JPWO2004063792A1 - 照明光学装置及びプロジェクタ - Google Patents

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Abstract

照明光学装置10は光源装置11および均一照明光学系15を備えている。光源装置11の光源ランプ12の照明光学装置10の膨出部のリフレクタと反対側の光束射出部には、反射部材121が設けられている。また、光源装置11の楕円リフレクタ13の有効反射面径は、30mm以上、50mm以下である。さらに、楕円リフレクタ13の第一焦点距離をf1、第二焦点距離をf2とした場合、f1は5mm以上、f2は50mm以上であり、かつ、f2/f1は、4以上、7以下となっている。これによって、さらなる小型化、光の利用率の低下防止、所定以上の光量の確保を図ることができ、製造コストの増加を防止することができる照明光学装置及びプロジェクタを提供することが可能となる。

Description

本発明は、照明光学装置及びプロジェクタに関する。
従来から、プロジェクタとして、光源装置から射出された光束を、ダイクロイックミラーによりRGBの三色の色光に分離し、三枚の液晶パネル(光変調装置)によって色光毎に画像情報に応じて変調し、変調後の光束をクロスダイクロイックプリズムで合成し、投写レンズを介してカラー画像を拡大投写する、いわゆる三板式のプロジェクタが知られている。
このようなプロジェクタは、図8に示すような照明光学装置100を有している。この照明光学装置100は、光源装置110と、均一照明光学系150とを有する。
光源装置110は、放射光源としての発光管(光源ランプ12)と、楕円リフレクタ130と、平行化凹レンズ140とを有しており、光源ランプ12から射出された放射状の光線を楕円リフレクタ130で反射して射出し、平行化凹レンズ140で平行化させている。
均一照明光学系150は、楕円リフレクタ130で反射された光束を複数の部分光束に分割し、液晶パネル41の画像形成領域上に重畳させる機能を有し、光束分割光学素子(第1レンズアレイ160)と、偏光変換素子(PBSアレイ180)と、第2レンズアレイ170と、集光レンズ190とを有する(例えば、特開2000−347293号公報の第12〜第13頁ならびに図14を参照)。
このような照明光学装置100では、光源ランプ12からの光束をすべて取り込むために、第1レンズアレイ160、第2レンズアレイ170、PBSアレイ180、集光レンズ190の有効光束透過領域の輪郭形状を正方形状とし、その一辺の寸法をリフレクタ130の開口部における反射面の直径の寸法(以下、これを「有効反射面径」という)とほぼ等しくしている。なお、「有効光束透過領域」とは、これらの光学要素それぞれを通過する光束のうち、光変調装置の画像形成領域(被照明領域)を通過できるものが存在する領域である。たとえば、第2レンズアレイ179、PBSアレイ180、集光レンズ190の付近では、第1レンズアレイ160によって分割された複数の部分光束の集光像(アークの像)が観察されるが、この場合の有効光束透過領域は、これらの集光像を包括するような仮想的な矩形の領域である。
これに対し、液晶パネル41の画像形成領域は、リフレクタ130の有効反射面径よりも非常に短い短辺、長辺から構成される長方形状となっているので、集光レンズ190の周縁部から射出された光の液晶パネル41への入射角度は大きなものとなる。通常、液晶パネル41はリフレクタ130やレンズ等で平行光束とされた光束が、画像形成領域に対してほぼ垂直に入射するように設定されているので、光束が画像形成領域に対し斜めに入射した場合には、投写映像のコントラストが悪化しやすく、画像の品質が低下する可能性がある。
また、近年、照明光学装置、ひいてはプロジェクタのさらなる小型化が望まれているが、楕円リフレクタを採用した場合、その大きさによっては装置が大型化してしまったり、所定以上の光量が確保しにくかったり、製造コストの増加を招いてしまったりする可能性がある。
本発明は、コントラストの向上、装置の小型化、光の利用効率の向上、製造コストの増加の防止のうち、少なくとも1つの課題を解決することを目的とする。
本発明のプロジェクタは、入射光束を画像情報に応じて変調し、光学像を形成する長方形状の画像形成領域を備えた光変調装置と、発光管と、前記発光管から放射された光を反射する楕円リフレクタと、前記楕円リフレクタにより反射された光束を平行化する平行化レンズとを備えた光源装置と、複数の小レンズをマトリクス状に配列して構成され、前記光源装置から射出された光束を複数の部分光束に分割する光束分割光学素子と、この光束分割光学素子により分割された各部分光束を前記画像形成領域上に重畳させる集光レンズとを備えたプロジェクタであって、前記平行化レンズは、前記楕円リフレクタにより反射された光束の径が、前記画像形成領域の短辺寸法以上、長辺寸法以下となる位置に配置され、前記光束分割光学素子と前記集光レンズの有効光束透過領域は、辺の寸法が前記画像形成領域の短辺寸法以上、長辺寸法以下の矩形状に設定されていることを特徴とする。
本発明によれば、楕円リフレクタを使用しているので、光源ランプから放射される光線を単に反射するだけでなく、反射した光束を絞り込み、その径を小さくすることができる。そして、楕円リフレクタにより反射された光束の径が画像形成領域の短辺寸法以上、長辺寸法以下となる位置に平行化レンズを配置して、この平行化レンズよりも光路下流側に配置される光束分割光学素子と集光レンズの有効光束透過領域を、辺の寸法が画像形成領域の短辺寸法以上、長辺寸法以下の矩形状に設定する。すると、集光レンズの有効光束透過領域の辺の寸法と、画像形成領域の長辺寸法、短辺寸法との差が小さくなるので、集光レンズから射出された光線の光変調装置への入射角度を小さくすることができる。光変調装置への光線の入射角度が小さいほど、投写映像のコントラストは良くなるため、従来のプロジェクタに比べ、投写映像のコントラストを向上させることができる。
また、このように光変調装置への光線の入射角度が小さくなるので、光変調装置から射出される光線の射出角度も小さくなる。そのため、光変調装置よりも光路下流側に設けられる投写レンズのFナンバーを大きくすることができ、より解像力の高いまたは高精細な投写映像を形成することができる。
また、光束分割光学素子と集光レンズの有効光束透過領域は、辺の寸法が光変調装置の画像形成領域の短辺寸法以上、長辺寸法以下の矩形状に設定されているので、これらのサイズを従来よりもかなり小さくすることができる。従って、プロジェクタの小型化、軽量化を図ることができる。
なお、「有効光束透過領域は、辺の寸法が光変調装置の画像形成領域の短辺寸法以上、長辺寸法以下の矩形状に設定されている」とは、光束分割光学素子や集光レンズの外形が光変調装置の画像形成領域の短辺寸法以上、長辺寸法以下の矩形状に設定されていることを意味するものではない。光束分割光学素子や集光レンズの外形は、有効光束透過領域を包含できる大きさでなくてはならないが、有効光束透過領域と同形状である必要は無い。
本発明において、前記発光管は、所定距離離間して配置される一対の電極と、前記一対の電極が封入された管状部材とを備え、前記管状部材の前記電極の離間部分には膨出部が設けられ、前記膨出部のリフレクタと反対側の光束射出部には、放射光を前記楕円リフレクタに反射する反射部材が設けられていることが好ましい。
反射部材が設けられていない発光管を使用する場合には、発光管から放射される光をなるべくたくさん反射させるために、光束反射面積(有効反射面の面積)が大きな楕円リフレクタを使用する必要がある。リフレクタによって反射されることなく放射された光は、有効に利用することができないからである。これに対し、発光管の膨出部のリフレクタと反対側の光束射出部に反射部材を設ければ、発光管から楕円リフレクタの開口側に射出される光を、この反射部材によって楕円リフレクタ側に反射することが可能となる。そのため、光束反射面積が大きな楕円リフレクタを使わなくても、発光管から放射される光束の損失を防ぎ、光の利用効率を向上させることが可能である。
また、光束反射面積が大きな楕円リフレクタを使用する場合には、楕円リフレクタにより反射された光束の径が画像形成領域の短辺寸法以上、長辺寸法以下となる位置が光源ランプから遠くなるので、光源ランプと平行化レンズとの距離を大きくとる必要がある。また、このように光源ランプからの距離を大きくとった場合には平行化レンズの倍率を大きなものにする必要がある。これに対し、発光管の膨出部のリフレクタと反対側の光束射出部に反射部材を設ければ、楕円リフレクタの大きさを小さくできるので、楕円リフレクタにより反射された光束の径が画像形成領域の短辺寸法以上、長辺寸法以下となる位置が光源ランプに近くなる。そのため、平行化レンズを光源ランプに接近させることが可能となり、プロジェクタの小型化を図ることができる。また、平行化レンズを光源ランプに接近させることができるので、平行化レンズの倍率を小さくすることができる。
更に、上記反射部材は、前記膨出部に蒸着形成された金属膜であることが好ましい。このようにすれば、発光管から放射された光を確実に楕円リフレクタに反射させることができる。従って、発光管から放射された光が楕円リフレクタに反射されずに射出されてしまうことを防止でき、光の利用効率をより高めることが可能となる。
また、本発明において、前記平行化レンズは、有効光束透過領域の入射側及び/又は射出側が非球面とされた平行化凹レンズであることが好ましい。球面の平行化凹レンズを使用した場合には、球面収差が生じるため、中心部の平行度は高いものの、周辺部の平行度がよくないことがある。これに対し、平行化凹レンズの入射側及び/又は射出側を非球面とすれば、射出される光束の平行度を向上させることができる。
また、この平行化凹レンズは、(1)有効光束透過領域の入射側が双曲面形状を有する非球面であり、射出側が平面であるもの、(2)有効光束透過領域の入射側が平面であり、前記射出側が楕円面を有する非球面であるもの、(3)有効光束透過領域の入射側が球面であり、前記射出側が双曲面形状を有する非球面であるもの、のうち、何れかであることが好ましい。(1)の場合には、光束は平行化凹レンズの有効光束透過領域の入射側で平行化され、射出側では屈折作用を受けないようにすることができる。従って、より平高度の高い射出光束を得ることができる。また、射出側は平面であるため、平行化凹レンズの作成を比較的安価に行うことができる。(2)の場合には、射出される光束の径を小さくすることができる。また、有効光束透過領域の射出側を非球面としているので射出される光束の面内照度のばらつきを比較的小さくすることができる。(3)の場合には、(2)と同様の効果を奏することができるほか、有効光束透過領域の入射側を球面としているので、入射側において光が屈折を受けないようにすることができ、より平行度の高い射出光束を得ることができる。
また、本発明において、前記集光レンズは、前記有効光束透過領域の入射側が平面であり、射出側が双曲面形状を有する非球面であることが好ましい。このようにすれば、前記有効光束透過領域の射出側を非球面としているので射出される光束の収差を小さくすることができる。従って、光変調装置の画像形成領域に確実に光束を入射させることができる。
また、本発明において、前記光源装置と前記集光レンズとの間には、入射光束の偏光方向を揃える偏光変換素子を備え、前記偏光変換素子は、前記光源装置から射出された光を2種類の偏光成分を有する光に分離する偏光分離膜と、前記2種類の偏光成分を有する光の偏光方向を揃える水晶又は雲母製の位相差板と、を有していることが好ましい。本発明によれば、前述したように、光束分割光学素子や集光レンズのサイズを、従来よりもかなり小さくすることができる。一方、これらの小型化により光束密度は高くなり、単位面積あたりの光量は増えることになる。偏光変換素子には一般的に樹脂を用いた位相差板が用いられるが、単位面積あたりの光量が増えると、樹脂では耐熱性が充分でなくなる可能性がある。そこで、水晶又は雲母製の位相差板を用いれば、位相差板の耐熱性を向上させることができる。
次に、第2の発明は、所定距離離間して配置される一対の電極が封入されるとともに、前記一対の電極の離間部分に膨出部が設けられた管状部材を有する発光管と、前記膨出部のリフレクタと反対側の光束射出部に設けられた反射部材と、前記発光管から放射された光を反射する楕円リフレクタと、前記楕円リフレクタにより反射された光束を平行化する平行化レンズと、を備えた光源装置と、前記光源装置から射出された光束を複数の部分光束に分割する光束分割光学素子と、前記光束分割光学素子により分割された各部分光束を前記光変調装置の画像形成領域上に重畳させる集光レンズと、を備えた照明光学装置であって、前記楕円リフレクタの第一焦点距離をf1、第二焦点距離をf2とした場合に、4≦f2/f1≦7であることを特徴とする。
通常、発光管は、発光部の中心(アーク中心)が楕円リフレクタの第一焦点とほぼ一致するように配置される。一方、平行化レンズは、楕円リフレクタにより反射された光束を平行化できる位置、例えば、光束入射面が凹面とされたレンズであれば、楕円リフレクタの第二焦点と、平行化レンズの焦点とがほぼ一致する位置に設置される。
楕円リフレクタの第一焦点距離f1、第二焦点距離f2との比、f2/f1を4未満とすると、第一焦点距離f1、すなわち、楕円リフレクタから発光管のアーク中心までの距離が長くなる場合があり、この場合には、光束反射面積(有効反射面の面積)の大きな大型の楕円リフレクタを使用しなければならない。そのため、装置の小型化が困難となる。
また、f1、f2の距離を小さくして、f2/f1を4未満とすることも考えられるが、この場合には、f2の距離が小さくなるので、汎用の発光管を使用した場合、平行化レンズと、発光管が干渉する虞がある。そのため小さな寸法の特殊な発光管を用意しなければならず、製造コストが増加するという問題が生じる。
さらに、f2/f1が7を超えると、第二焦点距離f2が長くなる場合があり、これに伴って、楕円リフレクタから平行化レンズまでの光路の長さが長くなる。そのため、照明光学装置の小型化を図ることが困難となる。さらに、アークの像が大きくなり過ぎたり、歪んでしまったりして、光の利用率が低下する可能性がある(以下、この現象を「アークの像の劣化」という)。つまり、例えば光束分割素子よりも光路下流側にレンズアレイやPBSアレイが配置される場合、アークの像が劣化してしまうと、レンズアレイの各レンズの内部にアークの像が収まりきらなかったり、PBSアレイの各アレイの内部にアークの像が収まりきらなかったりして、光の利用効率が低下する可能性がある。レンズアレイの各レンズやPBSアレイの各アレイの内部に収まりきらなかったアークの像は、照明光として有効利用することができないためである。
また、f1を小さな値としてf2/f1が7を超えるものとした場合には、楕円リフレクタと発光管との距離が近接するため、楕円リフレクタの光束反射面積が小さくなる。そのため、平行化レンズ等の透過光束領域が必要以上に狭くなり、光量が不足する可能性がある。
これに対し、第2の発明では、f2/f1を4以上、7以下としているので、上述した問題が発生せず、光の利用率の低下を防ぎ、所定以上の光量を確保することができる。
また、第二の発明によれば、発光管の膨出部のリフレクタと反対側の光束射出部には反射部材が設けられているので、発光管から楕円リフレクタの開口側に射出される光を、この反射部材によって楕円リフレクタ側に反射することが可能となる。反射部材が設けられていない発光管を使用する場合には、発光管から放射される光束をなるべくたくさん反射させるために、光束反射面積(有効反射面の面積)が大きな楕円リフレクタを使用する必要がある。これに対し、発光管の膨出部のリフレクタと反対側の光束射出部に反射部材を設ければ、発光管から楕円リフレクタの開口側に射出される光を楕円リフレクタ側に反射させることができるため、光束反射面積が大きな楕円リフレクタを使わなくても、発光管から放射される光束の損失を防ぎ、光の利用効率を向上させることが可能である。
第2の発明では、被照明領域が長方形状であり、前記平行化レンズは、前記楕円リフレクタにより反射された光束の径が、前記被照明領域の短辺寸法以下、長辺寸法以上となる位置に配置され、前記光束分割光学素子と前記集光レンズの有効光束透過領域は、辺の寸法が前記被照明領域の短辺寸法以上、長辺寸法以下の矩形状に設定されていることが好ましい。
第2の発明によれば、楕円リフレクタを使用しているので、光源ランプから放射される光線を単に反射させるだけでなく、反射した光束を絞り込み、その径を小さくすることができる。そして、楕円リフレクタにより反射された光束の径が被照明領域の短辺寸法以上、長辺寸法以下となる位置に平行化レンズを配置して、この平行化レンズよりも光路下流側に配置される光束分割光学素子と集光レンズの有効光束透過領域を、辺の寸法が被照明領域の短辺寸法以上、長辺寸法以下の矩形状に設定することができる。すると、集光レンズの有効光束透過領域の辺の寸法と、被照明領域の長辺寸法、短辺寸法との差が小さくなるので、集光レンズから射出された光線の被照明領域への入射角度を小さくすることができる。
第2の発明にかかる照明装置を、光変調装置を備えたプロジェクタに採用した場合には、被照明領域に相当する光変調装置の画像形成領域への光線の入射角度が小さいほど、投写映像のコントラストは良くなるため、投写映像のコントラストを向上させることができる。また、このように光変調装置への光線の入射角度が小さくなるので、光変調装置から射出される光線の射出角度も小さくなる。そのため、光変調装置よりも光路下流側に設けられる投写レンズのFナンバーを大きくすることができ、より解像力の高いまたは高精細な投写映像を形成することができる。
また、光束分割光学素子と集光レンズの有効光束透過領域は、辺の長さが被照明領域の短辺寸法以上、長辺寸法以下の矩形状に設定されているので、これらのサイズを従来よりもかなり小さくすることができる。従って、照明光学装置の小型化、軽量化、ひいてはプロジェクタの小型化、軽量化を図ることができる。
なお、「有効光束透過領域は、辺の寸法が被照明領域の短辺寸法以上、長辺寸法以下の矩形状に設定されている」とは、光束分割光学素子や集光レンズの外形が被照明領域の短辺寸法以上、長辺寸法以下の矩形状に設定されていることを意味するものではない。平行化レンズ、光束分割光学素子、集光レンズの外形は、有効光束透過領域を包含できる大きさでなくてはならないが、有効光束透過領域と同形状である必要は無い。
第2の発明において、前記平行化レンズは、光束入射面、射出面のいずれか一方が非球面とされた凹レンズであることが好ましい。球面の平行化凹レンズを使用した場合には、球面収差が生じるため、中心部の平行度は高いものの、周辺部の平行度がよくないことがある。これに対し、平行化凹レンズの入射側又は射出側を非球面とすれば、射出される光束の平行度を向上させることができる。
第2の発明において、前記楕円リフレクタの第一焦点距離f1は、5mm以上であることが好ましい。発光管の膨出部の径は、一般的に約9mm(半径約4.5mm)程度となっている。そして、この膨出部の内部に形成される発光部の中心(アーク中心)と楕円リフレクタの第一焦点とがほぼ一致するように発光管が配置されるため、第一焦点距離f1が5mm未満の場合には、楕円リフレクタに膨出部が接触する虞があり、好ましくない。これに対し、第一焦点距離を5mm以上とすれば、膨出部と楕円リフレクタとの接触を防止することができる。
第2の発明において、前記楕円リフレクタの第二焦点距離f2は50mm以上であることが好ましい。発光管の管状部材は、膨出部の中心部から先端までの長さ寸法が一般的に約20〜35mm程度となっている。そのため、第二焦点距離f2が50mm未満の場合には、発光管の管状部材と、平行化レンズとが接触する可能性がある。これに対し、第二焦点距離f2を50mm以上とすれば、このような問題が生じない。
第2の発明において、楕円リフレクタの有効反射面径は、30mm以上、50mm以下であることが好ましい。有効反射面径が50mmを超えるものは、大きすぎて照明光学装置の小型化を図ることが困難となる虞がある。また、有効反射面径が30mm未満の場合には、光束を反射する面積が小さくなりすぎて、平行化レンズ等の透過光束領域が狭くなり、光量が不足する可能性がある。これに対し、楕円リフレクタの有効反射面径を、30mm以上、50mm以下とすれば、このような問題が生じない。
第2の発明では、前記照明光軸の射出光束基端側部分と、前記発光管から射出される光束がなす最大の角度をθとすると、θが105°以下であることが好ましい。このようにすれば、発光管から広範囲に光が射出されず、この光を反射する楕円リフレクタの有効反射面径を小さくすることができる。
図1は、本発明の実施形態にかかるプロジェクタの光学系を示す模式図である。
図2は、照明光学装置と液晶パネルとの関係を示す模式図である。
図3は、光源装置から射出される光線の軌跡(f1=7.1mm、f2=50mm)を示す図である。
図4(A)は、平行化レンズ14の構成を説明するための図、図4(B)は、第1レンズアレイ16の構成を説明するための図、図4(C)は、第2レンズアレイとPBSアレイ18の構成を説明するための図、図4(D)は、集光レンズ19の構成を説明するための図である。 図5(A)は、f2/f1が4のアークの像を示す図、図5(B)は、f2/f1が5のアークの像を示す図である。
図6(A)は、f2/f1が7のアークの像2を示す図、図6(B)は、f2/f1が10のアークの像を示す図である。
図7は、f1=10mm、f2=100mmとした場合の光線の軌跡を示す図である。
図8は、従来の照明光学装置と液晶パネルとの関係を示す模式図である。
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
図1には、本発明の実施形態に係るプロジェクタ1の光学系の構造を表す模式図が示されている。このプロジェクタ1は、インテグレータ照明光学系(照明光学装置)10、色分離光学系20、リレー光学系30、光学装置40、色合成光学系であるクロスダイクロイックプリズム60、および投写光学系である投写レンズ70を備えている。
前記照明光学装置10は、光源装置11および均一照明光学系15を備え、光源装置11は、光源ランプ12(発光管)と、光源ランプ12から射出された光を反射する楕円リフレクタ13と、平行化凹レンズ14とを備えている。
均一照明光学系15は、光源装置11から射出された光束を複数の部分光束に分割するとともに、各部分光束の偏光方向を、P偏光光束あるいはS偏光光束に揃えるものであり、光束分割素子である第1レンズアレイ16、集光レンズである第2レンズアレイ17、偏光変換素子であるPBSアレイ18、および集光レンズである集光レンズ19を含んで構成されている。
なお、照明光学装置10についての詳細は、後述する。
色分離光学系20は、2枚のダイクロイックミラー21,22と、反射ミラー23とを備え、ダイクロイックミラー21、22により照明光学装置10から射出された複数の部分光束を赤(R)、緑(G)、青(B)の3色の色光に分離する機能を有している。
リレー光学系30は、入射側レンズ31と、リレーレンズ33と、反射ミラー32、34とを備え、色分離光学系20で分離された色光である赤色光を液晶パネル41Rまで導く機能を有している。
この際、色分離光学系20のダイクロイックミラー21では、照明光学装置10から射出された光束のうち、赤色光と緑色光を透過し、青色光を反射する。ダイクロイックミラー21によって反射した青色光は、反射ミラー23で反射し、フィールドレンズ44を通って、青色用の液晶パネル41Bに到達する。このフィールドレンズ44は、第2レンズアレイ17から射出された各部分光束をその中心軸(主光線)に対して平行な光束に変換する。他の液晶パネル41G、41Rの光束入射側に設けられたフィールドレンズ44も同様である。
また、ダイクロイックミラー21を透過した赤色光と緑色光のうちで、緑色光は、ダイクロイックミラー22によって反射し、フィールドレンズ44を通って、緑色用の液晶パネル41Gに到達する。一方、赤色光は、ダイクロイックミラー22を透過してリレー光学系30を通り、さらにフィールドレンズ44を通って、赤色光用の液晶パネル41Rに到達する。
なお、赤色光にリレー光学系30が用いられているのは、赤色光の光路の長さが他の色光の光路の長さよりも長いため、光の発散等による光の利用効率の低下を防止するためである。すなわち、入射側レンズ31に入射した部分光束をそのまま、フィールドレンズ44に伝えるためである。なお、リレー光学系30には、3つの色光のうちの赤色光を通す構成としたが、これに限らず、例えば、青色光を通す構成としてもよい。
光学装置40は、入射された光束を画像情報に応じて変調してカラー画像を形成するものであり、色分離光学系20で分離された各色光が入射される3つの入射側偏光板(図示略)と、入射側偏光板の入射側に配置されるフィールドレンズ44と、各入射側偏光板の光束射出側に配置される光変調装置としての液晶パネル41R,41G,41Bと、各液晶パネル41R,41G,41Bの光束射出側に配置される射出側偏光板(図示略)と、色合成光学系としてのクロスダイクロイックプリズム60とを備える。
液晶パネル41R,41G,41Bは、一対の透明なガラス基板間に電気光学物質である液晶を密閉封入したものであり、例えば、ポリシリコンTFTをスイッチング素子として、与えられた画像信号に従って、入射側偏光板から射出された偏光光束の偏光方向を変調する。この液晶パネル41R,41G,41Bの画像形成領域は長方形状である。
入射側偏光板は、色分離光学系20で分離された各色光のうち、一定方向の偏光光束のみ透過させ、その他の光束を吸収する光学変換素子である。また、射出側偏光板も、液晶パネル41(41R,41G,41B)から射出された光束のうち、所定方向の偏光光束のみ透過させ、その他の光束を吸収するものである。
フィールドレンズ44は、照明光学装置10の集光レンズ19で絞り込まれた射出光束を照明光軸に対して平行にするための光学素子である。
クロスダイクロイックプリズム60は、射出側偏光板から射出され、各色光毎に変調された光学像を合成してカラー画像を形成するものである。
クロスダイクロイックプリズム60には、赤色光を反射する誘電体多層膜と青色光を反射する誘電体多層膜とが、4つの直角プリズムの界面に沿ってほぼX字状に設けられ、これらの誘電体多層膜により3つの色光が合成される。
図2も参照して照明光学装置10について詳細に説明する。図2は照明光学装置10と液晶パネル41との関係を示す模式図である。
前述したように照明光学装置10は光源装置11および均一照明光学系15を備えている。光源装置11は、光源ランプ12と、楕円リフレクタ13と、平行化凹レンズ14とを備えている。
光源ランプ12は、図示しないが、所定距離離間して配置される一対の電極と、この電極が封入された管状部材120とを備えている。管状部材120は、電極の離間部分において外側に膨出した膨出部122を有している。膨出部の内部にはガスが封入されており、一対の電極間に電圧を印加すると放電が発生して発光部(アーク)が形成される。このような光源ランプ12の発光部の中心(アーク中心)から管状部材120の先端までの長さ寸法L1は、20〜35mm程度(すなわち、管状部材120の全長は40〜70mm程度となる)であり、膨出部122の径は、9mm程度である。そして、膨出部122のリフレクタ13と反対側の光束射出部(平行化凹レンズ14側)には反射部材121が設けられている。光源ランプ12の配光角θは、例えば、100〜105°となっている。なお、この配光角θは、照明光軸aの射出光束基端側部分と、光源ランプ12から射出される光束がなす最大の角度である。
反射部材121は膨出部122の平行化凹レンズ14側から放射される光束を楕円リフレクタ13に反射するものである。反射部材121は、例えば、五酸化タンタルの単層膜、或いは二酸化珪素の多層膜を膨出部のリフレクタと反対側の光束射出部面に直接蒸着したものである。反射部材121は、このような多層膜を蒸着した第二反射鏡を発光管に取り付けることによって構成しても良い。
なお、このような光源ランプ12としては、メタルハライドランプ、高圧水銀ランプ等を使用することができる。
楕円リフレクタ13は、光源ランプ12から射出された光を反射するものであり、その有効反射面径は、30mm以上、50mm以下である。また、この楕円リフレクタ13の第一焦点距離をf1、第二焦点距離をf2とした場合、f1は5mm以上、f2は50mm以上であり、かつ、f2/f1は、4以上、7以下である。本実施形態では、例えば、f1=7.1mm、f2=50mmであり、f2/f1は7、楕円リフレクタ13の有効反射面径は30mmとなっている。
なお、前述した光源ランプ12は、アーク中心が楕円リフレクタ13の第一焦点の位置とほぼ一致するように配置されている。 平行化凹レンズ14は、楕円リフレクタ13により反射された光束を平行化するものである。この平行化凹レンズ14の有効光束透過領域の入射側は双曲面形状を有する非球面であり、射出側は平面となっている。平行化凹レンズ14は、楕円リフレクタ13により反射された光束の径が液晶パネル41の画像形成領域の短辺寸法以上、長辺寸法以下となる位置であり、かつ、その焦点が、楕円リフレクタ13の第二焦点とほぼ一致する位置に配置されている。
均一照明光学系15は、第1レンズアレイ16、第2レンズアレイ17、PBSアレイ18、および集光レンズ19を有している。
第1レンズアレイ16は、光源装置11から射出された光束を複数の部分光束に分割する光束分割光学素子としての機能を有し、照明光軸aと直交する面内にマトリクス状に配列される複数のレンズを備えて構成され、各レンズの縦横比は、後述する光学装置40を構成する液晶パネル41R、41G、41Bの画像形成領域の縦横比と対応している。
第2レンズアレイ17は、前述の第1レンズアレイ16により分割された部分光束を集光する集光レンズであり、第1レンズアレイ16と同様に照明光軸aに直交する面内にマトリクス状に配列される複数のレンズを備えている。各レンズの配列は、第1レンズアレイ16を構成するレンズと対応しているが、その大きさは、第1レンズアレイ16のように液晶パネル41R、41G、41Bの画像形成領域の縦横比と対応する必要はない。
偏光変換素子としてのPBSアレイ18は、第1レンズアレイ16により分割された各部分光束の偏光方向を一方向に揃える光学素子である。このPBSアレイ18は、図示しないが、偏光方向の異なる2種類のP偏光光束およびS偏光光束のうち、一方の偏光光束を透過させ、他方の偏光光束を反射して両偏光光束に分離する偏光分離膜と、この偏光分離膜で反射した他方の偏光光束の進行方向を折り曲げて、透過した一方の偏光光束の出射方向に揃える反射ミラーと、2種類の偏光光束の偏光方向を揃える位相差板とを含んで構成される。この位相差板は、耐熱性を考慮すると水晶又は雲母製であることが好ましいが、樹脂製であっても良い。
このようなPBSアレイ18を採用することで、光源ランプ12から射出される光束を一方向の偏光光束のみに揃えることができるため、光源光の利用効率を向上させることができる。
集光レンズ19は、第1レンズアレイ16、第2レンズアレイ17、およびPBSアレイ18を経た複数の部分光束を集光して、液晶パネル41R、41G、41Bの画像形成領域上に重畳させる機能を有するレンズである。この集光レンズ19は有効光束透過領域の入射側が平面であり、射出側が双曲面形状を有する非球面となっている。
次に、図3と図4(A)〜(D)を参照して、照明光学装置10の詳細な構成について説明する。図3は、f1=7.1mm、f2=50mmとした場合(f2/f1=7)の光線の軌跡を示した図である。また、図4(A)〜(D)は、それぞれ、平行化レンズ14、第1レンズアレイ16、第2レンズアレイとPBSアレイ18、集光レンズ19の構成を説明するための図である。
照明光学装置10において、光源ランプ12を点灯させると、光が放射され、この光は楕円リフレクタ13により反射される。楕円リフレクタ13は、光源ランプ12から放射される光を単に反射するだけでなく、反射した光束を絞り込み、その径を小さくする。楕円リフレクタ13により反射された光は平行化凹レンズ14に入射され、平行化される。
平行化凹レンズ14は、前述したように、また図4(A)に示すように、楕円リフレクタ13により反射された光束13Aの径L13が液晶パネル41の画像形成領域41Aの短辺寸法L1以上、長辺寸法L2以下となる位置に配置されている。よって、平行化凹レンズ14から射出される光束13Bの径L13は、液晶パネル41の画像形成領域41Aの短辺寸法L1以上、長辺寸法L2以下となる。
平行化レンズ14によって平行化された光は、第1レンズアレイ16、第2レンズアレイ17、およびPBSアレイ18、集光レンズ19を順に通過する。図4(B)に示すように、第1レンズアレイ16の有効光束透過領域16A(図中斜線部で示した領域)の辺の寸法L16は、画像形成領域41Aの短辺寸法L1以上、長辺寸法L2以下である。図4(C)に示すように、第2レンズアレイ17とPBSアレイ18の有効光束透過領域17A,18A(図中斜線部で示した領域)の辺の寸法L17,L18も、画像形成領域41Aの短辺寸法L1以上、長辺寸法L2以下である。さらに、図4(D)に示すように、集光レンズ19の有効光束透過領域19Aの辺の寸法L19も、画像形成領域41Aの短辺寸法L1以上、長辺寸法L2以下である。なお図4(C)には、第2レンズアレイ17の付近で観察される複数のアークの像17Cが示されている。有効光束透過領域17Aは、これら複数のアークの像を包括するような仮想的な矩形の領域である。有効光束透過領域18A,19Aに関しても同様である。
図4(D)からわかるように、集光レンズ19の有効光束透過領域19Aの辺の寸法L19と、画像形成領域41Aの長辺寸法、短辺寸法との差は、極めて小さい。また、図3に示したとおり、集光レンズ19から射出された光線は、液晶パネル41の画像形成領域にほぼ垂直に入射しており、液晶パネル41への光線の入射角度が小さいことがわかる。
すなわち、本実施形態によれば、以下の効果を奏することができる。
楕円リフレクタ13を使用しているので、光源ランプ12から放射される光を単に反射するだけでなく、反射した光束を絞り込み、その径を小さくすることができる。
そして、楕円リフレクタ13により反射された光束の径が液晶パネル41の画像形成領域の短辺寸法以上、長辺寸法以下となる位置に平行化凹レンズ14を配置して、これよりも光路下流側に配置される第1レンズアレイ16、第2レンズアレイ17、PBSアレイ18、集光レンズ19の有効光束透過領域の辺の寸法を、画像形成領域の短辺寸法以上、長辺寸法以下の矩形状に設定している。すると、集光レンズ19の有効光束透過領域の辺の寸法と、液晶パネル41の画像形成領域の長辺、短辺寸法との差が小さくなるため、集光レンズ19から射出される光線は液晶パネル41の画像形成領域へほぼ垂直に入射することとなる。つまり、光変調装置への光線の入射角度をより小さくすることができる。液晶パネル41へ入射する光線の入射角度が小さいほど、投写映像のコントラストは良くなるため、投写映像のコントラストを向上させることができる。
また、このように液晶パネル41への光線の入射角度が小さくなるので、液晶パネル41から射出される光線の射出角度も小さくなる。そのため、投写レンズ70のFナンバーを大きくすることができ、より解像力の高いまたは高精細な投写映像を形成することができる。
さらに、第1レンズアレイ16、第2レンズアレイ17、およびPBSアレイ18、集光レンズ19の有効光束透過領域の辺の寸法が、液晶パネル41の画像形成領域の短辺寸法以上、長辺寸法以下である。従って、これらの光学要素16,17,18,19のサイズは、楕円リフレクタ13の有効反射面径とほぼ同じ寸法の有効光束透過領域を有する従来の光束分割光学素子等よりもかなり小さくすることができる。そのため、照明光学装置10、ひいてはプロジェクタの小型化、軽量化を図ることができる。
また、光源ランプ12の膨出部122のリフレクタ13と反対側の光束射出部には反射部材121が設けられている。反射部材121が設けられていない光源ランプ12を使用する場合には、光源ランプ12から放射される光をなるべくたくさん反射させるために、光束反射面積(有効反射面の面積)が大きな楕円リフレクタを使用する必要がある。リフレクタによって反射されることなく放射された光は、有効に利用することができないからである。これに対し、本実施形態では、反射部材121が設けられているので、光源ランプ12から楕円リフレクタの開口側に射出される光を、反射部材121によって楕円リフレクタ13側に反射することが可能となる。そのため、光束反射面積が大きな楕円リフレクタを使わなくても、光源ランプ12から放射される光の損失を防ぎ、光の利用効率を向上させることが可能である。
また、光束反射面積が大きな楕円リフレクタを使用する場合には、楕円リフレクタにより反射された光束の径が画像形成領域の短辺寸法以上、長辺寸法以下となる位置が光源ランプ12から遠くなるので、光源ランプ12と平行化レンズ14との距離を大きくとる必要がある。また、このように光源ランプからの距離を大きくとった場合には、平行化レンズの倍率を大きなものにする必要がある。これに対し、反射部材121を設ければ、楕円リフレクタ13により反射された光束の径が画像形成領域の短辺寸法以上、長辺寸法以下となる位置が光源ランプ12に近くなる。そのため、平行化レンズ14を光源ランプに接近させることが可能となり、プロジェクタの小型化を図ることができる。また、平行化レンズを光源ランプに接近させることができるので、平行化レンズの倍率を小さくすることができる。
さらに、通常、光源ランプ12は、そのアーク中心が楕円リフレクタ13の第一焦点とほぼ一致するように配置される。一方、平行化凹レンズ14は、楕円リフレクタにより反射された光束を平行化できる位置、例えば、光束入射面が凹面とされたレンズであれば、楕円リフレクタの第二焦点と、平行化レンズの焦点とがほぼ一致する位置に設置される。
楕円リフレクタ19の第一焦点距離f1、第二焦点距離f2との比、f2/f1を4未満とすると、第一焦点距離f1、すなわち、楕円リフレクタ13から光源ランプ12のアーク中心までの距離が長くなる場合があり、この場合には、光束反射面積(有効反射面の面積)の大きな大型の楕円リフレクタを使用しなければならない。そのため、照明光学装置、さらにはプロジェクタの小型化が困難となる。
また、f1、f2の距離を小さくして、f2/f1を4未満とすることも考えられるが、この場合には、f2の距離が小さくなるので、一般的な光源ランプを使用した場合、平行化凹レンズと、光源ランプが干渉する虞がある。そのため小さな寸法の特殊な光源ランプを用意しなければならず、製造コストが増加するという問題が生じる。
さらに、f2/f1が7を超えると、第二焦点距離f2が長くなる場合があり、これに伴って、楕円リフレクタ13から平行化凹レンズ14までの光路の長さが長くなる。そのため、照明光学装置の小型化を図ることが困難となる上、アークの像に劣化が生じて光の利用率が低下する可能性がある。また、f1を小さな値としてf2/f1が7を超えるものとした場合には、楕円リフレクタ13と発光管12のアーク中心との距離が近接するため、楕円リフレクタ13の光束を反射する面積が小さくなる。そのため、平行化凹レンズ14等の透過光束領域が必要以上に狭くなり、光量が不足する可能性がある。
これに対し、本実施形態は、f2/f1を4以上、7以下としているので、上述した問題が発生せず、照明光学装置10、プロジェクタ1の製造コストの増加防止、さらなる小型化、光の利用率の低下防止、所定以上の光量の確保を図ることができる。
平行化凹レンズ14の有効光束透過領域の入射側を、双曲面形状を有する非球面としているので、光束は入射側で平行化され、射出側では屈折作用を受けないようにすることができる。従って、より平高度の高い射出光束を得ることができる。また、射出側は平面であるため、平行化凹レンズ14の作成を比較的安価に行うことができる。
さらに、集光レンズ19の有効光束透過領域の射出側を非球面としているので射出される光束の収差を小さくすることができる。従って、液晶パネル41の画像形成領域に確実に光束を入射させることができる。また、有効光束透過領域の入射側が平面であるため、集光レンズ19の作成を容易に行うことができる。
また、本実施形態では、前述したように平行化凹レンズ14や、第1レンズアレイ16等の有効光束透過領域を小さくしたので、光束密度が高くなっている。そのため、PBSアレイの位相差板の耐熱性を向上させる必要がある。本実施形態で、この位相差板を水晶又は雲母製とすれば、樹脂製の位相差板に比べ、耐熱性を向上させることができる。
光源ランプ12の膨出部122の径は一般的に約9mm(半径約4.5mm)程度となっている。この膨出部122のアーク中心と楕円リフレクタ13の第一焦点とがほぼ一致するように光源ランプ12が配置されるため、第一焦点距離f1が5mm未満の場合には、楕円リフレクタ13に膨出部122が接触する虞があり、好ましくない。本実施形態では、第一焦点距離を5mm以上としているので、膨出部122と楕円リフレクタ13の接触を防止することができる。
光源ランプ12の管状部材120は、膨出部122の中心部から先端までの長さ寸法L1が約20〜35mm程度となっている。そのため、第二焦点距離f2が50mm未満の場合には、光源ランプ12の管状部材120と、平行化凹レンズ14とが接触する可能性がある。これに対し、本実施形態では、第二焦点距離f2を50mm以上としているので、このような問題が生じない。
楕円リフレクタの有効反射面径が50mmを超えるものは、大きすぎて照明光学装置の小型化を図ることが困難となる虞がある。また、有効反射面径が30mm未満の場合には、光束を反射する面積が小さくなりすぎて、平行化凹レンズ14等の有効光束透過領域が狭くなりすぎ、光量が不足する可能性がある。本実施形態では、楕円リフレクタ13の有効反射面径は、30mm以上、50mm以下としているので、このような問題が生じない。
さらに、光源ランプ12の配光角θが100〜105°であるため、光源ランプ12から広範囲に光が射出されず、この光を反射する楕円リフレクタ13を小さな径のものとすることができる。
なお、本発明は前述の実施形態に限定されるものではなく、本発明の目的を達成できる範囲での変形、改良等は本発明に含まれるものである。
例えば、前記実施形態では、平行化凹レンズ14は、有効光束透過領域の入射側が双曲面形状を有する非球面であり、射出側が平面であるとしたが、これには限られず、入射側が平面であり、射出側が楕円面を有する非球面であるものや、入射側は球面であり、射出側は双曲面形状を有する非球面であるものであってもよい。
前者の場合には、射出側を非球面としているので射出される光束の径を小さくすることができる。また、射出側を非球面としているので射出される光束の面内照度のばらつきを比較的小さくすることができる。
後者の場合には、前者と同様の効果を奏することができるうえ、入射側を球面としているので、入射側において光が屈折を受けないようにすることができ、より平行度の高い射出光束を得ることができる。
さらに、平行化凹レンズは、非球面を有さず、球面のみを有するものとしてもよい。この場合には、球面収差が生じ、平行度が悪くなる可能性があるが、球面を形成すればよいので、非球面を形成する場合に比べ、製造が容易となるという利点がある。
また、平行化レンズは凹レンズに限らず、凸レンズであってもよい。例えば、光束入射面を非球面の凸面とし、光束射出面を平面とする平行化レンズが挙げられる。この場合には、楕円リフレクタにより反射された光束の径が液晶パネルの画像形成領域の短辺寸法以上、長辺寸法以下となる位置であり、かつ、楕円リフレクタの第二焦点で集光した光が発散する位置に平行化レンズを配置することが好ましい。
前記実施形態では、光源ランプ12の配光角θを100〜105°としたが、この範囲には限られず、例えば90°であってもよい。
さらに、前記実施形態では、楕円リフレクタ13の第一焦点距離f1を5mm以上、第二焦点距離f2を50mm以上としたが、これに限られず、第一焦点距離f1を5mm未満、第二焦点距離f2を50mm未満としてもよい。この場合には、照明光学装置のより一層の小型化を図ることができる。ただし、楕円リフレクタ13と光源ランプ12の膨出部122とが干渉しないように、また、光源ランプ12と平行化凹レンズ14とが干渉しないように注意する必要がある。
また、前記実施形態では、第1レンズアレイ16、第2レンズアレイ17、およびPBSアレイ18、集光レンズ19の有効光束透過領域を略正方形状としたが、これには限られず、辺の長さが液晶パネル41の画像形成領域の短辺寸法以上、長辺寸法以下である長方形状であってもよい。ただし、光束は円形状の断面を有しているので、前記実施形態のように正方形状とした方が有効光束透過領域のうち、光束が透過しない部分が少なくてよいという利点がある。
さらに、前記実施形態では、液晶パネル41を用いたプロジェクタ1としたが、これに限らず、例えば、DLP(Digital Light Processor)などを用いたプロジェクタとしてもよい。この場合、非常に小さなミラーに光束を反射させて投影するため、光束の透過に伴う光の吸収ロスを抑えることができ、さらに、鮮やかな画像を投影することが可能になる。
本発明の効果を確認するために以下の実験を行った。
まず、楕円リフレクタの第二焦点距離f2を50mmと固定し、第一焦点距離f1を変え、f2/f1を1〜10に変化させて、楕円リフレクタの有効反射径を測定した。その結果を表1に示す。
Figure 2004063792
Figure 2004063792
また、表1において、f2/f1が4,5,7,10の場合に、PBSアレイ18の偏光分離膜付近の位置に形成されるアークの像を調べた結果を図5(A),(B)および図6(A),(B)に示した。図5(A)は、f2/f1が4のアークの像を示す図、図5(B)は、f2/f1が5のアークの像を示す図である。図6(A)は、f2/f1が7のアークの像を示す図、図6(B)は、f2/f1が10のアークの像を示す図である。
表1に示したとおり、f2/f1が4未満の場合には、楕円リフレクタの有効反射面径が60mm以上となってしまい、照明光学装置及びプロジェクタの小型化を図ることができないことが確認された。また、f2/f1が7を超えるものでは、楕円リフレクタの有効反射面径が小さなものとなってしまい、光量が不足することが確認された。さらに、図6(B)に示すように、f2/f1が10のものでは、アークの像が劣化しており、PBSアレイで効率的に分離できず、光の利用率が低下することがわかった。
これに対し、f2/f1が4〜7の場合には、楕円リフレクタの有効反射面径が30mm以上、50mm以下であり、充分な光量を確保でき、かつ、照明光学装置及びプロジェクタの小型化を図ることができた。また、図5(A),(B)および図5(A)に示すように、アークの像は劣化しておらず、PBSアレイで効率的に分離することができ、光の利用率の低下を防止できることが確認された。
次に、先に説明したような光源ランプ120を用いて、楕円リフレクタの第一焦点距離f1を10mmに固定し、第二焦点距離f2を変え、f2/f1を1〜10に変化させて、楕円リフレクタの有効反射面径を測定した。結果を表2に示す。
Figure 2004063792
また、図7に、表2においてf2/f1=10とした場合の光線の軌跡を示す。
表1に示したとおり、f2/f1が4未満の場合には、f2の距離が短くなり、平行化レンズと発光管とが接触する可能性があるため、小さな寸法の特殊な光源ランプを使用しなければならなかった。
f2/f1が7を超えると、図7に示されるように、光路の長さが長くなり、照明光学装置、プロジェクタの小型化を図ることが困難となった。また、図示は省略するが、f2/f1が7を超えた場合には、図6(B)に示したように、アークの像が劣化し、光の利用率が低下することがわかった。
これに対し、f2/f1が、4以上、7以下の場合には、アークの像の劣化がなく、光路の長さも適度であり、また、楕円リフレクタの有効反射面径の大きさも所定以上確保することができるため、照明光学装置及びプロジェクタの小型化、光の利用率の低下防止、所定以上の光量の確保を図ることができた。また、f2/f1が、4以上、7以下の場合には、実施形態と同様の一般的な大きさの光源ランプを使用することができ、製造コストの増加を防止できた。
本発明は、照明光学装置及びプロジェクタに関する。
従来から、プロジェクタとして、光源装置から射出された光束を、ダイクロイックミラーによりRGBの三色の色光に分離し、三枚の液晶パネル(光変調装置)によって色光毎に画像情報に応じて変調し、変調後の光束をクロスダイクロイックプリズムで合成し、投写レンズを介してカラー画像を拡大投写する、いわゆる三板式のプロジェクタが知られている。
このようなプロジェクタは、図8に示すような照明光学装置100を有している。この照明光学装置100は、光源装置110と、均一照明光学系150とを有する。
光源装置110は、放射光源としての発光管(光源ランプ12)と、楕円リフレクタ130と、平行化凹レンズ140とを有しており、光源ランプ12から射出された放射状の光線を楕円リフレクタ130で反射して射出し、平行化凹レンズ140で平行化させている。
均一照明光学系150は、楕円リフレクタ130で反射された光束を複数の部分光束に分割し、液晶パネル41の画像形成領域上に重畳させる機能を有し、光束分割光学素子(第1レンズアレイ160)と、偏光変換素子(PBSアレイ180)と、第2レンズアレイ170と、集光レンズ190とを有する(例えば、特許文献1の第12〜第13頁ならびに図14を参照)。
このような照明光学装置100では、光源ランプ12からの光束をすべて取り込むために、第1レンズアレイ160、第2レンズアレイ170、PBSアレイ180、集光レンズ190の有効光束透過領域の輪郭形状を正方形状とし、その一辺の寸法をリフレクタ130の開口部における反射面の直径の寸法(以下、これを「有効反射面径」という)とほぼ等しくしている。なお、「有効光束透過領域」とは、これらの光学要素それぞれを通過する光束のうち、光変調装置の画像形成領域(被照明領域)を通過できるものが存在する領域である。たとえば、第2レンズアレイ179、PBSアレイ180、集光レンズ190の付近では、第1レンズアレイ160によって分割された複数の部分光束の集光像(アークの像)が観察されるが、この場合の有効光束透過領域は、これらの集光像を包括するような仮想的な矩形の領域である。
これに対し、液晶パネル41の画像形成領域は、リフレクタ130の有効反射面径よりも非常に短い短辺、長辺から構成される長方形状となっているので、集光レンズ190の周縁部から射出された光の液晶パネル41への入射角度は大きなものとなる。通常、液晶パネル41はリフレクタ130やレンズ等で平行光束とされた光束が、画像形成領域に対してほぼ垂直に入射するように設定されているので、光束が画像形成領域に対し斜めに入射した場合には、投写映像のコントラストが悪化しやすく、画像の品質が低下する可能性がある。
また、近年、照明光学装置、ひいてはプロジェクタのさらなる小型化が望まれているが、楕円リフレクタを採用した場合、その大きさによっては装置が大型化してしまったり、所定以上の光量が確保しにくかったり、製造コストの増加を招いてしまったりする可能性がある。
特開2000−347293号公報
本発明は、コントラストの向上、装置の小型化、光の利用効率の向上、製造コストの増加の防止のうち、少なくとも1つの課題を解決することを目的とする。
本発明のプロジェクタは、入射光束を画像情報に応じて変調し、光学像を形成する長方形状の画像形成領域を備えた光変調装置と、発光管と、前記発光管から放射された光を反射する楕円リフレクタと、前記楕円リフレクタにより反射された光束を平行化する平行化レンズとを備えた光源装置と、複数の小レンズをマトリクス状に配列して構成され、前記光源装置から射出された光束を複数の部分光束に分割する光束分割光学素子と、この光束分割光学素子により分割された各部分光束を前記画像形成領域上に重畳させる集光レンズとを備えたプロジェクタであって、前記平行化レンズは、前記楕円リフレクタにより反射された光束の径が、前記画像形成領域の短辺寸法以上、長辺寸法以下となる位置に配置され、前記光束分割光学素子と前記集光レンズの有効光束透過領域は、辺の寸法が前記画像形成領域の短辺寸法以上、長辺寸法以下の矩形状に設定されていることを特徴とする。
本発明によれば、楕円リフレクタを使用しているので、光源ランプから放射される光線を単に反射するだけでなく、反射した光束を絞り込み、その径を小さくすることができる。そして、楕円リフレクタにより反射された光束の径が画像形成領域の短辺寸法以上、長辺寸法以下となる位置に平行化レンズを配置して、この平行化レンズよりも光路下流側に配置される光束分割光学素子と集光レンズの有効光束透過領域を、辺の寸法が画像形成領域の短辺寸法以上、長辺寸法以下の矩形状に設定する。すると、集光レンズの有効光束透過領域の辺の寸法と、画像形成領域の長辺寸法、短辺寸法との差が小さくなるので、集光レンズから射出された光線の光変調装置への入射角度を小さくすることができる。光変調装置への光線の入射角度が小さいほど、投写映像のコントラストは良くなるため、従来のプロジェクタに比べ、投写映像のコントラストを向上させることができる。
また、このように光変調装置への光線の入射角度が小さくなるので、光変調装置から射出される光線の射出角度も小さくなる。そのため、光変調装置よりも光路下流側に設けられる投写レンズのFナンバーを大きくすることができ、より解像力の高いまたは高精細な投写映像を形成することができる。
また、光束分割光学素子と集光レンズの有効光束透過領域は、辺の寸法が光変調装置の画像形成領域の短辺寸法以上、長辺寸法以下の矩形状に設定されているので、これらのサイズを従来よりもかなり小さくすることができる。従って、プロジェクタの小型化、軽量化を図ることができる。
なお、「有効光束透過領域は、辺の寸法が光変調装置の画像形成領域の短辺寸法以上、長辺寸法以下の矩形状に設定されている」とは、光束分割光学素子や集光レンズの外形が光変調装置の画像形成領域の短辺寸法以上、長辺寸法以下の矩形状に設定されていることを意味するものではない。光束分割光学素子や集光レンズの外形は、有効光束透過領域を包含できる大きさでなくてはならないが、有効光束透過領域と同形状である必要は無い。
本発明において、前記発光管は、所定距離離間して配置される一対の電極と、前記一対の電極が封入された管状部材とを備え、前記管状部材の前記電極の離間部分には膨出部が設けられ、前記膨出部のリフレクタと反対側の光束射出部には、放射光を前記楕円リフレクタに反射する反射部材が設けられていることが好ましい。
反射部材が設けられていない発光管を使用する場合には、発光管から放射される光をなるべくたくさん反射させるために、光束反射面積(有効反射面の面積)が大きな楕円リフレクタを使用する必要がある。リフレクタによって反射されることなく放射された光は、有効に利用することができないからである。これに対し、発光管の膨出部のリフレクタと反対側の光束射出部に反射部材を設ければ、発光管から楕円リフレクタの開口側に射出される光を、この反射部材によって楕円リフレクタ側に反射することが可能となる。そのため、光束反射面積が大きな楕円リフレクタを使わなくても、発光管から放射される光束の損失を防ぎ、光の利用効率を向上させることが可能である。
また、光束反射面積が大きな楕円リフレクタを使用する場合には、楕円リフレクタにより反射された光束の径が画像形成領域の短辺寸法以上、長辺寸法以下となる位置が光源ランプから遠くなるので、光源ランプと平行化レンズとの距離を大きくとる必要がある。また、このように光源ランプからの距離を大きくとった場合には平行化レンズの倍率を大きなものにする必要がある。これに対し、発光管の膨出部のリフレクタと反対側の光束射出部に反射部材を設ければ、楕円リフレクタの大きさを小さくできるので、楕円リフレクタにより反射された光束の径が画像形成領域の短辺寸法以上、長辺寸法以下となる位置が光源ランプに近くなる。そのため、平行化レンズを光源ランプに接近させることが可能となり、プロジェクタの小型化を図ることができる。また、平行化レンズを光源ランプに接近させることができるので、平行化レンズの倍率を小さくすることができる。
更に、上記反射部材は、前記膨出部に蒸着形成された金属膜であることが好ましい。このようにすれば、発光管から放射された光を確実に楕円リフレクタに反射させることができる。従って、発光管から放射された光が楕円リフレクタに反射されずに射出されてしまうことを防止でき、光の利用効率をより高めることが可能となる。
また、本発明において、前記平行化レンズは、有効光束透過領域の入射側及び/又は射出側が非球面とされた平行化凹レンズであることが好ましい。球面の平行化凹レンズを使用した場合には、球面収差が生じるため、中心部の平行度は高いものの、周辺部の平行度がよくないことがある。これに対し、平行化凹レンズの入射側及び/又は射出側を非球面とすれば、射出される光束の平行度を向上させることができる。
また、この平行化凹レンズは、(1)有効光束透過領域の入射側が双曲面形状を有する非球面であり、射出側が平面であるもの、(2)有効光束透過領域の入射側が平面であり、前記射出側が楕円面を有する非球面であるもの、(3)有効光束透過領域の入射側が球面であり、前記射出側が双曲面形状を有する非球面であるもの、のうち、何れかであることが好ましい。(1)の場合には、光束は平行化凹レンズの有効光束透過領域の入射側で平行化され、射出側では屈折作用を受けないようにすることができる。従って、より平行度の高い射出光束を得ることができる。また、射出側は平面であるため、平行化凹レンズの作成を比較的安価に行うことができる。(2)の場合には、射出される光束の径を小さくすることができる。また、有効光束透過領域の射出側を非球面としているので射出される光束の面内照度のばらつきを比較的小さくすることができる。(3)の場合には、(2)と同様の効果を奏することができるほか、有効光束透過領域の入射側を球面としているので、入射側において光が屈折を受けないようにすることができ、より平行度の高い射出光束を得ることができる。
また、本発明において、前記集光レンズは、前記有効光束透過領域の入射側が平面であり、射出側が双曲面形状を有する非球面であることが好ましい。このようにすれば、前記有効光束透過領域の射出側を非球面としているので射出される光束の収差を小さくすることができる。従って、光変調装置の画像形成領域に確実に光束を入射させることができる。
また、本発明において、前記光源装置と前記集光レンズとの間には、入射光束の偏光方向を揃える偏光変換素子を備え、前記偏光変換素子は、前記光源装置から射出された光を2種類の偏光成分を有する光に分離する偏光分離膜と、前記2種類の偏光成分を有する光の偏光方向を揃える水晶又は雲母製の位相差板と、を有していることが好ましい。本発明によれば、前述したように、光束分割光学素子や集光レンズのサイズを、従来よりもかなり小さくすることができる。一方、これらの小型化により光束密度は高くなり、単位面積あたりの光量は増えることになる。偏光変換素子には一般的に樹脂を用いた位相差板が用いられるが、単位面積あたりの光量が増えると、樹脂では耐熱性が充分でなくなる可能性がある。そこで、水晶又は雲母製の位相差板を用いれば、位相差板の耐熱性を向上させることができる。
次に、第2の発明は、所定距離離間して配置される一対の電極が封入されるとともに、前記一対の電極の離間部分に膨出部が設けられた管状部材を有する発光管と、前記膨出部のリフレクタと反対側の光束射出部に設けられた反射部材と、前記発光管から放射された光を反射する楕円リフレクタと、前記楕円リフレクタにより反射された光束を平行化する平行化レンズと、を備えた光源装置と、前記光源装置から射出された光束を複数の部分光束に分割する光束分割光学素子と、前記光束分割光学素子により分割された各部分光束を前記光変調装置の画像形成領域上に重畳させる集光レンズと、を備えた照明光学装置であって、前記楕円リフレクタの第一焦点距離をf1、第二焦点距離をf2とした場合に、4≦f2/f1≦7であることを特徴とする。
通常、発光管は、発光部の中心(アーク中心)が楕円リフレクタの第一焦点とほぼ一致するように配置される。一方、平行化レンズは、楕円リフレクタにより反射された光束を平行化できる位置、例えば、光束入射面が凹面とされたレンズであれば、楕円リフレクタの第二焦点と、平行化レンズの焦点とがほぼ一致する位置に設置される。
楕円リフレクタの第一焦点距離f1、第二焦点距離f2との比、f2/f1を4未満とすると、第一焦点距離f1、すなわち、楕円リフレクタから発光管のアーク中心までの距離が長くなる場合があり、この場合には、光束反射面積(有効反射面の面積)の大きな大型の楕円リフレクタを使用しなければならない。そのため、装置の小型化が困難となる。
また、f1、f2の距離を小さくして、f2/f1を4未満とすることも考えられるが、この場合には、f2の距離が小さくなるので、汎用の発光管を使用した場合、平行化レンズと、発光管が干渉する虞がある。そのため小さな寸法の特殊な発光管を用意しなければならず、製造コストが増加するという問題が生じる。
さらに、f2/f1が7を超えると、第二焦点距離f2が長くなる場合があり、これに伴って、楕円リフレクタから平行化レンズまでの光路の長さが長くなる。そのため、照明光学装置の小型化を図ることが困難となる。さらに、アークの像が大きくなり過ぎたり、歪んでしまったりして、光の利用率が低下する可能性がある(以下、この現象を「アークの像の劣化」という)。つまり、例えば光束分割素子よりも光路下流側にレンズアレイやPBSアレイが配置される場合、アークの像が劣化してしまうと、レンズアレイの各レンズの内部にアークの像が収まりきらなかったり、PBSアレイの各アレイの内部にアークの像が収まりきらなかったりして、光の利用効率が低下する可能性がある。レンズアレイの各レンズやPBSアレイの各アレイの内部に収まりきらなかったアークの像は、照明光として有効利用することができないためである。
また、f1を小さな値としてf2/f1が7を超えるものとした場合には、楕円リフレクタと発光管との距離が近接するため、楕円リフレクタの光束反射面積が小さくなる。そのため、平行化レンズ等の透過光束領域が必要以上に狭くなり、光量が不足する可能性がある。
これに対し、第2の発明では、f2/f1を4以上、7以下としているので、上述した問題が発生せず、光の利用率の低下を防ぎ、所定以上の光量を確保することができる。
また、第二の発明によれば、発光管の膨出部のリフレクタと反対側の光束射出部には反射部材が設けられているので、発光管から楕円リフレクタの開口側に射出される光を、この反射部材によって楕円リフレクタ側に反射することが可能となる。反射部材が設けられていない発光管を使用する場合には、発光管から放射される光束をなるべくたくさん反射させるために、光束反射面積(有効反射面の面積)が大きな楕円リフレクタを使用する必要がある。これに対し、発光管の膨出部のリフレクタと反対側の光束射出部に反射部材を設ければ、発光管から楕円リフレクタの開口側に射出される光を楕円リフレクタ側に反射させることができるため、光束反射面積が大きな楕円リフレクタを使わなくても、発光管から放射される光束の損失を防ぎ、光の利用効率を向上させることが可能である。
第2の発明では、被照明領域が長方形状であり、前記平行化レンズは、前記楕円リフレクタにより反射された光束の径が、前記被照明領域の短辺寸法以上、長辺寸法以下となる位置に配置され、前記光束分割光学素子と前記集光レンズの有効光束透過領域は、辺の寸法が前記被照明領域の短辺寸法以上、長辺寸法以下の矩形状に設定されていることが好ましい。
第2の発明によれば、楕円リフレクタを使用しているので、光源ランプから放射される光線を単に反射させるだけでなく、反射した光束を絞り込み、その径を小さくすることができる。そして、楕円リフレクタにより反射された光束の径が被照明領域の短辺寸法以上、長辺寸法以下となる位置に平行化レンズを配置して、この平行化レンズよりも光路下流側に配置される光束分割光学素子と集光レンズの有効光束透過領域を、辺の寸法が被照明領域の短辺寸法以上、長辺寸法以下の矩形状に設定することができる。すると、集光レンズの有効光束透過領域の辺の寸法と、被照明領域の長辺寸法、短辺寸法との差が小さくなるので、集光レンズから射出された光線の被照明領域への入射角度を小さくすることができる。
第2の発明にかかる照明装置を、光変調装置を備えたプロジェクタに採用した場合には、被照明領域に相当する光変調装置の画像形成領域への光線の入射角度が小さいほど、投写映像のコントラストは良くなるため、投写映像のコントラストを向上させることができる。また、このように光変調装置への光線の入射角度が小さくなるので、光変調装置から射出される光線の射出角度も小さくなる。そのため、光変調装置よりも光路下流側に設けられる投写レンズのFナンバーを大きくすることができ、より解像力の高いまたは高精細な投写映像を形成することができる。
また、光束分割光学素子と集光レンズの有効光束透過領域は、辺の長さが被照明領域の短辺寸法以上、長辺寸法以下の矩形状に設定されているので、これらのサイズを従来よりもかなり小さくすることができる。従って、照明光学装置の小型化、軽量化、ひいてはプロジェクタの小型化、軽量化を図ることができる。
なお、「有効光束透過領域は、辺の寸法が被照明領域の短辺寸法以上、長辺寸法以下の矩形状に設定されている」とは、光束分割光学素子や集光レンズの外形が被照明領域の短辺寸法以上、長辺寸法以下の矩形状に設定されていることを意味するものではない。平行化レンズ、光束分割光学素子、集光レンズの外形は、有効光束透過領域を包含できる大きさでなくてはならないが、有効光束透過領域と同形状である必要は無い。
第2の発明において、前記平行化レンズは、光束入射面、射出面のいずれか一方が非球面とされた凹レンズであることが好ましい。球面の平行化凹レンズを使用した場合には、球面収差が生じるため、中心部の平行度は高いものの、周辺部の平行度がよくないことがある。これに対し、平行化凹レンズの入射側又は射出側を非球面とすれば、射出される光束の平行度を向上させることができる。
第2の発明において、前記楕円リフレクタの第一焦点距離f1は、5mm以上であることが好ましい。発光管の膨出部の径は、一般的に約9mm(半径約4.5mm)程度となっている。そして、この膨出部の内部に形成される発光部の中心(アーク中心)と楕円リフレクタの第一焦点とがほぼ一致するように発光管が配置されるため、第一焦点距離f1が5mm未満の場合には、楕円リフレクタに膨出部が接触する虞があり、好ましくない。これに対し、第一焦点距離を5mm以上とすれば、膨出部と楕円リフレクタとの接触を防止することができる。
第2の発明において、前記楕円リフレクタの第二焦点距離f2は50mm以上であることが好ましい。発光管の管状部材は、膨出部の中心部から先端までの長さ寸法が一般的に約20〜35mm程度となっている。そのため、第二焦点距離f2が50mm未満の場合には、発光管の管状部材と、平行化レンズとが接触する可能性がある。これに対し、第二焦点距離f2を50mm以上とすれば、このような問題が生じない。
第2の発明において、楕円リフレクタの有効反射面径は、30mm以上、50mm以下であることが好ましい。有効反射面径が50mmを超えるものは、大きすぎて照明光学装置の小型化を図ることが困難となる虞がある。また、有効反射面径が30mm未満の場合には、光束を反射する面積が小さくなりすぎて、平行化レンズ等の透過光束領域が狭くなり、光量が不足する可能性がある。これに対し、楕円リフレクタの有効反射面径を、30mm以上、50mm以下とすれば、このような問題が生じない。
第2の発明では、前記照明光軸の射出光束基端側部分と、前記発光管から射出される光束がなす最大の角度をθとすると、θが105°以下であることが好ましい。このようにすれば、発光管から広範囲に光が射出されず、この光を反射する楕円リフレクタの有効反射面径を小さくすることができる。
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
図1には、本発明の実施形態に係るプロジェクタ1の光学系の構造を表す模式図が示されている。このプロジェクタ1は、インテグレータ照明光学系(照明光学装置)10、色分離光学系20、リレー光学系30、光学装置40、色合成光学系であるクロスダイクロイックプリズム60、および投写光学系である投写レンズ70を備えている。
前記照明光学装置10は、光源装置11および均一照明光学系15を備え、光源装置11は、光源ランプ12(発光管)と、光源ランプ12から射出された光を反射する楕円リフレクタ13と、平行化凹レンズ14とを備えている。
均一照明光学系15は、光源装置11から射出された光束を複数の部分光束に分割するとともに、各部分光束の偏光方向を、P偏光光束あるいはS偏光光束に揃えるものであり、光束分割素子である第1レンズアレイ16、集光レンズである第2レンズアレイ17、偏光変換素子であるPBSアレイ18、および集光レンズである集光レンズ19を含んで構成されている。
なお、照明光学装置10についての詳細は、後述する。
色分離光学系20は、2枚のダイクロイックミラー21,22と、反射ミラー23とを備え、ダイクロイックミラー21、22により照明光学装置10から射出された複数の部分光束を赤(R)、緑(G)、青(B)の3色の色光に分離する機能を有している。
リレー光学系30は、入射側レンズ31と、リレーレンズ33と、反射ミラー32、34とを備え、色分離光学系20で分離された色光である赤色光を液晶パネル41Rまで導く機能を有している。
この際、色分離光学系20のダイクロイックミラー21では、照明光学装置10から射出された光束のうち、赤色光と緑色光を透過し、青色光を反射する。ダイクロイックミラー21によって反射した青色光は、反射ミラー23で反射し、フィールドレンズ44を通って、青色用の液晶パネル41Bに到達する。このフィールドレンズ44は、第2レンズアレイ17から射出された各部分光束をその中心軸(主光線)に対して平行な光束に変換する。他の液晶パネル41G、41Rの光束入射側に設けられたフィールドレンズ44も同様である。
また、ダイクロイックミラー21を透過した赤色光と緑色光のうちで、緑色光は、ダイクロイックミラー22によって反射し、フィールドレンズ44を通って、緑色用の液晶パネル41Gに到達する。一方、赤色光は、ダイクロイックミラー22を透過してリレー光学系30を通り、さらにフィールドレンズ44を通って、赤色光用の液晶パネル41Rに到達する。
なお、赤色光にリレー光学系30が用いられているのは、赤色光の光路の長さが他の色光の光路の長さよりも長いため、光の発散等による光の利用効率の低下を防止するためである。すなわち、入射側レンズ31に入射した部分光束をそのまま、フィールドレンズ44に伝えるためである。なお、リレー光学系30には、3つの色光のうちの赤色光を通す構成としたが、これに限らず、例えば、青色光を通す構成としてもよい。
光学装置40は、入射された光束を画像情報に応じて変調してカラー画像を形成するものであり、色分離光学系20で分離された各色光が入射される3つの入射側偏光板(図示略)と、入射側偏光板の入射側に配置されるフィールドレンズ44と、各入射側偏光板の光束射出側に配置される光変調装置としての液晶パネル41R,41G,41Bと、各液晶パネル41R,41G,41Bの光束射出側に配置される射出側偏光板(図示略)と、色合成光学系としてのクロスダイクロイックプリズム60とを備える。
液晶パネル41R,41G,41Bは、一対の透明なガラス基板間に電気光学物質である液晶を密閉封入したものであり、例えば、ポリシリコンTFTをスイッチング素子として、与えられた画像信号に従って、入射側偏光板から射出された偏光光束の偏光方向を変調する。この液晶パネル41R,41G,41Bの画像形成領域は長方形状である。
入射側偏光板は、色分離光学系20で分離された各色光のうち、一定方向の偏光光束のみ透過させ、その他の光束を吸収する光学変換素子である。また、射出側偏光板も、液晶パネル41(41R,41G,41B)から射出された光束のうち、所定方向の偏光光束のみ透過させ、その他の光束を吸収するものである。
フィールドレンズ44は、照明光学装置10の集光レンズ19で絞り込まれた射出光束を照明光軸に対して平行にするための光学素子である。
クロスダイクロイックプリズム60は、射出側偏光板から射出され、各色光毎に変調された光学像を合成してカラー画像を形成するものである。
クロスダイクロイックプリズム60には、赤色光を反射する誘電体多層膜と青色光を反射する誘電体多層膜とが、4つの直角プリズムの界面に沿ってほぼX字状に設けられ、これらの誘電体多層膜により3つの色光が合成される。
図2も参照して照明光学装置10について詳細に説明する。図2は照明光学装置10と液晶パネル41との関係を示す模式図である。
前述したように照明光学装置10は光源装置11および均一照明光学系15を備えている。光源装置11は、光源ランプ12と、楕円リフレクタ13と、平行化凹レンズ14とを備えている。
光源ランプ12は、図示しないが、所定距離離間して配置される一対の電極と、この電極が封入された管状部材120とを備えている。管状部材120は、電極の離間部分において外側に膨出した膨出部122を有している。膨出部の内部にはガスが封入されており、一対の電極間に電圧を印加すると放電が発生して発光部(アーク)が形成される。このような光源ランプ12の発光部の中心(アーク中心)から管状部材120の先端までの長さ寸法L1は、20〜35mm程度(すなわち、管状部材120の全長は40〜70mm程度となる)であり、膨出部122の径は、9mm程度である。そして、膨出部122のリフレクタ13と反対側の光束射出部(平行化凹レンズ14側)には反射部材121が設けられている。光源ランプ12の配光角θは、例えば、100〜105°となっている。なお、この配光角θは、照明光軸aの射出光束基端側部分と、光源ランプ12から射出される光束がなす最大の角度である。
反射部材121は膨出部122の平行化凹レンズ14側から放射される光束を楕円リフレクタ13に反射するものである。反射部材121は、例えば、五酸化タンタルの単層膜、或いは二酸化珪素の多層膜を膨出部のリフレクタと反対側の光束射出部面に直接蒸着したものである。反射部材121は、このような多層膜を蒸着した第二反射鏡を発光管に取り付けることによって構成しても良い。
なお、このような光源ランプ12としては、メタルハライドランプ、高圧水銀ランプ等を使用することができる。
楕円リフレクタ13は、光源ランプ12から射出された光を反射するものであり、その有効反射面径は、30mm以上、50mm以下である。また、この楕円リフレクタ13の第一焦点距離をf1、第二焦点距離をf2とした場合、f1は5mm以上、f2は50mm以上であり、かつ、f2/f1は、4以上、7以下である。本実施形態では、例えば、f1=7.1mm、f2=50mmであり、f2/f1は7、楕円リフレクタ13の有効反射面径は30mmとなっている。
なお、前述した光源ランプ12は、アーク中心が楕円リフレクタ13の第一焦点の位置とほぼ一致するように配置されている。 平行化凹レンズ14は、楕円リフレクタ13により反射された光束を平行化するものである。この平行化凹レンズ14の有効光束透過領域の入射側は双曲面形状を有する非球面であり、射出側は平面となっている。平行化凹レンズ14は、楕円リフレクタ13により反射された光束の径が液晶パネル41の画像形成領域の短辺寸法以上、長辺寸法以下となる位置であり、かつ、その焦点が、楕円リフレクタ13の第二焦点とほぼ一致する位置に配置されている。
均一照明光学系15は、第1レンズアレイ16、第2レンズアレイ17、PBSアレイ18、および集光レンズ19を有している。
第1レンズアレイ16は、光源装置11から射出された光束を複数の部分光束に分割する光束分割光学素子としての機能を有し、照明光軸aと直交する面内にマトリクス状に配列される複数のレンズを備えて構成され、各レンズの縦横比は、後述する光学装置40を構成する液晶パネル41R、41G、41Bの画像形成領域の縦横比と対応している。
第2レンズアレイ17は、前述の第1レンズアレイ16により分割された部分光束を集光する集光レンズであり、第1レンズアレイ16と同様に照明光軸aに直交する面内にマトリクス状に配列される複数のレンズを備えている。各レンズの配列は、第1レンズアレイ16を構成するレンズと対応しているが、その大きさは、第1レンズアレイ16のように液晶パネル41R、41G、41Bの画像形成領域の縦横比と対応する必要はない。
偏光変換素子としてのPBSアレイ18は、第1レンズアレイ16により分割された各部分光束の偏光方向を一方向に揃える光学素子である。このPBSアレイ18は、図示しないが、偏光方向の異なる2種類のP偏光光束およびS偏光光束のうち、一方の偏光光束を透過させ、他方の偏光光束を反射して両偏光光束に分離する偏光分離膜と、この偏光分離膜で反射した他方の偏光光束の進行方向を折り曲げて、透過した一方の偏光光束の出射方向に揃える反射ミラーと、2種類の偏光光束の偏光方向を揃える位相差板とを含んで構成される。この位相差板は、耐熱性を考慮すると水晶又は雲母製であることが好ましいが、樹脂製であっても良い。
このようなPBSアレイ18を採用することで、光源ランプ12から射出される光束を一方向の偏光光束のみに揃えることができるため、光源光の利用効率を向上させることができる。
集光レンズ19は、第1レンズアレイ16、第2レンズアレイ17、およびPBSアレイ18を経た複数の部分光束を集光して、液晶パネル41R、41G、41Bの画像形成領域上に重畳させる機能を有するレンズである。この集光レンズ19は有効光束透過領域の入射側が平面であり、射出側が双曲面形状を有する非球面となっている。
次に、図3と図4(A)〜(D)を参照して、照明光学装置10の詳細な構成について説明する。図3は、f1=7.1mm、f2=50mmとした場合(f2/f1=7)の光線の軌跡を示した図である。また、図4(A)〜(D)は、それぞれ、平行化レンズ14、第1レンズアレイ16、第2レンズアレイ17、PBSアレイ18、集光レンズ19の構成を説明するための図である。
照明光学装置10において、光源ランプ12を点灯させると、光が放射され、この光は楕円リフレクタ13により反射される。楕円リフレクタ13は、光源ランプ12から放射される光を単に反射するだけでなく、反射した光束を絞り込み、その径を小さくする。楕円リフレクタ13により反射された光は平行化凹レンズ14に入射され、平行化される。
平行化凹レンズ14は、前述したように、また図4(A)に示すように、楕円リフレクタ13により反射された光束13Aの径L13が液晶パネル41の画像形成領域41Aの短辺寸法L1以上、長辺寸法L2以下となる位置に配置されている。よって、平行化凹レンズ14から射出される光束13Bの径L13は、液晶パネル41の画像形成領域41Aの短辺寸法L1以上、長辺寸法L2以下となる。
平行化レンズ14によって平行化された光は、第1レンズアレイ16、第2レンズアレイ17、およびPBSアレイ18、集光レンズ19を順に通過する。図4(B)に示すように、第1レンズアレイ16の有効光束透過領域16A(図中斜線部で示した領域)の辺の寸法L16は、画像形成領域41Aの短辺寸法L1以上、長辺寸法L2以下である。図4(C)に示すように、第2レンズアレイ17とPBSアレイ18の有効光束透過領域17A,18A(図中斜線部で示した領域)の辺の寸法L17,L18も、画像形成領域41Aの短辺寸法L1以上、長辺寸法L2以下である。さらに、図4(D)に示すように、集光レンズ19の有効光束透過領域19Aの辺の寸法L19も、画像形成領域41Aの短辺寸法L1以上、長辺寸法L2以下である。なお図4(C)には、第2レンズアレイ17の付近で観察される複数のアークの像17Cが示されている。有効光束透過領域17Aは、これら複数のアークの像を包括するような仮想的な矩形の領域である。有効光束透過領域18A,19Aに関しても同様である。
図4(D)からわかるように、集光レンズ19の有効光束透過領域19Aの辺の寸法L19と、画像形成領域41Aの長辺寸法、短辺寸法との差は、極めて小さい。また、図3に示したとおり、集光レンズ19から射出された光線は、液晶パネル41の画像形成領域にほぼ垂直に入射しており、液晶パネル41への光線の入射角度が小さいことがわかる。
すなわち、本実施形態によれば、以下の効果を奏することができる。
楕円リフレクタ13を使用しているので、光源ランプ12から放射される光を単に反射するだけでなく、反射した光束を絞り込み、その径を小さくすることができる。
そして、楕円リフレクタ13により反射された光束の径が液晶パネル41の画像形成領域の短辺寸法以上、長辺寸法以下となる位置に平行化凹レンズ14を配置して、これよりも光路下流側に配置される第1レンズアレイ16、第2レンズアレイ17、PBSアレイ18、集光レンズ19の有効光束透過領域の辺の寸法を、画像形成領域の短辺寸法以上、長辺寸法以下の矩形状に設定している。すると、集光レンズ19の有効光束透過領域の辺の寸法と、液晶パネル41の画像形成領域の長辺、短辺寸法との差が小さくなるため、集光レンズ19から射出される光線は液晶パネル41の画像形成領域へほぼ垂直に入射することとなる。つまり、光変調装置への光線の入射角度をより小さくすることができる。液晶パネル41へ入射する光線の入射角度が小さいほど、投写映像のコントラストは良くなるため、投写映像のコントラストを向上させることができる。
また、このように液晶パネル41への光線の入射角度が小さくなるので、液晶パネル41から射出される光線の射出角度も小さくなる。そのため、投写レンズ70のFナンバーを大きくすることができ、より解像力の高いまたは高精細な投写映像を形成することができる。
さらに、第1レンズアレイ16、第2レンズアレイ17、およびPBSアレイ18、集光レンズ19の有効光束透過領域の辺の寸法が、液晶パネル41の画像形成領域の短辺寸法以上、長辺寸法以下である。従って、これらの光学要素16,17,18,19のサイズは、楕円リフレクタ13の有効反射面径とほぼ同じ寸法の有効光束透過領域を有する従来の光束分割光学素子等よりもかなり小さくすることができる。そのため、照明光学装置10、ひいてはプロジェクタの小型化、軽量化を図ることができる。
また、光源ランプ12の膨出部122のリフレクタ13と反対側の光束射出部には反射部材121が設けられている。反射部材121が設けられていない光源ランプ12を使用する場合には、光源ランプ12から放射される光をなるべくたくさん反射させるために、光束反射面積(有効反射面の面積)が大きな楕円リフレクタを使用する必要がある。リフレクタによって反射されることなく放射された光は、有効に利用することができないからである。これに対し、本実施形態では、反射部材121が設けられているので、光源ランプ12から楕円リフレクタの開口側に射出される光を、反射部材121によって楕円リフレクタ13側に反射することが可能となる。そのため、光束反射面積が大きな楕円リフレクタを使わなくても、光源ランプ12から放射される光の損失を防ぎ、光の利用効率を向上させることが可能である。
また、光束反射面積が大きな楕円リフレクタを使用する場合には、楕円リフレクタにより反射された光束の径が画像形成領域の短辺寸法以上、長辺寸法以下となる位置が光源ランプ12から遠くなるので、光源ランプ12と平行化レンズ14との距離を大きくとる必要がある。また、このように光源ランプからの距離を大きくとった場合には、平行化レンズの倍率を大きなものにする必要がある。これに対し、反射部材121を設ければ、楕円リフレクタ13により反射された光束の径が画像形成領域の短辺寸法以上、長辺寸法以下となる位置が光源ランプ12に近くなる。そのため、平行化レンズ14を光源ランプに接近させることが可能となり、プロジェクタの小型化を図ることができる。また、平行化レンズを光源ランプに接近させることができるので、平行化レンズの倍率を小さくすることができる。
さらに、通常、光源ランプ12は、そのアーク中心が楕円リフレクタ13の第一焦点とほぼ一致するように配置される。一方、平行化凹レンズ14は、楕円リフレクタにより反射された光束を平行化できる位置、例えば、光束入射面が凹面とされたレンズであれば、楕円リフレクタの第二焦点と、平行化レンズの焦点とがほぼ一致する位置に設置される。
楕円リフレクタ13の第一焦点距離f1、第二焦点距離f2との比、f2/f1を4未満とすると、第一焦点距離f1、すなわち、楕円リフレクタ13から光源ランプ12のアーク中心までの距離が長くなる場合があり、この場合には、光束反射面積(有効反射面の面積)の大きな大型の楕円リフレクタを使用しなければならない。そのため、照明光学装置、さらにはプロジェクタの小型化が困難となる。
また、f1、f2の距離を小さくして、f2/f1を4未満とすることも考えられるが、この場合には、f2の距離が小さくなるので、一般的な光源ランプを使用した場合、平行化凹レンズと、光源ランプが干渉する虞がある。そのため小さな寸法の特殊な光源ランプを用意しなければならず、製造コストが増加するという問題が生じる。
さらに、f2/f1が7を超えると、第二焦点距離f2が長くなる場合があり、これに伴って、楕円リフレクタ13から平行化凹レンズ14までの光路の長さが長くなる。そのため、照明光学装置の小型化を図ることが困難となる上、アークの像に劣化が生じて光の利用率が低下する可能性がある。また、f1を小さな値としてf2/f1が7を超えるものとした場合には、楕円リフレクタ13と発光管12のアーク中心との距離が近接するため、楕円リフレクタ13の光束を反射する面積が小さくなる。そのため、平行化凹レンズ14等の透過光束領域が必要以上に狭くなり、光量が不足する可能性がある。
これに対し、本実施形態は、f2/f1を4以上、7以下としているので、上述した問題が発生せず、照明光学装置10、プロジェクタ1の製造コストの増加防止、さらなる小型化、光の利用率の低下防止、所定以上の光量の確保を図ることができる。
平行化凹レンズ14の有効光束透過領域の入射側を、双曲面形状を有する非球面としているので、光束は入射側で平行化され、射出側では屈折作用を受けないようにすることができる。従って、より平高度の高い射出光束を得ることができる。また、射出側は平面であるため、平行化凹レンズ14の作成を比較的安価に行うことができる。
さらに、集光レンズ19の有効光束透過領域の射出側を非球面としているので射出される光束の収差を小さくすることができる。従って、液晶パネル41の画像形成領域に確実に光束を入射させることができる。また、有効光束透過領域の入射側が平面であるため、集光レンズ19の作成を容易に行うことができる。
また、本実施形態では、前述したように平行化凹レンズ14や、第1レンズアレイ16等の有効光束透過領域を小さくしたので、光束密度が高くなっている。そのため、PBSアレイの位相差板の耐熱性を向上させる必要がある。本実施形態で、この位相差板を水晶又は雲母製とすれば、樹脂製の位相差板に比べ、耐熱性を向上させることができる。
光源ランプ12の膨出部122の径は一般的に約9mm(半径約4.5mm)程度となっている。この膨出部122のアーク中心と楕円リフレクタ13の第一焦点とがほぼ一致するように光源ランプ12が配置されるため、第一焦点距離f1が5mm未満の場合には、楕円リフレクタ13に膨出部122が接触する虞があり、好ましくない。本実施形態では、第一焦点距離を5mm以上としているので、膨出部122と楕円リフレクタ13の接触を防止することができる。
光源ランプ12の管状部材120は、膨出部122の中心部から先端までの長さ寸法L1が約20〜35mm程度となっている。そのため、第二焦点距離f2が50mm未満の場合には、光源ランプ12の管状部材120と、平行化凹レンズ14とが接触する可能性がある。これに対し、本実施形態では、第二焦点距離f2を50mm以上としているので、このような問題が生じない。
楕円リフレクタの有効反射面径が50mmを超えるものは、大きすぎて照明光学装置の小型化を図ることが困難となる虞がある。また、有効反射面径が30mm未満の場合には、光束を反射する面積が小さくなりすぎて、平行化凹レンズ14等の有効光束透過領域が狭くなりすぎ、光量が不足する可能性がある。本実施形態では、楕円リフレクタ13の有効反射面径は、30mm以上、50mm以下としているので、このような問題が生じない。
さらに、光源ランプ12の配光角θが100〜105°であるため、光源ランプ12から広範囲に光が射出されず、この光を反射する楕円リフレクタ13を小さな径のものとすることができる。
なお、本発明は前述の実施形態に限定されるものではなく、本発明の目的を達成できる範囲での変形、改良等は本発明に含まれるものである。
例えば、前記実施形態では、平行化凹レンズ14は、有効光束透過領域の入射側が双曲面形状を有する非球面であり、射出側が平面であるとしたが、これには限られず、入射側が平面であり、射出側が楕円面を有する非球面であるものや、入射側は球面であり、射出側は双曲面形状を有する非球面であるものであってもよい。
前者の場合には、射出側を非球面としているので射出される光束の径を小さくすることができる。また、射出側を非球面としているので射出される光束の面内照度のばらつきを比較的小さくすることができる。
後者の場合には、前者と同様の効果を奏することができるうえ、入射側を球面としているので、入射側において光が屈折を受けないようにすることができ、より平行度の高い射出光束を得ることができる。
さらに、平行化凹レンズは、非球面を有さず、球面のみを有するものとしてもよい。この場合には、球面収差が生じ、平行度が悪くなる可能性があるが、球面を形成すればよいので、非球面を形成する場合に比べ、製造が容易となるという利点がある。
また、平行化レンズは凹レンズに限らず、凸レンズであってもよい。例えば、光束入射面を非球面の凸面とし、光束射出面を平面とする平行化レンズが挙げられる。この場合には、楕円リフレクタにより反射された光束の径が液晶パネルの画像形成領域の短辺寸法以上、長辺寸法以下となる位置であり、かつ、楕円リフレクタの第二焦点で集光した光が発散する位置に平行化レンズを配置することが好ましい。
前記実施形態では、光源ランプ12の配光角θを100〜105°としたが、この範囲には限られず、例えば90°であってもよい。
さらに、前記実施形態では、楕円リフレクタ13の第一焦点距離f1を5mm以上、第二焦点距離f2を50mm以上としたが、これに限られず、第一焦点距離f1を5mm未満、第二焦点距離f2を50mm未満としてもよい。この場合には、照明光学装置のより一層の小型化を図ることができる。ただし、楕円リフレクタ13と光源ランプ12の膨出部122とが干渉しないように、また、光源ランプ12と平行化凹レンズ14とが干渉しないように注意する必要がある。
また、前記実施形態では、第1レンズアレイ16、第2レンズアレイ17、およびPBSアレイ18、集光レンズ19の有効光束透過領域を略正方形状としたが、これには限られず、辺の長さが液晶パネル41の画像形成領域の短辺寸法以上、長辺寸法以下である長方形状であってもよい。ただし、光束は円形状の断面を有しているので、前記実施形態のように正方形状とした方が有効光束透過領域のうち、光束が透過しない部分が少なくてよいという利点がある。
さらに、前記実施形態では、液晶パネル41を用いたプロジェクタ1としたが、これに限らず、例えば、DLP(Digital Light Processor)などを用いたプロジェクタとしてもよい。この場合、非常に小さなミラーに光束を反射させて投影するため、光束の透過に伴う光の吸収ロスを抑えることができ、さらに、鮮やかな画像を投影することが可能になる。
本発明の効果を確認するために以下の実験を行った。
まず、楕円リフレクタの第二焦点距離f2を50mmと固定し、第一焦点距離f1を変え、f2/f1を1〜10に変化させて、楕円リフレクタの有効反射径を測定した。その結果を表1に示す。
Figure 2004063792
また、表1において、f2/f1が4,5,7,10の場合に、PBSアレイ18の偏光分離膜付近の位置に形成されるアークの像を調べた結果を図5(A),(B)および図6(A),(B)に示した。図5(A)は、f2/f1が4のアークの像を示す図、図5(B)は、f2/f1が5のアークの像を示す図である。図6(A)は、f2/f1が7のアークの像を示す図、図6(B)は、f2/f1が10のアークの像を示す図である。
表1に示したとおり、f2/f1が4未満の場合には、楕円リフレクタの有効反射面径が60mm以上となってしまい、照明光学装置及びプロジェクタの小型化を図ることができないことが確認された。また、f2/f1が7を超えるものでは、楕円リフレクタの有効反射面径が小さなものとなってしまい、光量が不足することが確認された。さらに、図6(B)に示すように、f2/f1が10のものでは、アークの像が劣化しており、PBSアレイで効率的に分離できず、光の利用率が低下することがわかった。
これに対し、f2/f1が4〜7の場合には、楕円リフレクタの有効反射面径が30mm以上、50mm以下であり、充分な光量を確保でき、かつ、照明光学装置及びプロジェクタの小型化を図ることができた。また、図5(A),(B)および図6(A)に示すように、アークの像は劣化しておらず、PBSアレイで効率的に分離することができ、光の利用率の低下を防止できることが確認された。
次に、先に説明したような光源ランプ120を用いて、楕円リフレクタの第一焦点距離f1を10mmに固定し、第二焦点距離f2を変え、f2/f1を1〜10に変化させて、楕円リフレクタの有効反射面径を測定した。結果を表2に示す。
Figure 2004063792
また、図7に、表2においてf2/f1=10とした場合の光線の軌跡を示す。
表1に示したとおり、f2/f1が4未満の場合には、f2の距離が短くなり、平行化レンズと発光管とが接触する可能性があるため、小さな寸法の特殊な光源ランプを使用しなければならなかった。
f2/f1が7を超えると、図7に示されるように、光路の長さが長くなり、照明光学装置、プロジェクタの小型化を図ることが困難となった。また、図示は省略するが、f2/f1が7を超えた場合には、図6(B)に示したように、アークの像が劣化し、光の利用率が低下することがわかった。
これに対し、f2/f1が、4以上、7以下の場合には、アークの像の劣化がなく、光路の長さも適度であり、また、楕円リフレクタの有効反射面径の大きさも所定以上確保することができるため、照明光学装置及びプロジェクタの小型化、光の利用率の低下防止、所定以上の光量の確保を図ることができた。また、f2/f1が、4以上、7以下の場合には、実施形態と同様の一般的な大きさの光源ランプを使用することができ、製造コストの増加を防止できた。
本発明の実施形態にかかるプロジェクタの光学系を示す模式図である。 照明光学装置と液晶パネルとの関係を示す模式図である。 光源装置から射出される光線の軌跡(f1=7.1mm、f2=50mm)を示す図である。 (A)は、平行化レンズ14の構成を説明するための図、(B)は、第1レンズアレイ16の構成を説明するための図、(C)は、第2レンズアレイ17とPBSアレイ18の構成を説明するための図、(D)は、集光レンズ19の構成を説明するための図である。 (A)は、f2/f1が4のアークの像を示す図、(B)は、f2/f1が5のアークの像を示す図である。 (A)は、f2/f1が7のアークの像2を示す図、(B)は、f2/f1が10のアークの像を示す図である。 f1=10mm、f2=100mmとした場合の光線の軌跡を示す図である。 従来の照明光学装置と液晶パネルとの関係を示す模式図である。

Claims (17)

  1. 入射光束を画像情報に応じて変調し、光学像を形成する長方形状の画像形成領域を備えた光変調装置と、
    発光管と、前記の発光管から放射された光を反射する楕円リフレクタと、前記楕円リフレクタにより反射された光束を平行化する平行化レンズと、を有する光源装置と、
    複数の小レンズをマトリクス状に配列して構成され、前記光源装置から射出された光束を複数の部分光束に分割する光束分割光学素子と、
    前記光束分割光学素子により分割された各部分光束を前記光変調装置の前記画像形成領域上に重畳させる集光レンズと、を備えたプロジェクタであって、
    前記平行化レンズは、前記楕円リフレクタにより反射された光束の径が、前記画像形成領域の短辺寸法以上、長辺寸法以下となる位置に配置され、
    前記光束分割光学素子と前記集光レンズの有効光束透過領域は、辺の寸法が前記画像形成領域の短辺寸法以上、長辺寸法以下の矩形状に設定されていることを特徴とするプロジェクタ。
  2. 請求項1に記載のプロジェクタにおいて、
    前記発光管は、所定距離離間して配置される一対の電極と、前記一対の電極が封入された管状部材と、を備え、
    前記管状部材の前記電極の離間部分には膨出部が設けられ、
    前記膨出部のリフレクタと反対側の光束射出部には、放射光を前記楕円リフレクタに反射する反射部材が設けられていることを特徴とするプロジェクタ。
  3. 請求項2に記載のプロジェクタにおいて、
    前記反射部材は、前記膨出部に蒸着形成された金属膜であることを特徴とするプロジェクタ。
  4. 請求項1から3の何れかに記載のプロジェクタにおいて、
    前記平行化レンズは、前記有効光束透過領域の入射側及び/又は射出側が非球面とされた平行化凹レンズであることを特徴とするプロジェクタ。
  5. 請求項4に記載のプロジェクタにおいて、
    前記平行化凹レンズは、前記有効光束透過領域の入射側が双曲面形状を有する非球面であり、射出側が平面であることを特徴とするプロジェクタ。
  6. 請求項4に記載のプロジェクタにおいて、
    前記平行化凹レンズは、前記有効光束透過領域の入射側が平面であり、
    前記射出側が楕円面を有する非球面であることを特徴とするプロジェクタ。
  7. 請求項4に記載のプロジェクタにおいて、
    前記平行化凹レンズは、前記有効光束透過領域の入射側が球面であり、
    前記射出側が双曲面形状を有する非球面であることを特徴とするプロジェクタ。
  8. 請求項1から7の何れかに記載のプロジェクタにおいて、
    前記集光レンズは、前記有効光束透過領域の入射側が平面であり、射出側が双曲面形状を有する非球面であることを特徴とするプロジェクタ。
  9. 請求項1から8の何れかに記載のプロジェクタにおいて、
    前記光束分割光学素子及び集光レンズの間には、入射光束の偏光方向を揃える偏光変換素子を備え、
    前記偏光変換素子は、水晶又は雲母製の位相差板を有していることを特徴とするプロジェクタ。
  10. 所定距離離間して配置される一対の電極が封入されるとともに、前記一対の電極の離間部分に膨出部が設けられた管状部材を有する発光管と、前記膨出部のリフレクタと反対側の光束射出部に設けられた反射部材と、前記発光管から放射された光を反射する楕円リフレクタと、前記楕円リフレクタにより反射された光束を平行化する平行化レンズと、を備えた光源装置と、
    前記光源装置から射出された光束を複数の部分光束に分割する光束分割光学素子と、
    前記光束分割光学素子により分割された各部分光束を、被照明領域上に重畳させる集光レンズと、を備えた照明光学装置であって、
    前記楕円リフレクタの第一焦点距離をf1、第二焦点距離をf2とした場合に、4≦f2/f1≦7であることを特徴とする照明光学装置。
  11. 請求項10に記載の照明光学装置において、
    前記被照明領域は長方形状であり、
    前記平行化レンズは、前記楕円リフレクタにより反射された光束の径が、前記被照明領域の短辺寸法以上、長辺寸法以下となる位置に配置され、
    前記光束分割光学素子と前記集光レンズの有効光束透過領域は、辺の寸法が前記被照明領域の短辺寸法以上、長辺寸法以下の矩形状に設定されていることを特徴とする照明光学装置。
  12. 請求項10又は11に記載の照明光学装置において、
    前記平行化レンズは、光束入射面、射出面のいずれか一方が非球面とされた凹レンズであることを特徴とする照明光学装置。
  13. 請求項10から12の何れかに記載の照明光学装置において、
    前記楕円リフレクタの第一焦点距離f1は、5mm以上であることを特徴とする照明光学装置。
  14. 請求項10から13の何れかに記載の照明光学装置において、
    前記楕円リフレクタの第二焦点距離f2は50mm以上であることを特徴とする照明光学装置。
  15. 請求項10から14の何れかに記載の照明光学装置において、
    前記楕円リフレクタが光束を反射する有効反射面の径は、30mm以上、50mm以下であることを特徴とする照明光学装置。
  16. 請求項10から15の何れかに記載の照明光学装置において、
    前記照明光軸の射出光束基端側部分と、前記発光管から射出される光束がなす最大の角度をθとすると、
    θが105°以下であることを特徴とする照明光学装置。
  17. 請求項10から16の何れかに記載の照明光学装置と、前記照明光学装置から射出された光束を画像情報に応じて変調する光変調装置とを備え、
    前記被照明領域は、前記光変調装置の画像形成領域であることを特徴とするプロジェクタ。
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