JP4433832B2 - 照明装置及びこれを備えたプロジェクタ - Google Patents
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なお、各光学要素は、光源光軸810ax(光源装置810から射出される光束の中心軸)を基準として配置されている。すなわち、第1レンズアレイ850,第2レンズアレイ860及び重畳レンズ870は、その中心が光源光軸810axとほぼ一致するように、かつ光源光軸810axに対してほぼ垂直となるように配置されている。
しかしながら、放物面リフレクタを用いた照明光学系においては、図9に示すように、放物面リフレクタ880の回転放物面からなる反射面880Rの場合、楕円面リフレクタ830の回転楕円面からなる反射面830Rに比べ、発光管820から放射状に射出される光を平行化レンズ840へと導くためののみ込み角θ(光源光軸810ax回りの角度)が小さくなることから、光の利用効率が楕円面リフレクタ830に比べて低くなり、よって近年では楕円面リフレクタを採用した照明装置の開発が盛んに行われている。
図10は、楕円面リフレクタを用いた光源装置における発光管の中心部から放射状に射出される光の軌跡を示す図である。図11は、第2レンズアレイ上のアーク像を示す図である。これによると、光源光軸810ax近傍の照度が高く、光源光軸810axから離れるにしたがって照度が低くなる照度分布となることが示されている。このため、楕円面リフレクタを用いた照明装置800においては、図11に示すように、第2レンズアレイ860上に形成されるアーク像862が、本来、図11(a)に示すように各小レンズ861内に収まるべきところが、図11(b)に示すように光源光軸810ax近傍に偏り、小レンズ861の周囲のセルにはみ出してしまう現象が起きていた。
したがって、この種の照明装置800においては、平行化レンズ840から射出される光束の平行度を高めることにより第1レンズアレイ850及び第2レンズアレイ860において互いに対応する小レンズ851,861を通過できるとしながらも、実際には光源光軸810ax近傍の中心部分の光束の一部については依然として通過できないままとなっており、その改善が望まれていた。
この照明装置900によれば、光源光軸910ax付近のアーク像が従来よりも良好に分離されるようになり、その結果、楕円面リフレクタ930の反射面930Rで反射された反射光のうち少なくとも光源光軸910axを中心とする中心部側の光線L1の光路が、第1レンズアレイ及び第2レンズアレイ(ともに図示せず)においてそれぞれ互いに対応する小レンズを通過できるようになる。
すなわち、中心領域に形成する凹面のレンズ特性は、照明光軸付近の各アーク像が良好に分離されて第2レンズアレイの対応する各小レンズに収まるように定めることができる一方、周辺領域に形成する凹面又は平面のレンズ特性は、照明光軸から離れた周辺部における各アーク像が良好に分離されて第2レンズアレイの対応する各小レンズに収まるように定めることができるのである。
なお、ここで、「第1レンズアレイの中央部に形成された複数の小レンズ」とは、後述する図4に示すように、「第1レンズアレイの中央部に形成された複数(4個〜6個)の小レンズ」のことをいい、これら複数の小レンズから射出される照明光束が通過する領域をほぼ覆うように中心領域を設定することにより、照明光軸付近の各アーク像及び照明光軸から離れた周辺部の各アーク像をともに良好に分離しつつ、かつ、これらの各アーク像を第2レンズアレイにおける対応する各小レンズに収めることが可能になる。
[実施形態1]
まず、本発明が適用されたプロジェクタについて、図1を用いて説明する。
図1は、本発明の実施形態1に係るプロジェクタの光学系を示す平面図である。なお、以下の説明においては、互いに直交する3つの方向をそれぞれz方向(光源光軸方向)、x方向(図1における紙面に平行かつz軸に直交する方向)、y方向(図1における紙面に直交する方向かつz軸に直交する方向)とする。
なお、照明装置100A(光源ランプ110、平行化レンズ140A、第1レンズアレイ150及び第2レンズアレイ160)についての詳細は後述する。
図2は、実施形態1に係る照明装置を説明するための図である。図2(a)は平面図であり、図2(b)及び図2(c)はその要部を説明するための図である。図2(b)は平行化レンズ(実線)及び第1レンズアレイ(破線)を示す図であり、図2(c)は第2レンズアレイ上におけるアーク像を示す図である。
実施形態1に係る照明装置100Aは、図1及び図2(a)に示すように、光源ランプ110と、平行化レンズ140Aと、第1レンズアレイ150と、第2レンズアレイ160と、偏光変換素子170と、重畳レンズ180とを備えている。
平行化レンズ140Aは、回転双曲面からなる光入射面と、照明光軸100Aaxを含む所定領域からなる中心領域142A及びこの中心領域142Aより周辺にある周辺領域144Aに分割された光射出面とを有している。そして、中心領域142Aには所定の曲率を有する凹面が形成され、周辺領域144Aには中心領域142Aの曲率よりも小さな曲率を有する凹面が形成されている。
第1レンズアレイ150、第2レンズアレイ160及び偏光変換素子170は、楕円面リフレクタ130からの射出光の採光効率を最も高くするような位置に配置されている。
すなわち、中心領域142Aに形成する凹面のレンズ特性は、照明光軸100Aax付近の各アーク像が良好に分離されて第2レンズアレイ160の対応する各小レンズ166に収まるように定めることができる一方、周辺領域144Aに形成する凹面のレンズ特性は、照明光軸100Aaxから離れた周辺部における各アーク像が良好に分離されて第2レンズアレイ160の対応する各小レンズ166に収まるように定めることができるのである。
なお、図3(c)において、M1で示される領域は偏光変換素子170において偏光分離面が形成されている領域であり、M2で示される領域は偏光分離面が形成されていない領域である。
図4は、実施形態1の変形例に係る照明装置を説明するための図である。図4(a)は変形例1に係る照明装置を説明するための図であり、図4(b)は変形例2に係る照明装置を説明するための図であり、図4(c)は変形例3に係る照明装置を説明するための図であり、図4(d)は変形例4に係る照明装置を説明するための図である。
図5は、本発明の実施形態2に係る照明装置を説明するための図である。図5(a)は平面図であり、図5(b)は平行化レンズを示す図であり、図5(c)は第2レンズアレイ上におけるアーク像を示す図である。なお、図5において、図2と同一の部材については同一の符号を付し、詳細な説明は省略する。
実施形態2に係る照明装置100Bは、実施形態1に係る照明装置100Aの場合とは異なり、第1レンズアレイの光入射面を中心領域と周辺領域とに分割したものである。
すなわち、実施形態2に係る照明装置100Bにおいては、第1レンズアレイ150Bは、複数の小レンズ156を有する光射出面と、照明光軸100Baxを含む所定領域からなる中心領域152B及びこの中心領域152Bより周辺にある周辺領域154Bに分割された光入射面とを有し、中心領域152Bには所定の曲率を有する凹面が形成され、周辺領域154Bには中心領域152Bの曲率よりも小さな曲率を有する凹面が形成されている。
すなわち、中心領域152Bに形成する凹面のレンズ特性は、照明光軸100Bax付近の各アーク像が良好に分離されて第2レンズアレイ160の対応する各小レンズ166に収まるように定めることができる一方、周辺領域154Bに形成する凹面のレンズ特性は、照明光軸100Baxから離れた周辺部における各アーク像が良好に分離されて第2レンズアレイ160の対応する各小レンズ166に収まるように定めることができるのである。
図6は、本発明の実施形態3に係る照明装置を説明するための図である。図6(a)は平面図であり、図6(b)は平行化レンズを示す図であり、図6(c)は第2レンズアレイ上におけるアーク像を示す図である。なお、図6において、図2と同一の部材については同一の符号を付し、詳細な説明は省略する。
実施形態3に係る照明装置100Cは、実施形態2に係る照明装置100Bとよく似た構成を有しているが、第1レンズアレイの光入射面と光射出面との関係が逆になっている。
すなわち、実施形態3に係る照明装置100Cにおいては、第1レンズアレイ150Cは、複数の小レンズ156を有する光入射面と、照明光軸100Caxを含む所定領域からなる中心領域152C及びこの中心領域152Cより周辺にある周辺領域154Cに分割された光射出面とを有し、中心領域152Cには所定の曲率を有する凹面が形成され、周辺領域154Cには中心領域152Cに形成された凹面の曲率よりも小さな曲率を有する凹面が形成されている。
すなわち、中心領域152Cに形成する凹面のレンズ特性は、照明光軸100Cax付近の各アーク像が良好に分離されて第2レンズアレイ160の対応する各小レンズ166に収まるように定めることができる一方、周辺領域154Cに形成する凹面のレンズ特性は、照明光軸100Caxから離れた周辺部における各アーク像が良好に分離されて第2レンズアレイ160の対応する各小レンズ166に収まるように定めることができるのである。
また、上記した各実施形態においては、カラー画像を表示するプロジェクタを例に説明したが、本発明はこれに限定されず、モノクロ画像を表示するプロジェクタに適用することができる。
さらにまた、上記した各実施形態においては、電気光学変調装置として液晶表示装置を用いた場合を例にして説明したが、本発明はこれに限定されず、例えば、マイクロミラーを用いた電気光学変調装置を用いることもできる。
Claims (6)
- 発光管と、この発光管からの光を反射して照明光束として射出する楕円面リフレクタと、この楕円面リフレクタからの照明光束を略平行化する平行化レンズと、この平行化レンズによって略平行化された照明光束を複数の部分光束に分割するための複数の小レンズを有する第1レンズアレイと、この第1レンズアレイの複数の小レンズに対応する複数の小レンズを有する第2レンズアレイと、この第2レンズアレイからの各部分光束を被照明領域で重畳させるための重畳レンズとを備えた照明装置において、
前記第1レンズアレイは、複数の小レンズを有する光射出面と、照明光軸を含む所定領域からなる中心領域及びこの中心領域より周辺にある周辺領域に分割された光入射面とを有し、
前記中心領域には所定の曲率を有する凹面が形成され、前記周辺領域には前記中心領域の曲率よりも小さな曲率を有する凹面又は平面が形成されていることを特徴とする照明装置。 - 発光管と、この発光管からの光を反射して照明光束として射出する楕円面リフレクタと、この楕円面リフレクタからの照明光束を略平行化する平行化レンズと、この平行化レンズによって略平行化された照明光束を複数の部分光束に分割するための複数の小レンズを有する第1レンズアレイと、この第1レンズアレイの複数の小レンズに対応する複数の小レンズを有する第2レンズアレイと、この第2レンズアレイからの各部分光束を被照明領域で重畳させるための重畳レンズとを備えた照明装置において、
前記第1レンズアレイは、複数の小レンズを有する光入射面と、照明光軸を含む所定領域からなる中心領域及びこの中心領域より周辺にある周辺領域に分割された光射出面とを有し、
前記中心領域には所定の曲率を有する凹面が形成され、前記周辺領域には前記中心領域の曲率よりも小さな曲率を有する凹面又は平面が形成されていることを特徴とする照明装置。 - 請求項1または2に記載の照明装置において、
前記中心領域は、前記第1レンズアレイの中央部に形成された複数の小レンズを通過する照明光束が通過する領域をほぼ覆うように設定されていることを特徴とする照明装置。 - 請求項1〜3のいずれかに記載の照明装置において、
前記中心領域と前記周辺領域とは段差無く接続されていることを特徴とする照明装置。 - 請求項1〜4のいずれかに記載の照明装置において、
前記周辺領域に形成された凹面は照明光軸を軸対称中心とする凹面であり、前記中心領域の平面形状は円形であることを特徴とする照明装置。 - 請求項1〜5のいずれかに記載の照明装置と、この照明装置からの照明光束を画像情報に応じて変調する電気光学変調装置と、この電気光学変調装置からの変調光を投写する投写レンズとを備えたことを特徴とするプロジェクタ。
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