JP4540883B2 - 透視性電磁波シールド・近赤外線カット材料及びその製造方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、透視性電磁波シールド・近赤外線カット材料及びその製造方法に関する。さらに詳しくは、本発明は、優れた電磁波シールド機能及び近赤外線カット機能を有すると共に、良好な透視性及び視認性を有し、各種ディスプレイ、特に大画面のプラズマディスプレイパネル(PDP)用として好適な透視性電磁波シールド・近赤外線カット材料、及びこのものを効率よく製造する方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
オフィスオートメーション機器、工場オートメーション機器等における各種のコンピューターディスプレイや、ゲーム機、テレビ等のディスプレイからは、ディスプレイの表面よりマイクロ波や電波等の非電離放射線の有害な電磁波が多量に発生しているといわれており、近年、この電磁波による人間の健康への影響が指摘されたり、電磁波による他の機器への障害が問題となっている。
また、最近、大型で、視認性に優れたディスプレイパネルとして、発光型、平面型ディスプレイパネルであるプラズマディスプレイパネル(PDP)が注目されている。このPDPは、従来の冷陰極線管(CRT)や液晶ディスプレイパネル(LCD)等のディスプレイパネルと比較して、前面からの漏洩電磁波の強度が強いことから、一層優れた電磁波遮蔽機能を具備させることが強く要請されている。さらに、このPDPにおいては、その前面からセル内のNeガスやXeガス等の不活性ガスの発光に由来する近赤外線が放出されているものであるが、この近赤外線の波長は、各種家電機器のリモコン装置の動作波長に近く、誤動作の原因となることから、この近赤外線を十分に遮蔽する機能を具備させることも、強く要請されている。
【0003】
このようなディスプレイパネルの前面などに設置される部材に対しては、優れた電磁波シールド機能及び近赤外線カット機能の他に、透視性(光透過率)に優れる上、視認性が良好でかつ視野角が広いことなどが要求されている。
透視性、透明性、透光性であって、電磁波シールド性あるいは電磁波シールド性と近赤外線カット性を有する材料としては、例えば(1)ガラス基板上に、ITO(インジウム錫酸化物)などからなる電磁波遮蔽用透明導電性薄膜と、TiO2 とSiO2 の光学薄膜の積層体などからなる熱線反射膜とが積層されてなる電磁波遮蔽ウインドガラス(特開昭60−27623号公報)、(2)透明板上に透明性導電膜と導電性の格子パターンが形成されてなる電磁波遮蔽透明板(特開平1−170098号公報)などが提案されている。
【0004】
しかしながら、前記(1)の電磁波遮蔽ウインドガラスにおいては、電磁波シールド性能が極めて低い上(透明導電性薄膜では、高い光透過率を確保しようとすれば、電磁波シールド性能が低くなる)、視認性も悪い(色、光沢が不適)などの問題がある。したがって、このものは、高い近赤外線カット性能と共に、高い電磁波シールド性能及び透視性(光透過率)、さらには良好な視認性が要求される、PDPなどのディスプレイ用途には使用することができない。
また、前記(2)の電磁波遮蔽透明板においては、電磁波シールド性能及び近赤外線カット性能が共に極めて低い上〔導電性格子パターンの電磁波シールド性能向上効果は、低周波(長波長)側でわずかにあるが、500MHzではほとんどない〕、視認性が極めて悪く(格子パターンが目視でき、目障りとなる。)やはりPDPなどのディスプレイ用途には使用することができない。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、このような状況下で、優れた電磁波シールド機能及び近赤外線カット機能を有すると共に、良好な透視性及び視認性を有し、各種ディスプレイ、特に大画面のプラズマディスプレイパネル(PDP)用として好適な透視性電磁波シールド・近赤外線カット材料を提供することを目的とするものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、前記の優れた機能を有する透視性電磁波シールド・近赤外線カット材料を開発すべく鋭意研究を重ねた結果、透明基材上に、特定の構成からなる透視性電磁波シールド層と、透明性近赤外線カット層とを接触させて積層してなる材料が、その目的に適合し得ること、そして、この材料は、特定の工程を施すことにより、容易に製造し得ることを見出した。本発明は、かかる知見に基づいて完成したものである。
すなわち、本発明は、
(1)透明基材上に、少なくとも(A)同一で一致したメッシュ状の黒色層・金属層若しくは金属層・黒色層又は黒色層・金属層・黒色層からなる透視性電磁波シールド層と、(B)透明性近赤外線カット層が接触して積層されてなる透視性電磁波シールド・近赤外線カット材料、
(2)(a)透明基材上に、ドライプレーティングにより、黒色層・金属層若しくは金属層・黒色層又は黒色層・金属層・黒色層を形成し、その上にメッシュ状のレジストパターン層を設け、これを保護膜としてサンドブラスト処理及び/又はエッチング処理を施し、上記黒色層・金属層若しくは金属層・黒色層又は黒色層・金属層・黒色層を、該レジストパターン層に対応したメッシュ状パターン化したのち、レジストパターン層を剥離し、次いで(b)ドライプレーティングにより、透明金属酸化物層又は透明金属硫化物層と金属薄膜層とを順次交互に、かつ最外層が透明金属酸化物層又は透明金属硫化物層になるように積層することを特徴とする透視性電磁波シールド・近赤外線カット材料の製造方法(以下、本発明の製造方法Iと称す。)、
(3)(a)透明基材上に、ドライプレーティングにより、黒色層・金属層若しくは金属層・黒色層又は黒色層・金属層・黒色層を形成し、その上にメッシュ状のレジストパターン層を設け、これを保護膜としてサンドブラスト処理及び/又はエッチング処理を施し、上記黒色層・金属層若しくは金属層・黒色層又は黒色層・金属層・黒色層を、該レジストパターン層に対応したメッシュ状パターン化したのち、レジストパターン層を剥離し、次いで(b’)ドライプレーティングにより、屈折率の異なる二種の透明無機層を交互に積層することを特徴とする透視性電磁波シールド・近赤外線カット材料の製造方法(以下、本発明の製造方法IIと称す。)、
(4)(a')透明基材上に、該透明基材がメッシュ状に露出するようにレジストパターン層を形成し、その上に、ドライプレーティングにより、黒色層・金属層若しくは金属層・黒色層又は黒色層・金属層・黒色層を形成したのち、レジストパターン層を剥離することにより、レジスト層部表面の黒色層・金属層若しくは金属層・黒色層又は黒色層・金属層・黒色層のみを除去し、次いで(b)ドライプレーティングにより、透明金属酸化物層又は透明金属硫化物層と金属薄膜層とを順次交互に、かつ最外層が透明金属酸化物層又は透明金属硫化物層になるように積層することを特徴とする透視性電磁波シールド・近赤外線カット材料の製造方法(以下、本発明の製造方法III と称す。)、
(5)(a')透明基材上に、該透明基材がメッシュ状に露出するようにレジストパターン層を形成し、その上に、ドライプレーティングにより、黒色層・金属層若しくは金属層・黒色層又は黒色層・金属層・黒色層を形成したのち、レジストパターン層を剥離することにより、レジスト層部表面の黒色層・金属層若しくは金属層・黒色層又は黒色層・金属層・黒色層のみを除去し、次いで(b')ドライプレーティングにより、屈折率の異なる二種の透明無機層を交互に積層することを特徴とする透視性電磁波シールド・近赤外線カット材料の製造方法(以下、本発明の製造方法IVと称す。)、
を提供するものである。
【0007】
【発明の実施の形態】
本発明の透視性電磁波シールド・近赤外線カット材料(以下、単に本発明の材料と略称することがある。)は、透明基材上に、少なくとも(A)透視性電磁シールド層と、(B)透明性近赤外線カット層が接触して積層されてなる構造を有するものである。
本発明の材料において用いられる透明基材としては、高い透明性、強度及び耐熱性を有するものであればよく、特に制限されず、様々なものを使用することができる。例えばガラス、強化ガラス、さらにはオレフィン−マレイミド共重合体、ノルボルネン系樹脂、アクリル系樹脂、ポリカーボネート、ポリエチレンテレフタレート、トリアセチルセルロースなどのプラスチックからなるものを挙げることができるが、これらの中で、強度及び耐熱性に優れる点から、強化ガラス、オレフィン−マレイミド共重合体及びノルボルネン系樹脂からなるものが好適である。
【0008】
プラスチック製透明基材を用いる場合、プラスチックの熱変形温度は140〜360℃、熱線膨張係数は6.2×10-5cm/cm・℃以下、鉛筆硬度は2H以上、曲げ強度は120〜200N/mm2 、曲げ弾性率は3000〜5000N/mm2 、引張強度は70〜120N/mm2 であることが好ましい。このようなプラスチックは、高温下でも反りにくく、傷つきにくいため広範な環境下で使用できる。
又、プラスチックの光線透過率は90%以上、アッベ数は50〜70、光弾性定数(ガラス領域)の絶対値は10×10-8cm2 /N以下であことが好ましい。このようなプラスチックは、透明性が高く(明るく)、複屈折が小さい(2重像となりにくい)ため、ディスプレイの本来の画質、輝度等を損なわない。
【0009】
この透明基材の形については特に制限はなく、フィルム状、シート状、板状など、いずれであってもよい。さらに厚さは、通常0.05〜10mmの範囲で選定される。この厚さが0.05mm未満では取扱い性が悪く、また10mmを超えると重量が重くなり、好ましくない。好ましい厚さは0.1〜5mmの範囲である。本発明の材料における(A)層の透視性電磁波シールド層は、同一で一致したメッシュ状の黒色層・金属層若しくは金属層・黒色層又は黒色層・金属層・黒色層からなるものである。
該透視性電磁波シールド層における金属層は、電磁波シールド性能を付与し得ると共に、メッシュ加工が可能なものであればよく、特に制限はないが、比抵抗が1.0×10-4Ω・cm以下の金属、例えば銅、ニッケル、金、銀などが好ましく挙げられ、中でも電磁波シールド性能(比抵抗)、加工性及び価格などの点から銅が好適である。一般に金属層は、導電性が高く(比抵抗が小さく)、厚いほど電磁波シールド性能は高く、薄いほどメッシュ加工性が良好である。比抵抗が1.0×10-4Ω・cmを超えると良好な電磁波シールド性能及びメッシュ加工性を同時に満たすことが困難となる。
【0010】
この金属層は、必要とする厚さや密着性などに応じてイオンプレーティング、スパッタリング、真空蒸着などのドライプレーティング、無電解めっき、電気めっきなどの方法を一種用いるか、又は二種以上組み合わせて用いて形成してもよく、あるいは金属箔を利用してもよいが、これらの中で、特にドライプレーティング法が好適である。この金属層の厚さとしては、通常0.1〜35μmの範囲で選定される。この厚さが0.1μm未満では電磁波シールド性能が不充分となるおそれがあり、逆に35μmを超えるとメッシュ加工が困難な場合がある。好ましい厚さは、ドライプレーティング法では0.2〜1.0μmであり、めっき法では0.5〜3.0μmであり、金属箔の場合は9〜18μmである。
【0011】
一方、黒色層は、良好な視認性を付与するためのものであって、黒色樹脂層、黒色無機層及び黒色金属酸化物層(金属層の表層を酸化又は硫化して形成された黒色層は除く。)を1層又は2層以上を組み合わせたものから構成されている。
上記黒色樹脂層としては、黒色顔料や黒色染料を含む樹脂層が挙げられる。ここで、黒色顔料としては、黒色を呈するもの、例えば還元金属粒子、金属酸化物粒子、カーボン粒子等がある。還元金属粒子としては、還元金属コロイド分散液中のコロイド粒子、あるいは該分散液から得られる還元金属粉であって、塗布液(塗膜)内に均一に分散できる限り、金属の種類、粒径は問わないが良好な分散安定性を得るため、粒径は好ましくは1μm以下である。かかる還元金属粒子は、空気、特に湿気に対して安定であることが望ましい。
【0012】
具体例としては、周期律表第Ib族、又は第VIII族の金属(Cu、Ni、Co、Ph、Pdなど)を含むコロイドで、還元Niコロイド粒子、あるいは、これより得られる還元Ni粉が特に好ましい。還元金属コロイド粒子は、特開平1−315334号公報に記載の方法で製造できる。すなわち、低級アルコール類と非プロトン極性化合物とからなる混合溶液中で金属の塩を還元することによりコロイド分散液が得られる。
また、金属酸化物粒子は、還元金属粒子同様、塗布液(塗膜)内に均一に分散できる限り、金属の種類、粒径は問わないが良好な分散安定性を得るため、粒径は好ましくは1μm以下である。具体例としては、鉄、銅、ニッケル、コバルト、パラジウム等の周期律表の第Ib族、又は第VIII族に属する金属の酸化物が挙げられる。
また、カーボン粒子は、還元金属粒子又は金属酸化物粒子同様、塗布液(塗膜)内に均一に分散できる限り、金属の種類、粒径は問わないが、良好な分散安定性を得るため粒径は好ましくは1μm以下である。具体例としては、カーボンブラック、天然又は人造の黒鉛粒子等が挙げられる。
【0013】
使用される黒色染料は、塗膜中に均一に分散又は溶解できる限り種類や含有量は問わない。かかる黒色染料は、塗膜中で、大気、湿気、光、熱に対して安定であることが望ましい。具体例としては、酸性染料、分散染料、直接染料、反応染料、硫化染料、硫化建染染料等が挙げられる。なかでも酸性染料が好ましい。
これらの黒色顔料や黒色染料は黒色樹脂中の含有量が1〜80重量%であることが望ましく、さらに好ましくは5〜70重量%の範囲である。1重量%未満では黒色層黒化度が不充分となるおそれがあり、80重量%を超えると塗膜物性が低下する場合がある。
黒色樹脂層に使用される樹脂は、黒色顔料や黒色染料を分散又は溶解した樹脂溶液(黒色塗布液)及びこの塗布液を塗布、乾燥して得られた塗膜(黒色樹脂層)の状態で、黒色顔料や黒色染料を良好に分散又は溶解できればその種類を問わない。
【0014】
さらに、黒色樹脂層の黒さ(黒色層黒化度)が損なわれない限り、透明性、色等も問わない。
具体例としては、ポリビニルアセタール系、アクリル系、ポリエステル系、セルロース系、ポリイミド系、ポリカーボネート系、ポリカルボジイミド系、エポキシ系、ポリスチレン系、ゼラチン等が好ましい。
なお、ここで言う黒色樹脂層は、黒色顔料や黒色染料以外(マトリックス又はバインダー)の成分が全て樹脂である黒色層のことである。可塑剤、界面活性剤等の添加剤は、黒色樹脂層の物性を損なわない範囲内で加えてもよい。
当然導電性を有するカーボン粒子(すす、カーボンブラック又はグラファイトなど)、還元金属コロイド粒子(又はこれより得られる還元金属粉)等の黒色顔料を多く含む黒色樹脂層は、黒色であるだけでなく導電性を有するため、直接電気めっきすることができる。このための、黒色樹脂層の導電性は表面抵抗で好ましくは10Ω/□以下、より好ましくは5Ω/□以下である。10Ω/□を超えるとめっきの析出が不均一となるおそれがある。
【0015】
本発明においては、黒色樹脂層を形成する場合、カーボン粒子を樹脂溶液中に分散含有する墨汁(乾燥塗膜中、カーボン含有量約90重量%)、導電性カーボン塗料、又はパラジウムコロイド粒子等を分散含有する樹脂溶液が好ましく使用できる。
なお、還元金属コロイド粒子の場合、透明樹脂層を形成後、これを還元金属コロイド粒子分散液中に浸漬する(還元金属コロイド粒子を透明樹脂層に浸透、吸着させる)ことでも、直接電気めっき可能な(導電性を有する)黒色樹脂層が形成できる。樹脂層厚さ方向で還元金属コロイド粒子含有量は傾斜をもつ(表層で最も多い)が、良好な電気めっき析出及び密着性を得るのに極めて有効である。
処理条件は、還元金属コロイド分散液の金属の種類、濃度、コロイド粒子径等によって異なるが、市販の標準的なパラジウムコロイド分散液(PdCl2 として約1重量%のPdを含有する)の場合、常温で1〜60分間、好ましくは5〜30分間浸漬する。1分未満では、黒化度及び導電性が不充分となるおそれがあり(めっき析出が不均一)、60分を超えると黒化度及び導電性に大差がない。
【0016】
本発明において、黒色塗布液用樹脂溶液をつくる溶媒は、樹脂及び黒色顔料又は黒色染料を分散又は溶解可能であればその種類を問わない。
例えば、水、メタノール、エタノール、クロロホルム、塩化メチレン、トリクロロエチレン、テトラクロロエチレン、ベンゼン、トルエン、キシレン、アセトン、酢酸エチル、ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、ジメチルアセトアミド、N−メチルピロリドン等の単独又は混合溶媒が好ましく用いられる。用いる樹脂と黒色顔料又は黒色染料との組合せに応じて適宜選択する。
溶媒の使用量は、適当な粘性、流動性を有するように、かつ基材に塗布するのに適するように選ばれる。
樹脂及び黒色顔料又は黒色染料を含む溶液(黒色塗布液)を透明基材又は金属層上に塗布し、乾燥することにより、黒色顔料又は黒色染料を含む塗膜(黒色樹脂層)を形成する。塗布は、ハケ塗り、スプレー塗装、ディップコート、ロール塗装、カレンダー塗装、スピンコート、バーコート、スクリーン印刷等の通常の塗布方法を透明基材又は金属層の形状に応じて選択する。
【0017】
また、塗膜形成は、樹脂の種類、濃度、塗膜厚さ等に応じて条件(温度、時間等)が決定される。通常、不揮発分濃度が0.05〜20重量%で塗布される。乾燥塗膜厚は、通常0.5〜50μm、好ましくは1〜25μmの範囲である。この厚さが0.5μm未満では黒さが確保できず、視認性が不充分となるおそれがあり、50μmを超えると視野角が狭くなる場合がある。
一方、黒色無機層は、黒色顔料を含有する無機層であって、使用される黒色顔料は黒色無機層中で均一に分散できる限り、その種類や粒径等を問わないが、良好な分散安定性を得るために粒径は好ましくは1μm以下である。黒色樹脂層の場合で例示したものが同様に使用できる。
黒色顔料は、黒色無機層中の含有量が1〜50重量%であることが望ましく、更に好ましくは5〜25重量%である。1重量%未満では黒色層黒化度が不充分となるおそれがあり、50重量%を超えると視野角が狭くなる場合がある。
【0018】
この黒色無機層は、例えば黒色顔料を含有する無機粒子及び/又は黒色顔料と無機粒子の混合物を液状物とともに液状又はペースト状の黒色塗布液とし、塗布、乾燥して塗膜形成後、必要に応じて加熱処理を行い、上記粒子を溶融又は焼結あるいはバインダーにより結合することで形成することができる。
使用される無機粒子は、液状又はペースト状の黒色塗布液中で均一に分散でき、黒色無機層の黒さが損なわれない限り、種類、粒径、透明性、色等は問わないが、良好な分散安定性を得るために粒径は好ましくは1μm以下である。なお、無機粒子は、主にマトリックス形成のために使われるが、黒色塗布液の増粘やチキソ性付与のためにも使われる。
【0019】
具体例としては、1成分ないし多成分系の酸化物としてケイ酸ガラス(SiO2 )、ケイ酸アルカリガラス(Na2 O−SiO2 )、ソーダ石灰ガラス(NaO−CaO−SiO2 )、カリ石灰ガラス(K2 O−CaO−SiO2 )、鉛ガラス(K2 O−PbO−SiO2 )、バリウムガラス(BaO−B2 O3 −SiO2 )、ホウケイ酸ガラス(Na2 O−B2 O3 −SiO2 )等のガラス類(括弧内は主要成分)やAl2 O3 、TiO2 、ZrO2 、MgO等、又炭化物としてSiC、WC、TiC、TaC、ZrC、B4 C等、又窒化物としてSi3 N4 、BN、TiN、ZrN、AlN等、酸窒化物としてサイアロン等が、好ましくは一種又は二種以上の組合せで使用される。なかでも、ソーダ石灰ガラスが好ましく使用される。
【0020】
液状物は、溶剤のみの場合もあるが、通常は溶剤及び黒色無機層形成後に固形分として残存するバインダーを含むものが用いられる。
バインダーは、液状物中で溶けた状態の樹脂或いは分散した状態の樹脂粒子又は無機粒子である。バインダー用無機粒子は、マトリックス用無機粒子に比べ融点が低く、含有量が少ない点以外ではマトリックス用無機粒子と区別されない。
一方、使用されるバインダー用樹脂は、黒色塗布液及び黒色無機層の状態で黒色顔料、無機粒子を良好に分散できる限り、その種類を問わない。黒色樹脂層の場合のマトリックス又はバインダー用樹脂として例示したものが、同様に使用できる。ただし、無機層としての物性(硬さ等)及び加工性を確保するため、黒色無機層中含有量が、通常10重量%以下で使用される。
【0021】
前記黒色樹脂層は塗膜形成性(特に薄膜の場合)が高いが、ブラスト法等によるパターニング加工性が低い(塗膜が黒色無機層に比べ柔らかい)のに対し、黒色無機層はその逆であり黒色樹脂層とは特徴が大きく異なる。そのため、要求されるメッシュ形状やライン幅/ライン間隔(開口幅)、視野角、加工精度、加工コスト等によって使い分けるとよい。
使用される溶剤は、黒色顔料、無機粒子、バインダーを分散又は溶解できる限り、その種類を問わず、黒色樹脂層の場合で例示したものが同様に使用できる。
その他、黒色塗布液の不揮発分濃度、黒色無機層の厚さ及び塗布方法等は黒色樹脂層の場合と同様である。
なお、ここで言う黒色無機層は、黒色顔料以外(マトリックス又はバインダー)の成分の中で無機成分含有量が50重量%を超える黒色層のことである。又、黒色顔料以外の成分は黒色無機層中の含有量に関わらず、海島構造の「海」となっている場合をマトリックス、そうでない場合をバインダーとして区別した。可塑剤、界面活性剤等の添加剤は黒色樹脂層の物性を損なわない範囲内で加えてもよい。
【0022】
この黒色無機層の厚さは、通常0.5〜50μm、好ましくは1〜25μmの範囲である。この厚さが0.5μm未満では黒さが確保できず、視認性が不充分となるおそれがあり、50μmを超えると視野角が狭くなる場合がある。
さらに、黒色金属酸化物(‘黒色金属の酸化物’でなく‘黒色の金属酸化物’)という意味で使用)層は、黒色樹脂及び黒色無機層の場合と同様、前述の金属層に付加(積層)されたものであり、金属層の一部(表層)を酸化処理により黒色化したものではない。
使用される黒色金属酸化物は、十分な黒さを有しメッシュ加工が可能であれば、種類、厚さ、形成方法は問わない。銅、ニッケル、コバルト、鉄、パラジウム、白金、インジウム、錫、チタン、クロム等の金属の酸化物の一種又は二種以上を組み合わせたものが適当であるが、なかでもメッシュ加工性や価格の点で酸化銅及び酸化錫が好ましい。
【0023】
金属酸化物層(多くは絶縁性である)のなかには、低い導電性を有するもの(酸化錫等)もあるが、良好な電磁波シールド性能を得るのは困難であり、金属層とは目的及び導電性の点で明らかに区別される。
黒色金属酸化物層の厚さは、通常0.01〜1μm、好ましくは0.05〜0.5μmである。この厚さが0.01μm未満ではピンホールが多く黒さも不十分となるおそれがあり、1μmを超えると処理コストが高くつき、経済的に不利となる。
黒色金属酸化物層は、真空蒸着法、スパッタリング法、イオンプレーティング法、無電解めっき法、電気めっき法等の一つ又は二つ以上を組み合わせた方法で形成できる。
また、黒色層を透明接着剤を介して透明基材に積層する場合、透明接着剤としては、ポリビニルアセタール系、アクリル系、ポリエステル系、エポキシ系、セルロース系、酢酸ビニル系等の樹脂が挙げられる。接着剤層の厚みは一般的には1μm以上、好ましくは5〜500μm程度である。
【0024】
本発明の材料における(A)透視性電磁波シールド層の黒色層黒化度は、光学濃度(入射角7°,正反射を含まない場合)で2.9以上であるのが好ましい。この黒化度が光学濃度で2.9未満では視認性が不充分となるおそれがある。なお、前記黒色層単独では、光学濃度で2.9以上でなくてもよい(金属層を積層して始めて、充分な黒化度が発現する場合も少なくない)。
この(A)透視性電磁波シールド層は、各層が同一で一致したメッシュ状であることが必要であり、このメッシュの形状としては特に制限はなく、格子状(四角形)、三角形、五角以上の多角形、円形、長円形などの中から、任意の形状を適宜選択することができる。ライン幅は、通常1mm未満、好ましくは50μm以下、より好ましくは25μm以下である。このライン幅は、ライン間隔及び開口率を設定すれば自ずと決まる。下限は特に限定されないが、パターニング加工性等を考慮し通常は2μm程度とされる。また、ライン間隔は、通常7mm未満、好ましくは200μm以下、より好ましくは100μm以下である。ライン間隔の下限はパターニング加工ができる限り限定されないが、ライン幅下限及び開口率等を考慮し通常は10μm程度とされる。
【0025】
さらに、ラインの厚みは、好ましくは50μm以下、より好ましくは25μm以下であり、通常はパターニング加工性、視野角等を考慮し、ライン厚み/ライン幅のアスペクト比は0.5以下に設定される(アスペクト比が高い程、パターニング加工性は低下し、視野角は狭くなるため)。下限は特に限定されないが、通常は0.1μm程度とされる。一方、開口率は、通常64%以上、好ましくは81%以上である。
このような同一で一致したメッシュ状の透視性電磁波シールド層を、作製するためには、例えば後述の本発明の製造方法に従えば効率よく作製することができる。
【0026】
一方、本発明の材料における(B)透明性近赤外線カット層としては、例えば(B−1)透明金属酸化物層又は透明金属硫化物層と金属薄膜層とが順次交互に、かつ最外層に透明金属酸化物層又は透明金属硫化物層が積層された構造のもの、すなわち3層以上の奇数層のもの[但し、金属層は、1種の金属の層(一層)であってもよく、2種以上の金属の合金層(一層)又は多層であってもよい。]、(B−2)屈折率の異なる二種の透明無機層が交互に積層されたもの、好ましくは6層以上の偶数層のもの、又は(B−3)近赤外線吸収色素を含有する樹脂塗膜などを挙げることができる。尚、この樹脂塗膜には、必要に応じて、オレンジ光(550〜620nm、ネオン光含む)吸収色素や色補正用色素等を添加し、良好な画質(色純度等)や色目を発現させることもできる。
本発明の材料においては、これらの(B)透明性近赤外線カット層はメッシュ状に形成された(A)透視性電磁波シールド層を含めた、透明基材の全面に形成される。
前記(B−1)層において用いられる金属薄膜層を構成する金属は、比抵抗が2.5×10-6Ω・cm以下のものが好ましく、このようなものとしては、金、銀、銅又はこれらの合金が好適である。この金属薄膜の厚さは、通常5〜40nm、好ましくは10〜20nmの範囲である。また、透明金属酸化物層を構成する金属酸化物としては、例えば酸化チタン、酸化亜鉛、酸化インジウム、酸化錫、ATO(アンチモン錫酸化物)、ITO(インジウム錫酸化物)などを好ましく挙げることができる。一方、透明金属硫化物層を構成する金属硫化物としては、例えば硫化亜鉛などを好ましく挙げることができる。この透明金属酸化物層又は透明金属硫化物層の厚さは、通常20〜60nm、好ましくは30〜40nmの範囲である。この(B−1)層は、3層以上の奇数層でって、その全体の厚さとしては、例えば3層の場合で通常45〜160nm、好ましくは70〜100nmの範囲で選定される。
【0027】
上記(B−1)層は、例えば真空蒸着、スパッタリング、イオンプレーティングなどのドライプレーティング法により、形成することができる。
一方、(B−2)層は、屈折率の異なる二種の透明無機層が交互に積層されたものであり、上記透明無機層を構成する無機化合物としては、低屈折率の無機化合物として、例えばフッ化マグネシウム、酸化ケイ素などが、高屈折率の無機化合物として、例えば酸化チタン、酸化タンタル、酸化錫、酸化インジウム、酸化ジルコニウム、酸化亜鉛などが挙げられる。上記の低屈折率の無機化合物からなる透明無機層と、高屈折率の無機化合物からなる透明無機層を、適宜組み合わせて、交互に積層することにより、(B−2)層が形成される。特に酸化ケイ素からなる透明無機層と酸化チタンからなる透明無機層との組合せが、透明性がよく、かつ屈折率の差が大きいことから、好適である。
【0028】
この(B−2)層は、6層以上の偶数層が好ましく、また透明無機層の光学膜厚ndとしては、最下層及び最上層はλ/8又はλ/4が好ましく、その他中間層はλ/4が好ましい。なお、nは屈折率、dは厚さ、λはカットすべき近赤外線の波長である。該(B−2)層は、例えば真空蒸着、スパッタリング、イオンプレーティングなどのドライプレーティング法により、形成することができる。さらに、(B−3)層における近赤外線吸収色素としては、例えばフタロシアニン系、ナフタロシアニン系、ジイモニウム系、ジチオール金属錯体、アゾ化合物、ポリメチン系、アントラキノン系等の色素が挙げられる。色補正用色素としては、フタロシアニン染料・顔料等が、又、オレンジ光吸収色素としては、シアニン染料、スクアリリウム染料、アゾメチン染料、キサンテン染料、オキソノール染料、アゾ染料等が挙げられる。
また、これらの近赤外線吸収色素を含む樹脂としては、近赤外線カット層の透明性(可視光透過率)が損なわれない限り、特に制限はないが、前記(A)層における黒色樹脂層の説明において、例示した同じ樹脂を用いることができる。
この(B−3)層の形成は、例えば上記の近赤外線吸収色素と樹脂を含む塗布液を調製し、ハケ塗り、スプレー塗装、ディップコート、ロール塗装、カレンダー塗装、スピンコート、バーコート、スクリーン印刷等の通常の方法で、塗布、乾燥することにより、行うことができる。該塗布液の調製に用いられる溶媒としては、該色素及び樹脂を溶解又は分散し得るものであればよく、特に制限されず、例えば水、メタノール、エタノール、クロロホルム、塩化メチレン、トリクロロエチレン、テトラクロロエチレン、ベンゼン、トルエン、キシレン、アセトン、酢酸エチル、ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、ジメチルアセトアミド、N−メチルピロリドン等の単独又は混合溶媒が好ましく用いられる。
【0029】
このようにして形成された(B−3)層の厚さは、通常1〜50μm、好ましくは5〜25μmの範囲で選定される。
本発明においては、(B)透明性近赤外線カット層として、特に、前記(B−1)層及び(B−2)層が、耐候性がよく(寿命が長い)かつドライプレーティングが可能であるなどの点から、好適である。
本発明の材料においては、前記(A)透視性電磁波シールド層と、(B)透明性近赤外線カット層は、接触して積層されていることが必要である。またその積層順序については特に制限はないが、中でも透明基材の同一面上に、ドライプレーティングにより(A)層と(B)層が順次接触して積層されてなるものが好ましい。
【0030】
本発明の透視性電磁波シールド・近赤外線カット材料においては、近赤外線透過率20%以下、光透過率は65%以上、シールド性能は30〜1,000MHzにおいて40dB以上(500MHzにおいて50dB以上)であることが好ましい。光透過率が65%未満では暗く、シールド性能が40dB未満(30〜1000MHz)、又近赤外線透過率が20%超では実用レベルではない。
本発明の材料を、PDPなどのディスプレイ用途に用いる場合、前記の(A)層及び(B)層以外の機能層、例えば反射防止(AR)層、防眩(AG)層、オレンジ光(ネオン光含む)カット層、色補正層、ハードコート層、防汚層などを、本発明の目的が損なわれない範囲で、所望により適宜積層することができる。これらの機能層は、(A)層及び(B)層のように接触させて積層してもよいし、ARフィルム(透明フィルム上にAR層を形成したものなど)やAGフィルム(透明フィルム上にAG層を形成したものなど)を接着剤を介して積層してもよく、また、(A)層及び(B)層の積層面とは反対側の面に積層してもよい。
【0031】
本発明においては、透明基材として、透明フィルムを用いて作製した透視性電磁波シールド・近赤外線カット材料を、必要に応じて透明接着剤を介してディスプレイパネル又は透明基板に貼り合わせ透視性電磁波シールド・近赤外線カットパネルを作製することができる。この際、使用される透明フィルムとしては、長尺物として、ロール上に連続処理できるものが望ましい。例えばポリエチレンテレフタレート、ポリイミド、ポリエーテルサルフォン、ポリエーテルエーテルケトン、ポリカーボネート、ポリプロピレン、ポリアミド、アクリル樹脂、セルロースプロピオネート、セルロースアセテートなどの厚みが50〜300μm程度のプラスチックフィルムなどが好ましく用いられる。
【0032】
次に、本発明の透視性電磁波シールド・近赤外線カット材料の製造方法においては、以下に示す製造方法I,II,III 及びIVの4つの態様があり、それぞれについて説明する。
製造方法I
この方法においては、下記の(a)工程及び(b)工程を順次施すことにより、透視性電磁波シールド・近赤外線カット材料を製造する。
(a)工程においては、まず、透明基材上に、ドライプレーティングにより、黒色層・金属層若しくは金属層・黒色層又は黒色層・金属層・黒色層を形成し、その上に、メッシュ状のレジストパターン層を設ける。このレジストパターン層の形成は、従来公知の方法、例えば印刷法、フォトリソグラフィー法などにより、行うことができる。
次いで、このレジストパターン層を保護膜としてサンドブラスト処理及び/又はエッチング処理を施し、非レジスト部を除去することにより、上記黒色層・金属層若しくは金属層・黒色層又は黒色層・金属層・黒色層を、該レジストパターン層に対応したメッシュ状パターン化する。最後に、レジストパターン層を、アルカリ水溶液などの剥離液に浸漬する、及び/又は剥離液をスプレーにて吹き付けるなどの処理を行い、剥離除去する。サンドブラスト処理及びエッチング処理の条件としては特に制限はなく、黒色層及び金属層の種類に応じて適宜選択すればよい。なお、サンドブラスト処理を施した場合、非レジスト部の透明基材が粗化(白化)するため、レジストパターン層を剥離する前に透明樹脂で被覆して透明化するのがよい。このようにして、(A)層であるメッシュ状の透視性電磁波シールド層が形成される。
次に、(b)工程において、上記(A)層上を含む透明基材又は被覆樹脂の全表面上に、ドライプレーティングにより、透明金属酸化物層又は透明金属硫化物層と金属薄膜層とを順次交互に、かつ最外層が透明金属酸化物又は透明金属硫化物層になるように積層することによって、(B)層である透視性近赤外線カット層を形成させる。
このようにして、目的の透視性電磁波シールド・近赤外線カット材料が得られる。
【0033】
製造方法 II
この方法においては、前記の製造方法Iと同様にして(a)工程を施したのち、下記(b')工程を施すことにより、透視性電磁波シールド・近赤外線カット材料を製造する。
(b')工程においては、前述の(a)工程と同様にして形成された(A)層上を含む透明基材又は被覆樹脂の全表面上に、ドライプレーティングにより、屈折率の異なる二種の透明無機層を交互に積層することによって、(B)層である透視性近赤外線カット層を形成させる。
このようにして、目的の透視性電磁波シールド・近赤外線カット材料が得られる。
【0034】
製造方法 III
この方法においては、下記の(a')工程を施したのち、製造例1と同様にして(b)工程を施すことにより、透視性電磁波シールド・近赤外線カット材料を製造する。
(a')工程においては、まず、透明基材上に、該透明基材がメッシュ状に露出するようにレジストパターン層を、製造方法Iと同様にして形成する。次いで、その上に、ドライプレーティングにより、黒色層・金属層若しくは金属層・黒色層又は黒色層・金属層・黒色層を形成したのち、レジストパターン層を剥離する。これにより、レジスト層部表面の黒色層・金属層若しくは金属層・黒色層又は黒色層・金属層・黒色層のみを除去し、(A)層であるメッシュ状の透視性電磁波シールド層を形成する。(リフトオフ法)上記レジストパターン層の剥離方法及び条件は、前述の製造方法Iと同様である。
【0035】
この(a')工程においては、レジストパターン層を、その上に設けられている黒色層や金属層と共に剥離するだけで、所望のメッシュ状の透視性電磁波シールド層が形成されるため、サンドブラスト処理やエッチング処理が不要となり、工程数が大幅に削減される。その結果、(a)工程よりも加工精度や歩留まりが高くなる。
ただし、レジストパターン層をその上に設けられた層と共に剥離除去するため、該レジストパターン層上に設けられる層の厚さは、好ましくは5μm以下、より好ましくは3μm以下である。この厚さが5μmを超えると加工性が低下する(非レジスト部の透明基材上の黒色層や金属層からなる層が一部剥離するおそれがある。)。厚さの下限については、加工上では特に制限はなく、要求される電磁波シールド性能によって決定される。
次に、(b)工程において、上記(a')工程で形成された(A)層上を含む透明基材の全表面上に、前述の製造方法Iと同様にして、(B)層である透視性近赤外線カット層を形成させる。
【0036】
このようにして、目的の透視性電磁波シールド・近赤外線カット材料が得られる。
製造方法 IV
この方法においては前記製造方法III と同様にして(a')工程を施して、(A)層であるメッシュ状の透視性電磁波シールド層を形成したのち、前記製造方法IIと同様にして(b')工程を施して、(B)層である透明性近赤外線カット層を形成させる。
このようにして、目的の透視性電磁波シールド・近赤外線カット材料が得られる。
本発明の製造方法I〜IVで得られた透視性電磁波シールド・近赤外線カット材料を、ディスプレイなどに設置して使用するに当たっては、アース部を設ける必要があり、この場合には、(A)層又は(B)層における金属層(導電部)を、公知の方法(ブラスト法など)によって露出させればよい。
【0037】
【実施例】
次に、本発明を実施例により、さらに詳細に説明するが、本発明は、これらの例によってなんら限定されるものではない。
実施例1
ガラス板上に格子状とは逆(正方形)のレジストパターン(正方形の一辺180μm、パターン間隔20μm、厚さ5μm)を形成後、この面上(レジストパターン部及びガラス部上)にイオンプレーティング(IP)にてIP酸化錫(黒色金属酸化物層0.1μm)・IP銅(金属層1.0μm)・IP酸化錫(黒色金属酸化物層0.1μm)の3層を形成した。次いで、この形成品を剥離液中に浸漬しレジスト(及びその上の3層)を剥離、除去し透視性電磁波シールド層(ライン幅20μm、ライン間隔180μmの格子状パターン)を形成した(リフトオフ法)。
【0038】
更に、ガラス板全表面上(格子状パターンの電磁波シールド層上及び開口ガラス部上)にスパッタリング(SP)にて、SP硫化亜鉛(36nm)・SP銀(27nm)・SP硫化亜鉛(37nm)の3層からなる透明性近赤外線カット層を形成し、透視性電磁波シールド・近赤外線カット材料を作製した。
この透視性電磁波シールド・近赤外線カット材料は、シールド性能が70dB(500MHz)、近赤外線カット性能が近赤外線透過率で10%(反射率及び吸収率を合わせたカット率で90%)、透視性が可視光線透過率で70%といずれも高く、しかも視認性が良好(黒色層黒化度が十分高くむらも無かった)で、シールド性能の長期安定性が良好であった。特に、シールド性能は、電磁波シールド層と近赤外線カット層(ある程度のシールド性能を有する)の相乗効果により極めて高いものであった。
【0039】
実施例2
ガラス板上に格子状とは逆(正方形)のレジストパターン(正方形の一辺180μm、パターン間隔20μm、厚さ5μm)を形成後、この面上(レジストパターン部及びガラス部上)にイオンプレーティング(IP)にてIP銅(金属層1.0μm)・IP酸化錫(黒色金属酸化物層0.1μm)の2層を形成した。次いで、この形成品を剥離液中に浸漬しレジスト(及びその上の2層)を剥離、除去し透視性電磁波シールド層(ライン幅20μm、ライン間隔180μmの格子状パターン)を形成した(リフトオフ法)。
更に、ガラス板全表面上(格子状パターンの電磁波シールド層上及び開口ガラス部上)にイオンプレーティング(IP)にて酸化チタン(100nm)・酸化ケイ素(160nm)・酸化チタン(100nm)・酸化ケイ素(160nm)・酸化チタン(100nm)・酸化ケイ素(80nm)の6層からなる透明性近赤外線カット層を形成し、透視性電磁波シールド・近赤外線カット材料を作製した。
この透視性電磁波シールド・近赤外線カット材料は、シールド性能が60dB(500MHz)、近赤外線カット性能が近赤外線透過率で5%、透視性が可視光線透過率で75%といずれも高く、しかも視認性が良好(黒色層黒化度が十分高くむらも無かった)で、シールド性能の長期安定性が極めて良好であった。
【0040】
実施例3
ガラス板上にイオンプレーティング(IP)にて、IP酸化錫(黒色金属酸化物層0.1μm)・IP銅(金属層1.0μm)の2層を形成した後、その面上にエッチングレジストの格子状パターン(ライン幅20μm、ライン間隔180μm、厚さ5μm)を形成した。次いで、この形成品を常温のエッチング液(20重量%塩化第二鉄/1.75重量%塩酸水溶液)中に1分間浸漬し、非レジスト部の黒色金属酸化物層・金属層を除去しレジストパターンを剥離して透視性電磁波シールド層(パターン形状及びライン幅・ライン間隔はレジストパターンと同じ)を形成した。
【0041】
更に、ガラス板全表面上(格子状パターンの電磁波シールド層上及び開口ガラス部上)にジイモニウム化合物(近赤外線吸収色素)を含有するポリカーボネート樹脂塗膜(塗膜厚10μm)からなる透明性近赤外線カット層を形成し、透視性電磁波シールド・近赤外線カット材料を作製した。
この透視性電磁波シールド・近赤外線カット材料は、シールド性能が60dB(500MHz)、近赤外線カット性能が近赤外線透過率で10%、透視性が可視光線透過率で65%といずれも高く、しかも視認性が良好(黒色層黒化度が十分高くむらも無かった)、シールド性能の長期安定性が極めて良好であった。
【0042】
実施例4
ガラス板上にスパッタリング(SP)にて、SP硫化亜鉛(36nm)・SP銀(27nm)・SP硫化亜鉛(37nm)の3層からなる透明性近赤外線カット層を形成した。
次に、近赤外線カット層全面に格子状とは逆(正方形)のレジストパターン(正方形の一辺180μm、パターン間隔20μm、厚さ5μm)を作成後、この面上(レジストパターン部及びガラス部上)にイオンプレーティング(IP)にてIP酸化錫(黒色金属酸化物層0.1μm)・IP銅(金属層1.0μm)・IP酸化錫(黒色金属酸化物層0.1μm)の3層を形成した。最後に、この形成品を剥離液中に浸漬しレジスト(及びその上の3層)を剥離、除去し透視性電磁波シールド層(ライン幅20μm、ライン間隔180μmの格子状パターン)を形成し、透視性電磁波シールド・近赤外線カット材料を作製した。
この透視性電磁波シールド・近赤外線カット材料は、シールド性能が65dB(500MHz)、近赤外線カット性能が近赤外線透過率で10%、透視性が可視光線透過率で70%といずれも高く、視認性も良好であった(黒色層黒化度が十分高くむらも無かった)。
なお、シールド性能及びその長期安定性は、実施例1より劣るものであった。
【0043】
実施例5
電気化学工業(株)ポリビニルブチラール(PVB)「デンカブチラール#6000−C」のアルコール溶液と奥野製薬工業(株)製水系パラジウム(Pd)コロイド触媒液「OPC−80キャタリストM」を混合し塗布液とした(塗布液組成:PVB/触媒液/メタノール/ブタノール重量比=10/43/647/300,Pdコロイド2.9重量%(PdCl3 換算)〕。
この塗布液をスピンコーターにてガラス板上に塗布・乾燥後、80℃で1時間乾燥した(塗膜厚1μm)。
この塗膜(触媒含有)形成品を直接、奥野製薬工業(株)製ホルマリン含有銅めっき液「OPC−700M」(25℃)中に1時間浸漬した(銅メッキ厚1.0μm)。この結果、ガラス板上の塗膜表面は銅光沢、塗膜裏面(ガラス板側から観察)は濃黒色を表した。
【0044】
この銅めっき品に対して、東京応化工業(株)製エッチング用ポジ型フォトレジスト「PMER P−DF40S」をメーカー推奨条件にて塗布・プリベーク・露光(格子状パターンマスク使用)・現像して格子状レジストパターン(ライン幅20μm、ライン間隔180μm、厚さ5μm)を形成した。
次いで、この形成品を常温のエッチング液(20重量%塩化第二鉄/1.75重量%塩酸水溶液)中に1分間浸漬し、非レジスト部の銅めっき皮膜及び塗膜中の黒色銅をエッチング除去した後、レジストパターンを剥離して透視性電磁波シールド層(パターン形状及びライン幅・ライン間隔はレジストパターンと同じ)を形成した。
更に、ガラス板全表面上(格子状パターンの電磁波シールド層上及び開口ガラス部上)に実施例1と同様にして透明性近赤外線カット層を形成し、透視性電磁波シールド・近赤外線カット材料を作製した。
この透視性電磁波シールド・近赤外線カット材料は、シールド性能が70dB(500MHz)、近赤外線カット性能が近赤外線透過率で10%、透視性が可視光線透過率で70%といずれも高く、しかも視認性が良好(黒色層黒化度が十分高くむらも無かった)で、シールド性能の長期安定性が良好であった。特に、シールド性能は、電磁波シールド層と近赤外線カット層(ある程度のシールド性能を有する)の相乗効果により極めて高いものであった。又、視認性(黒色層黒化度)は、実施例1より優れていた。
【0045】
実施例6
実施例5と同様にして、ガラス板上に透視性電磁波シールド層を形成したのち、ガラス板全表面上(格子状パターンの電磁波シールド層上及び開口ガラス部上)に、実施例2と同様にして透明性近赤外線カット層を形成し、透視性電磁波シールド・近赤外線カット材料を作製した。
この透視性電磁波シールド・近赤外線カット材料は、シールド性能が60dB(500MHz)、近赤外線カット性能が近赤外線透過率で5%、透視性が可視光線透過率で75%といずれも高く、しかも視認性(黒色層黒化度)及びシールド性能長期安定性が極めて良好であった。
【0046】
実施例7
実施例5と同様にして、ガラス板上に透視性電磁波シールド層を形成したのち、ガラス板全表面上(格子状パターンの電磁波シールド層上及び開口ガラス部上)に、実施例3と同様にして透明性近赤外線カット層を形成し、透視性電磁波シールド・近赤外線カット材料を作製した。
この透視性電磁波シールド・近赤外線カット材料は、シールド性能が60dB(500MHz)、近赤外線カット性能が近赤外線透過率で10%、透視性が可視光線透過率で65%といずれも高く、しかも視認性(黒色層黒化度)及びシールド性能長期安定性が極めて良好であった。
実施例8
ガラス板上に実施例2と同様にして、透明性近赤外線カット層を形成し、更にその面上に実施例5と同様にして透視性電磁波シールド層を形成し、透視性電磁波シールド・近赤外線カット材料を作製した。
この透視性電磁波シールド・近赤外線カット材料は、シールド性能が60dB(500MHz)、近赤外線カット性能が近赤外線透過率で5%、透視性が可視光線透過率で75%といずれも高く、しかも視認性(黒色層黒化度)が極めて良好であった。なお、シールド性能の長期安定性は、実施例1〜3、5〜7より劣っていた。
【0047】
実施例9
大同化成工業(株)製黒色顔料(酸化鉄微粉)「鉄黒0023」を電気化学工業(株)製ポリビニルブチラール(PVB)「#6000−C」のアルコール(エノタール)溶液中に均一分散し黒色塗布液とした(塗布液組成;酸化鉄/PVB/エタノール重量比=50/100/1850)。
この塗布液を福田金属箔粉工業(株)製電解銅箔「CF T9 SV」(12μm)の一方の面上に塗布、乾燥して第1黒色樹脂層(10μm)とし、この塗膜面とガラス板をアクリル系接着剤を介して貼り合わせ積層品とした。
この積層品(銅箔側)に第1黒色層及び金属層を加工するためのレジストである日本ポリテック(株)製黒色フォトレジスト「NPR−60/5CER」を塗布後、プリベーク、露光、現像、ポストベークして、レジストパターン(第2黒色樹脂層、厚さ15μm、ライン幅20μm、ライン間隔180μmの格子上パターン)を形成した。
【0048】
このレジストパターン形成品をエッチング液(20重量%塩化第二鉄/1.75重量%塩酸水溶液)中に浸漬し、非レジスト部の銅箔層を溶解除去、更にサンドブラスト法にて第1黒色樹脂層を除去(ブラスト後の第2黒色樹脂層厚さは10μm)して透視性電磁波シールド層(パターン形状及びライン幅・ライン間隔はレジストパターンと同じ)を形成した。
更に、ガラス板全表面上(格子状パターンの電磁波シールド層上及び開口ガラス部上)に実施例3と同様にして透明性近赤外線カット層を形成し、透視性電磁波シールド・近赤外線カット材料を作製した。
この透視性電磁波シールド・近赤外線カット材料は、シールド性能が60dB(500MHz)、近赤外線カット性能が近赤外線透過率で10%、透視性が可視光線透過率で65%といずれも高く、しかも視認性が良好(黒色層黒化度が十分高くむらも無かった)で、シールド性能の長期安定性が極めて良好であった。
【0049】
比較例1
ガラス板上に格子状とは逆(正方形)のレジストパターン(正方形の一辺180μm、パターン間隔20μm、厚さ5μm)を形成後、この面上(レジストパターン部及びガラス部上)にイオンプレーティング(IP)にてIP酸化錫(黒色金属酸化物層0.1μm)・IP銅(金属層1.0μm)・IP酸化錫(黒色金属酸化物層0.1μm)の3層を形成した。次いで、この形成品を剥離液中に浸漬しレジスト(及びその上の3層)を剥離、除去し透視性電磁波シールド層(ライン幅20μm、ライン間隔180μmの格子状パターン)を形成した(リフトオフ法)。
この透視性電磁波シールド材料は、シールド性能が60dB(500MHz)、透視性が可視光線透過率で75%といずれも高く、視認性も良好であった(黒色層黒化度が十分高くむらも無かった)であったが、近赤外線カット性能がほとんど無く、電磁波シールド性能の長期安定性が実施例1より劣っていた。
【0050】
比較例2
ガラス板上にスパッタリング(SP)にてSP硫化亜鉛(36nm)・SP銀(27nm)・SP硫化亜鉛(37nm)の3層からなる透明性近赤外線カット層を形成し、透明性近赤外線カット材料を作製した。
この透明性近赤外線カット材料は、近赤外線カット性能が近赤外線透過率で10%、透視性が可視光線透過率で80%といずれも高かったが、シールド性能が30dB(500MHz)と実施例1や比較例1よりはるかに低く、視認性及びシールド性能の長期安定性も無いものであった。
比較例3
ガラス板上に格子状とは逆(正方形)のレジストパターン(正方形の一辺180μm、パターン間隔20μm、厚さ5μm)を形成後、この面上(レジストパターン部及びガラス部上)にイオンプレーティング(IP)にてIP酸化錫(黒色金属酸化物層0.1μm)・IP銅(金属層1.0μm)・IP酸化錫(黒色金属酸化物層0.1μm)の3層を形成した。次いで、この形成品を剥離液中に浸漬しレジスト(及びその上の3層)を剥離、除去し透視性電磁波シールド層(ライン幅20μm、ライン間隔180μmの格子状パターン)を形成した(リフトオフ法)。
【0051】
更に、電磁波シールド層とは反対の全面に、スパッタリング(SP)にてSP硫化亜鉛(36nm)・SP銀(27nm)・SP硫化亜鉛(37nm)の3層からなる透明性近赤外線カット層を形成し、透視性電磁波シールド・近赤外線カット材料を作製した。
この透視性電磁波シールド・近赤外線カット材料は、シールド性能が60dB(500MHz)、近赤外線カット性能が近赤外線透過率で10%、透視性が可視光線透過率で70%といずれも高く、視認性も良好(黒色層黒化度が十分高くむらも無かった)であったが、実施例1のようなシールド性能の相乗効果は全くなく、シールド性能の長期安定性も実施例1より劣っていた。
【0052】
比較例4
ガラス板上にイオンプレーティング(IP)にてITO(インジウム錫酸化物)の透明導電性薄膜(500nm、電磁波シールド層)を形成、更にその面上に実施例2と同様にして透明性近赤外線カット層を形成し、透明性電磁波シールド・近赤外線カット材料を作製した。
この透明性電磁波シールド・近赤外線カット材料は、近赤外線カット性能が近赤外線透過率で10%、透視性が可視光線透過率で70%といずれも高いが、シールド性能が15dB(500MHz)と極めて低く、しかも視認性が悪いものであった。なお、シールド性能の長期安定性は極めて良好であったが、シールド性能そのものが低いためPDP等のディスプレイ用途には使用できなかった。
比較例5
比較例4と同様にして、ガラス板上に透明導電性薄膜を形成したのち、その面にスクリーン印刷法にて銀ペーストの印刷パターン(ライン幅1mm、ライン間隔7mm、厚さ20μmの格子状)を形成し、透視性電磁波シールド材料を作製した。
この透視性電磁波シールド材料は、透視性が可視光線透過率で65%と高いが、シールド性能が15dB(500MHz)と低く、近赤外線カット性能が近赤外線透過率で70%(カット率で30%)と極めて低く、しかも視認性及びシールド性能長期安定性が悪いものであった。なお、シールド性能及び近赤外線カット性能そのものが低いためPDP等のディスプレイ用途には使用できなかった。
【0053】
【発明の効果】
本発明の透視性電磁波シールド・近赤外線カット材料は、以下に示す効果を奏する。
(1)少なくとも透視性電磁波シールド層と透明性近赤外線カット層を接触させて積層することにより、電磁波シールドフィルムと近赤外線カットフィルムを接着層を介して積層する場合に比べて、層数(材料数)が大きく減るため、薄型、軽量化、高透明化が容易となる上、材料削減効果が大きく、かつ製造時の歩留りも高く、加工コストも安い。
(2)特に、トライプレーティングにて、透視性電磁波シールド層上に(金属層を有する)透明性近赤外線カット層を積層する場合、電磁波シールド性能が著しく向上する。
(3)透視性電磁波シールド層上に透明性近赤外線カット層を接触させて積層する場合、透明性近赤外線カット層の保護効果により、電磁波シールド性能の長期安定性が向上する。
(4)透視性電磁波シールド層は、パターン設計自由度が極めて高いため、高い電磁波シールド性能と高い透視性(可視光線透過率)が両立できる(繊維メッシュ品や透明導電性薄膜では両立は困難)上、視野角も極めて広い。パターン設計時に枠部を設けるだけでアースリード線と容易にかつ確実に接続できる(繊維メッシュ品の場合、導電ペーストの枠部印刷、銅箔テープの貼付け等の後処理で対応するため、製造工程や接続性の点で劣る)。しかもモアレ干渉縞の解消も容易であり、黒色層を有するため視認性も極めて良好である。
(5)透明性近赤外線カット層は、膜組成、膜構成、膜厚などの最適化により、高い近赤外線カット性能と高い可視光線透過率が両立できる。また、色補正層を設けることで、好ましい色調のものが得られる。
(6)透明基材が長尺物(ロール状)の透明フィルムの場合、必要(各種)サイズを切出し、使用時には剛性を有する透明基材に貼り合わせる、又はディスプレイ等に直接貼り合わせることになる。したがって、切出し時に欠陥部分が回避できるため歩留まりは向上する。ディスプレイ等に直接貼り合わせる場合は画像がより鮮明になる(メッシュ状パターンを有する電磁波シールド層はディスプレイから離れるほど画像がぼやける)。また、貼り合わせができれば画面のシールドも可能となる。
Claims (7)
- 透明基材上に、少なくとも(A)同一で一致したメッシュ状の黒色層・金属層若しくは金属層・黒色層又は黒色層・金属層・黒色層からなる透視性電磁波シールド層と、(B)透明性近赤外線カット層が接触して積層されてなり、
前記黒色層が、黒色樹脂層および黒色無機層のいずれかであり、
前記透明性近赤外線カット層が、透明金属酸化物層又は透明金属硫化物層と金属薄膜層とが順次交互に、かつ最外層に透明金属酸化物層又は透明金属硫化物層が積層されたものである透視性電磁波シールド・近赤外線カット材料。 - (A)透視性電磁波シールド層が、前記透明基材表面に設けられてなる請求項1に記載の透視性電磁波シールド・近赤外線カット材料。
- 透明基材が強化ガラス、オレフィン−マレイミド共重合体又はノルボルネン系樹脂である請求項1記載の透視性電磁波シールド・近赤外線カット材料。
- (A)透視性電磁波シールド層のメッシュの開口幅(ライン間隔)が7mm未満で、かつライン幅が1mm未満である請求項1記載の透視性電磁波シールド・近赤外線カット材料。
- (B)透明性近赤外線カット層における金属薄膜層が、金、銀、銅又はこれらの合金からなるものである請求項1記載の透視性電磁波シールド・近赤外線カット材料。
- (a)透明基材上に、塗布、乾燥することにより、黒色層・金属層若しくは金属層・黒色層又は黒色層・金属層・黒色層を形成し、その上にメッシュ状のレジストパターン層を設け、これを保護膜としてサンドブラスト処理及び/又はエッチング処理を施し、上記黒色層・金属層若しくは金属層・黒色層又は黒色層・金属層・黒色層を、該レジストパターン層に対応したメッシュ状パターン化したのち、レジストパターン層を剥離し、次いで(b)ドライプレーティングにより、透明金属酸化物層又は透明金属硫化物層と金属薄膜層とを順次交互に、かつ最外層が透明金属酸化物層又は透明金属硫化物層になるように積層し、前記黒色層が黒色樹脂層および黒色無機層のいずれかであることを特徴とする透視性電磁波シールド・近赤外線カット材料の製造方法。
- (a’)透明基材上に、該透明基材がメッシュ状に露出するようにレジストパターン層を形成し、その上に、塗布、乾燥することにより、黒色層・金属層若しくは金属層・黒色層又は黒色層・金属層・黒色層を形成したのち、レジストパターン層を剥離することにより、レジスト層部表面の黒色層・金属層若しくは金属層・黒色層又は黒色層・金属層・黒色層のみを除去し、次いで(b)ドライプレーティングにより、透明金属酸化物層又は透明金属硫化物層と金属薄膜層とを順次交互に、かつ最外層が透明金属酸化物層又は透明金属硫化物層になるように積層し、前記黒色層が黒色樹脂層および黒色無機層のいずれかであることを特徴とする透視性電磁波シールド・近赤外線カット材料の製造方法。
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