JPWO2002080904A1 - 肝機能保護または改善剤 - Google Patents

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Abstract

式(I){式(I)中、R1,R2,R3,R4,R5,R6,R7,R8およびR9は同一または異なって、水素、ハロゲン、ヒドロキシ、アルコキシまたはアルキルを示し、RAは式(II)[式(II)中、R10およびR11は同一または異なって水素またはハロゲンを表すか、R10とR11が一緒になって結合を表す]または、式(III)[式(III)中、R12は水素、ハロゲン、ヒドロキシ、アルコキシ、シアノまたはアルキルを示し、R13およびR14は同一または異なって水素、またはハロゲンを表すか、R13とR14が一緒になって結合を表す]を表す}で表される化合物もしくはその配糖体またはそれらの薬理学的に許容される塩を含有することを特徴とする肝機能保護または改善剤。

Description

技術分野
本発明は、肝機能保護または改善剤、肝機能保護または改善用飲食品または飼料、および肝機能保護または改善作用を有する飲食品添加物または飼料添加物に関する。
背景技術
肝臓は、3大栄養素である糖質、タンパク質、脂質の代謝調節・貯蔵を行なったり、生体にとって不要な物質を分解・解毒したり等の種々の機能を担っている重要な臓器である。これら機能は、アルコールの過剰摂取、ウイルス感染、乱れた食習慣、ストレス、喫煙等により急性的あるいは慢性的に障害を受けるが、該障害が進行すると、例えば急性肝炎、慢性肝炎、肝硬化症、アルコール性脂肪肝、B型ウイルス肝炎、肝臓癌などの疾患となる。
肝細胞がウイルス、アルコールなどで障害を受けると、細胞中のアスパラギン酸アミノトランスフェラーゼ(グルタミン酸−オキサロ酢酸トランスアミナーゼともいう。以下GOTと略記する。)やアラニンアミノトランスフェラーゼ(グルタミン酸−ピルビン酸トランスアミナーゼともいう。以下、GPTと略記する。)などの酵素が血液中に出てくるため、これらの酵素活性を示す数値が上昇する。従って、血液中のこれらGOTやGPT活性は、肝臓の機能障害を示す指標として知られている。
肝機能障害の予防または治療に使用される薬剤としては、例えばアシクロビル等の抗ウイルス剤、免疫抑制剤、グルタチオン等が知られている。また、肝機能の保護・増強・改善に有効とされる飲食品としては、例えばウコン、マリアアザミ、ゴマリグナン、牡蠣エキス、レバーエキスなどが知られている。
しかし、肝疾患を効果的に予防または治療できる薬剤や、日々摂取することで肝障害を予防または治療できる健康飲食品または動物用飼料の開発は常に切望されている。
スチルベノイド化合物については、これまで生薬の甘茶(Hydrangeae Dulcis Folium)から単離された化合物について、抗アレルギー作用、抗酸化作用、抗菌作用[第2回「くすりと食物」シンポジウム(大阪)要旨集、85頁、1999年、日本薬用食品学会準備委員会]などが検討されている。
スチルベノイド化合物のインビトロでの作用については以下のような報告がある。
抗アレルギー作用については、コンパウンド48/80やカルシウムイオノフォアA23187で誘導される肥満細胞からのヒスタミン遊離をツンベルギノールA〜Gが抑制(50%阻害濃度:9.4〜92μM)し、フィロズルチンやフィロズルチン 8−O−グルコシド、ヒドランゲノール、ヒドランゲノール 8−O−グルコシド、ヒドラマクロフィロールAおよびBが100μMで抑制しないことが報告されている[バイオオーガニック・アンド・メディシナル・ケミストリー(Bioorganic & Medicinal Chemistry),,1445(1999)]。
甘茶エキス(2000mg/kg)は、経口投与により、ラット受動皮膚アナフィラキシー反応を抑制することが報告されている[薬学雑誌、114(6),401(1994)]。また、フィロズルチン 8−O−グルコシド(300および500mg/kg)、ヒドランゲノール(500mg/kg)、ヒドランゲノール 8−O−グルコシド(300および500mg/kg)、ツンベルギノールA(300および500mg/kg)、ツンベルギノールF(300および500mg/kg)は、経口投与により、ラット受動皮膚アナフィラキシー反応を抑制するが、フィロズルチン(300および500mg/kg)は、ラット受動皮膚アナフィラキシー反応を抑制しないことが報告されている[バイオロジカル・アンド・ファーマシューティカル・ブレチン(Biological & Pharmaceutical Bulletin),22(8),870(1999)]。
抗酸化作用については、DPPH(1,1−Diphenyl 2−Picrylhydrazyl)ラジカル補足能に関して、甘茶エキスが0.099mgで50%補足作用を示すのに対し、フィロズルチンは0.208mg、ヒドランゲノールは1.074mgで作用を示すこと、リノール酸酸化(ロダン鉄法)に関しては、フィロズルチンがα−トコフェロールやBHA(Butylated Hydroxyanisole)より強力な抑制作用を示し、ヒドランゲノールの抑制作用は弱いこと、ラット肝ミクロソームにおけるNADP(Nicotinamide Adenine Dinucleotide Phosphate)H依存性脂質過酸化に関してはフィロズルチンがα−トコフェロールと同程度の抑制作用を示し、ヒドランゲノールの抑制作用は弱いことが報告されている[ナチュラル・メディシン(Natural Medicine),49(1),84(1995)]。
抗菌作用に関しては、フィロズルチン1000ppmがスタフィロコッカス・アウレウス(Staphylococcus aureus)とスタフィロコッカス・エピデルミディス(Staphylococcus epidemidis)に対し増殖抑制作用を示すこと(特開平5−43460号公報)、バクテロイドス・メラニノゲニウム(Bacteroides melaninogenicus)とフソバクテリウム・ヌクレツム(Fusobacterium nucleatum)に対してフィロズルチンとヒドランゲノールが最小発育阻止濃度1.25−2.5ppmで抗菌作用を示すこと(特開平6−92829号公報)が報告されている。
白血球に対する分化誘導作用[ケミカル・アンド・ファーマシューティカル・ブレチン(Chemical & Pharmaceutical Bulletin),48(4),566(2000)]に関しては、ツンベルギノールAなどのイソクマリン類(100μMで活性あり)の方がフィロズルチンやヒドランゲノールなどのジヒドロイソクマリン(300μMで活性あり)よりインビトロでの活性が強いことが報告されている。またヒドランゲノールにヒアルロニダーゼ阻害作用があることが報告されている[プランタメディカ(Planta Medica),54,385(1988)]。
また、甘茶エキス(500mg/kg)はインビトロでの試験において利胆作用を示すが、フィロズルチン(200mg/kg)、ヒドランゲノール(200mg/kg)は、この作用を示さないことが報告されている[薬学雑誌、114(6),401(1994)]。
さらに、甘茶エキス(200および400mg/kg、経口投与)は塩酸エタノールで誘導されるラット胃漬瘍を抑制するが、フィロズルチン(75mg/kg、経口投与)やヒドランゲノール(75mg/kg、経口投与)は抑制しないことが報告されている[薬学雑誌、114(6),401(1994)]。
発明の開示
本発明の目的は、肝機能保護または改善剤、肝機能保護または改善用飲食品または飼料、および肝機能保護または改善用飲食品添加物または飼料添加物を提供することにある。
本発明は、以下の(1)〜(15)に関する。
(1)式(I)
Figure 2002080904
{式(I)中、R,R,R,R,R,R,R,RおよびRは同一または異なって、水素、ハロゲン、ヒドロキシ、アルコキシまたはアルキルを示し、Rは式(II)
Figure 2002080904
[式(II)中、R10およびR11は同一または異なって水素またはハロゲンを表すか、R10とR11が一緒になって結合を表す]または、式(III)
Figure 2002080904
[式(III)中、R12は水素、ハロゲン、ヒドロキシ、アルコキシ、シアノまたはアルキルを示し、R13およびR14は同一または異なって水素またはハロゲンを表すか、R13とR14が一緒になって結合を表す]を表す}で表される化合物もしくはその配糖体[以下、化合物(I)という]またはそれらの薬理学的に許容される塩を含有することを特徴とする肝機能保護または改善剤。
(2) R、R、R、RおよびRが水素である前記(1)記載の肝機能保護または改善剤。
(3) Rが水素またはヒドロキシを示し、Rがヒドロキシを示し、RおよびRは同一または異なって水素、ヒドロキジまたはアルコキシである前記(1)または(2)記載の肝機能保護または改善剤。
(4) Rが式(II)である前記(1)〜(3)のいずれかに記載の肝機能保護または改善剤。
(5) Rが式(III)である前記(1)〜(3)のいずれかに記載の肝機能保護または改善剤。
(6) 化合物(I)がフィロズルチンである前記(1)記載の肝機能保護または改善剤。
(7) 化合物(I)がヒドランゲノールである前記(1)記載の肝機能保護または改善剤。
(8) 前記(1)〜(7)のいずれかに記載の肝機能保護または改善剤を添加してなる飲食品。
(9) 前記(1)〜(7)のいずれかに記載の肝機能保護または改善剤を添加してなる飼料。
(10) 前記(1)〜(7)のいずれかに記載の肝機能保護または改善剤を添加してなる飲食品添加物。
(11) 前記(1)〜(7)のいずれかに記載の肝機能保護または改善剤を添加してなる飼料添加物。
(12) 経口で投与する前記(1)〜(7)いずれかに記載の肝機能保護または改善剤。
(13) 肝機能がアルコールにより影響される機能である前記(1)〜(7)のいずれかに記載の肝機能保護または改善剤。
(14) 化合物(I)またはその薬理学的に許容される塩の治療有効量をヒトを含む動物に投与する工程を含む肝機能保護または改善方法。
(15) 肝機能保護または改善剤の製造のための化合物(I)またはその薬理学的に許容される塩の使用。
化合物(I)の各基の定義において、アルキルおよびアルコキシにおけるアルキル部分は、例えば直鎖又は分岐状の、炭素数1〜10のアルキル、さらに好ましくは炭素数1〜6のアルキルであり、より具体的には例えばメチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、sec−ブチル、tert−ブチル、ペンチル、ネオペンチル、ヘキシル、ヘプチル、オクチル、ノニル、デシル等があげられる。ハロゲンは、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素の各原子を表す。
配糖体を構成する糖の種類および糖鎖長は特に制限がない。糖の種類としては例えばペントース、ヘキソース、ヘプトース等があげられ、ヘキソースが好ましい。ペントースとしては、例えばD−キシロース、L−アラビノース、D−アラビノース、D−リブロース、D−キシルロース、L−キシルロース、D−リボース、D−デオキシリボース等があげられる。ヘキソースとしては、例えばD−グルコース、D−フルクトース、D−マンノース、D−ガラクトース、L−ガラクトース、D−タガトース、L−ソルボース、L−フコース、D−フコース、D−キノボース、L−ラムノース等があげられる。ヘプトースとしては、例えばセドヘプルロース、ペルシュロース等があげられる。
糖鎖長としては、例えば1〜10、好ましくは1〜6、より好ましくは1〜3があげられる。
化合物(I)の薬理学的に許容される塩としては、例えば、無機酸(例えば、塩酸、硫酸、硝酸等)、有機酸(例えば、炭酸、重炭酸、コハク酸、酢酸、プロピオン酸、トリフルオロ酢酸等)、無機塩基(例えば、ナトリウムもしくはカリウム等のアルカリ金属、カルシウムもしくはマグネシウム等のアルカリ土類金属等)および有機塩基化合物(例えば、トリエチルアミン等の有機アミン類、アルギニン等の塩基性アミノ酸等)との塩等があげられる。
化合物(I)としては、例えば式(IV)
Figure 2002080904
[式(IV)中、R,R,R,R,R,R,R,R,R,R10およびR11はそれぞれ前記と同義である]で表される化合物もしくはその配糖体または式(V)
Figure 2002080904
[式(V)中、R,R,R,R,R,R,R,R,R,R12,R13およびR14はそれぞれ前記と同義である]で表される化合物もしくはその配糖体があげられる。
式(I)、式(IV)および式(V)におけるR、R、R、RおよびRとしては、水素であることが好ましい。また、式(I)、式(IV)および式(V)におけるRとしては水素またはヒドロキシ、Rとしてはヒドロキシ、RおよびRとしては同一または異なって水素、ヒドロキシ、またはアルコキシであることが好ましい。
具体的な化合物(I)としては、例えばフィロズルチン、ヒドランゲノール、ツンベルギノールA、フィロズルチン 8−O−グルコシド、フィロズルチン 3’−O−グルコシド、ヒドランゲノール 8−O−グルコシド、ヒドランゲノール 4’−O−グルコシド、3−(フルオロフェニル)−3,4−ジヒドロイソクマリン、3−(フルオロフェニル)イソクマリン、3−(3’,5’−ジメチル−4’−ヒドロキシベンジリデン)フタライド、4,5,6,7−テトラヨード−3−ベンザルフタライド、4,5,6,7−テトラヨード−3−(α−シアノベンザル)フタライド、8−メトキシ−3−(p−メトキシフェニル)イソクマリン、3,4−ジヒドロ−3−(p−メトキシフェニル)イソクマリン、5−クロロ−8−ヒドロキシ−6−メトキシ−3−フェニルイソクマリン等をあげることができる。これらの構造を第1表に示す。
Figure 2002080904
化合物(I)またはその薬理学的に許容される塩は、化学的に合成してもよいし、また、化合物(I)またはその薬理学的に許容される塩をもとより含有する天然物から単離・精製してもよい。
化合物(I)またはその薬理学的に許容される塩を化学的に合成する方法としては、以下の方法が例示される。
3−(3−ベンジルオキシ−4−メトキシフェニル)−2−プロペナールを出発原料とした生合成類似方法[ケミカル・アンド・ファーマシューティカル・ブレチン(Chemical & Pharmaceutical Bulletin),28(10),3013(1980)]。
シントン−1−(3−ベンジルオキシ−4−メトキシフェニル)−5−ジメチルアミノ−1,4−ペンタジエン−3−オンと3−オクソグルタル酸ジメチルを出発原料とし芳香族アネレーション、脱ベンジルを経る方法[ケミカル・アンド・ファーマシューティカル・ブレチン(Chemical & Pharmaceutical Bulletin),31(12),4360(1983)]。
N,N−ジエチル−2−メチルベンズアミドをリチウム化し次いで芳香族アルデヒド類と縮合して塩基性加水分解する方法[ジャーナル・オブ・オーガニック・ケミストリー(Journal of Organic Chemistry),49(5),742(1984)]。塩化銅を触媒とし位置特異的酸化的ラクトン化反応を応用した方法[ケミカル・アンド・ファーマシューティカル・ブレチン(Chemical & Pharmaceutical Bulletin),44(10),1890(1996)]。
オルトトルイック酸を過剰のリチウムイソプロピルアミドで処理することから出発する方法[シンセティック・コミュニケーションズ(Synthetic Communications),26(9),1753(1996)]。
オルトトルエートをリチウムイソプロピルアミドで処理しアニオンを生じせしめ重合させる方法[シンセシス(Synthesis),,72(1980)]。ホモフタル酸誘導体と芳香族アシル塩化物を加熱し、次いでアルカリ分解させる方法[ケミカル・アンド・ファーマシューティカル・ブレチン(Chemical & Pharmaceutical Bulletin),29(9),2491(1981)]。
ホモフタル酸と臭化ベンゾイルクロライドを出発原料とし、アルカリ加水分解、還元したラセミ化ヒドロキシ酸を経る方法[インディアン・ジャーナル・オブ・ヘテロサイクリック・ケミストリー(Indian Journal of Heterocyclic Chemistry),,99(1998)]。
ベンゾシクロブテノンとアルコールの加熱による方法[テトラヒドロン・レターズ(Tetrahedroh Letters),38(33),5745(1997)]。4,5,6,7−テトラヨード無水フタル酸とフェニル酢酸の反応を経る方法[エジプト・ジャーナル・オブ・ケミストリー(Egypt Journal of Chemistry),22(2),135(1979)]。
3,4−ジメトキシフェニル酢酸と無水フタル酸を酢酸ナトリウム存在下で加熱してラクトン化しさらに水性テトラヒドロフランと臭化テトラブチルアンモニウムの存在下で加水分解する方法[ジャーナル・オブ・オーガニック・ケミストリー(Journal of Organic Chemistry),59(26),8220(1994)]。
アルキルベンゾイック酸誘導体をパラジウム触媒でベンゾキノン存在下で環化する方法[ケミカル・アンド・ファーマシューティカル・ブレチン(Chemical & Pharmaceutical Bulletin),42(8),1700(1994)]。
2,6−二置換フェノールをヘキサメチレンテトラアミドとホウ酸で処理した後硫酸で加水分解して合成した3,5−二置換 4−ヒドロキシベンズアルデヒドを原料とし、トリフェニルフォスフォニウムブロマイドから生じたフォスフォランとのウィッテヒ(Wittig)反応を経る方法[ヨーロピアン・ジャーナル・オブ・メヂシナル・ケミストリー(European Journal of Medicinal Chemistry),13(5),425(1978)]。
化合物(I)またはその薬理学的に許容される塩をもとより含有する天然物としては例えばアマチャ(Hydrangea macrophylla Ser.var.Thunbergii MAKINO、Hydrangea serrata var.Thunbergii)や甘茶(Hydrangea dulcis Folium)等の植物や生薬があげられる。ヒドランゲノールを含有する植物としてはアジサイ(Hydrangea macrophylla Ser.)、ガクアジサイ(Hydrangea macrophylla Ser.var.otaksa Makino)などのアジサイ属植物、常山(Dichroae radix)等があげられる。植物を改良し、化合物(I)またはその薬理学的に許容される塩を多く含有するように育種したものや、植物組織を培養したものを用いることもできる。化合物(I)またはその薬理学的に許容される塩は、該植物体抽出物から、単体または混合物の形で得られる。
天然物からの精製にあたっては、有機溶媒を用いて目的の化合物を抽出した後、溶媒分画法、カラムクロマトグラフ法、HPLC法、再結晶法等、一般に低分子化合物を精製するのに用いられる手法を用いる。
抽出方法としては、例えば各種溶媒抽出、超臨界流体抽出等があげられる。抽出物は沈降分離、ケーキ濾過、清澄濾過、遠心濾過、遠心沈降、圧搾分離、フィルタープレスなどの各種固液分離方法、各種濃縮方法、各種乾燥方法、造粒もしくは粉末化等の製剤化方法、各種精製方法等で処理してもよい。
精製方法としては例えば溶媒分画法、カラムクロマトグラフ法、再結晶法等があげられる。特に、ダイヤイオンHP−20(三菱化学社製)、セファデックスLH−20(ファルマシア社製)等の各種担体を用いたカラムクロマトグラフィー法が好ましい。
濃縮および乾燥方法としては、凍結乾燥、自然乾燥、熱風乾燥、通風乾燥、送風乾燥、噴霧乾燥、減圧乾燥、天日乾燥、真空乾燥、流動層乾燥、泡沫層乾燥、ドラムドライヤーなどの皮膜乾燥法、超音波乾燥、電磁波乾燥等の乾燥方法、好ましくは噴霧乾燥方法、凍結乾燥方法があげられる。
抽出および抽出物の処理に際しては、例えば抗酸化剤や保存剤等を添加することもできる。
溶媒抽出に用いる溶媒としては、化合物(I)またはその薬理学的に許容される塩を抽出できる溶媒なら何を用いてもよく、例えば水、蒸留水、脱イオン水、無機塩水溶液、緩衝液等の水性媒体、メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール等の一価アルコール、プロピレングリコール、グリセロールなどの多価アルコール、ヘキサン、トルエン、石油エーテル、ベンゼン、酢酸エチル、クロロホルム、ジクロロメタン、1,1,2−トリクロロエテン、ジメチルスルフォキシド、アセトン等の有機溶媒等があげられ、水性媒体、アルコールが好ましい。
緩衝液としては、例えばリン酸緩衝液、クエン酸緩衝液等があげられる。無機塩水溶液の無機塩としては、例えば塩化ナトリウム、塩化カリウム、塩化カルシウム等があげられる。
アルコールとしては、一価アルコールが好ましく、一価アルコールとしてはエタノールが好ましい。
これら溶媒は単独または複数混合して用いることができる。混合した溶媒としては、含水アルコールが好ましく、含水一価アルコールがより好ましく、含水エタノールが特に好ましい。含水率としては、70%以下が好ましく、40%以下がより好ましい。
溶媒としては、超臨界流体化した二酸化炭素を用いることもできる。
抽出は、例えば植物体1重量部に対し溶媒0.1重量部〜10000重量部、好ましくは1重量部〜100重量部用いて行う。抽出温度は特に制限がないが、0℃〜100℃が好ましく、20℃〜90℃がより好ましい。抽出時間は、特に制限がないが、1分間〜1週間が好ましく、30分間〜1日間がより好ましい。
抽出物の濃縮は常圧下でも減圧下でもよく、温度も特に制限がないが、40℃以下であることが好ましい。化合物(I)またはその薬理学的に許容される塩は抽出混合物として用いてもよいが、必要に応じ単離してもよい。単離は、低級アルキルケトン、低級アルコール、低級脂肪酸、低級脂肪酸エステル、低級脂肪族エーテル、ハロゲン置換もしくは無置換の低級炭化水素等の有機溶媒等で抽出し、次いでこの抽出液の濃縮物をシリカゲル、アルミナ等を担体とするカラムクロマトグラフィーに付すことにより行うことができる。
低級アルキルケトンとしては、例えばアセトン、メチルエチルケトン等が、低級アルコールとしては、例えばメタノール、エタノール等が、低級脂肪酸としては、酢酸等が、低級脂肪族エステルとしては、例えば、エチルエーテル、イソプロピルエーテル等が、ハロゲン置換もしくは無置換の低級炭化水素としては、クロロホルム、四塩化炭素、n−ヘキサン等があげられ、単独または混合して用いられる。
本発明において、肝機能の保護とは、肝機能を各種障害から保護する作用および肝機能を障害から予防する作用等を含む。肝機能の改善とは、障害を受けた肝臓の機能を回復もしくは治癒させる作用、肝臓の機能を向上もしくは増強させる作用等を含む。
本発明でいう肝機能とは、肝臓の有する機能をすべて意味しており特に制限はない。具体的な肝機能としては、例えば血液貯蔵(循環量の調整)、血色素の処理(ヘモグロビンの処理排出)、胆汁の生成、胆汁色素の腸肝循環、血漿タンパクの合成(急性期タンパク質、アルブミン、血液凝固因子、ステロイド結合タンパク質、他のホルモン結合タンパク質)等の血液と循環における機能、栄養素とビタミンの代謝(グルコースと他の糖類、アミノ酸、脂質−脂肪酸、コレステロール、リポタンパク、脂溶性ビタミン、水溶性ビタミン)等の栄養素の代謝機能、種々の物質の不活性化(アルコール、アセトアルデヒド、毒素、エストロゲンやアンドロステロンなどのステロイド、他のホルモン)等の解毒・分解機能、免疫機能「生理学展望、原書19版(平成12年3月31日)、新しい臨床栄養学、改訂第3版(2000年5月20日)」等があげられる。これら機能はいずれもアルコールにより障害を受けるものである。
本発明の肝機能保護または改善剤は、既に肝機能に障害を有しているヒトまたは動物に投与することにより、肝機能障害を改善することができる。また本発明の肝機能保護または改善剤は、肝機能障害が顕在化していないヒトまたは動物に投与することにより、肝機能障害を予防することができる。
本発明の肝機能保護または改善剤は、化合物(I)またはその薬理学的に許容される塩を含有し、必要に応じて薬理学的に許容される一種もしくはそれ以上の担体、更に必要に応じて他の治療のための有効成分を含有していてもよい。
本発明の肝機能保護または改善剤は、化合物(I)またはその薬理学的に許容される塩に必要に応じ担体と一緒に混合し、製剤学の技術分野においてよく知られている任意の方法により製造される。
製剤の投与形態は、治療に際し最も効果的なものを使用するのが望ましく、経口投与または、例えば静脈内、腹膜内もしくは皮下投与などの非経口投与をあげることができる。これらのうち、経口投与が好ましい。
投与する剤形としては、例えば錠剤、散剤、顆粒剤、丸剤、懸濁剤、乳剤、浸剤、カプセル剤、シロップ剤、注射剤、液剤、エリキシル剤、エキス剤、チンキ剤、流エキス剤等があげられる。
経口投与に適当な、例えばエキス剤、チンキ剤、流エキス剤などは、例えばユキノシタ科に属する植物の植物体から、例えば水、エタノール、水とエタノールの混合液などで化合物(I)またはその薬理学的に許容される塩を抽出し、該抽出物をそのまま、または濃縮して調製することができる。
経口投与に適当な、例えばシロップ剤のような液体調製物は、水、蔗糖、ソルビトール、果糖などの糖類、ポリエチレングリコール、プロピレングリコールなどのグリコール類、ごま油、オリーブ油、大豆油などの油類、p−ヒドロキシ安息香酸エステル類などの防腐剤、パラオキシ安息香酸メチル等のパラオキシ安息香酸誘導体、安息香酸ナトリウム等の保存剤、ストロベリーフレーバー、ペパーミントなどのフレーバー類などの担体を使用して製造できる。
また、経口投与に適当な、例えば錠剤、散剤および顆粒剤などは、乳糖、白糖、ブドウ糖、蔗糖、マンニトール、ソルビトール等の糖類、バレイショ、コムギ、トウモロコシ等の澱粉、炭酸カルシウム、硫酸カルシウム、炭酸水素ナトリウム、塩化ナトリウム等の無機物、結晶セルロース、カンゾウ末、ゲンチアナ末などの植物末などの賦形剤、澱粉、寒天、ゼラチン末、結晶セルロース、カルメロースナトリウム、カルメロースカルシウム、炭酸カルシウム、炭酸水素ナトリウム、アルギン酸ナトリウムなどの崩壊剤、ステアリン酸マグネシウム、タルク、水素添加植物油、マクロゴール、シリコーン油などの滑沢剤、ポリビニールアルコール、ヒドロキシプロピルセルロース、メチルセルロース、エチルセルロース、カルメロース、ゼラチン、澱粉のり液などの結合剤、脂肪酸エステルなどの界面活性剤、グリセリンなどの可塑剤などを用いて製造できる。
非経口投与に適当な例えば注射剤は、好ましくは受容者の血液と等張である活性化合物を含む滅菌水性剤からなる。例えば、注射剤の場合は、塩溶液、ブドウ糖溶液または塩水とブドウ糖溶液の混合物からなる担体などを用いて注射用の溶液を調製する。
また、これら非経口剤においても、前述の防腐剤、保存剤、界面活性剤等が使用できる。
本発明の、肝機能保護剤または改善剤の投与量および投与回数は、投与形態、患者の年齢、体重、治療すべき症状の性質もしくは重篤度により異なるが、特に制限はなく、通常経口の場合、成人一人当り化合物(I)またはその薬理学的に許容される塩として、一回当たり、0.01mg〜50g、好ましくは0.05mg〜10gを一日一回ないし数回投与する。静脈内投与などの非経口投与の場合、成人一人当り化合物(I)またはその薬理学的に許容される塩として、1回当たり、0.001mg〜50g、好ましくは0.01mg〜10gを一日一回ないし数回投与する。また、動物に投与する場合、動物の年齢、種類、症状の性質もしくは重篤度により異なるが、特に制限はなく、経口投与の場合、体重1Kg当たり、1回当たり、0.1μg〜10g、好ましくは1μg〜1gを一日一回ないし数回投与する。また、静脈内投与などの非経口投与の場合、体重1Kg当たり、1回当たり、0.01μg〜10g、好ましくは0.1μg〜1gを一日一回ないし数回投与する。しかしながら、これら投与量および投与回数に関しては、前述の種々の条件により変動する。
化合物(I)またはその薬理学的に許容される塩を添加してなる飲食品または飼料としては、化合物(I)またはその薬理学的に許容される塩をもとより含有するあるいは化合物(I)またはその薬理学的に許容される塩をもとより含有しない飲食品または飼料に化合物(I)またはその薬理学的に許容される塩を添加し、一般の飲食品または飼料の製造方法で製造されたものがあげられる。また、飲食品または飼料は、一般の飲食品または飼料を加工する方法で加工してもよい。加工方法としては流動層造粒、攪拌造粒、押出造粒、転動造粒、気流造粒、圧縮成形造粒、解砕造粒、噴霧造粒、噴射造粒などの造粒方法、パンコーティング、流動層コーティング、ドライコーティングなどのコーティング方法、パフドライ、過剰水蒸気法、フォームマット方法、マイクロ波加熱方法などの膨化方法などがあげられる。
化合物(I)またはその薬理学的に許容される塩を添加する飲食品もしくは飼料またはそれらの原料としては、特に制限が無く、化合物(I)またはその薬理学的に許容される塩を含有しているものでも、化合物(I)またはその薬理学的に許容される塩を実質的に含有していないものでもよい。
化合物(I)またはその薬理学的に許容される塩を含有している飲食品または飼料に、化合物(I)またはその薬理学的に許容される塩を添加することにより、該飲食品または飼料の肝機能保護作用または改善作用を増大させることができる。
飲食品または飼料に添加する本発明の化合物(I)またはその薬理学的に許容される塩の添加量としては、飲食品または飼料が肝機能保護作用または改善作用を示す濃度とすることができる量で有れば特に制限はないが、飲食品または飼料中の化合物(I)またはその薬理学的に許容される塩の含量としては、0.001〜100%が好ましく、0.01〜100%がより好ましく、0.1〜100%が特に好ましい。
化合物(I)またはその薬理学的に許容される塩を添加する具体的な飲食品としては、ジュース類、清涼飲料水、スープ類、茶類、乳酸菌飲料、発酵乳、冷菓、バター、チーズ、ヨーグルト、加工乳、脱脂粉乳等の乳製品、ハム、ソーセージ、ハンバーグ等の畜肉製品、魚肉錬り製品、だし巻き、卵豆腐等の卵製品、クッキー、ゼリー、スナック菓子、チュウーインガム等の菓子類、パン類、麺類、漬け物類、燻製品、干物、佃煮、調味料等があげられる。
飲食品の形態としては、例えば粉末食品、シート状食品、瓶詰め食品、缶詰食品、レトルト食品、カプセル食品、タブレット状食品、流動食品、ドリンク剤等があげられる。
本発明の飲食品は、健康飲食品、機能性飲食品として、肝機能保護または改善用に使用される。
本発明の化合物(I)またはその薬理学的に許容される塩を有効成分として含有する肝機能保護または改善用飲食品を摂取する場合、その摂取量は特に制限がないが、成人に対し一日あたり化合物(I)またはその薬理学的に許容される塩の重量として、0.01mg〜50g、好ましくは0.05mg〜10gである。この摂取量で1日間〜1年間、好ましくは2週間〜3ヶ月間、摂取させる。但し、この摂取量はあくまでも目安であり、摂取者の症状の程度や年齢、体重等に応じて適宜好適な範囲に調整することができる。
化合物(I)またはその薬理学的に許容される塩を添加する飼料としては、例えばほ乳類、鳥類、は虫類、両生類、魚類等の動物用飼料があげられ、具体的にはイヌ、ネコ、ネズミ等のペット用飼料、ウシ、ブタ等の家畜用飼料、ニワトリ、七面鳥等の家禽用飼料、タイ、ハマチ等の養殖魚用飼料等があげられる。
本発明の飼料は、飼料原料に化合物(I)またはその薬理学的に許容される塩を適宜配合して作ることができる。
飼料原料としては、穀物類、糟糠類、植物性油かす類、動物性飼料原料、その他飼料原料、精製品等があげられる。
穀物類としては、例えばマイロ、小麦、大麦、えん麦、らい麦、玄米、そば、あわ、きび、ひえ、とうもろこし、大豆等があげられる。
糟糠類としては、例えば米ぬか、脱脂米ぬか、ふすま、末粉、小麦胚芽、麦ぬか、ペレット、トウモロコシぬか、トウモロコシ胚芽等があげられる。
植物性油かす類としては、例えば大豆油かす、きな粉、あまに油かす、綿実油かす、落花生油かす、サフラワー油かす、やし油かす、パーム油かす、ごま油かす、ひまわり油かす、なたね油かす、カポック油かす、からし油かす等があげられる。
動物性飼料原料としては、例えば魚粉(北洋ミール、輸入ミール、ホールミール、沿岸ミール)、フィッシュソルブル、肉粉、肉骨粉、血粉、分解毛、骨粉、家畜用処理副産物、フェザーミール、蚕よう、脱脂粉乳、カゼイン、乾燥ホエー等があげられる。
その他の飼料原料としては、植物茎葉類(アルファルファ、ヘイキューブ、アルファルファリーフミール、ニセアカシア粉末等)、トウモロコシ加工工業副産物(コーングルテン、ミール、コーングルテンフィード、コーンステープリカー等)、でんぷん加工品(でんぷん等)、砂糖、発酵工業産物(酵母、ビールかす、麦芽根、アルコールかす、しょう油かす等)、農産製造副産物(柑橘加工かす、豆腐かす、コーヒーかす、ココアかす等)、その他(キャッサバ、そら豆、グアミール、海藻、オキアミ、スピルリナ、クロレラ、鉱物等)等があげられる。
精製品としては、タンパク質(カゼイン、アルブミン等)、アミノ酸、糖質(スターチ、セルロース、シュークロース、グルコース等)、ミネラル、ビタミン等があげられる。
本発明の化合物(I)またはその薬理学的に許容される塩を添加してなる飼料を動物に摂取させる場合、その摂取量は特に制限がないが、動物の体重1kgあたり、一日あたり、化合物(I)またはその薬理学的に許容される塩の重量として、0.1μg〜10g、好ましくは0.1μg〜1gである。この摂取量で1日間〜1年間、好ましくは2週間〜3ヶ月間、摂取させる。但し、この摂取量はあくまでも目安であり、摂取動物の種類、年齢、体重等に応じて適宜好適な範囲に調整することができる。
化合物(I)またはその薬理学的に許容される塩を添加してなる飲食品添加物または飼料添加物は、飲食品添加物または飼料添加物に、化合物(I)またはその薬理学的に許容される塩を添加し、必要に応じて一般に飲食品または飼料に用いられる添加剤、例えば食品添加物表示ハンドブック(日本食品添加物協会、平成9年1月6日発行)に記載されている甘味料、着色料、保存料、増粘安定剤、酸化防止剤、発色剤、漂白剤、防かび剤、ガムベース、苦味料、酵素または酵素源、光沢剤、酸味料、調味料、乳化剤、強化剤、製造用剤、香料、香辛料抽出物などの添加剤を添加してもよい。また、前述の肝機能保護または改善剤に例示した担体を添加してもよい。
飲食品添加物または飼料用添加物中の化合物(I)またはその薬理学的に許容される塩の濃度としては、特に制限がないが、1〜99%が好ましく、10〜90%がより好ましく、20〜80%が特に好ましい。
甘味料としてはアスパルテーム、カンゾウ、ステビア、キシロース、ラカンカなどがあげられる。
着色料としては、カロチノイド、ウコン色素、フラボノイド、カラメル色素、シコン色素、スピルリナ色素、葉緑素、ムラサキイモ色素、ムラサキヤマイモ色素、シソ色素、ブルーベリー色素などがあげられる。
保存料としては、亜硫酸ナトリウム、安息香酸類、ウド抽出物、エゴノキ抽出物、カワラヨモギ抽出物、ソルビン酸類、プロピオン酸類などがあげられる。
増粘安定剤としては、アラビアガムやキサンタンガムなどのガム類、アルギン酸類、キチン、キトサン、キダチアロエ抽出物、グァーガム、ヒドロキシプロピルセルロース、カゼインナトリウム、コーンスターチ、カルボキシメチルセルロース類、ゼラチン、寒天、デキストリン、メチルセルロース、ポリビニルアルコール、微小繊維状セルロース、微結晶セルロース、海藻セルロース、ポリアクリル酸ソーダ、ポリリン酸ナトリウム、カラギーナン、酵母細胞壁、コンニャクイモ抽出物、ナタデココ、マンナンなどがあげられる。
酸化防止剤としては、ビタミンC、エチレンジアミン四酢酸ナトリウム、エチレンジアミン四酢酸カルシウム、エリソルビン酸、オリザノール、カテキン、ケルセチン、クローブ抽出物、酵素処理ルチン、リンゴ抽出物、ゴマ油抽出物、ジブチルヒドロキシトルエン、ウイキョウ抽出物、セイヨウワサビ抽出物、セリ抽出物、チャ抽出物、テンペ抽出物、ドクダミ抽出物、トコトリエノール、トコフェロール類、ナタネ油抽出物、生コーヒー豆抽出物、ヒマワリ種子、フェルラ酸、ブチルヒドロキシアニソール、ブルーベリー葉抽出物、プロポリス抽出物、ヘゴ・イチョウ抽出物、ヘスペレチン、コショウ抽出物、ホウセンカ抽出物、没食子酸、ヤマモモ抽出物、ユーカリ抽出物、ローズマリー抽出物などがあげられる。
発色剤としては亜硝酸ナトリウムなど、漂白剤としては亜硫酸ナトリウムなどがあげられる。
防かび剤としてはオルトフェニルフェノールなどがあげられる。
ガムベースとしては、アセチルリシノール酸メチル、ウルシロウ、エステルガム、エレミ樹脂、オウリキュウリロウ、オゾケライト、オポパナックス樹脂、カウリガム、カルナウバロウ、グアヤク樹脂、グッタカチュウ、グッタハンカン、グッタペルカ、グリセリン脂肪酸エスエル、ゲイロウ、コパオババルサム、コーパル樹脂、ゴム、コメヌカロウ、サトウキビロウ、シェラック、ジェルトン、しょ糖脂肪酸エステル、ソルバ、ソルビタン脂肪酸エステル、タルク、炭酸カルシウム、ダンマル樹脂、チクル、チルテ、ツヌー、低分子ゴム、パラフィンワックス、ファーバルサム、プロピレングリコール脂肪酸エステル、粉末パルプ、粉末モミガラ、ホホバロウ、ポリイソブチレン、ポリブテン、マイクロクリスタルワックス、マスチック、マッサランドバチョコレート、ミツロウ、りん酸カルシウムなどがあげられる。
苦味料としては、イソアルファー苦味酸、カフェイン、カワラタケ抽出物、キナ抽出物、キハダ抽出物、ゲンチアナ抽出物、香辛料抽出物、酵素処理ナリンジン、ジャマイカカッシア抽出物、テオブロミン、ナリンジン、ニガキ抽出物、ニガヨモギ抽出物、ヒキオコシ抽出物、ヒメマツタケ抽出物、ボラペット、メチルチオアデノシン、レイシ抽出物、オリーブ茶、ダイダイ抽出物、ホップ抽出物、ヨモギ抽出物などがあげられる。
酵素または酵素源としてはアミラーゼ、トリプシン、レンネット、乳酸菌などがあげられる。
光沢剤としてはウルシロウ、モクロウなどがあげられる。
酸味料としてはアジピン酸、イタコン酸、クエン酸類、コハク酸類、酢酸ナトリウム、酒石酸類、二酸化炭素、乳酸、フィチン酸、フマル酸、リンゴ酸、リン酸などがあげられる。
調味料としてはアスパラギン、アスパラギン酸類、グルタミン酸、グルタミン、アラニン、イソロイシン、グリシン、セリン、シスチン、チロシン、ロイシン、プロリンなどのアミノ酸、イノシン酸ナトリウム、ウリジル酸ナトリウム、グアニル酸ナトリウム、シチジル酸ナトリウム、リボヌクレオチドカルシウム、リボヌクレオチドナトリウムなどの核酸、クエン酸、コハク酸などの有機酸、塩化カリウム、塩水湖水低塩ナトリウム液、粗製海水塩化カリウム、ホエイソルト、りん酸三カリウム、りん酸水素二カリウム、りん酸二水素カリウム、りん酸水素二ナトリウム、りん酸二水素ナトリウム、りん酸三ナトリウム、クロレラ抽出物などがあげられる。
乳化剤としては、例えば脂肪酸モノグリセリド、ソルビタン脂肪酸エステルなどがあげられる。
強化剤としては亜鉛塩類、ビタミンC類、各種アミノ酸、5−アデニル酸、塩化鉄、ヘスペリジン、各種焼成カルシウム、各種未焼成カルシウム、ジベンゾイルチアミン、水酸化カルシウム、炭酸カルシウム、チアミン塩酸塩、デュナリエラカロチン、トコフェロール、ニコチン酸、ニンジンカロチン、パーム油カロチン、パントテン酸カルシウム、ビタミンA、ヒドロキシプロリン、ピロリン酸二水素カルシウム、ピロリン酸第一鉄、ピロリン酸第二鉄、フェリチン、ヘム鉄、メナキノン、葉酸、リボフラビンなどがあげられる。
製造用剤としてはアセトンやイオン交換樹脂などの加工助剤、イチジク葉抽出物、イナワラ灰抽出物、カオリン、グリセリン脂肪酸エステル、クワ抽出物、骨灰、シソ抽出物、ショウガ抽出物、各種タンニン、ファフィア抽出物、ブドウ種子抽出物、エタノールなどがあげられる。
香料としては、ストロベリーフレーバー、ペパーミントフレーバーなどがあげられる。
香辛料抽出物としては、唐辛子抽出物、ニンニク抽出物などがあげられる。
以下実施例に基づいて本発明を詳述する。ただし、下記実施例は本発明を制限するものではない。なお、実施例に使用した機器は下記のものを使用した。
質量分析器(装置:JMS−HX110/110A(日本電子)、FAB gas:Xe、加圧電圧:10kV,マトリクス:m−NBA),高分解能FABマススペクトル(ポジティブモード;マトリックス:m−NBA):核磁気共鳴法(装置:JNM−A400(JEOL、H−NMR:400MHz、13C−NMR:100MHz)。
発明を実施するための最良の形態
実施例1 フィロズルチンの単離
乾燥した甘茶の粉末(志平商店社製)1.0kgを、メタノール20Lで2回抽出し(室温、2日間放置)、得られた抽出液を濃縮乾固して、メタノール抽出物425.8gを得た。該抽出物を、6Lのシリカゲルカラム(ワコーゲルC−300、和光純薬工業社製)を用い、n−ヘキサンからAMC溶液(酢酸0.1%およびメタノール0.5%をそれぞれ含有するクロロホルム溶液をいう。)への10%ステップワイズ法で溶出物を分画した。
溶出された90%AMC溶液含有n−ヘキサン画分、100%のAMC溶液画分(各画分6L)を混合しフラクションIを得た。
フラクションIを、濃縮後、2Lのシリカゲルカラム(ワコーゲルC−300、和光純薬工業社製)を用い、n−ヘキサンからアセトンへの10%ステップワイズ法で分画し、50%、60%および70%アセトン含有n−ヘキサン画分(各画分2L)を得た。該3画分を合わせて濃縮し、再結晶法によりフィロズルチン粉末26.2gを得た。
単離した化合物のH−NMRおよび13C−NMR値はいずれも標品のH−NMRおよび13C−NMR値と一致した。
実施例2 ヒドランゲノールの単離
乾燥した甘茶の粉末(志平商店社製)1.0kgを、メタノール20Lで2回抽出し(室温、2日間放置)、得られた抽出液を濃縮乾固して、メタノール抽出物425.8gを得た。該抽出物を、6Lのシリカゲルカラム(ワコーゲルC−300、和光純薬工業社製)を用い、n−ヘキサンからAMC溶液への10%ステップワイズ法、次いでクロロホルムからメタノールへの0.5%ステップワイズ法で分画した。
溶出された1.0%メタノール含有クロロホルム画分(6L)をまとめてフラクションIIとした。
フラクションIIを、濃縮後、400mlの順相系カラム(LiChroprep Si60、メルク社製)を用い、n−ヘキサンからAMC溶液への20%ステップワイズ法、次いでクロロホルムからメタノールへの1.0%ステップワイズ法で分画し、60%、80%および100%AMC溶液含有n−ヘキサン画分並びに1.0%メタノール含有クロロホルム画分(各画分2.4L)を得た。該4画分を合わせて濃縮後、2Lのシリカゲルカラム(ワコーゲルC−300)を用い、トルエンから酢酸エチルへの5%ステップワイズ法で分画し15%、20%および25%の酢酸エチルをそれぞれ含有するトルエン画分(各画分2L)を得た。該3画分を合わせて濃縮し、再結晶法によりヒドランゲノール粉末18.4gを得た。
単離したヒドランゲノールの、H−NMRスペクトル[400MHz、重DMSO溶液、30℃]および13C−NMRスペクトル[100MHz、重DMSO溶液、30℃]値はヒドランゲノールの文献値[H−NMR:農芸化学第、47巻第10号,605頁,1973、13C−NMR:ケミカル・アンド・ファーマシューティカル・ブレチン(Chcmical & Pharmaceutical Bulletin),44(8),1440(1996)]と一致した。
実施例3 ツンベルギノールAの単離
乾燥した甘茶の粉末(志平商店社製)1.0kgを、メタノール20Lで2回抽出し(室温、2日間放置)、得られた抽出液を濃縮乾固して、メタノール抽出物425.8gを得た。該抽出物を、6Lのシリカゲルカラム(ワコーゲルC−300、和光純薬工業社製)を用い、n−ヘキサンからAMC溶液への10%ステップワイズ法、次いでクロロホルムからメタノールへの0.5%ステップワイズ法で分画した。
溶出した2.0%および2.5%メタノール含有クロロホルム画分(各画分6L)をまとめてフラクションIIIとした。
フラクションIIIを、濃縮後、2Lのシリカゲルカラム(ワコーゲルC−300、和光純薬工業社製)を用い、n−ヘキサンからアセトンへの10%ステップワイズ法で分画し、50%アセトン含有n−ヘキサン画分(2L)を得た。該画分を、濃縮後、100mlの順相系カラム(LiChroprep Si60、メルク社製)を用い、トルエンから酢酸エチルへの5%ステップワイズ法で分画し、10%、15%および20%酢酸エチルをそれぞれ含有するトルエン画分(各画分600ml)を得た。該3画分を合わせて濃縮し、100mlの逆相系カラム(Cosmosill40C18OPN、ナカライテスク社製)を用い、水からメタノールへの10%ステップワイズ法で分画し、50%、60%および70%メタノール含有水画分(各画分600ml)を得た。該3画分を合わせて濃縮し、再結晶法によりツンベルギノールA0.6gを得た。
単離したツンベルギノールAのH−NMRスペクトル[400MHz、重DMSO溶液、30℃]および13C−NMRスペクトル[100MHz、重DMSO溶液、30℃]値は文献値[Chem.Pharm.Bull.,42(11),2225(1994)]とよく一致した。
実施例4 フィロズルチン濃度0.366%を含有する飼料の製造
下記物質を混合し飼料を製造した。
スクロース(キシダ化学社製) 20.0重量%
コーンオイル(ナカライテスク社製) 5.0重量%
重酒石酸コリン(東京化成工業社製) 0.4重量%
コーンスターチ(日澱化学社製) 39.734重量%
AIN−76ビタミン(オリエンタル酵母社製) 1.0重量%
AIN−76ミネラル(オリエンタル酵母社製) 3.5重量%
セルロース(オリエンタル酵母社製) 5.0重量%
カゼイン(和光純薬工業社製) 25.0重量%
実施例1で製造した粉末 0.366重量%
実施例5 フィロズルチン濃度0.122%を含有する飼料の製造
下記物質を混合し飼料を製造した。
スクロース(キシダ化学社製) 20.0重量%
コーンオイル(ナカライテスク社製) 5.0重量%
重酒石酸コリン(東京化成工業社製) 0.4重量%
コーンスターチ(日澱化学社製) 39.978重量%
AIN−76ビタミン(オリエンタル酵母社製) 1.0重量%
AIN−76ミネラル(オリエンタル酵母社製) 3.5重量%
セルロース(オリエンタル酵母社製) 5.0重量%
カゼイン(和光純薬工業社製) 25.0重量%
実施例1で製造した粉末 0.122重量%
実施例6 フィロズルチン濃度0.0366%を含有する飼料の製造
下記物質を混合し飼料を製造した。
スクロース(キシダ化学社製) 20.0重量%
コーンオイル(ナカライテスク社製) 5.0重量%
重酒石酸コリン(東京化成工業社製) 0.4重量%
コーンスターチ(日澱化学社製) 40.0634重量%
AIN−76ビタミン(オリエンタル酵母社製) 1.0重量%
AIN−76ミネラル(オリエンタル酵母社製) 3.5重量%
セルロース(オリエンタル酵母社製) 5.0重量%
カゼイン(和光純薬工業社製) 25.0重量%
実施例1で製造した粉末 0.0366重量%
実施例7 ヒドランゲノール濃度0.324%を含有する飼料の製造
下記物質を混合し飼料を製造した。
スクロース(キシダ化学社製) 20.0重量%
コーンオイル(ナカライテスク社製) 5.0重量%
重酒石酸コリン(東京化成工業社製) 0.4重量%
コーンスターチ(日澱化学社製) 39.776重量%
AIN−76ビタミン(オリエンタル酵母社製) 1.0重量%
AIN−76ミネラル(オリエンタル酵母社製) 3.5重量%
セルロース(オリエンタル酵母社製) 5.0重量%
カゼイン(和光純薬工業社製) 25.0重量%
実施例2で製造した粉末 0.324重量%
実施例8 ヒドランゲノール濃度0.108%を含有する飼料の製造
下記物質を混合し飼料を製造した。
スクロース(キシダ化学社製) 20.0重量%
コーンオイル(ナカライテスク社製) 5.0重量%
重酒石酸コリン(東京化成工業社製) 0.4重量%
コーンスターチ(日澱化学社製) 39.992重量%
AIN−76ビタミン(オリエンタル酵母社製) 1.0重量%
AIN−76ミネラル(オリエンタル酵母社製) 3.5重量%
セルロース(オリエンタル酵母社製) 5.0重量%
カゼイン(和光純薬工業社製) 25.0重量%
実施例2で製造した粉末 0.108重量%
実施例9 ヒドランゲノール濃度0.0324%を含有する飼料の製造下記物質を混合し飼料を製造した。
スクロース(キシダ化学社製) 20.0重量%
コーンオイル(ナカライテスク社製) 5.0重量%
重酒石酸コリン(東京化成工業社製) 0.4重量%
コーンスターチ(日澱化学社製) 40.0676重量%
AIN−76ビタミン(オリエンタル酵母社製) 1.0重量%
AIN−76ミネラル(オリエンタル酵母社製) 3.5重量%
セルロース(オリエンタル酵母社製) 5.0重量%
カゼイン(和光純薬工業社製) 25.0重量%
実施例2で製造した粉末 0.0324重量%
実施例10 ツンベルギノールA濃度0.039%を含有する飼料の製造
下記物質を混合し飼料を製造した。
スクロース(キシダ化学社製) 20.0重量%
コーンオイル(ナカライテスク社製) 5.0重量%
重酒石酸コリン(東京化成工業社製) 0.4重量%
コーンスターチ(日澱化学社製) 40.061重量%
AIN−76ビタミン(オリエンタル酵母社製) 1.0重量%
AIN−76ミネラル(オリエンタル酵母社製) 3.5重量%
セルロース(オリエンタル酵母社製) 5.0重量%
カゼイン(和光純薬工業社製) 25.0重量%
実施例3で製造した粉末 0.039重量%
実施例11 ツンベルギノールA濃度0.013%を含有する飼料の製造
下記物質を混合し飼料を製造した。
スクロース(キシダ化学社製) 20.0重量%
コーンオイル(ナカライテスク社製) 5.0重量%
重酒石酸コリン(東京化成工業社製) 0.4重量%
コーンスターチ(日澱化学社製) 40.087重量%
AIN−76ビタミン(オリエンタル酵母社製) 1.0重量%
AIN−76ミネラル(オリエンタル酵母社製) 3.5重量%
セルロース(オリエンタル酵母社製) 5.0重量%
カゼイン(和光純薬工業社製) 25.0重量%
実施例3で製造した粉末 0.013重量%
実施例12 ツンベルギノールA濃度0.0039%を含有する飼料の製造
下記物質を混合し飼料を製造した。
スクロース(キシダ化学社製) 20.0重量%
コーンオイル(ナカライテスク社製) 5.0重量%
重酒石酸コリン(東京化成工業社製) 0.4重量%
コーンスターチ(日澱化学社製) 40.0961重量%
AIN−76ビタミン(オリエンタル酵母社製) 1.0重量%
AIN−76ミネラル(オリエンタル酵母社製) 3.5重量%
セルロース(オリエンタル酵母社製) 5.0重量%
カゼイン(和光純薬工業社製) 25.0重量%
実施例3で製造した粉末 0.0039重量%
比較例1
下記物質を混合し飼料を製造した。
スクロース(キシダ化学社製) 20.0重量%
コーンオイル(ナカライテスク社製) 5.0重量%
重酒石酸コリン(東京化成工業社製) 0.4重量%
コーンスターチ(日澱化学社製) 40.1重量%
AIN−76ビタミン(オリエンタル酵母社製) 1.0重量%
AIN−76ミネラル(オリエンタル酵母社製) 3.5重量%
セルロース(オリエンタル酵母社製) 5.0重量%
カゼイン(和光純薬工業社製) 25.0重量%
実施例13 フィロズルチンおよびヒドランゲノールによるガラクトサミン誘導ラット肝障害の抑制
日本SLC社から購入したウイスター(Wistar)系白色ラット(雄、150±20g)を一定条件下(温度:24±2℃、湿度:60±5%、明暗周期:12時間)で3日間以上順応させた後、実施例4〜8で製造した飼料および比較例1で製造した飼料をそれぞれ計15日間にわたって摂食させた。14日目に、ガラクトサミン350mg/kg(35mg/mlの濃度で生理食塩水に溶解し、pH7.1に調製したもの)を腹腔内に投与した。ガラクトサミンを投与してから22時間後に、ネンブタールによる麻酔下で開腹し採血した。
この様にして得られた血液を用い、肝機能の指標として、血液中のGPTの活性を、以下の方法で測定した。採取した血液を凝固させた後、遠心分離し、血清を得た。得られた血清を用い、富士ドライケムシステム3500(富士フィルム社製)を用いて、血清中のGPTを測定した。GPT活性は、比較例1の飼料で得られる値を100%として、各実施例で得られる値の相対値(%)を計算して求めた。値は平均値±標準誤差で示し、統計学的な有意差検定はスチューデントのT−テスト(Student’s T−TEST)検定によって行った。
結果を第2表に示す。
Figure 2002080904
実施例4〜8の飼料を投与した場合、比較例の飼料を投与した場合に比べ肝機能障害の指標である血清中のGPT活性は、低く押さえられ、肝障害が抑制されることが判る。
なお、15日間の摂食期間中、いずれの飼料を与えた場合でも体重増加に違いは認められず、外見上、および行動上の異常も認められなかった。
実施例14 フィロズルチン配合剤の製造
下記組成を混合し肝機能保護または改善剤を製造した。
実施例1で製造したフィロズルチン 4.9g
パインデックス#3 4.9g
ピロリン酸第2鉄(鉄源;国産化学社製) 0.01g
ホスカルEFC(カルシウム源;日興ファインプロダクツ社製) 0.1g
ビタミンミックス(メルク社製) 0.1g
実施例15 ヒドランゲノール配合剤の製造
下記組成を混合し肝機能保護または改善剤を製造した。
実施例2で製造したヒドランゲノール 4.9g
パインデックス#3 4.9g
ピロリン酸第2鉄(鉄源;国産化学社製) 0.01g
ホスカルEFC(カルシウム源;日興ファインプロダクツ社製) 0.1g
ビタミンミックス(メルク社製) 0.1g
実施例16 ツンベルギノールA配合剤の製造
下記組成を混合し肝機能保護または改善剤を製造した。
実施例3で製造したツンベルギノールA 0.49g
パインデックス#3 0.49g
ピロリン酸第2鉄(鉄源;国産化学社製) 0.001g
ホスカルEFC(カルシウム源;日興ファインプロダクツ社製) 0.01g
ビタミンミックス(メルク社製) 0.01g
実施例17
実施例16で製造した肝機能保護または改善剤1gを水10mlに分散させ、肝機能保護または改善剤用飲料を製造した。
実施例18 フィロズルチン配合ケーキの製造
次の配合によりクッキー(30個分)を製造した。
薄力粉 100g
でん粉 74g
水 14g
実施例1で製造したフィロズルチン 3g
ベーキングパウダー 小さじ2
塩 小さじ2
卵 1個
バター 80g
牛乳 大さじ2
産業上の利用可能性
本発明により、肝機能保護または改善剤、肝機能保護または改善用飲食品または飼料、および肝機能保護または改善作用を有する飲食品添加物または飼料添加を提供することができる。

Claims (15)

  1. 式(I)
    Figure 2002080904
    {式(I)中、R,R,R,R,R,R,R,RおよびRは同一または異なって、水素、ハロゲン、ヒドロキシ、アルコキシまたはアルキルを示し、Rは式(II)
    Figure 2002080904
    [式(II)中、R10およびR11は同一または異なって水素またはハロゲンを表すか、R10とR11が一緒になって結合を表す]または、式(III)
    Figure 2002080904
    [式(III)中、R12は水素、ハロゲン、ヒドロキシ、アルコキシ、シアノまたはアルキルを示し、R13およびR14は同一または異なって水素またはハロゲンを表すか、R13とR14が一緒になって結合を表す]を表す}で表される化合物もしくはその配糖体[以下、化合物(I)という]またはそれらの薬理学的に許容される塩を含有することを特徴とする肝機能保護または改善剤。
  2. 、R、R、RおよびRが水素である請求項1記載の肝機能保護または改善剤。
  3. が水素またはヒドロキシを示し、Rがヒドロキシを示し、RおよびRは同一または異なって水素、ヒドロキシまたはアルコキシである請求項1または2記載の肝機能保護または改善剤。
  4. が式(II)である請求項1〜3のいずれかに記載の肝機能保護または改善剤。
  5. が式(III)である請求項1〜3のいずれかに記載の肝機能保護または改善剤。
  6. 化合物(I)がフィロズルチンである請求項1記載の肝機能保護または改善剤。
  7. 化合物(I)がヒドランゲノールである請求項1記載の肝機能保護または改善剤。
  8. 請求項1〜7のいずれかに記載の肝機能保護または改善剤を添加してなる飲食品。
  9. 請求項1〜7のいずれかに記載の肝機能保護または改善剤を添加してなる飼料。
  10. 請求項1〜7のいずれかに記載の肝機能保護または改善剤を添加してなる食品添加物。
  11. 請求項1〜7のいずれかに記載の肝機能保護または改善剤を添加してなる飼料添加物。
  12. 経口で投与する請求項1〜7いずれかに記載の肝機能保護または改善剤。
  13. 肝機能がアルコールにより影響される機能である請求項1〜7のいずれかに記載の肝機能保護または改善剤。
  14. 化合物(I)またはその薬理学的に許容される塩の治療有効量をヒトを含む動物に投与する工程を含む肝機能保護または改善方法。
  15. 肝機能保護または改善剤の製造のための化合物(I)またはまたはその薬理学的に許容される塩の使用。
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