JPH11307425A - マスクの受け渡し方法、及び該方法を使用する露光装置 - Google Patents

マスクの受け渡し方法、及び該方法を使用する露光装置

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JPH11307425A
JPH11307425A JP10111786A JP11178698A JPH11307425A JP H11307425 A JPH11307425 A JP H11307425A JP 10111786 A JP10111786 A JP 10111786A JP 11178698 A JP11178698 A JP 11178698A JP H11307425 A JPH11307425 A JP H11307425A
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JP10111786A
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Takechika Nishi
健爾 西
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    • G03FPHOTOMECHANICAL PRODUCTION OF TEXTURED OR PATTERNED SURFACES, e.g. FOR PRINTING, FOR PROCESSING OF SEMICONDUCTOR DEVICES; MATERIALS THEREFOR; ORIGINALS THEREFOR; APPARATUS SPECIALLY ADAPTED THEREFOR
    • G03F7/00Photomechanical, e.g. photolithographic, production of textured or patterned surfaces, e.g. printing surfaces; Materials therefor, e.g. comprising photoresists; Apparatus specially adapted therefor
    • G03F7/70Microphotolithographic exposure; Apparatus therefor
    • G03F7/70691Handling of masks or workpieces
    • G03F7/70733Handling masks and workpieces, e.g. exchange of workpiece or mask, transport of workpiece or mask
    • G03F7/70741Handling masks outside exposure position, e.g. reticle libraries

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  • General Physics & Mathematics (AREA)
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  • Container, Conveyance, Adherence, Positioning, Of Wafer (AREA)
  • Exposure Of Semiconductors, Excluding Electron Or Ion Beam Exposure (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 レチクルと投影光学系との間の作動距離が短
い場合でも、レチクルステージとレチクルの搬送機構と
の間でそのレチクルの受け渡しを容易に、かつ高い位置
決め精度で行う。 【解決手段】 レチクルベース13上のレチクルステー
ジ10上の凹部の載置面33a上にレチクルを載置し、
このレチクルのパターンを投影光学系17を介してウエ
ハ上に露光する。レチクルステージ10を転写位置から
ずらした位置のレチクルベース13に、回転上下駆動部
14によって昇降自在に昇降軸29を配置し、その上の
レチクルロードアーム6、又はレチクルアンロードアー
ム7とレチクルステージ10との間で昇降軸29を介し
てレチクルの受け渡しを行う。昇降軸29上のレチクル
のアライメントマークの位置を撮像系2によって検出
し、この検出結果に基づいてレチクルの回転誤差、及び
位置ずれ量を補正する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、例えば半導体素
子、撮像素子(CCD等)、液晶表示素子、又は薄膜磁
気ヘッド等を製造するためのリソグラフィ工程中で、マ
スクのパターンを感光性の基板上に転写するために使用
される露光装置との間でそのマスクを受け渡すためのマ
スクの受け渡し方法に関する。
【0002】
【従来の技術】半導体素子等を製造する際に、マスクと
してのレチクルのパターンをフォトレジストが塗布され
たウエハ(又はガラスプレート等)の各ショット領域に
転写するための露光装置として、従来はステップ・アン
ド・リピート方式(一括露光型、又はステッパー型)の
投影露光装置が多用されていた。最近は、投影光学系に
対する負担をあまり重くすることなく、高精度に大面積
の回路パターンを転写するために、所謂ステップ・アン
ド・スキャン方式のような走査露光型の投影露光装置も
注目されている。
【0003】これらの投影露光装置において、スループ
ットを高めるためには、ウエハの受け渡しを高速に行う
ことが必要である。また、更にスループットを高めるた
めには、レチクルの受け渡し(交換)、特にレチクルア
ライメントを含むレチクルのローディングを高速に行う
ことも必要である。これに関して、従来の投影露光装置
に備えられている投影光学系内の最もレチクル側のレン
ズの端部(又は鏡筒の端部)とレチクルとの間隔、即ち
レチクル側の作動距離(Working Distance)は十分に長
かったため、レチクル保持部を階層構造として積み重ね
ることができたためレチクルはレチクルステージの最も
上部に搭載することができた。そのため、従来のレチク
ルステージの上部にはレチクルを吸着保持するための複
数の凸部よりなる吸着部が設けられ、レチクルのローデ
ィングを行う際には、レチクルローダ系のロードアーム
でレチクルをそのレチクルステージ上に搬送した後、そ
のロードアームを僅かに降下させて、レチクルをそれら
の吸着部に受け渡してから、そのロードアームをそれら
の吸着部の間から引き抜いていた。
【0004】また、予めそのレチクルローダ系のロード
アームにレチクルを渡す際に、外形基準でそのレチクル
の大まかな位置合わせ(プリアライメント)が実行され
ていた。ところが、レチクルに形成されている原版パタ
ーンはレチクル上のアライメントマークに対する位置関
係が規定されていると共に、一般にレチクルの外形とア
ライメントマークとの位置関係には±1mm程度の誤差
が残存しているため、外形基準でプリアライメントが行
われたレチクルをレチクルステージ上に搭載した状態で
は、レチクルの原版パターンには位置ずれ、及びかなり
大きい回転誤差が生じている場合が多い。
【0005】そこで、従来は例えば特開平6−3024
95号公報に開示されているように、レチクルをレチク
ルステージ上に受け渡した後、まずレチクルアライメン
ト顕微鏡の視野内にそのレチクル上の所定のアライメン
トマークが収まるようにサーチアライメントを実行した
後、そのレチクルアライメント顕微鏡によってそのアラ
イメントマークと対応するウエハステージ上の所定の基
準マークとの位置関係を検出していた。そして、この検
出結果に基づいてウエハステージに対して相対的に、そ
のレチクルの位置及び回転角の調整を行うことによっ
て、レチクルアライメントが行われていた。そのように
回転角の調整を行うために、従来はウエハステージ側に
回転ステージ機構を設けるか、又はレチクルステージ側
に大きな回転角を有する回転機構を設けていた。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】上記の如く従来の投影
露光装置においては、投影光学系のレチクル側の作動距
離が長いこともあって、レチクルはレチクルステージの
上部に載置することができており、レチクルの受け渡し
はその上部のみで行うことができた。これに関して、半
導体集積回路は益々微細化し、最近は最小線幅の目標が
0.18μm程度となっているが、今後は更に投影光学
系の解像度を向上する必要がある。そこで、露光波長は
現在主流であるKrFエキシマレーザ(波長248n
m)からArFエキシマレーザ(波長193nm)、更
にはF2 レーザ(波長157nm)への短波長化が検討
されており、投影光学系の開口数についても、0.6〜
0.8程度に高めることが検討されている。
【0007】しかしながら、投影光学系の解像度の向上
に伴って、投影光学系のレチクル側の作動距離が従来例
に比べて狭くなってきている。そのため、レチクルをレ
チクルステージの上部で受け渡しする構成は採用しにく
くなっている。また、最近は露光工程のスループットの
向上、及びチップ面積の拡大等に対応するために、レチ
クルもいわゆる9インチレチクルのように大型化されつ
つあるが、大型のレチクルを安定に保持するためにはレ
チクルステージの剛性を高める必要がある。特に、ステ
ップ・アンド・スキャン方式のような走査露光型の投影
露光装置では、レチクルステージの加速度、及び走査速
度を高めて露光工程のスループットを高めるためにも、
レチクルステージの剛性を高める必要がある。しかしな
がら、レチクルステージの剛性を高めるためには、ステ
ージの可動部を厚くすることが望ましいため、上記のよ
うに作動距離が短くなる状況下で、剛性を高めたレチク
ルステージの上部でレチクルの受け渡しを行うのは更に
困難になるという不都合があった。
【0008】また、従来はレチクルを外形基準でプリア
ライメントした後にレチクルステージ上に載置していた
ため、レチクルをレチクルステージ上に載置した段階で
大きな回転誤差が残存している場合があり、アライメン
トマークのサーチを行う必要があった。そのため、従来
はレチクルステージ、又はウエハステージ側に回転範囲
の大きい回転機構を設ける必要があり、これによってス
テージの可動部が大型化し、かつ複雑化して、ステージ
の高速化の障害となっていた。
【0009】本発明は斯かる点に鑑み、レチクル等のマ
スクと投影光学系との間の作動距離を長く取りにくい場
合でも、そのマスクを位置決め又は移動するステージ
と、マスクの搬送機構との間でそのマスクの受け渡しを
容易に行うことができるマスクの受け渡し方法を提供す
ることを第1の目的とする。更に本発明は、マスクをス
テージに受け渡した際の位置決め精度を高めることがで
きるマスクの受け渡し方法を提供することを第2の目的
とする。
【0010】また、本発明はそのようなマスクの受け渡
し方法を使用できる露光装置を提供することを第3の目
的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明によるマスクの受
け渡し方法は、マスクステージ上に保持されたマスク
(R1;R)のパターンを基板(W1)上に転写する露
光装置における、そのマスクステージに対するマスクの
受け渡し方法において、そのマスクステージ(33,3
1)のマスクの載置領域(33a)を転写時の位置から
ずらした状態で、そのマスクを降下、又は上昇させてこ
のマスクをそのマスクステージに対して着脱するもので
ある。
【0012】斯かる本発明によれば、例えば投影光学系
が使用されている場合には、一例としてその投影光学系
のマスク側の視野(転写時の位置)から外れた位置に、
マスクを昇降するための部材を配置する。そして、転写
対象のマスクの着脱を行う際には、そのマスクステージ
のマスクの載置領域(33a)を転写時の位置からその
部材の上方にずらした後、そのマスクの搭載時には、そ
の部材を介してマスクの搬送機構側からそのマスクを降
下させると共に、そのマスクの搬出時には、その部材を
介してそのマスクを搬送機構側に上昇させる。この方法
であれば、その投影光学系のマスク側の作動距離が短
く、そのマスクをそのマスクステージの凹部に設置する
必要のある場合でも、容易にそのマスクの受け渡しを行
うことができる。
【0013】この場合、そのマスクステージのその載置
領域(33a)の上方にそのマスク(R;R1)を保持
した状態で、そのマスクの外形基準で、又はそのマスク
上の所定の位置合わせ用マーク(ALE,ARE)に基
づいてそのマスクの位置を検出し、この検出結果に基づ
いてそのマスクとそのマスクステージとの相対的な位置
関係を補正しつつそのマスクを降下させて、そのマスク
をそのマスクステージ上に載置することが望ましい。こ
れによって、そのマスクをそのマスクステージ上に載置
した際の位置決め精度が向上し、マスクステージ等に回
転範囲の大きい回転機構等を設ける必要が無くなる。特
に一般に、マスク内の転写用パターンは、その位置合わ
せ用マークとの位置関係が高精度に規定されているた
め、その位置合わせ用マークの位置に基づいてそのマス
クの位置関係を補正することによって、その転写用パタ
ーン自体の位置決め精度が向上する。
【0014】次に、本発明による露光装置は、マスクス
テージ(31,33)上に保持されたマスク(R1;
R)のパターンを基板(W1)上に転写する露光装置に
おいて、そのマスクステージを所定の走り面に沿って駆
動するマスクステージ駆動系(16,12,30R,3
0L)と、そのマスクを保持してその走り面に交差する
方向にそのマスクを昇降させる受け渡し部材(29)
と、そのマスクステージ駆動系を介してそのマスクステ
ージを転写位置からずらした状態で、その受け渡し部材
を介してそのマスクを降下、又は上昇させてそのマスク
をそのマスクステージに対して着脱する制御系(5,1
5)と、を有するものである。斯かる露光装置によっ
て、本発明によるマスクの受け渡し方法が使用できる。
【0015】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態の一例
につき図面を参照して説明する。本例は、ステップ・ア
ンド・スキャン方式の投影露光装置でマスクとしてのレ
チクルの交換を行う場合に本発明を適用したものであ
る。図1は、本例の投影露光装置を示す概略構成図であ
り、この図1において、露光時には、水銀ランプ又はエ
キシマレーザ光源等の露光光源、この露光光源からの露
光光の光量を制御するND可変フィルタ等の減光器、照
度分布均一化用のオプティカル・インテグレータ、視野
絞り、及びコンデンサレンズ系等からなる照明光学系3
より、レチクルR1上のスリット状(例えば矩形)の照
明領域STに対して露光光ILが照射される。露光光I
Lとしては、i線等の輝線、KrF若しくはArF等の
エキシマレーザ光、F2レーザ(波長157nm)等の他
のレーザ光、又は軟X線等の極端紫外光(EUV光)が
使用可能である。
【0016】そして、露光光ILのもとで、レチクルR
1に形成されているパターンの像が、投影光学系17を
介して投影倍率β(βは1/5,1/4等)で、ウエハ
W1の露光対象のショット領域上のスリット状の露光領
域に投影される。投影光学系17は両側(又はウエハ側
に片側)テレセントリックであり、ウエハW1は例えば
シリコン又はSOI(silicon on insulator)等のウエハ
(wafer)である。ウエハW1の表面にはレジストが塗布
され、照明光学系3内にはレジストに対する露光量を間
接的にモニタする計測系が備えられている。この計測系
の計測結果、及び装置全体の動作を統轄制御するコンピ
ュータよりなる主制御系5の制御情報に基づいて、照明
制御系4は露光光源の出力、又は減光器の減光率等を制
御して露光光ILの照度、ひいてはレジストに対する露
光量を適正化する。なお、露光量はウエハW1の走査速
度及び露光領域の走査方向の幅にも依存している。
【0017】以下、投影光学系17の光軸AXに平行に
Z軸を取り、Z軸に垂直な平面内で図1の紙面に垂直
(非走査方向)にX軸を取り、図1の紙面に平行(走査
方向)にY軸を取って説明する。このとき、レチクルR
1はレチクルステージ10上に真空吸着によって保持さ
れ、レチクルステージ10は、レチクルベース13上に
エアーベアリングを介して浮上するように支持されてい
る。レチクルステージ10は後述のようにリニアモータ
等の駆動機構によりY方向に連続移動する粗動ステージ
と、この粗動ステージに対してX方向、Y方向、及び回
転方向に微動する微動ステージとから構成され、レチク
ルステージ10内のX方向及びY方向の所定の側面には
それぞれ移動鏡が固定され、これらの移動鏡にレチクル
用のレーザ干渉計12より例えば3軸のレーザビームが
照射され、レーザ干渉計12はレチクルステージ10の
X座標、Y座標及び回転角を計測し、この計測値をステ
ージ制御系16及び主制御系5に供給する。ステージ制
御系16は、その計測値及び主制御系5からの制御情報
に基づいて、レチクルステージ10の走査動作及び位置
決め動作を制御する。
【0018】一方、露光中のウエハW1はウエハホルダ
21上に真空吸着によって保持され、このウエハホルダ
21がウエハステージ22上に固定され、ウエハステー
ジ22は、定盤よりなるウエハベース23上にエアーベ
アリングを介して浮上するように、かつリニアモータ方
式等でX方向、Y方向に連続移動できるように支持され
ている。投影光学系17の側面には、不図示の送光系及
び受光系からなり、ウエハW1上の露光領域、及びこれ
に対して走査方向に手前側の先読み領域内の複数の計測
点に検出光を照射して、各計測点で投影光学系17の光
軸方向の位置(フォーカス位置)を検出する多点の斜入
射方式のオートフォーカスセンサ(AFセンサ)が配置
されており、ステージ制御系16は、そのAFセンサの
検出結果に基づいて、露光領域内でウエハW1の表面の
フォーカス位置及び傾斜角が投影光学系17の像面に合
致するように、オートフォーカス方式でウエハステージ
22内の3箇所のZ駆動部(不図示)の動作を制御す
る。
【0019】また、図1において、ウエハステージ22
のX方向、Y方向の側面はそれぞれ移動鏡としての鏡面
に加工され、これらの鏡面にウエハ側のレーザ干渉計1
8より複数軸のレーザビームが照射されている。レーザ
干渉計18はウエハステージ22のX座標、Y座標及び
回転角等を計測し、この計測値をステージ制御系16及
び主制御系5に供給する。ステージ制御系16は、その
計測値及び主制御系5からの制御情報に基づいて、ウエ
ハステージ22のX方向、Y方向への動作を制御する。
ウエハステージ22上には、投影光学系17の投影像の
位置を検出するための空間像計測系35、及び不図示の
アライメント用の基準マークが形成された基準プレート
等も配置されている。
【0020】そして、ウエハW1に対する露光時には、
ウエハW1上の一つのショット領域への露光が終了した
後に、ウエハステージ22をステップ移動することによ
って、ウエハW1上の次のショット領域が投影光学系1
7による露光領域の手前に移動される。その後、レチク
ルステージ10及びウエハステージ22を駆動して、レ
チクルR1とウエハW1とを、投影倍率βを速度比とし
て投影光学系17に対してY方向に同期走査して露光光
ILを照射するという動作が、ステップ・アンド・スキ
ャン方式で繰り返されて、ウエハW1上の各ショット領
域への走査露光が行われる。
【0021】この露光が重ね合わせ露光である場合に
は、予めウエハW1上の各ショット領域とレチクルR1
のパターン像とのアライメントを高精度に行っておく必
要がある。そのため、レチクルR1の上方にはレチクル
アライメント顕微鏡36R,36L(図3(b)参照)
が配置され、投影光学系17の側面部にオフ・アクシス
方式で、画像処理方式のアライメントセンサ19が設置
されている。そして、後述のように、レチクルR1をレ
チクルステージ10上に載置したときには、そのレチク
ルアライメント顕微鏡を用いて、ウエハステージ22上
の所定の基準マークに対してレチクルR1の位置合わせ
(レチクルアライメント)が行われると共に、レチクル
R1のパターンの投影像の中心とアライメントセンサ1
9の検出中心との間隔(ベースライン量)が計測され
る。
【0022】その後、アライメントセンサ19内の撮像
素子からの画像信号をアライメント信号処理系20で処
理することによって、ウエハW1上の所定の複数のウエ
ハマークの位置ずれ量が検出されて主制御系5に供給さ
れる。主制御系5は、それらの位置ずれ量をレーザ干渉
計18で計測されるウエハステージ22の座標に加算し
て、対応するウエハマークの配列座標を算出し、これら
の配列座標よりウエハW1上の各ショット領域の配列座
標を算出する。この算出結果を上記のベースライン量で
補正した座標に基づいてウエハステージ22を駆動する
ことで、レチクルR1の投影像とウエハW1の各ショッ
ト領域とを高精度に重ね合わせることができる。
【0023】さて、上記のアライメント及び露光を実行
する前にウエハの交換が行われ、例えば所定ロットのウ
エハへの露光を行う毎にレチクルの交換が行われる。た
だし、例えば二重露光法等を使用する場合には、1枚の
ウエハへの露光中でもレチクルの交換が行われることが
ある。以下では、本例の投影露光装置のウエハローダ
系、及びレチクルの交換機構の概略につき説明する。
【0024】まず、ウエハステージ22上のウエハホル
ダ21に対するウエハの搬入及び搬出を行うために、投
影光学系17の−Y方向の側面近傍で、ウエハ側のレー
ザ干渉計18と機械的に干渉しない位置にウエハローダ
系が配置されている。即ち、投影光学系17の側面にウ
エハプリアライメント駆動部24が設置され、このウエ
ハプリアライメント駆動部24の底面に回転上下部25
がZ軸に平行に配置され、回転上下部25の下端にウエ
ハロードアーム(ウエハ搬入アーム)28が固定されて
いる。ウエハロードアーム28は、搬入対象のウエハW
を上方から抱えて保持するアームであり、ウエハロード
アーム28は、回転上下部25によって例えば直動スピ
ンドル方式でZ方向に比較的大きく変位できると共に、
回転上下部25を全体として回転することによって、そ
の回転中心を軸としてウエハロードアーム28を時計回
り、及び反時計回りに所定の角度範囲で回転できるよう
に構成されている。
【0025】また、ウエハプリアライメント駆動部24
には、ウエハロードアーム28に保持されたウエハWの
外形の輪郭の位置を検出するための撮像装置26が配置
されている。撮像装置26から出力される複数の画像信
号がウエハプリアライメント駆動部24を介して、コン
ピュータよりなるR/Wローダ系制御系15に供給され
る。R/Wローダ系制御系15では、それらの画像信号
を画像処理してウエハWの外形基準で、ウエハステージ
22に対するウエハWのX方向、Y方向の位置ずれ量及
び回転誤差を計測する。そして、位置ずれ量はウエハス
テージ22の待機位置のオフセットとして主制御系5に
供給され、ウエハステージ22の位置が補正される。更
に、その回転誤差を相殺するように、回転上下部25を
介してウエハロードアーム28が回転しながら降下す
る。これによって、ウエハの外形基準による位置合わせ
(以下、本例では「ウエハのプリアライメント」と呼
ぶ)が行われて、ウエハロードアーム28からウエハス
テージ22上のウエハホルダ21にウエハWが受け渡さ
れる。
【0026】また、ウエハローダ系としては、この外
に、ウエハホルダ21上の露光済みのウエハW1を搬出
するためのウエハアンロードアーム、及びウエハの搬送
ラインからウエハロードアーム28にウエハWを搬送す
るためのウエハ搬送アーム等も備えられている。なお、
ウエハロードアーム28及び撮像装置26は、それぞれ
12インチウエハ用の部材であり、例えば8インチウエ
ハを露光する場合にはそれに合わせた別のウエハロード
アーム及び撮像装置27が使用される。同様に、ウエハ
ホルダ21も12インチウエハ用であり、8インチウエ
ハの露光時には別の小型のウエハホルダが使用される。
なお、例えばウエハホルダ21を複数の大きさのウエハ
に対して共通に使用できるようにしてもよい。
【0027】次に、本例のレチクル交換機構の基本的な
構成及び動作につき図1及び図2を参照して説明する。
説明の便宜上、図1、図2ではレチクルステージ、及び
レチクル交換機構を簡略化している。図1において、レ
チクルR1は、レチクルステージ10の中央部に設けら
れた凹部の底面(以下「載置面」と言う)33a上に載
置されている。即ち、レチクルR1は、レチクルステー
ジ10の上面よりも投影光学系17に近接した低い面で
ある載置面33aに載置されている。これによって、投
影光学系17のレチクル側の作動距離(Working Distan
ce)が短くなっても、レチクルステージ10の剛性を低
下させることなく、例えば9インチレチクル等の大型の
レチクルであっても安定に支持できる。
【0028】また、レチクルR1の転写位置である照明
領域STから走査方向である−Y方向に外れた位置で、
レチクルベース13の底部に回転上下駆動部14が固定
され、回転上下駆動部14によってレチクルの受け渡し
部材としての昇降軸29が支持されている。昇降軸29
は、R/Wローダ系制御系15の制御のもとで回転上下
駆動部14によってレチクルベース13の表面、即ちレ
チクルステージ10の移動面に対して垂直なZ方向に昇
降されると共に、所定範囲内で時計回り、及び反時計回
りに回転駆動される。レチクルR1の露光時には、昇降
軸29はレチクルステージ10の移動面の底部に退避し
ており、レチクルステージ10の移動の障害にならない
ように構成されている。また、回転上下駆動部14は、
走査方向でレチクルステージ10の移動ストローク内に
配置されており、回転上下駆動部14を設けることによ
ってレチクルベース13が大型化することはない。
【0029】更に、昇降軸29の上方でレチクルステー
ジ10の上面よりも高い位置に、不図示の搬送機構によ
ってそれぞれ走査方向に直交するX方向(図1の紙面に
垂直な方向)に移動自在に、フォーク型のレチクルロー
ドアーム(レチクル搬入アーム)6、及びレチクルアン
ロードアーム(レチクル搬出アーム)7が配置されてい
る。レチクルロードアーム6は、レチクルアンロードア
ーム7よりも高い位置にあり、アーム6,7の先端部上
面にはそれぞれ真空吸着を行うための吸着部9,8が形
成されている。これらのアーム6,7の動作もR/Wロ
ーダ系制御系15によって制御されている。図1では、
レチクルロードアーム6の吸着部9上に次に転写対象と
なるレチクルRが保持されている。
【0030】そして、レチクルロードアーム6の上方に
レチクルRの所定のアライメントマークの位置を検出す
るための撮像系2が配置されている。撮像系2は、実際
には2組の撮像系より構成され、撮像系2内の2つの撮
像素子の画像信号が画像処理装置1に供給され、画像処
理装置1は、それらの画像信号を処理することによっ
て、レチクルRの所定のアライメントマークの位置ずれ
量を求めて主制御系5に供給する。その位置ずれ量から
算出されるレチクルRの回転誤差の情報は、主制御系5
からR/Wローダ系制御系15に供給される。
【0031】レチクルの交換時には、レチクルステージ
10が−Y方向のレチクルのローディング位置(交換位
置)に移動して、レチクルR1の中央部が昇降軸29の
上方に移動した後、昇降軸29が上昇して、レチクルス
テージ10から昇降軸29の上部にレチクルR1が受け
渡される。図2は、そのようにレチクルステージ10が
レチクルのローディング位置に移動した状態を示し、こ
の図2において、レチクルRを保持するレチクルロード
アーム6をローディング位置に移動して、昇降軸29上
のレチクルR1の底面にレチクルアンロードアーム7を
差し込んだ後、昇降軸29を降下させることによって、
レチクルアンロードアーム7にレチクルR1が渡され
る。その後、レチクルアンロードアーム7を退避させ
て、昇降軸29を上昇させることによって、レチクルロ
ードアーム6から昇降軸29の上端部にレチクルRが受
け渡される。この状態で、撮像系2からの所定のアライ
メントマークの画像信号を画像処理装置1で処理して、
処理結果を主制御系5で演算処理することによって、レ
チクルRの中心位置のずれ量、及び回転誤差が求めら
れ、この回転誤差はR/Wローダ系制御系15に供給さ
れる。
【0032】主制御系5は、そのレチクルRの中心位置
のずれ量に対応してレチクルステージ10の位置を補正
して、そのローディング位置のオフセットを補正する。
一方、R/Wローダ系制御系15は、その回転誤差を相
殺するように回転上下駆動部14を介して昇降軸29を
回転させながら、その昇降軸29を降下させてレチクル
Rをレチクルステージ10の凹部の載置面33a上に載
置させる。これによって、レチクルRはアライメントマ
ーク基準の位置合わせ(以下「レチクルのプリアライメ
ント」と言う)が行われた状態で、レチクルステージ1
0上にロードされる。
【0033】次に、本例の投影露光装置のレチクルステ
ージの構成、及び動作につき詳細につき説明する。図3
(a)は、露光時における図1の投影露光装置のレチク
ルステージを示す平面図であり、図3(b)は図3
(a)のAA線に沿う断面図である。この図3(a),
(b)において、図1のレチクルステージ10は、矩形
の枠状の粗動ステージ31、及びこの内側に微動自在に
配置された微動ステージ33より構成され、微動ステー
ジ33の上面に形成された矩形の凹部の底面がレチクル
の載置面33aとされ、載置面33aの中央部に露光光
を通過させるための開口部33bが形成されている。ま
た、載置面33a上で開口部33bを囲む斜線を施した
領域(以下「吸着部」という)33cに真空吸着を行う
ための吸着孔が形成され、吸着部33cにレチクルR1
が吸着保持されている。レチクルR1のパターン面(下
面)のパターン領域PTに転写用のパターン(原版パタ
ーン)が形成されており、露光時には投影光学系17の
光軸AXを中心とする照明領域STに対してパターン領
域PTがY方向に走査される。
【0034】また、レチクルベース13の上面にそれぞ
れエアーベアリングを介して非接触状態で移動自在に粗
動ステージ31及び微動ステージ33が載置されてい
る。この場合、後述のようにX軸のレーザ干渉計のレー
ザビームの光路を確保するために、レチクルベース13
の上面の−X方向(非走査方向)の一部に、その他の領
域に比べて低くなった低段差部13cが形成され、この
低段差部13cにエアーベアリングを介して粗動ステー
ジ31の−X方向の辺部31bが載置されている。即
ち、粗動ステージ31は、図4に示すように、枠状の本
体部31aの−X方向の辺部31bが、低段差部13c
上に載置されるように低くなっていると共に、本体部3
1aの−Y方向の辺部に計測用のレーザビームを通過さ
せるための開口部31c,31dが形成されている。
【0035】また、図3(b)に示すように、レチクル
ベース13の底面に投影光学系17に対して凹(上側に
凸)となる凹部13aが形成され、凹部13aに投影光
学系17の最もレチクル側の光学部材を保持する先端部
17aが収納され、凹部13aの中央部に露光光を通過
させるための開口部13bが形成されている。上記のよ
うにレチクルR1は、微動ステージ33の凹部の底面で
ある載置面33aに設置されている。これらの構成によ
って、レチクルベース13及びレチクルステージ10の
剛性を低下させることなく、レチクルR1のパターン面
(下面)と投影光学系17の先端部17aの端面との間
隔、即ちレチクル側の作動距離WDRを十分に短くでき
る。
【0036】更に、図3(a)において、レチクルベー
ス13の上面の+X方向の端部、及び低段差部13cの
−X方向の端部にそれぞれY方向に沿ってリニアモータ
30R及び30Lが配置され、リニアモータ30R及び
30Lによって粗動ステージ31がY方向に駆動され
る。また、微動ステージ33は粗動ステージ31に対し
て、X方向に伸縮する微動アクチュエータ34Xを介し
てX方向に微動できるように連結され、それぞれY方向
に伸縮する2つの微動アクチュエータ34Y,34θを
介してY方向に微動できるように、かつ所定範囲内で回
転自在に連結されている。微動ステージ33は、ウエハ
ステージ22に対する粗動ステージ31の走査露光時の
追従誤差を補正するように微小駆動される。微動アクチ
ュエータ34X,34Y,34θとしては、一例として
対向した状態でそれぞれE型のコアにコイルが巻回され
た2つの電磁コイルを粗動ステージ31側に固定し、そ
の2つの電磁石の間に配置された強磁性体の板(鉄板
等)を微動ステージ33側に固定したEIコア型の非接
触式のアクチュエータが使用できる。
【0037】EIコア型のアクチュエータでは、その2
つの電磁コイルによるその強磁性体の板に対する吸引力
のバランスを制御することによって、微動ステージ33
をその2つの電磁コイルのほぼギャップ分だけ円滑に微
動させることができる。また、EIコア型のアクチュエ
ータは、その強磁性体の板(微動ステージ33)を大き
な保持力で一定の位置に維持することもできる。更に、
微動アクチュエータ34X,34Y,34θには、それ
ぞれ粗動ステージ31に対する微動ステージ33の相対
位置を大まかに検出するための不図示のセンサ(小型の
光学式リニアエンコーダ等)が備えられており、これら
のセンサの検出結果が図1のステージ制御系16に供給
されている。微動アクチュエータ34X,34Y,34
θは、その相対位置の中央付近で粗動ステージ31を駆
動するように使用される。
【0038】なお、微動アクチュエータ34X,34
Y,34θとしては、それ以外に、リニアモータ方式、
ボイスコイルモータ(VCM)方式等の非接触式のアク
チュエータ、又はピエゾ素子等の圧電素子等からなる接
触式のアクチュエータも使用できる。更に、微動ステー
ジ33の−Y方向の側面にX方向に所定間隔でコーナー
キューブ型の移動鏡32L及び32Rが取り付けられ、
微動ステージ33の−X方向の側面にY方向に沿って平
面鏡よりなる移動鏡32Xが取り付けられている。ただ
し、移動鏡32X等を使用する代わりに、微動ステージ
33の側面を鏡面に加工しておき、その鏡面を移動鏡と
して使用してもよい。また、図1のレーザ干渉計12
は、図3(a)におけるX軸の2軸のレーザ干渉計12
X、Y軸のレーザ干渉計12Y、及び回転角計測用のレ
ーザ干渉計12θを代表している。そして、レーザ干渉
計12Xより微動ステージ33の移動鏡32Xに対し
て、Y方向に所定間隔で2本のレーザビームLBX1,
LBX2がX軸にほぼ平行に照射され、レーザ干渉計1
2Xは、移動鏡32Xからの反射光を不図示の参照用の
レーザビームと干渉させることによって、2つの計測点
でのX方向の変位を計測し、これらの平均値を微動ステ
ージ33のX座標として図1のステージ制御系16に供
給する。
【0039】同様に、レーザ干渉計12Y,12θはそ
れぞれ移動鏡32L,32Rに対してY軸にほぼ平行に
レーザビームLBY1,LBY2を照射し、移動鏡32
L,32Rからの反射光を不図示の参照用のレーザビー
ムと干渉させることによって、対応する計測点でのY方
向の変位を計測して図1のステージ制御系16に供給す
る。レーザビームLBY1,LBY2はそれぞれ図4に
示す粗動ステージ31の開口部31c,31dを通過し
ている。ステージ制御系16は、その2つの計測値の平
均値を微動ステージ33のY座標として、その2つの計
測値の差分をレーザビームLBY1,LBY2の既知の
X方向の間隔で除算することによって、微動ステージ3
3の回転角(ヨーイング量)を求める。
【0040】この場合、X軸のレーザビームLBX1,
LBX2の光軸は投影光学系17の光軸AXを通り、Y
軸のレーザビームLBY1,LBY2の光軸もその光軸
AXを通っているため、レーザ干渉計12X,12Y,
12θを介して計測される微動ステージ33のX座標、
Y座標は、微動ステージ33のヨーイング量に起因する
アッベ誤差の無い状態で高精度に計測できる。また、レ
ーザビームLBX1,LBX2及びLBY1,LBY2
の光路の高さは、例えば図3(b)に示すように、レチ
クルR1のパターン面とほぼ同じ高さに設定されてお
り、微動ステージ33のピッチング(X軸回りの回転)
やローリング(Y軸回りの回転)が生じても、X座標、
Y座標の計測値にアッベ誤差が生じることがない。これ
は、図4に示したように、X軸のレーザビームを通過さ
せるために、粗動ステージ31の辺部31bを下方にず
らすと共に、Y軸のレーザビームを通過させるために、
開口部31c,31dを設けたことで可能になったもの
である。
【0041】このように求められる微動ステージ33の
位置情報に基づいて、ステージ制御系16は、リニアモ
ータ30R,30L、及び微動アクチュエータ34X,
34Y,34θの動作を制御する。走査露光時には、ス
テージ制御系16は、図1のウエハステージ22をY方
向に駆動するのと同期して、リニアモータ30R,30
Lを介してレチクルステージの粗動ステージ31をY方
向に一定速度で駆動する。この際に、レーザ干渉計12
X,12Y,12θの計測値、及び図1のウエハステー
ジ側のレーザ干渉計18の計測値に基づいて、ステージ
制御系16は粗動ステージ31のウエハステージ22に
対する追従誤差(同期誤差)を補正するように、微動ア
クチュエータ34X,34Y,34θを介して粗動ステ
ージ31を微小駆動する。これによって、レチクルR1
とウエハW1とは高い追従精度で同期して走査される。
【0042】また、図3(b)に示すように、微動ステ
ージ33に載置されたレチクルR1の上方にミラーM
R,MLが配置され、ミラーMR,MLで光路を折曲げ
た方向にそれぞれレチクルアライメント顕微鏡(以下
「RA顕微鏡」という)36R,36Lが配置されてい
る。図3(a)に示すように、ミラーMR,MLはスリ
ット状の照明領域STのX方向の両端部の上方に配置さ
れている。また、レチクルR1のパターン領域PTをX
方向に挟むように複数対のアライメントマークが形成さ
れており、図3(a)ではその内のアライメントマーク
ARE,ALEが示されている。
【0043】レチクルアライメント時には、レチクルR
1をY方向に駆動することによって例えばアライメント
マークARE,ALEがミラーMR,MLの下方に移動
し、図1のウエハステージ22上の対応する基準マーク
が、それらのマークとほぼ共役な位置に移動する。そし
て、RA顕微鏡36R,36Lは、それぞれ露光光IL
と同じ波長域の照明光でレチクルR1上のアライメント
マークARE,ALE、及び対応する基準マークを照明
する照明系と、そのアライメントマーク、及び基準マー
クからの照明光より両マークの像を形成する結像系と、
両マークの像を撮像する2次元の撮像素子とを備え、そ
の撮像素子の画像信号が図1のアライメント信号処理系
20に供給される。アライメント信号処理系20では、
その画像信号を処理することによって、その基準マーク
に対するアライメントマークARE,ALEの位置ずれ
量を検出し、この位置ずれ量を主制御系5に供給する。
主制御系5は、ステージ制御系16を介して例えば微動
ステージ33を微小駆動することによって、その2つの
位置ずれ量が例えば対称に最も小さくなるようにする。
なお、レチクルアライメントについては、例えば特開平
6−302495号公報により詳細に開示されている。
【0044】次に、本例のレチクルの交換機構の構成、
及び動作につき詳細に説明する。図5(a)は、レチク
ル交換時に図1のレチクルステージ10(粗動ステージ
31及び微動ステージ33)をレチクルのローディング
位置に移動した状態を示す平面図であり、図5(b)は
図5(a)のBB線に沿う断面図である。図5(a)に
示すように、レチクルステージ中の微動ステージ33の
中心(レチクルR1の中心)は投影光学系17の光軸A
Xに対して−Y方向にずれており、図5(b)に示すよ
うに、レチクルベース13の上面で微動ステージ33の
中心を含む所定範囲の凹部33d中に回転上下駆動部1
4が固定され、回転上下駆動部14の上部に昇降自在
に、かつ回転自在に昇降軸29が支持されている。昇降
軸29の上端には、レチクルの受け渡し部材の一部とし
てのX方向に細長いレチクル保持部材39が固定され、
レチクル保持部材39の上面の両端にレチクルを真空吸
着で保持するための吸着孔が形成された吸着部38R,
38Lが形成されている。回転上下駆動部14の動作、
及び吸着部38R,38Lの吸着動作は図1のR/Wロ
ーダ系制御系15によって制御されている。
【0045】レチクルR1に対する露光時には、レチク
ルR1は図5(b)に2点鎖線で示すように、微動ステ
ージ33上の位置Q1に吸着保持されており、レチクル
保持部材39及び吸着部38R,38Lが微動ステージ
33に接触しないように、回転上下駆動部14は、昇降
軸29を降下させてレチクル保持部材39及び吸着部3
8R,38Lを位置Q2まで下げて退避させておく。一
方、レチクルの交換時には、回転上下駆動部14を介し
て昇降軸29を上昇させることによって、レチクル保持
部材39は上昇する。
【0046】また、レチクル保持部材39の中心に対し
て対称な位置に、上方に照明光を発生する照明系37
R,37Lが配置され、照明系37R,37Lにそれぞ
れ対向するように、不図示の支持部材に撮像系2R,2
Lが配置されている。図7(b)は、図5(b)におい
てレチクル保持部材39上に次に使用されるレチクルR
を保持した状態を示す一部を切り欠いた拡大図、図7
(a)は図7(b)のレチクルRを示す一部を切り欠い
た平面図であり、図7(b)に示すように、一方の照明
系37Rは、光源41Rと、この光源1Rからの照明光
をコリメートしてレチクル保持部材39中の開口部39
dを経て被検マークに照射するレンズ系42Rとから構
成されている。また、撮像系2Rは、その被検マークの
周囲を透過した照明光を集光してその被検マークの像を
形成する結像系40Rと、その像を撮像するCCD型等
の2次元の撮像素子IMRとを備えている。同様に、他
方の照明系37Rも、光源41L及びレンズ系42Lを
備えて開口部39cを通して被検マークを照明し、撮像
系2Lも、結像系40L及び撮像素子IMLを備えてい
る。撮像系2R,2L及び照明系37R,37Lより図
1の撮像系2が構成されており、撮像系2R,2L内の
撮像素子IMR,IMLの画像信号が図1の画像処理装
置1に供給されている。画像処理装置1は、その画像信
号より例えば撮像系2R,2Lの観察視野2Ra,2L
aの中心(基準点)に対する被検マークの2次元的な位
置ずれ量を求め、その位置ずれ量を主制御系5に供給す
る。
【0047】また、図7(b)において、レチクル保持
部材39及び昇降軸29の内部にT字型に排気孔43が
形成され、排気孔43の両端部43a,43bが吸着部
38L,38Rに連通している。吸着部38L,38R
は図7(a)に示すように、楕円形の凸部39a,39
bによって囲まれている。また、排気孔43の他端は、
配管44、及び電磁弁47を介して不図示の真空ポンプ
に接続され、電磁弁47の開閉動作によって吸着部38
L,38Rによるレチクルの吸着のオン、オフを制御で
きるように構成されている。また、回転上下駆動部14
は、レチクルベース13に固定されたベアリング部49
と、これに回転自在に連結された昇降ガイド部45と、
昇降ガイド部45の底部に設けられたエアーシリンダ部
48と、昇降ガイド部45に連結された回転軸50と、
この回転軸50を介して昇降ガイド部45及び昇降軸2
9を一体として回転するためのモータを含む回転駆動部
51と、昇降ガイド部45の回転角を検出するためのロ
ータリエンコーダ48とを備えている。
【0048】この場合、昇降軸29は昇降ガイド部45
に対して回転角の遊び、横方向の位置の遊び、及び倒れ
誤差が所定の許容範囲内に収まるように支持されてお
り、エアーシリンダ部48は、配管46及び電磁弁47
を介して不図示の加圧ポンプに接続され、電磁弁47を
介してエアーシリンダ部48内の気体の圧力を制御する
ことで、昇降軸29の高さが所望の高さに設定できる。
また、ロータリエンコーダ48の検出結果に基づいて回
転駆動部51を駆動することで、昇降ガイド部45及び
昇降軸29が所望の角度だけ回転できる。なお、この昇
降の高さ方向の駆動については、リニアモータ等による
方法を用いても良い。
【0049】図5に戻り、微動ステージ33の上面TP
は、粗動ステージ31及びリニアモータ30Rの上面と
ほぼ同じ高さであり、回転上下駆動部14及び昇降軸2
9に対して+X方向で、かつその上面TPよりも高い位
置に、レチクルアンロードアーム7が回転スライド部4
2によって搬送ガイド部40に沿ってX方向に移動自在
に支持されている。そして、レチクルアンロードアーム
7の上方に、回転スライド部41によって搬送ガイド部
40に沿ってX方向に移動自在にレチクルロードアーム
6が支持されている。図10(a)に示すように、アー
ム6,7の先端部はそれぞれ間隔が図5の昇降軸29の
太さよりも広いフォーク型であり、その先端部の4箇所
にそれぞれレチクルを真空吸着するための吸着部9,8
が形成されている。
【0050】ここで、図5〜図7を参照して、微動ステ
ージ33上のレチクルR1を次に使用されるレチクルR
と交換する際の基本的な動作の一例につき説明する。ま
ず、図5において、レチクルロードアーム6上の吸着部
9には次に使用されるレチクルRが吸着保持されてい
る。そして、図1の主制御系5がステージ制御系16を
介してレチクルステージ10(粗動ステージ31及び微
動ステージ33)を図5(a)のローディング位置に移
動させた後に、R/Wローダ系制御系15は微動ステー
ジ33のレチクルR1に対する真空吸着をオフにする。
そして、R/Wローダ系制御系15は図5(b)に示す
ように、レチクル保持部材39の吸着部38R,38L
の真空吸着を開始させると共に、回転上下駆動部14を
駆動して昇降軸29を上昇させてレチクル保持部材39
の吸着部38R,38L上にレチクルR1を受け渡す。
その後、更に昇降軸29を上昇させて、微動ステージ3
3の上面TPよりも高くレチクルアンロードアーム7を
レチクルR1の底面に挿入できる位置でレチクルR1を
静止させる。
【0051】次に、図6(a)に示すように、回転スラ
イド部41を駆動してレチクルロードアーム6上のレチ
クルRをローディング位置に移動させた後、回転スライ
ド部42を駆動してレチクルR1の底面にレチクルアン
ロードアーム7の先端部を挿入する。なお、図6(a)
〜(c)は、図5(b)と同じく図5(a)のBB線に
沿う断面図である。そして、レチクル保持部材39の吸
着部38R,38Lの真空吸着をオフにして、レチクル
アンロードアーム7の吸着部8の真空吸着を開始させた
後、昇降軸29を降下させて、レチクル保持部材39か
らレチクルアンロードアーム7にレチクルR1を受け渡
した後に、図6(b)に示すように、回転スライド部4
2を駆動してレチクルアンロードアーム7をローディン
グ位置から+X方向に退避させる。
【0052】次に、R/Wローダ系制御系15は、レチ
クルロードアーム6の吸着部9によるレチクルRの吸着
をオフにして、レチクル保持部材39の吸着部38R,
38Lの真空吸着を開始させた後、図6(c)に示すよ
うに昇降軸29を上昇させて、レチクルロードアーム6
からレチクル保持部材39にレチクルRを受け渡す。こ
の後、レチクルロードアーム6は回転スライド部41に
よって+X方向に退避する。そのようにレチクル保持部
材39上にレチクルRが受け渡された状態が、図7
(a),(b)に示されており、この状態でレチクルR
のアライメントマークを基準としたプリアライメントが
行われる。
【0053】即ち、図7(a)において、レチクルRの
パターン領域PTを挟むように1対のアライメントマー
クARE,ALEが形成されており、後述のように既に
行われている機械的なプリアライメントによって、アラ
イメントマークARE,ALEはそれぞれ図7(b)に
示す撮像系2R,2Lの視野2Ra,2La内に収まっ
ている。
【0054】図8(a)は、レチクルR上のアライメン
トマークの位置ずれの一例を示し、この図8(a)にお
いて、レチクルRのパターン領域PTの+X方向側に一
定ピッチでアライメントマークARA,ARB,…,A
RIが形成され、パターン領域PTの−X方向側にそれ
らのマークに対向するようにアライメントマークAL
A,ALB,…,ALIが形成されている。これらの複
数対のアライメントマークARA,ALA〜ARI,A
LIは、本来はレチクルアライメントを行う際に使用さ
れるマークであるが、本例ではその内の中央の1対のア
ライメントマークARE,ALEがプリアライメント用
に使用される。
【0055】また、図6を参照して説明したように、レ
チクルRはレチクルロードアーム6から昇降軸29上の
レチクル保持部材39に受け渡されているが、レチクル
Rをレチクルロードアーム6上に受け渡す段階で、レチ
クルRの外形基準で機械的なプリアライメントが行わ
れ、そのプリアライメントによる姿勢を維持した状態で
レチクルRはレチクル保持部材39上に載置される。
【0056】即ち、図8(a)に等価的に示すように、
レチクルRは、2つの位置決めピン52e,52dを備
えた付勢部材62によってレチクルRの直交する2辺を
3個の位置決めピン52a〜52cに付勢することによ
って、外形基準で機械的にプリアライメントが行われて
いる。実際には、このプリアライメントは、レチクルラ
イブラリからレチクルを搬出した直後に行われている。
この場合、一例としてパターン領域PTの中心がレチク
ルRの外形の中心に合致し、パターン領域PTの一辺が
その外形の対応する辺に平行になるようにレチクルRの
パターンの描画が行われているが、描画装置におけるレ
チクルRの位置決め誤差等によって、レチクルRの外形
基準ではパターン領域PTの位置に±1mm程度の誤差
が残存し、更にこれによる角度誤差が残存する場合があ
る。
【0057】これに対して通常は、パターン領域PT内
のパターンの描画時にアライメントマークARA,AL
A〜ARI,ALIも同時に描画されるか、又はそれら
のアライメントマークの位置を基準としてパターン領域
PT内のパターンが描画されるため、アライメントマー
クARE,ALEの位置を検出することによってパター
ン領域PT内のパターンの位置を高精度に検出すること
ができる。そのため、図8(a)において、レチクルR
の外形に対するパターン領域PT内のパターンの位置ず
れが大きいと、図8(b),(c)に拡大して示すよう
に、アライメントマークARE,ALEは撮像系2R,
2Lの視野2Ra,2Laの中心から比較的大きく外れ
るようになる。また、予め撮像系2R,2Lの視野2R
a,2Laの中心(又は基準点)を通る直線63は、図
5(b)に示すRA顕微鏡36R,36Lの視野の中心
(又は基準点)を通る直線に平行に設定されると共に、
視野2Ra,2Laの中心のRA顕微鏡36R,36L
の視野の中心に対するY方向への相対変位ΔYP(X方
向への相対変位はほぼ0)は高精度に計測されて、主制
御系5の記憶部に記憶されている。また、視野2Ra,
2Laの中心は、回転上下駆動部14の回転軸に合致し
ている。
【0058】そこで、主制御系5は、図7の照明系37
R,37LによってアライメントマークARE,ALE
の照明を行い、撮像素子IMR,IML及び画像処理装
置1を介して、アライメントマークARE,ALEの各
視野中心に対するX方向、Y方向への位置ずれ量を検出
する。そして、これらの位置ずれ量を用いて主制御系5
は、図8(a)に示すように、視野2Ra,2Laの中
心を通る直線63に対する2つのアライメントマークA
RE,ALEの中心を通る直線64の傾斜角である回転
誤差δφを求めると共に、視野2Ra,2Laの中心に
対するアライメントマークARE,ALEの中心のX方
向、Y方向への位置ずれ量(δx,δy)を求める。な
お、図8(a)ではδxは0となっている。
【0059】次に、主制御系5は、R/Wローダ系制御
系15にその回転誤差δφの情報を送ると共に、レチク
ルRを降下させるように指令を発する。また、これとほ
ぼ同時に主制御系5は、一例としてその位置ずれ量(δ
x,δy)と同じ量だけ、ステージ制御系16を介して
レチクルステージ10の粗動ステージ31(微動ステー
ジ33も一体に)の位置、又は微動ステージ33のみの
位置を補正する。そして、R/Wローダ系制御系15
は、図6(c)の状態からその回転誤差δφを相殺する
ように(即ち−δφだけ)、回転上下駆動部14を介し
て昇降軸29及びレチクル保持部材39を回転させなが
ら、昇降軸29を降下させる。この際には、そのレチク
ルRの底面よりレチクルロードアーム6が完全に退避し
ている。そして、レチクル保持部材39の吸着部38
R,38LによるレチクルRの吸着をオフにしてから、
昇降軸29及びレチクル保持部材39を図5(b)の位
置Q2まで降下させる。これによって、レチクルRはそ
の回転角δφ、及び位置ずれ量(δx,δy)が補正さ
れた状態で、微動ステージ33の載置面33a上の目標
とする位置に正確に載置されて、その載置面33aの吸
着部33c(図3(a)参照)でレチクルRの吸着が開
始される。
【0060】次に、レチクルRのアライメントを行うた
めに、主制御系5は、視野2Ra,2Laの中心のRA
顕微鏡36R,36Lの視野の中心に対するY方向への
相対ΔYPをその位置ずれ量(δx,δy)で補正する
ことによって、X方向及びY方向への相対変位(−δ
x,ΔYP−δy)を求め、この相対変位分だけ粗動ス
テージ31(微動ステージ33も一体的に)を駆動す
る。この際に本例のレチクルRは、アライメントマーク
ARE,ALEを基準としてプリアライメントが行われ
ているため、図9(a)に示すように、レチクルR上の
アライメントマークARE,ALEの中心はそれぞれ図
3(b)のRA顕微鏡36R,36Lの視野36Ra,
36Laの中心付近に位置決めされる。なお、図9
(b),(c)はそれぞれ図9(a)の視野36La,
36Raの拡大図である。
【0061】このように本例では、レチクルRのローデ
ィング位置から上記の補正後の相対変位分だけレチクル
ステージ10(レチクルR)を移動することによって、
レチクルRのアライメントマークARE,ALEの中心
がそれぞれRA顕微鏡36R,36Lの視野の中心付近
に移動するため、アライメントマークをサーチする工程
であるサーチアライメントを実行する必要が無い。即
ち、図9(a)の状態から、図1のウエハステージ22
を駆動して視野36La,36Ra内にウエハステージ
22上の対応する基準マークを移動することによって、
既に説明したようにレチクルアライメントを行うことが
できる。また、図9において、他のアライメントマーク
ARA,ALA〜ARI,ALI(ARE,ALEを除
く)の計測を行う場合には、アライメントマークAR
A,ALA〜ARI,ALI同士の既知の位置関係に基
づいてレチクルステージ10を駆動することによって、
計測対象のアライメントマークをそれぞれ視野36L
a,36Ra内に確実に収めることができるため、サー
チアライメントを省略することができる。従って、レチ
クルアライメントを含めたレチクルの交換時間が従来よ
りも短縮されて、露光工程のスループットが向上する利
点がある。
【0062】また、上記の実施の形態では、レチクルR
の回転誤差を昇降軸29(レチクル保持部材39)の回
転によって補正しているため、レチクルステージ10
(粗動ステージ31、及び微動ステージ33)側には大
きな回転範囲を有する回転機構を設ける必要がなく、レ
チクルステージ10の構成を簡素化できる。なお、本例
の微動ステージ33は図5(a)の微動アクチュエータ
34Y,34θによって回転することも可能であるが、
この回転機構は実質的に微動ステージ33の並進機構を
回転機構としても兼用しているものである。レチクルア
ライメント時に残存する回転誤差、及び同期走査時の回
転誤差は僅かであるため、その微動アクチュエータ34
Y,34θによる回転によって十分に対応することがで
きる。
【0063】なお、上記の実施の形態では、レチクルR
の位置ずれ量に応じて微動ステージ33の位置(ローデ
ィング位置)を補正したが、例えばその位置ずれ量が小
さい場合には、微動ステージ33のローディング位置の
補正を行わないようにしてもよい。この場合にも、レチ
クルRを微動ステージ33上に載置した後、上記のよう
に撮像系2R,2Lの視野の中心からRA顕微鏡36
R,36Lの視野の中心までの相対変位を、その位置ず
れ量分をオフセットとして補正した量だけレチクルステ
ージ10を駆動することによって、アライメントマーク
をRA顕微鏡36R,36Lの視野内に収めることがで
きる。
【0064】また、上記の実施の形態では、図8の回転
誤差δφは昇降軸29を回転することによって補正して
いるが、例えばその回転誤差δφが小さいような場合に
は、例えばレチクルRの載置前に微動ステージ33をδ
φだけ回転しておき、レチクルRを載置した後に微動ス
テージ33を逆方向に−δφだけ回転することによっ
て、その回転誤差を補正するようにしてもよい。
【0065】次に、上記の実施の形態の投影露光装置に
おいて、転写対象のレチクルをレチクルライブラリから
搬送する場合の全体の動作の一例につき説明する。ま
ず、図10(a)は、本例のレチクルローダ系のレチク
ルライブラリ61付近の構成を示す平面図、図10
(b)は図10(a)の正面図であり、この図10にお
いて、不図示の支持部材に支持された搬送ガイド部40
に沿ってX方向に移動自在に回転スライド部41及び4
2が配置され、回転スライド部41及び42にそれぞれ
90°回転自在にレチクルロードアーム6及びレチクル
アンロードアーム7が装着されている。搬送ガイド部4
0の−X方向側の端部が、図5に示すようにレチクルス
テージの側面に達している。
【0066】また、搬送ガイド部40の+X方向の端部
近傍に多数のレチクルを収納するレチクルライブラリ6
1が設置され、搬送ガイド部40とレチクルライブラリ
61との間にコラム53が設置されている。そして、こ
のコラム53に沿ってZ方向に昇降自在に昇降台54が
配置され、昇降台54上に第1回転アーム55が回転自
在に連結され、第1回転アーム55上に第2回転アーム
56が回転自在に連結され、第2回転アーム56上に先
端部にレチクルを真空吸着するための吸着部60が形成
された第3回転アーム56が回転自在に連結されてい
る。回転アーム55〜57によって、レチクルを2次元
的に移動できるロボットアームが構成され、昇降台54
とそのロボットアームとを組み合わせることによって、
レチクルライブラリ61中の任意の位置のレチクルをア
ーム6,7に対して受け渡すことができる。
【0067】また、回転スライド部41によってレチク
ルロードアーム6を−Y方向に90°回転した位置の上
方のガイド部58の底面に、機械的なプリアライメント
を行うためのプリアライメント部52がX方向に移動自
在に配置され、プリアライメント部52の底面に3本の
位置決めピン52a〜52cが設けられ、これらの位置
決めピン52a〜52c側にレチクルを付勢するための
2つの位置決めピン52d,52eを備えた移動自在の
付勢部材62も設けられている。不図示であるが、レチ
クルを底面側から支持するための昇降自在の支持部材も
配置されている。位置決めピン52a〜52cと付勢部
材62との位置関係を90°回転した位置関係が、図8
(a)の位置決めピン52a〜52cと可動部材62と
の位置関係に等しくなっている。また、図10(b)で
は、説明の便宜上、位置決めピン52a〜52cの下端
がレチクルロードアーム6よりも低くなっているが、実
際には位置決めピン52a〜52cの下端はレチクルロ
ードアーム6の吸着部9よりも高い位置にある。
【0068】以上のように、レチクルライブラリ61と
投影露光装置との間でレチクルの搬送を行うための機構
が本例のレチクルローダ系であり、このレチクルローダ
系を用いてレチクルライブラリ61から図5に示すレチ
クルステージまでレチクルを搬送する際の動作の一例に
つき図11のフローチャートを参照して説明する。以下
の動作は、主制御系5によるレチクル交換の指令に基づ
いて、R/Wローダ系制御系15によって制御されてい
る。
【0069】まず、図11のステップ101において、
図10の昇降台54の高さを使用するレチクル(レチク
ルRとする)の高さに合わせた後、回転アーム55〜5
7よりなるロボットアームを介してレチクルライブラリ
61よりレチクルRを取り出す。この際に、プリアライ
メントベース52はガイド部58に沿ってレチクルロー
ドアーム6にレチクルを受け渡すことができる位置に移
動している。次のステップ102において、そのロボッ
トアームによってレチクルRをプリアライメント部52
(機械的なプリアライメント機構の一部)の底面まで搬
送し、不図示の支持部材を上昇させて、この上にレチク
ルRを横ずれできる状態で載置する。
【0070】そして、ステップ103において、図10
(a)に示すように、付勢部材62によってレチクルR
を位置決めピン52a〜52c側に付勢することによっ
て、レチクルRの外形基準でのプリアライメントを行
う。次のステップ104において、レチクルロードアー
ム6を回転スライド部41によって90°回転させて、
プリアライメント部52の底面に移動し、レチクルロー
ドアーム6の吸着部9の真空吸着を開始してから、不図
示の支持部材を降下させて、その支持部材からレチクル
ロードアーム6の吸着部9上にレチクルRを受け渡す。
【0071】なお、回転スライド部42によってレチク
ルアンロードアーム7を90°回転することによって、
プリアライメント部52からはレチクルアンロードアー
ム7に対しても直接レチクルの受け渡しを行うことがで
きる。また、レチクルを比較的高頻度で交換する多重露
光(例えば二重露光)等を行う際には、使用したレチク
ルをレチクルライブラリ61に戻すと交換時間が長くな
る恐れがある。このような場合には、プリアライメント
部52をガイド部58に沿ってアーム6,7に対応する
位置に交互に移動すると共に、露光中にはそのプリアラ
イメント部52にレチクルを一時的に保管するようにし
てもよい。このように機械的なプリアライメント機構を
レチクルの保管機構としても使用することによって、小
数のレチクルを交換して使用する場合のレチクルの交換
時間を短縮することができる。
【0072】次に、ステップ104以降は、レチクルス
テージ10(微動ステージ33)を図5(a)に示すレ
チクルのローディング位置に移動し(ステップ10
5)、レチクルロードアーム6を図6(a)に示すロー
ディング位置に移動し(ステップ106)、レチクルロ
ードアーム6から昇降軸29上のレチクル保持部材39
にレチクルRを受け渡す(ステップ107)。その後、
図8及び図9を参照して説明したように、レチクルR上
の2つのアライメントマークの位置を検出して、回転誤
差δφ、及び位置ずれ量(δx,δy)を計測し(ステ
ップ108)、回転誤差δφを相殺するようにレチクル
保持部材39を回転しながら、昇降軸29(レチクル
R)を降下させる(ステップ109)。次に、その位置
ずれ量(δx,δy)に応じてレチクルステージ10を
X方向、Y方向にシフトさせてから、レチクルRをレチ
クル保持部材39から微動ステージ33に受け渡し(ス
テップ110)、レチクルステージ10を移動してレチ
クルRの所定のアライメントマークをRA顕微鏡36
R,36Lの視野内に移動し(ステップ111)、RA
顕微鏡36R,36Lを介してレチクルのアライメント
を行うことになる(ステップ112)。
【0073】本例のレチクルローダ系、及びレチクル交
換機構を使用すると、レチクルロードアーム6を介して
レチクルステージ10に搬送されるレチクルは機械的な
プリアライメントが実行されているため、レチクルを昇
降軸29上のレチクル保持部材39に受け渡した段階
で、レチクル上のアライメントマークは撮像系2R,2
Lの視野内に確実に収まっている。その後、アライメン
トマーク基準でプリアライメントを行うことによって、
レチクルステージ10上ではレチクルのサーチアライメ
ントを省くことが可能となった。
【0074】また、図3、図6に示すように、レチクル
ローダ系のレチクルロードアーム6によるレチクルのロ
ーディング位置は、レチクルステージ10の微動ステー
ジ33内のレチクルの載置面33aよりも高いため、昇
降軸29を昇降させるという簡単な動作でレチクルをレ
チクルロードアーム6から微動ステージ33上に容易に
受け渡すことができる。
【0075】なお、上記の実施の形態では、例えば図6
のレチクル保持部材39(昇降軸29)を回転すること
によってレチクルの回転誤差を補正しているが、その代
わりにレチクルロードアーム6に例えば僅かなシフト及
び回転を行う機構を備え、このレチクルロードアーム6
上で撮像系2R,2Lを介してレチクルの回転誤差、及
び位置ずれ量を計測してもよい。この場合、レチクルロ
ードアーム6の回転によってレチクルの回転誤差を補正
すると共に、レチクルロードアーム6のシフトによって
その位置ずれ量を補正した後、レチクルロードアーム6
からレチクル保持部材39にレチクルを受け渡すことに
よって、回転上下駆動部14及び昇降軸29には回転機
構を設ける必要がなくなり、レチクルステージ機構が簡
素化される。
【0076】また、上記の実施の形態ではレチクルステ
ージ10は、粗動ステージ31と微動ステージ33とに
分かれているが、一体型の構成であっても上記のような
レチクル交換機構を設けることによって本発明が適用で
きることは言うまでも無い。また、上記の実施の形態で
は、微動ステージ33上のレチクルの載置面33a(吸
着面)は、微動ステージ33の走り面(レチクルベース
13の上面)よりも上に位置しているが、例えば微動ス
テージ33及び粗動ステージ31を底面側に凸の構造と
してその両端の走り面をレチクルの載置面33aよりも
上にした構造、又はレチクルステージ10を吊り下げ構
造とした場合でも、本発明の適用によってレチクルの交
換を高速に、かつ高い位置決め精度で行うことができ
る。
【0077】また、上記の実施の形態では、投影光学系
17として、屈折系よりなる縮小投影光学系が使用され
ているが、例えば露光光としてArFエキシマレーザ光
(波長193nm)等を使用して、投影光学系17とし
て反射屈折系を使用する場合にも本発明を適用すること
ができる。更に、露光光として、将来的に軟X線のよう
な極端紫外光(EUV光)を使用して走査型露光装置を
構成する場合には、極端紫外光は真空中で使用されるた
め、上記の実施の形態における真空吸着によるレチクル
の保持方法の代わりに、平行度を厳しく設定した3点支
持方式や、静電吸着による保持方法を適用することが望
ましい。
【0078】また、上記の実施の形態は、本発明をステ
ップ・アンド・スキャン方式の投影露光装置に適用した
ものであるが、本発明はステッパーのような一括露光型
の露光装置や、プロキシミティ方式の露光装置のレチク
ルステージにも適用することができる。また、上記の実
施の形態では、レチクルステージ10の剛性を高めるこ
とができるため、9インチレチクル、6インチレチク
ル、又はそれ以外の任意の形状のレチクルの使用が可能
である。更に、今後転写用パターンの大面積化に対応し
て9インチレチクルが主流になると考えられるが、9イ
ンチレチクルの使用開始の初期段階では、9インチレチ
クル、及び現在主流の6インチレチクルの併用が行われ
ると予想される。そのため、露光装置としては、レチク
ルステージには例えば9インチレチクル用の吸着部を備
えた載置面の他に、より低い位置に6インチレチクル用
の吸着部を備えた載置面を形成しておき、使用するレチ
クルによって載置面の高さや吸着部の切り換えを行うよ
うにしてもよい。これによって、簡単な構成で9インチ
レチクルと6インチレチクルとの何れにも対応できる兼
用型露光装置が提供できるという利点がある。
【0079】更に、上記の実施の形態では、プリアライ
メント用のセンサとして撮像素子を備えた撮像系2が使
用されているが、例えばビームスキャン方式、又はステ
ージスキャン方式のアライメント光学系を使用しても同
様の効果が期待できる。また、撮像系2では照明系37
R,37Lを用いて透過照明を行っているが、落射照明
でもよい。落射照明では、レチクル保持部材39側の構
成を簡素化できる利点もある。このように、本発明は上
述の実施の形態に限定されず、本発明の要旨を逸脱しな
い範囲で種々の構成を取り得る。
【0080】
【発明の効果】本発明のマスクの受け渡し方法によれ
ば、マスクステージのマスクの載置面を低く設定して、
その載置面との間でマスクを昇降させることによってマ
スクの受け渡しを行っているため、マスクと投影光学系
との間の作動距離を長く取りにくい場合でも、そのマス
クステージと、マスクの搬送機構との間でそのマスクの
受け渡しを容易に行うことができる利点がある。
【0081】また、マスクの外形基準、又はマスク上の
所定の位置合わせ用マークに基づいてそのマスクの位置
を検出し、この検出結果に基づいてそのマスクとマスク
ステージとの位置関係を補正しつつそのマスクをそのマ
スクステージ上に載置する場合には、マスクをマスクス
テージに受け渡した際の位置決め精度を高めることがで
きる。
【0082】また、本発明の露光装置によれば、本発明
のマスクの受け渡し方法を使用できる。この場合、その
露光装置が、ステップ・アンド・スキャン方式のような
走査露光型であり、受け渡し部材が、マスクの転写位置
に対して走査露光時の走査方向側にずれた位置で昇降自
在に配置されているときには、その受け渡し部材はその
マスクステージの移動面の底面に配置すればよいため、
マスクステージの機構部が大型化することはないと共
に、マスクステージに新たな駆動機構を設ける必要も無
い利点がある。
【0083】更に、その受け渡し部材に保持されたマス
クの外形の複数の位置、又はこのマスク上の所定の位置
合わせ用マークの位置を検出する位置検出系と、その受
け渡し部材を回転する回転駆動機構と、を設け、その検
出結果に基づいて例えば回転誤差を補正しながらそのマ
スクをそのマスクステージに載置することで、マスクの
位置決め精度が向上する。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施の形態の一例で使用される露光
動作中の投影露光装置の概略構成を示す一部を切り欠い
た構成図である。
【図2】 その実施の形態の一例で使用されるレチクル
交換中の投影露光装置を示す一部を切り欠いた構成図で
ある。
【図3】 (a)は図1の投影露光装置のレチクルステ
ージを示す平面図、(b)は図3(a)のAA線に沿う
断面図である。
【図4】 図3中の粗動ステージ31を示す斜視図であ
る。
【図5】 (a)は図2の投影露光装置のレチクルステ
ージを示す平面図、(b)は図5(a)のBB線に沿う
断面図である。
【図6】 レチクルステージから使用済みのレチクルを
搬出して次に使用されるレチクルを搬入する動作の説明
に供する図5(a)のBB線に沿う断面図である。
【図7】 (a)はレチクル保持部材39上にレチクル
Rを載置してプリアライメントを行う状態を示す一部を
切り欠いた平面図、(b)はその状態の一部を切り欠い
た正面図である。
【図8】 アライメントマーク基準でレチクルのプリア
ライメントを行う場合のアライメントマークの位置ずれ
の一例を示す図である。
【図9】 アライメントマーク基準でプリアライメント
が行われた後のレチクルのアライメントマークの配置の
一例を示す図である。
【図10】 (a)はその実施の形態の一例で使用され
るレチクルローダ系及びレチクルライブラリを示す一部
の部材を点線で示した平面図、(b)は図10(a)の
正面図である。
【図11】 その実施の形態の一例でレチクルライブラ
リから投影露光装置のレチクルステージまでレチクルを
搬送する場合の全体の動作の一例を示すフローチャート
である。
【符号の説明】
2 撮像系、3 照明光学系、5 主制御系、6 レチ
クルロードアーム、7レチクルアンロードアーム、R,
R1 レチクル、10 レチクルステージ、12,18
レーザ干渉計、13 レチクルベース、14 回転上
下駆動部、15 R/Wローダ系制御系、16 ステー
ジ制御系、17 投影光学系、W,W1 ウエハ、22
ウエハステージ、29 昇降軸、30R,30L リ
ニアモータ、31 粗動ステージ、33 微動ステー
ジ、33a 載置面、34X,34Y,34θ 微動ア
クチュエータ、37R,37L 照明系、39 レチク
ル保持部材、38R,38L 吸着部、41,42 回
転スライド部、40 搬送ガイド部、52 プリアライ
メントベース、61 レチクルライブラリ

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 マスクステージ上に保持されたマスクの
    パターンを基板上に転写する露光装置における、前記マ
    スクステージに対するマスクの受け渡し方法において、 前記マスクステージのマスクの載置領域を転写時の位置
    からずらした状態で、前記マスクを降下、又は上昇させ
    て該マスクを前記マスクステージに対して着脱すること
    を特徴とするマスクの受け渡し方法。
  2. 【請求項2】 前記マスクステージの前記載置領域の上
    方に前記マスクを保持した状態で、前記マスクの外形基
    準で、又は前記マスク上の所定の位置合わせ用マークに
    基づいて前記マスクの位置を検出し、 該検出結果に基づいて前記マスクと前記マスクステージ
    との相対的な位置関係を補正しつつ前記マスクを降下さ
    せて、前記マスクを前記マスクステージ上に載置するこ
    とを特徴とする請求項1記載のマスクの受け渡し方法。
  3. 【請求項3】 転写対象のマスクを前記露光装置に搬送
    するマスク搬送系のマスクの受け渡し位置に対して、前
    記マスクステージ上の前記載置領域の上方のマスクの受
    け渡し位置は低い位置にあることを特徴とする請求項1
    記載のマスクの受け渡し方法。
  4. 【請求項4】 マスクステージ上に保持されたマスクの
    パターンを基板上に転写する露光装置において、 前記マスクステージを所定の走り面に沿って駆動するマ
    スクステージ駆動系と、 前記マスクを保持して前記走り面に交差する方向に前記
    マスクを昇降させる受け渡し部材と、 前記マスクステージ駆動系を介して前記マスクステージ
    を転写位置からずらした状態で、前記受け渡し部材を介
    して前記マスクを降下、又は上昇させて前記マスクを前
    記マスクステージに対して着脱する制御系と、を有する
    ことを特徴とする露光装置。
  5. 【請求項5】 前記露光装置は、前記マスクと前記基板
    とを同期移動して前記マスクのパターンを前記基板上に
    転写する走査露光型であり、 前記受け渡し部材は、前記マスクの転写位置に対して走
    査露光時の走査方向側にずれた位置で昇降自在に配置さ
    れていることを特徴とする請求項4記載の露光装置。
  6. 【請求項6】 前記受け渡し部材に保持された前記マス
    クの外形の複数の位置、又は該マスク上の所定の位置合
    わせ用マークの位置を検出する位置検出系と、 前記受け渡し部材を回転する回転駆動機構と、 を設け、前記制御系は、前記位置検出系の検出結果に基
    づいて前記マスクステージ駆動系、及び前記回転駆動機
    構を介して前記マスクと前記マスクステージとの相対的
    な位置関係を補正することを特徴とする請求項4、又は
    5記載の露光装置。
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