JPWO2004089347A1 - ツロブテロール含有経皮吸収製剤およびこれを使用する貼付剤 - Google Patents

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Abstract

繊維質または多孔質構造体が形成する空隙あるいは微孔内部および/または該構造体表面に、ツロブテロールを微細固体状態で担持せしめたことを特徴とする経皮吸収製剤である。本発明の経皮吸収製剤は、皮膚刺激性の原因になる賦形剤を含まないにもかかわらず、経皮吸収特性の良好なツロブテロール経皮吸収製剤を提供でき、製造工程を簡略化してコストダウンが計れると同時に、より皮膚刺激性の低いツロブテロール経皮吸収製剤を提供できるものである。

Description

本発明はツロブテロール含有経皮吸収製剤に関し、さらに詳しくは、賦形剤を含まず、微細な固体状態のツロブテロールを含有する経皮吸収製剤およびこれを使用する貼付剤に関するものである。
ツロブテロールは、次の式(I)
Figure 2004089347
で表される化合物であり、交感神経刺激作用を有するので、気管支喘息や肺気腫などの気道のつまりによる呼吸困難治療のために、気管支拡張剤として用いられてきた。このツロブテロールは、経口剤としては、その酸付加塩である塩酸ツロブテロールとして用いられるが、経皮吸収用剤としては、塩基型のツロブテロールのままで用いられてきた。
しかし、従来のツロブテロールを含有する経皮吸収製剤は、貼付剤またはテープ剤等の剤型とするために、ツロブテロールを粘着剤を中心とする膏体層に溶解させる必要があり、ツロブテロール以外にも種々の賦形剤を含んでいた(特許第2753800号、特許第3260765号、特公平07−025669号参照)。そして、その膏体製造には、賦形剤とツロブテロールを均一となるよう練合する工程が必要であり、煩雑な手間を要し、多くのコストを発生する要因となっていた。このため、可能な限りこれらの工程を省略することが必要とされていた。
また、上記の賦形剤には、かぶれの原因となるものが含まれている場合があり、これを解決するためには、賦形剤を含む粘着剤層と皮膚との接触面積を減らしたり、剥離と貼着の回数を少なくすることで対処せざるを得なかった。
更に、従来から賦形剤を用いていた理由は、貼付剤またはテープ剤としての剤型を形成させるためだけではなく、ツロブテロールを皮膚から吸収させるためには、ツロブテロールが有効成分溶解層を介して皮膚に接している必要があると考えられていたからであった。この有効成分溶解層は、有効成分を溶解もしくは分散可能である物質を含む層であり、通例は有効成分の良溶媒を含んでいるものである。
つまり、有効成分溶解層中をツロブテロールが分散もしくは溶解によって移動して初めて皮膚から吸収されると考えられていたため、賦形剤を用いて有効成分溶解層を形成させる以外に製剤化の手法は存在しないと考えられていた。
従って、ツロブテロールを皮膚から吸収させるに当たり、製造工程を簡略化してコストダウンを計ると同時に、より皮膚刺激性の低い経皮吸収製剤とすることが求められていた。
本発明者らは、上記実情に鑑み鋭意検討を行った結果、これまでツロブテロールを溶解させるために必要であると思われてきた賦形剤を使用しなくても、すなわちツロブテロールと皮膚との間に有効成分溶解層を存在させなくても、ツロブテロールが経皮吸収されることを見いだし本発明を完成した。
すなわち、本発明は繊維質または多孔質構造体が形成する空隙あるいは微孔内部および/または該構造体表面にツロブテロールを微細固体状態で担持せしめた経皮吸収製剤を提供するものである。
また本発明は、更に塩基性物質を含有する上記経皮吸収製剤を提供するものである。
更に本発明は、基材層、粘着層および粘着層より小さい面積の上記経皮吸収製剤層がこの順序で積層されてなる貼付剤を提供するものである。
図1は、本発明の経皮吸収製剤を用いた貼付剤の構成の一例を模式的に示した図面である。なお、図1における符号は以下の通りである。
1・・・基材層
2・・・粘着層
3・・・薬物不透過層
4・・・経皮吸収製剤層
5・・・保護フィルム
図2は、本発明品と比較品の血漿中ツロブテロール濃度を示す図である。
本発明のツロブテロール含有経皮吸収製剤に使用される繊維質構造体としては特に限定はないが、織布、不織布、編布、繊維を単に層状に整形した形態、または紙の形態を有しているもの等が使用できる。好ましい形態は、織布、不織布または紙であり、特に好適な形態は不織布である。
この繊維質構造体を構成する素材としては特に限定はなく、種々の公知の素材が使用できる。具体的には、紙などのセルロースもしくはその誘導体を素材とするもの;綿、麻などの植物由来の繊維素材;絹、羊毛などの動物由来の繊維素材;ガラス繊維、金属繊維などの無機物素材;ポリエステル、ポリエチレン、ポリアミドなどの有機物素材などが挙げられる。
これらの繊維素材のうち、好適なものとしては、セルロースもしくはその誘導体、綿、ポリエステル、ポリエチレンまたはポリアミドが挙げられ、特に好適には、ポリエステルが挙げられる。
一方、本発明の経皮吸収製剤に使用される多孔質構造体としても特に限定はないが、孔が孤立しておらず連続である形態のものが好ましい。すなわち発泡性樹脂には連続気泡型と非連続気泡型の2種類があり、本発明では両者共に使用可能であるが、皮膚刺激性の面から通気性のよい連続気泡型を使用することが望ましい。
この多孔質構造体の素材としては特に限定はなく、種々の公知の素材が使用できる。具体的には、ポリウレタン、ポリスチレン、ポリエチレン、シリコーン樹脂、ポリ塩化ビニル、ポリプロピレン、ポリエステル、ポリアミド、発泡性金属、木炭、コルク、皮革、天然ゴムなどが挙げられ、好適にはポリウレタン、ポリスチレン、ポリエチレンが挙げられる。特に好適にはポリウレタンであり、上記形態との組み合わせでは、連続気泡型ポリウレタン発泡性樹脂が特に好適である。
本発明において、ツロブテロールは、繊維質ないしは多孔質構造体(以下、「構造体」という)が形成する空隙あるいは微孔内部および/または構造体表面に担持されている必要がある。この担持は、単に摩擦力で保持されていてもよいし、分子間力で保持されていてもよい。また、構造体の素材表面に直接付着されていてもよいし、粘着成分を介して付着されていてもよい。
ツロブテロールを担持させるための手法としては、例えばツロブテロールを適当な溶媒に溶解した後、構造体にこの溶液を塗布し、乾燥させる方法や、微細化したツロブテロール結晶粉末を該構造体に付着させる方法等が挙げられる。その際、付着力が不足するならば、あらかじめ粘着成分、例えば、ポリアクリル酸、ポリビニルアルコール、カルボキシビニルポリマー、ゼラチン、アラビアゴム、メタクリル酸―メチルメタクリレートコポリマー(商品名:オイドラギットL・S)、メタクリル酸―エチルアクリレートコポリマー(商品名:オイドラギットL30D)等を含む溶液を構造体に染み込ませた後、これを乾燥して、構造体の素材表面を粘着成分で覆う処理を施した後、ツロブテロールを担持せしめてもよい。
ツロブテロールを溶解させるために使用する溶媒としては、製剤化に必要な量のツロブテロールを溶解できる溶媒であれば特に種類は問わないが、メタノール、エタノール、n−ペンタン、n−ヘキサン、ジエチルエーテル、酢酸エチル、n―プロパノール、イソプロパノール、アセトン、シクロペンタン、シクロヘキサン、ベンゼン、トルエン、石油エーテルなどを例示することが出来る。中でも、作業者の安全面やコスト面等からメタノール、エタノール、イソプロパノール、アセトン、酢酸エチルが好ましく、特にメタノール、エタノール、イソプロパノールを使用することが望ましい。
さらに、本発明の経皮吸収製剤には、ツロブテロールの経皮吸収率を高めるために塩基性物質を含有させることができる。このような塩基性物質としては、皮膚を刺激しないものであれば無機物、有機物を問わず、特に限定なく使用できるが、具体的には、リン酸水素二ナトリウム、酢酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウム等が特に好ましいものとして例示される。
上記塩基性物質を溶解する溶媒としては、特に種類は問わないが、水、メタノール、エタノール、n−ペンタン、n−ヘキサン、ジエチルエーテル、酢酸エチル、n−プロパノール、イソプロパノール、アセトン、シクロペンタン、シクロヘキサン、ベンゼン、トルエン、石油エーテルなどより、当該塩基性物質が溶解可能なものを選択して使用することが出来る。中でも、コスト及び安全性の面から水が好ましい。
また、ツロブテロールと塩基性物質を同時に構造体に担持せしめる場合には、上記した溶媒のうち共通したものを使用するか、両溶媒を適当な比率で混合した溶媒を用いればよい。
以上の方法により、構造体に担持されたツロブテロールの平均粒径は、通常50μm以下であり、好ましくは、10μm以下の微小固形状態のものである。ツロブテロールの平均粒径がこれより大きくなると担体上での保持力が不足し、ツロブテロールが構造体からこぼれ落ち、効果を減じるおそれがある。また、ツロブテロールは、結晶であっても無定型状物として構造体素材に付着していてもよい。
本発明の経皮吸収製剤においては、持続性の程度をコントロールすることもできる。この場合には、構造体に担持させるツロブテロールの濃度を調整する方法や、構造体の材質を選択する方法、構造体素材の繊維径もしくは孔径を選択する方法等が挙げられる。
かくして得られる本発明の経皮吸収製剤は、ツロブテロールが担持された構造体を皮膚に接触させることができる態様ならば特に限定はなく、貼付剤、テープ剤等の剤形として使用することができるが、また単に接着テープなどで本発明の経皮吸収製剤を皮膚に接触するように固定するだけでもよい。
以下、本発明の経皮吸収製剤を使用した剤形として貼付剤を例に取り、図面と共にその構成態様を説明する。
図1は、本発明貼付剤の構成を模式的に示したものであり、1は基材層、2は粘着層、3は薬物不透過層、4は経皮吸収製剤層、5は保護フィルムを示す。
図1に示す態様の貼付剤では、基材層1、粘着層2、薬物不透過層3および経皮吸収製剤層4がこの順序で積層されている。このうち、薬剤不透過層3および経皮吸収製剤層4は、それぞれ粘着剤層2より小さい面積であり、粘着剤層2は、これら層を包み込む形で皮膚等に接着される。また、保護フィルム5は、粘着剤層2および経皮吸収製剤層4をカバーする形で、シールされる。
上記のうち、基材層1としては、粘着剤層2や経皮吸収製剤層4を保持できるシート状物であれば、特に制約はなく、一般の粘着テープの基材層として用いられているものならば使用することができる。例えば、不織布、ニット、ポリエステル等を有利に使用することができる。
また、粘着層2は、その粘着力で経皮吸収製剤層4を皮膚に固定させるための層であり、皮膚に対する適当な粘着性を有するものであれば、使用される粘着剤の種類は問わないが、好ましいものとしては、アクリル系粘着剤、ゴム系粘着剤、シリコン系粘着剤などの粘着剤が例示される。
好ましい粘着剤のうち、アクリル系粘着剤としては、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、酢酸ビニル、メトキシエチル(メタ)アクリレート、または(メタ)アクリル酸の(共)重合体、またはそれらのブロック共重合体などが挙げられる。
また、ゴム系粘着剤としては、天然ゴム、合成イソプレンゴム、ポリイソブチレンゴム(PIB)、ポリビニルエーテル、ポリエチレン、ポリイソプレン、ポリブタジエン、スチレン―ブタジエン―スチレンブロック共重合体(SBS)、スチレン―イソプレン共重合体、スチレン―イソプレン―スチレンブロック共重合体(SIS)などが挙げられる。特に、スチレン―イソプレン―スチレンブロック共重合体が好ましい。
更に、シリコン系粘着剤としては、ポリジメチルシロキサンなどのポリオルガノシロキサンを主成分とするものが挙げられる。
この粘着層には、上記粘着剤の他、公知の粘着付与剤や軟化剤を配合することができる。例えば粘着付与剤としては、ロジン系のものとして、ロジン、または水添、不均化、重合、若しくはエステル化されたロジン誘導体;α−ピネン、β―ピネンなどのテルペン樹脂;テルペン−フェノール樹脂;脂肪族系、芳香族系、脂環族系、若しくは共重合系の石油樹脂;アルキル−フェニル樹脂;キシレン樹脂などが使用される。また、軟化剤としては、ポリブテン、流動パラフィン、液状イソプレンゴム、ポリイソブチレン、またはイソプロピルミリスチレートなどの高級脂肪酸エステル類;シリコンオイル;アーモンド油、オリーブ油、ツバキ油、パーシック油、またはラッカセイ油等の植物油が使用され、特に流動パラフィンが好ましい。
また、薬剤不透過層3は、ツロブテロールが粘着層2に移行し、経皮吸収性剤層4中のツロブテロール濃度が低下することを防止するために、粘着層2と経皮吸収製剤層4の間に配置される。
薬物不透過層3としては、ツロブテロールを透過せず、一定の柔軟性をもつ公知材料が使用できる。具体的には各種プラスチックフィルム、アルミ箔、シリコン樹脂膜を例示することが出来る。
この薬物不透過層3の面積は、粘着層2で皮膚に貼り付ける必要性から、粘着層2よりも小さい必要がある。また、経皮吸収製剤層4と粘着層2の接触を妨ぐという機能からは、経皮吸収性剤層4より周囲が、ほぼ5mm以下の範囲で外に張り出しているような大きさであることが好ましい。また製造性からは、経皮吸収製剤層と同じ大きさであることが特に好ましい。
なお、この薬物不透過層3は、粘着層2へのツロブテロールの移行をあまり重視しない場合や、粘着層としてツロブテロールとの親和性の低い水性粘着剤を使用する場合には、省略することも可能である。
経皮吸収製剤層4は、前記したように、ツロブテロールが保持された層であり、前記した態様、素材により構成される。
この経皮吸収製剤層4の厚さは特に問わないが、薄すぎると、薬物を保持する空間の体積が不足するため、十分な量の薬物を保持できなくなり、厚すぎると貼付時に粘着層2に皺が寄り、使用感に劣る。そのため、前記構造体を圧縮しない状態において、通常、0.05mm〜10mm程度の厚み、好ましくは、0.1mm〜5mm、特に好ましくは、0.2mm〜2mm程度の厚みとするのが望ましい。
また、あらかじめ薬物不透過層と薬物保持層が一体化された製品が市販されている(日本バイリーン社製LMW―9004/#6A)ので、これを利用して経皮吸収製剤を調製し、更に貼付剤とすることも可能である。
保護フィルム5は、使用時まで製剤を保護するもので、使用時には剥離されるものである。この保護フィルム5としては、種々の公知材料が使用できる。具体的にはポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエステル、ポリ酢酸ビニル、ポリ塩化ビニル、ポリウレタン、シリコンコート処理を行った紙などのフィルムを例示することができる。
本発明におけるツロブテロールの吸収機構は定かではないが、ツロブテロールが直接皮膚に触れる部分に於いて、皮膚への移行、吸収が起こり、濃度が不足した皮膚付近のツロブテロールを補う形で、薬物保持層の直接皮膚に接しない部分に存在するツロブテロールが皮膚付近に分子レベルで移動するものと推測される。
また、当該製剤に於いて、塩基性物質をツロブテロールと共存させることにより、ツロブテロールの経皮吸収率が高まる。この作用機構は不明であるが、塩基性物質を配合することにより、皮膚表面のpHをより塩基性側に保つことが可能であり、ツロブテロールの経皮吸収能力を高めることができるものと推測される。
なお、従来、絆創膏などの創傷治療貼付薬において、不織布、ガーゼ等に殺菌剤等の薬物を保持し、局所的な治療のために用いることは公知である(例えば、特開昭54−122717号参照)。しかし、対象となる薬物が非損傷皮膚を通じて吸収され、非局所的に作用し、さらに、その薬物が経時的に吸収されるものにおいては、このように薬物保持された医薬品は知られていなかった。
以下に実施例及び試験例を挙げて本発明をさらに詳細に説明するが、本発明はこれらに何ら制約されるものではない。
ツロブテロール100mgを10mLのメタノールに溶解し、この溶液0.2mLを3.2cm×3.2cmの寸法に切断した薬物不透過層付き不織布(日本バイリーン社製LMW−9004/#6A 目付50g/m)に均一に滴下した後、風乾した。
一方、市販の粘着テープ(商品名:登録商標BookTape Scotch No.845 3M社製)を5cm×5cmに切断した後、この上に上記薬物不透過層付き不織布を薬物不透過層面で接着、配置し、さらにその上から保護フィルムで覆い、本発明の貼付剤とした。
ツロブテロール143mgをメタノールに溶解して10mLとした溶液7mLおよびリン酸水素二ナトリウム42.6mgを水に溶解して10mLとした溶液3mLを混合し、この溶液0.2mLを3.2cm×3.2cmの寸法に切断した薬物不透過層付き不織布(日本バイリーン社製LMW−9004/#6A 目付50g/m)に均一に滴下した後、風乾した。その後、実施例1と同様の方法により、本発明の貼付剤とした。
ツロブテロール143mgをメタノールに溶解して10mLとした溶液7mLおよび酢酸ナトリウム42.6mgを水に溶解して10mLとした溶液3mLを混合し、この溶液0.2mLを3.2cm×3.2cmの寸法に切断した薬物不透過層付き不織布(日本バイリーン社製LMW−9004/#6A 目付50g/m)に均一に滴下した後、風乾した。その後、実施例1と同様の方法により、本発明の貼付剤とした。
ツロブテロール143mgをメタノールに溶解して10mLとした溶液7mLおよび炭酸水素ナトリウム42.6mgを水に溶解して10mLとした溶液3mLを混合し、この溶液0.2mLを3.2cm×3.2cmの寸法に切断した薬物不透過層付き不織布(日本バイリーン社製LMW−9004/#6A 目付50g/m)に均一に滴下した後、風乾した。その後、実施例1と同様の方法により、本発明の貼付剤とした。
ツロブテロール100mgをメタノールに溶解して10mLとし、この溶液0.2mLを3.2cm×3.2cmの寸法に切断したポリウレタン多孔質樹脂((株)クラレ製UC0050)に均一に滴下した後、風乾した。このツロブテロールを保持したポリウレタン多孔質樹脂を、シリコーン処理がされたポリエチレンテレフタレートフィルムの薬剤不透過層(三菱化学ポリエステル(株)製MR−25)の上に配置した。更に、それらを5cm×5cmの寸法に切断した市販の粘着テープ(商品名:登録商標BookTape Scotch No.845 3M社製)上に薬剤不透過層を下にして接着、配置し、さらに一番上から保護フィルムで覆い、本発明の貼付剤とした。
試験例
下記の方法で、実施例1ないし5で得た貼付剤について、血漿中濃度測定試験と皮膚一次刺激性試験を行った。なお、比較としては、ツロブテロールが賦形剤に溶解している市販の経皮吸収型ツロブテロール製剤(商品名:登録商標ホクナリン(r)テープ2mg)を用いた。
<血漿中濃度測定試験>
7週齢の雄性ヘアレスラットを1週間予備飼育し、非絶食下体重260g前後で実験に使用した。ラットの毛を完全に剃った後、70%エタノールで腹と背中を拭き、体を乾かした後、実施例1〜5及び比較の経皮吸収製剤(貼付剤)を腹に3枚貼付し、上から粘着包帯を巻きテープを押えた。貼付後8時間は絶食、絶水とし、所定の時間に頚静脈から採血後、血漿を分離した。血漿中ツロブテロール濃度は、血漿をホウ酸バッファーでpH9.5にした後、酢酸エチル/アセトン(3/1)で抽出、濃縮後、HPLCで測定した(n=4〜6)。結果を表1および図2に示す。
Figure 2004089347
表1及び図2より、実施例1〜4の血漿中のツロブテロール濃度は、比較のそれと同等、もしくはそれ以上の値であり、本発明の経皮吸収製剤は十分な実用性を有していることが判った。また、塩基性物質を配合した実施例2〜4は、塩基性物質を配合していない実施例1と比較して4〜6hrの時間帯において、血漿中のツロブテロール濃度が高い値を示しており、塩基性物質を配合することにより吸収率を高めることが可能であった。
<皮膚一次刺激性試験>
日本白色種ウサギの雄を、非絶食下、体重2.0kg前後で実験に使用した。試験日前日に、ウサギの背中の毛をバリカンで剃った。試験日当日、更にウサギの背中の毛をバリカンで完全に剃った後、実施例2及び比較の経皮吸収製剤(貼付剤)をウサギの背中に各3枚貼付し、上から粘着包帯を巻きテープを押えた。貼付後24時間後にテープをはがし、皮膚反応の評価をDraizeの基準に従って行った(n=4)。結果を表2に示す。
Figure 2004089347
表2より、比較の製剤を貼付した箇所には多くの炎症が認められたが、実施例2を貼付した箇所には全く炎症は認められなかった。以上より、本発明の経皮吸収製剤は、賦形剤を用いた比較例に比べて皮膚刺激性が低いことが判った。
また、実施例5については、吸収量が少ないものの、一定の吸収が認められた。単位面積あたりのツロブテロール濃度の調整により十分な量の薬剤を吸収させられること、および皮膚刺激性は実施例2と同様優れていることが推測でき、総合的に比較例より優れている。
本発明によれば、繊維質または多孔質構造体の内部の空間(空隙ないしは微孔)や表面に、ツロブテロールを付着させることにより、全く新しい吸収機構の経皮吸収製剤を提供することが可能である。これにより、賦形剤を含まないツロブテロール経皮吸収製剤を提供でき、製造工程を簡略化しコストダウンを計ると同時に、皮膚刺激性を低くすることができる。

Claims (10)

  1. 繊維質または多孔質構造体が形成する空隙あるいは微孔内部および/または該構造体表面に、ツロブテロールを微細固体状態で担持せしめたことを特徴とする経皮吸収製剤。
  2. ツロブテロールの繊維質または多孔質構造体への担持が、直接または粘着成分を介して行われたものである請求項1記載の経皮吸収製剤。
  3. 繊維質構造体が、織布、不織布または紙であることを特徴とする請求項1または請求項2記載の経皮吸収製剤。
  4. 繊維質構造体の素材が、セルロースもしくはその誘導体、綿、ポリエステル、ポリエチレンまたはポリアミドであることを特徴とする請求項1ないし請求項3のいずれかに記載の経皮吸収製剤。
  5. 多孔質構造体の素材が、ポリウレタン、ポリスチレンまたはポリエチレンであることを特徴とする請求項1または請求項2記載の経皮吸収製剤。
  6. さらに塩基性物質を含有する請求項1ないし請求項5のいずれかに記載の経皮吸収製剤。
  7. 塩基性物質がリン酸水素二ナトリウム、酢酸ナトリウムまたは炭酸水素ナトリウムである請求項6記載の経皮吸収製剤。
  8. 基材層、粘着層、および粘着層より小さい面積の請求項1ないし請求項7のいずれかに記載のツロブテロール含有経皮吸収製剤層がこの順に積層されてなる貼付剤。
  9. さらに粘着層とツロブテロール含有経皮吸収製剤層の間に薬物不透過層を有する請求項8記載の貼付剤。
  10. さらに粘着層とツロブテロール含有経皮吸収製剤層を保護するための保護フィルムを有する請求項8または請求項9記載の貼付剤。
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