JP2002348427A - 樹脂組成物およびトラフィックペイント - Google Patents

樹脂組成物およびトラフィックペイント

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JP2002348427A
JP2002348427A JP2001157100A JP2001157100A JP2002348427A JP 2002348427 A JP2002348427 A JP 2002348427A JP 2001157100 A JP2001157100 A JP 2001157100A JP 2001157100 A JP2001157100 A JP 2001157100A JP 2002348427 A JP2002348427 A JP 2002348427A
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Japan
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resin
weight
polymerization
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monoolefin
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JP2001157100A
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Kenichi Miyazaki
健一 宮崎
Susumu Shimada
進 島田
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Zeon Corp
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Nippon Zeon Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 トラフィックペイントに好適な、無機骨材の
沈降防止効果と流動性とを併せ持つた樹脂組成物を提供
する。 【解決手段】 変性炭化水素樹脂とポリオレフィンとを
含有する樹脂組成物であって、前記変性炭化水素樹脂
が、シクロオレフィン含有量が5重量%以上である、シ
クロオレフィン、飽和脂肪族炭化水素混合重合溶媒中で
のカチオン重合により得られるモノオレフィン−共役ジ
エン共重合体樹脂に、不飽和カルボン酸または不飽和ジ
カルボン酸無水物を付加して得られる軟化点60〜13
0℃の樹脂であり、前記ポリオレフィンの重量平均分子
量が1,000〜5,000であり、前記変性炭化水素
樹脂100重量部に対する前記ポリオレフィンの配合量
が0.03〜2重量部であることを特徴とする樹脂組成
物。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、トラフィックペイ
ント(路面区画線標示材料)として有用な、変性炭化水
素樹脂を配合した樹脂組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、横断歩道、中央線、外側線などの
路面区画線標示用に使用されるトラフィックペイントと
して、熱可塑性樹脂および顔料を必須成分とし、その他
必要に応じて可塑剤、安定剤、酸化防止剤、骨材、ガラ
スビーズなどを含有する熱融着型の材料が用いられてい
る。このような熱融着型材料の熱可塑性樹脂成分として
は、石油系炭化水素樹脂を不飽和カルボン酸もしくはそ
の無水物で変性した樹脂(例えば、特公昭50−394
51号公報、特公昭57−28429号公報、特開昭6
2−212473号公報など)が使用されている。しか
しながら、路面に熱融着型トラフィックペイントを施工
するに際しては、トラフィックペイントの加熱溶融時間
をできるだけ短縮し、且つ加熱溶融されたトラフィック
ペイントの熱劣化を回避するために、溶融粘度が低く、
良好な流動性を示し、より低い温度で施工できる材料が
要望されている。
【0003】これに対して本発明者らは、先に、モノオ
レフィンと炭素数4〜5の鎖状共役ジエンとを酸性ハロ
ゲン化金属触媒の存在下に、重合溶媒としてシクロオレ
フィン、またはシクロオレフィンを5重量%以上含む炭
化水素を用いてカチオン重合して得られる軟化点60〜
130℃の炭化水素樹脂を配合した熱融着型材料が低溶
融粘度で、流動性が良く、比較的低い温度で施工できる
ことを開示した(特開平11−172193号公報)。
【0004】このように、従来は、炭化水素樹脂の改良
は、主として溶融粘度の低い樹脂を得ることに主眼が置
かれてきた。しかし、溶融粘度の低い炭化水素樹脂を用
いたトラフィックペイントには、顔料や充填剤などの無
機骨材が沈降しやすいという欠点がある。このため、分
子量が大きく、溶融粘度の高い炭化水素樹脂の開発も試
みられている。例えば、特開昭56−43308号公報
には、高分子量の重合体を含有し、分子量分布の広い炭
化水素樹脂の製造方法として、鎖状共役ジオレフィンと
モノオレフィン性不飽和炭化水素をカチオン共重合する
に際して、あらかじめ単量体混合物の一部を重合したの
ち、鎖状共役ジオレフィンを添加して重合を行い、さら
に単量体混合物の残部を添加して重合を継続する方法が
提案されている。この方法によれば比較的分子量分布の
広い樹脂が得られるが、操作が込み入っているので工業
的製造には難点があった。
【0005】一方、熱融着型トラフィックペイントにお
いては、無機骨材の沈降による施工の困難性、塗膜の汚
染、ヘアークラックなどの問題を解消するため、沈降防
止剤を配合して粘度を上げる手法も行われている。この
方法によると高粘度のペイントを扱うので作業性が劣る
ことが問題となる。ポリオレフィンなどの合成ワックス
系沈降防止剤を配合する提案(特公平2−37369
号)により、一定の効果がもたらされているが、粘度を
上げて十分な沈降防止効果を得ようとすると流動性が不
足した。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、無機
骨材の沈降防止効果と流動性とを併せ持つ工業的製造に
適した樹脂組成物およびトラフィックペイントを提供す
ることにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記課題
を達成すべく鋭意検討した結果、特定の溶媒を用いてカ
チオン重合して得られるモノオレフィン−共役ジエン共
重合体を酸変性した樹脂とポリオレフィン沈降防止剤と
を配合した組成物が上記目的を達成することを見出し、
この知見に基づいて、本発明を完成させるに至った。か
くして本発明によれば、(1)変性炭化水素樹脂とポリ
オレフィンとを含有する樹脂組成物であって、前記変性
炭化水素樹脂が、シクロオレフィン含有量が5重量%以
上である、シクロオレフィン、飽和脂肪族炭化水素混合
重合溶媒中でのカチオン重合により得られるモノオレフ
ィン−共役ジエン共重合体樹脂に、不飽和カルボン酸ま
たは不飽和ジカルボン酸無水物を付加して得られる軟化
点60〜130℃の樹脂であり、前記ポリオレフィンの
重量平均分子量が1,000〜5,000であり、前記
変性炭化水素樹脂100重量部に対する前記ポリオレフ
ィンの配合量が0.03〜2重量部であることを特徴と
する樹脂組成物、(2)前記モノオレフィン−共役ジエ
ン共重合体樹脂が、重合溶媒に供給される単量体中、炭
素数4〜10のモノオレフィン含有量が15〜80重量
%、炭素数4〜6の共役ジエン含有量85〜20重量%
であり、供給される単量体中のモノオレフィンの55重
量%以上および共役ジエンの45重量%以下を第1段階
として重合反応に供した後に、後続段階として残りのモ
ノオレフィンおよび共役ジエンを添加して重合して得ら
れるものである上記(1)記載の樹脂組成物、および、
(3)上記(1)または(2)記載の樹脂組成物を含有
するトラフィックペイント、が提供される。また、好ま
しい態様として、(4)前記変性炭化水素樹脂と前記ポ
リオレフィンとを溶融混合することを特徴とする上記
(1)または(2)記載の樹脂組成物、が提供される。
【0008】
【発明の実施の形態】本発明では、モノオレフィン−共
役ジエン共重合体樹脂に不飽和カルボン酸またはその無
水物を付加して得られる軟化点60〜130℃の変性炭
化水素を使用する。変性前のモノオレフィン−共役ジエ
ン共重合体樹脂(以下、「未変性共重合体樹脂」と記す
ことがある。)は、特定の重合溶媒中で、モノオレフィ
ンと共役ジエンとをカチオン重合させて製造される。本
発明において、モノオレフィンと共役ジエンとをカチオ
ン重合させるのに用いられる重合溶媒は、シクロオレフ
ィンと飽和脂肪族炭化水素とからなる混合溶媒であり、
シクロオレフィン含有量が5重量%以上のものである。
本発明の効果を実質的に阻害しない範囲で、これら以外
の成分を含有していてもよい。例えば、重合後の重合溶
媒の再利用を繰り返すと、モノオレフィン、共役ジエン
などの単量体が混入する場合があるが、合計で2重量%
程度までの混入であれば、実質的に影響なく、未変性共
重合体樹脂の重合が可能である。前記シクロオレフィン
は、炭素数が、通常、4〜10、好ましくは5〜8のも
のが使用される。シクロオレフィンの具体例としては、
シクロヘキセン、メチルシクロヘキセン、シクロペンテ
ン、メチルシクロペンテンなどが挙げられ、なかでもシ
クロヘキセン、シクロペンテンが好ましい。また、シク
ロオレフィンと混合される前記飽和脂肪族炭化水素は、
炭素数5〜8のものが好ましく、n−ペンタン、n−ヘ
キサン、n−ヘプタン、シクロペンタン、シクロヘキサ
ン、イソペンタン、2−メチルペンタン、3−メチルペ
ンタン、2,2−ジメチルペンタン、2,2,3−トリ
メチルブタンなどが例示される。
【0009】重合溶媒におけるシクロオレフィンの含有
率は、5重量%以上、好ましくは7重量%以上、より好
ましくは10重量%以上である。シクロオレフィンの含
有率が小さすぎると、ゲル生成抑制効果および色相改善
効果が不十分となる。また、シクロオレフィンのみを重
合溶媒としても良いが、重合系の粘度が高くなる場合
は、上記の炭化水素を併存させることが好ましい。重合
溶媒の使用量は、通常、単量体の中のシクロオレフィン
を除くモノオレフィンと鎖状共役ジエンを含む単量体1
00重量部に対して、好ましくは20〜1,000重量
部、より好ましくは、50〜500重量部である。
【0010】未変性共重合体樹脂重合用材料の中のモノ
オレフィンは、炭素数が、通常、4〜10、好ましくは
4〜8の鎖状、芳香族または環状モノオレフィンであ
る。上記モノオレフィンの具体例としては、イソブテ
ン、1−ブテン、2−ブテン、2−メチル−1−ブテ
ン、2−メチル−2−ブテン、1−ペンテン、2−ペン
テン、2−メチル−1−ペンテン、2−メチル−2−ペ
ンテン、2,4,4−トリメチル−1−ペンテン、ジイ
ソブチレン(2,4,4−トリメチル−1−ペンテンと
2,4,4−トリメチル−2−ペンテンの混合物)など
の鎖状モノオレフィン;シクロペンテン、メチルシクロ
ペンテン、シクロヘキセン、メチルシクロヘキセンなど
の環状モノオレフィン;および、スチレン、α−メチル
スチレン、ビニルトルエン、クロロスチレン、ヒドロキ
シメチルスチレンなどの芳香族モノオレフィンが挙げら
れる。これらのモノオレフィンの中でも、炭素数4の鎖
状モノオレフィン、シクロペンテン、ジイソブチレンお
よびスチレンが好ましい。
【0011】未変性共重合体樹脂の重合用材料中の共役
ジエンは、炭素数が、通常、4〜5の鎖状共役ジエンで
ある。このような共役ジエンの具体例としては、1,3
−ブタジエン、イソプレン、1,3−ペンタジエンなど
が挙げられる。未変性共重合体樹脂の重合用材料は、上
記のモノオレフィンおよび共役ジエンの他に、本発明の
目的を実質的に阻害しない範囲で他の単量体を含有して
いてもよい。重合用材料は、精製された単量体を混合し
て調製してもよいが、一般的には、原油から様々な化合
物を精製する際に生じる各種留分を混合して調製する。
各種留分を混合して重合用材料を調製する場合は、しば
しば、その他の単量体を含有する。そのようなその他の
単量体としては、例えば、シクロペンタジエン、ジシク
ロペンタジエン、インデン、クマロン、テルペンなどが
挙げられる。また、飽和炭化水素が含有されている場合
もある。
【0012】未変性共重合体樹脂の重合用材料に含有さ
れる単量体成分は、上記重合用材料の中から飽和炭化水
素を除いたものであり、上記モノオレフィンを、通常、
15〜80重量%、好ましくは30〜70重量%と、共
役ジエンを、通常、85〜20重量%、好ましくは70
〜30重量%とを含む。
【0013】重合反応は、重合溶媒中の重合触媒に、単
量体を供給して所定反応温度で反応させるカチオン重合
である。未変性共重合体樹脂を製造するための重合触媒
には、フリーデル・クラフツ型のカチオン重合触媒を用
いることが好ましい。フリーデル・クラフツ型触媒とし
ては、例えば、アルミニウム、鉄、タンタル、ジルコニ
ウム、スズ、ベリリウム、ホウ素、アンチモン、ガリウ
ム、ビスマス、モリブデンなどのハロゲン化物を挙げる
ことができる。これらの中で、ハロゲン化アルミニウム
を好適に用いることができ、塩化アルミニウムを特に好
適に用いることができる。触媒の使用量は、単量体重量
に対し、通常、0.1〜10重量%である。反応温度を
一定に保ち、品質を安定させるため、単量体を連続的に
供給する重合方法が好ましい。単量体の供給時間は、通
常、10分〜4時間、好ましくは0.5〜2時間であ
る。
【0014】未変性共重合体樹脂の重合反応の好ましい
単量体供給方式は、第一段階として、重合溶媒中に供給
単量体中の全モノオレフィンの55重量%以上、およ
び、供給単量体中の全共役ジエンの45重量%以下を添
加し、その後、後続段階として残りの単量体を添加する
多段階供給方式である。第一段階として、重合溶媒中に
供給単量体中の全モノオレフィンの60重量%以上を添
加することがより好ましい。また、第一段階として、重
合溶媒中に供給単量体中の全共役ジエンの40重量%以
下を添加することがより好ましい。後続段階は、第2段
階として1回ですませても、さらに2回以上の段階を設
けてもよい。各段階での単量体の供給は、一定速度で連
続供給することが好ましく、各段階の供給時間は、特に
制限されないが、生産性の面から、好ましくは0.5〜
2時間である。
【0015】第1段階と後続段階との仕込み単量体の重
量比は70/30〜30/70、好ましくは60/40
〜40/60である。第1段階と後続段階との間隔に特
に制限はないが、20分以内であることが好ましく、第
1段階と後続段階を連続して行うことがより好ましい。
【0016】重合反応の反応温度に特に制限はないが、
通常は−20〜100℃で、好ましくは0〜80℃であ
る。重合反応系の圧力は、使用する単量体と溶媒の種
類、重合温度などに応じて適宜選択することができ、大
気圧においても、加圧下においても重合することができ
る。重合時間にも特に制限はなく、10分ないし12時
間またはそれ以上にわたって変化させることができる。
重合反応終了後、未反応の単量体と溶媒を留去し、さら
に水蒸気蒸留などにより低分子量物質を除去したのち、
乾燥することにより、未変性共重合体樹脂を得ることが
できる。
【0017】カチオン重合により製造された未変性共重
合体樹脂を、不飽和カルボン酸または不飽和ジカルボン
酸無水物で処理して、カルボキシル基または酸無水物基
を導入して変性炭化水素樹脂を製造する。カルボキシル
基導入に用いられる不飽和カルボン酸の例としては、ア
クリル酸、メタクリル酸、クロトン酸、マレイン酸、フ
マル酸、イタコン酸、シトラコン酸などの炭素数8以下
のエチレン性不飽和カルボン酸、および3,6−エンド
メチレン−1,2,3,6−テトラヒドロフタル酸のよ
うな共役ジエンと炭素数8以下のα,β−不飽和ジカル
ボン酸とのディールス・アルダー付加物が挙げられる。
酸無水物基の導入に用いられる不飽和ジカルボン酸無水
物の例としては無水マレイン酸、無水イタコン酸、無水
シトラコン酸などの炭素数8以下のα、β−不飽和ジカ
ルボン酸無水物、および3,6−エンドメチレン−1,
2,3,6−テトラヒドロ無水フタル酸のような共役ジ
エンと炭素数8以下のα、β−不飽和ジカルボン酸無水
物とのディールス・アルダー付加物などが挙げられる。
反応の容易さ、経済性などの面では炭素数8以下のα、
β−不飽和脂肪族ジカルボン酸無水物が好ましく、無水
マレイン酸が特に好ましい。これらの酸変性剤は単独で
または二種以上を組合せて用いることができる。
【0018】上記の酸変性反応は、通常、温度50〜3
00℃で5分〜20時間行われる。必要に応じて希釈
剤、ゲル化防止剤および反応促進剤などを存在せしめて
もよい。この反応に酸変性剤として用いられる不飽和カ
ルボン酸または不飽和ジカルボン酸無水物の量は、得ら
れる樹脂の色相を考慮して、未変性共重合体樹脂100
重量部に対して、通常、0.01〜50重量部、好まし
くは0.05〜20重量部である。
【0019】かくして得られる変性炭化水素樹脂は、J
IS K 2531に規定された測定法による軟化点が
60〜130℃、好ましくは70〜120℃であり、A
STM D 1544−63Tによって測定したガー
ドナー色度は、通常、6以下、好ましくは5以下であ
る。また、変性炭化水素樹脂は、テトラヒドロフランを
溶剤とするゲルパーミエーションによる標準ポリスチレ
ン換算の値で、通常、400〜3,000、好ましくは
600〜2000の数平均分子量を有し、ペンタン、ヘ
キサン、ベンゼン、トルエン、キシレン、クロロホル
ム、四塩化炭素などの脂肪族および芳香族炭化水素また
はハロゲン化炭化水素溶媒に可溶である。
【0020】変性炭化水素樹脂は、所望により、さらに
変性して用いることができる。そのような変性に用いる
変性剤および変性反応形式の具体例としては、メタノー
ル、エタノール、プロパノール、ブタノール、アリルア
ルコールなどの一価アルコールおよびエチレングリコー
ル、プロピレングリコール、ブタンジオール、グリセリ
ンなどの多価アルコールによるエステル化;メチルアミ
ン、エチルアミン、ジエチルアミン、トリエチルアミ
ン、エタノールアミン、エチレンジアミン、プロピレン
ジアミン、ジエチレントリアミン、テトラエチレンペン
タミンなどのアミンやアンモニアによるアミド化;ナト
リウム、カリウム、カルシウム、マグネシウムのような
アルカリ金属またはアルカリ土類金属による塩形成など
が挙げられる。
【0021】本発明の樹脂組成物は、上記の変性炭化水
素樹脂にポリオレフィンを配合してなるものである。か
かるポリオレフィンは、粘度法により測定する重量平均
分子量が1,000〜5,000、好ましくは1,50
0〜4,000のものである。このようなポリオレフィ
ンの例としては、ポリエチレンワックス、ポリプロピレ
ンワックスなどが挙げられ、また、これらのポリオレフ
ィンを塩素化、またはスルホン化したものや、ポリオレ
フィンにカルボキシル基、水酸基またはエステル基を導
入したものでも良く、これらの2種以上を混合して用い
ることもできる。
【0022】上記ポリオレフィンは、本発明において上
記の変性炭化水素樹脂に顔料や充填剤などの無機骨材を
配合した樹脂組成物が加熱溶融されて低粘度になった場
合などに、系の粘度を上昇させて無機骨材が沈降するの
を防ぐ作用を有する。本発明の樹脂組成物におけるポリ
オレフィンの配合量は、変性炭化水素樹脂100重量部
あたり0.03〜2重量部、好ましくは0.05〜1重
量部である。ポリオレフィンの配合量が少なすぎると無
機骨材の沈降防止効果が得られないおそれがあり、逆
に、多すぎると揺変性が大きくなって流動性を低下する
可能性がある。
【0023】本発明の樹脂組成物の調製法としては、変
性炭化水素樹脂とポリオレフィンとを混合しつつ加熱、
溶融する方法が好ましい。加熱条件としては、温度14
0〜250℃、好ましくは160〜240℃で10分〜
5時間かけることが好ましい。
【0024】上記の樹脂組成物は粘着性を有するので、
トラフィックペイント(路面区画線標示材料)に使用す
ることができる。トラフィックペイントは、上記の樹脂
組成物に、必須成分として着色顔料、および任意成分と
して充填剤、ガラスビーズ、可塑材などを配合すること
により調製される。トラフィックペイントに占める上記
樹脂組成物の割合は、通常、10〜30重量%、好まし
くは10〜20重量%である。
【0025】トラフィックペイントに配合する着色顔料
としては、炭酸カルシウム、酸化亜鉛、酸化チタン、ケ
イ砂など、通常のトラフィックペイントに用いられる顔
料の中から適宜選ばれる。顔料の量は、通常、変性炭化
水素樹脂100重量部あたり50〜800重量部であ
る。さらに、路面区画線の反射性を改善するためにガラ
スビーズを適当量配合することができる。
【0026】また、トラフィックペイントの任意成分で
ある可塑剤の具体例としては、アマニ油、綿実油、大豆
油、ヒマシ油などの天然油;フタル酸エステル、アジピ
ン酸エステルなどのエステル系合成油;ポリブテン油、
ポリブタジエン油、ポリペンタジエン油などのポリマー
油;液状炭化水素樹脂、液状テルペン樹脂、液状ロジン
などの液状樹脂;ナフテン系プロセス油、芳香族系プロ
セス油、パラフィン系プロセス油などの鉱油;アルキッ
ド樹脂、キシレン樹脂などが挙げられる。可塑剤の配合
量は、トラフィックペイントの粘度、流動性を考慮し
て、変性炭化水素樹脂100重量部あたり、通常、0.
5〜20重量部、好ましくは1〜10重量部の範囲から
選ばれる。
【0027】トラフィックペイントの調製、および路面
への施工は、従来の石油樹脂粘結剤を含むトラフィック
ペイントと同様に行うことができる。
【0028】
【実施例】以下に、実施例を挙げて本発明をさらに具体
的に説明するが、本発明はこれに限定されない。なお、
以下の文中の成分の量、組成にかかわる「部」および
「%」は、特記しない限り重量基準である。各種試験、
評価は下記によった。 (1)軟化点 JIS K 2531に従って、環球法により測定し
た。単位℃。 (2)重量平均分子量 テトラヒドロフランを溶剤とするゲルパーミエーション
により、標準ポリスチレン換算の重量平均分子量を測定
した。 (3)酸価 JIS K 0070の規定に従って測定した。単位
は、試料1g中に含まれる酸性成分を中和するのに要す
る水酸化カリウムのmg数である。
【0029】(4)溶融粘度 試料配合物を約200℃で30分間加熱溶融して均一な
混合物とし、BM型粘度計(トキメック社製)により、
4番ローターを使用し、回転数6rpmおよび30rp
mまたは60rpmの2点について溶融粘度(単位:P
a・s)を測定した。 (5)流動性 温度180℃における溶融状態の試料を25mlのカッ
プで掬い取り、これを水平なアルミニウム板に注いで形
成される溶融物の円版の短径と長径を測り、平均値を出
す。これを3回実施し、平均値で表す。単位mm。 (6)沈降性 100ccのガラスビーカーに200℃で加熱混合され
た試料配合物を入れ、270℃に調節されたオーブン中
に3時間静置したのち冷却し、固化した配合物を上下方
向に切断して、ガラスビーズ、粗粒炭酸カルシウムなど
の骨材が含まれていない上層部の厚みを測定し、配合物
全体の厚みに対する百分率で表示することにより、骨材
の沈降性を評価した。
【0030】実施例1 オートクレーブに重合触媒として塩化アルミニウム1
部、重合溶媒としてシクロペンテン10.6部およびシ
クロへキサン42.3部を仕込んで攪拌し、温度を50
℃に維持した。次ぎに、シクロペンテン11.7%、ブ
テン類(イソブテン56%、1−ブテン25.5%およ
び2−ブテン18.5%の炭素数4のブテン類)29
%、1,3−ペンタジエン44.1%、メチルブテン類
(2−メチル−2−ブテンおよび2‐メチル−1‐ブテ
ン)0.5%、その他のジエン類(イソプレン、シクロ
ペンタジエンおよびジシクロペンタジエン;イソプレン
は30%未満)1.6%および炭素数4〜6の飽和炭化
水素(n−ブタン、イソブタン、シクロペンタン、2−
メチルペンタン、3−メチルペンタン、n−ペンタンお
よびn−へキサン)13.1%からなる重合用材料11
8部を60分間かけて等速度で添加し、重合した。反応
による発熱のため温度が上昇するので加熱温度を調整し
てオートクレーブの内温が55℃になった時点で、その
温度に維持し、重合用材料の添加終了後、10分間重合
反応を継続させて、メタノールと28%アンモニア水の
当容量混合物を添加して塩化アルミニウムと反応させて
重合を停止した。アルミニウム残渣は、濾過して除去
し、濾液をガラス製フラスコに移し、窒素を吹き込みつ
つ220℃まで昇温して、未反応炭化水素および溶媒を
留去した。次に、飽和水蒸気を吹き込み、留出液中に液
状の低分子重合体を含有する油相が存在しなくなったこ
とを確認した後、水蒸気の吹き込みを停止し、室温にて
放冷して黄色の未変性共重合体樹脂A1を得た。
【0031】次ぎに、100部の未変性共重合体樹脂A
1に無水マレイン酸0.4部を加え、230℃で1時間
反応させて、変性炭化水素樹脂B1を得た。続いて、1
00部の変性炭化水素樹脂B1と粉末状のポリエチレン
(ハイワックス4202E、三井化学社製、重量平均分
子量2600)0.35部を230℃で30分間、攪拌
下に溶融混合し、上記ポリエチレンが樹脂中に均一に分
散した樹脂組成物C1を得た。14部の樹脂組成物C1
に対して、重質炭酸カルシウム32.1部、粗粒炭酸カ
ルシウム32.1部、酸化チタン5部、ガラスビーズ1
5部および可塑剤(大豆油と大豆油変性アルキッドの等
重量混合物)1.8部を配合し、180℃で30分間加
熱溶融して均一な熱融着型トラフィックペイントD1と
した。未変性共重合体樹脂A1の樹脂収率(溶媒中シク
ロオレフィンならびに重合用材料中のシクロペンテン、
ブテン類、1,3−ペンタジエン、メチルブテン類およ
びその他のジエン類の合計重量に対する樹脂重量の割
合)、軟化点および重量平均分子量、変性炭化水素樹脂
B1の軟化点および酸価、トラフィックペイントD1の
溶融粘度、流動性および沈降性を評価した結果を表1に
記す。
【0032】実施例2 実施例1において、重合溶媒の中のシクロヘキサン量を
42.3部から42.2部に変え、重合用材料として、
シクロペンテン13.9%、ブテン類18.1%、1,
3−ペンタジエン52.2%、メチルブテン類0.7
%、その他のジエン類1.8%および炭素数4〜6の飽
和炭化水素13.3%からなるもの118.8部を用い
ること以外は実施例1と同様にして、未変性共重合体樹
脂A2を得た。A1の代わりにA2を用いて実施例1と
同様に酸変性して変性炭化水素樹脂B2を得、B1の代
わりにB2を用いてC1と同様の配合で樹脂組成物C2
を得、C1の代わりにC2を用いてD1と同様の配合で
熱融着型トラフィックペイントD2を得た。未変性共重
合体樹脂A2、変性炭化水素樹脂B2および熱融着型ト
ラフィックペイントD2について評価した結果を表1に
示す。
【0033】実施例3 実施例1において、重合溶媒の中のシクロペンテン量を
10.6部から10.8部に、また、シクロヘキサン量
を42.3部から43.4部にそれぞれ変更し、重合用
材料として、シクロペンテン11.8%、ブテン類2
0.8%、1,スチレン8.6%、1、3−ペンタジエ
ン44.6%、メチルブテン類0.5%、その他のジエ
ン類1.6%および炭素数4〜6の飽和炭化水素12.
1%からなるもの116.6部を用いること以外は実施
例1と同様にして、未変性共重合体樹脂A3を得、A1
の代わりにA3を用いて実施例1と同様に酸変性して変
性炭化水素樹脂B3を得、B1の代わりにB3を用いて
C1と同様の配合で樹脂組成物C3を得、C1の代わり
にC3を用いてD1と同様の配合で熱融着型トラフィッ
クペイントD3を得た。未変性共重合体樹脂A3、変性
炭化水素樹脂B3および熱融着型トラフィックペイント
D3について評価した結果を表1に示す。
【0034】実施例4 実施例1において、変性炭化水素樹脂B1に配合するポ
リエチレンを0.35部から0.1部に変更する以外は
実施例1と同様にして樹脂組成物C4を得、C1の代わ
りにC4を用いてD1と同様の配合で熱融着型トラフィ
ックペイントD4を得た。熱融着型トラフィックペイン
トD4について評価した結果を表1に示す。
【0035】比較例1 実施例1において、重合溶媒のシクロペンテンとシクロ
ヘキサンの混合溶媒52.9部をベンゼン52.9部に
変え、重合用材料としてシクロペンテン12.8%、ブ
テン類23.5%、1,3−ペンタジエン48.1%、
メチルブテン類0.5%、その他のジエン類1.9%お
よび炭素数4〜6の飽和炭化水素13.2%からなるも
の118.5部を用い、また、未反応炭化水素および溶
媒を留去する温度を220℃から260℃に変更するこ
と以外は、実施例1と同様にして、未変性共重合体樹脂
a1を得た。A1の代わりにa1を用いて実施例1と同
様に酸変性して変性炭化水素樹脂b1を得、B1の代わ
りにb1を用いてC1と同様の配合で樹脂組成物c1を
得、C1の代わりにc1を用いてD1と同様の配合で熱
融着型トラフィックペイントd1を得た。未変性共重合
体樹脂a1、変性炭化水素樹脂b1および熱融着型トラ
フィックペイントd1について評価した結果を表2に示
す。
【0036】比較例2 実施例1において、重合溶媒であるシクロペンテンおよ
びシクロヘキサン混合溶媒52.9部をベンゼン52.
8部に変更し、重合用材料としてシクロペンテン14.
9%、ブテン類12.7%、1,3−ペンタジエン5
6.2%、メチルブテン類0.8%、その他のジエン類
1.9%および炭素数4〜6の飽和炭化水素13.5%
からなるもの119.3部を用い、また、未反応炭化水
素および溶媒を留去する温度を220℃から260℃に
変更すること以外は、実施例2と同様にして未変性共重
合体樹脂a2を得た。A2の代わりにa2を用いて実施
例2と同様に酸変性して変性炭化水素樹脂b2を得、B
2の代わりにb2を用いてC2と同様の配合で樹脂組成
物c2を得、C2の代わりにc2を用いてD2と同様の
配合で熱融着型トラフィックペイントd2を得た。炭化
水素樹脂a2、変性炭化水素樹脂b22および熱融着型
トラフィックペイントd2について評価した結果を表2
に示す。
【0037】比較例3 実施例3において、重合溶媒のシクロペンテンおよびシ
クロヘキサン混合溶媒52.9部の代わりにベンゼン5
4.2部を用い、重合用材料としてシクロペンテン13
%、ブテン15.2%、スチレン8.5%、1,3−ペ
ンタジエン48.7%、メチルブテン類0.6%、その
他のジエン類1.8%および炭素数4〜6の飽和炭化水
素12.2%からなるもの117.1部を用い、未反応
炭化水素および溶媒を留去する温度を220℃から26
0℃に変更すること以外は、実施例3と同様にして、未
変性共重合体樹脂a3を得た。A3の代わりにa3を用
いて実施例3と同様に酸変性して変性炭化水素樹脂b3
を得、B3の代わりにb3を用いてC3と同様の配合で
樹脂組成物c3を得、C3の代わりにc3を用いてD3
と同様の配合で熱融着型トラフィックペイントd3を得
た。未変性共重合体樹脂a3、変性炭化水素樹脂b3お
よび熱融着型トラフィックペイントd3について評価し
た結果を表2に示す。
【0038】比較例4 実施例1で得られた変性炭化水素樹脂B1を用いて、ポ
リオレフィンの配合量0.35部を0.02部に変更し
た他は実施例1と同様にして行い、樹脂組成物c4を
得、C1の代わりにc4を用いた他は実施例1と同様に
して熱融着型トラフィックペイントd4を得た。熱融着
型トラフィックペイントd4について評価した結果を表
2に示す。
【0039】実施例5 オートクレーブに塩化アルミニウム1部、シクロペンテ
ン10.6部およびシクロヘキサン42.2部を仕込ん
で攪拌し、温度を50℃まで上げ、50℃に維持した。
次いで、重合の第一段階としてシクロペンテン9.6
%、ブテン類39.9%、1,3−ペンタジエン35.
8%、メチルブテン類0.5%、その他のジエン類1.
2%および炭素数4〜6の飽和炭化水素13%からなる
重合用材料58.6部を30分かけて等速度で添加して
重合した。ここで、ブテン類、メチルブテン類、その他
のジェン類および炭素数4〜6の飽和炭化水素は実施例
1と同様の物質である。反応による発熱のため温度が上
昇するので加熱温度を調整してオートクレーブの内温が
55℃になった以後はその温度に維持し続けた。
【0040】重合の第1段階の単量体混合物の添加が終
了した時点を重合の第2段階の開始時点としてシクロペ
ンテン14.3%、ブテン類15.9%、1,3−ペン
タジエン53.7%、メチルブテン類0.8%、その他
のジエン類1.8%および飽和炭化水素混合物13.4
%からなる重合用材料59.6部を30分かけて等速度
で添加した。重合の第2段階の重合用材料の添加を終了
した後、温度を55℃に維持したままさらに10分間攪
拌し、メタノールと28%アンモニア水の等容量混合物
を添加して塩化アルミニウムと反応させて重合を停止し
た。なお、第1段階に添加した単量体中のモノオレフィ
ンの全モノオレフィンに対する割合は61.3%であ
り、同じく全共役ジオレフィンに対する第1段階に添加
した単量体中の共役ジオレフィンの割合は39.6%で
あった。重合反応の生成物を実施例1と同様に処理して
未変性共重合体樹脂A5を得た。未変性共重合体樹脂A
5を用いて実施例1と同様に変性して変性炭化水素樹脂
B5を得、B1の代わりにB5を用いて実施例1と同様
に配合して樹脂組成物C5を得、C1の代わりにC5を
用いて実施例1と同様に配合してトラフィックペイント
D5を得た。未変性共重合体樹脂A5、変性炭化水素樹
脂B5およびトラフィックペイントD5について評価し
た結果を表1に示す。
【0041】実施例6 実施例5において、重合溶媒としてシクロペンテン1
0.6部およびシクロヘキサン42.3部を用い、重合
の第1段階において、シクロペンテン11.2%、ブテ
ン類31.2%、メチルブテン類0.7%、1,3−ペ
ンタジエン42.4%、その他のジエン類1.4%およ
び炭素数4〜6の飽和炭化水素13.1%からなる重合
用材料58.9部を添加し、第2段階において、シクロ
ペンテン16%、ブテン類7.3%、メチルブテン類
1.0%、1,3−ペンタジエン60.1%、その他の
ジエン類2%および炭素数4〜6の飽和炭化水素混合物
13.5%からなる単量体混合物59.6部を添加する
以外は、実施例5と同様にして未変性共重合体樹脂A6
を得た。A5の代わりにA6を用いて実施例5と同様に
変性して変性炭化水素樹脂B6を得、B5の代わりにB
6を用いて実施例5と同様に配合して樹脂組成物C6を
得、C5の代わりにC6を用いて実施例5と同様に配合
してトラフィックペイントD6を得た。なお、第一段階
に添加した単量体中のモノオレフィンの全モノオレフィ
ンに対する割合は63.5%であり、同じく全共役ジオ
レフィンに対する第1段階に添加した単量体中の共役ジ
オレフィンの割合は41%であった。未変性共重合体樹
脂A6、変性炭化水素樹脂B6およびトラフィックペイ
ントD6について評価した結果を表1に示す。
【0042】
【表1】
【0043】
【表2】
【0044】表1が示すように、シクロオレフィンを5
重量%以上含有する脂肪族炭化水素を重合溶媒として、
重合用材料を連続添加して1段のみでカチオン重合して
得られたモノオレフィン−共役ジエン共重合体樹脂を無
水マレイン酸で変性して得られる軟化点60〜130℃
の変性炭化水素樹脂B1〜B4は、いずれもBM粘度計
6rpm測定の溶融粘度が適度に高い粘度10.5〜3
9Pa・sを有し、これらに対応して沈降性は5〜0%
に大略逆比例の傾向を示すトラフィックペイントD1〜
D4を与えた(実施例1〜4)。粘度が約10Pa・s
であれば沈降性5%程度、約40Pa・sであれば沈降
性0%、という満足すべき結果であった。なお、ポリオ
レフィンの配合量をD1(実施例1)の0.35部から
0.1部に減じたD4(実施例4)は、溶融粘度が約2
/3の10.5Pa・sで、沈降性が2.5倍の5%と
いう結果を示した。
【0045】これに対し、表2が示すように、実施例1
と重合用材料がほぼ同じで重合溶媒がベンゼンである比
較例1は、溶融粘度が約10Pa・sで沈降性が7%と
いう不満足な結果であった。実施例2と比較例2、実施
例3と比較例3を各々対比するとこれと同様の現象が現
れた。比較例2は沈降性が小さいが、実施例2の沈降性
0%とは差が大きい。また、実施例1および4と同じ変
性炭化水素樹脂B1に対してポリオレフィンを0.02
部配合した比較例4は、溶融粘度が68Pa・sと低
く、沈降性の大きなトラフィックペイントを与えた。実
施例1〜3と比較例1〜3との対比で、高回転数での溶
融粘度および流動性はさほど変わらないが、実施例1〜
3では低回転数での粘度が大きく上昇し、沈降性が小さ
いことが特徴的である。
【0046】また、実施例5は、重合の第1段階と第2
段階の合計単量体量が、シクロペンテン14.1部、ブ
テン類32.9部、1,3−ペンタジエン50.1部で
あるのに対し、第1段階のみで全単量体を添加、重合さ
せた実施例1の単量体は、シクロペンテン13.8部、
ブテン類34.2部、1,3−ペンタジエン52.0部
で、それぞれ略同量の単量体が使用された。この両実施
例を対比すると、実施例5が約11Pa・sの比較的低
い溶融粘度でありながら沈降性が3%と優れた値を示し
た。同様な現象が第1段階のみの反応の実施例2と、そ
れとほぼ同量の単量体成分を第1段階および第2段階で
分けて用いた実施例6との間で観察され、分割方式の重
合反応を行うことにより、同等の流動性を有するもので
も、より沈降性の小さなトラフィックペイントが得られ
ることを示した。
【0047】
【発明の効果】本発明により、トラフィックペイントに
好適な、無機骨材の沈降防止効果と流動性とを併せ持つ
た樹脂組成物が提供される。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C08L 23:00) (C08L 47/00 23:00) Fターム(参考) 4J002 BB002 BB211 BL021 GH01 4J038 CB022 CB092 CB142 CR021 CR031 HA486 KA08 KA10 LA02 MA13 MA14 NA24 NA25 PA15

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 変性炭化水素樹脂とポリオレフィンとを
    含有する樹脂組成物であって、 前記変性炭化水素樹脂が、シクロオレフィン含有量が5
    重量%以上である、シクロオレフィン、飽和脂肪族炭化
    水素混合重合溶媒中でのカチオン重合により得られるモ
    ノオレフィン−共役ジエン共重合体樹脂に、不飽和カル
    ボン酸または不飽和ジカルボン酸無水物を付加して得ら
    れる軟化点60〜130℃の樹脂であり、 前記ポリオレフィンの重量平均分子量が1,000〜
    5,000であり、 前記変性炭化水素樹脂100重量部に対する前記ポリオ
    レフィンの配合量が0.03〜2重量部であることを特
    徴とする樹脂組成物。
  2. 【請求項2】 前記モノオレフィン−共役ジエン共重合
    体樹脂が、重合溶媒に供給される単量体中、炭素数4〜
    10のモノオレフィン含有量が15〜80重量%、炭素
    数4〜6の共役ジエン含有量85〜20重量%であり、
    供給される単量体中のモノオレフィンの55重量%以上
    および共役ジエンの45重量%以下を第1段階として重
    合反応に供した後に、後続段階として残りのモノオレフ
    ィンおよび共役ジエンを添加して重合して得られるもの
    である請求項1記載の樹脂組成物。
  3. 【請求項3】 請求項1または2記載の樹脂組成物を含
    有するトラフィックペイント。
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