JPWO2002043586A1 - 身体組成測定方法及び身体組成測定装置 - Google Patents

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Abstract

被検者の筋肉量、体脂肪量等を精度よく求める。そのために、身体を体幹部、左右前腕部、左右上腕部、左右大腿部、左右下腿部の9個のセグメントに分割して考え、手足の甲部の4個所に電流供給点Pi、手首及び足首の4個所に遠位の電圧測定点Pv、肘及び膝の4個所に近位の電圧測定点Pvを設定する。通電用電極、測定用電極とも4個ずつ設け、まず遠位に測定用電極を装着し四肢及び体幹のインピーダンス測定を行い、そのあと近位に測定用電極を装着し直し四肢及び体幹のインピーダンス測定を行う。これにより、各セグメント毎の測定値を求める。そして、MRIで予め収集されたデータに基づいた回帰分析により作成された推定式を用いて、インピーダンスの測定値と身長、体重等の身体特定化情報とから筋肉量等の身体組成を推定する。

Description

技術分野
本発明は、被検者の身体の生体電気インピーダンスを測定し、このインピーダンスの測定値や身長、体重、年齢、性別等の身体特定化情報を利用して、当該被検者の体脂肪量、筋肉量、筋力、骨量、除脂肪量、体脂肪率、基礎代謝量等の身体組成や健康状態、或いは身体活動能力に関連した各種情報を推算して提示する身体組成測定方法及び身体組成測定装置に関する。
背景技術
従来、肥満等の健康管理のためには専ら体重測定を行うことが一般的であったが、近年、単に体格上の肥満のみならず、肥満を測る一つの指標として、皮下脂肪や内臓脂肪などの体脂肪の量や体重に対する体脂肪の割合を示す体脂肪率が注目されている。
従来より、身体内の生体電気インピーダンス(以下、単に「インピーダンス」という)を測定し、この測定値を利用して体脂肪率等を推定するという研究は各所で行われている。その方法の一つはいわゆる4電極法と呼ばれるもので、例えば被検者の右手甲と右足甲に通電用電極を装着するとともに、その通電用電極の内側、例えば右手首と右足首とに測定用電極を装着する。そして、両通電用電極間に身体をほぼ縦貫する高周波電流を流し、そのときに測定用電極間の電位差を測定する。その電圧値と電流値とからインピーダンスを求め、その測定値を利用して体脂肪率等を推定する、という方法である。
また最近は、より簡便に体脂肪率を測定するための装置(いわゆる体脂肪計)も開発され、広く市販されている。例えば特開平7−51242号公報に記載の装置では、両手で握持するグリップの左右それぞれに通電用電極及び測定用電極を配置し、被検者が該グリップを握持した際に、両手の指側に通電用電極が密着するとともに手首側に測定用電極が密着する構成とし、これによって取得したインピーダンスに基づいて除脂肪量、体脂肪率、体内水分量、基礎代謝量等の各種情報を推算するようにしている。また、特公平5−49050号公報に記載の装置では、被検者が測定台上に両足を載せたときに両足の裏側に電極が密着する構成とし、体重と体脂肪率とを同時に測定できるようにしている。
上述した身体組成測定装置では、片手と片脚との間、両手の間、又は両脚の間を電流経路としてインピーダンスを測定している。片手と片脚との間を電流経路としてその間の電圧を測定する場合には、脚部や腕部と比較して断面積が数十倍大きな胸部や腹部(体幹部)が電流経路の一部となっているため、インピーダンスに対する脚部や腕部の寄与が相対的に大きく、逆に、腹部の皮下脂肪、腹腔内脂肪(内臓脂肪)の寄与が低い。そのため、腹部の皮下脂肪、腹腔内脂肪の増減が結果に現れにくく、結果として信頼性を欠くことになる。一方、両手間や両脚間を電流経路としてその間の電圧を測定する場合には、体幹部の殆どが電流経路に含まれないため、身体全体の体脂肪率等を推定する際の誤差が大きくなり易いという問題がある。
また、従来、インピーダンス測定値から体脂肪率等を推定する際には、水中体重秤量法を推定基準とした検量線に則って作成された生体電気インピーダンス法(BIA)による推定式が用いられている。しかしながら、このような方法では、除脂肪構成組織である筋肉、骨のインピーダンスへの寄与度合の相違が考慮されていないなどの不備な点があり、推定誤差を小さくすることが困難である。
更にまた、このような測定法を適用する前提として、人体の構成組織である骨、筋肉及び脂肪の電気的特性の違いを利用して各組織が並列に接続されている並列モデルを想定し、各組織の構成比率、及び構成組織全体と個々の組織との電気的特性(体積抵抗率)は一定であるとの条件の下に、インピーダンスから身体組成を算出している。実際、一般的な成人の集団では、統計的にこのような条件はかなり高い信頼性を有していると言われている。しかしながら、子供等の非成人や老齢者、或いは運動選手のような身体的に特殊な集団などに於いては、構成比率及び電気的特性ともに一定しておらず、個人差によって上記条件から大きく外れる場合が多く、信頼性の高い結果を得るのが難しいのが実状である。
一方、単に肥満の防止といった観点ではなく、身体の強化度合や老化度合の把握という観点から言うと、身体の筋肉量、筋力等の測定が非常に重要である。具体的に言えば、例えば、運動選手等、特に身体能力の向上を図っている者にとっては、筋肉量はトレーニング等の成果を測る1つの指標値であり、また、トレーニングの際の目標にも成り得る。また、事故や疾病による長期の入院により弱った身体部位を強化・回復すべくリハビリテーション治療を行っている者などに対しても、同様のことが言える。更には、今後の高齢者層の増加を考えると、例えば高齢者介護の現場等で高齢者個人毎の筋肉量や筋力、それらの左右半身におけるバランスなどを手軽に測定し、自立生活能力を事前に判断可能とすることによってパフォーマンスの高い日常生活をおくることができるように、日常生活をおくる上で不充分な点をカバーするような生活環境の改善及びダイエット(食事及び運動メニュー)を提供するといった必要性が大きく増大するものと思われる。
しかしながら、従来のこの種の装置は、このような情報を提供することができないか、或いは、精度の低い情報しか提供することができないものである。
勿論、大病院に備え付けられているような磁気共鳴イメージング装置やX線CTスキャンなどを用いれば、この種の正確な測定が可能であることは言うまでもない。しかし、このような装置は大掛かりで費用も掛かり、被検者の長幼を問わず、拘束時間も長く、身体的、精神的ともに負担が大きい。
この種の身体組成測定装置は、たとえ各個人が容易に取り扱えるほどではなくとも、例えば、老人家庭を個別に訪問する福祉担当者等が必要に応じて携帯し、訪問先の家庭で簡便に被検者の測定を行える程度に簡便な装置であれば、つまり、測定に関して或る程度の訓練を受けた者が容易に測定が行え、しかもその装置自体のコストがそれほど大きなものでなければ、非常に大きな利用価値がある。
更に、従来の一般的な体格の測定などに利用されている身長計や体重計といった装置程度に簡便な装置であれば、例えば健康診断等の一環として手軽に測定を行うことができる。また、個人が購入できる程度の安価なコストであれば、健康の維持や増進のために各人が日常的に利用することもできる。
本発明はこのような点に鑑みて成されたものであり、その第1の目的は、比較的簡便で且つ安価に、体脂肪、筋肉量、筋力、骨量などの各種身体組成情報を従来よりも精度よく測定することができる身体組成測定方法及び装置を提供することである。
また、本発明の第2の目的は、子供、高齢者、或いは運動選手等、標準的な成人の身体組成と大きく相違する身体組成を有する度合が高い被検者群に対しても、各種身体組成情報を精度よく測定することができる身体組成測定方法及び装置を提供することである。
また、本発明の第3の目的は、高齢者、運動機能回復訓練者、或いは運動選手等、筋肉量や筋力などの特定の身体組成及びバランス情報を得ることが特に有用である被検者に対して、ADL指標値などの適切な情報を提供することができる身体組成測定方法及び装置を提供することである。
発明の開示
上記課題を解決するために成された第1発明に係る身体組成測定方法は、被検者の身体のインピーダンスを測定し、その測定値に基づいて又はその測定値と身体特定化情報とに基づいて当該被検者の身体組成や健康状態に関連した情報を推定する身体組成測定方法であって、
人間の全身を、少なくとも脂肪組織、筋肉組織及び骨組織に対応するそれぞれのインピーダンスを並列に接続したモデルでその身体部位のインピーダンスが近似でき、且つ前記各組織の構成比率及び該構成組織全体と個々の組織との電気的特性が一定であると看做し得るような身体部位毎に分割して、複数の身体部位で全身を構成するべくモデル化し、
前記複数の身体部位のうちの或る身体部位である測定対象身体部位の両端部よりもそれぞれ外側にある身体表面に接触させた2個の通電用電極間に交流電流を流すことによって、少なくとも前記測定対象身体部位に交流電流を縦貫させ、
その電流によって該測定対象身体部位の両端部間に発生する電位差を、その両端部近傍の身体表面にそれぞれ接触させた、又は該端部から前記電流の通過経路とは別に引き出され該端部から離れた位置である身体表面にそれぞれ接触させた2個の測定用電極により測定し、
その電位差の測定値と電流値とから前記測定対象身体部位に対応するインピーダンスを取得し、そのインピーダンス値に基づいて又はその値と身体特定化情報とに基づいて、その測定対象身体部位に対応する又はその被検者の身体全体の身体組成や健康状態に関連した情報を推定することを特徴としている。
ここで、「少なくとも脂肪組織、筋肉組織及び骨組織に対応するそれぞれのインピーダンスを並列に接続したモデルでその身体部位のインピーダンスが近似でき、且つ前記各組織の構成比率及び該構成組織全体と個々の組織との電気的特性が一定であると看做し得るような身体部位」とは、更に言えば、前記構成組織の断面積比率が略一定で所定長の円柱状モデルとして近似し得るような身体部位であって、具体的には、例えば、手首から肩口(肩峰点付近)までの「腕部」、及び、足首から脚の付け根(転子点付近)までの「脚部」、を左右それぞれ1つの身体部位とし、胴体を体幹部として1つの身体部位とすることができる。
更に、腕部を肘から2つに分離し、前腕部、上腕部の2つの身体部位にすることができる。脚部についても同様に、膝から2つに分離し、下腿部、大腿部の2つの身体部位にすることができる。更にまた、上肢部にあって腕部からは除外した手首より先の部分に関し、手首から手の甲の指の付け根までの部分(ここでは「手首部」と呼ぶ)を1つの身体部位とすることもできる。下肢部についても同様に、足首から足の甲の指の付け根までの部分(ここでは「足首部」と呼ぶ)を1つの身体部位とすることもできる。更にまた、身体部位としては前記身体部位をより細かく区分した単位とすることもでき、例えば、左右少なくともいずれかの前腕部の手首部近辺、又は下腿部の足首部近辺を含むものとすることもできる。
また、ここでいう「身体特定化情報」とは、被検者の身長、体重、年齢、性別などが典型的なものであるが、例えば上腕部の長さ、周囲長といった身体部位の部分的なサイズも有用である。更には、疾病や怪我等の履歴など、身体や健康に影響を与える各種の情報も含むようにすることができる。
更にまた、ここでいう「身体組成や健康状態に関連した情報」とは、例えば、被検者の体脂肪量(率)、除脂肪量(率)、体内水分量(率)、筋肉量(率)、骨量(率)、骨密度、筋力、肥満度、基礎代謝量、エネルギ代謝量、日常生活動作(ADL:Activity of Daily Life(又はLiving))の能力を測るADL指標値などであり、上記量や率は身体全体、身体の各部位毎の両方とも考えられる。
この第1発明に係る身体組成測定方法によれば、脂肪組織、筋肉組織及び骨組織に対応するそれぞれのインピーダンスを並列に接続したモデルでその身体部位のインピーダンスが近似でき、しかもそれら各組織の構成比率及び該構成組織全体と個々の組織との電気的特性が一定であると看做すことができるような単位でもって人間の身体を細かく分割し、それぞれの身体部位に対応するインピーダンスを個別に求める。即ち、このように分割された身体部位は、身体組成を算出する際に基準となるモデルにかなり厳密に一致させることができる。したがって、このインピーダンスからその身体部位自体の組成情報等を推定するのに高い精度が達成できるのは勿論のこと、このインピーダンスから全身の身体組成情報等を推定する場合にも従来の方法と比べれば高い精度とすることができる。
また、前記体幹部にあっては、体幹の中心部、左右腕部の上端と該体幹中心部上端とをそれぞれ接続する左右の肩部、左右脚部の上端と前記体幹中心部下端とをそれぞれ接続する左右の鼠径部の5個のインピーダンス構成要素を有するとしてモデル化し、複数の前記身体部位のうちの少なくとも1つの身体部位に対応するインピーダンスに基づいて左右の肩部又は左右の鼠径部に対応するインピーダンスを推定するようにしてもよい。このような方法によれば、体幹部に直接測定用電極を接触させることなく、体幹部のインピーダンス構成要素である肩部及び鼠径部のインピーダンスを精度よく推定することができる。
また、複数の前記身体部位のうちの、体幹部と少なくともそれ以外の1つの身体部位に対応するインピーダンス値に基づいて、被検者の身体組成や健康状態に関連した情報を推定すれば、身体部位に於ける、骨、筋肉、脂肪などの特徴的な片寄りを補正して精度の高い測定を行うことが可能となる。
また、第1発明に係る身体組成測定方法では、前記被検者の各身体部位毎のインピーダンスの測定値に基づいて又は該測定値と身体特定化情報とに基づいて身体組成や健康状態に関連した情報を推定するために、複数の事前被検者の全身及び/又は各身体部位毎のインピーダンス測定結果と、断層画像が得られる装置を用いて計測・収集された該事前被検者の全身及び/又は各身体部位毎の身体組成基準情報とに基づいて、又は更に該事前被検者の身体特定化情報を加えて作成される推定式を利用することが好ましい。
ここで、「断層画像が得られる装置」とは、例えば核磁気共鳴イメージング装置やCTスキャン装置などが考え得る。例えば核磁気共鳴イメージング装置(MRI)によれば人体の腹腔、腕、脚などを所定間隔毎に輪切りにした断面画像が撮影できるから、その断面画像毎に生体組織(脂肪、筋肉、骨等)の種類を区別してそれぞれの量や占有比率を求め、更に、所定の部位に含まれる全ての断面に対する分析結果を積分することにより、その所定部位に対する生体組織の量や占有比率を得ることができる。身長、体重、年齢、性別等(つまり上記身体特定化情報)の相違する多数のモニタ(事前被検者)についてそのような測定を行うとともに各身体部位に対応したインピーダンスを測定し、それら結果に基づいて推定式を作成すれば、非常に推定精度の高い推定式を得ることができる。したがって、この方法によれば、未知の被検者に関して、身体組成や健康状態に関連した情報を精度よく推定することができる。
また、第1発明に係る身体組成測定方法にあっては、身体を構成する前記複数の測定対象身体部位のうちの最低限1つの身体部位に対応するインピーダンスを測定し、その測定値から又はその測定値に身体特定化情報を加味して身体組成情報を得るようにすることもできるが、好ましくは、測定対象身体部位全ての身体部位に対応するインピーダンスの少なくとも有効である測定値から又はその測定値に身体特定化情報を加味して身体組成情報を得るようにするとよい。ここで「有効である測定値」とは、本発明に於いて使用する統計的手法、具体的には回帰分析手法にあって結果に影響を与え得る測定値である。この方法によれば、より高い精度で身体組成情報を得ることができるとともに、例えば、身体組成の観点からみて左右半身や上下半身のバランス、或いは遠位部と近位部とのバランスが異常に片寄っている、或いは、特定部位が異常に発達しているといった特異的な体格を有する被検者等に対しても、高い精度で身体組成情報を得ることが可能となる。
上記課題を解決するために成された第2発明に係る身体組成測定装置は、上記第1の発明に係る身体組成測定方法を具現化するものであって、被検者の身体のインピーダンスを測定する測定手段と、その測定値に基づいて又はその測定値と身体特定化情報とに基づいて当該被検者の身体組成や健康状態に関連した情報を推定する推定手段と、を具備する身体組成測定装置に於いて、
人間の全身を、少なくとも脂肪組織、筋肉組織及び骨組織に対応するそれぞれのインピーダンスを並列に接続したモデルでその身体部位のインピーダンスが近似でき、且つ前記各組織の構成比率及び該構成組織全体と個々の組織との電気的特性が一定であると看做し得るような身体部位毎に分割して、複数の身体部位で全身を構成するべくモデル化し、前記測定手段は、
a)所定周波数の交流電流を発生する電流発生手段と、
b)前記複数の身体部位のうちの或る身体部位である測定対象身体部位の該身体部位の両端部よりもそれぞれ外側にある身体表面に接触させて、少なくとも前記測定対象身体部位に交流電流を縦貫させるための少なくとも2個の通電用電極と、
c)前記測定対象身体部位の両端部近傍の身体表面にそれぞれ接触させた、又は該端部から前記電流の通過経路とは別に引き出され該端部から離れた位置である身体表面にそれぞれ接触させた2個の測定用電極を含み、前記通電用電極から流される交流電流によって前記測定対象身体部位の両末端間に発生する電位差を測定する電圧計測手段と、
d)その電位差の測定値と前記交流電流の電流値とから前記測定対象身体部位に対応するインピーダンスを計算する演算手段と、
を備え、前記推定手段は、前記演算手段によるインピーダンス値に基づいて又はその値と身体特定化情報とに基づいて、その測定対象身体部位に対応する又はその被検者の身体全体の身体組成や健康状態に関連した情報を推定することを特徴としている。
第2発明に係る身体組成測定装置では、通電用電極を通して少なくとも1つの測定対象身体部位中に微弱な交流電流を流す。そして、その測定対象身体部位が持つインピーダンスによってその電流経路内で生じる電圧を、測定用電極を介して電圧計測手段により計測する。その際、従来よく知られている4電極法を利用してもよいが、体幹部には電極を接触させたくないといった電極接触位置に制限がある場合でも、次のようにして何ら問題なく、測定対象身体部位の両端間の電圧に相当する電圧を測定することができる。即ち、電流経路となっていない身体部位には電流が流れていないため電圧計測誘導路上に電圧が発生せず、電圧を計測するために該身体部位は単に導電線であるものと看做すことができる。例えば両手の甲(又は指先)間に通電を行っている場合には、左右脚部や体幹部は単に導電線であると看做すことができ、右手首と右足首(左足首でも同様)との間の電圧を計測すると、その電圧測定経路中の電流経路は右腕部のみであるから、右腕部のインピーダンスによる電圧降下を計測しているものと看做すことができる。
このようにして、通電用電極及び測定用電極の接触位置を適宜に選択することにより、被検者の任意の身体部位の両端間の電圧降下を得ることができるから、この電圧計測値と電流値とから身体部位に対応したインピーダンスを算出することができる。したがって、第2発明に係る身体組成測定装置によれば、各身体部位の組成は勿論のこと、全身の身体組成や健康状態に関連した情報を精度よく求めることができる。なお、電流の周波数や大ききは或る1つの身体部位を測定する間は変化させないが、測定対象の身体部位毎には変更するようにしてもよい。
第2発明に係る身体組成測定装置の一実施形態として、前記測定用電極の接触個所は、左右の手首付近及び左右の足首付近の計4個所を含むものとすることができる。この構成では、被検者の身体を、少なくとも左右の腕部、左右の脚部及び体幹部の5個のセグメントに分割して各セグメント毎のインピーダンスを求めることができる。
また、上記4個所のほかに、前記測定用電極の接触個所として、左右の肘付近及び左右の膝付近の4個所のうちの少なくとも1個所を加えるものとすることができる。例えばこの4個所を全て加えるならば、被検者の身体を、左右の上腕部、左右の前腕部、左右の大腿部、左右の下腿部、及び体幹部の9個のセグメントに分割して各セグメント毎のインピーダンスを求めることができる。
更にまた、前記測定用電極の接触個所として、左右の手掌部又は手の甲部、及び、左右の足の裏部又は甲部の4個所のうちの少なくとも1個所を加えるものとすることができる。例えば上記4個所及びこの4個所を全て加えるならば、被検者の身体を、左右の上腕部、左右の前腕部、左右の手首、左右の大腿部、左右の下腿部、左右の足首、及び体幹部の13個のセグメントに分割して各セグメント毎のインピーダンスを測定することができる。
更にまた、前記測定用電極の接触個所として、左右の腕部付け根付近、及び左右の脚の付け根付近の4個所のうちの少なくとも1個所を加えるものとすることができる。この構成によれば、上肢部及び下肢部と体幹部との接続部の電圧が計測できることになるので、上肢部及び下肢部に含まれる各身体部位、例えば上腕部、前腕部等、特に左右の上腕部及び大腿部のインピーダンスを一層精度よく求めることができる。また、体幹部の一部に含まれていた左右の腕の付け根や左右の脚の付け根のインピーダンスを精度よく推定することが可能となる。
更にまた、前記測定用電極の接触個所として、前記腕部の手首部近辺、又は下腿部の足首近辺を含むものとすることができる。このような部位は断面積に占める骨組織の占有比率が比較的高い部位であるので、特に骨組織に関する情報、例えば骨量や骨密度などを精度よく得るのに好適である。
一方、前記通電用電極の接触個所は、左右の手首から手の指先まで、左右の足首から足の指先までの4個所とすることができる。但し、手首及び足首に測定用電極を接触させる場合には、この電極にあまり近い位置であると好ましくないから、例えば手足の甲の指の付け根付近、或いは指を接触個所とすればよい。特に前記通電用電極の接触個所を手の指又は足の指を含むものとし、該通電用電極は挟着又は巻着することにより指に固定する構成とすれば、例えば掌や手の甲に貼着式の電極を貼り付ける場合に比べて剥がれにくく、効率よく測定作業を行うことができる。
また、第2発明に係る身体組成測定装置では、身体を、少なくとも左右腕部、左右脚部及び体幹部の5個のセグメントに細分化し、腕部及び脚部はそれぞれセグメント単位で1個のインピーダンス構成要素を有するとしてモデル化するとともに、体幹部にあっては、体幹の中心部、左右腕部の上端と該体幹中心部上端とをそれぞれ接続する左右の肩部、左右脚部の上端と前記体幹中心部下端とをそれぞれ接続する左右の鼠径部の5個のインピーダンス構成要素を有するとしてモデル化し、前記演算手段は、被検者の複数の身体部位のうちの少なくとも1つの身体部位に対応するインピーダンスに基づいて左右の肩部及び左右の鼠径部に対応するインピーダンスを推定する構成とすることができる。
この構成によれば、左右の肩部及び左右の鼠径部に対応するインピーダンスを用いて、他のセグメントのインピーダンスの測定値を補正することができるので、それら測定値の精度が一層向上し、これを基に推定される身体組成情報などの精度も向上する。
また、第2発明に係る身体組成測定装置の一態様として、前記通電用電極及び測定用電極をそれぞれ4個ずつとし、該4個の通電用電極のうちの2個の通電用電極間に選択的に前記交流電流を流す通電用電極選択手段を備えるとともに、前記電圧計測手段は、前記4個の測定用電極のうちの2個の測定用電極を選択してその電極間の電位差を測定し、左右の手首付近及び左右の足首付近の計4個所、或いは左右の肘付近及び左右の膝付近の計4個所に該測定用電極をそれぞれ1個ずつ接触させるとともに、左右の手首から手の指先まで、左右の足首から足の指先までの位置に前記通電用電極をそれぞれ1個ずつ接触させる構成とすることができる。
この構成によれば、被検者の身体の中で、左右の腕部、左右の脚部及び体幹部の5個のセグメント、或いは、左右の上腕部、左右の大腿部及び体幹部の5個のセグメントのいずれか一方の各セグメントのインピーダンスを測定する際には、途中で通電用電極及び測定用電極の接触位置を変更する必要がない。したがって、検査者の作業が軽減され、接触位置の変更に伴う作業ミスも回避できる。
更に多くの身体部位を測定しようとする場合、例えば上述した9個のセグメントに対応するインピーダンスを測定する場合、更に増加する測定用電極の接触個所に対してそれぞれ個別に測定用電極を装着しようとすると、電極自体の数が多くなるのみならず配線が非常に煩雑になる。そこで、このような場合には、左右の手首付近及び左右の足首付近の計4個所と、左右の肘付近及び左右の膝付近の計4個所との間で前記4個の測定用電極の接触位置の変更を行い、それぞれの接触位置に於いて所定の身体部位のインピーダンスを測定するとよい。勿論、更に、上述したような他の接触個所に対しても同様にして、前記測定用電極を接触させる位置を前記接触個所に於いて変更しながら、所望の身体部位のインピーダンスを順次測定する構成を採ることができる。これは、通電用電極及び測定用電極が各2個ずつの場合でも同様である。この構成によれば、測定用電極が少数個ですむため装置のコストが安価になるとともに、配線が複雑にならず、ケーブルの絡まりが解消されるとともに検査者による電極の装着ミスも軽減できる。
このように測定用電極の接触位置を変更する場合には、接触位置の間違いを防止する対策を施すことが望ましい。そこで、第2発明に係る身体組成測定装置では、被検者の身体における電極の接触位置を、画像情報、文字情報又は音声情報の少なくともいずれか1つにより指示する作業誘導手段を備えた構成とすることができる。この構成によれば、検査者が作業誘導手段の指示に従って測定用電極の装着作業を行うことにより、装着位置の間違いを解消することができ、正確な測定が行えるとともに無駄な作業を行わずにすむ。
具体的には、前記作業誘導手段は、身体を模した身体模擬図形の上に前記測定用電極を装着すべき位置を示すマーカを重畳して描出する画像表示手段と、該測定用電極を所定位置に装着した状態での測定が終了したあと、次に該測定用電極を装着すべき位置に前記マーカの表示を変更するべく前記画像表示手段を制御する表示制御手段と、を含む構成とすることができる。この構成によれば、電極の装着位置が一目でわかるので、作業の間違いが一層軽減される。勿論、上記画像表示手段にあっては、測定用電極のみならず通電用電極の装着位置も表示することができる。
また、前記表示制御手段は、前記身体模擬図形にあって、測定中の身体部位を他の身体部位と識別可能な表示とするべく前記画像表示手段を制御する構成とすることができる。具体的には、例えば、測定中の身体部位は他の身体部位と異なる表示色を用いる、或いは、測定中の身体部位は点滅表示とし他の身体部位は点灯表示とする、などの各種態様を採ることができる。この構成によれば、検査者や被検者が画像表示手段を見ることにより測定の進行状況を容易に把握することができる。
また、第2発明に係る身体組成測定装置では、前記推定手段は、前記被検者の各身体部位毎のインピーダンスの測定値に基づいて又は該測定値と身体特定化情報とに基づいて身体組成や健康状態に関連した情報を推定するために、複数の事前被検者の全身及び/又は各身体部位毎のインピーダンス測定結果と、断層画像が得られる装置を用いて計測・収集された該事前被検者の全身及び/又は各身体部位毎の身体組成基準情報とに基づいて、又は更に該事前被検者の身体特定化情報を加えて作成される推定式を利用する構成とすることができる。この構成によれば、上述した通り、身体組成や健康状態に関連した情報を精度よく推定することができる。
更に、第2発明に係る身体組成測定装置では、前記身体特定化情報として身長を含み、前記推定手段は、被検者の少なくとも身長を含む情報から四肢長又は更に細分化された身体部位長を推定し、該推定値を参照して四肢又は更に細分化された身体部位毎の身体組成情報を求めるとともに、これを視覚的に表示する構成とすることができる。即ち、各身体部位毎に身体組成情報を推定する場合には、各身体部位毎のサイズが推定値を左右する大きな要因の一つとなり得る。そこで、一般に四肢長などの身体部位のサイズは身長と大きな相関を有することを利用して、身体特定化情報として外部から入力された身長を含む情報から四肢長又は更に細分化された部位長を推定し、インピーダンスの測定値から身体組成情報を推算する際にこの四肢長又は部位長の推定値を利用する。これによれば、身体組成情報を高い精度で推定することができる。
一般的な体型を有する被検者の場合には、身長の値から四肢長又は部位長をかなり高い精度で推定することができる。ところが、運動選手等、訓練や長年の習慣等によって特定の身体部位が特に発達した人の場合、年齢や性別等に応じた標準的な人をモデルとした推算方法では誤差が大きくなる可能性がある。そこで、このような特殊な被検者にも対応するには、或いは、一層の推定精度の向上を図るには、被検者の少なくとも身長を含む情報から求められた四肢長又は更に細分化された身体部位長の前記推定値を外部から変更可能な構成とすることが好ましい。
また、第2発明に係る身体組成測定装置では、前記身体特定化情報は身長及び体重を含み、これらから算出された外的な体型を示す情報と、前記インピーダンスの測定値から推算された身体組成情報に基づく内的な体型を示す情報とを合わせて表示する画像表示手段を備える構成とすることができる。ここでいう「内的な体型」とは、主として体内脂肪(又は内蔵脂肪)のつきかた(量)を基準としたものである。この構成によれば、両者が併せて表示されることによって、健康維持・管理に一層有用である情報を提供することができる。
また、第2発明に係る身体組成測定装置では、前記インピーダンスの測定値から推算された身体組成情報に基づく身体組成成分比率表示を円グラフを用いて行うとともに、複数の異なる身体組成種別に対応した成分比率表示を、同一円グラフ内で径方向に区分した各範囲内で同心円的に描画する画像表示手段を備える構成とすることができる。ここでいう「複数の異なる身体組成種別」とは、例えば、脂肪と除脂肪、脂肪と筋肉と骨とその他、脂肪と水分とその他、というように生体組織を異なる観点からみた場合の身体組成のことである。この構成によれば、身体組成を視覚的に非常に理解し易く表示することができる。
また、第2発明に係る身体組成測定装置では、前記身体特定化情報を入力設定するための設定表示部と測定結果を表示する結果表示部とを、同一の画面内に配置した画像表示手段を備える構成とすることが好ましい。この構成によれば、測定を行う際に画面を切り替える等の面倒な操作が不要になるので、測定に要する手間が簡略化される。
また、第2発明に係る身体組成測定装置では、前記身体組成や健康状態に関連した情報として、四肢の筋肉量及び/又は骨量に関し、左右半身及び計測セグメント毎のバランス、又は上下半身及び計測セグメント毎のバランスを含む構成とすることができる。この構成によれば、運動選手や運動機能回復訓練者等に対して非常に有用な情報を提供できる。
また、第2発明に係る身体組成測定装置では、前記身体組成や健康状態に関連した情報として、日常生活動作の能力を測るADL指標値を含む構成とすることができる。この構成によれば、特に高齢者や運動機能回復訓練者等に対して非常に有用な情報を提供できる。
また、第2発明に係る身体組成測定装置では、前記身体組成や健康状態に関連した情報として被検者の骨密度を含む構成とすることができる。即ち、骨体積が加齢によって変化しないという前提の下では、骨内部の絶縁性の高いミネラル(カルシウム等)が加齢に伴って減少する分、骨の水分含有量が増加し、その電気的特性つまりインピーダンスが低下する。したがって、インピーダンスに基づいて骨密度、特に加齢に伴う骨密度の低下を精度よく測定することができる。なお、手首近傍や足首近傍は特に骨の割合が多い部位であるため、これらのインピーダンスに基づいて骨密度を推算することが好ましい。また、より精度の高い測定を行うには、骨密度を推算する際に、手首と繋がった腕部や足首と繋がった脚部のインピーダンス、或いはそのサイズに関する情報を用いて補正処理を行うとよい。
更にまた、第2発明に係る身体組成測定装置では、当該身体組成測定装置により算出される前記身体組成や健康状態に関連した情報として、被検者の基礎代謝量又はエネルギ代謝量を含む構成とすることができる。身体構成組織のうち、基礎代謝量やエネルギ代謝量には特に筋肉が寄与する。また、同じ筋肉でも上肢部よりも下肢部の筋肉が寄与する。そこで、上記身体組成測定装置では、体幹部も含めた全身の筋肉量に基づいて、又は、主として、脚部、或いは大腿部及び下腿部の筋肉量に基づいて、基礎代謝量又はエネルギ代謝量を推算する構成とすることができる。
しかしながら一方で、従来は基礎代謝量やエネルギ代謝量に殆ど寄与しないと考えられていた脂肪も、特に女性においては考慮しないと誤差が大きくなると考えられる。そこで、上記身体組成測定装置では、全身又は一部の身体部位の脂肪量も考慮して基礎代謝量又はエネルギ代謝量を推算する構成とすると更に好ましい。
第2発明に係る身体組成測定装置の一態様として、前記演算手段及び推定手段は、汎用のパーソナルコンピュータで所定の制御プログラムを実行することにより具現化するとともに、前記電流発生手段、及び前記測定用電極を除く電圧計測手段は、前記パーソナルコンピュータと相互に通信自在の同一の筐体を有する本体部内に配設された構成とすることができる。また、前記通電用電極及び測定用電極は、ケーブルを介して前記本体部に接続された構成とすればよい。
この構成によれば、既存のパーソナルコンピュータに所定の制御プログラムをインストールし、このパーソナルコンピュータに本体部を接続しさえすれば、本身体組成測定装置を得ることができる。したがって、量産品であるパーソナルコンピュータを活用できるので装置を低コストで提供することができる。また、ユーザが手持ちのパーソナルコンピュータを利用すれば、更にコストが安価ですむ。なお、ここで言う「パーソナルコンピュータ」とは、ノート型、デスクトップ型等のコンピュータとしての形状を限定するものではなく、更にまた、情報端末機器等の実体としてパーソナルコンピュータと同等の機能を有するべくCPUを搭載し、外部から制御プログラムをインストールすることが可能である機器も含むものとする。
また、このような構成では、測定時に使用者からの入力を必要とする各種の選択動作や指示動作を受け付けるために、パーソナルコンピュータのキーボード上のキー操作と表示画面上のボタンのクリック操作とを対応付け、該キー操作又はクリック操作のいずれでも同一の選択動作や指示動作を行える構成とすることが好ましい。これにより、検査者はいずれか便利なほうの操作方法を選ぶことができる。
上記第2発明に係る身体組成測定装置のように、身体を複数の身体部位に分割して各身体部位毎にインピーダンスを測定する場合、その身体部位毎に骨組織の構成比率が高い、又は筋肉組織の構成比率が高いといった特徴を持たせることが可能である。したがって、複数の身体部位のインピーダンスの測定結果等を比較・対照することにより、その身体部位毎及び全身の身体組成の推定精度を高めることができる。そこで、第2発明に係る身体組成測定装置に於いて、前記複数の身体部位のうちの少なくとも2つの身体部位のインピーダンスを測定し、該2つの身体部位のインピーダンスの測定値、又はその測定値に基づいて若しくはその測定値と身体特定化情報に基づいて推定された前記各身体部位の身体組成情報の差異又は比を用いて、当該被検者の全身又は一部身体の身体組成や健康状態に関連した情報の推定精度を高める構成とすることができる。
この場合、選択される身体部位は、或る程度の高い相関を持ちつつ、しかもそれぞれの身体部位において特徴的な組織の構成比率を有することが望ましいから、例えば、上腕部と前腕部、前腕部と手首部、大腿部と下腿部、下腿部と足首部といった、身体内にあって連続した部位とするとよい。また、特に、同じ除脂肪に属する筋肉組織及び骨組織の構成比率の推定精度を高めるのに有用である。
ところで、従来、ADLの評価法としては一般にバーセル指数(Barthel Index)が用いられている。この方法は、身の回りの動作と移動に関する能力を重視したもので、食事、整容、更衣、排泄、入浴、起居・歩行等の各動作毎に5〜15点を配分し、全て自立していれば100点、全て介助が必要であれば0点として100点満点で採点を行うようにしたものである。更に、近年では、機能的自立度評価法(FIM:Functional Independence Measure)が併用されることも多い。しかしながら、このような評価法は採点者によるばらつきが避けられず、機能回復訓練の成果・症状の改善などの結果がすぐには反映されにくい。また、これら評価法は被検者の活動の状況を捉えた尺度であるため、実際に肉体的には自立が可能な状態であるにも拘わらず心理的・精神的な影響等で自立に支障をきたしている場合と、肉体的に自立に支障をきたしている場合とが区別できない。
そこで、このようなADLの評価に、被検者の身体の状態を反映した1つの定量的な指標を提供することは非常に有用である。上述したように第2の発明に係る身体組成測定装置においても身体組成や健康状態に関連した情報としてADL指標値を含むようにすることができるが、身体のインピーダンスの測定方法を限定することなく、上記課題を解決するために第3発明に係る身体組成測定装置を提供することができる。
即ち、第3発明に係る身体組成測定装置は、
e)被検者の身体の略全身又は一部のインピーダンスを測定する測定手段と、
f)そのインピーダンスの測定値に基づいて又はその測定値と身体特定化情報とに基づいて、当該被検者の日常生活動作の能力を測るADL指標値を推定する推定手段と、
を備えることを特徴としている。
前記推定手段は、インピーダンスの測定値に基づいて又はその測定値と身体特定化情報とに基づいて、日常生活動作に重要である身体の所定部位の筋肉が発揮し得る力を推定し、該力又は該力から算出される数値を前記ADL指標値とする構成とすることができる。
ここで、ADL指標値としては、例えば、食事、整容、更衣、排泄、入浴、起居、歩行といった日常生活活動を行う上で必要な筋肉の筋肉量、この筋肉が発揮し得る力を表す筋力(最大筋力)、立位姿勢を保持できるか否かを判断し得る基準である体重支持指数などとすることができる。既述のように、身体の少なくとも一部の身体部位のインピーダンスの測定値に基づいて又はその測定値と身体特定化情報とに基づいて、その身体部位やその他の身体部位の筋肉量を推定することができる。そこで、前記推定手段は、インピーダンスの測定値に基づいて又はその測定値と身体特定化情報とに基づいて、日常生活動作に重要である身体の所定部位の筋肉量を推定し、該筋肉量から該筋肉が発揮し得る力を推定する構成とすることもできる。一般に筋肉量と筋力(最大筋力)とは相関があり、その相関の程度は予め実験的に求めておくことができるから、推定した筋肉量から筋力を推定することができる。
上述したように被検者が立位姿勢を保持できるか否か、更には歩行可能であるか否かという観点からみると、被検者の大腿又は下腿に含まれる筋肉の量及び筋力が非常に重要である。そこで、上記第3の発明に係る身体組成測定装置では、身体の前記所定部位の筋肉は大腿又は下腿に含まれる筋肉であって、前記測定手段は、少なくとも被検者の下肢の一部のインピーダンスを測定し、前記推定手段はこのインピーダンスの測定値又はその測定値と身体特定化情報とに基づいて、前記大腿又は下腿に含まれる筋肉量又は筋力を推定する構成とすることができる。インピーダンスの測定対象は筋肉量又は筋力を求めたい部位であることが最も好ましいが、例えば大腿部と下腿部とではかなり相関が高いから、下肢の一部のインピーダンスさえ測定すれば、かなり高い精度で所望の部位の筋肉量又は筋力を推定することができる。なお、立位姿勢の保持の可否を決定付ける最も重要な筋肉の1つは大腿四頭筋であることから、上記身体組成測定装置では、身体の前記所定部位の筋肉は少なくとも大腿四頭筋を含む構成とすることが好ましい。
また、左右の大腿四頭筋の筋肉量のバランスがとれていないと、歩行などの運動の際に一方の側に大きな負担がかかり、例えば骨の摩耗度合が左右で相違するなど、将来的な健康状態にマイナスとなることが予想される。したがって、上記身体組成測定装置では、左右の大腿四頭筋の筋肉量をそれぞれ推定し、その量及び左右のバランスに基づいた生活改善アドバイスを行う構成とすると好ましい。
この第3発明に係る身体組成測定装置によれば、被検者のADL評価のための指標値が被検者の身体を測定した結果として客観的な数値として提示されるので、従来のような採点のばらつきがなくなり、当該被検者に対する客観的な評価が可能となる。そのため、例えば被検者が介護施設、病院等を移る際にもADLを測る共通の指標値として利用でき、介護や訓練の連続性が維持できる。また、純粋に肉体的能力からのADL評価を行えるので、例えば肉体的には自立可能であっても他の要因等により要介護・介助状態に陥っているといった事象を判別することが可能となる。更に、治療や機能回復訓練の成果がすぐに数値に反映されるので、治療・訓練の計画を立てるのにも非常に有用であるとともに、被検者にとっては治療・訓練に対する意欲が得易くなる。
また、上記課題を解決するために成された第4発明に係る身体組成測定装置は、
a)少なくとも脂肪組織、筋肉組織及び骨組織に対応するそれぞれのインピーダンスを並列に接続したモデルでその身体部位のインピーダンスが近似でき、且つ前記各組織の構成比率及び該構成組織全体と個々の組織との電気的特性が一定であると看做し得るような身体部位毎に人間の全身を分割して構成したモデルに基づいて、1個又は直列接続された複数の前記身体部位から成る測定対象部位のインピーダンスを測定するように被検者の身体に接触された複数の通電用電極及び複数の測定用電極と、
b)前記通電用電極を介して少なくとも前記測定対象部位を縦貫する所定周波数の交流電流を流す電流供給手段と、
c)該交流電流によって前記測定対象部位の両端に生じる電圧を前記測定用電極を用いて測定する電圧計測手段と、
d)該電圧測定値と前記交流電流の電流値とから前記測定対象部位に対応するインピーダンスを計算するとともに、複数の事前被検者の全身及び/又は各身体部位毎のインピーダンス測定結果と、断層画像が得られる装置を用いて計測・収集された該事前被検者の全身及び/又は各身体部位毎の身体組成基準情報とに基づいて、又は更に該事前被検者の身体特定化情報を加えて作成される推定式を利用し、前記インピーダンスの値又はその値と身体特定化情報とから、測定対象部位に対応する又はその被検者の身体全体の身体組成や健康状態に関連した情報を推定する演算処理手段と、
を備えることを特徴としている。
上記身体部位は、上述した通り、構成組織の断面積比率が略一定で所定長の円柱状モデルとして近似し得るような部位であり、具体的には、例えば、手首から肩口(肩峰点付近)までの腕部と足首から脚の付け根(転子点付近)までの脚部とを左右それぞれ1つの身体部位とし、胴体を体幹部として1つの身体部位とすることができる。更に、腕部を肘から2つに分離し、前腕部、上腕部の2つの身体部位にすることができる。脚部についても同様に、膝から2つに分離し、下腿部、大腿部の2つの身体部位にすることができる。更にまた、上肢部にあって手首から手の甲の指の付け根付近までの部分を1つの身体部位とし、下肢部についても足首から足の甲の指の付け根付近までの部分を1つの身体部位とすることもできる。更にまた、これら身体部位をより細かく区分した単位を1つの身体部位としてもよく、例えば左右前腕部の手首部近辺や下腿部の足首部近辺を1つの身体部位としてもよい。
第4発明に係る身体組成測定装置では、通電用電極を通して少なくとも1つの測定対象部位中に微弱な交流電流を流す。そして、その測定対象部位が持つインピーダンスによってその電流経路内で生じる電圧を、測定用電極を介して電圧計測手段により計測する。その際、従来よく知られている4電極法を利用してもよいが、体幹部には電極を接触させたくないといった電極接触位置に制限がある場合でも、支障なく測定対象部位の両端間の電圧に相当する電圧を測定できる。即ち、電流経路となっていない身体部位には電流が流れていないため電圧計測誘導路上に電圧が発生せず、電圧を計測するために該身体部位は単に導電線であるものと看做せる。例えば両手の甲の間に通電を行っている場合には、左右脚部や体幹部は単に導電線であると看做すことができ、例えば右手首と右足首との間の電圧を計測すると、その電圧測定経路中の電流経路は右腕部のみであるから、右腕部のインピーダンスによる電圧降下を計測しているのと同等である。このようにして、通電用電極及び測定用電極の接触位置を適宜に選択することにより、被検者の任意の身体部位の両端間の電圧降下を得ることができるから、演算処理手段により、この電圧計測値と電流値とから身体部位に対応したインピーダンスを算出することができる。
上述のようにして算出されるインピーダンスは、脂肪組織、筋肉組織及び骨組織に対応するそれぞれのインピーダンスを並列に接続したモデルでその身体部位のインピーダンスが近似できるような身体部位であって、しかもそれら各組織の構成比率及び該構成組織全体と個々の組織との電気的特性が一定であると看做すことができるような単位の身体部位に対応したものである。このように分割された身体部位は、身体組成を算出する際に基準となるモデル、つまり上記MRI法の適用モデルにかなり厳密に一致する。そのため、上述したようにモデル化された身体部位に対しては非常に精度の良い推定を行うことができる。
したがって、第4発明に係る身体組成測定装置によれば、各身体部位の組成情報等を高い精度で推定することができるのは勿論のこと、全身の身体組成情報や健康状態に関連した情報も精度よく求めることができる。また、体幹部や体幹部に隣接する例えば上腕部、上肢部などのインピーダンスを測定する際にも、体幹部自体に電極を接触させる必要がない。そのため、被検者にとっては心理的抵抗が小さく、衣服を脱いだりする必要もないので測定のための拘束時間も短くてすむ。
具体的には、第4発明に係る身体組成測定装置に於いて、複数の測定用電極は、左右の手首付近、左右の足首付近、左右の肘付近、左右の膝付近、左右の手掌部又は手の甲部付近、及び、左右の足の裏部又は甲部付近のうちの少なくとも2個所に接触するものとすることができる。その一態様として、複数の測定用電極は、左右の手首付近及び左右の足首付近の計4個所にそれぞれ接触する4個の電極を少なくとも含むものとすることができる。この構成では、被検者の身体を、少なくとも左右の腕部、左右の脚部及び体幹部の5個のセグメントに分割して各セグメント毎のインピーダンスを求めることができる。
また、上記4個所のほかに、測定用電極の接触個所として、左右の肘付近及び左右の膝付近の4個所のうちの少なくとも1個所を加えてもよい。例えばこの4個所を全て加えるならば、被検者の身体を、左右の上腕部、左右の前腕部、左右の大腿部、左右の下腿部、及び体幹部の9個のセグメントに分割して各セグメント毎のインピーダンスを求めることができる。
更にまた、測定用電極の接触個所として、左右の手掌部又は手の甲部、及び、左右の足の裏部又は甲部の4個所のうちの少なくとも1個所を加えてもよい。例えば上記4個所及びこの4個所を全て加えるならば、被検者の身体を、左右の上腕部、左右の前腕部、左右の手首、左右の大腿部、左右の下腿部、左右の足首、及び体幹部の13個のセグメントに分割して各セグメント毎のインピーダンスを測定することができる。
更にまた、前記測定用電極の接触個所として、手首と肘との間、又は足首と膝との間の少なくとも1個所を加えてもよい。即ち、これによれば、前腕部のうちの手首側又は下腿部のうちの足首側の部位の両端の電圧を測定することが可能となる。このような部位は断面積に占める骨組織の占有比率が比較的高い部位であるので、特に骨組織に関する情報、例えば骨量や骨密度などを精度よく得るのに好適である。
一方、通電用電極の接触個所は、左右の手首から手の指先まで、左右の足首から足の指先までの4個所にそれぞれ接触する4個の電極を少なくとも含むものとすることができる。但し、手首及び足首に測定用電極を接触させる場合には、この電極にあまり近い位置であると好ましくないから、例えば手足の甲の指の付け根付近、或いは指を接触個所とすればよい。
上述したように、前腕部のうちの手首側又は下腿部のうちの足首側の部位の両端の電圧を測定するには、前記手首付近と、前記手首と肘との間の1個所とにそれぞれ接触させる2個の測定用電極を所定間隔離間させて同一のシート状部材の一面に形成し、該シート状部材を被検者の皮膚表面に貼着して測定を行うようにすると便利である。これによれば、電極の装着が容易であるのみならず、2個の測定用電極間の距離が一定しているので、再現性のある精度の高い測定が可能である。更にまた、前記シート状部材の一面に通電用電極も形成すれば、電極の装着は一層容易になる。
更に第4発明に係る身体組成測定装置の一態様として、通電用電極及び測定用電極は皮膚に着脱自在な形態とし、該電極と電流供給手段及び電圧計測手段とをケーブルで接続する構成とすることができる。この構成では、測定時の被検者の姿勢に制限がない。但し、測定の精度向上の観点から言えば、仰臥姿勢をとった被検者の身体に電極を接触させることが望ましく、更に被検者の身体内の体液のバランスを維持するために、仰臥姿勢で数分程度安静状態を保ち、そのあとに計測に取り掛かることがより望ましい。
また、第4発明に係る身体組成測定装置の他の態様として、被検者が足を載せる測定台部と、該被検者が両手で掴む把持部とを備え、前記測定台部の上面に、足裏の指側に接触する通電用電極と足裏の踵側に接触する測定用電極とを設けるとともに、前記把持部に、手首付近に接触する測定用電極と手首よりも先の所定個所に接触する通電用電極とを設ける構成とすることができる。測定精度の点から望ましい姿勢としては、被検者は立位姿勢で両手を前方に真っ直ぐ伸張した状態で把持部を掴むようにするとよい。この構成によれば、被検者が立位姿勢で測定を行うことができるとともに身体に電極を貼り付ける必要がないので、仰臥姿勢をとる場合に比べて一層心理的抵抗が少なくてすみ、測定に要する時間も短くてすむ。また、被検者が自分一人で測定することも容易である。
また、第4発明に係る身体組成測定装置の他の態様として、被検者が足を載せる測定台部と、該測定台部上に立位姿勢で載った被検者が両腕をほぼ前方に伸ばした状態で両腕をそれぞれ支持する一対のアームレストとを備え、前記測定台部の上面に、足裏の指側に接触する通電用電極と足裏の踵側に接触する測定用電極とを設けるとともに、前記アームレストの上面に、手首付近に接触する測定用電極と手首よりも先の所定個所に接触する通電用電極とを設ける構成とすることができる。この構成では、被検者の両腕がアームレストで支持されるので、測定時に被検者の疲労が軽減される。また、測定中に腕が上下動すると測定誤差の原因と成り得るが、腕の姿勢が安定するので測定精度の向上が望める。
更にまた、第4発明に係る身体組成測定装置の他の態様として、被検者が足を載せる測定台部と、被検者が該測定台部上に足を載せた状態で座ることができる椅子部と、該椅子部にあって被検者が少なくとも前腕部を載せるためのアームレストとを備え、前記測定台部の上面に、足裏の指側に接触する通電用電極と足裏の踵側に接触する測定用電極とを設けるとともに、前記アームレストの上面に、手首付近に接触する測定用電極と手首よりも先の所定個所に接触する通電用電極とを設ける構成とすることができる。この構成によれば、被検者が座位姿勢で測定を行うことができるので、立位姿勢をとることが困難な者に対しても無理なく測定ができる。また、静止姿勢を保ちやすく、立位姿勢による測定よりも再現性が向上する。
具体的な構成としては、上記アームレストの上面に手で握る一対のグリップ部を設け、該グリップ部に前記通電用電極を設ける構成とすることができる。この構成では、被検者がグリップ部を握ると掌又は指に通電用電極が接触する。また、このグリップ部を略円柱形状とし、上部に通電用電極を備えるともに、該通電用電極と所定の間隙を保って下部に測定用電極を設けるようにしてもよい。この構成では、被検者がグリップ部を握ると、親指、人差し指の腹周辺に通電用電極が接触し、掌の土手周辺に測定用電極が接触する。また、上記アームレストの上面に、肘付近に接触する測定用電極を更に設けてもよい。また、被検者の足首に接触する測定用電極を有する足首測定部を備えてもよく、更に、被検者の膝の内側又は裏側に接触する測定用電極を有する膝測定部を備えてもよい。また、上記椅子部の座の前面角部近傍に、被検者の膝裏に接触する測定用電極を設けてもよい。このようにして電圧測定点を増やすことにより、一層精度の高い測定が行える。
発明を実施するための最良の形態
以下、本発明に係る身体組成測定方法及び身体組成測定装置について、図面を参照しつつ詳細に説明する。まず、本発明に係る身体組成測定方法に関するインピーダンスの測定方法、及び、その測定値に基づいた又はその測定値と身体特定化情報とに基づいた身体組成情報の推算方法について説明する。
第32図は、この身体組成測定方法に対応する人体のインピーダンス構成の近似モデル図である。本測定方法の特徴の1つは、人体を複数のセグメントに細分化し、各セグメント単位でインピーダンスを考慮する点にある。また、インピーダンスに基づく身体組成情報の推定精度を向上させるために、身体組成が比較的一定である、つまり後述する円柱モデルに近似し易い部位毎にセグメントを構成するようにしている。
具体的に説明すると、第32図に示すように、頭部及び手先、足先を除く身体全体について、左右腕部(手首より先は除く)をそれぞれ肘近傍で上腕部及び前腕部に分割し、左右脚部(足首より先は除く)をそれぞれ膝近傍で大腿部及び下腿部に分割する。このように四肢を合計8個のセグメントに細分化し、それに胸部及び腹部を含む体幹部を加え、身体全体を9個のセグメントに細分化している。この9個の各セグメントにそれぞれ独立したインピーダンスを対応させ、各インピーダンスが第32図に示すように接続されたモデルを想定する。ここで、左前腕部、左上腕部、右前腕部、右上腕部、左大腿部、左下腿部、右大腿部、右下腿部及び体幹部の9個のセグメントのインピーダンスはそれぞれ、ZLFA、ZLUA、ZRFA、ZRUA、ZLFL、ZLCL、ZRFL、ZRCL、及びZであるとする。
このような9個のインピーダンスを測定するために、仰臥姿勢で横たわった被検者の四肢に対し、第32図中に示すように4個所の電流供給点Pi〜Pi、及び8個所の電圧測定点Pv〜Pvを設定する。電流供給点Pi〜Piは両手の甲部の中指の付け根付近、両足の甲部の中指の付け根付近である。一方、電圧測定点Pv〜Pvは、左右の手首、左右の肘、左右の足首、左右の膝である。このうち、左右手首の電圧測定点Pv、Pvと左右足首の電圧測定点Pv、Pvとは相対的に体幹部から遠い位置にあるため、これら4個所の電圧測定点で電圧を測定することを遠位測定と呼ぶこととする。他方、左右肘の電圧測定点Pv、Pvと左右膝の電圧測定点Pv、Pvとは相対的に体幹部から近い位置にあるため、これら4個所の電圧測定点で電圧を測定することを近位測定と呼ぶこととする。なお、第32図に示すように、左右の手首、左右の足首よりも更に外側(つまり遠位側)にもインピーダンスが存在すると看做せるから、そのインピーダンスをそれぞれZLw、ZRw、ZLh、ZRhとしている。
4個所の電流供給点Pi〜Piのうちの2個所を選択してその間に電流を流し、所定の2個所の電圧測定点の間の電位差を測定すると、その電位差は1個のインピーダンス又は複数の直列接続されたインピーダンスの両端に発生する電位差であると看做せる。この場合、電流の通過経路にあたっていない身体部位は電流が殆ど流れないので、その部位のインピーダンスは無視して単なる導電線であると看做すことができる。
例えばいま両手の電流供給点Pi、Piの間に電流を流す場合を考える。このとき、両手首の電圧測定点Pv、Pv間(つまり遠位測定)の電位差は、ZLFA、ZLUA、ZRFA及びZRUAを直列に接続したインピーダンス、つまり左右両腕部のインピーダンスに対応した電圧となる。また、両肘の電圧測定点Pv、Pv間(つまり近位測定)の電位差は、ZLUAとZRUAとを直列に接続したインピーダンス、つまり左右両上腕部のインピーダンスに対応した電圧となる。更に、左手首の電圧測定点Pvと左足首の電圧測定点Pv(又は右足首の電圧測定点Pv)との間の電位差は、左右脚部及び体幹部は単なる導電線と看做すことができるから、ZLFAとZLUAとを直列に接続したインピーダンス、つまり左腕部のインピーダンスに対応した電圧となる。更にまた、左肘の電圧測定点Pvと左膝の電圧測定点Pv(又は右膝の電圧測定点Pv)との間の電位差は、左右大腿部及び体幹部は単なる導電線と看做すことができるから、ZLUAなるインピーダンス、つまり左上腕部のインピーダンスに対応した電圧となる。
他の身体部位に於いても同様の測定が行え、このような測定結果を利用すれば、9個のセグメントのインピーダンスをそれぞれ独立に精度よく求めることができる。このようにして取得されたインピーダンスの測定値に基づいて、或いはインピーダンス測定値と身体特定化情報とに基づいて身体組成情報を推定する。
なお、あとで詳しく述べるが、本身体組成測定装置では、4個の測定用電極を利用し、遠位測定のみのインピーダンス測定、近位測定のみのインピーダンス測定、或いは、測定用電極を貼り替えることによる遠位測定と近位測定との両方のインピーダンス測定、のいずれかを選択して行えるようになっている。
次に、上述したように取得されたインピーダンスの測定値に基づいて身体組成情報を推定するための推定方法を説明する。本身体組成測定装置で採用している推定方法の大きな特徴の一つは、インピーダンス測定値に基づいて、或いはインピーダンス測定値と身体特定化情報とに基づいて身体組成情報を推定する際に、MRIによって収集された身体組成情報を活用して作成された推定式を用いる点にある。
周知のように、MRIでは、人体の任意の部位の断面画像を得ることができる。その断面画像によれば、その断面の中の筋肉、脂肪、骨といった身体組織の量やそれぞれの比率を知ることができる。そこで、第33図(a)に示すように、対象とする身体部位の長手方向に所定厚さD毎に該身体部位を輪切りにした断面画像を取得し、各断面画像より脂肪、筋肉、骨といった組織の量(面積)をそれぞれ算出する。その結果、第33図(b)に示すような身体部位の長さ方向における各組織の面積の分布が得られるから、これを長さ方向に積分し、当該身体部位に対する各組織の量を決定する。本測定方法では、上述したように身体を9個のセグメントに分割しているため、各セグメント単位に対してこのようなMRI法を適用し易く、しかも各セグメントは円柱体に近似し易いので高い精度で各組織の量を求めることができる。
以下、本身体組成測定装置において測定結果として表示する、主要な身体組成情報の推定方法について、幾つかの例を述べる。
〔1〕全身の身体組成の推定
ここでいう組成は体脂肪率%Fat、除脂肪量LBM、脂肪量FM等である。
〔1−1〕全身の体脂肪率の推定方法の例
従来、ルカスキー(Lukaski.H.C)らの研究に基づいて、生体インピーダンス(BI)法による除脂肪量(LBM)の推定式として次式が用いられている。
LBM〔kg〕=a+b・(H/Z)+c・W+d・Ag
ここで、a、b、c、dは定数(多重回帰係数)であり、性別Sxによって値が異なる。また、H、W、Ag及びZはそれぞれ、被検者の身長、体重、年齢及び手首足首間のインピーダンスである。
この除脂肪量LBMと体重Wとを用い、体脂肪率%Fatは次式で求まる。
%Fat=〔(W−LBM)/W〕×100
また、脂肪量FMは次式で求まる。
FM=W−LBM
しかしながら、本測定方法では除脂肪量LBMは上記推定式を用いず、後記の方法で求めたものを利用することができる。
〔1−2〕全身の除脂肪量の推定方法の例
身体を構成する上記9個のセグメントのそれぞれを円柱モデルに見たてて、身体組成を推定する。このための方法としては次の2つが考えられる。
〔1−2−1〕四肢及び体幹部のセグメント単位を個々に独立変数と看做し、多重回帰式を作成する方法
まず、身体全体を四肢及び体幹部の5セグメントに分割する場合について考える。身体全体の除脂肪量をLBM、左右両腕部の除脂肪量をLBM、左右両脚部の除脂肪量をLBM、体幹部の除脂肪量をLBMtrとすると、
LBM∝H /Z
:両腕部又は片腕部長、Z:両腕部又は片腕部のインピーダンス  LBM∝H /Z
:両脚部又は片脚部長、Z:両脚部又は片脚部のインピーダンス  LBMtr∝Htr /Ztr
tr:体幹長、Ztrは体幹のインピーダンス
となる。したがって、次の(1)式を立てることができる。
LBM=a+b・H /Z+c・H /Z+d・Htr /Ztr+e・W+f・Ag  …(1)
ここで、体重W、年齢Agは相関性を向上させるための補足的パラメータである。Agの項は年齢による組織の特性の相違を補正するものであり、Wの項は骨組織への体重のストレスによる骨密度等の特性への影響などを補正するためのものである。当然、男女の性差があるから、性別Sxによってa、b、c、d、e、fなる定数は相違する。
また一般的には、上記H、H、Htrは各個人毎に身長Hと高い相関が認められる。そこで(1)式中のH、H、Htrは身長Hに置き換えることができ、次の(2)式となる。
LBM=a’+b’・H/Z+c’・H/Z+d’・H/Ztr+e’・W+f’・Ag  …(2)
ここで、Zは両腕部又は片腕部のインピーダンスのいずれでもよく、片腕部である場合には左右が同一であると推定する。Zについても同様である。
また(1)式に於いて、四肢の左右も独立であると看做すと次の(3)式となる。
LBM=a”+b”・HhR /ZhR+c”・HhL /ZhL+d”・HLR /ZLR+e”・HLL /ZLL+f”・Htr /Ztr+g”・W+h”・Ag…(3)
hR:右腕部長、ZhR:右腕部のインピーダンス
hL:左腕部長、ZhL:左腕部のインピーダンス
LR:右脚部長、ZLR:右脚部のインピーダンス
LL:右脚部長、ZLL:右脚部のインピーダンス
更に(1)式に於いて、上述したように9セグメントに細分化した測定が可能である場合には、次の(4)式とすることができる。
LBM=a+b・HUAR /ZUAR+c・HFAR /ZFAR+d・HUAL /ZUAL+e・HFAL /ZFAL+f・HFLR /ZFLR+g・HCLR /ZCLR+h・HFLL /ZFLL+i・HCLL /ZCLL+j・Htr /Ztr+k・W+l・Ag…(4)
但し、(1)、(2)、(3)、(4)式とも、全ての変数項が含まれる必要はなく、実質的に有効な独立変数項のみで構成するとよい。つまり、上記各式は最大変数項の例であると考えればよい。
〔1−2−2〕各セグメント単位で身体組成を推算し、その推算値を身体全体の身体組成の推定式に組み込む方法
腕部の除脂肪量をLBM、脚部の除脂肪量をLBM、体幹部の除脂肪量をLBMtrとすると、次の(5)式を立てることができる。
LBM=a+b・LBM+c・LBM+d・LBMtr   …(5)
LBM=a+b・H /Z+c・W+d・Ag
LBM=a+b・H /Z+c・W+d・Ag
LBMtr=a+b・Htr /Ztr+c・W+d・Ag
(5)式は(1)式に対応した式であるが、同様に、(3)式、(4)式に対応した式を作成することもできる。
〔1−3〕全身の筋肉量及び骨量の推定方法
一般的に全身の総筋肉量(TMM)は、従来知られている解剖学的データなどから、除脂肪量(LBM)の50%程度であると言われている。同様に、全身の総骨量(TBM)は体重Wの16%程度又は除脂肪量(LBM)の18%程度であると言われている。したがって、この数値を利用すれば、上述のようにして求めた除脂肪量LBMや体重Wから総筋肉量(TMM)や総骨量(TBM)を容易に概算することができる。また、総筋肉量(TMM)や総骨量(TBM)は除脂肪量(LBM)と有意の相関が認められる。したがって、LBMの推定式と同様の変数項による多重回帰式を作成する方法も考えられる。
TMM=a+b・H/Z+c・W+d・Ag
TBM=a+b・H/Z+c・W+d・Ag
上式は最も単純化した式であるが、上述した通り、より厳密な推算を行うために、より複雑な推定式を作成することもできる。
〔2〕各セグメント単位毎の身体組成の推定
〔2−1〕除脂肪量の推定方法
9個の各セグメントに対して、それぞれ円柱モデルを適用する。第34図(a)は各セグメントの組成モデルである。即ち、各セグメントは、断面積Aの脂肪組織、断面積Aの筋肉組織、断面積Aの骨組織を有し、その長さはいずれもLであるとする。脂肪組織、筋肉組織及び骨組織の体積抵抗率をそれぞれρ、ρ及びρとすると、脂肪組織、筋肉組織及び骨組織のインピーダンスZ、Z及びZは、
=ρ・(L/A
=ρ・(L/A
=ρ・(L/A
である。セグメント単位のインピーダンスZは、電気的には、第34図(b)に示すような各組織のインピーダンスZ、Z、Zの並列モデルとして近似できる。したがって、インピーダンスZは次の(11)式となる。
1/Z=(1/Z)+(1/Z)+(1/Z)  …(11)
除脂肪層の体積をVLBM、密度をDLBMとする。密度DLBMは先行研究より既知である。除脂肪量LBMは、
LBM=VLBM・DLBM
となる。ここで、
LBM=ALBM・L
=(A+A)・L
=ρ・(L/Z)+ρ・(L/Z)   …(12)
である。(11)式を変形して(12)式に代入すると、
LBM=ρ・L・〔(1/Z)−(1/Z)〕+(ρ−ρ)・(L/Z)  …(13)
となる。ここで、各組織の体積抵抗率の関係は、ρ<ρ<<ρである。
まず、手首、足首などの遠位局部の影響を除いて考えると(条件A)、
<<A
と看做すことができる。したがって、
(=ρ・(L/A))>Z(=ρ・(L/A))>>Z(=ρ・(L/A))>Z
これを(13)式に適用すると、
LBM=ρ・(L/Z)+(ρ−ρ)・(L/Z)   …(14)
となる。ここで、
ρ・(L/Z)>>(ρ−ρ)・(L/Z
であるから、
LBM=ρ・(L/Z
である。したがって、
LBM=DLBM×ρ・(L/Z
故に、所定の関数f(x)を用いて次の関係が成り立つ。
LBM=f(L/Z
他方、手首、足首などの遠位局部の影響を考慮する場合には(条件B)、
<A
とすることができる。したがって、
ρ・(L/Z)>(ρ−ρ)・(L/Z)=ΔV
一般に体重Wが重いほど、身体を保持するために骨組織の体積Vは増加するから、V∝ΔV∝f(W)の関係が推定できる。そこで、(14)式より、
Figure 2002043586
よって、
LBM=f(L/Z,W)
更に、各組織の加齢による変化及び、性差による相違などを考慮して多重回帰分析で推定式を作成すると、
LBM=a”+b”・(L/Z)+c”・W+d”・Ag  …(15)
となる。ここで、a”、b”、c”、d”は定数(多重回帰係数)であり、性別により値が異なる。MRI法により求めた除脂肪量LBMを上記多重回帰分析の推定式に適用し、性別毎に定数a”、b”、c”、d”を求めておけばよい。
〔2−2〕筋肉量の推定方法
上述した除脂肪量の推定と基本的に同様である。筋肉層の体積をVMM、密度をDMMとすると、筋肉量MMは、
MM=VMM・DMM
となり、筋肉層のインピーダンスZを用いれば、
MM=ρ・(L/Z
である。
上記の条件Aの下では、
MM≒LBM=a+b・(L/Z)+c・Ag   …(16)
と考えられる。しかしながら、条件Bの下では、
LBM=MM+BM
=a+b・(L/Z)+c・W+d・Ag   …(17)
であり、L/Zの項に筋肉量MM以外の骨BMの情報も含まれてしまい、分離が不可能である。そこで、9個のセグメントの中で条件A、Bを満足するセグメントを考えてみると、
条件Aを満足するセグメント:上腕部、大腿部
条件Bを満足するセグメント:前腕部、下腿部
である。
上腕部と前腕部、及び、大腿部と下腿部のそれぞれの筋肉量間の相関は、各個人毎に非常に高いことが知られている。そこで、上腕筋肉量情報MM、前腕筋肉量情報MMを推定する。即ち、MRI法で算出したMMUA及びMMFAの回帰分析を基に次のような推定式を抽出する。
MMFA=a+b・MMUA    …(18)
同様にMRI法で算出した大腿筋肉量情報MMFLを用いて、下腿筋肉量MMCLを推定する。
MMCL=a’+b’・MMFL   …(19)
よって、上腕部及び大腿部等の近位セグメントの筋肉量は条件Aを満足するため、(16)式で求めることができる。また、この(16)式で求めた上腕筋肉量及び大腿筋肉量を(18)、(19)式に適用することにより、前腕筋肉量及び下腿筋肉量を推算することができる。
〔2−3〕骨量の推定方法
条件Bを満足する前腕部及び下腿部に着目し、(15)式で求まる除脂肪量LBMFA、LBMCLから(18)、(19)式で求まるMMFA、MMCLを差し引くことにより、骨量BMFA、BMCLを求めることができる。
BMFA=LBMFA−MMFA  …(20)
BMCL=LBMCL−MMCL  …(21)
(20)、(21)式で求めた骨量を基に、他の、条件Aを満足するセグメント及び全身の骨量を推定する。即ち、筋肉量の場合と同様に、各個人毎に、前腕部と上腕部の骨量、及び大腿部と下腿部の骨量もそれぞれ高い相関を有している。そこで、MRI法を用いて算出したBMFA、BMCLの回帰分析を基に次のような推定式を抽出する。
BMUA=a+b・BMFA     …(22)
BMFL=a’+b’・BMCL   …(23)
同様に、全身骨量、及び腕部、脚部などのMRI法による回帰分析を基にして推定式を算出することも可能である。なお、上記推定方法はセグメント毎の除脂肪量、筋肉量、筋力、骨量などを推算することを前提としていたが、1個のセグメント内の単位長さ当たりの除脂肪量、筋肉量、筋力、骨量などを推算することを前提として推定式を作成すると、より精度の高い結果が得られる場合がある。このような方法は、特に、特殊な体型を有する運動選手、具体的には、上腕部と前腕部、又は大腿部と下腿部とにおいてセグメント長等の左右バランスが著しく相違する場合、等に有効である。
筋肉量、骨量などを単位長当たりの値として推算する方法の一例を次に説明する。円柱モデルの体積V、断面積A、長さLの関係は、
V=A・L
であるから、
V/L=A=ρ・(L/Z)
である。上記(16)〜(23)式を単位長当たりに書き換えると次のようになる。
MM/L≒LBM/L
=a+b・(L/Z)+c・Ag        …(16)’
LBM/L=(MM+BM)/L
=a+b・(L/Z)+c・W+d・Ag     …(17)’
MMFA/LFA=a+b・MMUA/LUA     …(18)’
MMCL/LCL=a’+b’・MMFL/LFL   …(19)’
BMFA/LFA=LBMFA/LFA−MMFA/LFA …(20)’
BMCL/LCL=LBMCL/LCL−MMCL/LCL …(21)’
BMUA/LUA=a+b・BMFA/LFA     …(22)’
BMFL/LFL=a’+b’・BMCL/LCL   …(23)’
したがって、
MMUA=(MMUA/LUA)・LUA
MMFA=(MMFA/LFA)・LFA
MMFL=(MMFL/LFL)・LFL
MMCL=(MMCL/LCL)・LCL
LBMFA=(LBMFA/LFA)・LFA
LBMCL=(LBMCL/LCL)・LCL
BMUA=(BMUA/LUA)・LUA
BMFA=(BMFA/LFA)・LFA
BMFL=(BMFL/LFL)・LFL
BMCL=(BMCL/LCL)・LCL
また、関数式fを用いた表現では、
MMUA=f(LUA /ZUA)又はf(LUA /ZUA,W,Ag)
MMFL=f(LFL /ZFL)又はf(LFL /ZFL,W,Ag)
MMFA=f(LFA /ZFA,LUA /ZUA,W,Ag)又はf(LFA /ZFA,LUA /ZUA,W,Ag)・LFA
MMCL=f(LCL /ZCL,LFL /ZFL,W,Ag)又はf(LCL /ZCL,LFL /ZFL,W,Ag)・LCL
とすることができる。
〔3〕基礎代謝量の推定方法
基礎代謝量の一般的な推定方法は次の通りである。
基礎代謝量(BM)〔kCal〕/日≒安静代謝量(RM)/1.2
∝安静時酸素摂取量(VOr)〔mL/分〕
∝除脂肪量(LBM)〔kg〕
∝総筋肉量(TMM)〔kg〕
ここで、例えばLBMが59.9kgであると仮定すると、
VOr=(LBM+7.36)/0.2929
=229.635〔mL/分〕
RQ(呼吸商)0.82一定のとき、1リットルのOガスの熱産性は4.825kCalである。したがって、1日の酸素消費量は、
229.635〔mL/分〕・60〔分〕・24〔時間〕=330.674〔リットル〕
基礎代謝量BMは、
BM=4.825〔kCal〕・330.674=1595.5〔kCal〕である。
ここで、除脂肪量LBMの組織の中で筋肉に着目する。本測定方法によれば、各セグメントの筋肉量MMを高精度に推算することができる。そこで、除脂肪量LBMよりも総筋肉量TMMを用いたほうが、基礎代謝量BM及び安静代謝量RMの推定精度が改善できるものと考えられる。即ち、次のような多重回帰式を作成すればよい。
BM(又はRM)=f(TMM)
又は、
BM(又はRM)=f(各セグメント毎のMM)
また、筋肉の中でも、その部位によって基礎代謝量に対する寄与の相違があるものと推測できる。具体的には、腕部よりも脚部のほうが基礎代謝量に対する寄与が大きいと推測できるから、総筋肉量TMMよりも脚部(大腿部及び下腿部)の筋肉量と基礎代謝量BM及び安静代謝量RMとの高い相関が期待できる。そこで、次のような多重回帰式を作成すればよい。
BM(又はRM)=f(MMFL,MMCL
更に、従来は脂肪組織は基礎代謝量に殆ど寄与しないとして除外されていたが、筋肉組織に比較すると低活性ではあるものの、或る程度の代謝を有しており、より高い精度で推定を行うには脂肪組織をも考慮した推定式が有用である。即ち、脂肪量FMも用い、次のような多重回帰式を作成してもよい。
BM(又はRM)=f(TMM,FM)
従来より、特に女性の場合、基礎代謝量と除脂肪量との相関は必ずしも高くなく、むしろ体重との相関が高いと言われている。即ち、これは脂肪組織の代謝が無視できないことを示しており、本測定方法によれば脂肪量FMも精度よく推算できるので、このような脂肪量をも考慮した基礎代謝量の推定は精度向上に非常に有効である。
〔4〕ADL指数の推定方法
ADL指数は、特に高齢者や疾病・事故の療養者が身体的に自立した日常生活をおくるための能力をどの程度有しているのかを判断するための指標値であって、これまでADL評価法として用いられてきたバーセル指数やFIMを代替する又は補完するものである。ADL評価は人間の各種の日常生活活動に対応した動作を評価する必要があるが、本装置では、主として立位姿勢の保持が可能であるか否かという点に着目してADL指数を提示している。具体的には、ADL指数として大腿四頭筋筋肉量、大腿四頭筋最大筋力、体重支持指数を利用しているが、そのほかの指標値でもよい。大腿四頭筋筋肉量はこの大腿四頭筋を含む脚部又は大腿部の筋肉量と高い相関を有しているから、上述のようにして算出した脚部又は大腿部の筋肉量から容易に推算することができる。また、最大筋力は筋肉量と高い相関を有しているから、大腿四頭筋最大筋力は上記大腿四頭筋筋肉量から容易に推定することができる。更には、この大腿四頭筋最大筋力と体重とから体重支持指数を推算することができる。
以上のように、本測定方法によれば、MRI法で算出した各組織量の回帰分析を基にして、インピーダンスの測定値から各組織量や基礎代謝量など、身体組成情報や健康状態を反映した情報を高い精度で推定することができる。
〔第1実施例〕
次に、本発明に係る第1実施例による身体組成測定装置の構成及び動作を説明する。第1図は、第1実施例による身体組成測定装置の外観図である。
本身体組成測定装置は、被検者の身体に微弱な高周波電流を流し、その電流によって身体中の所定部位に生じる電圧を検出し、その電圧値と電流値とからインピーダンスを算出し、このインピーダンス測定値と、外部から入力された身長、体重、年齢、性別等の身体特定化情報とを所定の推定式に適用することにより演算処理し、被検者の体脂肪率、除脂肪量、脂肪量、体内水分量、筋肉量、筋力、骨量、骨密度、肥満度、基礎代謝量、ADL指標値等の身体組成情報や健康状態に関連した情報を算出して提示するものである。なお、本装置は、身体組成情報として上記各種情報を推算するが、特に、筋肉量に関してその測定結果の表示を充実させたものとなっている。
第1図に示すように、本身体組成測定装置は、主として各種制御やデータ処理を行うためのノート型のパーソナルコンピュータ(以下「パソコン」と称す)1と、主としてインピーダンスの測定を実行する本体部2とから成り、その本体部2の背面から測定に必要な電極群がケーブル4を介して取り出されている。商用交流電源の電源ケーブルはAC−DCアダプタ3を介して本体部2に接続されている。電極群は、電流供給用の電極(以下「通電用電極」と称す)10と電圧測定用の電極(以下「測定用電極」と称す)11とを含み、それぞれ1個ずつを1組として低誘導性のケーブル4を介して本体部2に接続されている。通電用電極10及び測定用電極11はともに、被検者の皮膚面に確実に且つ安定的に装着が可能であって、電極自体のインピーダンス(接触抵抗)を小さくするように、面状の貼着式電極となっている。
この身体組成測定装置によるインピーダンス測定では、後述するように最大16個所の電圧測定点の電圧を測定するようになっているが、4個の通電用電極10、及び4個の測定用電極11という2個一対の電極構成を採用している。即ち、後述するように8個所又は16個所の電圧測定点の測定を行う場合には、4個所の測定を終了する毎に検査者が被検者の身体上で測定用電極11を貼り替える方式としている。これは、電極の個数が多くなると装置のコストアップになるほか、ケーブルが絡まったりして測定準備が煩雑になるとともに被検者への装着ミスも起こり易いからである。勿論、このような点が問題にならなければ、8個乃至16個の測定用電極を始めから用意する構成としてもよい。
第2図は第1実施例による身体組成測定装置の概略電気構成図、第3図はより詳細な電気構成図である。4個の通電用電極10a、10b、10c、10dは信号線開閉リレー201を介して通電用電極切替部202に接続され、ここで電流源203に接続される2個の電極が選択されるようになっている。電流源203は周波数fの定電流高周波信号を発生するものであって、周波数fは通常5kHz〜150kHzの範囲で設定される。一方、4個の測定用電極11a、11b、11c、11dは同様に信号線開閉リレー201を介して測定用電極切替部204に接続され、ここで2個の電極が選択されてその電極で得られた信号がそれぞれ独立したバンドパスフィルタ(BPF)205に入力される。このBPF205により周波数f以外の信号成分が除去され、そのあと検波部206にて検波・整流が行われて周波数fの信号成分が取り出される。並行して検波された信号は差動増幅器207により差動増幅され、更に増幅器208により増幅される。そして、この信号をアナログ−デジタル(A/D)変換器209によりデジタル信号に変換し、ホトカプラ210を介してCPU211に入力している。CPU211はUSB端子214と接続されており、USBインタフェイスのためのデータ変換・逆変換を行う機能を備えている。CPU211はUSB端子214に対してA/D変換器209の出力信号に対応するデータを送信するのみならず、USB端子214を介して受け取った制御信号に基づいて、ホトカプラ210を介して電流源203の動作を制御するとともに、信号線開閉リレー201及び後記電源線開閉リレー213の動作を制御する。このようにホトカプラ210でCPU211とアナログ測定回路系とを光学的に接続することにより、CPU211で発生する又はパソコン1から侵入してくるデジタル的なノイズがアナログ測定回路系に入ることを防止することができる。商用交流電源5に接続されたAC−DCアダプタ3の直流電力出力は本体部2に入力され、上記電源線開閉リレー213を介して電源出力端子215に接続されている。パソコン1に電力を供給するための電源ケーブルは電源出力端子205に接続されるから、AC−DCアダプタ3の直流電力出力は電源線開閉リレー213を介挿していることを除けば、本体部2を単に通過してパソコン1に接続されている。
パソコン1は、CPU、ROM、RAM、ハードディスクドライブ、バッテリ102等を内蔵したパソコン本体101の周囲に、キーボートやマウス等のポインティングデバイスである操作部105、液晶ディスプレイである表示部106等を備え、更にプリンタ8との接続のために赤外線インタフェイス(IF)104を有している。これは、ケーブルを介する電気的な接続を行わないことによってプリンタ8側からの電源系の雑音の影響を排除するとともに、部品の故障等が発生した場合でもプリンタ8から過大な電流が流れ込むことを防止して、被検者の身体に異常な電流が流れるような事故を確実に回避するためである。パソコン1は標準的なUSB端子103を備えている。周知のようにUSBインタフェイスはシリアルデータとともに直流電力を供給可能な線を有しており、ここでは、パソコン1のUSB端子103は5V/最大500mAの電力を外部に供給する能力を有している。USBケーブルを介してパソコン1と接続される本体部2は、パソコン1から上述した直流電力を受け取り、DC−DCコンバータ212により各回路へと分配する。したがって、本体部2に含まれる全ての電気回路は最大でも5V/500mAの電力で動作可能なように設計されている。また、DC−DCコンバータ212を通すことにより、アナログ系の測定回路に電源を通じたノイズが混入するのを防止している。
パソコン1のハードディスクドライブ(或いは内蔵のROM)には、インピーダンスの測定及びその測定値に基づいて前述したような各種身体組成情報や健康状態に関連した各種情報を推定するための演算処理を行うための演算プログラムと、これら測定を実行するための制御プログラムとが格納されている。より詳しく言うと、予め、身長、体重、年齢、性別等の身体特定化情報が相違する多数のモニタをMRIにより測定し、その測定結果に基づいて信頼性の高い回帰分析定数を算出することにより、精度の高い推定式を予め取得する。そして、この推定式を演算プログラムの一部としてハードディスク(或いは内蔵のROM)に格納しておく。そして、操作部105を介して外部から与えられる指示に従って上記プログラムを実行することによって、後述のようなインピーダンスの測定及びそれに引き続く各種演算処理や表示処理などを具現化している。なお、このような演算処理のための推定式は必ずしも計算式の形式で格納されている必要はなく、例えばテーブルの形式で格納されており、インピーダンスの測定値や身体特定化情報をテーブルに入力することにより出力結果として身体組成情報や健康関連情報を得る、といった各種形態に変形することが可能である。
本身体組成測定装置では、通電用電極10及び測定用電極11に接続される各ケーブル4つまり各信号経路に対し、開閉自在の信号線開閉リレー201を設けるとともに、AC−DCアダプタ3を介して商用交流電源5に接続される電源供給経路を開閉自在の電源線開閉リレー213を設けている。信号線開閉リレー201は、被検者の身体のインピーダンスを測定する期間以外に全ての電極10、11を本体部2から実質的に切り離すことによって、回路系の故障や不具合が生じた場合でも、電極10、11を経て被検者の身体に不所望の電流が流れることを防止することを目的としている。つまり、被検者の安全性を確保するためのものである。一方、電源線開閉リレー213は、上述のようなインピーダンスの測定時に、商用交流電源5をこの本体部2及びパソコン1から実質的に切り離すことによって、商用交流電源5を介して外部から侵入するノイズを遮断することを目的の1つとしている。つまり、インピーダンス測定時のノイズを抑制して、より精度よく測定を行うためのものである。更に、インピーダンスの測定時、つまり測定回路系が電極10、11を介して身体に接続される際に商用交流電源5を切り離すことによって、回路系の故障や不具合が生じた場合でも、少なくとも100Vの交流電流が身体に漏れ出すことを防止することを目的としている。即ち、上記信号線開閉リレー201とともに2重の安全対策を果たす。
なお、この第1実施例の身体組成測定装置では、差動増幅器207の前にBPF205及び検波部206を配置しているため、2系統の入力経路にこれら回路をそれぞれ設ける必要があるが、これに代えて、第35図に示す構成を採用してもよい。即ち、これは、差動増幅器207の後段にBPF205及び検波部206を配置した構成であり、これによれば、差動増幅器207によりコモンモードノイズが相殺されるのでノイズの影響を受けにくいという利点がある。一方、第2図(第3図)に示す構成では、ケーブルや回路の浮遊容量の影響を受けにくく、測定用電極を介してBPF205の入力に接続される2つの負荷がアンバランスになった場合でも位相回転が少なくてすむので、測定誤差が小さくできるという利点がある。
上記構成を有する本実施例の身体組成測定装置における実際の測定手順と装置の動作について詳細に説明する。第4図及び第5図は、本身体組成測定装置による測定動作のうちの初期的な動作を示すPAD(問題分析図)である。
パソコン1の電源スイッチがオンされると(ステップS1)、パソコン本体101が起動して、バッテリ102の残量検知処理(ステップS2)及び測定回路検査処理を実行する(ステップS3)。測定回路検査処理は、予め決められたアルゴリズムに従って内部回路の動作に不具合が無いか否かをチェックするものである。これら処理が終了すると、表示部106に第10図に示すような画面Aを表示する(ステップS4)。画面Aには、電池を模したバッテリマーク画像を含むバッテリ残量表示部A1と、測定回路系の検査結果を知らせる測定回路検査結果表示部A2と、バッテリ残量及び測定回路系それぞれの状態を文字で知らせるメッセージ表示部A3、A4と、ファンクションボタンAF1〜AF3、AF10が表示される。画面Aを表示するに際し、バッテリ102の残量に応じて画面A中のバッテリ残量表示部A1における残量%値、バッテリマーク画像の塗りつぶし面積及びメッセージ表示部A3に表示するメッセージ内容を変更する。即ち、バッテリ残量が10%未満である場合、バッテリマーク画像の塗りつぶし部分を赤色の表示とし(ステップS6)、同時に充電を促すための充電促進メッセージを表示する(ステップS7)。更に、パソコン本体101は測定に関する以降の入力受付を禁止する(ステップS8)。これにより、測定途中でバッテリが無くなってしまうことを回避できる。バッテリ残量が10%以上50%未満である場合には、バッテリマーク画像の塗りつぶし部分をピンク色の表示とし(ステップS9)、且つその残量を%値で表示する(ステップS10)。この場合には、残量が十分ではないので充電促進メッセージも表示する(ステップS11)。バッテリ残量が50%以上である場合には、塗りつぶし部分を青色の表示とし(ステップS12)、且つその残量を%値で表示する(ステップS13)。これによって、検査者は表示を見てバッテリ残量が十分であるか否かを直感的に知ることができる。
また、測定回路検査処理に結果に応じて、正常である場合には画面A中の測定回路検査結果表示部A2に「READY」表示を行い(ステップS15)、ファンクションボタンAF1〜AF3、AF10の受付けが可能な状態で待機する(ステップS16)。一方、検査結果が異常である場合には、測定回路検査結果表示部A2に「ERROR」表示を行い(ステップS17)、更に異常個所を示すメッセージをメッセージ表示部A4に表示する(ステップS18)。なお、第10図では、測定回路検査結果表示部A2に「READY」が表示された状態を示しており、「ERROR」が表示される場合には「READY」表示は消える。上記ステップS8及びS18になるとそのままの状態ではステップS15、S16へと進むことはできないが、前者ではAC−DCアダプタ3の電源プラグがコンセントに挿入されることによって通電が開始されれば、後者では検査者等によって異常個所が修正されれば、これを検出したパソコン本体101は上記ステップS15、S16の処理を実行する。
表示部106に画面Aが表示されているとき、検査者は、測定の目的に応じてファンクションボタンAF1、AF2又はAF3のいずれかをマウス等のポインティングデバイスにより選択操作する。このファンクションボタンはキーボードのファンクションキーに対応付けられているから、同様の操作をキーボード上でも行うことができる。この身体組成測定プログラムを終了したい場合には、検査者はファンクションボタンAF10を選択操作する。この操作を受けると、パソコン本体101は身体組成測定プログラム(アプリケーション)を終了し、表示部106の表示画面を所定の画面(例えばマイクロソフト社が提供するウインドウズ98などの初期画面)に戻す(ステップS27)。
表示部106に画面Aが表示された状態でファンクションボタンAF1に対応付けられた身体組成測定モードは、一般的な身体組成の測定の際に利用されるモードである。また、ファンクションボタンAF2に対応付けられたデータ収集モードは、特に研究用などを意図したモードであって、特定の測定部位を選択して測定周期を指定してインピーダンスの時間的変化を測定するといった、非常に詳細な測定を行うことができるモードである。更に、ファンクションボタンAF3に対応付けられたテストモードは、内部の回路校正等のためのモードである。次に、身体組成測定モードにおける動作について、第6図〜第9図、及び第11図〜第22図を参照して説明する。第6図〜第9図は身体組成測定モードにおける動作フローチャート及びPAD、第11図は身体組成測定モード時の表示部106の表示画面の概略図、第12図〜第22図はその表示画面中の各部の詳細図である。
身体組成測定モード(後記データ収集モードでも同様)による測定を行う場合、被検者はベッド等に仰臥姿勢にて横たわる。第31図は推奨測定姿勢を示す斜視図である。第31図に示すように、基本的な測定姿勢は被検者がベッド等に横たわった仰臥姿勢であり、四肢はできる限り真っ直ぐに伸ばし、両腕部は体幹部に接触しないように、また両脚部も互いに接触しないように、30°程度の角度で開いた姿勢とする。また、体内の体液バランス変動の影響を排除するには、この姿勢で5分程度の安静時間を確保することが好ましい。一方、検査者は、まず測定のために必要な設定操作を行う。即ち、上述したように表示部106に初期画面Aが表示されている状態でファンクションボタンAF1を選択操作すると、これを受けてパソコン本体101は、画面Aに替えて第11図〜第22図に示す身体組成測定画面Bを表示する(ステップS31)。
第11図に示すように、身体組成測定画面Bには、身体情報表示部B1、測定部位表示部B2、四肢長表示部B3、ファイル表示部B4、電極貼着位置表示部B5、測定結果表示部B6、遠位測定値表示部B7、近位測定値表示部B8、ADL指標値表示部B9、筋肉量表示部B10、体型表示部B11、メッセージ表示部B12、及びファンクションボタンBF1〜BF5、BF8、BF10が配列されている。第12図に示すように、身体情報表示部B1には、被検者の名前及び識別子(ID)と、性別、年齢、身長及び体重といった身体特定化情報とを入力表示するためのテキストボックスが設けられている。第13図に示すように、測定部位表示部B2には、遠位測定、近位測定、又は遠位測定→近位測定のいずれかの選択が可能なテキストボックスが設けられている。第14図に示すように、四肢長表示部B3には、被検者の上腕部、前腕部、大腿部及び下腿部の長さを、左右半身独立に入力表示するためのテキストボックスが設けられている。後述するように、身体情報表示部B1のテキストボックスで「身長」の値を入力すれば、この四肢長表示部B3のテキストボックスには身長値から自動的に計算された四肢長が表示されるから、特にこの値を変更する必要がない限り検査者は入力を行わなくてよい。第15図に示すように、ファイル表示部B4には、データファイルを保存・読込する際のファイル名を入力表示するためのテキストボックスが設けられている。
第16図(a)、(b)に示すように、電極貼着位置表示部B5には、9個のセグメントに分割された人体が模式的に図形表示され、それに重畳して、身体上で電極の装着位置を示す表示が、通電用電極に関しては記号”■”でもって、測定用電極に関しては記号”◎”でもってなされている。この電極の装着位置は測定部位表示部B2で選択された測定の種別に対応したものであって、遠位測定が選択されている場合には、第16図(a)に示すように、両手首、両足首に測定用電極の記号”◎”が表示される。また、近位測定が選択されている場合には、第16図(b)に示すように、両肘、両膝に同記号が表示される。更に、遠位→近位測定が選択されている場合には、次に行う遠位又は近位のいずれかの測定に対応した表示がなされる。したがって、検査者は、この表示を参照して通電用電極10及び測定用電極11を装着すれば、装着位置を間違えることがない。また、模式的な身体図形は9個の各セグメント毎に表示色が変更可能となっており、後述するように測定が開始されると、測定を実行中である身体のセグメントは灰色で点滅表示し、測定が終了すると緑色の点灯表示に変わる。これにより、その表示の状態を見るだけで測定の進行状況を知ることができる。
測定結果表示部B6は測定結果を表示する領域であって、第17図に示すように、脂肪、筋肉、骨及びその他の比率、脂肪及び除脂肪の比率、脂肪、水分及びその他の比率、という3種類の身体組成比率が人体を模した1つの円グラフ内で示されるようになっている。また、そのほかに、体重、身長等の身体特定化情報から算出される体格指数(BMI)、肥満度や、基礎代謝量などの推算値も表示されるようになっている。ここで、円グラフ中の%値は「1」を最小単位として表示される。これに対し、円グラフ中の区分線はその数値に合わせて連続的に変化させることもできるが、本実施例では、1周(360°)を4〜16分割した角度単位(つまり1ステップが22.5〜90°)で変化するようにしている。これにより、グラフ表示のための処理を簡略化し、迅速にグラフを作成できるようにしている。
第18図及び第19図に示すように、遠位測定値表示部B7及び近位測定値表示部B8にはそれぞれ、測定された各セグメントのインピーダンス値が表示されるようになっている。第20図に示すように、ADL指標値表示部B9には、日常生活動作の能力を測るADL指標値として、測定結果から推算した左右それぞれの大腿四頭筋量、大腿四頭筋最大筋力、体重支持指数が表示されるようになっている。第21図に示すように、筋肉量表示部B10には、左右の上腕部、前腕部、腕部、大腿部、下腿部、脚部毎に筋肉の推定重量が棒グラフで表示され、しかも、左右のバランス度を示す左右の筋肉量比率が表示されるようになっている。また、腕部と脚部の筋肉量の比率も表示されるようになっている。これにより、左右の筋肉の付き方のバランスが視覚的に容易に理解でき、例えば利き腕、利き足が左右のいずれであるのかがわかるほか、不自然に左右のバランスが悪いときには健康状態に何らかの問題がある等の簡易的な判断に供することができる。第22図に示すように、体型表示部B11には、身体特定化情報として入力された体重及び身長を元に算出される体格指数(BMI:W/H)に応じて、外観上の体型が痩せ、標準又は堅太のいずれかに区分されて表示されるとともに、更に、測定結果である体脂肪率に基づいて、脂肪の付き方の状態が薄脂、並脂又は脂満のいずれかに区分されて表示される。つまり、この薄脂、並脂、脂満という区分は、上記外観上の体型とは異なる、いわば身体組成の状態から捉えた体型である。
また、第11図に示すように、メッセージ表示部B12には、測定の過程で検査者(又は被検者)に知らせるべき各種メッセージが適宜表示される。更に、そのメッセージ表示部B12の下方には7個のファンクションボタンBF1〜BF5、BF8、BF10が配列されている。このうち、ファンクションボタンBF1〜BF4には、それぞれ、上述した身体情報表示部B1、測定部位表示部B2、四肢長表示部B3及びファイル表示部B4のテキストボックスを能動化する(つまり入力が可能な状態とする)又はその入力を確定させるための機能が割り付けられている。また、ファンクションボタンBF5には測定の開始及び停止(中断)の指示機能が、ファンクションボタンBF8にはプリント出力の指示機能がが割り付けられている。更に、ファンクションボタンBF10にはこの身体組成測定モードを終了して先の初期画面Aへ戻る機能が割り付けられている。
第6図に戻り説明を続けると、上述のような身体組成測定画面Bが表示された状態で、パソコン本体101は、いずれかのファンクションボタンが選択可能な状態で待機する(ステップS31、S32)。ここで、ファンクションボタンBF1〜BF4のいずれかが選択操作されると、それに応じた測定開始前処理を実行する(ステップS33)。
第8図は測定開始前処理の内容を示すPADである。ファンクションボタンBF1が選択されると、パソコン本体101は身体情報表示部B1のテキストボックスに入力すべき項目をカーソルの点滅によって表示する。検査者はこれを見ながらキー入力を行い、被検者の名前、識別番号のほか、性別Sx、年齢Ag、身長H、体重Wといった身体特定化情報を入力する(ステップS82)。なお、最低限これら身体特定化情報が入力されないと、測定の開始が受け付けられないようになっている。身長Hの入力が完了されると、パソコン本体101は所定の計算式に基づいて左右の四肢長を推算する(ステップS83)。例えば、左上腕長を求める計算式は、
LUA=aLUA×H+bLUA
但し、aLUA、bLUAは定数
である。他のセグメントも同様である。このようにして推算された結果を、四肢長表示部B3のテキストボックス内に表示する(ステップS84)。即ち、これが入力された身長に対応付けられた四肢長のデフォルト値となる。ファンクションボタンBF1が再度選択操作されると(ステップS81)、身体情報入力可能状態が終了して、入力された情報が確定する。
こうして推算された四肢長の値が変更されない場合には、このデフォルト値が後述の身体組成の計算に用いられる。通常、身体組成の推定に際して四肢長としてこのデフォルト値を用いれば、その推定結果はかなりの高い精度を有する。しかしながら、より高い精度で測定を行いたい場合や、或いは被検者が特異的な体型を有している場合(例えば、運動選手ではその競技の種類に応じて四肢のうちの一部のみが異常に発達している)には、実際に被検者の四肢長を計測しその計測値を四肢長表示部B3において入力することが好ましい。具体的には、ステップS80にて四肢寸法入力ファンクションボタンBF3が選択されると、パソコン本体101は、四肢長表示部B3のテキストボックス内の数値にカーソルを点滅表示する。これによってその数値の変更が可能となるから、計測値を直接入力してその表示を変更させる(ステップS91、S92)。ファンクションボタンBF3が再度選択操作されると(ステップS90)、四肢長入力可能状態が終了して、変更された情報が確定する。
また、ステップS80にて測定部位選択ファンクションボタンBF2が選択されると、パソコン本体101は、測定部位表示部B2のテキストボックスにおける測定の選択を可能とする(ステップS86)。先に述べたような9セグメントの測定を行う場合には、検査者は「遠位→近位」測定を選択する。すると、電極貼着位置表示部B5には、第16図(a)に示すように人体模式図形の中の両手首、両足首に測定用電極の記号”◎”が表示され、両手の甲部及び両足の甲部に通電用電極の記号”■”が表示される(ステップS89)。「遠位」測定を選択した場合も同様である(ステップS87)。もし、「近位」測定を選択した場合には第16図(b)に示すように人体模式図形の中の両肘、両膝に測定用電極の記号”◎”が表示される。通電用電極の記号”■”の位置は同じである(ステップS88)。ファンクションボタンBF2が再度選択操作されると(ステップS85)、測定部位選択可能状態が終了して、選択された情報が確定する。
ここでは、「遠位→近位」測定が選択されたものとする。その場合、上述したように、左右手足の甲部の4個所に”■”が表示され、左右手首及び足首の4個所に”◎”が表示されから、検査者はこの表示を確認しつつ、被検者の左右手足の甲部の中指付け根付近に通電用電極10を貼着するとともに、左右手首及び足首に測定用電極11を貼着する。而して、全ての測定準備が整ったならば、検査者はスタートファンクションボタンBF5を操作して測定開始を指示する(ステップS34)。この操作に応じてパソコン本体101は測定を開始する(ステップS35)。まず、電極貼着位置表示部B5の模式的人体図形において、測定対象である全セグメントをそれぞれ灰色で点滅表示させる(ステップS36)。そして、電極切替用変数mを0に設定し(ステップS37)、測定部位連続切替処理を実行する(ステップS38)。
第9図は、測定部位連続切替処理の詳細フローチャートである。まず、変数mに1を加算し(ステップS61)、その変数mが1〜4のいずれであるのかを判定する(ステップS62、S64、S66、S68)。変数mが1である場合には、右腕部を測定部位とすべく通電用電極切替部202及び測定用電極切替部204の接続の切替えを制御する(ステップS63)。また同様に、変数mが2、3又は4である場合にはそれぞれ、左腕部、右脚部又は左脚部を測定部位とすべく通電用電極切替部202及び測定用電極切替部204の接続の切替えを制御する(ステップS65、S67、S69)。ステップS68で変数mが4でないと判定された場合には、体幹部を測定部位とすべく通電用電極切替部202及び測定用電極切替部204の接続の切替えを制御し(ステップS70)、変数mを0に戻す(ステップS71)。そして、このように測定部位に対応して電極の接続を切り替えたあとにステップS39へと戻り、インピーダンスの測定を実行する。即ち、上記測定部位連続切替処理によれば、右腕部→左腕部→右脚部→左脚部→体幹部と順次測定が行われるように電極10、11の接続の切替えが達成される。したがって、測定開始直後には右腕部(セグメントとしては右上腕部+右前腕部)の測定が行われるように電極10、11の接続が切り替えられる。そのあと、電流源203から2個の通電用電極10間に定電流を流し、それにより生じる電位差を2個の測定用電極11で測定し、測定信号をBPF205、検波部206を介して差動増幅器207へ与える。
パソコン本体101はA/D変換器209のサンプリング周期間隔毎にデジタル化された電圧値を読み込み、その電圧値と電流値とからインピーダンスを計算する。そして、そのインピーダンスの測定値が安定したか否かを判定する(ステップS41)。この判定では、時系列的に得られる測定値から単位時間当たりの測定値変化量を算出し、その変化量が1〔Ω/秒〕以内である状態が所定回数連続したときに測定値が安定したと判断する。測定値が安定したと判定されると、それの測定値が既に記憶されたか否かを判定し(ステップS42)、記憶されていない場合には内蔵のメモリに記憶する(ステップS43)。そして、電極貼着位置表示部B5の模式的人体図形において対応するセグメント(ここでは右上腕部+右前腕部)の灰色の点滅表示を終了させ、緑色の点灯表示へ変更する(ステップS44)。これにより、検査者は測定の進行度合を視覚的に確認することができる。また、上述したように測定値が安定するまで待ってメモリへの取込みを行うことにより、インピーダンスの測定値の精度を高めることができる。
そのあと5個の測定部位の全て、つまり四肢及び体幹の測定が終了したか否かを判定し(ステップS45)、未測定部位がある場合にはステップS46へ進む。また、ステップS41にて測定値が未だ安定していないと判定された場合にも、同様にステップS46へと進む。ステップS46では、測定が開始されてから30秒が経過したか否かを判定し、30秒を経過していなければ上記ステップS38へと戻り測定を継続する。30秒を経過している場合には、5個の測定部位のうち、既に3つ以上の測定が終了したか否かを判定する(ステップS47)。3つ以上の測定が終了している場合には、既に測定されたデータの平均値処理により未測定の部位の測定値を決定して、これをメモリに格納する(ステップS50)。ステップS47にて未だ3つ以上の測定が終了していないと判定されると、測定が開始されてから60秒が経過したか否かを判定し(ステップS48)、60秒を経過していなければ上記ステップS38へと戻り測定を継続する。60秒を経過している場合には、5個の測定部位のうち、既に1つ以上の測定が終了したか否かを判定する(ステップS49)。1つ以上の測定が終了している場合には、上記ステップS50の処理を実行する。ステップS49で1つ以上の測定が終了していないと判定された場合、測定開始から60秒が経過したにも拘わらず1つの部位の測定値も安定した状態にないと看做せ、測定に何らかの異常があると判断できる。そこで、身体組成測定画面B中のメッセージ表示部B12に測定不可能、異常発生といったエラーを意味するメッセージを表示し(ステップS55)、測定を終了する。
上述したステップS41〜S50の処理により、測定状態が不安定であるために異常に測定が長引くことを回避することができる。即ち、或る程度、測定時間が経過して既に幾つかの部位に対する測定が終了している場合には、その測定済みのデータを利用して未測定の部位の値を推定し、インピーダンスの測定自体は終了するようにしている。これによって、被検者に無理な負担を強いることがない。
上記ステップS45に全ての測定が終了したと判定された場合、又はステップS50の処理が実行された場合のいずれにおいても、メモリには5個の測定部位(遠位測定では、右腕部、左腕部、右脚部、左脚部及び体幹部)に対するインピーダンスの測定値が格納されている。そこで、パソコン本体101は前述したような推算方法を用い、それらインピーダンス測定値と身体特定化情報とから、身体組成演算、四肢筋肉量演算、ADL指標演算、体型判定処理などを実行する(ステップS51)。なお、遠位測定のみが終了した段階では、腕部、脚部をそれぞれ上腕部及び前腕部、大腿部及び下腿部に分割した精密な推算は行えないが、身体特定化情報等を利用して各セグメントに対応する概略推定値を算出している。このような演算処理によって、身体組成測定画面B中の測定結果表示部B6、遠位測定値表示部B7、ADL指標値表示部B9、筋肉量表示部B10及び体型表示部B11に表示すべき結果が揃うから、これを表示部106に表示させる(ステップS52)。
次いで、測定部位の選択として遠位→近位の測定が選択されているか否かを判定し(ステップS53)、遠位→近位の測定が選択されている場合には、近位測定が終了したか否かを判定する(ステップS54)。遠位→近位の測定が選択されていて近位測定が終了していない場合には、電極貼着位置表示部B5の模式的人体図形において測定用電極11の装着位置を遠位位置から近位位置に変更する(ステップS40)。具体的には、左右手首及び足首に表示されていた表示記号を左右肘及び膝に変更する。そして、そのあとステップS34へと戻り、スタートファンクションボタンBF5が再度選択操作されるまで待機する。検査者はこの表示の変更を確認し、4個の測定用電極11を被検者の左右肘及び膝に貼着し直す。そして、再度スタートファンクションボタンBF5を操作して測定再開を指示する。そのあと、上記説明と同様の手順で四肢及び体幹部の近位測定が実行される。
近位測定において四肢及び体幹部の測定が終了すると、ステップS45→S51→S52→S53→S54と進む。このときには、遠位測定の結果と、近位測定の結果とが揃うので、9個のセグメントに対応するインピーダンスの測定値が得られる。したがって、ステップS51の処理にあっては、身体組成等の各情報がその前の遠位測定時のときよりも高い精度で推算され、ステップS52では、身体組成測定画面B中の近位測定値表示部B8に新たに測定値を表示するとともに、測定結果表示部B6、ADL指標値表示部B9、筋肉量表示部B10及び体型表示部B11に既に表示されている値に替えて新たに算出された値を表示する。そのあと、ステップS53→S54と進み測定を終了する。
第28図及び第29図は、本身体組成測定装置に於いて、上述した9個のセグメント毎のインピーダンス測定及びその測定値を用いた身体組成情報を推算する際の測定動作に着目して一連の流れを理解容易にまとめた制御フローチャートである。上記説明と重複する部分はあるが、本フローチャートに従って一連の測定動作を説明する。
検査者等がパソコン1の電源スイッチを投入すると(ステップS101)、パソコン1が起動して、各種の初期化処理、バッテリ102の残量検知処理、測定回路系の自己検査処理などを含む測定準備処理を実行する(ステップS102)。測定準備処理が終了すると、表示部106に第10図に示すような初期画面Aを表示する(ステップS103)。初期画面Aには、バッテリ残量表示部A1とメッセージ表示部A3とを含み、バッテリ残量をバッテリマーク画像の塗りつぶし部分の面積や色、数値表示等で知らせるとともに、残量が不足している場合には充電促進メッセージ等を表示する。また、初期画面Aには、測定回路検査結果表示部A2とメッセージ表示部A4とを含み、測定回路系検査の異常の有無を知らせるとともに、異常がある場合の異常個所を知らせる。
バッテリ102の残量が所定以上(例えば10%以上)であって且つ測定回路系が正常でないと、以降の測定処理には進めない。例えばバッテリ102の残量が不足している場合にはAC−DCアダプタ3の電源プラグが商用交流電源5のコンセントに挿入されることによって通電が開始されれば、一方、測定回路系に異常がある場合には異常個所が修正されれば、ステップS104以降の処理に進むことが可能となる。バッテリ102の残量が所定以上あって且つ測定回路系が正常である場合には、初期画面A上で、検査者がファンクションボタンA5をマウス等のポインティングデバイスにより選択操作するか、又は同様の機能を有する操作をキーボード上で行うと(ステップS104)、身体組成測定モードへと移行する。すると、表示部106の画面は身体組成測定画面Bに切り替わる(ステップS105)。
表示部106に身体組成測定画面Bが表示された状態で、検査者がファンクションボタンB12を選択指示すると、身体情報表示部B1に於いて、被検者の名前及び識別子(ID)と、性別、年齢、身長及び体重といった身体特定化情報とを入力表示するためのテキストボックスに入力すべき項目がカーソルの点滅によって指示される。検査者はこれを見ながらキー入力を行い、被検者の名前や識別番号のほか、身体特定化情報を入力する(ステップS106)。身長の項目が入力されると、所定の計算式に基づいて左右の四肢長が推算され、その結果が四肢長表示部B3のテキストボックス内に表示される。例えば実際に被検者の四肢長を計測した結果を入力したい場合には、ファンクションボタンB14を選択指示すると、四肢長表示部B3に於いてテキストボックスに入力すべき項目がカーソルの点滅によって指示されるから、そこで数値を変更すればよい(ステップS107)。このような変更が為されない場合には、上記計算値が四肢長サイズとして後述の演算処理に利用される。
また検査者は、測定部位選択ファンクションボタンB13を選択指示し、測定部位表示部B2のテキストボックスに於いて「遠位」「近位」又は「遠位→近位」測定のいずれかを選択する。ここでは、先に述べたような9個のセグメントの測定を行うので「遠位→近位」測定を選択するが、「遠位」又は「近位」のみを選択することもできる。全ての身体特定化情報が入力された場合、入力完了と判定し(ステップS109で「Y」)、電極貼着位置表示部B5に於いて遠位測定の電極装着位置を指示するべく表示を行う(ステップS110)。上述したように、電極貼着位置表示部B5には、頭部や手先、足先を除く身体を9個のセグメントに分割した身体模式図が表示されており、それに重畳して、通電用電極10の装着位置が記号”■”で、測定用電極11の装着位置が記号”◎”で描出されるから、検査者は、この表示を参照して通電用電極10及び測定用電極11を被検者の身体に装着する。
こうして電極10、11を装着し終えたら、検査者はスタートファンクションボタンB15を操作して測定開始を指示する(ステップS111)。この操作に応じて測定が自動的に開始されるわけであるが、まず、測定に先立って、電源線開閉リレー213を開成し(ステップS112)、それに少し遅れて信号線開閉リレー201を閉成する(ステップS113)。これによって、まず、本体部2から商用交流電源5が切り離され、その後に電極10、11が本体部2に接続される。したがって、万が一何らかの不具合があっても、商用交流電源5による交流電流が被検者の身体に漏出することはない。また、以降の測定期間中には商用交流電源5からのノイズの混入も防止できる。
そのあと、通電用電極切替部202、測定用電極切替部204により、測定部位が、右腕部、左腕部、右脚部、左脚部、体幹部と順次移行するように、通電用電極10及び測定用電極11を適宜切り替える。そして、選択された2個の通電用電極10間に微弱な高周波電流を流し、その電流によって生じた電位を2個の測定用電極11で順次測定する。なお、電極貼着位置表示部B5の身体模式図に於いては、測定前に測定対象である全セグメントがそれぞれ灰色で点滅表示され、測定が終了したセグメント毎に緑色の点灯表示に変わるようになっている。これによって、その表示の状態を見るだけで測定の進行状況を知ることができる。
1個所の部位のインピーダンスを測定する際には、インピーダンスが或る程度安定した状態になるまで待ち、その後、その測定値をメモリに取り込むようにしている。しかしながら、例えば測定値がいつまでも安定せず、規定の時間を経過したも拘わらず1個の部位の測定も終了していない場合には測定不能と判断する(ステップS115)。一方、5個全ての測定部位の測定が終了するか、又は規定の時間が経過したときに1個の部位でも測定が終了していれば、測定終了と判断する(ステップS117)。測定不能であると判断した場合には、測定に何らかの異常がある考えられるから、身体組成測定画面B中のメッセージ表示部B112に測定不可能、異常発生といったエラーを意味するメッセージを表示し(ステップS116)、測定を終了する。
上述したステップS115の処理により、測定状態が不安定であるために異常に測定が長引くことを回避することができる。即ち、或る程度、測定時間が経過して既に幾つかの部位に対する測定が終了している場合には、その測定済みのデータを利用して未測定の部位の値を推定し、インピーダンスの測定自体は終了させる。これによって、被検者に無理な負担を強いることがない。
測定が終了すると、信号線開閉リレー201を開成し(ステップS118)、電極10、11を本体部2から切り離す。それに遅れて電源線開閉リレー213を閉成し(ステップS119)、商用交流電源5に接続されたAD−DCアダプタ3を本体部2に接続する。したがって、電極10、11は純粋にインピーダンスの測定を行う期間、つまり被検者の身体に電流を流し、その電流によって生じる電圧を計測する期間を含むごく短期間だけ測定回路系に接続されている。また、そうしたインピーダンス測定期間には、商用交流電源5は切り離されて、本体部2及びパソコン1はバッテリ102から供給される直流電力で動作する。その後、測定によって得られた5個の測定部位(遠位測定では、右腕部、左腕部、右脚部、左脚部及び体幹部)に対するインピーダンスと、身体特定化情報とを所定の推算式又はこれに相当する変換テーブル等に適用して演算処理し、身体組成、四肢筋肉量、ADL指標値、体型判定などを算出する(ステップS120)。このときの演算処理には、上述したようなMRI法によって得られた身体組成情報を利用した推算式を利用できるが、推定方法は必ずしもこれに限るものではない。なお、遠位測定のみが終了した段階では、腕部、脚部をそれぞれ上腕部及び前腕部、大腿部及び下腿部に分割した精密な推算は行えないが、身体特定化情報等を利用して各セグメントに対応する概略推定値を算出している。
上述した演算処理の結果得られた数値は、身体組成測定画面B中の測定結果表示部B6、測定値表示部B7、ADL指標値表示部B8、筋肉量表示部B9及び体型表示部B10に、上述したように表示される(ステップS121)。なお、遠位及び近位全ての測定が終了していなくとも、このように遠位測定が終了した時点でもって、その時点で推定可能な情報を表示することができる。
遠位測定が終了すると、電極貼着位置表示部B5の身体模式図に於いて測定用電極11の装着位置を第16図(b)に示すような近位位置に変更する(ステップS122)。具体的には、左右手首及び足首に表示されていた表示記号を左右肘及び膝に変更する。検査者はこの表示の変更を確認し、4個の測定用電極11を被検者の左右肘及び膝に貼着し直す。そして、再度スタートファンクションボタンB15を操作して測定開始を指示する(ステップS123)。そのあと、上記遠位測定におけるステップS112〜S119に相当するステップS124〜131の処理によって、四肢及び体幹部の近位のインピーダンス測定が実行される。このときには、遠位測定の結果と、近位測定の結果とが揃うので、9個のセグメントに対応するインピーダンスの測定値が得られる。したがって、ステップS132の演算処理にあっては、身体組成等の各情報がその前の遠位測定終了時のときよりも高い精度で推算される。そして、このような算出された数値を、身体組成測定画面B中の測定値表示部B7、測定結果表示部B6、ADL指標値表示部B8、筋肉量表示部B9及び体型表示部B10に既に表示されている値に替えて表示し(ステップS133)、測定を終了する。
このように、本身体組成測定装置においては、比較的短時間の間に身体組成や健康状態を反映した各種情報を精度よく求めることができる。したがって、被検者にとっては身体的、精神的な負担も軽く、検査者にとっては電極を途中で貼り替えるという作業は必要であるものの画面に表示された指示通りに装着位置を定めればよいので、困難で煩雑な操作や作業を伴わず、気軽に測定を行うことができる。しかも、測定の結果として得られる情報は、単に体脂肪量や筋肉量といった身体組成の情報に留まらず、ADL指標値、筋肉量の左右半身、上下半身のバランスといった健康状態を反映した情報が得られ、健康管理、運動トレーニング、リハビリテーション等の様々な用途に有効に活用することができる。
さて、通常の健康管理等の目的には、上述した身体組成測定モードによる測定で十分な結果が得られるが、本身体組成測定装置では、主として研究用としてより詳細な身体組成情報等を収集するために、上述したデータ収集モードが用意されている。データ収集モードによる測定を行う場合には、上述したように表示部106に画面Aが表示されている状態で、ファンクションボタンAF2を選択操作する。この操作を受けてパソコン本体101は、画面Aに替えて第23図に示すようなデータ収集画面Cを表示する。データ収集画面C中の各表示部分の詳細は第24図〜第27図に示す通りである。
第23図に示すように、データ収集画面Cには、測定部位表示部C1、身体情報表示部C2、測定条件表示部C3、ファイル表示部C4、グラフ表示部C5、メッセージ表示部C6、及びファンクションボタンCF1〜CF8、CF10が配列されている。ファイル表示部C4、メッセージ表示部C6、及び主要なファンクションボタンCF1〜CF8、CF10については上記身体組成測定モードの場合と同様であるので説明を省略する。第24図に示すように、測定部位表示部C1には、測定部位とそれに対する測定結果としてインピーダンスの値が表示される。なお、データ収集モードでは、後述するように自由に設定される所定時間に亘る連続的な測定を行うため、グラフ表示部C5に表示する5本の折れ線グラフに対応したインピーダンスの初期値を上部に表示するとともに、現時点で得られているインピーダンスの測定値をその下に表示するようにしている。この測定部位の詳細については後述する。
第25図に示すように、身体情報表示部C2には、被検者の名前、識別子(ID)と、性別、年齢、身長及び体重といった身体特定化情報とのほか、測定姿勢及び誘導(測定)部位を入力表示するためのテキストボックスが設けられている。第26図に示すように、測定条件表示部C3には、測定パラメータである測定周期、自動終了判定処理機能の使用の有無、未確定時間、測定スパン、判定微分係数、連続繰返回数を入力設定するためのテキストボックスが設けられている。ここではその詳細な説明は省くが、これらパラメータを適宜に設定することにより、特に研究用を目的とした詳細なデータの取得が可能となる。第27図に示すグラフ表示部C5には、測定中のインピーダンスの時間経過に伴う変化が、各セグメント毎に異なる色の折れ線グラフで表示されるようになっている。この折れ線グラフの縦軸のスケールは±5、±10、±20、±50の4段階に変更することができ(初期表示は±10)、また上下のスクロールも行えるようになっている。これにより、複数の結果を示す各折れ線グラフの比較が容易になっている。また、メッセージ表示部C6には、測定の過程で検査者(又は被検者)に知らせるべき各種メッセージが適宜表示される。更に、そのメッセージ表示部C6の下方には9個のファンクションボタンCF1〜CF8、CF10が配列されている。このうち、ファンクションボタンCF1〜CF5、CF8、CF10はそれぞれ上記ファンクションボタンBF1〜BF5、BF8、BF10に相当するものである。更に、経過時間常時部C7には測定開始からの経過時間が表示されるようになっている。
次に、このデータ収集モードにおける特徴的な測定方法について説明する。身体組成測定モードでは、被検者の身体上に4個所の電流供給点Pi〜Pi、及び8個所の電圧測定点Pv〜Pvを設定していたが、このデータ収集モードでは、より緻密にインピーダンスの測定及び身体組成情報の推定が行えるように、電圧測定点を16個所に増やしている。第30図はデータ収集モードにおける電極装着位置を示す人体の模式図である。電流供給点Pi〜Piは、両手の甲の中指付け根近傍、両足の甲の中指付け根近傍の計4個所である。なお、この電流供給点はPi〜Piは後記の電圧測定点に対して遠位側であって且つ十分に遠い位置でありさえすればよいから、両手及び足の指としてもよい。
一方、電圧測定点Pv〜Pv16は、最遠位、遠位、近位、最近位の4つ測定に対応しており、その位置は次の通りである。
最遠位:両手の掌土手中央部、両脚の足裏踵部の4点
遠位 :両手の手首甲中央部、両脚の足首甲中央部の4点
近位 :両肘のトウ骨点、両膝の外側脛骨点の4点
最近位:両肩の肩峰点、両脚の大転子の4点
このうち、遠位及び近位の電圧測定点Pv〜Pvは身体組成測定モードによる測定と同じ位置であり、最遠位及び最近位の電圧測定点Pv〜Pv16が新規に追加されている測定点である。
上述したように本身体組成測定装置は4個の測定用電極11を備えるから、身体組成測定モードにおいて遠位→近位と測定用電極11の貼替えを1回行ってそれぞれ四肢及び体幹部のインピーダンス測定を行うのと同様に、最遠位→遠位→近位→最近位の順に測定用電極11を3回貼り替え、それぞれ四肢及び体幹部のインピーダンス測定を実行する。このとき、第23図に示した測定部位表示部C1に表記されている最大14種類の測定を行うことができる。この各測定は、電流を流す2点と電圧を測定する2点をそれぞれ変えた測定であって、その詳細は次の通りである。
(1)両腕間:両手間に通電し、両手間で電圧を測定
(2)右腕部:両手間に通電し、右足と右腕間で電圧を測定
(3)左腕部:両手間に通電し、左足と左腕間で電圧を測定
(4)両脚間:両足間に通電し、両足間で電圧を測定
(5)右脚部:両足間に通電し、右足と右腕間で電圧を測定
(6)左脚部:両足間に通電し、左足と左腕間で電圧を測定
(7)右腕右脚間:右足と右手間に通電し、右足と右腕間で電圧を測定
(8)体幹部(右腕右脚間通電):右足と右手間に通電し、左足と左腕間で電圧を測定
(9)左腕左脚間:左足と左手間に通電し、左足と左腕間で電圧を測定
(10)体幹部(左腕左脚間通電):左足と左手間に通電し、右足と右腕間で電圧を測定
(11)右腕左脚間:右足と左手間に通電し、右足と左腕間で電圧を測定
(12)体幹部(右腕左脚間):右足と左手間に通電し、左足と右腕間で電圧を測定
(13)左腕右脚間:左足と右手間に通電し、左足と右腕間で電圧を測定
(14)体幹部(左腕右脚間):左足と右手間に通電し、右足と左腕間で電圧を測定
また本測定方法では、電圧測定点を増加させることによって前述した9個のセグメントに加えて左右の手首部、左右の足首(踵)部の4個のセグメントのインピーダンスを新たに求めることができる。4個の測定用電極11を貼り替える毎に測定を繰り返す場合、最遠位、遠位、近位、最近位の単位でしか測定を行えないが、次のようにして各セグメントに対応する電圧(電位差)を算出することができる。
(1)両手間に通電する場合
左右手首部に対応する電圧ΔV、左右前腕部に対応する電圧ΔV、左右上腕部に対応する電圧ΔVは、それぞれ、
ΔV=V−V
ΔV=V−V
ΔV=V−V
となる。ここで、
:左右肩峰点の電圧測定点Pv11、Pv12間の電圧
:左右肘の電圧測定点Pv、Pv間の電圧
:左右手首の電圧測定点Pv、Pv間の電圧
:左右掌の電圧測定点Pv、Pv10間の電圧
である。
また右半身に関して、右上腕部に対応する電圧ΔV、右前腕部に対応する電圧ΔV、右手首部に対応する電圧ΔVは、それぞれ、
ΔV=V−V
ΔV=V−V
ΔV=V−V
となる。ここで、
:右肩峰点と右大点子の電圧測定点Pv12、Pv16間の電圧
:右肘と右膝の電圧測定点Pv、Pv間の電圧
:右手首と右足首の電圧測定点Pv、Pv間の電圧
:右掌と右踵の電圧測定点Pv10、Pv14間の電圧
である。同様に左半身に関しても、上腕部、前腕部及び手首部に対応する電圧を求めることができる。
(2)両足間に通電する場合
左右足首部に対応する電圧ΔV’、左右下腿部に対応する電圧ΔV’、左右大腿部に対応する電圧ΔV’は、それぞれ、
ΔV’=V’−V
ΔV’=V’−V
ΔV’=V’−V
となる。ここで、
’:左右大点子の電圧測定点Pv15、Pv16間の電圧
’:左右膝の電圧測定点Pv、Pv間の電圧
’:左右足首の電圧測定点Pv、Pv間の電圧
’:左右踵部の電圧測定点Pv13、Pv14間の電圧
である。
また右半身に関して、右大腿部に対応する電圧ΔV’、右下腿部に対応する電圧ΔV’、右足首部に対応する電圧ΔV’は、それぞれ、
ΔV’=V−V
ΔV’=V−V
ΔV’=V−V
となる。ここで、V、V、V、Vは上記記載の位置の電圧である。
このように、データ収集モードでは、被検者の身体のインピーダンスをより詳細に且つ精度よく測定することができる。また、インピーダンスの時間的変化を測定することもできる。これらインピーダンスは、心拍、血流、呼吸等、人体の各種のリズムに伴って変動するものと考えられるから、インピーダンスの時間的変化を解析することによって、これら人体のリズムに関連した情報を得ることができる。また、例えば、人体に外部刺激を与えたときのインピーダンスの時間的変化を測定する等、各種の応用が考えられる。したがって、このデータ収集モードを用いた測定は、人体に関する各種の情報を収集するために非常に有用である。なお、上記実施例の身体組成測定装置において身体組成測定モードにあっては、被検者の身体を9個のセグメントに細分化する方法を採用している。これは、先にも述べた通り、上腕部と前腕部、大腿部と下腿部とは身体組成という点において分割したほうがより精度が高まり、しかもMRI法がより適用し易いからである。しかしながら、左右半身毎に、上腕部と前腕部とを一体と看做した腕部、大腿部と下腿部とを一体と看做した脚部、及び体幹部という合計5個のセグメントに分割した形態であっても、MRI法を適用して上述したような多重回帰式を作成することにより、従来の手足間のインピーダンスから身体組成を推定する方法と比較すれば格段の精度向上が達成できる。
一方、上記身体組成測定装置において、上記9セグメント法よりも更に精度を高めるために、次のような測定方法を導入することができる。
身体が有するインピーダンスは単純化すれば第32図に示すモデルとして近似することができるが、より精度の高い測定を行うには、一層実体に近い近似モデルを用いることが有用である。各セグメントのインピーダンスのうち、四肢に関するセグメントはかなり正確にモデル化されているが、体幹部については臓器等を含むためモデル化が必ずしも充分ではない。そこで、体幹部についてより精緻なモデルを考えると第37図に示すようになる。
即ち、両腕部及び両脚部の付け根(以下「肩内部」及び「鼠径部」と呼ぶ)には、それぞれ体幹中心部のインピーダンスZTRmとの間にインピーダンスZLTRH、ZRTRH、ZLTRL、ZRTRLが在るとしたほうが厳密性が高い。第32図のモデルではこれらインピーダンスが考慮されておらず、この分が誤差要因となり得る。例えば、両手の甲部間に電流を流し、両手首間の電圧を測定した場合、第32図のモデルによれば体幹部のインピーダンスZは含まれないが、第37図のモデルによれば、左右の肩内部のインピーダンスZLTRH、ZRTRHが含まれることになり、これが測定誤差となる。
〔肩部及び鼠径部のインピーダンスの第1の推算方法〕
このようなインピーダンスの影響を補正するための一つの方法として、上述したような遠位測定及び近位測定により取得したインピーダンスから、肩内部及び鼠径部のインピーダンスを推算する方法について述べる。まず、遠位測定及び近位測定により右半身の遠位(両手首間)のインピーダンスZ、及び近位(両肘間)のインピーダンスZを測定する。
=ZRFA+ZRUA+ZRTRH  …(31)
=ZRUA+ZRTRH       …(32)
したがって、右前腕部のインピーダンスZRFAは、
RFA=Z−Z          …(33)
である。前腕部と上腕部とは非常に相関性が高いため、
RFA∝ZRUA
が成り立ち、次の(34)式のような直線回帰式を作成することができる。
RFA=a・ZRUA+b     …(34)
ここで、a、bは定数である。
したがって、(33)、(34)式から、
RFA=Z−Z=a・ZRUA+b
RUA=(Z−Z−b)/a  …(35)
(35)式を(32)式に代入すれば、
=〔(Z−Z−b)/a〕+ZRTRH
RTRH=Z−〔(Z−Z−b)/a
これにより、Z、ZからZRTRHを推算することができる。左肩の肩内部のインピーダンスZLTRHは上記と同様にして計算してもよいが、右肩内部のインピーダンスZRTRHと左肩内部のインピーダンスZLTRHとはほぼ等しいとみることができるから、上記計算結果を利用して、
TRH=(ZRTRH+ZLTRH)/2
とし、平均値で取り扱ってもよい。また、左右の鼠径部のインピーダンスも同様にして推算することができる。
〔肩部及び鼠径部のインピーダンスの第2の推算方法〕
体幹中心部インピーダンスZTRmと肩内部インピーダンスZRTRH、ZLTRHや鼠径部インピーダンスZRTRL、ZLTRLとの間には有用な相関がある。そこでこの相関性を利用する。相関関数をf、f、f、fで表すと、
RTRH=f(ZTRm
LTRH=f(ZTRm
RTRL=f(ZTRm
LTRL=f(ZTRm
である。更に、身長H、体重W、年齢Ag、性別Sx等の身体特定化情報を導入し、
RTRH=f(ZTRm,W,Ag,Sx)
LTRH=f(ZTRm,W,Ag,Sx)
RTRL=f(ZTRm,W,Ag,Sx)
LTRL=f(ZTRm,W,Ag,Sx)
としてもよい。更にまた、肩内部インピーダンスZRTRH、ZLTRHは腕部のインピーダンスZRA、ZLAとも高い相関があるものと考えられ、鼠径部インピーダンスZRTRL、ZLTRLは脚部のインピーダンスZRL、ZLLとも高い相関があるものと考えられるから、
RTRH=f’(ZTRm,ZRA
LTRH=f’(ZTRm,ZLA
RTRL=f’(ZTRm,ZRL
LTRL=f’(ZTRm,ZLL
としてもよい。或いは、
RTRh=f’(ZTRm,ZRA,W,Ag,Sx)
LTRh=f’(ZTRm,ZLA,W,Ag,Sx)
RTRL=f’(ZTRm,ZRL,W,Ag,Sx)
LTRL=f’(ZTRm,ZLL,W,Ag,Sx)
としてもよい。また、上記相関を利用した推定式から体幹中心部のインピーダンスZTRmを除外し、腕部のインピーダンスZRA、ZLAや脚部のインピーダンスZRL、ZLLとの相関のみに依ってもよい。即ち、
RTRh=f”(ZRA
LTRh=f”(ZLA
RTRL=f”(ZRL
LTRL=f”(ZLL
或いは、
RTRh=f”(ZRA,W,Ag,Sx)
LTRh=f”(ZLA,W,Ag,Sx)
RTRL=f”(ZRL,W,Ag,Sx)
LTRL=f”(ZLL,W,Ag,Sx)
とすればよい。なお、ここで言う脚部、腕部のインピーダンスとは、最遠位、遠位又は近位のいずれかで求めた四肢のインピーダンスを意味する。
上述したように肩内部及び鼠径部のインピーダンスを推算し、これを考慮して各セグメントのインピーダンスの算出精度を向上させれば、このインピーダンスを基に推算される身体組成の情報の精度をも一層高めることができる。
以上説明した通り、第1実施例の身体組成測定装置によれば、検査者によっては作業や操作が容易な、被検者にとっては身体的、精神的な負担が軽い測定方法によって、各種の身体組成情報が高い精度で求まる。また、体脂肪に着目した測定は勿論のこと、特に筋肉や骨に着目した測定を行い、それらに関連した指標値を表示することにより、運動選手の訓練用、或いは、高齢者の健康管理といった、これまでの装置では簡易に提供できなかった情報を提示することができる。
なお、第1実施例の装置では、通電用電極10として貼着式の電極を用いていたが、クリップ状の形態の電極を用い、手の甲部の代わりに手の指のいずれかの個所、足の甲部の代わりに足の指のいずれかの個所を挟んで導通を確保するようにしてもよい。このようなクリップ状の電極は繰り返し使用が可能であるので、使い捨ての貼着式の電極よりもランニングコストが軽減される。また、貼着式電極では、ケーブルからの引張力を受けたときに剥離して接触不良となり易いが、クリップ状電極ではそうした接触不良を生じにくく取扱いも容易である。ただし、指(特に指先端に近くなるほど)を電流供給点とする場合、電流経路にあっては指のインピーダンスが加算されるため、電流源203の駆動能力を或る程度高くしておく必要がある。
また、同様に指を電流供給点とする場合、第36図に示すような指巻着用電極ユニット150を用いてもよい。この電極ユニット150では、布製等の外装151の内側に弾性材152を取り付け、その弾性材152の内側に電極部153を設ける。この電極部153はケーブル4を接続可能なソケット155と導通しており、指に巻き付けて面状ファスナ154でもって固定すると、電極部153が指の腹等に安定して密着する。
また、上記第1実施例による身体組成測定装置は、汎用のノート型パソコンとそれに含まれない電気回路等を内蔵する本体部との組合せにより構成していたが、その形態は適宜に変更できることは当然である。具体的な例としては、ノート型パソコンの代わりにデスクトップ型パソコンを利用してもよい。この場合、本体部に相当する機能を拡張ボードに搭載し、パソコンの拡張ユニットに収納する構成とすることもできる。勿論、パソコンと本体部とを接続するインタフェースは各種インタフェースを利用することができる。また、汎用のパソコンを用いることなく、全体の機能を1つの筐体内に収容する構成としてもよい。
更にまた、本発明に係る身体組成測定装置は、上記第1実施例に記載の身体組成測定装置の一部のみの構成を有し、一部のみの機能を実現したものであってもよいことは当然である。例えば、第1実施例の装置では、被検者の身体のインピーダンスの測定値に基づいてADL指標値を推算しこれを表示画面上に表示する構成を有している。上述したように、ここで推算されるADL指標値は高齢者や機能回復訓練を行っている者などに対して非常に有用な値である。そこで、このようなADL指標値のみ又はそれを含む限定的な身体組成情報を算出して表示する、より簡易的な身体組成測定装置も考え得る。ここで用いているADL指標値は大腿四頭筋に関連する値であるから、少なくとも大腿部又は下肢部のインピーダンスさえ測定すれば十分であって、上肢部のインピーダンスは不要である。また、好ましくは左右の大腿部下腿部のインピーダンスをそれぞれ独立に求め、この大腿部又下腿部のインピーダンスと身体特定化情報とから左右の各大腿四頭筋の筋肉量を推算するのがよいが、簡略的には両脚部を通した両足首間のインピーダンスを測定し、このインピーダンスから左右合計した大腿四頭筋の筋肉量を推算することもできる。このように大腿四頭筋の筋肉量がわかれば、大腿四頭筋の最大筋力、体重支持指数も推算することができる。
更にまた、上述したように下肢部のインピーダンスのみを測定するならば、通電用電極及び測定用電極の数や構成も簡略化できる。例えば、従来の体脂肪計で利用されているように、被検者が立位姿勢で載る台上に、足の裏に密着するように電極が配置されている構成でもよい。また、その場合、電圧測定経路に足首を含み精度の低下が見込まれるから、より好ましくは、両足首又は両膝間の電圧を測定できる構成とするのがよい。また、ADL指標値の他の例として、例えば手で物を把持する力、物と上方に持ち上げる力等、脚のみならず、手や背筋等、身体の各部位に存在する筋肉に着目したADL指数を考えることができる。その際には、着目した部位の筋肉量を推算できるような身体部位のインピーダンスを測定する構成とすればよい。
以下、上述したような変形例を含む、本発明の他の実施例による身体組成測定装置について説明する。
〔第2実施例〕
本発明に係る身体組成測定装置の第2実施例について説明する。この第2実施例の身体組成測定装置は、人間の身体のうち、骨組織量の割合が特に高い身体部位として手首又は足首近辺に着目し、その部位に専用の測定用電極を装着することによって、骨組織量に依存する要素が強いインピーダンスを測定し、その測定値と身体特定化情報とから骨組織量を推算するものである。
第38図は手首近傍に電極パッド80を装着した状態を示す図、第39図はこの電極パッド80の外観斜視図である。第39図に於いて、ベーステープ81はポリエチレン、ポリ塩化ビニル等の絶縁体から成る薄膜シートであり、このベーステープ81に互いに所定間隔L離間して導電性ゲルから成る帯状の2本の電極82が設けられている。ベーステープ81にあって電極82を形成した面には、電極82以外の個所に絶縁性粘着層81aが形成されており、被検者の皮膚に確実に粘着可能となっている。ベーステープ81の側方には電極82と導通する端子片83が延出しており、クリップ状のコネクタ84でこの端子片83を挟むことにより、上述したようなケーブル4との接続が行えるようになっている。
測定時には、第38図に示すように、被検者の手の甲側の手首の関節部分から上部に掛けて電極パッド80を貼着する。ここで、手首側に位置する電極82は前述した手首の電圧測定点Pv1又はPv2と同一点であるから、左右いずれか一方(両方でもよい)の手首に上記電極パッド80を貼着すれば、手首側の電極82は第1実施例に於ける遠位測定時の測定用電極として利用することができる。一方、通電用電極10は第1実施例で説明したように例えば両手の甲に貼着したものをそのまま利用することができる。即ち、このような電極パッド80を第1実施例で説明した貼着式の電極と併用すれば、通常の遠位測定及び近位測定を行った上に、手首近傍のみの測定を追加して行うことができる。
手首近傍は皮下脂肪や筋肉組織が薄く、筋肉や脂肪に比べて骨組織の割合が多い。即ち、第33図(a)に示すようなモデルで考えれば、骨組織の断面積の割合が大きい。そのため、例えば両手間に高周波電流を流した状態で電極82間の電位差を測定し、その電流値と電圧値とからインピーダンスを求めると、このインピーダンスは骨組織の情報を多く含む。したがって、このインピーダンス測定値を用いれば、この身体部位の骨量を精度よく算出することができるのみならず、全身の骨量の推定精度も向上させることができる。更には、骨組織の詳しい情報が得られることによって、骨に関する健康状態を示す情報、例えば骨密度、骨粗鬆症の進行度合等を調べるにも有用である。
第40図は上記電極パッドの変形例を手首に装着した状態を示す図である。このように、通電用電極10をベーステープ81に一体的に設ける構成とすることもできる。また、第41図は上記と同様の形態の電極パッドを足首に装着した状態を示す図である。足首の関節から上部(つまり脛部)に掛けての身体部位も、その断面積の中で骨組織の割合が大きい。したがって、このように足首近辺に電極パッドを装着しても、同様の測定を行うことができる。
ところで、上記第1実施例による身体組成測定装置は、第31図に示したように被検者が仰臥姿勢をとった状態で測定を行うことを想定しており(勿論、それ以外の姿勢でも測定は可能であるが通常、測定精度は低下する)、従来のこの種の装置に比べれば高い精度の測定を簡便に行うことができるものの、被検者の身体に電極を装着する手間が必要である、被検者本人が一人で測定しにくい、といった課題がある。用途によっては、若干測定精度は落ちたとしてもより簡便に測定を行いたいといった要求も考えられる。以下の実施例はこのような点に鑑みて、より簡便な測定を行うことを意図したものである。
〔第3実施例〕
第42図は第3実施例の身体組成測定装置の使用状態を示す図である。この身体組成測定装置40は、被検者が両手で把持する上肢測定ユニット41と、被検者が両足を載せる下肢測定ユニット42とを備え、両者はケーブル43で接続されている。第1実施例の身体組成測定装置に於けるパソコン1及び本体部2に相当する機能は上肢測定ユニット41内に組み込まれている。第45図は上肢測定ユニット41の外観斜視図である。上肢測定ユニット41はその左右両端部が後方側に屈曲した略コの字形状の本体部411を有し、後方に指向した両端部には略円柱形状のグリップ部412L、412Rがそれぞれ設けられている。グリップ部412L、412Rの側周面の上部には通電用電極413L、413R、下部には測定用電極415L、415Rが離間して設けられ、本体部411の両屈曲個所の外側側面には他の測定用電極414L、414Rが設けられている。また、両測定用電極414L、414Rで挟まれる本体部411の中央部前面には、文字、数字、図形等を表示する液晶表示パネルから成る表示部416が設けられている。また、本体部411には図示しない幾つかの操作用のスイッチが設けられている。
測定時には、第42図に示すように、被検者がグリップ部412L、412Rの周面上部手前に親指を掛けるとともに人差し指から小指までを向こう側に回すようにして両手で左右のグリップ部412L、412Rを握り、両腕をほぼ前方に真っ直ぐに伸張させる。すると、両手の親指全体と人差し指及び中指の腹付近が通電用電極413L、413Rに接触し、両手の掌が左右の測定用電極415L、415Rに接触し、更に両手の手首内側が左右の測定用電極414L、144Rに接触する。これにより、第32図に於ける電流供給点Pi1、Pi2と電圧測定点Pv1、Pv2、Pv9、Pv10とが確保される。なお、通電用電極413L(及び413R)と測定用電極415L(及び415R)とは、互いにその機能を入れ替えても実質的に同等の性能を得ることができる。
第43図は下肢測定ユニット42の外観斜視図、第44図は下肢測定ユニット42での測定状態の拡大図である。下肢測定ユニット42は、第43図に示すように、平板状の測定台421の上に一般的な足裏の外形よりも一回り大きな左右の足位置決め部422L、422Rを有しており、両足位置決め部422L、422Rの前方つまり指側に通電用電極423L、423Rが、後方つまり踵側に測定用電極424L、424Rが設けられている。また、両足位置決め部422L、422Rの踵付近の内側には、ばね性を持ってほぼ直立した起立片425L、425Rが設けられており、その起立片425L、425Rの外向き面上部にはそれぞれ測定用電極426L、426Rが設けられている。測定時に、両足位置決め部422L、422R上に被検者が両足を載置すると、足裏の指側に通電用電極423L、423Rが接触し、足裏の踵側に測定用電極424L、424Rが接触する。また、起立片425L、425Rは外向きに付勢されているため、被検者が両膝を内側にやや締め気味にすると、第44図に示すように被検者の踝内側に測定用電極426Lが接触する。なお、第44図は左足側の例であるが、右足側では左右対称になる以外は同じである。これにより、第32図に於ける電流供給点Pi3、Pi4と電圧測定点Pv5、Pv6とが確保されるとともに、更に左右足首のインピーダンスZLh、ZRhを測定するための電圧測定点Pv13、Pv14が足裏の踵に確保される。なお、上記手の場合と同様に、通電用電極423L(及び423R)と測定用電極424L(及び424R)とは、互いにその機能を入れ替えても実質的に同等の性能を得ることができる。
第46図は、第3実施例の身体組成測定装置の電気的構成図である。基本的な構成は第1実施例の身体組成測定装置と同様であり、同一又は相当部分には同一符号を付して説明を省略する。本装置では、下肢測定ユニット42に、両足裏の指の付け根付近に接触する2個の通電用電極423L、423Rと、両足裏の踵近傍及び両踝内側に接触する4個の測定用電極424L、424R、426L、426Rとを備え、ケーブル43を介して上肢測定ユニット41内の通電用電極切替部202と測定用電極切替部204とに接続されている。一方、上肢測定ユニット41には、両手の指に接触する2個の通電用電極413L、413Rと、両手の掌及び両手首内側に接触する4個の測定用電極415L、415R、414L、414Rとを備え、内部配線を介して通電用電極切替部202と測定用電極切替部204とに接続されている。演算・制御部416は第1実施例の装置に於けるパソコン本体101及びCPU211の代わりとなるものである。
本装置を使用して測定を行う際の手順を第47図のフローチャートに沿って説明する。被検者が上肢測定ユニット41に設けられた電源スイッチを押して電源を投入すると(ステップS201)、装置は起動して各種の初期化処理、測定回路系の自己検査処理などを含む測定準備処理を実行する(ステップS202)。次に、被検者は身長、体重、年齢、性別等の身体特定化情報を操作部417の各スイッチの操作などにより入力する(ステップS203)。次いで、全ての入力項目が入力されているか否かを判定し(ステップS204)、未入力項目がある場合にはステップS203へと戻る。ステップS204で全項目が入力されたと判定されると、測定姿勢をとるための指示を表示部又は音声等により行う(ステップS205)。この指示に応じて、被検者は自分の両足を足位置決め部422L、422Rに載せて直立し、上肢測定ユニット41のグリップ部412L、412Rを上述したように左右両手で掴んで、両手を身体前方に真っ直ぐ伸ばして肩の高さに保持した姿勢をとる。また、両脚は意図的にやや内側に締め気味にして、踝内側に測定用電極426L、426Rが接触するようにする。このような姿勢をとることによって、両手の指と両足裏の指側とがそれぞれ通電用電極413L、413R、423L、423Rに接触する。また、両手掌、両手首内側、両足裏の踵側、更には両踝の内側がそれぞれ測定用電極415L、415R、414L、414R、424L、424R、426L、426Rに接触する。
次いで、測定の開始の報知を表示部416に行い(ステップS206)、インピーダンスの測定を開始する。即ち、通電用電極切替部202、測定用電極切替部204により、測定部位が、右腕部、左腕部、右脚部、左脚部、体幹部と順次移行するように、通電用電極10及び測定用電極11を適宜切り替える。そして、選択された2個の通電用電極10間に微弱な高周波電流を流し、その電流によって生じた電位を2個の測定用電極11で順次測定する。ステップS207〜S210で示したインピーダンスの測定手順については、第1実施例で示した遠位測定と同様であるので説明を略す。但し、この第3実施例では、上述したように左右掌に設けられた電圧測定点を利用して左右手首付近のインピーダンスを、左右足裏の踝側に設けられた電圧測定点を利用して左右足首のインピーダンスを追加的に測定することができる。測定が終了したならば、測定終了メッセージを表示部416に表示する等の終了報知を行う(ステップS211)。この報知をもって、被検者は上記測定姿勢を解くことができる。そのあと、インピーダンス測定値と身体特定化情報とに基づいて所定の演算処理を実行することにより身体組成情報や健康状態チェック情報を算出し(ステップS212)、その結果を表示部415に表示する(ステップS213)。
このように第3実施例の身体組成測定装置では、被検者は仰臥姿勢をとることなく立位姿勢のままで測定を行うことができるとともに、自分一人で測定を行うこともできる。したがって、被検者の心理的抵抗が少なく、気軽に測定を行うことができる。なお、この第3実施例の身体組成測定装置の外観や構成も各種形態に変形することができる。例えば、上肢測定ユニット41でなく下肢測定ユニット42内に電気回路を内蔵してもよい。また、上肢測定ユニット41や下肢測定ユニット42をそれぞれ単独の装置とすることもできる。更に、片手と片足とを組み合わせた測定を行うように変更した装置でもよい。
第48図は、第3実施例の身体組成測定装置の下肢測定ユニット42の変形例を示す外観図である。この例では、足位置決め部422L、422Rをばね427で上方に付勢する構造とするとともに、踝後方を覆う半円筒体428L、428Rを立設し、その内側面上部に測定用電極426L、426Rを設けている。この構造では、被検者が足位置決め部422L、422R上に足を載せたときに、ばね427の付勢力により足裏への通電用電極423L、423R、測定用電極424L、424Rの密着性が増す。
〔第4実施例〕
上記第3実施例の身体組成測定装置では、立位姿勢で少なくとも腕が体幹部に接触しないように上げておく(望ましくは両腕を真っ直ぐ伸ばした状態に保つ)必要があるが、高齢者や療養者等ではこのような姿勢をとることが困難である場合がある。また、同装置では、肘及び膝を電圧測定点とする近位測定を行わないため、この点で身体組成情報の推定精度が若干犠牲になっている。この第4実施例による身体組成測定装置はこのような点を改善したものである。
第49図は第4実施例の身体組成測定装置50の外観図である。この装置50では、測定台501上に支持柱502を立設し、その支持柱502に上下動自在に上肢計測用のアームレスト503L、503Rを設けている。アームレスト503L、503Rの上面には、腕を置く位置を決めるための凹部504L、504Rが形成されており、その凹部504L、504Rの内側には肘付近に接触する測定用電極505L、505Rと手首付近に接触する測定用電極506L、506Rとを備える。また、腕の長さに合わせて測定用電極505L、505Rと506L、506Rとの間の距離を調整できるように、アームレスト503L、503Rは伸縮自在の構成となっている。更に、アームレスト503L、503Rの端部上面には手で掴むためのグリップ部507L、507Rが設けられている。グリップ部507Lは第51図に示すように略円柱形状を有し、その上部には通電用電極508Lが、下部には測定用電極509Lが中央のくびれた絶縁分離部510Lを挟んで設けられている。右手側のグリップ部507Rも同様の構成である。このようなグリップ部507Lを中指が絶縁分離部510Lにかかるようにして握ると、人差し指から親指にかけての腹が通電用電極508Lに接触し、薬指及び小指から掌の土手部を含む範囲が測定用電極509Lに接触する。一方、測定台501には第3実施例の身体組成測定装置と同様に足位置決め部511L、511Rが設けられており、各足位置決め部511L、511Rには指側に通電用電極512L、512Rが、踵側に測定用電極513L、513Rが設けられている。また、左右の足位置決め部511L、511Rの間には、上方に指向して足首測定用突部514が形成されており、その左右両面には踝内側に接触する測定用電極515L、515Rが設けられている。更に、支持柱502から前方に突設した上下動自在の膝測定用突部516の左右両面には、膝内側に接触する測定用電極517L、517Rが設けられている。
支持柱502の上部には超音波式の距離センサ518が下向きに取り付けられており、これによって支持柱502の前に起立した被検者の身長を計測できるようになっている。また、測定台501の足位置決め部511L、511Rの下方には体重計519が内蔵されており、これによって身長及び体重は自動的に計測されて身体特定化情報として利用されるようになっている。なお、この装置では、第3実施例に於いて上肢測定ユニット41内に収容されていた電気回路は電極を備えた計測部とは別体の回路ユニット520内に収容されており、両者はケーブルで接続されている。電気回路の構成については、第3実施例とほぼ同様であるので説明を省略する。
而して、被検者は第52図に示すように、測定台501の足位置決め部511L、511Rの上に左右の足を載せた状態で起立し、左右の膝を内側に締め気味にして、左右の踝内側をそれぞれ測定用電極515L、515Rに接触させるとともに、左右の膝内側をそれぞれ測定用電極517L、517Rに接触させる。一方、アームレスト503L、503Rは両腕を載せ易い位置に上下動させるとともに前後に適度に伸縮させ、両腕を凹部504L、504R上に置いた状態でグリップ部507L、507Rを握る。このような姿勢をとることによって、両手の親指及び人差し指の腹と両足裏の指側とがそれぞれ通電用電極508L、508R、512L、512Rに接触し、第32図に於ける電流供給点Pi1、Pi2、Pi3、Pi4が確保される。また、両手掌土手、両手首付近、両肘、両足裏の踵側、両踝の内側、両膝の内側がそれぞれ測定用電極509L、509R、506L、506R、505L、505R、513L、513R、515L、515R、517L、517Rに接触し、第32図に於ける電圧測定点Pv1〜Pv8が確保されるとともに、更に左右足首のインピーダンスZLh、ZRh及び左右手首のインピーダンスZLw、ZRwを測定するための電圧測定点がそれぞれ確保される。
この第4実施例の身体組成測定装置では肘及び膝にも電圧測定点を設けているので、第1実施例の身体組成測定装置と同様に、遠位測定及び近位測定を分けて行うことができ、更に、手首部、足首部を一身体部位として測定することができる。したがって、立位姿勢でありながら、第3実施例の身体組成測定装置よりも精度の高い測定を行うことができる。また、身長及び体重が自動的に計測されるので、これら身体特定化情報を手作業で入力する手間が省ける。更には、両腕がアームレスト503L、503Rに支持されるので腕の疲労が軽減され、また測定中に腕が上下動しないので測定精度も高くなる。
〔第5実施例〕
上述したような立位姿勢をとることが困難な被検者に対しては、座位姿勢で測定を行えると便利である。第50図は第5実施例の身体組成測定装置60の外観図である。この身体組成測定装置60は、背もたれ部602の両側部にアームレスト603L、603Rを備えた椅子状の形態を有している。アームレスト603L、603Rは第4実施例の身体組成測定装置50に於けるアームレスト503L、503Rと類似した構造を有しているが、凹部604L、604Rは肘から先の前腕部のみを載せる構成となっており、この凹部604L、604Rの内側に肘付近に接触する測定用電極605L、605Rと手首付近に接触する測定用電極606L、606Rとが設けられている。グリップ部607L、607Rは、第4実施例の身体組成測定装置と同様に第51図に示す構造となっている。座面601の前縁部には被検者が座した状態でちょうど膝の裏面に接触する測定用電極614L、614Rが設けられている。また、足の載置位置には左右の足位置決め部609L、609Rが設けられた測定台608が配設されている。上記第3、第4実施例の装置と同様に、各足位置決め部609L、609Rには指側に通電用電極610L、610Rが、踵側に測定用電極611L、611Rが設けられている。また、測定台608と一体に垂直に延伸する前脚板612が形成されており、前脚板612の前面には、前方を指向して足首の後部に接触する測定用電極613L、613Rが設けられている。
第53図は測定台608周辺の正面図である。測定台608は床面に接する台座615に対してばね616で上方に付勢して設けられている。したがって、被検者が足位置決め部609L、609R上に足を載置して座面601上に座すると、被検者の足裏から膝までの高さに応じて測定台608は適度に沈み込み、足裏に通電用電極610L、610R及び測定用電極611L、611Rが確実に密着するとともに、膝裏に測定用電極614L、614Rが密着する。而して、被検者は左右の足を足位置決め部609L、609R上に載せた状態で座面601に深く座り、背もたれ部602に背中をつけて背筋を伸ばす。アームレスト603L、603Rは両腕を載せ易い位置に上下動させるとともに前後に適度に伸縮させ、両前腕をアームレスト603L、603Rの凹部604L、604R上に置いた状態でグリップ部607L、607Rを握る。このとき、上腕部が体幹部に接触しないように、脇が少し開いた状態となる。このような姿勢をとることによって、両手の親指及び人差し指の指と両足裏の指側とがそれぞれ通電用電極508L、508R、610L、610Rに接触し、第32図に於ける電流供給点Pi1、Pi2、Pi3、Pi4が確保される。また、両手掌土手、両手首付近、両肘、両足裏の踵側、両足首の後側、両膝の裏側がそれぞれ測定用電極509L、509R、606L、606R、605L、605R、611L、611R、613L、613R、614L、614Rに接触し、第32図に於ける電圧測定点Pv1〜Pv8が確保されるとともに、更に左右足首のインピーダンスZLh、ZRh及び左右手首のインピーダンスZLw、ZRwを測定するための電圧測定点がそれぞれ確保される。即ち、被検者の身体に於いて第4実施例の装置と同様の電圧測定点が設定されることになり、先と同様の手順で測定が行える。この構成によれば、第4実施例と同様の測定が座位姿勢のまま行えるので、被検者に対する身体的負担が一層軽くなる。なお、この形態では椅子はいわゆるリクライニングシート形状としてもよい。
なお、上記実施例はいずれも本発明の単に一例であって、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で各種の形態の変形や修正を行っても、本発明に含まれることは明らかである。
【図面の簡単な説明】
第1図 本発明の第1実施例である身体組成測定装置の外観図。
第2図 第1実施例による身体組成測定装置の概略電気構成図。
第3図 第1実施例による身体組成測定装置の詳細電気構成図。
第4図 第1実施例による身体組成測定装置の測定動作のうちの初期的な動作を示す問題分析図。
第5図 第1実施例による身体組成測定装置の測定動作のうちの初期的な動作を示す問題分析図。
第6図 第1実施例による身体組成測定装置の身体組成測定モードの動作フローチャート。
第7図 第1実施例による身体組成測定装置の身体組成測定モードの動作フローチャート。
第8図 第1実施例による身体組成測定装置の身体組成測定モードにおける測定開始前処理の動作を示す問題分析図。
第9図 第1実施例による身体組成測定装置の身体組成測定モードにおける測定部位連続切替処理の動作フローチャート。
第10図 第1実施例による身体組成測定装置における表示部の初期表示画面の概略図。
第11図 身体組成測定モードでの表示部の表示画面の概略図。
第12図 第11図の表示画面中の各部の詳細図。
第13図 第11図の表示画面中の各部の詳細図。
第14図 第11図の表示画面中の各部の詳細図。
第15図 第11図の表示画面中の各部の詳細図。
第16図 第11図の表示画面中の各部の詳細図。
第17図 第11図の表示画面中の各部の詳細図。
第18図 第11図の表示画面中の各部の詳細図。
第19図 第11図の表示画面中の各部の詳細図。
第20図 第11図の表示画面中の各部の詳細図。
第21図 第11図の表示画面中の各部の詳細図。
第22図 第11図の表示画面中の各部の詳細図。
第23図 データ収集モードでの表示部の表示画面の概略図。
第24図 第23図の表示画面中の各部の詳細図。
第25図 第23図の表示画面中の各部の詳細図。
第26図 第23図の表示画面中の各部の詳細図。
第27図 第23図の表示画面中の各部の詳細図。
第28図 第1実施例の身体組成測定装置における身体組成測定モードでの測定動作の流れを示すフローチャート。
第29図 第1実施例の身体組成測定装置における他の身体組成測定モードでの測定動作の流れを示すフローチャート。
第30図 第1実施例の身体組成測定装置における身体組成測定モードでの電極装着位置を示す模式図。
第31図 第1実施例の身体組成測定装置を用いた身体組成測定での推奨測定姿勢を示す斜視図。
第32図 本発明に係る身体組成測定方法に対応する人体のインピーダンスのモデル図。
第33図 本発明に係る身体組成測定方法に於いて、MRIによる断層画像の取得の状態を示す模式図(a)、及び切り分けた各部分毎の組織量の分布図の一例(b)。
第34図 本発明に係る身体組成測定方法に於いて、身体を分割した各セグメントの組成モデル図(a)及び各組織のインピーダンスの等価回路モデル図(b)。
第35図 第1実施例の変形例である身体組成測定装置の概略電気的構成図。
第36図 第1実施例による身体組成測定装置における電極構造の変形例を示す外観図。
第37図 本発明に係る他の身体組成測定方法に対応する人体のインピーダンスのモデル図。
第38図 本発明の第2実施例の身体組成測定装置に於ける電極パッドを身体に装着した状態図。
第39図 第2実施例の身体組成測定装置に於ける電極パッドの外観図。
第40図 第2実施例の変形例である電極パッドを身体に装着した状態図。
第41図 第2実施例の変形例である電極パッドを身体に装着した状態を示す図。
第42図 本発明の第3実施例による身体組成測定装置の使用状態図。
第43図 第3実施例の身体組成測定装置に於ける下肢測定ユニットの外観斜視図。
第44図 第43図の下肢測定ユニットでの測定状態の拡大図。
第45図 第3実施例の身体組成測定装置に於ける上肢測定ユニットの外観斜視図。
第46図 第3実施例の身体組成測定装置の電気構成図。
第47図 第3実施例の身体組成測定装置に於ける測定動作の流れを示すフローチャート。
第48図 第3実施例の身体組成測定装置に於ける下肢測定ユニットの変形例を示す外観斜視図。
第49図 本発明の第4実施例による身体組成測定装置の外観図。
第50図 本発明の第5実施例による身体組成測定装置の外観図。
第51図 第4及び第5実施例の身体組成測定装置に於けるグリップ部の拡大図。
第52図 第4実施例の身体組成測定装置の使用状態図。
第53図 第5実施例の身体組成測定装置に於ける測定台付近の正面図。

Claims (71)

  1. 被検者の身体のインピーダンスを測定し、その測定値に基づいて又はその測定値と身体特定化情報とに基づいて当該被検者の身体組成や健康状態に関連した情報を推定する身体組成測定方法であって、
    人間の全身を、少なくとも脂肪組織、筋肉組織及び骨組織に対応するそれぞれのインピーダンスを並列に接続したモデルでその身体部位のインピーダンスが近似でき、且つ各組織の構成比率及び該構成組織全体と個々の組織との電気的特性が一定であると看做し得るような身体部位毎に分割して、複数の身体部位で全身を構成するべくモデル化し、
    前記複数の身体部位のうちの或る身体部位である測定対象身体部位の両端部よりもそれぞれ外側にある身体表面に接触させた2個の通電用電極間に交流電流を流すことによって少なくとも前記測定対象身体部位に交流電流を縦貫させ、
    その電流によって該測定対象身体部位の両端部間に発生する電位差を、その両端部近傍の身体表面にそれぞれ接触させた、又は該端部から前記電流の通過経路とは別に引き出され該端部から離れた位置である身体表面にそれぞれ接触させた2個の測定用電極により測定し、
    その電位差の測定値と電流値とから前記測定対象身体部位に対応するインピーダンスを取得し、そのインピーダンス値に基づいて又はその値と身体特定化情報とに基づいて、その測定対象身体部位に対応する又はその被検者の身体全体の身体組成や健康状態に関連した情報を推定することを特徴とする身体組成測定方法。
  2. 前記身体部位は、前記構成組織の断面積比率が略一定で所定長の円柱状モデルとして近似し得るような身体部位であることを特徴とする請求項1に記載の身体組成測定方法。
  3. 前記身体部位は左右それぞれの腕部及び脚部と体幹部とであることを特徴とする請求項2に記載の身体組成測定方法。
  4. 前記身体部位は左右それぞれの前腕部、上腕部、下腿部及び大腿部と体幹部とであることを特徴とする請求項2に記載の身体組成測定方法。
  5. 更に前記身体部位として左右それぞれの手首部及び足首部を加えることを特徴とする請求項3又は4に記載の身体組成測定方法。
  6. 前記身体部位は左右少なくともいずれかの前腕部の手首部近辺、又は下腿部の足首部近辺を含むことを特徴とする請求項2に記載の身体組成測定方法。
  7. 前記体幹部にあっては、体幹の中心部、左右腕部の上端と該体幹中心部上端とをそれぞれ接続する左右の肩部、左右脚部の上端と前記体幹中心部下端とをそれぞれ接続する左右の鼠径部の5個のインピーダンス構成要素を有するとしてモデル化し、複数の前記身体部位のうちの少なくとも1つの身体部位に対応するインピーダンスに基づいて左右の肩部又は左右の鼠径部に対応するインピーダンスを推定することを特徴とする請求項3〜6のいずれかに記載の身体組成測定方法。
  8. 複数の前記身体部位のうちの、体幹部と少なくともそれ以外の1つの身体部位に対応するインピーダンス値に基づいて、被検者の身体組成や健康状態に関連した情報を推定することを特徴とする請求項3〜7のいずれかに記載の身体組成測定方法。
  9. 前記被検者の各身体部位毎のインピーダンスの測定値に基づいて又は該測定値と身体特定化情報とに基づいて身体組成や健康状態に関連した情報を推定するために、複数の事前被検者の全身及び/又は各身体部位毎のインピーダンス測定結果と、断層画像が得られる装置を用いて計測・収集された該事前被検者の全身及び/又は各身体部位毎の身体組成基準情報とに基づいて、又は更に該事前被検者の身体特定化情報を加えて作成される推定式を利用することを特徴とする請求項1〜8のいずれかに記載の身体組成測定方法。
  10. 身体を構成する前記複数の測定対象身体部位全ての身体部位に対応するインピーダンスの少なくとも有効である測定値から又はその測定値に身体特定化情報を加味して身体組成情報を得ることを特徴とする請求項1〜9のいずれかに記載の身体組成測定方法。
  11. 被検者の身体のインピーダンスを測定する測定手段と、その測定値に基づいて又はその測定値と身体特定化情報とに基づいて当該被検者の身体組成や健康状態に関連した情報を推定する推定手段と、を具備する身体組成測定装置において、
    人間の全身を、少なくとも脂肪組織、筋肉組織及び骨組織に対応するそれぞれのインピーダンスを並列に接続したモデルでその身体部位のインピーダンスが近似でき、且つ前記各組織の構成比率及び該構成組織全体と個々の組織との電気的特性が一定であると看做し得るような身体部位毎に分割して、複数の身体部位で全身を構成するべくモデル化し、前記測定手段は、
    a)所定周波数の交流電流を発生する電流発生手段と、
    b)前記複数の身体部位のうちの或る身体部位である測定対象身体部位の該身体部位の両端部よりもそれぞれ外側にある身体表面に接触させて、少なくとも前記測定対象身体部位に交流電流を縦貫させるための少なくとも2個の通電用電極と、
    c)前記測定対象身体部位の両端部近傍の身体表面にそれぞれ接触させた、又は該端部から前記電流の通過経路とは別に引き出され該端部から離れた位置である身体表面にそれぞれ接触させた2個の測定用電極を含み、前記通電用電極から流される交流電流によって前記測定対象身体部位の両端部間に発生する電位差を測定する電圧計測手段と、
    d)その電位差の測定値と前記交流電流の電流値とから前記測定対象身体部位に対応するインピーダンスを計算する演算手段と、
    を備え、前記推定手段は、前記演算手段によるインピーダンス値に基づいて又はその値と身体特定化情報とに基づいて、その測定対象身体部位に対応する又はその被検者の身体全体の身体組成や健康状態に関連した情報を推定することを特徴とする身体組成測定装置。
  12. 前記測定用電極の接触個所は、左右の手首付近及び左右の足首付近の計4個所を含むことを特徴とする請求項11に記載の身体組成測定装置。
  13. 前記測定用電極の接触個所として、左右の肘付近及び左右の膝付近の4個所のうちの少なくとも1個所を加えることを特徴とする請求項12に記載の身体組成測定装置。
  14. 前記測定用電極の接触個所として、左右の手掌部又は手の甲部、及び、左右の足の裏部又は甲部の4個所のうちの少なくとも1個所を加えることを特徴とする請求項13に記載の身体組成測定装置。
  15. 前記測定用電極の接触個所として、左右の腕部付け根付近、及び左右の脚の付け根付近の4個所のうちの少なくとも1個所を加えることを特徴とする請求項13又は14に記載の身体組成測定装置。
  16. 前記測定用電極の接触個所として、前腕部の手首部近辺、又は下腿部の足首部近辺を含むことを特徴とする請求項11に記載の身体組成測定装置。
  17. 前記通電用電極の接触個所は、左右の手首から手の指先まで、左右の足首から足の指先までの4個所とすることを特徴とする請求項12〜16のいずれかに記載の身体組成測定装置。
  18. 前記通電用電極の接触個所は手の指又は足の指を含むものとし、該通電用電極は挟着又は巻着することにより指に固定するものであることを特徴とする請求項17に記載の身体組成測定装置。
  19. 身体を、少なくとも左右腕部、左右脚部及び体幹部の5個のセグメントに細分化し、腕部及び脚部はそれぞれセグメント単位で1個のインピーダンス構成要素を有するとしてモデル化するとともに、体幹部にあっては、体幹の中心部、左右腕部の上端と該体幹中心部上端とをそれぞれ接続する左右の肩部、左右脚部の上端と前記体幹中心部下端とをそれぞれ接続する左右の鼠径部の5個のインピーダンス構成要素を有するとしてモデル化し、前記演算手段は、被検者の複数の前記身体部位のうちの少なくとも1つの身体部位に対応するインピーダンスに基づいて左右の肩部又は左右の鼠径部に対応するインピーダンスを推定することを特徴とする請求項11〜18のいずれかに記載の身体組成測定装置。
  20. 前記通電用電極及び測定用電極をそれぞれ4個ずつとし、該4個の通電用電極のうちの2個の通電用電極間に選択的に前記交流電流を流す通電用電極選択手段を備えるとともに、前記電圧計測手段は、前記4個の測定用電極のうちの2個の測定用電極を選択してその電極間の電位差を測定し、左右の手首付近及び左右の足首付近の計4個所、或いは左右の肘付近及び左右の膝付近の計4個所に該測定用電極をそれぞれ1個ずつ接触させるとともに、左右の手首から手の指先まで、左右の足首から足の指先までの位置に前記通電用電極をそれぞれ1個ずつ接触させることを特徴とする請求項17又は18に記載の身体組成測定装置。
  21. 左右の手首付近及び左右の足首付近の計4個所と、左右の肘付近及び左右の膝付近の計4個所との間で前記4個の測定用電極の接触位置の変更を行い、それぞれの接触位置において所定の身体部位のインピーダンスを測定するようにしたことを特徴とする請求項20に記載の身体組成測定装置。
  22. 前記測定用電極を接触させる位置を前記接触個所において変更しながら、所望の身体部位のインピーダンスを順次測定することを特徴とする請求項11〜20のいずれかに記載の身体組成測定装置。
  23. 被検者の身体における電極の接触位置を、画像情報、文字情報又は音声情報の少なくともいずれか1つにより指示する作業誘導手段を備えたことを特徴とする請求項21又は22に記載の身体組成測定装置。
  24. 前記作業誘導手段は、身体を模した身体模擬図形の上に前記測定用電極を装着すべき位置を示すマーカを重畳して描出する画像表示手段と、該測定用電極を所定位置に装着した状態での測定が終了したあと、次に該測定用電極を装着すべき位置に前記マーカの表示を変更するべく前記画像表示手段を制御する表示制御手段と、を含むことを特徴とする請求項23に記載の身体組成測定装置。
  25. 前記表示制御手段は、前記身体模擬図形にあって、測定中の身体部位を他の身体部位と識別可能な表示とするべく前記画像表示手段を制御することを特徴とする請求項24に記載の身体組成測定装置。
  26. 前記推定手段は、前記被検者の各身体部位毎のインピーダンスの測定値に基づいて又は該測定値と身体特定化情報とに基づいて身体組成や健康状態に関連した情報を推定するために、複数の事前被検者の全身及び/又は各身体部位毎のインピーダンス測定結果と、断層画像が得られる装置を用いて計測・収集された該事前被検者の全身及び/又は各身体部位毎の身体組成基準情報とに基づいて、又は更に該事前被検者の身体特定化情報を加えて作成される推定式を利用することを特徴とする請求項11〜25のいずれかに記載の身体組成測定装置。
  27. 前記身体特定化情報として身長を含み、前記推定手段は、被検者の少なくとも身長を含む情報から四肢長又は更に細分化された身体部位長を推定し、該推定値を参照して四肢又は更に細分化された身体部位毎の身体組成情報を求めるとともに、これを視覚的に表示することを特徴とする請求項11〜26のいずれかに記載の身体組成測定装置。
  28. 被検者の少なくとも身長を含む情報から求められた四肢長又は更に細分化された身体部位長の前記推定値を外部から変更可能としたことを特徴とする請求項27に記載の身体組成測定装置。
  29. 前記身体特定化情報は身長及び体重を含み、これらから算出された外的な体型を示す情報と、前記インピーダンスの測定値から推算された身体組成情報に基づく内的な体型を示す情報とを合わせて表示する画像表示手段を備えることを特徴とする請求項11〜28のいずれかに記載の身体組成測定装置。
  30. 前記インピーダンスの測定値から推算された身体組成情報に基づく身体組成成分比率表示を円グラフを用いて行うとともに、複数の異なる成分比率表示を同一円グラフ内で径方向に区分した各範囲内で同心円的に描画する画像表示手段を備えることを特徴とする請求項11〜29のいずれかに記載の身体組成測定装置。
  31. 前記身体特定化情報を入力設定するための設定表示部と、測定結果を表示する結果表示部とを同一の画面内に配置したことを特徴とする請求項11〜30のいずれかに記載の身体組成測定装置。
  32. 前記身体組成や健康状態に関連した情報として、四肢の筋肉量及び/又は骨量に関し、左右半身及び計測セグメント毎のバランス又は上下半身及び計測セグメント毎のバランスを含むことを特徴とする請求項11〜31のいずれかに記載の身体組成測定装置。
  33. 当該身体組成測定装置により算出される前記身体組成や健康状態に関連した情報は、日常生活動作の能力を測るADL指標値を含むことを特徴とする請求項11〜32のいずれかに記載の身体組成測定装置。
  34. 当該身体組成測定装置により算出される前記身体組成や健康状態に関連した情報は、被検者の骨密度を含むことを特徴とする請求項11〜32のいずれかに記載の身体組成測定装置。
  35. 被検者の手首近傍及び/又は足首近傍のインピーダンスに基づいて前記骨密度を推算することを特徴とする請求項34に記載の身体組成測定装置。
  36. 前記骨密度を推算する際に、腕部及び/又は脚部のインピーダンス、及び/又は、そのサイズに関する情報を用いて補正処理を行うことを特徴とする請求項35に記載の身体組成測定装置。
  37. 当該身体組成測定装置により算出される前記身体組成や健康状態に関連した情報は、被検者の基礎代謝量又はエネルギ代謝量を含むことを特徴とする請求項11〜32のいずれかに記載の身体組成測定装置。
  38. 主として、脚部、或いは大腿部及び下腿部の筋肉量に基づいて基礎代謝量又はエネルギ代謝量を推算することを特徴とする請求項38に記載の身体組成測定装置。
  39. 全身又は一部の身体部位の脂肪量も考慮して基礎代謝量又はエネルギ代謝量を推算することを特徴とする請求項38に記載の身体組成測定装置。
  40. 前記演算手段及び推定手段は、汎用のパーソナルコンピュータで所定の制御プログラムを実行することにより具現化するとともに、前記電流発生手段、及び前記測定用電極を除く電圧計測手段は、前記パーソナルコンピュータと相互に通信自在の同一の筐体を有する本体部内に配設されたことを特徴とする請求項11〜40のいずれかに記載の身体組成測定装置。
  41. 前記通電用電極及び測定用電極は、ケーブルを介して前記本体部に接続されて成ることを特徴とする請求項40に記載の身体組成測定装置。
  42. 測定時に使用者からの入力を必要とする各種の選択動作や指示動作を受け付けるために、パーソナルコンピュータのキーボード上のキー操作と表示画面上のボタンのクリック操作とを対応付け、該キー操作又はクリック操作のいずれでも同一の選択動作や指示動作を行えるようにしたことを特徴とする請求項11〜41のいずれかに記載の身体組成測定装置。
  43. 前記複数の身体部位のうちの少なくとも2つの身体部位のインピーダンスを測定し、該2つの身体部位のインピーダンスの測定値、又はその測定値に基づいて若しくはその測定値と身体特定化情報に基づいて推定された前記各身体部位の身体組成情報の差異又は比を用いて、当該被検者の全身又は一部身体の身体組成や健康状態に関連した情報の推定精度を高めることを特徴とする請求項11〜42のいずれかに記載の身体組成測定装置。
  44. 前記2つの身体部位は身体内にあって連続した部位であることを特徴とする請求項43に記載の身体組成測定装置。
  45. 少なくとも筋肉組織及び骨組織の構成比率の推定精度を高めることを特徴とする請求項43又は44に記載の身体組成測定装置。
  46. a)被検者の身体の略全身又は一部のインピーダンスを測定する測定手段と、
    b)そのインピーダンスの測定値に基づいて又はその測定値と身体特定化情報とに基づいて、当該被検者の日常生活動作の能力を測るADL指標値を推定する推定手段と、
    を備えることを特徴とする身体組成測定装置。
  47. 前記推定手段は、インピーダンスの測定値に基づいて又はその測定値と身体特定化情報とに基づいて、日常生活動作に重要である身体の所定部位の筋肉が発揮し得る力を推定し、該力又は該力から算出される数値を前記ADL指標値とすることを特徴とする請求項46に記載の身体組成測定装置。
  48. 前記推定手段は、インピーダンスの測定値に基づいて又はその測定値と身体特定化情報とに基づいて、日常生活動作に重要である身体の所定部位の筋肉の筋肉量を推定し、該筋肉量から該筋肉が発揮し得る力を推定することを特徴とする請求項48に記載の身体組成測定装置。
  49. 身体の前記所定部位の筋肉は大腿又は下腿に含まれる筋肉であって、前記測定手段は、少なくとも被検者の下半身の一部のインピーダンスを測定し、前記推定手段はこのインピーダンスの測定値又はその測定値と身体特定化情報とに基づいて、前記大腿又は下腿に含まれる筋肉の筋肉量又は筋力を推定することを特徴とする請求項47又は48に記載の身体組成測定装置。
  50. 身体の前記所定部位の筋肉は少なくとも大腿四頭筋を含むことを特徴とする請求項49に記載の身体組成測定装置。
  51. 左右の大腿四頭筋の筋肉量をそれぞれ推定し、その量及び左右のバランスに基づいた生活改善アドバイスを行うことを特徴とする請求項50に記載の身体組成測定装置。
  52. a)少なくとも脂肪組織、筋肉組織及び骨組織に対応するそれぞれのインピーダンスを並列に接続したモデルでその身体部位のインピーダンスが近似でき、且つ前記各組織の構成比率及び該構成組織全体と個々の組織との電気的特性が一定であると看做し得るような身体部位毎に人間の全身を分割して構成したモデルに基づいて、1個又は直列接続された複数の前記身体部位から成る測定対象部位のインピーダンスを測定するように被検者の身体に接触された複数の通電用電極及び複数の測定用電極と、
    b)前記通電用電極を介して少なくとも前記測定対象部位を縦貫する所定周波数の交流電流を流す電流供給手段と、
    c)該交流電流によって前記測定対象部位の両端に生じる電圧を前記測定用電極を用いて測定する電圧計測手段と、
    d)該電圧測定値と前記交流電流の電流値とから前記測定対象部位に対応するインピーダンスを計算するとともに、複数の事前被検者の全身及び/又は各身体部位毎のインピーダンス測定結果と、断層画像が得られる装置を用いて計測・収集された該事前被検者の全身及び/又は各身体部位毎の身体組成基準情報とに基づいて、又は更に該事前被検者の身体特定化情報を加えて作成される推定式を利用し、前記インピーダンスの値又はその値と身体特定化情報とから、測定対象部位に対応する又はその被検者の身体全体の身体組成や健康状態に関連した情報を推定する演算処理手段と、
    を備えることを特徴とする身体組成測定装置。
  53. 前記複数の測定用電極は、左右の手首付近、左右の足首付近、左右の肘付近、左右の膝付近、左右の手掌部又は甲部付近、及び、左右の足の裏部又は甲部付近のうちの少なくとも2個所にそれぞれ接触する電極を含むことを特徴とする請求項52に記載の身体組成測定装置。
  54. 前記複数の測定用電極は、左右の手首付近及び左右の足首付近の計4個所にそれぞれ接触する4個の電極を少なくとも含むことを特徴とする請求項53に記載の身体組成測定装置。
  55. 前記測定用電極の接触個所として、左右の肘付近及び左右の膝付近の4個所のうちの少なくとも1個所を加えることを特徴とする請求項54に記載の身体組成測定装置。
  56. 前記測定用電極の接触個所として、左右の手掌部又は手の甲部、及び、左右の足の裏部又は甲部の4個所のうちの少なくとも1個所を加えることを特徴とする請求項54又は55に記載の身体組成測定装置。
  57. 前記測定用電極の接触個所として、前記手首と肘との間、又は足首と膝との間の少なくとも1個所を加えることを特徴とする請求項54に記載の身体組成測定装置。
  58. 前記複数の通電用電極は、左右の手首から手の指先まで、左右の足首から足の指先までの4個所にそれぞれ接触する4個の電極を少なくとも含むことを特徴とする請求項52〜57のいずれかに記載の身体組成測定装置。
  59. 前記手首付近と、前記手首と肘との間の1個所とにそれぞれ接触させる2個の測定用電極を所定間隔離間させて同一のシート状部材の一面に形成し、該シート状部材を被検者の皮膚表面に貼着して測定を行うことを特徴とする請求項53〜57のいずれかに記載の身体組成測定装置。
  60. 前記シート状部材の一面に通電用電極も形成することを特徴とする請求項59に記載の身体組成測定装置。
  61. 前記通電用電極及び測定用電極は皮膚に着脱自在な形態とし、該電極と前記電流供給手段及び電圧計測手段とをケーブルで接続することを特徴とする請求項52〜58のいずれかに記載の身体組成測定装置。
  62. 被検者が足を載せる測定台部と、該被検者が両手で掴む把持部とを備え、前記測定台部の上面に、足裏の指側に接触する通電用電極と足裏の踵側に接触する測定用電極とを設けるとともに、前記把持部に、手首付近に接触する測定用電極と手首よりも先の所定個所に接触する通電用電極とを設けることを特徴とする請求項52〜54のいずれかに記載の身体組成測定装置。
  63. 被検者が足を載せる測定台部と、該測定台部上に立位姿勢で載った被検者が両腕をほぼ前方に伸ばした状態で両腕をそれぞれ支持する一対のアームレストとを備え、前記測定台部の上面に、足裏の指側に接触する通電用電極と足裏の踵側に接触する測定用電極とを設けるとともに、前記アームレストの上面に、手首付近に接触する測定用電極と手首よりも先の所定個所に接触する通電用電極とを設けることを特徴とする請求項52〜54のいずれかに記載の身体組成測定装置。
  64. 被検者が足を載せる測定台部と、被検者が該測定台部上に足を載せた状態で座ることができる椅子部と、該椅子部にあって被検者が少なくとも前腕部を載せるためのアームレストとを備え、前記測定台部の上面に、足裏の指側に接触する通電用電極と足裏の踵側に接触する測定用電極とを設けるとともに、前記アームレストの上面に、手首付近に接触する測定用電極と手首よりも先の所定個所に接触する通電用電極とを設けることを特徴とする請求項52〜54のいずれかに記載の身体組成測定装置。
  65. 前記アームレストの上面に手で握る一対のグリップ部を設け、該グリップ部に前記通電用電極を設けることを特徴とする請求項63又は64に記載の身体組成測定装置。
  66. 前記グリップ部は略円柱形状を有し、上部に前記通電用電極を備えるともに、該通電用電極と所定の間隙を保って下部に測定用電極を有することを特徴とする請求項65に記載の身体組成測定装置。
  67. 前記アームレストの上面に、肘付近に接触する測定用電極を更に設けることを特徴とする請求項63〜66のいずれかに記載の身体組成測定装置。
  68. 被検者の足首に接触する測定用電極を有する足首測定部を備えることを特徴とする請求項63〜67のいずれかに記載の身体組成測定装置。
  69. 被検者の膝の内側又は裏側に接触する測定用電極を有する膝測定部を更に備えることを特徴とする請求項63〜68のいずれかに記載の身体組成測定装置。
  70. 前記椅子部の座の前面角部近傍に、被検者の膝裏側に接触する測定用電極を設けることを特徴とする請求項64に記載の身体組成測定装置。
  71. 前記測定台上に載った被検者の体重を計測する体重計測手段と、立位姿勢をとった被検者の身長を計測する身長計測手段とを備え、計測された体重及び身長を前記身体特定化情報として利用することを特徴とする請求項63に記載の身体組成測定装置。
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