JPS5851029B2 - 耐蝕性にすぐれたフツ素樹脂塗装皮膜の調製法 - Google Patents

耐蝕性にすぐれたフツ素樹脂塗装皮膜の調製法

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JPS5851029B2
JPS5851029B2 JP12720981A JP12720981A JPS5851029B2 JP S5851029 B2 JPS5851029 B2 JP S5851029B2 JP 12720981 A JP12720981 A JP 12720981A JP 12720981 A JP12720981 A JP 12720981A JP S5851029 B2 JPS5851029 B2 JP S5851029B2
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powder
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達四郎 吉村
修平 島崎
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Daikin Kogyo Co Ltd
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Description

【発明の詳細な説明】 本発明は耐蝕性や耐薬品性にすぐれたフッ素樹脂塗装皮
膜の調製法、とくに厚内のフッ素樹脂塗装皮膜をうろこ
とのできる調製法に関する。
熱溶融性フッ素樹脂として市場に提供されるもののうち
とくに高耐熱性のものにはTFE系共重合体樹脂および
CTFE 系共重合体樹脂があり、前者としてはたと
えばテトラフルオロエチレン(以下、TFEという)−
へキサフルオロプロピレン(以下、RFP という)共
重合体(以下、FEPという)、パーフルオロビニルエ
ーテル−TFE共重合体(以下、PFAという)、エチ
レン−TFE共重合体(以下、E−TFE という)お
よびエチレン−プロピレン−TFE共重合体(以下、E
−P−TFE という)系樹脂などがあげられ、後者
としてはたとえばエチレ/−(’TFE共重合体(以下
、E−CTFE という)系樹脂などがあげられる。
これらの熱溶融性フッ素樹脂は、その溶融粘度が各最適
温度条件下でたいていのばあい10’ポアズより低い範
囲で溶融流動性を有するために、代表的かつ最も汎用の
フッ素樹脂であるポリテトラフルオロエチレン(以下、
PTFEといつ)(その溶融粘度は、加工温度である3
80℃付近においてさえ1010〜1011ポアズであ
り、溶融流動性を示さない)に比較してピンホールやボ
イドのない皮膜をえやすく、ディスパージョンの形で塗
装、ライニングに使用できるばかりでなく、粉体塗料と
して塗装、ライニングにも使用することができ、えられ
る皮膜も耐薬品性、耐蝕性にすぐれている。
しかしながら、それら熱溶融性樹脂の耐熱性は、それら
の焼成温度付近の高温下においてPTFEよりも劣り、
そのため加工上不利となることがしばしばである。
すなわちそれらをその適正な焼成温度340〜380℃
にて30分以上の長時間加熱すると、一部熱劣化を起し
、とくに膜厚大なるばあいは激しく発泡する。
この現象は空気中の酸素の影響にて促進される。
このため、たとえばFEP系塗料にあっては、■1回当
りの塗装膜厚を極力低く(50μ程度)おさえ、所望の
膜厚にいたるまで何回も塗装、焼成をくり返す方法や■
分子量の低いもの(380℃において溶融粘度0.5X
10’〜7X10’ポアズ程度)を塗料原料として用い
るか、または分子量の高いもの(380℃において溶融
粘度10×104〜40X10’ポアズ程度)を熱処理
などの方法で低(したものを塗料原料として用い、低温
での溶融流動性をもたせて320〜340℃にて焼成さ
せる方法が考えられ、一部市販されているものもある。
しかしながら、前記■の方法は、通常耐蝕ライニング皮
膜として必要な600〜1000μ程度の膜厚をうるた
めに工程上、塗装、焼成の手間および時間などにおいて
非常に不利になることを免れえない。
また■の方法は、1回あたりの塗装膜厚を100μ以上
にすると低温(320〜340℃)といえども焼成中に
塗膜に発泡が生じる。
このため、たとえば1000μの膜厚をえようとするば
あい、■の方法と同様に10回以上塗装と焼成とをくり
返す必要があり、塗装生産性がわるく、不経済である。
また分子量の低い樹脂は耐ストレスクラック性、耐ソル
ベントクラック性が劣り、耐蝕材料としては好ましくな
い。
しかもこのものは耐熱性も当然低下しており、加工温度
および時間の許容範囲も狭くなり、樹脂が熱劣化をきた
し、加工中にライニング皮膜が垂れたり、えられたライ
ニング皮膜の耐久性が低下したりする。
工業的規模で大物、たとえば1辺が1m以上もある基材
または肉厚に分布のある基材などにライニングするばあ
い、焼成温度の分布や熱履歴の差が当然大きくなってく
るが、このようなばあい前述のごとき塗料では均一な良
質のライニング皮膜をうろことが困難である。
またE−P−TFE、E−TFE、E−CTFEなどは
粉体塗装後の焼成時に前記FEP はどの塗膜発泡現象
はみられないものの、被塗物基材の大きさや形状のため
に長時間の焼成を必要とするばあい、これら樹脂の劣化
を伴ない、その結果えられる皮膜が着色するとともに、
種々の環境や薬品に対する耐久性がいちじるしく損なわ
れるようになる。
それらフッ素樹脂の焼成時における熱安定性を向上せし
める方法として、たとえば特開昭51122155号公
報や同51−122156号公報には水蒸気の存在下で
それぞれ高温熱処理された2種の溶融粘度の異なるFE
Pを混合する熱安定化法が示されているが、340〜3
80℃の高温で2〜5時間の熱処理を必要とするととも
に、水蒸気の存在下での処理のために熱処理後さらに水
分の除去に数時間の乾燥を必要とし、経済的ではない。
またE−TFEの熱安定化剤として、特公昭48−37
980号公報にIV−A族金属(Sn。
Pb )の硫酸塩が、特公昭48−37981号公報に
アルカリ金属、バリウム、■−A族金属のすン酸塩が、
特公昭48−38215号公報にアルカリ金属、バリウ
ムまたはIV−A族金属のリン酸塩と有機ホスファイト
類との組合せが、また特開昭49−87738号公報に
α〜アルミナなどを用いることが示されているが、それ
らはいずれも300℃で30分以内の焼成時における樹
脂の着色のみを防止しうるにすぎず、大寸法で熱容量の
大きい被塗物基材の塗装加工に適するものではない。
本発明者らは、さきにTFE系またはCTFE系共重合
体からなる熱溶融性フッ素樹脂に、特定の化合物、金属
またはそれらの混合物からなる熱安定剤を配合すること
により、1回あたりの塗装膜厚が大きく゛、塗装皮膜の
形成条件としての温度および時間の許容範囲が広く、し
かも良好な耐薬品性、耐熱性を有する塗膜をうろことが
できるフッ素樹脂組成物を提供しうろことを見出し、特
許出願した。
これらの熱安定剤は、(A) アミン系酸化防止剤、
有機イオウ系化合物および有機錫系酸化防止剤よりなる
群から選ばれた少なくとも1種(特開昭55−9603
号公報参照)、 (B) 錫または炬鉛の金属微粉末の中の少なくとも
1種(特公昭55−50066号公報参照)、(Q 周
期表第■族の金属元素の粉末、アミン系酸化防止剤およ
び有機イオウ系化合物の混合物(特公昭55−5006
7号公報参照)、0 錫または炬鉛粉末および有機イオ
ウ系化合物(特開昭55−16058号公報参照)、(
6)フェノール系酸化防止剤の1種または2種以上と、
有機イオウ系化合物および有機錫系酸化防止剤よりなる
群から選ばれた少なくとも1種(特開昭55−3880
2号公報参照)、(F″) カーボンブラック粉末、有
機イオウ系化合物およびアミン系酸化防止剤、あるいは
さらに岨鉛、錫、コバルト、ニッケルまたは鉄の微粉末
の少なくとも1種(特開昭55−133442号公報参
照)、および (G) 金属石ケンの1種または2種以上と、アミン
系酸化防止剤および有機イオウ系化合物よりなる群から
選ばれた少なくとも1種(特開昭55−135154号
公報参照) などである。
しかしながら熱安定剤を配合することにより加工性はい
ちじるしく向上するが、塗装焼成後も残存する熱安定剤
または熱安定剤の熱分解生成物が形成された皮膜の耐薬
品性を低下せしめたり、薬品を汚染させる原因となるこ
とがある。
本発明者らはそれらの欠点を解消するべくさらに研究を
重ねた結果、含有されている熱安定剤が熱安定剤を含有
していないフッ素樹脂層の一部にその熱安定効果を及ぼ
しうろことを見出し、本発明の方法を完成した。
すなわち、本発明のフッ素樹脂塗装皮膜の調製法は、熱
安定剤を実質的に含有しないTFE系またはCTFE
系重合体からなる熱溶融性フッ素樹脂の上塗り層を設
けるに先立ち、その下層に熱安定剤を含有するフッ素樹
脂の下塗り層を設けることを要旨とするものである。
本発明の方法を用いるときは、上塗り層の下層に含有さ
れている熱安定剤がその効果を上塗り層にまで及ぼし、
500μ以上の肉厚の塗装皮膜を形成することができる
一方、熱安定剤配合による塗膜に与える前記のような好
ましくない影響は上塗り層の上層部にまでは波及せず、
したがって上塗り層の耐薬品性は損なわれないという著
しい効果がある。
同じ理由から、本発明の方法によってライニングした製
品を薬品の貯槽や反応容器として用いるばあい、薬品に
よって熱安定剤やその分解生成物が抽出されることがな
く、薬品や反応生成物の純度を高く保持することができ
る。
本発明の方法は肉厚の塗装皮膜を形成しうろことが特徴
の1つであるが、非粘着性や離型性を目的とする薄膜コ
ーティングにも応用できる。
すなわち長時間の焼成によっても上塗り層の重合体の熱
劣化が少なく、より一層強靭な皮膜かえられる。
したがって大型被塗物に長時間焼成して皮膜を形成する
ときにも多大な効果を発揮する。
本発明の方法において、上塗り層の下に設ける熱安定剤
を含有する塗層は、従来のフッ素樹脂用プライマーに熱
安定剤を加えて調製された塗層でもよいし、また、プラ
イマ一層の上に設けられた熱安定剤を含有するフッ素樹
脂塗装(このばあい、中間層となる)であってもよい。
そのばあい、プライマ一層および中間層に用いるフッ素
樹脂は、上塗り層に用いる熱溶融性フッ素樹脂と溶融接
着性がある限り、上塗り雇用のフッ素樹脂と異種のもの
であってもよく、たとえば上塗り層がFEP樹脂のばあ
いの下層は、プライマーに用いるものも含めPTFE
を用いることができる。
上塗り層の形成に用いられるフッ素系重合体は加熱時に
溶融流動するTFE系またはCTFE 系重合体であ
る。
したがって、TFE系重合体のばあいは共重合体に限ら
れ、CTFE 系重合体は単独重合体および共重合体
が含まれる。
共重合体としては、代表例としてつぎに示すものがあげ
られる。
(1) TFE とHFP との共重合体で、その単
量体組成比が9515〜75/25 (モル比、以下同
様)である樹脂 (2)TFE とパーフルオロアルキルビニルエーテル
とからなる共重合体で、その単量体組成比が98/2〜
90/10である樹脂 (3)TFEとエチレンとからなる共重合体で、その単
量体組成比が70/30〜90/10である樹脂 (4)CTFE とエチレンとからなる共重合体で、
その単量体組成比が75/25〜85/15である樹脂 (5)TFE とエチレンとプロピレンとからなる共重
合体で、その単量体組成比が40〜60/25〜50/
2〜20である樹脂 これらの単独重合体および共重合体は前述のごとく各重
合体を構成する単量体のほかに、変性剤として少量の共
重合可能な他の単量体を導入して変性した共重合体樹脂
であってもよい。
かかる変性剤として用いられる単量体としては、たとえ
ばプロピレン、イソブチレン、フッ化ビニル、フッ化ビ
ニリチン、トリフルオロエチレン、ヘキサフルオロプロ
ピレン、ヘキサフルオロイソブチンなどをあげることが
できる。
本発明において用いられるこれらのフッ素樹脂は粒径が
30メツシユパス、とくに60メツシユパスの範囲のも
のを使用するのが好ましい。
熱安定剤としては前畝N〜(G)に示したものを用いる
ことができる。
これらの熱安定剤は配合される被覆組成物中の固形分に
対して0.2〜200PHR(100重量部に対する重
量部、以下同様)、好ましくは2〜60PHRの範囲で
配合するのが好ましく、配合量が前記範囲より小なると
きは安定性向上の効果の発揮に乏しく、また前記範囲よ
り大なるときは熱安定剤自身の分解生成物残渣による塗
膜の着色が生じたり、塗膜の耐薬品性が減じたり、いず
れも好ましくない。
所望なら、さらにカーボン粉末、酸化チタン、酸化コバ
ルトなどの顔料、ガラス繊維、カーボン繊維などの粉末
、マイカなどの補強剤、レベリング剤、帯電防止剤など
の添加剤を適宜添加してもよい。
重合体と熱安定剤、添加剤などとの配合は、粉末状で混
合(乾式)してもよいし、スラリー状で混合(湿式)し
てもよいが、いかなる形態で混合するかは組成物の使用
態様に応じて適宜選択される。
組成物を粉体塗装に使用するばあい、混合はいうまでも
なく粉末の状態で行なうのが好ましい。
また混合用機器としては、たとえばサンプルミル、■型
ブレンダー、円錐型ブレンダー、リボンミキサーなどの
通常の混合機および粉砕機がいずれも特別な制限なしに
使用しうる。
なお熱安定剤を配合するときは、混合時の温度はそれら
熱安定剤化合物が影響を受けないように約200℃以下
に制御することが必要である。
また同様な理由から、混合後の組成物はその塗装前に約
200℃より高温の熱履歴を経ないように管理すること
が必要である。
混合を湿式で行なうばあいには、前記粒径範囲の熱溶融
性フッ素樹脂と熱安定剤とをトルエン、キシレン、パー
クロロエチレン、クロロホルム、トリクロロエチレン、
アルコール類などの有機溶剤、水またはそれらの混合媒
体を用いて混合せしめる。
媒体として水を用いるばあいには、前記成分を均一に分
散させるためにアルキルベンゼンスルホン酸ソーダ、ナ
トリウムアルキルサルフェート、ホリエチレンクリコー
ルアルキルフェニルエーテル、ポリエチレングリコール
アルキルエーテル、バークロロフルオロオクタノイック
酸のアンモニウム塩などの界面活性剤を添加するのが好
ましい。
また使用される混合用機器としては、ボールミル、振動
式ボールミル、サンドミル、ロールミルなどの攪拌また
は混練のための機器がいずれも特別な制限なしに使用さ
れる。
さらに、前記プライマーとは、金属などの基材に直接焼
付けられ、基材とプライマ一層の上に設けられるフッ素
樹脂層とを強く接着させるために用いられるものであっ
て、その組成は、通常上層のフッ素樹脂と同一または類
似のフッ素樹脂であってこれと溶融接着性のあるものに
基材との接着性を強める働きをする接着助剤を加えたも
のであって、ふつう液状媒体に分散または溶解させて用
いる。
有用な前記接着助剤としては、クロム酸、クロム酸とリ
ン酸の混合物:銅、亜鉛、カドミウムなどの金属の酸化
物ニリン酸の金属塩:チタン、ジルコニウムなどの周期
表■族の遷移金属の有機キレート化合物:アルカリまた
はアミノシリケート、アルキルシリケート、リチウムポ
リシリケートもしくはシリカコロイドなどのケイ素化合
物:芳香族ポリアミドイミド樹脂(以下、PAI と
いう)またはポリイミド樹脂(以下、PIという)、ポ
リフェニレンサルファイド樹脂(以下、PPSという)
などのポリアリレンサルファイド樹脂、ポリエーテルス
ルホン樹脂、ポリスルホン樹脂などが例示される。
プライマーの媒体としては、水または有機溶媒が用いら
れる。
接着助剤にポリアミドイミド樹脂またはポリイミド樹脂
を用いるばあいは、有機溶媒としてN−メチルピロリド
ン、クレゾール、フェノール、ナフサ、ジメチルホルム
アミド、ジメチルアセトアミド、ベンゾニトリル、メチ
ルグリコールアセテート、メチルエチルケトン 2−ニ
トロプロパン、エチルクリコールアセテート、酢酸エチ
ル、キシレン、トルエン、メチルイソブチルケトンなど
、さらにこれらの2種またはそれ以上の混合物、たとえ
ばN−メチルピロリドンとトルエン、酢酸エチル、ブチ
ルグリコール、ジオキサンなどとの混合物が好ましく使
用される。
また、ポリエーテルスルホン樹脂またはポリスルホン樹
脂を用いたばあいは、有機溶媒としてジメチルホルムア
ミド、シクロヘキサノン、ジクロロメタン 1・1・2
− トリクロロエタン、N−メチル−2−ピロリドンな
どが使用される。
また、プライマーに用いるフッ素樹脂としては、PTF
E でもよいし、前記TFE系またはCTFE系重合
体でもよい。
また、プライマーの組成、形態はとくに限定されるもの
ではない。
プライマ一層はプライマーを噴霧、浸漬、流延法などの
公知の慣用手段により基材に適用し、乾燥後焼成処理を
行なうことによって形成される。
乾燥は常温〜100℃程度で行なわれるが、直接焼成処
理を行なうと媒体の急激な蒸発気化が、塗膜面にクラッ
クやピンホールなどを生せしめることになるのでそれを
回避する目的で行なわれる当業者の熟知せる慣用処理手
段の一つにすぎない。
プライマ一層の焼成はその組成にもよるが、通常常温〜
400℃の温度範囲で実施せられる。
前記のごとく、このプライマ一層に熱安定剤を配合して
もよいし、また配合しなくてもよい。
しかしながらプライマ一層を本発明における下塗り層と
して用いるばあいには、必らず熱安定剤を配合しなげれ
ばならない。
つぎに本発明の調製法の実施態様を説明する。
まず表面処理された基材に熱安定剤を含有しまたは含有
しないプライマーを前記のとおり塗装し、乾燥および焼
成してプライマ一層を形成する。
えられたプライマ一層に熱安定剤を含有するTFE系ま
たはCTFE 系重合体からなるフッ素樹脂を塗装し
焼成する。
ただし、プライマ一層に熱安定剤を含むばあいはこの塗
装は必ずしも必要でない。
またPrime EK−1300,EK−1900シリ
ーズ(ダイキン工業株式会社の商品名)を用いるときは
必らずしも焼成する必要はなく、乾燥するだけでよい。
えられた塗層の上にTFE系またはCTFE 系重合
体からなる実質的に熱安定剤を含有しない熱溶融性フッ
素樹脂を塗装し、焼成して上塗り層を形成する。
熱安定剤を含有する塗層を焼成して形成するばあいの焼
成温度および時間は、約320〜370℃で約10分〜
1時間、好ましくは約330〜350℃で約15〜30
分間である。
上塗り層の焼成温度および時間は、約320〜380℃
で約1〜10時間、好ましくは約320〜360℃で約
2〜5時間である。
プライマ一層または下塗り層および上塗り層の各厚さの
比は、用途、用いるフッ素樹脂などの多くの要因によっ
て異なるが、一般にプライマ一層の厚さを1とすると下
塗り層は0〜100程度、上塗り層の厚さは3〜100
程度である。
つぎに実施例および比較例あげて本発明の詳細な説明す
る。
なお、%はと(にことわらないかぎり重量%を意味する
実施例 1〜5 ダイキン工業(株)製フッ素樹脂塗装用プライマーEK
−1909BK(接着助剤としてポリアミドイミド樹脂
を含み固形公約30%の水性分散体)に熱安定剤として
ジ−β−ナフチル−p−フェニレンジアミンと2−メル
カプトベンゾイミダゾール亜鉛塩との重量比で2:1の
混合物をプライマーに対して15%含有させ、これをプ
ラスト処理したアルミニウム板上にスプレー法により塗
装し、100℃で10分間乾燥したのち380℃で15
分間焼成して皮膜厚が8μおよび12μのプライマ一層
を形成し、これを下塗り層とした。
えられたプライマ一層には発泡やクラックは生じていな
かった。
ついで60メツシユパスのTFE−HFP 共重合粉末
(モル比TFE/HFP=88/12)をプライマ一層
に載置された10crfL×15CrrLの長方形型枠
に焼成後の全皮膜厚が300μおよび500μとなるよ
うに充填し、それぞれ330℃、340℃、350℃、
360℃および370℃で8時間焼成し、上塗り層を形
成した。
前記フッ素樹脂塗装用プライマー(EK−1909BK
)に配合する熱安定剤の配合割合を1%、5%、10%
、20%および50%に代えたほかは前記と同様の方法
によりプライマ一層および上塗り層をえた。
第1〜5図に熱安定剤の配合量を変化させ、上塗り層を
それぞれ330℃、340℃、350℃、360℃およ
び370℃の各焼成温度において焼成したときの上塗り
層の発泡の状態を肉眼で観察した結果を全皮膜厚が30
0μおよび500μのものについてそれぞれ示す。
第1〜5図において点々の記号Aで囲まれた領域は膜厚
が300μのときに発泡が観察されなかった領域、ハツ
チングBで囲まれた領域は膜厚が500μのときに発泡
が観察されなかった領域である。
なお、第3図において○および△で示す点は、プライマ
ー焼成を380℃で行なったもののそれぞれ膜厚が30
0μおよび500μのものに関するデータである。
それらの条件ではいずれも発泡が生じなかった。
比較例 l 実施例1において熱安定剤をフッ素樹脂塗装用プライマ
ー(EK−1909BK )に配合せずに実施例1と同
様の方法によって10μの下塗り層を形成した。
この下塗り層へ実施例1で用いたのと同じTFE −R
FP共重合体粉末を用いて実施例1と同様の方法で厚さ
300μおよび500μのライニング膜を形成させたと
ころ、すべて焼成後には激しく発泡し満足しうるライニ
ング膜はえられなかった。
実施例6および比較例2 実施例1で用いたものと同じフッ素樹脂塗装用プライマ
ーに熱安定剤として4・4′−ビス(α・α−ジメチル
ベンジル)ジフェニルアミン、2メルカプトベンゾチア
ゾール匣鉛塩およびコバルト粉末(1〜2μ)の重量比
で3二3:2の混合物をプライマーに対して10%の割
合で配合し、これをプラスト処理したアルミニウム板に
スフレ−法により塗装し、100℃で10分間乾燥した
のち380℃で15分間焼成して皮膜厚が12μの薄い
下塗り層をえた。
えられた下塗り層にTFE−HFP共重合体樹脂(モル
比TFE/HFP = 88 / l 2、固形分含量
約40%の水性分散物)をスプレー法により塗装し、1
00℃で10分間乾燥したのち38o℃で20分間、4
0分間、60分間および120分間焼成して上塗り層を
形成し、全膜厚40μの薄膜をえた。
前記熱安定剤をプライマーに配合しなかったほかは前記
と同様の方法により下塗り層および上塗り層を形成して
比較用の薄膜をえた。
えられた各薄膜の硬度をJISK5401に基づいて測
定した結果を第1表に示す。
実施例 7 フッ素樹脂塗装用プライマー(EK−1909BK )
をプラスト処理した鉄板にその全表面を覆うように塗装
し、実施例1と同じ条件で乾燥および焼成したのち、そ
の上に実施例1で用いたのと同じ熱安定剤を3PHR含
有する60メツシユパスのTFE−HFP共重合体(モ
ル比88/12)の粉体塗料を静電塗装法によって全表
面を覆うように塗装したのち、370℃で30分間焼成
した。
この操作を2回繰り返したのち、その上に熱安定剤を含
有しない前記TFE−HFP共重合体を前記と同様に粉
体塗装し、350±5℃で2時間焼成して全膜厚111
LTILの塗装皮膜をえた。
比較例 3 実施例7と同様のプライマーを用いてプライマー塗装を
施したアルミニウム板に実施例7と同じ熱安定剤を3%
含有するTFE−HFP共重合体を実施例7と同じ条件
で塗装焼成を3回繰り返し、全膜厚が1朋の皮膜をえた
実施例7および比較例3でえられた各塗膜を50%フッ
酸中に50℃で6か月浸漬したのち取出したところ、塗
膜の変化はあまり認められないが、上塗り層に熱安定剤
を含む塗装板を浸漬したフッ酸は黄褐色に着色しており
、その溶液を分析したところ、金属亜鉛が流出している
ことが確認された。
それに対し、上塗り層に熱安定剤を含まない塗装板の浸
漬液はまったく着色せず、亜鉛は検出されなかった。
実施例 8 実施例7と同じく鉄板上にプライマー塗装を施したのち
、その上に実施例7と同じ熱安定剤を5%含有スるTF
E −パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体(
モル比97/3)水性分散体塗料を被覆し、乾燥後33
0℃で30分間焼成して膜厚80μの皮膜をえた。
この上に熱安定剤を含まない前記と同じ共重合体の粉体
塗料を静電粉体塗装し、全膜厚300μの皮膜をえた。
この皮膜に発泡は全くみられなかった。
実施例 9 実施例7において、鉄板にプライマーを片面のみ塗装し
、その上につぎに示す熱安定剤1〜9を5PHR含有す
る’I’FE−HFP共重合体を静電塗装法により実施
例7と同様の方法および条件下に塗装し、膜厚400μ
の皮膜をえた。
さらにその上に熱安定剤を含まないTFE−HFP共重
合体を実施例7と同様の方法および条件によって静電塗
装して全膜厚700μの皮膜をえた。
(1)2−メルカプトベンゾイミダゾール東鉛塩(2)
2−メルカプトベンゾチアゾール亜鉛塩とフェニル−β
−ナフチルアミンの重ffi比1 : 1の混合物 (3) ジブチル錫メルカプチドと2−メルカプトベ
ンゾイミダゾールの重量比1:2の混合物(4)錫粉末
(粒径200メツシユ以下)(5)2・2′−メチレン
−ビス(4−メチル−6−tert −ブチルフェノー
ル)とジブチル錫メルカプトの重量比1:1の混合物 (6) ナフテン酸コバルトと2−ベンゾチアゾール
東鉛塩と4・4′−ビス−(α・α′−ジメチルベンジ
ル)ジフェニルアミンの重量比1:2:2の混合物 (7)ステアリン酸鉛と2−メルカプトチアゾールの重
量比1:1の混合物 (8) ステアリン酸亜鉛とジ−β−ナフチル−p−
フェニレンジアミンの重量比1:2の混合物(9)
4・4′−ビス−(α・α′−ジメチルベンジル)ジフ
ェニルアミンと2−メルカプトベンゾチアゾールとコバ
ルトの重量比3: 3: 2の混合物およびカーボンブ
ラックの重量比4:1の混合物 えられた皮膜はいずれも発泡などの異状は認められなか
った。
【図面の簡単な説明】
第1〜5図は、それぞれ上塗り層の種々の焼成温度にお
いて熱安定剤の配合量を変化させたときの上塗り層の発
泡状態を示すグラフである。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1 熱安定剤を実質的に含有しないテトラフルオロエチ
    レン系共重合体またはクロロトリフルオロエチレン系重
    合体からなる熱溶融性フッ素樹脂の上塗り層を形成する
    に先立ち、その下層に熱安定剤を含有するフッ素樹脂の
    下塗り層を形成することを特徴とする耐蝕性にすぐれた
    フッ素樹脂塗装皮膜の調製法。 2 前記下塗り層が、フッ素樹脂および接着助剤に加え
    て熱安定剤を含有するフッ素樹脂プライマ一層である特
    許請求の範囲第1項記載の調製法。 3 前記下塗り層が、熱安定剤を含有しまたは含有せず
    かつフッ素樹脂および接着助剤を含有するフッ素樹脂プ
    ライマ一層の上に形成された熱安定剤を含有するテトラ
    フルオロエチレン系またはクロロトリフルオロエチレン
    系重合体からなるフッ素樹脂層である特許請求の範囲第
    1項記載の調製法。 4 前記熱安定剤の配合割合が、全皮膜調製用材料中の
    固形分100重量部に対し0.2〜200重量部である
    特許請求の範囲第2項または第3項記載の調製法。 5 前記上塗り層が粉体塗装法によって形成されること
    を特徴とする特許請求の範囲第1項、第2項または第3
    項記載の調製法。 6 前記熱安定剤が、 (A) アミン系酸化防止剤、有機イオウ系化合物お
    よび有機錫系酸化防止剤よりなる群から選ばれた少なく
    とも1種、 (B) 錫または亜鉛の金属微粉末の単独または両者
    の混合物、 (Q 周期表第■族Q金属元素の粉末、アミン系酸化防
    止剤および有機イオウ系化合物、 0 錫または屯鉛粉末および有機イオウ系化合物、四)
    フェノール系酸化防止剤の1種または2種以上と、有機
    イオウ系化合物および有機錫系酸化防止剤よりなる群か
    ら選ばれた少なくとも1種との混合物、 (F) カーボンブラック粉末、有機イオウ系化合物
    およびアミン系酸化防止剤、および (G) 金属石ケンの1種または2種以上と、アミン
    系酸化防止剤および有機イオウ系化合物より選ばれた少
    なくとも1種との混合物 よりなる群から選ばれた少なくとも1種である特許請求
    の範囲第1項、第2項、第3項または第4項記載の調製
    法。
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