JP2014097516A - 摩擦撹拌接合工具、及び摩擦撹拌接合方法 - Google Patents

摩擦撹拌接合工具、及び摩擦撹拌接合方法 Download PDF

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Abstract

【課題】生産効率が低下せずに且つ製造コストが増大しないで、摩擦撹拌接合された接合部(熱影響部)の表面に対してバニシ加工を行うことができる摩擦撹拌接合工具を提供すること。
【解決手段】摩擦撹拌接合工具1では、上側回転体10及び下側回転体20からピン状の撹拌軸30が突き出ている。上側回転体10,下側回転体20に、スラスト軸受B1,B2を介して上側スライド板40,下側スライド板50を組付ける。上側スライド板40及び下側スライド板50は、摩擦撹拌接合中に上側回転体10及び下側回転体20より遅く回転するように設定する。上側スライド板40及び下側スライド板50に、ショルダ面として機能する下面40X及び上面50Xより外側で、且つ下面40X及び上面50Xより僅かに球面状に突き出ていて、摩擦撹拌接合によって形成される熱影響部HA,HBの上側表面及び下側表面を押圧しながら転動するバニシ加工ボール61を組付ける。
【選択図】 図3

Description

本発明は、被接合部材の接合部を撹拌軸の回転による摩擦熱で撹拌させて接合する摩擦撹拌接合工具、及び摩擦撹拌接合方法に関し、特に、摩擦撹拌接合とバニシ加工とを同時に行うことができる摩擦撹拌接合工具、及び摩擦撹拌接合方法に関する。
近年、鉄道車両や航空機等の外板を接合する際に、摩擦撹拌接合が行われている。この摩擦撹拌接合は、回転体を回転させながら、回転体から突き出る撹拌軸を被接合部材の接合部に押し込み、撹拌軸の回転による摩擦熱で接合部を撹拌(塑性流動)して接合する技術である。この摩擦撹拌接合では、アーク溶接等の溶融溶接とは異なり、固相状態で接合するため、アーク溶接等に比べて入熱量が少なく溶接ひずみを抑えることができる。
しかし、摩擦撹拌接合では、アーク溶接等と同様に、接合部が摩擦熱によって収縮しながら接合するため、接合部及びその近傍(以下、単に「接合部」と呼ぶ)には、引張残留応力が発生する。この引張残留応力は、亀裂が生じている場合にその亀裂を拡大させるため、母材より疲労強度を低下させるものである。更に、摩擦撹拌接合では、軟化した材料が塑性流動するため、接合部の表面が平滑状にならずに粗くなる。このため、従来から、摩擦撹拌接合を行った後、接合部の疲労強度を回復させると共に、表面粗さを改善するために、ショットピーニングやバニシ(バニシング)加工等の表面改質が行われていた。
例えば、下記特許文献1に記載された摩擦撹拌接合では、図9(a)(b)に示すように、摩擦撹拌接合を行った後に、バニシ加工を行うようになっている。即ち、先ず、図9(a)に示すように、重なり合う外板102及びフランジ部103に対して、回転し且つ矢印Fで示した方向に移動する回転体110の撹拌軸130を押し込み、摩擦熱によって軟化した材料を撹拌させて接合部104を接合する。その後、図9(b)に示すように、バニシ工具160のローラ161を接合部104の表面に対して押圧しながら転動させて、圧縮残留応力を付与する。こうして、摩擦撹拌接合によって発生した引張残留応力を圧縮残留応力によって打ち消して、接合部104の疲労強度を回復させると共に、接合部104の表面を平滑状にして表面粗さを改善するようになっている。
特開2007−29981号公報
しかしながら、上記特許文献1では、摩擦撹拌接合を行った後に、別行程でバニシ加工を行うため、バニシ加工を行う時間が追加で必要であり、生産効率が低下するという問題点があった。更に、バニシ加工を行うための専用の装置が必要であるため、製造コストが増大するという問題点もあった。
そこで、本発明は上記した課題を解決するためになされたものであり、生産効率が低下せずに且つ製造コストが増大しないで、摩擦撹拌接合された接合部の表面に対してバニシ加工を行うことができる摩擦撹拌接合工具、及び摩擦撹拌接合方法を提供することを目的とする。
本発明に係る摩擦撹拌接合工具は、軸周りに回転し且つ軸方向と直交する方向に移動する回転体からピン状の撹拌軸が突き出ていて、前記撹拌軸より外側で被接合部材にショルダ面を押し当てた状態で、前記被接合部材の接合部を前記撹拌軸の回転による摩擦熱で撹拌させて接合するものであって、前記回転体に、摩擦撹拌接合中にその回転体より遅く回転する被回転部材を組付けて、前記被回転部材に、前記ショルダ面より外側で且つ前記ショルダ面より僅かに球面状に突き出ていて、摩擦撹拌接合によって形成される熱影響部の表面を押圧しながら転動するバニシ加工部材を組付けたことを特徴とする。ここで、バニシ加工部材は、熱影響部の表面全体を押圧しながら転動できる範囲で、被回転部材に複数個組付けられていると良い。
本発明に係る摩擦撹拌接合工具によれば、摩擦撹拌接合中に、回転体は軸周りに回転しながら軸方向と直交する方向に移動し、被回転部材は回転体より遅く回転する。このとき、被回転部材に組付けられたバニシ加工部材が、熱影響部の表面を押圧しながら転動することで、バニシ加工を行う。こうして、摩擦撹拌接合を行いながら、熱影響部の表面に圧縮残留応力を付与すると共に、熱影響部の表面を平滑状にできる。従って、摩擦撹拌接合とバニシ加工とを同時に(1工程で)行うことができ、バニシ加工を行う時間が不要になると共に、バニシ加工を行うための専用の装置が不要になる。この結果、生産効率が低下することを防止できると共に、製造コストの増大を防止できる。
また、本発明に係る摩擦撹拌接合工具において、前記被回転部材は、前記撹拌軸が貫通した状態で、前記回転体のうち前記被加工部材側の端部にスラスト軸受を介して組付けられていて、前記ショルダ面は、前記被回転部材のうち前記被接合部材の表面に対向する面であることが好ましい。
この場合には、被回転部材が回転体のように軸周りに高速で回転しないため、ショルダ面も高速で回転しない。これにより、ショルダ面に押し当てられる撹拌領域の表面の発熱を抑えることができる。この結果、被接合部材の表面で接合痕が生じることを抑制できて、見た目を向上させることができる。
また、本発明に係る摩擦撹拌接合工具において、前記回転体は、前記被接合部材を上下で挟むように配置された上側回転体と下側回転体であり、前記被回転部材は、前記上側回転体及び前記下側回転体にそれぞれスラスト軸受を介して組付けられた上側被回転部材と下側被回転部材であり、前記上側被回転部材及び前記下側被回転部材は、それぞれ前記バニシ加工部材を組付けていることが好ましい。
この場合には、上側被回転部材及び下側被回転部材にそれぞれ組付けられたバニシ加工部材が、熱影響部の両側の表面を押圧しながら転動することで、バニシ加工を行う。従って、熱影響部の両側の表面に対して、圧縮残留応力を付与できると共に、平滑状にすることができる。
また、本発明に係る摩擦撹拌接合工具において、前記被回転部材は、前記回転体の外周部にベアリングを介して組付けられていて、前記ショルダ面は、前記回転体のうち前記被接合部材の表面に対向する面であっても良い。
この場合には、既存の摩擦撹拌接合工具に対して、回転体にベアリングを介して被回転部材を組付けて、更にバニシ加工部材を組付けることによって構成できるため、比較的容易に実施できる。
また、本発明に係る摩擦撹拌接合工具において、前記回転体は、前記被接合部材を上下で挟むように配置された上側回転体と下側回転体であり、前記被回転部材は、前記上側回転体及び前記下側回転体にそれぞれベアリングを介して組付けられた上側被回転部材と下側被回転部材であり、前記上側被回転部材及び前記下側被回転部材は、それぞれ前記バニシ加工部材を組付けていても良い。
この場合には、上側被回転部材及び下側被回転部材にそれぞれ組付けられたバニシ加工部材が、熱影響部の両側の表面を押圧しながら転動することで、バニシ加工を行う。従って、熱影響部の両側の表面に対して、圧縮残留応力を付与できると共に、平滑状にすることができる。
本発明に係る摩擦撹拌接合方法は、軸周りに回転し且つ軸方向と直交する方向に移動する回転体からピン状の撹拌軸が突き出ていて、前記撹拌軸より外側で被接合部材にショルダ面を押しあてた状態で、前記被接合部材の接合部を前記撹拌軸の回転による摩擦熱で撹拌させて接合する方法であって、摩擦撹拌接合中に、前記回転体に組付けられた被回転部材がその回転体より遅く回転し、前記被回転部材に組付けられたバニシ加工部材が前記ショルダ面より外側で且つ前記ショルダ面より僅かに球面状に突き出ていて、摩擦撹拌接合によって形成された熱影響部の表面を押圧しながら転動することを特徴とする。
本発明に係る摩擦撹拌接合方法によれば、摩擦撹拌接合中に、回転体は軸周りに回転しながら軸方向と直交する方向に移動し、被回転部材は回転体より遅く回転する。このとき、被回転部材に組付けられたバニシ加工部材が、熱影響部の表面を押圧しながら転動することで、バニシ加工を行う。こうして、摩擦撹拌接合を行いながら、熱影響部の表面に圧縮残留応力を付与すると共に、熱影響部の表面を平滑状にできる。従って、摩擦撹拌接合とバニシ加工とを同時に(1工程で)行うことができ、バニシ加工を行う時間が不要になると共に、バニシ加工を行うための専用の装置が不要になる。この結果、生産効率が低下することを防止できると共に、製造コストの増大を防止できる。
また、本発明に係る摩擦撹拌接合方法において、前記被回転部材は、前記撹拌軸が貫通した状態で、前記回転体のうち前記被加工部材側の端部にスラスト軸受を介して組付けられていて、前記ショルダ面は、前記被回転部材のうち前記被接合部材の表面に対向する面であって、摩擦撹拌接合中に撹拌領域の表面の発熱を抑えることが好ましい。
この場合には、被回転部材が回転体のように軸周りに高速で回転しないため、ショルダ面も高速で回転しない。これにより、ショルダ面に押し当てられる撹拌領域の表面の発熱を抑えることができる。この結果、被接合部材の表面で接合痕が生じることを抑制できて、見た目を向上させることができる。
また、本発明に係る摩擦撹拌接合方法において、前記回転体は、前記被接合部材を上下で挟むように配置された上側回転体と下側回転体であり、前記被回転部材は、前記上側回転体及び前記下側回転体にそれぞれスラスト軸受を介して組付けられた上側被回転部材と下側被回転部材であり、前記上側被回転部材及び前記下側被回転部材に組付けられた前記バニシ加工部材が、前記熱影響部の両側の表面を押圧しながら転動することが好ましい。
この場合には、上側被回転部材及び下側被回転部材にそれぞれ組付けられたバニシ加工部材が、熱影響部の両側の表面を押圧しながら転動することで、バニシ加工を行う。従って、熱影響部の両側の表面に対して、圧縮残留応力を付与できると共に、平滑状にすることができる。
本発明の摩擦撹拌接合工具、及び摩擦撹拌方法によれば、生産効率が低下せずに且つ製造コストが増大しないで、摩擦撹拌接合された接合部の表面、具体的に熱影響部の表面に対してバニシ加工を行うことができる。
第1実施形態の摩擦撹拌接合工具と2枚のプレートとの関係を示した図である。 接合部の接合状態を説明するための概略図である。 図1に示した摩擦撹拌接合工具の縦断面図である。 図3のY−Y線から見たときの図である。 各バニシ加工ボールの動きを説明するための概略図である。 第2実施形態の摩擦撹拌接合工具の縦断面図である。 第3実施形態の摩擦撹拌接合工具の縦断面図である。 第4実施形態の摩擦撹拌接合工具の縦断面図である。 従来において、摩擦撹拌接合された接合部に対してバニシ加工を行う工程を示した図である。
<第1実施形態>
本発明に係る摩擦撹拌接合工具、及び摩擦撹拌接合方法の各実施形態について、図面を参照しながら説明する。図1は、第1実施形態の摩擦撹拌接合工具1と被接合部材である2枚のプレート2,3の関係を示した図である。
摩擦撹拌接合工具1は、図1に示すように、接合端面同士が突き合わされたプレート2,3の接合部4を、摩擦撹拌接合によって接合するボビンツール式の工具である。この摩擦撹拌接合工具1は、軸O1周りに回転する上側回転体10及び下側回転体20と、これら上側回転体10及び下側回転体20から突き出ているピン状の撹拌軸30と、上側回転体10の下端部にスラスト軸受B1を介して組付けられている上側スライド板40と、下側回転体20の上端部にスラスト軸受B2を介して組付けられている下側スライド板50とを備えている。
上側回転体10及び下側回転体20は、図示しない回転駆動機構によって、高速で回転可能である。また、上側回転体10及び下側回転体20は、図示しない移動押圧機構によって、図1の上下方向の位置を調整できると共に、軸O1に直交する方向(図1の矢印Fで示した方向)に移動できるようになっている。これら上側回転体10及び下側回転体20ではそれぞれ独立して、図1の上下方向の位置が図示しないコントローラによって制御されると共に、図1の上下方向に作用する荷重が図示しないコントローラによって制御される。撹拌軸30は、上側回転体10及び下側回転体20と同軸的に延びていて、上側回転体10及び下側回転体に一体回転可能に組付けられている。
こうして、上側回転体10及び下側回転体20が、プレート2,3を上下で挟むように配置されて、上側スライド板40の下面40X(図3参照)がプレート2,3の上側表面に押し当てられ、下側スライド板50の上面50X(図3参照)がプレート2,3の下側表面に押し当てられる。そして、回転する撹拌軸30が、プレート2,3の端面同士が突き合わされた接合位置に重ねられ、接合部4に沿って移動して、摩擦撹拌接合が行われる。即ち、回転する撹拌軸30が、図1の矢印Fで示した方向に移動すると、接合部4の材料が摩擦熱によって軟化し、撹拌(塑性流動)して撹拌軸30の進行方向後方に回り込む。そして、材料が撹拌した接合部4では、撹拌軸30が通過した直後に、硬化して接合するようになっている。
ここで、図2は、接合部4の接合状態を説明するための概略図であり、図2(a)は、接合部4の平面図であり、図2(b)は接合部4の断面図である。図2(a)において、撹拌軸30が時計方向に回転しながら矢印Fで示した方向に移動する状態が示されている。また、仮想線で示した円C1は、上側スライド板40の下面40X(図3参照)がプレート2,3の上側表面を押し当てている領域であり、一点鎖線で示した円C2は、摩擦撹拌接合によって接合部4の材料が塑性流動する撹拌領域KAである。
図2(a)の一点鎖線L1で示したように、移動する撹拌軸30の進行方向後方に、撹拌領域KAの範囲内で熱影響部HAが形成される。この熱影響部HAでは、撹拌領域KAであったときに融点には達しない高温下で塑性流動したため、接合に際して変形による大きな応力が作用している。これは、撹拌軸30の進行方向前方(図2(a)の上側)にある材料が、撹拌領域KAの範囲内で進行方向後方に流れる際、撹拌軸30を避けて左右の領域を、撹拌軸30の移動速度よりも速い速度で通り抜けるためである。そして、図2(a)の仮想線L2で示したように、撹拌領域KA及び熱影響部HAの外側でも、摩擦熱による影響を受けた熱影響部HBが形成される。これら熱影響部HA,HBは、摩擦熱によって靭性や硬度等の機械的性質が変化した部分である。なお、現時点で材料が塑性流動している撹拌領域KAは、撹拌軸30が移動した後に、熱影響部HAになる。
これら熱影響部HA,HBでは、摩擦撹拌接合中、接合部4が摩擦熱によって収縮しながら接合するため、表面に引張残留応力が発生する。この引張残留応力は、亀裂が生じている場合にその亀裂を拡大させるため、疲労強度を低下させるものである。更に、摩擦撹拌接合では、軟化した材料が塑性流動するため、熱影響部HA,HBの表面が平滑状にならずに粗くなる。このため、従来から、摩擦撹拌接合を行った後、疲労強度を回復させると共に、表面粗さを改善するために、バニシ加工等の表面改質が行われていた。なお、バニシ加工を行うことで、表面に圧縮残留応力を付与して、引張残留応力を圧縮残留応力で打ち消すと共に、平滑化できる。
しかし、摩擦撹拌接合を行った後に、別行程でバニシ加工等を行うと、バニシ加工を行う時間が追加で必要であり、生産効率が低下する。また、バニシ加工を行うための専用の装置が必要であるため、製造コストも増大する。そこで、本実施形態では、上記した問題点に対処すべく、摩擦撹拌接合工具1が、摩擦撹拌接合とバニシ加工とを同時に行うことができるように、以下のように構成されている。ここで、図3は、図1に示した摩擦撹拌接合工具1の縦断面図である。
図3に示すように、上側スライド板40(上側被回転部材)は、上側回転体10と同軸的な円盤状に形成されていて、中央に撹拌軸30を貫通させる貫通孔40aを有し、下側に円環状の組付孔40bを有し、軸方向に延びて組付孔40bに連通する取付孔40cを有する。同様に、下側スライド板50(下側被回転部材)は、下側回転体20と同軸的な円盤状に形成されていて、中央に撹拌軸30を貫通させる貫通孔50aを有し、上側に円環状の組付孔50bを有し、軸方向に延びて組付孔50bに連通する取付孔50cを有する。
組付孔40b,50bは、保持器60及びバニシ加工ボール61を組付けるため孔である。取付孔40c,50cは、バニシ加工ボール61をプレート2,3の表面に向かって付勢する付勢機構70を取付けるための孔である。この取付孔40c,50cは、上側スライド板40及び下側スライド板50にそれぞれ周方向に等間隔で16個形成されている(図4参照)。
上側スライド板40に組付けられている保持器60、バニシ加工ボール61、付勢機構70の構成と、下側スライド板50に組付けられている保持器60、バニシ加工ボール61、付勢機構70の構成とは、向きが上下逆であること以外は同様であるため、上側スライド板40に組付けられている部材を代表して説明する。ここで、図4は、図3のY−Y線から見たときの図である。
保持器60は、図3及び図4に示すように、バニシ加工ボール61を回転自在に保持する円環状の部材である。バニシ加工ボール61は、球形の剛体であり、押圧しながら転動することでバニシ加工を行うものである。バニシ加工ボール61は、図4に示すように、保持器60に対して周方向に等間隔で16個組付けられている。そして、各バニシ加工ボール61は、上側スライド板40の下面40X及び保持器60の下面から僅かに球面状に突き出ている(図3参照)。
本実施形態において、バニシ加工ボール61が突き出ている寸法は、0.02mmに設定されているが、適宜変更可能である。また、バニシ加工ボール61の個数も適宜変更可能である。このバニシ加工ボール61が、本発明の「バニシ加工部材」に相当するが、バニシ加工部材の構成は、ボールに限定されるものではなく、適宜変更可能であり、例えばスピンドルに組付けられる円筒状のローラであっても良い。
付勢機構70は、図3に示すように、各取付孔40cにそれぞれ設けられていて、各バニシ加工ボール61の押圧力を微調整して所定値に設定できるようになっている。具体的に、付勢機構70は、バニシ加工ボール61を押圧する押圧片71と、付勢力を発生する皿バネ72と、皿バネ72を保持するリテーナ73と、取付孔40cに螺着される調整ネジ74とを備えている。
この付勢機構70では、調整ネジ74の螺着位置を調節することで、皿バネ72の付勢力が押圧片71を介してバニシ加工ボール61に伝達され、各バニシ加工ボール61が所定値の押圧力でプレート2,3の表面を押圧することができる。そして、各バニシ加工ボール61の押圧する位置が上下方向にある程度変位しても、各バニシ加工ボール61の押圧力がほとんど変化しないようになっている。なお、付勢機構70の構成は、上記した構成に限定されるものではなく、適宜変更可能である。
ここで、各バニシ加工ボール61が配置される位置について、図5を参照しながら説明する。図5に示すように、各バニシ加工ボール61は、摩擦撹拌接合中に、撹拌領域KAの外側であって、熱影響部HA,HBの表面を押圧できる位置に配置されている。撹拌領域KAの外側であるのは、撹拌領域KAでは、接合部4の材料が軟化して塑性流動しているため、仮に各バニシ加工ボール61が撹拌領域KAの表面を押圧して転動しても、バニシ加工の効果が得られないためである。
従って、材料が既に硬化し、引張残留応力が発生していて且つ平滑状ではない熱影響部HA,HBの表面に対して、バニシ加工を行うことができるように各バニシ加工ボール61が配置されている。こうして、各バニシ加工ボール61が熱影響部HA,HBの表面に対して押圧しながら転動することで、熱影響部HA,HBに残留圧縮応力を付与することができると共に、熱影響部HA,HBの表面を平滑化できる。なお、熱影響部HA,HBの範囲は、予め実験的に摩擦撹拌接合されたプレート2,3の表面の硬度を測定して、硬度が低下した部分によって特定される。
ところで、本実施形態の摩擦撹拌接合工具1では、上側スライド板40及び下側スライド板50が、高速に軸O1周りに回転する上側回転体10及び下側回転体20より、遅く回転するようになっている。これは、上側スライド板40及び下側スライド板50が、上側回転体10及び下側回転体20にスラスト軸受B1,B2を介して回転自在に組付けられているが、上側回転体10及び下側回転体20の回転力が僅かに伝達されるように、スラスト軸受B1,B2に所定の抵抗力を持たせているためである。このため、上側スライド板40及び下側スライド板50では、上側回転体10及び下側回転体20から伝達される回転力が、転動する各バニシ加工ボール61に作用する抵抗力を超えて作用する。更に、上側スライド板40の下面40X、及び下側スライド板50の上面50Xでは、撹拌領域KAで塑性流動する材料から回転力を受ける。
こうして、本実施形態では、摩擦撹拌接合中に、上側スライド板40及び下側スライド板50が時計方向で軸O1周りに回転する。これにより、図5に示すように、各バニシ加工ボール61が、軸O1周りに回転しつつ、矢印Fで示した方向に移動し且つ転動することになる。この結果、各バニシ加工ボール61全体が広範囲に移動することになり、熱影響部HA,HBの表面全体においてバニシ加工が行われる。なお、上側スライド板40及び下側スライド板50の回転速度は、バニシ加工を効果的に行うことができるように、上側回転体10及び下側回転体20の回転速度より遅い範囲で適宜設定される。
本実施形態の摩擦撹拌接合工具1による摩擦撹拌接合について説明する。図1に示すように、上側スライド板40の下面40X(ショルダ面)がプレート2,3の上側表面に押し当てられ、下側スライド板50の上面50X(ショルダ面)がプレート2,3の下側表面に押し当てられている状態で、軸O1周りに回転する上側回転体10及び下側回転体20が矢印Fで示した方向に移動する。そして、回転する撹拌軸30が接合部4に沿って移動するため、接合部4の材料が摩擦熱によって軟化し、撹拌(塑性流動)する。このとき、上側スライド板40の下面40Xが撹拌領域KAの上側表面を押し付けると共に、下側スライド板50の上面50Xが撹拌領域KAの下側表面を押し付けるため、塑性流動する材料が外側に漏れないようになっている。
特に、本実施形態では、上側スライド板40及び下側スライド板50は、上述したように、スラスト軸受B1,B2によって上側回転体10及び下側回転体20より遅く回転する。即ち、上側スライド板40及び下側スライド板50が、上側回転体10及び下側回転体20のように軸O1周りに高速で回転しないため、ショルダ面としての下面40X及び上面50Xが高速で回転しない。これにより、下面40X及び上面50Xに押し当てられる撹拌領域KAの上側表面及び下側表面で発生する摩擦熱を抑えることができる。この結果、従来に比べて、プレート2,3の上側表面及び下側表面で接合痕が生じることを抑制できて、見た目を向上させることができる。
更に、本実施形態では、摩擦撹拌接合中に、上側スライド板40及び下側スライド板50に組付けられた各バニシ加工ボール61が、図5に示すように、矢印Fで示した方向に移動すると共に、軸O1周りで時計周りに回転する。そして、各バニシ加工ボール61が、熱影響部HA,HBの上側表面及び下側表面を押圧しながら転動する。こうして、摩擦撹拌接合中に、熱影響部HA,HBの上側表面全体及び下側表面全体において、バニシ加工を行うことができる。従って、熱影響部HA,HBでは、摩擦撹拌接合によって発生した引張残留応力を、バニシ加工による圧縮残留応力によって打ち消して、疲労強度を回復させると共に、表面を平滑状にして表面粗さを改善することができる。
そして、本実施形態では、上述したように、摩擦撹拌接合とバニシ加工とを同時に行うが、摩擦撹拌接合とバニシ加工とは相性が良いものである。これは、摩擦撹拌接合がプレート2,3の表面を押圧しながら行い、バニシ加工もプレート2,3の表面を押圧しながら行うため、プレート2,3の表面を押圧するための機構を兼用できるためである。即ち、摩擦撹拌接合を行う装置では、予め上側回転体10及び下側回転体20の上下方向の位置を調整するための移動押圧機構が設けられているため、この移動押圧機構をバニシ加工に適用することができる。
従って、バニシ加工を行うための移動押圧機構を新たに設ける必要がなくて、設備コストを抑えることができる。更に、上側スライド板40及び下側スライド板50は、基本的にスラスト軸受B1,B2に所定の抵抗力を持たせることで軸O1周りに回転するように設定しているため、上側スライド板40及び下側スライド板50を軸O1周りに回転させるための回転駆動機構を新たに設ける必要がなくて、設備コストを抑えることができる。
本実施形態の作用効果について説明する。
本実施形態によれば、図1に示すように、摩擦撹拌接合中に、上側回転体10及び下側回転体20は軸O1周りに回転しながら矢印Fで示した方向に移動し、上側スライド板40及び下側スライド板50は、上側回転体10及び下側回転体20より遅く回転する。このとき、上側スライド板40及び下側スライド板50に組付けられたバニシ加工ボール61が、熱影響部HA,HBの上側表面及び下側表面を押圧しながら転動することで、バニシ加工を行う。
こうして、摩擦撹拌接合を行いながら、熱影響部HA,HBの上側表面全体及び下側表面全体に圧縮残留応力を付与すると共に、平滑状にできる。従って、摩擦撹拌接合とバニシ加工とを同時に(1工程で)行うことができ、バニシ加工を行う時間が不要になると共に、バニシ加工を行うための専用の装置(移動押圧機構、回転駆動機構)が不要になる。この結果、生産効率が低下することを防止できると共に、製造コストの増大を防止できる。
<第2実施形態>
第2実施形態について、図6を用いて説明する。図3に示すように、第1実施形態の摩擦撹拌接合工具1は、ボビンツール式の工具であるが、図6に示すように、第2実施形態の摩擦撹拌接合工具1Aは、ピン式の工具である。即ち、摩擦撹拌接合工具1Aは、回転体として上側回転体10のみを備え、被回転部材として上側スライド板40のみを備える。このため、摩擦撹拌接合工具1Aは、第1実施形態の下側回転体20及び下側スライド板50を備えていないこと以外、第1実施形態の摩擦撹拌接合工具1と同様であるため、詳細な説明は省略する。
第2実施形態によれば、摩擦撹拌接合中に、上側スライド板40に組付けられたバニシ加工ボール61が、熱影響部HA,HBの上側表面を押圧しながら転動することで、バニシ加工を行う。こうして、摩擦撹拌接合を行いながら、熱影響部HA,HBの上側表面全体に圧縮残留応力を付与すると共に、平滑状にできる。第2実施形態のその他の作用効果は、第1実施形態の作用効果と同様であるため、その説明を省略する。
<第3実施形態>
第3実施形態について、図7を用いて説明する。図7に示すように、第3実施形態の摩擦撹拌接合工具1Bでは、上側スライド板80が上側回転体10の外周部にベアリングB3,B3を介して組付けられていて、下側スライド板90が下側回転体20の外周部にベアリングB4,B4を介して組付けられている。このベアリングB3,B4は、ニードルベアリングであるが、ベアリングの種類は適宜変更可能であり、例えばボールベアリングであっても良い。
上側スライド板80(上側被回転部材)は、上側回転体10と同軸的な円環状に形成されていて、下側に円環状の組付孔80bを有し、軸方向に延びて組付孔80bに連通する取付孔80cを有する。同様に、下側スライド板90(下側被回転部材)は、下側回転体20と同軸的な円環状に形成されていて、上側に円環状の組付孔90bを有し、軸方向に延びて組付孔90bに連通する取付孔90cを有する。
組付孔80b,90bは、保持器60及びバニシ加工ボール61を組付けるため孔である。取付孔80c,90cは、付勢機構70を取付けるための孔である。上側スライド板80及び下側スライド板90に組付けられる保持器60、バニシ加工ボール61、付勢機構70の構成は、第1実施形態の上側スライド板40及び下側スライド板50に組付けられる保持器60、バニシ加工ボール61、付勢機構70の構成と同様であるため、その説明を省略する。また、各バニシ加工ボール61の配置も、第1実施形態と同様であるため、その説明を省略する。
そして、第3実施形態の摩擦撹拌接合工具1Bにおいても、上側回転体10及び下側回転体20の回転力が僅かに上側スライド板80及び下側スライド板90に伝達されるように、ベアリングB3,B4に所定の抵抗力を持たせている。これにより、上側スライド板80及び下側スライド板90は、ベアリングB3、B4に設定される所定の抵抗力によって、高速に回転する上側回転体10及び下側回転体20より、遅く回転する。このため、摩擦撹拌接合中に、上側スライド板80及び下側スライド板90に組付けられた各バニシ加工ボール61が、軸O1周りに回転しつつ、矢印Fで示した方向に移動する(図5参照)。従って、各バニシ加工ボール61が、熱影響部HA,HBの上側表面及び下側表面を押圧しながら転動して、熱影響部HA,HBの上側表面全体及び下側表面全体に対して、バニシ加工を行うことができる。
また、第3実施形態の摩擦撹拌接合工具1Bでは、摩擦撹拌接合中に、図7に示すように、上側回転体10の下面10Xが撹拌領域KAの上側表面を押し付けると共に、下側回転体20の上面20Xが撹拌領域KAの下側表面を押し付けることになる。即ち、従来の摩擦撹拌接合工具と同様、上側回転体10の下面10Xと下側回転体20の上面20Xとがショルダ面として機能する。
このように、摩擦撹拌接合工具1Bでは、既存の摩擦撹拌接合工具の構成がそのまま利用されていて、上側回転体10及び下側回転体20の外側に新たな部材が組付けられているだけである。従って、既存の摩擦撹拌接合工具に対して、上側回転体10及び下側回転体20にベアリングB3,B4を介して上側スライド板80及び下側スライド板90を組付けて、更にバニシ加工ボール61を組付けることによって構成できるため、比較的容易に実施できる。第3実施形態のその他の作用効果は、第1実施形態の作用効果と同様であるため、その説明を省略する。
<第4実施形態>
第4実施形態について、図8を用いて説明する。図7に示すように、第3実施形態の摩擦撹拌接合工具1Bは、ボビンツール式の工具であるが、図8に示すように、第4実施形態の摩擦撹拌接合工具1Cは、ピン式の工具である。即ち、摩擦撹拌接合工具1Cは、回転体として上側回転体10のみを備え、被回転部材として上側スライド板80のみを備えている。このため、摩擦撹拌接合工具1Cは、第3実施形態の下側回転体20及び下側スライド板90を備えていないこと以外、第3実施形態の摩擦撹拌接合工具1Bと同様であるため、詳細な説明は省略する。
第4実施形態によれば、摩擦撹拌接合中に、上側スライド板80に組付けられたバニシ加工ボール61が、熱影響部HA,HBの上側表面を押圧しながら転動することで、バニシ加工を行う。こうして、摩擦撹拌接合を行いながら、熱影響部HA,HBの上側表面全体に圧縮残留応力を付与することができると共に、平滑状にできる。第4実施形態のその他の作用効果は、第3実施形態の作用効果と同様であるため、その説明を省略する。
以上、本発明に係る摩擦撹拌接合工具、及び摩擦撹拌接合方法の各実施形態について説明したが、本発明はこれに限定されることはなく、その趣旨を逸脱しない範囲で様々な変更が可能である。
例えば、第2実施形態では、上側回転体10及び上側スライド板40を備える摩擦撹拌接合工具1Aであったが、下側回転体20及び下側スライド板50を備える摩擦撹拌接合工具であっても良い。
また、第4実施形態では、上側回転体10及び上側スライド板80を備える摩擦撹拌接合工具1Cであったが、下側回転体20及び下側スライド板50を備える摩擦撹拌接合工具であっても良い。
また、各実施形態においては、接合端面同士が突き合わされたプレート2,3の接合部4を摩擦撹拌接合したが、重ね合わされたプレートの接合部を摩擦撹拌接合しても良い。
1,1A,1B,1C 摩擦撹拌接合工具
2,3 プレート
4 接合部
10 上側回転体
10X 下面(ショルダ面)
20 下側回転体
20X 上面(ショルダ面)
30 撹拌軸
40 上側スライド板
40X 下面(ショルダ面)
50 下側スライド板
50X 上面(ショルダ面)
60 ホルダ
61 バニシ加工ボール
70 付勢機構
71 押圧片
72 皿バネ
73 リテーナ
74 調整ネジ
80 上側スライド板
90 下側スライド板
B1,B2 スラスト軸受
B3,B4 ベアリング

Claims (8)

  1. 軸周りに回転し且つ軸方向と直交する方向に移動する回転体からピン状の撹拌軸が突き出ていて、前記撹拌軸より外側で被接合部材にショルダ面を押し当てた状態で、前記被接合部材の接合部を前記撹拌軸の回転による摩擦熱で撹拌させて接合する摩擦撹拌接合工具において、
    前記回転体に、摩擦撹拌接合中にその回転体より遅く回転する被回転部材を組付けて、
    前記被回転部材に、前記ショルダ面より外側で且つ前記ショルダ面より僅かに球面状に突き出ていて、摩擦撹拌接合によって形成される熱影響部の表面を押圧しながら転動するバニシ加工部材を組付けたことを特徴とする摩擦撹拌接合工具。
  2. 請求項1に記載された摩擦撹拌接合工具において、
    前記被回転部材は、前記撹拌軸が貫通した状態で、前記回転体のうち前記被加工部材側の端部にスラスト軸受を介して組付けられていて、
    前記ショルダ面は、前記被回転部材のうち前記被接合部材の表面に対向する面であることを特徴とする摩擦撹拌接合工具。
  3. 請求項2に記載された摩擦撹拌接合工具において、
    前記回転体は、前記被接合部材を上下で挟むように配置された上側回転体と下側回転体であり、
    前記被回転部材は、前記上側回転体及び前記下側回転体にそれぞれスラスト軸受を介して組付けられた上側被回転部材と下側被回転部材であり、
    前記上側被回転部材及び前記下側被回転部材は、それぞれ前記バニシ加工部材を組付けていることを特徴とする摩擦撹拌接合工具。
  4. 請求項1に記載された摩擦撹拌接合工具において、
    前記被回転部材は、前記回転体の外周部にベアリングを介して組付けられていて、
    前記ショルダ面は、前記回転体のうち前記被接合部材の表面に対向する面であることを特徴とする摩擦撹拌接合工具。
  5. 請求項4に記載された摩擦撹拌接合工具において、
    前記回転体は、前記被接合部材を上下で挟むように配置された上側回転体と下側回転体であり、
    前記被回転部材は、前記上側回転体及び前記下側回転体にそれぞれベアリングを介して組付けられた上側被回転部材と下側被回転部材であり、
    前記上側被回転部材及び前記下側被回転部材は、それぞれ前記バニシ加工部材を組付けていることを特徴とする摩擦撹拌接合工具。
  6. 軸周りに回転し且つ軸方向と直交する方向に移動する回転体からピン状の撹拌軸が突き出ていて、前記撹拌軸より外側で被接合部材にショルダ面を押しあてた状態で、前記被接合部材の接合部を前記撹拌軸の回転による摩擦熱で撹拌させて接合する摩擦撹拌接合方法において、
    摩擦撹拌接合中に、
    前記回転体に組付けられた被回転部材がその回転体より遅く回転し、
    前記被回転部材に組付けられたバニシ加工部材が前記ショルダ面より外側で且つ前記ショルダ面より僅かに球面状に突き出ていて、摩擦撹拌接合によって形成された熱影響部の表面を押圧しながら転動することを特徴とする摩擦撹拌接合方法。
  7. 請求項6に記載された摩擦撹拌接合方法において、
    前記被回転部材は、前記撹拌軸が貫通した状態で、前記回転体のうち前記被加工部材側の端部にスラスト軸受を介して組付けられていて、
    前記ショルダ面は、前記被回転部材のうち前記被接合部材の表面に対向する面であって、摩擦撹拌接合中に撹拌領域の表面の発熱を抑えることを特徴とする摩擦撹拌接合方法。
  8. 請求項7に記載された摩擦撹拌接合方法において、
    前記回転体は、前記被接合部材を上下で挟むように配置された上側回転体と下側回転体であり、
    前記被回転部材は、前記上側回転体及び前記下側回転体にそれぞれスラスト軸受を介して組付けられた上側被回転部材と下側被回転部材であり、
    前記上側被回転部材及び前記下側被回転部材に組付けられた前記バニシ加工部材が、前記熱影響部の両側の表面を押圧しながら転動することを特徴とする摩擦撹拌接合方法。
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