JP6222177B2 - 転がり軸受ユニットの製造方法、車両の製造方法 - Google Patents
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Description
このうちのハブ本体は、軸方向中間部外周面に軸方向片側の内輪軌道を有する。
又、前記内輪は、外周面に軸方向他側の内輪軌道を有し、このハブ本体の軸方向他端寄り部分に外嵌している。
そして、前記ハブ本体の軸方向他端部に設けた円筒部を径方向外方に塑性変形させる事で形成したかしめ部により、前記内輪の軸方向他端面を抑え付けてこの内輪を前記ハブ本体に支持固定している。又、前記かしめ部の軸方向他端面に、円周方向に関する凹凸部であるハブ側フェイススプラインを形成している。
上述の様な本発明の製造方法の対象となる転がり軸受ユニットは、より具体的には、内周面に複列の外輪軌道を有する外輪と、これら両外輪軌道と前記両内輪軌道との間に、それぞれ複数個ずつ転動自在に設けられた転動体とを更に備える。
この様な請求項3に記載した発明を実施する場合に好ましくは、請求項4に記載した発明の様に、前記各パンチ素子のうちの1個のパンチ素子の軸方向他端面の円周方向両側縁のうち、前記ハブ本体の中心軸を中心とする前記ロールの回転方向後側縁を、このロールの押圧面により押圧した状態で、前記1個のパンチ素子の、前記ハブ本体の中心軸を中心とする前記ロールの回転方向前側隣りに存在するパンチ素子の軸方向他端面の円周方向両側縁のうち、前記ハブ本体の中心軸を中心とする前記ロールの回転方向後側縁(前記1個のパンチ素子側の側縁)を、前記ロールの押圧面により押圧しない様にする。換言すれば、前記1個のパンチ素子の円周方向両側面のうち、前記ハブ本体の中心軸を中心とする前記ロールの回転方向後側面と、このハブ本体の中心軸及び前記ロールの中心軸を含む仮想平面とが同一平面上に存在する状態で、前記1個のパンチ素子の、前記ハブ本体の中心軸を中心とする前記ロールの回転方向前側隣りに存在するパンチ素子の軸方向他端面の円周方向両側縁のうち、この1個のパンチ素子側の側縁と、前記ロールの押圧面とが接触乃至近接対向するにとどまる(前記ロールの回転方向前側隣りに存在するパンチ素子の軸方向他端面を強く押圧する事がない)様に、このロールの押圧面による押圧量(前記ハブ本体の軸方向に関する押圧量)を調節する。
即ち、本発明の場合、成形パンチの軸方向片端面をかしめ部の軸方向他端面に対向させた状態で、この成形パンチの軸方向他端面を、ハブ本体の中心軸に対し傾斜した中心軸を有するロールの押圧面により押圧しつつ、このロールを、前記ハブ本体の中心軸を中心として回転させる。これにより、前記成形パンチの軸方向片端面に形成された加工歯を前記かしめ部の軸方向他端面に押し付けて、このかしめ部の軸方向他端面に前記ハブ側フェイススプラインを形成する。ここで、本発明の場合には、前記成形パンチを構成する複数のパンチ素子は、軸方向の変位を可能に、且つ、周方向の変位を阻止されている。従って、本発明の場合、前記ハブ側フェイススプラインを形成する加工の際に、前記各加工歯が、このハブ側フェイススプラインを構成する歯の歯面に対し傾斜する事を防止でき、このハブ側フェイススプラインを構成する歯の歯面が局所的に塑性変形させられる様な前記ロールの加工面と前記かしめ部の軸方向端面との局所的な当接の発生を防止できる。従って、これら各歯の真直度を良好にでき、転がり軸受ユニットの耐久性を十分に確保する事ができる。又、前記ロールの押圧面を軸方向他方に向け押圧する力が徒に大きくなるのを抑え、前記ハブ側フェイススプラインを形成する為の加工に用いる加工装置の大型化を防止でき、製造コストの増大を抑えられる。
即ち、本例の場合には、前記成形パンチ39の軸方向片端面を前記かしめ部20の軸方向他端面に対向させた状態で、この成形パンチ39の軸方向他端面を、前記ロール30aの押圧面43により押圧しつつ、このロール30aを、前記ハブ本体8の中心軸αを中心として回転させる。これにより、前記成形パンチ39の軸方向片端面に形成された加工歯44、44を前記かしめ部20の軸方向他端面に押し付ける事で、このかしめ部20の軸方向他端面に前記ハブ側フェイススプライン21を形成する様にしている。ここで、前記成形パンチ39を構成する前記各パンチ素子46、46は、軸方向の変位のみ可能としている。この為、これら各パンチ素子46、46の軸方向他端面を、前記ハブ本体8の中心軸αを中心として前記ロール30aを回転させながらこのロール30aの押圧面43により押圧しても、前記各加工歯44、44の歯面が、前記ハブ側フェイススプライン21を構成する歯32の歯面に対し傾斜する事はない。従って、これら各歯32の歯面が局所的に塑性変形させられる様な前記各加工歯44、44の歯面と前記かしめ部20の軸方向端面との局所的な当接の発生を防止できる。従って、前記各歯32の断面形状の真直度を良好にでき、前記ハブ側フェイススプライン21と、等速ジョイント用外輪2に形成したジョイント側フェイススプライン26(図9参照)とを噛合させた状態で、前記ハブ側フェイススプライン21を構成する歯32と、前記ジョイント側フェイススプライン26を構成する歯との歯面同士の当接面積を十分に大きくする事ができる。この結果、前記ハブ側フェイススプライン21と前記ジョイント側フェイススプライン26との噛合部、延いては、車輪支持用転がり軸受ユニット1全体の耐久性を十分に確保する事ができる。
先ず、成形パンチ39を構成するパンチ素子46、46の総数Nを31とし、ハブ本体8の中心軸αに対する前記ロール30aの中心軸βの傾斜角度θを30度とし、このロール30aの押圧面43の最大径Rを24[mm]とした場合には、前記押圧量Δdmaxは0.3[mm]となる。そこで、例えば、前記ハブ本体8の中心軸αを中心とする前記ロール30aの回転数(回転速度)を200[rpm]とする場合には、このロール30aを、1[mm/秒]の速度で軸方向片側に向けて押し付ける(変位させる)。
或いは、前記総数Nを31とし、前記傾斜角度θを15度とし、前記最大径Rを24[mm]とした場合には、前記押圧量Δdmaxは0.13[mm]となる。そこで、例えば、前記ハブ本体8の中心軸αを中心とする前記ロール30aの回転数を300[rpm]とする場合には、このロール30aを、0.65[mm/秒]の速度で軸方向片側に向けて押し付ける(変位させる)。
2 等速ジョイント用外輪
3 外輪
4 ハブ
5 転動体
6 静止側フランジ
7a、7b 外輪軌道
8 ハブ本体
9 内輪
10 回転側フランジ
11a、11b 内輪軌道
12 小径段部
13 中心孔
14 小径部
15 ボルト
16 杆部
17 雄ねじ部
18 頭部
19 円筒部
20 かしめ部
21 ハブ側フェイススプライン
22 マウス部
23 端壁部
24 軸部
25 ねじ孔
26 ジョイント側フェイススプライン
27 等速ジョイント用内輪
28 ボール
29a、29b 保持器
30、30a ロール
31 加工面
32 フェイススプライン歯
33 凸部
34 凹部
35 段部
36 揺動プレス装置
37 基台
38 ホルダ
39 成形パンチ
40 パンチ昇降機構
41 円筒部
42 保持凹部
43 押圧面
44 加工歯
45 フランジ部
46 パンチ素子
47 素子本体
48 突出部
49 パンチ保持プレート
50 油圧シリンダ
51 保持孔
52 段差面部
53 塞ぎ板
54 隙間
Claims (13)
- 転がり軸受ユニットをプレス装置にセットする工程と、
この転がり軸受ユニットを構成するハブ本体の軸方向端部に塑性加工を施す為に、円周方向に並んで配置された複数のパンチ素子のうちの一部を軸方向に変位させる事により、前記ハブ本体の軸方向端部の円周方向の一部分を軸方向に押圧する事、及び、前記複数のパンチ素子のうちの他の一部を軸方向に変位させる事により、前記ハブ本体の軸方向端部の円周方向の他の一部分を軸方向に押圧する事を有する工程とを備える、
転がり軸受ユニットの製造方法。 - 前記ハブ本体の軸方向端部に塑性加工を施す際に、このハブ本体の軸方向端部のうちで軸方向に押圧される部分が円周方向にずれていく、請求項1に記載した転がり軸受ユニットの製造方法。
- 前記プレス装置は、このプレス装置にセットされた前記転がり軸受ユニットの中心軸に対して傾斜した自身の中心軸を中心とする回転を可能に支持され、且つ、この転がり軸受ユニットの中心軸を中心とする回転が可能なロールを備える、請求項1〜2のうちの何れか1項に記載した転がり軸受ユニットの製造方法。
- 前記塑性加工により、前記ハブ本体の軸方向端部にフェイススプラインを形成する、請求項1〜3のうちの何れか1項に記載した転がり軸受ユニットの製造方法。
- 転がり軸受ユニットがセットされるホルダと、
円周方向に並んで配置され、それぞれが軸方向に変位可能な複数のパンチ素子と、
これら各パンチ素子のうちの一部を軸方向に変位させる事により、前記転がり軸受ユニットを構成するハブ本体の軸方向端部の円周方向の一部分を軸方向に押圧するモードと、前記各パンチ素子のうちの他の一部を軸方向に変位させる事により、前記ハブ本体の軸方向端部の円周方向の他の一部分を軸方向に押圧するモードとを有する機構とを備える、
転がり軸受ユニットの製造装置。 - 前記機構は、前記ハブ本体の軸方向端部のうちで軸方向に押圧される部分が円周方向にずれていく様に構成されている、請求項5に記載した転がり軸受ユニットの製造装置。
- 前記ホルダにセットされた前記転がり軸受ユニットの中心軸に対して傾斜した自身の中心軸を中心とする回転を可能に支持され、且つ、この転がり軸受ユニットの中心軸を中心とする回転が可能なロールを備える、請求項1〜2のうちの何れか1項に記載した転がり軸受ユニットの製造方法。
- 軸方向中間部外周面に軸方向片側の内輪軌道を有するハブ本体と、
外周面に軸方向他側の内輪軌道を有し、このハブ本体の軸方向他端寄り部分に外嵌された内輪とを備え、
前記ハブ本体の軸方向他端部に設けた円筒部を径方向外方に塑性変形させる事で形成したかしめ部により、前記内輪の軸方向他端面を抑え付けてこの内輪を前記ハブ本体に固定し、このかしめ部の軸方向他端面に、円周方向に関する凹凸部であるハブ側フェイススプラインを形成した転がり軸受ユニットを造る為に、
円周方向に複数に分割された、それぞれが軸方向の変位を可能に、且つ、周方向の変位を阻止された複数のパンチ素子を組み合わせて成り、軸方向片端面に、前記ハブ側フェイススプラインの歯数と同数の加工歯を形成した成形パンチの軸方向片端面を、前記かしめ部の軸方向他端面に対向させた状態で、この成形パンチの軸方向他端面を、前記ハブ本体の中心軸に対し傾斜した中心軸を有するロールの押圧面により押圧しつつ、このロールを、このハブ本体の中心軸を中心として回転させる事により、前記かしめ部の軸方向他端面に前記ハブ側フェイススプラインを形成する
転がり軸受ユニットの製造方法。 - 前記ハブ本体の中心軸に対する前記ロールの中心軸の傾斜角度が15度以上である、請求項8に記載した転がり軸受ユニットの製造方法。
- 前記成形パンチは、前記各加工歯の歯数と同数に分割された前記各パンチ素子から成る、請求項8〜9のうちの何れか1項に記載した転がり軸受ユニットの製造方法。
- 前記各パンチ素子のうちの1個のパンチ素子の軸方向他端面の円周方向両側縁のうち、前記ハブ本体の中心軸を中心とする前記ロールの回転方向後側縁を、このロールの押圧面により押圧した状態で、前記1個のパンチ素子の、前記ハブ本体の中心軸を中心とする前記ロールの回転方向前側隣りに存在するパンチ素子の軸方向他端面の円周方向両側縁のうち、この1個のパンチ素子側の側縁を、前記ロールの押圧面により押圧しない様にする、請求項10に記載した転がり軸受ユニットの製造方法。
- 前記かしめ部の軸方向他端面に形成された前記ハブ側フェイススプラインを構成する歯の歯丈が所望の大きさになった状態で、前記各パンチ素子の一部を、これら各パンチ素子を保持する部分に設けられた段差面部に突き当てる事により、これら各パンチ素子がそれ以上軸方向他方に変位する事を阻止する、請求項8〜11のうちの何れか1項に記載した転がり軸受ユニットの製造方法。
- 転がり軸受ユニットを備える車両の製造方法であって、
前記転がり軸受ユニットを、請求項1〜12のうちの何れか1項に記載した転がり軸受ユニットの製造方法により製造する、
車両の製造方法。
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