JPWO2004074887A1 - 反射体およびその用途 - Google Patents
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Abstract
Description
反射率を高めると考えられる手法の一つとして増反射膜という概念がある。通常は、高屈折率薄膜層と低屈折率薄膜層をそれぞれλ/4nの厚さで積層することにより実現されるとされ、ガラス、アルミニウムを基体とした増反射膜が実現されている。ここで、上記のλは対象となる光の波長であり、nはその波長における高屈折率薄膜層もしくは低屈折率薄膜層の屈折率を示している。
銀を基体とする増反射膜は、特開平11−2707号公報、特開2000−180848号公報、特開平7−191317号公報、特開2002−55213号公報等の報告があるが、反射率の向上は十分とは言えない。特に波長が0.7μm以上の長波長領域での反射率の向上が少ない例が報告されている。
本発明者らは鋭意研究を重ねた結果、驚くべきことに金属層と接する低屈折率薄膜層の厚みをλ/4nより薄い特定の範囲に制御した積層構造を有する反射体が、増反射体の基板として好適であり、更には高い増反射効果を示す増反射体を実現することができるという事実を見出し、本発明に至った。すなわち本発明は、少なくとも金属層(A)、低屈折率薄膜層(B)、高屈折率薄膜層(C)がA/B/Cの順の積層構造を有し、可視光線の設定波長をλで、低屈折率薄膜層(B)の屈折率をnLで表したとき、銀を主体とする金属層(A)と接する低屈率薄膜層(B)の厚さが、0.7λ/8nL〜1.3λ/8nLであることを特徴とする反射体である。 本発明の上記の反射体は、極めて高い反射率を示す。
また本発明は、少なくとも金属層(A)と、屈折率が0.5〜2の薄膜層(B1)とがA/B1の順の積層構造を有し、薄膜層(B1)の厚さが、可視光線の設定波長をλ、薄膜層(B1)の屈折率をnL1として、0.7λ/8nL1〜1.3λ/8nL1であり、金属層(A)のみでの反射率より1%を超えて低い反射率を有することを特徴とする反射体である。本発明の上記の反射体は、増反射効果の高い反射体の材料として好適である。
また本発明は、上記の反射体を用いたランプリフレクターである。本発明のランプリフレクターは、極めて高い反射率を有するので、各種表示装置の高輝度化や省エネルギー化に貢献することができる。
また本発明は、上記の反射体を用いた導光板下反射体である。本発明の導光板下反射体は、極めて高い反射率を有するので、各種表示装置の高輝度化や省エネルギー化に貢献することができ、鮮明な画像を提供することも出来る。
また本発明は、上記の反射体を用いたバックライト装置である。本発明のバックライト装置は、極めて高い反射率を有するので、各種表示装置の高輝度化や省エネルギー化に貢献することができ、鮮明な画像を提供することも出来る。
また本発明は、上記の反射体を用いた液晶表示装置である。本発明の液晶表示装置は、高い輝度で鮮明な画像を実現することが出来る。また、エネルギー効率に優れた装置を提供するとすることも出来る。
上記の理由で本発明の反射体は、極めて高い反射率を有し、液晶表示装置などの表示装置の高輝度化、省エネルギー化などに貢献することが出来るので、本発明の工業的意義は大きい。
図2 本発明の第1の反射体の一例を示す断面図である。
図3 本発明の第2の反射体の一例を示す断面図である。
図4 本発明のランプリフレクタの一例を示す概略図である。
図5 本発明の導光板下反射体一例を示す概略図である。
図6 本発明のバックライトの一例を示す概略図である。
図7 本発明の第1の反射体の反射スペクトルの一例である。
本発明における第1の反射体は、金属層(A)上に低屈折率薄膜層(B)、高屈折率薄膜層(C)をこの順に積層した構造を有するものである。その構成を具体的に例示すると、A/B/C、A/B/C/B/C、A/B/C/B/C/B/C、A/B/C/B/C/B/C/B/C、A/B/C/B/C/B/C/B/C/B/Cなどの(2m+1)層の層数を有する積層構造を持つ例が挙げられる。尚、上記のmは自然数である。
また本発明の第2の反射体は、金属層(A)と屈折率が0.5〜2.0である薄膜層(B1)の積層構造を有するものである。
(本発明の反射体の特徴)
本発明において、金属層(A)と薄膜層(B1)をA/B1なる構成で積層してなる第2の反射体が持つべき性質は、薄膜層(B1)を付与することによって反射防止機能を発現し、反射率が低いことである。上記の内容は、この反射体は、金属層(A)/低屈折率薄膜層(B)/高屈折率薄膜層(C)の構成を有する第1の反射体が高い反射率を示すために必要な事項である。
ここで第2の反射体の反射率が低いとは、目的とする光の波長における反射率が、金属層の反射率よりも1%以上低いことである。例えば金属層(A)が銀の場合、酸化アルミニウムを比較対象とした厚さ150ナノメートル(nm)の純銀薄膜の550nmにおける反射率が、純銀層の反射率である約97%より1%を超えて低い96%以下であり、好ましくは95%以下、より好ましくは94%以下である。
本発明の、銀を主体とする金属層(A)、低屈折率薄膜層(B)及び高屈折率薄膜層(C)をA/B/C、A/B/C/B/C、A/B/C/B/C/B/C、A/B/C/B/C/B/C/B/C、A/B/C/B/C/B/C/B/C/B/Cなる構成で積層してなる第1の反射体は、特定の厚みの低屈折率薄膜層(B)及び高屈折率薄膜層(C)が特定の順で積層されているので、優れた増反射機能が発現し、金属層(A)のみでの反射率の値を超える高い反射率を示す。具体的な反射率としては、例えば金属層が銀の場合、酸化アルミニウムを比較対象とした厚さ150nmの純銀の薄膜の550nmにおける反射率である約97%よりも好ましくは1%以上高い値を例示できる。より具体的には98%以上であることが好ましく、より好ましくは98.5%以上、さらに好ましくは99%以上、特に好ましくは100%以上である。尚、本発明における反射率の値は、上述の通り酸化アルミニウムを比較対照とした値であるので、100%を超える値であっても理論上矛盾はない。
本発明の反射体は、理由は定かでないが、広い範囲において高い反射率を示す。可視光線のほぼ全ての波長領域において金属層単膜よりも高い反射率を実現することが可能である。
また、本発明の反射体には、本発明における目的から逸脱しない限り、他の金属や金属酸化物、金属化合物の薄膜層、公知のハードコート層を形成させることもできる。その効果としては、反射体の耐候性を高めたり、防汚性、耐傷付き性を高めること等が挙げられる。また、拡散反射率を調節する目的で、凹凸構造を設けることもできる。
また、本発明の反射体の形状にも特に制限はない。平面の他、コの字型、U字型、V字型、カサ状形状など、用途に応じて様々な形状で使用することが出来る。上記の形状への加工方法も公知の方法を制限無く使用する事が出来る。
(金属層(A))
本発明における金属層(A)としては、純銀、又は銀と銀以外の金属との合金(銀合金)の層を特に好ましく例示することが出来る。銀は、周知の通り、酸素、硫黄、塩素、ナトリウムなどにより変性されやすく、耐環境性が低い。銀合金の場合に、銀以外の金属を存在させる理由の一つは、銀の耐環境性を上昇させることである。銀合金としては銀以外の成分は、金、パラジウム、銅、白金、インジウム、スズ、ネオジウム、セリウムなどが一般的である。但し、本発明の効果は、これらの元素に限定されるものではない。
この場合に銀の含有割合は、通常70〜99.99質量%である。銀の含有割合が多すぎると反射率が低くなりすぎることがある。より好ましい銀の含有割合は90〜99.99質量%、さらに好ましくは95〜99.99質量%である。
銀の他にも、金、アルミニウム、クロム、ニッケルなどの反射率の高い公知の金属層を用いることが出来る。
本発明の金属層(A)は、金属シート、金属箔など層の形状を有する物であれば特に制限はないが、厚みが通常50〜10000nmである膜の形状であることが、ランプリフレクター、液晶表示装置等の用途への展開を考慮すると好ましい。金属層(A)が薄い場合は、それ自身が自立しないので、後述する支持基体(D)上に固定されることが望ましい。支持基体に固定することが望ましい厚みは、50〜1000nmであり、より好ましくは、100〜500nm、特に好ましくは100〜200nmである。金属層(A)が自立する必要がある用途においては、この限りではなく、1000nm以上であってもよい。
なお、金属層(A)が薄膜である場合、薄すぎると反射体の反射率は、透過光の割合が高くなるため反射率が低下することがある。また、厚すぎると一般的に原材料コスト、生産コストが高くなる一方、反射率に大きな違いはない。
本発明において、金属層(A)を形成する手法に特に制限は無く公知の方法を採用することが出来る。好適には真空成膜法を用いて薄膜を形成する方法が好ましく用いられる。真空成膜法を具体的に例示すると、蒸着法、イオンビーム蒸着法、スパッタリング法が挙げられる。蒸着法では、材料として所望の金属を使用し、その材料を加熱蒸発させ、蒸着を行う。イオンビーム蒸着法では、所望の金属材料をイオンビームを使用して加熱蒸発させることによって、蒸着を行う。またスパッタリング法では、ターゲットに所望の金属を使用し、スパッタリングガスにアルゴン、ネオン等の不活性ガスを用い、反応に必要なガスを加えて、スパッタリングを行う。上記の中でも特にスパッタリング法が好ましい方法として挙げられる。
(支持基体(D))
本発明において反射体は支持基体(D)を有していてもよい。この場合の第2の反射体の構成は、D/A/B、などであり、第1の反射体は、D/A/B/C、D/A/B/C/B/C、などである。支持基体(D)が透明であれば第2の反射体の構成はD/B/A、第1の反射体の構成はD/C/B/A、D/C/B/C/B/A等であっても良い。尚、本発明において透明とは、可視光線透過率が50%以上、好ましくは70%以上、より好ましくは80%以上、特に好ましくは90%以上であることを指す。
支持基体(D)を用いた本発明の第1反射体の構成例を図1、図2に、本発明の第2の反射体の構成例を図3に示した。詳細は後述する。
本発明における支持基体(D)の材質、厚みに特に制限はない。材質は、ガラス、樹脂、金属が一般的である。
本発明の支持基体(D)に用いることができるガラスを具体的に例示するとソーダガラス、アルカリガラス、石英ガラスである。またこれらのガラスは強化されたものであっても構わない、また表面にコート層が存在していても構わない。
また本発明の支持基体(D)に用いることができる樹脂を具体的に例示すると、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリカーボネート(PC)、ポリエーテルスルフォン(PES)ポリイミド、ポリスルフォン(PSF)、ポリメチレンメタクリレート(PMMA)、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、ポリプロピレン(PP)、トリアセチルセルロース(TAC)等が挙げられる。中でもポリエチレンテレフタレート(PET)である。
支持基体(D)の厚みは、一般的には、10μm〜10cmである。薄すぎると、剛性が低く、取り扱いが難しくなることがある。 また厚すぎると、反射体の重量増加、加工性の低下や、支持基体(C)の製造が困難になる等の問題が生じることがある。より好ましい支持基体の厚みは25μm〜1cm、さらに好ましくは50μm〜1mmである。但し、本発明における反射体を部品の一つとして用いる際に、全体の設計を鑑みて、10cm以上の厚みが必要な場合はこの限りではない。
上記の支持基体(D)には、本発明における目的から逸脱しない限り、イオンコート処理やコロナ処理を施したり、他の金属や金属酸化物、金属化合物の薄膜層を形成させることもできる。その効果としては、支持基体(D)と銀を主体とする層(A)との密着性を高める等が挙げられる。また、拡散反射率を調節する目的で、支持基体(D)自身や支持基体(D)上に凹凸構造を設けることもできる。
(可視光線設定波長λ)
本発明における可視光線の設定波長λは、本発明における反射体の用途に応じて選択される波長の値である。例えば、液晶ディスプレイのバックライトユニット内のランプリフレクターや導光板の下に配置される反射体として用いる場合は、視感反射率が重要である。この場合は、視感反射率への寄与が最も大きい波長550nmを可視光線設定波長λとすることが好ましい。
(低屈折率薄膜層B)
本発明における第1の反射体を形成する低屈折率薄膜層(B)は、その屈折率nLが比較的低い薄膜層である。屈折率nLを定義するための光の波長は、本発明における反射体の用途に応じて選択すればよい。本発明においては、上記において言及した可視光線の波長λが好ましく用いられる。屈折率の測定は、公知の方法によって行うことが出来る。低屈折率薄膜層(B)の材料を選定するための簡便な方法としては、化学大事典(共立出版)等の公知文献に記載のD線における屈折率値を用いることも勿論可能である。
本発明における低屈折率薄膜層の屈折率nLは、後述する高屈折率薄膜層(C)に対して低ければよいので一概に規定できないが、0.5以上、2.0以下あることが好ましい。屈折率nLが小さい程、本発明の第1の反射体の反射率は高くなる傾向がある。好ましい下限値は1.0である。一方、好ましい上限値は1.8であり、より好ましくは1.6である。
本発明における低屈折率薄膜層(B)の材質を例示すると、二酸化ケイ素、フッ化マグネシウム、フッ化リチウム、クリオライト、フッ化ナトリウム、フッ化カルシウム、フッ化ランタン、フッ化ネオジウム、酸化アルミニウム、フッ化セシウム、フッ化鉛、酸化マグネシウム、酸化トリウム、酸化スズ、酸化ランタニウム、酸化ケイ素などである。中でも二酸化ケイ素、酸化アルミニウムは、材料が安価である上に、成膜が容易であるため、好適に用いられる。
本発明における低屈折率薄膜層(B)の厚みは、0.7λ/8nL以上、1.3λ/8nL以下である。好ましい下限値は、0.8λ/8nL、より好ましくは0.9λ/8nLである。また、好ましい上限値は、1.2λ/8nL、より好ましくは1.1λ/8nLである。低屈折率薄膜層(B)の厚さが、上記の範囲から乖離しすぎると、第1の反射体の反射率が不充分となることがある。
尚、本発明における低屈折率薄膜層(B)の厚さを定義するためには、低屈折率薄膜層(B)と金属層(A)との界面を定義しておく必要がある。本発明においては、低屈折率薄膜層を形成する物質の金属の元素含有率をβ atom%、金属層(A)を形成する物質の金属の元素含有率をα atom%として、(α/(α+β))値が0.5となる面を界面とする。上記の元素含有率は、後述するXPS等、公知の分析方法によって決定できる。従って、膜厚も同様の方法で決定することが出来る。
簡便な膜厚の決定方法としては、真空製膜法において、一定の条件で目標とする厚みとなる製膜時間を予め測定しておく方法も利用できる。この場合、積層体を製造する場合の膜厚は、製膜時間で制御することが出来る。
これらの方法によって決定される膜厚の値は完全に一致するとは限らないが、その差は数nm程度であり、誤差の範囲と考えて差し支えない。
他の層を積層させる場合の界面も同様の方法で決定することが出来る。層が樹脂層の場合は、炭素を上記の金属元素と見なして界面を決定することが出来る。
低屈折率薄膜層(B)の厚みは従来からの常識ではλ/4nであることが最適であるとされてきた。例えば、Georg Hassが1982年に発表した論文には、銀基体上に酸化アルミ膜を形成する際の最適膜厚が掲載されている[J.Opt.Soc.Am./Vol.72,No.1/January1982]が、λ/4nである。また、特開平11−2707号公報(特許文献1)に銀または銀の合金を基板とする増反射膜が開示されているが、増反射を目的として銀または銀の合金からなる基板上に形成される膜の厚みはλ/4nである。しかし、本発明者らは、理由は定かでないが、低屈折率薄膜層(B)の厚みを上記の様なλ/8nL近傍の範囲とすることにより、驚くべきことに従来以上に反射率の高い反射体が得られることを見出した。
低屈折率薄膜層(B)の形成方法に特に制限はないが、真空成膜法が広く用いられている。真空成膜法を具体的に例示すると、蒸着法、イオンビーム蒸着法、イオンプレーティング法、スパッタリング法、化学気相成長法が挙げられる。特にイオンプレーディング法またはスパッタリング法が好適に用いられる。イオンプレーティング法では、反応ガスプラズマ中で所望の金属または焼結体を抵抗加熱したり、電子ビームにより加熱したりすることにより真空蒸着を行う。スパッタリング法では、ターゲットに所望の金属または焼結体を使用し、スパッタリングガスにアルゴン、ネオン等の不活性ガスを用い、反応に必要なガスを加えて、スパッタリングを行う。なお、一般的には導電性薄膜を形成する際には直流スパッタリング法、絶縁性薄膜を形成する際には高周波スパッタリング法が用いられることが多い。上記の中でも特にスパッタリング法が好ましい方法として挙げられる。
本発明において、銀を主体とする金属層(A)上に位置する低屈折率薄膜層(B)の形成にあたっては、酸素を含まない雰囲気下において成膜を行うことが好ましい。ここで酸素を含まない雰囲気とは、成膜ガス中に占める酸素成分の分圧割合が0.9%以下であることである。例えば、酸素を含む雰囲気中で金属酸化物の成膜を行うと、膜中に比較的厚い銀を含む金属酸化物薄膜層が形成されてしまい、該低屈折率薄膜層(B)が本来有するべき高光透過性を失ってしまうことがある。
本発明において、金属層(A)と低屈折率薄膜層(B)との境界領域、すなわち両層が混在する領域が生じることがある。この領域の厚さは、出来るだけ薄いことが好ましい。その構成として、好ましくは、低屈折率薄膜層(B)が金属酸化物からなる薄膜層である場合、(A)に由来する金属と(B)に由来する金属の原子数の和に対して、(A)に由来する金属の含有率が、10〜90atm%である部分の厚みが15nm以下であることが好ましく、0.1〜15nmがより好ましく、0.1〜10nmであることがさらに好ましい。上記の組成および厚みは、本発明においてはXPSで深さ方向に分析することで決定される。
本発明における第2の反射体を構成する薄膜層(B1)の屈折率nL1は、0.5以上、2.0以下ある。屈折率nL1が小さい程、第2の反射体の反射率は低くなる傾向がある。好ましい下限値は、1.0であり、好ましい上限値は1.8、より好ましくは1.6である。上記の薄膜層(B1)として具体的な好ましい例としては、低屈折率薄膜層(B)で例示した材料の薄膜を挙げることが出来る。またその製造方法も上記の低屈折率薄膜層(B)と同様の方法を採用することが出来る。
本発明における薄膜層(B1)の厚みは、0.7λ/8nL1以上、1.3λ/8nL1以下である。好ましい下限値は、0.8λ/8nL1、より好ましくは0.9λ/8nL1である。また好ましい上限値は、1.2λ/8nL1であり、より好ましくは1.1λ/8nL1である。薄膜層(B)の厚さが、上記の範囲から乖離しすぎると、第2の反射体の反射率が金属層(A)のみでの反射率に比して1%以上低くならないことがある。
本発明の第2の反射体の一例を図3に示した。すなわち、図3に示した反射体は、例えば支持基体30上に銀を主体とする金属層10をスパッタリング法で形成し、次いで酸素の不存在下で低屈折率薄膜層20をスパッタリング法で形成し、高屈折率薄膜層40をスパッタリング法で形成したものである。
(高屈折率薄膜層C)
本発明における高屈折率薄膜層(C)は、その屈折率nHがnLより高い薄膜層である。屈折率nHを定義するための光の波長は、本発明における反射体の用途に応じて選択すればよい。本発明においては、上記において言及した可視光線の波長λが好ましく用いられる。簡便な方法としては、事典などに数多くの測定値が報告されているD線における屈折率で代用することも勿論可能である。
本発明における高屈折率薄膜層(C)の屈折率nHは、低屈折率薄膜層(B)の屈折率nLよりも高ければよいので一概に規定できないが、1.6以上、4.0以下であることが好ましい。屈折率nHが大きい程、本発明の第1の反射体の反射率が高くなる傾向がある。屈折率nHの下限値としては、好ましくは1.8であり、さらに好ましくは2.0である。一方上限値は、3.5が好ましく、さらに好ましくは3.0である。
本発明における高屈折率薄膜層(C)の材質を例示すると、酸化インジウム、インジウムとスズとの酸化物、酸化ネオジウム、酸化アンチモン、酸化ジルコニウム、酸化セレン、酸化チタン、硫化亜鉛、酸化ビスマス、セレン化亜鉛、硫化カドミウム、硫化アンチモン、などである。中でも酸化チタン、酸化インジウムは、材料が安価である上に、成膜が容易であるため、好適に用いられる。
本発明の高屈折率薄膜層(C)を形成する上記の金属酸化物は、それ自体を蒸着する方法の他に、対応する金属を蒸着させた後、空気中の酸素によって酸化させ、金属酸化物層とすることも可能である。特に酸化チタン層の形成には、この方法が好適に使用される。
本発明における高屈折率薄膜層(C)の厚みに特に制限はない。反射体の用途に応じて、最適な厚さを選択すればよい。例えば増反射体に適用する場合は、屈折率nHと厚さの関係を考慮した上で、最適な厚さを決定すればよい。好ましい厚さは、λ/4nHを含む範囲であり、より具体的には0.7λ/4nH以上、1.3λ/4nH以下である。上記の中でも好ましい下限値は、0.8λ/4nHであり、より好ましくは0.9λ/4nHである。一方、好ましい上限値は1.2λ/4nHであり、より好ましくは1.1λ/4nHである。
高屈折率薄膜層(C)の形成方法に特に制限はないが、低屈折率薄膜層(B)の項の記載と同様、真空成膜法が広く用いられている。具体的な真空成膜法の例も同様である。ただし、高屈折率薄膜層(C)を真空成膜法で形成する場合、適量の酸素の存在下に金属酸化物を形成する方法を用いても良い。例えば、酸化チタンを用い、酸素の存在下に酸化チタン薄膜層を形成しても良い。
銀薄膜層は、前述した通り耐候性が低いと言う問題点があるので、銀薄膜上には保護層が設けられるのが一般的である。しかし、本発明の反射体は、金属層が銀薄膜層の場合、保護層を設けなくても比較的高い耐候性を示すと言う好ましい性質がある。これは、低屈折率薄膜層(B)や高屈折率薄膜層(C)が保護層の役割も果たす為である。
本発明の第1の反射体の一例を図1に示した。すなわち、図1に示した反射体は、例えば支持基体30上に銀を主体とする金属層10をスパッタリング法で形成し、次いで酸素の不存在下で低屈折率薄膜層20をスパッタリング法で形成し、高屈折率薄膜層40をスパッタリング法で形成したものである。
本発明の第1の反射体は、図2の様な構造でも良い。図2に示した反射体は、例えば支持基体30上に高屈折率薄膜層40をスパッタリング法で形成し、次いで酸素の不存在下で透明酸化物層20をスパッタリング法で形成し、銀を主体とする金属層10をスパッタリング法で形成したものである。この場合、本発明にかかる高い反射率を発現させるには、支持基体30は透明である必要がある。また銀を主体とする金属層10上には、腐食し易い銀を保護する目的等で、他の金属や金属酸化物、金属化合物の薄膜層、公知のハードコート層を形成させたり、上述の支持基板(D)を接着剤や粘着剤で貼合する事が好ましい。
尚、本発明の各層の厚さの測定方法としては、触針粗さ計、繰り返し反射干渉計、マイクロバランス、水晶振動子法などを用いる方法があり、特に水晶振動子法では成膜中に膜厚が測定可能であるため所望の膜厚を得るのに適している。また、X線光電子分光法(XPS)やオージェ電子分光法(AES)や2次イオン質量分析(SIMS)を深さ方向に実施することによって調べることもできる。その他、前もって成膜の条件を定めておき、試料基材上に成膜を行い、成膜時間と膜厚の関係を調べた上で、成膜時間により膜厚を制御する方法もある。
(屈折率nLとnHとの関係)
本発明において、反射体が増反射体である場合、すなわち金属層(A)、低屈折率薄膜層(B)、高屈折率薄膜層(C)とがA/B/Cなる構成で積層されてなる場合、高屈折率薄膜層の屈折率nHは、低屈折率薄膜層の屈折率nLよりも大きい必要がある。好ましくは、屈折率nLと屈折率nHとの差が、0.3以上、更には、0.6〜1.6であることが好ましい。
(分析方法)
本発明における積層体の分析手法は以下の通りである。
本発明において、反射率は日立製自記分光光度計(型式U−3400)に150φの積分球を設置し、酸化アルミニウムを比較対照として測定した値である。
積層体表面の原子組成は、オージェ電子分光法(AES)、蛍光X線法(XRF)、X線マイクロアナライシス法(XMA)、荷電粒子励起X線分析法(RBS)、X線光電子分光法(XPS)、真空紫外光電子分光法(UPS)、赤外吸収分光法(IR)、ラマン分光法、2次イオン質量分析法(SIMS)、低エネルギーイオン散乱分光法(ISS)等により測定できる。また、積層体中の原子組成及び膜厚は、X線光電子分光法(XPS)やオージェ電子分光法(AES)や2次イオン質量分析(SIMS)を深さ方向に実施することによって調べることができる。
積層体の構成及び各層の状態は及び断面の光学顕微鏡測定、走査型電子顕微鏡(SEM)測定、透過型電子顕微鏡測定(TEM)を用いて調べることができる。
(用途)
本発明の反射体は特定の厚みに制御された低屈折率薄膜層(B)と高屈折率薄膜層(C)を有しているので反射率が極めて高く、しかも美しい映像を得ることが出来るので、液晶表示装置に好適に用いることが出来る。また、液晶テレビの面光源装置(バックライト装置とも称する。)や、ノート型コンピューターなどに用いられるサイドライト型面光源装置にも好適に用いられる。より具体的には、ランプリフレクターや導光板下反射体として用いることが出来る。ランプリフレクターとしては、成形加工後の形状安定性等を付与する目的で、公知の支持板と本発明の反射体とを積層させた後、用途に応じた形状に加工したものが好ましい態様として挙げることが出来る。導光板下反射体として用いる場合には、凹凸構造を設けて、拡散反射率を調節することが好ましい場合がある。また、反射面とは反対側に易滑層を設けることも好ましい態様である。拡散反射率は用途によって異なるので一概に規定できない。例えば1〜25%の比較的低いものは、明るく鮮明な画面を実現できる傾向がある。一方、輝度ムラ防止に重点を置く設計を行う場合は、拡散反射率は高いものであることが好ましい傾向がある。
図4には本発明のランプリフレクターの例を示した。このランプリフレクター50は、シート形状の本発明の第1の反射体を蛍光灯などの光源を覆うような形状に成形したものである。
図5には、本発明の導光板下反射体の例を示した。この導光板下反射体は、支持基体30に粒子70を塗工などの方法で定着させて凹凸層を形成し、これに第1の反射体にあたる反射層60をスパッタリング法で形成したものである。更に、反射層と反対側には、塗工法などを利用した易滑層80を形成したものである。
図6には、本発明のバックライト装置の例を示した。このバックライト装置は、導光板110の下側に導光板下反射体90を設置し、導光板110の側面に光源である冷陰極菅100とそれを覆うような形状のランプリフレクター50を設置したものである。
その他には、LEDバックライト、プロジェクションテレビ、フロントライトの他、PDAまたは携帯電話等の直下型表示装置のランプリフレクターにも適用できる。また、反射率が高いことから、太陽電池の集光体材料として利用することもできる。特に本反射体の反射層が導電性を有する構成の場合、これを利用して微少球状シリコン単結晶太陽電池等の電極としての機能を併せて持たせることも可能である。他には、軽量、耐衝撃性を求められるストロボ、信号表示、自動車のライト、蛍光灯、懐中電灯や高品位を求められるシャンデリア照明用リフレクターの他、カーブミラーまたはバックミラーとして用いることもできる。
透明基板として、ポリエチレンテレフタレート[帝人デュポン社製、銘柄:HSA、大きさ50×50mm、厚み:125μm]を用意した。
高周波スパッタリング法を用いて、該透明基板上に低屈折率薄膜層として二酸化ケイ素層を形成した。
ターゲットとして、二酸化ケイ素[純度99.99%]を用いた。スパッタガスとしてアルゴンガス[純度99.9%以上]を用いた。成膜圧力は0.2Pa、成膜電力は150Wとした。成膜時間は、あらかじめ成膜速度を求めておき、膜厚が100nmとなる時間を採用した。
該サンプルを用いて、エリプソメトリー分光法(spectroscopic ellipsometry)により、二酸化ケイ素層の屈折率を測定した。
波長550nmにおける屈折率は、1.43であった。
[反射体の作製]
支持基体(C)として、ガラス板[旭硝子社製、ソーダライムガラス、大きさ50×50mm□、厚さ1.1mmt]を用意した。
直流マグネトロンスパッタリング法を用いて、支持基体(C)上に、銀を主体とする金属層(A)として銀層を形成した。ターゲットとして、銀[銀純度99.999%]を用いた。スパッタリングガスとしてアルゴンガス[純度99.9%]を用いた。成膜圧力は0.3Pa、成膜電力は62Wとした。膜厚が150nmとなるように成膜した。
引き続き、高周波スパッタリング法を用いて、上記で形成した銀層上に透明酸化物層(B)として酸化ケイ素層を形成した。ターゲットとして、二酸化ケイ素[純度99.99%]を用いた。スパッタガスとしてアルゴンガス[純度99.9%以上]を用いた。成膜圧力は0.2Pa、成膜電力は150Wとした。成膜時間は、あらかじめ成膜速度を求めておき、膜厚が48nmとなる時間を採用した。
[反射率の測定]
日立製自記分光光度計(型式U−3400)に150φの積分球を設置し、酸化アルミニウムを比較対照として、上記で作成した試料の反射率を測定した。
透明基板として、ガラス板[旭硝子製、ソーダガラス、大きさ50×50mm、厚み:2mm]を用意した。
高周波スパッタリング法を用いて、該透明基板上に低屈折率薄膜層として二酸化チタン層を形成した。
ターゲットとして、二酸化チタン[純度99.99%]を用いた。スパッタガスとしてアルゴンガス[純度99.9%以上]を用いた。成膜圧力は0.2Pa、成膜電力は150Wとした。成膜時間は、あらかじめ成膜速度を求めておき、膜厚が100nmとなる時間を採用した。
該サンプルを用いて、エリプソメトリー法により、二酸化ケイ素層層の屈折率を測定した。
波長550nmにおける屈折率は、2.50であった。
[増反射型反射体の作製]
実施例1で作成した反射体を基板として、二酸化ケイ素薄膜上に二酸化チタン層を形成した。
二酸化チタン層は、高周波スパッタリング法を用いて形成した。ターゲットとして、二酸化チタン[純度99.99%]を用いた。スパッタガスとしてアルゴンガス[純度99.9%以上]を用いた。成膜圧力は1.0Pa、成膜電力は300Wとした。成膜時間は、あらかじめ成膜速度を求めておき、膜厚が55nmとなる時間を採用した。
[反射率の測定]
実施例1と同様の方法で、上記で作成した試料の反射率を測定した。
(比較例4)
反射体の作製段階において、二酸化チタン層を形成するための基板として、比較例1で作成した反射体を用いた以外は、実施例8と同様に実施した。
(比較例5)
反射体の作製段階において、二酸化チタン層を形成するための基板として、比較例2で作成した反射体を用いた以外は、実施例8と同様に実施した。
(比較例6)
反射体の作製段階において、二酸化チタン層を形成するための基板として、比較例3で作成した反射体を用いた以外は、実施例4と同様に実施した。
(参考例1)
[反射体の作製]
支持基体(C)として、ガラス板[旭ガラス社製、ソーダライムガラス、大きさ50×50mm□、厚さ1.1mmt]を用意した。
直流マグネトロンスパッタリング法を用いて、支持基体(C)上に、銀を主体とする金属層(A)として銀層を形成した。ターゲットとして、銀[銀純度99.999]を用いた。スパッタリングガスとしてアルゴンガス[純度99.9%]を用いた。成膜圧力は0.3Pa、成膜電力は62Wとした。膜厚が150nmとなるように成膜した。
[反射率の測定]
分光光度計を用いて、上記で作成した試料の反射率を測定した。
以上の結果を表2および図7に掲げた。
表2から分かるように、銀を主体とする金属層(A)、低屈折率薄膜層(B)及び高屈折率薄膜層(C)をA/B/Cなる構成で積層してなる反射体において、低屈折率薄膜層である二酸化ケイ素層の光学膜厚がλ/8近傍である場合に、該反射体は最も高い反射率を有することがわかる。また二酸化ケイ素層の光学膜厚が、λ/8×0.7以上、λ/8×1.3以下の範囲において、98%以上の高い反射率を示すことがわかる。この反射率は、銀を主体とする反射体のみからなる反射体に比較して高いことがわかる。また、図7は実施例8と参考例1の反射スペクトルを示したものである。すなわち本発明の第1の反射体の反射スペクトルの例である。本発明の反射体は、極めて広い範囲で反射率が高く、可視光線の全ての領域で銀単膜よりも反射率を高くすることが出来ることがわかる。
一方、表1から分かるように、銀を主体とする金属層(A)及び低屈折率薄膜層(B)からなる反射体において、低屈折率薄膜層である二酸化ケイ素層の光学膜厚がλ/8である場合に、該反射体の反射体は銀のみからなる反射体よりも最も低い反射率を有することがわかる。また二酸化ケイ素層の光学膜厚が、λ/8×0.7以上、λ/8×1.3以下の範囲において、96%以下の低い反射率を示すことがわかる。この反射率は、銀を主体とする金属層のみからなる反射体に比較して1%を超えて低いことがわかる。
上記の様に低屈折率薄膜層(B)の膜厚をλ/8nLを含む特定の範囲に設定することにより、金属層(A)、低屈折率薄膜層(B)、高屈折率薄膜層(C)をA/B/Cなる構成で積層してなる反射体の反射率は、金属層(A)のみからなる反射体に比較して、高い値を実現することができる。
Claims (6)
- 少なくとも金属層(A)、低屈折率薄膜層(B)、高屈折率薄膜層(C)がA/B/Cの順の積層構造を有し、可視光線の設定波長をλで、低屈折率薄膜層(B)の屈折率をnLで表したとき、銀を主体とする金属層(A)と接する低屈率薄膜層(B)の厚さが、0.7λ/8nL〜1.3λ/8nLであることを特徴とする反射体。
- 少なくとも金属層(A)と、屈折率が0.5〜2の薄膜層(B1)とがA/B1の順の積層構造を有し、薄膜層(B1)の厚さが、可視光線の設定波長をλ、薄膜層(B1)の屈折率をnL1として、0.7λ/8nL1〜1.3λ/8nL1であり、金属層(A)のみでの反射率より1%を超えて低い反射率を有することを特徴とする反射体。
- 請求項1記載の反射体を用いたランプリフレクター。
- 請求項1記載の反射体を用いた導光板下反射体。
- 請求項1記載の反射体を用いたバックライト装置。
- 請求項1記載の反射体を用いた液晶表示装置。
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