JPWO2002090450A1 - 含フッ素塗料組成物、etfe塗料用プライマー及び塗装物 - Google Patents

含フッ素塗料組成物、etfe塗料用プライマー及び塗装物 Download PDF

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Abstract

本願の第一及び第二の発明の含フッ素塗料組成物は、1コート法により2コート法に匹敵する厚さでフッ素樹脂を主として含有する層を形成することができ、かつ、表面の層を任意に形成することができる塗料組成物を提供することを目的とするものである。第一の発明は、平均粒子径が0.1〜30μmである溶融性フッ素樹脂と高分子材料を35:65〜95:5で配合して得られる含フッ素塗料組成物であり、第二の発明は、平均粒子径が1〜30μmである溶融性フッ素樹脂と、溶融性フッ素樹脂の融解開始温度以下において液状又は溶媒に溶解している高分子材料との容量比を35:65〜95:5に配合して得られる含フッ素塗料組成物でである。第三の本発明は、安定した密着性を有し、加工性に優れるETFE塗料用プライマーを提供することを目的とした、平均粒子径が0.1〜30μmのETFE、耐熱性樹脂、分散媒及び上記耐熱性樹脂の溶解溶媒を含有するETFE塗料用プライマーであり、ETFEと上記耐熱性樹脂との固形分比を質量基準で40:60〜90:10で配合したものである。

Description

技術分野
本発明は、含フッ素塗料組成物に関し、詳しくは、高分子材料層と従来よりも厚いフッ素樹脂層とを、その塗膜中における上下を問わず、1コートで形成することができる含フッ素塗料組成物、及び、ETFE塗料用プライマーに関する。
背景技術
フッ素樹脂は、耐熱性、耐食性、非粘着性、潤滑性等に優れた特性を有することから、種々の用途に用いられる。フッ素樹脂を用いる方法としては、例えば、塗料に含有させて、OA機器用ロール、OA機器用ベルト等のフッ素樹脂の適用が望まれる基材に塗布して塗布膜を得、必要に応じて乾燥した後、焼成することにより、フッ素樹脂を含有する塗膜を形成する方法等がある。
例えば、エチレン/テトラフルオロエチレン共重合体(ETFE)は、耐食性、耐熱性等の特性に優れることから、成形材料、塗料等に用いられており、塗料としては粉体塗料が多く用いられる。このようなETFE塗料は、予め下塗りとして被塗装物に塗布しておくプライマーを一般的に必要とせず、使用上の簡便さをも有することから、汎用されている。
ETFE塗料は、このような簡便さを有する反面、被塗装物に対する密着性が劣るという問題があった。例えば、ETFE塗料は、比較的厚膜となるように塗装すると、塗膜にクラック(割れ)が生じるので、厚膜化に限界があった。また、ETFE塗料は、塗布後はある程度の密着性を有している場合であっても、熱水や高温等の過酷条件下にあっては、密着性が低下し、塗膜にクラックを生じたり、被塗装物から塗膜が剥離することがあり、塗装物が置かれる環境によって安定した密着性が得られず、ばらつきを生じるという問題があった。
ETFE塗料は、また、ステンレス鋼等のクロム含有金属からなる被塗装物に施工される場合があるが、クロム含有金属はETFEの分解を促進するので、このような被塗装物への施工に問題があった。
これらの問題を解消するため、ETFE塗料用のプライマーの開発が望まれるようになってきた。ETFE塗料用プライマーとしては、ポリフェニレンサルファイド(PPS)とポリアミドイミド樹脂とからなるPPS系プライマーが知られている。しかしながら、PPS系プライマーは、PPSを溶解させる溶媒がなく、固体であるので、被塗装物上に満遍なく、しかも均一に塗布することが困難である結果、被塗装物との間に空隙を生じて剥離しやすく、上述の密着性や加工性の問題を充分に解決するものではなかった。
ETFE以外のフッ素樹脂を含有する塗膜は、被塗装物として用いる基材の性質等によっては、基材との密着性を高めること等を目的として、バインダー樹脂を含有するプライマーを予め基材に塗装し、次いでフッ素樹脂を含有する塗料を塗装する2コート法が従来行われていた。
この2コート法では、フッ素樹脂を含有する塗料を塗装する前に、基材にプライマーを塗布し、乾燥、加熱等によりプライマー皮膜を形成させる工程が必要となることから、工程の簡略化や省エネルギー化が可能な塗装方法の開発も望まれていた。
工程の簡略化や省エネルギー化等を目的とした方法として、フッ素樹脂とバインダー樹脂とを1つの塗料に含有させ、この塗料を1回塗装するものである1コート法がある。この方法は、従来の2コート法により得られていたプライマー皮膜とフッ素樹脂を含有する塗膜を1つの塗料を塗装することによって形成させようというものである。
1コート法により得られる塗膜は、基材側に主としてバインダー樹脂が配置し、基材から遠い塗膜表面側に主としてフッ素樹脂が配置するように形成されており、両樹脂は塗膜の基材側から表面側にかけてそれぞれ濃度勾配を有するものである。このような濃度勾配を有する塗膜を得ることができる塗料は、傾斜型塗料と称されることがある。
フッ素樹脂を含有する傾斜型塗料は、このようにフッ素樹脂とバインダー樹脂とを傾斜的に配置させた塗膜を形成することができるので、フッ素樹脂の持つ非粘着性、潤滑性等を生かして幅広い分野で利用されてきた。
しかしながら、従来の1コート法では、フッ素樹脂を含有する塗膜表面の層が充分な厚さを有するように形成されず、フッ素樹脂が本来有する耐食性、非粘着性等の優れた特性が充分に発揮されないのみならず、耐久性にも劣るという問題があった。
従来の1コート用の傾斜型塗料を用いる場合、2コート法により得られるフッ素樹脂を含有する塗膜と同等程度の厚さを有する層は、1コート用の傾斜型塗料を複数回重ね塗りする時や、チューブ等の用途においては得られていたが、従来の1コート用の傾斜型塗料を1回塗装することのみによっては、得られなかった。
1コート法は、また、得られる塗膜において、基材側に主としてフッ素樹脂を配置させ、基材から遠い塗膜表面側に主としてバインダー樹脂を配置させることが従来不可能であったが、適用範囲の拡大のため、これを可能とするものの開発が望まれていた。
発明の要約
第一の本発明及び第二の本発明の目的は、上記に鑑み、1コート法により2コート法に匹敵する厚さでフッ素樹脂を主として含有する層を形成することができ、かつ、基材側に主としてフッ素樹脂が配置し、基材から遠い塗膜表面側に主としてバインダー樹脂が配置するように形成することも可能で、表面の層を任意に形成することができ、幅広く応用することが可能な塗料組成物を提供することを目的とするものである。
すなわち、第一の本発明の含フッ素塗料組成物は、高分子材料及び平均粒子径が0.1〜30μmである溶融性フッ素樹脂を配合して得られる含フッ素塗料組成物であって、上記溶融性フッ素樹脂と上記高分子材料との容量比は、上記溶融性フッ素樹脂:上記高分子材料が35:65〜95:5であるものである。
また、第二の本発明の含フッ素塗料組成物は、高分子材料及び平均粒子径が1〜30μmである溶融性フッ素樹脂を配合して得られる含フッ素塗料組成物であって、上記高分子材料は、上記溶融性フッ素樹脂の融解開始温度以下において、液状であるもの又は溶媒に溶解しているものであり、上記溶融性フッ素樹脂と上記高分子材料との容量比は、上記溶融性フッ素樹脂:上記高分子材料が35:65〜95:5であるものである。
第三の本発明の目的は、上記に鑑み、安定した密着性を有し、加工性に優れるETFE塗料用プライマーを提供することを目的とするものである。
すなわち、第三の本発明のETFE塗料用プライマーは、ETFE(A)、耐熱性樹脂、分散媒及び上記耐熱性樹脂を溶解させるための耐熱性樹脂溶解溶媒を含有するETFE塗料用プライマーであって、上記ETFE(A)は、平均粒子径が0.1〜30μmであり、上記ETFE(A)と上記耐熱性樹脂との固形分比は、質量基準で40:60〜90:10であるものである。
発明の詳細な開示
以下に第一の本発明を詳述する。
第一の本発明の含フッ素塗料組成物は、高分子材料及び平均粒子径が0.1〜30μmである溶融性フッ素樹脂を配合して得られる含フッ素塗料組成物であって、上記溶融性フッ素樹脂と上記高分子材料との容量比は、上記溶融性フッ素樹脂:上記高分子材料が35:65〜95:5であるものである。
上記溶融性フッ素樹脂の平均粒子径が0.1μm未満であると、上記溶融性フッ素樹脂を主として含有するフッ素樹脂層の厚さが充分でなく、30μmを超えると、上記フッ素樹脂層において上記溶融性フッ素樹脂の均一分散性に欠け、得られる塗膜表面の平滑性が悪くなる。上記溶融性フッ素樹脂について、及び、上記溶融性フッ素樹脂と上記高分子材料との容量比については、後述する。
第一の本発明の含フッ素塗料組成物において、上記高分子材料は、下記の(a)、(b)及び(c)からなる群より選ばれる少なくとも1つの特徴、なかでも(a)の特徴を有するものであることが好ましい。これらの特徴等、上記高分子材料については、後述する。
(a)溶融性フッ素樹脂の融解開始温度以下において液状であるもの又は溶媒に溶解しているものであること。
(b)被塗装物と化学的に結合することができる官能基を有するものであること。
(c)融点、ガラス転移点又は軟化点として150℃以上の値を有するものであること。
第一の本発明の含フッ素塗料組成物は、溶融性フッ素樹脂を主として含有するフッ素樹脂層と、高分子材料を主として含有する層とを形成することができ、上記フッ素樹脂層は1コート法により2コート法に匹敵する厚さで得ることができる。
第一の本発明の含フッ素塗料組成物の調製方法、塗装方法及び用途については、後述する。
以下に第二の本発明を詳述する。
第二の本発明の含フッ素塗料組成物は、高分子材料及び溶融性フッ素樹脂を配合して得られるものである。上記高分子材料に属する物質は、上記溶融性フッ素樹脂に属する物質とは異なるものである。上記高分子材料と上記溶融性フッ素樹脂とは、溶媒溶解性又は溶融性が異なるものである。
第二の本発明の含フッ素塗料組成物は、基材等の被塗装物に塗布し、得られる塗布膜を必要に応じて加熱して乾燥した後、焼成することにより塗膜を形成することができるものである。
第二の本発明の含フッ素塗料組成物は、被塗装物に塗布したときに、得られる上記塗布膜において、上記高分子材料及び上記溶融性フッ素樹脂粒子が積層し、この粒子の間を溶解又は溶融した高分子が通り抜け、下層を形成する。即ち、この下層は、溶解又は溶融した上記高分子材料の粒子が、上記溶融性フッ素樹脂の粒子の間を通り抜けて形成したものである。
なお、本明細書において、塗料組成物又は塗料を被塗装物に塗布して得られる塗布膜中、被塗装物側に位置するものを下層部といい、被塗装物から遠い距離にある側、即ち上記塗布膜の表面側に位置するものを上層部ということがある。溶融性フッ素樹脂の粒子が、同じ大きさの径を有する球形であり、上記隙間の部分の体積が最小となるように密に詰められた場合は、最密構造を形成し、このときの空隙率は、最密充填の場合に25.95%であり、また、立方充填の場合に47.64%であると計算されている。
第二の本発明の含フッ素塗料組成物においては、上記溶融性フッ素樹脂の粒子は、実際上、完全な球形ではない。実際上の粒子として、例えば球形に近い粉体である場合、空隙率は33〜66%であるとされている(粉体工学/基礎編、槙書店、1974初版、91頁)。
従って、表面に溶融性フッ素樹脂の層を作るためには、上記溶融性フッ素樹脂の容量及び上記高分子材料の容量の合計に対する上記溶融性フッ素樹脂の容量は、34%以上、好ましくは35%以上であることが必要である。
上記溶融性フッ素樹脂が主として上記上層部に含有されるようにする場合、上記溶融性フッ素樹脂と上記高分子材料との配合比としては、容量比で上記溶融性フッ素樹脂:上記高分子材料が35:65〜95:5である。上記溶融性フッ素樹脂が35:65未満であると、上記上層部として上記フッ素樹脂の層が適切に形成されず、欠陥を生じたものとなるので、好ましくなく、上記高分子材料が95:5未満であると、密着性等の上記下層部として要求される物性が充分に発揮されない。上記溶融性フッ素樹脂の好ましい下限は、50:50、より好ましい下限は、70:30である。
上述の充填構造を有する塗布膜は、次いで、必要に応じて加熱により乾燥した後、焼成する。上記焼成により、上記上層部の成分が融解し、これに伴って上記上層部を構成する粒子が自らの表面張力により集まって成膜する(フィルム化)。
上記焼成により、上記下層部は、上記下層部を構成する成分の種類や化学構造等に応じて、架橋して硬化膜を形成したり、溶融後架橋せずに冷却されることにより成膜したりする。上記下層部は、上記上層部の成分を浮上させやすい点から、架橋して硬化膜を形成することが好ましい。
第二の本発明の含フッ素塗料組成物は、上記溶融性フッ素樹脂として平均粒子径が1〜30μmであるもの、及び、上記高分子材料として上記溶融性フッ素樹脂の融解開始温度以下において液状物質の少なくとも一部を構成するものを、配合して得られるものである。
本明細書において、上記溶融性フッ素樹脂の融解開始温度以下においてとは、上記溶融性フッ素樹脂の融解開始温度以下の何れかの温度においてを意味する。上記溶融性フッ素樹脂の融解開始温度以下においてとは、上記融解開始温度以下のあらゆる温度についていうものでは必ずしもない。
第二の本発明の含フッ素塗料組成物は、上記溶融性フッ素樹脂の融解開始温度以下において被塗装物に塗布して塗布膜を得、必要に応じて加熱して乾燥した後、上記融解開始温度以上の温度に加熱することにより焼成して塗膜を形成させるものである。
第二の本発明の含フッ素塗料組成物を被塗装物に塗布し、塗布膜の上層部と下層部とを形成させるに際し、上記高分子材料が液状物質の少なくとも一部を構成するような温度において、塗布時に固体である上記溶融性フッ素樹脂の粒子が積層され、その積層された粒子の隙間の部分に上記液状物質が入り込むとともに、上記積層された粒子の下にも配置されることとなる。この結果、上層部と下層部とに分離しやすく、上記上層部の厚膜化を図ることができる。
上記高分子材料としては、第二の本発明の含フッ素塗料組成物を被塗装物に塗布した後、上記融解開始温度以下の何れかの温度において、液状物質の少なくとも一部を構成するものであれば、上記液状物質の少なくとも一部を構成するものとなる前に固体の状態であってもよいし、上記液状物質の少なくとも一部を構成するものとなった後に、後述の分散媒や溶液が揮発、分解等を生じるものであってもよい。
上記高分子材料としては、また、第二の本発明の含フッ素塗料組成物を被塗装物に塗布した後、上記融解開始温度以下の何れかの温度において上記液状物質の少なくとも一部を構成し、上記融解開始温度以上の温度に加熱することにより焼成して塗膜を形成させるときに、引き続いて上記液状物質の少なくとも一部を構成するものであってもよいが、この場合、上記高分子材料は、通常、上記焼成のための加熱温度において架橋して硬化膜を形成するものであるか、架橋せずに冷却後成膜するものである。
上記高分子材料としては、このように広範な材料を用いることができるので、第二の本発明の含フッ素塗料組成物は応用範囲の広いものである。
上記液状物質としては、単一物質から構成される一成分系であってもよいし、2種類以上の物質から構成される多成分系であってもよい。上記液状物質としては、液状のものであればよく、融解等により液体となっている物質や、均一な溶液であってもよく、エマルション、サスペンション等の分散媒が液相である分散系であってもよい。
上記液状物質としては、上記高分子材料が液状であるもの、又は、上記高分子材料が溶媒に溶解したものであることが好ましい。
上記液状物質として、上記高分子材料が液状であるものである場合、上記高分子材料が融解したものが挙げられる。この場合、融解した上記高分子材料そのものが上記液状物質となる。本明細書において、上記融解とは、上記高分子材料が固相から液相へと物質状態を変化させること、及び、上記高分子材料が2種類以上の固体成分の混合物である場合に加熱により溶けることを含む概念である。上記融解としては、溶融を含むものであってよい。上記融解した高分子材料は、液体であればよく、流動性の高い液体のみならず、粘稠な液体であってもよい。
上記液状物質としては、上記高分子材料が液状であるものである場合、また、上記高分子材料がエマルション、サスペンション等の分散媒が液相である分散系における分散質となっているものが挙げられる。上記分散媒としては、上記溶融性フッ素樹脂の融解開始温度よりも高い沸点又は分解温度を有するものが好ましい。
上記液状物質として、上記高分子材料が溶媒に溶解したものである場合、上記高分子材料の溶媒溶液が上記液状物質となる。上記溶媒としては、上記溶融性フッ素樹脂の融解開始温度よりも高い沸点又は分解温度を有するものが好ましい。
上記高分子材料が少なくとも一部を構成する液状物質が分散状態であるときは、上記液状物質が上記溶融性フッ素樹脂よりも小さい平均粒子径を有することにより分離効果を高めることができる。
第二の本発明の含フッ素塗料組成物は、上述のような特徴を有するものであるので、被塗装物に塗布したとき、得られる上記塗布膜において、上記溶融性フッ素樹脂の粒子が上記塗布膜中の上層部を構成するように積層する。この粒子の間を溶解又は溶融した上記高分子材料の粒子が上記積層する粒子を通り抜け、上記上層部の下に下層部として配置された構造を形成する。
上記構造を有する塗布膜は、次いで、必要に応じて加熱により乾燥した後、焼成する過程で、溶融することにより更に分離され、フィルム化されて塗膜が形成される。上記溶媒や上述の分散媒は、通常、上記塗布膜の乾燥や焼成により揮発する。
本明細書において、第二の本発明の含フッ素塗料組成物を塗布及び焼成して得られる塗膜のうち、上記溶融性フッ素樹脂を主として含有する層をフッ素樹脂層といい、上記高分子材料を主として含有する層を高分子材料層という。上記フッ素樹脂層は、上記高分子材料及び必要に応じて第二の本発明の含フッ素塗料組成物に含有されるその他の成分を少量含有していてもよい。上記高分子材料層は、上記溶融性フッ素樹脂及び上記その他の成分を少量含有していてもよい。
上記フッ素樹脂層及び上記高分子材料層は、通常、これらの両層において上記溶融性フッ素樹脂及び上記高分子材料は、それぞれ濃度勾配を有しているものである。このように濃度勾配を有している塗膜を、傾斜塗膜ということがある。これら両層の境界は、例えば、薄く切断した断面を偏向顕微鏡を用いてフィルターを調整することにより確認することができる。
第二の本発明の含フッ素塗料組成物は、上記機構により塗膜を形成するので、上記フッ素樹脂層として、従来の表面張力差を利用した傾斜型塗料により通常約1μm前後の厚さを有するものしか得られなかったことに比べ、有意に厚いもの、好ましくは3〜15μmの厚さを有するものを得ることができる。
第二の本発明の含フッ素塗料組成物は、また、上記機構により塗膜を形成するので、上記溶融性フッ素樹脂と上記液状物質や上記高分子材料の配合比を変えることにより、表面層に形成させる溶融性フッ素樹脂の膜厚を制御することができる。
第二の本発明の含フッ素塗料組成物において、高分子材料としてエポキシ樹脂を用い、エポキシ樹脂を溶解させずフッ素樹脂を溶解させたワニスを使用した場合は、フッ素樹脂層が下層部に形成され、高分子材料層を上層部に形成させることができる。
このように、比較的厚い上記フッ素樹脂層を形成することや、上記フッ素樹脂層の上に、上記高分子材料等の異なる高分子物質を含有する層を形成することは、従来、1コート法を用いることによっては、実現されていなかった。第二の本発明の含フッ素塗料組成物は、上記フッ素樹脂層及び上記高分子材料層の形成を1コート法により実現することができるものである。
第二の本発明の含フッ素塗料組成物に配合される上記溶融性フッ素樹脂は、上述のように平均粒子径が1〜30μmであるものである。1μm未満であると、上記フッ素樹脂層の厚さが充分でなく、30μmを超えると、上記フッ素樹脂層において上記溶融性フッ素樹脂の均一分散性に欠け、得られる塗膜表面の平滑性が悪くなる。従来の傾斜型塗料で得られる塗膜の表面層は約1μm前後のものであり、チューブ等の用途においては約30μmの厚さのフッ素樹脂層が得られていたが、塗膜の表面側に3〜15μmの厚さのフッ素樹脂層を有するものは従来なかった。しかしながら、塗膜の表面側に3〜15μmの厚さのフッ素樹脂層を有するものは、市場のニーズがあり、このような膜厚を容易に得ることができるので、上記平均粒子径としては2〜20μmが好ましい。
上記溶融性フッ素樹脂としては、単量体成分として、例えば、クロロトリフルオロエチレン等のクロロフルオロビニル単量体;トリフルオロエチレン等のフルオロビニル単量体;テトラフルオロエチレン、ヘキサフルオロプロピレン、パーフルオロ(アルキルビニルエーテル)等のパーフルオロ単量体等を1種又は2種以上用いて重合することにより得られるもの等が挙げられる。上記単量体成分としては、更に、エチレン、プロピレン等のビニル単量体の1種又は2種以上を含むものであってもよい。上記パーフルオロ単量体は、主鎖が炭素原子及びフッ素原子並びに場合により酸素原子から構成され、CH又はCHを有しないものであり、パーフルオロビニル単量体及びパーフルオロ(アルキルビニルエーテル)単量体を含むものである。上記酸素原子は、通常、エーテル酸素である。
上記溶融性フッ素樹脂としては、また、上記単量体成分とともに少量を共重合させるコモノマーとして、水酸基、カルボニル基等の官能基を有する単量体を用いてもよく、環状の構造を有する単量体を用いてもよい。上記環状の構造としては、例えば、環状アセタール構造等の環状エーテル構造を有するもの等が挙げられ、好ましくは上記環状エーテル構造を構成する少なくとも2個の炭素原子が上記溶融性フッ素樹脂の主鎖の一部となっているものである。
上記溶融性フッ素樹脂としては、例えば、エチレン/テトラフルオロエチレン共重合体〔ETFE〕、エチレン/クロロトリフルオロエチレン共重合体、プロピレン/テトラフルオロエチレン共重合体等のアルキレン/フルオロアルキレン共重合体;テトラフルオロエチレン/ヘキサフルオロプロピレン共重合体〔FEP〕、テトラフルオロエチレン/パーフルオロ(アルキルビニルエーテル)共重合体〔PFA〕等のパーフルオロポリマーが挙げられる。上記パーフルオロポリマーは、上記パーフルオロ単量体を単量体成分とするものである。
上記溶融性フッ素樹脂としては、用途により異なるが、上記パーフルオロポリマーが好ましい。上記パーフルオロポリマーは、従来の方法を用いて多くの分野で利用されていたものの、従来の傾斜型塗料としては塗膜表面層を厚く形成することができなかったが、第二の本発明の含フッ素塗料組成物を用いることにより、上記パーフルオロポリマーを主として含有する上記フッ素樹脂層を1コート法で従来よりも厚く形成することが可能となる。上記パーフルオロポリマーとしては、コモノマーとしてテトラフルオロエチレンを用いて共重合されたものがより好ましく、その他のコモノマーとしての上記パーフルオロ単量体としては特に限定されない。
上記溶融性フッ素樹脂としては、溶媒に実質的に溶解しないものが好ましい。上記溶融性フッ素樹脂が溶媒に溶解しやすいものであると、上記高分子材料を溶解させるために溶媒を加える場合、加える溶媒の量は上記高分子材料に依存し、上記溶融性フッ素樹脂の量に対して比較的多くなることがあり、このような場合に上記溶融性フッ素樹脂が上記溶媒に溶解してしまうようでは、充分な厚さを有する上記フッ素樹脂層が得られにくい。上記溶融性フッ素樹脂としては、溶媒100質量部に対する溶解量が5質量部以下のものがより好ましい。
上記溶融性フッ素樹脂としては、溶融性であることが必要である。溶融性であると、上述の焼成により溶融して成膜することができる。
上記溶融性フッ素樹脂の溶融性は、一般に、流れ性の指標としてメルトフローレート(MFR)で表される。MFRは、ASTM D3159に従って、5Kgの荷重で直径2mmのノズルから10分間に押し出された重量で示すものである。MFRは、上記溶融性フッ素樹脂がPFA、FEP等のパーフルオロポリマーの場合、372℃で測定し、ETFEの場合、297℃で測定する。上記溶融性フッ素樹脂のMFRは、第二の本発明の含フッ素塗料組成物を塗装することにより得られる塗膜のレベリング性、塗膜強度等から、0.1〜100g/10分であることが好ましい。より好ましい下限は、0.5g/10分であり、より好ましい上限は、50g/10分である。
第二の本発明の含フッ素塗料組成物に上記溶融性フッ素樹脂とともに配合されるものである上記高分子材料は、上述のように、上記溶融性フッ素樹脂の融解開始温度以下において液状物質の少なくとも一部を構成するものである。
上記高分子材料は、分子中に、被塗装物と化学的に結合することができる官能基を有するものであることが好ましい。上記被塗装物は、この上に第二の本発明の含フッ素塗料組成物が塗布されるものである。第二の本発明の含フッ素塗料組成物が塗布される上記被塗装物は、本明細書において、基材ということがある。
上記被塗装物と化学的に結合することができる官能基は、上記高分子材料の分子間や分子内での架橋反応に寄与するものであってもよいが、上記高分子材料は、このような官能基を有することにより、上記高分子材料の分子間や分子内で架橋反応が進行した場合においても、被塗装物との化学的結合がなされ、被塗装物から剥離しにくい。
上記被塗装物と化学的に結合することができる官能基としては、例えば、水酸基、グリシジル基、カルボニル基、イソシアネート基、チオニル基、アミノ基、燐酸基、アルコキシル基等が挙げられる。
上記被塗装物と化学的に結合することができる官能基を有する上記高分子材料としては、例えば、エポキシ樹脂、ポリエステル樹脂、ウレタン樹脂、アクリル樹脂、アミドイミド樹脂、イミド樹脂、エーテルイミド樹脂、ポリエーテルサルホン樹脂等の有機高分子;シリコーン樹脂、チラノ樹脂等の無機高分子が挙げられる。
これらの高分子材料は用途によって使い分けることができる。硬度又は比較的低温加工が必要な場合、エポキシ樹脂、ポリエステル樹脂、ウレタン樹脂、アクリル樹脂等を用いることが好ましい。耐食性等のため塗膜欠陥を防止する場合、フッ素樹脂を充分に溶融させるために、耐熱性樹脂が好ましく、耐熱性樹脂としては、アミドイミド樹脂、イミド樹脂、エーテルイミド樹脂、ポリエーテルサルホン樹脂等が好ましい。耐食性を重視する場合、なかでもアミドイミド樹脂、イミド樹脂、ポリエーテルサルホン樹脂からなる群より選ばれる1種以上のものがより好ましい。
上記被塗装物と化学的に結合することができる官能基としては、上記高分子材料が重合体である場合、重合開始剤由来の官能基として上記重合体が末端に有するものと同じ種類の基である場合があるが、上記重合開始剤由来の官能基として有するものとは別に上記高分子材料が分子中に有することが好ましい。
上記高分子材料は、融点、ガラス転移点又は軟化点として150℃以上の値を有するものであることが好ましい。上記高分子材料は、融点、ガラス転移点又は軟化点が上記範囲内であれば、上記溶融性フッ素樹脂が耐熱性付与のために用いられる用途においても、通常、使用に耐え得る耐熱性を有する。上記高分子材料は、融点、ガラス転移点又は軟化点が上記範囲未満の温度であると、使用温度が制限され、上記溶融性フッ素樹脂が本来有する耐熱性、高温における非粘着性や耐食性等の特徴をいかすことができない。
上記高分子材料は、含フッ素高分子であってもよい。上記高分子材料は、第二の本発明の含フッ素塗料組成物が耐熱性や耐食性を重視する用途に用いられる場合は、特に含フッ素高分子であることが好ましい。
上記含フッ素高分子としては、単量体成分として、例えば、フッ化ビニル、フッ化ビニリデン、クロロトリフルオロエチレン、トリフルオロエチレン、テトラフルオロエチレン、ヘキサフルオロプロピレン、パーフルオロ(アルキルビニルエーテル)等の含フッ素ビニル単量体の1種又は2種以上、及び、必要に応じ、エチレン、プロピレン等のその他のビニル単量体の1種又は2種以上を用いて重合することにより得られるもの等が挙げられる。
上記含フッ素高分子としては、例えば、フッ化ビニル/テトラフルオロエチレン共重合体、フッ化ビニル/ヘキサフルオロプロピレン共重合体、ポリフッ化ビニリデン、フッ化ビニリデン/テトラフルオロエチレン共重合体、フッ化ビニリデン/ヘキサフルオロプロピレン共重合体、テトラフルオロエチレン/プロピレン共重合体、エチレン/ヘキサフルオロプロピレン共重合体等が挙げられる。
上記含フッ素高分子としては、分子中に、上述の被塗装物と化学的に結合することができる官能基を有するものであることが好ましいが、上記官能基を有しないものであってもよい。
上記含フッ素高分子としては、フッ素ゴム弾性体等の弾性体であってよい。上記弾性体は、ガラス転移温度が室温以下であり、無定形であるものである。上記弾性体としての含フッ素高分子は、第二の本発明の含フッ素塗料組成物が塗膜の柔軟性と表面の非粘着性が要求される分野に用いられる場合、特に最適に用いられる。
上記高分子材料として、上記弾性体としての含フッ素高分子を用いると、耐久性と柔軟性とを特に向上することができ、例えば、従来の方法では耐久性や柔軟性が充分に発揮されなかったOA機器用ロール、OA機器用ベルト等について用いる場合、耐久性が飛躍的に向上するとともに、従来よりも優れた柔軟性を発揮することができる。
上記弾性体としては、少なくとも200℃において耐熱性を有するものであることが好ましい。200℃未満の温度で耐熱性を有しないものである場合、耐熱性、高温における柔軟性や耐久性が求められる上述のような用途に第二の本発明の含フッ素塗料組成物を好適に用いることが困難となる。
上記高分子材料は、無機高分子であってよい。上記無機高分子としては、主鎖にC−C結合を有しない高分子であれば特に限定されないが、例えば、シリコーン樹脂、シリコーンゴム、チラノ樹脂等が挙げられる。
上記無機高分子としては、第二の本発明の含フッ素塗料組成物の用途として柔軟性が要求される分野において、使用温度がさほど高くなく、成膜のための焼成温度において比較的短時間で上記溶融性フッ素樹脂を融解しフィルム化することができるものである場合、例えば、シリコーンゴムのような非フッ素高分子の弾性体であってもよい。
上記無機高分子としては、また、従来、表面硬度を高めるため、セラミックプライマー、中間プライマー及びフッ素樹脂をこの順で塗布する3層コートを施していたホットプレート、フライパン等の用途において、焼成によりセラミックを形成することができるチラノ樹脂又はその他の無機高分子が好ましく用いられる。第二の本発明の含フッ素塗料組成物を用いると、このような従来の3層コートにより得られていた塗膜と同様の性能を有する塗膜を、1コート法により得ることができる。上記1コート法により得た塗膜の上に、必要に応じてトップコートを施し、2コートとしてもよい。
第二の本発明の含フッ素塗料組成物は、上記溶融性フッ素樹脂及び上記高分子材料と併用して、必要に応じ、顔料、粘度調整剤、造膜材、溶剤等を配合することができる。上記溶剤は、上記液状物質が上記高分子材料を溶媒に溶解したものである場合に上記高分子材料を溶解させるために用いる溶媒とは異なり、粘度調整のために用いられるものである。
第二の本発明の含フッ素塗料組成物を調製する方法としては特に限定されず、例えば、従来公知の方法を用いることができ、例えば、上記溶融性フッ素樹脂、上記顔料、上記高分子材料等を必要に応じて次のように前処理を施し、上記溶融性フッ素樹脂と上記高分子材料が上述の容量比となるように、適切な割合で混合して調製する。
上記溶融性フッ素樹脂は、例えば、特開昭63−270740号公報記載の方法等により粉末を製造し、通常、適宜分散剤を用いて溶媒に分散させる。上記分散剤の用い方としては、例えば、上記溶融性フッ素樹脂を低級アルコール、ケトン、芳香族炭化水素等の溶剤で濡らした後、ノニオン系界面活性剤、アニオン系界面活性剤等の分散剤で分散させる方法、アルコール、ケトン、エステル、アミド、芳香族炭化水素等の溶剤の表面張力をフッ素系界面活性剤等で下げ、上記溶融性フッ素樹脂を分散させる方法等を用いることができる。
上記顔料は、通常、上記溶剤、上記高分子材料、上記界面活性剤等をバスケットミル、ダイナモミル、ボールミル等の粉砕分散機で粉砕分散してから使用する。上記高分子材料は、通常、良溶媒で溶解後、貧溶媒で希釈し、粘度調整を行ってから用いる。
第二の本発明の含フッ素塗料組成物は、必要に応じ、適宜溶剤で希釈し、粘度調整剤等を用いて塗装しやすい粘度に調整して塗料化し、塗装してもよい。
第二の本発明の含フッ素塗料組成物は、アルミニウム、ステンレス鋼(SUS)、鉄、耐熱樹脂、耐熱ゴム等の被塗装物に対し、必要に応じて脱脂、粗面化等の表面処理を行った後、スプレー等の方法を用いて塗装し、得られる塗布膜を乾燥後、上記溶融性フッ素樹脂の融点以上で焼成することにより、傾斜塗膜を形成させることができる。
第二の本発明の含フッ素塗料組成物から得られる上記傾斜塗膜としては、上記溶融性フッ素樹脂の配合量によるが、表面層として3〜15μmの厚さを有する塗膜を得ることができる。このような傾斜塗膜は、従来の2コート法を用いて得られる皮膜に匹敵する厚さを有するものである。従って、第二の本発明の含フッ素塗料組成物は、現在2コート法を用いて加工されている分野であっても、1コート法により好適に用いることができる。
第二の本発明の含フッ素塗料組成物から得られる上記傾斜塗膜には、必要に応じ、トップコート等の上塗り塗装を施してもよい。上記上塗り塗装は、特に上記高分子材料として無機高分子を用いる場合、施すことが好ましい。
第二の本発明の含フッ素塗料組成物を好適に適用することができるものとしては、例えば、家電・厨房関係としては、炊飯釜、ポット、ホットプレート、アイロン、フライパン、ホームベーカリー等に用いることができ、工業用としては、OA機器用ロール、OA機器用ベルト、製紙ロール、フィルム製造用カレンダーロール、インジェクション金型等の離型用途;攪拌翼、タンク内面、ベッセル、塔、遠心分離器等の耐蝕用途等に、幅広く応用される。
第二の本発明の含フッ素塗料組成物は、上記溶融性フッ素樹脂により、非粘着性、摺動性等が得られ、上記フッ素樹脂層が厚いことから耐久性に優れるとともに、上記高分子材料として上記弾性体としての含フッ素高分子を用いること等により、硬すぎないように柔軟性を向上することができるので、特に、OA機器用ロール又はOA機器用ベルトに好適に用いることができる。
第二の本発明の含フッ素塗料組成物は、上述のように、上記高分子材料及び1〜30μmの平均粒子径を有する上記溶融性フッ素樹脂を、上記特定の範囲内の容量比で配合して得られるものであり、上記高分子材料は、上記溶融性フッ素樹脂の融解開始温度以下において液状物質の一部を少なくとも構成しているものであるので、被塗装物に塗布することにより、1コート法により2コート法に匹敵する厚さで上記フッ素樹脂層を形成することができ、かつ、上記フッ素樹脂層の下、上の何れにも上記高分子材料層を形成してなる塗膜を得ることができるものである。
このように、第二の本発明の含フッ素塗料組成物は、従来2コート法又は2コート以上の塗布が必要とされていた用途であっても、1コート法により好適に用いることができる。第二の本発明の含フッ素塗料組成物は、また、従来よりも厚い上記フッ素樹脂層を形成することができるので、上記溶融性フッ素樹脂の耐熱性、耐久性、耐食性、非粘着性等の優れた性質を充分に発揮させることができる。第二の本発明の含フッ素塗料組成物は、更に、上記高分子材料として含フッ素高分子、無機高分子等を含む幅広い物質群から適宜選択することができ、これらを適切に選択することにより、用途に好適であるように適用し、使用に供することができる。
第一の本発明の含フッ素塗料組成物及び第二の本発明の含フッ素塗料組成物を塗装することにより得られることを特徴とする塗膜もまた、本発明の一つである。
上記塗膜を有することを特徴とする塗装物もまた、本発明の一つである。
第一の本発明の含フッ素塗料組成物は、高分子材料及び平均粒子径が0.1〜30μmである溶融性フッ素樹脂を上述の範囲内の容量比で配合して得られるものである。上記溶融性フッ素樹脂は、エチレン/テトラフルオロエチレン共重合体〔ETFE〕である場合、ETFE塗料用のプライマーは従来、密着性、加工性に劣っていたがこのプライマーに用いると、ETFE塗料からなるETFE塗膜との密着力を飛躍的に向上させることができる。この場合、上記高分子材料は、上記溶融性フッ素樹脂の融解開始温度以下において液状であるものが好ましいが、この液状であるものは、分散媒が液相である分散系であることが好ましい。上記高分子材料は、上記溶融フッ素樹脂の耐熱性を活かした用途でも好適に用いることができるように、耐熱性樹脂であることが好ましい。上記分散系は、上記高分子材料が耐熱性樹脂である場合、上記耐熱性樹脂、分散媒及び上記耐熱性樹脂を溶解させるための耐熱性樹脂溶解溶媒からなるものであることが好ましい。このような特徴を有する第一の本発明の含フッ素塗料組成物は、以下に詳述するETFE塗料用プライマーとして用いることができる。
以下に第三の本発明を詳述する。
第三の本発明のETFE塗料用プライマーは、被塗装物に塗布し、適宜乾燥又は乾燥及び加熱を行うことにより、プライマー皮膜を形成させ、上記プライマー皮膜の上に、ETFE塗料を塗布し、焼成させることにより、ETFE塗膜が形成されるものである。
第三の本発明のETFE塗料用プライマーは、ETFE(A)、耐熱性樹脂、分散媒及び上記耐熱性樹脂を溶解させるための耐熱性樹脂溶解溶媒を含有するものである。上記ETFE(A)は、第三の本発明のETFE塗料用プライマーの1成分であり、後述のように、特定範囲内の平均粒子径を有し、特定範囲内のメルトフローレートを有する特定のものであるのに対し、上記ETFE塗料中のETFEは、一般的なETFEであればよい点で、両者は概念的に区別されるものである。
第三の本発明のETFE塗料用プライマーは、上記各成分を含有し、かつ、後述のように、上記ETFE(A)として特定範囲内の平均粒子径を有するものを用い、上記ETFE(A)と上記耐熱性樹脂との固形分比を特定範囲内のものとするものであるので、被塗装物に塗布して得られる皮膜が乾燥及び焼成により層分離を起す。上記層分離は、乾燥時において、上記ETFE(A)粒子間に上記耐熱性樹脂が入って両者の濃度に傾斜を生じ、焼成時において、上記ETFE(A)と上記耐熱性樹脂とが表面張力において相違することにより更に分離が進み、起こるものと考えられる。
上記層分離の結果、上記被塗装物側に耐熱性樹脂層が形成され、上記被塗装物から遠い側にETFE(A)層が形成される。本明細書においては、上記プライマー皮膜のうち、固形分の質量比で、上記耐熱性樹脂が上記ETFE(A)を上回っている層を耐熱性樹脂層といい、上記ETFE(A)が上記耐熱性樹脂を上回っている層をETFE(A)層という。上記耐熱性樹脂層及び上記ETFE(A)層は、通常、濃度勾配を有する部分があってよく、両層の境界が明確なものでなくてもよい。上記ETFE(A)層及び上記耐熱性樹脂層は、これら両層が合わさって上述のプライマー皮膜となっているものである。
第三の本発明のETFE塗料用プライマーは、上記層分離の結果、上述のETFE塗膜が上記ETFE(A)層の上に接触することとなり、上記ETFE(A)層と上記ETFE塗膜とがともにETFEを含有することに基づく共通の性質を有することから、上記ETFE塗膜との密着性に優れたものとなる。第三の本発明のETFE塗料用プライマーは、また、上記層分離の結果、被塗装物が上記耐熱性樹脂層に接触することとなり、被塗装物との密着性に優れたものとなる。
上記ETFE(A)は、平均粒子径が0.1〜30μmのものである。0.1μm未満であると、上記ETFE(A)層にクラックが生じやすく、上記プライマー皮膜を厚膜にすることが困難となり、30μmを超えると、上記ETFE(A)層において上記ETFE(A)の均一分散性に欠け、上記ETFE塗膜との密着性が不均一になって密着不良を起すので、好ましくない。好ましい下限は、0.2μm、より好ましい下限は、0.5μmであり、好ましい上限は、25μm、より好ましい上限は、20μmである。なお、クラックの生じやすさは、通常、厚膜化に伴い増大するので、クラックを生じることなく製膜することができる膜厚の最大値をもって評価することができる。本明細書においては、上記クラックを生じることなく製膜することができる膜厚の最大値を、クラック限界厚みという。
上記ETFE(A)は、メルトフローレート(MFR)が0.1〜100g/10分であることが好ましい。上記メルトフローレートの範囲内であれば、上記ETFE(A)層と上記ETFE塗膜との密着性は、上記ETFE(A)の流動特性に起因して向上する。0.1g/10分未満であると、上記ETFE(A)層と上記ETFE塗膜との間の密着力が低下しやすく、100g/10分を超えると、上記プライマー皮膜に応力クラックやストレスクラックが起こりやすく、耐食性が悪化し得るので、好ましくない。より好ましい下限は、0.5g/10分であり、より好ましい上限は、50g/10分である。上記ETFE(A)は、後述する共重合組成及び分子量を調整することにより、上述の範囲内のメルトフローレートを有するものとすることができる。本明細書において、上記メルトフローレートは、ASTM D3159に従って、温度297℃、荷重5kgとして測定される値である。
上記ETFE(A)は、単量体成分としてのエチレン/テトラフルオロエチレンのモル比が20/80〜80/20であることが好ましい。エチレンのモル比が20/80未満であると、生産性が悪く、80/20を超えると、耐食性が悪化する。上記エチレンのモル比のより好ましい上限は、60/40であり、この範囲内であると耐食性を向上させることができる。
上記ETFE(A)は、単量体成分として、エチレン及びテトラフルオロエチレン以外に、結晶性の制御を目的として、その他の含フッ素単量体を用いたものであることが好ましい。上記その他の含フッ素単量体としてはエチレン、テトラフルオロエチレンの両方に付加し得るものであれば特に限定されないが、炭素数3〜8の含フッ素ビニルモノマーが使用しやすく、例えば、ヘキサフルオロイソブチレン、CH=CFCH等が挙げられる。上記その他の含フッ素単量体は、上記ETFE(A)の単量体成分全体の5モル%以下であることが好ましい。
上記ETFE(A)は、例えば、乳化重合等の従来公知の重合方法等により共重合により得ることができる。共重合により得られるETFE粉末は、上述の範囲内の平均粒子径を有するように、必要に応じて粉砕する。上記粉砕の方法としては特に限定されず、例えば、第二の本発明の含フッ素塗料組成物をなす溶融性フッ素樹脂の粉砕方法と同様、特開昭63−270740号公報に開示されているような従来公知の方法を用いることができ、例えば、上記ETFE粉末をロールでシート状に圧縮し、粉砕機により粉砕し分級する方法等が挙げられる。上記ETFE(A)は、乳化重合や懸濁重合を用いて得る場合、上述の各条件を満たすものであれば、得られる樹脂成分のみを単離することなく、ディスパージョンのまま用いてもよい。
第三の本発明のETFE塗料用プライマーは、上記ETFE(A)のほかに、耐熱性樹脂を含有するものである。上記耐熱性樹脂は、通常、第三の本発明のETFE塗料用プライマーにおいてバインダーとして機能するものである。
上記耐熱性樹脂は、耐熱性を有する樹脂として一般に知られているものであれば特に限定されないが、後述する耐熱性樹脂溶解溶媒に溶解するものが好ましい。
このような耐熱性樹脂としては、耐熱性、溶解性等の点から、ポリアミドイミド樹脂、ポリエーテルサルホン及びポリイミド樹脂からなる群より選ばれる少なくとも1種であることが好ましく、2種以上を用いてもよい。
上記ETFE(A)と上記耐熱性樹脂との固形分比は、質量基準で40:60〜90:10である。上記ETFE(A)が40:60未満であると、上記ETFE塗膜との密着性が悪化して層間剥離が起こるので好ましくなく、90:10を超えると、被塗装物との密着力が低下する。上記ETFE(A)の好ましい下限は、45:55であり、好ましい上限は、80:20である。
第三の本発明のETFE塗料用プライマーは、上記耐熱性樹脂を溶解させるための耐熱性樹脂溶解溶媒を含有するものである。第三の本発明のETFE塗料用プライマーは、上記耐熱性樹脂を上記耐熱性樹脂溶解溶媒に溶解させ、ETFE塗料用プライマー内に均一に分散させて、塗布により被塗装物上の隅々にまで行き渡らせる結果、上記被塗装物との密着性を向上させることができる。
上記耐熱性樹脂溶解溶媒としては上記耐熱性樹脂を溶解し得る溶媒であれば特に限定されないが、沸点が100℃以上のものが好ましく、例えば、N−メチル−2−ピロリドン、N,N−ジメチルアセトアミド、N,N−ジメチルホルムアミド等が挙げられる。
上記耐熱性樹脂溶解溶媒は、上記耐熱性樹脂に対し、質量基準で10%以上であることが好ましい。上記範囲内であると、上述のように上記耐熱性樹脂を被塗装物上に行き渡らせ、被塗装物との密着性を向上させることができる。10%未満であると、被塗装物上の上記耐熱性樹脂が不均一となり、密着力に劣る。より好ましい下限は、50%である。上記耐熱性樹脂溶解溶媒が増加すると被塗装物との密着性は向上する傾向にあるが、工業的生産に鑑み、通常、好ましい上限は、500%、より好ましい上限は、350%である。
第三の本発明のETFE塗料用プライマーは、上述のETFE(A)、耐熱性樹脂及び耐熱性樹脂溶解溶媒のほかに、分散媒を含有するものである。第三の本発明のETFE塗料用プライマーは、上記耐熱性樹脂が上記耐熱性樹脂溶解溶媒に溶解したもの、及び、上記ETFE(A)が、分散質として上記分散媒に分散している分散系(ディスパージョン)となり、被塗装物上の隅々にまで塗布されることが可能となる。
上記分散媒としては、水、アルコール、ケトン、エステル及び芳香族炭化水素からなる群より選ばれる少なくとも1種が用いられる。上記分散媒としては、作業環境上好ましい点で、水が好適に用いられる。
上記分散媒として水を用いる場合、上記ETFE(A)を分散させるため、界面活性剤が必要である。上記界面活性剤としては特に限定されず、ノニオン系、アニオン系又はカチオン系の何れの界面活性剤であってもよいが、250℃程度の比較的低温で蒸散又は分解するものが好ましく、ノニオン系及びアニオン系がより好ましい。
上記分散媒として水を用いる場合、塗装時における被塗装物の腐食を防止するため、防錆剤が必要である。上記防錆剤としては特に限定されず、例えば、ジブチルアミン等が挙げられる。
上記分散媒としては、乳化重合により得た上記ETFE(A)を樹脂成分を単離することなくディスパージョンのまま用いる場合、乳化重合に用いた水を上記分散媒として用いてもよく、この場合、別に水を追加してもよい。乳化重合により得られる上記ETFE(A)のディスパージョンをそのまま用いる場合、乳化重合に用いた界面活性剤をそのまま上記界面活性剤の一部又は全部として用いてもよい。上記ETFE(A)を懸濁重合により得た場合も同様に、懸濁重合に用いた溶媒は上記分散媒の範囲内であれば上記分散媒として用いてもよい。
第三の本発明のETFE塗料用プライマーは、上述の必須成分であるETFE(A)、耐熱性樹脂及び耐熱性樹脂溶解溶媒及び分散媒と併用して、熱安定剤を含有するものであってもよい。第三の本発明のETFE塗料用プライマーは、上記熱安定剤を含有することにより、上述のETFE塗膜形成における加熱等による上記ETFE(A)及び上記耐熱性樹脂の酸化を防止して熱劣化を軽減することができ、その結果、密着安定性を向上することができる。
上記熱安定剤としては特に限定されないが、例えば、金属酸化物、アミン系酸化防止剤、有機イオウ含有化物等が好ましい。
上記金属酸化物としては熱安定剤として機能するものであれば特に限定されず、例えば、Cu、Al、Fe、Co、Zn等の典型金属の酸化物等が挙げられる。
上記アミン系酸化防止剤としては、上述の加熱工程に鑑み、250℃以上においても安定性を有するアミン系化合物が好ましく、例えば芳香族アミン等が挙げられ、例えば、ジナフチルアミン、フェニル−α−ナフチルアミン、フェニル−β−ナフチルアミン、ジフェニル−p−フェニレンジアミン、フェニルシクロヘキシル−p−フェニレンジアミン等のフェニル基又はナフチル基を有するアミン誘導体が好ましい。
上記有機イオウ化合物としては特に限定されず、例えば、ベンゾイミダゾール系メルカプタン系化合物、ベンゾチアゾール系メルカプタン系化合物及びチオカルバミン酸並びにこれらの塩、チウラムモノサルファイド等が挙げられる。上記塩としては特に限定されず、例えば、Zn、Sn、Cd、Cu、Fe等との塩が挙げられる。
上記熱安定剤は、1種又は2種以上を用いることができる。
上記熱安定剤としては、特に、金属イオンの溶出が望ましくない医薬品、半導体等の分野で第三の本発明のETFE塗料用プライマーを用いる場合、残渣を生じない非金属化合物が好ましく、例えば、アミン系酸化防止剤及び有機イオウ化合物のうち、金属塩以外のものが挙げられる。
上記熱安定剤は、第三の本発明のETFE塗料用プライマーに含有させる場合は、上記ETFE(A)の固形分に対し、質量基準で0.001〜5%である。0.001%未満であると、熱安定効果が不充分であり、5%を超えると、上記熱安定剤の分解により生じる発泡が与える影響が大きくなるので、好ましくない。好ましい下限は、0.003%であり、好ましい上限は、2%である。
第三の本発明のETFE塗料用プライマーは、上述の各成分と併用して、必要に応じ、添加剤を含有するものであってもよい。上記添加剤としては特に限定されず、例えば、一般的な塗料のプライマーに用いられるもの等が挙げられ、例えば、顔料であってよい。上記顔料としては特に限定されず、例えば、カーボン、酸化チタン、弁柄、マイカ等の着色顔料のほか、防錆顔料、焼成顔料等が挙げられる。
第三の本発明のETFE塗料用プライマーは、例えば従来公知の方法等により調製され、例えば、上述のETFE(A)、耐熱性樹脂、分散媒、並びに、必要に応じて界面活性剤、防錆剤及び添加剤を混合し、耐熱性樹脂溶解溶媒を添加し攪拌して分散させる方法等が挙げられる。
このようにして得られる第三の本発明のETFE塗料用プライマーは、被塗装物に塗布され、適宜乾燥や加熱が行われることにより、プライマー皮膜を形成する。
上記被塗装物としてはETFE塗膜が形成されるものであれば特に限定されず、例えばパイプ、タンク、ベッセル、塔、バルブ、ポンプ等のライニング用途に用いられるもの等が挙げられる。上記被塗装物には、必要に応じて予め洗浄、サンドブラスト等の表面処理を施してもよい。上記サンドブラストは、ケイ砂、アルミナ粉等の砂を吹きつけるものであり、被塗装物の表面を粗面化するので、密着性を向上する点から、行うことが好ましい。
上記被塗装物への塗布の方法としては特に限定されず、被塗装物の形態等により適宜選択することができ、例えば、スプレー塗装、浸漬塗装、はけ塗り、静電塗装等の従来公知の方法等が挙げられる。上記塗布は、乾燥膜厚が10〜60μmとなるように行うことができる。第三の本発明のETFE塗料用プライマーは、このようにクラック限界厚みを高めることができる。上記加熱は、上述の層分離を起す温度以上で行い、例えば60〜120℃等である。上記加熱の前に、室温で乾燥してもよく、乾燥により上記加熱条件を緩和し得る。
このようにして得られるプライマー皮膜には、次いで、ETFE塗料を塗布し、加熱焼成させることにより、ETFE塗膜を形成させる。
上記ETFE塗料は、ETFEを主成分とするものであり、必要に応じて適宜添加剤等のその他の成分を含有するものであってもよく、特に限定されない。上記ETFE塗料は、通常、粉体塗料である。上記粉体塗料の製法としては特に限定されず、例えば、従来公知の方法等が挙げられ、例えば、必要に応じてETFE及びその他の成分を溶融混練した後粉砕する方法、上述のETFE(A)の粉砕方法について説明した方法により粉砕し分級する方法等を用いることができる。
上記ETFE塗料中のETFEとしては特に限定されず、単量体成分としてのエチレンとテトラフルオロエチレンの割合、所望により含まれるその他の単量体成分の種類や共重合割合、メルトフローレート、平均粒子径、その他の特性等は、上述のETFE(A)と同一であっても異なっていてもよいが、上記プライマー皮膜と上記ETFE塗膜との密着性を向上させる点から、上記ETFE(A)と同一又は類似のものであることが好ましい。
上記ETFE塗料の塗布の方法としては特に限定されず、例えば、静電塗装、ロトライニング等が挙げられる。上記加熱焼成の温度としては、例えば250〜350℃等が挙げられる。
第三の本発明のETFE塗料用プライマーは、上述のように0.1〜30μmの平均粒子径を持つETFE(A)と、耐熱性樹脂とを、固形分比の質量基準で40:60〜90:10の特定範囲内で組み合わせて用いるものであるので、被塗装物との密着性、上に形成されるETFE塗膜との密着性がともに優れ、加工性が良好であるので、ETFE塗料用プライマーとして好適に用いられる。
被塗装物上に第三の本発明のETFE塗料用プライマーを塗布することより得られるものであるプライマー皮膜もまた、本発明の一つである。
更に、被塗装物、上記プライマー皮膜及びETFE塗膜からなる塗装物であって、上記プライマー皮膜は、上記被塗装物上に形成したものであり、上記ETFE塗膜は、上記プライマー皮膜上に形成したものである塗装物も、本発明の一つである。
発明を実施するための最良の形態
以下に実施例を掲げて本発明を更に詳しく説明するが、本発明はこれら実施例のみに限定されるものではない。
実施例1
粉砕で得られた平均粒子径12μmのPFA粉末を88g、パーフルオロオクタニック酸のトリエチルアミン塩5g、N−メチル−2−ピロリドン100g、イソプロピルアルコール100gをSUS製容器に入れ、攪拌機を用いてPFA粉末を均一に溶剤に濡らして分散し、分散体を得た。この分散体に上記高分子材料としてポリアミドイミド(30%N−メチル2−ピロリドン溶液、日立化成社製)79gとキシレン50g、テトラエチレングリコールブチルエーテル50gを加え、攪拌機を用いて分散し、塗料を得た。
この塗料をアルミニウム箔(厚さ100μm)150mm×200mmにスプレー塗布を行い、100℃で30分間乾燥した後、380℃で20分間焼成し、厚さ30μmの塗膜を得た。この塗板をミクロトーム((独)ライカ社製)を用いて薄く断面を切断し、偏向顕微鏡を用いてフィルターを調整し、境界が確認できるように調整しながら1000倍に拡大し、表面層(PFA層)の厚みを測定した。結果を表1に示す。
実施例2、実施例3、実施例6及び実施例9
溶融性フッ素樹脂の種類及び平均粒子径並びに配合比を表1に示すものにすること以外は実施例1と同様にして塗料を調製し、塗布、乾燥、焼成して塗膜を得、塗膜と表面層の厚みを測定した。結果を表1に示す。
実施例4
粉砕で得られた平均粒子径12μmのPFA粉末を88g、パーフルオロオクタニック酸のトリエチルアミン塩5g、N−メチル−2−ピロリドン100g、イソプロピルアルコール100gをSUS製容器に入れ、攪拌機を用いてPFA粉末を均一に溶剤に濡らし、分散した。フッ素ゴム塗料としてDPA382(1液タイプフッ素ゴム塗料25質量%、ダイキン工業社製)120gを分散、混合し、PFA/フッ素ゴムの配合比(容量比)70/30の塗料を得た。この塗料を実施例1と同様にして塗布し、100℃で30分間乾燥後、340℃で30分間焼成して塗膜を得た。実施例1と同様にして塗膜と表面層の厚みを測定した。結果を表1に示す。
実施例5
PFA粉末の代わりに平均粒子径8μmのFEP粉末を使用すること以外は実施例4と同様にして塗料を作成し、焼成を300℃で30分間行うこと以外は実施例4と同様にして塗膜を得た。実施例1と同様にして塗膜と表面層の厚みを測定した。結果を表1に示す。
実施例7
粉砕で得られた平均粒子径15μmのFEP粉末を88g、パーフルオロオクタニック酸のトリエチルアミン塩5g、N−メチル−2−ピロリドン100g、イソプロピルアルコール100gをSUS製容器に入れ、攪拌機を用いてFEP粉末を均一に溶剤に濡らして分散した。これにエポキシ樹脂としてエピコート828(油化シェル社製)20gを均一に分散し、塗料を得た。この塗料を用い、焼成条件を180℃で30分間焼成後、380℃で3分間後焼成を加えるように変更すること以外は実施例1と同様にして塗膜を得、塗膜と表面層の厚みを測定した。結果を表1に示す。
実施例8
配合比を変えること以外は実施例7と同様にして塗料を得て塗膜を得、塗膜と表面層の厚みを測定した。結果を表1に示す。
比較例1、比較例4及び比較例6
溶融性フッ素樹脂の種類及び平均粒子径並びに配合比を表1に示すものにすること以外は実施例1と同様にして塗料を得、塗膜を得て、塗膜と表面層の厚みを測定した。結果を表1に示す。
比較例2及び比較例5
溶融性フッ素樹脂の種類及び平均粒子径並びに配合比を表1に示すものにすること以外は実施例4と同様にして塗料を得、塗膜を得て、塗膜と表面層の厚みを測定した。結果を表1に示す。
比較例3
FEP粉末の平均粒子径を0.15μmにすること以外は実施例7と同様にして塗料を得、塗膜を得て、塗膜と表面層の厚みを測定した。結果を表1に示す。
Figure 2002090450
なお、用いた配合成分の各比重は、PFA及びFEPが2.2、ポリアミドイミドが1.4、フッ素ゴムが1.75、エポキシ樹脂が1.2であった。
表1から、平均粒子径が1〜30μmの範囲内であるPFA又はFEPを、これらの樹脂:上記高分子材料の容量比が35:65〜95:5となるように配合して塗料を得、得られた実施例1〜9の塗膜は、表面層の厚みが3〜12μmであるのに対し、PFA又はFEPの平均粒子径が1μm未満である比較例1〜4、及び、溶融性フッ素樹脂の配合比が少ない比較例5では、表面層の厚みが1〜2μmにすぎず、PFAの平均粒子径が30μmを超える比較例6では、表面層の厚みは実施例と同等程度であったが、塗膜表面のレベリングが悪くピンホールを生じることがわかった。
実施例10
エチレン/テトラフルオロエチレン/CH=CFCHのモル比が33/65/2であるETFE粉末(297℃でのメルトフローレート8g/10分、平均粒子径10μm)30g、耐熱性樹脂としてポリアミドイミド(PAI、日立化成社製)の粉砕物である平均粒子径1.5μmのPAI粉末10g、ノニオン系界面活性剤(ノニオンHS−208、日本油脂社製)0.7g、ジブチルアミン0.1g及び純水25gをステンレス容器に入れ、プロペラ攪拌機を用いて300rpmで20分間よく攪拌し、次いでN−メチル−2−ピロリドン20gを攪拌しながら添加しよく分散させて、ETFE塗料用プライマーを得た。
実施例11
エチレン/テトラフルオロエチレン/CH=CFCHのモル比が33.5/65/1.5である乳化重合で得られたETFE(297℃でのメルトフローレート15g/10分、平均粒子径0.25μm)の60%ディスパージョン50g、ポリアミドイミド(PAI、日立化成社製)の粉砕物である平均粒子径1.5μmのPAI粉末10g、ノニオン系界面活性剤(ノニオンHS−208、日本油脂社製)0.5g、ジブチルアミン0.1g及び純水5gをステンレス容器に入れ、プロペラ攪拌機を用いて300rpmで20分間よく攪拌し、次いでN−メチル−2−ピロリドン20gを攪拌しながら添加しよく分散させて、ETFE塗料用プライマーを得た。
実施例12
耐熱性樹脂としてPAI粉末を10gとポリエーテルサルホン(住友化学社製)の粉砕物(平均粒子径2μm)を20g用いることのほかは、実施例10と同様にして、ETFE塗料用プライマーを得た。
実施例13
ETFEを24g、PAI粉末を16gにすることのほかは、実施例10と同様にして、ETFE塗料用プライマーを得た。
実施例14
PAIの代わりにポリイミド(日立化成社製)粉砕物(平均粒子径2.5μm)を用いることのほかは、実施例10と同様にして、ETFE塗料用プライマーを得た。
実施例15
ETFEとして平均粒子径が4.8μmのものを使用することのほかは、実施例10と同様にして、ETFE塗料用プライマーを得た。
実施例16
ETFEとして平均粒子径が13.7μmのものを使用することのほかは、実施例10と同様にして、ETFE塗料用プライマーを得た。
実施例17
更に、CuO粉をETFEに対し0.1質量%添加することのほかは、実施例10と同様にして、ETFE塗料用プライマーを得た。
実施例18
更に、2−メルカプトベンゾイミダゾール粉をETFEに対し0.1質量%添加することのほかは、実施例10と同様にして、ETFE塗料用プライマーを得た。
実施例19
ETFEとしてエチレン/テトラフルオロエチレン/CH=CFCHのモル比が33.8/65/1.2であり、297℃でのメルトフローレートが0.05g/10分、平均粒子径が3.5μmのものを用いることのほかは、実施例10と同様にして、ETFE塗料用プライマーを得た。
比較例7
ETFEの平均粒子径を50μmにすることのほかは、実施例10と同様にして、ETFE塗料用プライマーを得た。
比較例8
ETFEを15g、PAI粉末を25g用いることのほかは、実施例10と同様にして、ETFE塗料用プライマーを得た。
比較例9
N−メチル−2−ピロリドンを添加しないことのほかは、実施例10と同様にして、ETFE塗料用プライマーを得た。
評価方法
1.ETFE塗料用プライマーの密着試験
脱脂された鉄基材(100mm×200mm×5mm)に80メッシュのアルミナとしてトサエメリー(宇治電化学工業社製)を0.5MPaの圧力でブラストを行い、エアーでブラスト粉を除去した上に、上記により得たETFE塗料用プライマーをスプレーで乾燥膜厚が15〜20μmとなるように塗装し、80℃で30分間乾燥させ、次いで、エチレン/テトラフルオロエチレン/ヘキサフルオロイソブチレンのモル比33/65/2の粉体塗料(297℃でのメルトフローレート8g/10分、平均粒子径60μm)を静電塗装し、300℃で30分間焼成を行い、約800μmの厚みの塗装膜を持つ塗装物を得た。この塗膜に10mm幅にナイフで筋目を入れ、島津社製オートグラフDSC−500を用いて50mm/分の速度で90度の剥離試験を行った。また、上記塗装物を95℃の沸騰水の中に20時間浸漬したものと、上記塗装物を200℃のオーブン中に72時間アニール処理したものを用意し、同様の条件で剥離試験を行った。結果を表2に示す。
2.クラック限界厚み
上記により得たETFE塗料用プライマーを、乾燥膜厚が10μm、15μm、20μm、25μm、30μm、35μm、となるように1回毎塗装時当て板等でマスクしながら5〜10段階の重ね塗装を行い、クラックが発生した膜厚より一つ少ない重ね塗装部分の膜厚を測定し、限界膜厚とした。結果を表2に示す。
Figure 2002090450
表2から、比較例7〜9では、密着性に劣るのに対し、実施例10〜18では、密着性に優れ、熱水処理や加熱処理の後においても初期と同等又はやや劣る程度の密着性を維持しており、密着性のばらつきが殆どないことがわかった。実施例10と実施例19との比較から、メルトフローレートが0.1〜100g/10分であることは密着性向上に重要であることがわかった。
産業上の利用可能性
第一の本発明の含フッ素塗料組成物及び第二の本発明の含フッ素塗料組成物は、上述の構成からなるので、1コート法により2コート法に匹敵する厚さで溶融性フッ素樹脂を主として含有する層を形成することができ、かつ、主としてフッ素樹脂を含有する層の上に、主としてバインダー樹脂を含有する層を形成すること、及び、これら両層の上下を逆にして形成することの何れをも可能にすることができる。
第三の本発明のETFE塗料用プライマーは、上述の構成からなるので、被塗装物との密着性、上に形成されるETFE塗膜との密着性がともに優れ、加工性が良好である。

Claims (26)

  1. 高分子材料及び平均粒子径が0.1〜30μmである溶融性フッ素樹脂を配合して得られる含フッ素塗料組成物であって、
    前記溶融性フッ素樹脂と前記高分子材料との容量比は、前記溶融性フッ素樹脂:前記高分子材料が35:65〜95:5である
    ことを特徴とする含フッ素塗料組成物。
  2. 高分子材料は、溶融性フッ素樹脂の融解開始温度以下において、液状であるもの又は溶媒に溶解しているものである請求の範囲第1項記載の含フッ素塗料組成物。
  3. 高分子材料は、被塗装物と化学的に結合することができる官能基を有するものである請求の範囲第1又は2項記載の含フッ素塗料組成物。
  4. 高分子材料は、融点、ガラス転移点又は軟化点として150℃以上の値を有するものである請求の範囲第1、2又は3項記載の含フッ素塗料組成物。
  5. 高分子材料及び平均粒子径が1〜30μmである溶融性フッ素樹脂を配合して得られる含フッ素塗料組成物であって、
    前記高分子材料は、前記溶融性フッ素樹脂の融解開始温度以下において、液状であるもの又は溶媒に溶解しているものであり、
    前記溶融性フッ素樹脂と前記高分子材料との容量比は、前記溶融性フッ素樹脂:前記高分子材料が35:65〜95:5である
    ことを特徴とする含フッ素塗料組成物。
  6. 溶融性フッ素樹脂は、パーフルオロポリマーである請求の範囲第1、2、3、4又は5項記載の含フッ素塗料組成物。
  7. 高分子材料は、含フッ素高分子である請求の範囲第1、2、3、4、5又は6項記載の含フッ素塗料組成物。
  8. 高分子材料は、弾性体である請求の範囲第1、2、3、4、5、6又は7項記載の含フッ素塗料組成物。
  9. 弾性体は、少なくとも200℃において耐熱性を有するものである請求の範囲第8項記載の含フッ素塗料組成物。
  10. 高分子材料は、無機高分子である請求の範囲第1、2、3、5又は6項記載の含フッ素塗料組成物。
  11. OA機器用ロール又はOA機器用ベルトに用いられるものである請求の範囲第1、2、3、4、5、6、7、8、9又は10項記載の含フッ素塗料組成物。
  12. 1コート法に用いるものである請求の範囲第1、2、3、4、5、6、7、8、9、10又は11項記載の含フッ素塗料組成物。
  13. 液状であるものは、分散媒が液相である分散系である請求の範囲第2項記載の含フッ素塗料組成物。
  14. 溶融性フッ素樹脂は、エチレン/テトラフルオロエチレン共重合体である請求の範囲第1、2、3、4又は13項記載の含フッ素塗料組成物。
  15. 高分子材料は、耐熱性樹脂である請求の範囲第1、2、3、4、13又は14項記載の含フッ素塗料組成物。
  16. 高分子材料は、耐熱性樹脂であり、分散系は、前記耐熱性樹脂、分散媒及び前記耐熱性樹脂を溶解させるための耐熱性樹脂溶解溶媒からなるものである請求の範囲第13項記載の含フッ素塗料組成物。
  17. ETFE塗料用プライマーである請求の範囲第13、14、15又は16項記載の含フッ素塗料組成物。
  18. ETFE(A)、耐熱性樹脂、分散媒及び前記耐熱性樹脂を溶解させるための耐熱性樹脂溶解溶媒を含有するETFE塗料用プライマーであって、
    前記ETFE(A)は、平均粒子径が0.1〜30μmであり、
    前記ETFE(A)と前記耐熱性樹脂との固形分比は、質量基準で40:60〜90:10であることを特徴とするETFE塗料用プライマー。
  19. 耐熱性樹脂溶解溶媒は、耐熱性樹脂に対し質量基準で10%以上である請求の範囲第18項記載のETFE塗料用プライマー。
  20. ETFE(A)は、メルトフローレートが0.1〜100g/10分である請求の範囲第18又は19項記載のETFE塗料用プライマー。
  21. 耐熱性樹脂は、ポリアミドイミド樹脂、ポリエーテルサルホン及びポリイミド樹脂からなる群より選ばれる少なくとも1種である請求の範囲第18、19又は20項記載のETFE塗料用プライマー。
  22. 更に、熱安定剤をETFE(A)の固形分に対し質量基準で0.001〜5%含有する請求の範囲第18、19、20又は21項記載のETFE塗料用プライマー。
  23. 請求の範囲第1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16又は17項記載の含フッ素塗料組成物を塗装することにより得られることを特徴とする塗膜。
  24. 請求の範囲第23項記載の塗膜を有することを特徴とする塗装物。
  25. 被塗装物上に請求の範囲第18、19、20、21又は22項記載のETFE塗料用プライマーを塗布することより得られるものである
    ことを特徴とするプライマー皮膜。
  26. 被塗装物、請求の範囲第25項記載のプライマー皮膜及びETFE塗膜からなる塗装物であって、
    前記プライマー皮膜は、前記被塗装物上に形成したものであり、
    前記ETFE塗膜は、前記プライマー皮膜上に形成したものである
    ことを特徴とする塗装物。
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