JP4722312B2 - ランプ、集光光学系および画像表示装置 - Google Patents
ランプ、集光光学系および画像表示装置 Download PDFInfo
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Description
【発明の属する技術分野】
この発明は、発光部が所定の放射角範囲で放射した光を回転楕円面で反射・集光するランプに係るものであり、また、このランプを用いた集光光学系および画像表示装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
図13は従来のランプを用いた集光光学系の構成を示す図であり、光軸を含む任意の平面で切断した集光光学系の断面図を表している。
図13において、101は従来のランプ、101aは発光部、101bはランプリフレクター、101cはランプ前面ガラスである。発光部101a,ランプリフレクター101bおよびランプ前面ガラス101cから従来のランプ101が構成されている。
【0003】
発光部101aは、ガラス球内の中心に電極を備えて構成されており、電極と電極との間から光を発するようになっている。この電極間が発光部101aの光源である。ランプリフレクター101bは、回転楕円面に形成された反射鏡であり、回転楕円面の2つの焦点(以下、楕円面焦点という)のうちの一方と電極間の中心点とが一致するように発光部101aを設けてあり、発光部101aが発した光を回転楕円面で反射する。
【0004】
回転楕円面とは、その長軸(光軸)周りに楕円曲線の一部を回転して得られる空間曲面のことをいう。光軸上の一方の楕円面焦点から発散した光を回転楕円面で反射させると、反射した光は他方の楕円面焦点へ全て収束することが知られている。すなわち、2つの楕円面焦点は共役点になっている。
【0005】
この原理を利用することによって、集光機能を有するランプ101を構成している。回転放物面を利用して平行光を作り出すランプと比較すると、ランプ101は回転楕円面が集光作用を有しているので、平行光をレンズ焦点へ集光するコンデンサーレンズを必要としない分だけ、少ない部品点数で集光光学系を構成することができる。
【0006】
以上の理由から、ランプ101は、発光部101aを近似的に点光源と考えて、発光部101aの電極間の中心点をランプリフレクター101bの一方の楕円面焦点と一致させ、ランプリフレクター101bの反射によって発光部101aが発した光を他方の楕円面焦点へ収束させている。
【0007】
ランプ前面ガラス101cは、ランプリフレクター101bの開口部分にフタをするように設けられている。これは、発光部101aが稀に起こす破裂事故などの対策であり、破裂事故の被害が他の光学部品など周辺へ広がるのを防ぐ役割も果たしている。
【0008】
もちろん、ランプリフレクター101bが反射した光は、ランプ前面ガラス101cを介してランプ101の外部へ放射される。従来のランプ101では、ランプ前面ガラス101cの入射面および出射面をいずれも光軸Zと直交する平面形状に設計しており、ランプリフレクター101bの反射光を入射面および出射面で屈折して、一方の楕円面焦点から見て他方の楕円面焦点よりも距離の離れた光軸上の集光点へ光を集めている。
【0009】
103はロッドインテグレーターと呼ばれる柱状のガラスであり、入射面で受光した光がその内部を透過して出射面から出射する構造になっている。光の受光効率の向上、つまり入射面での光の取り込みを出来るだけ多くして損失を抑えるために、通常、ランプ前面ガラス101cを透過した光の集光点にロッドインテグレーター103の入射面を配置している。
【0010】
発光部101aの中心と、ロッドインテグレーター103の入射面の中心とを結ぶ直線Zは、これらの各構成要素が共有する光軸である。光軸Zの正方向は光の進行方向に取る。さらに、符号Dで示された光軸Z近傍の空間は、光線の存在しないデッドゾーンである。
従来の集光光学系は、ランプ101およびロッドインテグレーター103から構成されている。
【0011】
図13の集光光学系の動作を説明する前に、発光部101aの輝度分布特性および配向分布特性について先に説明する。
図14は発光部101aの典型的な輝度分布特性を示す図である。例えばメタルハライドランプや高圧水銀ランプの発光部101aは図14の輝度分布特性を有する。
【0012】
図14において、101d,101eはそれぞれ発光部101aの電極、Pd,Peはそれぞれ電極101d,101eの近傍にある発光している先端点、Pfは先端点Pd,Peの中心点である。前述したように、中心点Pfはランプリフレクター101bの一方の楕円面焦点と一致する。また、104は等高線的に示された発光部101aの輝度分布である。輝度分布104には10〜90の相対輝度値を10刻みで添えてある。
【0013】
図14の距離dはアーク長と呼ばれ、ランプ101の性能を示す一つの指標となっている。つまり、発光部101aがどれだけ理想的な点光源を近似しているかを示すパラメータである。アーク長dが小さければ小さいほど、電極101d,101eの先端点Pd,Peは中心点Pfにそれだけ接近し、発光部101aは理想的な点光源に近づいていく。このように、発光部101aはアーク長dで規定される有限の大きさの光源を有している。
【0014】
電極101d,101e間に交流や直流の電圧が印可されると、輝度分布104に従って電極101d,101e間から光が発する。図14から分かるように、各電極101d,101eの先端点Pd,Peで相対輝度値約90の最大輝度がそれぞれ得られており、中心点Pfではやや下がって相対輝度値50〜60,そして先端点Pd,Peから距離が離れるにしたがって相対輝度値は10まで低下していく。
【0015】
このように、発光部101aにおいて最大輝度が得られる点は、アーク長dの半分だけ中心点Pfからそれぞれズレた先端点Pd,Peであり、中心点Pf,つまりランプリフレクター101bの一方の楕円面焦点で得られる輝度は最大ではない。
【0016】
図15は発光部101aの典型的な配向分布特性を示す図であり、符号105は配向分布を表している。図15では、発光部101aの中心点Pfを原点Oとし、光軸Zの正方向を放射角0度と定めて0〜360度を紙面時計回りに取っている。そして、原点Oを中心として一定の放射角の方向に0〜100の光度を20刻みで付している。原点Oから離れた点ほど光度が強く、原点Oの光度は0である。図13の光軸Zを含む任意の平面上で放射角をパラメータとして光度を測定すると、図15の配向分布105が得られる。
【0017】
配向分布105を見ると、放射角60〜120度、240〜300度の2つの範囲で80以上の高い光度が測定されることが分かる。一方、放射角0度を中心として±約50度、放射角180度を中心として±約50度の各範囲では光度が弱くなっている。これは、図14に示したように、電極101a,101bが発光部101aに存在するためであり、0度±約50度、180度±約50度は電極101d,101eの影となって光が遮られる領域である。
【0018】
図13の集光光学系の動作について次に説明する。
発光部101aが発した大部分の光は、ランプリフレクター101bによって反射される。図14に示したように、発光部101aはアーク長dで規定される有限の大きさの光源を持っているので、ランプリフレクター101bの反射光は不完全ながら他方の楕円面焦点へ向う光線群となる。この光線群は、ランプ前面ガラス101cを透過して光軸Zの正方向へ出射する。図15の配向分布特性で述べたように、電極101d,101eの影によって光線の存在しないデッドゾーンDが発生している。
【0019】
ランプ前面ガラス101cの入射面・出射面でそれぞれ屈折した光線群は、光軸Z上の集光点に集まり、ロッドインテグレーター103の入射面へ入射してロッドインテグレーター103の内部を次の図16のように透過する。
図16はロッドインテグレーター103内部の透過光の光路を示す図であり、103a,103b,103cはそれぞれロッドインテグレーター103の入射面、側面、出射面である。入射面103a,出射面103cは光軸Zと直交している。
【0020】
ランプ前面ガラス101cは、入射面103aへ入射した光がロッドインテグレーター103の側面103bで全反射をするように設計されている。したがって、入射面103aから入射した光は、側面103bで全反射を繰り返して出射面103cから出射する。全反射の現象を利用しているので、側面103bから光が漏れることはなく、ロッドインテグレーター103内での損失は発生しない。
【0021】
その際、ランプ前面ガラス101cからの光は様々な入射角で入射面103aへ入射するため、側面103bで全反射を繰り返した光の照度分布は、出射面103cでほぼ一様になる。ロッドインテグレーター103の入射光および出射光の照度分布特性を図17(a),(b)にそれぞれ示す。図17では、光軸Zに平行な軸は入射光および出射光の照度を表している。ロッドインテグレーター103は、ガウス分布的な照度分布(図17(a))を持つ入射光を一様な照度分布(図17(b))を持つ出射光に変換する役割を担っている。
【0022】
ロッドインテグレーター103で作り出された一様な照度分布を持つ光は、後続の光学系によって転写される。例えば、DMD(デジタル・マイクロミラー・デバイスの略、Texas Instruments Incorporated(TI)の登録商標)チップや液晶パネルなどの光変調素子を用いた画像表示装置の場合には、ロッドインテグレーター103からの出射光はリレー光学系を介して光変調素子を照射し、光変調素子から画像情報を得る。画像情報を得た光は、投影光学系を介してスクリーンに投影され、画像情報に基づいた画像をスクリーンに表示する。
【0023】
【発明が解決しようとする課題】
従来のランプは以上のように構成されているので、発光部から発した光をランプリフレクターで反射すると、出射する光束の発散角が大きくなってしまうという課題があった。
【0024】
また、従来の集光光学系は以上のように構成されているので、ランプ前面ガラスの集光点で光源像が広がり、ロッドインテグレーターの入射面で光の取り込み漏れが発生して損失を招いてしまうという課題があった。
【0025】
さらに、従来の画像表示装置は以上のように構成されているので、ロッドインテグレーターの入射面で発生した損失によって、スクリーンに投影される画像の明るさが劣化してしまうという課題があった。
【0026】
以上の各課題について具体的に説明する。
図13において、発光部101aが幾何学的に完全な点光源の場合には、発光部101aが発した光はランプリフレクター101aの反射によって他方の楕円面焦点へ全て向う。この光はランプ前面ガラス101cの集光点へ集まってロッドインテグレーター103の入射面103aへ全て入射するので、ランプリフレクター101bの反射損失などを除き、入射面103aの光の取り込み漏れによる損失は発生しない。
【0027】
しかしながら、図14で既に説明したように、発光部101aはアーク長dで規定される大きさの光源を持っており、完全な点光源とみなすことができない。したがって、ロッドインテグレーター103の入射面103aにおける光の分布は集光点に集光されずに有限な大きさを有した光源像が現れる。
【0028】
図18はロッドインテグレーター103の入射面103aに現れる発光部101aの光源像を説明するための図である。図18では、図14に示した最大輝度の先端点Pd,Peおよび一方の楕円面焦点と一致する中心点Pfを参照点として選び、これらの点からそれぞれ発した光線106d,106e,106fが入射面103aに集光する様子を示している。
【0029】
ここで、ランプ前面ガラス101cの出射面上の1点101zに注目し、点101zを通過する各光線について考察する。中心点Pfから出射する光線の中で点101zを通過する光線106fは、ランプリフレクター101bで反射した後に他方の楕円面焦点へ向う光線となり、ランプ前面ガラス101cの点101zから出射して集光点へ進む。したがって、この光線106fは入射面103aへ設計通りに入射し、取り込み漏れを生じることはない。
【0030】
一方、先端点Pd,Peから出射する光線の中で点101zを通過する光線106d,106eは、光線の発生地点であるPd,Peが一方の楕円面焦点に存在しないため、ランプリフレクター101bで反射しても他方の楕円面焦点に向わない。つまり、ランプ前面ガラス101の点101zから出射しても集光点に進むことにならない。
【0031】
そこで、ランプ前面ガラス101cを仮想の平面光源とみなすことにする。すると、この光源は、点101zにおいて、光線106fを中心として最大発散角を持つ光線が106d,106eで定義されるような光を放射するものと定義される。したがって、この斜めの光線106d,106eは設計から外れた角度を持つため、ランプ前面ガラス101cによって入射面103aへ集光する際に、その断面に入りきらない場合が多く生じてしまう。
【0032】
このように、中心点Pfを中心とした電極101d,101e間の各点で発生した光は、ランプ前面ガラス101cを透過した後に、その集光点において完全な点とはならず、入射面103aの断面よりも大きなサイズを持った光源像を形成することになる。
【0033】
光線106d,106e,106fの入射面103aでの取り込みを定量的に解析した結果を図19に示す。図19はランプ前面ガラス101cからの出射光線の出射位置と入射面103aへの入射光線の入射位置との関係を示す図である。
図19において、横軸はランプ前面ガラス101cから光線が出射する位置を表しており、図18の光軸Zからの距離Rである。また、縦軸は入射面103aに光線が入射する位置であり、図18の光軸Zからの距離Riがこれに相当する。
【0034】
この解析では、ランプ101はアーク長d=1.1[mm],ランプリフレクター101bの開口径=40[mm],入射面103aは断面積=3.8×5.5[mm2]とし、ランプ前面ガラス101cから入射面103aへF値1で集光している。図19の符号107a,107bで示されるRi=±1.9[mm]の直線は入射面103aの境界を表しており、|Ri|≦1.9[mm]の領域が入射面103aのサイズに相当する。
【0035】
光線106fは、R=0〜11[mm]の全出射範囲に対して入射位置|Ri|=約0[mm]となっており、入射面103aへ必ず入射することが分かる。また、光線106d,106eは、光軸Zから大きく外れたR=約7〜11[mm]の出射範囲では、入射面103aの境界107a〜境界107b内に収まっており、これらの出射範囲では光の取り込み漏れは発生せず損失とならない。
【0036】
ところが、R=約7[mm]以下の光軸Zにやや接近した出射範囲になると、光線106d,106eは入射面103aの境界107a〜境界107bから外れてしまうようになる。つまり、R=約0〜4.5[mm]の出射範囲で光線106dは損失Ldを発生し、R=約2〜7[mm]の出射範囲で光線106eは損失Leを発生してしまう。
【0037】
ここで特に大きな問題となるのは、損失Ld,Leにおける光度が他の領域と比べて大きいことである。これを図20によって説明する。図20はランプ前面ガラス101cにおける出射光の光度分布を示す図である。図19と同様に横軸は光軸からの距離Rを示しており、また縦軸は出射光の相対的な光度(照度×リング状微小面積)である。
【0038】
図20から分かるように、例えば約0.1以上の相対光度を示す出射範囲はR=約4〜7.5[mm]となっている。ランプ101の光度が大きな数値を示すこのボリュームゾーンVは、先に示した損失Ld,Leの出射範囲R=約0〜4.5[mm],R=約2〜7[mm]にほとんど相当していることが分かる。つまり、最も光度の大きなボリュームゾーンVの光は入射面103aで取り込まれなくなり、損失になってしまう。
【0039】
以上の課題を解決するために、入射面103aのサイズを大きくすることが考えられる。しかしながら、製造工程の歩留まりなどの関係からDMDチップや液晶パネルなどの光変調素子は小さな受光面積のものほどコスト等にも有利であり、そして一般的に倍率の関係から、ロッドインテグレーター103の入射面103aのサイズは光変調素子のサイズに比例して小さくなるため、この方法によって簡単に解決できる課題ではない。
【0040】
この発明は上記のような課題を解決するためになされたものであり、発散角の抑制された光束を出射するランプを構成することを目的とする。
【0041】
また、この発明は、ランプ前面ガラスの集光点における光源像の広がりを抑えて、ロッドインテグレーターの入射面で生じる損失を軽減する集光光学系を構成することを目的とする。
【0042】
さらに、この発明は、ロッドインテグレーターの入射面で発生する損失を軽減して、スクリーンに投影される画像の明るさを改善できる画像表示装置を構成することを目的とする。
【0043】
【課題を解決するための手段】
この発明に係るランプは、ランプリフレクターの回転面は、変形した非球面反射面であり、実質的に平坦な裏面および変形した非球面レンズ前面を備えた変形した非球面レンズであって、非球面レンズ前面は光軸に対して回転対称で、光軸に平行に寸法をとると、非球面レンズ前面で最も厚みのある部分が光軸からも変形した非球面レンズ前面の周縁からも離隔する位置にあり、変形した非球面レンズの実質的に平坦な裏面はランプ前面ガラスの入射面と出射面の少なくとも一方に配置され、
光源により発せられた光束はランプリフレクターにより反射した後、ランプリフレクターの実際の受光領域内で、ランプ前面ガラスの出射面の光軸に最も近い光線の発散角が、ランプ前面ガラスの出射面を通過し、非球面反射面と変形した非球面レンズの形状により光軸から離れる光線の発散角よりも小さく、非球面反射面および変形した非球面レンズによって、光源から発する各光線群に対してその各放射方向毎に異なるパワーをそれぞれ作用させ、ランプ前面レンズ出射面における発散角の分布を制御するようにしたものである。
【0044】
この発明に係るランプは、ランプ前面レンズ出射面上の任意の点における出射光束の発散角を一定にして出射するようにしたものである。
【0045】
この発明に係る集光光学系は、請求項1または請求項2記載のランプと、ランプから出射して非球面レンズ面の集光点に集光した光を入射面で受光し、側面で全反射を繰り返した光を出射面から出射するインテグレーター光学系とから構成されるようにしたものである。
【0046】
この発明に係る集光光学系は、インテグレーター光学系が矩形形状の入射面および出射面を有する四角柱であるとともに、インテグレーター光学系の入射面と等しい矩形形状の面積を有し、入射面と一致するように固定された出射開口と、出射開口よりも大きな矩形形状の面積を有し、ランプから出射した光線群が入射する矩形形状の入射開口と、インテグレーター光学系の光軸を囲むようにその反射面が形成された4枚の平面鏡とから構成され、入射面へ直接入射する光線群以外の光線群の少なくとも一部を反射鏡での1回反射によって出射開口へ出射するダクト状ミラーをインテグレーター光学系が備えるようにしたものである。
【0047】
この発明に係る画像表示装置は、請求項3または請求項4記載の集光光学系と、集光光学系から出射した光をリレーするリレー光学系と、リレー光学系によってリレーされた光に画像情報を与えて出射する光変調素子と、画像情報を得て光変調素子から出射した光を投影する投影光学系と、投影光学系から投影された光を受光して、画像情報に基づく画像を表示するスクリーンとを備えるようにしたものである。
【0048】
この発明に係る画像表示装置は、複数の小ミラーを備えるとともに、リレー光学系から照射された光に対して小ミラーで画像情報を与え、画像情報が与えられた光を画像情報光として投影光学系へ出射する反射型光変調手段を光変調素子とするようにしたものである。
【0049】
この発明に係る画像表示装置は、偏光または光の散乱により画像情報光を制御する液晶パネルを光変調手段とするようにしたものである。
【0050】
【発明の実施の形態】
以下、この発明の実施の一形態を説明する。
実施の形態1.
図1はこの発明の実施の形態1によるランプを適用した集光光学系の構成を示す図であり、光軸を含む任意の平面で切断した集光光学系の断面図を示している。
図1において、1は実施の形態1によるランプ、1aは発光部、1bは変形ランプリフレクター、1cはランプ前面レンズである。発光部1a,変形ランプリフレクター1bおよびランプ前面レンズ1cから実施の形態1のランプ1が構成されている。
【0051】
発光部1aは、ガラス球内の中心に電極を備えて構成されており、電極と電極との間から光が発するようになっている。この電極間が発光部1aの光源である。発光部1aは、従来の技術で示した発光部101aと同等のものであり、図14の輝度分布特性、図15の配向分布特性を有している。
【0052】
ランプ1を特徴付ける構成要素の変形ランプリフレクター1bは、発光部1aからの光を非球面反射面によって反射し、変形ランプリフレクター1bの開口から出射するように設計されている。変形ランプリフレクター1bの非球面反射面は、多項式で表される平面曲線をその回転軸(光軸)周りに回転して得られる凹面鏡であり、回転楕円面に近い形状をしている。
【0053】
変形ランプリフレクター1bとともにランプ1を特徴付ける構成要素のランプ前面レンズ1cは、回転軸(光軸)に対称な非球面レンズとなっている。このランプ前面レンズ1cは、変形ランプリフレクター1bの開口部分にフタをするように設けられており、発光部1aが稀に起こす破裂事故などの対策を兼ねると同時に、変形ランプリフレクター1bからの反射光にレンズ作用を与える働きを持っている。
【0054】
図1のランプ前面レンズ1cは、変形ランプリフレクター1bからの反射光の入射面だけに凹凸のレンズ面を形成した片面非球面レンズであるが、ランプ1の使用条件に応じて、レンズ面を出射面だけに形成した片面非球面レンズや、入射面と出射面の両方にレンズ面を形成した両面非球面レンズであっても良い。
【0055】
3はロッドインテグレーター(インテグレーター光学系)と呼ばれる柱状のガラスであり、入射面3aで受光した光が側面3bを全反射しながらその内部を透過して出射面3cから出射する構造になっている。光の受光効率の向上、つまり入射面3aでの光の取り込みを可能な限り多くして損失を抑えるために、通常、ランプ前面レンズ1cの集光点(レンズ焦点)にロッドインテグレーター3の入射面3aを配置する。
【0056】
発光部1aの中心と、ロッドインテグレーター3の入射面3aの中心とを結ぶ直線Zは光軸であり、変形ランプリフレクター1bやランプ前面レンズ1cの回転軸と一致する。光軸Zの正方向は光の進行方向に取る。
なお、実施の形態1の集光光学系は、ランプ1およびロッドインテグレーター3から構成されている。
【0057】
まず、動作について説明する。
前述したように、発光部1aは従来と同様の輝度分布特性、配向分布特性を有している。発光部1aから発した大部分の光は、変形ランプリフレクター1bの非球面反射面によって反射され、光軸Zの正方向に向って進行する。
【0058】
変形ランプリフレクター1bの反射光は、ランプ前面レンズ1cのレンズ作用を受けて出射すると、その主光線は光軸Z上にあるランプ前面レンズ1cの集光点へ集まる。従来のランプ101では、ランプ前面ガラス101cから出射する光の発散角は光軸Zからの距離に応じて変化していたが、この実施の形態1のランプ1では、ランプ前面レンズ1cから出射する光の発散角は光軸Zからの距離に依らず一定である。ランプ前面レンズ1cから出射した光は、ランプ前面レンズ1cで屈折して集光点に集光し、ロッドインテグレーター3の入射面3aへ入射してその内部を透過する。
【0059】
ランプ前面レンズ1cは、入射面3aへ入射する光がロッドインテグレーター3の側面3bで全反射をするように設計されているので、従来の図16と同様に、入射面3aから入射した光は、側面3bで全反射を繰り返して出射面3cから出射する。
【0060】
全反射の現象を利用しているので、側面3bから光の漏れがなく、ロッドインテグレーター3内での損失は発生しない。その際、ランプ前面レンズ1cからの光は様々な入射角で入射面3aへ入射するため、側面3bで全反射を繰り返えした光の照度分布は、従来の図17(b)と同様に、出射面3cでほぼ一様になる。
【0061】
ロッドインテグレーター3で作り出された一様な照度分布を持つ光は、後続の光学系によって転写される。DMDチップや液晶パネルなどの光変調素子を用いた画像表示装置への適用例については、実施の形態4で述べる。
【0062】
次にランプ1の特徴について具体的に説明する。
図2は従来のランプ101と実施の形態1のランプ1とを比較するための図であり、図2(a)はランプ101,図2(b)はランプ1である。図1,図13と同一または相当する構成については同一符号を付してある。図2では、発光部1a,101aの中心点Pfから等しい放射角度間隔でそれぞれ発した光線群を示している。
【0063】
図2(a)のランプ101の場合、発光部101aの中心点Pfから等しい放射角度間隔で発した光線群は、ランプリフレクター101bの回転楕円面で反射し、光軸Z上の他方の楕円面焦点へ向う。この光線群は平面形状のランプ前面ガラス101cで屈折し、ランプ前面ガラス101cの光軸Z上の集光点へF値1として集光する。
【0064】
図2(a)に示したランプ101の場合には、光軸Zと直交するランプ前面ガラス101cの出射面(断面積S0)上における光線群の分布は均一ではなく、光軸Zの近傍ほど密に、光軸Zから離れるにしたがって疎になっている。また、光の通る部分の断面積S0を光軸Zの正方向から見ると、デッドゾーンDの分だけ光軸Zを中心として光が存在していない。
【0065】
一方、図2(b)のランプ1の場合、発光部1aの中心点Pfから等しい放射角度間隔で発した光線群は、変形ランプリフレクター1bの非球面反射面で反射し、光軸Z上の集光点へ向う。この光線群は非球面レンズ面のランプ前面レンズ1cで屈折し、ランプ前面レンズ1cの光軸Z上の集光点へ例えばF値1で集光する。
【0066】
図2(a)と比較すると、図2(b)のランプ1では変形ランプリフレクター1bの非球面反射面によって発光部1aからの光線群をデッドゾーンDにまで広げて反射し、ランプ前面レンズ1cの非球面レンズ面によって集光点に集光している。簡単に言うと、変形ランプリフレクター1bは光束の断面積を大きくしており、ランプ前面レンズ1cは断面積が広げられた光の角度を調整して集光点に集める役割を果たしている。
【0067】
したがって、図2(b)では、光軸Zと直交するランプ前面レンズ1cの出射面(断面積S1)を光軸Zの正方向から見ると、デッドゾーンDがなくなっている。特にこの実施の形態1では、断面積S1の光線群の分布を光軸Zからの距離に依存せず均一にしている。
【0068】
一般的な原理として、光束の断面積が小さいほど断面積上の各点から出射する光束の発散角は大きくなることが知られている。従来の課題で述べたように、反射光の発散角が大きくなるランプリフレクター101bの光軸Zの近傍は、図20に示した光度分布特性のボリュームゾーンVの光を反射する部分であり、また、発散角が小さくなる光軸Zから離れた領域は、ボリュームゾーンVよりも低い光度の光を反射する部分である。このことが、ロッドインテグレーター3の入射面3aに対する光の取り込みを劣化させている要因であった。
【0069】
一方、図2(b)のランプ1では、ランプ101の光軸Zの近傍で密となっていた光線の分布がより疎になるように、変形ランプリフレクター1bの非球面反射面によって光の断面積を広げて反射し、ランプ1から出射する光束の発散角をより小さくしている。そして、断面積S1よりも手前、つまりランプ前面レンズ1cの入射側で光の断面積が広がっているので、発散角が十分に小さくなった状態でランプ前面レンズ1cによって集光点に向うように光線の角度を調整している。
【0070】
このように、ランプ1を使った集光光学系では、従来の集光光学系よりも発散角を小さくしている分だけ、集光点における発光部1aの光源像を小さくすることができ、ロッドインテグレーター3に対する取り込みを向上することが可能になる。
【0071】
図3は従来のランプ101と実施の形態1のランプ1との発散角を比較するための図である。図3(a)はランプ101,図3(b)はランプ1をそれぞれ示している。図3では、発光部1aおよび発光部101aの電極の近傍にあって発光する先端点Pd,Peおよびこれらの中心点Pfからそれぞれ発した光線がランプ前面レンズ1cおよびランプ前面ガラス101cの任意の出射点でなす光束の発散角を比較している。
図3から分かるように、従来のランプ101よりもこの実施の形態1によるランプ1の方が小さな発散角で光束を出射することができている。
【0072】
この実施の形態1の効果をさらに理解するために、従来の技術で示した図18,図19にならって、この実施の形態1の効果を具体的に解析した結果を次に示す。図4に示すように、先端点Pd,Peおよび中心点Pfからそれぞれ発した光線5d,5e,5fがランプ前面レンズ1cの出射面上の出射位置(光軸Zからの距離)をRとし、ロッドインテグレーター3の入射面3aへ入射する入射位置Riを解析した結果を図5に示す。
【0073】
図5はランプ前面レンズ1cでの出射位置と入射面3aでの入射位置との関係を示す図であり、従来の図19と比較できる。図1と同一の符号は同一または相当する構成である。
図5において、横軸はランプ前面レンズ1cから光束が出射する位置を表しており、図4の光軸Zからの距離Rである。縦軸はロッドインテグレーター3の入射面3aに光線が入射する位置であり、図4の光軸Zからの距離Riがこれに相当する。
【0074】
この解析では、アーク長d=1.1[mm],変形ランプリフレクター1bの開口径=40[mm],入射面3aは断面積=3.8×5.5[mm2]とし、ランプ前面レンズ1cから入射面3aへF値1で集光している。図5の符号6a,6bで示されるRi=±1.9[mm]の直線は入射面3aの境界を表しており、|Ri|≦1.9[mm]の領域が入射面3aのサイズに相当する。
【0075】
ランプ1から出射した各光線5d,5e,5fは、ランプ前面レンズ1cの光軸Zとの交点から、ランプ前面レンズ1c出射面の外径までの出射位置、つまりR=0〜11[mm]の全出射範囲に対して、境界6a〜境界6bで挟まれる入射位置|Ri|≦1.9[mm]の領域に完全に収まっており、従来で見られた損失Ld,Leを発生せず、入射面3aへ必ず入射することが分かる。
【0076】
なお、変形ランプリフレクター1bに対する発光部1aの位置は、発光部1aのアーク長dの方向を光軸Zに一致させ、輝度分布特性や配向分布特性、ボリュームゾーンVなど、発光部1aの発する光の諸特性に応じて変形ランプリフレクター1bの非球面反射面を例えば次のようにして設計する。
【0077】
図6は発光部1aに対する変形ランプリフレクター1bの非球面反射面の設計例を示す図であり、図1と同様に、光軸Zを含む任意の平面で変形ランプリフレクター1bを切断している。図1と同一または相当する構成については同一符号を付してある。
【0078】
図6において、光軸Z上の発光部1aに対して、集光点X(ロッドインテグレーター3の入射面3a)の位置をまず決め、ランプ前面レンズ1cの設置位置8を決定する。次に、集光点Xから光軸Zの負の方向へ等しい角度dφで最大30°(F値1に相当)まで光線をN本分配し、ランプ前面レンズ1cの設置位置8との各交点をQ1,Q2,Q3,Q4,…,QNとする。
【0079】
一方、光軸Zに設置された発光部1aの中心点Pfからの光線の広がり方は例えば図15のように決まっているので、最大放射角から最小放射角まで光線7a,7b,7c,7d,…,7Nを等間隔(dθとする)でN本分配する。ここでNは集光点Xで分配した光線数である。
【0080】
そして、変形ランプリフレクター1bを微小ミラー1b−1,1b−2,1b−3,1b−4,…に分割し、まず最外放射角の光線7aを設置位置8上の交点Q1へ微小ミラー1b−1で反射させるようにすると、微小ミラー1b−1の光軸Zに対する角度が一意に決定される。
【0081】
次に、微小ミラー1b−1の反射面を延長して、発光部1aから発する2番目の光線7bと延長した微小ミラー1b−1の反射面との交点を2番目の微小ミラー1b−2の位置とする。この位置の微小ミラー1b−2によって設置位置8上の交点Q2へ光線7bを反射するので、2番目の光線7bと延長した微小ミラー1b−1の反射面との交点を中心にして、微小ミラー1b−2の光軸Zに対する角度を決定する。
【0082】
さらに、微小ミラー1b−2の反射面を延長して、発光部1aから発する3番目の光線7cと延長した微小ミラー1b−2の反射面との交点を3番目の微小ミラー1b−3の位置とし、微小ミラー1b−3で交点Q2へ光線7bを反射するように、微小ミラー1b−3の角度を決める。
【0083】
以下、発光部1aから出射する光線の出射全範囲内で、光線7dに対する微小ミラー1b−4,…も同様にして、全ての微小ミラーの角度を決定することができる。ここで光線数Nを十分に大きな値にとると、変形ランプリフレクター1bの非球面反射面の形状を決めることができる。
また、設置位置8のランプ前面レンズ1cに用いるガラスの屈折率を定めると、各集光点Q1,Q2,Q3,Q4,…,QNに対する光線の入射と出射の角度の関係から屈折で必要なレンズ面の傾きが決まるので、ランプ前面レンズ1cの非球面レンズ面の形状が決定される。
【0084】
以上のように、この実施の形態1によれば、ランプリフレクター101bの回転楕円面を光軸Zに対して回転対称な非球面反射面に変形した変形ランプリフレクター1bと、ランプ前面ガラス101cの入射面または出射面の少なくとも一方を光軸Zに対して回転対称な非球面レンズ面に変形したランプ前面レンズ1cとを備え、発光部1aの光源の中心点Pfから発した光線群を変形ランプリフレクター1bで反射し、ランプ前面レンズ1cの出射面全面から均一の密度で出射して集光点に集光するようにしたので、従来と比較して、発散角の抑制した光束を集光点に集光できるようになり、有限の大きさを持った発光部1aの光源像をより小さくして集光点に集光することができるという効果が得られる。
【0085】
また、この実施の形態1によれば、ランプ1と、集光点に集光した光を入射面3aで受光し、側面3bで全反射を繰り返した光を出射面3cから出射するロッドインテグレーター3とから集光光学系を構成するようにしたので、従来と比較して、レンズ焦点における発光部1aの光源像の広がりを抑制することができ、ロッドインテグレーター3の入射面3aで生じる損失を軽減できるという効果が得られる。
【0086】
実施の形態2.
実施の形態1では、変形ランプリフレクター1bによって、発光部1aの中心点Pfから等しい放射角で発した光線群をランプ前面レンズ1cの出射面(断面積S1)へ均一に分配し、この出射面全面から発散角を一定に抑制した光束を作り出すことができた。しかしながら、出射面における光線の分布は均一に限定されるわけではない。この実施の形態2では、出射面における光線の分布に重み付けをした例について説明する。
【0087】
図7はこの発明の実施の形態2によるランプの構成の一例を示す図である。図1と同一符号は同一または相当する構成である。
図7において、1’はこの実施の形態2のランプ、1b’は変形ランプリフレクター、1c’はランプ前面レンズである。変形ランプリフレクター1b’は、発光部1aの中心点Pfから等しい放射角で発した光線群をランプ前面レンズ1c’へその非球面反射面で反射している。ランプ前面レンズ1c’は、その非球面レンズ面で光軸Z上の集光点に光線群を集光する。
【0088】
実施の形態1における断面積S1上の光線分布と比較すると、変形ランプリフレクター1b’で反射された光線群は、光軸Zの近傍ほど広めの間隔であり、光軸Zから離れるほど狭い間隔になっている。つまり、図7のランプ前面レンズ1c’の出射面における光線の分布は均一ではなく、出射面上の出射位置の光軸Zからの距離に応じて単調に減少する分布となっており、光軸Zの近傍ほど疎に、光軸Zから離れるほど密になり、連続的に変化している。
【0089】
このようにすることで、ランプ前面レンズ1c’の出射面では光軸Zの近傍ほど光束の断面積が大きくなってより小さな発散角で光が出射し、光軸Zから離れるほど光束の断面積が小さくなってより大きな発散角で光が出射する。
【0090】
この実施の形態2の効果を理解するために、実施の形態1の図5にならって、不図示のロッドインテグレーター3にランプ1’を適用したときの光の取り込みを解析すると、図8のようになる。
【0091】
図8はランプ前面レンズ1c’の出射面での出射位置Rとロッドインテグレーター3の入射面3aでの入射位置Riとの関係を示す図であり、実施の形態1の図5や従来の図19と比較できる。図5の場合と同様に、図8では、発光部1aの先端点Pd,Pe,中心点Pfからそれぞれ発した各光線5d,5e,5fについて解析している。
【0092】
図5の場合と比べてみると、図8では、出射位置R≦約8mmでの光線5d,5eの入射位置Riは小さくなっており、出射位置R≧約8mmでの光線5d,5eの入射位置Riは逆に大きくなっている。これは、変形ランプリフレクター1b’によってランプ前面レンズ1c’の出射面での光線分布を光軸Z近傍ほど疎に、光軸Zから離れるほど密にしているためである。
【0093】
光軸Z近傍の光束ほど小さな発散角でランプ前面レンズ1c’の出射面から出射するので、出射位置R≦約8mmの光線5d,5eは光軸Z上の集光点(Ri=0mm)に対してより小さな像で集光され、境界6a,6bへより小さな入射位置Riで入射する。
【0094】
この反面、光軸Zから離れた光束ほど大きな発散角でランプ前面レンズ1c’の出射面から出射するので、出射位置R≧約8mmの光線5d,5eは光軸Z上の集光点(Ri=0mm)に対してより大きな像で集光され、入射位置Riが大きくなり、出射位置R≧約10mmの光は境界6a,6bに収まっていない。
【0095】
課題の説明で示した図20を見ると分かるように、出射位置R≦約8mmの領域は発光部1aのボリュームゾーンVに相当しており、特に光度の高い光が含まれている。例えば出射位置R≦約8mmから出射する光線5d,5eに代表されるような、ボリュームゾーンVに相当する光の集光点上の像をより絞り込んで小さくすることで、光度の高い光を入射面3aへ入射しやすくしている。
【0096】
このようにすることで、例えば組立作業時や交換作業時におけるランプ1’とロッドインテグレーター3とのアライメントズレや、時間経過とともに発光部1aのアークの位置変化が生じた場合にも、ボリュームゾーンVの光が入射面3aへ入射しやすくなっているので、光の取り込み効率の低下を抑制することができる。
【0097】
ボリュームゾーンVの光の像を小さくする代償として、出射位置R≧約8mmの光線5d,5eの集光点における像は実施の形態1よりも大きくなっており、特に出射位置R≧約10mmの光は境界6a,6bから外れてしまっている。しかしながら、図20から分かるように、出射位置R≧約8mmの光度は比較的低く、また出射位置R≧約10mmの光度は無視し得る値なので、光損失に大きな影響を与えることはない。
【0098】
なお、上の説明からも分かるように、ランプ前面レンズ1c’の出射面における光線分布は、図7の場合に限定されるわけではない。例えば、光軸Zの近傍ほど図7の場合よりもさらに疎にし、光軸Zから離れるほど図7の場合よりもさらに密にしても良いし、また光軸Zの近傍から順に密、疎、密にしても良い。
【0099】
つまり、変形ランプリフレクター1b’の非球面反射面の形状は、ランプ前面レンズ1c’の出射面における光線分布に重み付けをして、例えばボリュームゾーンVに相当する光束の発散角をさらに抑制するようにもできる。
【0100】
ランプ前面レンズ1c’の非球面レンズ面の形状は、上記のようにして定められた変形ランプリフレクター1b’の非球面反射面の形状に応じて、実施の形態1の図6で示した手法に則って決められる。
【0101】
実施の形態3.
この実施の形態3では、ロッドインテグレーターの入射面における光の取り込み効率を実施の形態1,2と異なる手法によって改善する。
【0102】
図9はこの発明の実施の形態3による集光光学系の構成を示す図であり、図10は図9の集光光学系に適用したロッドインテグレーターの構成を示す図である。図1と同一または相当する構成については同一符号を付してある。
【0103】
図9,10において、9はロッドインテグレーター3の入射面3aに設けられたダクト状ミラーである。図9のダクト状ミラー9は、平面鏡9a,9bをそれぞれ2枚ずつ用いて構成されている。平面鏡9a,9bの台形型の反射面(反射鏡)はいずれもロッドインテグレーター3の光軸Z側を向いており、光軸Zを囲むこれら4つの反射面を斜面とした4角錐台となるようにダクト状ミラー9は形成されている。
【0104】
そして、図9(b)に示すように、ダクト状ミラー9の4角錐台上面Soutはロッドインテグレーター3の入射面3aと等しい面積を有して入射面3aと一致するように固定されており、上面Soutより面積の広い4角錐台下面側Sinからランプ1の光を入射している。ダクト状ミラー9へ入射した光は4角錐台上面から出射する。つまり、4角錐台下面Sinおよび4角錐台上面Soutは、それぞれダクト状ミラー9への光の入射開口および出射開口となっている。
【0105】
図11はこの発明の実施の形態3による集光光学系の動作および効果を説明するための図である。ランプ1からの光線群10a,10b,10cがロッドインテグレーター3の入射面3aへ入射する様子を示している。図11(a)はダクト状ミラー9を設けていない場合、図11(b)はダクト状ミラー9を設けた場合である。図1,9,10と同一または相当する構成については同一符号を付してある。
【0106】
図11(a)の場合には、一点破線で示した光線群10aは入射面3aへ入射しているが、実線の光線群10bや破線の光線群10cは入射面3aから外れており、損失の原因になってしまう。
【0107】
これに対して、ダクト状ミラー9を設けた図11(b)の場合には、光線群10b,10cは、面積の広い入射開口Sinからダクト状ミラー9へ入射し、ダクト状ミラー9の平面鏡9a,9bの反射面で1回反射してから面積の狭いダクト状ミラー9の出射開口部Soutへ、つまりロッドインテグレーター3の入射面3aへ入射する。
【0108】
このように、ロッドインテグレーター3の入射面3aにダクト状ミラー9を設けるようにしているので、入射面3aへ直接入射する光線群7aのみならず、入射面3aから外れる光線群10b,10cをも入射面3aへ入射させることができ、光の取り込み効率を向上させることができる。
【0109】
また、ダクト状ミラー9を設けることによって、入射面3aの面積を入射開口の面積まで拡大することと等価になり、ランプ1およびロッドインテグレーター3のアライメント調整の狂いや、外部からの振動や力による集光光学系の光軸Zのズレをある程度許容することができる。
【0110】
なお、ダクト状ミラー9の形状は図9〜11の4角錐台の形状に限定されるわけではないが、ロッドインテグレーター3の矩形の入射面に対してダクト状ミラー9を設ける際に、特に4角錐台の形状(つまり入射開口Sinと出射開口Soutとが矩形形状)をダクト状ミラー9に採用することで、その製造を容易に行なうことができる。
【0111】
つまり、ダクト状ミラー9は、その出射開口Soutを入射面3aと一致させ、ダクト状ミラー9の内壁(光軸Z側の面)全面を反射鏡として光軸Zを囲み、光線群10b,10cが内壁で1回反射して出射開口Soutへ向うように、光軸Zに対する内壁の傾斜角を定めれば良い。
【0112】
ダクト状ミラー9の長さと角度は、ロッドインテグレーター3入射面付近の光の輝度分布および配光分布に依存し、ロッドインテグレーター3に対する光の取り込み効率が最大になるように最適化される。
【0113】
また、以上では、ダクト状ミラー9を設けたロッドインテグレーター3を実施の形態1,2のランプ1に適用したが、ランプ1の代わりに従来のランプ101へ適用しても良い。
さらに、放物面鏡とコンデンサーレンズとを用いたランプからの収束光をロッドインテグレーター3へ入射させる際にダクト状ミラー9を適用しても良い。いずれの場合も同様の効果が得られる。
【0114】
以上のように、この実施の形態3によれば、ロッドインテグレーター3の入射面3aと等しい面積を有し、入射面3aと一致するように固定された出射開口Soutと、出射開口Soutよりも大きな面積を有し、光線群10a,10b,10cが入射する入射開口Sinと、ロッドインテグレーター3の光軸Zを囲むようにその反射面が形成された2枚ずつの平面鏡9a,9bとから構成され、入射面3aへ直接入射する光線群10a以外の光線群10b,10cの少なくとも一部を出射開口Soutへ平面鏡9a,9bで1回反射して出射するダクト状ミラー9をロッドインテグレーター3に設けるようにしたので、入射面3aへ直接入射する光線群10aのみならず、損失の原因となる光線群10b,10cの少なくとも一部をも入射面3aへ入射させることができるようになり、入射面3aにおける光の取り込み効率を向上し、損失を軽減することができるという効果が得られ、容易に製造することができるという効果が得られる。
【0115】
実施の形態4.
この実施の形態4では、発明の集光光学系の適用例として、DMDを用いた画像表示装置について説明する。
図12はこの発明の実施の形態4による画像表示装置の構成例を示す図である。図1と同一または相当する構成については同一符号を付してある。
図12において、11は各実施の形態で示した集光光学系からの光を3原色に色分離するカラーホイール、12はロッドインテグレーター3からの光をリレーするリレーレンズ(リレー光学系)、13は光路を折り曲げる折り返しミラー(リレー光学系)、14は入射光束中の各点の主光線方向をそろえるフィールドレンズ(リレー光学系)である。カラーホイール11は、ロッドインテグレーター3の入射面3aの前や出射面3cの後に設けられる。
【0116】
15はTIRプリズム、16は複数の小ミラーによって光を変調するDMDチップ(光変調素子、反射型光変調手段)、17はDMDチップ16の強度変調光を結像させる投影レンズ(投影光学系)、18は投影レンズ17が結像した光を背面から受光して画像を表示するスクリーンである。TIRプリズム15は、投影レンズ17の入射部によって入射光束がケラレるのを防止するため、入射光束のみDMDチップ16へ全反射し、DMDチップ16からの出射光束は直進させて投影レンズ17へそのまま通過するものであり、集光光学系やリレー光学系から投影光学系を構造的に分離する働きをしている。
【0117】
次に動作について説明する。
ランプ1から出射した光は、F値1の円錐形の光束としてランプ前面レンズ1cのレンズ焦点に集光する。集光した光は、カラーホイール11によって指定した色だけが選択され、ロッドインテグレーター3へ入射面3aから入射する。ロッドインテグレーター3の出射面3cから出射したほぼ均一な光強度分布の光はF値1で出射し、リレーレンズ12,折り返しミラー13,フィールドレンズ14から成るリレー光学系によって順次リレーされてTIRプリズム15へ入射する。
【0118】
TIRプリズム15への入射光は、TIRプリズム15内部で反射されてDMDチップ16へ照射される。DMDチップ16はデジタル画像情報により画像情報を光束に与えて強度変調光(画像情報光)として出射する。DMDチップ16が出射した画像情報を得た強度変調光は、TIRプリズム15を再び透過して投影レンズ17からスクリーン18へと投影される。
【0119】
図12の画像表示装置では、各実施の形態で示した集光光学系を照明光源として用いているので、従来の画像表示装置と比較すると、スクリーン18に投影される画像の明るさを改善できる。解析結果によれば、従来と比較して約1.25倍も画像を明るくすることができ、非常に大きな改善効果を期待できる。また、従来のランプ101aをランプ1と交換するだけで、画像表示装置の他の構成要素はそのまま利用できるので、この明るさを改善する際の労力は比較的少なくて済む。
【0120】
以上のように、この実施の形態4によれば、ランプ1およびロッドインテグレーター3から成る集光光学系と、ロッドインテグレーター3の入射面3aの前または出射面3cの後に設けられ、光を3原色に色分離する少なくとも1枚のカラーホイール11と、集光光学系の出射光をリレーするリレー光学系としてのリレーレンズ12,折り返しミラー13およびフィールドレンズ14と、リレー光学系からの光に画像情報を与えて出射する光変調素子としてのTIRプリズム15およびDMDチップ16と、光変調素子から画像情報を得た光を投影する投影レンズ17と、投影された光を受光して画像を表示するスクリーン18とから画像表示装置を構成するようにしたので、ロッドインテグレーター3の入射面3aで発生する損失を軽減できるようになり、従来と比較して、スクリーン18に表示される画像の明るさを改善できるという効果が得られる。
【0121】
なお、この発明の集光光学系は、TIRプリズムとDMDとを用いた画像表示装置に限定される訳ではなく、偏光または光の散乱により画像情報光を制御する液晶パネルを用いた画像表示装置や、また自発光しない画像表示装置に適用しても良く、同様の効果を得ることができる。
【0122】
また、以上の各実施の形態では、ロッドインテグレーターを用いて説明を進めてきたが、ロッドインテグレーターに替えて、中空構造のホロー(英語でhollow,中空の意)インテグレーター(インテグレーター光学系)を用いるようにしても良く、同様の効果が得られる。
【0123】
【発明の効果】
以上のように、この発明によれば、ランプリフレクターの回転面は、変形した非球面反射面であり、実質的に平坦な裏面および変形した非球面レンズ前面を備えた変形した非球面レンズであって、非球面レンズ前面は光軸に対して回転対称で、光軸に平行に寸法をとると、非球面レンズ前面で最も厚みのある部分が光軸からも変形した非球面レンズ前面の周縁からも離隔する位置にあり、変形した非球面レンズの実質的に平坦な裏面はランプ前面ガラスの入射面と出射面の少なくとも一方に配置され、光源により発せられた光束はランプリフレクターにより反射した後、ランプリフレクターの実際の受光領域内で、ランプ前面ガラスの出射面の光軸に最も近い光線の発散角が、ランプ前面ガラスの出射面を通過し、非球面反射面と変形した非球面レンズの形状により光軸から離れる光線の発散角よりも小さく、非球面反射面および変形した非球面レンズによって、光源から発する各光線群に対してその各放射方向毎に異なるパワーをそれぞれ作用させ、ランプ前面レンズ出射面における発散角の分布を制御するようにしたので、従来と比較して、発散角の抑制した光束を集光点に集光できるようになり、有限の大きさを持った発光部の光源像をより小さくして集光点に集光することができるという効果が得られる。
【0124】
この発明によれば、ランプ前面レンズ出射面上の任意の点における出射光束の発散角を一定にして出射するようにしたので、従来と比較して、発散角が一定に抑制された光束を集光点に集光できるようになり、有限の大きさを持った発光部の光源像をより小さくして集光点に集光することができるという効果が得られる。
【0125】
この発明によれば、請求項1または請求項2記載のランプと、ランプから出射して集光点に集光した光を入射面で受光し、側面で全反射を繰り返した光を出射面から出射するインテグレーター光学系とから構成されるようにしたので、従来と比較して、集光点における発光部の光源像の広がりを抑制することができ、インテグレーター光学系の入射面で生じる損失を軽減できるという効果が得られる。
【0126】
この発明によれば、インテグレーター光学系が矩形形状の入射面および出射面を有する四角柱であるとともに、インテグレーター光学系の入射面と等しい矩形形状の面積を有し、入射面と一致するように固定された出射開口と、出射開口よりも大きな矩形形状の面積を有し、ランプから出射した光線群が入射する矩形形状の入射開口と、インテグレーター光学系の光軸を囲むようにその反射面が形成された4枚の平面鏡とから構成され、入射面へ直接入射する光線群以外の光線群の少なくとも一部を反射鏡での1回反射によって出射開口へ出射するダクト状ミラーをインテグレーター光学系が備えるようにしたので、入射面へ直接入射する光線群のみならず、損失の原因となる光線群の少なくとも一部をも入射面へ入射させることができるようになり、入射面における光の取り込み効率を向上し、損失を軽減することができるという効果が得られ、容易に製造することができるという効果が得られる。
【0127】
この発明によれば、請求項3または請求項4記載の集光光学系と、集光光学系から出射した光をリレーするリレー光学系と、リレー光学系によってリレーされた光に画像情報を与えて出射する光変調素子と、画像情報を得て光変調素子から出射した光を投影する投影光学系と、投影光学系から投影された光を受光して、画像情報に基づく画像を表示するスクリーンとを備えるようにしたので、インテグレーター光学系の入射面で発生する損失を軽減できるようになり、従来と比較して、スクリーンに表示される画像の明るさを改善できるという効果が得られる。
【0128】
この発明によれば、複数の小ミラーを備えるとともに、リレー光学系から照射された光に対して小ミラーで画像情報を与え、上記画像情報が与えられた光を画像情報光として投影光学系へ出射する反射型光変調手段を光変調素子とするようにしたので、従来と比較して、スクリーンに表示される画像の明るさを改善できるという効果が得られる。
【0129】
この発明によれば、偏光または光の散乱により画像情報光を制御する液晶パネルを光変調手段とするようにしたので、従来と比較して、スクリーンに表示される画像の明るさを改善できるという効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 この発明の実施の形態1によるランプを適用した集光光学系の構成を示す図である。
【図2】 従来のランプと実施の形態1のランプとを比較するための図である。
【図3】 従来のランプと実施の形態1のランプとの発散角を比較するための図である。
【図4】 ランプ前面レンズの出射位置とロッドインテグレーターの入射面の入射位置とを示す図である。
【図5】 ランプ前面レンズでの出射位置とロッドインテグレーターの入射面での入射位置との関係を示す図である。
【図6】 発光部に対する変形ランプリフレクターの非球面反射面の設計例を示す図である。
【図7】 この発明の実施の形態2によるランプの構成の一例を示す図である。
【図8】 ランプ前面レンズの出射面での出射位置とロッドインテグレーターの入射面での入射位置との関係を示す図である。
【図9】 この発明の実施の形態3による集光光学系の構成を示す図である。
【図10】 図9の集光光学系に適用したロッドインテグレーターの構成を示す図である。
【図11】 この発明の実施の形態3による集光光学系の動作および効果を説明するための図である。
【図12】 この発明の実施の形態4による画像表示装置の構成例を示す図である。
【図13】 従来のランプを用いた集光光学系の構成を示す図である。
【図14】 発光部の典型的な輝度分布特性を示す図である。
【図15】 発光部の典型的な配向分布特性を示す図である。
【図16】 ロッドインテグレーター内部の透過光の光路を示す図である。
【図17】 ロッドインテグレーターの入射光および出射光の照度分布特性を示す図である。
【図18】 ロッドインテグレーターの入射面に現れる発光部の光源像を説明するための図である。
【図19】 ランプ前面ガラスからの出射光線の出射位置と入射面への入射光線の入射位置との関係を示す図である。
【図20】 ランプ前面ガラスにおける出射光の光度分布を示す図である。
【符号の説明】
1,1’ ランプ、1a 発光部、1b,1b’ 変形ランプリフレクター、1c,1c’ ランプ前面レンズ、3 ロッドインテグレーター(インテグレーター光学系)、3a 入射面、3b 側面、3c 出射面、5d,5e,5f 光線、6a,6b 境界、7a,7b,7c,7d 光線、8 設置位置、9 ダクト状ミラー、9a,9b 平面鏡、10a,10b,10c 光線群、11カラーホイール、12 リレーレンズ(リレー光学系)、13 折り返しミラー(リレー光学系)、14 フィールドレンズ(リレー光学系)、15 TIRプリズム、16 DMDチップ(光変調素子、反射型光変調手段)、17 投影レンズ(投影光学系)、18 スクリーン、Pd,Pe 先端点、Pf 中心点、Sin 入射開口、Sout 出射開口。
Claims (8)
- アーク長で大きさが規定される光源によって光を発し、上記アーク長の方向が光軸の方向と一致する発光部と、上記光源は中心点を有し、上記光軸を中心とした回転面によって上記光源の中心点から発した光線群を集光するランプリフレクターであってリフレクターは光軸を中心とした回転面であり、上記光源の中心点は上記光軸上および上記ランプリフレクターの焦点に位置決めされており、実質的に平坦な入射面および出射面を介して出射するランプ前面ガラスとを備えたランプにおいて、
上記ランプリフレクターの回転面は、変形した非球面反射面であり、
実質的に平坦な裏面および変形した非球面レンズ前面を備えた変形した非球面レンズであって、上記非球面レンズ前面は上記光軸に対して回転対称で、上記光軸に平行に寸法をとると、上記非球面レンズ前面で最も厚みのある部分が上記光軸からも上記変形した非球面レンズ前面の周縁からも離隔する位置にあり、上記変形した非球面レンズの実質的に平坦な裏面は上記ランプ前面ガラスの入射面と出射面の少なくとも一方に配置され、
上記光源により発せられた光束は上記ランプリフレクターにより反射した後、上記ランプリフレクターの実際の受光領域内で、上記ランプ前面ガラスの出射面の上記光軸に最も近い光線の発散角が、上記ランプ前面ガラスの出射面を通過し、上記非球面反射面と上記変形した非球面レンズの形状により上記光軸から離れる光線の発散角よりも小さく、
上記非球面反射面および上記変形した非球面レンズによって、上記光源から発する各光線群に対してその各放射方向毎に異なるパワーをそれぞれ作用させ、上記ランプ前面レンズ出射面における発散角の分布を制御することを特徴とするランプ。 - ランプ前面レンズ出射面上の任意の点における出射光束の発散角を一定にして出射することを特徴とする請求項1記載のランプ。
- 請求項1または請求項2記載のランプと、上記ランプから出射して非球面レンズ面の集光点に集光した光を入射面で受光し、側面で全反射を繰り返した光を出射面から出射するインテグレーター光学系とから構成されることを特徴とする集光光学系。
- インテグレーター光学系は、矩形形状の入射面および出射面を有する四角柱であるとともに、
上記インテグレーター光学系の上記入射面と等しい矩形形状の面積を有し、上記入射面と一致するように固定された出射開口と、
上記出射開口よりも大きな矩形形状の面積を有し、ランプから出射した光線群が入射する入射開口と、
上記インテグレーター光学系の光軸を囲むようにその反射面が形成された4枚の平面鏡とから構成され、
上記入射面へ直接入射する光線群以外の光線群の少なくとも一部を上記反射鏡での1回反射によって上記出射開口へ出射するダクト状ミラーを備えることを特徴とする請求項3記載の集光光学系。 - 請求項3または請求項4記載の集光光学系と、
上記集光光学系から出射した光をリレーするリレー光学系と、
上記リレー光学系によってリレーされた光に画像情報を与えて出射する光変調素子と、
上記画像情報を得て上記光変調素子から出射した光を投影する投影光学系と、
上記投影光学系から投影された光を受光して、上記画像情報に基づく画像を表示するスクリーンとを備えることを特徴とする画像表示装置。 - 光変調素子は、
複数の小ミラーを備えるとともに、リレー光学系から照射された光に対して上記小ミラーで画像情報を与え、上記画像情報が与えられた光を画像情報光として投影光学系へ出射する反射型光変調手段とすることを特徴とする請求項5記載の画像表示装置。 - 光変調素子は、
偏光または光の散乱により画像情報光を制御する液晶パネルを光変調手段とすることを特徴とする請求項5記載の画像表示装置。 - ランプリフレクターの非球面反射面は複数の微小ミラーを有し、
上記各微小ミラーは、各放射方向毎の光線群を、当該各光線群が集光する上記非球面レンズ面の集光点へそれぞれ反射することを特徴とする請求項1記載のランプ。
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