JPWO2004091997A1 - 電動パワーステアリング装置 - Google Patents

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Abstract

操舵補助用の電動モータ1によって回転され、両端部に軸部3b,3cを有するウォーム3の軸長方向への移動を抑制する2つの皿ばね12,12と、皿ばね12,12の撓み量を制限する制限部13,13とを備えた電動パワーステアリング装置。ウォーム3の両端部の軸部3b,3cの外周に沿う部分に制限部13,13を配置し、皿ばね12,12の内周部を扁平部12a,12aとし、外周部をテーパ部12b,12bとすることにより、扁平部12a,12aに制限部13,13を当接させてテーパ部12b,12bの撓み量を制限する。これにより、環状の弾性体である皿ばね12の撓み量を制限するための制限部13を小歯車であるウォーム3を大形化せずに済む。

Description

本発明は操舵補助力の発生源として電動モータを用いる電動パワーステアリング装置に関する。
車両用の電動パワーステアリング装置としては例えば、日本国特開2002−21943号公報に開示された構成が一般的である。この電動パワーステアリング装置は、操舵輪に繋がる入力軸及びこの入力軸にトーションバーを介して同軸的に繋がる出力軸の相対角変位量によって入力軸に加わる操舵トルクを検出し、検出したトルクに基づいて操舵補助用の電動モータを駆動するように構成されている。このような電動パワーステアリング装置では、電動モータの回転力を減速歯車機構を介して舵取機構に伝動することにより、操舵輪の回転に応じた舵取機構の動作が補助されるので、舵取りのための運転者の労力負担が軽減される。
減速歯車機構は、電動モータの駆動軸に連結される小歯車としてのウォームと、このウォームに噛合する大歯車としてのウォームホイールとを備えており、このウォームホイールが出力軸の途中に嵌合固定されている。
また、ウォームは歯部(歯車本体)の両端部からそれぞれ突出した軸部を有しており、各軸部がそれぞれ転がり軸受の内輪に回転自在に挿入されて支持されている。
ところで、以上のように構成された電動パワーステアリング装置のウォームは、両端部の軸部を支持する転がり軸受に対して軸長方向への移動ができないように従来は支持されている。このため、操舵輪が操舵中立位置から左又は右方向へ操舵されることにより、操舵開始の初期から電動モータが回転して操舵補助が行なわれるように構成されている場合、車両の高速走行時の例えば1度程度に小さい操舵角においても操舵補助が行なわれるため、操舵フィーリングの低下を来すことになる。このため、従来の電動パワーステアリング装置は一般には、操舵角が1度程度に小さい場合には電動モータは駆動されず、適度の操舵角を超えた場合にのみ電動モータが駆動されるように構成されている。
以上のように適度の操舵角を超えるまでの間は電動モータが駆動されないように構成された従来の電動パワーステアリング装置では、電動モータが駆動されない操舵領域、即ち、操舵中立位置の近傍領域での操舵時に、操舵輪の操舵力が入力軸、トーションバー、出力軸、ウォームホイール及びウォームを介して電動モータの駆動軸に伝動されて駆動軸が回転されることになる。この結果、電動モータが駆動軸を回転させるための負荷がウォーム、ウォームホイール、出力軸、トーションバー、及び入力軸を介して操舵輪に加わるため、操舵負荷が大きくなって操舵フィーリングの低下を来していた。
ところで、電動モータが駆動されない操舵領域での操舵負荷を低減する目的で例えば日本国特開平11−43062号公報に開示されているような技術が知られている。この電動パワーステアリング装置では、電動モータの駆動軸に連結されたウォームを、ウォームの軸長方向に離隔する2個の転がり軸受で軸長方向への移動を可能に支持する構成が採られている。但し、この従来の電動パワーステアリング装置では、2個の転がり軸受の内輪とウォームとの間に2個の皿ばねを設けることにより、各皿ばねの弾性復元力によりウォームの軸長方向の両方向への移動を抑制するようにしている。
このような従来の電動パワーステアリング装置では、電動モータが駆動されない操舵領域で操舵が行なわれた場合に、操舵輪の操舵力がウォームホイールからウォームに伝動された際に、ウォームに加わる軸長方向への分力によってウォームが皿ばねの弾性復元力に打ち勝って軸長方向へ移動するので、ウォームの回転角が小さくなり、ウォームから電動モータの駆動軸への伝動が緩和される。
しかしながら、上述の日本国特開平11−43062号公報に開示されているような電動パワーステアリング装置の構成では、電動モータが駆動されない操舵領域でウォームに加わる軸長方向への力が比較的大きい場合に皿ばねに加わる力が皿ばねの撓み限界を超える可能性がある。従って、そのような場合には、皿ばねが塑性変形して機能しなくなったり、または耐久性が低下する誘因ともなりかねない。
このような皿ばねの塑性変形の防止、又は耐久性の低下を防ぐためには、転がり軸受の内輪とウォームとの間に、皿ばねの撓み量を制限する制限部材を設けることが考えられる。そのような制限部材を設けることにより、皿ばねが撓み限界を超えるまでに制限部材が内輪又はウォームに当接してそれ以上の皿ばねの撓みを阻止することにより皿ばねの撓み量を制限することが可能になる。
ところが、皿ばねは可撓性を有するようにするために、内縁から外縁にかけて全体がテーパ状の形状に形成されている。このため、上述のような制限部材を設ける場合、制限部材は皿ばねの内縁よりも内側又は外縁よりも外側に配置されることになる。制限部材が皿ばねの内縁よりも内側に配置される場合には、制限部材が皿ばねの内縁の内側を挿通するように皿ばねを大径にする必要があり、また制限部材皿ばねの外縁よりも外側に配置される場合には、制限部材の分だけウォームの径、またはウォームが収納されているハウジングのサイズを大型化する必要がある。従って、皿ばねの制限部材を有しない場合に比して、制限部材を有する場合はウォーム部分のサイズが大きくならざるを得ない。
また、上述した日本国特開平11−43062号公報には、ウォームを支持する転がり軸受の内輪の内周側及び外輪の外周側にOリングを設ける構成が開示されている。このような構成により、ウォーム及びウォームホイールの噛合部に加わる噛合反力によりOリングが撓むことを利用して、噛合部での歯打音を低減することができる。しかしながら、このような構成では、ウォーム及びウォームホイールの歯の摩耗に伴なって噛合部のバックラッシュ量が増加するという問題が生じる。
また、前述したように、皿ばねは内縁から外縁にかけてテーパ状の形状に形成されているため、テーパの向きを逆にして組み込まれた場合、皿ばねの機能が低下するか、または全く機能しなくなるので、組み込みをし直す必要が生じる。
更に、皿ばねは内縁と外縁との間の寸法差が比較的大きいため、これによってもウォーム部分のサイズが大きくならざるを得ないという問題があった。
本発明は斯かる事情に鑑みてなされたものであり、環状の弾性体の撓み量を制限するための制限部を小歯車部分のサイズを大形化することなしに備えることができる電動パワーステアリング装置を提供することを主たる目的とする。
また本発明は上述の目的に加えて、操舵補助用のモータが駆動されない操舵領域での操舵負荷を低減するための弾性体の耐久性を高めることができると共に、歯の摩耗量が増大した場合においても噛合部のバックラッシュ量を低減することができる電動パワーステアリング装置を提供することを目的とする。
更に本発明は上述の目的に加えて、操舵補助用のモータが駆動されない操舵領域での操舵負荷を低減するための弾性体の塑性変形を防止し、耐久性を高めることができると共に、この弾性体の組み込みをし直す必要を無くすことができる電動パワーステアリング装置を提供することを目的とする。
また更に本発明は上述の目的に加えて、操舵補助用のモータが駆動されない操舵領域での操舵負荷を低減するための弾性体の耐久性を高めることができると共に、この弾性体の組み込みをし直す必要をなくすことができ、また、小歯車部分のサイズを大形化することなしに弾性体を備えることができる電動パワーステアリング装置を提供することを目的とする。
また、本発明は、部品点数を増やすことなく弾性体の耐久性を高めることができる電動パワーステアリング装置を提供することを目的とする。
本発明に係る電動パワーステアリング装置の第1の発明は、電動モータによって回転され、歯部が形成された歯車本体及び該歯車本体の両端部それぞれから突出して形成されていて前記歯車本体よりも小径の軸部を有する小歯車と、前記小歯車の両軸部を前記小歯車の軸長方向への移動を可能にそれぞれ支持する軸受と、前記小歯車の両軸部にそれぞれ外嵌され、前記小歯車の軸端部側への軸長方向に沿う移動をそれぞれ抑制する二つの環状の弾性体と、前記小歯車の歯車本体の歯部に噛合すると共に舵取手段に繋がる大歯車とを備え、前記電動モータの回転によって操舵補助するように構成された電動パワーステアリング装置において、前記歯車本体の両端部それぞれの前記軸部の外周に沿う部分に、前記弾性体の撓み量を制限する制限部をそれぞれ備えたことを特徴とする。
このような本発明に係る電動パワーステアリング装置の第1の発明では、環状の弾性体の撓み量を制限するための制限部が、歯車本体の両端部それぞれの前記軸部の外周に沿う部分にそれぞれ、小歯車部分のサイズを大形化することなしに備えることができる。
また本発明に係る電動パワーステアリング装置の第2の発明は第1の発明において、前記環状の弾性体は、内周側に形成された扁平部と、前記扁平部と繋がっていて外周側に形成されたテーパ部とを有することを特徴とする。
このような本発明に係る電動パワーステアリング装置の第2の発明では、小歯車に加わる軸長方向への力によって環状の弾性体が撓んだ場合に、環状の弾性体の撓み量を制限部により制限することができるため、環状の弾性体の塑性変形防止、又は耐久性を改善することができる。しかも、環状の弾性体の内周部が扁平部であり、この扁平部に制限部を当接させてテーパ部の撓み量を制限することができるため、小歯車部分のサイズを大形化することなしに前記制限部を備えることができる。
本発明に係る電動パワーステアリング装置の第3の発明は第2の発明において、前記軸受は転がり軸受であり、前記環状の弾性体は、先端部に前記扁平部を有すると共に前記テーパ部から内周側へ突出する複数の可撓片が形成された皿ばねであり、前記転がり軸受の内輪と前記小歯車の歯車本体の端部との間に前記制限部が配置されており、前記扁平部の突出側の面に前記転がり軸受の内輪が当接し、前記突出側の面の裏面に前記制限部が当接するように構成されていることを特徴とする。
このような本発明に係る電動パワーステアリング装置の第3の発明では、環状の弾性体の扁平部を内輪に対する座とすることができ、この扁平部を内輪の一側面に面接触させることができるため、皿ばねの可撓片部分を支持するための支持部材を用いることなく皿ばねの安定性を高めることができる。従って、皿ばねを有するにも拘わらず部品点数が削減され、支持部材を用いる場合に比してコストを低減できる。
しかも、小歯車に加わる振動等により皿ばねが周方向へ回動した場合においても、環状の弾性体の扁平部に制限部を当接させることができるため、皿ばねの周方向位置を決める位置決め手段が不要であり。従って、位置決め手段を設ける場合に比して、加工工数及び組立て工数が削減され、コストを更に低減できる。
本発明に係る電動パワーステアリング装置の第4の発明は第1の発明において、前記軸受は、前記小歯車の回転中心と大歯車の回転中心との間の距離が長短となる方向へ移動可能に構成されており、前記軸受を前記小歯車の回転中心と大歯車の回転中心との間の距離が短くなる方向へ付勢する付勢手段を備えていることを特徴とする。
このような本発明に係る電動パワーステアリング装置の第4の発明では、操舵中立位置から左右いずれかの方向への操舵時に、小歯車に加わる軸長方向への力によって弾性体が撓むことになる。この結果、モータが駆動されない操舵領域での操舵負荷を低減することができ、操舵フィーリングが改善される。また、小歯車に加わる軸長方向への力によって弾性体が撓む場合に、この弾性体の撓み量を制限部に、より制限することができるため、弾性体の耐久性が改善される。
しかも、小歯車は軸受を介して大歯車との間の回転中心間距離が短くなる方向へ付勢されているため、噛合部に加わる噛合反力による歯打音を低減できると共に、小歯車及び大歯車の歯が摩耗した場合においても、噛合部のバックラッシュ量が低減される。
本発明に係る電動パワーステアリング装置の第5の発明は第4の発明において、前記軸受は転がり軸受であり、前記環状の弾性体は、前記転がり軸受の内輪と前記小歯車の歯車本体の端部との間に介装された皿ばねであることを特徴とする。
このような本発明に係る電動パワーステアリング装置の第5の発明では、歯車本体の両端の段部を弾性体の受座とすることができるため、弾性体の支持構造を簡単にでき、加工性及び組み立ての作業性が向上する。
本発明に係る電動パワーステアリング装置の第6の発明は第1の発明において、前記軸受は転がり軸受であり、前記環状の弾性体は前記転がり軸受の内輪に取り付けられていることを特徴とする。
このような本発明に係る電動パワーステアリング装置の第5の発明では、操舵中立位置から左右いずれかの方向への操舵時に、小歯車に加わる軸長方向への力によって弾性体が撓むことになる。この結果、モータが駆動されない操舵領域での操舵負荷を低減することができ、操舵フィーリングが改善される。また、小歯車に加わる軸長方向への力によって弾性体が撓んだ場合に、この弾性体の撓み量を制限部により制限することができるため、弾性体の耐久性が改善される。
しかも、弾性体は転がり軸受の内輪に組み込まれており、弾性体を単独で組み込む必要がない。従って、弾性体の組み込みミスが生じる可能性がなく、弾性体の組み込みをし直す必要がなくなると共に、組み立ての作業性が向上する。
本発明に係る電動パワーステアリング装置の第7の発明は第6の発明において、前記転がり軸受の内輪は、軌道溝と前記小歯車の歯車本体側の側面との間の外周面に環状溝が形成されており、前記環状の弾性体は、内周部が前記転がり軸受の内輪の外周面に形成された環状溝に嵌合するように形成された皿ばねであることを特徴とする。
このような本発明に係る電動パワーステアリング装置の第7の発明では、皿ばねの嵌合内周部を環状溝に外嵌することにより皿ばねを転がり軸受に組み込んでおくことができるため、皿ばねの取着を簡易にできる。しかも、転がり軸受の内輪と外輪との間の空間が皿ばねの撓み域になるため、皿ばねの最大撓み量を抑制することなしに小歯車部分の軸長方向長さを短くすることができる。
本発明に係る電動パワーステアリング装置の第8の発明は第1の発明において、前記環状の弾性体は、外周部が前記小歯車の端部に形成された円筒状の凹部の内周面に形成された環状溝に嵌合するように形成された皿ばねであることを特徴とする。
このような本発明に係る電動パワーステアリング装置の第8の発明では、環状の弾性体は小歯車の段部に組み込まれており、弾性体を単独で組み込む必要がない。このため、弾性体の組込みの間違いが生じる可能性がなく、弾性体の組み込みをし直す必要をなくすことができると共に、組み立ての作業性が向上する。
本発明に係る電動パワーステアリング装置の第9の発明は第1の発明において、前記環状の弾性体は、前記転がり軸受の内輪と前記小歯車の歯車本体の端部との間に配置されており、前記小歯車の軸部に外嵌された筒状の弾性体であり、前記制限部は、前記小歯車の端部の前記筒状の弾性体の内側の部分に備えられていることを特徴とする。
このような本発明に係る電動パワーステアリング装置の第9の発明では、小歯車に加わる軸長方向への力によって筒状弾性体が撓んだ場合に、この筒状弾性体の撓み量を制限部により制限することができるため、各筒状弾性体の塑性変形が防止され、耐久性が改善される。
しかも、筒状弾性体は全体が筒状であるので、皿ばねとは異なって組込み間違いが生じる可能性はないため、筒状弾性体の組み込みをし直す必要は無くなる。また筒状弾性体は皿ばねに比して内径及び外径の寸法差が小さい。従って、皿ばねには必要なばね受け部材が不要になるので、部品点数を削減できると共に、小歯車部分のサイズを大形化することなしに筒状弾性体を組み込める。
本発明に係る電動パワーステアリング装置の第10の発明は第9の発明において、前記筒状の弾性体はコイルばねであり、前記制限部は前記小歯車の端部に一体的に設けられた凸状部材であることを特徴とする。
このような本発明に係る電動パワーステアリング装置の第10の発明では、筒状弾性体の撓み域での弾性復元力が安定するので、操舵フィーリングがより一層良好になる。しかも、小歯車の軸部と一体的に設けられた凸部を制限部としているため、部品点数が増加することなしに制限部を備えることができ、組立ての作業性が向上され、制限部を備えるにも拘わらずコストが低減される。
第1図は本発明に係る電動パワーステアリング装置の実施の形態1の構成を示す減速歯車機構部分の模式的拡大断面図である。
第2図は本発明に係る電動パワーステアリング装置の全体構成を示す模式的断面図である。
第3図は実施の形態1の環状の弾性体である皿ばねの構成を示す模式的斜視図である。
第4図は実施の形態1の制限部が環状の弾性体である皿ばねの撓み量を制限する状態を示す模式的断面図である。
第5図は本発明に係る電動パワーステアリング装置の実施の形態2の構成を示す減速歯車機構部分の模式的拡大断面図である。
第6図は本発明に係る電動パワーステアリング装置の実施の形態3の構成を示す減速歯車機構部分の模式的拡大断面図である。
第7図は第6図のVII−VII線の模式的拡大断面図である。
第8図は実施の形態3の弾性体である皿ばねの構成を示す模式的拡大斜視図である。
第9図は本発明に係る電動パワーステアリング装置の実施の形態4の構成を示す減速歯車機構部分の模式的拡大断面図である。
第10図は実施の形態4の弾性体である皿ばねの構成を示す模式的拡大斜視図である。
第11図は本発明に係る電動パワーステアリング装置の実施の形態5の構成を示す減速歯車機構部分の模式的拡大断面図、
第12図は実施の形態5のウォームの一方の軸部側の部分の模式的拡大図である。
第13図は本発明に係る電動パワーステアリング装置の実施の形態6の構成を示す減速歯車機構部分の模式的拡大断面図である。
第14図は本発明に係る電動パワーステアリング装置の実施の形態7の構成を示す減速歯車機構部分の模式的拡大断面図である。
第15図は本発明に係る電動パワーステアリング装置の実施の形態8の構成を示す減速歯車機構部分の模式的拡大断面図である。
以下本発明をその実施の形態を示す図面に基づいて詳述する。
(実施の形態1)
第1図は本発明に係る電動パワーステアリング装置の実施の形態1の構成を示す減速歯車機構部分の模式的拡大断面図、第2図は本発明に係る電動パワーステアリング装置の全体構成を示す模式的断面図である。
電動パワーステアリング装置は、操舵補助用の電動モータ1と、減速歯車機構Aと、この減速歯車機構Aを収容して支持する支持部材としてのハウジング5と、減速歯車機構Aに繋がる舵取手段6とを備えている。減速歯車機構Aは、電動モータ1の出力軸1aに雄形継手部21及び雌形継手部22を有する軸継手2を介して連結されている小歯車としてのウォーム3と、このウォーム3に噛合する大歯車としてのウォームホイール4とを有する。
舵取手段6は、一端部が舵取りのための操舵輪Bに繋がっていて他端部に筒部61aを有する第1の操舵軸61と、筒部61a内に挿入されてその一端部が第1の操舵軸61の筒部61aに連結されていて操舵輪Bに加わる操舵トルクの作用によって捩れるトーションバー62と、他端部がトーションバー62の他端部に連結されていて減速歯車機構Aに繋がる第2の操舵軸63とを備えている。そして、第2の操舵軸63がユニバーサルジョイントを介して例えばラック・アンド・ピニオン式の舵取機構(不図示)に繋がっている。
ハウジング5は第1収容部5aと第2収容部5bとで構成されている。第1収容部5aは、複数条の歯からなる歯部を有する歯車本体3aの両端部に歯車本体3aよりも小径の軸部3b,3cとを有するウォーム3を収容すると共に、このウォーム3の軸部3b,3cを転がり軸受7,8を介して回転自在に支持している。また第2収容部5bは、ウォームホイール4を収容すると共に、このウォームホイール4を第2の操舵軸63に固定し、この第2の操舵軸63に嵌合された2つの転がり軸受9,10を介して支持している。
第1収容部5aはウォーム3の軸長方向に長い形状に構成されており、その長手方向の一端部には転がり軸受7を内嵌支持する支持孔51及びこの支持孔51に連なるねじ孔52及びモータ取付部53が設けられている。ねじ孔52には、転がり軸受7を固定するためのねじ環11が螺着されている。また、モータ取付部53には電動モータ1が取付けられている。第1収容部5aの他端部には転がり軸受8を内嵌支持する支持孔54が設けられている。
減速歯車機構Aのウォーム3の複数条の歯からなる歯部を有する歯車本体3aの一端部に設けられた軸部3bは転がり軸受7の内輪7aに軸長方向への移動を可能に内嵌されており、転がり軸受7を介してハウジング5に回転自在に支持されている。一方、歯車本体3aの他端部に設けられた軸部3cは転がり軸受8の内輪8aに軸長方向への移動を可能に内嵌されており、転がり軸受8を介してハウジング5に回転自在に支持されている。ウォームホイール4は第2の操舵軸63の途中に嵌合固定されている。
このように転がり軸受7,8により軸長方向への移動を可能に支持されたウォーム3の一端部側では歯車本体3aと転がり軸受7の内輪7aとの間に、また他端部側では歯車本体3aと転がり軸受8の内輪8aとの間にそれぞれ、ウォーム3の軸長方向への移動を抑制する環状の弾性体としての皿ばね12,12と、これらの皿ばね12,12の撓み量を制限するための環状の制限部13,13と、これらの制限部13,13と一体的であり、皿ばね12,12の外周部に当接するばね受部14,14とが設けられている。
第3図は実施の形態1の環状の弾性体である皿ばね12の構成を示す模式的斜視図である。
皿ばね12は内周部を中心軸線と直交的な平面を有する非可撓性の扁平部12a,12a...とし、外周部を中心軸線に対して傾斜する可撓性のテーパ部12b,12b...として形成されている。なお、各扁平部12a,12a...の先端部よりも中心軸側の部分はウォーム3の軸部3b、3cが挿通可能な大きさに開口されている。また、皿ばね12はテーパ部12b,12b...から扁平部12a,12a...にかけて複数の可撓片12c,12c...を有しており、この可撓片12c,12c...の内周側に連続して扁平部12a,12a...が設けられている。
そして、ウォーム3の軸部3b、3cの転がり軸受7,8の内輪7a,8aそれぞれと制限部13,13それぞれとの間に皿ばね21、12がその中央部の開口をウォーム3の軸部3b、3cに挿通される状態で、且つ扁平部12a,12a...の突出側の面が転がり軸受7,8の内輪7a,8aの一側面(ウォーム3の歯車本体3a側の面)に接触し、テーパ部12b,12b...の外周縁がばね受部14,14に接触するように取り付けられる。これにより、皿ばね12,21は転がり軸受7,8の内輪7a,8aをウォーム3の歯車本体3aとは逆側へそれぞれ押圧するので、内輪7aと8aとの間の隙間及び外輪7bと8bとの間の隙間、即ち、転がり軸受7と8との間のアキシアル隙間を無くすと共に、ウォーム3の内輪7a,8aに対する軸長方向の一方及び他方への移動を抑制する。
制限部13,13はウォーム3の軸部3b,3cに外嵌される環状の部材である。両制限部13,13は、一端面が歯車本体3aの端面に接触しており、皿ばね12,12が撓んだ場合に、扁平部12a,12aの他面に接触することにより、皿ばね12,12の撓み量を制限する。
ばね受部14,14は制限部13,13の一端部と一体に形成された円板状になっている。
電動モータ1の出力軸1aとウォーム3の軸部3bとはセレーションを有する雄形継手部21及び雌形継手部22を介して軸長方向への相対移動を可能に結合されている。雄形継手部21は軸部3bの周面にセレーションを設けることにより構成されており、また、雌形継手部22は出力軸1aに嵌合固定された筒部材の内側にセレーションを設けることにより構成されており、雄形継手部21及び雌形継手部22がセレーション嵌合されている。
なお、ハウジング5内には、トーションバー62の捩れに応じた第1の操舵軸61及び第2の操舵軸63の相対回転変位量によって操舵輪Bに加わる操舵トルクを検出するトルクセンサ15が内装されており、このトルクセンサ15が検出したトルク値等に基づいて電動モータ1が駆動制御されるように構成されている。
以上のように構成された本発明の電動パワーステアリング装置の実施の形態1は、ウォーム3の一端部側の軸部3bが電動モータ1の出力軸1aに軸継手2を介して連動連結されており、この軸部3bを転がり軸受7により回転及び軸長方向への移動を可能に支持し、また、他端部側の軸部3cを転がり軸受8により回転及び軸長方向への移動を可能に支持している。更に、ウォーム3の歯車本体3aと転がり軸受7,8の内輪7a,8aとの間にそれぞれ、皿ばね12,12と、ばね受部14,14を有する制限部13,13とが設けられている。そして、皿ばね12,12がウォーム3の軸長方向への移動を抑制するように作用する。
このため、電動モータ1が駆動されない操舵領域、即ち、車両の高速走行時の操舵角が例えば1度程度に小さい操舵領域で操舵されることにより、操舵輪Bの操舵力が第1の操舵軸61、トーションバー62、第2の操舵軸63及びウォームホイール4を介してウォーム3に伝動された際に、ウォーム3に加わる軸長方向への分力によってウォーム3は一方、又は他方の皿ばね12のテーパ部12bを撓ませつつ軸長方向のいずれかの方向へ移動する。これにより、ウォーム3の回転角が小さくなるので、ウォーム3から電動モータ1の出力軸1aへの伝動を緩和することができ、電動モータ1が駆動されない操舵領域での操舵負荷が低減され、操舵フィーリングが良好になる。
第4図は実施の形態1の制限部13が環状の弾性体である皿ばね12の撓み量を制限する状態を示す模式的断面図である。なお、第4図にはウォーム3の軸部3c側の状態が例示されている。
ウォーム3の軸部3c側へ加わる軸長方向への力が比較的大きい場合、皿ばね12の各テーパ部12bの撓み量が大きくなり、皿ばね12は全体として通常の形状に比してより扁平な形状になるが、この皿ばね12の各テーパ部12bの撓み量を制限部13により制限することができる。例えば、ウォーム3が軸部3c側へ軸長方向に移動する場合、ウォーム3の移動力が歯車本体3aの端面から軸部3c側に設けられたばね受部14を経て皿ばね12に伝動されて各テーパ部12bが撓んで皿ばね12が扁平化する。このような各テーパ部12bの撓み量の増加により制限部13が皿ばね12の扁平部12a、12a...の凹部側の面に当接するので、それ以上のウォーム3の軸部3c側への移動が制限される。この結果、皿ばね12の各テーパ部12bの撓み量も制限されることになるので、皿ばね12の塑性変形が防止され、耐久性も向上する。
しかも、皿ばね12,12は内周部を扁平部12a,12a...とし、この扁平部12a,12a...に制限部13,13を当接させてテーパ部12b,12b...の撓み量を制限するようにしてあるため、ウォーム3部分のサイズを大形化することなしに皿ばね12,12の内縁及び外縁間の空間に制限部13,13を配置することができる。また、ウォーム3に加わる振動等により皿ばね12,12が周方向へ回動した場合においても、皿ばね12,12の周方向位置を決める位置決め手段は必要ではないので、そのような位置決め手段を設ける場合に比して加工工数及び組立て工数を削減できる。
つまり、皿ばね12,12の内縁及び外縁間の空間に制限部13,13を配置する場合、隣接する各可撓片12c,12c間の凹所12d,12dと向き合うように複数の制限部を設け、皿ばね12,12が撓んだ場合に凹所12d,12dに制限部が挿入して内輪7a,8aの一側面に当接する構成をとることも可能である。しかしそのような構成を採る場合には、軸部3b,3cに外嵌されている皿ばね12,12はウォーム3に加わる振動等により周方向へ回動した場合には凹所12d,12d及び制限部13,13の周方向位置がずれることになるため、皿ばね12,12の回動を防ぐ位置決め手段を設ける必要がある。これに対して上述した実施の形態1の構成では皿ばね12,12の回動を防ぐ位置決め手段を設ける必要がない。
また上述の実施の形態1では、皿ばね12,12の可撓片12c,12c...の先端部に形成されている扁平部12a,12a...を内輪7a,8aに対する座とし、この扁平部12a,12a...を内輪7a,8aの一側面に面接触させる構成を採っている。このため、皿ばね12,12の可撓片12c,12c...の部分を支持するための支持部材を用いることなしに皿ばね12,12の安定性を高めることができるので、皿ばね12,12が備えられているにも拘わらず部品点数を削減でき、上述のような支持部材を用いる場合に比して電動パワーステアリング装置のコストを低減できる。
なお、以上に説明した実施の形態1では、制限部13,13をウォーム3とは別部品として設けル構成を採っているが、制限部13,13をウォーム3の軸部3b,3cと一体に、換言すれば制限部13が一体的に形成された状態になるように軸部3b,3cそれぞれを加工してもよい。また、制限部13,13とばね受部14,14とを一体化した構成を採っているが、ばね受部14,14を例えばウォーム3の歯車本体3aに一体的に形成された状態となるようにウォーム3を加工してもよい。また、皿ばね12,12の扁平部12a,12a...を転がり軸受7,8の内輪7a,8aの一側面に接触させる構成としたが、皿ばね12,12の向きを逆にして扁平部12a,12a...をウォーム3の歯車本体3aの端面に接触させ、皿ばね12,12と内輪7a,8aとの間に制限部13,13及びばね受部14,14を設ける構成としてもよい。また、皿ばね12,12は扁平部12a,12a...側に可撓片12c,12cを有する構成であるが、テーパ部12b,12b...側に可撓片12c,12cを有する構成であってもよい。また、皿ばね12,12は凹所12d,12dがない構造であってもよい。
(実施の形態2)
第5図は本発明に係る電動パワーステアリング装置の実施の形態2の構成を示す減速歯車機構部分の模式的拡大断面図である。
本発明の電動パワーステアリング装置の実施の形態2は、皿ばね12,12は使用せず、ウォーム3の軸長方向への移動を抑制できると共にウォーム3をウォームホイール4に向けて押付けることができる弾性環状体16,16を設ける構成を採っている。なお、ウォーム3は、弾性環状体16,16及び転がり軸受7,8を介してハウジング5に回転自在に支持されている。
弾性環状体16,16は、転がり軸受7,8の外輪7b,8bにそれぞれ外嵌されており、ウォーム3をウォームホイール4に向けて押付ける第1環部16a,16a及びこれらの第1環部16a,16aの一端部から径方向内側へ突設され、外輪7b,8bの側面に接触してウォーム3の軸長方向への移動を抑制する第2環部16b,16bを有する断面略L字形に構成されている。更に、弾性環状体16,16は、ゴム製の弾性部材16c,16cと、これらの弾性部材16c,16cの内側及び外側にそれぞれ積層された断面略L字形の補強部材16d,16d、16e,16eとをそなえている。そして、内側の補強部材16d,16dが転がり軸受7,8の外輪7b,8bにそれぞれ圧入され、外側の補強部材16e,16eが支持孔51,54にそれぞれ圧入されている。なお、補強部材16d,16d、16e,16eは、金属又は樹脂製であり、加硫接着等によって弾性部材16c,16cに結合されている。
第1環部16a,16aによるウォーム3のウォームホイール4方向への押付けは、例えば支持孔51,54の中心及び転がり軸受9,10を嵌合支持する支持孔75,76の中心間距離Lを、ウォーム3のピッチ円直径φdの半分であるφd/2と、ウォームホイール4のピッチ円直径φDの半分であるφD/2とを加算した寸法よりも小さくなるように設定することにより可能である。このような設定により、ウォーム3の軸部3b,3cを転がり軸受7,8で支持した場合に第1環部16a,16aが撓み、この第1環部16a,16aの弾性復元力によりウォーム3がウォームホイール4に向けて押付けられるので、噛合部に予圧が与えられる。
第5図に示した実施の形態2では、第1環部16a,16aの弾性復元力がウォーム3に加わり、ウォーム3をウォームホイール4との噛合部に押付けることになるので、噛合部のバックラッシュ量を少なくすることができる。また、ウォーム3との噛合音を低減することを目的としてウォームホイール4の少なくとも歯車本体が合成樹脂で形成されている構成においては、湿気によりウォームホイール4の歯車本体が膨潤し、この膨潤した歯車本体がウォーム3に押付けられる場合においても第1環部16a,16aが撓むため、噛合部に加わる回転トルクを低減できる。
また、電動モータ1が駆動されない操舵領域、即ち、車両の高速走行時の操舵角が例えば1度程度に小さい操舵領域で操舵される場合に、ウォーム3が軸長方向のいずれかの方向へ移動する際に、弾性環状体16の第2環部16bが撓んでウォーム3の回転角が小さくなる。これにより、ウォーム3から電動モータ1の出力軸1aへの伝動を緩和することができるので、電動モータ1が駆動されない操舵領域での操舵負荷が低減され、操舵フィーリングが良好になる。
このように実施の形態2では、ウォーム3を支持する弾性環状体16,16によって噛合部のバックラッシュによる歯打音を低減でき、回転トルクの低減及び電動モータ1が駆動されない操舵領域での操舵フィーリングの向上を達成することができる。
なお、以上に説明した実施の形態1、2の減速歯車機構Aは、小歯車であるウォーム3及び大歯車であるウォームホイール4を備えたウォーム歯車である他、小歯車であるハイポイドピニオン及び大歯車であるハイポイドホイールを備えたハイポイド歯車であってもよい。更に、小歯車、大歯車ははすば歯車であってもよく、はすば歯車の一部とウォーム歯車の一部とを合成した歯車であってもよい。
また、皿ばね12の各可撓片12cは周方向に4等配したものを例示したが、複数等配であればその数を種々変更することも可能である。
(実施の形態3)
次に本発明に係る電動パワーステアリング装置の実施の形態3について説明する。第6図は本発明に係る電動パワーステアリング装置の実施の形態3の構成を示す減速歯車機構部分の模式的拡大断面図、第7図は第6図のVII−VII線の模式的拡大断面図である。
本発明の電動パワーステアリング装置の実施の形態3では、転がり軸受8を支持するためにハウジング5の第1収容部5aの他端部に設けられている支持孔54が、ウォーム3とウォームホイール4との回転中心間の距離Hが長短となる方向へ偏心した長円形に構成されている。これにより、転がり軸受8をウォーム3とウォームホイール4との回転中心間距離Hが長短となる方向へ移動させることができるようにしてある。支持孔54と転がり軸受8の外輪8bとの間のウォームホイール4とは逆側の位置には転がり軸受8をウォーム3とウォームホイール4との回転中心間距離Hが短くなる方向へ付勢するための付勢手段としての湾曲した板ばね120が介装されている。
この板ばね120は転がり軸受8の外周面に沿って円弧状に湾曲しており、幅方向の一方の縁から他方の縁に向けて転がり軸受8の外周面に対して傾斜した形状に形成することにより、支持孔54と外輪8bとの間での撓みを可能にしてある。この板ばね120の弾性復元力により、転がり軸受8を介してウォーム3を、ウォーム3とウォームホイール4との回転中心間距離Hが短くなる方向へ付勢している。
減速歯車機構Aのウォーム3は複数条の歯を有する歯車本体3aと、この歯車本体3aの両端部に径方向の段部3d,3dを介して連なり、歯車本体3aよりも小径の軸部3b,3cとを有する。一方の軸部3bは転がり軸受7の内輪7aに軸長方向への移動を可能に内嵌され、転がり軸受7を介してハウジング5に回転自在に支持されている。他方の軸部3cは転がり軸受8の内輪8aに軸長方向への移動を可能に内嵌され、転がり軸受8を介してハウジング5に回転自在に支持されている。ウォームホイール4は第2の操舵軸63の途中に嵌合固定されている。
このように転がり軸受7,8により軸長方向への移動を可能に支持されたウォーム3の段部3d,3dと内輪7a,8aとの間にはそれぞれ、ウォーム3の軸長方向への移動を抑制する弾性体としての皿ばね121,121と、皿ばね121,121の撓み量を制限する制限部としての凸部131,131とが設けられている。
第8図は実施の形態3の弾性体である皿ばね121の構成を示す模式的拡大斜視図である。
皿ばね121は内縁から外縁にかけて中心軸線に対して傾斜する可撓のテーパ状に形成されており、径方向の途中から内縁にかけて複数の可撓片121a,121a...が等配に設けられている。なお、各可撓片121a,121a...の先端部よりも中心軸側の部分はウォーム3の軸部3b、3cが挿通可能な大きさに開口されている。そして、内縁部が内輪7a,8aにそれぞれ接触し、外縁部がウォーム3の軸部3b,3cの段部3d,3dにそれぞれ接触するように取り付けられる。これにより、皿ばね121,121は転がり軸受7,8の内輪7a,8aをウォーム3の歯車本体3aとは逆側へそれぞれ押圧するので、内輪7aと8aとの間の隙間及び外輪7bと8bとの間の隙間、即ち、転がり軸受7と8との間のアキシアル隙間を無くすと共に、ウォーム3の内輪7a,8aに対する軸長方向の一方及び他方への移動を抑制する。
凸部131,131は軸部3b,3cの段部3d,3d側の皿ばね121,121の内側の部分にウォーム3と一体に周方向複数箇所に突設されている。また、凸部131,131は軸部3b,3cの外周よりも外側に位置しており、ウォーム3の軸長方向への移動により一方の軸部3b側の凸部131が転がり軸受7の内輪7aの歯車本体3a側の側面に当接することにより、又は他方の軸部3c側の凸部131が転がり軸受8の内輪8aの歯車本体3a側の側面に当接することにより、それぞれ皿ばね121,121の撓み量を制限する。
以上のように構成された本発明の電動パワーステアリング装置の実施の形態3は、ウォーム3の一端部側の軸部3bが電動モータ1の出力軸1aに軸継手2を介して連動連結されており、この軸部3bを転がり軸受7により回転及び軸長方向への移動を可能に支持し、また、他端部の軸部3cを転がり軸受8により回転及び軸長方向への移動を可能に支持している。更に、転がり軸受7,8の内輪7a,8aそれぞれとウォーム3の段部3d,3dそれぞれとの間に皿ばね121,121が設けられている。そして、皿ばね121,121がウォーム3の軸長方向への移動を抑制するように作用する。
このため、電動モータ1が駆動されない操舵領域、即ち、車両の高速走行時の操舵角が例えば1度程度に小さい操舵領域で操舵されることにより、操舵輪Bの操舵力が第1の操舵軸61、トーションバー62、第2の操舵軸63及びウォームホイール4を介してウォーム3に伝動された際に、ウォーム3に加わる軸長方向への分力によってウォーム3は一方の皿ばね121の可撓片121aを撓ませつつ軸長方向の一方へ、又は他方の皿ばね121の可撓片121aを撓ませつつ軸長方向の他方へ移動する。これにより、ウォーム3の回転角が小さくなるので、ウォーム3から電動モータ1の出力軸1aへの伝動を緩和することができ、電動モータ1が駆動されない操舵領域での操舵負荷が低減され、操舵フィーリングが良好になる。
また、ウォーム3に加わる軸長方向への力が比較的大きい場合には一方の皿ばね121の可撓片121aの撓み量が大きくなるが、この皿ばね121の可撓片121aの撓み量を凸部131により制限することができる。例えば、ウォーム3が軸長方向の一方へ移動する場合、ウォーム3の移動力が段部3dから皿ばね121に伝動され、この皿ばね121の可撓片121aが撓んで皿ばね121全体が扁平化する。このような可撓片121aの撓み量の増加により凸部131が内輪7a又は8aの一側面(ウォーム3の歯車本体3a側の側面)に当接するので、ウォーム3の移動を制限することができる。この結果、皿ばね121,121の撓み量も制限されるので、皿ばね121,121の塑性変形が防止され、耐久性も向上する。
しかも、ウォーム3の歯車本体3aの両端部に設けられた段部3d,3dが皿ばね121,121の受座として機能するため、皿ばね121,121の支持構造が簡略化され、加工性及び組込作業性が向上する。
また、凸部131,131は軸部3b,3cと一体的に形成されているため、部品点数を増加することなく制限部を備えることができ、組立て作業性が向上し、制限部を備えるにも拘わらず、コストが低減される。
また、ハウジング5の第1収容部5aに組込まれたウォーム3の軸部3cを支持する転がり軸受8は、板ばね120によりウォーム3とウォームホイール4との回転中心間距離Hが短くなる方向へ付勢されているため、ウォーム3及びウォームホイール4の噛合部のバックラッシュ量を少なくすることができ、また、ウォーム3及びウォームホイール4の歯の摩耗量が増大した場合においても噛合部のバックラッシュ量を低減することができる。
また、噛合部に加わる噛合反力、キックバック等により回転中心間距離Hが長くなる方向へウォーム3が移動しようとする場合には板ばね120がたわむことによりウォーム3の移動を抑制することができるため、噛合反力、キックバック等による歯打音が低減される。
なお、以上に説明した実施の形態3では、制限部としての凸部131,131を軸部3b,3cと一体に設ける構成を採っているが、制限部は軸部3b,3cとは別に例えば環状に形成した部材を軸部3b,3cに外嵌してもよい。また、制限部はウォーム3の軸部3b,3cの外周の一周に亘って連続する構造であってもよいし、1つの凸部又は周方向に離隔する複数の凸部であってもよい。また、例えば皿ばね121の隣接する可撓片121a,121a間の部分を中心軸線と平行的に皿ばね121の突出側へ向けて屈曲させ、この屈曲部分を制限部とする構成も可能である。
また、以上に説明した実施の形態3の皿ばね121は内周部に可撓片121a,121a...を有する構造としたが、代わりに、皿ばね121は外周部に可撓片121a,121a...を有する構造であってもよい。また、皿ばね121は可撓片121a,121a...を有していない構造であってもよい。
また、以上に説明した実施の形態3では、転がり軸受8をウォーム3とウォームホイール4との回転中心間距離Hが短くなる方向へ付勢するための付勢手段として板ばね120を用いたが、付勢手段としては例えば可撓性を有する合成樹脂、ゴム、コイルばね等の弾性体であってもよい。
また、以上に説明した実施の形態3の減速歯車機構Aは、小歯車であるウォーム3及び大歯車であるウォームホイール4を備えたウォーム歯車である他、小歯車であるハイポイドピニオン及び大歯車であるハイポイドホイールを備えたハイポイド歯車であってもよい。更に、小歯車、大歯車ははすば歯車であってもよく、はすば歯車の一部とウォーム歯車の一部とを合成した歯車であってもよい。
次に本発明に係る電動パワーステアリング装置の実施の形態4、5について説明する。
(実施の形態4)
第9図は本発明に係る電動パワーステアリング装置の実施の形態4の構成を示す減速歯車機構部分の模式的拡大断面図である。
減速歯車機構Aのウォーム3は複数条の歯からなる歯部を有する歯車本体3aと、この歯車本体3aの両端部に径方向の段部3d,3dを介して連なり、歯車本体3aよりも小径の軸部3b,3cとを有する。一方の軸部3bは転がり軸受7の内輪7aに軸長方向への移動を可能に内嵌され、転がり軸受7を介してハウジング5に回転自在に支持されている。他方の軸部3cは転がり軸受8の内輪8aに軸長方向への移動を可能に内嵌され、転がり軸受8を介してハウジング5に回転自在に支持されている。ウォームホイール4は第2の操舵軸63の途中に嵌合固定されている。
このようにウォーム3を軸長方向へ移動可能に支持する転がり軸受7,8の内輪7a,8aにはそれぞれ、軌道溝とウォーム3の歯車本体3a側の側面との間の内周面に環状溝71,81が設られている。転がり軸受7の内輪7aと段部3dの間、及び転がり軸受8の内輪8aと段部3dとの間にはそれぞれ、ウォーム3の軸長方向への移動を抑制する弾性体としての皿ばね122,122と、皿ばね122,122の撓み量を制限する制限部としての凸部132,132とが設けられている。また、両転がり軸受7,8の外輪7b,8bそれぞれの軌道溝よりもウォーム3の歯車本体3aとは逆側の内周面には内輪7aと外輪7bとの間の空間、内輪8aと外輪8bとの間の空間をそれぞれシールするためのシール部材72,82が嵌合固定されている。
第10図は実施の形態4の弾性体である皿ばね122の構成を示す模式的拡大斜視図である。
皿ばね122は中心軸線と直交的な扁平状の嵌合内周部122a,122a...から外縁にかけて中心軸線に対して傾斜する可撓のテーパ状に形成されている。なお、各扁平部嵌合内周部122a,122a...の先端部よりも中心軸側の部分はウォーム3の軸部3b、3cが挿通可能な大きさに開口されている。また、皿ばね122は径方向の途中から内縁にかけて突出した複数の可撓片122b,122b...を有しており、この可撓片122b,122b...の先端部に嵌合内周部122a,122a...が設けられている。そして、嵌合内周部122a,122a...が内輪7a,8aの環状溝71,81それぞれに外嵌され、外周部がウォーム3の段部3d,3dにそれぞれ接触するように取り付けられる。これにより、皿ばね122,122は転がり軸受7,8の内輪7a,8aをウォーム3の歯車本体3aとは逆側へそれぞれ押圧するので、内輪7aと8aとの間の隙間及び外輪7bと8bとの間の隙間、即ち、転がり軸受7と8との間のアキシアル隙間を無くすと共に、ウォーム3の内輪7a,8aに対する軸長方向の一方及び他方への移動を抑制する。
凸部132,132はそれぞれ、ウォーム3の両軸部3b,3cの皿ばね122,122の外周部よりも内側の部分の段部3d,3d側、換言すれば皿ばね122,122の外周部よりも内側であり、内輪7a,8aと両段部3d,3dとの間の軸部3b,3cそれぞれの外周の全周にわたって段部3d,3d側に、軸部3b,3cそれぞれと一体的に突設されている。また、凸部132,132は軸部3b,3cよりも大径に形成されている。これにより、ウォーム3の軸長方向への移動により一方の軸部3b側の凸部132が転がり軸受7の内輪7aの歯車本体3a側の側面に当接し、他方の軸部3c側の凸部132が転がり軸受8の内輪8aの歯車本体3a側の側面に当接することにより、皿ばね122,122の撓み量が制限される。
以上のように構成された本発明の電動パワーステアリング装置の実施の形態4は、ウォーム3の一端部側の軸部3bが電動モータ1の出力軸1aに軸継手2を介して連動連結されており、この軸部3bを転がり軸受7により回転及び軸長方向への移動を可能に支持し、また、他端部側の軸部3cを転がり軸受8により回転及び軸長方向への移動を可能に支持している。更に、転がり軸受7,8の内輪7a,8aとウォーム3の段部3d,3dとの間にそれぞれ皿ばね122,122が設けられている。そして、皿ばね122,122がウォーム3の軸長方向への移動を抑制するように作用する。
このため、電動モータ1が駆動されない操舵領域、即ち、車両の高速走行時の操舵角が例えば1度程度に小さい操舵領域で操舵されることにより、操舵輪Bの操舵力が第1の操舵軸61、トーションバー62、第2の操舵軸63及びウォームホイール4を介してウォーム3に伝動された際に、ウォーム3に加わる軸長方向への分力によってウォーム3は一方、又は他方の皿ばね122の可撓片122bを撓ませつつ軸長方向のいずれかの方向へ移動する。これにより、ウォーム3の回転角が小さくなるので、ウォーム3から電動モータ1の出力軸1aへの伝動を緩和することができ、電動モータ1が駆動されない操舵領域での操舵負荷が低減され、操舵フィーリングを良好になる。
また、ウォーム3に加わる軸長方向への力が比較的大きい場合には一方の皿ばね122の可撓片122bの撓み量が大きくなるが、この皿ばね122の可撓片122bの撓み量を凸部132により制限することができる。例えば、ウォーム3が軸長方向の一方へ移動する場合、ウォーム3の移動力が段部3dから皿ばね122に伝動され、この皿ばね122の可撓片122bが撓んで皿ばね122全体が扁平化する。このような可撓片122bの撓み量の増加により凸部132が内輪7a又は8aの一側面(ウォーム3の歯車本体3a側の側面)に当接するので、ウォーム3の移動を制限することができる。この結果、皿ばね122,122の撓み量も制限されるので、皿ばね122,122の塑性変形が防止され、耐久性も向上する。
しかも、皿ばね122,122は嵌合内周部122a,122a...が両転がり軸受7,8の内輪7a,8aそれぞれに形成されている環状溝71,81に外嵌されることによりそれぞれ転がり軸受7,8に予め組み込んでおけるため、皿ばね122,122を単独で組み込む必要がない。従って、皿ばね122,122の組み込みに際して方向を逆にする等のミスが生じることがなくなるので、皿ばね122,122の組み込みをし直す必要をなくすことができると共に、組み立ての作業性を向上できる。また、ウォーム3が軸長方向へ移動する際は、皿ばね122,122に支障することなしに凸部132,132を内輪7a,8aそれぞれの一側面に当接させることができる。
また、凸部132,132は軸部3b,3cと一体的に形成されているため、部品点数が増加することなしに制限部を備えることができ、組立ての作業性が向上し、制限部を備えるにも拘わらずコストを低減できる。
(実施の形態5)
第11図は本発明に係る電動パワーステアリング装置の実施の形態5の構成を示す減速歯車機構部分の模式的拡大断面図、第12図は実施の形態5のウォーム3の一方の軸部3c側の部分の模式的拡大図である。
本発明の電動パワーステアリング装置の実施の形態5は、皿ばね122,122を実施の形態4のように内輪7a,8a側に組み込むのではなく、ウォーム3の段部3d,3dそれぞれに皿ばね122,122の外周部を組み込み、同じく内周部を内輪7a,8aの一側面(ウォーム3の歯車本体3a側の面)に接触させるように構成している。
この実施の形態5において、両軸部3b,3cそれぞれの段部3d,3dには、軸長方向へ窪む環状凹部31,31が形成されている。従って、両段部3d,3dの端面は円筒状に形成されている。そして、この環状凹部31,31の外周の壁面の内周に外側へ窪んだ環状溝32,32が形成されている。
また、皿ばね122は中心軸線と直交的な扁平状の嵌合外周部122c,122c...から内縁にかけて中心軸線に対して傾斜する可撓のテーパ状に形成されているなお、各扁平部嵌合内周部嵌合外周部122c,122c...の先端部よりも中心軸側の部分はウォーム3の軸部3b、3cが挿通可能な大きさに開口されている。また、皿ばね122は径方向の途中から内縁方向に突出した複数の可撓片122b,122b...を有している。そして、嵌合外周部122c,122c...がウォーム3の両端部の段部3d,3dに形成されている環状溝32,32に内嵌され、内周部が内輪7a,8aの一側面に接触するように取り付けられる。これにより、皿ばね122,122が転がり軸受7,8の内輪7a,8aをウォーム3の歯車本体3a側側へそれぞれ押圧する。従って、内輪7aと8aとの間の隙間及び外輪7bと8bとの間の隙間、即ち、転がり軸受7と8との間のアキシアル隙間を無くすと共に、ウォーム3の内輪7a,8aに対する軸長方向の一方及び他方への移動を抑制する。
なお、以上に説明した実施の形態4、5では、制限部としての凸部132,132を軸部3b,3cと一体的に形成する構成を採っているが、その他、制限部は軸部3b,3cとは別の部品として例えば環状に形成して軸部3b,3cに外嵌してもよい。また、制限部は両軸部3b,3cの外周の全周にわたって連続するように形成してあるが、1つの凸部又は軸部3b,3cの周方向に離隔する複数の凸部であってもよい。また、制限部は例えば皿ばね122の隣接する可撓片122b,122b間の部分を中心軸線と平行的に皿ばね122の突出側へ向けて屈曲させ、この屈曲部分を制限部とする構成も可能である。
また、以上に説明した実施の形態4、5の皿ばね122,122は内周部に可撓片122b,122bを有する構造としたが、その他、外周部に可撓片122b,122bを有する構造であってもよい。また、皿ばね122,122は可撓片122b,122bを有しない構造であってもよい。
また、以上に説明した実施の形態4、5の減速歯車機構Aは、小歯車であるウォーム3及び大歯車であるウォームホイール4を備えたウォーム歯車である他、小歯車であるハイポイドピニオン及び大歯車であるハイポイドホイールを備えたハイポイド歯車であってもよい。更に、小歯車、大歯車ははすば歯車であってもよく、はすば歯車の一部とウォーム歯車の一部とを合成した歯車であってもよい。
次に本発明に係る電動パワーステアリング装置の実施の形態6、7、8について説明する。
(実施の形態6)
第13図は本発明に係る電動パワーステアリング装置の実施の形態6の構成を示す減速歯車機構部分の模式的拡大断面図である。
減速歯車機構Aのウォーム3は複数条の歯からなる歯部を有する歯車本体3aと、この歯車本体3aの両端部に径方向の段部3d,3dを介して連なり、歯車本体3aよりも小径の軸部3b,3cとを有する。一方の軸部3bは転がり軸受7の内輪7aに軸長方向への移動を可能に内嵌され、転がり軸受7を介してハウジング5に回転自在に支持されている。他方の軸部3cは転がり軸受8の内輪8aに軸長方向への移動を可能に内嵌され、転がり軸受8を介してハウジング5に回転自在に支持されている。ウォームホイール4は第2の操舵軸63の途中に嵌合固定されている。
このように転がり軸受7,8により軸長方向への移動を可能に支持されたウォーム3の軸部3b側では転がり軸受7の内輪7aと段部3dとの間に、軸部3c側では転がり軸受8の内輪8aと段部3dとの間にそれぞれ、ウォーム3の軸長方向への移動を抑制する筒状弾性体としてのコイルばね123,123と、コイルばね123,123の撓み量を制限する制限部としての凸部133,133とが設けられている。
各コイルばね123,123は内輪7a,8a及び段部3d,3dの間における軸部3b,3cに挿入されており、一端部側の座が内輪7a,8aの一側面に当接し、他端部側の座が段部3d,3dに当接し、内輪7a,8a及び凸部3d,3d間の距離だけ撓むことによりウォーム3が内輪7a,8aに対して軸長方向一方及び他方へ移動することを抑制している。
凸部133,133はそれぞれ、ウォーム3の両軸部3b,3cの皿ばね123,123の外周部よりも内側の部分の段部3d,3d側、換言すれば皿ばね123,123の外周部よりも内側であり、内輪7a,8aと両段部3d,3dとの間の軸部3b,3cそれぞれの外周の全周にわたって段部3d,3d側に、軸部3b,3cそれぞれと一体的に突設されている。また、凸部133,133は軸部3b,3cよりも大径であるが、コイルばね123,123の内径よりは小径に形成されている。これにより、ウォーム3の軸長方向への移動により一方の軸部3b側の凸部133が転がり軸受7の内輪7aの歯車本体3a側の側面に当接し、他方の軸部3c側の凸部133が転がり軸受8の内輪8aの歯車本体3a側の側面に当接することにより、コイルばね123,123の撓み量が制限される。
以上のように構成された本発明の電動パワーステアリング装置の実施の形態6は、ウォーム3の一端部側の軸部3bが電動モータ1の出力軸1aに軸継手2を介して連動連結されており、この軸部3bを転がり軸受7により回転及び軸長方向への移動を可能に支持し、また、他端部側の軸部3cを転がり軸受8により回転及び軸長方向への移動を可能に支持している。更に、ウォーム3の歯車本体3aの両側の段部3d,3dと転がり軸受7,8の内輪7a,8aとの間にそれぞれ、コイルばね123,123が設けられている。そして、コイルばね123,123がウォーム3の軸長方向への移動を抑制するように作用する
このため、電動モータ1が駆動されない操舵領域、即ち、車両の高速走行時の操舵角が例えば1度程度に小さい操舵領域で操舵されることにより、操舵輪Bの操舵力が第1の操舵軸61、トーションバー62、第2の操舵軸63及びウォームホイール4を介してウォーム3に伝動された際に、ウォーム3に加わる軸長方向への分力によってウォーム3は一方、又は他方のコイルばね123を撓ませつつ軸長方向のいずれかの方向へ移動する。これにより、ウォーム3の回転角が小さくなるので、ウォーム3から電動モータ1の出力軸1aへの伝動を緩和することができ、電動モータ1が駆動されない操舵領域での操舵負荷が低減され、操舵フィーリングが良好になる。なお皿ばねに比してコイルばね123,123は撓み域での弾性復元力が安定しているので、操舵フィーリングがより一層良好になる。
また、電動モータ1が駆動されない操舵領域でウォーム3に加わる軸長方向への力が比較的大きい場合は、一方のコイルばね123の撓み量が大きくなるが、このコイルばね123の撓み量を凸部133により制限することができる。例えば、ウォーム3が軸長方向の一方へ移動する場合、ウォーム3の移動力が段部3dからコイルばね123に伝動され、このコイルばね123が撓む。このようなコイルばね123の撓み量の増加により凸部133が内輪7a又は8aの一側面(ウォーム3の歯車本体3a側の側面)に当接するので、ウォーム3の移動を制限することができる。この結果、コイルばね123の撓み量も制限されるので、コイルばね123の塑性変形が防止され、耐久性も向上する。
しかも、ウォーム3の軸長方向への移動をコイルばね123,123が抑制するので、皿ばねのように組み込みの方向を間違う可能性がなく、コイルばね123,123の組み込みをし直す必要をなくすことができる。またコイルばね123,123は皿ばねに比して内径及び外径の寸法の変化が小さいため、皿ばねのようにばね受け部材は不要であるので、部品点数を削減できると共に、ウォーム3部分のサイズを大形化することなしにコイルばね123,123を組み込むことができる。また、凸部133,133は軸部3b,3cと一体的に形成されているため、部品点数を増加することなしに制限部を備えることができので、組立ての作業性が向上し、制限部を備えるにも拘わらずコストを低減できる。
(実施の形態7)
第14図は本発明に係る電動パワーステアリング装置の実施の形態7の構成を示す減速歯車機構部分の模式的拡大断面図である。
本発明の電動パワーステアリング装置の実施の形態7は、上述の各実施の形態と同様に、ウォーム3の軸部3bを出力軸1aに連動連結する構成において、雄形継手部21が挿入される雌形継手部22の一部に径方向に貫通する貫通孔23を設け、可撓性を有する押圧部材41を貫通孔23に保持されるように挿入する構成を採っている。このような構成では、押圧部材41が雄形継手部21を径方向へ押圧するので、雄形継手部21の雌形継手部22に対する径方向及び周方向のガタ付きが低減される。
具体的には、押圧部材41は両端部にそれぞれフランジ41a,41bを有する短軸部材からなり、全体がゴム、合成樹脂等の可撓性を有する材料により成形されている。そして、貫通孔23から雌形継手部22内に挿入された一方のフランジ41aが雄形継手部21を径方向へ押圧することにより、雄形継手部21及び雌形継手部22間の隙間を径方向の一方側へ詰めると共に、両フランジ41a,41bにより雌形継手部22の外周面を挟持しているので、押圧部材41の貫通孔23からの脱落を防いでいる。
この実施の形態7では、例えば押圧部材41が雌形継手部22の貫通孔23に挿入保持された状態で、雄形継手部21が雌形継手部22に挿入される。
その他の構成及び作用は実施の形態6と同様であるため、同様の部品については同じ符号を付し、その詳細な説明及び作用効果の説明を省略する。
(実施の形態8)
第15図は本発明に係る電動パワーステアリング装置の実施の形態8の構成を示す減速歯車機構部分の模式的拡大断面図である。
本発明の電動パワーステアリング装置の実施の形態8は、上述の実施の形態7のような両端部にフランジ41a,41bを有する短軸部材からなる押圧部材41に代えて、可撓性を有し、一端部のみにフランジ42aを有する短軸部材からなる押圧部材42を雌形継手部22の一部に穿設された径方向の貫通孔23に保持されるように挿入する構成を採っている。このような構成では、押圧部材42が雄形継手部21を径方向へ押圧するので、雄形継手部21の雌形継手部22に対する径方向及び周方向のガタ付きが低減される。
具体的には、貫通孔23にはその深さ方向の途中の位置に軸方向と平行な面上に環状溝23aが設けられており、この環状溝23aにフランジ42aが挿入されることにより、押圧部材42の貫通孔23からの脱落を防いでいる。
その他の構成及び作用は実施の形態6、7と同様であるため、同様の部品については同じ符号を付し、その詳細な説明及び作用効果の説明を省略する。
なお、以上に説明した実施の形態6、7、8では、制限部としての凸部133,133を軸部3b,3cに一体的に設けたが、その他、制限部を軸部3b,3cとは別に例えば環状の部材を形成して軸部3b,3cに外嵌してもよい。また、制限部は軸部3b,3cの外周の全周にわたって連続する構造である他に、1つの凸部又は軸部3b,3cの周方向に離隔して配列された複数の凸部であってもよい。
また、以上に説明した実施の形態6、7、8では、筒状弾性体としてコイルばね123,123を用いているが、筒状弾性体としては可撓性を有するゴムパイプ、蛇腹等であってもよく、その構成は特に制限されない。
また、以上に説明した実施の形態6、7、8の減速歯車機構Aは、小歯車であるウォーム3及び大歯車であるウォームホイール4を備えたウォーム歯車である他、小歯車であるハイポイドピニオン及び大歯車であるハイポイドホイールを備えたハイポイド歯車であってもよい。更に、小歯車、大歯車としてはすば歯車であってもよく、はすば歯車の一部とウォーム歯車の一部とを合成した歯車であってもよい。
以上に詳述したように本発明に係る電動パワーステアリング装置の第1の発明によれば、環状の弾性体の撓み量を制限するための制限部が、歯車本体の両端部それぞれの前記軸部の外周に沿う部分にそれぞれ、小歯車部分のサイズを大形化することなしに備えることができるので、小歯車であるウォームのサイズを大型化する必要がない。
また本発明に係る電動パワーステアリング装置の第2の発明によれば第1の発明に加えて、環状の弾性体の撓み量を制限部により制限することができ、環状の弾性体の塑性変形を防止し、耐久性を改善することができる。
また本発明に係る電動パワーステアリング装置の第3の発明によれば第2の発明に加えて、皿ばねの可撓片部分を支持するための支持部材を用いることなしに皿ばねの安定性を高めることができる。このため、皿ばねを有するにも拘わらず部品点数が削減され、支持部材を用いる場合に比してコストが低減される。しかも、皿ばねの周方向位置を決める位置決め手段が不要であるため、この位置決め手段を設ける場合に比して加工工数及び組立て工数が削減され、コストが更に低減される。
また本発明に係る電動パワーステアリング装置の第4の発明によれば第1の発明に加えて、操舵中立位置から左右いずれかの方向へ操舵する場合の操舵フィーリングを改善することができると共に、小歯車の移動を抑制する弾性体の耐久性を改善することができ、しかも、歯の摩耗量が増大した場合においても噛合部のバックラッシュ量が低減される。
また本発明に係る電動パワーステアリング装置の第5の発明によれば第4の発明に加えて、弾性体の支持構造が簡単になるので、加工性及び組み立ての作業性が向上する。
また本発明に係る電動パワーステアリング装置の第6の発明によれば第1の発明に加えて、操舵中立位置から左右いずれかの方向へ操舵する場合の操舵フィーリングを改善することができると共に、小歯車の移動を抑制するための環状の弾性体の耐久性を改善することができ、しかも、弾性体の組み込みに際してその方向を間違える可能性がなくるので、弾性体の組み込みをし直す必要をなくすことができる。
また本発明に係る電動パワーステアリング装置の第7の発明によれば第6の発明に加えて、皿ばねの組み込みが簡易になり、しかも、皿ばねの最大撓み量を抑制することなしに小歯車の軸部の軸長方向長さを短くすることができる。
また本発明に係る電動パワーステアリング装置の第8の発明によれば第1の発明に加えて、操舵中立位置から左右いずれかの方向へ操舵する場合の操舵フィーリングを改善することができると共に、小歯車の移動を抑制する弾性体の耐久性を改善することができ、しかも、弾性体を組込む際に方向を間違える可能性がなくなるので、弾性体の組み込みをし直す必要をなくすことができる。
また本発明に係る電動パワーステアリング装置の第9の発明によれば第1の発明に加えて、操舵中立位置から左右いずれかの方向への操舵するときの操舵フィーリングを改善することができると共に、筒状弾性体の耐久性を改善することができ、しかも、皿ばねの場合に生じ得る組み込み方向の間違いが生じる可能性がなくなるので、筒状弾性体の組み込みをし直す必要をなくすことができ、更に、部品点数が削減される共に、小歯車部分のサイズを大形化することなしに筒状弾性体を備えることができる。
また本発明に係る電動パワーステアリング装置の第10の発明によれば第9の発明に加えて、操舵フィーリングをより一層良好にできると共に、部品点数を増加させることなしに制限部を備えることができるので、組立ての作業性が向上し、制限部を備えるにも拘わらずコストが低減される。

Claims (10)

  1. 電動モータによって回転され、歯部が形成された歯車本体及び該歯車本体の両端部それぞれから突出して形成されていて前記歯車本体よりも小径の軸部を有する小歯車と、前記小歯車の両軸部を前記小歯車の軸長方向への移動を可能にそれぞれ支持する軸受と、前記小歯車の両軸部にそれぞれ外嵌され、前記小歯車の軸端部側への軸長方向に沿う移動をそれぞれ抑制する二つの環状の弾性体と、前記小歯車の歯車本体の歯部に噛合すると共に舵取手段に繋がる大歯車とを備え、前記電動モータの回転によって操舵補助するように構成された電動パワーステアリング装置において、
    前記歯車本体の両端部それぞれの前記軸部の外周に沿う部分に、前記弾性体の撓み量を制限する制限部をそれぞれ備えたことを特徴とする電動パワーステアリング装置。
  2. 前記環状の弾性体は、内周側に形成された扁平部と、前記扁平部と繋がっていて外周側に形成されたテーパ部とを有することを特徴とする請求項1に記載の電動パワーステアリング装置。
  3. 前記軸受は転がり軸受であり、
    前記環状の弾性体は、先端部に前記扁平部を有すると共に前記テーパ部から内周側へ突出する複数の可撓片が形成された皿ばねであり、
    前記転がり軸受の内輪と前記小歯車の歯車本体の端部との間に前記制限部が配置されており、
    前記扁平部の突出側の面に前記転がり軸受の内輪が当接し、前記突出側の面の裏面に前記制限部が当接するように構成されていること
    を特徴とする請求項2に記載の電動パワーステアリング装置。
  4. 前記軸受は、前記小歯車の回転中心と大歯車の回転中心との間の距離が長短となる方向へ移動可能に構成されており、
    前記軸受を前記小歯車の回転中心と大歯車の回転中心との間の距離が短くなる方向へ付勢する付勢手段を備えていること
    を特徴とする請求項1に記載の電動パワーステアリング装置。
  5. 前記軸受は転がり軸受であり、
    前記環状の弾性体は、前記転がり軸受の内輪と前記小歯車の歯車本体の端部との間に介装された皿ばねであること
    を特徴とする請求項4に記載の電動パワーステアリング装置。
  6. 前記軸受は転がり軸受であり、
    前記環状の弾性体は前記転がり軸受の内輪に取り付けられていること
    を特徴とする請求項1に記載の電動パワーステアリング装置。
  7. 前記転がり軸受の内輪は、軌道溝と前記小歯車の歯車本体側の側面との間の外周面に環状溝が形成されており、
    前記環状の弾性体は、内周部が前記転がり軸受の内輪の外周面に形成された環状溝に嵌合するように形成された皿ばねであること
    を特徴とする請求項6に記載の電動パワーステアリング装置。
  8. 前記環状の弾性体は、外周部が前記小歯車の端部に形成された円筒状の凹部の内周面に形成された環状溝に嵌合するように形成された皿ばねであること
    を特徴とする請求項1に記載の電動パワーステアリング装置。
  9. 前記環状の弾性体は、前記転がり軸受の内輪と前記小歯車の歯車本体の端部との間に配置されており、前記小歯車の軸部に外嵌された筒状の弾性体であり、
    前記制限部は、前記小歯車の端部の前記筒状の弾性体の内側の部分に備えられていること
    を特徴とする請求項1に記載の電動パワーステアリング装置。
  10. 前記筒状の弾性体はコイルばねであり、
    前記制限部は前記小歯車の端部に一体的に設けられた凸状部材であること
    を特徴とする請求項9記載の電動パワーステアリング装置。
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