JPWO2002094954A1 - 金属コロイド高濃度溶液の製造方法 - Google Patents

金属コロイド高濃度溶液の製造方法 Download PDF

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Abstract

分散安定性を確保するために多量の高分子顔料分散剤を用いた場合にも、金属濃度が高い金属コロイド高濃度溶液が得ることができる製造方法を提供する。金属コロイド粒子及び高分子顔料分散剤を含む溶液から前記高分子顔料分散剤の一部を除去することを特徴とする金属コロイド高濃度溶液の製造方法である。

Description

技術分野
本発明は、金属コロイド高濃度溶液の製造方法、並びに、その製造方法により得られる金属コロイド高濃度溶液及び上記金属コロイド高濃度溶液により得られる皮膜に関する。
背景技術
数10nmの金属粒子が溶液中に均一に分散した状態の、いわゆる金属コロイド溶液は、その特徴を活かして種々の分野で利用されてきている。特開平11−080647号公報には、貴金属のコロイド粒子及び高分子顔料分散剤を含む貴金属コロイド粒子及びその製造方法とともに、これを着色剤として塗料等に利用できることが開示されている。また、特開2000−239853号公報には、先の貴金属コロイド粒子を金属光沢を有する薄膜の製造に用いることが開示されている。ここで、優れた外観を呈する金属調の膜を得る点から、金属の含有率は高いことが望ましい。
一方、導電性皮膜は、コンデンサやチップ抵抗器の電極材料やセラミック基板上の導体回路等として、各種の電子機器、電子部品、電子回路等に用いられる。このような導電性皮膜は、通常、金属粒子を含有する導電性ペーストを塗布して製造される。この場合でも、高い導電性を得る点から、金属の含有率は高いことが望ましい。
しかし、上記高分子顔料分散剤を含む貴金属コロイド粒子の製造において、金属濃度を高めようとして、高分子顔料分散剤の使用量を減らすと、還元時の分散安定性が確保できないおそれがある。
発明の要約
本発明は、分散安定性を確保するために多量の高分子含量分散剤を用いた場合にも、金属濃度が高い金属コロイド高濃度溶液が得ることができる製造方法を提供することを目的とする。
本発明は、金属コロイド粒子及び高分子顔料分散剤を含む溶液から前記高分子顔料分散剤の一部を除去することを特徴とする金属コロイド高濃度溶液の製造方法である。上記高分子顔料分散剤の一部の除去は、遠心分離によるものであることが好ましく、上記遠心分離は、1000G以上で行うことがより好ましい。また、上記高分子顔料分散剤の一部の除去は、限外濾過によるものであることが好ましく、上記限外濾過は、分画分子量が3000〜80000である濾過膜を用いるものであることがより好ましい。
上記金属コロイド粒子及び高分子顔料分散剤を含む溶液は、高分子顔料分散剤存在下で金属化合物を還元することにより得られるものであることが好ましい。上記金属コロイド粒子及び高分子顔料分散剤を含む溶液の固形分中の金属濃度が85質量%以下であり、金属コロイド高濃度溶液の固形分中の金属濃度が90質量部以上であることが好ましい。
上記金属コロイド高濃度溶液と上記金属コロイド粒子及び高分子顔料分散剤を含む溶液との固形分中の金属濃度の差が10質量%以上であることが好ましい。
本発明は、また、上記製造方法により得られることを特徴とする金属コロイド高濃度溶液である。
本発明は、更に、上記金属コロイド高濃度溶液を用いて得られることを特徴とする皮膜である。
発明の詳細な開示
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明の金属コロイド高濃度溶液の製造方法は、金属コロイド粒子及び高分子顔料分散剤を含む溶液から上記高分子顔料分散剤の一部を除去することにより、固形分中の金属濃度を高めるものである。
上記金属コロイド粒子及び高分子顔料分散剤を含む溶液は、高分子顔料分散剤存在下で金属化合物を還元することにより得られる。
上記金属化合物は、溶媒に溶解することにより金属イオンを生じ、上記金属イオンが還元されて金属コロイド粒子を供給するものである。上記金属コロイド粒子となる金属としては特に限定されないが、優れた導電性皮膜や金属調皮膜を得る点から、貴金属又は銅が好ましい。上記貴金属としては特に限定されず、例えば、金、銀、ルテニウム、ロジウム、パラジウム、オスミウム、イリジウム、白金等を挙げることができる。なかでも、金、銀、白金、パラジウムが好ましい。
上記金属化合物としては上述の金属を含むものであれば特に限定されず、例えば、テトラクロロ金(III)酸四水和物(塩化金酸)、硝酸銀、酢酸銀、過塩素酸銀(IV)、ヘキサクロロ白金(IV)酸六水和物(塩化白金酸)、塩化白金酸カリウム、塩化銅(II)二水和物、酢酸銅(II)一水和物、硫酸銅(II)、塩化パラジウム(II)二水和物、三塩化ロジウム(III)三水和物等を挙げることができる。これらは、1種又は2種以上を使用することができる。
上記金属化合物は、溶媒中の金属モル濃度が0.01mol/l以上となるように用いられることが好ましい。0.01mol/l未満であると、得られる金属コロイド溶液の金属モル濃度が低すぎて、効率的でない。好ましくは0.05mol/l以上、より好ましくは0.1mol/l以上である。
上記溶媒としては上記金属化合物を溶解することができるものであれば特に限定されず、例えば、水、有機溶媒等を挙げることができる。上記有機溶媒等としては特に限定されず、例えば、エタノール、エチレングリコール等の炭素数1〜4のアルコール;アセトン等のケトン類;酢酸エチル等のエステル類等が挙げられる。上記溶媒としては1種又は2種以上を用いることができる。上記溶媒が水と有機溶媒との混合物である場合には、上記有機溶媒としては、水可溶性のものが好ましく、例えば、アセトン、メタノール、エタノール、エチレングリコール等が挙げられる。本発明においては、後工程で行う限外濾過等の高分子顔料分散剤の一部を除去する方法に適する点から、水、アルコール並びに水及びアルコールの混合溶液が好ましい。
上記高分子顔料分散剤は、高分子量の重合体に顔料表面に対する親和性の高い官能基が導入されているとともに、溶媒和部分を含む構造を有する両親媒性の共重合体であり、通常は顔料ペーストの製造時に顔料分散剤として使用されているものである。
上記高分子顔料分散剤は、上記金属コロイド粒子と共存しており、上記金属コロイド粒子が溶媒中で分散するのを安定化する働きをしていると考えられる。
上記高分子顔料分散剤の数平均分子量は、1000〜100万であることが好ましい。1000未満であると、分散安定性が充分ではないことがあり、100万を超えると、粘度が高すぎて取り扱いが困難となる場合がある。より好ましくは、2000〜50万であり、更に好ましくは、4000〜50万である。
上記高分子顔料分散剤としては上述の性質を有するものであれば特に限定されず、例えば、特開平11−80647号公報に例示したものを挙げることができる。
上記高分子顔料分散剤としては、種々のものが利用できるが、市販されているものを使用することもできる。上記市販品としては、例えば、ソルスパース20000、ソルスパース24000、ソルスパース26000、ソルスパース27000、ソルスパース28000、ソルスパース41090(以上、アビシア社製)、ディスパービック160、ディスパービック161、ディスパービック162、ディスパービック163、ディスパービック166、ディスパービック170、ディスパービック180、ディスパービック181、ディスパービック182、ディスパービック−183、ディスパービック184、ディスパービック190、ディスパービック191、ディスパービック192、ディスパービック−2000、ディスパービック−2001(以上、ビックケミー社製)、ポリマー100、ポリマー120、ポリマー150、ポリマー400、ポリマー401、ポリマー402、ポリマー403、ポリマー450、ポリマー451、ポリマー452、ポリマー453、EFKA−46、EFKA−47、EFKA−48、EFKA−49、EFKA−1501、EFKA−1502、EFKA−4540、EFKA−4550(以上、EFKAケミカル社製)、フローレンDOPA−158、フローレンDOPA−22、フローレンDOPA−17、フローレンG−700、フローレンTG−720W、フローレン−730W、フローレン−740W、フローレン−745W、(以上、共栄社化学社製)、アジスパーPA111、アジスパーPB711、アジスパーPB811、アジスパーPB821、アジスパーPW911(以上、味の素社製)、ジョンクリル678、ジョンクリル679、ジョンクリル62(以上、ジョンソンポリマー社製)等を挙げることができる。これらは単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
上記高分子顔料分散剤の使用量は、上記金属化合物中の金属と高分子顔料分散剤との合計量に対して15質量%以上であることが好ましい。15質量%未満であると、還元時の分散安定性が低下するおそれがあるとともに、金属濃度を高める意味合いが薄れる。上限は特に規定されないが、例えば、上記金属化合物中の金属の質量に対して10倍の量以下とすることができる。
上記金属化合物は、上述の高分子顔料分散剤存在下で、還元性化合物を用いて金属へ還元することができる。上記還元性化合物としては、アミンが好ましく、上記金属化合物及び高分子顔料分散剤の溶液にアミンを添加して攪拌、混合することによって、金属イオンが常温付近で金属に還元される。上記アミンを使用することにより、危険性や有害性の高い還元剤を使用する必要がなく、加熱や特別な光照射装置を使用することなしに、5〜100℃程度、好ましくは20〜80℃程度の反応温度で、金属化合物を還元することができる。
上記アミンとしては特に限定されず、例えば、特開平11−80647号公報に例示されているものを使用することができ、プロピルアミン、ブチルアミン、ヘキシルアミン、ジエチルアミン、ジプロピルアミン、ジメチルエチルアミン、ジエチルメチルアミン、トリエチルアミン、エチレンジアミン、N,N,N′,N′−テトラメチルエチレンジアミン、1,3−ジアミノプロパン、N,N,N′,N′−テトラメチル−1,3−ジアミノプロパン、トリエチレンテトラミン、テトラエチレンペンタミン等の脂肪族アミン;ピペリジン、N−メチルピペリジン、ピペラジン、N,N′−ジメチルピペラジン、ピロリジン、N−メチルピロリジン、モルホリン等の脂環式アミン;アニリン、N−メチルアニリン、N,N−ジメチルアニリン、トルイジン、アニシジン、フェネチジン等の芳香族アミン;ベンジルアミン、N−メチルベンジルアミン、N,N−ジメチルベンジルアミン、フェネチルアミン、キシリレンジアミン、N,N,N′,N′−テトラメチルキシリレンジアミン等のアラルキルアミン等を挙げることができる。また、上記アミンとして、例えば、メチルアミノエタノール、ジメチルアミノエタノール、トリエタノールアミン、エタノールアミン、ジエタノールアミン、メチルジエタノールアミン、プロパノールアミン、2−(3−アミノプロピルアミノ)エタノール、ブタノールアミン、ヘキサノールアミン、ジメチルアミノプロパノール等のアルカノールアミンも挙げることができる。これらのうち、アルカノールアミンが好ましく、ジメチルエタノールアミンがより好ましい。
上記アミンの他に、従来より還元剤として使用されている水素化ホウ素ナトリウム等のアルカリ金属水素化ホウ素塩;ヒドラジン化合物;クエン酸;酒石酸;アスコルビン酸;ギ酸;ホルムアルデヒド;亜ニチオン酸塩、スルホキシル酸塩誘導体等を使用することができる。入手容易なことから、クエン酸;酒石酸;アスコルビン酸が好ましい。これらは、単独又は上記アミンと組み合わせて使用することが可能であるが、アミンとクエン酸、酒石酸、アスコルビン酸を組み合わせる場合、クエン酸、酒石酸、アスコルビン酸はそれぞれ塩の形のものを用いることが好ましい。また、クエン酸やスルホキシル酸塩誘導体は、鉄(II)イオンと併用することによって、還元性の向上を図ることができる。
上記還元性化合物の添加量は、上記金属化合物中の金属を還元するのに必要な量以上であることが好ましい。この量未満であると、還元が不充分となるおそれがある。また、上限は特に規定されないが、上記金属化合物中の金属を還元するのに必要な量の30倍以下であることが好ましく、10倍以下であることがより好ましい。
また、これらの還元性化合物の添加により化学的に還元する方法以外に、高圧水銀灯を用いて光照射する方法も使用することも可能である。
上記還元性化合物を添加する方法としては特に限定されず、例えば、上記高分子顔料分散剤の添加後に行うことができ、この場合は、例えば、まず溶媒に上記高分子顔料分散剤を溶解させ、更に、上記還元性化合物又は金属化合物の何れかを溶解させて得られる溶液に、還元性化合物又は金属化合物の残った方を加えることで、還元を進行させることができる。上記還元性化合物を添加する方法としては、また、先に高分子顔料分散剤と上記還元性化合物とを混合しておき、この混合物を金属化合物の溶液に加える形態をとってもよい。
上記還元により、平均粒子径が約5nm〜100nmである金属コロイド粒子を含む溶液が得られる。
上記還元後の溶液は、上記金属コロイド粒子及び上述の高分子顔料分散剤を含むものであり、コロイド溶液となる。上記コロイド溶液とは、金属の微粒子が溶媒中に分散しており、溶液として視認できるような状態にあるものを意味している。
上記還元後の溶液は、上記金属コロイド粒子及び上記高分子顔料分散剤のほかに、金属コロイド溶液の原料に由来する塩化物イオン等の雑イオン、還元で生じた塩や、場合によりアミンを含むものであり、これらの雑イオン、塩やアミンは、得られる金属コロイド溶液の安定性に悪影響を及ぼすおそれがあるので、除去しておくことが望ましい。これらの成分の除去には、電気透析、遠心分離、限外濾過の方法が用いられるが、後述するように、遠心分離及び限外濾過の方法を用いた場合、同時に金属濃度が高められるので好ましい。
本発明の金属コロイド高濃度溶液の製造方法では、次に上記高分子顔料分散剤の一部を除去することにより、金属濃度を高める。ここで上記高分子顔料分散剤の一部を除去する対象となる金属コロイド溶液は、その金属コロイド粒子及び高分子顔料分散剤からなる固形分が質量基準で0.05〜50%であることが好ましい。0.05%未満であると、金属モル濃度が低すぎて非効率的であり、50%を超えると高分子顔料分散剤の一部を除去するのが困難な場合がある。また、上記固形分中の金属濃度が85質量%以下であることが好ましい。
上記高分子顔料分散剤の一部を除去する方法としては、遠心分離と限外濾過とが挙げられる。
上記遠心分離を行うことによって、金属コロイド粒子は沈殿するが、上記不要な雑イオン、塩やアミン及び上記高分子顔料分散剤は上澄み液中に溶解しているため、上澄み液を除くことにより、これらの成分を除去することができる。このようにして残った金属コロイド粒子は、溶剤を加えて洗浄し、さらに遠心分離を繰り返して行うことにより、除去効果を高めることができる。
上記遠心分離は1000G以上で行うものであることが好ましい。1000G未満では、上記高分子顔料分散剤の一部を除去することが困難になるおそれがある。遠心分離の条件は金属コロイドの粒径で異なり、例えば、粒径が数nmのオーダーの粒子を沈降させるには、いわゆる超遠心分離条件で行う必要がある。標準的な条件としては、3000Gで5〜60分、好ましくは15〜45分を挙げることができる。
上記遠心分離は、上述の重力加速度、時間及び/又は操作回数の条件を適宜変えることにより、上記金属コロイド粒子を粒径に基づき分画することができる。上記分画により、種々の用途に適する粒径を有する金属コロイド粒子高濃度溶液とすることができ、また、上記金属コロイド粒子の粒径をある程度揃えることができる。
上記遠心分離によって得られる金属コロイド高濃度溶液は濃縮されており、通常、ペースト状の形態となる。その濃度は質量基準で一般的に固形分80%以上であることが好ましい。上限は特に規定されないが、取り扱いの容易さを考慮すると、90%以下である。
上述の高分子顔料分散剤の一部を除去する方法として、限外濾過を用いてもよい。上記限外濾過(Ultrafiltration:UF)は、精密濾過(Microfiltration:MF)に用いられる濾過膜よりも更にふるいの目が小さいものである。限外濾過は、通常、高分子量物質やコロイド物質の分離を目的として用いられるものであるが、本発明においては、金属コロイド溶液の固形分中の金属濃度を高めるために用いる。
上記限外濾過は、通常、分離対象となる物質の径が1nm〜5μmである。上記径を対象とすることにより、上記不要な雑イオン、塩やアミンとともに、上記高分子顔料分散剤を除去し、金属コロイド溶液の固形分中の金属濃度を高めることができる。1nm未満であると、不要な成分が濾過膜を通過せず排除できないことがあり、5μmを超えると、上記金属コロイド粒子の多くが濾過膜を通過し、求める金属コロイド高濃度溶液が得られない場合がある。
上記限外濾過の濾過膜としては特に限定されないが、通常、例えば、ポリアクリロニトリル、塩化ビニル/アクリロニトリル共重合体、ポリサルフォン、ポリイミド、ポリアミド等の樹脂製のものが用いられる。これらのうち、ポリアクリロニトリル、ポリサルフォンが好ましく、ポリアクリロニトリルがより好ましい。上記限外濾過の濾過膜は、また、上記限外濾過終了後に通常行われる濾過膜の洗浄を効率よく行う点から、逆洗浄が可能な濾過膜を用いることが好ましい。
上記限外濾過の濾過膜としては、分画分子量が3000〜80000のものが好ましい。3000未満であると、不要な高分子顔料分散剤等が充分に除去されにくく、80000を超えると、上記金属コロイド粒子が濾過膜を通過しやすくなるため、目的とする金属コロイド溶液が得られない場合がある。より好ましくは、10000〜60000である。上記分画分子量は、一般的に、高分子溶液を限外濾過膜に通す場合に限外濾過膜の孔内を通過して外に排除される高分子の分子量を指し、濾過膜の孔径を評価するために用いられる。上記分画分子量が大きな値を示す程、濾過膜の孔径は大きい。
上記限外濾過の濾過モジュールの形態としては特に限定されず、例えば、濾過膜の形態によって中空紙型モジュール(キャピラリーモジュールとも呼ばれる)、スパイラルモジュール、チューブラーモジュール、プレート型モジュール等が挙げられ、何れも本発明に好適に用いられる。これらのうち、膜面積が大きいほど濾過に要する時間を短縮することができるので、濾過面積の割にコンパクトな形態を有する中空紙型モジュールが、効率の点から好ましい。また、処理を行う金属コロイド溶液の量が多い場合には、使用する限界濾過膜本数が多いものを使うことが好ましい。
上記限外濾過の方法としては特に限定されず、例えば、従来公知の方法等が用いられ、通常、上述の反応により得られた金属コロイド粒子及び高分子顔料分散剤を含む溶液を限外濾過膜に通すことにより行われ、これにより、上述の雑イオン、塩、アミンや高分子顔料分散剤を含む濾液が排除される。上記限外濾過は、通常、濾液の上記雑イオンが所望の濃度以下に除去されるまで繰り返し行う。その際、処理する金属コロイド溶液の濃度を一定にするために排除された濾液の量と同じ量の溶剤を加えることが好ましい。このときに加える溶剤として、還元時に用いていたものと異なる種類のものを用いることで、金属コロイド溶液の溶剤を置換することが可能である。
上記限外濾過は、通常の操作、例えば、いわゆるバッチ方式で行うことができる。このバッチ方式は、限外濾過が進んだ分、処理対象である金属コロイド溶液を加えていく方法である。なお、上記限外濾過は、上記雑イオンが所望の濃度以下に除去された後で、固形分濃度を高めるために更に行うことが可能である。
このように遠心分離及び限外濾過によって得られる金属コロイド高濃度溶液は、処理前の金属コロイド粒子及び高分子顔料分散剤を含む溶液における固形分中の金属濃度の値により具体的な値は異なるが、処理前に比べて、固形分中の金属濃度が増加している。好ましくは、処理前の金属コロイド粒子及び高分子顔料分散剤を含む溶液の固形分中の金属濃度が85質量%以下であり、処理した得られる金属コロイド高濃度溶液の固形分中の金属濃度が90質量%以上である。また、好ましくは、処理前後での金属濃度の差が10質量%以上である。
また、上記遠心分離によって得られた金属コロイド高濃度溶液の固形分濃度は、上記限外濾過によって得られたものに比べて高いが、溶剤を加えて最終的には、固形分が1〜50質量%に調整されることが好ましい。ここでも、加える溶剤として、還元時に用いていたものと異なる種類のものを用いることで、金属コロイド溶液の溶剤を置換することが可能である。
このようにして得られる金属コロイド高濃度溶液は、固形分中の金属濃度が高いため、高い導電性、金属光沢、着色性、熱伝導性等の金属の有する性質を充分に発揮させることができる。上記金属コロイド溶液は、また、上述の高分子顔料分散剤が低濃度にまで除去されているので、基材上に塗布して、金属性皮膜を形成するのに好適である。上記基材への塗布の方法としては特に限定されず、例えば、従来公知の方法によることができる。
上記金属性皮膜としては、導電性を有するものや金属光沢を有するものを挙げることができる。
上記金属コロイド溶液は、また、着色材として光学材料等の樹脂成形物や塗料組成物等に用いてもよく、抗菌材、触媒、化粧品、電磁波シールド等に用いてもよい。
発明を実施するための最良の形態
以下に実施例を挙げて本発明を更に詳しく説明するが、本発明はこれら実施例のみに限定されるものではない。「%」は質量%である。
実施例1
2lコルベンにディスパービック191(ビックケミー社製)6.2g、及び、エタノール280.2gを入れた。このコルベンをウォーターバスに入れ、ディスパービック191が溶解するまで50℃で攪拌した。ここに、エタノール280.2gに溶解させた塩化金酸30.0gを攪拌しながら加えて50℃で10分間攪拌した。次に、ジメチルアミノエタノール32.4gを加えたところ、液が一瞬で黒変し、液温が63℃まで上昇した。そのまま放置して液温が50℃まで下がったところで、この温度を保ちながら2時間攪拌を続け、黒っぽい紫色を呈する金コロイドのエタノール溶液が得られた。
次に、限外濾過モジュールAHP1010(旭化成社製;分画分子量50000、使用膜本数400本)、マグネットポンプ、及び、下部にチューブ接続口のある3lのステンレスカップをシリコンチューブでつなぎ、限外濾過装置とした。先の金コロイドのエタノール溶液をステンレスカップに入れ、さらに2lのエタノールを加えてから、ポンプを稼動させて限外濾過を行った。約40分後にモジュールからの濾液が2lになった時点で、ステンレスカップに2lのエタノールを加えた。その後、濾液の伝導度が30μS/cm以下になったことを確認し、母液の量が500mlになるまで濃縮を行った。
続いて、500mlステンレスカップ、限外濾過モジュールAHP0013(旭化成社製;分画分子量50000、使用膜本数100本)、チューブポンプ、及び、アスピレーターからなる限外濾過装置を組んだ。このステンレスカップに先に得られた母液を入れ、固形分濃度を高めるための濃縮を行った。母液が約100mlになった時点でポンプを停止して、濃縮を終了することにより、固形分30%の金コロイドのエタノール溶液を得た。電子顕微鏡観察から得られた、この溶液中の金コロイド粒子の平均粒子径は、22nmであった。また、TG−DTA(セイコーインストゥルメント製)を用いて、金コロイド粒子と高分子顔料分散剤とからなる固形分中の金の含有率を計測したところ、仕込みの70質量%に対して、90質量%であった。
この金コロイドのエタノール溶液3gを10cm角のガラス板の中央に落とし、スピンコーターで1stステップ400rpmを5秒、2ndステップ600rpmを30秒の条件で回転塗布すると、黒っぽい金色の膜が得られた。続いて、この板をオーブンに入れ、150℃で10分間乾燥して溶媒を除去した後、250℃で50分間焼成することにより、膜厚0.7μmの金属光沢を有する金属性皮膜が得られた。この金属性皮膜の表面抵抗率をロレスタFP(三菱化学社製)を用いて測定したところ、0.08Ω/□であった。
実施例2
1回目の限外濾過モジュールをAHP1010からACP1010(旭化成社製;分画分子量13000、使用膜本数400本)に代えたこと、及び、1回目の限外濾過で加えたエタノールの代わりに同量のイオン交換水を用いたこと以外は、実施例1と同様に処理を行い、固形分30%の金コロイドの水溶液を得た。この溶液中の金コロイド粒子の平均粒子径は、21nmであった。また、TG−DTA(セイコーインストゥルメント製)を用いて、固形分中の金の含有率を計測したところ、仕込みの70質量%に対して90質量%であった。
実施例3
500mlコルベンにEFKA4550(EFKAケミカル社製)4.9g、エタノール112.1g、及び、ジメチルアミノエタノール13.0gを入れた。このコルベンをウォーターバスに入れ、EFKA4550が溶解するまで50℃で約10分間攪拌した。撹拌を継続しながら、ここにエタノール112.1gに溶解させた塩化金酸12.0gを加えたところ、液が一瞬で黒変し、液温が58℃まで上昇した。そのまま放置して液温が50℃まで下がったところで、この温度を保ちながら2時間攪拌を続け、黒っぽい紫色を呈する金コロイドのエタノール溶液が得られた。
続いて、500mlステンレスカップ、限外濾過モジュールAHP0013(旭化成社製;分画分子量50000、使用膜本数100本)、チューブポンプ、及び、アスピレーターからなる限外濾過装置を組んだ。このステンレスカップに先に得られた金コロイドのエタノール溶液を入れて限外濾過を行った。約30分後にモジュールからの濾液が300mlになった時点で、ステンレスカップに300mlのエタノールを加えた。濾液の伝導度が30μS/cm以下になったことを確認してから、母液を50mlになるまで濃縮し、固形分25%の金コロイドのエタノール溶液を得た。この溶液中の金コロイド粒子の平均粒子径は、24nmであった。また、TG−DTA(セイコーインストゥルメント製)を用いて、金コロイド粒子と高分子顔料分散剤とからなる固形分中の金の含有率を計測したところ、仕込みの70質量%に対して、90質量%であった。
実施例4
500mlコルベンにディスパービック184(ビックケミー社製)を4.6g、イオン交換水を112.1g、及び、ジメチルアミノエタノール13.0gを入れて室温で約10分間攪拌した。撹拌を継続しながら、ここにイオン交換水を112.1gに溶解させた塩化金酸12.0gを加えたところ、液が一瞬で黒変し、液温が20℃から28℃まで上昇した。そのまま2時間攪拌を続け、黒っぽい紫色を呈するの金コロイド水溶液が得られた。
続いて、500mlステンレスカップ、限外ろ過モジュールAHP0013(旭化成社製;分画分子量50000、使用膜本数100本)、チューブポンプ、及び、アスピレーターからなる限外濾過装置を組んだ。このステンレスカップに先に得られた金コロイドの水溶液を入れて限外濾過を行った。約30分後にモジュールからの濾液が300mlになった時点で、ステンレスカップに300mlのイオン交換水を加えた。濾液の伝導度が300μS/cm以下になったことを確認してから、母液を50mlになるまで濃縮し、固形分25%の金コロイドのエタノール溶液を得た。この溶液中の金コロイド粒子の平均粒子径は、25nmであった。また、TG−DTA(セイコーインストゥルメント製)を用いて、金コロイド粒子と高分子顔料分散剤とからなる固形分中の金の含有率を計測したところ、仕込みの70質量%に対して、90質量%であった。
実施例5
2lコルベンにディスパービック190(ビックケミー社製)14.0g、1mol/l硝酸294.3g、及び、イオン交換水294.3gを入れた。このコルベンをウォーターバスに入れ、ディスパービック190が溶解するまで50℃で攪拌した。ここに、イオン交換水を883.0gに溶解させた硝酸銀50.0gを攪拌しながら加えて、70℃で10分間攪拌した。次に、ジメチルアミノエタノール131.0gを加えたところ、液が一瞬で黒変し、液温が76℃まで上昇した。そのまま放置して液温が70℃まで下がったところで、この温度を保ちながら2時間攪拌を続け、黒っぽい黄色を呈する銀コロイドの水溶液が得られた。この反応液を1lのポリ瓶に移し換え、60℃の恒温室で18時間静置した。次に、限外ろ過モジュールAHP1010(旭化成社製;分画分子量50000、使用膜本数400本)、マグネットポンプ、下部にチューブ接続口のある3lのステンレスカップをシリコンチューブでつないで、限外ろ過装置とした。先の60℃の恒温室で18時間静置した反応液をステンレスカップに入れて、さらに2lのイオン交換水を加えてから、ポンプを稼動させて限外濾過を行った。約40分後にモジュールからの濾液が2lになった時点で、ステンレスカップに2lのイオン交換水を加えた。その後、濾液の伝導度がが300μS/cm以下になったことを確認し、母液の量が500mlになるまで濃縮を行った。
続いて母液を入れた500mlステンレスカップ、限外ろ過モジュールAHP0013(旭化成社製;分画分子量50000、使用膜本数100本)、チューブポンプ、及び、アスピレーターをからなる限外濾過装置を組んだ。このステンレスカップに先に得られた母液を入れ、固形分濃度を高めるための濃縮を行った。母液が約100mlになった時点でポンプを停止して、濃縮を終了することにより、固形分30%の銀コロイドの水溶液が得られた。この溶液中の金コロイド粒子の平均粒子径は、27nmであった。また、TG−DTA(セイコーインストゥルメント製〕を用いて、固形分中の銀の含有率を計測したところ、仕込みの85質量%に対して、90質量%であった。
実施例6
1回目の限外濾過モジュールをAHP1010からACP1010(旭化成社製;分画分子量13000、使用膜本数400本)に代えたこと、及び、1回目の限外濾過で加えたイオン交換水の代わりに同量のエタノールを用いたこと以外は、実施例5と同様に処理を行い、固形分30%の銀コロイドの水溶液を得た。この溶液中の銀コロイド粒子の平均粒子径は、27nmであった。また、TG−DTA(セイコーインストゥルメント製)を用いて、固形分中の銀の含有率を計測したところ、仕込みの85質量%に対して90質量%であった。
この銀コロイドの水溶液3gを10cm角のガラス板の中央に落とし、スピンコーターで1stステップ400rpmを5秒、2ndステップ600rpmを30秒の条件で回転塗布すると、青みがかった銀色の膜が得られた。続いて、この板をオーブンに入れ、150℃で10分間乾燥して溶媒を除去した後、250℃で50分間焼成することにより、膜厚0.5μmの金属光沢を有する金属性皮膜が得られた。この金属性皮膜の表面抵抗率をロレスタFP(三菱化学社製)を用いて測定したところ、0.05Ω/□であった。
実施例7
500mlコルベンにディスパービック192(ビックケミー社製)1.6g、1mol/l硝酸82.4g、及び、イオン交換水82.4gを順番に入れる。このコルベンをウォーターバスに入れ、ディスパービック192が溶解するまで50℃で攪拌した。ここにイオン交換水を247.25gに溶解させた硝酸銀14.0gを攪拌しながら加えて、70℃で10分間攪拌した。次に、ジメチルアミノエタノール36.7gを加えたところ、この時、液が一瞬で黒変し、液温が74℃まで上昇した。そのまま放置して液温が70℃まで下がったところで、この温度を保ちながら2時間攪拌を続け、黒っぽい黄色を呈する銀コロイドの水溶液が得られた。
この反応液を入れた容器を60℃の恒温室で18時間静置した後、限外ろ過モジュールAHP0013(旭化成社製;分画分子量50000、使用膜本数100本)、チューブポンプ、及び、アスピレーターとともに限外ろ過装置を組んで、限外濾過を行った。約30分後にモジュールからの濾液が300mlになった時点で、コルベンに300mlのイオン交換水を加えた。濾液の伝導度が300μS/cm以下になったことを確認してから、母液を50mlになるまで濃縮し、固形分25%の銀コロイドの水溶液を得た。この溶液中の銀コロイド粒子の平均粒子径は30nmであった。また、TG−DTA(セイコーインストゥルメント製)を用いて、固形分中の銀の含有率を計測したところ、仕込みの85質量%に対して、90質量%であった。
実施例8
硝酸で酸性にした0.1mol/lの硝酸銀水溶液100mlをビーカーに取り、ディスパービック190(ビックケミー社製)を5g加えて溶解させた。ここにトリエタノールアミン5mlを加え、濃厚で鮮やかな黄色を呈する銀コロイドの水溶液を得た。この溶液を遠心分離器により、3000Gで30分間の条件で遠心分離を行って銀コロイド粒子を沈降させた。上澄みを取り出した後、水を適量加え、先ほどと同じ条件での遠心分離を3度繰り返すことにより洗浄を行い、固形分85%の銀コロイドペーストを得た。
このペーストをイソプロパノールで希釈し、固形分20%に希釈した溶液について、TG−DTA(セイコーインストゥルメント製)を用いて、固形分中の銀の含有率を計測したところ、仕込みの46質量%に対して、98質量%であった。
限外濾過又は遠心分離を用いた実施例1〜8では、仕込量と比較して高濃度の金属コロイド粒子を含有する金属コロイド溶液が得られた。また、実施例1及び6では、得られた金属コロイド高濃度溶液は、高い導電性を有する皮膜の形成に好適に使用することができた。
実施例9
実施例1において、ディスパービック191(ビックケミー社製)6.2gを21.5gに増量したこと以外は同様にして、固形分30%の金コロイドのエタノール溶液を得た。TG−DTA(セイコーインストゥルメント製)を用いて、金コロイド粒子と高分子顔料分散剤とからなる固形分中の金の含有率を計測したところ、仕込みの40質量%に対して、70質量%であった。
実施例10
1回目の限外濾過モジュールをAHP1010からACP1010(旭化成社製;分画分子量13000、使用膜本数400本)に代えたこと、及び、1回目の限外濾過で加えたエタノールの代わりに同量のイオン交換水を用いたこと以外は、実施例1と同様に処理を行い、固形分30%の金コロイドの水溶液を得た。この溶液中の金コロイド粒子の平均粒子径は、21nmであった。また、TG−DTA(セイコーインストゥルメント製)を用いて、固形分中の金の含有率を計測したところ、仕込みの40質量%に対して55質量%であった。
産業上の利用可能性
本発明の製造方法によれば、分散安定性を確保するために多量の高分子顔料分散剤を用いた場合にも、金属濃度が高い金属コロイド高濃度溶液が得ることができる。得られる金属コロイド高濃度溶液は、導電性や金属光沢を有する金属性皮膜に好適に用いられる。

Claims (10)

  1. 金属コロイド粒子及び高分子顔料分散剤を含む溶液から前記高分子顔料分散剤の一部を除去することを特徴とする金属コロイド高濃度溶液の製造方法。
  2. 高分子顔料分散剤の一部の除去は、遠心分離によるものである請求の範囲第1項記載の金属コロイド高濃度溶液の製造方法。
  3. 遠心分離は、1000G以上で行うものである請求の範囲第2項記載の金属コロイド高濃度溶液の製造方法。
  4. 高分子顔料分散剤の一部の除去は、限外濾過によるものである請求の範囲第1項記載の金属コロイド高濃度溶液の製造方法。
  5. 限外濾過は、分画分子量が3000〜80000である濾過膜を用いるものである請求の範囲第4項記載の金属コロイド高濃度溶液の製造方法。
  6. 金属コロイド粒子及び高分子顔料分散剤を含む溶液は、高分子顔料分散剤存在下で金属化合物を還元することにより得られるものである請求の範囲第1、2、3、4又は5項記載の金属コロイド高濃度溶液の製造方法。
  7. 金属コロイド粒子及び高分子顔料分散剤を含む溶液の固形分中の金属濃度が85質量%以下であり、金属コロイド高濃度溶液の固形分中の金属濃度が90質量部以上である請求の範囲第1、2、3、4、5又は6項記載の金属コロイド高濃度溶液の製造方法。
  8. 金属コロイド高濃度溶液と金属コロイド粒子及び高分子顔料分散剤を含む溶液との固形分中の金属濃度の差が10質量%以上である請求の範囲第1、2、3、4、5、6又は7項記載の金属コロイド高濃度溶液の製造方法。
  9. 請求の範囲第1、2、3、4、5、6、7又は8項記載の金属コロイド高濃度溶液の製造方法により得られることを特徴とする金属コロイド高濃度溶液。
  10. 請求の範囲第9項記載の金属コロイド高濃度溶液を用いて得られることを特徴とする皮膜。
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