JP6222177B2 - 転がり軸受ユニットの製造方法、車両の製造方法 - Google Patents

転がり軸受ユニットの製造方法、車両の製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、例えば、等速ジョイントと組み合わせる事で、車輪駆動用軸受ユニットを構成する車輪支持用転がり軸受ユニットとして使用される、転がり軸受ユニットの製造方法に関する。
図9は、本発明の対象となる転がり軸受ユニットの1種である、車輪支持用転がり軸受ユニットを組み込んだ車輪駆動用軸受ユニットの従来構造の1例として、特許文献1に記載されたものを示している。この図9に示した車輪駆動用軸受ユニットは、車輪支持用転がり軸受ユニット1と、等速ジョイント用外輪2とを組み合わせて成る。このうちの車輪支持用転がり軸受ユニット1は、外輪3と、ハブ4と、複数個の転動体(図示の例では玉)5、5とを備える。
このうちの外輪3は、外周面に静止側フランジ6を、内周面に複列の外輪軌道7a、7bを、それぞれ有する。又、前記ハブ4は、ハブ本体8と内輪9とを組み合わせて成る。このうちのハブ本体8は、外周面の軸方向片端寄り部分に回転側フランジ10を、同じく軸方向中間部に軸方向片側の内輪軌道11aを、同じく軸方向他端部に小径段部12を、中心部に中心孔13を、それぞれ有する。尚、本明細書で、軸方向に関して「片側」とは、自動車への組み付け状態で車両の幅方向外側を言い、図9の左側、図1〜4、6の下側を言い、反対に、自動車への組み付け状態で車両の中央側となる、図9の右側、図1〜4、6の上側を、軸方向に関して「他側」と言う。前記中心孔13の軸方向片端部には、結合部材であるボルト15の杆部16を所定の案内隙間を介して挿通可能な小径部14が存在する。又、前記内輪9は、外周面に軸方向他側の内輪軌道11bを有するもので、前記ハブ本体8の小径段部12に締り嵌めで外嵌されている。又、前記各転動体5、5は、前記両外輪軌道7a、7bと前記両内輪軌道11a、11bとの間に、両列毎に複数個ずつ転動自在に設けられている。又、この状態で、前記ハブ本体8の軸方向他端部に設けた円筒部19のうち、前記内輪9の軸方向他端開口から突出した部分を径方向外方に塑性変形させる事によりかしめ部20を形成している。そして、このかしめ部20により前記内輪9の軸方向他端面を抑え付ける事で、前記各転動体5、5に適正な予圧を付与している。又、前記かしめ部20の軸方向他端面には、円周方向に関する凹凸部であるハブ側フェイススプライン21を、全周に亙り形成している。尚、図示の例の場合、このハブ側フェイススプライン21の歯先面を、前記ハブ本体8の中心軸に対して直角な平面としている。
又、前記等速ジョイント用外輪2は、カップ状のマウス部22と、このマウス部22の底部である端壁部23と、この端壁部23の中心部から軸方向片方に延出する円筒状の軸部24とを有すると共に、この軸部24の中心孔がねじ孔25である。又、前記端壁部23の軸方向片端面の外周寄り部分には、円周方向に関する凹凸部であるジョイント側フェイススプライン26を、全周に亙り形成している。尚、図示の例の場合、このジョイント側フェイススプライン26の歯先面を、前記等速ジョイント用外輪2の中心軸に対して直角な平面としている。又、前記ジョイント側フェイススプライン26の歯数を、前記ハブ側フェイススプライン21の歯数と同じとしている。
そして、前記ハブ本体8と前記等速ジョイント用外輪2との中心軸同士を一致させた状態で、前記ハブ側、ジョイント側両フェイススプライン21、26同士を噛み合わせる事により、前記ハブ本体8と前記等速ジョイント用外輪2との間での回転力の伝達を可能としている。又、この状態で、前記ハブ本体8の中心孔13の小径部14に、軸方向片側からボルト15の杆部16を挿通すると共に、この杆部16の先端部に設けた雄ねじ部17を前記ねじ孔25に螺合し、更に締め付けている。これにより、前記ボルト15の頭部18と前記等速ジョイント用外輪2との間に前記ハブ本体8を挟持した状態で、これらハブ本体8と等速ジョイント用外輪2とを結合固定している。
上述の様に構成する車輪駆動用軸受ユニットを車両に組み付ける際には、前記外輪3の静止側フランジ6を懸架装置に結合固定すると共に、前記ハブ本体8の回転側フランジ10に車輪(駆動輪)及びディスク等の制動用回転部材を支持固定する。又、エンジンによりトランスミッションを介して回転駆動される、図示しない駆動軸の先端部を、前記等速ジョイント用外輪2の内側に設けた等速ジョイント用内輪27の内側にスプライン係合させる。自動車の走行時には、この等速ジョイント用内輪27の回転を、複数のボール28を介して、前記等速ジョイント用外輪2及びハブ本体8に伝達し、前記車輪を回転駆動する。
上述の様に構成する車輪駆動用軸受ユニットを構成する車輪支持用転がり軸受ユニット1を組み立てる際には、先ず、前記ハブ本体8の周囲に前記外輪3を配置すると共に、前記両外輪軌道7a、7bのうち、軸方向片側の外輪軌道7aと、前記軸方向片側の内輪軌道11aとの間に前記各転動体5、5を、軸方向片側の保持器29aにより保持した状態で設ける。次に、前記内輪9の外周面に形成した軸方向他側の内輪軌道11bの周囲に前記各転動体5、5を、軸方向他側の保持器29bにより保持した状態で設置し、この状態で前記内輪9を、前記ハブ本体8の軸方向他端部に形成した小径段部12に締り嵌めで外嵌する。そして、この外嵌作業に伴い、前記軸方向他側の保持器29bにより保持した(軸方向他側列の)前記各転動体5、5の転動面を、前記外輪3の軸方向他端寄り部分の内周面に形成した軸方向他側の外輪軌道7bに当接させる。次いで、前記ハブ本体8の軸方向他端部に形成した円筒部19を径方向外方に塑性変形させ、前記かしめ部20を形成する。そして、このかしめ部20により前記内輪9の軸方向他端面を軸方向に抑え付ける事で、この内輪9を前記ハブ本体8に固定する。
更に、図10に示す様に、前記かしめ部20の軸方向他端面に、前記ハブ本体8の中心軸(前記車輪支持用転がり軸受ユニット1の中心軸)αに対し所定角度θだけ傾斜した中心軸βを有するロール30を用いて揺動鍛造を施す事により、前記ハブ側フェイススプライン21を形成する。尚、前記図10は、前記車輪支持用転がり軸受ユニット1を構成する各部材のうち、ハブ本体8以外の部材(外輪3、転動体5、5及び内輪9等)を省略して示している。前記ロール30の先端面(図10の下端面)は、凸部(加工歯)33、33と凹部34(図12参照)とを全周に亙って交互に配置して成る加工面31としている。この様なロール30の加工面31を前記かしめ部20の軸方向他端面に押し付けた状態で、このロール30を、前記ハブ本体8の中心軸αを中心として回転させる。ここで、このロール30は、自身の中心軸βを中心として回転可能に支持されている。従って、前記かしめ部20の軸方向他端面に前記ハブ側フェイススプライン21(となるべき円周方向に関する凹凸部)が形成される以前の状態では、前記ロール30を、前記ハブ本体8の中心軸αを中心として回転させると、前記加工面31に設けた凸部33、33の先端面と前記かしめ部20の軸方向他端面との摩擦係合に基づいて、前記ロール30が自身の中心軸βを中心として回転(自転)する。一方、前記ハブ側フェイススプライン21がある程度形成された(このハブ側フェイススプライン21の歯丈がある程度大きくなった)後は、前記ロール30を、前記ハブ本体8の中心軸αを中心として回転させると、前記加工面31を構成する凹部34及び凸部33、33と前記ハブ側フェイススプライン21との係合(噛合)に基づいて、前記ロール30が自転する。この様な構成により、前記かしめ部20の軸方向他端面を塑性変形させる事により、このかしめ部20の軸方向他端面に前記ハブ側フェイススプライン21を形成し、更に、このハブ側フェイススプライン21の歯丈を大きくして、加工を完了する。
上述の様な車輪支持用転がり軸受ユニット1の製造方法は、この車輪支持用転がり軸受ユニット1の耐久性を確保しつつ、製造コストを抑える面からは改良の余地がある。即ち、前記ハブ側フェイススプライン21を形成する作業(揺動鍛造)は、前記ロール30の加工面31を前記かしめ部20の軸方向他端面に大きな力(押圧力)Fで押し付けた状態で、前記ロール30を、前記ハブ本体8の中心軸αを中心に回転させる事により行う。この様な揺動鍛造の際に、このハブ本体8の中心軸αに対する前記ロール30の中心軸βの傾斜角度θが小さいと、このロール30の加工面31と、前記かしめ部20の軸方向他端面との当接面積、即ち、この加工面31を構成する凸部33、33の先端面と、前記かしめ部20の軸方向他端面の当接面積が大きくなる。この結果、前記各凸部33、33の先端面から前記かしめ部20の軸方向他端面(のうち、前記ハブ側フェイススプライン21の歯底となるべき部分)に加わる荷重(前記各凸部33、33の先端面と前記かしめ部20の軸方向他端面との当接面圧)が小さくなる。従って、前記傾斜角度θが小さい場合には、前記押圧力Fを大きくして、前記各凸部33、33の先端面から前記かしめ部20の軸方向他端面に加わる荷重を確保する必要がある。図11は、この傾斜角度θと、前記押圧力Fの最大値との関係を示している。この様な図11から明らかな様に、この傾斜角度θが5度である場合には、この傾斜角度θが15度である場合の2倍程度の押圧力Fが必要となる。この押圧力Fを大きくすると、前記揺動鍛造に用いる加工装置が大型化し、これによって製造コストが増大する。
一方、前記傾斜角度θが大きいと、前記ハブ側フェイススプライン21を構成する歯32の歯面(歯の側面)の断面形状の真直度が低下する。即ち、上述の様な従来の車輪支持用転がり軸受ユニット1の製造方法の場合には、前記ロール30の加工面31を構成する複数の凹部34のうち、1個の凹部34の中央位置(このロール30の円周方向に関する中央位置)を前記かしめ部20の軸方向他端面に押し付けた状態(前記1個の凹部34の中央位置を通り、前記ロール30の中心軸βと平行な仮想線γが、前記ハブ本体8の中心軸αとこの中心軸βとを含む仮想平面内に存在する状態)で、前記1個の凹部34により成形される歯32の歯面(当該歯32となるべき凸部の円周方向側面)が、図12の(C)に示す様に、この歯32の歯面と当接する、前記1個の凹部34の内側面(前記ロール30の円周方向に関する側面)と平行になる。この状態から、前記中心軸αを中心として前記ロール30を回転(公転)させると、前記1個の凹部34の内側面が、この1個の凹部34により成形される歯32の歯面(当該歯32となるべき凸部の円周方向側面)に対し傾斜する。この歯32の歯面に対するこの1個の凹部34の円周方向側面の傾斜角度は、前記ロール30の加工面31を構成する複数の凸部33、33のうち、1個の凸部33の中央位置を前記かしめ部20の軸方向他端面に押し付けた状態{図12の(B)又は(D)に示す状態}で最も大きくなる。前記歯32の歯面に対する前記凹部34の内側面の傾斜角度は、前記ハブ本体8の中心軸αに対する前記ロール30の中心軸βの傾斜角度θが大きくなる程大きくなる。そして、前記歯32の歯面に対する前記凹部34の内側面の傾斜角度が大きくなると、前記1個の凹部34の円周方向側面と前記歯32の歯面とが局所的に当接して、この歯32の歯面が局所的に塑性変形させられる。この結果、図13の(B)の鎖線δで囲んだ部分の様に、この歯32の歯面の断面形状の曲率半径が小さくなったり、同じく鎖線εで囲んだ部分の様に、段部35が形成され、前記歯32の歯面の断面形状の真直度が低下する。この真直度が低下すると、前記ハブ側フェイススプライン21と、等速ジョイント用外輪2に形成したジョイント側フェイススプライン26(図9参照)とを噛合させた状態で、前記ハブ側フェイススプライン21を構成する歯32と、前記ジョイント側フェイススプライン26を構成する歯との歯面同士の当接面積が小さくなって、前記ハブ側フェイススプライン21と前記ジョイント側フェイススプライン26との噛合部、延いては、車輪支持用転がり軸受ユニット1全体の耐久性を確保し難くなる可能性がある。
特開2009−292422号公報
本発明は、上述の様な事情に鑑みて、転がり軸受ユニットの耐久性を確保しつつ、製造コストを抑える事ができる、転がり軸受ユニットの製造方法を実現すべく発明したものである。
本発明の製造方法の対象となる転がり軸受ユニットは、ハブ本体と、内輪とを備える。
このうちのハブ本体は、軸方向中間部外周面に軸方向片側の内輪軌道を有する。
又、前記内輪は、外周面に軸方向他側の内輪軌道を有し、このハブ本体の軸方向他端寄り部分に外嵌している。
そして、前記ハブ本体の軸方向他端部に設けた円筒部を径方向外方に塑性変形させる事で形成したかしめ部により、前記内輪の軸方向他端面を抑え付けてこの内輪を前記ハブ本体に支持固定している。又、前記かしめ部の軸方向他端面に、円周方向に関する凹凸部であるハブ側フェイススプラインを形成している。
上述の様な本発明の製造方法の対象となる転がり軸受ユニットは、より具体的には、内周面に複列の外輪軌道を有する外輪と、これら両外輪軌道と前記両内輪軌道との間に、それぞれ複数個ずつ転動自在に設けられた転動体とを更に備える。
又、本発明の転がり軸受ユニットの製造方法は、円周方向に複数に分割された、それぞれが軸方向の変位を可能に、且つ、周方向の変位を阻止された複数のパンチ素子を組み合わせて成り、軸方向片端面に、前記ハブ側フェイススプラインの歯数と同数の加工歯を形成した成形パンチの軸方向片端面を、前記かしめ部の軸方向他端面に対向させる。この状態で、この成形パンチの軸方向他端面を、前記ハブ本体の中心軸に対し傾斜した中心軸を有するロールの、円すい状或いは円すい台状の押圧面により押圧しつつ、このロールを、このハブ本体の中心軸を中心として回転させる。この様な工程により、前記かしめ部の軸方向他端面に前記ハブ側フェイススプラインを形成する。
上述の様な本発明の転がり軸受ユニットの製造方法を実施する場合に好ましくは、請求項2に記載した発明の様に、前記ハブ本体の中心軸に対する前記ロールの中心軸の傾斜角度を15度以上とする。この場合に好ましくは、この傾斜角度を30度以下とする。
又、上述の様な本発明の転がり軸受ユニットの製造方法を実施する場合に好ましくは、請求項3に記載した発明の様に、前記成形パンチを、前記各加工歯の歯数と同数に分割された前記各パンチ素子から成るものとする。具体的には、これら各パンチ素子を、前記各加工歯毎に分割{隣り合う加工歯同士の間に存在する歯底の中央位置(前記成形パンチの円周方向に関する中央位置)で分割}されたものとするか、或いは、前記各加工歯の歯先の中央位置で分割されたものとする。
この様な請求項3に記載した発明を実施する場合に好ましくは、請求項4に記載した発明の様に、前記各パンチ素子のうちの1個のパンチ素子の軸方向他端面の円周方向両側縁のうち、前記ハブ本体の中心軸を中心とする前記ロールの回転方向後側縁を、このロールの押圧面により押圧した状態で、前記1個のパンチ素子の、前記ハブ本体の中心軸を中心とする前記ロールの回転方向前側隣りに存在するパンチ素子の軸方向他端面の円周方向両側縁のうち、前記ハブ本体の中心軸を中心とする前記ロールの回転方向後側縁(前記1個のパンチ素子側の側縁)を、前記ロールの押圧面により押圧しない様にする。換言すれば、前記1個のパンチ素子の円周方向両側面のうち、前記ハブ本体の中心軸を中心とする前記ロールの回転方向後側面と、このハブ本体の中心軸及び前記ロールの中心軸を含む仮想平面とが同一平面上に存在する状態で、前記1個のパンチ素子の、前記ハブ本体の中心軸を中心とする前記ロールの回転方向前側隣りに存在するパンチ素子の軸方向他端面の円周方向両側縁のうち、この1個のパンチ素子側の側縁と、前記ロールの押圧面とが接触乃至近接対向するにとどまる(前記ロールの回転方向前側隣りに存在するパンチ素子の軸方向他端面を強く押圧する事がない)様に、このロールの押圧面による押圧量(前記ハブ本体の軸方向に関する押圧量)を調節する。
上述の様な本発明の転がり軸受ユニットの製造方法を実施する場合に好ましくは、請求項5に記載した発明の様に、前記かしめ部の軸方向他端面に形成された前記ハブ側フェイススプラインを構成する歯の歯丈が所望の大きさになった状態で、前記各パンチ素子の一部を、これら各パンチ素子を保持する部分に設けられた段差面部に突き当てる事により、これら各パンチ素子がそれ以上軸方向他方に変位する事を阻止する。
上述の様に構成する本発明の転がり軸受ユニットの製造方法によれば、転がり軸受ユニットの耐久性を確保しつつ、製造コストを抑える事ができる。
即ち、本発明の場合、成形パンチの軸方向片端面をかしめ部の軸方向他端面に対向させた状態で、この成形パンチの軸方向他端面を、ハブ本体の中心軸に対し傾斜した中心軸を有するロールの押圧面により押圧しつつ、このロールを、前記ハブ本体の中心軸を中心として回転させる。これにより、前記成形パンチの軸方向片端面に形成された加工歯を前記かしめ部の軸方向他端面に押し付けて、このかしめ部の軸方向他端面に前記ハブ側フェイススプラインを形成する。ここで、本発明の場合には、前記成形パンチを構成する複数のパンチ素子は、軸方向の変位を可能に、且つ、周方向の変位を阻止されている。従って、本発明の場合、前記ハブ側フェイススプラインを形成する加工の際に、前記各加工歯が、このハブ側フェイススプラインを構成する歯の歯面に対し傾斜する事を防止でき、このハブ側フェイススプラインを構成する歯の歯面が局所的に塑性変形させられる様な前記ロールの加工面と前記かしめ部の軸方向端面との局所的な当接の発生を防止できる。従って、これら各歯の真直度を良好にでき、転がり軸受ユニットの耐久性を十分に確保する事ができる。又、前記ロールの押圧面を軸方向他方に向け押圧する力が徒に大きくなるのを抑え、前記ハブ側フェイススプラインを形成する為の加工に用いる加工装置の大型化を防止でき、製造コストの増大を抑えられる。
本発明の実施の形態の1例の製造方法を実施可能な揺動プレス装置の1例を、ハブ側フェイススプラインを形成する為の加工を開始する以前の状態で示す断面図。 同じく加工中の状態で示す断面図。 同じく加工完了の状態で示す断面図。 図2のa部拡大図(A)と、図3のb部拡大図(B)。 1個のパンチ素子を取り出して示す斜視図(A)と、(A)の上方から見た平面図(B)と、(B)のc−c断面図(C)。 ロールと成形パンチとを取り出して示す側面図(A)と、(A)のd部拡大図(B)。 ロールの押圧面と成形パンチの軸方向他端面との当接部の断面を模式的に示す図(A)と、(A)の左方から見た状態を示す図(B)。 パンチ素子の別例を示す、図5と同様の図。 本発明の対象となる転がり軸受の1種である車輪支持用軸受ユニットを組み込んだ、車輪駆動用軸受ユニットの従来構造の1例を示す断面図。 従来の車輪駆動用軸受ユニットの製造方法の1例を示す断面図。 ハブ本体の中心軸に対するロールの中心軸の傾斜角度と、押圧力Fの最大値との関係を示す線図。 揺動鍛造によりハブ側フェイススプラインを形成する状態を示す模式図。 揺動鍛造により形成されるフェイススプライン歯を示す、ハブ本体の中心軸に対するロールの中心軸の傾斜角度を5度した場合の模式図(A)と、同じく傾斜角度を15度とした場合の模式図(B)。
本発明の実施の形態の1例について、図1〜7を参照しつつ説明する。尚、本例を含めて本発明の特徴は、車輪支持用転がり軸受ユニット1の耐久性を確保しつつ、製造コストを抑える為に、転がり軸受ユニットを構成するハブ本体のかしめ部の軸方向他端面に、ハブ側フェイススプラインを形成する方法を工夫した点にある。金属材料に、鍛造加工等の塑性加工、旋削等の削り加工、研磨等の仕上加工を施して、車輪支持用転がり軸受ユニット1を構成する各部材を製造する手順等については、従来から広く知られている転がり軸受ユニットの製造方法と同様であるから、説明を省略する。
本例の場合も、前述した従来の製造方法と同様に、ハブ本体8の周囲に外輪3を配置すると共に、軸方向片側の外輪軌道7aと、軸方向片側の内輪軌道11aとの間に複数の転動体5、5を、軸方向片側の保持器29a(図9参照)により保持した状態で設ける。次に、内輪9の外周面に形成した軸方向他側の内輪軌道11bの周囲に転動体5、5を、軸方向他側の保持器29bにより保持した状態で設置し、この状態で前記内輪9を、前記ハブ本体8の軸方向他端部に形成した小径段部12に締り嵌めで外嵌する。そして、この外嵌作業に伴い、軸方向他側列の転動体5、5の転動面を、前記外輪3の軸方向他端寄り部分の内周面に形成した軸方向他側の外輪軌道7bに当接させる。次いで、前記ハブ本体8の軸方向他端部に形成した円筒部19を径方向外方に塑性変形させて、前記かしめ部20を形成する。そして、このかしめ部20により前記内輪9の軸方向他端面を軸方向に抑え付け、この内輪9を前記ハブ本体8に固定する。更に、前記かしめ部20の軸方向他端面にハブ側フェイススプライン21(図9参照)を形成する。
このハブ側フェイススプライン21を形成する為の揺動鍛造は、図1〜4に示す様な揺動プレス装置36を使用して行う。この揺動プレス装置36は、基台37と、この基台37の軸方向他側面に支持固定されたホルダ38と、ロール30aと、成形パンチ39と、パンチ昇降機構40とを備える。このうちのホルダ38は、軸方向他側面に、前記ハブ本体8の軸方向片端部に設けた、パイロット部と呼ばれる円筒部41をがたつきなく挿入可能な保持凹部42が設けられている。前記ロール30aは、前記ハブ本体8の中心軸αに対して所定の角度θだけ傾斜した自身の中心軸βを中心とする回転(自転)を可能に支持されており、先端面(図1〜3の下端面)を円すい台状の押圧面43としている。尚、本例の場合には、前記所定角度θを15度以上、30度以下(15≦θ≦30)としている。
前記成形パンチ39は、全体を略円筒状に構成されており、軸方向片端面に、前記ハブ側フェイススプライン21の歯数と同数の加工歯44、44を円周方向等間隔に形成し、外周面の軸方向中間部に、径方向外方に突出したフランジ部45を全周に亙って設けている。この様な成形パンチ39は、前記各加工歯44、44と同数に、これら各加工歯44、44毎に分割された(これら各加工歯44、44同士の間に存在する歯底の中央位置で分割された)パンチ素子46、46から構成されている。換言すれば、前記成形パンチ39を、軸方向から見た形状が扇形で、軸方向片端面に1個の加工歯44が設けられた素子本体47と、この素子本体47の外周面の軸方向中間部に設けられた突出部48とから成るパンチ素子46を、円周方向に組み合わせる事により構成している。この様な構成を有する成形パンチ39は、前記パンチ昇降機構40を構成するパンチ保持プレート49により、前記各パンチ素子46、46がこのパンチ保持プレート49に対して軸方向の変位のみ許容された状態で支持されている。
前記パンチ昇降機構40は、前記成形パンチ39を昇降(前記ハブ本体8の軸方向に変位)させる為のもので、パンチ保持プレート49と、このパンチ保持プレート49と前記基台37との間に設けられた油圧シリンダ50、50とを備える。このうちのパンチ保持プレート49は、中央部に、前記成形パンチ39を径方向及び円周方向に関するがたつきなく保持する為の保持孔51が設けられている。この保持孔51は、軸方向中間部に、軸方向片側の小径部と軸方向他側の大径部とを連続させる段差面部52を設けている。尚、この大径部の軸方向に関する寸法は、前記成形パンチ39のフランジ部45の軸方向に関する寸法(厚さ)よりも大きい。又、前記保持孔51内に前記成形パンチ39の軸方向片半部を挿通した状態で、この保持孔51の軸方向他側開口の周囲に円輪状の塞ぎ板53を支持固定している。この様なパンチ保持プレート49は、前記各油圧シリンダ50、50により前記基台37に対する昇降を可能(軸方向の位置調節を可能)に支持されている。
上述の様な揺動プレス装置36を使用して前記かしめ部20の軸方向他端面に前記ハブ側フェイススプライン21を形成する揺動鍛造を行う際には、先ず、図1に示す様に、前記各油圧シリンダ50、50を操作して前記パンチ保持プレート49を、このパンチ保持プレート49に保持された前記成形パンチ39の軸方向片端面と、前記ホルダ38に保持された前記車輪支持用転がり軸受ユニット1の軸方向他端面(前記かしめ部20の軸方向他端面)とが当接しない様に鉛直方向上方に位置させておく。この状態では、前記成形パンチ39のフランジ部45の軸方向片端面が、前記保持孔51の軸方向中間部に設けられた段差面部52に当接し、このフランジ部45の軸方向他端面と、前記塞ぎ板53の軸方向片側面の径方向内端寄り部分との間に隙間が介在した状態となる。又、前記車輪支持用転がり軸受ユニット1は、前記ホルダ38の保持凹部42に、前記ハブ本体8の円筒部(パイロット部)41をがたつきなく挿入した状態で、このホルダ38によりがたつきなく保持しておく。
次に、前記各油圧シリンダ50、50を操作して前記パンチ保持プレート49を下方に変位させ、このパンチ保持プレート49に保持された前記成形パンチ39の軸方向片端面と、前記かしめ部20の軸方向他端面とを当接させる。この状態から、前記パンチ保持プレート49を更に下方に変位させる事により、前記成形パンチ39をこのパンチ保持プレート49に対して軸方向他方に変位させ、図2及び図4の(A)に示す様に、前記成形パンチ39のフランジ部45の軸方向他端面と、前記塞ぎ板53の軸方向片側面の内径寄り部分とを当接させる。この状態では、前記フランジ部45の軸方向片端面と、前記保持孔51の段差面部52との間に全周に亙って隙間54{図4の(A)参照}が介在した状態となる。本例の場合には、この隙間54の軸方向寸法L54が、前記ハブ側フェイススプライン21を構成する歯32(図12参照)の歯丈と同じになる様に、前記フランジ部45や前記保持孔51の軸方向寸法を規制している。次に、前記ロール30aを支持したラムを下降させ、このロール30aの押圧面43を前記成形パンチ39の軸方向他端面に当接させる。
そして、前記ロール30aの押圧面43により前記成形パンチ39の軸方向他端面、即ち、この成形パンチ39を構成するパンチ素子46、46の軸方向他端面を軸方向片方に向け、所定の押圧力で押圧した状態で、前記ロール30aを、前記ハブ本体8の中心軸αを中心に回転させる。これにより、このロール30aの押圧面43と当接した前記各パンチ素子46、46を軸方向片方に向け押圧し、これら各パンチ素子46、46の軸方向片端面に形成された加工歯44、44を前記かしめ部20の軸方向他端面に押し付け、このかしめ部20の軸方向他端面を塑性変形させる。そして、前記ロール30aの押圧面43により押圧される前記各パンチ素子46、46は、このロール30aが、前記ハブ本体8の中心軸αを中心として回転(公転)するに従って、前記成形パンチ39の円周方向に関して公転方向と同方向にずれていく。本例の場合には、図6に示す様に、前記各パンチ素子46、46のうちの1個のパンチ素子46の軸方向他端面の円周方向両側縁のうち、前記ハブ本体8の中心軸αを中心とする前記ロール30aの回転方向{図6の(B)の矢印λの方向}後側縁ζを、このロール30aの押圧面43により押圧した状態で、前記1個のパンチ素子46の、前記ハブ本体8の中心軸αを中心とする前記ロール30aの回転方向前側{図6の(B)の右側}隣りに存在するパンチ素子46の軸方向他端面の円周方向両側縁のうち、前記1個のパンチ素子46側の側縁(前記中心軸αを中心とする前記ロール30aの回転方向後側の側縁)ηを、このロール30aの押圧面43により押圧しない様にしている。具体的には、前記1個のパンチ素子46の円周方向両側面のうち、前記ハブ本体8の中心軸αを中心とする前記ロール30aの回転方向後側面と、この中心軸α及び前記ロール30aの中心軸βを含む仮想平面とが同一平面上に存在する状態で、前記1個のパンチ素子46の、前記中心軸αを中心とする前記ロール30aの回転方向前側隣りに存在するパンチ素子46の軸方向他端面の円周方向両側縁のうち、この1個のパンチ素子46側の側縁ηと、前記ロール30aの押圧面43とが接触乃至近接対向するにとどまる様にしている。この為に、前記ハブ本体8の中心軸αを中心とする前記ロール30aの1回転当たりの、このロール30aの押圧面43による前記1個のパンチ素子46の軸方向他端面の押圧量Δdを調節している。
この押圧量Δdの大きさに就いて、図6、7を参照しつつ説明する。図7の(A)は、前記ロール30aの押圧面43と、前記成形パンチ39の軸方向片端面との当接部の断面を模式的に示している。又、図7の(B)は、同図の(A)を左方から見た状態、即ち、前記ロール30aの押圧面43の外形を、原点を、このロール30aの押圧面43と前記成形パンチ39の軸方向片端面との当接部の径方向外端部とし、互いに直交するx軸、y軸のうちのx軸を図7の(A)の表裏方向に、y軸を前記ハブ本体8の軸方向にそれぞれ一致させたx−y座標系で表している。図7の(A)及び(B)中のRは、前記ロール30aの押圧面43と、前記成形パンチ39の軸方向片端面との当接部の外径を、同じくr(=Rcosθ)は、この押圧面43の最大半径(この当接部の外周縁と、前記ロール30aの中心軸βとの間の寸法)を、それぞれ示している。前記x−y座標系で、前記押圧面43の外形は、次の(1)式で表される。
Figure 0006222177
この(1)式を変形すると、次の(2)式が得られる。
Figure 0006222177
ここで、前記各パンチ素子46、46の幅(前記成形パンチ39の円周方向に関する幅)の最大値L46は、これら各パンチ素子46、46の総数をNとすると、次の(3)式で表される。
Figure 0006222177
この様な(3)式で表される幅L46を前記(2)式に代入する事で、前記1個のパンチ素子46の軸方向他端面の円周方向両側縁のうち、前記中心軸αを中心とする前記ロール30aの回転方向後側縁ζを、このロール30aの押圧面43により押圧した状態で、前記1個のパンチ素子46の、前記中心軸αを中心とする前記ロール30aの回転方向前側(図6の左側)隣りに存在するパンチ素子46の軸方向他端面の円周方向両側縁のうち、前記1個のパンチ素子46側の側縁ηと、前記ロール30aの押圧面43とが接触する、押圧量Δdmax(前記ロール30aの、前記ハブ本体8の中心軸αを中心とする1回転当たりの前記各パンチ素子46、46の押圧量Δdの上限値)を近似的に求める事ができる。本例の場合、具体的には、前記傾斜角度θが15〜30度である場合、前記押圧量Δdを0.13〜0.3[mm]に調整する。
前記揺動鍛造の進行に伴い前記かしめ部20の軸方向他端面に形成されたハブ側フェイススプライン21を構成する歯32の歯丈が大きくなると、前記成形パンチ39が下降し、前記隙間54の軸方向寸法L54が小さくなる。そして、前記各歯32の歯丈が所望の大きさになり、前記成形パンチ39のフランジ部45の軸方向片端面と、前記保持孔51の段差面部52とが当接した(L54=0となった)状態で、前記揺動鍛造を完了する。
尚、本例の場合には、このロール30aを、自身の中心軸βを中心とする回転(自転)を可能に支持している。従って、前記ロール30aを、前記ハブ本体8の中心軸αを中心として回転させると、このロール30aの押圧面43と前記成形パンチ39の軸方向他端面との摩擦係合に基づいて、このロール30aが自身の中心軸βを中心として回転(自転)する。
上述の様な本例の車輪支持用転がり軸受ユニット1の製造方法によれば、この車輪支持用転がり軸受ユニット1の耐久性を確保しつつ、製造コストを抑える事ができる。
即ち、本例の場合には、前記成形パンチ39の軸方向片端面を前記かしめ部20の軸方向他端面に対向させた状態で、この成形パンチ39の軸方向他端面を、前記ロール30aの押圧面43により押圧しつつ、このロール30aを、前記ハブ本体8の中心軸αを中心として回転させる。これにより、前記成形パンチ39の軸方向片端面に形成された加工歯44、44を前記かしめ部20の軸方向他端面に押し付ける事で、このかしめ部20の軸方向他端面に前記ハブ側フェイススプライン21を形成する様にしている。ここで、前記成形パンチ39を構成する前記各パンチ素子46、46は、軸方向の変位のみ可能としている。この為、これら各パンチ素子46、46の軸方向他端面を、前記ハブ本体8の中心軸αを中心として前記ロール30aを回転させながらこのロール30aの押圧面43により押圧しても、前記各加工歯44、44の歯面が、前記ハブ側フェイススプライン21を構成する歯32の歯面に対し傾斜する事はない。従って、これら各歯32の歯面が局所的に塑性変形させられる様な前記各加工歯44、44の歯面と前記かしめ部20の軸方向端面との局所的な当接の発生を防止できる。従って、前記各歯32の断面形状の真直度を良好にでき、前記ハブ側フェイススプライン21と、等速ジョイント用外輪2に形成したジョイント側フェイススプライン26(図9参照)とを噛合させた状態で、前記ハブ側フェイススプライン21を構成する歯32と、前記ジョイント側フェイススプライン26を構成する歯との歯面同士の当接面積を十分に大きくする事ができる。この結果、前記ハブ側フェイススプライン21と前記ジョイント側フェイススプライン26との噛合部、延いては、車輪支持用転がり軸受ユニット1全体の耐久性を十分に確保する事ができる。
又、前記傾斜角度θを大きくできる(この傾斜角度θを15度以上にできる)為、前記ロール30aの押圧面43を、前記成形パンチ39を介して前記かしめ部20の軸方向他端面に向けて押し付ける力(押圧力)Fが過度に大きくなる事を防止できる。この結果、前記揺動プレス装置36が徒に大型化するのを防止でき、前記車輪支持用転がり軸受ユニット1の製造コストの増大を抑えられる。特に本例の場合には、前記各パンチ素子46、46のうちの1個のパンチ素子46の軸方向他端面の円周方向両側縁のうち、前記中心軸αを中心とする前記ロール30aの回転方向後側縁ζを、このロール30aの押圧面43により押圧した状態で、前記1個のパンチ素子46の、前記中心軸αを中心とする前記ロール30aの回転方向前側に存在するパンチ素子46の軸方向他端面の円周方向両側縁のうち、前記1個のパンチ素子46側の側縁ηと、前記ロール30aの押圧面43とが接触する様にしている。従って、このロール30aの押圧面43が前記1個のパンチ素子46の軸方向他端面の円周方向両側縁のうち、前記中心軸αを中心とする前記ロール30aの回転方向後側縁を押圧している状態から、前記ロール30aが、前記ハブ本体8の中心軸αを中心に回転すると、前記1個のパンチ素子46、前記ハブ本体8の中心軸αを中心とする前記ロール30aの回転方向前側隣りに存在するパンチ素子46が、このロール30aの押圧面43により押圧され始める。この様に、このロール30aによる押圧力を、前記かしめ部20の軸方向他端面を塑性変形させる為の力として有効に利用する事ができて、前記力Fを小さく抑えられると共に、加工に要する時間を短縮する事ができる。
尚、前述の図11から明らかな通り、前記ハブ本体8の中心軸αに対する前記ロール30aの中心軸βの傾斜角度θが、30度を超えると、このロール30aの押圧面43と、前記成形パンチ39の軸方向他端面との当接面積が小さくなり、これら両面同士の当接面圧が過度に大きくなって、前記ロール30aの押圧面43の耐久性が確保し難くなる可能性がある。そこで、本例の場合には、前記傾斜角度θを30度以下としている。
又、本発明を実施する場合に、成形パンチの外周面に径方向外方に突出するフランジ部を設けず、この成形パンチの外周面を軸方向に関して外径が変化しない単一円筒面とする事もできる。即ち、この成形パンチを、図8に示す様な、軸方向片端面に加工歯44を設けたパンチ素子46aを複数組み合わせたものとする。この場合には、例えば、ハブ本体8の軸方向に関するロール30aの変位量を検出し、この変位量が、ハブ側フェイススプライン21を構成する歯32の歯丈と同じになった時点で、このハブ側フェイススプライン21を形成する為の加工を完了する。
前述した図1〜4に示す、揺動プレス装置36を使用して、本発明の転がり軸受ユニットの製造方法を実施する場合に、1個のパンチ素子46の軸方向他端面の円周方向両側縁のうち、前記ハブ本体8の中心軸αを中心とする前記ロール30aの回転方向後側縁を、このロール30aの押圧面43により押圧した状態で、前記1個のパンチ素子46の、前記ハブ本体8の中心軸αを中心とする前記ロール30aの回転方向前側(図6の左側)隣りに存在するパンチ素子46の軸方向他端面の円周方向両側縁のうち、前記1個のパンチ素子46側の側縁と、前記ロール30aの押圧面43とが接触する、押圧量Δdmaxに就いて、具体例を示す。
先ず、成形パンチ39を構成するパンチ素子46、46の総数Nを31とし、ハブ本体8の中心軸αに対する前記ロール30aの中心軸βの傾斜角度θを30度とし、このロール30aの押圧面43の最大径Rを24[mm]とした場合には、前記押圧量Δdmaxは0.3[mm]となる。そこで、例えば、前記ハブ本体8の中心軸αを中心とする前記ロール30aの回転数(回転速度)を200[rpm]とする場合には、このロール30aを、1[mm/秒]の速度で軸方向片側に向けて押し付ける(変位させる)。
或いは、前記総数Nを31とし、前記傾斜角度θを15度とし、前記最大径Rを24[mm]とした場合には、前記押圧量Δdmaxは0.13[mm]となる。そこで、例えば、前記ハブ本体8の中心軸αを中心とする前記ロール30aの回転数を300[rpm]とする場合には、このロール30aを、0.65[mm/秒]の速度で軸方向片側に向けて押し付ける(変位させる)。
1 車輪支持用軸受ユニット
2 等速ジョイント用外輪
3 外輪
4 ハブ
5 転動体
6 静止側フランジ
7a、7b 外輪軌道
8 ハブ本体
9 内輪
10 回転側フランジ
11a、11b 内輪軌道
12 小径段部
13 中心孔
14 小径部
15 ボルト
16 杆部
17 雄ねじ部
18 頭部
19 円筒部
20 かしめ部
21 ハブ側フェイススプライン
22 マウス部
23 端壁部
24 軸部
25 ねじ孔
26 ジョイント側フェイススプライン
27 等速ジョイント用内輪
28 ボール
29a、29b 保持器
30、30a ロール
31 加工面
32 フェイススプライン歯
33 凸部
34 凹部
35 段部
36 揺動プレス装置
37 基台
38 ホルダ
39 成形パンチ
40 パンチ昇降機構
41 円筒部
42 保持凹部
43 押圧面
44 加工歯
45 フランジ部
46 パンチ素子
47 素子本体
48 突出部
49 パンチ保持プレート
50 油圧シリンダ
51 保持孔
52 段差面部
53 塞ぎ板
54 隙間

Claims (13)

  1. 転がり軸受ユニットをプレス装置にセットする工程と、
    この転がり軸受ユニットを構成するハブ本体の軸方向端部に塑性加工を施す為に、円周方向に並んで配置された複数のパンチ素子のうちの一部を軸方向に変位させる事により、前記ハブ本体の軸方向端部の円周方向の一部分を軸方向に押圧する事、及び、前記複数のパンチ素子のうちの他の一部を軸方向に変位させる事により、前記ハブ本体の軸方向端部の円周方向の他の一部分を軸方向に押圧する事を有する工程とを備える、
    転がり軸受ユニットの製造方法。
  2. 前記ハブ本体の軸方向端部に塑性加工を施す際に、このハブ本体の軸方向端部のうちで軸方向に押圧される部分が円周方向にずれていく、請求項1に記載した転がり軸受ユニットの製造方法。
  3. 前記プレス装置は、このプレス装置にセットされた前記転がり軸受ユニットの中心軸に対して傾斜した自身の中心軸を中心とする回転を可能に支持され、且つ、この転がり軸受ユニットの中心軸を中心とする回転が可能なロールを備える、請求項1〜2のうちの何れか1項に記載した転がり軸受ユニットの製造方法。
  4. 前記塑性加工により、前記ハブ本体の軸方向端部にフェイススプラインを形成する、請求項1〜3のうちの何れか1項に記載した転がり軸受ユニットの製造方法。
  5. 転がり軸受ユニットがセットされるホルダと、
    円周方向に並んで配置され、それぞれが軸方向に変位可能な複数のパンチ素子と、
    これら各パンチ素子のうちの一部を軸方向に変位させる事により、前記転がり軸受ユニットを構成するハブ本体の軸方向端部の円周方向の一部分を軸方向に押圧するモードと、前記各パンチ素子のうちの他の一部を軸方向に変位させる事により、前記ハブ本体の軸方向端部の円周方向の他の一部分を軸方向に押圧するモードとを有する機構とを備える、
    転がり軸受ユニットの製造装置。
  6. 前記機構は、前記ハブ本体の軸方向端部のうちで軸方向に押圧される部分が円周方向にずれていく様に構成されている、請求項5に記載した転がり軸受ユニットの製造装置。
  7. 前記ホルダにセットされた前記転がり軸受ユニットの中心軸に対して傾斜した自身の中心軸を中心とする回転を可能に支持され、且つ、この転がり軸受ユニットの中心軸を中心とする回転が可能なロールを備える、請求項1〜2のうちの何れか1項に記載した転がり軸受ユニットの製造方法。
  8. 軸方向中間部外周面に軸方向片側の内輪軌道を有するハブ本体と、
    外周面に軸方向他側の内輪軌道を有し、このハブ本体の軸方向他端寄り部分に外嵌された内輪とを備え、
    前記ハブ本体の軸方向他端部に設けた円筒部を径方向外方に塑性変形させる事で形成したかしめ部により、前記内輪の軸方向他端面を抑え付けてこの内輪を前記ハブ本体に固定し、このかしめ部の軸方向他端面に、円周方向に関する凹凸部であるハブ側フェイススプラインを形成した転がり軸受ユニットを造る為に、
    円周方向に複数に分割された、それぞれが軸方向の変位を可能に、且つ、周方向の変位を阻止された複数のパンチ素子を組み合わせて成り、軸方向片端面に、前記ハブ側フェイススプラインの歯数と同数の加工歯を形成した成形パンチの軸方向片端面を、前記かしめ部の軸方向他端面に対向させた状態で、この成形パンチの軸方向他端面を、前記ハブ本体の中心軸に対し傾斜した中心軸を有するロールの押圧面により押圧しつつ、このロールを、このハブ本体の中心軸を中心として回転させる事により、前記かしめ部の軸方向他端面に前記ハブ側フェイススプラインを形成する
    転がり軸受ユニットの製造方法。
  9. 前記ハブ本体の中心軸に対する前記ロールの中心軸の傾斜角度が15度以上である、請求項に記載した転がり軸受ユニットの製造方法。
  10. 前記成形パンチは、前記各加工歯の歯数と同数に分割された前記各パンチ素子から成る、請求項8〜9のうちの何れか1項に記載した転がり軸受ユニットの製造方法。
  11. 前記各パンチ素子のうちの1個のパンチ素子の軸方向他端面の円周方向両側縁のうち、前記ハブ本体の中心軸を中心とする前記ロールの回転方向後側縁を、このロールの押圧面により押圧した状態で、前記1個のパンチ素子の、前記ハブ本体の中心軸を中心とする前記ロールの回転方向前側隣りに存在するパンチ素子の軸方向他端面の円周方向両側縁のうち、この1個のパンチ素子側の側縁を、前記ロールの押圧面により押圧しない様にする、請求項10に記載した転がり軸受ユニットの製造方法。
  12. 前記かしめ部の軸方向他端面に形成された前記ハブ側フェイススプラインを構成する歯の歯丈が所望の大きさになった状態で、前記各パンチ素子の一部を、これら各パンチ素子を保持する部分に設けられた段差面部に突き当てる事により、これら各パンチ素子がそれ以上軸方向他方に変位する事を阻止する、請求項8〜11のうちの何れか1項に記載した転がり軸受ユニットの製造方法。
  13. 転がり軸受ユニットを備える車両の製造方法であって、
    前記転がり軸受ユニットを、請求項1〜12のうちの何れか1項に記載した転がり軸受ユニットの製造方法により製造する、
    車両の製造方法。
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