体とする重合体と
からなり、該誘導体ブロックが前記共役ジエン化合物を
主体とする重合体ブロックを水素添加する前の誘導体ブ
ロックは、そのブロック中におけるミクロ構造を任意に
選ぶことができ、例えばポリブタジエンブロックにおい
ては1,2ミクロ構造が20〜60%であり、残余は
1,4ミクロ構造である。
【0027】該水素添加ブロック共重合体の数平均分子
量は、5,000〜1,000,000の範囲であり、
分子量分布(重量平均分子量/数平均分子量の比)は1
0以下である。さらに水素添加ブロック共重合体の分子
構造は、直鎖状、分岐状、放射状あるいはこれらの任意
の組合せのいずれであってもよい。
【0028】本発明における水素添加ブロック共重合体
を製造するに際し、ビニル芳香族化合物と水素添加され
た共役ジエンとの共重合体部分を形成する方法として
は、例えば、(1)ビニル芳香族化合物と水素添加され
る前の共役ジエンとの混合物を連続的に重合系に供給し
て重合するおよび/または(2)極性化合物あるいはラ
ンダム化剤を使用してビニル芳香族化合物と水素添加さ
れる前の共役ジエンを共重合する等の方法が挙げられ
る。極性化合物やランダム化剤としては、テトラヒドロ
フラン、ジエチレングリコールジメチレンエーテル、ジ
エチレングリコールジブチルエーテル等のエーテル類、
トリエチルアミン、テトラメチルエチレンジアミン等の
アミン類、チオエーテル類、ホスフィン類、ホスホルア
ミド類、アルキルベンゼンスルホン酸塩、カリウムやナ
トリウムのアルコキシド等が挙げられる。
【0029】前記の方法でビニル芳香族化合物と水素添
加される共役ジエンとの共重合体部分に共重合されてい
るビニル芳香族化合物の結合状態はブロック共重合体を
農工大田中教授等によって開発された方法(日本ゴム協
会誌、54(9)、564(1981))によりオゾン
分解することにより知ることができる。
【0030】また本発明に用いられる水素添加ブロック
共重合体は、該水素添加ブロック共重合体に極性基含有
原子団が結合した水素添加ブロック共重合体を使用する
こともできる。ここで極性基含有原子団とは、窒素、酸
素、ケイ素、リン、イオウ、スズから選ばれる原子を少
なくとも1種含有する原子団を云う。具体的には、カル
ボキシル基、カルボニル基、チオカルボニル基、酸ハロ
ゲン化物基、酸無水物基、カルボン酸基、チオカルボン
酸基、アルデヒド基、チオアルデヒド基、カルボン酸エ
ステル基、アミド基、スルホン酸基、スルホン酸エステ
ル基、リン酸基、リン酸エステル基、アミノ基、イミノ
基、ニトリル基、ピリジン基、キノリン基、エポキシ
基、チオエポキシ基、スルフィド基、イソシアネート
基、イソチオアネート基、ハロゲン化ケイ素基、アルコ
キシケイ素基、ハロゲン化スズ基、アルキルスズ基、フ
ェニルスズ基等から選ばれる極性基を少なくとも1種含
有する原子団が挙げられる。
【0031】本発明で使用する水素添加ブロック共重合
体は、カルボキシル基、酸無水基等の酸性基、エポキシ
基、これらの誘導基等の極性基を有するビニル単量体で
変性してあってもよい。水素添加ブロック共重合体の変
性物は、水素添加ブロック共重合体100重量部当り、
一般には0.05〜20重量部の前記極性基が付加して
いるものが使用できる。
【0032】これらの極性基を有するビニル単量体を水
素添加ブロック共重合体に導入する方法は、溶液状態、
溶融状態等いずれでもよく、また、有機過酸化物等のラ
ジカル発生剤の存在下または不存在下でもよく特に限定
されない。その製造法の一例としては、例えば押出機中
で150〜350℃の温度で上記した水素添加ブロック
共重合体、極性基を有するビニル単量体を有機過酸化物
の存在下または不存在下で溶融混練する方法がある。
【0033】カルボキシル基または酸無水基を有するビ
ニル単量体としては、アクリル酸、メタクリル酸、マレ
イン酸、フマール酸、イタコン酸、シトラコン酸、テト
ラヒドロフタル酸等のα,β−不飽和ジもしくはモノカ
ルボン酸、無水マレイン酸、無水イタコン酸、無水シト
ラコン酸、テトラヒドロ無水フタル酸等のα,β−不飽
和ジカルボン酸無水物等が例示される。
【0034】また水素添加ブロック共重合体の変性物と
しては、α,β−不飽和ジカルボン酸、例えばマレイン
酸が付加した水素添加ブロック共重合体に、更にアンモ
ニア等を付加させたアミド化物、さらに該アミド化物を
加熱して得られるイミド化物、メタノール等のアルコー
ルをエステル化反応させたハーフエステル化物やジエス
テル化物等も含まれる。
【0035】水素添加ブロック共重合体にエポキシ基を
導入する際に用いられる、エポキシ基を有するビニル単
量体としては、アクリル酸グリシジル、メタクリル酸グ
リシジル、イタコン酸モノグリシジルエステル、ブテン
ジカルボン酸ジグリシジルエステル、ブテンジカルボン
酸モノグリシジルエステル、シクロヘキセンカルボン酸
グリシジルエステル、シクロヘキセングリシジルエーテ
ル、2−メチルアクリルグリシジルエーテル、ビニル−
グリシジルエーテル、3,4−エポキシブテン、3,4
−エポキシ−3−メチル−1−ブテン、ビニルシクロヘ
キセンモノオキシド、p−グリシジルスチレン等が例示
される。
【0036】上記極性基は、同一または異なる複数の極
性基であることもできる。従って、例えばカルボキシル
基または酸無水基を有するビニル単量体を付加させた後
に、エポキシ基を有するビニル単量体を付加させて得ら
れる水素添加ブロック共重合体変性物であることもでき
る。もちろん、逆にエポキシ基を有するビニル単量体を
付加させた後に、カルボキシル基または酸無水基を有す
るビニル単量体を付加させて得られる水素添加ブロック
共重合体変性物であることもできる。得られた水素添加
ブロック共重合体の変性物は1価あるいは2価、3価の
金属イオンとアイオノマー化してもよい。有機過酸化物
としては、例えばジクミルパーオキサイド、ジ−ter
t−ブチルパーオキサイド、tert−ブチルクミルパ
ーオキサイド、2,5−ジメチル−2,5−ジ(ter
t−ブチルパーオキシ)ヘキサンおよび2,5−ジメチ
ル−2,5−ジ(tert−ブチルパーオキシ)ヘキシ
ン−3、n−ブチル−4,4−ビス(tert−ブチル
パーオキシ)バレレート、1,1−ビス(tert−ブ
チルパーオキシ)3,3,5−トリメチルシクロヘキサ
ン等が挙げられる。またこのようにして得られた水素添
加ブロック共重合体の変性物には、カルボキシル基、酸
無水基等の酸性基、エポキシ基、これらの誘導基等の極
性基を有するビニル単量体が未反応物として残るのが一
般的であるが、この未反応物を完全に除去してもよい
し、あるいはそのまま残存させてもよい。
【0037】本発明で(a)成分として用いられる水素
添加ブロック共重合体は上記した構造を有するものであ
れば、どのような製造方法で得られるものであっても構
わない。水素添加する前のブロック共重合体は炭化水素
溶媒中、有機リチウム化合物を開始剤として重合するこ
とにより得られ、該ブロック共重合体の水素添加反応を
行うことにより、本発明に用いられる水素添加ブロック
共重合体を得ることができる。
【0038】炭化水素溶媒としては、例えばn−ペンタ
ン、n−ヘキサン、n−ヘプタン、n−オクタンの如き
脂肪族炭化水素類、シクロペンタン、メチルシクロペン
タン、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン、エチル
シクロヘキサンの如き脂環式炭化水素類、ジエチルエー
テル、テトラヒドロフランの如きエーテル類の単独もし
くは混合物である。また、ベンゼン、トルエン、エチル
ベンゼン、キシレンの如き芳香族炭化水素も水素添加反
応条件下で芳香族二重結合が水素添加されないときに限
って使用することができる。
【0039】また有機リチウム化合物は、分子中に1個
以上のリチウム原子を結合した有機リチウム化合物であ
り、例えばエチルリチウム、n−プロピルリチウム、イ
ソプロピルリオチウム、n−ブチルリチウム、sec−
ブチルリチウム、tert−ブチルリチウム、ヘキサメ
チレンジリチウム、ブタジエニルジリチウム、イソプレ
ニルジリチウム等が挙げられる。
【0040】水素添加反応に使用される触媒としては次
の通りである。 (1)Ni、Pt、Pd、Ru等の金属をカーボン、シ
リカ、アルミナ、ケイソウ土等の担体に担持させた担持
型不均一系触媒。 (2)Ni、Co、Fe、Cr等の有機塩酸またはアセ
チルアセトン塩と有機Al等の還元剤とを用いるいわゆ
るチーグラー型触媒。 (3)Ru、Rh等の有機金属化合物等のいわゆる有機
酸触媒等の均一系触媒が知られている。
【0041】水素添加反応の具体的な方法としては、コ
バルト含有有機化合物、またはニッケル含有有機化合物
あるいはそれらの混合物とアルミニウム含有還元剤との
反応生成物からなる触媒の存在下に不活性溶剤中で水素
と接触させる方法(特公昭42−8704号公報)、ニ
ッケル、ラネーニッケル、クロム酸銅等をアルミナ、ケ
イソウ土等の担体に担持した担持型不均一触媒存在下に
水素添加する方法(特公昭43−6636号公報)、あ
るいはビス(シクロペンタジエニル)チタニウムジクロ
ライドおよびアルキルリチウムからなる触媒存在下に水
素と接触させて水素添加する方法(特開昭59−133
203号公報)等により、不活性溶媒中で水素添加触媒
の存在下に水素添加して、水素添加物を得、本発明に供
する水素添加ブロック共重合体を合成することができ
る。その際、水素添加ブロック共重合体の共役ジエン化
合物に基づく脂肪族二重結合は少なくとも80%を水素
添加ならしめ、共役ジエン化合物を主体とする重合体ブ
ロックを形態的にオレフィン性化合物重合体ブロックB
に変換させることができる。また、ビニル芳香族化合物
を主体とするブロックSおよび必要に応じて共役ジエン
化合物を主体とする重合体ブロックB中に共重合されて
いるビニル芳香族化合物に基ずく芳香族二重結合の水素
添加率については特に制限はないが、水素添加率を20
%以下にするのが好ましい。該水素添加ブロック共重合
体中に含まれる未水添の脂肪族二重結合の量は、赤外分
光光度計、核磁気共鳴装置等を用いた機器分析等により
容易に知ることができる。
【0042】本発明に用いられる水素添加ブロック共重
合体は、前記した構造を有するものであればどの様な製
造方法を用いて得られた水素添加ブロック共重合体であ
っても何ら問題はなく、例えば、不活性溶媒中、ナフテ
ン酸コバルトとトリエチルアルミニウムを触媒として得
られた水素添加ブロック共重合体に、窒素雰囲気下でマ
レイン化反応して得られる変性ブロック共重合体(特開
昭63−254119号公報)、ブロック共重合体中の
共役ジエン部のビニル結合量を炭化水素溶媒中、有機リ
チウム化合物を開始剤とする重合法においてビニル化剤
として極性化合物(例えばテトラヒドロフラン等のエー
テル類、トリエチルアミン等のアミン類等)を用いて、
極性化合物の種類、使用量、重合温度等をコントロール
することにより得られる特定水素添加ブロック共重合体
(特開平1−101357号公報)、高速流体クロマト
グラフィーによる組成分析において、ビニル芳香族炭化
水素含有量が主ピークのビニル芳香族炭化水素含有量よ
り多く、かつその差が5重量%以上である成分とビニル
芳香族炭化水素含有量が主ピークのビニル芳香族炭化水
素含有量より少なく、かつその差が5重量%以上である
成分との合計量が20〜80重量%であるような水素添
加ブロック共重合体(特公平5−51639号公報)等
の水素添加ブロック共重合体も使用することができる。
また市販品としては、例えばクレイトンG(シェル化学
社製)、エラストマーAR(アロン化学社製)、セプト
ン(クラレ社製)、住友TPE−SB(住友化学工業社
製)等がある。
【0043】本発明で用いられる極性基を有するポリブ
テンは、カルボキシル基、酸無水基等の酸性基、エポキ
シ基、これらの誘導基等の極性基を含むポリブテンであ
る。
【0044】これらの極性基を、ポリブテンに導入する
方法は、従来公知のいずれの方法も採用することがで
き、例えばカルボキシル基または酸無水基を有するビニ
ル単量体またはエポキシ基を有するビニル単量体をポリ
ブテンに付加させることにより行われる。極性基の量
は、ポリブテン1モル中0.1〜3.0モル、好ましく
は0.5〜2.0モルである。
【0045】カルボキシル基または酸無水基を有するビ
ニル単量体としては、アクリル酸、メタクリル酸、マレ
イン酸、フマール酸、イタコン酸、シトラコン酸、テト
ラヒドロフタル酸等のα,β−不飽和ジもしくはモノカ
ルボン酸、無水マレイン酸、無水イタコン酸、無水シト
ラコン酸、テトラヒドロ無水フタル酸等のα,β−不飽
和ジカルボン酸無水物等が例示される。特に好ましく
は、無水マレイン酸およびフマール酸である。
【0046】また極性基を有するポリブテンとしては、
α,β−不飽和ジカルボン酸、例えばマレイン酸が付加
したポリブテンに、更にアンモニア等を付加させたアミ
ド化物、さらに該アミド化物を加熱して得られるイミド
化物、メタノール等のアルコールをエステル化反応させ
たハーフエステル化物やジエステル化物等も含まれる。
【0047】ポリブテンにエポキシ基を導入する際に用
いられる、エポキシ基を有するビニル単量体としては、
アクリル酸グリシジル、メタクリル酸グリシジル、イタ
コン酸モノグリシジルエステル、ブテンジカルボン酸ジ
グリシジルエステル、ブテンジカルボン酸モノグリシジ
ルエステル、シクロヘキセンカルボン酸グリシジルエス
テル、シクロヘキセングリシジルエーテル、2−メチル
アクリルグリシジルエーテル、ビニル−グリシジルエー
テル、3,4−エポキシブテン、3,4−エポキシ−3
−メチル−1−ブテン、ビニルシクロヘキセンモノオキ
シド、p−グリシジルスチレン等が例示される。特にフ
ェニルグリシジルエーテル、ブチルグリシジルエーテル
等が好ましい。
【0048】上記極性基は、同一または異なる複数の極
性基であることもできる。従って、例えばカルボキシル
基または酸無水基を有するビニル単量体を付加させた後
に、エポキシ基を有するビニル単量体を付加させて得ら
れる極性基を有するポリブテンであることもできる。も
ちろん、逆にエポキシ基を有するビニル単量体を付加さ
せた後に、カルボキシル基または酸無水基を有するビニ
ル単量体を付加させて得られる極性基を有するポリブテ
ンであることもできる。
【0049】本発明においては、上述の水素添加ブロッ
ク共重合体100重量部当り10〜200重量部の極性
基を有するポリブテンを添加する。10重量部未満の場
合は、配合物の粘度が高くなり、塗布工程が困難になる
と共に被着体との接着性も悪くなる。一方200重量部
を越える場合は、凝集力が悪くなり、コストが高くな
る。
【0050】極性基を有するポリブテンの数平均分子量
は500〜100,000、好ましくは500〜10,
000である。数平均分子量が500未満の場合は被着
体との接着が悪くなり、十分な効果が期待できない。一
方、数平均分子量が100,000を越える場合は、配
合物の粘度が高くなり塗布工程に支障をきたす。
【0051】本発明の組成物を粘接着剤あるいはシーラ
ントとして使用する場合は、粘着付与樹脂を配合する。
この粘着付与樹脂とは、常温で半液状ないし固体で20
〜150℃程度の軟化点を有しているものである。これ
らの粘着付与樹脂としてはロジン系樹脂、テルペン系樹
脂、脂肪族系石油樹脂(C5系)、芳香族系石油樹脂
(C9系)、脂肪族/芳香族または脂肪族/脂環族共重
合系石油樹脂(同C5−C9系)、脂環族系石油樹脂、ジ
シクロペンタジエン系石油樹脂、さらにこれらを水素添
加した水素添加系石油樹脂、その他アルキルフェノール
樹脂、クマロン、インデン樹脂等がある。
【0052】粘着付与樹脂として、ロジン系のものとし
てはロジン(ガムロジン、トール油ロジン、ウッドロジ
ン等)、変性ロジン(水添ロジン、不均化ロジン、重合
ロジン等)、ロジンエステル(エステルガム:ロジング
リセリンエステル等、水添ロジン:ペンタエリスリトー
ルエステル等)がある。
【0053】ロジンは分子量が小さいわりには軟化点が
高く、各種のベースポリマーとの相溶性がよいことから
粘着付与効果も大きく、一般に軟化点70〜85℃、酸
価150〜180の淡黄色透明な熱可塑性樹脂であり製
法によって、(1)ガムロジン系は松の生立木に切傷を
つけ、分泌物の生松やにからテレピン油を除去して得ら
れるもの、(2)トール油ロジン系はクラフトパルプ製
造時に副生する廃液から得られる粗トール油を分留して
得られるもの、(3)ウッドロジン系は松の切株のチッ
プから石油系溶剤を使って抽出したものをさらに溶剤分
別することによって得られるもの、に大別できる。
【0054】具体的には、ペンタエリスリットエステル
ロジン、グリセリンエステルロジンならびにそれらの水
素添加樹脂等があり、市販品として、ガムロジン、ウッ
ドロジン、エステルガムA、エステルガムH、ペンセル
A、ペンセルC(荒川化学工業社製)、ペンタリンA、
フォーラルAX、フォーラル85、フォーラル105、
ペンタリンC(理化ハーキュレス社製))等がある。
【0055】テルペン系のものとしては、ポリテルペン
系樹脂、フェノールで変性したテルペン・フェノール系
樹脂、テルペンと芳香族炭化水素化合物を共重合した変
性テルペン樹脂およびそれらの水素添加樹脂がある。具
体的には市販品としてピコライトS、ピコライトA、ピ
コフィンA、ピコフィンD、パーマリン(Hercul
es社製)、YSレジンA、YSレジンPx、YSレジ
ンD、YSレジンTO、YSポリスターS、YSポリス
ターT、YSポリスター2000、クリアロン−M、ク
リアロン−P、マイティエースG(安原油脂工業社
製)、ゾナレッツB、ゾナレッツ7000(Arizo
na Chem.社製)、ナイレッツ2000(Rei
chhold社製)、タマノル803(荒川化学工業社
製)、スミライトPR−12603(住友デュレッツ社
製)等がある。
【0056】さらに、石油樹脂系について説明すると、
ナフサクラッキングの際に副生するオレフィン、ジオレ
フィン類を原料とした樹脂であり、その原料組成によっ
て脂肪族系石油樹脂(C5系)、芳香族系石油樹脂(C9
系)、脂肪族/芳香族または脂肪族/脂環族共重合系石
油樹脂(同C5/C9系)、脂環族系石油樹脂、ジシクロ
ペンタジエン系石油樹脂、さらにこれらを水素添加した
水素添加系石油樹脂に分けられる。
【0057】脂肪族系石油樹脂(C5系)とは、通常ハ
ロゲン化アルミニウム触媒下で重合が行なわれる。C5
系石油樹脂の原料として大別すると、副生分解油のC5
留分そのものを主原料とした場合と、C5留分よりイソ
プレンモノマーを抽出した後のペンタジエンを主原料と
した場合の2種類がある。
【0058】芳香族系石油樹脂(C9系)とは、重質の
副生分解油からBTX(ベンゼン、トルエン、キシレ
ン)を分離した残りの留分(C8〜C11)をカチオン重
合したものである。
【0059】脂肪族/芳香族または脂肪族/脂環族共重
合系石油樹脂(同C5/C9系)はC5留分とC9留分の混
合物を原料として重合したもので、単に両者を混合して
原料とする。また、後者に含まれるインデン、ジシクロ
ペンタジエン等を少なくした留分を原料とする場合もあ
る。さらには、C5/C9系にとどまらずテルペン系モノ
マーと組み合わせたタイプの石油樹脂もある。
【0060】ジシクロペンタジエン系石油樹脂とは、ナ
フサ分解で得られるC5およびC9留分に含まれるシクロ
ペンタジエン、ジシクロペンタジエン、メチルシクロペ
ンタジエン等をその含有量が40〜80重量%になるよ
うに調整し、重合、樹脂化したものである。重合方法と
してはフリーデルクラフツ触媒を用いる触媒重合と25
0℃以上の高温、無触媒による熱重合があり、それぞれ
のポリマー分子構造は異なる。
【0061】水素添加系石油樹脂は、現在市販されてい
るものでジシクロペンタジエン系、芳香族系(C9系)
を水素添加したものに大別される。
【0062】これら石油樹脂の市販品のものとしては、
エスコレッツ1102B、エスコレッツ1103U(東
燃石油化学社製)、ハイレッツG100X、ハイレッツ
T100X、ハイレッツC110X、ハイレッツP10
0LM、ハイレッツR100X、ペトロジン、FTR
(三井石油化学社製)、クイントン(日本ゼオン社
製)、ウイングタック、ウイングタックプラス(Goo
dyear社製)、スタタック、スーパースタタック、
ベタプレン(Reichhold社製)、トーホーペト
ロジン(東燃石油樹脂社製)、日石ネオポリマー(日本
石油化学社製)、ペトロジン(三井石油化学社製)、エ
スコレッツ1315、エスコレッツ1500(Exxo
n社製)、エスコレッツ5000(トーネックス社
製)、ハイレジン、トーホーハイレジン、コーポレック
ス(東邦石油樹脂社製)、アルコンPおよびM(荒川化
学工業社製)、ピコパール、ネヴペン、ピコジエン、ピ
コ6000(Hercules社製)、クイントン(日
本ゼオン社製)、タッキロール1000、タッキロール
5000(住友化学社製)、ペトコール(東洋曹達社
製)、マルカレッツ、マルカレッツ−M、マルカレッツ
−H、マルカクリア(丸善石油化学社製)、LX68
5、Cumar R(Neville社製)、ポリベル
M(Velsicol社製)、オリゴテック(三菱石油
社製)、フッコール(富士興産社製)等がある。
【0063】本発明においてはこれらの粘着付与樹脂を
適宜に単独または2種以上使うことができる。これらの
粘着付与樹脂は被着体に対する接着特性を増大させるた
めに用いられ、単体もしくは混合物で使用される。
【0064】粘着付与樹脂は前記水素添加ブロック共重
合体100重量部当り50〜300重量部が好ましい。
配合量が50重量部未満であると被着体に対する十分な
接着力が得にくくなり、逆に300重量部を超えると粘
接着剤の凝集力が低下し、接着力が低下するようになり
粘接着剤、シーラントの非粘着性、接着耐寒性が損なわ
れるようになる。
【0065】本発明の新規組成物を粘接着剤、シーラン
トとして使用するときは、必要に応じて、その他の添加
剤、例えば補強用樹脂、顔料等を添加することも可能で
ある。
【0066】具体的に言うと粘接着剤、例えばホットメ
ルト型粘接着剤として使用する場合は、従来公知のワッ
クス、酸化防止剤等を加えてもよい。、また、シーラン
ト、例えばホットメルト型シーラントとして使用すると
きは、従来公知のゴム、例えばブチルゴム、ワックス、
酸化防止剤、無機充填剤等を加えてもよい。これらの添
加剤は、本発明の効果が損なわれない限り適宜の量で単
独または2種以上添加することができる。
【0067】それぞれの添加剤を説明すると、ワックス
としては、パラフィンワックス、マイクロワックス、低
分子量ポリエチレン、低分子量ポリプロピレン等のこと
であり、ホットメルト型粘接着剤、シーラント組成物の
溶融時の流動性、非粘着性を増大するために用いられ
る。
【0068】パラフィンワックスは一般に原油の高沸点
留分から分離された固形炭化水素で例えば、日本石油
社、日本精蝋社等から市販されている。
【0069】マイクロワックスは一般に原油の高沸留分
から精製された高融点ワックスで、例えば、市販品とし
て日石マイクロワックス(日本石油社製)、ハイミック
(日本精蝋社製)等がある。低分子量ポリエチレンは一
般にエチレンを単独で重合したり、他のα−オレフィン
を共重合して得られる通常軟化点80℃以上140℃以
下のワックスで、例えばACポリエチレン(アライドケ
ミカル社製)、ヘキストワックスPE(ヘキスト社
製)、三井ハイワックス(三井石油化学社製)、ネオワ
ックス(安原油脂社製)、サンワックス(三洋化成工業
社製)等がある。低分子量ポリプロピレンは、一般にプ
ロピレンの低重合度物または、ポリプロピレンを酸化分
解して得られ、例えばビスコール(三洋化成工業社
製)、ヘキストワックスPP(ヘキスト社製)、ビスタ
ックL、タック833(住友化学社製)等がある。
【0070】粘接着剤またはシーラントとして使用され
る場合に配合されることがあるワックスは、前記水素添
加ブロック共重合体100重量部当り10〜300重量
部用いるのが好ましく、10重量部未満になると溶融流
動性が不足し被着体への良好な接着が得られなくなり、
室温での接着剤の非粘着性が損なわれるようになる。ま
た300重量部を超えるようになると被着体に対する接
着性が損なわれるようになる。
【0071】本発明の新規組成物をシーラントとして使
用する場合には適宜にエラストマー、例えばゴムを添加
することができる。添加することができるゴムとしては
オレフィン系ゴムが例示され、例えばイソブチレンと少
量のジエン炭化水素、主としてイソプレンを共重合した
ブチルゴムやエチレン−プロピレンゴム等である。
【0072】具体的には、日本ブチル065(日本ブチ
ル社製)、クロロブチル1066(Exxon社製)、
ポリサーブチルXL−20、ポリサーブチルXL−5
0、ポリサーブロモブチルX−2(Polysar L
td.社製)、Bucar5214、EX−257(C
ities Service社製)等として市販されて
いる公知のものでよい。
【0073】このオレフィン系ゴムの配合量は前記水素
添加ブロック共重合体100重量部当り10〜300重
量部用いるのが好ましい。
【0074】また、酸化防止剤、充填剤(例えば、タル
ク、クレイ、シリカ、炭酸カルシウム、酸化チタン、カ
ーボンブラックおよび粘土、並びにそれらの混合物等)
等は、粘接着剤やシーラント等に一般的に使用されてい
る公知のものを本発明の効果を損なうことが無い範囲で
添加することができる。
【0075】本発明の組成物を粘接着剤またはシーラン
トとして使用する場合、ベースポリマーがブロック共重
合体であるところから、いわゆるホットメルト型とする
ことができるので有用である。すなわちホットメルト型
粘接着剤またはホットメルト型シーラントとして使用す
ることができる。
【0076】本発明によって得られた新規組成物は、耐
熱安定性、難接着性ポリオレフィン系プラスチックに対
する接着、充填、密封、封孔および封着性に優れること
から、接着剤、シーラント(シーリング材、シール材)
はもとより、粘着剤、封止剤等に極めて有用な新規組成
物である。また、本発明の新規組成物を粘着剤として利
用した場合に、例えばシート状に塗布するだけで優れた
粘着力を示すため、害虫および鼠等の小生物捕獲用の粘
着剤としても有用である。
【0077】さらに本発明の新規組成物は、他のポリオ
レフィン系樹脂(例えばポリエチレン、ポリプロピレン
等)等を加え、各種成形品を成形することも可能であ
る。
【0078】本発明の組成物の製造方法は、それぞれの
用途に応じて従来公知の方法を採用することができ、例
えばニーダーと称する双状回転羽根により加熱下シェア
をかけて混合する方法、また押出機すなわち単軸または
2軸のスクリューにより加熱下溶融する方法等の例えば
通常のホットメルト組成物の製造で用いられるいずれの
方法においても製造が可能である。
【0079】
【実施例】以下、実施例等に基づいて本発明を具体的に
説明する。
【0080】[物性の測定}実施例等中の物性測定は次
の方法により試験した。
【0081】(1)溶融粘度:JAI−7−1980に
準じ190℃に加温しB型回転粘度計により測定した。
【0082】(2):T型剥離強度:ホットメルトアプ
リケーターノードソンXI型(ノードソン社製)で槽温
190℃にて溶融した接着剤をホットメルトアプリケー
ターに投入後、2Hr経過した時点で10cm角のポリ
プロピレンフィルム(300μm)にひも状に5g/m
の塗布量で塗布し、10秒後もう1枚のポリプロピレン
フィルム(300μm)を手圧着で接着した。これをア
ルミニウム箔同士においても同様に行なった。接着片を
25m/m幅に裁断しT型剥離強度を測定した。測定温
度は室温(23℃下)で行なった。引張速度は200m
/minで測定した。
【0083】(3)引張強度:ガラス板同士のJIS−
A−5758によるH型引張り強さを室温(23℃
下)、100℃下で測定を行なった。
【0084】マレイン化ポリブテン製造例 数平均分子量1400のポリブテンと無水マレイン酸と
を有機過酸化物と共に加熱することによりポリブテン1
モルに対し無水マレイン酸1.2モルを付加させた。反
応終了後、未反応無水マレイン酸を蒸留で除去した。
【0085】実施例1(ホットメルト型接着剤の製造
例) 200℃に加熱した10リットル溶融撹拌槽に、マイク
ロワックス(商品名:マイクロワックス#155、日本
石油社製)100重量部、上記製造例で調製したマレイ
ン化ポリブテン50重量部、酸化防止剤(商品名:イル
ガノックス−1010、高分子ヒンダード多価フェノー
ル、チバガイギー社製)1重量部を溶融撹拌し、溶融
後、粘着付与剤(商品名:エスコレッツ5380、水素
添加脂環族系炭化水素樹脂、軟化点85℃、エッソ化学
社製)100重量部を徐々に添加し、液温200℃に上
昇後、スチレン−ブタジエンブロック共重合体である水
素添加ブロック共重合体(商品名:クレイトンG−16
57、構造:直鎖、スチレン含有量13重量%、数平均
分子量155,000)100重量部を添加2時間撹拌
し、溶解確認後槽より抜き出し接着剤を得た。このよう
にして得られた接着剤の溶融粘度とT型剥離強度を表1
に示す。
【0086】比較例1〜2(ホットメルト型接着剤の製
造例) 表1に示されるように、実施例1で用いたマレイン化ポ
リブテンに代えて数平均分子量1400のポリブテンを
用いた以外は、実施例1と同様の配合および方法により
接着剤を得た(比較例1)。また、表1に示されるよう
に、、実施例1で用いたマレイン化ポリブテンを使用し
ない以外は、実施例1と同様の配合および方法により接
着剤を得た(比較例2)。
【0087】このようにして得られた接着剤の溶融粘度
とT型剥離強度を表1に示す。
【0088】
【表1】
【0089】実施例2 (ホットメルト型シーラントの
製造例) ブチルゴム(商品名:ブチルゴム065、日本ブチル社
製)100重量部と実施例1でそれぞれ用いた水素添加
ブロック共重合体100重量部、粘着付与剤50重量
部、マイクロワックス50重量部、酸化防止剤1重量部
と上記製造例で調製したマレイン化ポリブテン50重量
部をバンバリー型ブレードニーダーを用いて、120℃
に加熱溶融撹拌混合し、シーラントを得た。このように
して得られた接着剤の溶融粘度と引張強度を表2に示
す。
【0090】比較例3〜4(ホットメルト型シーラント
の製造例) 表2に示されるように、実施例2で用いたマレイン化ポ
リブテンに代えて数平均分子量1400のポリブテンを
用いた以外は、実施例2と同様の配合および方法により
接着剤を得た(比較例3)。また、表2に示されるよう
に、、実施例2で用いたマレイン化ポリブテンを使用し
ない以外は、実施例2と同様の配合および方法により接
着剤を得た(比較例4)。このようにして得られた接着
剤の溶融粘度と引張強度を表2に示す。
【0091】
【表2】
【0092】
【発明の効果】以上のように、本発明の極性基を有する
ポリブテンを含有した新規組成物を例えば接着剤に適用
した場合、従来の水素化ブロック共重合体とポリブテン
を組合せた接着剤に比べ、高温時および難接着性ポリオ
レフィン系プラスチックや極性の被着体に対する耐熱
性、密着性、接着性に優れた効果が得られる。また、本
発明の新規組成物をシーラントに適用した場合において
も接着剤として用いた場合と同様の効果が得られると共
に、充填、密封、封孔および封着性に優れた効果を与え
る。
【0093】さらに、本発明の新規組成物は、水素添加
ブロック共重合体を用いることから優れた加熱溶融安定
性を有する粘接着剤、シーラント、好ましくは、いわゆ
るホットメルト型粘接着剤またはシーラントを提供する
ことができ、包装、組立を始めとする各種産業分野で有
効に利用されるという優れた効果を有する。

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (a)少なくとも1個のビニル芳香族化
    合物を主体とする重合体ブロックSと、少なくとも1個
    の共役ジエン化合物を主体とする重合体から誘導される
    誘導体ブロックBとからなり、該誘導体ブロックが前記
    共役ジエン化合物を主体とする重合体ブロックを水素添
    加してなるものである水素添加ブロック共重合体100
    重量部、および(b)極性基を有する数平均分子量が5
    00〜100,000の範囲にあるポリブテン10〜2
    00重量部、からなることを特徴とする新規組成物。
  2. 【請求項2】 前記極性基を有するポリブテンが、不飽
    和カルボン酸を付加したポリブテン、そのエステル化物
    またはイミド化物から選ばれる請求項1に記載の新規組
    成物。
  3. 【請求項3】 前記共役ジエン化合物が、1,3−ブタ
    ジエンまたはイソプレンである請求項1に記載の新規組
    成物。
  4. 【請求項4】 請求項1に記載の組成物を含む粘接着
    剤。
  5. 【請求項5】 請求項1に記載の組成物を含むシーラン
    ト。
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