JPWO2004099636A1 - ころ軸受用保持器 - Google Patents
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Abstract
Description
さらに、特開平11−325063号公報に記載のピンタイプ保持器では、転動体が環状側板側に大きく移動してピンと接触する場合には、表面硬化層が無い部分や表面硬化層の深さが浅い部分と接触する場合がある。また、表面硬化層が形成されていないピンの表面は表面硬化層が形成されている部分に比べ、摩耗性に加え、曲げ応力に対する機械的強度も低い。
出っ張り量を0.5mm以内とすることが望ましい。
また、第1の発明に係るころ軸受用保持器において、ピン受け孔は一対の環状側板の両方に形成されていてもよい。この場合、ピン受け孔に嵌合するピンの二つの端部のうち一方の端部は他方の端部より小径に形成されていることが好ましい。
また、第2の発明に係るころ軸受用保持器は、ころ軸受の転動体を回転自在に支持する複数本のピンと、該ピンを介して前記転動体を軌道輪の円周方向に等間隔で保持する一対の環状側板と、前記ピンの一端部に形成されたテーパ部と嵌合するテーパ孔を中心部に有する複数のブッシュとを備え、前記一対の環状側板のうち少なくとも一方の環状側板に前記ブッシュと嵌合する嵌合孔を形成したころ軸受用保持器において、前記ブッシュと前記嵌合孔との嵌め合いを5μm以上の締まり嵌めとしたことを特徴とする。
請求項6及び7の発明に係るころ軸受用保持器によれば、上述した効果に加え、ピンの端部を環状側板のピン受け孔に圧入する際にかじり等の発生を防止することができる。
請求項9の発明に係るころ軸受用保持器によれば、環状側板に形成されたピン受け孔にピンを一方向から嵌め入れることができるので、保持器の組立を容易に行うことができる。
請求項19及び20の発明に係る転がり軸受用保持器によれば、使用中に転動体が環状側板側に大きく移動してもピンの端部が転動体との接触によって大きく摩耗されることを抑制できるので、曲げ応力に対するピンの機械的強度を高めることができる。また、環状側板とピンとの嵌合部におけるフレッチングによるピンの摩耗を抑制でき、応力集中の起点となるような異常摩耗がピンに発生することを防止できる。
請求項22の発明に係るころ軸受用保持器によれば、ブッシュと環状側板との溶接部を従来のような溶接部としなくてもブッシュと環状側板との接合強度を確保できるので、ブッシュと環状側板との溶接部に応力集中が発生することを抑制することができる。
[図2]図1のII−II断面図である。
[図3]本発明の第2の実施形態に係るころ軸受用保持器の一部を示す側面図である。
[図4]図3のIV−IV断面図である。
[図5]本発明の第3の実施形態に係るころ軸受用保持器の一部を示す側面図である。
[図6]図5のVI−VI断面図である。
[図7]図6のピンとピン受け孔との嵌合部を示す図である。
[図8]図7に示す溶接部の平面図である。
[図9]左右の環状側板に穿設されたピン受け孔の孔径が同じ孔径である場合のピンの圧入方法の一例を示す図である。
[図10]本発明の第3の実施形態に係るころ軸受用保持器の作用効果を説明するための説明図である。
[図11]図5に示すころ軸受保持器の部分断面図である。
[図12]本発明の第4の実施形態に係るころ軸受用保持器の部分断面図である。
[図13]ピンと環状側板とを溶接ワイヤを使用して溶接した場合の溶接部を示す図である。
[図14]本発明の第5の実施形態に係るころ軸受用保持器の部分断面図である。
[図15]図14に示すピンの側面図である。
[図16]ピンの先端部分を示す図である。
[図17]ピンの後端部分を示す図である。
[図18]ピンの先端部が圧入される側の環状側板の部分断面図である。
[図19]図14の保持器を組立てる場合にピンの圧入方向を説明するための図である。
[図20]本発明の第6の実施形態に係るころ軸受用保持器の部分断面図である。
[図21]本発明の第7の実施形態に係るころ軸受用保持器の部分断面図である。
[図22]図21に示すピンの側面図である。
[図23]ピンの先端部分を示す図である。
[図24]ピンの後端部分を示す図である。
[図25]ピンの先端部が圧入される側の環状側板の部分断面図である。
[図26]図21の保持器を組立てる場合にピンの圧入方向を説明するための図である。
[図27]ピンタイプ保持器の疲労強度試験に使用される試験装置を示す図である。
[図28]ピンタイプ保持器の疲労強度試験結果を示す図である。
[図29]構造用合金鋼の回転曲げ曲線を示す図である。
[図30]本発明の第8の実施形態に係るころ軸受用保持器の部分断面図である。
[図31]図30に示すピンの周面部に高周波焼入れ層を形成する場合の方法を説明するための図である。
[図32]本発明の第9の実施形態に係るころ軸受用保持器の部分断面図である。
[図33]本発明を円筒ころ軸受に適用した場合の一実施形態を示す図である。
[図34]本発明をラジアル自動調心ころ軸受に適用した場合の一実施形態を示す図である。
[図35]本発明をスラスト自動調心ころ軸受に適用した場合の一実施形態を示す図である。
[図36]本発明をスラスト円筒ころ軸受に適用した場合の一実施形態を示す図である。
[図37]本発明をスラスト円錐ころ軸受に適用した場合の一実施形態を示す図である。
[図38]本発明の第10の実施形態に係るころ軸受用保持器の部分断面図である。
[図39]保持器のピンを環状側板のピン受け孔に圧入する工程を説明するための図である。
[図40]環状側板のピン受け孔に圧入されたピンの小径軸部を加締める工程を説明するための図である。
[図41]本発明の第11の実施形態に係るころ軸受用保持器の部分断面図である。
[図42]保持器のピンを環状側板のピン受け孔に圧入する工程を説明するための図である。
[図43]環状側板のピン受け孔に圧入されたピンの端面にタップ穴を形成する工程を説明するための図である。
[図44]本発明の第12の実施形態に係るころ軸受用保持器の部分断面図である。
[図45]第12の実施形態に係るころ軸受用保持器の部分側面図である。
[図46]ピンと環状側板とを溶接するときに使用される溶接トーチの一例を示す図である。
[図47]環状側板のピン受け孔にピンを冷し嵌めする方法を説明するための図である。
[図48]ピンに対して環状側板のピン受け孔を焼き嵌めする方法を説明するための図である。
[図49]従来のピンタイプ保持器の一例を示す図である。
[図50]従来のピンタイプ保持器の他の例を示す図である。
本発明の第1の実施形態に係るころ軸受用保持器は、図1及び図2に示されるように、円筒ころ軸受の転動体1を回転自在に支持する複数本のピン2と、これらのピン2を介して転動体1を図示しない軌道輪の円周方向に等間隔で保持する一対の環状側板3,3とを備えている。
一方、図2中右側の環状側板3には複数のピン受け孔4が環状側板3の円周方向に一定間隔で穿設されており、これらのピン受け孔4には、ねじ部12と反対側のピン2の一端部が5〜40μm程度の締まり嵌めで嵌入されている。
ピン2はSNCM431、S35C、S38C等の鉄鋼材料で形成されており、各ピン2の表層部には、表面硬化層としての浸炭硬化層11(図7参照)が形成されている。また、ピン2の中心部には潤滑剤供給路26(図2参照)が形成されている。この潤滑剤供給路26はピン2の両端面に潤滑剤流入口27を有しており、これらの潤滑剤流入口27から潤滑剤供給路26に流入したグリース等の潤滑剤は、ピン2の外周面中央部に形成された潤滑剤流出口28から流出するようになっている。なお、転動体1の中心部にはピン2を通すためのピン挿通孔1aが形成されている。
本発明の第2の実施形態に係るころ軸受用保持器は、図3及び図4に示されるように、円筒ころ軸受の転動体1を回転自在に支持する複数本のピン2と、これらのピン2を介して転動体1を図示しない軌道輪の円周方向に等間隔で保持する一対の環状側板3,3と、ピン2の一端部に形成された先細り状のテーパ部14と嵌合するテーパ孔を中心部に有する複数のブッシュ8とからなり、図4中右側の環状側板3には、ブッシュ8と嵌合する複数の嵌合孔7が形成されている。これらの嵌合孔7は環状側板3の円周方向に一定間隔で形成されており、ブッシュ8と嵌合孔7との嵌め合いは5μm以上40μm以下の締まり嵌めとなっている。なお、図4中左側の環状側板3には、ピン2の一端部に形成されたテーパ状のねじ部12と螺合する複数のねじ孔5が環状側板3の円周方向に一定間隔で形成されている。
上述のように、環状側板3に形成された嵌合孔7とブッシュ8との嵌め合いを5μm以上40μm以下の締まり嵌めとしたことにより、環状側板3とブッシュ8との溶接部15を図50に示すような溶接部としなくても環状側板3とブッシュ8との接合強度を確保できるので、環状側板3とブッシュ8との溶接部に応力集中が発生することを抑制することができる。
本発明の第3の実施形態に係るころ軸受用保持器は、図5及び図6に示されるように、円筒ころ軸受の転動体1を回転自在に支持する複数本のピン2と、これらのピン2を介して転動体1を図示しない軌道輪の円周方向に等間隔で保持する一対の環状側板3,3とを備えており、各環状側板3には、ピン2の両端部に形成された嵌合部17,18と夫々5μm〜40μmの締まり嵌めにて嵌合する複数のピン受け孔4が穿設されている。これらのピン受け孔4は環状側板3の円周方向に一定間隔で穿設されており、各ピン受け孔4の表面は1.2μmRa以下の粗さに旋削仕上げされている。なお、ピン受け孔4の表面は、ピン2の端部と同様に、研削等の方法で仕上げ加工されていてもよい。
嵌合部17,18は円柱状に形成されており、ピン2の端部を形成する嵌合部17,18の外周面には研削仕上げが施されている。また、嵌合部17,18は環状側板3にそれぞれ溶接されており、環状側板3の外側面には、図8に示すように、嵌合部17,18との溶接部19,20がほぼ一定の溶接幅でリング状に形成されている。
ピン2はSNCM431、S35C、S38C等の鉄鋼材料で形成されており、各ピン2の表層部には、図7に示すように、表面硬化層としての浸炭硬化層11が形成されている。なお、転動体1の中心部にはピン2を通すためのピン挿通孔1aが形成されている。
また、第3の実施形態ではピン2と環状側板3との溶接部19,20をラメ付け溶接(溶接ワイヤを用いずに母材同士を直接溶接する方法)にて形成したが、図13に示すように、溶接ワイヤを使用してピン2と環状側板3との溶接部19,20を形成してもよい。
本発明の第4の実施形態に係るころ軸受用保持器は、図14に示されるように、円錐ころ軸受の転動体1を回転自在に支持する回転自在に支持する複数本のピン2と、これらのピン2を介して転動体1を図示しない軌道輪の円周方向に等間隔で保持する一対の環状側板3,3とを備えており、各環状側板3には、ピン2の両端部に形成された円柱状の嵌合部17,18と夫々5μm〜40μmの締まり嵌めにて嵌合する複数のピン受け孔4が穿設されている。これらのピン受け孔4は環状側板3の円周方向に一定間隔で環状側板3に穿設されており、各ピン受け孔4の表面は1.2μmRa以下の粗さに旋削仕上げされている。
嵌合部17,18は環状側板3にそれぞれ溶接されており、環状側板3の外側面には、嵌合部17,18との溶接部がほぼ一定の溶接幅でリング状に形成されている。
ピン2の先端部(嵌合部17)は軸部2cよりも大径に形成されており、ピン2の先端面には、面取り部22(図16参照)がピン2の周面部に対して30°以下の傾斜角度θ1で形成されている。なお、ピン2の先端部が圧入されるピン受け孔4には、ピン2との摩擦抵抗を低減するために、面取り部23(図18参照)が形成されている。また、ピン2の先端面に形成された面取り部23とピン2の先端部との境界部は、図16に示すように、半径Rの曲率でピン2の軸方向に沿って円弧状に面取り加工され、ピン2の後端部とテーパ部21との境界部は、図17に示すように、半径Rの曲率でピン2の軸方向に沿って円弧状に面取り加工されている。
本発明の第6の実施形態に係るころ軸受用保持器は、図21に示されるように、円筒ころ軸受の転動体1を回転自在に支持する回転自在に支持する複数本のピン2と、これらのピン2を介して転動体1を図示しない軌道輪の円周方向に等間隔で保持する一対の環状側板3,3とを備えており、各環状側板3には、ピン2の両端部に形成された円柱状の嵌合部17,18と夫々5μm〜40μmの締まり嵌めにて嵌合する複数のピン受け孔4が穿設されている。
嵌合部17,18は環状側板3にそれぞれ溶接されており、環状側板3の外側面には、嵌合部17,18との溶接部がほぼ一定の溶接幅でリング状に形成されている。
環状側板3に対するピン2の圧入方向を図26に示す。同図に示されるように、第6の実施形態に係るころ軸受用保持器は環状側板3に形成されたピン受け孔4にピン2を図中矢印方向に圧入して組立てられており、ピン受け孔4に圧入されるピン2の先端面には、面取り部22(図23参照)がピン2の周面部に対して30°以下の傾斜角度θ1で形成されている。
ピン2の先端面に形成された面取り部22とピン2の先端部との境界部は、図23に示すように、半径Rの曲率でピン2の軸方向に沿って円弧状に面取り加工されている。また、ピン2の後端部とテーパ部21との境界部は、図24に示すように、半径Rの曲率でピン2の軸方向に沿って円弧状に面取り加工されている。なお、ピン2の先端部が圧入されるピン受け孔4には、ピン2との摩擦抵抗を低減するために、面取り部23(図25参照)が形成されている。
また、ピン2は例えばSNCM431、S35C、S38C等の鉄鋼材料で形成されており、各ピン2の周面部には表面硬化層としての高周波焼入れ層24が形成されている。この高周波焼入れ層24は、ピン2の全長をL1、嵌合部17,18の軸方向長さをL2、ピン2の軸方向における高周波焼入れ層24の形成領域をL3、環状側板3の板厚をTとすると、L1>L3>L1−2L2、好ましくはL1−2T>L3>L1−2L2の関係を満たすように、ピン2の周面部に形成されている。
本発明の第9の実施形態に係るピンタイプ保持器は、図38に示すように、円筒ころ軸受の転動体1を回転自在に支持する複数本のピン2(図では1本のみ図示)と、これらのピン2を介して転動体1を軌道輪(図示せず)の円周方向に等間隔で保持する一対の環状側板3,3とからなり、各環状側板3には、ピン2の端部と夫々5μm〜40μmの締まり嵌めにて嵌合する複数のピン受け孔4が穿設されている。
転動体1はピン2を通すためのピン挿通孔1aを軸芯部に有しており、このピン挿通孔1aを貫通するピン2の両端には、ピン2の外径より径の小さい小径軸部29がピン2と同軸に形成されている。
本発明の第10の実施形態に係るピンタイプ保持器は、図41に示すように、円筒ころ軸受の転動体1を回転自在に支持する複数本のピン2(図では1本のみ図示)と、これらのピン2を介して転動体1を軌道輪(図示せず)の円周方向に等間隔で保持する一対の環状側板3,3とからなり、各環状側板3には、ピン2の端部と夫々5μm〜40μmの締まり嵌めにて嵌合する複数のピン受け孔4が穿設されている。
このようなピンタイプ保持器を組立てる場合は、先ず、図42に示すように、転動体1の両端面から突出するピン2の両端部を環状側板3に形成されたピン受け孔4に圧入する。次に、図43に示すように、ピン受け孔4に圧入されたピン2の両端面にタップ穴31を形成し、このタップ穴31に固定ねじ30をねじ込んでピン2と環状側板3とを固定した後、ピン2の両端部を環状側板3に溶接接合する。
本発明の第11の実施形態に係るピンタイプ保持器は、図44に示すように、円筒ころ軸受の転動体1を回転自在に支持する複数本のピン2(図では1本のみ図示)と、これらのピン2を介して転動体1を軌道輪(図示せず)の円周方向に等間隔で保持する一対の環状側板3,3とからなり、各環状側板3には、ピン2の端部と夫々5μm〜40μmの締まり嵌めにて嵌合する複数のピン受け孔4が穿設されている。
本発明者らは、ピンと環状側板がスポット溶接(溶接時間:約14分)にて接合されたピンタイプ保持器とピンと環状側板が従来の溶接方法(溶接時間:約30分)で接合されたピンタイプ保持器とを用意した。そして、これらピンタイプ保持器のピンに20Hzの正弦波を与えた状態で引張荷重と圧縮荷重(負荷荷重:1600kg)を繰り返し負荷し、ピン母材が疲労破壊するまでの円錐ころ軸受(外径:650mm、内径:400mm、幅:250mm、転動体数:27個、ピン径:12.6mm、保持器外径:582mm、保持器内径:542mm)の軸受寿命を調査した。その結果を表3に示す。
表3に示す試験結果から明らかなように、ピン2と環状側板3とをスポット溶接にて接合することで、従来と同程度の軸受寿命を得られることがわかる。したがって、ピン2と環状側板3とをスポット溶接にて接合することで、保持器の機械的強度を大幅に低下させることなくピン2と環状側板3との溶接部に応力集中が発生することを防止することができる。
Claims (22)
- ころ軸受の転動体を回転自在に支持する複数本のピンと、該ピンを介して前記転動体を軌道輪の円周方向に等間隔で保持する一対の環状側板とを備え、前記一対の環状側板のうち少なくとも一方の環状側板に前記ピンの端部と嵌合するピン受け孔を形成したころ軸受用保持器において、前記ピンと前記ピン受け孔との嵌め合いを5μm以上の締まり嵌めとしたことを特徴とするころ軸受用保持器。
- 請求の範囲第1項記載のころ軸受用保持器において、前記ピンと前記ピン受け孔との嵌め合いを5μm以上40μm以下の締まり嵌めとしたことを特徴とするころ軸受用保持器。
- 請求の範囲第1項または第2項記載のころ軸受用保持器において、前記ピン受け孔に圧入された前記ピンの端部は前記環状側板に溶接され、前記環状側板は前記ピンと前記環状側板との溶接部を外側面に有し、前記溶接部はほぼ一定の幅でリング状に形成されていることを特徴とするころ軸受用保持器。
- 前記溶接部は前記ピンと前記環状側板とをTIG溶接またはプラズマ溶接して形成されていることを特徴とする請求の範囲第3項記載のころ軸受用保持器。
- 請求の範囲第4項記載のころ軸受用保持器において、前記環状側板の外側面に対する前記溶接部の出っ張り量が0.5mm以内であることを特徴とするころ軸受用保持器。
- 前記ピン受け孔に嵌合する前記ピンの一端部は研削仕上げされていることを特徴とする請求の範囲第1項〜第5項のいずれか一項記載のころ軸受用保持器。
- 前記ピン受け孔は1.2μm以下の表面粗さを有することを特徴とする請求の範囲第1項〜第6項のいずれか一項記載のころ軸受用保持器。
- 前記ピン受け孔は前記一対の環状側板の両方に形成されていることを特徴とする請求の範囲第1項〜第7項のいずれか一項記載のころ軸受用保持器。
- 請求の範囲第8項記載のころ軸受用保持器において、前記ピン受け孔に嵌合する前記ピンの二つの端部のうち一方の端部の外径を他方の端部の外径より小さくしたことを特徴とするころ軸受用保持器。
- 前記ピンは前記転動体の軸芯部に形成された転動体挿通孔を挿通する軸部を有し、前記ピン受け孔に嵌合する前記ピンの二つの端部は前記軸部よりも大径に形成されていることを特徴とする請求の範囲第9項記載のころ軸受用保持器。
- 請求の範囲第9項または第10項記載のころ軸受用保持器において、前記ピンの先端面に面取り部を設けたことを特徴とするころ軸受用保持器。
- 前記面取り部は前記ピンの外周面に対して30度以下の傾斜角度で前記ピンの先端面に
形成されていることを特徴とする請求の範囲第11項記載のころ軸受用保持器。 - 請求の範囲第11項または第12項記載のころ軸受用保持器において、前記ピンの先端部と前記面取り部との境界部は前記ピンの軸方向に沿って円弧状に面取り加工されていることを特徴とするころ軸受用保持器。
- 請求の範囲第10項〜第13項のいずれか一項記載のころ軸受用保持器において、前記ピンの先端部と嵌合するピン受け孔は前記環状側板の内側面に面取り部を有することを特徴とするころ軸受用保持器。
- 請求の範囲第10項〜第14項のいずれか一項記載のころ軸受用保持器において、前記ピンの後端部と前記軸部との間にテーパ部を設けたことを特徴とするころ軸受用保持器。
- 請求の範囲第15項記載のころ軸受用保持器において、前記テーパ部の傾斜角度を前記ピンの外周面に対して30°以下としたことを特徴とするころ軸受用保持器。
- 請求の範囲第15項または第16項記載のころ軸受用保持器において、前記テーパ部と前記軸部との境界部は前記ピンの軸方向に沿って円弧状に面取り加工されていることを特徴とするころ軸受用保持器。
- 前記ピンは前記軸部の表層部に表面硬化層を有することを特徴とする請求の範囲第10項〜第17項のいずれか一項記載のころ軸受用保持器。
- 前記ピンの全長をL1、前記ピンの二つの端部の軸方向長さをL2、前記ピンの軸方向における前記表面硬化層の形成領域をL3としたとき、L1>L3>L1−2L2としたことを特徴とする請求の範囲第18項記載のころ軸受用保持器。
- 前記ピンの軸方向における前記表面硬化層の形成領域をL3、前記環状側板の板厚をTとしたとき、L1−2T>L3>L1−2L2としたことを特徴とする請求の範囲第18項記載のころ軸受用保持器。
- 請求の範囲第18項または第19項記載のころ軸受用保持器において、前記ピンの周面部を高周波焼入れするときに使用される高周波誘導加熱コイルに通電される高周波電流または前記ピンに対する前記高周波誘導加熱コイルの相対移動速度を前記ピンの両端部とそれ以外の部分とに分けて制御することにより、前記表面硬化層が前記ピンの周面部に形成されていることを特徴とするころ軸受用保持器。
- ころ軸受の転動体を回転自在に支持する複数本のピンと、該ピンを介して前記転動体を軌道輪の円周方向に等間隔で保持する一対の環状側板と、前記ピンの一端部に形成されたテーパ部と嵌合するテーパ孔を中心部に有する複数のブッシュとを備え、前記一対の環状側板のうち少なくとも一方の環状側板に前記ブッシュと嵌合する嵌合孔を形成したころ軸受用保持器において、前記ブッシュと前記嵌合孔との嵌め合いを5μm以上の締まり嵌めとしたことを特徴とするころ軸受用保持器。
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