JPH11172192A - 熱融着型路面区画線標示用材料 - Google Patents

熱融着型路面区画線標示用材料

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JPH11172192A
JPH11172192A JP9354208A JP35420897A JPH11172192A JP H11172192 A JPH11172192 A JP H11172192A JP 9354208 A JP9354208 A JP 9354208A JP 35420897 A JP35420897 A JP 35420897A JP H11172192 A JPH11172192 A JP H11172192A
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JP
Japan
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monoolefin
hydrocarbon resin
acid
catalyst
metal halide
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JP9354208A
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Kenichi Miyazaki
健一 宮崎
Toshihiko Matsuzaki
敏彦 松崎
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Zeon Corp
Original Assignee
Nippon Zeon Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 石油系炭化水素樹脂粘結剤を含む熱融着型路
面区画線標示用材料であって、溶融粘度が低く、比較的
低い温度で良好な流動性を示すものを提供する。 【解決手段】 酸性ハロゲン化金属触媒を、該触媒の5
倍以上(重量比)の単環式モノオレフィンと接触させた
ものを用いてモノオレフィンと炭素数4〜5の共役ジエ
ンとをカチオン重合することにより得られた軟化点60
〜130℃の炭化水素樹脂、またはその酸変性物を粘結
付与剤として用いる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、粘結剤として特定
の炭化水素樹脂を配合してなる熱融着型路面区画線標示
用材料に関する。本発明の熱融着型路面区画線標示用材
料は溶融粘度が低く改善された流動性を有する。
【0002】
【従来の技術】従来、横断歩道、中央線、外側線などの
路面区画線標示用に使用される材料として、熱可塑性樹
脂および顔料を必須成分とし、その他必要に応じて可塑
剤、安定剤、酸化防止剤、骨材、ガラスビーズなどを含
有する熱融着型の材料が用いられている。このような熱
融着型材料の熱可塑性樹脂成分としては、石油系炭化水
素樹脂を不飽和カルボン酸もしくはその無水物で変性し
た樹脂(例えば、特公昭50−39451号公報、特公
昭57−28429号公報、特開昭62−212473
号公報など)が賞用されている。
【0003】しかしながら、路面に熱融着型区画線標示
用材料を施工するに際しては、材料の加熱溶融時間をで
きるだけ短縮し、且つ加熱溶融された材料の熱劣化を回
避するために、溶融粘度が低く、良好な流動性を示し、
比較的低い温度で施工できる材料が要望されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、溶融
粘度が低く、比較的低い温度で良好な流動性を示す熱融
着型区画線標示用材料を提供することにある。
【0005】本発明者らは石油系炭化水素樹脂、特に炭
素数4〜5の共役ジエンとモノオレフィンとを酸性ハロ
ゲン化金属触媒を用いてカチオン重合することにより製
造される炭化水素樹脂またはその酸変性物の粘結剤とし
ての特性の検討を重ねた結果、上記炭化水素樹脂の製造
に用いる酸性ハロゲン化金属触媒を、重合前に、シクロ
ペンテンのような単環式モノオレフィンと接触せしめる
ことによって、一段と優れた特性を示す粘結剤が得られ
ることを見出し、この知見に基づいて本発明を完成する
に至った。
【0006】
【課題を解決するための手段】かくして本発明によれ
ば、粘結剤として石油樹脂を配合してなる熱融着型路面
区画線標示用材料であって、該石油樹脂が、酸性ハロゲ
ン化金属触媒を、該触媒の5倍以上(重量比)の単環式
モノオレフィンと接触させたものを用いてモノオレフィ
ンと炭素数4〜5の共役ジエンとをカチオン重合するこ
とにより得られた軟化点60〜130℃の炭化水素樹脂
であることを特徴とする熱融着型路面区画線標示用材料
が提供される。
【0007】さらに本発明によれば、粘結剤として酸変
性石油樹脂を配合してなる熱融着型路面区画線標示用材
料であって、該酸変性石油樹脂が、酸性ハロゲン化金属
触媒を、該触媒の5倍以上(重量比)の単環式モノオレ
フィンと接触させたものを用いてモノオレフィンと炭素
数4〜5の共役ジエンとをカチオン重合することにより
得られた軟化点60〜130℃の炭化水素樹脂にカルボ
キシル基または酸無水物基を導入したものであることを
特徴とする熱融着型路面区画線標示用材料が提供され
る。
【0008】
【発明の実施の形態】本発明の熱融着型路面区画線標示
用材料は、酸性ハロゲン化金属触媒を、該触媒の5倍以
上(重量比)の単環式モノオレフィンと接触させたもの
を用いてモノオレフィンと炭素数4〜5の共役ジエンと
をカチオン重合することにより得られた軟化点60〜1
30℃の炭化水素樹脂、または該炭化水素樹脂の酸変性
物を粘結剤として配合したものである。
【0009】炭化水素樹脂粘結剤 本発明の熱融着型路面区画線標示用材料に配合される粘
結剤は、酸性ハロゲン化金属触媒を、該触媒の5倍以上
(重量比)の単環式モノオレフィンと接触させたものを
用いてモノオレフィンと炭素数4〜5の共役ジエンとを
カチオン重合することにより製造される炭化水素樹脂ま
たは該炭化水素樹脂にカルボキシル基または酸無水物基
を導入したものである。
【0010】酸性ハロゲン化金属触媒に接触させる単環
式モノオレフィンは炭素数5〜6の環状モノオレフィン
であって、その例としては、シクロペンテン、メチルシ
クロペンテンおよびシクロヘキセンが挙げられるが、な
かでもシクロペンテンおよびシクロヘキセンが好まし
い。
【0011】酸性ハロゲン化金属触媒はフリーデルクラ
フツ型触媒であって、常温でガス状または固体状のもの
であり、その代表例としてはアルミニウム、ホウ素、鉄
などの金属のフッ化物、塩化物、臭化物およびヨウ化物
が挙げられ、なかでも塩化アルミニウム、臭化アルミニ
ウムなどのハロゲン化アルミニウムが好ましい。ハロゲ
ン化アルミニウムは、通常、5〜200メッシュの粒子
として使用されるが、これに限定されることなく、より
大きな粒子もしくは小さな粒子として使用することがで
きる。酸性ハロゲン化金属触媒の使用量は、モノオレフ
ィンと炭素数4〜5の共役ジエンとを含む単量体混合物
および単環式モノオレフィンの全量に対して0.1〜1
0重量%である。
【0012】酸性ハロゲン化金属触媒と接触させる単環
式モノオレフィンの量は酸性ハロゲン化金属触媒量の少
なくとも5倍(重量比)必要である。単環式モノオレフ
ィンの量が過少であるとゲル生成防止、色相改良の効果
が不十分である。単環式モノオレフィンと酸性ハロゲン
化金属触媒との重量比は好ましくは5:1〜120:
1、より好ましくは10:1〜100:1、さらに好ま
しくは15:1〜80:1である。この割合より単環式
モノオレフィンを過度に多く使用すると触媒活性が低下
し、重合が十分に進行しなくなるので好ましくない。
【0013】酸性ハロゲン化金属触媒と単環式モノオレ
フィンとを接触させるには、両者を混合し攪拌する方法
が採られる。両者を混合するに際し、投入順序は特に制
限されず、単環式モノオレフィン中に酸性ハロゲン化金
属触媒を投入しても、または逆に、酸性ハロゲン化金属
触媒中に単環式モノオレフィンを投入してもかまわな
い。混合は通常、発熱をともなうので、適当な希釈剤を
用いることもできる。希釈剤としてはペンタン、ヘキサ
ン、ヘプタン、シクロペンタン、シクロヘキサン、イソ
ペンタン、メチルペンタンなどの脂肪族炭化水素;ベン
ゼン、トルエン、キシレンなどの芳香族炭化水素;が例
示されるが、本発明においてはいずれも使用することが
できる。混合は通常、−20℃〜+100℃、好ましく
は0〜+80℃の温度で行われ、混合時間は通常、3時
間以内、好ましくは1時間以内に行われる。希釈剤の使
用量は、通常、単環式モノオレフィンに対し19倍重量
以下である。
【0014】炭化水素樹脂製造原料として用いられる炭
素数4〜5の共役ジエンの好ましい例としては、1,3
−ペンタジエン、イソプレンおよび1,3−ブタジエン
が挙げられる。また、炭化水素樹脂製造原料として用い
られるモノオレフィンは、その炭素数が4〜10のモノ
オレフィン性不飽和炭化水素(環状モノオレフィンを含
む)である。モノオレフィンの好ましい例としては、ブ
テン類、ペンテン類、メチルブテン類、メチルペンテン
類、ジイソブチレンなどの鎖状モノオレフィン;シクロ
ペンテン、シクロヘキセン、メチルシクロペンテン類な
どの環状モノオレフィン;および、スチレン、メチルス
チレン類などの芳香族モノオレフィン;が挙げられる。
【0015】モノオレフィンと炭素数4〜5の共役ジエ
ンとの割合は、通常、90/10〜15/85(重量
比)の範囲である。なお、酸性ハロゲン化金属触媒との
接触に用いた単環式モノオレフィンも重合性であるの
で、この単環式モノオレフィンが重合系に共存する場合
は、上記の割合で用いられるモノオレフィンの一部を構
成する。モノオレフィンと炭素数4〜5の共役ジエンと
をこの割合で含む代表的な単量体混合物は一般に−20
〜+60℃のナフサ分解留分として得られるか、または
所望によりこの留分に各種オレフィン性不飽和炭化水素
留分を組み合わせることによって得られる。工業的に入
手されるかかる単量体混合物には、通常、相当量の飽和
炭化水素、例えばブタン類、ペンタン類、シクロペンタ
ンなどが含有されるが、これらの成分の存在は、目的と
する炭化水素樹脂の製造に妨げとなるものではない。ま
た、単量体混合物にはシクロペンタジエン、その二量
体、シクロペンタジエンと鎖状共役ジエンの共二量体な
どが含有されていてもよいが、これらは炭化水素樹脂の
色相を低下させるので、単量体混合物中に実質的に含有
されないことが好ましい。
【0016】酸性ハロゲン化金属触媒の調製は、重合反
応と同一の反応器で行ってもよいし、または別途行って
もよい。重合開始前に酸性ハロゲン化金属触媒と単環式
モノオレフィンとを予め接触させた後、その混合物に共
役ジエンとモノオレフィンとの単量体混合物を徐々に添
加することによって重合反応を実施することができる。
また、重合開始前に酸性ハロゲン化金属触媒と単環式モ
ノオレフィンとを予め接触させた後、その混合物を、共
役ジエンとモノオレフィンとの単量体混合物中に添加し
てもよく、または、両者を同時に反応器に導入すること
もできる。反応はバッチ式、連続式にかかわらず公知の
方法に従って実施される。
【0017】重合反応は、所望ならば適当な溶媒を用い
て行われる。重合時の反応熱を抑制する目的で溶媒を用
いることが好ましい。溶媒としてはペンタン、ヘキサ
ン、ヘプタン、シクロペンタン、シクロヘキサン、イソ
ペンタン、メチルペンタンなどの脂肪族炭化水素;ベン
ゼン、トルエン、キシレンなどの芳香族炭化水素;が例
示される。ただし、環境汚染問題を考慮すれば、芳香族
炭化水素を避け、脂肪族炭化水素を用いるほうが好まし
い。芳香族炭化水素を溶媒として使用しない場合でも、
多量のゲルの生成を回避して、色相の優れた炭化水素樹
脂を得ることができる。溶媒の使用量は、通常、単量体
100重量部あたり1,000重量部以下、好ましくは
50〜500重量部である。
【0018】重合は通常−20℃〜+100℃、好まし
くは0〜+80℃の温度で行われ、反応系の圧力は大気
圧以上または未満のいずれであってもよい。反応時間も
重要ではなく、一般に数秒ないし12時間もしくはそれ
以上にわたって変化することができる。このようにして
得られた重合体は常法に従って処理し、乾燥する。
【0019】かくして得られる炭化水素樹脂はASTM
D−1544−63Tによって測定した6以下のガー
ドナー色度を有し、500〜3,000の数平均分子
量、60〜130℃、好ましくは70〜120℃のJI
S K−2531に規定された軟化点を有するものであ
って、ペンタン、ヘキサン、ベンゼン、トルエン、キシ
レン、クロロホルム、四塩化炭素などの脂肪族および芳
香族炭化水素またはハロゲン化炭化水素溶媒に可溶であ
り、かつ低溶融粘度を示す樹脂状重合体である。
【0020】上記のように製造された石油系炭化水素樹
脂はそのまま熱融着型路面区画線標示用材料の調製に用
いることができるが、さらに流動性を向上させるため
に、不飽和カルボン酸または不飽和ジカルボン酸無水物
で処理することによってカルボキシル基または酸無水物
基を導入することが好ましい。カルボキシル基の導入に
用いられる不飽和カルボン酸の具体例としては、アクリ
ル酸、メタクリル酸、クロトン酸、マレイン酸、フマル
酸、イタコン酸、シトラコン酸などの炭素数8以下のエ
チレン性不飽和カルボン酸、および3,6−エンドメチ
レン−1,2,3,6−テトラヒドロフタル酸のような
共役ジエンと炭素数8以下のα,β−不飽和ジカルボン
酸とのディールス・アルダー付加物が挙げられる。酸無
水物基の導入に用いられる不飽和ジカルボン酸無水物の
具体例としては無水マレイン酸、無水イタコン酸、無水
シトラコン酸、無水イタコン酸などの炭素数8以下の
α,β−不飽和ジカルボン酸無水物、および3,6−エ
ンドメチレン−1,2,3,6−テトラヒドロ無水フタ
ル酸のような共役ジエンと炭素数8以下のα,β−不飽
和ジカルボン酸無水物とのディールス・アルダー付加物
などが挙げられる。反応の容易さ、経済性などの面では
炭素数8以下のα,β−不飽和脂肪族ジカルボン酸無水
物が好ましく、無水マレイン酸が最も好ましい。これら
の酸変性剤は単独でまたは二種以上を組合せて用いるこ
とができる。
【0021】石油樹脂と不飽和カルボン酸または酸無水
物との反応は、通常50〜300℃の温度で5分〜20
時間行われる。必要に応じて希釈剤、ゲル化防止剤およ
び反応促進剤などを存在せしめてもよい。この反応に酸
変性剤として用いられる不飽和カルボン酸または酸無水
物の量は得られる樹脂の色相を考慮して、一般に、炭化
水素樹脂100重量部に対して0.01〜50重量部で
ある。
【0022】不飽和カルボン酸またはその無水物を付加
して得られる酸変性石油系炭化水素樹脂は、所望によ
り、さらに変性して用いることができる。そのような変
性に用いる変性剤および変性反応形式の具体例として
は、メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノー
ル、アリルアルコールなどの一価アルコールおよびエチ
レングリコール、プロピレングリコール、ブタンジオー
ル、グリセリンなどの多価アルコールによるエステル
化;メチルアミン、エチルアミン、ジエチルアミン、ト
リエチルアミン、エタノールアミン、エチレンジアミ
ン、プロピレンジアミン、ジエチレントリアミン、テト
ラエチレンペンタミンなどのアミンやアンモニアによる
アミド化;ナトリウム、カリウム、カルシウム、マグネ
シウムのようなアルカリ金属またはアルカリ土類金属に
よる塩形成;などが挙げられる。
【0023】熱融着型路面区画線標示材料 熱融着型路面区画線標示材料は、上記の未変性または酸
変性炭化水素樹脂に、必須成分である顔料および任意成
分として可塑材、ガラスビーズなどを配合することによ
り調製される。
【0024】顔料としては、炭酸カルシウム、酸化亜
鉛、酸化チタン、ケイ砂など、通常の路面区画線標示材
料に用いられる白色顔料、着色顔料および体質顔料の中
から適宜選ばれる。顔料の量は、通常、石油系炭化水素
樹脂100重量部あたり50〜800重量部である。さ
らに、路面区画線の反射性を改善するためにガラスビー
ズを適当量配合することができる。
【0025】さらに、本発明の熱融着型路面区画線標示
材料には可塑剤を配合することができる。可塑剤の具体
例としては、アマニ油、綿実油、大豆油、ヒマシ油など
の天然油;フタル酸エステル、アジピン酸エステルなど
のエステル系合成油;ポリブテン油、ポリブタジエン
油、ポリペンタジエン油などのポリマー油;液状炭化水
素樹脂、液状テルペン樹脂、液状ロジンなどの液状樹
脂;ナフテン系プロセス油、芳香族系プロセス油、パラ
フィン系プロセス油などの鉱油;アルキッド樹脂、キシ
レン樹脂などが挙げられる。可塑剤の配合量は、路面区
画線標示材料の粘度、流動性を考慮して、通常、樹脂1
00重量部あたり3〜30重量部の範囲から選ばれる。
【0026】路面区画線標示材料の調製、および路面へ
の施工は従来の石油樹脂粘結剤を含む路面区画線標示材
料と同様に行うことができる。
【0027】
【実施例】以下、実施例について、本発明のトラフィッ
クペイント組成物を具体的に説明する。なお、実施例お
よび比較例において部および%は全て重量基準である。
実施例および比較例においてトラフィックペイント組成
物の特性の評価は下記の方法によった。
【0028】(1)流動性 底部に直径8mmの穴を有する内径30mm、深さ50
mmのステンレス製容器に手で保持するための柄を取り
付けた、フォードカップと称する治具を用いて、150
℃に調節された配合物をフォードカップにいっぱいにな
るまで入れる。フォードカップを持ち上げたときから、
フォードカップを上から覗いてカップ底部の穴がみえる
迄に要する時間(単位:秒)を測定して流動性を評価し
た。
【0029】(2)溶融粘度 配合物を約200℃で30分間加熱溶融して均一な混合
物とし、BM型粘度計(ブルックワールド社製)により
4番ローターを使用し、回転数6rpmと60rpmの
2点について溶融粘度(単位:cps)を測定した。
【0030】(3)骨材沈降性 100ccのガラスビーカーに200℃で加熱混合され
た配合物を入れ、150℃に調節されたオーブン中に3
時間静置したのち冷却し、固化した配合物を上下方向に
切断して、ガラスビーズ、粗粒炭酸カルシウムなどの骨
材が含まれていない上層部の厚みを測定し、配合物全体
の厚みに対する百分率で標示することにより、骨材の沈
降性を評価した。
【0031】(4)圧縮強度 テンシロン圧縮強度計(インストロン型)を用いて、圧
縮速度30mm/分、温度20℃の条件下で圧縮試験を
行い圧縮強度単位(単位:kgf/cm2 )を評価し
た。
【0032】(5)黄色度 JIS K−5665に定められた方法に従って、黄色
度を測定した。
【0033】重合例1 SUS製オートクレーブに塩化アルミニウム1.0部、
シクロペンテン30.5部、シクロペンタン56.7部
(希釈剤)を加え、撹拌して系の温度を60℃で10分
間維持した。
【0034】次に上記液中に、次の組成を有する単量体
混合物112.8部(1,3−ペンタジエン、シクロペ
ンテン、ジイソブチレン合計量は100部)を連続的に
60分にわたり徐々に添加した。
【0035】 単量体混合物 1,3−ペンタジエン 49.7重量部 44.1% シクロペンテン 15.3重量部 13.6% ジイソブチレン 35.0重量部 31.0% C4-6 不飽和炭化水素 3.9重量部 3.5% C4-6 飽和炭化水素 8.9重量部 7.9%
【0036】系は反応による発熱のため温度上昇するの
で加熱温度を調整して内温を70℃に保った。添加終了
後、重合系を70℃に維持してさらに10分間撹拌した
のち、メタノールと28%アンモニア水の等容量混合物
を添加して塩化アルミニウムを分解した。分解によって
不活性化された触媒粒子はロ過して除去し、ロ液をガラ
ス製フラスコに移し、窒素を吹き込みつつ加熱して未反
応炭化水素を留去した後、240℃まで温度上昇させ
た。次に重合反応によって生じた液状重合体を除去すべ
く系内に飽和水蒸気を吹き込み、留出液中にほとんど油
層が存在しなくなったことを確認した後、水蒸気の吹き
込みを停止して溶融した残さを取り出し、室温に放冷す
ると黄色樹脂状物質(炭化水素樹脂A)が得られた。
【0037】得られた炭化水素樹脂Aについて、樹脂収
率(単環式モノオレフィンおよび単量体混合物中の1,
3−ペンタジエン、シクロペンテン、スチレン、ジイソ
ブチレンの合計重量に対する収率)、軟化点(JIS
K−2531によって規定された環球法により測定)、
重量平均分子量および数平均分子量、ガードナー色度を
求めた。重量平均分子量および数平均分子量はゲルパー
ミエーションクロマトグラフィーにより測定し、標準ポ
リスチレンに換算したものである。ガードナー色度はA
STM D−1544−63Tにより測定し、樹脂を等
量のトルエンに溶解して得た溶液についての測定値とし
て表わした。結果を表1に示す。
【0038】重合例2、3(炭化水素樹脂B,Cの調
製) 表1に示した環状モノオレフィン、希釈剤、単量体混合
物を用い、その他は重合例1と同様な操作を行い、炭化
水素樹脂B,Cを得た。
【0039】比較重合例1−3(炭化水素樹脂D,E,
Fの調製) 触媒を予め単環式モノオレフィンと接触させることなく
希釈剤としてベンゼンを用い、表1に示す単量体混合物
を用いて重合例1と同様の操作を行い炭化水素樹脂D,
E,Fを得た。
【0040】
【表1】
【0041】表1における重合例1,2で得られた樹脂
と比較重合例1,2で得られた樹脂はそれぞれ軟化点が
ほぼ同様の樹脂となっている。しかしながら、予め触媒
と単環式モノオレフィンであるシクロペンテンを接触さ
せた重合例1,2で得られた樹脂はこの操作を行わなか
った比較重合例1,2の樹脂に比べ、重量平均分子量が
小さくなっていることが明らかである。スチレンを共重
合させた場合も同様の結果が得られた(表1中、重合例
3と比較重合例3との比較)。
【0042】変性例1−3、比較変性例1−3(炭化水
素樹脂の酸変性) 前記重合例1−3で得られた炭化水素樹脂100部に無
水マレイン酸0.4部を加え、230℃で1時間反応さ
せマレイン化炭化水素樹脂G,H,Iを得た。また、比
較のために比較重合例1−3で得られた炭化水素樹脂も
同様にして無水マレイン酸を反応させてマレイン化炭化
水素樹脂J,K,Lを調製し、これを比較変性例1−3
とした。各樹脂の性状を表2に示す。
【0043】
【表2】
【0044】実施例1−3、比較例1−3(熱融着型区
画線標示用材料の調製、評価) 変性例1−3および、比較のために比較変性例1−3で
得られたマレイン化炭化水素樹脂を用いて下記に示す配
合処方に従って可塑剤、顔料と配合し、約200℃で3
0分間加熱溶融して均一な熱融着型区画線標示用配合物
とした。このようにして調製した配合物をJIS K−
5665に規定された方法など種々の物性試験法で試験
し、その性能を評価した。結果を表3に示す。
【0045】 配合組成 変性炭化水素樹脂 12部 重質炭酸カルシウム 26部 租粒炭酸カルシウム 40部 二酸化チタン 5部 ガラスビーズ 15部 可塑剤(大豆油と大豆油変性アルキッドの等量混合物) 2部
【0046】
【表3】
【0047】実施例4、比較例4(熱融着型区画線標示
用材料の調製、評価) 重合例1および、比較のために比較重合例1で得られた
未変性炭化水素樹脂を用いて下記に示す配合処方に従っ
て可塑剤、顔料などと配合し、約200℃で30分間加
熱溶融して均一な配合物とした。このようにして調製し
た配合物を前述した物性試験法で試験し、その性能を評
価した。結果を表4に示す。
【0048】 配合組成 変性炭化水素樹脂 16部 重質炭酸カルシウム 24部 租粒炭酸カルシウム 38部 二酸化チタン 5部 ガラスビーズ 15部 可塑剤(大豆油と大豆油変性アルキッドの等量混合物) 2部
【0049】
【表4】
【0050】
【発明の効果】従来の石油系炭化水素樹脂粘結剤を含む
熱融着型路面区画線標示用材料と比較して、本発明の熱
融着型路面区画線標示用材料は、溶融粘度が低く、比較
的低い温度で良好な流動性を示す。従って、本発明の熱
融着型路面区画線標示用材料は、施工性がよく、樹脂材
料の熱劣化が小さい。
【0051】(発明の好ましい実施態様)本発明の熱融
着型路面区画線標示用材料、すなわち、粘結剤として未
変性または酸変性石油樹脂を配合してなる熱融着型路面
区画線標示用材料であって、該未変性または酸変性石油
樹脂が、酸性ハロゲン化金属触媒を、該触媒の5倍以上
(重量比)の単環式モノオレフィンと接触させたものを
用いてモノレフィンと炭素数4〜5の共役ジエンとをカ
チオン重合することにより得られた軟化点60〜130
℃の炭化水素樹脂、または該炭化水素樹脂にカルボキシ
ル基または酸無水物基を導入したものであることを特徴
とする熱融着型路面区画線標示用材料の好ましい実施態
様をまとめると以下のとおりである。
【0052】1.酸性ハロゲン化金属触媒と接触せしめ
る単環式モノオレフィンと該触媒との重量比が5:1〜
120:1、より好ましくは10:1〜100:1であ
る。 2.酸性ハロゲン化金属触媒と接触せしめる単環式モノ
オレフィンが炭素数5〜6の環状モノオレフィン、より
好ましくはシクロペンテンまたはシクロヘキセンであ
る。
【0053】3.酸性ハロゲン化金属触媒がアルミニウ
ム、ホウ素または鉄のフッ化物、塩化物、臭化物または
ヨウ化物、より好ましくはハロゲン化アルミニウムであ
る。 4.酸性ハロゲン化金属触媒と単環式モノオレフィンと
の接触は、脂肪族炭化水素および芳香族炭化水素の中か
ら選ばれた希釈剤の存在下に行われる。 5.炭素数4〜5の共役ジエンが1,3−ペンタジエ
ン、イソプレンおよびブタジエンの中から選ばれた少な
くとも一種である。
【0054】6.炭素数4〜5の共役ジエンと重合せし
めるモノオレフィンが炭素数4〜10のモノオレフィン
性不飽和炭化水素の中から選ばれた少なくとも一種であ
る。 7.炭単素数4〜5の共役ジエンと重合せしめるモノオ
レフィンがブテン類、ペンテン類、メチルブテン類、メ
チルペンテン類、ジイソブチレン、シクロペンテン、シ
クロヘキセン、メチルシクロペンテン類、スチレンおよ
びメチルスチレン類の中から選ばれた少なくとも一種で
ある。
【0055】8.モノオレフィンと炭素数4〜5の共役
ジエンとの比が90/10〜15/85(重量比)であ
る。 9.モノオレフィンと炭素数4〜5の共役ジエンとの重
合を脂肪族炭化水素溶媒中で行う。 10.重合により生成した炭化水素樹脂の軟化点が70
〜120℃である。
【0056】11.粘結剤が、重合により生成した炭化
水素樹脂を、炭素数8以下のエチレン性不飽和カルボン
酸、共役ジエンと炭素数8以下のα,β−不飽和ジカル
ボン酸とのディールス・アルダー付加物、炭素数8以下
のα,β−不飽和ジカルボン酸無水物、および共役ジエ
ンと炭素数8以下のα,β−不飽和ジカルボン酸無水物
とのディールス・アルダー付加物の中から選ばれた酸変
性剤の少なくとも一種で処理して、カルボキシル基また
は酸無水物基を導入したものである。
【0057】12.熱融着型路面区画線標示用材料は、
白色顔料、着色顔料および体質顔料の中から選ばれた顔
料を、石油系炭化水素樹脂100重量部あたり50〜8
00重量部含む。 13.熱融着型路面区画線標示用材料は、石油系炭化水
素樹脂100重量部あたり3〜30重量部の可塑剤を含
む。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 粘結剤として石油樹脂を配合してなる熱
    融着型路面区画線標示用材料であって、該石油樹脂が、
    酸性ハロゲン化金属触媒を、該触媒の5倍以上(重量
    比)の単環式モノオレフィンと接触させたものを用いて
    モノオレフィンと炭素数4〜5の共役ジエンとをカチオ
    ン重合することにより得られた軟化点60〜130℃の
    炭化水素樹脂であることを特徴とする熱融着型路面区画
    線標示用材料。
  2. 【請求項2】 粘結剤として酸変性石油樹脂を配合して
    なる熱融着型路面区画線標示用材料であって、該酸変性
    石油樹脂が、酸性ハロゲン化金属触媒を、該触媒の5倍
    以上(重量比)の単環式モノオレフィンと接触させたも
    のを用いてモノオレフィンと炭素数4〜5の共役ジエン
    とをカチオン重合することにより得られた軟化点60〜
    130℃の炭化水素樹脂にカルボキシル基または酸無水
    物基を導入したものであることを特徴とする熱融着型路
    面区画線標示用材料。
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WO2005000918A1 (ja) * 2003-06-30 2005-01-06 Zeon Corporation 酸変性石油樹脂及び熱融着型路面区画線表示用材料

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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WO2005000918A1 (ja) * 2003-06-30 2005-01-06 Zeon Corporation 酸変性石油樹脂及び熱融着型路面区画線表示用材料
JPWO2005000918A1 (ja) * 2003-06-30 2006-08-03 日本ゼオン株式会社 酸変性石油樹脂及び熱融着型路面区画線表示用材料

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