JPWO2004035476A1 - 凝集粒子及びそれを配合してなる樹脂組成物 - Google Patents

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Abstract

レーザー解析式粒度分布測定機Microtrac−FRAによって求められる凝集粒子の平均粒径dp50[μm]、同測定機によって求められる凝集粒子の篩通過側累計90%粒子径d90と篩通過側累計10%粒子径d10の差を平均粒径dp50で割った値α、BET式比表面積Sw[m2/g]、島津製作所製微小圧縮試験機で測定して求められる、4μmの凝集粒子を破壊するのに要した引張り強度St[MPa]、同粒径の30%まで破壊するのに要した引張り強度Sta[MPa]が特定の範囲内にあることを特徴とする凝集粒子が提供される。本発明の凝集粒子は樹脂に滑り性を付与し、耐ブロッキング性、耐スクラッチ性に優れた樹脂組成物を提供する。

Description

本発明は、微細な粒子が凝集してなる無機化合物の凝集粒子及び該無機凝集粒子を配合してなる樹脂組成物に関する。更に詳しくは、合成樹脂からなるフィルム・シート・繊維等に、ヘイズや透明性等の光学特性を損なわずに、滑り性や耐ブロッキング性等の物理的特性を付与する、微小な炭酸カルシウムの一次粒子の凝集粒子及び該凝集粒子を配合してなる樹脂組成物に関する。
合成樹脂は、その優れた物理的、化学的特性から、繊維・フィルム・シート・その他の各種成形品として幅広く使用されている。
例えばポリプロピレンフィルムは、透明性や剛性等の諸特性とあいまって、食品、たばこ、カセットテープ等のオーバーラップ包装用途、合成紙を始めとする様々な分野に使用されている。
また、例えばポリエチレンテレフタレートは、フィルム・シートの分野において、磁気記録媒体用、コンデンサー用、熱転写リボン用、感熱孔版印刷原紙用、プリペイドカード用等に用いられており、繊維の分野においては、タイヤコード、V−ベルト、コンベアベルトに代表されるゴム補強用繊維として、あるいは各種衣料用材料として大量に使用されている。
これらの樹脂フィルムやシートは、その成形加工時のハンドリングや、製品として使用する際に求められる物性としてブロッキング防止や滑り性があり、その樹脂フィルムやシートに微粒子を含有させて、表面に適切な凹凸を作成してそれらの物性を付与している。
樹脂フィルムやシートに微粒子を含有させる方法として、炭酸カルシウム・二酸化チタン・シリカ・タルク・カオリン・ゼオライト等の無機粒子を樹脂に配合する外部充填法と、例えばポリエチレンテレフタレートの様に、合成時の残渣等から樹脂中に微粒子を析出させる内部析出法があげられる。
外部充填法は、無機粒子の粒度調整によって凹凸の大きさの調整がある程度可能であり、更に配合前の調整により樹脂中での配合量と均一な分散が図られる点で優れている。しかし、粒子と樹脂との親和性が劣るため、樹脂と粒子の間にボイドと呼ばれる空隙が生じ、製品であるフィルムやシートの透明性低下、樹脂からの粒子の脱落、粒子による微細な傷を作る等の問題が生じる可能性がある。
微粒子を析出させる内部析出法は、生成した粒子と樹脂との親和性が良好であるため、ボイドや樹脂からの粒子脱落が少なく、透明性が高くヘイズも少ないといった、外部充填法では技術的に困難な物性も到達可能となる長所を有している。しかし、生成する粒子の粒子径や量、均一な樹脂への分散等の制御が困難であり、樹脂表面に設計した凹凸を作成出来ず、必要な耐ブロッキング性や滑り性を付与できない等の短所がある。
上記の問題に対して、ポリプロピレン樹脂やポリエチレン樹脂等のポリオレフィンからなるフィルムに、一般的に沈降性ないしゲル状シリカを適宜選択して使用している。それらのシリカは、基本的に微少な粒子で構成する凝集体からなり、フィルム製造過程の樹脂との混練や樹脂の延伸等による応力によって、凝集体が適度に分散することが可能である。そして、その分散によって樹脂の延伸等の応力に追随してボイドの生成や粒子の脱落、微細な傷の発生を抑えつつ、分散後の適度な大きさの凝集粒子がフィルム表面に適度な凹凸を作る特徴を有している。
更に凝集体であることから、空隙を粒子内に有しているために個体としての密度が低くく、空隙を持たない粒子に比べて、重量で同一配合量の場合に個数が増えるので、耐ブロッキング性や滑り性付与のように、粒子の個数が密接に関係する場合は有利である。
また、日本国特開昭64−4240号公報や日本国特開平07−196316号公報では、無機粒子の粒径・シャープネス等の粒度を向上させて不必要な微粒子や粗大粒子を除去することによって、適切な凹凸を製品である樹脂フィルムの表面に付与し、更に無機粒子と樹脂との親和性を向上させる表面処理剤を無機粒子に表面処理することによって、ボイドの生成や粒子の脱落を防ぐ方法を提案している。
更に、例えば日本国特開平05−4812号公報では、粒度分布のシャープな球状シリカに、更に微小な球状シリカを結合させて粒子表面を凹凸状にすることによって、樹脂との親和性を向上させることを提案している。
また、例えば日本国特許第3260881号公報では、一次粒子の凝集体(二次粒子)からなる粒度の優れた炭酸カルシウムで、一次粒子の短径と二次粒子の長径、およびそれらの比を制限した粒子を提案し、樹脂との親和性を向上させることを提案している。
空隙を有する粒子として、例えば日本国特開2003−246617号公報・日本国特開平03−197318号公報・日本国特公平08−18827号公報等では、消石灰溶液に金属イオン封止剤を添加して炭酸ガスを吹き込み、反応途中で何度も金属イオン封止剤を添加することによって、均一なメソ孔を有しメソポーラスマテリアルとして利用可能なメソ孔担持炭酸カルシウムを、また例えば日本国特許第41262号公報では、水ガラス、および水ガラスとトリニトル酢酸塩を石灰乳に添加し、日本国特許第1140546号公報、日本国特許第1140542号公報、日本国特許第1023550号公報等では、石灰乳にオキシカルボン酸やアミノポリカルボン酸、イソブチレンとマレイン酸の共重合物、または燐酸塩等の金属イオンに配位して共重合物を生成する、一般にキレート剤と呼ばれる物質を添加して炭酸ガスを吹き込んで炭酸化反応を途中までおこなって針状・紡錘状・連鎖状の微粒子を作成し、その後、気相法と呼ばれる炭酸化反応でそれらの凝集体・包絡体を作成している。
上記技術は、それらが提案された当時の要求をクリア、または、それに近い状態まで達しているものの、携帯電話・パソコン等のIT機器や、PDP・LCD等のFDPの様に、異常なまでに発達した現在では、磁気記録特性や電気特性、光拡散性等に対する要求も極めて高くなっており、更なる改良が望まれている。
また、物性に対する要求が従来と変わらない汎用分野である、オーバーラップ包装用のフィルムについても、近年の価格破壊等の社会現象によって大幅なコストダウンが要求されている。コストダウンを目的に製造時間短縮等の製造工程での改良・改善が検討されており、それに伴って添加される粒子にも、新たな製造工程に適した改良・改善が求められている。
しかしながら、先述のポリオレフィンフィルム用沈降性ないしゲル状シリカは、その分散性について考慮されているものの十分とは言えず、様々な問題を抱えている。
例えば過度に分散が起きた場合、製品であるフィルムやシートに適切な凹凸が生成できず、それらの表面に十分な耐ブロッキング性や滑り性を付与できない。更に、分散過剰によって生じた多数の微小粒子が、フィルムの透明性やヘイズを悪化させる等、商品価値を失う問題を有している。
反対に分散が不十分でも、フィルムの表面にシリカの凝集物を生じることによって商品価値を失う。また、シリカはロット間で分散が異なることがあり、製造工程での分散条件を調整せねばならない。更に同じポリプロピレン樹脂を使用しても、例えばメルトフローレート等のグレードが異なる樹脂を使用する場合は、更に微細な製造(分散)条件の調整が必要となる等の問題を有している。
更にシリカは、粒子表面にシラノール基を有するがゆえに吸着水があり、更に比表面積が高いことから、シリカが有する水分の量は重量当たり5〜7%と高い。それらの水分は、混練や延伸等の製造工程中に、150〜250℃まで温度を上げて樹脂を溶融することが必要不可欠なポリオレフィンフィルムやシートの場合、その水分が発泡することによって製品価値を低下させたり、ハンドリングを困難にするため好ましくない。
また、シリカを工業的に大量に扱う場合、珪肺等の衛生面への考慮も必要であるなど問題が多い。
日本国特開昭64−4240号公報、日本国特開平07−196316号公報の場合、シリカで生じた分散の不安定さや吸着水、珪肺などの問題はなく、所望の大きさの凹凸を配合したフィルムやシート表面に生成し、設計通りの耐ブロッキング性や滑り性をフィルムやシートに付与することが出来る。
また、二軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルム製造時の延伸によって生じるボイドも、発明がなされた当時はそのボイドが皆無か、発生しても物性・技術的に問題にならないレベルであった。しかし、技術の進歩によってより薄いフィルムが要求される昨今では、延伸時により高い応力がかかり、ボイドの生成も以前以上に顕著になるなどボイドの抑制が困難となり、場合によっては粒子が裂壊しフィルムの滑り性が期待できなくなる等の現象が生じている。
更に、粒子自体の比重がシリカより大きいことから、同じ大きさの粒子をフィルムやシートに配合しても、その表面の突起数はシリカより少なくなり、経済的にも不利であることから汎用フィルムに使われず、磁気記録用途やコンデンサーといった、比較的高価な用途にしか使用できない。
日本国特開平05−4812号公報の場合、その分散が極めて良好であることと樹脂との親和性が高いことから、コンデンサーや磁気記録媒体のベースフィルム用の二軸延伸ポリエチレンテレフタレートに検討されたが、微小シリカ粒子の表面に存在するシラノール基やそれに付着する水分が、該樹脂の合成を阻害しゲル化する問題や、樹脂の合成時に気泡を生成する等、シリカ自体が持つ問題に対して解決がなされていなかった。
日本国特許第3260881号公報は、エチレングリコール中で生成するものと、コロイド炭酸カルシウムをスプレードライヤー等で乾燥後に炭酸ガス雰囲気下で焼結するものが提案されている。エチレングリコール中で生成するものは、粒度も均一で非常に微細な粒子が得られており、更にシリカと同様に微小粒子の凝集体であることから、先述のシリカや日本国特開昭64−4240号公報や、日本国特開平07−196316号公報と日本国特開平05−4812号公報の欠点を補完し、長所を具備するものとして期待された。
しかし、混練や延伸から受ける応力による分散はシリカより劣り、更に反応時に副生する粒度測定機で感知できない粗大粒子が日本国特開昭64−4240号公報や日本国特開平07−196316号公報より多く、フィルター通過性が悪い等の問題があり、ボイドや耐ブロッキング性、透明性等の問題に対する基本的な解決策となっていない。
また、エチレングリコールを樹脂の原料として使用するポリエチレンテレフタレート以外の樹脂に使用する場合、フィルムやシートに配合する前に乾燥してエチレングリコールを蒸発させる必要がある。しかし、エチレングリコールを乾燥で蒸発させるのは、日本国特開昭64−4240号公報や日本国特開平07−196316号公報の水よりも困難で、乾燥後に得られる粒子は元の粒度を維持しておらず、更にそれを乾式粉砕等で粉砕しても乾燥前の粒度と粒径にすることは困難で、目的とする凹凸をフィルムやシート表面に付与することは困難である。
なお、コロイド炭酸カルシウムの乾燥体を炭酸ガス雰囲気下で焼結して得られた粒子を同様に使用するには、先に述べた理由と同様で困難である。
更に、日本国特開2003−246617号公報、日本国特開平03−197318号公報、日本国特公平08−18827号公報、日本国特許第41262号公報、日本国特許第1140546号公報、日本国特許第1140542号公報、日本国特許第1023550号公報等の方法は、いずれも塗工紙の吸油性向上やゴムに配合して強度アップを狙ったものであり、粒子の空隙に着目してそれを大きくすることを目的の一つにしている。
しかし、それらは塗工紙やゴム等の用途であり、粒度が細かいことへの概念はあっても、フィルムやシートの耐ブロッキング剤や滑り性付与剤に要求される粒度の調整や粒度分布、および混錬・延伸時に受ける応力によって生じるボイド、傷つけ性等の考慮が当然なされていない。
よって、それらの粒子を、フィルムやシートの耐ブロッキング剤や滑り性付与剤として使用することは困難であった。
本発明は、かかる実状に鑑み、樹脂との混錬や延伸時に受ける応力によって、配合する無機粒子と樹脂の間で発生するボイドや粒子の崩壊・分散を制御することにより、樹脂のフィルムやシートの透明性を阻害せず、ヘイズを抑制しつつ、良好な耐ブロッキング性と滑り性を付与する粒子を提供する。
本発明者らは上記課題を解決すべく鋭意検討の結果、微細な無機化合物の一次粒子が凝集して構成しており、その粒径が特定の範囲内で自由に設定でき、均一な粒度を持ち、更に粒子の表面の一部が混練・延伸時に受ける応力に追随することによって樹脂との親和性が優れ、更に粒子表面にシラノール基の如き親水基がないことから、樹脂のゲル化や気泡生成の原因となる水分の吸着が少ない凝集粒子と該凝集粒子を配合した樹脂フィルム・シート・繊維等の樹脂組成物を提供するものである。
即ち、本発明の請求項1は、微細な無機化合物の一次粒子の凝集体で構成され、下記式(a)〜(e)を満足することを特徴とする、シリカを除く微細な無機化合物の一次粒子が凝集して構成する凝集粒子である。
(a)0.5≦dp50≦20 [μm]
(b)0≦α≦2.5 [−]
(c)30≦Sw [m/g]
(d)20≦St≦150 [MPa]
(e)200≦Sta≦600 [MPa]
ただし、
dp50 : レーザー解析式粒度分布測定機Microtrac−FRAによって求められる凝集粒子の平均粒径[μm]
α : レーザー解析式粒度分布測定器Microtrac−FRAによって求められる凝集粒子の篩通過側累計90%粒子径d90と篩通過側累計10%粒子径d10の差を平均粒径dp50で割った値(下記式)。
α=(d90−d10)/dp50
90 : レーザー解析式粒度分布測定器Microtrac−FRAによって求められる凝集粒子の篩通過側累計90%粒子径
10 : レーザー解析式粒度分布測定器Microtrac−FRAによって求められる凝集粒子の篩通過側累計10%粒子径
Sw : 凝集粒子のBET比表面積[m/g]
St : 島津製作所製微小圧縮試験機で測定して求められる、4μmの凝集粒子を破壊するのに要した引張り強度[MPa]
Sta : 島津製作所製微小圧縮試験機で測定して求められる、4μmの凝集粒子をその粒径の30%まで破壊するのに要した引張り強度[MPa]
好ましい態様として、本発明の請求項2は、凝集粒子が下記式(f)の固め見掛け密度を満足することを特徴とする請求項1記載の凝集粒子である。
(f)0.2≦ρbp≦0.8 [g/cm
ただし、
ρbp : ホソカワミクロン社製パウダーテスタで求められる、凝集粒子の固め見掛け密度[g/cm
好ましい態様として、本発明の請求項3は、凝集粒子が、脂肪酸・脂環族カルボン酸・芳香族カルボン酸、それらのスルホン酸、樹脂酸、それらの金属塩・アンモニウム塩・アミン塩・エステル、カップリング剤、シリコーンオイル、パラフィン、およびα,β−モノエチレン性不飽和カルボン酸と、α,β−モノエチレン性不飽和カルボン酸と重合性を有する単量体との共重合物、それらの金属塩・アンモニウム塩・アミン塩、燐酸エステル類、工業用石鹸類より選ばれる少なくとも1種で表面処理されていることを特徴とする請求項1又は2記載の凝集粒子である。
更に好ましい態様として、本発明の請求項4は、凝集粒子が炭酸カルシウムであることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の凝集粒子である。
本発明の請求項5は、請求項1〜4のいずれか1項に記載の凝集粒子を樹脂に配合してなることを特徴とする樹脂組成物である。
好ましい態様として、請求項6は、樹脂が、ポリオレフィン樹脂、ポリエステル樹脂、ポリアミド樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、生分解性樹脂から選ばれることを特徴とする請求項8記載の樹脂組成物である。
更に好ましい態様として、本発明の請求項7は、フィルム、シート、又は繊維であることを特徴とする請求項5又は6記載の樹脂組成物である。
図1はフィルムの耐磨耗性を評価するための装置の説明図である。
本発明の第一である無機化合物の凝集粒子は、空隙を有し、その粒径が特定の範囲内で自由に設定でき、均一な粒度を持ち、受けた応力の強さによって凝集粒子の表面の一部が崩壊する、微小な一次粒子の凝集体であることを特徴とする。
これは、本発明の凝集粒子を樹脂に配合した場合に、空隙を有するが故にそれがないものと比較して同一重量割合で配合しても、樹脂フィルムやシートの表面に凹凸による突起数を多くでき、また、所定の粒度と粒度分布を有し、外部から樹脂との混錬や延伸といった特定の応力を受けても、それに堪えうる強度を有することによって割れや変形等を起こさないことから、所望の大きさの突起を付与し、更に、粒子表面の一部の微小粒子が崩れて延伸に追随することによって、樹脂とフィラーとの間で発生するボイドを抑制することを目的としている。
本発明の凝集粒子の平均粒径dp50は0.5≦dp50≦20[μm]で、好ましくは1.0≦dp50≦10[μm]、より好ましくは1.5≦dp50≦5.0[μm]である。
凝集粒子の粒径dp50が0.5μm未満の場合、配合するフィルムやシートの設定膜厚によるが、ヘイズや透明性、電気特性等の要求される物性を損なわずに、フィルムやシート等の表面に適切な突起を作成して耐ブロッキング性や滑り性を付与することが出来ない。
dp50が20μmを超えると、配合するフィルムやシートの設定膜厚によるが、その美観を損ね、磁気記録媒体やコンデンサー等のベースフィルムに用いられた場合、ガイドとの接触による粒子の脱落や、絶縁性不良等の問題を起こし、商品価値の低下を招く可能性がある。
本発明の凝集粒子は粒度分布がシャープであり、そのシャープネスの指数αとして、下記式に示すように、粒度分布計で測定される篩通過側累計90%粒子径d90と篩通過側累計10%粒子径d10の差を平均粒径dp50で割った値が挙げられる。
α=(d90−d10)/dp50
本発明の凝集粒子のシャープネスαは、0≦α≦2.5[−]である。αが2.5を超えると、不要な微小粒子や粗大粒子を多く含むため、フィルムやシートに配合した場合に、その表面に剛性や光透過性等の他物性を損なわずに適切な凹凸を付与することが出来ない。αが0未満を示すことはありえない。
本発明の凝集粒子の粒度分布の計測は、Leeds & Northrup社製Microtrac−FRAレーザー式粒度分布計で行った。該装置での測定に用いる溶媒は、水、メタノール、エタノール、エチレングリコール等が適宜使用されるが、本発明においてはメタノールが好ましく、測定の前処理として、日本精機製超音波分散機Model US−300Tを使用し、300μAの条件下で100秒間、超音波分散を行なった。
本発明の凝集粒子のBET式比表面積Swは30≦Sw[m/g]である。凝集粒子のBET式比表面積Swが30m/g未満の場合、粒子自体の表面エネルギーが小さくなることから分散しやすくなり、所望の凝集体を構成しにくくなる。
なお、本発明において凝集粒子のBET式比表面積Swの上限は特に制限されないが、Swが350m/gを超えると、一次粒子の表面エネルギーが大きくなり、一次粒子同士の凝集力が強く、本発明の凝集粒子を配合した樹脂を延伸してフィルムを作成する場合に、その延伸に追随して凝集粒子の表面の一次粒子が崩壊しにくく、ボイド等を作成する場合がある。
なお、凝集粒子のBET式比表面積Swは、凝集粒子を構成する一次粒子同士の凝集力に大きく影響するが、使用する樹脂の種類やメルトフローインデックス等のグレード、混練強度や延伸倍率等の製造条件によって左右されるので適宜好適な値が選択される。
本発明の4μmの凝集粒子を破壊するのに要した引張り強度Stは20≦St≦150[MPA]であり、好ましくは30≦St≦100[MPa]、より好ましくは40≦St≦80[MPa]である。
引張り強度Stが20MPa未満の場合、その凝集粒子を樹脂に配合してフィルムやシートを製造すると、製造工程中の混錬・延伸等によって凝集粒子がバラバラに破壊されてしまい、フィルム表面に有効な突起を生じさせることができないだけでなく、破壊が激しい場合はフィルムやシートの透明性を悪化させてしまうなどの問題が生じる。
引張り強度Stが150MPaを超えると、フィルムの延伸時に樹脂の追随性が悪く、本発明の目的とするボイドの生成防止に寄与せず好ましくない。
本発明の4μmの凝集粒子を、その粒径の30%まで破壊するのに要した引張り強度Staは200≦Sta≦600[MPa]、好ましくは300≦Sta≦500[MPa]である。
引張り強度Staが200MPa未満の場合、その凝集粒子を樹脂に配合してフィルムやシートを製造すると、製造工程中の混錬・延伸等によって凝集粒子破壊が大きく、フィルム表面に有効な突起を生じさせることができず、フィルムやシートの透明性を悪化させてしまう可能性がある。
引張り強度Staが600MPaを超えると、樹脂中で凝集粒子が単一粒子として挙動するため、その凝集粒子を配合してフィルムやシートを延伸すると、ボイドや粒子の脱落、添加した粒子が原因で生じる傷が発生し好ましくない。
なお、本発明の4μmの凝集粒子の引張り強度St,Staの測定は、島津製作所製微小圧縮試験機MCT−W500−Jを使用し、試験力9.8mN、負荷速度0.892405mN/sec.の条件で測定した。また、St,Staの求め方は、以下の通りである。
先ず、凝集粒子100個を選んでその粒径の70%を破壊するまで破壊試験を行い、粒子破壊時と粒径の30%を破壊した各々の測定値を求める。次に、凝集粒子破壊時の測定値の最大値と最小値から各々10個を除外し、残った80個の測定データについて、凝集粒子の粒径を横軸に、その測定値を縦軸にプロットし、それから最小自乗法で求められる近似一次直線を各々プロットする。そして、その近似直線から4μmに該当する値を導き出し、St、Staとする。
好ましい態様として、本発明の凝集粒子の固め見掛密度ρbpは0.2≦ρbp≦0.8[g/cm]、好ましくは0.3≦ρbp≦0.7[g/cm]であり、より好ましくは0.4≦ρbp≦0.6[g/cm]である。
フィルムやシート等の耐ブロッキング性や滑り性は、配合する粒子によって生成されるフィルムやシート表面の突起高さと突起数によって変化する。表面突起数は粒子の個数の関数であるため、重量割合が同じ配合量の場合、粒子の空隙の大小によって突起数が変化する。
そこで、個々の粒子が有する空隙をパウダー全体として把握する場合に固め見掛かけ密度が適していること、特定の固め見掛け密度以上を有すると、フィルムやシートに配合した場合に数多くの突起を付与できることを見出した。
固め見掛け密度ρbpが0.8g/cmを超えると、凝集粒子1個のあたりの比重が大きく、フィルム等に配合した場合の粒子の個数が少なくなる傾向があり、また、固め見掛け密度ρbpが0.2g/cm未満になると、樹脂に配合する場合にその混練が困難になる場合がある。
本発明における固め見掛け密度は、Carrの理論に従いホソカワミクロン社製パウダーテスタで求められる。
本発明の無機化合物の凝集粒子は、微細な一次粒子が凝集して構成され、既述の要件を満足すれば問題ないが、その一次粒子の粒径dxは0.005≦dx≦0.10[μm]が好ましい。
凝集粒子を構成する一次粒子の粒径dxが0.10μmを超えると、一次粒子の表面エネルギーが小さくなることから分散しやすくなり、所望の凝集粒子を構成しにくくなる。
また、見かけ上凝集しても、凝集粒子を構成する一次粒子間の結合力が弱いため、樹脂フィルム等の製造工程である混練や延伸でバラバラに分散してしまい、結果的に本発明の目的の一つであるフィルム表面に十分な凹凸が生成できず、耐ブロッキング性や滑り性を付与できない場合がある。
反対に、凝集粒子の一次粒子の粒径dxが0.005μm未満の場合、一次粒子の表面エネルギーが大きいことから一次粒子同士の凝集力が強く、本発明の凝集粒子を配合した樹脂を延伸してフィルムを作成する場合に、その延伸に追随して凝集粒子の表面の一次粒子が崩壊せず、ボイド等を作成する場合がある。
なお、一次粒子の粒径dxは、走査型電子顕微鏡ないし透過型電子顕微鏡視野からデジタイザーで選んで測定して得ることが出来、粒子の形状は、上記の顕微鏡で観測される結果より、球状・立方体状・繊維状・棒状・不定形と様々である。一次粒子の形状も均一である方が望ましいと思われるが、本発明ではそれらが混合されていても、本発明において発現する効能に変わりはない。
好ましい態様として、本発明の凝集粒子が、脂肪酸・脂環族カルボン酸・芳香族カルボン酸、それらのスルホン酸、樹脂酸、それらの金属塩・アンモニウム塩・アミン塩・エステル、カップリング剤、シリコーンオイル、パラフィン、α,β−モノエチレン性不飽和カルボン酸と、α,β−モノエチレン性不飽和カルボン酸と重合性を有する単量体との共重合物、それらの金属塩・アンモニウム塩・アミン塩、各種燐酸エステル類、および市販の工業用石鹸より選択した少なくとも1種で表面処理される。
上記の表面処理剤について、粒子の安定性、分散性等の物性や、用途、環境への影響、ハンドリング性、コストの観点から、例えば二軸延伸ポリプロピレンフィルムを始めとするポリオレフィン樹脂には脂肪酸、脂肪酸のアルカリ金属塩、アンモニウム塩、燐酸エステルが、中でも脂肪酸が特に好ましい。
また、例えば二軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルムを始めとするポリエステル樹脂には、ポリアクリル酸、およびα,β−モノエチレン性不飽和カルボン酸と重合性を有する単量体との共重合物のアンモニウム塩、燐酸エステルが好ましく用いられ、燐酸エステルとα,β−モノエチレン性不飽和カルボン酸と重合性を有する単量体との共重合物のアンモニウム塩の両者が更に好ましい。
本発明に使用する脂肪酸・脂環族カルボン酸・芳香族カルボン酸・樹脂酸としては、例えば、カプロン酸・カプリル酸・カプリン酸・ラウリン酸・ミリスチン酸・パルミチン酸・ステアリン酸・アラキジン酸・ベヘニン酸・リグノセリン酸等の飽和脂肪酸、ソルビン酸・エライジン酸・パルミトレイン酸・オレイン酸・リノール酸・リノレン酸・エルカ酸・リシノール酸等の不飽和脂肪酸、シクロペンタン環やシクロヘキサン環を持つナフテン酸等の脂環族カルボン酸、安息香酸・フタル酸等に代表されるベンゼンカルボン酸類・ナフトエ酸やナフタル酸等のナフタレンのカルボン酸等の芳香族カルボン酸、アビエチン酸・ピマル酸・パラストリン酸・ネオアビエチン酸等の樹脂酸が挙げられ、中でも凝集粒子を構成する無機化合物との反応性や、粒子の安定性、分散性付与の点でステアリン酸ないしラウリン酸が好ましい。
脂肪酸・脂環族カルボン酸・芳香族カルボン酸・樹脂酸の金属塩・アンモニウム塩・アミン塩として、例えば、ラウリン酸カリウム、ミリスチン酸カリウム、パルミチン酸カリウム・ナトリウム、ステアリン酸バリウム・カルシウム・亜鉛・カリウム・コバルト(II)・錫(IV)・ナトリウム・鉛(II)等の飽和脂肪酸塩、オレイン酸亜鉛・カリウム・コバルト(II)・ナトリウム・カリウムジエタノールアミン塩等の不飽和脂肪酸塩、ナフテン酸鉛、シクロヘキシル酪酸鉛等の脂環族カルボン酸塩、安息香酸ナトリウムやサリチル酸ナトリウム等の芳香族カルボン酸塩が挙げられる。
また、本発明の凝集粒子の表面処理時またはそれ以前に、既述の脂肪酸・脂環族カルボン酸・芳香族カルボン酸・樹脂酸にリチウム・ナトリウム・カリウム・ルビジウム・ベリリウム・マグネシウム・カルシウム・ストロンチウム・バリウム・亜鉛・アルミニウム・鉛・コバルト・錫・アシル基を持つ化合物を混合・反応させて脂肪酸・脂環族カルボン酸・芳香族カルボン酸・樹脂酸の金属塩・アンモニウム塩・アミン塩を適宜作成しても良い。
以上の脂肪酸・脂環族カルボン酸・芳香族カルボン酸・樹脂酸の金属塩・アンモニウム塩・アミン塩の中でも凝集粒子を構成する無機化合物との反応性や、粒子の安定性、分散性付与の点でミリスチン酸カリウムないしラウリン酸カリウムが好ましい。
また、多種類の脂肪酸の金属塩が混在した市販の工業石鹸としては、マルセル石鹸やパーム油石鹸、やし油石鹸等も、凝集粒子を構成する無機化合物によって選択可能で、コストだけを取り上げれば処理剤中で最も有効であり、中でもマルセル石鹸が特に好ましい。
脂肪酸・脂環族カルボン酸・芳香族カルボン酸・樹脂酸のエステルとしては、例えば、カプロン酸エチル・ビニル、アジピン酸ジイソプロピル、カプリル酸エチル、カプリン酸アリル・エチル・ビニル、セバシン酸ジエチル・ジイソプロピル、イソオクタン酸セチル、ジメチルオクタン酸オクチルドデシル、ラウリン酸メチル・ブチル・ラウリル、ミリスチン酸メチル・イソプロピル・セチル・ミリスチル・イソセチル・オクチルドデシル・イソトリデシル、パルミチン酸メチル・イソプロピル・オクチル・セチル・イソステアリル、ステアリン酸メチル・ブチル・オクチル・ステアリル・コレステリル、イソステアリン酸イソセチル、ベヘニン酸メチル・ベヘニル等の飽和脂肪酸エステル、オレイン酸メチル、リノール酸エチル・イソプロピル、オリーブオレイン酸エチル、エルカ酸メチル等の不飽和脂肪酸エステル、その他、長鎖脂肪酸高級アルコールエステル、ネオペンチルポリオール(長鎖・中鎖を含む)脂肪酸系エステルおよび部分エステル化合物、ジペンタエリスリトール長鎖脂肪酸エステル、コンプレックス中鎖脂肪酸エステル、12−ステアロイルステアリン酸イソセチル・イソステアリル・ステアリル、牛脂脂肪酸オクチルエステル、多価アルコール脂肪酸エステル/アルキルグリセリルエーテルの脂肪酸エステル等の耐熱性特殊脂肪酸エステル、安息香酸エステル系に代表される芳香族エステルが挙げられ、中でも凝集粒子を構成する無機化合物との反応性や、粒子の安定性、分散性付与の点で多価アルコール脂肪酸エステルの多価アルコールステアリン酸またはパルミチン酸ないし、ステアリン酸ステアリル、モノオレイン酸ソルビタンの使用が好ましい。
脂肪族・脂環族・芳香族のスルホン酸の例としては、スルホ琥珀酸・ジオクチルスルホ琥珀酸・ラウリルスルホ酢酸・テトラデセンスルホン酸等のスルホン酸、ラウリル・ミリスチル・パルミチン・ステアリル・オレイル・セチル等のアルキル基からなるアルキル硫酸、ポリオキシエチレン(2)ラウリルエーテル硫酸・ポリオキシエチレン(3)ラウリルエーテル硫酸・ポリオキシエチレン(4)ラウリルエーテル硫酸・ポリオキシエチレン(3)アルキルエーテル硫酸・ポリオキシエチレン(4)ノニルフェニルエーテル硫酸等のポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸、直鎖(C10,C12,C14)アルキルベンゼンスルホン酸・分岐アルキルベンゼンスルホン酸・ナフタレンスルホン酸・ドデシルベンゼンスルホン酸等の芳香族スルホン酸等が挙げられ、中でも凝集粒子を構成する無機化合物との反応性や、粒子の安定性、分散性等の点でドデシルベンゼンスルホン酸が好ましい。
脂肪族・脂環族・芳香族のスルホン酸の金属塩の例としては、上記の脂肪族・脂環族・芳香族のスルホン酸のナトリウム塩が一般的であるが、本発明の凝集粒子の表面処理時または以前に、既述の脂肪族・脂環族・芳香族スルホン酸にリチウム・ナトリウム・カリウム・ルビジウム・ベリリウム・マグネシウム・カルシウム・ストロンチウム・バリウム・亜鉛・アルミニウム・鉛・コバルト・錫・各種アミン等の化合物を混合・反応させて脂肪族・脂環族・芳香族の金属塩を適宜作成しても良いが、中でも凝集粒子を構成する無機化合物との反応性や、粒子の安定性、分散性付与の点でドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウムが好ましい。
シランカップリング剤の例としては、γ−クロロプロピルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、ビニル・トリス(β−メトキシエトキシ)シラン、γ−メタクリオキシプロピルトリメトキシシラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−β−(アミノエチル)−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、γ−ユレイドプロピルトリエトトキシシラン等が挙げられ、凝集粒子への疎水性付与の点で、ビニルトリメトキシシラン、及びβ−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシランが好ましい。
α,β−モノエチレン性不飽和カルボン酸と、α,β−モノエチレン性不飽和カルボン酸と重合性を有する単量体との共重合物、ならびにそれらの金属塩・アンモニウム塩・アミン塩の例としては、アクリル酸・メタクリル酸・クロトン酸・マレイン酸・イタコン酸とそれらの金属塩・アンモニウム塩・アミン、および該α,β−モノエチレン性不飽和カルボン酸と重合性を有する単量体との共重合物とそれらの金属塩・アンモニウム塩・アミンが挙げられる。
α,β−モノエチレン性不飽和カルボン酸と重合性を有する単量体として、アクリル酸アルキルエステルおよびメタクリル酸アルキルエステル、アルコキシ基を有するアクリレート及びメタクリレート、シクロヘキシル基を有するアクリレートおよびメタクリレート、α,β−モノエチレン性不飽和ヒドロキシエステル、ポリオキシアルキレングリコールモノアクリレートおよびモノメタクリレート、ビニルエステル、ビニル系芳香族、不飽和ニトリル、不飽和ジカルボン酸エステル、ビニルエーテル、共役ジエン、鎖状オレフィン、環状オレフィンがあげられる。
中でも、アクリル酸とポリエチレングリコールモノメタクリレートの共重合物で、全カルボン酸の60%がナトリウムイオンで中和されているものや、アクリル酸とメタクリル酸ブチルの共重合物で、全カルボン酸の20%がアンモニウムイオンで中和されているものが好ましい。
燐酸エステルの例としては、トリメチルホスフェート、トリエチルホスフェート、トリブチルホスフェート、2−エチルヘキシルホスフェート、ブトキシエチルホスフェート、トリフェニルホスフェート、トリクレジルホスフェート、トリキシレニルホスフェート、クレジルジフェニルホスフェート、2−エチルヘキシルジフェニルホスフェート、クレジルジ−2,6−キシレニルホスフェート、レゾルシノールジフェノールホスフェート、各種芳香族縮合燐酸エステル、2−クロロエチル、クロロプロピルホスフェート、ジクロロプロピルホスフェート、トリブロモネオペンチルホスフェート、含ハロゲン縮合燐酸、ビス−2−エチルヘキシルホスフェート、ジイソデシルホスフェート、2−メタクリロイルオキシルエチルアシッドホスフェート、ジフェニル−2−メタクリロイルオキシエチルホスフェート、メチルアシッドホスフェート、ブチルアシッドホスフェート、ジブチルホスフェート、モノブチルホスフェート、2−ブチルヘキシルアシッドホスフェート、イソデシルアシッドホスフェート、モノイソデシルホスフェート、トリフェニルホスファイト、ジブチルハイドロジェンホスファイト、ジブチルハイドロジェンホスファイト、ジフェニルホスホロクロリデート、フェニルホスホロジクリデート、ポリオキシエチレンラウリルエーテル燐酸、アルキル基が12〜15のポリオキシアルキルエーテル燐酸、同ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル燐酸、同ポリオキシエチレンジアルキルフェニルエーテル燐酸が挙げられ、なかでも2軸延伸ポリプロピレンフィルム等のポリオレフィンに使用される場合は、2−エチルヘキシルホスフェートやトリクレジルホスフェートが、2軸延伸ポリエチレンテレフタレート等のポリエステルに使用される場合は、トリメチルホスフェートやトリエチルホスフェートが好ましく用いられる。
上記の表面処理剤の処理量は、本発明で得られる凝集粒子が使用される樹脂の種類・用途によって適宜選択されるが、例えば樹脂フィルムに配合される場合、凝集粒子に対して0.5〜20wt%、好ましくは1.0〜15wt%、より好ましくは2.0〜10wt%である。
表面処理剤の処理量が0.5wt%未満の場合、表面処理剤の効能が認められず、製造時のハンドリングの悪化とコストアップを招くだけで好ましくない。
表面処理量が20wt%を超えると、例えば樹脂フィルムに添加する場合に、重合時の反応性や混練時の樹脂の粘性をかえたり、生成するフィルムの透明性を損なう等の問題を生じる可能性があるため好ましくない。
本発明の凝集粒子を構成する無機化合物は、一次粒子が三次元的に凝集して形成し、その結果、固め見掛け密度が大きく、一次粒子同士の結合力、およびその結合力が制御可能で、更に凝集粒子の粒径が自由に選択出来、粒度も比較的に揃っており、粒子の表面に結晶水や揮発する成分が可能な限り少ないものが好ましい。
以上の条件に該当する無機化合物としては、燐酸カルシウム、硫酸バリウム、炭酸カルシウム、硫酸カルシウム等が挙げられるが、中でも原料の入手しやすさ、製造に要するコスト、安全性、設計の自由度から炭酸カルシウムが好ましく選択される。
なお、本発明において炭酸カルシウムを選択した場合は、上述の各種表面処理剤で表面処理された炭酸カルシウムは当然として、表面から中心へ向かう方向で粒子表面をある程度、燐酸や硫酸、シリカ、アルミナ等で改質したものも含まれる。
本発明の微細な無機化合物の一次粒子からなる凝集粒子の製造方法は、上記した要件を満たす凝集粒子が得られるならば、如何なる方法を用いてもよく、例えば、天然に存在する鉱物を粉砕と分級によって粒度等を調整して作成することも可能で、例えば天然の燐酸カルシウム鉱物を、粉砕と分級を繰り返して粒度を調整し、ステアリン酸とビニルトリメトキシシランで表面処理して本発明の要件を満たす粒子を得ることも可能である。
しかし上記の方法は、リン酸カルシウム鉱物の一部を選択して抜き取り、粉砕と分級を何度も繰り返すといった採算性を完全に度外視した方法であり、工業的に安定した供給は全く望めない。
以上の理由より本発明者らは、工業的に安定して供給でき、製造コストが低く、物性の設計に自由度があり、更に安全性の点から炭酸カルシウムの微細な一次粒子からなる凝集粒子を見出すと同時に、その製造方法について検討した。
本発明の炭酸カルシウムからなる凝集粒子の製造方法は、以下の方法に限定されるものではではないが、その一例を以下に示す。
水酸化カルシウムが7wt%以上、液温3〜25℃の水酸化カルシウム−水懸濁液に、金属イオンに配位して多座配位子の金属キレート化合物を形成し、カルシウムイオンとの安定化定数pKaが1〜50の範囲にある有機化合物(以下、キレート剤と略記する)から選択される少なくとも1種を、理論的に生成する炭酸カルシウム量に対して1.0〜10wt%添加し、常圧下で水酸化カルシウム懸濁液中の水酸化カルシウム1g当たりに炭酸ガスを純分で4ml/min.以上で供給し、pHが6.2〜8.3になった時点で反応を終了させる。
本発明の炭酸カルシウムからなる凝集粒子を得るのに必要な、水酸化カルシウム懸濁液中の水酸化カルシウムの濃度は7wt%以上、好ましくは8.6wt%以上、更に好ましくは10.2wt%以上である。
水酸化カルシウムの濃度が7wt%未満の場合、反応で得られる凝集粒子は一次粒子が大きいにも関わらず凝集粒子として小さくなるため、凝集粒子として所望する粒径を得られない場合がある。
なお、水酸カルシウム懸濁液中の水酸化カルシウム濃度が高い程、得られる凝集粒子の粒度分布がシャープになる傾向がある。
本発明の炭酸カルシウム凝集粒子を得るのに必要とされる水酸化カルシウム懸濁液の液温は3〜30℃、好ましくは5〜25℃、更に好ましくは10〜20℃である。
本発明者らの検討で、水酸化カルシウム懸濁液の液温が低くなるほどBET比表面積の小さな、すなわち一次粒子の小さな粒子が得られ、その液温が高くなるとその反対の傾向にあることが判明している。
水酸化カルシウム懸濁液の液温が30℃を超えると、反応後に得られる一次粒子が針状ないし柱状で、それらが比較的に分散した粒子となり、本発明で求める凝集粒子が得られない場合がある。
これらの理由は明らかでないが、本発明の凝集粒子を得る場合、水酸化カルシウムや炭酸ガスの水への溶解度が高くなり、反応が迅速に進むことが原因と考えられる。
なお、水酸化カルシウム懸濁液の液温が3℃未満の場合、冷却に要するコストが莫大であるのに対して、反応時に得られる効果は僅かである。
水酸化カルシウム−水懸濁液に、カルシウムイオンに対する反応安定化定数pKaが1〜50のキレート剤の少なくとも1種を添加することは必須である。キレート剤として例えば、蓚酸・マレイン酸・トリカルバリル酸等の脂肪族カルボン酸類、グリコール酸・クエン酸・酒石酸・リンゴ酸・ピルビン酸等のオキシカルボン酸またはケトカルボン酸、チオグリコール酸等のチオカルボン酸類、トリメリット酸・ピロメリット酸・サリチルアルデヒド等の芳香族カルボン酸または芳香族アルデヒドロ類、ヘキサメタ燐酸・ピロ燐酸・トリポリ燐酸・ポリ燐酸・ウルトラ燐酸等の縮合燐酸類、クロモトロープ酸・タイロン等の芳香族スルホン酸類、イミノ二酢酸・ニトリロトリ酢酸・エチレンジアミン二酢酸・ヒドロキシエチルエチレンジアミン三酢酸・エチレンジアミン四酢酸等のアミノポリカルボン酸類、グルタミン酸・アスパラギン酸・アルブミン・ゼラチン・カルボキシペプチターゼ等のアミノ酸またはタンパク質類、プリン・フラビンモノヌクレオシド等のプリン塩基類またはヌクレオシド類、ペニシリン等の抗生物質、エリオクロムブラツク等の金属比色指示薬類、ジメチルグリオキシム・メチルオキシン・アセチルアセトン等のオキシムまたはケトン類、トリエタノールアミン・ヒドロキシエチルアミン等のアミン類、およびこれらのナトリウム・カリウム塩が挙げられる。
中でも、Caイオンとの安定化定数pKaが2〜12の範囲にあるオキシカルボン酸類やアミノポリカルボン酸類およびそのナトリウム・カリウム塩であるクエン酸、リンゴ酸、ニトリロトリ酢酸・ヒドロキシエチル二酢酸、およびそのナトリウム・カリウム塩が好ましく用いられ、クエン酸とリンゴ酸がBET比表面積の設計の自由度や入手しやすさ、コストの点で特に好ましい。
キレート剤のカルシウムイオンに対する反応安定化定数pKaが1未満、ないしキレート剤を添加しないと、本発明に必要とされるBET式比表面積、粒度、粒子の強度を持った粒子が得られない。カルシウムイオンに対するpKaが50を超えるキレート剤は見いだせなかった。なお、上記のキレート剤のカルシウムイオンに対する反応安定化定数pKaは、pH7.0の場合の値である。
上記のキレート剤は、配合する対象である樹脂の種類や用途、使用目的によって適宜選択されるが、本発明者らの検討で、クエン酸・リンゴ酸を使用するとBET比表面積で40〜150m/gの範囲で、0.5〜10μmの凝集粒子が、ニトリロトリ酢酸・ヒドロキシエチルイミノ二酢酸を使用するとBET比表面積で40〜150m/gの範囲で5〜20μmの粒子が得られやすいことが判明している。
水酸化カルシウム−水懸濁液に添加するキレート剤の添加量は、生成する炭酸カルシウムに対して1.0〜10wt%添加である。
添加量は求める粒子のBET比表面積、粒度、固め見掛け密度、一次粒子間の凝集力の強さや、添加するキレート剤の種類によって適宜選択されるが、キレート剤の添加量は、キレート剤の種類によって異なるが添加量が多いほどBET比表面積が大きく(粒子が小さくなる)傾向にある。添加量が1.0wt%未満の場合、キレート剤を添加した効果が現れず好ましくない。
また、添加量が10wt%を超えても、その効能は10wt%添加した場合と大差がない上にコスト的に不利であり、次工程でのトラブルや製品に対する悪影響が予想され好ましくない。
キレート剤を添加した水酸化カルシウム懸濁液に、常圧下で液中の水酸化カルシウム1g当たりに炭酸ガスを純分で4ml/min.以上、好ましくは6ml/min.以上、より好ましくは10ml/min.で吹き込み、pHが6.2〜8.3になった時点で反応を終了させる。
炭酸カルシウムの一方の原料である炭酸ガスは、気体として供給されるが、系内のカルシウムイオンと反応する際は、水に溶けて炭酸イオンの形態になることが必要である。加えて、本発明の炭酸カルシウムの凝集粒子を得る場合、極めて迅速に炭酸イオンを反応系内に供給する必要があることが判明している。
炭酸ガスを炭酸イオンに迅速に変換して反応系内に供給する方法として、炭酸ガス濃度、流量を上げる、炭酸ガスの気泡を小さくする、水酸化カルシウム懸濁液も撹拌する等の方法がある。撹拌は、単純に撹拌羽根等を用いて撹拌しても良いし、炭酸ガスの流れで生じる環流を利用する方法でも、ポンプ等で反応槽の底部から上部へ移送する(反対も可)でも良い。
炭酸ガスが純分で4ml/min.未満の場合、撹拌等を行っても本発明の凝集粒子は得られない。また、炭酸ナトリウムや重炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸アンモニウム、重炭酸アンモニウム、尿素等の水に可溶な炭酸塩を、炭酸ガスの代わりに用いることは可能であるが、コストや後工程で対イオンの除去やその処理が必要になり炭酸ガスに及ばない。
なお、炭酸ガスの供給量は、添加するキレート剤の種類によって異なるが、その量が多いほど凝集粒子の粒径が大きくなる傾向があることが本発明者らの検討で明らかになっている。
本発明の炭酸カルシウム凝集粒子を得る反応において、反応の終了点はpH6.2〜8.3である。
反応の終点をpH8.3近く設定すると、得られる凝集粒子の空隙が大きくなるが、製造中に炭酸カルシウムが溶液中への溶解と粒子表面への再析出を起こし、一次粒子が成長、分散する傾向がある。反対にpH6.2近くに設定すると、製造工程中での安定度が増すが空隙が低下する。よって、製造条件と設計する粒子の物性を考慮し、反応終了pHを決定すべきである。
なお、pH8.3を超えて設定すると製造工程中に一次粒子が成長・分散する可能性が高くなるので好ましくなく、また、反応終了時にpH6.2未満にすることは困難である。
なお、本発明の特徴である炭酸カルシウムの凝集粒子の粒径調整を目的として、本発明の目的を阻害しない範囲で、反応中に該懸濁液に水やキレート剤を添加してもよいし、炭酸ガスの供給を炭酸化の途中で停止、または供給量を低減し、該懸濁液に水やキレート剤を添加し、再び炭酸ガスを供給して反応を終了しても良い。
炭酸ガスの供給停止、ないし供給量低減と水やキレート剤添加は、キレート剤を添加した水酸化カルシウム懸濁液に炭酸ガスを供給することによって懸濁液の粘度が最も高くなった時点から、系内のpHが11.0までの間に行うことが好ましい。
好ましい態様として、表面処理した凝集粒子を得る場合は、上記の反応で得られた凝集粒子に通常の方法で表面処理を行えば良く、処理剤が水溶性の場合は得られた炭酸カルシウムの懸濁液に直接添加し、攪拌等を行って表面処理すればよい。処理剤の溶解温度が室温以上の場合は、処理剤を湯等に溶かして溶液にすると同時に凝集粒子の懸濁液も同じ液温とするのが好ましい。
また、ヘンシェルミキサー等を用いて、凝集粒子の乾紛に溶液状にした処理剤や、乾紛状態の表面処理剤で乾式処理することも可能である。
なお、使用する表面処理剤と処理量は既述の内容であるが、使用される樹脂の種類やフィルムによって適宜選択される。
本発明の炭酸カルシウムからなる凝集粒子の製造方法は、反応後ないし表面処理後、通常の乾燥・解砕の工程を含むが、乾燥前にフィルタープレスや遠心分離による脱水を行っても良い。
脱水を行わずにスプレードライヤーや流動層乾燥機等の瞬間乾燥機、凍結乾燥機を用いて乾燥すると、BET比表面積や空隙が高い凝集粒子が得られて好ましいがコスト高になる。反面、上記の脱水を行って水分を除去すると乾燥コストの低減に寄与するが、水分を多く除去しすぎると空隙の低い粒子が出来やすくなる。
よって、プレス・乾燥条件も、要求される物性とコストを考慮して決定される。
なお、本発明で得られた凝集粒子の懸濁液に、より大きな凝集粒子(フロック)を形成する目的で、バインダー成分として砂糖、デキストローズ、コーンシロップ、ゼラチン、グルー、澱粉、カゼイン、カルボキシメチルセルロース類、ポロビニルアルコール、グリコール、ポリエチレングリコール、アルコール類、ポリエチレンオキサイド、α,β−モノエチレン性不飽和カルボン酸と、α,β−モノエチレン性不飽和カルボン酸と重合性を有する単量体との共重合物、およびそれらのアルカリ金属塩・アンモニウム塩・アミン、ラテックス、タール、ピッチ、アルミナゾル、シリカゾル、シリカゲル、水ガラス(オルト珪酸ソーダ・メタ珪酸ソーダ)、微粉末シリカ、多孔質シリカ、塩化マグネシウム、硫酸アルミニウム、塩化アルミニウム、アルミン酸ソーダ、硫酸マグネシウム、アラビアゴム、アルギン酸ソーダ等から選ばれる少なくとも1種を添加する方法がある。
上記の方法で得られた粒子は、懸濁液中ないし乾紛状態での粒度が見掛け上は本発明の凝集粒子と異なるが、例えば樹脂と混錬する前の混合でそれらのフロックが簡単に崩壊し、実質的に本発明の凝集粒子と同じ挙動を示すことが判明している。
本発明の第二である、本発明で得られた凝集粒子を含有する樹脂組成物における樹脂の種類として特別な制限はないが、熱可塑性樹脂として例えばポリエチレン・ポリプロピレン等のポリオレフィン、ポリスチレン・ポリ酢酸ビニル・ポリアクリル酸エステル・ポリアクリル酸アミド・ポリエステル・ポリアクリロニトリル・ポリアミド・ポリ塩化ビニル・ポリ塩化ビニリデン・ポリフェニレンサルファイド等が例示され、また熱硬化性樹脂として例えばフェノール樹脂・エポキシ樹脂・不飽和ポリエステル樹脂・アルキド樹脂・尿素樹脂・メラミン樹脂・ウレタン樹脂・珪素樹脂、更に最近の新たな樹脂として注目されているポリ乳酸に代表される生分解性樹脂等が例示され、中でもポリオレフィン樹脂やポリエステル樹脂、ポリアミド樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、生分解性樹脂のフィルム・シートに好適であり、特にそれらの延伸フィルム・シートに極めて有用である。これらは単独で、又は必要に応じ2種以上組み合わせて用いられる。
ポリオレフィン樹脂としては、透明で結晶性の自己支持性フィルム形成能を有するものであれば特に限定されないが、例えば炭素数2〜12程度のα−オレフィンの単独、あるいは2種以上の結晶性共重合体が挙げられる。
具体的には、例えばポリエチレン・ポリプロピレン・ポリ−4−メチルペンテン1,エチレン−プロピレンのランダムまたはブロック共重合体、エチレン−プロピレン−ブテンの共重合体、エチレン−プロピレン−ヘキセンの共重合体等を挙げることが出来、中でもポリプロピレンや50重量%以上のプロピレンと他のα−オレフィンとの重合体が好ましく、特にエチレン含有量が0〜6重量%のプロピレン重合体が好ましい。
また、これらのポリオレフィン樹脂は結晶性であり、アイソタクティックインデックス(II)が通常40以上、中でも60以上、特に90以上のものが適する。更に成形できるものに限られるが、通常はメルトフローレート(MFR)が0.01〜100g/min.であり、0.1〜50g/min.が好ましく、0.1〜10g/min.が特に好ましい。
また、ポリエステル樹脂としては、芳香族ジカルボン酸と脂肪族グリコールを主成分とするポリエステル樹脂であれば特に制限はなく、この不飽和ポリエステル樹脂は実質的に線状で、フィルム形成時に溶融によるフィルム形成性を有する。
芳香族ジカルボン酸として、例えばテレフタル酸、ナフタレンジカルボン酸、イソフタル酸、ジフェニルエーテルジカルボン酸、ジフェニルスルホンジカルボン酸、ジフェニルケトンジカルボン酸、アンスラセンジカルボン酸等が挙げられ、脂肪族グリコールとして例えばエチレングリコール・トリメチレングリコール・テトラメチレングリコール・ペンタメチレングリコール・ヘキサメチレングリコール・デカメチレングリコール等の炭素数2〜10のポリメチレングリコール、あるいはシクロヘキサンンジメタノールの如き脂環族ジオール等を挙げることが出来る。
本発明においてポリエステル樹脂としては、例えばアルキレンテレフタレート及び/またはアルキレンナフタレートを主たる構成成分とするものが好ましく用いられ、中でもポリエチレンテレフタレートやポリエチレン−2,6−ナフタレートや、芳香族ジカルボン酸成分の80%以上がテレフタル酸、及び/または2,6−ナフタレンジカルボン酸であり、グリコール成分の80%以上がエチレングリコールである共重合体が好ましい。
本発明の凝集粒子が樹脂に配合される割合は、樹脂の種類・用途によって適宜選択されるが、例えば合成樹脂フィルムに配合される場合、樹脂100重量部に対して0.01〜5重量部、好ましくは0.05〜3重量部である。
本発明の凝集粒子の配合割合が0.01重量部未満の場合、配合する樹脂表面に適切な凹凸を作ることが困難になり、要求される耐ブロッキング性や滑り性を十分に付与することが出来ないので好ましくない。
本発明の凝集粒子の配合割合が5重量部を超えると、例えば樹脂フィルムに添加した場合、フィルムの透明性や剛性、延伸性を損なうため好ましくない。
本発明の凝集粒子は、配合する樹脂の耐ブロッキング性や滑り性付与を目的とするが、その効能が顕著に発揮されるのは合成樹脂からなるフィルム・シートのように、製造工程・使用時に平滑性が重要視される用途であり、最大の効能が発揮されるのはそれらの二軸延伸フィルムである。
本発明の凝集粒子を樹脂に含有させる方法に制限はなく、例えば混練機による樹脂との混合でも、例えばポリエチレンテレフタレートの一方の原料であるエチレングリコールに混合・分散させ、そのエチレングリコールとテレフタル酸を重合することによって、本発明の樹脂添加物を含有する方法を用いても良い。
本発明の樹脂組成物に配合される他の成分について特に制限はなく、必要に応じて他の組成のブロッキング防止剤、例えば合成球状シリカやシリカゲル、α,γ−アルミナ、珪酸アルミニウム、合成ゼオライト、酸化チタン、カオリン、クレー、タルク、硫酸バリウム、本発明の凝集粒子以外の炭酸カルシウム、ACP・FAP・OCP・TCP・DCP・DCPD等の燐酸カルシウム化合物等を、目的に応じて1種または2種以上を本発明の効能を妨げない範囲で配合することも可能である。
更に、ポリオレフィン・ポリエステル等の樹脂に使用される他の添加剤、例えば顔料・染料・紫外線吸収剤・各種安定剤・酸化防止剤・遮光剤・加工助剤・帯電防止剤・抗菌剤・脱臭剤・農薬・香料等を目的に応じて1種または2種以上を本発明の効能を妨げない範囲で配合することも可能である。
以下、本発明を実施例及び比較例により更に詳細に説明するが、本発明はこれらにより何ら限定されるものではない。
尚、以下の記載において、粒度分布の測定の溶媒は、メタノールを使用した。
また、表中の略号は、それぞれ下記の物質を表す。
NTA : ニトリロトリ酢酸
HEDTA : ヒドロキシエチルエチレンジアミン三酢酸
DBS : ドデシルベンゼンスルホン酸
DBS−Na: ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム
マルセル石鹸: 商品名 工業用石鹸
ノンサールSK−1: 日本油脂(株)製工業用石鹸
A : 全カルボン酸の60%がナトリウムイオンで中和されているアクリル酸とポリエチレングリコールモノメタクリレートの共重合物
B : 全カルボン酸の20%がアンモニウムイオンで中和されているアクリル酸とメタクリル酸ブチルの共重合物
11.8wt%の水酸化カルシウム−水懸濁液10kgに、クエン酸(キレート剤:CaイオンとのpKa3.16)を理論上反応して得られる炭酸カルシウム(1.492kg)の5wt%添加し、強力に攪拌しつつ100%炭酸ガスを12l/min.で吹き込んで炭酸化を行い、pHが7.8になった時点で反応を終了した。なお、炭酸化反応中に系内の粘度が最大に達した時点で2kgの水を加えた。
得られた炭酸カルシウムの懸濁液をスプレードライヤーで乾燥し、衝撃式ピンミルであるコロフレックス(アルパイン社製)で解砕後にヘンシェルミキサーを用いて炭酸カルシウムに対してステアリン酸を9wt%添加し115℃で表面処理を行い、解砕して以下の特徴を有する乾粉を得た(乾式処理)。
得られた粒子は、電子顕微鏡視野での粒径dxが0.01μmの微細な一次粒子の炭酸カルシウムからなる凝集粒子で、平均粒径dp502.14μm、シャープネスα1.89、BET式比表面積Sw92m/g、4μmの粒子を破壊するのに要した引張り強度St78MPa、4μmの凝集粒子の30%を破壊するのに要した引張り強度Sta480MPa、固め見掛け密度度ρpb0.41g/cmであった。
本実施例の製造条件と、得られた表面処理炭酸カルシウムの凝集粒子の物性を表1に示す。
11.2wt%の水酸化カルシウム−水懸濁液10kgに、リンゴ酸(キレート剤:CaイオンとのpKa2.14)を理論上反応して得られる炭酸カルシウム(1.417kg)の3wt%添加し、強力に攪拌しつつ100%炭酸ガスを12l/min.で吹き込んで炭酸化を行い、pHが7.4になった時点で反応を終了した。なお、炭酸化反応中に系内の粘度が最大に達した時点で2kgの水を加えた。
得られた炭酸カルシウムの懸濁液を60℃に加温し攪拌しつつ、65℃に温めた400gの湯に炭酸カルシウムに対して7wt%のラウリン酸を溶かした後に、炭酸カルシウム懸濁液に投入して表面処理を行った(湿式処理)。
得られた表面処理炭酸カルシウムをプレスフィルターで固形分が53wt%になるまで圧搾し、ミクロンドライヤーで乾燥して乾粉を得、アトマイザーで解砕して以下の特徴を有する乾粉を得た。
得られた粒子は、電子顕微鏡視野での粒径dxが0.03μmの微細な一次粒子の炭酸カルシウムからなる凝集粒子で、平均粒径dp501.42μm、シャープネスα2.15、BET式比表面積Sw76m/g、4μmの粒子を破壊するのに要した引張り強度St45MPa、4μmの凝集粒子の30%を破壊するのに要した引張り強度Sta320MPa、固め見掛け密度度ρpb0.58g/cmであった。
本実施例の製造条件と、得られた表面処理炭酸カルシウムの凝集粒子の物性を表1に示す。
実施例3〜10、比較例1〜3
水酸化カルシウム懸濁液中の水酸カルシウム濃度、液温、添加するキレート剤と添加量、炭酸ガス流量、攪拌の有無、反応系内の液の粘度が最高に達した時点での水入れとその量、表面処理剤および処理量と表面処理方法を、表1,2記載の条件に変更する以外は、実施例1,2の方法と同じ方法で炭酸カルシウムを作成し、表1,2に示す特徴を有する乾粉を得た。
内筒と気体の分散板を有する二重管反応槽に、10.2wt%の水酸化カルシウム−水懸濁液90kgに、クエン酸(キレート剤:CaイオンとのpKa3.16)を理論上反応して得られる炭酸カルシウム(9.72kg)の5wt%添加し、35%炭酸ガスを280l/min.で吹き込み、pHが6.6になった時点で反応を終了した。
得られた炭酸カルシウムの懸濁液を80℃に加温して攪拌しつつ、炭酸カルシウムに対して10wt%の日本油脂(株)製工業用石鹸ノンサールSK−1(ステアリン酸カリウム)を80℃の湯に溶かした後に、炭酸カルシウム懸濁液に投入して表面処理を行った。(湿式処理)
その後、プレスフィルターで固形分が53wt%になるまで圧搾し、ミクロンドライヤーで乾燥して乾粉を得、アトマイザーで解砕して以下の特徴を有する乾粉を得た。
得られた粒子は、電子顕微鏡視野での粒径dxが0.01μmの微細な一次粒子の炭酸カルシウムからなる凝集粒子で、平均粒径dp502.45μm、シャープネスα1.71、BET比表面積Sw89m/g、4μmの粒子を破壊するのに必要した引張り強度St75MPa、4μmの凝集粒子の30%を破壊するのに要した引張り強度Sta460MPa、固め見掛け密度度ρpb0.42g/cmであった。
本実施例の製造条件と、得られた表面処理炭酸カルシウムの凝集粒子の物性を表1に示す。
実施例12,13
添加するキレート剤と添加量、表面処理剤および処理量と表面処理方法を、表1記載の条件に変更する以外は、実施例11方法と同じ方法で表面処理炭酸カルシウムを作成し、表1に示す特徴を有する乾粉を得た。
比較例4
エチレングリコール4kgに生石灰粉670gを投入して撹拌し、さらにエチレングリコールを15kg加えて生石灰−エチレングリコールスラリーを調整した。該スラリーに炭酸濃度30vol%の炭酸ガスを66.7l/min.で吹き込んで生石灰の炭酸化を行い、炭酸カルシウムを得た。
得られた炭酸カルシウムをギアオーブンで乾燥し、コロフレックスで解砕後にヘンシェルミキサーを用いて炭酸カルシウムに対してステアリン酸を7wt%添加し115℃で表面処理を行い、解砕して表3に示す物性を有する表面処理炭酸カルシウムの乾粉を得た。
比較例5
濃度0.6mol/lの炭酸ナトリウム溶液、濃度0.6mol/lの塩化カルシウム溶液、濃度0.025mol/lの水酸化ナトリウム溶液を各々100l調整し、炭酸ナトリウム溶液と水酸化ナトリウム溶液を混合後、該混合溶液と塩化カルシウム溶液を各々17.0℃に調整する。その後、塩化カルシウム溶液100lを、炭酸ナトリウムと水酸化ナトリウムの混合溶液200lに、攪拌下(50rpm、以下同じ)で270秒かけて滴下混合し炭酸化反応を行った。
得られた炭酸カルシウム懸濁液を、攪拌下で1時間放置し、懸濁液中の炭酸カルシウムに対して0.4重量%相当量のヘキサメタ燐酸ナトリウムを懸濁液に添加し20分間攪拌して、炭酸カルシウムの懸濁液を得た。
得られた炭酸カルシウムをロータリーフィルターで水洗し、ホモジナイザー等で分散後、スプレードライヤーで乾燥し、コロフレックスで解砕後にヘンシェルミキサーを用いて炭酸カルシウムに対してステアリン酸を1wt%添加し115℃で表面処理を行い、解砕して表3に示す物性を有する表面処理炭酸カルシウムの乾粉を得た。
比較例6
7.8wt%の水酸化カルシウム−水懸濁液10kgに、クエン酸(キレート剤:CaイオンとのpKa3.16)を理論上反応して得られる炭酸カルシウム(1.417kg)の1.2wt%添加し、強力に攪拌しつつ30%炭酸ガスを16l/min.で吹き込んで炭酸化を行い、反応液の炭酸化率が20%に達した時点で停止した。
再び、クエン酸を先の添加量と同量添加し、強力に攪拌しつつ30%炭酸ガスを16l/min.で吹き込んで炭酸化を行い、反応液の炭酸化率が30%に達した時点で停止した。
更に、クエン酸を先の添加量と同量添加し、強力に攪拌しつつ30%炭酸ガスを16l/min.で吹き込んで炭酸化を行い、反応液の炭酸化率が40%に達した時点で停止した。
更にまた、クエン酸を先の添加量と同量添加し、強力に攪拌しつつ30%炭酸ガスを16l/min.で吹き込んで炭酸化を行い反応を終結させた。
得られた炭酸カルシウムの懸濁液をスプレードライヤーで乾燥し、コロフレックスで解砕後にヘンシェルミキサーを用いて炭酸カルシウムに対してステアリン酸を17wt%添加し115℃で表面処理を行い、解砕して以下の特徴を有する乾粉を得た(乾式処理)。
本比較例で得られた表面処理炭酸カルシウムの凝集粒子の物性を表3に示す。
比較例7
市販のフィルム用の耐ブロッキング剤であるシリカ粒子(水沢化学製Mizukasil P−527)を準備した。
該シリカ粒子の物性を表3に示す。
実施例1の反応終了後の炭酸カルシウム懸濁液を抜き取り、全カルボン酸の20%をアンモニウムイオンで中和したアクリル酸とメタクリル酸ブチルの共重合物を、懸濁液中の炭酸カルシウムに対して4.5wt%添加して表面処理を行い、表面処理炭酸カルシウムを得た。
得られた懸濁液にエチレングリコールを加えた後に蒸留を行い、水を除去して炭酸カルシウムからなる表面処理凝集粒子のエチレングリコールの懸濁液を得た。
該懸濁液を乾燥して得られる粒子の物性を表3に示す。
実施例15〜20、比較例8〜13
凝集粒子の懸濁液、表面処理剤と処理量を表3,4記載の条件に変更する以外は、実施例14と同じ方法で表面処理凝集粒子のエチレングリコール懸濁液を得た。
作成条件と得られた懸濁液を乾燥して得られる粒子の物性を表3,4に示す。
比較例14
比較例7の凝集粒子を水に懸濁後、全カルボン酸の20%をアンモニウムイオンで中和したアクリル酸とメタクリル酸ブチルの共重合物を、懸濁液中のシリカに対して15wt%添加して表面処理を行い、表面処理シリカを得た。
得られた懸濁液にエチレングリコールを加えた後に蒸留を行い、水を除去して表面処理凝集粒子のエチレングリコールの懸濁液を得た。
Figure 2004035476
Figure 2004035476
Figure 2004035476
Figure 2004035476
実施例21〜33、比較例15〜21
実施例1〜13及び比較例1〜7で得られた凝集粒子を、ポロプロピレン単独重合体(日本ポリケム社製ノバッテクPP FL 6CK:MFR2.5g/min.,I.I 95.5%)100重量部に対して0.5重量部添加して、ヘンシェルミキサーで5分間混合して粒子−樹脂混合物を得た。
得られた混合物で、ポリプロピレン単独重合体を挟み込む3層構成の積層シートとなるよう3層ダイを用いて共押し出し成形を行い、得られた積層シートをロールの周速差を利用し115℃の温度下で長さ方向に5倍延伸し、次に165℃のテンターオーブン中で幅方向に9倍延伸し、中心の層厚さが22μm、両表面層の厚さが1.5μmの2種3層のフィルムを得た。
そして、得られたフィルムの片側表面をコロナ放電処理し、二軸延伸ポリプロピレンフィルムを得た。
得られた二軸延伸フィルムの物性評価を表5,6に示す。
1)2軸延伸ポロプロピレンフィルム中での粒子分散性
得られたシートを透過型顕微鏡で観察して下記の基準で判定した。
◎:凝集粒子あるいは粗大粒子は観察されない。
○:凝集粒子あるいは粗大粒子がわずかに観察される。
△:凝集粒子あるいは粗大粒子が多く観測される。
2)耐ブロッキング性
2枚のフィルムを接触面積が10cmで重ねて2枚のガラス板間に挟み、50g/cmの加重をかけて40℃の温度条件下で72時間放置し、ショッパー型試験機で引き剥がすときの最大荷重を測定した。
3)ヘイズ
ASTM−D−1003−61Tに準拠し、ポイック積分球式ヘイズメーター(日本精密光学製SEP−HS−30D)で測定した。
4)光沢
JIA−K7105に従い、20℃で測定した。
5)耐スクラッチ性
一辺63cmの正方形のスリップテスター用そりにサンプルフィルムを巻き付け、加重3kgの条件で別のサンプルフィルム上を30回滑らせた後のヘイズの変化量を測定した。
6)総合評価
◎:極めて良好である。
○:良好である。
△:やや不良である。
×:不良である。
Figure 2004035476
Figure 2004035476
実施例34〜40、比較例22〜28
実施例14〜20及び比較例8〜14のエチレングリコールスラリーを、ポリエステル化反応前に添加してポリエステル化反応を行い、耐ブロッキング剤を0.3重量%含有した極限粘度数(オルソクロロフェノール、35℃)0.62dl/gのポリエチレンテレフタレートを調整した。該ポリエチレンテレフタレートを160℃で乾燥した後に290℃で溶融して押しだし、40℃に保持したキャスティングドラム上に急冷固化させて未延伸フィルムを得た。引き続き、該未延伸フィルムを加熱ローラーで70℃に余熱した後、赤外線ヒーターで加熱しながら縦方向に延伸した。続いて90℃の温度で横方向に延伸した後に200℃で熱処理し、厚さ5.7μmの二軸配向フィルムを得た。この様にして得られたフィルムの品質を、以下に示す方法で評価した。その結果を表7,8に示す。
1)二軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルムの粒子分散性
ポリエステル組成物を透過型顕微鏡で観察して下記の基準で判定した。
◎:凝集粒子あるいは粗大粒子は観察されない。
○:凝集粒子あるいは粗大粒子がわずかに観察される。
△:凝集粒子あるいは粗大粒子が多く観測される。
2)ポリエステル組成物の溶融時の比抵抗値(ρ)
285℃の温度でフィルムを溶融してその比抵抗値を測定する。
なお、該測定はポリエステル製造時に添加する触媒金属量を少なくするか、金属の活性低下を目的に燐酸、あるいは燐酸エステル等の燐化合物を添加する事が知られている。
本発明では、触媒金属として酢酸リチウムをポリエステルに対して100ppm添加し、更に同量の燐酸を添加して測定した。
3)フィルムの対摩耗性評価−I
1/2インチ幅にフィルムをスリットしたものを、図1に示すテープ走行性試験機を使用し、ステンレス製固定ピン7(表面荒さ0.58μm)上に角度150度で接触させ、毎分2mの速さで約15cm程度往復運動させる。なお、この場合の入り側テンションを70gとする。
この操作を50回繰り返した後に、固定ピンとの接触面に生じたスクラッチを目視観察し、下記の基準で対摩耗性を判定した。
尚、図1中、1は巻きだしリール、2はテンションコントローラー、3,5,6,8,9,11はフリーローラー、4はテンション検出器(入側)、7は固定ピン、10はテンション検出器(出側)、12はガイドローラー、13は巻き取りリールである。
◎:スクラッチが殆ど生じない。
○:スクラッチの発生が僅かである。
△:スクラッチの発生がフィルムの表面の半分を占める。
×:スクラッチの発生がフィルム全面に発生する。
4)フィルムの対摩耗性評価−II
フィルム走行面の削れ性を、5段のミニスーパーカレンダーを使用して評価する。
カレンダーはナイロンロールとスチールロールの5段カレンダーで、処理温度は80℃、フィルムにかかる線圧は200kg/cm、フィルムスピードは70m/分で走行させる。
走行フィルムは全長3000m走行させた時点でカレンダーのトップローラーに付着する汚れでフィルムの削れ性を下記の基準で評価する。
◎:ナイロンロールの汚れが全くなし。
○:ナイロンロールの汚れが殆ど無し。
△:ナイロンロールが汚れる。
×:ナイロンロールが非常に汚れる。
5)フィルム表面の粗大突起数
フィルム表面にアルミニウムを薄く蒸着した後に、二光束干渉顕微鏡を用いて四重環以上の粗大突起数(測定面積1mm当たりの個数)をカウントし、粗大突起数の多少により下記の基準でのランク付けで表す。
1級 : 16個以上
2級 : 10〜15個
3級 : 6〜9個
4級 : 2〜5個
5級 : 0〜1個
6)フィルムの絶縁破壊電圧
交流耐圧試験機を用い、JIS−C2318に準じて測定した。
即ち、10kV直流耐電圧試験機を用い、23℃・50RHの雰囲気下で100V/sec.の速度で電圧上昇させ、フィルムが破壊しショートした時の電圧を測定した。
7)絶縁抵抗特性
得られたフィルム表面に抵抗加熱型金属蒸着装置を使用し、真空室の圧力を0.1Pa以下に設定してアルムニウムを350Åの厚みに、ポリエステルフィルムの長手方向にマージン部を有するストライプ状に蒸着した(蒸着部8mm、マージン部1mmの繰り返し)。
得られたアルミ蒸着ポリエステルフィルムを、左または右に幅1mmのマージン部を有する4.5mm幅のテープ状にスリットした。
更に左マージンおよび右マージンの蒸着フィルムを各一枚ずつ幅方向に蒸着部が0.5mmずつはみ出す様に巻回して巻回体を得た。
この巻回体を温度140℃・圧力5000kPaで5分間プレスし、プレス後の巻回体の両端面にメタリコンを溶融してリード線とした後に、液状エポキシ樹脂を含浸させ、次いで粉末状エポキシ樹脂を加熱溶融させて厚さ0.5mmの外装を有する、静電容量0.1μFのフィルムコンデンサーを得た。
得られたフィルムコンデンサーの静電容量[C]は、横河ヒューレットパッカード社製LCRメーター4284Aを用い、23℃・50%RHの雰囲気下で測定した。
また、得られたフィルムコンデンサーを、横河ヒューレットパッカード社製の高抵抗計4329Aを用い、23℃でコンデンサーの電極間に100Vの直流電圧を印可して、抵抗値Rを測定した。
なお、抵抗値Rは電圧添加直後に最大値を示し、その後低下する為、その最大値をRとした。
そして、コンデンサーの絶縁抵抗評価は、上記の静電容量と抵抗値の積[C×R]で行った。
8)総合評価
◎:極めて良好である。
○:良好である。
△:やや不良である。
×:不良である。
Figure 2004035476
Figure 2004035476
叙上のとおり、本発明の凝集粒子は樹脂との親和性が良好で、適度な応力緩和作用を有し、フィルムや繊維等の樹脂組成物に良好な滑り性を付与し、また、耐ブロッキング性、耐スクラッチ性に優れた樹脂組成物を提供することができる。

Claims (7)

  1. 下記式(a)〜(e)を満足することを特徴とする、シリカを除く微細な無機化合物の一次粒子が凝集して構成する凝集粒子。
    (a)0.5≦dp50≦20 [μm]
    (b)0≦α≦2.5 [−]
    (c)30≦Sw [m/g]
    (d)20≦St≦150 [MPa]
    (e)200≦Sta≦600 [MPa]
    ただし、
    dp50 : レーザー解析式粒度分布測定機Microtrac−FRAによって求められる凝集粒子の平均粒径[μm]
    α : レーザー解析式粒度分布測定器Microtrac−FRAによって求められる凝集粒子の篩通過側累計90%粒子径d90と篩通過側累計10%粒子径d10の差を平均粒径dp50で割った値(下記式)
    α=(d90−d10)/dp50
    90 : レーザー解析式粒度分布測定器Microtrac−FRAによって求められる凝集粒子の篩通過側累計90%粒子径
    10 : レーザー解析式粒度分布測定器Microtrac−FRAによって求められる凝集粒子の篩通過側累計10%粒子径
    Sw : 凝集粒子のBET式比表面積[m/g]
    St : 島津製作所製微小圧縮試験機で測定して求められる、4μmの凝集粒子を破壊するのに要した引張り強度[MPa]
    Sta : 島津製作所製微小圧縮試験機で測定して求められる、4μmの凝集粒子をその粒径の30%まで破壊するのに要した引張り強度[MPa]
  2. 凝集粒子が、下記式(f)の固め見かけ密度を満足することを特徴とする請求項1記載の凝集粒子。
    (f)0.2≦ρbp≦0.8 [g/cm
    ただし、
    ρbp : ホソカワミクロン社製パウダーテスタで求められる、凝集粒子粉体の固め見かけ密度[g/cm
  3. 凝集粒子が、脂肪酸・脂環族カルボン酸・芳香族カルボン酸、それらのスルホン酸、樹脂酸、それらの金属塩・アンモニウム塩・アミン塩・エステル、脂肪族・脂環族・芳香族のスルホン酸、カップリング剤、シリコーンオイル、パラフィン、α,β−モノエチレン性不飽和カルボン酸と、α,β−モノエチレン性不飽和カルボン酸と重合性を有する単量体との共重合物、それらの金属塩・アンモニウム塩・アミン塩、燐酸エステル類、工業用石鹸類より選ばれる少なくとも1種で表面処理されていることを特徴とする請求項1又は2記載の凝集粒子。
  4. 凝集粒子が、炭酸カルシウムであることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項記載の凝集粒子。
  5. 請求項1〜4いずれか1項に記載の凝集粒子を樹脂に配合してなることを特徴とする樹脂組成物。
  6. 樹脂が、ポリオレフィン樹脂、ポリエステル樹脂、ポリアミド樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、生分解性樹脂から選ばれることを特徴とする請求項5記載の樹脂組成物。
  7. フィルム、シート、又は繊維であることを特徴とする請求項5又は6記載の樹脂組成物。
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