JP4023066B2 - 光源装置、および、これを備えた照明光学系ならびにプロジェクタ - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、光源装置、および、光源装置を備えた照明光学系ならびにプロジェクタに関する。
【0002】
【従来の技術】
プロジェクタでは、照明光学系から射出された照明光を、液晶パネルなどの変調装置を用いて画像情報に応じて変調し、変調された照明光をスクリーン上に投写することにより画像表示を実現している。
【0003】
このようなプロジェクタでは、変調装置を照明する照明光の面内照度分布を均一化するために、光源ランプから射出された光を複数の部分光線束に分割して、変調装置の付近で重畳させるインテグレータ照明光学系が用いられる。このようなインテグレータ照明光学系のうち、楕円リフレクタを備えた光源ランプとレンズアレイとを用いたインテグレ−タ照明光学系(均一照明光学系)では、通常、楕円リフレクターから射出される光を平行化してレンズアレイに入射させるために、光源ランプとレンズアレイとの間に球面の凹レンズが設けられている。すなわち、光源ランプと球面の凹レンズとの組み合わせにより、平行光を射出する光源装置を構成している。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、このような光源ランプから射出される光線束は、実際には、中心部の平行度は高いものの、周辺部の平行度がよくない。これは、凹レンズにおいて、球面収差が生じることに起因する。平行度の悪い光線は、照明光学系において、あるいは、このような照明光学系を用いたプロジェクタなどの装置において、レンズアレイをうまく通過できず、無駄になる場合が多い。このため、従来の照明光学系では、光源ランプから射出される光を効率よく利用することが困難であった。
【0005】
この発明は、従来技術における上述の課題を解決するためになされたものであり、光源装置から射出される光の平行度を向上させるための技術を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段およびその作用・効果】
上述の課題の少なくとも一部を解決するため、本発明の光源装置は、
放電灯と、
前記放電灯から射出された光を反射する反射面を備えた楕円リフレクタと、
前記反射面によって反射された光を平行化するレンズと、を有し、
前記レンズは、入射面と射出面とのうち、いずれか一方に回転二次曲面形状の非球面を有する非球面レンズである、
ことを特徴とする。
【0007】
本発明の光源装置は、入射面と射出面とのうちのいずれか一方に回転二次曲面形状の非球面を有する非球面レンズを備えているので、射出される光の平行度を向上させることが可能となる。
【0008】
上記光源装置において、
前記非球面は、前記非球面と光源光軸との交点を原点とした光軸に軸対称なrθZ円柱座標系における座標値をrおよびZとし、近軸曲率をcとし、円錐定数をKとしたとき、
【数6】
によってあらわされる形状であることが好ましい。
【0009】
こうすれば、非球面の形状を容易に決定することができる。また、この式に基づいて決定された非球面を有するレンズを用いれば、球面収差をかなり小さくすることができるので、光源装置から射出される光の平行度をかなり向上させることができる。
【0010】
上記光源装置において、前記非球面は凹面であることが好ましい。この場合、レンズを楕円リフレクタの第1焦点と第2焦点の間に配置することができるため、光源装置を小型化することが可能である。
【0011】
このとき、前記非球面レンズは、前記楕円リフレクタの開口面に接合されているようにしてもよい。こうすれば、光源装置をさらに小型化することができるとともに、非球面レンズを光源装置の前面ガラスとして機能させることが可能となる。
【0012】
しかしながら、上記光源装置において、前記非球面は凸面としても構わない。
【0013】
上記光源装置において、レンズの非球面を凹面または凸面とし、かつ、前記射出面が非球面である場合、前記非球面は回転楕円面形状を有することが好ましい。
【0014】
射出面を非球面とした場合、射出される光線束の直径を小さくすることができる。従って、光源装置を照明光学系やプロジェクタに用いる場合において、光源装置より光路下流側に配置される光学素子の大きさを小さくすることができるため、照明光学系やプロジェクタを小型化できるという効果がある。さらに、射出面を非球面とした場合、射出される光線束の面内照度のばらつきを比較的小さくすることができるという効果もある。
【0015】
また、このとき、回転楕円面は、前記非球面と光源光軸との交点を原点、前記光源光軸をZ軸、前記光源光軸と直交する軸をr軸としたrθZ円柱座標系における座標値をrおよびZとし、近軸曲率をcとし、円錐定数をKとしたとき、
【数7】
によってあらわされる形状であり、
前記楕円リフレクタは、前記反射面と前記光源光軸との交点を原点、前記光源光軸をZ軸、前記光源光軸と直交する軸をr軸としたrθZ円柱座標系における座標値をrR、ZRとし、近軸曲率をcRとし、円錐定数をKRとしたとき、
【数8】
によって表される形状であり、
−0.8<KR<−0.5であることが好ましい。
【0016】
このようにすれば、回転楕円面の形状を容易に決定することができる。また、この式に基づいて決定された非球面を有するレンズを用いれば、球面収差をかなり小さくすることができるので、光源装置から射出される光の平行度をかなり向上させることができる。
【0017】
上記光源装置において、レンズの非球面を凹面または凸面とし、かつ、前記射出面が回転楕円面である場合、レンズの入射面は球面とすることが好ましい。
【0018】
このようにすれば、レンズの入射面において光が屈折を受けないようにすることができ、従って、さらに平行度の高い射出光を得ることが可能となる。尚、入射面が平面である場合は、入射面を球面とした場合に比べると射出光の平行度がやや悪くなるが、非球面レンズの一方を平面とすることにより、非球面レンズを比較的安価に制作することができるという利点がある。
【0019】
また、レンズの非球面を凹面または凸面とし、射出面を回転楕円面とし、入射面を球面とした場合の当該回転楕円面は、前記非球面と光源光軸との交点を原点、前記光源光軸をZ軸、前記光源光軸と直交する軸をr軸としたrθZ円柱座標系における座標値をrおよびZとし、近軸曲率をcとし、円錐定数をKとし、前記レンズの屈折率をnとしたとき、
【数9】
によって表される形状とすることが好ましい。このようにすれば、回転楕円面の形状を容易に決定することができる。
【0020】
この光源装置において、前記非球面レンズの前記入射面に、紫外線反射膜が形成されているようにしてもよい。こうすれば、紫外光が光源装置から射出されないようにすることができる。また、放電灯から射出された紫外光が反射されて、再度、放電灯に戻ることにより、光源装置から射出される可視光の強度を向上させることができる。
【0021】
上記光源装置において、レンズの非球面を凹面または凸面とし、かつ、前記入射面が非球面である場合、前記非球面は回転双曲面形状を有することが好ましい。
【0022】
入射面を非球面とした場合、楕円リフレクタの反射面で反射された光は、レンズの入射面で平行化され、射出面では屈折作用を受けないようにすることができる。従って、より平行度の高い射出光を得ることが可能となる。
【0023】
また、このとき、回転双曲面は、前記非球面と光源光軸との交点を原点、前記光源光軸をZ軸、前記光源光軸と直交する軸をr軸としたrθZ円柱座標系における座標値をrおよびZとし、近軸曲率をcとし、円錐定数をKとし、前記レンズの屈折率をnとしたとき、
【数10】
によってあらわされる形状であることが好ましい。
【0024】
このようにすれば、回転双曲面の形状を容易に決定することができる。また、この式に基づいて決定された非球面を有するレンズを用いれば、球面収差をかなり小さくすることができるので、光源装置から射出される光の平行度をかなり向上させることができる。
【0025】
この光源装置において、前記非球面レンズの前記射出面は平面であり、前記非球面レンズの前記射出面に、紫外線反射膜が形成されているようにしてもよい。こうすれば、紫外光が光源装置から射出されないようにすることができる。また、放電灯から射出された紫外光が反射されて、再度、放電灯に戻ることにより、光源装置から射出される可視光の強度を向上させることができる。
【0026】
上述の光源装置は、光源装置から射出された光を複数の部分光線束に分割するレンズアレイと、前記レンズアレイによって分割された前記部分光線束を照明領域上で重畳させる重畳レンズと、を備える照明光学系において、光源装置として用いることが可能である。
【0027】
また、照明光学系において、非球面レンズの入射面を回転双曲面形状とし、射出面を平面とする光源装置を用いる場合には、レンズアレイは、非球面レンズの射出面に設けられていてもよい。こうすれば、照明光学系を小型化することが可能となる。
【0028】
また、上述の光源装置は、光源装置が照明する照明領域としての光入射面を有し、前記光源装置からの入射光を画像情報に応じて変調する電気光学装置と、前記電気光学装置によって変調された光を投写する投写光学系と、を備えたプロジェクタにおいて、光源装置として用いることが可能である。
【0029】
上述の光源装置を照明光学系やプロジェクタの光源として用いることにより、光の利用効率を向上させて、投写される画像の明るさを向上させることが可能である。
【0030】
【発明の実施の形態】
A.光源装置150A:
図1は、本発明の第1の実施形態にかかる光源装置150Aを示す説明図である。光源装置150Aは、放電灯22とリフレクタ24とからなる光源ランプ25と、非球面レンズ30Aとを備えている。リフレクタ24は、光源光軸20axに軸対称な回転楕円体からなる反射面24Rを有する楕円リフレクタである。回転楕円体は、例えば、ガラスを用いて形成されている。反射面24Rには誘電体多層膜が形成されている。なお、反射面24Rには、アルミニウム膜や銀膜などの金属反射膜を形成するようにしてもよい。
【0031】
放電灯22は、放射状に光を射出する。放電灯22の中心22cは、楕円リフレクタ24の光源光軸20ax上における2つの焦点のうち、楕円リフレクタ24により近い方の焦点(第1焦点)の位置に配置されている。ここで、放電灯の中心とは、放電灯22のアークの中心を意味している。放電灯22から射出された放射光は、楕円リフレクタ24によって反射され、反射光は楕円リフレクタ24の他方の焦点(第2焦点)に向かう。放電灯22としては、メタルハライドランプや高圧水銀灯などが用いられる。なお、光源光軸20axは、光源装置150Aから射出される光線束の中心軸である。
【0032】
非球面レンズ30Aは、楕円リフレクタ24によって反射された反射光をほぼ平行な光に変換する機能を有している。図1に示す非球面レンズ30Aは、入射面30Aiが平面であり、射出面30Aoが非球面の凹面となっている。
【0033】
図2は、本実施形態に係る光源装置150Aにおいて、放電灯22の中心から放射状に射出される光線の軌跡を図示したものである。図2において、放電灯22(図1)の図示は省略されている。また、図3は、図2に示す光源装置150Aの楕円リフレクタの反射面24Rと非球面レンズ30Aとの関係を示す説明図である。反射面24Rの第1焦点FR1から射出され、反射面24Rで反射された光線は、反射面24Rの第2焦点FR2の方向に進み、非球面レンズ30Aによって平行化される。なお、図3中、Fe1、Fe2は、それぞれ、非球面レンズ30Aの非球面の第1焦点、第2焦点である。本実施形態に係る光源装置150Aでは、非球面レンズ30Aの射出面30Aoの非球面の形状を、式(1)の関係をほぼ満足する形状とすることにより、すなわち回転二次曲面形状とすることにより、従来の光源装置と異なり、平行度の高い光を射出することが可能となっている。
【0034】
【数11】
【0035】
ここで、r,Zは、図3に示すように、非球面レンズ30Aの非球面と光源光軸20axとの交点を原点L0とし、光源光軸20axに軸対象なrθZ円柱座標系における座標値である。なお、図3において、Z方向は、反射面24Rの第1焦点FR1から第2焦点FR2へ向かう方向を正としている。rは、原点L0からの光源光軸20axに直交する方向への距離を示している。θは、所定のr方向からの角度を示しているが、式(1)から分かるように、非球面の形状は角度θに依存しない。
【0036】
また、式(1)中、近軸曲率cは、反射面24Rで反射された光線を、従来技術のように、球面の凹レンズを用いて平行光に変換すると仮定した場合の、当該球面の曲率を示している。すなわち、近軸領域(回転軸付近の領域)では、この曲率cを有する凹レンズを用いることにより、反射面24Rで反射された光線を平行光に変換することができることになる。
【0037】
Kは、円錐定数と呼ばれる値である。この円錐定数Kの値によって、回転二次曲面形状は特定の形状に限定される。すなわち、円錐定数Kの値が−1<K<0である場合には、非球面は回転楕円面となる。また、円錐定数Kの値がK=−1である場合には、非球面は回転放物面となる。さらに、円錐定数Kの値が、K<−1である場合には、非球面は回転双曲面となる。
【0038】
また、左辺第3項は、一般非球面項と呼ばれる距離rに依存する関数であるが、十分に小さな値であるため、本実施形態では無視することとしている。
【0039】
本実施形態における非球面レンズ30Aの非球面の回転二次曲面形状は、式(1)の左辺第3項を無視した下式(2)に基づき、次のような方法によって決定される。
【0040】
【数12】
【0041】
まず、楕円リフレクタの反射面24Rの形状と、非球面レンズ30Aの入射面30Aiの曲率と、非球面レンズ30Aの屈折率nと、非球面レンズ30Aの中心部の厚みと、非球面レンズ30Aの設置位置とを考慮して、近似曲率cの値を求める。具体的には、反射面24Rの形状と、非球面レンズ30Aの入射面30Aiの曲率と、非球面レンズ30Aの屈折率nと、非球面レンズ30Aの中心部の厚みと、非球面レンズ30Aの設置位置とを予め決めておく。そして、予め決定された反射面24Rの形状と同じ形状の反射面を有する楕円リフレクタに対し、予め決定された位置に、入射面の曲率、屈折率、中心部の厚みが同じ球面の凹レンズを用いた場合に、近軸領域(回転軸付近の領域)で平行光に変換できるような曲率を求める。このようにして求めた曲率の値が近似曲率cとなる。ここで、本実施形態の光源装置150Aのように、非球面レンズ30Aの入射面30Aiを平面とする場合には、入射面30Aiの曲率を0とする。
【0042】
次に、円錐定数Kを求める。本実施形態の光源装置150Aにおいて、円錐定数Kは、その値を変更しながら、繰り返し式(2)を用いてシミュレーションを行うことにより、平行光が射出される条件に設定される。このシミュレーションでは、光源装置150Aから射出される光線束を収差のない理想レンズで集光したときに、集光点での光スポット径が最も小さくなる場合を、ほぼ平行な光が射出される条件とすることが考えられる。実用上は、集光点での光スポット径が約100μm以内となる場合を、ほぼ平行な光が射出される条件とみなしても問題ない。
【0043】
図4は、このようにしてシミュレーションを行った結果求められた円錐定数Kと、非球面レンズ30Aの屈折率nとの関係を示すグラフである。図4においては、非球面レンズのレンズ材料として一般的な屈折率nの範囲1.45〜1.95での円錐定数Kの値が示されている。曲線CA1〜CA6では、それぞれ、反射面24Rの形状が異なる。楕円リフレクタの反射面24Rの形状は、前述した式(2)と同様の式(3)を用いて表すことができる。
【0044】
【数13】
【0045】
ここで、rR、ZRは、反射面24Rと光源光軸20axとの交点を原点とし、光源光軸20axに軸対象なrθZ円柱座標系における座標値である。また、cRは楕円リフレクタの近軸曲率、KRは円錐定数である。曲線CA1〜CA6は、それぞれ、式(3)において、反射面24Rの円錐定数KRが−0.50,−0.54,−0.66,−0.70,−0.80,−0.89である場合の値を示す。
【0046】
図4からわかるように、本実施形態の光源装置150Aにおいて、円錐定数KRが−0.8<KR<−0.5の範囲の反射面24Rを有する楕円リフレクタを用いる場合には、非球面レンズ30Aの非球面の円錐定数Kは、−0.55<K<−1の範囲、すなわち、回転楕円面形状とすることが好ましい。
【0047】
また、図4中の曲線CA6で示されるように、式(3)において、反射面24Rの円錐定数KRが−0.89である場合には、非球面レンズ30Aの屈折率nが1.45≦n<1.84のとき円錐定数KはK<−1となり、n=1.84のときK=1となり、n>1.84のときK<−1となる。すなわち、この場合には、非球面レンズの非球面は、n<1.84の領域では回転楕円面、n=1.84の場合には回転放物面形状、n>1.84の領域では回転双曲面形状となる。なお、このとき、KRは1に近くなっており、すなわち、楕円リフレクタの反射面24Rの形状は放物面に近い形状となっている。この場合、反射面24Rによって反射された光は、レンズによって平行化しなくても、ほぼ平行光に近い状態となる。したがって、非球面レンズを用いて平行化する必要性に乏しい。また、この場合、非球面レンズの直径が比較的大きくなってしまうことから、非球面レンズから射出される光線束の直径も比較的大きくなってしまう。したがって、光源装置以降の光学系を小型化するという効果はあまり期待できない。このようなことから、KRが1に近い場合はあまり実用的でないと考えられる。しかしながら、平行度の高い光線束得ることが必要な場合は、KRが1に近い場合であっても、本実施形態のように非球面レンズ30Aを用いることが考えられる。
【0048】
なお、本実施形態に係る光源装置150Aでは、図3に示すように、非球面レンズ30Aの非球面の第2焦点Fe2が楕円リフレクタの反射面24Rの第2焦点FR2と一致しない。これは、楕円リフレクタの第2焦点FR2に向かう光が、非球面レンズ30Aの入射面30Aiで屈折作用を受けるためである。後述する他の実施形態に係る光源装置150Bのように、楕円リフレクタの第2焦点FR2に向かう光が、非球面レンズの非球面部分のみで屈折作用を受ける場合には、非球面の第2焦点Fe2と楕円リフレクタの反射面の第2焦点FR2とが一致する。
【0049】
以上のように、本実施形態に係る光源装置150Aでは、非球面レンズ30Aの射出面30Aoの非球面の形状を、式(1)の左辺第3項を無視した式(2)の関係を満足する形状とすることにより、すなわち回転二次曲面形状とすることにより、従来の光源装置と異なり、平行度の高い光を射出することができる。また、本実施形態の光源装置150Aにおいて、非球面レンズ30Aの非球面の円錐定数Kは、回転楕円面形状とすることが好ましい。
【0050】
B.光源装置150B:
図5は、図2並びに図3に示す第1の実施形態に係る光源装置150Aの変形例を示す説明図である。光源装置150Aでは、非球面レンズ30Aの入射面30Aiが平面であったが、本実施形態では、非球面レンズ30Bの入射面30Biが球面となっている。非球面レンズ30B以外の構成につては、第1の実施形態に係る光源装置150Aと同様であるため、図1〜図3で用いたものと同様の符号を付し、その詳細な説明を省略する。
【0051】
本実施形態に係る光源装置150Bにおいて、楕円リフレクタの反射面24Rの第1焦点FR1から射出され、反射面24Rで反射された光線は、反射面24Rの第2焦点FR2の方向に進み、非球面レンズ30Bによって平行化される。なお、図5中、Fe1、Fe2は、それぞれ、非球面レンズ30Bの非球面の第1焦点、第2焦点である。
【0052】
非球面レンズ30Bの入射面30Biの球面は、楕円リフレクタの反射面24Rの第2焦点FR2を中心とする球面である。また、非球面レンズ30Bの射出面30Boは、式(2)の関係を満足する回転二次曲面形状とされており、第1の実施形態にかかる光源装置150Aの場合と同様、平行度の高い光を射出することが可能となっている。本実施形態のように、入射面30Biと射出面30Boにそれぞれ形状の異なる曲面を有する非球面レンズ30Bを用いると、レンズの製造コストが大きくなってしまう。しかしながら、本実施形態の光源装置150Bにおいて、楕円リフレクタの反射面24Rからの反射光は、非球面レンズ30Bの入射面30Biに垂直に入射するため、非球面レンズ30Bでは、楕円リフレクタの反射面24Rからの反射光は、射出面30Boにおいて進行方向を1回変更するのみである。したがって、本実施形態の光源装置150Bは、より平行度の高い光線束を得られるという点で有利である。
【0053】
本実施形態における非球面レンズ30Bの非球面の回転二次曲面形状は、式(2)に基づき、次のような方法によって決定される。
【0054】
まず、楕円リフレクタの反射面24Rの形状と、非球面レンズ30Bの入射面30Biの曲率と、非球面レンズ30Bの屈折率nと、非球面レンズ30Bの中心部の厚みと、非球面レンズ30Bの設置位置とを考慮して、近似曲率cの値を求める。具体的には、反射面24Rの形状と、非球面レンズ30Bの入射面30Biの曲率と、非球面レンズ30Bの屈折率nと、非球面レンズ30Bの中心部の厚みと、非球面レンズ30Bの設置位置とを予め決めておく。そして、予め決定された反射面24Rの形状と同じ形状を有する楕円リフレクタに対し、予め決定された位置に、入射面の曲率、屈折率、中心部の厚みが同じ球面の凹レンズを用いた場合に、近軸領域(回転軸付近の領域)で平行光に変換できる曲率を求める。このようにして求めた曲率の値が近似曲率cとなる。
【0055】
次に、円錐定数Kを求める。ここで、図6に曲線CBで示すように、本実施形態の光源装置150Bにおいては、第1の実施形態にかかる光源装置150Aの場合と異なり、楕円リフレクタの反射面24Rの形状を変更しても、非球面レンズ30Bの屈折率nと円錐定数Kとの関係が変化しない。これは、図3に示す非球面レンズ30Aの入射面30Aiの形状(平面)と、図5に示す非球面レンズ30Bの入射面30Biの形状(球面)との相違に起因する。すなわち、図3に示す非球面レンズ30Aでは、入射面30Aiが平面であるため、反射面24Rからの反射光は、入射面30Aiでの屈折により進行方向が変えられる。一方、図5に示す非球面レンズ30Bでは、入射面30Biが球面であるため、反射面24Rからの反射光は、入射面30Biにほぼ垂直に交わるように入射し、進行方向は変わらない。この結果、曲線CBでは、楕円リフレクタの反射面24Rの形状を変更しても、非球面レンズ30Bの屈折率nと円錐定数Kとの関係は一定となる。なお、図6に示す非球面レンズ30Bの反射面形状の非球面の円錐定数Kは、ほぼK=−1/n2で決定されている。
【0056】
したがって、本実施形態において、円錐定数KはK=−1/n2で求めることができ、第1の実施形態のようなシミュレーションを行う必要はない。
【0057】
さらに、図6からわかるように、本実施形態の光源装置150Bにおいては、非球面レンズ30Bの非球面の円錐定数Kは、−0.55<K<−0.3の範囲である。したがって、本実施形態の光源装置150Bのように、非球面レンズ30Bの入射面30Biを球面、射出面30Boを非球面とする場合には、非球面を回転楕円面形状とすることが好ましい。
【0058】
なお、本実施形態に係る光源装置150Bでは、楕円リフレクタの第2焦点FR2に向かう光が、非球面レンズ30Bの入射面30Biで屈折作用を受けないため、非球面レンズ30Bの非球面の第2焦点Fe2が楕円リフレクタの反射面24Rの第2焦点FR2とほぼ一致する。
【0059】
以上のように、本実施形態に係る光源装置150Bでは、非球面レンズ30Bの射出面30Boの非球面の形状を、式(1)の左辺第3項を無視した式(2)の関係を満足する形状とすることにより、すなわち回転二次曲面形状とすることにより、従来の光源装置と異なり、平行度の高い光を射出することができる。また、本実施形態の光源装置150Bにおいて、楕円リフレクタの反射面24Rからの反射光は、非球面レンズ30Bの入射面30Biに垂直に入射するため、より平行度の高い光線束を得ることが可能である。また、本実施形態の光源装置150Bにおいて、非球面レンズ30Bの非球面の円錐定数Kは、回転楕円面形状とすることが好ましい。
【0060】
C.光源装置150C:
図7は、本発明の第3の実施形態に係る光源装置150Cを示す説明図である。また、図8は、図7に示す光源装置150Cの楕円リフレクタの反射面24Rと非球面レンズ30Cとの関係を示す説明図である。第1の実施形態に係る光源装置150Aでは、非球面レンズ30Aの入射面30Aiが平面、射出面30Aoが非球面であったが、本実施形態では、非球面レンズ30Cの入射面30Ciが非球面、射出面30Coが平面となっている。非球面レンズ30C以外の構成につては、第1の実施形態に係る光源装置150Aと同様であるため、図1〜図3で用いたのと同様の符号を付し、その詳細な説明を省略する。
【0061】
本実施形態に係る光源装置150Cにおいて、楕円リフレクタの反射面24Rの第1焦点FR1から射出され、反射面24Rで反射された光線は、反射面24Rの第2焦点FR2の方向に進み、非球面レンズ30Cによって平行化される。なお、図8中、Fh1、Fh2は、それぞれ、非球面レンズ30Cの非球面の第1焦点、第2焦点である。
【0062】
本実施形態の光源装置150Cにおいて、非球面レンズ30Cの入射面30Ciは、式(2)の関係を満足する回転二次曲面形状とされており、第1の実施形態にかかる光源装置150Aの場合と同様、平行度の高い光を射出することが可能となっている。
【0063】
図7と図2との比較からわかるように、第1の実施形態にかかる光源装置150Aでは、本実施形態にかかる光源装置150Cよりも、射出される光線束の直径を小さくすることができるという点で有利である。すなわち、非球面レンズ30Aの射出面30Aoから射出される光線束の直径30ALDは、入射面30Aiに入射する光線束の直径よりも小さくなる。これは、楕円リフレクタと非球面レンズ30Aとの間隔、および、楕円リフレクタと非球面レンズ30Cとの間隔をほぼ同じ程度に設定する際には、図7の非球面レンズ30Cの入射面30Ciにおける反射光の光線束よりも、図2の非球面レンズ30Aの射出面30Aoにおける反射光の光線束の方が集光されて小さくなっているからである。したがって、第1の実施形態に係る光源装置150Aを後述するような照明光学系やプロジェクタに利用すれば、光源装置以降の各部の構成を、全体的に小さくすることが可能である。
【0064】
また、第1の実施形態にかかる光源装置150Aは、図7と図2にそれぞれ示す光線の軌跡の分布から分かるように、本実施形態にかかる光源装置150Cよりも、面内の照度分布がより均一な光線束となって射出されるという点で有利である。これは、図2の非球面レンズ30Aでは、射出面30Aoが凹面となっており、図7の非球面レンズ30Cでは、入射面30Ciが凹面となっているからである。すなわち、図2に示す第1の実施形態に係る光源装置150Aでは、非球面レンズ30Aに入射する光線の入射角は、非球面レンズ30Aの中央でも周辺でも、あまり大きな差がない。一方、図7に示す第2の実施形態に係る光源装置150Cでは、非球面レンズ30Cに入射する光線の入射角は、非球面レンズ30Cの中央と周辺とで、かなり大きな差が生じている。このため、光源装置150Cでは、射出される光線束に強度分布が発生しやすくなっている。
【0065】
さらに、第1の実施形態にかかる光源装置150Aは、製造コストを小さくできる点においても、本実施形態の光源装置150Cより有利である。一般に、非球面レンズの非球面部分の制作には、かなりの精度が要求され、非球面部分が小さいほど安価に制作することができる。このため、非球面部分が小さい非球面レンズ30Aを用いた光源装置150Aの方が、安価に制作できるため、より実用的と言える。
【0066】
しかしながら、本実施形態の光源装置150Cは、第1の実施形態にかかる光源装置150Aを用いる場合と比較して、より平行度の高い光線束を得やすいという利点がある。すなわち、光源装置150Aから射出される光線束は、非球面レンズ30Aの入射面30Aiと射出面30Aoとにおける屈折により、2回の進行方向の変更を経て射出される。一方、光源装置150Cから射出される光線束は、非球面レンズ30Cの入射面30Ciにおける屈折により、1回のみの進行方向の変更を経て射出される。したがって、光源装置150Cを用いれば、かなり平行度の高い光線束を得ることが可能となる。よって、より平行度の高い光線束を得る必要がある場合には、本実施形態の光源装置150Cを用いた方が良い。なお、より平行度の高い光線束を得られる点では、第2の実施形態にかかる光源装置150Bも同様であるが、本実施形態の光源装置150Cの非球面レンズ30Cは一方の面が平面であるため、本実施形態の光源装置150Cの方が、製造コスト面では有利である。
【0067】
本実施形態における非球面レンズ30Cの非球面の回転二次曲面形状は、式(2)に基づき、次のような方法によって決定される。
【0068】
まず、楕円リフレクタの反射面24Rの形状と、非球面レンズ30Cの屈折率nと、非球面レンズ30Cの中心部の厚みと、非球面レンズ30Cの設置位置とを考慮して、近似曲率cの値を求める。具体的には、反射面24Rの形状と、非球面レンズ30Cの屈折率nと、非球面レンズ30Cの中心部の厚みと、非球面レンズ30Cの設置位置とを予め決めておく。そして、予め決定された反射面24Rの形状と同じ形状を有する楕円リフレクタに対し、予め決定された位置に、屈折率、中心部の厚みが同じ球面の凹レンズを用いた場合に、球面収差がなければ平行光に変換できる曲率を求める。このようにして求めた曲率の値が近似曲率cとなる。
【0069】
次に、円錐定数Kを求める。ここで、図9に曲線CCで示すように、本実施形態の光源装置150Cにおいては、第1の実施形態にかかる光源装置150Aの場合と異なり、楕円リフレクタの反射面24Rの形状を変更しても、非球面レンズ30Cの屈折率nと円錐定数Kとの関係が変化しない。これは、図3に示す非球面レンズ30Aの入射面30Aiの形状(平面)と、図8に示す非球面レンズ30Cの入射面30Ciの形状(非球面)との相違に起因する。すなわち、図3に示す非球面レンズ30Aでは、入射面30Aiが平面であるため、反射面24Rからの反射光は、入射面30Aiでの屈折により進行方向が光軸20axに対して非平行な方向に変えられ、さらに射出面30Aoで屈折する。一方、図8に示す非球面レンズ30Cでは、入射面30Ciが式(2)に基づいて設定された非球面であるため、反射面24Rからの反射光は、入射面30Ciでの屈折により進行方向がほぼ平行な方向に変えられ、射出面30Coではほとんど屈折作用を受けない。この結果、曲線CCでは、楕円リフレクタの反射面24Rの形状を変更しても、非球面レンズ30Cの屈折率nと円錐定数Kとの関係が一定となる。なお、図9に示す非球面レンズ30Cの反射面形状の非球面の円錐定数Kは、ほぼK=−n2で決定されている。
【0070】
したがって、本実施形態において、円錐定数Kは、K=−n2で求めることができ、第1の実施形態のようなシミュレーションを行う必要はない。
【0071】
さらに、図9からわかるように、本実施形態の光源装置150Cにおいては、非球面レンズ30Cの非球面の円錐定数Kは、−2.1<K<−3.8の範囲である。したがって、本実施形態の光源装置150Cのように、入射面30Ciを非球面とする場合には、非球面を回転双曲面形状とすることが好ましい。図8中の直線P、直線Qは、回転双曲線(非球面レンズ30Cの入射面30Ciの一部を構成する回転双曲線)の漸近線、曲線Rは、もう一方の回転双曲線を示したものであり、いずれも非球面が回転双曲面形状であることを理解し易くするために図示されているものである。
【0072】
なお、本実施形態に係る光源装置150Cでは、楕円リフレクタの第2焦点FR2に向かう光が、非球面レンズ30Cの入射面30Ciで光源光軸20axに平行な光とされ、射出面30Coでは屈折作用を受けないため、非球面レンズ30Cの非球面の第2焦点Fh2が、楕円リフレクタの反射面24Rの第2焦点FR2とほぼ一致する。
【0073】
以上のように、本実施形態に係る光源装置150Cでは、非球面レンズ30Cの入射面30Ciの非球面の形状を、式(1)の左辺第3項を無視した式(2)の関係を満足する形状とすることにより、すなわち回転二次曲面形状とすることにより、従来の光源装置と異なり、平行度の高い光を射出することができる。また、本実施形態の光源装置150Cにおいて、楕円リフレクタの反射面24Rからの反射光は、非球面レンズ30Cの入射面30Ciによって光源光軸20axに平行な光とされ、射出面30Coでは屈折作用を受けないため、より平行度の高い光線束を得ることが可能である。また、本実施形態の光源装置150Cにおいて、非球面レンズ30Cの非球面の円錐定数Kは、回転双曲面形状とすることが好ましい。
【0074】
D.光源装置150D:
図10は、図7並びに図8に示す本発明の第3の実施形態に係る光源装置150Cの変形例を示す説明図である。本実施形態に係る光源装置150Dでは、非球面レンズ30Dは、楕円リフレクタの反射面24Rで反射された反射光が第2焦点FR2で一旦集光して、発散する位置に設置されている。なお、本実施形態の光源装置150Dにおいて、非球面レンズ30D以外の構成は、第1の実施形態に係る光源装置150Aと同様であるため、図1〜図3で用いたのと同様の符号を付し、その詳細な説明を省略する。
【0075】
本実施形態に係る光源装置150Dにおいて、楕円リフレクタの反射面24Rの第1焦点FR1から射出され、反射面24Rで反射された光線は、反射面24Rの第2焦点FR2で集光された後、非球面レンズ30Dによって平行化される。非球面レンズ30Dは、入射面30Diが非球面の凸面であり、射出面30Doが平面となっている。なお、図10中、Fh1、Fh2は、それぞれ、非球面レンズ30Dの非球面の第1焦点、第2焦点である。
【0076】
本実施形態の光源装置150Dにおいて、非球面レンズ30Dの入射面30Diは、式(2)の関係を満足する回転二次曲面形状とされており、第3の実施形態にかかる光源装置150Cの場合と同様、平行度の高い光を射出することが可能となっている。
【0077】
図10と図8との比較からわかるように、本実施形態にかかる光源装置150Dでは、第3の実施形態にかかる光源装置150Cよりも、射出される光線束の直径を小さくすることができるという点で有利である。これは、焦点FR2で集光した光が反射面24Rの開口面積よりも大きく発散しないような位置に非球面レンズ30Dを配置できるからである。したがって、光源装置150Dを後述するような照明光学系やプロジェクタに利用すれば、光源装置以降に配置される光学素子を、小さくすることが可能である。さらに、本実施形態にかかる光源装置150Dは、非球面部分が小さいため、製造コストを小さくできる点においても、第3の実施形態にかかる光源装置150Cより有利である。ただし、楕円リフレクタと非球面レンズ30Dとの間隔は、第3の実施形態にかかる光源装置150Cの場合よりも大きくなってしまう。
【0078】
また、第1の実施形態にかかる光源装置150Aと比較した場合、本実施形態の光源装置150Dでは、射出される光線束に強度分布が発生しやすくなっている点で不利なこと、一方、第1の実施形態にかかる光源装置150Aよりも平行度の高い光線束を得やすいという点で有利なことは、第3の実施形態にかかる光源装置150Cの場合と同様である。また、第2の実施形態にかかる光源装置150Bと比較した場合、本実施形態の光源装置150Dの方が製造コスト面で有利であることも、第3の実施形態にかかる光源装置150Cの場合と同様である。
【0079】
本実施形態における非球面レンズ30Dの非球面の回転二次曲面形状は、式(2)に基づき、第3の実施形態にかかる光源装置150Cの非球面レンズ30Cの非球面の形状と同様の方法によって決定される。
【0080】
本実施形態の光源装置150Dにおいても、光源装置150Cの場合と同様、非球面レンズ30Dの非球面の円錐定数Kは、回転双曲面形状とすることが好ましい。図10中の直線P、直線Qは、回転双曲線(非球面レンズ30Dの入射面30Diの一部を構成する回転双曲線)の漸近線、曲線Rは、もう一方の回転双曲線を示したものであり、いずれも非球面が回転双曲面形状であることを理解し易くするために図示されているものである。
【0081】
なお、本実施形態に係る光源装置150Dでは、楕円リフレクタの第2焦点FR2に向かう光が、非球面レンズ30Dによって屈折作用を受けないため、非球面レンズ30Dの非球面の第2焦点Fh2が、楕円リフレクタの反射面24Rの第2焦点FR2とほぼ一致する。
【0082】
以上のように、本実施形態に係る光源装置150Dでは、非球面レンズ30Dの入射面30Diの非球面の形状を、式(1)の左辺第3項を無視した式(2)の関係を満足する形状とすることにより、すなわち回転二次曲面形状とすることにより、従来の光源装置と異なり、平行度の高い光を射出することができる。また、本実施形態の光源装置150Dにおいて、楕円リフレクタの反射面24Rからの反射光は、非球面レンズ30Dの入射面30Diによって光源光軸20axに平行な光とされ、射出面30Doでは屈折作用を受けないため、第3の実施形態にかかる光源装置150Cの場合と同様、より平行度の高い光線束を得ることが可能である。また、本実施形態の光源装置150Dにおいて、非球面レンズ30Dの非球面の円錐定数Kは、回転双曲面形状とすることが好ましい。
【0083】
なお、本実施形態では非球面レンズの入射面30Diを凸面、射出面30Doを平面としているが、逆に、非球面レンズの入射面を平面として射出面を凸面とした非球面レンズを用いることもできる。この場合は、第1の実施形態にかかる光源装置150Aの非球面レンズ30Aの非球面の形状と同様の方法によって決定される。このとき、非球面の焦点は、第1の実施形態の場合と同様、楕円リフレクタの反射面24Rの第2焦点FR2とは一致しない。また、第2の実施形態にかかる光源装置150Bの場合と同様に、非球面レンズの入射面を球面状の凹面とし、射出面を非球面の凸面とすることもできる。このようにすれば、第2の実施形態の場合と同様、より高い平行度を有する光線束を得ることができる。この場合、凹面の形状は、楕円リフレクタ24の第2焦点FR2を中心とする球面とすればよい。
【0084】
E.照明光学系:
図11は、本発明の第1の実施形態にかかる光源装置150Aを適用した照明光学系の要部を平面的に見た概略構成図である。なお、図11に示す照明光学系100は、後述する液晶パネルなどの照明領域LAを備えるプロジェクタに適した照明光学系である。
【0085】
この照明光学系100は、光源装置150Aと、第1のレンズアレイ40と、第2のレンズアレイ50と、偏光発生光学系60と、重畳レンズ70とを備えている。各光学要素は、システム光軸100axに沿ってこの順に配置されている。但し、これらの光学要素のうち、光源装置150Aと、第1のレンズアレイ40と、第2のレンズアレイ50とは、光源光軸20axを基準として配置されている。光源光軸20axは、偏光発生光学系60以降の光学素子から射出される光線束の中心軸であるシステム光軸100axに対し、図中x方向に所定のずれ量Dpだけほぼ平行にずれている。このずれ量Dpについては後述する。
【0086】
第1のレンズアレイ40は、非球面レンズ30Aから射出された略平行光を複数の部分光線束に分割するとともに、各部分光線束をそれぞれ第2のレンズアレイ50の近傍で集光する機能を有している。また、第2のレンズアレイ50は、第1のレンズアレイ40から射出された部分光線束のそれぞれの中心軸がシステム光軸100axにほぼ平行となるように揃える機能を有している。
【0087】
図12は、第1のレンズアレイ40の外観を示す斜視図である。第1のレンズアレイ40は、略矩形の輪郭を有する第1の小レンズ42がM行N列のマトリクス状に配列された構成を有している。なお、図12は、M=5,N=4の例を示している。各第1の小レンズ42をz方向から見た外形形状は、通常、照明領域LAの形状とほぼ相似形をなすように設定される。例えば、照明領域LAとして液晶パネルを想定し、画像の有効領域のアスペクト比(横と縦の寸法の比率)が4:3であるならば、第1の小レンズ42のアスペクト比も4:3に設定する。なお、図11の第2のレンズアレイ50は、第1のレンズアレイ40の第1の小レンズ42に対応するように、第2の小レンズ52がM行N列のマトリクス状に配列された構成を有している。
【0088】
第1のレンズアレイ40の各第1の小レンズ42によって分割された複数(M×N個)の部分光線束は、図11に示すように、第2のレンズアレイ50の近傍位置、すなわち、偏光発生光学系60内において集光される。
【0089】
図13は、偏光発生光学系60を示す説明図である。図13(A)は、偏光発生光学系60の斜視図を示しており、図13(B)は、その平面図の一部を示している。偏光発生光学系60は、遮光板62と、偏光ビームスプリッタアレイ64と、選択位相差板66とを備えている。
【0090】
偏光ビームスプリッタアレイ64は、図13(A)に示すように、略平行四辺形の断面を有する柱状の透光性板材64cが複数貼り合わされて構成されている。各透光性板材64cの界面には、偏光分離膜64aと反射膜64bとが交互に形成されている。なお、偏光分離膜64aとしては、誘電体多層膜が用いられる。また、反射膜64bとしては、誘電体多層膜、あるいは、アルミニウム等の金属膜が用いられる。
【0091】
遮光板62は、遮光面62bと開口面62aとがストライプ状に配列されて構成されている。遮光板62は、遮光面62bに入射する光線束を遮り、開口面62aに入射する光線束を通過させる機能を有している。遮光面62bと開口面62aとは、第2のレンズアレイ50(図11)から射出された部分光線束が偏光ビームスプリッタアレイ64の偏光分離膜64aのみに入射し、反射膜64bには入射しないように配列されている。具体的には、図13(B)に示すように、遮光板62の開口面62aの中心は、偏光ビームスプリッタアレイ64の偏光分離膜64aの中心とほぼ一致するように配置されている。また、開口面62aのx方向の開口幅は、偏光分離膜64aのx方向の大きさWpとほぼ等しく設定されている。このとき、遮光板62の開口面62aを通過した光線束は、そのほとんど全てが偏光分離膜64aのみに入射し、反射膜64bには入射しないこととなる。なお、遮光板62としては、平板状の透明体(例えばガラス板)に遮光性の膜(例えばクロム膜や、アルミニウム膜、誘電体多層膜など)を部分的に形成したものを用いることができる。また、アルミニウム板のような遮光性の平板に開口部を設けたものを用いてもよい。
【0092】
第2のレンズアレイ50(図11)から射出された各部分光線束は、図13(B)に実線で示すように、その主光線(中心軸)がシステム光軸100axにほぼ平行に遮光板62の開口面62aに入射する。開口面62aを通過した部分光線束は、偏光分離膜64aに入射する。偏光分離膜64aは、入射した部分光線束をs偏光の部分光線束とp偏光の部分光線束とに分離する。このとき、p偏光の部分光線束は偏光分離膜64aを透過し、s偏光の部分光線束は偏光分離膜64aで反射される。偏光分離膜64aで反射されたs偏光の部分光線束は、反射膜64bに向かい、反射膜64bにおいてさらに反射される。このとき、偏光分離膜64aを透過したp偏光の部分光線束と、反射膜64bで反射されたs偏光の部分光線束とは、互いにほぼ平行な状態となっている。
【0093】
選択位相差板66は、開口層66aとλ/2位相差層66bとによって構成されている。なお、開口層66aは、λ/2位相差層66bが形成されていない部分である。開口層66aは、入射する直線偏光光をそのまま透過する機能を有している。一方、λ/2位相差層66bは、入射する直線偏光光を、偏光方向が直交する直線偏光光に変換する偏光変換素子としての機能を有している。本実施例においては、図13(B)に示すように、偏光分離膜64aを透過したp偏光の部分光線束は、λ/2位相差層66bに入射する。したがって、p偏光の部分光線束は、λ/2位相差層66bにおいて、s偏光の部分光線束に変換されて射出される。一方、反射膜64bで反射されたs偏光の部分光線束は、開口層66aに入射するので、s偏光の部分光線束のまま射出される。すなわち、偏光発生光学系60に入射した非偏光な部分光線束は、そのほとんどがs偏光の部分光線束に変換されて射出されることとなる。なお、反射膜64bで反射されるs偏光の部分光線束の射出面だけにλ/2位相差層66bを配置することにより、偏光発生光学系60に入射するほとんどの部分光線束をp偏光の部分光線束に変換して射出することもできる。また、選択位相差板66は、開口層66aの部分に何も設けず、単に、λ/2位相差層66bをp偏光の部分光線束またはs偏光の部分光線束の射出面に貼りつけるようなものであっても良い。
【0094】
なお、図13(B)から分かるように、偏光発生光学系60から射出する2つのs偏光光の中心は、入射する非偏光な光(s偏光光+p偏光光)の中心よりもx方向にずれている。このずれ量は、λ/2位相差層66bの幅Wp(すなわち、偏光分離膜64aのx方向の大きさ)の半分に等しい。このため、図11に示すように、光源光軸20axとシステム光軸100axとは、Wp/2に等しい距離Dpだけずれた位置に設定されている。
【0095】
第2のレンズアレイ50から射出された複数の部分光線束は、上記のように、偏光発生光学系60によって各部分光線束ごとに2つの部分光線束に分離されるとともに、それぞれ偏光方向の揃ったほぼ1種類の直線偏光光に変換される。
【0096】
偏光方向のほぼ揃った複数の部分光線束は、図11に示す重畳レンズ70によって照明領域LA上で重畳される。上記の説明から分かるように、第1のレンズアレイ40と、第2のレンズアレイ50と、重畳レンズ70とは、いわゆるインテグレータ光学系を構成している。これにより、照明領域LAに照射される光の強度分布をほぼ均一にすることが可能である。
【0097】
なお、本実施例の光源装置150Aは、以下に説明するように、ほぼ平行な光を射出することが可能である。したがって、図11の照明光学系100において、平行度の悪い光を補正、あるいは、除去する機能を有する第2のレンズアレイ50や遮光板62は、省略してもよい。
【0098】
先に説明したように、光源装置150Aは、平行度の高い光を射出することができる。従って、本実施形態の照明光学系100においては、光の利用効率を向上させることが可能である。上述したような照明光学系100に、光源装置150Aの代わりに光源装置150B〜150Dを用いた場合にも同様の効果を得ることができる。
【0099】
なお、本実施形態の照明光学系100はレンズアレイ40、50及び重畳レンズ70によって構成される均一照明光学系や、偏光発生光学系60を備えているが、光源装置150A〜150Dは、均一照明光学系や偏光発生光学系と組み合わせることなく、それぞれ単独で用いても良い。また、光源装置150A〜150Dは、均一照明光学系のみと組み合わせて照明光学系を構成することもできる。すなわち、光源装置150A〜150Dは偏光発生光学系60を備えない照明光学系にも適用することができる。
【0100】
F.プロジェクタ:
図14は、図11の照明光学系100を用いたプロジェクタの要部を平面的に見た概略構成図である。プロジェクタ1000は、照明光学系100と、色光分離光学系200と、リレー光学系220と、3枚の液晶ライトバルブ300R,300G,300Bと、クロスダイクロイックプリズム320と、投写光学系340とを備えている。照明光学系100から射出された光は、色光分離光学系200において赤(R)、緑(G)、青(B)の3色の色光に分離される。分離された各色光は、液晶ライトバルブ300R,300G,300Bにおいて画像情報に対応して変調される。変調された各色光は、クロスダイクロイックプリズム320で合成され、投写光学系340によってスクリーンSC上に画像が投写表示されることとなる。
【0101】
照明光学系100は、図1で説明したように、偏光方向の揃えられた直線偏光光(s偏光光)の照明光を射出し、図1の照明領域LAに対応する液晶ライトバルブ300R,300G,300Bを照明する。本実施例の液晶ライトバルブ300R,300G,300Bは、それぞれ、本発明における電気光学装置に相当する液晶パネルと、その光入射面側および光射出面側に配置された偏光板とによって構成されている。液晶パネルの各光入射面側に配置されている偏光板は、照明光の偏光度を高めるためのものであり、照明光学系100から射出される直線偏光光の偏光方向が、偏光板の透過軸方向と一致するように配置されている。
【0102】
色光分離光学系200は、2枚のダイクロイックミラー202,204と、反射ミラー208とを備えており、照明光学系100から射出される光線束を、赤、緑、青の3色の色光に分離する機能を有する。第1のダイクロイックミラー202は、照明光学系100から射出された光の赤色光成分を透過させるとともに、青色光成分と緑色光成分とを反射する。第1のダイクロイックミラー202を透過した赤色光Rは、反射ミラー208で反射されて、クロスダイクロイックプリズム320へ向けて射出される。色光分離光学系200から射出された赤色光Rは、フィールドレンズ232を通って赤色光用の液晶ライトバルブ300Rに達する。このフィールドレンズ232は、照明光学系100から射出された各部分光線束をその中心軸に対して平行な光線束に変換する。他の液晶ライトバルブの前に設けられたフィールドレンズ234,230も同様である。
【0103】
第1のダイクロイックミラー202で反射された青色光Bと緑色光Gのうち、緑色光Gは第2のダイクロイックミラー204によって反射されて、色光分離光学系200からクロスダイクロイックプリズム320へ向けて射出される。色光分離光学系200から射出された緑色光Gは、フィールドレンズ234を通って緑色光用の液晶ライトバルブ300Gに達する。一方、第2のダイクロイックミラー204を透過した青色光Bは、色光分離光学系200から射出されて、リレー光学系220に入射する。
【0104】
リレー光学系220に入射した青色光Bは、リレー光学系220に備えられる入射側レンズ222、リレーレンズ226および反射ミラー224,228および射出側レンズ(フィールドレンズ)230を通って青色光用の液晶ライトバルブ300Bに達する。なお、青色光Bにリレー光学系220が用いられているのは、青色光Bの光路の長さが他の色光の光路の長さよりも大きいためであり、リレー光学系220を用いることにより入射側レンズ222に入射した青色光Bをそのまま、射出側レンズ230に伝えることができる。
【0105】
3枚の液晶ライトバルブ300R,300G,300Bは、与えられた画像情報(画像信号)に従って、3色の色光をそれぞれ変調して画像を形成する光変調手段としての機能を有する。クロスダイクロイックプリズム320は、液晶ライトバルブ300R,300G,300Bを通って変調された3色の色光を合成してカラー画像を形成する色光合成光学系としての機能を有する。なお、クロスダイクロイックプリズム320には、赤色光反射ダイクロイック面321と、青色光反射ダイクロイック面322とが、4つの直角プリズムの界面に略X字状に形成されている。赤色光反射ダイクロイック面321には、赤色光を反射する誘電体多層膜が形成されている。青色光反射ダイクロイック面322には、青色光を反射する誘電体多層膜が形成されている。これらの赤色光反射ダイクロイック面321と青色光反射ダイクロイック面322によって3つの色光が合成されて、カラー画像を投写するための合成光が形成される。
【0106】
クロスダイクロイックプリズム320で生成された合成光は、投写光学系340の方向に射出される。投写光学系340は、クロスダイクロイックプリズム320から射出された合成光を投写して、スクリーンSC上にカラー画像を表示する。なお、投写光学系340としてはテレセントリックレンズを用いることができる。
【0107】
このプロジェクタ1000では、照明光学系100において、平行度の高い光線束を射出することのできる光源装置150Aが用いられている。これにより、プロジェクタ1000における光の利用効率を向上させることができるので、より明るい画像を表示させることが可能となる。なお、光源装置150Aの代わりに、光源装置150B〜150Dを用いた場合も同様の効果を得ることができる。
【0108】
なお、本実施形態のプロジェクタ1000において、照明光学系100はレンズアレイ40、50及び重畳レンズ70によって構成される均一照明光学系や、偏光発生光学系60を備えているが、光源装置150A〜150Dは、均一照明光学系や偏光発生光学系と組み合わせることなく、それぞれ単独で用いても良い。また、光源装置150A〜150Dは、均一照明光学系のみと組み合わせて照明光学系を構成することもできる。すなわち、偏光発生光学系60を備えない照明光学系を本実施形態のプロジェクタ1000に適用することもできる。
【0109】
なお、本発明は上記の実施例や実施形態に限られるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において種々の態様において実施することが可能であり、例えば次のような変形も可能である。
【0110】
(1)上記の光源装置150A〜150Dでは、各非球面レンズ30A〜30Dは、楕円リフレクタ24の開口面から離れた位置に配置されているが、開口面に接合するようにしてもよい。図15は、非球面レンズを楕円リフレクタの開口面に接合した光源装置150C’を示す説明図である。光源装置150C’は、放電灯22と楕円リフレクタ24と非球面レンズ30C’とを備えている。なお、この光源装置150C’は、第3の実施形態に係る光源装置150C(図7,図8)の非球面レンズ30Cの非球面形状を調整し、また、周辺部を変形して、楕円リフレクタの開口面に接合したものである。このように、非球面レンズ30C’を楕円リフレクタ24の開口面に接合して配置することにより、光源装置150C’を小型化することができるとともに、非球面レンズ30C’を光源装置150C’の前面ガラスとして機能させることが可能となる。
【0111】
なお、同様に、第1および第2の実施形態に係る光源装置150A,150Bについても、楕円リフレクタ24の開口面に非球面レンズ30A,30Bを接合するようにしてもよい。ただし、第4の実施形態に係る光源装置150Dにおいて、楕円リフレクタ24の開口面に非球面レンズ30Dを接合する場合には、光源装置が大型化してしまい、あまり実用的でない。すなわち、一般には、非球面レンズの非球面が凹面である場合には、非球面レンズを楕円リフレクタ24の開口面に接合することができる。
【0112】
(2)また、図15の光源装置150C’では、非球面レンズ30C’の射出面30C’oに、紫外線反射膜URが形成されている。このとき、放電灯22から射出された紫外光は、紫外線反射膜URで反射されて楕円リフレクタ24内部に戻るので、光源装置150C’から紫外光が射出されてしまうことを防止できる。この結果、例えば、光源装置150C’をプロジェクタ1000に適用した場合に、液晶ライトバルブが紫外線によって劣化してしまうことを防止できる。また、光源装置150C’において、放電灯22から射出された紫外光は、非球面レンズ30C’の射出面30C’oに形成された紫外線反射膜URに垂直に入射している。このとき、紫外線反射膜URで反射された紫外光は、同じ経路を辿って放電灯22に入射する。紫外光が放電灯22の中心22cに入射すると、放電灯22は入射した紫外光より長波長の光を射出する。これにより、光源装置150C’から射出される可視光の強度を向上させることが可能となる。
【0113】
なお、図15においては、楕円リフレクタ24の開口面に接合された非球面レンズ30C’に紫外線反射膜URが形成されているが、図7,図8に示すように、楕円リフレクタ24の開口面から離れた位置に非球面レンズ30Cが設けられている場合にも同様に適用可能である。
【0114】
同様に、第2,第4の実施形態に係る光源装置150B,150Dにおいても、非球面レンズ30B,30Dに紫外線反射膜を形成するようにしてもよい。光源装置150Bにおいては、非球面レンズ30Bの入射面30Biに紫外線反射膜を形成すればよい。また、光源装置150Dにおいては、非球面レンズ30Dの射出面30Doに紫外線反射膜を形成すればよい。このとき、図15の光源装置150C’と同様に、紫外線反射膜で反射された紫外光は、同じ経路を辿って放電灯22内に入射するので、可視光の強度を向上させることが可能である。一般には、非球面レンズの入射面または射出面のうち、放電灯から射出された紫外光が、ほぼ法線方向から入射する面に紫外線反射膜が形成されていればよい。
【0115】
(3)上記照明光学系100(図11)では、第1のレンズアレイ40は独立して設けられているが、第1のレンズアレイは、非球面レンズの射出面に設けられていてもよい。すなわち、照明光学系100の光源装置として、第3または第4の実施形態に係る光源装置150C,150Dを用いる場合には、非球面レンズ30C,30Dの射出面30Co,30Doは平面となっているので、第1のレンズアレイを非球面レンズの射出面上に設けることが可能である。このとき、図11に示す第1のレンズアレイ40の各小レンズ42として、非球面レンズ側に平面を有する平凸レンズを用いればよい。
【0116】
なお、図15に示す光源装置150C’のように、非球面レンズが楕円リフレクタの開口面に接合されている場合にも同様に適用可能である。このように、非球面レンズの射出面にレンズアレイを設ければ、照明光学系100を小型化することが可能となる。なお、レンズアレイは、非球面レンズの射出面に直接形成されていてもよいし、射出面と接合されていてもよい。レンズアレイを非球面レンズの射出面に直接形成する場合には、部品点数を低減させることができるという利点がある。
【0117】
(4)上記プロジェクタは、透過型のプロジェクタに本発明の照明光学系を適用した場合を例に説明しているが、本発明は反射型のプロジェクタにも適用することが可能である。ここで、「透過型」とは、透過型液晶パネル等のように光変調手段としての電気光学装置が光を透過するタイプであることを意味しており、「反射型」とは、反射型液晶パネルのように光変調手段としての電気光学装置が光を反射するタイプであることを意味している。反射型のプロジェクタでは、クロスダイクロイックプリズムは、光を赤、緑、青の3色の光に分離する色光分離手段として利用されると共に、変調された3色の光を再度合成して同一の方向に射出する色光合成手段としても利用される。反射型のプロジェクタにこの発明を適用した場合にも、透過型のプロジェクタとほぼ同様の効果を得ることができる。
【0118】
(5)また、上記実施例においては、カラー画像を表示するプロジェクタ1000を例に説明しているが、モノクロ画像を表示するプロジェクタに本発明の照明光学系を適用することも可能である。この場合にも、上記プロジェクタと同様の効果を得ることができる。
【0119】
(6)上記実施例において、プロジェクタ1000は、電気光学装置として液晶パネルを用いた例を示しているが、これに限られない。電気光学装置としては、一般に、入射光を画像情報に応じて変調するものであればよく、マイクロミラー型光変調装置などを利用してもよい。なお、マイクロミラー型光変調装置としては、例えば、DMD(デジタルマイクロミラーデバイス)(TI社の商標)を用いることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施形態に係る光源装置150Aを示す説明図である。
【図2】光源装置150Aにおいて、放電灯22の中心から放射状に射出される光線の軌跡を示す説明図である。
【図3】光源装置150Aにおいて、楕円リフレクタの反射面24Rと非球面レンズ30Aとの関係を示す説明図である。
【図4】光源装置150Aについて、非球面レンズ30Aの屈折率nと円錐定数Kとの関係を示すグラフである。
【図5】本発明の第2の実施形態に係る光源装置150Bにおいて、楕円リフレクタの反射面24Rと非球面レンズ30Bとの関係を示す説明図である。
【図6】光源装置150Bについて、非球面レンズ30Bの屈折率nと円錐定数Kとの関係を示すグラフである。
【図7】本発明の第3の実施形態に係る光源装置150Cにおいて、放電灯22の中心から放射状に射出される光線の軌跡を示す説明図である。
【図8】光源装置150Cにおいて、楕円リフレクタの反射面24Rと非球面レンズ30Cとの関係を示す説明図である。
【図9】光源装置150Cについて、非球面レンズ30Cの屈折率nと円錐定数Kとの関係を示すグラフである。
【図10】本発明の第4の実施形態に係る光源装置150Dにおいて、楕円リフレクタの反射面24Rと非球面レンズ30Dとの関係を示す説明図である。
【図11】光源装置150Aを適用した照明光学系100の要部を平面的に見た概略構成図である。
【図12】第1のレンズアレイ40の外観を示す斜視図である。
【図13】偏光発生光学系60を示す説明図である。
【図14】図11の照明光学系100を用いたプロジェクタ1000の要部を平面的に見た概略構成図である。
【図15】非球面レンズを楕円リフレクタの開口面に接合した光源装置150C’を示す説明図である。
【符号の説明】
20ax…光源光軸
22…放電灯
22c…放電灯の中心
24…楕円リフレクタ
24R…反射面
25…光源ランプ
30A,30B,30C,30C’,30D…非球面レンズ
40…第1のレンズアレイ
42…小レンズ
50…第2のレンズアレイ
52…小レンズ
60…偏光発生光学系
62…遮光板
62a…開口面
62b…遮光面
64…偏光ビームスプリッタアレイ
64a…偏光分離膜
64b…反射膜
64c…透光性板材
66…選択位相差板
66a…開口層
66b…λ/2位相差層
70…重畳レンズ
100…照明光学系
100ax…システム光軸
150A,150B,150C,150C’,150D…光源装置
200…色光分離光学系
202,204…ダイクロイックミラー
208…反射ミラー
220…リレー光学系
222…入射側レンズ
224,228…反射ミラー
226…リレーレンズ
230…射出側レンズ
230,232,234…フィールドレンズ
300R,300G,300B…液晶ライトバルブ
320…クロスダイクロイックプリズム
321…赤色光反射ダイクロイック面
322…青色光反射ダイクロイック面
340…投写光学系
1000…プロジェクタ
LA…照明領域
SC…スクリーン
UR…紫外線反射膜
Claims (10)
- 放電灯と、
前記放電灯から射出された光を反射する反射面を備えた楕円リフレクタと、
前記反射面によって反射された光を平行化するレンズと、を有し、
前記レンズは、入射面に回転双曲面形状の非球面を有し、射出面に平面を有する非球面レンズであることを特徴とする光源装置。 - 請求項2に記載の光源装置であって、
前記円錐定数Kは前記非球面レンズの屈折率をnとしたとき、K=−n2 で表される、光源装置。 - 請求項1ないし3のいずれかに記載の光源装置であって、
前記非球面レンズの前記射出面には、紫外線反射膜が形成されている、光源装置。 - 請求項1ないし4のいずれかに記載の光源装置であって、
前記非球面は凹面である、光源装置。 - 請求項1ないし5のいずれかに記載の光源装置であって、
前記非球面レンズは、前記楕円リフレクタの開口面に接合されている、光源装置。 - 請求項1ないし7のいずれかに記載の光源装置と、
前記光源装置から射出された光を複数の部分光線束に分割するレンズアレイと、
前記レンズアレイによって分割された前記部分光線束を照明領域上で重畳させる重畳レンズと、
を備えることを特徴とする照明光学系。 - 請求項1ないし4のいずれかに記載の光源装置と、
前記光源装置から射出された光を複数の部分光線束に分割するレンズアレイと、
前記レンズアレイによって分割された前記部分光線束を照明領域上で重畳させる重畳レンズと、
を備え、
前記レンズアレイは、前記非球面レンズの前記射出面に設けられていることを特徴とする照明光学系。 - 請求項1ないし7のいずれかに記載の光源装置と、
前記光源装置が照明する照明領域としての光入射面を有し、前記光源装置からの入射光を画像情報に応じて変調する電気光学装置と、
前記電気光学装置によって変調された光を投写する投写光学系と、
を備えることを特徴とするプロジェクタ。
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