JPWO2005019929A1 - プロジェクタ - Google Patents

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Abstract

照明光学装置10は、発光管12、楕円面リフレクタ13及び平行化レンズ14を有する光源装置11と、光源装置11から射出された光束を複数の部分光束に分割する第1のレンズアレイ16と、第1のレンズアレイ16により分割された各部分光束を液晶パネル41の画像形成領域上に重畳させるための重畳レンズ19とを備えており、長方形状の画像形成領域の入射側に画素に対応してマイクロレンズ421が配置された液晶パネル41を照明する。平行化レンズ14は、楕円面リフレクタ13により反射された光束の径が、液晶パネル41の画像形成領域の短辺寸法以上、長辺寸法以下となる位置に配置され、第1のレンズアレイ16及び重畳レンズ19の有効光束透過領域の辺の寸法が、液晶パネル41の画像形成領域の短辺寸法以上、長辺寸法以下の矩形状に設定されている。このような構成により、画像品質を向上させることができるとともに、小型化を図ることができる照明光学装置及びこれを備えたプロジェクタを提供することが可能となる。

Description

本発明は、プロジェクタに関する。
従来、プロジェクタとして、光源装置から射出された光束を、ダイクロイックミラーにより赤色,緑色,青色の三色の色光に分離し、三枚の液晶パネル(光変調装置)によって色光毎に画像情報に応じて変調し、変調後の光束をクロスダイクロイックプリズムで合成し、投写レンズを介してカラー画像を拡大投写する、いわゆる三板式のプロジェクタが知られている。
このようなプロジェクタは、図9に示すような照明光学装置100を有している。この照明光学装置100は、光源装置110と、均一照明光学系150とを有している。
光源装置110は、放射光源としての発光管12と、楕円面リフレクタ130と、平行化レンズ140とを有している。そして、発光管12から射出された放射状の光を楕円面リフレクタ130で反射して射出し、平行化レンズ140で平行化させている。
均一照明光学系150は、光束分割光学素子(第1レンズアレイ160)と、偏光変換素子(PBSアレイ180)と、第2レンズアレイ170と、重畳レンズ190とを有している(例えば特許文献1参照。)。そして、楕円面リフレクタ130で反射された光束を複数の部分光束に分割し、液晶パネル41の画像形成領域上に重畳させるように構成されている。
このような照明光学装置100では、発光管12からの光束をすべて取り込むために、第1レンズアレイ160、第2レンズアレイ170、PBSアレイ180、集光レンズ190の有効光束透過領域の輪郭形状を正方形状とし、その一辺の寸法を楕円面リフレクタ130の開口部における反射面の直径の寸法(以下、これを「有効反射面径という」)とほぼ等しくしている。なお、「有効光束透過領域」とは、これらの光学要素それぞれを通過する光束のうち、光変調装置の画像形成領域(被照明領域)を通過できるものが存在する領域である。たとえば、第2レンズアレイ170、PBSアレイ180、集光レンズ190の付近では、第1レンズアレイ160によって分割された複数の部分光束の集光像(アークの像)が観察されるが、この場合の有効光束透過領域は、これらの集光像を包括するような仮想的な矩形の領域である。そして、平行化レンズ140から射出される光束が全て入射できるよう、平行化レンズ140よりも光路下流側に配置される第1レンズアレイ160、第2レンズアレイ170、PBSアレイ180、重畳レンズ190も、平行化レンズ140と一辺の寸法が等しい正方形の有効光束透過領域を有するものとしている。
これに対し、液晶パネル41の画像形成領域は、楕円面リフレクタ130の開口部における反射面の直径の寸法よりも非常に短い短辺、長辺から構成される長方形状となっている。そのため、重畳レンズ190の有効光束透過領域の一辺の寸法と液晶パネル41の画像形成領域の短辺、長辺の寸法との間には大きな寸法差が生じ、重畳レンズ190の周縁部から射出された光の液晶パネル41への入射角度は大きなものとなる。通常、液晶パネル41は、楕円面リフレクタ130やレンズ等で平行光束とされた光束が画像形成領域に対してほぼ垂直に入射するように設計されているので、光束の入射角度が大きくなり、光束が画像形成領域に対し斜めに入射した場合には、投写画像画像のコントラストが悪化しやすく、画像の品質が低下する可能性がある。
また、発光管12からの光束をすべて取り込むために、第1レンズアレイ160,第2レンズアレイ170,PBSアレイ180,重畳レンズ190の有効光束透過領域の一辺の寸法を楕円面リフレクタ130の開口部における反射面の直径の寸法とほぼ等しくしているため、照明光学装置100のさらなる小型化を図ることができないという問題もある。
本発明の目的は、画像品質を向上させることができるとともに、小型化を図ることができるプロジェクタを提供することである。
そのため、本発明は以下の構成を採用して前記目的を達成しようとするものである。
本発明は、入射光束を画像情報に応じて変調して光学像を形成する長方形状の画像形成領域を有し、前記画像形成領域の入射側に画素に対応してマイクロレンズが配置された光変調装置と、前記光変調装置からの変調光を投写する投写光学系と、発光管、前記発光管から放射された光束を反射する楕円面リフレクタ、及び前記楕円面リフレクタにより反射された光束を平行化する平行化レンズを有する光源装置と、照明光軸に直交する面内に複数の小レンズをマトリクス状に配列して構成され、前記光源装置から射出された光束を複数の部分光束に分割する光束分割光学素子と、前記光束分割光学素子により分割された各部分光束を前記光変調装置の画像形成領域上に重畳させるための重畳レンズとを備えたプロジェクタであって、前記平行化レンズは、前記楕円面リフレクタにより反射された光束の径が、前記画像形成領域の短辺寸法以上、長辺寸法以下となる位置に配置され、前記光束分割光学素子と前記重畳レンズの有効光束透過領域の辺の寸法が前記画像形成領域の短辺寸法以上、長辺寸法以下の矩形状に設定されていることを特徴とする。
本発明によれば、楕円面リフレクタを使用しているので、光源装置から放射される光束を単に反射するだけでなく、反射した光束を絞り込み、その径を小さくすることができる。そして、楕円面リフレクタにより反射された光束の径が画像形成領域の短辺寸法以上、長辺寸法以下となる位置に平行化レンズを配置することで、この平行化レンズよりも光路下流側に配置される光束分割光学素子、重畳レンズの有効光束透過領域を画像形成領域の短辺寸法以上、長辺寸法以下の矩形状に設定することができる。これにより、重畳レンズから射出される光束の径は、画像形成領域の短辺寸法以上、長辺寸法以下となる。
重畳レンズから射出される光束の径と、画像形成領域の長辺寸法、矩辺寸法との差が小さくなるので、重畳レンズから射出される光束の光変調装置への入射角度を小さくすることができる。光変調装置への入射光束の入射角度が小さいほど、投写画像のコントラストはよくなるため、従来の照明光学装置を用いた場合にくらべ、画像の品質を向上させることができる。
また、本発明で用いている光変調装置は、画像形成領域の入射側にマイクロレンズが配置された本来光利用効率の高い光変調装置であるが、重畳レンズから射出される光束の光変調装置への入射角度が大きいと、マイクロレンズの作用によりせっかく集光された光の一部が開口部の周囲に形成されたブラックマトリクスによりその通過を妨げられ、結果として光の利用効率がそれほど高まらない。これに対して、本発明によれば、重畳レンズから射出される光束の光変調装置への入射角度が小さくなるので、マイクロレンズの作用により集光された光はブラックマトリクスによりその通過を妨げられることがなくなり、結果として、光利用効率が高まり、画像の輝度を向上させることができる。この効果は、例えば対角0.7インチ(対角約18mm)以下のサイズの光変調装置(液晶パネル)に実施した場合には、画素の開口部が小さくなるので、顕著な効果がある。
また、このように光変調装置への入射光束の入射角度が小さくなるので、光変調装置から射出される光束の射出角も小さくなる。そのため、光変調装置の後段に設けられる投写レンズのFナンバーを大きくすることができ、より解像力の高いまたは高精細な投写画像を形成することができる。
また、光束分割光学素子、重畳レンズの有効光束透過領域の辺の寸法は、光変調装置の画像形成領域の短辺寸法以上、長辺寸法以下の矩形状に設定されているので、従来の平行化レンズ、光束分割光学素子等よりも小さな寸法とすることができる。従って、プロジェクタの小型化、軽量化を図ることができる。
なお、「有効光束透過領域の辺の寸法が光変調装置の画像形成領域の短辺寸法以上、長辺寸法以下の矩形状に設定されている」とは、光束分割光学素子や集光レンズの外形が光変調装置の画像形成領域の短辺寸法以上、長辺寸法以下の矩形状に設定されていることを意味するものではない。光束分割素子や集光レンズの外形は、有効光束透過領域を包含できる大きさでならなくてはならないが、有効光束透過領域と同形状である必要は無い。
本発明において、前記発光管は、所定距離離間して配置される一対の電極と、前記一対の電極が封入された管状部材とを備え、前記管状部材の前記電極の離間部分には膨出部が設けられ、前記膨出部のリフレクタと反対側の光束射出部には、放射光を前記楕円面リフレクタに反射する反射部材が配置されていることが好ましい。
反射部材が取り付けられていない発光管を使用する場合には、発光管から放射される光をなるべくたくさん反射させるために、光束反射面積(有効反射面の面積)が大きな楕円面リフレクタを使用する必要がある。リフレクタによって反射されることなく放射された光は、有効に利用することができないからである。 これに対し、発光管の膨出部のリフレクタと反対側の光束射出部に反射部材を設ければ、発光管から楕円リフレクタの開口側に射出される光を、この反射部材によって楕円面リフレクタ側に反射することが可能となる。このため、光束射出面積が大きな楕円面リフレクタ使わなくても、発光管から放射される光の損失を防ぎ、光の利用効率を向上させることが可能である。
また、光束反射面積が大きな楕円面リフレクタを使用する場合には、楕円面リフレクタにより反射された光束の径が画像形成領域の短辺寸法以上、長辺寸法以下となる位置が発光管から遠くなるので、光源ランプと平行化レンズとの距離を大きくとる必要がある。また、このように、発光管からの距離を大きくとった場合には平行化レンズの屈折力を大きなものにする必要がある。
これに対し、発光管の膨出部のリフレクタと反対側の光束射出部に反射部材を設ければ、楕円面リフレクタの大きさを小さくできるので、楕円面リフレクタにより反射された光束の径が画像形成領域の短辺寸法以上、長辺寸法以下となる位置が発光管に近くなる。そのため、平行化レンズを発光管に接近させることが可能であり、プロジェクタの小型化を図ることができる。また、平行化レンズを発光管に接近させることができるので、平行化レンズの倍率を小さくすることができる。
本発明では、前記反射部材は、前記膨出部に取り付けられた補助ミラーもしくは前記膨出部に形成された反射膜であることが好ましい。このように膨出部に補助ミラーを取り付けたり、膨出部反射膜を形成したりすることで、膨出部から楕円リフレクタの開口側に放射された光束を確実に楕円面リフレクタに反射させることができる。従って、膨出部から楕円リフレクタの開口側に放射された光束が楕円面リフレクタに反射されずに射出されてしまうことを防止でき、光の利用効率をより高めることが可能となる。なお、前記補助ミラーの反射面や前記反射膜としては、蒸着された金属膜や誘電体多層膜を好適に用いることができる。
本発明では、前記平行化レンズは、有効光束透過領域の入射側及び/又は射出側が非球面とされた凹レンズであることが好ましい。球面の平行化レンズを使用した場合には、球面収差が生じるため、レンズ中心部の平行度は高いものの、レンズ周辺部の平行度がよくないことがある。これに対し、平行化レンズの入射側及び/又は射出側を非球面とすれば、射出される光束の平行度を向上させることができる。
また、この平行化凹レンズは、(1)有効光束透過領域の入射側が双曲面形状を有する非球面であり、射出側が平面であるもの、(2)有効光束透過領域の入射側が平面であり、射出側が楕円面を有する非球面であるもの、(3)有効光束透過領域の入射側が球面であり、射出側が楕円面を有する非球面であるもの、のいずれかであることが好ましい。(1)の場合には、入射側を双曲面形状を有する非球面としているので、光束は平行化レンズの有効光束透過領域の入射側で平行化され、射出側では屈折作用を受けないようにすることができる。従って、より平行度の高い射出光束を得ることができる。また、射出側は平面であるため、平行化レンズの作製を比較的安価に行うことができる。(2)の場合には、有効光束透過領域の射出側を非球面としているので、射出される光束の径を小さくすることができる。さらに、有効光束透過領域の射出側を非球面としているので、射出される光束の面内照度のばらつきを比較的小さくすることができる。(3)の場合には、有効光束透過領域の射出側を非球面としているので、(2)の場合と同様の効果を奏することができる。また、有効光束透過領域の入射側を球面としているので、入射側において光が屈折を受けないようにすることができ、より平行度の高い射出光束を得ることができる。
また、本発明において、前記重畳レンズは、前記有効光束透過領域の入射側が平面であり、射出側が双曲面形状を有する非球面であることが好ましい。このようにすれば、前記有効光束透過領域の射出側を非球面としているので、射出される光束の収差を小さくすることができる。従って、光変調装置の画像形成領域に確実に光束を入射させることができる。
また、本発明において、前記光束分割光学素子と前記重畳レンズとの間には、入射光束の偏光方向を揃える偏光変換素子を備え、前記備光変換素子は、水晶又は雲母製の位相差板を有していることが好ましい。本発明によれば、前述したように、光束分割光学素子や重畳レンズのサイズを従来よりもかなり小さくすることができる。一方、これらの小型化によりの有効光束透過領域光束密度が高くなり、単位面積あたりの光量は増えることになる。偏光変換素子には一般的に樹脂を用いた位相差板が用いられるが、単位面積あたりの光量が増えると、樹脂では耐熱性が充分でなくなる可能性がある。そこで、水晶又は雲母製の位相差板を用いれば、位相差板の耐熱性を向上させることができる。
図1は、実施形態1に係るプロジェクタの光学系を示す模式図である。
図2は、光変調装置(液晶パネル)を示す断面図である。
図3は、照明光学装置と液晶パネルとの関係を示す模式図である。
図4は、光源装置から射出された光線の軌跡を示す平面図である。
図5は、光源装置から射出された光線の軌跡を示す側面図である。
図6(a)は、平行化レンズ14の構成を説明するための図、図6(b)は、第1レンズアレイ16の構成を説明するための図、図6(c)は、第2レンズアレイ17とPBSアレイ18の構成を説明するための図、図6(d)は、重畳レンズ19の構成を説明するための図である。
図7(a)、図7(b)は、画像形成領域への光束の入射状態を示す図である。
図8は、照明光学装置と液晶パネルとの関係を示す模式図である。
図9は、従来の照明光学装置と液晶パネルとの関係を示す模式図である。
以下、本発明を実施形態に基づいて詳細に説明する。
A.実施形態1
図1は、本発明の実施形態1に係るプロジェクタ1の光学系の構造を示す模式図である。このプロジェクタ1は、インテグレータ照明光学系(照明光学装置)10、色分離光学系20、リレー光学系30、光学装置40、色合成光学系であるクロスダイクロイックプリズム60、及び投写光学系である投写レンズ70を備えている。
照明光学装置10は、光源装置11及び均一照明光学系15を備えている。光源装置11は、発光管12と、発光管12から射出された光束を反射する楕円面リフレクタ13と、平行化レンズ14とを備えている。
均一照明光学系15は、光源装置11から射出された光束を複数の部分光束に分割するとともに、各部分光束の偏光方向をP偏光光束あるいはS偏光光束に揃えるものであり、光束分割素子である第1レンズアレイ16、第2レンズアレイ17、偏光変換素子であるPBSアレイ18、及び重畳レンズである重畳レンズ19を含んで構成されている。
なお、照明光学装置10についての詳細は後述する。
色分離光学系20は、2枚のダイクロイックミラー21,22と、反射ミラー23とを備え、ダイクロイックミラー21,22により照明光学装置10から射出された複数の部分光束を赤(R)、緑(G)、青(B)の3色の色光に分離する機能を有している。
リレー光学系30は、入射側レンズ31と、リレーレンズ33と、反射ミラー32、34とを備え、色分離光学系20で分離された色光である赤色光を液晶パネル41Rまで導く機能を有している。
この際、色分離光学系20のダイクロイックミラー21では、照明光学装置10から射出された光束のうち、赤色光と緑色光を透過し、青色光を反射する。ダイクロイックミラー21によって反射した青色光は、反射ミラー23で反射され、フィールドレンズ44を通って青色用の液晶パネル41Bに到達する。このフィールドレンズ44は、第2レンズアレイ17から射出された各部分光束をその中心軸(主光線)に対して平行な光束に変換する。他の液晶パネル41G、41Rの光束入射側に設けられたフィールドレンズ44も同様である。
また、ダイクロイックミラー21を透過した赤色光と緑色光のうち緑色光は、ダイクロイックミラー22によって反射され、フィールドレンズ44を通って緑色用の液晶パネル41Gに到達する。一方、赤色光は、ダイクロイックミラー22を透過してリレー光学系30を通り、さらにフィールドレンズ44を通って赤色光用の液晶パネル41Rに到達する。
なお、赤色光にリレー光学系30が用いられているのは、赤色光の光路の長さが他の色光の光路長さよりも長いため、光の発散等による光の利用効率の低下を防止するためである。すなわち、入射側レンズ31に入射した部分光束をそのまま、フィールドレンズ44に伝えるためである。なお、リレー光学系30には、3つの色光のうちの赤色光を通す構成としたが、これに限らず、例えば、青色光を通す構成としてもよい。
光学装置40は、入射された光束を画像情報に応じて変調してカラー画像を形成するものであり、色分離光学系20で分離された各色光が入射される3つの入射側偏光板(図示略)と、入射側偏光板の入射側に配置されるフィールドレンズ44と、各入射側偏光板よりも光路下流側に配置される光変調装置としての液晶パネル41R,41G,41Bと、各液晶パネル41R,41G,41Bよりも光路下流側に配置される射出側偏光板(図示略)と、色合成光学系としてのクロスダイクロイックプリズム60とを備える。
液晶パネル41(41R,41G,41B)は、図2に示すように、表面に画素電極412,TFT(Thin Film Transistor)素子413などが形成されたTFT基板411と、表面にブラックマトリクス415,共通電極416などが形成された対向基板414との間隙に液晶層417が配置された構造を有し、与えられた画像信号に応じて偏光光束の偏光方向を変調するように構成されている。この液晶パネル41の画像形成領域は長方形状である。そして、TFT基板411の他の表面には射出側偏光板418が、また対向基板414の他の表面には入射側偏光板419がそれぞれ貼り付けられている。入射側偏光板418は基板411の光入射側に設けられておればよく、必ずしも基板411の表面に貼り付ける必要は無い。また、射出側偏光板419も基板414の光射出側に設けられておればよく、必ずしも基板414の表面に貼り付ける必要は無い。また、ブラックマトリクス415は、必ずしも対向基板414に形成する必要は無い。ブラックマトリクス415はTFT基板411上に形成しても良い。また、両方の基板411,414に部分的に形成した遮光層を重ね合わせてブラックマトリクス415を構成するようにしても良い。
液晶パネル41は、TFT素子413の働きによって、画素電極412と共通電極416との間に印加される電圧の大きさを画素ごとに制御することにより、対向基板414側から入射した入射光Lの透過率を画素ごとに制御することができる。しかも、ブラックマトリクス415の働きによって、画素以外の部分からの不要な光の漏洩を防止することができる。このため、液晶パネル41はコントラストの高い液晶表示装置となる。
従って、このようなコントラストの高い液晶表示装置である液晶パネル41をプロジェクタ1の3つの液晶パネル41R,41G,41Bに用いることにより、コントラストが高く表示品質のよいプロジェクタとなる。
さらに、対向基板414の入射側には、各画素に対応してマイクロレンズ421が配置されているため、マイクロレンズの無い場合にブラックマトリクス415で遮断されていた光をも有効に利用することができ、プロジェクタ1の3つの液晶パネルにこのような液晶パネル41を用いることにより、プロジェクタの輝度を高めることができる。
入射側偏光板419は、色分離光学系20で分離された各色光のうち、一定方向の偏光光束のみ透過させ、その他の偏光光束を吸収する光学変換素子である。また、射出側偏光板418も、液晶パネル41(41R,41G,41B)から射出された光束のうち、所定方向の偏光光束のみ透過させ、その他の偏光光束を吸収するものである。
フィールドレンズ44は、照明光学装置10の重畳レンズ19で紋り込まれた射出光束を照明光軸に対して平行にするための光学素子である。
クロスダイクロイックプリズム60は、射出側偏光板から射出され、各色光毎に変調された光学像を合成してカラー画像を形成するものである。
クロスダイクロイックプリズム60には、赤色光を反射する誘電体多層膜と青色光を反射する誘電体多層膜とが、4つの直角プリズムの界面に沿ってほぼX字状に設けられ、これらの誘電体多層膜により3つの色光が合成される。
図3も参照して照明光学装置10について詳細に説明する。図3は、照明光学装置10と液晶パネル41との関係を示す模式図である。
前述したように照明光学装置10は光源装置11及び均一照明光学系15を備えている。光源装置11は、発光管12と、発光管12から射出された光束を反射する楕円面リフレクタ13と、平行化レンズ14とを備えている。
発光管12は、所定の間隔をもって配置される一対の電極と、これら電極(図示せず)が封入された管状部材120とを備えている。管状部材120は、両電極間の空隙部分において外側に膨出した膨出部122を有している。膨出部122のリフレクタ13と反対側の光射出部(平行化レンズ14側)には反射部材としての補助ミラー121が取り付けられている。この補助ミラー121は膨出部122から被照明領域側に放射される光束を楕円面リフレクタ13に反射するものである。膨出部の内部にはガスが封入されており、一対の電極間に電圧を印加すると、放電が発生して発光部(アーク)が形成される。なお、このような発光管12としては、高圧水銀ランプやメタルハライドランプなどを使用することができる。
平行化レンズ14は、楕円面リフレクタ13により反射された光束を平行化するものである。この平行化レンズ14の有効光束透過領域の入射側は双曲面形状を有する非球面であり、射出側は平面となっている。平行化レンズ14は、楕円面リフレクタ13により反射された光束の径が液晶パネル41の画像形成領域の短辺寸法以上、長辺寸法以下となる位置に配置されている。
均一照明光学系15は、第1レンズアレイ16、第2レンズアレイ17、PBSアレイ18、及び重畳レンズ19を有している。
第1レンズアレイ16は、光源装置11から射出された光束を複数の部分光束に分割する光束分割光学素子としての機能を有し、照明光軸と直交する面内にマトリクス状に配列される複数のレンズを備えて構成され、各レンズの縦横比は、後述する光学装置40を構成する液晶パネル41R,41G,41Bの画像形成領域の縦横比に対応している。
第2レンズアレイ17は、前述の第1レンズアレイ16により分割された部分光束を集光する集光レンズであり、第1レンズアレイ16と同様に照明光軸に直交する面内にマトリクス状に配列される複数のレンズを備えている。各レンズの配列は、第1レンズアレイ16を構成するレンズに対応している。その各レンズの縦横比は、第1レンズアレイ16のようには液晶パネル41R,41G,41Bの画像形成領域の縦横比に対応させる必要はない。
偏光変換素子としてのPBSアレイ18は、第1レンズアレイ16により分割された各部分光束の偏光方向を一方向に揃える光学素子である。このPBSアレイ18は、偏光方向の異なる2種類のP偏光光束及びS偏光光束のうち一方の偏光光束を透過させ、他方の偏光光束を反射して両偏光光束に分離する偏光分離膜(図示せず)を有している。また、この偏光分離膜で反射された他方の偏光光束の進行方向を折り曲げて、透過した一方の偏光光束の射出方向に揃える反射膜(図示せず)を有している。さらに、2種類の偏光光束の偏光方向を揃える位相差板(図示せず)を有している。この位相差板は、耐熱性を考慮して水晶又は雲母製となっている。
このようなPBSアレイ18を採用することで、発光管12から射出される光束を一方向の偏光光束のみに揃えることができるため、光源光の利用効率を向上させることができる。
重畳レンズ19は、第1レンズアレイ16、第2レンズアレイ17、及びPBSアレイ18を経た複数の部分光束を集光して、液晶パネル41R,41G,41Bの画像形成領域上に重畳させる機能を有するレンズである。この重畳レンズ19は有効光束透過領域の入射側が平面であり、射出側が双曲面形状を有する非球面となっている。
このような平行化レンズ14、第1レンズアレイ16、第2レンズアレイ17、及びPBSアレイ18、重畳レンズ19の有効光束透過領域は、略正方形状であり、各有効光束透過領域の一辺の寸法は、液晶パネル41の画像形成領域の短辺寸法以上、長辺寸法以下となっている。
次に、図4,図5,図6(a)〜(d)をも参照して照明光学装置10の発光管12から放射される光線の軌跡について説明する。図4は、照明光学装置10を上から見た場合の光線の軌跡を示す図である。図5は、照明光学装置10を側方から見た場合の光線の軌跡を示す図である。また、図4,5には液晶パネル41よりも光路上流側に配置されるフィールドレンズ44が示されている。
照明光学装置10において、発光管12を点灯させると、光が放射され、この光は楕円面リフレクタ13により反射される。楕円リフレクタ13は、光源ランプ12から放射される光を単に反射するだけでなく、反射した光束を絞り込み、その径を小さくする。この楕円面リフレクタ13により反射された光束は平行化レンズ14に入射され、平行化される。
平行化レンズ14は、前述したように、また図6(a)に示すように、楕円面リフレクタ13により反射された光束13Aの径L13が液晶パネル41の画像形成領域の短辺寸法L1以上、長辺寸法L2以下となる位置に配置されている。よって、平行化レンズ14から射出される光束13Bの径L13は、液晶パネル41の画像形成領域41Aの短辺寸法L1以上、長辺寸法L2以下となる。
平行化レンズ14によって平行化されたこの光は、第1レンズアレイ16、第2レンズアレイ17、及びPBSアレイ18、重畳レンズ19を順に通過する。図6(b)に示すように、第1レンズアレイ16の有効光束透過領域16A(図中斜線部で示した領域)の辺の寸法L16は、画像形成領域41Aの短辺寸法L1以上、長辺寸法L2以下である。図6(c)に示すように、第2レンズアレイ17とPBSアレイ18の有効光束透過領域17A,18A(図中斜線部で示した領域)の辺の寸法L17,L18も、画像形成領域41Aの短辺寸法L1以上、長辺寸法L2以下である。さらに、図6(d)に示すように、集光レンズ19の有効光束透過領域19Aの辺の寸法L19も、画像形成領域41Aの短辺寸法L1以上、長辺寸法L2以下である。なお、図6(c)には、第2レンズアレイ17の付近で観察される複数のアークの像17Cが示されている。有効光束透過領域17Aは、これら複数のアークの像を包括するような仮想的な矩形の領域である。有効光束領域18A,19Aに関しても同様である。
図6(d)からわかるように、重畳レンズ19の有効光束透過領域19Aの辺の寸法L19と、画像形成領域41Aの長辺寸法L2、短辺寸法L1との差は、極めて小さい。また、図4、図5に示したとおり、重畳レンズ19から射出された光線は、液晶パネル41の画像形成領域にほぼ垂直に入射しており、液晶パネル41への光線の入射角度が小さいことがわかる。
従って、本実施形態によれば、以下の効果を奏することができる。
楕円面リフレクタ13を使用しているので、発光管12から放射される光束を単に反射するだけでなく、反射した光束を絞り込み、その径を小さくすることができる。そして、楕円面リフレクタ13により反射された光束の径が液晶パネル41の画像形成領域の短辺寸法以上、長辺寸法以下となる位置に平行化レンズ14を配置して、これよりも光路下流側に配置される第1レンズアレイ16、第2レンズアレイ17、PBSアレイ18、重畳レンズ19の有効光束透過領域の辺の寸法を、画像形成領域の短辺寸法以上、長辺寸法以下の矩形状に設定している。すると、重畳レンズ19の有効光束透過領域の辺の寸法と、液晶パネル41の画像形成領域の長辺、短辺寸法との差が小さくなるため、重畳レンズ19から射出される光線は液晶パネル41の画像形成領域へほぼ垂直に入射しすることとなる。つまり、光変調装置への光線の入射角度をより小さくすることができる。液晶パネル41へ入射する光線の入射角度が小さいほど、投写画像のコントラストはよくなるため、画像の品質を向上させることができる。
図7は、実施形態1の照明光学装置に用いられた液晶パネル41の画像形成領域への光束の入射状態を示す図である。実施形態1で用いている液晶パネル41は、画像形成領域の入射側にマイクロレンズ421が配置された本来光利用効率の高い光変調装置であるが、重畳レンズ19から射出される光線の入射角度が大きいと、図7(b)に示すように、マイクロレンズ421の作用によりせっかく集光された光の一部が開口部の周囲に形成されたブラックマトリクス415によりその通過を妨げられ、結果として光の利用効率がそれほど高まらない。
これに対して、実施形態1の照明光学装置10によれば、図7(a)に示すように、重畳レンズ19から射出される光線の液晶パネル41への入射角度が小さくなるので、マイクロレンズ421の作用により集光された光はブラックマトリクス415によりその通過を妨げられることがなくなり、結果として、光利用効率が高まり、画像の輝度を向上させることができる。この効果は、例えば対角0.7インチ(対角約18mm)以下のサイズの液晶パネルに実施した場合には、画素の開口部が小さくなるので、顕著な効果がある。
また、本実施形態においては、液晶パネル41へ入射する光線の入射角度が小さくなるので、液晶パネル41から射出される光線の射出角度も小さくなる。そのため、投写レンズ70のFナンバーを大きくすることができ、より解像力の高いまたは高精細な投写画像画像を形成することができる。
さらに、第1レンズアレイ16、第2レンズアレイ17、及びPBSアレイ18、重畳レンズ19の有効光束透過領域の一辺の寸法が、液晶パネル41の画像形成領域の短辺寸法以上、長辺寸法以下である。従って、これらの光学要素16,17,18,19のサイズは、楕円面リフレクタ13の有効反射面径とほぼ同じ寸法の有効光束透過領域を有する従来の光束分割光学素子等よりもかなり小さくすることができる。そのため、プロジェクタの小型化、軽量化を図ることができる。
また、発光管12の膨出部122のリフレクタ13と反対側の光束射出部には反射部材としての補助ミラー121が取り付けられている。反射部材が取り付けられていない発光管12を使用する場合には、発光管12から放射される光をなるべくたくさん反射させるために、光束反射面積(有効反射面径)が大きな楕円面リフレクタを使用する必要がある。リフレクタによって反射されることなく放射された光は、有効に利用することができないからである。これに対し、本実施形態では、発光管12に反射部材としての補助ミラー121が取り付けられているので、発光管12から楕円リフレクタの開口側に射出される光を、反射部材によって楕円面リフレクタ13側に反射することが可能となる。そのため、光束反射面積が大きな楕円面リフレクタを使わなくても、発光管12から放射される光の損失を防ぎ、光の利用効率を向上させることが可能である。
また、光束反射面積が大きな楕円面リフレクタを使用する場合には、楕円面リフレクタにより反射された光束の径が画像形成領域の短辺寸法以上、長辺寸法以下となる位置が発光管12から遠くなるので、発光管12と平行化レンズ14との距離を大きくとる必要がある。また、このように発光管12からの距離を大きくとった場合には、平行化レンズ14の倍率を大きなものにする必要がある。これに対し、反射部材を設ければ、楕円面リフレクタ13により反射された光束の径が液晶パネル41の画像形成領域の短辺寸法以上、長辺寸法以下となる位置が発光管12に近くなる。そのため、平行化レンズ14を発光管12に接近させることが可能であり、プロジェクタの小型化を図ることができる。また、発光管12に平行化レンズ14を接近させることができるので、平行化レンズ14の倍率を小さくすることができる。
また、平行化レンズ14の有効光束透過領域の入射側を双曲面形状を有する非球面としているので、光束は入射側で平行化され、射出側では屈折作用を受けないようにすることができる。従って、より平行度の高い射出光束を得ることができる。また、射出側は平面であるため、平行化レンズ14の作製を比較的安価に行うことができる。
さらに、重畳レンズ19の有効光束透過領域の射出側を非球面としているので射出される光束の収差を小さくすることができる。従って、液晶パネル41の画像形成領域に確実に光束を入射させることができる。また、有効光束透過領域の入射側が平面であるため、重畳レンズ19の作製を容易に行うことができる。
また、本実施形態では、前述したように、平行化レンズ14や第1レンズアレイ16等の有効光束透過領域を小さくしたので、光束密度が高くなっている。そのため、PBSアレイ18の位相差板の耐熱性を向上させる必要がある。本実施形態で、この位相差板を水晶又は雲母製としているので、樹脂製の位相差板に比べ耐熱性を向上させることができる。本実施形態によれば、前述したように、平行化レンズや光束分割光学素子や重畳レンズのサイズを従来よりも小さくすることができる。一方、これらの小型化によりの光束透過領域有効光束透過領域を小さくしたので、光束密度が高くなり、単位面積あたりの光量は増えることになる。偏光変換素子には一般的に樹脂を用いた位相差板が用いられるが、単位面積あたりの光量が増えると、樹脂では耐熱性が充分でなくなる可能性がある。そこで、水晶又は雲母製の位相差板を用いれば、位相差板の耐熱性を向上させることができる。
B.実施形態2
図8は、実施形態2に係る照明光学装置10Bと液晶パネル41との関係を示す模式図である。実施形態2に係る照明光学装置10Bが実施形態1に係る照明光学装置10と異なるのは、反射部材の構成である。すなわち、実施形態1に係る照明光学装置10においては、反射部材が補助ミラー121であるのに対して、実施形態2に係る照明光学装置10Bにおいては、反射部材が膨出部122に蒸着された反射膜121Bである。このため、実施形態2に係る照明光学装置10Bにおいては、実施形態1に係る照明光学装置10の有する効果に加えて以下の効果を有する。すなわち、膨出部122の被照明領域側から放射された光束が反射されて楕円面リフレクタ13に到達するまでに通過する界面の数が少なくなり、界面を通過する際の反射ロスや望ましくない屈折の影響を無くすることができるのである。
なお、本発明は前述の各実施形態に限定されるものではなく、本発明の目的を達成できる範囲での変形、改良等は本発明に含まれるものである。
例えば、前述の各実施形態では、平行化レンズ14は、有効光束透過領域の入射側が双曲面形状を有する非球面であり、射出側が平面であるとしたが、これには限られず、入射側が平面であり、射出側が楕円面を有する非球面であるものや、入射側は球面であり、射出側が楕円面を有する非球面であるものであってもよい。
前者の場合には、射出側を非球面としているので、射出される光束の径を小さくすることができる。また、射出側を非球面としているので、射出される光束の面内照度のばらつきを比較的小さくすることができる。
後者の場合には、前者と同様の効果を奏することができるうえ、入射側を球面としているので、入射側において光が屈折を受けないようにすることができ、より平行度の高い射出光束を得ることができる。
さらに、平行化レンズ14は、非球面を有さず、球面のみを有するものとしてもよい。この場合には、球面収差が生じ、平行度が悪くなる可能性があるが、球面を形成すればよいので、非球面を形成する場合に比べ、製造が容易になるという利点がある。
また、前述の各実施形態では、重畳レンズ19は有効光束透過領域の入射側が平面であり、射出側が双曲面形状を有する非球面であるとしたが、これには限られず、例えば、射出側が平面であってもよい。
また、PBSアレイ18の位相差板を水晶又は雲母製としたが、これには限られず、例えば、位相差板を樹脂製としてもよい。
さらに、発光管12には反射部材としての補助ミラー121が取り付けられたり反射膜121Bが形成されたりしていたが、このような反射部材は必ずしも設けられていなくてもよい。このようにすれば、部材点数を削減することが可能である。ただし、反射部材がない場合には、発光管12から光束が放射状に射出されるので、楕円面リフレクタを大きなものとする必要がある。
また、前述の各実施形態では、第1レンズアレイ16、第2レンズアレイ17、及びPBSアレイ18、重畳レンズ19の有効光束透過領域を略正方形状としたが、これには限られず、辺の長さが液晶パネル41の画像形成領域の短辺寸法以上、長辺寸法以下である長方形状であってもよい。ただし、光束は円形状の断面を有しているので、前記実施形態のように正方形状とした方が有効光束透過領域のうち光束が透過しない部分が少なくてよいという利点がある。
本発明は、プロジェクタに関する。
従来、プロジェクタとして、光源装置から射出された光束を、ダイクロイックミラーにより赤色,緑色,青色の三色の色光に分離し、三枚の液晶パネル(光変調装置)によって色光毎に画像情報に応じて変調し、変調後の光束をクロスダイクロイックプリズムで合成し、投写レンズを介してカラー画像を拡大投写する、いわゆる三板式のプロジェクタが知られている。
このようなプロジェクタは、図9に示すような照明光学装置100を有している。この照明光学装置100は、光源装置110と、均一照明光学系150とを有している。
光源装置110は、放射光源としての発光管12と、楕円面リフレクタ130と、平行化レンズ140とを有している。そして、発光管12から射出された放射状の光を楕円面リフレクタ130で反射して射出し、平行化レンズ140で平行化させている。
均一照明光学系150は、光束分割光学素子(第1レンズアレイ160)と、偏光変換素子(PBSアレイ180)と、第2レンズアレイ170と、重畳レンズ190とを有している(例えば特許文献1参照。)。そして、楕円面リフレクタ130で反射された光束を複数の部分光束に分割し、液晶パネル41の画像形成領域上に重畳させるように構成されている。
このような照明光学装置100では、発光管12からの光束をすべて取り込むために、第1レンズアレイ160、第2レンズアレイ170、PBSアレイ180、集光レンズ190の有効光束透過領域の輪郭形状を正方形状とし、その一辺の寸法を楕円面リフレクタ130の開口部における反射面の直径の寸法(以下、これを「有効反射面径という」)とほぼ等しくしている。なお、「有効光束透過領域」とは、これらの光学要素それぞれを通過する光束のうち、光変調装置の画像形成領域(被照明領域)を通過できるものが存在する領域である。たとえば、第2レンズアレイ170、PBSアレイ180、集光レンズ190の付近では、第1レンズアレイ160によって分割された複数の部分光束の集光像(アークの像)が観察されるが、この場合の有効光束透過領域は、これらの集光像を包括するような仮想的な矩形の領域である。そして、平行化レンズ140から射出される光束が全て入射できるよう、平行化レンズ140よりも光路下流側に配置される第1レンズアレイ160、第2レンズアレイ170、PBSアレイ180、重畳レンズ190も、平行化レンズ140と一辺の寸法が等しい正方形の有効光束透過領域を有するものとしている。
これに対し、液晶パネル41の画像形成領域は、楕円面リフレクタ130の開口部における反射面の直径の寸法よりも非常に短い短辺、長辺から構成される長方形状となっている。そのため、重畳レンズ190の有効光束透過領域の一辺の寸法と液晶パネル41の画像形成領域の短辺、長辺の寸法との間には大きな寸法差が生じ、重畳レンズ190の周縁部から射出された光の液晶パネル41への入射角度は大きなものとなる。通常、液晶パネル41は、楕円面リフレクタ130やレンズ等で平行光束とされた光束が画像形成領域に対してほぼ垂直に入射するように設計されているので、光束の入射角度が大きくなり、光束が画像形成領域に対し斜めに入射した場合には、投写画像画像のコントラストが悪化しやすく、画像の品質が低下する可能性がある。
また、発光管12からの光束をすべて取り込むために、第1レンズアレイ160,第2レンズアレイ170,PBSアレイ180,重畳レンズ190の有効光束透過領域の一辺の寸法を楕円面リフレクタ130の開口部における反射面の直径の寸法とほぼ等しくしているため、照明光学装置100のさらなる小型化を図ることができないという問題もある。
本発明の目的は、画像品質を向上させることができるとともに、小型化を図ることができるプロジェクタを提供することである。
そのため、本発明は以下の構成を採用して前記目的を達成しようとするものである。
本発明は、入射光束を画像情報に応じて変調して光学像を形成する長方形状の画像形成領域を有し、前記画像形成領域の入射側に画素に対応してマイクロレンズが配置された光変調装置と、前記光変調装置からの変調光を投写する投写光学系と、発光管、前記発光管から放射された光束を反射する楕円面リフレクタ、及び前記楕円面リフレクタにより反射された光束を平行化する平行化レンズを有する光源装置と、照明光軸に直交する面内に複数の小レンズをマトリクス状に配列して構成され、前記光源装置から射出された光束を複数の部分光束に分割する光束分割光学素子と、前記光束分割光学素子により分割された各部分光束を前記光変調装置の画像形成領域上に重畳させるための重畳レンズとを備えたプロジェクタであって、前記平行化レンズは、前記楕円面リフレクタにより反射された光束の径が、前記画像形成領域の短辺寸法以上、長辺寸法以下となる位置に配置され、前記光束分割光学素子と前記重畳レンズの有効光束透過領域の辺の寸法が前記画像形成領域の短辺寸法以上、長辺寸法以下の矩形状に設定されていることを特徴とする。
本発明によれば、楕円面リフレクタを使用しているので、光源装置から放射される光束を単に反射するだけでなく、反射した光束を絞り込み、その径を小さくすることができる。そして、楕円面リフレクタにより反射された光束の径が画像形成領域の短辺寸法以上、長辺寸法以下となる位置に平行化レンズを配置することで、この平行化レンズよりも光路下流側に配置される光束分割光学素子、重畳レンズの有効光束透過領域を画像形成領域の短辺寸法以上、長辺寸法以下の矩形状に設定することができる。これにより、重畳レンズから射出される光束の径は、画像形成領域の短辺寸法以上、長辺寸法以下となる。
重畳レンズから射出される光束の径と、画像形成領域の長辺寸法、矩辺寸法との差が小さくなるので、重畳レンズから射出される光束の光変調装置への入射角度を小さくすることができる。光変調装置への入射光束の入射角度が小さいほど、投写画像のコントラストはよくなるため、従来の照明光学装置を用いた場合にくらべ、画像の品質を向上させることができる。
また、本発明で用いている光変調装置は、画像形成領域の入射側にマイクロレンズが配置された本来光利用効率の高い光変調装置であるが、重畳レンズから射出される光束の光変調装置への入射角度が大きいと、マイクロレンズの作用によりせっかく集光された光の一部が開口部の周囲に形成されたブラックマトリクスによりその通過を妨げられ、結果として光の利用効率がそれほど高まらない。これに対して、本発明によれば、重畳レンズから射出される光束の光変調装置への入射角度が小さくなるので、マイクロレンズの作用により集光された光はブラックマトリクスによりその通過を妨げられることがなくなり、結果として、光利用効率が高まり、画像の輝度を向上させることができる。この効果は、例えば対角0.7インチ(対角約18mm)以下のサイズの光変調装置(液晶パネル)に実施した場合には、画素の開口部が小さくなるので、顕著な効果がある。
また、このように光変調装置への入射光束の入射角度が小さくなるので、光変調装置から射出される光束の射出角も小さくなる。そのため、光変調装置の後段に設けられる投写レンズのFナンバーを大きくすることができ、より解像力の高いまたは高精細な投写画像を形成することができる。
また、光束分割光学素子、重畳レンズの有効光束透過領域の辺の寸法は、光変調装置の画像形成領域の短辺寸法以上、長辺寸法以下の矩形状に設定されているので、従来の平行化レンズ、光束分割光学素子等よりも小さな寸法とすることができる。従って、プロジェクタの小型化、軽量化を図ることができる。
なお、「有効光束透過領域の辺の寸法が光変調装置の画像形成領域の短辺寸法以上、長辺寸法以下の矩形状に設定されている」とは、光束分割光学素子や集光レンズの外形が光変調装置の画像形成領域の短辺寸法以上、長辺寸法以下の矩形状に設定されていることを意味するものではない。光束分割素子や集光レンズの外形は、有効光束透過領域を包含できる大きさでならなくてはならないが、有効光束透過領域と同形状である必要は無い。
本発明において、前記発光管は、所定距離離間して配置される一対の電極と、前記一対の電極が封入された管状部材とを備え、前記管状部材の前記電極の離間部分には膨出部が設けられ、前記膨出部のリフレクタと反対側の光束射出部には、放射光を前記楕円面リフレクタに反射する反射部材が配置されていることが好ましい。
反射部材が取り付けられていない発光管を使用する場合には、発光管から放射される光をなるべくたくさん反射させるために、光束反射面積(有効反射面の面積)が大きな楕円面リフレクタを使用する必要がある。リフレクタによって反射されることなく放射された光は、有効に利用することができないからである。 これに対し、発光管の膨出部のリフレクタと反対側の光束射出部に反射部材を設ければ、発光管から楕円リフレクタの開口側に射出される光を、この反射部材によって楕円面リフレクタ側に反射することが可能となる。このため、光束射出面積が大きな楕円面リフレクタ使わなくても、発光管から放射される光の損失を防ぎ、光の利用効率を向上させることが可能である。
また、光束反射面積が大きな楕円面リフレクタを使用する場合には、楕円面リフレクタにより反射された光束の径が画像形成領域の短辺寸法以上、長辺寸法以下となる位置が発光管から遠くなるので、光源ランプと平行化レンズとの距離を大きくとる必要がある。また、このように、発光管からの距離を大きくとった場合には平行化レンズの屈折力を大きなものにする必要がある。
これに対し、発光管の膨出部のリフレクタと反対側の光束射出部に反射部材を設ければ、楕円面リフレクタの大きさを小さくできるので、楕円面リフレクタにより反射された光束の径が画像形成領域の短辺寸法以上、長辺寸法以下となる位置が発光管に近くなる。そのため、平行化レンズを発光管に接近させることが可能であり、プロジェクタの小型化を図ることができる。また、平行化レンズを発光管に接近させることができるので、平行化レンズの倍率を小さくすることができる。
本発明では、前記反射部材は、前記膨出部に取り付けられた補助ミラーもしくは前記膨出部に形成された反射膜であることが好ましい。このように膨出部に補助ミラーを取り付けたり、膨出部反射膜を形成したりすることで、膨出部から楕円リフレクタの開口側に放射された光束を確実に楕円面リフレクタに反射させることができる。従って、膨出部から楕円リフレクタの開口側に放射された光束が楕円面リフレクタに反射されずに射出されてしまうことを防止でき、光の利用効率をより高めることが可能となる。なお、前記補助ミラーの反射面や前記反射膜としては、蒸着された金属膜や誘電体多層膜を好適に用いることができる。
本発明では、前記平行化レンズは、有効光束透過領域の入射側及び/又は射出側が非球面とされた凹レンズであることが好ましい。球面の平行化レンズを使用した場合には、球面収差が生じるため、レンズ中心部の平行度は高いものの、レンズ周辺部の平行度がよくないことがある。これに対し、平行化レンズの入射側及び/又は射出側を非球面とすれば、射出される光束の平行度を向上させることができる。
また、この平行化凹レンズは、(1)有効光束透過領域の入射側が双曲面形状を有する非球面であり、射出側が平面であるもの、(2)有効光束透過領域の入射側が平面であり、射出側が楕円面を有する非球面であるもの、(3)有効光束透過領域の入射側が球面であり、射出側が楕円面を有する非球面であるもの、のいずれかであることが好ましい。(1)の場合には、入射側を双曲面形状を有する非球面としているので、光束は平行化レンズの有効光束透過領域の入射側で平行化され、射出側では屈折作用を受けないようにすることができる。従って、より平行度の高い射出光束を得ることができる。また、射出側は平面であるため、平行化レンズの作製を比較的安価に行うことができる。(2)の場合には、有効光束透過領域の射出側を非球面としているので、射出される光束の径を小さくすることができる。さらに、有効光束透過領域の射出側を非球面としているので、射出される光束の面内照度のばらつきを比較的小さくすることができる。(3)の場合には、有効光束透過領域の射出側を非球面としているので、(2)の場合と同様の効果を奏することができる。また、有効光束透過領域の入射側を球面としているので、入射側において光が屈折を受けないようにすることができ、より平行度の高い射出光束を得ることができる。
また、本発明において、前記重畳レンズは、前記有効光束透過領域の入射側が平面であり、射出側が双曲面形状を有する非球面であることが好ましい。このようにすれば、前記有効光束透過領域の射出側を非球面としているので、射出される光束の収差を小さくすることができる。従って、光変調装置の画像形成領域に確実に光束を入射させることができる。
また、本発明において、前記光束分割光学素子と前記重畳レンズとの間には、入射光束の偏光方向を揃える偏光変換素子を備え、前記備光変換素子は、水晶又は雲母製の位相差板を有していることが好ましい。本発明によれば、前述したように、光束分割光学素子や重畳レンズのサイズを従来よりもかなり小さくすることができる。一方、これらの小型化によりの有効光束透過領域光束密度が高くなり、単位面積あたりの光量は増えることになる。偏光変換素子には一般的に樹脂を用いた位相差板が用いられるが、単位面積あたりの光量が増えると、樹脂では耐熱性が充分でなくなる可能性がある。そこで、水晶又は雲母製の位相差板を用いれば、位相差板の耐熱性を向上させることができる。
以下、本発明を実施形態に基づいて詳細に説明する。
A.実施形態1
図1は、本発明の実施形態1に係るプロジェクタ1の光学系の構造を示す模式図である。このプロジェクタ1は、インテグレータ照明光学系(照明光学装置)10、色分離光学系20、リレー光学系30、光学装置40、色合成光学系であるクロスダイクロイックプリズム60、及び投写光学系である投写レンズ70を備えている。
照明光学装置10は、光源装置11及び均一照明光学系15を備えている。光源装置11は、発光管12と、発光管12から射出された光束を反射する楕円面リフレクタ13と、平行化レンズ14とを備えている。
均一照明光学系15は、光源装置11から射出された光束を複数の部分光束に分割するとともに、各部分光束の偏光方向をP偏光光束あるいはS偏光光束に揃えるものであり、光束分割素子である第1レンズアレイ16、第2レンズアレイ17、偏光変換素子であるPBSアレイ18、及び重畳レンズである重畳レンズ19を含んで構成されている。
なお、照明光学装置10についての詳細は後述する。
色分離光学系20は、2枚のダイクロイックミラー21,22と、反射ミラー23とを備え、ダイクロイックミラー21,22により照明光学装置10から射出された複数の部分光束を赤(R)、緑(G)、青(B)の3色の色光に分離する機能を有している。
リレー光学系30は、入射側レンズ31と、リレーレンズ33と、反射ミラー32、34とを備え、色分離光学系20で分離された色光である赤色光を液晶パネル41Rまで導く機能を有している。
この際、色分離光学系20のダイクロイックミラー21では、照明光学装置10から射出された光束のうち、赤色光と緑色光を透過し、青色光を反射する。ダイクロイックミラー21によって反射した青色光は、反射ミラー23で反射され、フィールドレンズ44を通って青色用の液晶パネル41Bに到達する。このフィールドレンズ44は、第2レンズアレイ17から射出された各部分光束をその中心軸(主光線)に対して平行な光束に変換する。他の液晶パネル41G、41Rの光束入射側に設けられたフィールドレンズ44も同様である。
また、ダイクロイックミラー21を透過した赤色光と緑色光のうち緑色光は、ダイクロイックミラー22によって反射され、フィールドレンズ44を通って緑色用の液晶パネル41Gに到達する。一方、赤色光は、ダイクロイックミラー22を透過してリレー光学系30を通り、さらにフィールドレンズ44を通って赤色光用の液晶パネル41Rに到達する。
なお、赤色光にリレー光学系30が用いられているのは、赤色光の光路の長さが他の色光の光路長さよりも長いため、光の発散等による光の利用効率の低下を防止するためである。すなわち、入射側レンズ31に入射した部分光束をそのまま、フィールドレンズ44に伝えるためである。なお、リレー光学系30には、3つの色光のうちの赤色光を通す構成としたが、これに限らず、例えば、青色光を通す構成としてもよい。
光学装置40は、入射された光束を画像情報に応じて変調してカラー画像を形成するものであり、色分離光学系20で分離された各色光が入射される3つの入射側偏光板(図示略)と、入射側偏光板の入射側に配置されるフィールドレンズ44と、各入射側偏光板よりも光路下流側に配置される光変調装置としての液晶パネル41R,41G,41Bと、各液晶パネル41R,41G,41Bよりも光路下流側に配置される射出側偏光板(図示略)と、色合成光学系としてのクロスダイクロイックプリズム60とを備える。
液晶パネル41(41R,41G,41B)は、図2に示すように、表面に画素電極412,TFT(Thin Film Transistor)素子413などが形成されたTFT基板411と、表面にブラックマトリクス415,共通電極416などが形成された対向基板414との間隙に液晶層417が配置された構造を有し、与えられた画像信号に応じて偏光光束の偏光方向を変調するように構成されている。この液晶パネル41の画像形成領域は長方形状である。そして、TFT基板411の他の表面には射出側偏光板418が、また対向基板414の他の表面には入射側偏光板419がそれぞれ貼り付けられている。入射側偏光板419は基板414の光入射側に設けられておればよく、必ずしも基板414の表面に貼り付ける必要は無い。また、射出側偏光板418も基板411の光射出側に設けられておればよく、必ずしも基板411の表面に貼り付ける必要は無い。また、ブラックマトリクス415は、必ずしも対向基板414に形成する必要は無い。ブラックマトリクス415はTFT基板411上に形成しても良い。また、両方の基板411,414に部分的に形成した遮光層を重ね合わせてブラックマトリクス415を構成するようにしても良い。
液晶パネル41は、TFT素子413の働きによって、画素電極412と共通電極416との間に印加される電圧の大きさを画素ごとに制御することにより、対向基板414側から入射した入射光Lの透過率を画素ごとに制御することができる。しかも、ブラックマトリクス415の働きによって、画素以外の部分からの不要な光の漏洩を防止することができる。このため、液晶パネル41はコントラストの高い液晶表示装置となる。
従って、このようなコントラストの高い液晶表示装置である液晶パネル41をプロジェクタ1の3つの液晶パネル41R,41G,41Bに用いることにより、コントラストが高く表示品質のよいプロジェクタとなる。
さらに、対向基板414の入射側には、各画素に対応してマイクロレンズ421が配置されているため、マイクロレンズの無い場合にブラックマトリクス415で遮断されていた光をも有効に利用することができ、プロジェクタ1の3つの液晶パネルにこのような液晶パネル41を用いることにより、プロジェクタの輝度を高めることができる。
入射側偏光板419は、色分離光学系20で分離された各色光のうち、一定方向の偏光光束のみ透過させ、その他の偏光光束を吸収する光学変換素子である。また、射出側偏光板418も、液晶パネル41(41R,41G,41B)から射出された光束のうち、所定方向の偏光光束のみ透過させ、その他の偏光光束を吸収するものである。
フィールドレンズ44は、照明光学装置10の重畳レンズ19で絞り込まれた射出光束を照明光軸に対して平行にするための光学素子である。
クロスダイクロイックプリズム60は、射出側偏光板から射出され、各色光毎に変調された光学像を合成してカラー画像を形成するものである。
クロスダイクロイックプリズム60には、赤色光を反射する誘電体多層膜と青色光を反射する誘電体多層膜とが、4つの直角プリズムの界面に沿ってほぼX字状に設けられ、これらの誘電体多層膜により3つの色光が合成される。
図3も参照して照明光学装置10について詳細に説明する。図3は、照明光学装置10と液晶パネル41との関係を示す模式図である。
前述したように照明光学装置10は光源装置11及び均一照明光学系15を備えている。光源装置11は、発光管12と、発光管12から射出された光束を反射する楕円面リフレクタ13と、平行化レンズ14とを備えている。
発光管12は、所定の間隔をもって配置される一対の電極と、これら電極(図示せず)が封入された管状部材120とを備えている。管状部材120は、両電極間の空隙部分において外側に膨出した膨出部122を有している。膨出部122のリフレクタ13と反対側の光射出部(平行化レンズ14側)には反射部材としての補助ミラー121が取り付けられている。この補助ミラー121は膨出部122から被照明領域側に放射される光束を楕円面リフレクタ13に反射するものである。膨出部の内部にはガスが封入されており、一対の電極間に電圧を印加すると、放電が発生して発光部(アーク)が形成される。なお、このような発光管12としては、高圧水銀ランプやメタルハライドランプなどを使用することができる。
平行化レンズ14は、楕円面リフレクタ13により反射された光束を平行化するものである。この平行化レンズ14の有効光束透過領域の入射側は双曲面形状を有する非球面であり、射出側は平面となっている。平行化レンズ14は、楕円面リフレクタ13により反射された光束の径が液晶パネル41の画像形成領域の短辺寸法以上、長辺寸法以下となる位置に配置されている。
均一照明光学系15は、第1レンズアレイ16、第2レンズアレイ17、PBSアレイ18、及び重畳レンズ19を有している。
第1レンズアレイ16は、光源装置11から射出された光束を複数の部分光束に分割する光束分割光学素子としての機能を有し、照明光軸と直交する面内にマトリクス状に配列される複数のレンズを備えて構成され、各レンズの縦横比は、後述する光学装置40を構成する液晶パネル41R,41G,41Bの画像形成領域の縦横比に対応している。
第2レンズアレイ17は、前述の第1レンズアレイ16により分割された部分光束を集光する集光レンズであり、第1レンズアレイ16と同様に照明光軸に直交する面内にマトリクス状に配列される複数のレンズを備えている。各レンズの配列は、第1レンズアレイ16を構成するレンズに対応している。その各レンズの縦横比は、第1レンズアレイ16のようには液晶パネル41R,41G,41Bの画像形成領域の縦横比に対応させる必要はない。
偏光変換素子としてのPBSアレイ18は、第1レンズアレイ16により分割された各部分光束の偏光方向を一方向に揃える光学素子である。このPBSアレイ18は、偏光方向の異なる2種類のP偏光光束及びS偏光光束のうち一方の偏光光束を透過させ、他方の偏光光束を反射して両偏光光束に分離する偏光分離膜(図示せず)を有している。また、この偏光分離膜で反射された他方の偏光光束の進行方向を折り曲げて、透過した一方の偏光光束の射出方向に揃える反射膜(図示せず)を有している。さらに、2種類の偏光光束の偏光方向を揃える位相差板(図示せず)を有している。この位相差板は、耐熱性を考慮して水晶又は雲母製となっている。
このようなPBSアレイ18を採用することで、発光管12から射出される光束を一方向の偏光光束のみに揃えることができるため、光源光の利用効率を向上させることができる。
重畳レンズ19は、第1レンズアレイ16、第2レンズアレイ17、及びPBSアレイ18を経た複数の部分光束を集光して、液晶パネル41R,41G,41Bの画像形成領域上に重畳させる機能を有するレンズである。この重畳レンズ19は有効光束透過領域の入射側が平面であり、射出側が双曲面形状を有する非球面となっている。
このような平行化レンズ14、第1レンズアレイ16、第2レンズアレイ17、及びPBSアレイ18、重畳レンズ19の有効光束透過領域は、略正方形状であり、各有効光束透過領域の一辺の寸法は、液晶パネル41の画像形成領域の短辺寸法以上、長辺寸法以下となっている。
次に、図4,図5,図6(a)〜(d)をも参照して照明光学装置10の発光管12から放射される光線の軌跡について説明する。図4は、照明光学装置10を上から見た場合の光線の軌跡を示す図である。図5は、照明光学装置10を側方から見た場合の光線の軌跡を示す図である。また、図4,5には液晶パネル41よりも光路上流側に配置されるフィールドレンズ44が示されている。
照明光学装置10において、発光管12を点灯させると、光が放射され、この光は楕円面リフレクタ13により反射される。楕円リフレクタ13は、光源ランプ12から放射される光を単に反射するだけでなく、反射した光束を絞り込み、その径を小さくする。この楕円面リフレクタ13により反射された光束は平行化レンズ14に入射され、平行化される。
平行化レンズ14は、前述したように、また図6(a)に示すように、楕円面リフレクタ13により反射された光束13Aの径L13が液晶パネル41の画像形成領域の短辺寸法L1以上、長辺寸法L2以下となる位置に配置されている。よって、平行化レンズ14から射出される光束13Bの径L13は、液晶パネル41の画像形成領域41Aの短辺寸法L1以上、長辺寸法L2以下となる。
平行化レンズ14によって平行化されたこの光は、第1レンズアレイ16、第2レンズアレイ17、及びPBSアレイ18、重畳レンズ19を順に通過する。図6(c)に示すように、第1レンズアレイ16の有効光束透過領域16A(図中斜線部で示した領域)の辺の寸法L16は、画像形成領域41Aの短辺寸法L1以上、長辺寸法L2以下である。図6(b)に示すように、第2レンズアレイ17とPBSアレイ18の有効光束透過領域17A,18A(図中斜線部で示した領域)の辺の寸法L17,L18も、画像形成領域41Aの短辺寸法L1以上、長辺寸法L2以下である。さらに、図6(d)に示すように、集光レンズ19の有効光束透過領域19Aの辺の寸法L19も、画像形成領域41Aの短辺寸法L1以上、長辺寸法L2以下である。なお、図6(b)には、第2レンズアレイ17の付近で観察される複数のアークの像17Cが示されている。有効光束透過領域17Aは、これら複数のアークの像を包括するような仮想的な矩形の領域である。有効光束領域18A,19Aに関しても同様である。
図6(d)からわかるように、重畳レンズ19の有効光束透過領域19Aの辺の寸法L19と、画像形成領域41Aの長辺寸法L2、短辺寸法L1との差は、極めて小さい。また、図4、図5に示したとおり、重畳レンズ19から射出された光線は、液晶パネル41の画像形成領域にほぼ垂直に入射しており、液晶パネル41への光線の入射角度が小さいことがわかる。
従って、本実施形態によれば、以下の効果を奏することができる。
楕円面リフレクタ13を使用しているので、発光管12から放射される光束を単に反射するだけでなく、反射した光束を絞り込み、その径を小さくすることができる。そして、楕円面リフレクタ13により反射された光束の径が液晶パネル41の画像形成領域の短辺寸法以上、長辺寸法以下となる位置に平行化レンズ14を配置して、これよりも光路下流側に配置される第1レンズアレイ16、第2レンズアレイ17、PBSアレイ18、重畳レンズ19の有効光束透過領域の辺の寸法を、画像形成領域の短辺寸法以上、長辺寸法以下の矩形状に設定している。すると、重畳レンズ19の有効光束透過領域の辺の寸法と、液晶パネル41の画像形成領域の長辺、短辺寸法との差が小さくなるため、重畳レンズ19から射出される光線は液晶パネル41の画像形成領域へほぼ垂直に入射しすることとなる。つまり、光変調装置への光線の入射角度をより小さくすることができる。液晶パネル41へ入射する光線の入射角度が小さいほど、投写画像のコントラストはよくなるため、画像の品質を向上させることができる。
図7は、実施形態1の照明光学装置に用いられた液晶パネル41の画像形成領域への光束の入射状態を示す図である。実施形態1で用いている液晶パネル41は、画像形成領域の入射側にマイクロレンズ421が配置された本来光利用効率の高い光変調装置であるが、重畳レンズ19から射出される光線の入射角度が大きいと、図7(b)に示すように、マイクロレンズ421の作用によりせっかく集光された光の一部が開口部の周囲に形成されたブラックマトリクス415によりその通過を妨げられ、結果として光の利用効率がそれほど高まらない。
これに対して、実施形態1の照明光学装置10によれば、図7(a)に示すように、重畳レンズ19から射出される光線の液晶パネル41への入射角度が小さくなるので、マイクロレンズ421の作用により集光された光はブラックマトリクス415によりその通過を妨げられることがなくなり、結果として、光利用効率が高まり、画像の輝度を向上させることができる。この効果は、例えば対角0.7インチ(対角約18mm)以下のサイズの液晶パネルに実施した場合には、画素の開口部が小さくなるので、顕著な効果がある。
また、本実施形態においては、液晶パネル41へ入射する光線の入射角度が小さくなるので、液晶パネル41から射出される光線の射出角度も小さくなる。そのため、投写レンズ70のFナンバーを大きくすることができ、より解像力の高いまたは高精細な投写画像画像を形成することができる。
さらに、第1レンズアレイ16、第2レンズアレイ17、及びPBSアレイ18、重畳レンズ19の有効光束透過領域の一辺の寸法が、液晶パネル41の画像形成領域の短辺寸法以上、長辺寸法以下である。従って、これらの光学要素16,17,18,19のサイズは、楕円面リフレクタ13の有効反射面径とほぼ同じ寸法の有効光束透過領域を有する従来の光束分割光学素子等よりもかなり小さくすることができる。そのため、プロジェクタの小型化、軽量化を図ることができる。
また、発光管12の膨出部122のリフレクタ13と反対側の光束射出部には反射部材としての補助ミラー121が取り付けられている。反射部材が取り付けられていない発光管12を使用する場合には、発光管12から放射される光をなるべくたくさん反射させるために、光束反射面積(有効反射面径)が大きな楕円面リフレクタを使用する必要がある。リフレクタによって反射されることなく放射された光は、有効に利用することができないからである。これに対し、本実施形態では、発光管12に反射部材としての補助ミラー121が取り付けられているので、発光管12から楕円リフレクタの開口側に射出される光を、反射部材によって楕円面リフレクタ13側に反射することが可能となる。そのため、光束反射面積が大きな楕円面リフレクタを使わなくても、発光管12から放射される光の損失を防ぎ、光の利用効率を向上させることが可能である。
また、光束反射面積が大きな楕円面リフレクタを使用する場合には、楕円面リフレクタにより反射された光束の径が画像形成領域の短辺寸法以上、長辺寸法以下となる位置が発光管12から遠くなるので、発光管12と平行化レンズ14との距離を大きくとる必要がある。また、このように発光管12からの距離を大きくとった場合には、平行化レンズ14の倍率を大きなものにする必要がある。これに対し、反射部材を設ければ、楕円面リフレクタ13により反射された光束の径が液晶パネル41の画像形成領域の短辺寸法以上、長辺寸法以下となる位置が発光管12に近くなる。そのため、平行化レンズ14を発光管12に接近させることが可能であり、プロジェクタの小型化を図ることができる。また、発光管12に平行化レンズ14を接近させることができるので、平行化レンズ14の倍率を小さくすることができる。
また、平行化レンズ14の有効光束透過領域の入射側を双曲面形状を有する非球面としているので、光束は入射側で平行化され、射出側では屈折作用を受けないようにすることができる。従って、より平行度の高い射出光束を得ることができる。また、射出側は平面であるため、平行化レンズ14の作製を比較的安価に行うことができる。
さらに、重畳レンズ19の有効光束透過領域の射出側を非球面としているので射出される光束の収差を小さくすることができる。従って、液晶パネル41の画像形成領域に確実に光束を入射させることができる。また、有効光束透過領域の入射側が平面であるため、重畳レンズ19の作製を容易に行うことができる。
また、本実施形態では、前述したように、平行化レンズ14や第1レンズアレイ16等の有効光束透過領域を小さくしたので、光束密度が高くなっている。そのため、PBSアレイ18の位相差板の耐熱性を向上させる必要がある。本実施形態で、この位相差板を水晶又は雲母製としているので、樹脂製の位相差板に比べ耐熱性を向上させることができる。本実施形態によれば、前述したように、平行化レンズや光束分割光学素子や重畳レンズのサイズを従来よりも小さくすることができる。一方、これらの小型化によりの光束透過領域有効光束透過領域を小さくしたので、光束密度が高くなり、単位面積あたりの光量は増えることになる。偏光変換素子には一般的に樹脂を用いた位相差板が用いられるが、単位面積あたりの光量が増えると、樹脂では耐熱性が充分でなくなる可能性がある。そこで、水晶又は雲母製の位相差板を用いれば、位相差板の耐熱性を向上させることができる。
B.実施形態2
図8は、実施形態2に係る照明光学装置10Bと液晶パネル41との関係を示す模式図である。実施形態2に係る照明光学装置10Bが実施形態1に係る照明光学装置10と異なるのは、反射部材の構成である。すなわち、実施形態1に係る照明光学装置10においては、反射部材が補助ミラー121であるのに対して、実施形態2に係る照明光学装置10Bにおいては、反射部材が膨出部122に蒸着された反射膜121Bである。このため、実施形態2に係る照明光学装置10Bにおいては、実施形態1に係る照明光学装置10の有する効果に加えて以下の効果を有する。すなわち、膨出部122の被照明領域側から放射された光束が反射されて楕円面リフレクタ13に到達するまでに通過する界面の数が少なくなり、界面を通過する際の反射ロスや望ましくない屈折の影響を無くすることができるのである。
なお、本発明は前述の各実施形態に限定されるものではなく、本発明の目的を達成できる範囲での変形、改良等は本発明に含まれるものである。
例えば、前述の各実施形態では、平行化レンズ14は、有効光束透過領域の入射側が双曲面形状を有する非球面であり、射出側が平面であるとしたが、これには限られず、入射側が平面であり、射出側が楕円面を有する非球面であるものや、入射側は球面であり、射出側が楕円面を有する非球面であるものであってもよい。
前者の場合には、射出側を非球面としているので、射出される光束の径を小さくすることができる。また、射出側を非球面としているので、射出される光束の面内照度のばらつきを比較的小さくすることができる。
後者の場合には、前者と同様の効果を奏することができるうえ、入射側を球面としているので、入射側において光が屈折を受けないようにすることができ、より平行度の高い射出光束を得ることができる。
さらに、平行化レンズ14は、非球面を有さず、球面のみを有するものとしてもよい。この場合には、球面収差が生じ、平行度が悪くなる可能性があるが、球面を形成すればよいので、非球面を形成する場合に比べ、製造が容易になるという利点がある。
また、前述の各実施形態では、重畳レンズ19は有効光束透過領域の入射側が平面であり、射出側が双曲面形状を有する非球面であるとしたが、これには限られず、例えば、射出側が平面であってもよい。
また、PBSアレイ18の位相差板を水晶又は雲母製としたが、これには限られず、例えば、位相差板を樹脂製としてもよい。
さらに、発光管12には反射部材としての補助ミラー121が取り付けられたり反射膜121Bが形成されたりしていたが、このような反射部材は必ずしも設けられていなくてもよい。このようにすれば、部材点数を削減することが可能である。ただし、反射部材がない場合には、発光管12から光束が放射状に射出されるので、楕円面リフレクタを大きなものとする必要がある。
また、前述の各実施形態では、第1レンズアレイ16、第2レンズアレイ17、及びPBSアレイ18、重畳レンズ19の有効光束透過領域を略正方形状としたが、これには限られず、辺の長さが液晶パネル41の画像形成領域の短辺寸法以上、長辺寸法以下である長方形状であってもよい。ただし、光束は円形状の断面を有しているので、前記実施形態のように正方形状とした方が有効光束透過領域のうち光束が透過しない部分が少なくてよいという利点がある。
実施形態1に係るプロジェクタの光学系を示す模式図である。 光変調装置(液晶パネル)を示す断面図である。 照明光学装置と液晶パネルとの関係を示す模式図である。 光源装置から射出された光線の軌跡を示す平面図である。 光源装置から射出された光線の軌跡を示す側面図である。 (a)は、平行化レンズ14の構成を説明するための図、(b)は、第1レンズアレイ16の構成を説明するための図、(c)は、第2レンズアレイ17とPBSアレイ18の構成を説明するための図、(d)は、重畳レンズ19の構成を説明するための図である。 (a)、(b)は、画像形成領域への光束の入射状態を示す図である。 照明光学装置と液晶パネルとの関係を示す模式図である。 従来の照明光学装置と液晶パネルとの関係を示す模式図である。

Claims (10)

  1. 入射光束を画像情報に応じて変調して光学像を形成する長方形状の画像形成領域を有し、この画像形成領域の入射側に画素に対応してマイクロレンズが配置された光変調装置と、
    前記光変調装置からの変調光を投写する投写光学系と、
    発光管、前記発光管から放射された光束を反射する楕円面リフレクタ、及び前記楕円面リフレクタにより反射された光束を平行化する平行化レンズを有する光源装置と、
    照明光軸に直交する面内に複数の小レンズをマトリクス状に配列して構成され、前記光源装置から射出された光束を複数の部分光束に分割する光束分割光学素子と、
    前記光束分割光学素子により分割された各部分光束を前記光変調装置の画像形成領域上に重畳させるための重畳レンズと、を備えたプロジェクタであって、
    前記平行化レンズは、前記楕円面リフレクタにより反射された光束の径が、前記画像形成領域の短辺寸法以上、長辺寸法以下となる位置に配置され、前記光束分割光学素子及び前記重畳レンズの有効光束透過領域の辺の寸法が前記画像形成領域の短辺寸法以上、長辺寸法以下の矩形状に設定されていることを特徴とするプロジェクタ。
  2. 請求項1に記載のプロジェクタにおいて、
    前記発光管は、所定距離離間して配置される一対の電極と、前記一対の電極が封入された管状部材とを備え、前記管状部材の前記電極の離間部分には膨出部が設けられ、前記膨出部のリフレクタと反対側の光束射出部には、放射光を前記楕円面リフレクタに反射する反射部材が配置されていることを特徴とするプロジェクタ。
  3. 請求項2に記載のプロジェクタにおいて、
    前記反射部材は、前記膨出部に取り付けられた補助ミラーであることを特徴とするプロジェクタ。
  4. 請求項2に記載のプロジェクタにおいて、
    前記反射部材は、前記膨出部に形成された反射膜であることを特徴とするプロジェクタ。
  5. 請求項1〜4のいずれかに記載のプロジェクタにおいて、
    前記平行化レンズは、有効光束透過領域の入射側及び/又は射出側が非球面とされた凹レンズであることを特徴とするプロジェクタ。
  6. 請求項5に記載のプロジェクタにおいて、
    前記平行化レンズは、有効光束透過領域の入射側が双曲面形状を有する非球面であり、射出側が平面であることを特徴とするプロジェクタ。
  7. 請求項5に記載のプロジェクタにおいて、
    前記平行化レンズは、有効光束透過領域の入射側が平面であり、射出側が楕円面を有する非球面であることを特徴とするプロジェクタ。
  8. 請求項5に記載のプロジェクタにおいて、
    前記平行化レンズは、有効光束透過領域の入射側が球面であり、射出側が楕円面を有する非球面であることを特徴とするプロジェクタ。
  9. 請求項1〜8のいずれかに記載のプロジェクタにおいて、
    前記重畳レンズは、前記有効光束透過領域の入射側が平面であり、射出側が双曲面形状を有する非球面であることを特徴とするプロジェクタ。
  10. 請求項1〜9のいずれかに記載のプロジェクタにおいて、
    前記光束分割光学素子と前記重畳レンズとの間には、入射光束の偏光方向を揃える偏光変換素子をさらに備え、
    前記偏光変換素子は、水晶又は雲母製の位相差板を有していることを特徴とするプロジェクタ。
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