JP2004146067A - 有機発光素子 - Google Patents

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Abstract

【課題】本発明の課題は、指向性の高い有機発光素子を提供することにある。
【解決手段】基板上に第1の反射ミラー、透明電極、有機発光層、背面電極をこの順に積層した有機発光素子であって、入射角θの波長λの光に対する400nm≦λ≦(λ−Δλ)nm(ここで、λは共振波長である。Δλは、波長400nm以上(λ−100)nm以下の光に対する反射率の平均値をRαとしたとき、400nm以上700nm以下の波長域において、このRαと同じ反射率をとる光の最も長い波長と共振波長λとの差である。)での反射率の平均値をR(θ)、λ≦λ≦700nmでの反射率の平均値をR(θ)としたときに、R(θ=0°)が80%以上100%以下で、R(θ=0°)が0%以上40%以下である、あるいは、(R(θ)+R(θ))/2を満たす波長をλ(θ)としたとき、dλ(θ)/dθの絶対値が10以下である第2の反射ミラーを前記基板の裏面側に配置することを特徴とする有機発光素子。
【選択図】  なし

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、有機発光素子に関する。本発明は、光共振器型構造を利用した指向性が高い有機電界発光素子として好適に利用できる。
【0002】
【従来の技術】
光共振器型有機発光素子は、指向性がありスペクトルがシャープなため、液晶プロジェクター、光通信デバイス、プリンター露光光源として有望視されている。該素子の指向性を高める方法は、例えば、誘電体多層膜から成る共振器の間に有機発光素子を挟み、共振波長をEL(電界発光)スペクトルのピーク波長の短波側に設定することで、基板に垂直な方向以外に放出される光を抑制し、指向性を向上させる方法がある(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
【特許文献1】
特開平9−180883号公報
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、上記方法においても、共振波長より短波側の発光スペクトルが存在する限り、必ずより短波の光が角度を持って出射され、指向性の低下や垂直共振波長以外の光の放出が起きるという問題を抱えていた。
このような問題を鑑み、本発明の課題は、指向性の高い有機発光素子を提供することにある。特に、共振波長より短波側の光の放出を抑えた、指向性の高い光共振器型有機発光素子を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明の上記課題は、以下の手段により達成される。
1. 基板上に第1の反射ミラー、透明電極、有機発光層、背面電極をこの順に積層した有機発光素子であって、
下記波長範囲(a)における、入射角θの波長λの光に対する反射率の平均値をR(θ)、
波長範囲(a):400nm≦λ≦(λ−Δλ)
(ここで、λは共振波長である。Δλは、波長400nm以上(λ−100)nm以下の光に対する反射率の平均値をRαとしたとき、400nm以上700nm以下の波長域において、このRαと同じ反射率をとる光の最も長い波長と共振波長λとの差である。)、
下記波長範囲(b)における、入射角θの波長λの光に対する反射率の平均値をR(θ)、
波長範囲(b):λ≦λ≦700nm、
としたときに、R(θ=0°)が80%以上100%以下で、R(θ=0°)が0%以上40%以下である第2の反射ミラーを前記基板の裏面側に配置することを特徴とする有機発光素子。
2. 基板上に第1の反射ミラー、透明電極、有機発光層、背面電極をこの順に積層した有機発光素子であって、
下記波長範囲(a)における、入射角θの波長λの光に対する反射率の平均値をR(θ)、
波長範囲(a):400nm≦λ≦(λ−Δλ)
(ここで、λは共振波長である。Δλは、波長400nm以上(λ−100)nm以下の光に対する反射率の平均値をRαとしたとき、400nm以上700nm以下の波長域において、このRαと同じ反射率をとる光の最も長い波長と共振波長λとの差である。)、
下記波長範囲(b)における、入射角θの波長λの光に対する反射率の平均値をR(θ)、
波長範囲(b):λ≦λ≦700nm、
(R(θ)+R(θ))/2を満たす波長をλ(θ)、
としたとき、dλ(θ)/dθの絶対値が10以下である第2の反射ミラーを前記基板の裏面側に配置することを特徴とする有機発光素子。
【0006】
3. 前記第2の反射ミラーのR(θ=0°)が80%以上100%以下で、R(θ=0°)が0%以上40%以下であることを特徴とする上記2に記載の有機発光素子。
4. 前記第2の反射ミラーの面積が前記第1の反射ミラーの面積よりも小さいことを特徴とする上記1〜3のいずれかに記載の有機発光素子。
5. 前記第2の反射ミラー上に反射特性の異なる第3〜第n+2のn個の反射ミラーを積層したことを特徴とする上記1〜4のいずれかに記載の有機発光素子。
6. 前記基板の厚みが5μm以上10cm以下であることを特徴とする上記1〜5のいずれかに記載の有機発光素子。
7. 前記第1の反射ミラーおよび/または前記第2の反射ミラーが薄膜多層膜からなることを特徴とする上記1〜6のいずれかに記載の有機発光素子。
8. 前記第3〜第n+2の反射ミラーの中で少なくとも1つの反射ミラーが薄膜多層膜からなることを特徴とする上記5に記載の有機発光素子。
【0007】
9. 前記薄膜多層膜を構成する材料の屈折率のうち最も高い屈折率をn、最も低い屈折率をnとしたときに、n−nが1.0以下であることを特徴とする上記7または8に記載の有機発光素子。
10. 前記薄膜多層膜の層数が6層以上であることを特徴とする上記7〜9のいずれかに記載の有機発光素子。
11. 前記薄膜多層膜が誘電体多層膜からなることを特徴とする上記7〜10のいずれかに記載の有機発光素子。
12. 前記薄膜多層膜がZrO、Al、TiO、SiO、CeO、CaF、LiF、MgF、NaAlF、CeF、MgO、ThO、SiO、Sb、In、ZnO、SnO、HfO、Ta、ZnS、CdS、CdTe、ZnSe、Sb、Si、CdSe、Geのいずれかを含むことを特徴とする上記7〜11のいずれかに記載の有機発光素子。
13. 前記薄膜多層膜がZrO、Al、TiO、SiOのいずれかを含むことを特徴とする上記7〜12のいずれかに記載の有機発光素子。
14. 前記薄膜多層膜がZrOまたはAlを含むことを特徴とする上記7〜13のいずれかに記載の有機発光素子。
15. 前記薄膜多層膜が少なくとも1つの透明導電膜を含むことを特徴とする上記7〜14のいずれかに記載の有機発光素子。
16. 前記薄膜多層膜がIn、ZnO、SnOのいずれかを含むことを特徴とする上記7〜15に記載の有機発光素子。
【0008】
【発明の実施の形態】
本発明では、基板上に第1の反射ミラー、透明電極(通常、陽極として用いる)、有機発光層、背面電極(通常、陰極として用いる)をこの順に積層させて、第1の反射ミラーと背面電極間の光学長を任意に設定し、この光学長に対応した光を素子から放出させる。具体的には、この光学長を放出させたい光の波長λ(共振波長)の半波長の整数倍に設定すればよく、このとき背面電極として光を反射できるものを用いれば、第1の反射ミラーと背面電極間で波長λの光が共振し強調されて素子から放出される。
第1の反射ミラーは反射率の高い材料であればよく、AgやAlなどの金属反射膜等を用いることができる。しかし、金属反射膜は光を吸収し、光量ロスを起こすため、屈折率の異なる2種類以上の誘電体を交互に積層された薄膜多層膜を用いた反射ミラーの方が好ましい。第1の反射ミラーとして誘電体からなる薄膜多層膜を用いた場合の第1の反射ミラーと背面電極間の光学長Lは、薄膜多層膜の内部への光の浸み込み分を考慮した下式で与えられる。
【0009】
【数1】
Figure 2004146067
【0010】
ここで、λは共振波長、neffは薄膜多層膜の有効屈折率、Δnは薄膜多層膜における2つの層の屈折率差、nとdは有機化合物層と透明電極の屈折率と膜厚、θは有機発光層同士または有機発光層と透明電極との各界面に入射する光と界面に立てた法線とのなす角度である。この光学長Lを共振波長λの半波長の整数倍に設定すると、光共振器型素子が得られる。
上式から明らかなように、光学長は角度依存性を持ち角度θが大きくなると、光学長は短くなる。そのため、光共振器型素子では素子の発光面に立てた法線に対して角度を持った方向に短波な光が共振し出射され、この光が素子の重要な発光特性である指向性を低下させる。
【0011】
本発明では、入射角θの波長λの光に対する、400nm≦λ≦(λ−Δλ)nm(ここで、λは共振波長である。Δλは、波長400nm以上(λ−100)nm以下の光に対する反射率の平均値をRαとしたとき、400nm以上700nm以下の波長域において、このRαと同じ反射率をとる光の最も長い波長と共振波長λとの差であり、好ましくは0.1nm以上100nm以下である。)での反射率の平均値をR(θ)、λ≦λ≦700nmでの反射率の平均値をR(θ)としたときに、
<1>R(θ=0°)が80%以上100%以下で、R(θ=0°)が0%以上40%以下である、あるいは、
<2>(R(θ)+R(θ))/2を満たす波長をλ(θ)としたとき、dλ(θ)/dθの絶対値が10以下である、
第2の反射ミラーを基板の裏面側に配置することにより、λより短波な光が角度を持って出射されるのを抑え、素子の指向性を改善することができる。
指向性の更なる向上のためには、上記<1>および<2>の両方を満足する第2の反射ミラーを基板裏面側に配置することがより好ましい。
【0012】
上記<1>、<2>の反射条件について更に説明する。
Δλが0.1nmである場合に、400nm≦λ≦(λ−0.1)nmにおける入射角0°の光に対する反射率の平均値R(θ=0°)が80%以上100%以下となれば、Δλが1nmに相当する場合にも、400nm≦λ≦(λ−1)nmにおける入射角0°の光に対する反射率の平均値R(θ=0°)は80%以上100%以下という条件は満たされる、即ち、このΔλの値が小さいと、λより小さい波長の光の大部分が第2の反射ミラーにより素子内部に反射されることになる。よって、このΔλの値が小さいと指向性は向上するが、取り出せる光量は低下する。逆に、大きすぎると指向性が低下し、本発明の効果が少なくなる。したがって、Δλの値の範囲を、好ましくは0.1nm≦Δλ≦100nm、より好ましくは0.1nm≦Δλ≦50nm、更に好ましくは1nm≦Δλ≦30nm、特に好ましいのは2nm≦Δλ≦15nmとなるようにするのが好ましい。
さらに、本発明においては、R(θ=0°)はより好ましくは90%以上100%以下であり、更に好ましくは95%以上100%以下、最も好ましいのは99%以上100%以下である。また、R(θ=0°)はより好ましくは0%以上20%以下であり、更に好ましくは0%以上10%以下であり、最も好ましいのは0%以上2%以下である。
【0013】
入射角θが0°でない場合も、θ=0°の場合と同じく、入射角θの光に対する400nm≦λ≦(λ −Δλ)nm(ここで、λ は共振波長で、通常、上記θ=0°の場合の共振波長λと異なる。Δλは、波長400nm以上(λ −100)nm以下の光に対する反射率の平均値をRαとしたとき、400nm以上700nm以下の波長域において、このRαと同じ反射率をとる光の最も長い波長と共振波長λ との差であり、好ましくは0.1nm以上100nm以下である)での反射率の平均値R(θ)が80%以上100%以下で、λ ≦λ≦700nmでの反射率の平均値R(θ)が0%以上40%以下であることが好ましい。
【0014】
また、dλ(θ)/dθの絶対値は、5以下であることがより好ましく、更に好ましくは2.5以下であり、更に好ましくは1以下であり、特に好ましくは0.5以下である。dλ(θ)/dθの値が大きいと、角度を持った光が第2の反射ミラーを透過しやすくなり、素子の指向性を低下させてしまう。
【0015】
第2の反射ミラーは、上記<1>および/または<2>の反射条件を満足するように構成する。例えば、上記dλ(θ)/dθの絶対値を小さくするのに効果的であるのは、金属薄膜を用いる方法である。金属薄膜の材料としては、Al、Ag、Au、Pt、Mg、Cr、Ca等が考えられる。しかし、金属薄膜は可視域の光を吸収する材料が多く、外部量子効率を低下させ光量ロス起こすという欠点を持つので、材料を選定する必要は生じる。
この点において光を吸収しない誘電体を用いた薄膜多層膜(誘電体多層膜)は、より好ましい材料であるが、一般的な誘電体多層膜では上記dλ(θ)/dθが必ずといっていいほど大きくなってしまう。
以上のように、上記<2>の条件であるdλ(θ)/dθの絶対値を小さくし(10以下)、発光素子として他の諸条件も十分に満足させることは、一般に非常に難しいものであるが、光吸収がなく発光効率の点で有利な誘電体多層膜においても屈折率をうまく調整することで、上記dλ(θ)/dθを小さくできる。
【0016】
例えば、誘電体多層膜を構成する材料の屈折率差をできるだけ小さくとることで、反射率を高め、上記dλ(θ)/dθを小さくすることができ、この方法は条件の設定が難しいものの非常に好ましい。具体的には、誘電体多層膜は1つ以上の高屈折率材料と1つ以上の低屈折率材料の交互多層膜で構成されることが多いが、この高屈折率材料のうち最も高い屈折率をn、低屈折率材料のうちの最も低い屈折率をnとしたときに、n−nができるだけ小さいことが望ましい。そのため、本発明でn−nは、1.0以下が好ましく、0.8以下がより好ましく、0.7以下が更に好ましく、0.6以下が更により好ましく、更には0.55以下が特に好ましく、0.40以下が非常に好ましい。下限値は限定されないが、0.3以上が好ましい。
【0017】
また、設備上や製膜条件で大きく左右されるため、一般的な記述はできないが、層ごとに光学長を変えた構成の薄膜多層膜で第2の反射ミラーを構成することで上記<1>、<2>の反射条件が達成されることもある。例えば、本発明の第2の反射ミラーを共振波長λに対して、λ/8、λ/4、λ/8の光学長を持つ多層薄膜で構成した場合に、前半と後半に製膜する層の光学長を少し厚くし、ちょうど中間にくる1つの層または2つの層の光学長を薄くするなどの、各層の光学長調整を行って実現する方法もある。もちろんこの方法も、製膜条件等のさまざまな要因で決まり、条件の設定は非常に難しい。
【0018】
また、本発明に好ましい第2の反射ミラーを薄膜多層膜で得る場合、積層数が多いほど好ましい。好ましくは6層以上であり、より好ましくは15層以上、より好ましくは35層以上、さらに好ましくは60層以上である。
本発明において、第2の反射ミラーを誘電体材料で構成する誘電体多層膜とすることは、上記した通り非常に好ましい。最も好ましい誘電体材料としては、ZrO、Al、TiO、SiOがあり、中でもZrO、Alが特に好ましい。その他にもCeO、CaF、LiF、MgF、NaAlF、CeF、MgO、ThO、SiO、Sb、In、ZnO、SnO、HfO、Ta、ZnS、CdS、CdTe、ZnSe、Sb、Si、CdSe、Ge等が挙げられるが、もちろんこれに限定したものではない。
また、InやZnO、SnOなどの透明導電膜のような電気的特性を持つ材料は電極と反射ミラー機能を兼用できるという点でより好ましい。
【0019】
上記で説明してきた第2の反射ミラーを有する本発明の有機発光素子は、単にフィルターを素子の放出面に配置したものとは本質的に違う。フィルターを配置したものは放出された光はフィルターに吸収されてしまう。これに対し、本発明における素子では、光の放出面である基板の裏面側に第2の反射ミラーを配置したことにより、入射角θが0°での共振波長以外の光は基板内に反射するため、基板内を光が伝播しており、再び取り出すことが可能である。
そのため、第2の反射ミラーの面積を第1の反射ミラーの面積よりも小さくしたり、第2の反射ミラー上に反射特性の異なるn個の第3、第4、・・・、第n+2の反射ミラーを積層したりすることで、伝播しているある波長の光を望ましい条件で取り出すことができる。nは、所望の波長の光を取り出すことができれば、いくつでもよく、各層の反射ミラーの反射特性に応じて変えることができる。第3〜第n+2の反射ミラーの材質は、特に限定されないが、上記第2の反射ミラーで説明したのと同様な理由により、屈折率の異なる2種類以上の物質を組合わせて積層した薄膜多層膜が好ましい。
さらに、より多くの光を取り出すためには、基板に光をカップリングさせるような材料を密着させることも考えられる。
【0020】
図3に、本発明の有機発光素子の一実施態様を示す。図4は図3における上面図である。基板1上に、第1の反射ミラー2、透明電極3、有機発光層4、背面電極5を有し、基板に対して第1の反射ミラーとは反対側に第2の反射ミラー7を有する。さらに、第2の反射ミラー上に、第3〜第n+2(本実施態様ではn=4)の反射ミラー6を有している。第3〜第n+2の反射ミラー6の反射特性を変化させることで、各ミラー部分からそれぞれ所望の波長の光を取り出すことができる。また、図5は、図3における上面図で表される有機発光素子の別態様を示すが、この場合、第3〜第n+2の反射ミラー6から以外にも、第2の反射ミラー7からも所望の波長の光を取り出すことができる。すなわち、これらの例が示すように、本発明では、第2、第3〜第n+2の反射ミラーの配置や反射特性を変えることで、同一素子中において異なる波長の光を得ることができる。
【0021】
また、本発明の基板の厚みは5μm以上10cm以下であることが好ましい。より好ましくは10μm以上1cm以下、更に好ましくは30μm以上0.5mm以下、特に好ましくは100μm以上0.2mm以下である。その理由は、基板厚みが薄いと、第2の反射ミラーと第1の反射ミラー間、および/または第2の反射ミラーと背面電極間の光学長によっては、複合共振が起こってしまうからである。本発明の素子ではレーザー発振していないため、基板厚みが大きくなると複合共振しない。そのため、基板の厚みとしては、上記の条件が好ましい。
【0022】
本発明において、第1および/または第3〜第n+2の反射ミラーとして用いることができる薄膜多層膜の構成は、基本的に本発明の反射率の条件を満たすものであるならば何であってもよい。代表的なものとしては、低屈折率材料と高屈折率材料の誘電体多層膜で、各層がそれぞれ共振波長λの1/4の厚さの膜で構成されるもの、1/8と1/4と1/8の厚さの交互膜で構成されるもの、1/4と3/4と1/4の厚さの交互膜で構成されるものが考えられるがこれらの組み合わせやこれら以外の構成でも構わない。よく用いられる材料としては、SiO、TiO、Al、MgF、ZrO等が挙げられる。金属やポリマーなどを用いてもよい。
【0023】
第1、第2、第3〜第n+2の反射ミラー層各層は、通常、数十nm〜数百nmの厚みで作成することができる。
【0024】
続いて本発明における有機発光層および電極間の構成について説明する。
本発明の有機発光層は、蛍光(燐光を含む)を発する有機化合物からなる発光層であり、発光層と電極との間には必要に応じて、電子輸送層やホール輸送層を設けることができる。具体的な構成は、透明電極/有機発光層/電子輸送層/背面電極、透明電極/ホール輸送層/有機発光層/電子輸送層/背面電極などが挙げられる(逆の構成でもよい)。また、有機発光層、ホール輸送層を複数層設けたり、ホール注入層や電子注入層を設けてもよい。
なお、本明細書において「誘導体」とは、その化合物及びそれから得られる誘導体を意味し、例えば、オキサジアゾール誘導体とは、オキサジアゾール及びその誘導体を意味する。
【0025】
本発明における電子輸送層に用いることのできる電子輸送材料としては、オキサジアゾール誘導体、トリアゾール誘導体、トリアジン誘導体、ニトロ置換フルオレノン誘導体、チオピランジオキサイド誘導体、ジフェニルキノン誘導体、ペリレンテトラカルボキシル誘導体、アントラキノジメタン誘導体、フレオレニリデンメタン誘導体、アントロン誘導体、ペリノン誘導体、オキシン誘導体、キノリン錯体誘導体などの有機化合物が挙げられる。もちろん、これらの記載以外の有機材料であっても構わない。
本発明においては、電子注入層として絶縁層薄膜を設けることが非常に望ましい。電子注入層の好ましい材料としては、0.1〜10nm程度の薄層からなる酸化アルミニウムやフッ化リチウムの層が知られている。もちろんこれ以外の材料、厚みでも構わない。
【0026】
ホール輸送層に用いられるホール輸送性化合物としては、ポリ−N−ビニルカルバゾールやポリフェニレンビニレン誘導体、ポリフェニレン、ポリチオフェン、ポリメチルフェニルシラン、ポリアニリンなどの高分子やトリアゾール誘導体、オキサジアゾール誘導体、イミダゾール誘導体、ポリアリールアルカン誘導体、ピラゾリン誘導体及びピラゾロン誘導体、フェニレンジアミン誘導体、アリールアミン誘導体、アミノ置換カルコン誘導体、オキサゾール誘導体、カルバゾール誘導体、スチリルアントラセン誘導体、フルオレノン誘導体、ヒドラゾン誘導体、スチルベン誘導体、フタロシアニン等のポリフィリン誘導体、芳香族第三級アミン化合物及びスチリルアミン化合物、ブタジエン化合物、ベンジジン誘導体、ポリスチレン誘導体、トリフェニルメタン誘導体、テトラフェニルベンジン誘導体、スターバーストポリアミン誘導体などを使用することができる。
【0027】
本発明の有機発光素子に使用できる有機発光層を構成する有機化合物としては、特に限定するものではなく、励起されて蛍光(燐光を含む)を発することのできるものであればよく、例えば、オキシノイド化合物、ペリレン化合物、クマリン化合物、アザクマリン化合物、オキサゾール化合物、オキサジアゾール化合物、ペリノン化合物、ピロロピロール化合物、ナフタレン化合物、アントラセン化合物、フルオレン化合物、フルオランテン化合物、テトラセン化合物、ピレン化合物、コロネン化合物、キノロン化合物及びアザキノロン化合物、ピラゾリン誘導体及びピラゾロン誘導体、ローダミン化合物、クリセン化合物、フェナントレン化合物、シクロペンタジエン化合物、スチルベン化合物、ジフェニルキノン化合物、スチリル化合物、ジスチリルベンゼン化合物、ブタジエン化合物、ジシアノメチレンピラン化合物、ジシアノメチレンチオピラン化合物、フルオレセイン化合物、ピリリウム化合物、チアピリリウム化合物、セレナピリリウム化合物、テルロピリリウム化合物、芳香族アルダジエン化合物、オリゴフェニレン化合物、キサンテン化合物及びチオキサンテン化合物、シアニン化合物、アクリジン化合物、アクリドン化合物、キノリン化合物、8−ヒドロキシキノリン化合物の金属錯体、ベンゾキノリノールベリリウム錯体、2,2′−ビピリジン化合物の金属錯体、シッフ塩とIII族金属との錯体、オキサジアゾール化合物の金属錯体、希土類錯体等が用いられる。
【0028】
本発明においては、特にオルトメタル化錯体を有機発光層に含有させることが発光効率向上の観点から非常に望ましい。オルトメタル化錯体とは、例えば山本明夫著「有機金属化学―基礎と応用―」150頁、232頁、裳華房社(1982年発行)やH.Yersin著「Photochemistry and Photophysics of Coordination Compounds」71〜77頁、135〜146頁、Springer−Verlag社(1987年発行)等に記載されている化合物群の総称である。オルトメタル化錯体を形成する配位子としては、種々のものがあり、上記文献中にも記載されている。好ましい配位子としては、2−フェニルピリジン誘導体、7,8−ベンゾキノリン誘導体、2−(2−チエニル)ピリジン誘導体、2−(1−ナフチル)ピリジン誘導体、2−フェニルキノリン誘導体等が挙げられる。これらの誘導体は必要に応じて置換基を有していてもよい。オルトメタル化錯体を形成する金属としては、Ir、Pd、Pt等が挙げられるが、イリジウム(Ir)錯体が特に好ましい。本発明に使用するオルトメタル化錯体は、オルトメタル化錯体を形成するのに必要な配位子以外に、他の配位子を有していてもよい。なお、本発明に使用するオルトメタル化錯体は、三重項励起子から発光(燐光を発光)する化合物も含まれており、発光効率向上の観点から好ましい。
【0029】
これらの発光材料は、単独で用いても、複数併用してもよい。また、高分子発光材料を用いてもよい。高分子発光材料の例としては、ポリ−p−フェニレンビニレン誘導体、ポリフルオレン誘導体、ポリチオフェン誘導体等のπ共役系の他、低分子色素とテトラフェニルジアミンやトリフェニルアミンを主鎖や側鎖に導入したポリマー等が挙げられる。高分子発光材料に低分子発光材料を混合して使用することもできる。
【0030】
本発明はこれらの構成に加えて、透明電極とホール輸送層(ホール輸送層を設けないときは有機発光層)の間で、透明電極に接して導電性高分子層を設置してもよい。この層を設置することにより、駆動電圧がほとんど上昇することなく、有機化合物層の膜厚を大きくすることができ、輝度ムラやショートが改善される。導電性高分子としては、WO98/05187等に記載のポリアニリン誘導体、ポリチオフェン誘導体およびポリピロール誘導体が好ましい。これらの誘導体はプロトン酸(例えば、樟脳スルホン酸、p―トルエンスルホン酸、スチレンスルホン酸、ポリスチレンスルホン酸等)と混合した状態で使用することができる。これらの誘導体は、必要に応じて他の高分子(例えば、ポリメチルメタクリレート(PMMA)やポリ−N−ビニルカルバゾール(PVCz)等)と混合して使用することもできる。導電性高分子層の表面抵抗は10000Ω/□以下が望ましい。導電性高分子層の膜厚は10nm〜1000nm、特に20nm〜200nmが望ましい。
【0031】
ホール輸送層、電子輸送層、有機発光層および導電性高分子層などの有機化合物層は、真空蒸着法、スパッタ法、ディッピング法、スピンコーティング法、キャスティング法、バーコート法、ロールコート法等、公知の方法を用いて形成することができる。また溶媒を使い分けることにより多層塗布も可能である。
また、第1の反射ミラーと背面電極間の光学長は、所望の共振波長の1/2の整数倍になり、各層の機能を損なわなければ、特に限定されないが、この整数値が、通常1〜10、好ましくは2〜8、より好ましくは3〜6である。
【0032】
次に本発明における電極材料の説明をする。
透明電極材料としては、酸化錫、酸化錫インジウム(ITO)、酸化亜鉛インジウム等が良く知られている。金や白金などの仕事関数が大きい金属薄膜を用いても良い。また、ポリアニリン、ポリチオフェン、ポリピロールまたはそれらの誘導体などを代表とする有機材料でも良い。透明導電膜については、沢田豊監修「透明導電膜の新展開」シーエムシー刊(1999)に詳細に記載されており、本発明に適用できる。
背面電極材料としては、本発明では光共振器のミラーとして光を反射する材質のものであることが必要である。中でも、仕事関数の低いLi、K等のアルカリ金属やMg、Caなどのアルカリ土類金属が電子注入性からは望ましい。また、酸化されにくく安定なAl等も望ましい。安定性と電子注入性を両立させるために、2種以上の材料を含む層にしてもよく、それらの材料については特開平2−15595号公報や特開平5−121172号公報に詳しく記載されている。
背面電極の表面(有機化合物層と反対側)には湿気や空気を遮断するための保護層を形成してもよい。この目的の保護層については特開平7−85974号公報等に記載されている。さらに、ガラスやポリ(クロロトリフルオロエチレン)シートを用いて封止することが望ましい。この中に乾燥剤や撥水性のフッ素系不活性液体等を挿入してもよい。
透明電極や背面電極などの無機物の層は真空蒸着法、スパッタ法、イオンプレーティング法などの公知の方法で形成できる。
【0033】
本発明の有機発光素子の基板は、透明基板として通常のガラス基板の他にプラスチック基板を使用することができる。プラスチック基板としては、耐熱性、寸法安定性、耐溶剤性、電気絶縁性、加工性、低通気性、低吸湿性に優れていることが必要である。このような材料としては、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリスチレン、ポリカーボネート、ポリエーテルスルホン、ポリアリレート、アリルジグリコールカーボネート、ポリイミド等が挙げられる。これらの基板の表面、あるいは電極と反対面(裏面とする)は、透湿防止層(ガスバリア層)を設置するのが好ましい。透湿防止層(ガスバリア層)としては窒化珪素や酸化珪素などの無機物が好ましく、例えば高周波スパッタリング法などにより製膜できる。さらに、必要に応じて、ハードコート層やアンダーコート層を設けてもよい。
【0034】
また、一般に有機発光素子には発光素子を構成している各層への水分や酸素の侵入を防止するための封止層が設けられる。これらの封止材料としては、テトラフルオロエチレンと少なくとも1種のコモノマーとを含む共重合体、共重合主鎖に環状構造を有する含フッ素共重合体、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリメチルメタクリレート、ポリイミド、ポリユリア、ポリテトラフルオロエチレン、ポリクロロトリフルオロエチレン、ポリジクロロジフルオロエチレン、クロロトリフルオロエチレンおよびジクロロジフルオロエチレンから選ばれる2種以上の共重合体、吸水率1%以上の吸水性物質および吸水率0.1%以下の防湿性物質、In、Sn、Pb、Au、Cu、Ag、Al、Ti、Ni等の金属、MgO、SiO、SiO、Al、GeO、NiO、CaO、BaO、Fe、Y、TiO等の金属酸化物、MgF、LiF、AlF、CaF等の金属フッ化物、パーフルオロアルカン、パーフルオロアミン、パーフルオロエーテル等の液状フッ素化炭素および等該液状フッ素化炭素に水分や酸素を吸着する吸着剤を分散させたもの等が用いられる。
【0035】
電極のパターニングは、フォトリソグラフィーなどによる化学的エッチングで行なうこともできるし、レーザーなどを用いて物理的にエッチングすることもできる。また、マスクを重ねて真空蒸着やスパッタなどを行なってもよい。本発明において、有機EL素子は単一の画素でも使用できるが、好ましくは、発光色別に複数列設けられたドットアレイとして使用する。各発光色は1ラインでも、複数のラインになっていてもよい。1画素のサイズは、10〜500μm、好ましくは50〜300μmである。
【0036】
【実施例】
以下に本発明の実施例を記載するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
【0037】
5.0cm角の厚さ0.7mmのガラス基板をアセトン、セミコクリーン洗浄液(フルウチ化学(株)製)、IPA(イソプロピルアルコール)で超音波洗浄した。最後にIPA煮沸洗浄を行った後、UV/O洗浄を行った。その基板をEB(エレクトロンビーム)蒸着室に移動し、3つの波長領域(共振波長をλとして、λ≦λ−Δλ、λ−Δλ≦λ≦λ、λ≦λの3つの領域)について図1のような反射率を満たす薄膜多層膜を表1のような材料、構成を用いて第2の反射ミラーとして作製し、それらを基板A〜G及びD’、D’’、D’’’、D’’’’とした(基板G及びD’、D’’、D’’’、D’’’’については反射率を示す図は省略する)。その後、反対側に540nmを不透過帯(反射率の高い波長領域)の中心とするλ/4多層膜(TiO、SiOからなる。ただし、他の材料でも本発明の効果は変わらない。)を第1の反射ミラーとして作製した。それらの基板をスパッタ室に移動し第1の反射ミラー側に透明電極(ITO)を厚み0.18μmでスパッタした。
【0038】
【表1】
Figure 2004146067
【0039】
上記基板の透明電極上に下記の各層を形成して有機発光素子A〜G及びD’、D’’、D’’’、D’’’’を作製した。4,4’−ビス[N−(1−ナフチル)−N−フェニルアミノ]ビフェニル(NPD)を、蒸着速度0.3〜0.4nm/secで厚み40nmとなるように蒸着し(ホール輸送層)、下記の化合物1を蒸着速度0.3〜0.4nm/secで厚み20nmとなるように蒸着し(有機発光層)、さらに、トリス(8−キノリラト)アルミニウム(Alq)を蒸着速度0.3〜0.6nm/secで厚み40nmとなるように蒸着した(有機発光層)。その上から、背面電極(陰極)をモル比でMg/Ag=10:1、厚み0.6μmで蒸着を行った。その後、陰極上にAg単独を0.5μmの厚みで蒸着した。
なお、それぞれの素子とも共振波長λを540nmに設定し、それぞれの素子における第1の反射ミラーと背面電極間の光学長は、透明電極、ホール輸送層、有機発光層各層の厚さと屈折率、及び第1の反射ミラーである多層膜への浸み込み量を考慮して、前記式(1)により、540nmの半波長の整数倍になるように設定した。
【0040】
【化1】
Figure 2004146067
【0041】
これらの素子の光強度の角度依存性(0°、15°、30°、45°、60°、75°)、パワー効率を調べた。その結果を図2、表2に示す。なお、図2、表2に記載のI(45°)/I(0°)とは基板の法線方向に対して45°の方向から測定した光強度をI(45°)、0°の方向から測定した光強度をI(0°)としその比を取ったもので、小さいものほど指向性が高い。また、G及びD’、D’’、D’’’、D’’’’に関しては図は略したので、表2にまとめた結果より考察する。
【0042】
【表2】
Figure 2004146067
【0043】
この図2、表2に示される結果より、次のことが分かる。
まず、第2の反射ミラーがないAのサンプルをBのサンプルを比べることにより、第2の反射ミラーを有する本発明の素子の方が指向性は向上することがわかる。また、Δλの小さいサンプルCの方が、さらにサンプルBに比べて指向性が向上するもののパワー効率が低下することが分かる。パワー効率と指向性との両立は、DにおけるΔλの値が好ましいことが分かる。
第2の反射ミラーの角度依存性を表すdλ(θ)/dθに関しては表2にまとめた。サンプルE〜Dまでdλ(θ)/dθの値が小さくなるほど、指向性の向上が大きいことが分かる。サンプルE〜Dとなるにしたがってn−nの値も小さくなっており(表1参照)、n−nの値が小さいほど指向性の向上には好ましいことが分かる。また、サンプルGのように第2の反射ミラーをSnOとInとからなる透明導電膜の多層膜としても同様の効果が得られ、この場合、第2の反射ミラーを電極として用いることもでき、好ましい。
また、D’’’’のように積層数を極端に減らした場合、第2の反射ミラーのないAと比べると指向性は向上するが、積層数の多いD’’’と比べると性能が劣ることが分かる。
【0044】
図1に戻りFのように、400nm≦λ≦(λ−Δλ)nm(Δλは5nm)における入射角θ(θ=0°)の光に対する反射率の平均値R(θ)がDに比べて100%により近い方が、指向性が高いことがわかる。
また、本発明においては第2の反射ミラーの面積を第1の反射ミラーの面積より小さくしたり、図3〜5のように第3のミラーを設置したりすることにより異なる波長の光をそれぞれ同一素子の違う箇所から取り出せた。すなわち、同一素子中において、異なる波長を得ることができた。
【0045】
なお、本発明は緑の発光素子で確認したが、青、赤その他の発光素子、有機EL素子を構成する部分に関して他の有機材料を用いたさまざまな素子でも同様の結果が得られることは容易に推測できる。
【0046】
【発明の効果】
本発明によれば、指向性の高い有機発光素子、特に、共振波長より短波の光が放出されるのを抑えることで指向性を向上させた光共振器型の有機発光素子を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例の発光素子A〜Fにおける第2の反射ミラーの反射率を示す図である。
【図2】実施例の発光素子A〜Fにおける強度プロファイル(発光強度の角度依存性(0°、15°、30°、45°、60°、75°))とパワー効率を示す図である。
【図3】本発明の有機発光素子の一実施態様を示す図である。
【図4】図3における上面図である。
【図5】図3における上面図で表される有機発光素子の別態様を示す図である。
【符号の説明】
1  基板
2  第1の反射ミラー
3  透明電極
4  有機発光層
5  背面電極
6  第3〜第n+2の反射ミラー

Claims (10)

  1. 基板上に第1の反射ミラー、透明電極、有機発光層、背面電極をこの順に積層した有機発光素子であって、
    下記波長範囲(a)における、入射角θの波長λの光に対する反射率の平均値をR(θ)、
    波長範囲(a):400nm≦λ≦(λ−Δλ)
    (ここで、λは共振波長である。Δλは、波長400nm以上(λ−100)nm以下の光に対する反射率の平均値をRαとしたとき、400nm以上700nm以下の波長域において、このRαと同じ反射率をとる光の最も長い波長と共振波長λとの差である。)、
    下記波長範囲(b)における、入射角θの波長λの光に対する反射率の平均値をR(θ)、
    波長範囲(b):λ≦λ≦700nm、
    としたときに、R(θ=0°)が80%以上100%以下で、R(θ=0°)が0%以上40%以下である第2の反射ミラーを前記基板の裏面側に配置することを特徴とする有機発光素子。
  2. 基板上に第1の反射ミラー、透明電極、有機発光層、背面電極をこの順に積層した有機発光素子であって、
    下記波長範囲(a)における、入射角θの波長λの光に対する反射率の平均値をR(θ)、
    波長範囲(a):400nm≦λ≦(λ−Δλ)
    (ここで、λは共振波長である。Δλは、波長400nm以上(λ−100)nm以下の光に対する反射率の平均値をRαとしたとき、400nm以上700nm以下の波長域において、このRαと同じ反射率をとる光の最も長い波長と共振波長λとの差である。)、
    下記波長範囲(b)における、入射角θの波長λの光に対する反射率の平均値をR(θ)、
    波長範囲(b):λ≦λ≦700nm、
    (R(θ)+R(θ))/2を満たす波長をλ(θ)、
    としたとき、dλ(θ)/dθの絶対値が10以下である第2の反射ミラーを前記基板の裏面側に配置することを特徴とする有機発光素子。
  3. 前記第2の反射ミラー上に反射特性の異なる第3〜第n+2のn個の反射ミラーを積層したことを特徴とする請求項1又は2に記載の有機発光素子。
  4. 前記基板の厚みが5μm以上10cm以下であることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の有機発光素子。
  5. 前記第1の反射ミラーおよび/または前記第2の反射ミラーが薄膜多層膜からなることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の有機発光素子。
  6. 前記第3〜第n+2の反射ミラーの中で少なくとも1つの反射ミラーが薄膜多層膜からなることを特徴とする請求項3に記載の有機発光素子。
  7. 前記薄膜多層膜を構成する材料の屈折率のうち最も高い屈折率をn、最も低い屈折率をnとしたときに、n−nが1.0以下であることを特徴とする請求項5又は6に記載の有機発光素子。
  8. 前記薄膜多層膜の層数が6層以上であることを特徴とする請求項5〜7のいずれかに記載の有機発光素子。
  9. 前記薄膜多層膜の少なくとも1層が、ZrOまたはAlを含むことを特徴とする請求項5〜8のいずれかに記載の有機発光素子。
  10. 前記薄膜多層膜が少なくとも1つの透明導電膜を含むことを特徴とする請求項5〜9のいずれかに記載の有機発光素子。
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