JPWO2003052804A1 - 基板保持装置、露光装置及びデバイス製造方法 - Google Patents

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Abstract

露光の際に、焦点位置検出系の検出結果に基づいて、主制御装置が駆動装置を介してウエハホルダを構成する複数の圧電素子のうちの、レチクルのパターンが投影光学系により投影される領域(投影領域)内に位置する圧電素子の歪みを調整することにより、ウエハ表面の凹凸を調整する。これにより、投影領域内のウエハ表面の凹凸を投影光学系の焦点深度の範囲内に抑制することができるので、デフォーカスに起因する色むらを抑制して露光精度の向上を図ることが可能となる。

Description

技術分野
本発明は、基板保持装置、露光装置及びデバイス製造方法に係り、さらに詳しくは、平板状の基板を保持する基板保持装置、該基板保持装置を被露光基板の保持装置として備える露光装置、及び該露光装置を用いるデバイス製造方法に関する。
背景技術
従来より、半導体素子、液晶表示素子等を製造するためのリソグラフィ工程では、マスク又はレチクル(以下「レチクル」と総称する)に形成されたパターンを投影光学系を介してレジスト等が塗布されたウエハ又はガラスプレート等の基板(以下、「ウエハ」と総称する)上に転写する露光装置が用いられている。近年では、半導体素子の高集積化に伴い、ステップ・アンド・リピート方式の縮小投影露光装置(いわゆるステッパ)や、このステッパに改良を加えたステップ・アンド・スキャン方式の走査型投影露光装置(いわゆるスキャニング・ステッパ)等の逐次移動型の投影露光装置が主流となっている。
このような投影露光装置においては、2次元面内を移動可能なウエハステージが設けられており、このウエハステージ上に固定されたウエハホルダにより、ウエハが真空吸着或いは静電吸着等により保持されている。
ウエハホルダとしては、種々のタイプが存在するが、近年では例えば特開平1−129438号公報などに開示されるピンチャック式のウエハホルダが比較的多く用いられるようになってきた。
一方、半導体素子の高集積化に伴ない投影露光装置にもますますの解像力の向上が要請され、このために、露光波長の短波長化とともに投影光学系の開口数(N.A.)の更なる増大(いわゆる高N.A.化)の実現に向けて各所で鋭意努力がなされている。
最新鋭の投影露光装置としては、露光光源としてArFエキシマレーザを用いたスキャニング・ステッパ(スキャナとも呼ばれる)が実用に供されており、かかる投影露光装置の露光波長は193nmである。しかし、将来的に露光波長は更に短波長化することは確実であり、波長157nmのFレーザが次世代の投影露光装置の光源の有力な候補であるといわれている。
しかるに、露光波長の短波長化及び高N.A.化はともに投影光学系PLの焦点深度の狭小化を招く。このため、仮に露光波長の短波長化及び高N.A.化を所望の程度にまで実現したとしても、焦点深度が浅くなりすぎて、ウエハ表面の凹凸のために焦点ずれに起因する転写精度の劣化を招く可能性が極めて高い。すなわち、Fレーザあるいはそれより短波長の光源を用いて高精度な露光を実現する次世代の露光装置の実現のためには、露光時におけるウエハ表面の凹凸を所望の範囲内に抑制できる新技術の出現が必要不可欠である。
しかしながら、現状のウエハホルダではバキューム等により吸着する際の吸引力の影響によるウエハのそりやプロセスの影響によるウエハの凹凸などを考慮するだけでも、到底所望の範囲内に抑制することは困難である。
このように、ウエハホルダの性能の良し悪しが、次世代の投影露光装置の実現可能性を左右するキーになりつつあるのが現状である。
本発明は、かかる事情の下になされたもので、その第1の目的は、保持対象である基板表面の凹凸を確実に抑制することが可能な基板保持装置を提供することにある。
本発明の第2の目的は、デフォーカスに起因する色むらを抑制して露光精度の向上を図ることができる露光装置を提供することにある。
本発明の第3の目的は、高集積度のデバイスの生産性を向上させることができるデバイス製造方法を提供することにある。
発明の開示
本発明は、第1の観点からすると、平板状の基板を保持する基板保持装置であって、所定面積の領域内に配置され、それぞれの先端部により前記基板を下方から支持する基板支持面を形成する複数の突起状の支持部材と;前記支持部材がそれぞれ複数含まれるように前記領域を分割した複数の分割領域に個別に対応して各複数設けられた複数の駆動素子と;前記複数の駆動素子のうち、前記複数の分割領域に所定の対応関係を有するように予めブロック化された各ブロックを構成する複数の駆動素子を、対応する分割領域における前記基板支持面の形状を変化させるため、同時にかつ個別に駆動可能な駆動装置と;を備える基板保持装置である。
これによれば、複数の突起状の支持部材が配置された所定面積の領域を、支持部材がそれぞれ複数含まれるように分割した各分割領域に個別に対応して複数の駆動素子がそれぞれ複数設けられている。また、駆動装置は、その複数の駆動素子のうち、複数の分割領域に所定の対応関係を有するように予めブロック化された各ブロックを構成する複数の駆動素子を、対応する分割領域における前記基板支持面の形状を変化させるため、同時にかつ個別に駆動可能となっている。従って、駆動素子の各ブロックに対応する分割領域についてみれば、基板支持面(複数の支持部材の先端部によって形成される面)に支持されている基板表面の表面形状、例えば凹凸を確実に抑制することが可能となっている。ここで、駆動装置が、予めブロック化された全ブロックについて、各ブロックを構成する複数の駆動素子を同時にかつ個別に駆動可能な構成にしても良いし、少なくとも1つの任意のブロックを選択しそのブロックを構成する複数の駆動素子を同時にかつ個別に駆動可能な構成にしても良い。
いずれにしても、本発明によれば、目標とする少なくとも1つの駆動素子のブロックに対応する分割領域について、支持部材に支持されている基板表面の凹凸を確実に抑制することができる。
この場合において、前記各分割領域と各ブロックとは、一対一の対応関係にあることとすることができる。
本発明の基板保持装置では、前記駆動素子は、前記各分割領域に対応して少なくとも一方向に沿って複数配置されていることとすることができる。
本発明の基板保持装置では、前記複数の駆動素子のブロックには、m行n列のマトリックス状の配置のm×n個の駆動素子群から成る特定ブロックが複数含まれることとすることができる。
この場合において、前記駆動装置は、前記各特定ブロックを構成する各駆動素子に個別に対応して設けられたm×n個のスイッチを、m本の第1信号線の中から選択された1本の信号線を介して入力する第1信号と、n本の第2信号線の中から選択された1本の信号線を介して入力する第2信号との組み合わせを用いて個別にオン・オフすることにより前記m×n個の駆動素子を個別に駆動することとすることができる。
本発明の基板保持装置では、前記駆動装置は、外部指令に応じて駆動対象となる駆動素子のブロックを切り替えることとすることができる。
本発明の基板保持装置では、駆動素子は、印加電圧に応じて歪みを発生する駆動素子であることとすることができる。
この場合において、前記駆動素子は、圧電素子であることとすることができる。
本発明の基板保持装置では、前記領域の外側に配置され、前記領域を取り囲み、前記複数の支持部材とともに前記基板をその平坦度をほぼ維持した状態で支持する凸部を更に備えることとすることができる。
この場合において、前記複数の支持部材それぞれの先端部分及び前記凸部の上端部に対して前記基板を吸着する吸着機構を更に備えることとすることができる。
この場合において、前記吸着機構は、静電吸着機構であることとすることもできるし、前記凸部の内側の空間内の気体を真空吸引する真空吸着機構であることとすることもできる。
本発明の基板保持装置では、前記複数の駆動素子と前記駆動装置との少なくとも一部の温度を調整する温度調整装置を更に備えることとすることができる。
本発明は、第2の観点からすると、エネルギビームをパターンが形成されたマスクに照射し、前記パターンを投影光学系を介して基板上に転写する露光装置であって、本発明の基板保持装置と;前記基板保持装置により保持された前記基板表面の複数点における前記投影光学系の光軸方向に関する位置情報を検出する焦点位置検出系と;前記焦点位置検出系の検出結果を考慮して、前記基板保持装置に保持された前記基板表面の形状を調整するため、前記駆動装置を制御して前記複数の駆動素子を選択的に駆動する制御装置と;を備える第1の露光装置である。
これによれば、制御装置により、焦点位置検出系の検出結果に基づいて、駆動装置を介して複数の駆動素子のうちから選択された少なくとも1つの駆動素子が駆動され、基板表面の形状が調整される。このため、露光の際に、マスクのパターンが投影光学系により投影される領域(投影領域)内の駆動素子の歪みを調整することにより、基板表面における投影領域部分の全体を投影光学系の焦点深度の範囲内に抑制することが可能となる。従って、本発明によれば、デフォーカスに起因する色むらを抑制して露光精度の向上を図ることが可能となる。
この場合において、前記基板保持装置の前記基板が載置される部分を前記光軸方向及び前記光軸方向に直交する面に対する傾斜方向の少なくとも一方に駆動する駆動系を更に備え、前記制御装置は、前記焦点位置検出系の検出結果に基づいて、前記駆動系を制御することとすることができる。
本発明の第1の露光装置では、前記制御装置は、前記投影光学系の像面歪曲情報を更に考慮して前記駆動装置を制御することとすることができる。
本発明の第1の露光装置では、前記マスクと基板とを同期して、前記エネルギビームに対して走査方向に走査する走査装置を更に備えることとすることができる。すなわち、本発明の第1の露光装置は、走査型露光装置であることとすることができる。
この場合において、前記制御装置は、前記エネルギビームが照射される前記基板表面の照射領域内における前記走査方向に直交する非走査方向に関する前記基板表面の形状を少なくとも補正することとすることができる。
本発明の第1の露光装置において、上記走査装置を備えている場合、前記制御装置は、前記走査装置による前記マスクと基板との走査中に、前記焦点位置検出系の検出結果を考慮して、前記エネルギビームが照射される前記基板表面の照射領域内のほぼ全体で前記基板表面が前記投影光学系の焦点深度の範囲内となるように前記基板表面の形状を補正すべく、前記駆動装置を制御することとすることができる。
この場合において、前記制御装置は、前記基板上に前記エネルギビームが照射される時点以前のいずれかの時点における前記焦点位置検出系の検出結果を考慮して、前記基板表面の形状を補正するための前記駆動装置の制御を行うこととすることができる。
本発明の第1の露光装置では、エネルギビームの波長はパターンの転写が可能な波長であれば良く、例えば、前記エネルギビームは、波長180nm以下の真空紫外光であることとすることができる。
本発明は、第3の観点からすると、エネルギビームをマスクに照射し、投影光学系を介して前記マスクのパターンを基板上に転写する露光装置であって、前記エネルギビームに対して前記マスクを移動するのに同期して、前記投影光学系を通る前記エネルギビームに対して前記基板を移動する走査装置と;前記基板表面の位置情報を検出する検出装置と;前記基板を支持する複数の突起状の支持部材と、前記マスクと前記基板との同期移動によって前記パターンが転写される前記基板上の所定領域を、少なくとも前記基板が移動される走査方向と交差する非走査方向に関して分割した複数の分割領域にそれぞれ対応して設けられる複数の駆動素子とを有する基板保持装置と;前記検出装置の検出結果に応じて前記所定領域の少なくとも一部での前記基板の表面位置を調整するために、前記複数の駆動素子の少なくとも1つを駆動する駆動装置と;を備える第2の露光装置である。
これによれば、基板を支持する複数の突起状の支持部材と、マスクと基板との同期移動によって前記パターンが転写される基板上の所定領域を、少なくとも非走査方向に関して分割した複数の分割領域にそれぞれ対応して設けられる複数の駆動素子とを有する基板保持装置を備えている。また、その保持装置に保持された基板表面の位置情報が検出装置によって検出されるようになっている。また、駆動装置は、検出装置の検出結果に応じて前記所定領域の少なくとも一部での前記基板の表面位置を調整するために、複数の駆動素子の少なくとも1つを駆動する。従って、基板の非走査方向に関する表面形状を所望の形状に調整することができ、結果的に投影光学系の結像面にパターンが転写される基板上の所定領域の基板表面を合致させることが可能となり、デフォーカスのない、高精度な露光が可能となる。特に、基板の非走査方向の凹凸は、その補正の重要性が高い。
また、リソグラフィ工程において、本発明の第1、第2の露光装置のいずれかを用いて露光を行うことにより、基板上にパターンを精度良く形成することができ、これにより、より高集積度のマイクロデバイスを歩留まり良く製造することができる。従って、本発明は、更に別の観点からすると、本発明の露光装置を用いるデバイス製造方法であると言える。
発明を実施するための最良の形態
以下、本発明の一実施形態について、図1〜図11に基づいて説明する。
図1には、一実施形態に係る露光装置100の概略構成が示されている。この露光装置100は、ステップ・アンド・スキャン方式の投影露光装置である。この露光装置100は、照明系10、マスクとしてのレチクルRを保持するレチクルステージRST、投影光学系PL、基板としてのウエハWが搭載されるステージ装置50、及びこれらの制御系等を備えている。
前記照明系10は、例えば特開平6−349701号公報及びこれに対応する米国特許第5,534,970号公報などに開示されるように、光源、オプティカル・インテグレータ(フライアイレンズ、ロッドインテグレータ(内面反射型インテグレータ)あるいは回折光学素子等)などを含んで構成される照度均一化光学系、リレーレンズ、可変NDフィルタ、可変視野絞り(レチクルブラインド又はマスキングブレードとも呼ばれる)、及びダイクロイックミラー等(いずれも不図示)を含んで構成されている。本国際出願で指定した指定国又は選択した選択国の国内法令が許す限りにおいて、上記米国特許における開示を援用して本明細書の記載の一部とする。
この照明系10では、回路パターン等が描かれたレチクルR上のレチクルブラインドで規定されたスリット状の照明領域をエネルギビームとしての照明光ILによりほぼ均一な照度で照明する。ここで、照明光ILとしては、KrFエキシマレーザ光(波長248nm)などの遠紫外光、ArFエキシマレーザ光(波長193nm)、あるいはFレーザ光(波長157nm)などの真空紫外光などが用いられる。照明光ILとして、超高圧水銀ランプからの紫外域の輝線(g線、i線等)を用いることも可能である。
前記レチクルステージRST上には、レチクルRが、例えば真空吸着により固定されている。レチクルステージRSTは、例えばリニアモータ等を含むレチクルステージ駆動部14によって、照明系10の光軸(後述する投影光学系PLの光軸AXに一致)に垂直なXY平面内で微少駆動可能であるとともに、所定の走査方向(ここではY軸方向とする)に指定された走査速度で駆動可能となっている。
レチクルステージRSTのステージ移動面内の位置は、レチクルレーザ干渉計(以下、「レチクル干渉計」という)16によって、移動鏡15を介して、例えば0.5〜1nm程度の分解能で常時検出される。レチクル干渉計16からのレチクルステージRSTの位置情報はステージ制御装置19及びこれを介して制御装置としての主制御装置20に供給される。ステージ制御装置19では、主制御装置20からの指示に応じ、レチクルステージRSTの位置情報に基づいてレチクルステージ駆動部14を介してレチクルステージRSTを駆動制御する。ここで、レチクルステージRSTの端面を鏡面加工して反射面(移動鏡15の反射面に相当)を形成しても良い。
前記投影光学系PLは、レチクルステージRSTの図1における下方に配置され、その光軸AXの方向がZ軸方向とされている。投影光学系PLとしては、例えば両側テレセントリックで所定の縮小倍率(例えば1/4又は1/5)を有する屈折光学系が使用されている。このため、照明系10からの照明光ILによってレチクルRの照明領域が照明されると、このレチクルRを通過した照明光ILにより、投影光学系PLを介してその照明領域内のレチクルRの回路パターンの縮小像(部分倒立像)が表面にレジスト(感光剤)が塗布されたウエハW上に形成される。
前記ステージ装置50は、ウエハステージWST、該ウエハステージWST上に設けられたウエハホルダ70、これらウエハステージWST及びウエハホルダ70を駆動するウエハステージ駆動部24等を備えている。
前記ウエハステージWSTは、投影光学系PLの図1における下方で、不図示のベース上に配置され、ウエハステージ駆動部24を構成する不図示のリニアモータ等によってXY方向へ駆動されるXYステージ31と、該XYステージ31上に載置され、ウエハステージ駆動部24を構成する不図示のZ・チルト駆動機構によって、Z軸方向、及びXY面に対する傾斜方向(X軸回りの回転方向(θx方向)及びY軸回りの回転方向(θy方向))へ微小駆動されるZ・チルトステージ30とを備えている。このZ・チルトステージ30上にウエハWを保持する前述のウエハホルダ70が搭載されている。
前記ウエハホルダ70は、大きくは三層構造の構造体から構成されている。このウエハホルダ70の最上層を構成する部材22は、図2の平面図に示されるように、円形板状のベース部26、該ベース部26の上面(図2における紙面手前側の面)の外周部近傍の所定幅の環状領域を除く中央部の所定面積の領域に所定の間隔で設けられた複数の支持部材としての突起状のピン32,32,……、これら複数のピン32が配置された前記領域を取り囲む状態で外周縁近傍に設けられた環状の凸部(以下、「リム部」と称する)28等を備えている。
前記部材22は、低膨張率の材料、例えばセラミックス等のある程度弾性を有する材料から成り、全体として円盤状のセラミックス等の材料の表面をエッチングすることによって、底面部を構成する円形板状のベース部26と、このベース部26上面に凸設されたリム部28及び複数のピン32が一体的に形成されている。
図3は、ウエハホルダ70を拡大し、ピン32及びリム部28の配置を具体的に示す図である。この図3から分かるように、前記リム部28は、その外径がウエハWの外径(二点鎖線(想像線)で図示)よりも僅かに小さく、例えば1〜2mm程度小さく設定され、その上面は、ウエハWが載置された際に、ウエハWの裏面との間に隙間が生じないよう、水平且つ平坦に加工されている。
前記ピン32は、それぞれの先端部分がリム部28とほぼ同一面上に位置するようにされた突起状の形状を有している。ピン32は、ベース部26上面に所定間隔で配置されている。図3において、二点鎖線(想像線)で示されるマトリックス状に配置された複数の矩形領域SAは、ウエハW上に形成される複数のショット領域である。
図4Aには、このうちの一つのショット領域SAに対応する部分が取り出して示されている。図4Bには、図4A中に示されるB−B線断面に相当するウエハホルダ70部分の断面図が示されている。
図4Aにおいて、ショット領域SA内の図中の上下方向(走査方向)に並ぶ4つの分割領域SSAからSSAのそれぞれは、照明光ILが照射されるウエハW上の照明領域(投影光学系PLに関して前述の照明領域と共役な露光領域)IA(図5参照)とほぼ同一の大きさ及び形状になっている。露光領域IAは、ここでは、例えば8mm×25mmの矩形領域であるものとする。
図4A及び図4Bを総合するとわかるように、部材22の下方には、分割領域SSA内を8等分(非走査方向に4等分、走査方向に2等分)した各分割領域SSB〜SSBに対応して駆動素子としての圧電素子Pがそれぞれ配置されており、これらの圧電素子Pによって中間層である第2層が形成されている。
ここで、各圧電素子Pは、図4Bからもわかるように積層型圧電素子からなり、例えば所定厚さのPZT(=Pb(Zr・Ti)O)21と、所定厚さの銀・パラジウム(AgPd)合金から成る内部電極23とを交互に積層したものである。ここで圧電素子Pの厚さは、要求される駆動量によって定められ、駆動量の10倍程度の厚さとなる。要求される駆動量は、ウエハの平坦度や投影光学系PLの焦点深度などに基づいて決定される。例えば、要求される駆動量が、0.1μmであれば、圧電素子の厚さは1mmとなる。また、例えば要求される駆動量が、0.2μmであれば、圧電素子の厚さは2mmとなり、この場合には、1mmの圧電素子を2層重ねても良いし、厚さ2mmの単一の圧電素子を用いても良い。なお、圧電素子Pとして用いる材料は上記に限られるものでなく、一般に圧電素子材料として用いられるBaTiO、PbTiO、(NaK)NbO等の強誘電体などを用いることもできる。
また、上記圧電素子を含むウエハホルダ70全体の厚さは、15〜20mm程度となっている。
各圧電素子Pの多数の内部電極23は、1層おきに交互に両端面に取り出され、両端面に形成された例えばAgPd合金から成る個別端面電極(不図示)にそれぞれ接続され、各圧電素子Pの一方の端面電極はそれぞれ後述する増幅器(AMP)に不図示の導通処理材料(配線部材)を介して接続され、他方の端面電極は不図示の共通電極に不図示の導通処理材料(配線部材)を介して接続されている。なお、各圧電素子Pを駆動する駆動装置等の具体的な構成については後述する。
前記圧電素子Pのそれぞれは、第3層(最下層)を構成するベース部材42上にマトリックス状の配置で固定されている。
このようにして構成されるウエハホルダ70の製造に際しては、ベース部材42上に多数の圧電素子Pから成る第2層を形成し、その上に予め前述の如くしてベース部26,ピン32及びリム部28を一体成形した部材22を所定の位置関係で固定する。この場合、隣接する各層の部材間は例えば接着剤により接合される。そして、最終的にウエハWとの接触面となる、複数のピン32の上端面及びリム部28の上面に、研磨装置、砥粒等を用いて、研磨加工が施されている。この結果、それらの複数のピン32の上端面とリム部28の上面とはほぼ同一平面上に位置している。
図2に戻り、ベース部材42及びベース部26の中央部近傍には、ほぼ正三角形の各頂点の位置に上下方向(紙面直交方向)の3つの貫通孔(不図示)が、ピン32、圧電素子Pと機械的に干渉しない状態で形成されている。これらの貫通孔それぞれには、円柱形状を有する上下動ピン(センタアップ)34a,34b,34cが挿入され、これら3つのセンタアップ34a〜34cは、図1のウエハステージ駆動部24を構成する不図示の上下動機構を介して、上下方向(Z軸方向)に同時に同一量だけ、昇降(上下動)されるようになっている。ウエハロード、ウエハアンロード時には、センタアップ34a〜34cが上下動機構により駆動されることで、3本のセンタアップ34a〜34cによってウエハWを下方から支持したり、ウエハWを支持した状態で上下動させたりすることができるようになっている。
また、ベース部26の上面には、図2に示されるように、複数の給排気口36が、ベース部26上面の中心部近傍から放射方向(ほぼ120°の中心角の間隔を有する3本の半径線の方向)に沿って、所定間隔で形成されている。これら給排気口36も、ピン32と機械的に干渉しない位置に形成されている。給排気口36は、圧電素子Pと干渉しない位置に設けられた配管をそれぞれ介してベース部材42内部に形成された給排気路38A,38B,38Cにそれぞれ接続され、これらの給排気路38A,38B,38Cがベース部材42の外周面に接続された後述する給排気機構80を構成する給排気枝管40a、40b、40cと連通状態とされている。
上述のようにして構成されたウエハホルダ70には、図2に示されるように、ウエハホルダ70上に載置され、複数のピン32及びリム部28によって下方から支持されたウエハWを、複数のピン32及びリム部28それぞれの上端面(上端部)に対して吸着保持する真空吸着機構を含む給排気機構80、及び複数の圧電素子Pとこれらを駆動する駆動装置との少なくとも一部の温度を調整する温度調整装置としての冷却機構72が接続されている。
前記給排気機構80は、第1真空ポンプ46A、真空室46Ba及び第2真空ポンプ46Bb、並びに給気装置46Cと、これらの第1真空ポンプ46A、真空室46Ba及び第2真空ポンプ46Bb、並びに給気装置46Cを前記給排気路38A〜38Cにそれぞれ接続する給排気管40とを備えている。
前記給排気管40は、給排気本管40dと、該給排気本管40dの一端から3つに枝分かれした前述の給排気枝管40a,40b,40cと、給排気本管40dの他端から3つに枝分かれした第1排気枝管40e、第2排気枝管40f、給気枝管40gとから構成されている。
前記第1排気枝管40eの給排気本管40dとは反対側の端部には、電磁弁(電磁バルブ)V1を介して第1真空ポンプ46Aが接続されており、前記第2排気枝管40fの給排気本管40dとは反対側の端部には電磁弁V2を介して真空室46Baの一側が接続されている。この真空室46Baの他側には、第2真空ポンプ46Bbが接続されている。また、前記給気枝管40gの給排気本管40dとは反対側の端部には、電磁弁V3を介して給気装置46Cが接続されている。
また、図示は省略されているが、給排気本管40dの一部には、給排気管40内部の気圧を計測するための気圧計が接続されている。この気圧計による計測値は図1の主制御装置20に供給され、主制御装置20は、気圧計による計測値とウエハのロード、アンロードの制御情報とに基づいて、各電磁弁V1〜V3の開閉と、真空ポンプ46A,46Bb及び給気装置46Cの動作とを制御するようになっている。なお、これらの動作については、後に更に詳述する。
本実施形態では、第1真空ポンプ46A、電磁弁V1、給排気管40、給排気路38A〜38C、及び給排気口36にそれぞれ接続された配管とによって吸着機構としての真空吸着機構が構成されている。
前記冷却機構72は、図2では図示の便宜上から単なるブロックにて示されているが、実際には、次のような種々の構成を採用することができる。例えば、ウエハホルダ70内に管路を直接形成し、該管路に冷却液を流してウエハホルダ(主として、複数の圧電素子P及びその駆動装置)の冷却を行う構成、あるいはペルチェ素子などをウエハホルダ70を構成するベース部材42の裏面に配置し、そのペルチェ素子などにより複数の圧電素子Pやその駆動装置で発生した熱をウエハホルダ70の裏面から外部に廃熱する構成を採用することができる。この他、ベース部材42を高熱伝導材によって形成するとともに、そのベース部材42の裏面側にヒートシンクを配置して複数の圧電素子Pやその駆動装置で発生した熱をウエハホルダ70の裏面側に吸収し、その吸収した熱をヒートシンクを介して外部に廃熱する構成を採用することもできる。
図1に戻り、XYステージ31は、走査方向(Y軸方向)の移動のみならず、ウエハW上の複数のショット領域をそれぞれ前記露光領域IAに対して相対移動して走査露光を行うことができるように、走査方向に直交する非走査方向(X軸方向)にも移動可能に構成されており、ウエハW上の各ショット領域を走査(スキャン)露光する動作と、次ショットの露光のための加速開始位置まで移動する動作とを繰り返すステップ・アンド・スキャン動作を行う。
ウエハステージWSTのXY平面内での位置(Z軸回りの回転(θz回転)を含む)は、Z・チルトステージ30の上面に設けられた移動鏡17を介して、ウエハレーザ干渉計システム18によって、例えば0.5〜1nm程度の分解能で常時検出されている。ここで、実際には、Z・チルトステージ30上には、例えば図2に示されるように、走査方向(Y軸方向)に直交する反射面を有するY移動鏡17Yと非走査方向(X軸方向)に直交する反射面を有するX移動鏡17Xとが設けられ、これに対応してウエハレーザ干渉計システム18もY移動鏡17Yに垂直に干渉計ビームを照射するY干渉計と、X移動鏡17Xに垂直に干渉計ビームを照射するX干渉計とが設けられているが、図1ではこれらが代表的に移動鏡17、ウエハレーザ干渉計システム18として示されている。なお、ウエハレーザ干渉計システム18のY干渉計及びX干渉計は、測長軸を複数有する多軸干渉計であり、これらの干渉計によって、ウエハステージWST(より正確には、Z・チルトステージ30)の回転(θz回転(ヨーイング)、Y軸回りの回転であるθy回転(ピッチング)、及びX軸回りの回転であるθx回転(ローリング))も計測されている。なお、X、Y移動鏡17X,17Yは、Z・チルトステージ30とは別の部材に反射面を形成してZ・チルトステージ30に固定したものでも良いし、あるいはZ・チルトステージ30の端面(側面)に反射面を形成したものでも良い。
ウエハステージWSTの位置情報(又は速度情報)はステージ制御装置19、及びこれを介して主制御装置20に供給される。ステージ制御装置19では、主制御装置20の指示に応じ、ウエハステージWSTの上記位置情報(又は速度情報)に基づき、ウエハステージ駆動部24を介してウエハステージWSTを制御する。
本実施形態の露光装置100では、図1に示されるように、主制御装置20によってオン・オフが制御される光源を有し、投影光学系PLの結像面に向けて多数のピンホール又はスリットの像を形成するための結像光束を、光軸AXに対して斜め方向より照射する照射系60aと、それらの結像光束のウエハW表面での反射光束を受光する受光系60bとから成る斜入射方式の多点焦点位置検出系から成る焦点位置検出系が設けられている。なお、本実施形態の焦点位置検出系(60a、60b)と同様の多点焦点位置検出系の詳細な構成は、例えば特開平6−283403号公報及びこれに対応する米国特許第5,448,332号等に開示されている。本国際出願で指定した指定国又は選択した選択国の国内法令が許す限りにおいて、上記公報及び米国特許における開示を援用して本明細書の記載の一部とする。
本実施形態の露光装置100では、多点焦点位置検出系を構成する照射系60aの内部に4行4列のマトリックス状の配置でスリット状の開口パターンが形成されたパターン板が設けられており、各開口パターンから射出される結像光束がウエハWの面上で、図5に示されるような4行4列のマトリックス状配置のスリット像S11〜S44としてそれぞれ結像する。そして、これら16個のスリット像S11〜S44からの反射光束を個別に受光可能な4×4個の受光素子が受光系60b内に設けられている。このように、スリット像S11〜S44と受光素子とは1:1で対応しているので、以下ではスリット像S11〜S44をフォーカスセンサS11〜S44とも呼ぶ。
図5において、露光領域IA内部の2×4個のフォーカスセンサS21〜S34は、ウエハWのフォーカス・レベリング制御に用いられる追従センサであり、露光領域IAの走査方向の両外側に位置する各4個、合計8個のフォーカスセンサS11〜S14、S41〜S44は、いわゆる先読みセンサである。以下においては、フォーカスセンサS21〜S34を追従センサとも呼び、フォーカスセンサS11〜S14及びS41〜S44を先読みセンサとも呼ぶものとする。
各フォーカスセンサSの出力、すなわち受光素子からの光電変換信号が主制御装置20に不図示の選択回路及び信号処理回路を介して供給されるようになっている。この場合、信号処理回路は12チャネルの信号出力回路を有しており、主制御装置20は、16個のフォーカスセンサSのうちから最大12個のフォーカスセンサSを選択して、それぞれのフォーカスセンサSの出力に基づいて各スリット像の結像点におけるデフォーカス量を算出する。
そして、主制御装置20の指示の下、ステージ制御装置19では、後述する走査露光時等に、受光系60bからの焦点ずれ信号(デフォーカス信号)、例えばSカーブ信号に基づいて焦点ずれが極力小さくなるように、ウエハステージ駆動部24を介してZ・チルトステージ30及びウエハホルダ70のZ軸方向への移動、及びXY面に対する傾斜(すなわち、X軸回りの回転であるθx回転,Y軸回りの回転であるθy回転)を制御する。すなわち、多点焦点位置検出系(60a、60b)を用いてZ・チルトステージ30及びウエハホルダ70の移動を制御することにより、各ショット領域の走査露光中に、照明光ILの照射領域(照明領域と結像関係になる露光領域IA)内で投影光学系PLの結像面とウエハW(ショット領域)の表面とを極力合致させる(換言すれば、露光領域IA内でショット領域の表面を投影光学系PLの焦点深度内に設定する)オートフォーカス(自動焦点合わせ)及びオートレベリングを実行する。このように、本実施形態では、ウエハステージ駆動部24及びステージ制御装置19によって駆動系が構成されている。
但し、上記のオートフォーカス及びオートレベリングでは、ウエハW表面の露光領域IA内の平均平面のデフォーカスが極力小さくなるような調整は可能であるが、ウエハW表面に部分的に凹凸がある場合には、この凹凸部を含むウエハW表面の全域でデフォーカスをほぼ零にする(すなわち、走査露光中に各ショット領域の表面を常に投影光学系PLの焦点深度内に設定する)、あるいは凹凸そのものを平坦化することは困難である。
かかる点を考慮して、本実施形態では、前述の複数の圧電素子Pが設けられ、主制御装置20が、図1に示される駆動装置85を介して圧電素子Pを個別に駆動することにより、かかる事態にも対応可能としているのである。
次に、複数の圧電素子Pに対する配線系を含む駆動装置85等の具体的な構成等について説明する。以下では説明の簡略化のため、ウエハホルダ70の中間層は、図6に示されるような配置のM×N個の圧電素子P11〜PMNによって構成され、かつM×Nは8の倍数であるものとする。
この図6において、太線で示される8行4列のマトリックス状配置の圧電素子ブロックBLは、ウエハW上の各ショット領域SAに対応し、各ブロックBLの中の走査方向に並ぶ2行4列のマトリックス状配置の圧電素子Pから成る4つの分割ブロックのそれぞれは、前述したウエハW上の照明光の照射領域(露光領域)IAに対応している。
図7には、圧電素子群P11〜PMNを駆動する駆動装置85が、主制御装置20とともに示されている。この図7に示されるように、駆動装置85は、各分割ブロックを構成する2×4個の圧電素子Pを駆動する駆動回路90〜90(q=MN/8)と、セレクト信号出力回路92とを備えている。
前記駆動回路90〜90それぞれは、主制御装置20の6ビットデータの出力ポートに第1バスBS1を介して接続されるとともに、8ビットデータの出力ポートに第2バスBS2を介して接続されている。さらに、駆動回路90〜90それぞれは、2本の信号線SLを介してセレクト信号出力回路92に個別に接続されている。セレクト信号出力回路92は、主制御装置20のkビットデータの出力ポートにk本の信号線CSで接続されている。この場合、2=q=MN/8が成立するものとする。
図8には、複数の駆動回路90〜90のうちの駆動回路90が代表的に示されている。
この図8に示されるように、駆動回路90は、前述の第1バスBS1を構成する6本の信号線X1,X2,Y1,Y2,Y3,Y4にその入力端が接続されたスイッチング回路SWと、このスイッチング回路SWの8本の出力信号線にそれぞれの入力端が個別に接続された8個のデジタル・アナログ変換器(D/Aコンバータ)D/A〜D/Aと、これら8個のD/AコンバータD/A〜D/Aの出力端に個別に接続された8個の増幅器AMP〜AMPとを備えている。また、スイッチング回路SWには、セレクト信号出力回路92の2本の出力信号線のうちの1本であるセレクト信号出力線SLを介してセレクト信号が入力されるようになっている。
前記スイッチング回路SWは、例えば図9に示されるような接続関係で6本の信号線X1,X2,Y1,Y2,Y3,Y4に接続された8個のアンド回路GT1〜GT8と、アンド回路GT1〜GT8の出力をそれぞれ一方の入力とする8個のアンド回路GT9〜GT16とによって構成することができる。アンド回路GT9〜GT16の他方の入力は、セレクト信号出力線SLを介して入力されるセレクト信号となっている。
上記6本の信号線は、X群(X1、X2)、Y群(Y1,Y2,Y3,Y4)に分類され、各群それぞれを構成する信号線から「0」又は「1」が入力される。図10には、この場合の、X群(X1、X2)、Y群(Y1,Y2,Y3,Y4)の信号線に対する入力(0,1)とアンド回路GT1〜GT8の出力(0,1)との関係を示す真理値表が示されている。
この図10に示されるように、X群の信号線に入力される「0」又は「1」と、Y群の信号線に入力される「0」又は「1」との組み合わせにより、アンド回路GT1〜GT8の内のいずれかが選択され、その選択されたアンド回路の出力が「1」、その他のアンド回路の出力が「0」とされる。具体的には、アンド回路GT1〜GT8に対して、X群の信号線及びY群の信号線の各々から入力される信号が互いに「1」である場合に、そのアンド回路の出力が「1」とされ、その他のアンド回路の出力は「0」とされる。
そして、スイッチング回路SWに対し、セレクト信号出力線SLを介して入力されるセレクト信号が「1」である場合には、これらアンド回路GT1〜GT8の出力により、8つのD/AコンバータD/A〜D/AのうちのいずれのD/Aコンバータをオンにするかが決定される。なお、6本の信号線全てが「0」のとき、あるいは、X群を構成する信号線の全てが「0」又はY群を構成する信号線の全てが「0」のときには、全てのアンド回路GT1〜GT8の出力は「0」となる。
図8に戻り、D/AコンバータD/A〜D/Aには、上記スイッチング回路SWからの「0」又は「1」の信号の他に、主制御装置20から第2バスBS2を介して駆動電圧データが入力されるようになっている。この駆動電圧データは、D/AコンバータD/A〜D/Aのうちの上記スイッチング回路SWからの信号にてオンとされたD/Aコンバータにのみ取り込まれるようになっている。すなわち、D/Aコンバータは、スイッチング回路SWからのオン信号により、サンプリングを行う。
D/AコンバータD/A〜D/Aそれぞれの出力段には増幅器AMP〜AMPが個別に接続され、さらにこれらの増幅器AMP〜AMPの出力段には、圧電素子P11〜P24が個別に接続されている。
すなわち、駆動回路90は、上述のような構成で、セレクト信号SL1により選択された際(セレクト信号SLが「1」(Hレベル)であるとき)には、2本の第1信号線としてのX群の信号線X1、X2それぞれに入力する第1信号(1,0)の組み合わせと、4本の第2信号線としてのY群の信号線Y1〜Y4それぞれに入力する第2信号(1,0)の組み合わせとに基づいて、分割ブロックを構成する圧電素子P11〜P24のそれぞれに個別に対応して設けられた2×4個のスイッチとしてのアンド回路GT1〜GT8の出力(1,0)を個別に決定し、2×4個の圧電素子P11〜P24をD/Aコンバータ及び増幅器を介して個別に駆動する。この場合、圧電素子P11〜P24のそれぞれは、第2バスBS2を介して主制御装置20から与えられる駆動電圧データに応じて駆動されるようになっている。
図7に戻り、前記セレクト信号出力回路92は、主制御装置20から信号線CSを介して入力された選択信号に基づいて指定された駆動回路90に対する出力信号を「1」(Hレベル)とし、その他の駆動回路に対する出力信号を「0」(Lレベル)とする。ここで、主制御装置20による駆動回路90〜90の指定(選択)は、例えばk本の信号線CSのそれぞれに入力する「0」又は「1」の組み合わせに基づいて行われ、この入力に応じてセレクト信号出力回路92は、2本の出力信号線を介してq個の駆動回路に対して択一的に「1」(Hレベル)のセレクト信号を出力する。
残りの駆動回路90〜90も、上記駆動回路90と同様に、構成されている。
次に、本実施形態の露光装置100におけるウエハホルダ70に対するウエハWのロード時及びアンロード時における動作について説明する。
ウエハWのロードに際しては、図2の電磁弁V1〜V3は全て閉じられており、給排気機構80による給気動作及び排気動作はオフされている。
不図示のウエハローダにより、ウエハWがウエハホルダ70上方に搬送されると、主制御装置20の指示の下、ステージ制御装置19が不図示の上下動機構を介してセンタアップ34a〜34cを上昇する。ここでセンタアップ34a〜34cの上昇量が所定量に達すると、ウエハローダ上のウエハWがセンタアップ34a〜34cに受け渡され、ウエハローダがウエハホルダ70上方から待避する。その後、ステージ制御装置19がセンタアップ34a〜34cを下降することにより、ウエハホルダ70上にウエハWが載置される。
上記のようにしてウエハホルダ70上にウエハWが載置されると、主制御装置20は、図2の高速排気用の真空室46Baに通じる電磁弁V2を開いて、ベース部26、リム部28、及びウエハWで囲まれた空間内の気体を高速に吸引(排気)する。この際、本実施形態では、スループットの向上を図るため、真空室46Baを使用することによって吸引圧力を、例えば−800hPa程度と高く(高度の真空状態に)設定している。
このようにして、ウエハWを高速に吸着保持することでウエハロードが終了する。その後、主制御装置20は、図2の電磁弁V2を閉じ、通常時に使用する第1真空ポンプ46Aに通じる電磁弁V1を開く。これ以降は第1真空ポンプ46Aの吸引力によりウエハWが吸着保持されることとなる。
ここで、ウエハWをウエハホルダ70上で吸着保持してから、ウエハWを取り出すまでの間は、ウエハステージWSTの移動等によりウエハWが横ずれしてアライメント精度等に悪影響を与えない程度の吸引圧力(吸着力)があれば良く、本実施形態では、真空吸着によるウエハWの変形を最小限に抑えるように、通常使用する第1真空ポンプ46Aによる吸引圧力を、例えば−266.5hPa〜−333.2hPa程度と低く(低度の真空状態に)設定している。また、ウエハWをウエハホルダ70上に載置する場合とそれ以外の動作を行う場合とで吸引圧力を異ならせることで、ウエハロードに要する時間を短縮できる。
一方、ウエハWをアンロードするに際しては、主制御装置20は、まず、図2の電磁弁V1を閉じ、吸着動作をオフする。次いで、主制御装置20は、センタアップ34a〜34cを所定量上昇するとともに、給気弁V3を開き、ウエハWの底面に向けて気体を吹き付ける。これにより、上述の真空状態が直ちに解除される。
センタアップ34a〜34cが所定量上昇すると、ピン32、リム部28にて支持されているウエハWがセンタアップ34a〜34cに受け渡されるので、不図示のウエハアンローダがウエハWの下側に入り込むとともに、センタアップ34a〜34cが下降することで、センタアップ34a〜34cからウエハアンローダにウエハWが受け渡される。そして、ウエハアンローダがウエハホルダ70上から退避することにより、ウエハアンロードが終了する。
このように、ウエハWをウエハホルダ70からアンロードする際にウエハの底面に気体を吹き付けることにより、ウエハのアンロード時間が短縮されることになる。
これまでの説明から明らかなように、本実施形態では、ウエハホルダ70と給排気機構80と駆動装置85とによって基板保持装置が構成されている。
なお、照明光ILとして真空紫外光等を使用する場合には、照明光の光路上の気体をヘリウム等の照明光の透過性の高い(照明光を吸収する特性が空気などに比べて低い)気体で置換するが、このような場合には、ウエハの底面に吹き付ける気体も、照明光の透過性の高い気体とすることが望ましい。また、ウエハの底面に吹き付ける気体の量は、ウエハが浮き上がらないように微小量とすることが望ましい。
本実施形態の露光装置100によると、通常のスキャニング・ステッパと同様に、レチクルアライメント、不図示のウエハアライメント系のベースライン計測、並びにEGA(エンハンスト・グローバル・アライメント)等のウエハアライメントなどの所定の準備作業の後、以下のようにしてステップ・アンド・スキャン方式の露光動作が行なわれる。
なお、上記のレチクルアライメント、ベースライン計測等については、例えば特開平7−176468号公報及びこれに対応する米国特許第5,646,413号に詳細に開示され、また、EGAについては、特開昭61−44429号公報及びこれに対応する米国特許第4,780,617号等に詳細に開示されている。本国際出願で指定した指定国又は選択した選択国の国内法令が許す限りにおいて、上記各公報並びにこれらに対応する上記米国特許における開示を援用して本明細書の記載の一部とする。
すなわち、ステージ制御装置19では、主制御装置20の指示の下、ウエハアライメントの結果に基づいて、Z・チルトステージ30に保持されたウエハW上の第1ショット領域(ファーストショット)の露光のための加速開始位置にウエハステージ駆動部24を介してウエハステージWSTを移動する。そして、ステージ制御装置19では、レチクル干渉計16及びウエハレーザ干渉計システム18の計測値をモニタしつつ、レチクルステージ駆動部14、ウエハステージ駆動部24を介してレチクルステージRSTとウエハステージWSTとのY軸方向の相対走査(同期移動)を開始して、ウエハW上のファーストショットの走査露光を行い、ファーストショットにレチクルRの回路パターンを投影光学系PLを介して縮小転写する。
すなわち、本実施形態では、レチクル干渉計16、ウエハレーザ干渉計システム18、レチクルステージ駆動部14、ウエハステージ駆動部24、及びステージ制御装置19によって、レチクルR(レチクルステージRST)とウエハW(ウエハステージWST)とを同期して、照明光ILに対して走査する走査装置が構成されている。
ここで、上記の走査露光中には、ウエハW上の照明領域(露光領域)IA内でウエハWの表面が投影光学系PLの結像面に実質的に一致した状態で露光が行われる必要があるため、前述した焦点位置検出系(60a、60b)の出力に基づくオートレベリング、オートフォーカス及びウエハWの平坦度補正が、主制御装置20により次のようにして実行される。
すなわち、主制御装置20は、例えば8個の追従センサS21〜S34と、ウエハの移動方向に応じた先読みセンサS11〜S14又はS41〜S44の合計12個のフォーカスセンサSを不図示のセンサ選択回路を介して予め選択する。ここでは、ウエハWは+Y方向(図5の矢印SD方向)に走査される場合であり、先読みセンサS41〜S44が選択されているものとする。
そして、レチクルステージRSTとウエハステージWSTとのY軸方向の相対走査が開始され、ウエハW上の第1ショット領域の前端が先読みセンサS41〜S44にかかると、主制御装置20は、例えばそれらの先読みセンサS41〜S44の計測値の平均値に基づいて、ウエハWが+Z側及び−Z側のいずれの方向にどの程度デフォーカスしているかを判断し、その判断結果に基づいてステージ制御装置19に対してそのデフォーカスを補正するような指示を与える。これにより、ステージ制御装置19によってウエハステージ駆動部24を介してZ・チルトステージ30が+Z方向又は−Z方向に駆動され、ウエハW表面が投影光学系PLの像面の近似平面の近傍に設定される。
そして、ウエハWの走査がさらに進行し、露光が開始されるとほぼ同時に、以下のa.〜c.のウエハW表面の投影光学系PL像面への位置合わせが実行される。
a. ウエハW上の第1ショット領域の前端が第1行目の追従センサS31〜S34にかかると、主制御装置20は、それらの追従センサS31〜S34の計測値に基づいて近似直線を算出し、その近似直線が投影光学系PLの像面の近似平面に平行になるようなウエハWの非走査方向に関するレベリング制御の目標値をステージ制御装置19に与える。これにより、ステージ制御装置19によりウエハステージ駆動部24を介してZ・チルトステージ30がθy方向に駆動され、ウエハWの非走査方向のレベリング制御が行われる。
b. そして、このレベリング制御後、主制御装置20は、追従センサS31〜S34の計測値を再び取り込み、このうちの最大の計測値zmaxに対する追従センサS31〜S34の計測値との差Δz(u=1、2、3、4)をそれぞれ算出し、その差Δzに応じて追従センサS31〜S34の位置に対応する4つの圧電素子Pij〜Pij+3をそれぞれ前述の駆動回路90のうちの圧電素子Pij〜Pij+3に対応する駆動回路(ここでは、説明の便宜上駆動回路90とする)を介して駆動する。
ここで、圧電素子Pij〜Pij+3は、上記駆動回路90内では、図7〜図9の駆動回路90内のP11〜P14に対応しているものとし、以下の説明においては、D/Aコンバータ等の符号については、図7〜図9で用いられている符号をそのまま用いるものとする。
この場合、圧電素子Pij〜Pij+3の駆動は次のように行われる。
すなわち、図11のタイミングチャートに具体的に示されるように、時刻tにおいて、第2バスBS2を介して圧電素子Pijに対する駆動電圧データ(第1駆動電圧データ)を送出する。そして、時刻tにおいて、駆動回路90に対するセレクト信号SLをLレベルからHレベルにするとともに、第1バスBS1を介して圧電素子Pijに接続されたD/AコンバータD/Aをオンにするための信号(D/Aコンバータオン信号(ここでは、図10の真理値表より、信号線X1,Y1の入力がHレベル、その他の信号線の入力がLレベルである))が送出され、これにより、D/AコンバータD/Aがオンされる。すると、これに同期して、第1駆動電圧データがD/AコンバータD/Aにラッチされる。この第1駆動電圧データがD/AコンバータD/Aにてアナログデータに変換され、アンプAMPで増幅された後、圧電素子Pijに印加される。このようにして圧電素子Pijの駆動が行われる。
次いで、時刻tにおいて、第1バスBS1を介して送出される信号レベルを全てLレベルとし、第2バスBS2を介して圧電素子Pij+1に対する駆動電圧データ(第2駆動電圧データ)の送出を開始する。更に、時刻tにおいて、圧電素子Pij+1に接続されたD/AコンバータD/Aをオンにするための信号(D/Aコンバータオン信号(ここでは、信号線X1,Y2の入力がHレベル、その他の信号線の入力がLレベル))が送出され、これによりD/AコンバータD/Aがオンされる。すると、これに同期して第2駆動電圧データがD/AコンバータD/Aにラッチされ、この第2駆動電圧データがD/AコンバータD/Aにてアナログデータに変換された後、アンプAMPで増幅され、圧電素子Pij+1に印加される。このようにして圧電素子Pij+1の駆動が行われる。
以下、同様にして、圧電素子Pij+2に接続されたD/AコンバータD/Aに第3駆動電圧データがラッチされ、圧電素子Pij+3に接続されたD/AコンバータD/Aに第4駆動電圧データがラッチされる。そして、各D/Aコンバータにて各駆動電圧データがアナログ信号に変換された後に、アンプで増幅され、各圧電素子に印加されることで、圧電素子Pij+2,Pij+3の駆動が行われる。
なお、ここで、Δz=0となる最大の計測値zmaxが計測された追従センサに対応する圧電素子に対する駆動電圧データは零である。
なお、上記の説明では、差Δzに応じて追従センサS31〜S34の位置に対応する4つの圧電素子Pij〜Pij+3に駆動電圧データ(零を含む)を送るものとしているが、駆動電圧データを変更する必要がない圧電素子に接続されたD/AコンバータはオフのままとするD/Aコンバータオン信号を第1バスBS1を介して送るようにしても良いことは勿論である。
ここで、図4B及び図4Cを用いて、上記の圧電素子Pij〜Pij+3の駆動の一例について説明する。この場合、圧電素子Pij〜Pij+3のほぼ真上の領域のZ位置が追従センサS31〜S34の計測値として得られるものとする。図4Bの場合、圧電素子Pij+1に対応する追従センサS32の計測値が最大の計測値zmaxとなる。この結果がΔz=0となって、圧電素子Pij+1の駆動量は零となる。残りの圧電素子Pij、Pij+2、Pij+3は、それぞれ差ΔZに応じて駆動され、その結果、図4Bに示されるウエハWの表面形状(より正確には、非走査方向に関するウエハW表面の形状)が図4Cに示されるようにほぼ平坦な形状に補正される。すなわち、本実施形態では、ウエハWのレベリングでは補正できない程度の露光領域IA内のウエハW表面の凹凸を圧電素子を個別に駆動することにより、補正することができる。
c. 但し、この駆動の結果、ウエハW表面の平坦度は向上するものの、全体として投影光学系PLの像面の近似平面からはZ軸方向に関してずれる場合も考えられる。そこで、このような場合には、主制御装置20は、それらの追従センサS31〜S34の計測値に基づいて、前述の先読み時と同様にしてデフォーカス量を調整する。
ここで、上記のa.〜c.の動作は、実際には非常に短時間に行われる。
d. そして、更にウエハの走査及び露光が進行し、ウエハW上の第1ショット領域の前端が第2行目の追従センサS21〜S24にかかるようになると、主制御装置20は、第1行目の追従センサS31〜S34及び第2行目の追従センサS21〜S24の計測結果に基づいて、上記a.〜c.と同様のウエハW表面の投影光学系PL像面への位置合わせを行う。但し、この場合、主制御装置20は、上記のa.と同様のレベリング制御に際しては、追従センサS31〜S34及びS21〜S24の計測結果に基づいてウエハW表面の近似平面を算出し、その平均平面と前述の投影光学系PLの像面の近似平面とが平行になるように、ウエハWの非走査方向のみならず、走査方向に関してもレベリング制御を行う。また、この場合上記b.と同様の圧電素子の駆動が行われる時点では、圧電素子Pij〜Pij+3は第2行目の追従センサS21〜S24のほぼ真下にあり、第1行目の追従センサS31〜S34の真下には圧電素子Pi+1j〜Pi+1j+3が位置している。
e. さらに、ウエハの走査及び露光が進行し、ウエハW上の第1ショット領域の前端がd.の位置より更に4mmだけ進むと、第2行目の追従サンサS21〜S24のほぼ真下に圧電素子Pi+1j〜Pi+1j+3が位置し、第1行目の追従センサS31〜S34の真下には圧電素子Pi+2j〜Pi+2j+3が位置する。この場合、主制御装置20は、上記d.と全く同様のウエハWの表面の投影光学系PL像面への位置合わせを行うが、この際、セレクト信号の出力先を駆動回路90から駆動回路90v+1に切り替える。
以後、走査露光中、上記d.及びe.と同様のウエハWの表面の投影光学系PL像面への位置合わせが繰り返し実行される。
このようにして、ファーストショットの走査露光が終了すると、主制御装置20からの指示に応じ、ステージ制御装置19により、ウエハステージWSTがX、Y軸方向にステップ移動され、セカンドショット(第2番目のショット領域)の露光のための加速開始位置に移動される。そして、主制御装置20の管理の下、セカンドショットに対して上記と同様の走査露光が行われる。
このようにして、ウエハW上のショット領域の走査露光とショット領域間のステッピング動作とが繰り返し行われ、ウエハW上の全ての露光対象ショット領域にレチクルRの回路パターンが順次転写される。
以上説明したように、本実施形態に係る基板保持装置(70,80、85)によると、複数のピン32が配置された所定面積の領域をマトリックス状に分割した各分割領域に対応して複数の圧電素子P11〜PMNが設けられている。また、駆動装置85は、その複数の圧電素子Pのうち、予めブロック化された各ブロックを構成する複数(8つ)の圧電素子Pを同時にかつ個別に駆動可能で、かつ印加電圧(駆動電圧)を個別に調整可能となっている。また、各圧電素子Pの上部にはピン32が少なくとも1本配置されている。従って、圧電素子の各ブロックに対応する分割領域についてみれば、ピン32に支持されているウエハW表面の凹凸を確実に抑制することが可能となっている。
また、本実施形態によると、複数の圧電素子のブロックには、2行4列のマトリックス状の配置の2×4個の圧電素子群から成る分割ブロック(特定ブロック)が複数含まれ、駆動装置85は、各分割ブロックを構成する各圧電素子に個別に対応して設けられた2×4個のスイッチ(アンド回路GT1〜GT8)を、2本のX群信号線(X1,X2)の中から選択された1本の信号線を介して入力する第1信号と、4本のY群信号線(Y1,Y2,Y3,Y4)の中から選択された1本の信号線を介して入力する第2信号との組み合わせを用いて個別にオン・オフすることにより2×4個の圧電素子を個別に駆動するq個の駆動回路90〜90を備えている。このため、各分割ブロックを構成する各圧電素子を個別に電圧供給源に接続する場合と異なり、必要な場合にのみ各圧電素子を駆動するための閉回路を形成することができるとともに、駆動対象の圧電素子の選択のためのデータ量(あるいは信号線)を削減することができる。このデータ量の削減は、分割ブロックが大きいほどその削減の効果は大きくなる。a行b列のマトリックス状配置の圧電素子から成る分割ブロックの場合、(a+b)個(ビット)のデータで足りる。
また、本実施形態に係る基板保持装置では、駆動装置85は、主制御装置20から入力されるセレクト信号(外部指令)に応じて駆動対象となる圧電素子のブロックを切り替えるようになっている。このため、全ての圧電素子のブロックを常時駆動可能な回路構成とする場合と比べて回路構成を簡略化できるとともに、特にコンピュータ制御を行う場合には、出力ポート数による制限を受け難いというメリットもある。
また、本実施形態に係るウエハホルダ70は、複数のピン32が配置された所定面積の領域の外側に配置され、前記領域を取り囲み、複数のピン32とともにウエハWをその平坦度をほぼ維持した状態で支持するリム部28を備えている。このため、ウエハWはその外縁部近傍の自由端部を含めある程度の平坦度を保って、すなわち極端な凹凸のない状態でウエハホルダ70上に保持される。
また、本実施形態に係る基板保持装置では、複数のピン32それぞれの先端部分及びリム部28の上端部に対してウエハWを吸着する吸着機構として、リム部28の内側の空間内の気体を真空吸引する真空吸着機構(第1真空ポンプ46A、電磁弁V1、給排気管40及び給排気路38A〜38)を備えている。このため、基板保持装置が高速移動する場合であっても、基板の位置ずれを防止することができる。なお、吸着機構としては、静電吸着機構を設けても良い。
また、本実施形態に係る露光装置100によると、主制御装置20は、前述の如く、焦点位置検出系(60a,60b)の検出結果に基づいて、駆動装置85を介して複数の圧電素子P11〜PMNのうちから選択された少なくとも1つの圧電素子の歪みを制御してウエハW表面の形状を調整することができる。すなわち、走査露光の際に、レチクルRのパターンが投影光学系PLにより投影される投影領域(露光領域)IA内の圧電素子Pの歪みを調整することにより、露光領域IA内のウエハW表面の凹凸を投影光学系PLの焦点深度の範囲内に抑制することができ、デフォーカスに起因する色むらを抑制して露光精度の向上を図ることができる。
また、本実施形態の露光装置100によると、焦点位置検出系(60a,60b)の検出結果に基づいて、主制御装置20によりステージ制御装置19及びウエハステージ駆動部24を介してウエハホルダ70がZ軸方向及びXY面に対する傾斜方向に駆動される。すなわち、本実施形態では、前述したZ・チルトステージ30及びウエハホルダ70を投影光学系PLの光軸方向及び光軸方向に直交する面に対する傾斜方向に駆動する駆動系(ウエハステージ駆動部24、ステージ制御装置19)が、焦点位置検出系(60a,60b)の検出結果に基づいて、主制御装置20によって制御されることで、前述の如く、走査露光時に圧電素子Pの駆動に先立って、ウエハW表面を投影光学系PLの像面の近傍に位置させることができるとともに、全体的な傾斜を補正することができる。特に後者により、ウエハW表面の大きなうねり(湾曲成分)を補正することができるので、かかる補正(レベリング制御)と組み合わせて圧電素子の駆動を行うことにより、圧電素子の駆動ストロークが足りないという事態の発生を防止することができる。但し、圧電素子の駆動ストロークを大きく設定できる場合には、ウエハホルダは光軸方向及び光軸方向に直交する面に対する傾斜方向のいずれにも駆動できなくても良い。すなわち、Z・チルトステージ30を駆動する複数のアクチュエータを設けないで、Z・チルトステージ30として単なるウエハテーブルを用いても良い。
本実施形態の露光装置100において、照明光ILとしてArFエキシマレーザ光より短波長の波長180nm以下の真空紫外光、例えばFレーザ光を用いる場合には、投影光学系PLの焦点深度が更に狭小化するので、上述の如く、ピン32に支持されているウエハW表面の凹凸を圧電素子の駆動により確実に抑制できる、本実施形態の効果は特に大きいものと言える。
なお、上記実施形態では説明の簡略化のため特に説明しなかったが、例えば投影光学系の像面歪曲(すなわち、像面湾曲や像面傾斜などの像面の形状)を予め正確に計測し、その計測の結果、像面の近似平面との差が比較的大きい(Z・チルトステージ30の駆動だけでは所定の許容範囲を超える偏差が残存する)場合には、走査露光時の前述した駆動装置85の制御に際して、主制御装置20は、その像面歪曲を更に考慮して制御を行い、圧電素子Pの選択的駆動により像面歪曲に応じてウエハW表面が補正され、像面歪曲に関わらず、露光領域IAのほぼ全体でウエハW(ショット領域)の表面が投影光学系PLの焦点深度の範囲内に収まるようにすることが望ましい。
また、上記実施形態では、ウエハホルダ70を三層構造とし、中間層をマトリックス状に配置された複数の圧電素子Pから成る一層のみとする場合について説明したが、これに限らず、複数の圧電素子Pを含む層を複数層、例えば2層設け、各層の圧電素子の配置が交互となるようにしても良い。そして、一方の層を構成する圧電素子を非走査方向に関するウエハW表面の凹凸の補正に主として用い、他方の層を構成する圧電素子を走査方向に関するウエハW表面の凹凸の補正に主として用いることとしても良い。
更に、上記実施形態では走査露光中に圧電素子Pを駆動するものとしたが、少なくとも各ショット領域の走査露光前に圧電素子Pを駆動してショット領域表面の凹凸を補正しておき、走査露光中はZ・チルトステージ30のみを駆動するだけでも良い。
また、上記実施形態では必ずしも圧電素子Pによる補正で、ショット領域表面をフラットにしなくても良く、例えば、Z・チルトステージ30の駆動だけで、照明光が照射される露光領域IA内で投影光学系PLの像面とショット領域表面とが合致する(換言すれば、ショット領域表面が投影光学系PLの実効的な焦点深度内に入る)ように、ショット領域表面の少なくとも一部でその凹凸を変化させるだけでも良い。
また、上記実施形態ではウエハの走査開始後で、かつ各ショット領域の走査露光前に圧電素子Pを駆動してショット領域表面の凹凸を補正するものとしたが、その凹凸補正のタイミングは任意で良く、例えばウエハの走査開始前にショット領域表面の凹凸を補正しても良い。さらに、主制御装置20は、各ショット領域に対して照明光が照射される時点以前のいずれかの時点で、ウエハW上の各ショット領域の複数点におけるZ位置(投影光学系PLの光軸方向に関する位置)を検出しておき、その検出結果に基づいて上記実施形態と同様に走査露光中に圧電素子Pを駆動することとしても良い。例えば、前述した焦点位置検出系(60a,60b)と同様の焦点位置検出系、あるいは特開平7−321030号公報及びこれに対応する米国特許第6,016,186号に開示されているように、ウエハアライメント系の一部(対物光学系など)を介して検出ビームをウエハ上に投射する焦点位置検出系が組み込まれたウエハアライメント系を用いて多数のショット領域をアライメントショット領域(サンプルショット領域)とする前述のEGAを行うこととし、主制御装置20は、そのアライメントショット間のウエハWの移動動作の際に、ウエハW上の各ショット領域の複数点におけるZ位置を焦点位置検出系(60a,60b)又は上述のウエハアライメント系に組み込まれた焦点位置検出系を用いて検出し、その検出結果をメモリ等に記憶しておくこととしても良い。この場合、主制御装置20は、その記憶しておいた検出結果に基づいて、走査露光前あるいは走査露光中に、圧電素子Pを駆動すれば良い。このとき、ウエハの一連の露光動作に先立ち、ウエハアライメント系に組み込まれた焦点位置検出系の代わりに前述の焦点位置検出系(60a、60b)を用い、ウエハ上の少なくとも1つのショット領域でその凹凸に関する情報を検出し、この情報に基づいて圧電素子Pを駆動しても良い。なお、前述の焦点位置検出系(60a、60b)は、露光領域IAの外側に複数の計測点(スリット像の投影位置)が設定される先読みセンサを有するものとしたが、必ずしも先読みセンサを設けなくても良く、露光領域IA内のみに計測点を設定するだけでも良い。また、投影光学系PL又はウエハアライメント系と所定の位置関係で設けられ、ウエハ表面の凹凸情報の検出に用いられる焦点位置検出系はその計測点が1つでも構わない。
また、上記実施形態の露光装置は、1つのウエハステージのみを有するものとしたが、投影光学系PLを介してレチクルパターンの転写が行われる位置と、ウエハアライメント系によるマーク検出が行われる計測位置(アライメント位置)とにそれぞれウエハステージを配置して、露光動作と計測動作とをほぼ並行して実行可能なツインウエハステージタイプとしても良い。この露光装置では、前述の計測位置に配置される焦点位置検出系を用いてウエハ上の少なくとも1つのショット領域でその凹凸に関する情報を検出し、例えばウエハステージを計測位置から露光位置に移動している間に、圧電素子Pを駆動してウエハWの凹凸を補正すれば良い。なお、ツインウエハステージタイプの露光装置は、例えば特開平10−214783号公報及びこれに対応する米国特許第6,341,007号、あるいは国際公開WO98/40791号及びこれに対応する米国特許第6,262,796号などに開示されている。
本国際出願で指定した指定国又は選択国の国内法令が許す限りにおいて、上記各米国特許における開示を援用して本明細書の記載の一部とする。
更に、上記実施形態では圧電素子Pをオープンループで制御するものとしたが、圧電素子Pのヒステリシスなどを考慮し、圧電素子Pの駆動量を計測するセンサ(例えば、歪みゲージなど)を設けてクローズドループで制御を行うようにしても良いし、このセンサを設ける代わりにAFセンサ(前述の焦点位置検出系)の出力に基づいて圧電素子Pの駆動量を補正しても良い。
なお、上記実施形態では、駆動素子として、電場に比例する歪みを発生する積層型の圧電素子(圧電アクチュエータ)を用いるものとしたが、これに限らず、電場の二乗に比例する歪み(電気歪み)を発生する電歪アクチュエータを用いることも可能である。
また、上記実施形態では、ウエハホルダを三層構造としたが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、例えば最下層(第3層)を構成するベース部材42を前述のZ・チルトステージ30で兼用しても良い。
さらに、上記実施形態では走査露光時にZ・チルトステージ30のみを駆動して、前述の露光領域IA内でウエハ表面と投影光学系PLの結像面とをほぼ合致させるものとしたが、その代わりに、あるいはそれと組み合わせて、投影光学系PLの結像面を露光領域IA内の少なくとも一部でZ方向にシフトさせても良い。このとき、例えば光源を制御して照明光の波長を変化させる、レチクルRを移動する、あるいは投影光学系PLの少なくとも1つの光学素子を移動するなどして、投影光学系PLの結像面をシフトさせれば良い。
また、上記実施形態では、走査方向と非走査方向の両方に関してウエハを平坦化する(ウエハの凹凸を補正する)ものとしたが、走査方向と非走査方向との一方のみ、例えば非走査方向のみに関してウエハの凹凸を補正するだけでも良い。
さらに、上記実施形態では、ウエハホルダのリム部28はその外径がウエハWの外径よりも僅かに小さいものとしたが、リム部28の外径をウエハWの外径と同程度以上としても良い。また、ウエハホルダはリム部28の上端面を、多数のピン32によって規定される平面とほぼ同一の高さとしても良いし、あるいは多数のピン32によって規定される平面よりも僅かに低くしても良い。さらに、リム部28の上端面に、多数のピン32によって規定される平面と上端面がほぼ一致する複数の突起部(ピン)を設けても良い。このとき、リム部28の上端面に設けられる複数の突起部によって規定される平面を、多数のピンによって規定される平面より僅かに低くしても良い。
また、上記実施形態では、図2に示されているように、ウエハホルダの中心部近傍から放射方向に沿って配列される複数の給排気口36をほぼ120°間隔で設けるものとしたが、本発明がこれに限定されるものではなく、例えば複数の給排気口36を井桁状に配列しても良い。
また、上記実施形態では3本の上下動ピン(センタアップ)を用いるものとしたが、例えば特開2000−100895号公報及び対応する米国特許第6,184,972号に開示されている1本の上下動ピンを採用しても良い。
なお、上記実施形態の露光装置では、例えばZ・チルトステージ30をXY平面内で微動可能としてウエハステージを粗微動ステージとしても良い。同様にレチクルステージを粗微動ステージとしても良い。
なお、上記実施形態では、照明光ILとしてKrFエキシマレーザ光、ArFエキシマレーザ光、あるいはFレーザ光や、超高圧水銀ランプからの紫外域の輝線(g線、i線等)などを用いるものとしたが、これに限らず、照明光ILとしてArレーザ光(波長126nm)などの他の真空紫外光を用いても良い。また、例えば、真空紫外光としてDFB半導体レーザ又はファイバーレーザから発振される赤外域、又は可視域の単一波長レーザ光を、例えばエルビウム(Er)(又はエルビウムとイッテルビウム(Yb)の両方)がドープされたファイバーアンプで増幅し、非線形光学結晶を用いて紫外光に波長変換した高調波を用いても良い。
なお、上記実施形態では、投影光学系に対する負担をあまり重くすることなく、より大面積のパターンを高精度にウエハ上に転写可能であるという走査露光方式の利点に着目し、ステップ・アンド・スキャン方式の走査型露光装置に本発明が適用された場合について説明したが、本発明の適用範囲がこれに限定されないことは勿論である。すなわちステップ・アンド・リピート方式の縮小投影露光装置にも本発明は好適に適用でき、同様に、デフォーカスのない高精度な露光が可能となる。この場合静止露光が行われるので、特に像面歪曲に応じて複数の支持部材(上記実施形態のピンに相当)を駆動してウエハW表面の形状を調整し、ウエハW表面の露光領域(ショット領域に一致)内部分の全体が投影光学系の焦点深度の範囲内に収まるようにする補正については、より精度良く行うことができる。
なお、複数のレンズから構成される照明光学系、投影光学系を露光装置本体に組み込み、光学調整をするとともに、多数の機械部品からなるレチクルステージやウエハステージを露光装置本体に取り付けて配線や配管を接続し、更に総合調整(電気調整、動作確認等)をすることにより、上記実施形態の露光装置を製造することができる。なお、露光装置の製造は温度及びクリーン度等が管理されたクリーンルームで行うことが望ましい。
また、上記実施形態では、本発明が半導体製造用の露光装置に適用された場合について説明したが、これに限らず、例えば、角型のガラスプレートに液晶表示素子パターンを転写する液晶用の露光装置や、薄膜磁気ヘッド、撮像素子、マイクロマシン、有機EL、DNAチップなどを製造するための露光装置などにも本発明は広く適用できる。
また、半導体素子などのマイクロデバイスだけでなく、光露光装置、EUV露光装置、X線露光装置、及び電子線露光装置などで使用されるレチクル又はマスクを製造するために、ガラス基板又はシリコンウエハなどに回路パターンを転写する露光装置にも本発明を適用できる。ここで、DUV(遠紫外)光やVUV(真空紫外)光などを用いる露光装置では一般的に透過型レチクルが用いられ、レチクル基板としては石英ガラス、フッ素がドープされた石英ガラス、螢石、フッ化マグネシウム、又は水晶などが用いられる。
なお、例えば国際公開WO99/49504号などに開示される、投影光学系PLとウエハとの間に液体が満たされる液浸露光装置に本発明を適用しても良い。
さらに、上記実施形態では、本発明の基板保持装置が露光装置に適用された場合について説明したが、基板を保持しその基板の凹凸を精度良く補正する必要があるのであれば、露光装置以外の検査装置、加工装置などの装置であっても、本発明の基板保持装置は、好適に適用できるものである。
《デバイス製造方法》
次に上述した露光装置をリソグラフィ工程で使用したデバイスの製造方法の実施形態について説明する。
図12には、デバイス(ICやLSI等の半導体チップ、液晶パネル、CCD、薄膜磁気ヘッド、マイクロマシン等)の製造例のフローチャートが示されている。図12に示されるように、まず、ステップ201(設計ステップ)において、デバイスの機能・性能設計(例えば、半導体デバイスの回路設計等)を行い、その機能を実現するためのパターン設計を行う。引き続き、ステップ202(マスク製作ステップ)において、設計した回路パターンを形成したマスクを製作する。一方、ステップ203(ウエハ製造ステップ)において、シリコン等の材料を用いてウエハを製造する。
次に、ステップ204(ウエハ処理ステップ)において、ステップ201〜ステップ203で用意したマスクとウエハを使用して、後述するように、リソグラフィ技術等によってウエハ上に実際の回路等を形成する。次いで、ステップ205(デバイス組立てステップ)において、ステップ204で処理されたウエハを用いてデバイス組立てを行う。このステップ205には、ダイシング工程、ボンディング工程、及びパッケージング工程(チップ封入)等の工程が必要に応じて含まれる。
最後に、ステップ206(検査ステップ)において、ステップ205で作成されたデバイスの動作確認テスト、耐久テスト等の検査を行う。こうした工程を経た後にデバイスが完成し、これが出荷される。
図13には、半導体デバイスにおける、上記ステップ204の詳細なフロー例が示されている。図13において、ステップ211(酸化ステップ)においてはウエハの表面を酸化させる。ステップ212(CVDステップ)においてはウエハ表面に絶縁膜を形成する。ステップ213(電極形成ステップ)においてはウエハ上に電極を蒸着によって形成する。ステップ214(イオン打ち込みステップ)においてはウエハにイオンを打ち込む。以上のステップ211〜ステップ214それぞれは、ウエハ処理の各段階の前処理工程を構成しており、各段階において必要な処理に応じて選択されて実行される。
ウエハプロセスの各段階において、上述の前処理工程が終了すると、以下のようにして後処理工程が実行される。この後処理工程では、まず、ステップ215(レジスト形成ステップ)において、ウエハに感光剤を塗布する。引き続き、ステップ216(露光ステップ)において、上で説明したリソグラフィシステム(露光装置)及び露光方法によってマスクの回路パターンをウエハに転写する。次に、ステップ217(現像ステップ)においては露光されたウエハを現像し、ステップ218(エッチングステップ)において、レジストが残存している部分以外の部分の露出部材をエッチングにより取り去る。そして、ステップ219(レジスト除去ステップ)において、エッチングが済んで不要となったレジストを取り除く。
これらの前処理工程と後処理工程とを繰り返し行うことによって、ウエハ上に多重に回路パターンが形成される。
以上説明した本実施形態のデバイス製造方法を用いれば、露光工程(ステップ216)において上記実施形態の露光装置が用いられるので、精度良くレチクルのパターンをウエハ上に転写することができる。この結果、高集積度のデバイスの生産性(歩留まりを含む)を向上させることが可能になる。
産業上の利用可能性
以上説明したように、本発明の基板保持装置は、保持対象である基板の表面の凹凸を確実に抑制するのに適している。
また、本発明の露光装置は、デフォーカスに起因する色むらを抑制して基板上にパターンを転写するのに適している。
また、本発明のデバイス製造方法は、高集積度のマイクロデバイスの製造に適している。
【図面の簡単な説明】
図1は、本発明の一実施形態に係る露光装置の構成を概略的に示す図である。
図2は、図1のウエハホルダと、該ウエハホルダに接続された給排気機構を示す平面図である。
図3は、図2のウエハホルダのピン配置とウエハ上のショット領域との関係を示す平面図である。
図4Aは、図3の1つのショット領域SAに対応する部分を取り出して示す平面図、図4Bは、図4A中に示されるB−B線断面に相当するウエハホルダ部分の断面図、図4Cは、図4Bの状態から圧電素子が駆動された後の状態を示す図である。
図5は、露光領域とフォーカスセンサとの位置関係を示す図である。
図6は、ウエハホルダの中間層を構成するM×N個の圧電素子の配置の一例を示す図である。
図7は、圧電素子を駆動する駆動装置の内部構成を概略的に示す図である。
図8は、図7の1つの駆動回路の構成の一例を示す図である。
図9は、図8のスイッチ回路の構成の一例を示す図である。
図10は、図9のX群(X1、X2)、Y群(Y1,Y2,Y3,Y4)の信号線に対する入力(0,1)とアンド回路GT1〜GT8の出力(0,1)との関係を示す真理値表である。
図11は、圧電素子Pij〜Pij+3を駆動するための信号送出のタイミングチャートである。
図12は、本発明に係るデバイス製造方法の実施形態を説明するためのフローチャートである。
図13は、図12のステップ204の詳細を示すフローチャートである。

Claims (23)

  1. 平板状の基板を保持する基板保持装置であって、
    所定面積の領域内に配置され、それぞれの先端部により前記基板を下方から支持する基板支持面を形成する複数の突起状の支持部材と;
    前記支持部材がそれぞれ複数含まれるように前記領域を分割した複数の分割領域に個別に対応して各複数設けられた複数の駆動素子と;
    前記複数の駆動素子のうち、前記複数の分割領域に所定の対応関係を有するように予めブロック化された各ブロックを構成する複数の駆動素子を、対応する分割領域における前記基板支持面の形状を変化させるため、同時にかつ個別に駆動可能な駆動装置と;を備える基板保持装置。
  2. 請求項1に記載の基板保持装置において、
    前記各分割領域と各ブロックとは、一対一の対応関係にあることを特徴とする基板保持装置。
  3. 請求項1に記載の基板保持装置において、
    前記駆動素子は、前記各分割領域に対応して少なくとも一方向に沿って複数配置されていることを特徴とする基板保持装置。
  4. 請求項1に記載の基板保持装置において、
    前記複数の駆動素子のブロックには、m行n列のマトリックス状の配置のm×n個の駆動素子群から成る特定ブロックが複数含まれることを特徴とする基板保持装置。
  5. 請求項4に記載の基板保持装置において、
    前記駆動装置は、前記各特定ブロックを構成する各駆動素子に個別に対応して設けられたm×n個のスイッチを、m本の第1信号線の中から選択された1本の信号線を介して入力する第1信号と、n本の第2信号線の中から選択された1本の信号線を介して入力する第2信号との組み合わせを用いて個別にオン・オフすることにより前記m×n個の駆動素子を個別に駆動することを特徴とする基板保持装置。
  6. 請求項1に記載の基板保持装置において、
    前記駆動装置は、外部指令に応じて駆動対象となる駆動素子のブロックを切り替えることを特徴とする基板保持装置。
  7. 請求項1に記載の基板保持装置において、
    前記駆動素子は、印加電圧に応じて歪みを発生することを特徴とする基板保持装置。
  8. 請求項7に記載の基板保持装置において、
    前記駆動素子は、圧電素子であることを特徴とする基板保持装置。
  9. 請求項1に記載の基板保持装置において、
    前記領域の外側に配置され、前記領域を取り囲み、前記複数の支持部材とともに前記基板をその平坦度をほぼ維持した状態で支持する凸部を更に備えることを特徴とする基板保持装置。
  10. 請求項9に記載の基板保持装置において、
    前記複数の支持部材それぞれの先端部分及び前記凸部の上端部に対して前記基板を吸着する吸着機構を更に備えることを特徴とする基板保持装置。
  11. 請求項10に記載の基板保持装置において、
    前記吸着機構は、凸部の内側の空間内の気体を真空吸引する真空吸着機構であることを特徴とする基板保持装置。
  12. 請求項1に記載の基板保持装置において、
    前記複数の駆動素子と前記駆動装置との少なくとも一部の温度を調整する温度調整装置を更に備えることを特徴とする基板保持装置。
  13. エネルギビームをパターンが形成されたマスクに照射し、前記パターンを投影光学系を介して基板上に転写する露光装置であって、
    請求項1〜12のいずれか一項に記載の基板保持装置と;
    前記基板保持装置により保持された前記基板表面の複数点における前記投影光学系の光軸方向に関する位置情報を検出する焦点位置検出系と;
    前記焦点位置検出系の検出結果を考慮して、前記基板保持装置に保持された前記基板表面の形状を調整するため、前記駆動装置を制御して前記複数の駆動素子を選択的に駆動する制御装置と;を備える露光装置。
  14. 請求項13に記載の露光装置において、
    前記基板保持装置の前記基板が載置される部分を前記光軸方向及び前記光軸方向に直交する面に対する傾斜方向の少なくとも一方に駆動する駆動系を更に備え、
    前記制御装置は、前記焦点位置検出系の検出結果に基づいて、前記駆動系を制御することを特徴とする露光装置。
  15. 請求項13に記載の露光装置において、
    前記制御装置は、前記投影光学系の像面歪曲情報を更に考慮して前記駆動装置を制御することを特徴とする露光装置。
  16. 請求項13に記載の露光装置において、
    前記マスクと基板とを同期して、前記エネルギビームに対して走査方向に走査する走査装置を更に備えることを特徴とする露光装置。
  17. 請求項16に記載の露光装置において、
    前記制御装置は、前記エネルギビームが照射される前記基板表面の照射領域内における前記走査方向に直交する非走査方向に関する前記基板表面の形状を少なくとも補正することを特徴とする露光装置。
  18. 請求項16に記載の露光装置において、
    前記制御装置は、前記走査装置による前記マスクと基板との走査中に、前記焦点位置検出系の検出結果を考慮して、前記エネルギビームが照射される前記基板表面の照射領域部分の全体が前記投影光学系の焦点深度の範囲内となるように前記基板表面の形状を補正すべく、前記駆動装置を制御することを特徴とする露光装置。
  19. 請求項18に記載の露光装置において、
    前記制御装置は、前記基板上に前記エネルギビームが照射される時点以前のいずれかの時点における前記焦点位置検出系の検出結果を考慮して、前記基板表面の形状を補正するための前記駆動装置の制御を行うことを特徴とする露光装置。
  20. 請求項13に記載の露光装置において、
    前記エネルギビームは、波長180nm以下の真空紫外光であることを特徴とする露光装置。
  21. エネルギビームをマスクに照射し、投影光学系を介して前記マスクのパターンを基板上に転写する露光装置であって、
    前記エネルギビームに対して前記マスクを移動するのに同期して、前記投影光学系を通る前記エネルギビームに対して前記基板を移動する走査装置と;
    前記基板表面の位置情報を検出する検出装置と;
    前記基板を支持する複数の突起状の支持部材と、前記マスクと前記基板との同期移動によって前記パターンが転写される前記基板上の所定領域を、少なくとも前記基板が移動される走査方向と交差する非走査方向に関して分割した複数の分割領域にそれぞれ対応して設けられる複数の駆動素子とを有する基板保持装置と;
    前記検出装置の検出結果に応じて前記所定領域の少なくとも一部での前記基板の表面位置を調整するために、前記複数の駆動素子の少なくとも1つを駆動する駆動装置と;を備える露光装置。
  22. リソグラフィ工程を含むデバイス製造方法であって、
    前記リソグラフィ工程では、請求項13に記載の露光装置を用いて露光を行うことを特徴とするデバイス製造方法。
  23. リソグラフィ工程を含むデバイス製造方法であって、
    前記リソグラフィ工程では、請求項21に記載の露光装置を用いて露光を行うことを特徴とするデバイス製造方法。
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