JP2002030245A - トラフィックペイント用樹脂組成物 - Google Patents
トラフィックペイント用樹脂組成物Info
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Abstract
であり、十分なトラフィックペイント性能を有する熱溶
融型の樹脂組成物を得る。 【解決手段】 下記極性基含有炭化水素樹脂(I)10
0重量部に対して、酸価が5〜80の極性基含有モノマ
ーグラフト変性低分子量ポリオレフィン(II)を0.3
〜10重量部含有するトラフィックペイント用樹脂組成
物。 樹脂(I):沸点が−20〜100℃の留分であって、
全不飽和成分に占める1,3−共役ジエンの含量が20
モル%以上、末端モノオレフィンの含量が30モル%以
下、シクロペンタジエンの含量が5モル%以下の脂肪族
系不飽和炭化水素留分20〜100重量%と、全不飽和
成分中に占めるジヒドロジシクロペンタジエンを含む脂
肪族系内部オレフィンの含量が50モル%以上、ジシク
ロペンタジエンの含量が5モル%以下の脂肪族系内部オ
レフィン含有留分0〜80重量%との混合物を重合した
炭化水素樹脂の変性物。
Description
ト用樹脂組成物に関し、特に低粘度であるので施工する
際に流動性に優れ、高速で塗工することができるトラフ
ィックペイント用樹脂組成物に関する。
いて、粘結付与剤としてロジンまたはその変性物等の天
然ロジン系樹脂、アルキッド樹脂、エポキシ樹脂、ポリ
エステル樹脂等が使用されている。これらの中ではマレ
イン化ロジン等のロジン変性物が最も優れているとされ
てきたが、ロジン変性物は原料を天然物に依存している
ために、近年の著しい需要の伸びに対処することは難し
い。しかも、ロジン変性物は相溶性の点から安価な鉱物
油が使用できないこと、トラフィックペイントの流動性
が十分でないこと等の欠点も指摘されてきた。
工業的に安価にかつ容易に製造することができる炭化水
素樹脂が注目されている。本発明者らは、従来より石油
精製時の分解留分を主成分とした炭化水素樹脂を原料と
して、これを変性した変性炭化水素樹脂を熱溶融型トラ
フィックペイントの粘結付与剤として使用することを提
案している(特公昭58−39869号、特公昭50−
39451号、特公昭61−18584号、特公昭61
−52186号、特公昭62−9623号、特公昭61
−52188号、特公昭62−14184号、特開昭6
3−27566号)。
樹脂系粘着付与剤100重量部当たり高分子ポリオレフ
ィンを熱的に減成して得られる数平均分子量400〜3
000で、140℃での溶融粘度が20〜2000セン
チポアズの低分子ポリオレフィン2〜30重量部を配合
した熱融着型路面区画線標示用材料が記載されている。
また特公平2−37369号には、脂肪族系炭化水素樹
脂100重量部と合成ワックス系沈降防止剤0.1〜
1.0重量部を溶融混合した熱溶融型トラフィックペイ
ント用粘結剤組成物の製法が記載されている。
クペイントを塗工する際の、低温化や高速化および加熱
したまま長時間の塗工に色相が耐えられるもの等の要請
が強くなってきており、上記従来の製品では十分な性能
とは言えなくなってきた。従来、トラフィックペイント
の低粘度化のために、可塑剤の増量や低粘度可塑剤の使
用が行われてきた。しかし、この方法で得られるトラフ
ィックペイントは圧縮強度や耐タイヤ汚染性が十分でな
い。さらに、一般的に低粘度化のために使用されている
バイプロ低分子量高密度ポリエチレンの増量はトラフイ
ックペイントの変形や骨材が沈降し易くなるなどの問題
点を有している。
塗工時の高速化の要請に応えるため、低温での流動性に
優れ、しかも低粘度で高速塗工が可能であり、かつ十分
なトラフィックペイント性能を有する熱溶融型のトラフ
ィックペイント用樹脂組成物を提供することである。
クペイント用樹脂組成物である。 (1) 下記の極性基含有炭化水素樹脂(I)100重
量部に対して、酸価が5〜80の極性基含有モノマーグ
ラフト変性低分子量ポリオレフィン(II)を0.3〜1
0重量部の割合で含有するトラフィックペイント用樹脂
組成物。 極性基含有炭化水素樹脂(I): (A)沸点が−20〜+100℃の範囲の留分であっ
て、全不飽和成分中に占める1,3−共役ジエンの含有
量が20モル%以上、末端モノオレフィンの含有量が3
0モル%以下、およびシクロペンタジエンの含有量が5
モル%以下である脂肪族系不飽和炭化水素留分20〜1
00重量%と、(B)全不飽和成分中に占めるジヒドロ
ジシクロペンタジエンを含む脂肪族系内部オレフィンの
含有量が50モル%以上、およびジシクロペンタジエン
の含有量が5モル%以下である脂肪族系内部オレフィン
含有留分0〜80重量%とを含む混合物を重合して得ら
れる炭化水素樹脂に極性基が導入された極性基含有炭化
水素樹脂。 (2) 極性基含有モノマーグラフト変性低分子量ポリ
オレフィン(II)が、1000炭素原子当たり末端二重
結合の数が0.5個以下の低分子量ポリオレフィンを極
性基含有モノマーでグラフト変性したものである上記
(1)記載のトラフィックペイント用樹脂組成物。 (3) 極性基含有モノマーグラフト変性低分子量ポリ
オレフィン(II)の粘度平均分子量が1000〜600
0である上記(1)または(2)記載のトラフィックペ
イント用樹脂組成物。 (4) 極性基含有モノマーグラフト変性低分子量ポリ
オレフィン(II)が、極性基含有モノマーグラフト変性
低分子量ポリエチレンである上記(1)ないし(3)の
いずれかに記載のトラフィックペイント用樹脂組成物。 (5) 極性基含有モノマーが、不飽和カルボン酸、そ
の酸無水物またはエステルである上記(1)ないし
(4)のいずれかに記載のトラフィックペイント用樹脂
組成物。
素含有留分(A)は、沸点が−20〜+100℃の範囲
の留分であって、留分(A)中の全不飽和成分中に占め
る1,3−共役ジエンの含有量が20モル%以上、末端
モノオレフィンの含有量が30モル%以下、およびシク
ロペンタジエンの含有量が5モル%以下の脂肪族系不飽
和炭化水素留分であり、好ましくは沸点が−10〜+5
0℃の範囲の留分であって、全不飽和成分中に占める
1,3−共役ジエンの含有量が30モル%以上、末端モ
ノオレフィンの含有量が20モル%以下、およびシクロ
ペンタジエンの含有量が3モル%以下の脂肪族系不飽和
炭化水素含有留分である。
に含まれる1,3−共役ジエンとして具体的には、1,
3−ブタジエン、1,3−ペンタジエン、イソプレン等
を例示することができる。脂肪族系不飽和炭化水素含有
留分(A)中に含まれる末端モノオレフィンとしては、
1−ブテン、イソブチレン、1−ペンテン、2−メチル
−1−ブテン、3−メチル−1−ブテン等を例示するこ
とができる。
1,3−共役ジエンだけが含まれていてもよい。この場
合、1,3−共役ジエンは1種単独でも、2種以上の混
合物であってもよい。1,3−共役ジエンと、末端モノ
オレフィンおよび/またはシクロペンタジエンとの組み
合せは、前記含有量の範囲内において、どのような組み
合せでもよい。
には1,3−共役ジエン、末端モノオレフィンおよびシ
クロペンタジエン以外の他の不飽和成分が含まれていて
もよい。このような他の不飽和成分としては、2−ブテ
ン、2−メチル−2−ブテン、2−ペンテン、シクロペ
ンテンなどの脂肪族系内部オレフィン、および他のオレ
フィンなどをあげることができる。これらの他の不飽和
成分の留分(A)中の全不飽和成分中に占める含有量は
20モル%以下、好ましくは10モル%以下であるのが
望ましい。
に含まれる不飽和成分の含有量は通常30重量%以上、
好ましくは40重量%以上の範囲である。脂肪族系不飽
和炭化水素含有留分(A)中には、沸点が−20〜+1
00℃の範囲の脂肪族系飽和炭化水素などの不飽和成分
以外の成分が含まれていてもよい。
て、沸点が前記範囲の留分であり、1,3−共役ジエ
ン、末端モノオレフィンおよびジシクロペンタジエンの
含有量が前記範囲にある留分が得られれば、その留分を
脂肪族系不飽和炭化水素含有留分(A)としてそのまま
使用することができる。また、石油類の熱分解により得
られる留分において1,3−共役ジエンの含有量が少な
い場合には1,3−共役ジエンを添加して脂肪族系不飽
和炭化水素含有留分(A)として使用することもでき
る。また、石油類の熱分解により得られる留分において
末端モノオレフィンおよび/またはシクロペンタジエン
の含有量が多い場合には、この留分を公知の方法でヒー
トソークした後、前記沸点範囲の留分を採取することに
より脂肪族系不飽和炭化水素含有留分(A)を得ること
もできる。
ン含有留分(B)は、留分(B)中の全不飽和成分中に
占めるジヒドロジシクロペンタジエンを含む脂肪族系内
部オレフィンの含有量が50モル%以上、およびジシク
ロペンタジエンの含有量が5モル%以下の脂肪族系内部
オレフィン含有留分であり、好ましくはジヒドロジシク
ロペンタジエンを含む脂肪族系内部オレフィンの含有量
が70モル%以上、およびジシクロペンタジエン含有量
が3モル%以下の脂肪族系内部オレフィン含有留分であ
る。
オレフィンおよび脂環式内部オレフィンを包含する。脂
肪族系内部オレフィンの具体的なものとしては、ジヒド
ロジシクロペンタジエンの他に、2−ブテン、2−メチ
ル−2−ブテン、2−ペンテン、シクロペンテンなどを
例示することができる。
には脂肪族系内部オレフィンおよびジシクロペンタジエ
ン以外の他の不飽和成分が含まれていてもよい。このよ
うな他の不飽和成分としては、1−ブテン、イソブチレ
ン、1−ペンテン、2−メチル−2−ブテン、3−メチ
ル−1−ブテン等の末端モノオレフィン、シクロペンタ
ジエンおよび他のオレフィンなどをあげることができ
る。これらの他の不飽和成分の留分(B)中の全不飽和
成分中に占める含有量は15モル%以下、好ましくは1
0モル%以下であるのが望ましい。
に含まれる不飽和成分の含有量は通常50重量%以上、
好ましくは70重量%以上の範囲である。脂肪族系内部
オレフィン含有留分(B)中には、脂肪族系飽和炭化水
素等の不飽和成分以外の成分が含まれていてもよい。
は、たとえば次のようにして得ることもできる。石油類
の分解によって生成した沸点が−10〜+100℃、好
ましくは20〜50℃の範囲の脂肪族系不飽和炭化水素
留分を加熱処理して、そこに含まれているシクロペンタ
ジエンをジシクロペンタジエンに変換した後、蒸留によ
って軽質分を除き、これにより得られる粗精ジシクロペ
ンタジエン留分を水素化反応を行い、ジエン成分を内部
オレフィンに部分水素添加して脂肪族系内部オレフィン
含有留分(B)を得ることができる。
る際に使用する水素化触媒としては公知の水素化触媒が
使用できる。具体的には、パラジウム、ロジウム、ルテ
ニウム、白金、イリジウム、オスミウム、鉄、コバル
ト、ニッケル、クロム、モリブデン、タングステン等の
金属、またはこれらの金属を活性炭、アルミナ、シリカ
などの種々の単体に担持した触媒を例示することができ
る。また、異性化された内部オレフィンがさらに水素化
されて消失するのを抑制するためには、前記金属触媒を
硫黄化合物等によって部分的に被毒された触媒を使用す
ることも好ましい。水素は一般に加圧下に反応させら
れ、通常0.098〜14.7MPa(1〜150kg
f/cm2、ゲージ圧)、好ましくは0.49〜4.9
MPa(5〜50kgf/cm2、ゲージ圧)の範囲で
ある。反応の際の温度は通常、常温〜200℃、好まし
くは40〜150℃の範囲である。この部分水素化異性
化処理によって得られる留分の組成は、通常本発明で使
用される留分(B)としての組成範囲を満足しており、
そのままで脂肪族系内部オレフィン含有留分(B)とし
て使用することができる。
肪族系不飽和炭化水素留分(A)20〜100重量%、
好ましくは40〜100重量%と、脂肪族系内部オレフ
ィン含有留分(B)0〜80重量%、好ましくは0〜6
0重量%とを含む混合物を重合して得られる樹脂であ
る。
割合で混合することができるが、より好ましくは混合物
中の全不飽和成分に占める1,3−共役ジエンの含有量
が10〜90モル%、脂肪族系内部オレフィンの含有量
が10〜90モル%、ジシクロペンタジエンの含有量が
5モル%以下となるように混合するのが好ましく、この
場合流動性、可撓性および色相に優れたトラフィックペ
イントを得ることができる。
(A)および留分(B)の他に少量の他の留分、たとえ
ば芳香族炭化水素留分などが含まれていてもよい。他の
留分の含有量は留分(A)と留分(B)との合計の不飽
和成分100重量部に対して、他の留分に由来する不飽
和成分が通常20重量部以下となる範囲である。
原料の前記成分をフリーデルクラフツ型触媒の存在下に
重合することによって得ることができる。フリーデルク
ラフツ型触媒としては具体的には、塩化アルミニウム、
臭化アルミニウム、3フッ化ホウ素、3フッ化ホウ素の
各種錯体、塩化第2錫、臭化第2錫、塩化第2アンチモ
ン、臭化第2アンチモン、塩化第2チタン等を例示する
ことができる。これらの中では塩化アルミニウムを使用
することが収率および得られる樹脂物性の点から好まし
い。フリーデルクラフツ型触媒の使用割合は、重合原料
の前記留分中の全不飽和成分1kgに対して、通常0.
05〜10モル、好ましくは、0.1〜2モルである。
ルクラフツ型触媒の存在下における重合反応は、溶媒の
非存在下に行うこともできるし、溶媒の存在下に実施す
ることもできる。使用される溶媒としては、具体的に
は、ブタン、ヘプタン、ヘキサン、ヘプタン、オクタン
等の脂肪族系炭化水素;ベンゼン、トルエン、キシレ
ン、エチルベンゼン、クメン、シメン、ジイソプロピル
ベンゼン等の芳香族炭化水素などを例示することができ
る。
分中の全不飽和成分に対する重量比として0.01〜1
倍、好ましくは0.1〜0.5倍の範囲である。重合反
応は、通常−10〜+150℃、好ましくは10〜12
0℃の範囲で行われる。重合反応に要する時間は、使用
触媒、反応温度およびその他の条件によって異なるが、
通常1〜5時間の範囲である。重合反応終了後は、反応
混合物について触媒の分解処理、脱灰処理、溶媒の留去
等の常法によって処理することにより炭化水素樹脂を得
ることができる。
化水素樹脂に極性基が導入された極性基含有炭化水素樹
脂(I)を使用する。炭化水素樹脂に導入される極性基
としてはカルボキシル基、酸無水物基およびエステル基
などが好ましいがこれに限定されない。極性基含有炭化
水素樹脂(I)としては前記炭化水素樹脂に上記極性基
を有する単量体をグラフト反応させて得られるグラフト
変性物が好ましい。
単量体としては、アクリル酸、メタクリル酸、マレイン
酸、フマル酸、テトラヒドロフタル酸、イタコン酸、シ
トラコン酸、クロトン酸、イソクロトン酸、ノルボルネ
ンジカルボン酸、ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2エ
ン−5,6ジカルボン酸等の不飽和カルボン酸;無水マ
レイン酸、無水イタコン酸、無水シトラコン酸、テトラ
ヒドロ無水フタル酸、ビシクロ[2.2.1]ヘプト−
2−エン−5,6−ジカルボン酸無水物等のカルボン酸
無水物;上記カルボン酸のアルキルエステル、ヒドロキ
シル(メタ)アクリレート、ヒドロキシプロピル(メ
タ)アクリレート、グリシジル(メタ)アクリレート等
のカルボン酸のエステルなどをあげることができる。こ
れらの単量体は単独でグラフト重合してもよいし、複数
種でグラフト重合してもよい。
に添加することによりグラフト重合させることができる
が、反応温度を低くする場合もしくは反応時間を短くす
る場合には、通常のラジカル開始剤を使用することがで
きる。
樹脂は、上記カルボン酸エステルを直接グラフト重合し
て得ることができるが、カルボキシル基または酸無水物
基を含有する極性基含有炭化水素樹脂にアルコール類を
反応させることにより得ることもできる。上記アルコー
ル類としては、メタノール、エタノール、プロパノー
ル、ブタノール等の1価のアルコール;エチレングリコ
ール、プロピレングリコール、ブタンジオール、グリセ
リン等の多価アルコールなどが使用可能であり、加圧下
もしくは常圧下に、たとえばカルボン酸変性炭化水素樹
脂と前記アルコールを100〜250℃で1〜5時間加
熱するだけでエステル基含有炭化水素樹脂を得ることが
できる。
をグラフトした場合には、その酸価は1〜10の範囲に
あることがトラフィックペイントの流動性の点から好ま
しく、エステル化変性した場合にはそのケン化価は1〜
100の範囲にあることがトラフィックペイントの流動
性の点から好ましい。極性基含有炭化水素樹脂(I)の
数平均分子量は通常500〜3000、好ましくは70
0〜2000である。
ラフト変性低分子量ポリオレフィン(II)は、ポリオレ
フィンに極性基含有モノマーがグラフトして変性された
グラフト変性物であり、極性基含有モノマーの導入によ
って酸価が5〜80、好ましくは10〜60の変性物で
ある。極性基含有モノマーグラフト変性低分子量ポリオ
レフィン(II)は粘度平均分子量が1000〜600
0、好ましくは1000〜5000であるものが望まし
い。
子量ポリオレフィン(II)の原料である変性前の低分子
量ポリオレフィンは、末端二重結合数が1000炭素原
子当たり0.5個以下のものが好ましい。このような低
分子量ポリオレフィンは、α−オレフィンを直接重合す
ることにより容易に得ることができる。重合は高圧重
合、中圧重合、低圧重合法のいずれの方法で行ってもよ
く、前記の分子量、酸価、末端二重結合の範囲にある限
り問題はない。低分子量のポリオレフィンは高分子量ポ
リオレフィンを熱分解によって得ることもできるが、こ
のような低分子量ポリオレフィンは通常末端に二重結合
を多く含有するので、加熱によって低分子量ポリオレフ
ィン間に架橋が起きて増粘したり変色する可能性があ
る。
子量ポリオレフィン(II)の原料である変性前の低分子
量ポリオレフィンは、末端二重結合数が1000炭素原
子当たり0.5個以下のものが好ましい。高分子量ポリ
オレフィンを熱分解によって得た低分子量ポリオレフィ
ンは通常末端に二重結合を多く含有するので、加熱によ
って低分子量ポリオレフィン間に架橋が起きて増粘した
り変色する可能性がある。重合法においては高圧重合、
中圧重合、低圧重合法のいずれでも、前記の分子量、酸
価、末端二重結合の範囲にある限り問題はない。
レフィンの単独重合体、α−オレフィンの共重合体、ま
たはα−オレフィンとそれ以外の化合物との共重合体で
ある。α−オレフィンとしては、エチレン、プロピレ
ン、ブテン、ペンテン、ヘキセン、ヘプテン、オクテ
ン、4−メチル−ペンテン−1等をあげることができ
る。変性前の低分子量ポリオレフィンとしてはエチレ
ン、プロピレンまたはブテンの単独重合体、あるいはエ
チレン、プロピレンまたはブテンを主成分とする共重合
体が好ましく、特にエチレン単独重合体またはエチレン
・α−オレフィン共重合体が好ましい。
ポリオレフィン(II)の製造に使用される極性基含有モ
ノマーは、前記炭化水素樹脂に反応させる極性基含有モ
ノマーと同じものがあげられる。
ポリオレフィン(II)の製造方法としては、下記の方法
があげられる。コンデンサー、所定量の極性基含有モノ
マーを充填した滴下ロート、所定量の開始剤を充填した
滴下ロートおよび攪拌翼を装備した反応器で、予め反応
器内で160〜170℃に溶融した所定量の低分子量ポ
リオレフィン上に2〜3時間で極性基含有モノマーと開
始剤を均等割に滴下する。その後、反応器内に1333
Pa(10mmHg、ゲージ圧)以下に減圧し、未反応
極性基含有モノマーおよび開始剤分解物などを除去し、
極性基含有モノマーグラフト変性低分子量ポリオレフィ
ン(II)を得る。
物は、前記極性基含有炭化水素樹脂(I)と、極性基含
有モノマーグラフト変性低分子量ポリオレフィン(II)
とを含む樹脂組成物である。極性基含有炭化水素樹脂
(I)と極性基含有モノマーグラフト変性低分子量ポリ
オレフィン(II)との混合比率は、極性基含有炭化水素
樹脂(I)100重量部に対して極性基含有モノマーグ
ラフト変性低分子量ポリオレフィン(II)0.3〜10
重量部、好ましくは0.5〜5重量部の範囲である。極
性基含有炭化水素樹脂(I)と極性基含有モノマーグラ
フト変性低分子量ポリオレフィン(II)とを上記割合で
混合することにより、本発明のトラフィックペイント用
樹脂組成物を得ることができる。
物の溶融粘度、軟化点はトラフィックペイントの塗工方
法、塗工場所等によって異なるが、通常200℃の溶融
粘度は30〜200mPa・sの範囲が好ましく、軟化
点は90〜100℃の範囲が好ましい。
物はトラフィックペイントの粘結付与剤としての性能に
優れ、しかも低温での流動性に優れている。このため本
発明のトラフィックペイント用樹脂組成物を配合して得
られる熱融着型トラフィックペイントすなわち路面区画
線標示塗料は、施工する際の流動性に優れ、高速で塗工
することができ、しかも骨材沈降性が良好である。
物は、前記極性基含有炭化水素樹脂(I)および極性基
含有モノマーグラフト変性低分子量ポリオレフィン(I
I)以外にも、本発明の目的を損なわない範囲で種々の
有機および/または無機化合物を配合することができ
る。これらの化合物としては具体的には、各種可塑剤,
炭酸カルシウム,酸化チタンおよびガラスビーズ等をあ
げることができる。これらは通常トラフィックペイント
を調製する際にトラフィックペイント用樹脂組成物に配
合される。
物は、極性基含有炭化水素樹脂(I)と極性基含有モノ
マーグラフト変性低分子量ポリオレフィン(II)とを予
め混合した状態でトラフィックペイントの調製に用いる
こともできるし、トラフィックペイントを調製する際に
極性基含有炭化水素樹脂(I)と極性基含有モノマーグ
ラフト変性低分子量ポリオレフィン(II)とを混合する
こともできる。また炭化水素樹脂と低分子量ポリオレフ
ィンとを溶融混合した後、極性基含有モノマーを添加し
てグラフト重合させることにより、本発明のトラフィッ
クペイント用樹脂組成物を製造することもできる。
成物は、特定の極性基含有炭化水素樹脂(I)および極
性基含有モノマーグラフト変性低分子量ポリオレフィン
(II)を特定量含有しいるので、トラフィックペイント
の粘結付与剤としての性能に優れ、しかも低温での流動
性に優れている。このため流動性特に低温での流動性に
優れ、低粘度で高速塗工が可能であり、しかも骨材沈降
性が良好なトラフィックペイントを得ることができる。
らに詳しく説明するが、本発明はこれらの実施例によっ
て、何ら限定されるものではない。
分(A)として表1に示す組成の留分を、また脂肪族系
内部オレフィン含有留分(B)として表2に示す組成の
留分を使用した。表2の脂肪族系内部オレフィン含有留
分(B)の不飽和成分についてみると、ジシクロペンタ
ジエンの含有量は0.1重量%、ジヒドジシクロペンタ
ジエンの含有量は74.1重量%、イソプレンとシクロ
ペンタジエンのコダイマーは9.5重量%であり、これ
ら不飽和成分の合計量は83.7重量%である。
ポリオレフィン(II)としては表3に示すものを使用し
た。
115gの表2の脂肪族系内部オレフィン含有留分
(B)との均一な混合物を滴下ロートに入れた。一方、
粒径100メッシュ以下の無水塩化アルミニウム1.2
3gとキシレン30gとn−ヘキサン10gをオートク
レーブに入れて懸濁液とし、これに先の滴下ロートにと
った留分(A)と留分(B)との均一混合物を、60℃
に保ちながら15分間かけて滴下し、滴下終了後さらに
攪拌下に60℃で2時間反応させた。次に20℃まで降
温し、20gのメタノールを添加して30分間攪拌し
た。その後、反応性成物を温水で繰り返し洗浄後、これ
を濃縮して炭化水素樹脂145gを得た。
100gを210℃に加温したオイルバスで溶融させ、
樹脂温度が205℃となったところで炭化水素樹脂に対
して0.6重量%の無水マレイン酸を加え、窒素雰囲気
下205℃で2時間攪拌して無水マレイン酸グラフト変
性炭化水素樹脂Aを調製した。この無水マレイン酸グラ
フト変性炭化水素樹脂Aは数平均分子量1350、軟化
点94℃、酸価3.1、色相5であった。なお、数平均
分子量(Mn)はGPC法によるスチレン換算の分子量
であり、キャリアーとしてTHFを用い、40℃で東ソ
ー(株)製カラムを用いて測定した。軟化点はJIS
K−2207、酸価はJIS K−0070、色相(ガ
ードナー)はJIS K−5400により測定した。
脂Aの100重量部に対して、表3に示す無水マレイン
酸グラフト変性低分子量ポリエチレンAを2重量部配合
し、トラフィックペイント用樹脂組成物を得た。このト
ラフィックペイント用樹脂組成物の軟化点、溶融粘度、
酸価および色相を表4に示す。
00重量部に、下記のトラフィックペイント用の配合剤
を加えてトラフィックペイントを調製して評価した。評
価結果を表5に示す。
ラフト変性低分子量ポリエチレンAの代わりに無水マレ
イン酸グラフト変性低分子量ポリエチレンBを用いた以
外は同様に行った。結果を表4および表5に示す。
ラフト変性低分子量ポリエチレンAの代わりに無水マレ
イン酸グラフト変性低分子量ポリエチレンCを用いた以
外は同様に行った。結果を表4および表5に示す。
ラフト変性低分子量ポリエチレンAを使用しなかった以
外は同様に行った。結果を表4および表5に示す。
ラフト変性低分子量ポリエチレンAの代わりに表4に示
す低分子量ポリエチレンを用いた以外は同様に行った。
結果を表4および表5に示す。
度200℃ *4 酸価:JIS K−0070 *5 色相(ガードナー):JIS K−5400
度170℃ *2 溶融粘度:ブルックフィールド粘度計、測定温度
180℃ *3 骨材沈降性:溶融トラフィックペイント混合物を
50mlのビーカーに採取し、240℃に2時間静置し
た後冷却、硬化させ、硬化物の垂直切断面のガラスビー
ズの均一性を観察した。 ○:垂直切断面にガラスビーズが均一に分散している ×:垂直切断面が均一でなく、垂直切断面上部にガラス
ビーズが確認できない *4 圧縮強度:JIS K5665 *5 軟化点:JIS K5665 環球法 *6 白色度:カラーメーターを用い、L値、a値、b
値より算出
原料であり、酸価が0.1以下の未変性低分子量ポリエ
チレンD(比較例3b)は低分子量ポリエチレン未添加
(比較例1b)と比べ、流動性の改良は見られるが無水
マレイン酸グラフト変性低分子量ポリエチレンA(実施
例1b)には及ばない。一方、トラフィックペイント施
工時における作業性の重要な目安となる骨材沈降性は、
低分子量ポリエチレン未添加および未変性低分子量ポリ
エチレンDは不十分であるのに対して、無水マレイン酸
グラフト変性低分子量ポリエチレンAは満足する結果が
得られている。
果に関して 酸価をもった低分子量ポリエチレンとして、空気または
酸素によって酸化した酸化低分子量ポリエチレンがあげ
られるが、それを用いた例(比較例5b)ではトラフィ
ックペイントのチクソ性(チクソトロピー性)が増大
し、骨材沈降性に対しては有利であるが、流動性の低下
が大きい。カルボキシル基、酸無水基によるグラフト変
性が有効である。
ンD(比較例3b)と粘度平均分子量が7200の未変
性低分子量ポリエチレンE(比較例4b)との未変性低
分子量ポリエチレン比較でも同様であるが、粘度平均分
子量が2700の無水マレイン酸変性低分子量ポリエチ
レンA(実施例1b)と比較して、粘度分子量が455
0の無水マレイン酸変性低分子量ポリエチレンC(実施
例3b)の方が若干、流動性で不利である。
Claims (5)
- 【請求項1】 下記の極性基含有炭化水素樹脂(I)1
00重量部に対して、酸価が5〜80の極性基含有モノ
マーグラフト変性低分子量ポリオレフィン(II)を0.
3〜10重量部の割合で含有するトラフィックペイント
用樹脂組成物。 極性基含有炭化水素樹脂(I): (A)沸点が−20〜+100℃の範囲の留分であっ
て、全不飽和成分中に占める1,3−共役ジエンの含有
量が20モル%以上、末端モノオレフィンの含有量が3
0モル%以下、およびシクロペンタジエンの含有量が5
モル%以下である脂肪族系不飽和炭化水素留分20〜1
00重量%と、 (B)全不飽和成分中に占めるジヒドロジシクロペンタ
ジエンを含む脂肪族系内部オレフィンの含有量が50モ
ル%以上、およびジシクロペンタジエンの含有量が5モ
ル%以下である脂肪族系内部オレフィン含有留分0〜8
0重量%とを含む混合物を重合して得られる炭化水素樹
脂に極性基が導入された極性基含有炭化水素樹脂。 - 【請求項2】 極性基含有モノマーグラフト変性低分子
量ポリオレフィン(II)が、1000炭素原子当たり末
端二重結合の数が0.5個以下の低分子量ポリオレフィ
ンを極性基含有モノマーでグラフト変性したものである
請求項1記載のトラフィックペイント用樹脂組成物。 - 【請求項3】 極性基含有モノマーグラフト変性低分子
量ポリオレフィン(II)の粘度平均分子量が1000〜
6000である請求項1または2記載のトラフィックペ
イント用樹脂組成物。 - 【請求項4】 極性基含有モノマーグラフト変性低分子
量ポリオレフィン(II)が、極性基含有モノマーグラフ
ト変性低分子量ポリエチレンである請求項1ないし3の
いずれかに記載のトラフィックペイント用樹脂組成物。 - 【請求項5】 極性基含有モノマーが、不飽和カルボン
酸、その酸無水物またはエステルである請求項1ないし
4のいずれかに記載のトラフィックペイント用樹脂組成
物。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2000214172A JP2002030245A (ja) | 2000-07-14 | 2000-07-14 | トラフィックペイント用樹脂組成物 |
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JP2000214172A JP2002030245A (ja) | 2000-07-14 | 2000-07-14 | トラフィックペイント用樹脂組成物 |
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---|---|
JP2002030245A true JP2002030245A (ja) | 2002-01-31 |
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ID=18709798
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JP2000214172A Pending JP2002030245A (ja) | 2000-07-14 | 2000-07-14 | トラフィックペイント用樹脂組成物 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2002030245A (ja) |
Cited By (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2011137072A (ja) * | 2009-12-28 | 2011-07-14 | Tosoh Corp | 変性石油樹脂の製造方法 |
CN103881027A (zh) * | 2012-12-19 | 2014-06-25 | 抚顺伊科思新材料有限公司 | 间戊二烯石油树脂的合成方法 |
CN104341555A (zh) * | 2013-07-29 | 2015-02-11 | 抚顺伊科思新材料有限公司 | 改性间戊二烯树脂的合成方法 |
KR102465240B1 (ko) * | 2021-11-04 | 2022-11-09 | 주식회사 은진공업 | 내마모성이 우수한 이액형 상온경화형 노면표지용 도료 조성물 및 이의 제조 방법 |
KR102465238B1 (ko) * | 2021-11-04 | 2022-11-09 | 주식회사 은진공업 | 내마모성이 우수한 노면표지용 수용성 도료 조성물 및 이의 제조 방법 |
-
2000
- 2000-07-14 JP JP2000214172A patent/JP2002030245A/ja active Pending
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