JP4740636B2 - 体幹内臓脂肪測定方法及び装置 - Google Patents

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Description

本発明は、体幹内臓脂肪測定方法及び装置に関する。
生体電気インピーダンスを利用した体脂肪組織の推定技術は、体脂肪組織量及び体脂肪率を計測する技術として世に広がってきたが、実際には、脂肪組織を直接的に測定するものとはなっておらず、脂肪組織以外の水が支配的な除脂肪組織を電気的に計測したものである。特に、全身(Whole Body)計測では、旧来のタイプでは仰臥位姿勢で片手-片足間を一つの円柱でモデル化している(片手-片足間誘導法)し、簡易型としては、立位姿勢で測定する両掌間誘導法や、体重計と一体になった両脚裏間誘導法、上肢と下肢又は、上肢と下肢と体幹、又は、左右上肢、左右下肢、体幹の様に5セグメントに分けて個別に円柱モデルを適用可能としてインピ−ダンスを計測した技術も顕在化してきている。また、インピ−ダンスCT計測技術を簡略して体幹部臍囲に電圧印加・電圧計測電極を配置して腹部のインピ−ダンスを計測し、内臓脂肪組織量を推定する計測技術について、特許出願がなされている(特許文献1及び特許文献2参照)。
特許第3396677号 特許第3396674号
しかし、体脂肪組織の情報は、糖尿病や高血圧及び高脂血症などの生活習慣病のスクリ−ニング用としての有用性が特に問われており、中でも内臓器組織近辺に付着、蓄積した内臓脂肪組織に関して、その計測の重要性が日に日に高まってきている。
内臓脂肪組織は、体幹の腹部付近に集中的に分布する脂肪組織で、X線CТやMRI等による腹部横断画像でその脂肪組織の横断面積で判断されてきていた。しかし、装置が大掛かりで、また、X線の場合被曝の問題もあり、費用面もあり、フィールド及び家庭用での計測に適さない。そこで、内臓脂肪組織は、全身脂肪との相関又は、全身の除脂肪との相関からの推定するのが一般的で、スクリーニング用としても、十分な信頼性を確保するにいたらなかった。
最近では、体幹部の臍囲周辺に電極を配置し、体幹部の内部インピ−ダンスを計測して、内臓脂肪組織情報を推定するといった方法も開発中である。しかしながら、この方法は、骨格筋組織層と皮下脂肪組織層と内臓脂肪組織の間に有意な相関が存在することに基づくものであり、いずれかの組織層の情報が捕捉出来ればおおよその情報の推定が可能であることを前提とするものである。このため、非常に有意な相関が存在し得る自立性の高い健康域の被験者については良好な結果が期待できるが、各組織間の相関が異なる対象者、例えば、内臓脂肪組織が顕著に肥大し、かつ、皮下脂肪組織層や骨格筋組織層との相関性が顕著に低い被験者における計測結果については大きな誤差を含んだものとなり得る。つまり、この開発中の方法にあっても、健康な自立生活が可能な被験者であれば、臍部全周囲のどこに電極を配置しても何とか計測の可能性は考えられるが、麻痺・介護患者等、特にベッド上の寝たきり患者での計測となると課題が大きい。
また、この開発中の方法は、測定対象としている組織部位を腹部表面から電流を印加通電させて、内部の組織に関連するインピ−ダンス値を取得している点で高い技術と言えるが、測定部位である体幹部が有する内部構造上の問題から、測定されたインピ−ダンス情報そのものが内臓脂肪組織に対してほとんど有用な感度を有していないのが実情である。即ち、測定部位である体幹部は太短く、多重構造、つまり、測定対象である内臓脂肪組織は内臓器組織や背骨組織とともに非常に良好な導電性を示す骨格筋組織層で覆われ、更に、この骨格筋組織層は導電性が非常に悪い皮下脂肪組織層で覆われているといった構造になっている。特に、測定対象である内臓脂肪組織周辺は、骨格筋組織層より導電性が劣る内臓器組織とこの内臓器組織に付着、蓄積した導電性が悪い内臓脂肪組織が支配的で、かつ、複雑な構成のため、骨格筋組織層より内部の導電性はかなり劣るものとなっている。このため、単純に電流印加電極を腹周囲に配置したとしても、大半は、骨格筋組織層を通じた通電になり、電流密度分布も、骨格筋組織層に支配的な電位分布として表面計測電極から観測されることになる。更に、電流印加電極の表面積又は腹周囲方向への電極幅で印加電流密度の分布が決まり、電極直下の皮下脂肪組織層における電流密度が高い広がり抵抗領域での情報の観測が支配的となってしまう。
更に言えば、測定部位である体幹部は太短いため、電流印加電極直下の電流密度集中(広がり抵抗)領域の皮下脂肪組織層における感度が高くなり、更に、骨格筋組織層は脂肪組織に比べて導電性が相当高いことから、皮下脂肪組織層を通過した電流の大半が骨格筋組織層を介して対抗する電流印加電極側に皮下脂肪組織層を通って戻るル−トを取り、結果的に、内部での電位分布はこの骨格筋組織層で大幅に歪められてしまう。よって、従来の方法では、測定される電位の大半は、皮下脂肪組織層の情報となってしまい、測定対象である内臓脂肪組織、即ち、内臓器組織及びその周囲に付着、蓄積する内臓脂肪組織への通電はほとんど期待できず、全インピ−ダンス計測区間の10%以下の極めて計測感度の低い情報しか捕捉出来ていないのである。
これらの問題を回避するために、皮下脂肪組織層面積と相関性が高い腹囲長を推定式に組み込むことで、その推定誤差の拡大を防止する方法も考えられてはいるが、この方法はあくまで構成組織間の相関性による間接推定にほかならず、腹部中央に必要な通電感度を確保した計測法とは言いづらい。つまり、統計的相関デザインからずれる個々人の誤差は、保証出来ず、特に病的に皮下や内臓の脂肪組織が多い場合や、中間の骨格筋組織層が多い/少ない場合などは顕著な誤差が生じ得る。尚、皮下脂肪組織層面積が腹囲長と相関性が高いのは、人間の体幹は同心円上の組織配列デザインとなっており、皮下脂肪組織層は、最も外側の配置であるため、外周囲長と皮下脂肪組織厚でその面積が決まることになるからである。
体幹に対しての電極配置にも通常は、四電極法が用いられる。この方法は、被験者の体内に電流を印加するとともに、印加電流によって被験者の測定部位区間に生じた電位差を測定して測定部位区間の生体電気インピーダンスを測定するというものである。体幹部のような太短い測定部位区間に四電極法を適用した場合、電流の広がり始めの電流密度集中(即ち、広がり抵抗領域)が、例えば、電流印加電極直下の、皮下脂肪組織層付近で大きな電位差を生じ、この電位差が、電圧計測電極間で計測される電位差の大半を占めることになる。この広がり抵抗による影響を小さくするためには、電流印加電極と電圧計測電極の間の距離を十分確保して配置することが重要である。一般的な測定は、測定区間が長く電圧計測電極間距離が十分確保できる条件での測定であるため、いわゆるS/N感度(Nは広がり抵抗による影響(ノイズ)、Sは電圧計測電極間で計測される信号)は十分確保されるはずである。しかしながら、体幹部のような太短い測定部位の場合は、Nを小さくすべく、電流印加電極からの距離を確保しようとして電圧計測電極を遠ざけると、逆に、電圧計測電極区間距離が小さくなり、この結果、Sが小さくなって、結局、S/Nは悪くなってしまう。更に、電流密度が高い広がり抵抗部は、皮下脂肪組織層であり、厚味がある肥満傾向の被験者が一般的であるため、かなり大きなNとなってしまい、二重にS/Nが悪くなってしまう。このように、体幹部のような太短い測定部位に対して四電極法を用いる場合には、単に臍囲周上に電極を配置しただけでは、内臓脂肪組織への有用なS/N感度を確保することにかなり無理があると推測される。尚、S/Nに関しては、後述する実施例についての説明において更に詳述する。
本発明の目的は、これら従来技術における問題点を解消することにあり、通電性の悪い内臓器組織及び内臓脂肪組織の領域においても測定に必要な感度を確保し、体幹部に蓄積される脂肪組織、特に、内臓器組織周辺に付着、蓄積する内臓脂肪組織及び皮下層に蓄積する皮下脂肪組織層の情報を高精度で簡便に測定可能とすることに加えて、複雑に混在する組織による誤差要素を排除した、測定再現性の高い、信頼性の高い測定結果情報を提供できる体幹内臓脂肪測定方法及び装置、並びに測定情報を用いた健康指針アドバイス装置を提供することである。特に、本発明の目的は、内臓脂肪組織量への計測感度を確保すること、又は、四電極法としての最適なS/N条件を確保することである。
本発明の一つの観点によれば、体幹に配置した電流印加電極対と電圧計測電極対を使用して測定した体幹の生体インピーダンスを利用して体幹内臓脂肪組織量を求める体幹内臓脂肪測定方法において、前記電流印加電極対の一方の電流印加電極を臍位から上部の体幹腹部長手方向に長く配列する骨格筋群上に配置して体幹腹部長手方向に長く配列する骨格筋群を仮想電極層として利用することによって骨格筋組織層より内側の内臓器組織及び内臓脂肪組織に対する電流通電量を増やすことを特徴とする体幹内臓脂肪測定方法が提供される。
本発明の一つの実施の形態によれば、身体特定化情報に基づいて体幹骨格筋組織量を求め、該求めた体幹骨格筋組織量と身体特定化情報とに基づいて体幹骨格筋組織層のインピーダンスを求め、身体特定化情報に基づいて体幹の内臓器組織量を求め、該求めた体幹の内臓器組織量と身体特定化情報とに基づいて体幹の内臓器組織のインピーダンスを求め、前記体幹の生体インピーダンスと、前記求めた体幹骨格筋組織層のインピーダンス及び体幹の内臓器組織のインピーダンスとに基づいて体幹内臓脂肪組織のインピーダンスを求め、該求めた体幹内臓脂肪組織のインピーダンスと身体特定化情報とに基づいて体幹内臓脂肪組織量を求めてもよい。
本発明の別の実施の形態によれば、前記体幹の生体インピーダンスと、前記求めた体幹骨格筋組織層のインピーダンス及び体幹の内臓器組織のインピーダンスとに基づいて体幹内臓脂肪組織のインピーダンスを求める段階は、体幹の電気的等価回路が、前記体幹の内臓器組織のインピーダンスと前記体幹内臓脂肪組織のインピーダンスとの直列回路に対して前記体幹骨格筋組織層のインピーダンスが並列に接続されたものとしてもよい。
本発明の更に別の実施の形態によれば、前記体幹腹部長手方向に長く配列する骨格筋群は、腹直筋組織層であることが好ましい。
本発明の更に別の実施の形態によれば、前記一方の電流印加電極を体幹表側の鳩尾から僅かに下側の腹直筋組織層上部に配置し、他方の電流印加電極を背面臍囲周から僅かに下側の腰部に配置することが好ましい。
本発明の更に別の実施の形態によれば、前記電圧計測電極対の一方の電圧計測電極を臍位近辺の腹直筋組織層上に配置し、他方の電圧計測電極を、前記他方の電流印加電極による広がり抵抗の影響を回避できる距離を確保して前記他方の電流印加電極の位置から体幹長手方向に臍囲周から僅かに上側に配置することが好ましい。
本発明の更に別の実施の形態によれば、体幹皮下脂肪組織層のインピーダンスを測定する第2の電圧計測電極対を更に配置し、該第2の電圧計測電極対の一方の電圧計測電極を、電流印加電極直下の広がり抵抗の影響が支配的な電流印加電極に近接した位置に配置し、他方の電圧計測電極を、電流印加電極直下の広がり抵抗の影響が軽減されるまで電流印加電極から離れた位置に配置し、該第2の電圧計測電極対によって体幹部を測定した体幹皮下脂肪組織層のインピーダンスを利用して体幹内臓脂肪組織量を求めてもよい。
本発明の更に別の実施の形態によれば、前記体幹の生体インピーダンスと、前記求めた体幹骨格筋組織層のインピーダンス及び体幹の内臓器組織のインピーダンスとに基づいて体幹内臓脂肪組織のインピーダンスを求める段階は、体幹の電気的等価回路が、前記体幹の内臓器組織のインピーダンスと前記体幹内臓脂肪組織のインピーダンスとの直列回路に対して、前記体幹骨格筋組織層のインピーダンスと前記体幹皮下脂肪組織層のインピーダンスとが並列に接続されたものとしてもよい。
本発明の別の観点によれば、体幹に配置した電流印加電極対と電圧計測電極対を使用して測定した体幹の生体インピーダンスを利用して体幹内臓脂肪組織量を求める体幹内臓脂肪測定装置において、前記電流印加電極対の一方の電流印加電極が臍位から上部の体幹腹部長手方向に長く配列する骨格筋群上に配置されていることを特徴とする体幹内臓脂肪測定装置が提供される。
本発明の別の実施の形態によれば、前記体幹の生体インピーダンス測定手段と、身体特定化情報に基づいて体幹骨格筋組織量を推定し、該推定した体幹骨格筋組織量と身体特定化情報とに基づいて体幹骨格筋組織層のインピーダンスを推定する体幹骨格筋組織層インピーダンス推定手段と、身体特定化情報に基づいて体幹の内臓器組織量を推定し、該推定した体幹の内臓器組織量と身体特定化情報とに基づいて体幹の内臓器組織のインピーダンスを推定する体幹内臓器組織インピーダンス推定手段と、前記体幹の生体インピーダンスと、前記推定した体幹骨格筋組織層のインピーダンス及び体幹の内臓器組織のインピーダンスとに基づいて体幹内臓脂肪組織のインピーダンスを推定する体幹内臓脂肪組織インピーダンス推定手段と、前記推定した体幹内臓脂肪組織のインピーダンスと身体特定化情報とに基づいて体幹内臓脂肪組織量を推定する体幹内臓脂肪組織量推定手段とを更に備えてもよい。
本発明の更に別の実施の形態によれば、前記体幹内臓脂肪組織インピーダンス推定手段は、体幹の電気的等価回路が、前記体幹の内臓器組織のインピーダンスと前記体幹内臓脂肪組織のインピーダンスとの直列回路に対して前記体幹骨格筋組織層のインピーダンスが並列に接続されたものとして推定を行ってもよい。
本発明の更に別の実施の形態によれば、前記体幹腹部長手方向に長く配列する骨格筋群は、腹直筋組織層であることが好ましい。
本発明の更に別の実施の形態によれば、前記一方の電流印加電極が体幹表側の鳩尾から僅かに下側の腹直筋組織層上部に配置され、他方の電流印加電極が背面臍囲周から僅かに下側の腰部に配置されていることが好ましい。
本発明の更に別の実施の形態によれば、前記電圧計測電極対の一方の電圧計測電極が臍位近辺の腹直筋組織層上に配置され、他方の電圧計測電極が、前記他方の電流印加電極による広がり抵抗の影響を回避できる距離を確保して前記他方の電流印加電極の位置から体幹長手方向に臍囲周から僅かに上側に配置されていることが好ましい。
本発明の更に別の実施の形態によれば、体幹皮下脂肪組織層のインピーダンスを測定する第2の電圧計測電極対が更に配置され、該第2の電圧計測電極対の一方の電圧計測電極が、電流印加電極直下の広がり抵抗の影響が支配的な電流印加電極に近接した位置に配置され、他方の電圧計測電極が、電流印加電極直下の広がり抵抗の影響が軽減されるまで電流印加電極から離れた位置に配置され、該第2の電圧計測電極対によって測定した体幹皮下脂肪組織層のインピーダンスを利用して体幹内臓脂肪組織量を求めてもよい。
本発明の更に別の実施の形態によれば、前記体幹内臓脂肪組織インピーダンス推定手段は、体幹の電気的等価回路が、前記体幹の内臓器組織のインピーダンスと前記体幹内臓脂肪組織のインピーダンスとの直列回路に対して、前記体幹骨格筋組織層のインピーダンスと前記体幹皮下脂肪組織層のインピーダンスとが並列に接続されたものとして推定を行ってもよい。
本発明によれば、一方の電流印加電極を臍位から上部の体幹腹部長手方向に長く配列する骨格筋群上、特に、腹直筋組織層上に配置して腹直筋組織層を仮想電極層として利用しているので、骨格筋組織層より内側の内臓器組織及び内臓脂肪組織に対する電流通電量を増やすことができる。腹直筋組織層は、体幹長方向に沿った筋線維配列を持った特異な骨格筋組織層であり、筋線維に感度の高い50kHz近辺の周波数の電流を、腹直筋組織層の存在する区間で体幹長手方向(筋線維方向)に通電させると、腹直筋組織層支配で通電ル−トが誘導されるほど導電ガイド層としての特性を有している。
よって、本発明によれば、臍位周位置内部の内臓脂肪組織情報を計測するに当たり、電流印加電極対の配置を、特に、体幹表側の鳩尾から僅かに下側の腹直筋組織層上部と、背面臍囲周から僅かに下側の腰部との間としているので、腹直筋組織層の導電ガイド層効果によって、臍位周付近の内臓器組織と内臓脂肪組織の複合組織層への安定拡散通電が可能となる。腹直筋組織層への通電電極位置は、臍位近辺から上部の方が皮下脂肪組織層による広がり抵抗の影響を軽減できるので、好ましい。特に、鳩尾近くの腹直筋組織層の始まり近くは、皮下脂肪組織層が特に薄くなっているため、本誤差を最小限にとどめることができる。他方の背面側通電電極位置は、臍囲周から僅かに下側の腰部とすることで、骨格筋組織層が少ない腱膜が支配的であり、且つ、脊柱に沿って皮下脂肪組織層が非常に薄いため、腹直筋組織層で拡散された電流を臍囲周に集中させる役目と、皮下脂肪組織層の広がり抵抗の影響を軽減できる効果を期待できる。
本発明によれば、第2の電圧計測電極対を設け、その一方の電圧計測電極を電流印加電極に近接して配置して、広がり抵抗区間のインピ−ダンス計測を実施しているので、内臓脂肪組織計測以外に皮下脂肪組織層の計測もあわせて実施できる。特に、電圧計測電極対による電位差計測を、電流印加電極直下の皮下脂肪組織層の影響を受けない、又は受け難い組み合わせと、電流印加電極直下の皮下脂肪組織層の影響を大きく受ける(広がり抵抗域の計測)組み合わせの二組以上の組み合わせで実施しているので、皮下脂肪組織層の情報と内臓脂肪組織の情報の両方を同時に分離した情報として計測できる。
本発明によれば、信頼性の高い内臓脂肪組織情報を計測できるとともに、内臓脂肪組織の情報以外に皮下脂肪組織層の情報が同時に計測できるため、V/S(内臓脂肪組織量/皮下脂肪組織量)のような相対情報の精度向上が期待できる。
また、内臓器組織及び内臓脂肪組織への通電量及び感度を引き上げることができると共に、ノイズとなる骨格筋組織層による電位の乱れによるN成分も、腹直筋組織層を仮想電極として利用可能とすることで低減でき従ってS/Nを改善できる。
更に、腹部への電極装着により、測定部位を被験者が意識できることによって、意識的拘束による測定精度の向上及びモチベーションの確保に有益となる。
更に、内臓器組織付近付着、蓄積脂肪の蓄積具合を従来の簡易計測法との組み合わせ及び簡便性を踏襲する中で、必要なレベルに応じた精度の高いスクリーニング情報を顕在化させることができる。
更に、本発明によれば、小型で安価な装置にて自分で簡便に測定できるので、家庭用として最適なものとすることもできる。また、食事及び運動による日々のダイエットを適正に且つそのためのモチベーションの維持に貢献可能な情報として、脂肪組織の付着及び蓄積と、四肢体幹各セグメントの骨格筋発達量及びバランスの現状と、運動及び食事ダイエットによる健康的な身体デザインの変化が得られるので、健康の維持増進の自己管理を継続できる。つまり、自分のライフスタイルの積算結果としての内臓脂肪組織蓄積具合を数値化するだけではなく自分の身体骨格筋組織層バランス等も数値及び模式図で表現することで、自己認識度を向上させ、初期モチベ−ションを高めることができ、また、ダイエット等での初期努力に対する成果変化を骨格筋組織層の高感度部位での微小な変化をも反映することで、モチベ−ションの持続維持にも貢献できる。
更に、体幹腹部の計測インピ−ダンスの信頼性を高める試みによって、測定精度が向上するばかりか、測定前の腹部コンディションチェックを可能にし、内臓脂肪推定精度面でのスクリ−ニング以外に、内臓器組織等での炎症や病的な体液分布異常の早期チェックによるスクリ−ニングにまで応用できる。
本発明の実施の形態及び実施例について詳細に説明する前に、本発明による体幹部の内臓脂肪組織測定の原理について説明する。本発明は、基本的には、生体電気インピーダンス情報と身体特定化情報を用いて、体幹部(体幹腹部)の内臓脂肪組織情報(横断面積量、体積量又は重量)、更に言えば、体幹部に蓄積される脂肪組織、特に内臓器組織周辺に付着、蓄積する内臓脂肪組織及び皮下層に蓄積する皮下脂肪組織層情報を、高精度で簡便に測定可能とする方法等に関する。
本発明は、このため次のような手法を駆使する。
(1)体幹部の生体電気インピーダンス情報に含まれる組織情報を、骨格筋組織層と内臓器組織と内臓脂肪組織で直並列の等価回路モデルを仮定すること。ここでは内臓器組織と内臓脂肪組織を直列に考える(したがって、内臓脂肪組織の大小により通電量の変化を期待できる)。
(2)腹囲長が身体特定化情報として確保できる場合は、皮下脂肪組織量も、等価回路モデルに含めた、高精度モデルとして、皮下脂肪組織層と骨格筋組織層と内臓器組織と内臓脂肪組織で直並列の等価回路モデルを仮定すること。
(3)皮下脂肪組織量推定は、身体特定化情報のうち腹囲長を主の説明変数とした重回帰式で構成されること。更には、腹囲長の二乗を主体的説明変数と置くこと。
(4)内臓器組織情報の確定は、身体特定化情報のうち、身長情報が主体的な説明変数とした重回帰式で構成し、内臓脂肪組織情報推定のための未確定情報の確定に用いる。
(5)各組織を定量化するための重回帰分析(検量線作成手法)に用いる組織の基準測定は、臍位でのX線CT断層画像からの組織横断面積(CSA)やMRI法によるCSA及び体幹部全体でのDEXA法、MRI法(長さ方向へ、スライス毎の積分処理)を用いた組織体積量,重量(体積量から重量への変換は、先行研究による組織密度情報より算出可能)で実現できる。DEXA法では、腹部内臓脂肪組織と皮下脂肪組織層の合計の総脂肪組織情報を基準測定できる。
(6)上記のような手法を用いて内臓脂肪組織の情報を高精度に捕捉可能とするためには、呼吸等による体幹部の計測インピ−ダンス情報の変動を一定条件値に置き換える手立てが必要となり、インピーダンス計測サンプリング周期を一般的な呼吸周期の1/2以内とし、呼吸変化を時系列的にモニタリングして、呼吸周期及び呼吸周期毎の最大値と最小値を呼吸周期毎に判別し、安静呼吸の中央値を捕捉可能とすること。
(7)更に、測定前の飲食及び膀胱尿の貯留などによる悪影響の事前チェックも、計測インピーダンス情報より可能とする。一般に、体幹部のインピーダンス値は、健康な一般的な被験者集団では、骨格筋組織層の情報が支配的に反映される。また、体幹の骨格筋組織層の情報は、測定値としては非常に小さく個々人毎で大きな違いが認められない。理由は、地球重力下で自重を支えて発達する抗重力筋との相関の高いデザインとなるため、特別に寝たきりで重力の影響を受けない被験者とか、自重の数倍のストレスが加わる種目のアスリートなど、特殊な集団以外ではほぼ身体サイズで決定されてしまうためである。ここで、骨格筋組織層及び前記呼吸変動以外で体幹部のインピーダンスに影響が大きいのは、飲食及び膀胱尿の貯留などによる悪影響である。よって、集団デ−タとして体幹部のインピーダンス値を収集し、平均値[mean]と偏差[SD]で見ると、飲食及び膀胱尿の貯留などによる影響は、2SDを超える範囲にあることがわかった。ただ、ある程度のアスリート等の準一般的集団まで踏まえると、3SDをクライテリアとすることで、本影響のスクリーニングを可能と出来る。
次に、前述したような手法に基づく本発明の測定原理につき、更に詳述する。
1.体幹部構成組織の電気的等価回路モデル化
(1)体幹部は、主として、皮下脂肪組織層と、骨格筋組織層(腹筋群、背筋群)と、内臓器組織とその隙間に付着する内臓脂肪組織から成ると考えることが出来る。骨組織を構成組織として挙げていないのは、骨組織は骨格筋組織層と量的相関が非常に高く、一体の組織体として考えられるからである。体積抵抗率も、生体内では骨髄組織なども含めることでかなり導電性が良く、骨格筋組織層や内臓器組織に近い特性を有するものと考えられる。よって、この4組織を電気的な等価回路モデルで表すと、内臓器組織と内臓脂肪組織を直列に構成し、その直列の複合組織層に対して、皮下脂肪組織層及び骨格筋組織層がそれぞれ並列に構成される。この等価回路モデルについては、図5〜図7についての説明において詳述する。このモデルによると、体幹の長さ方向への通電に対しては、骨格筋組織層に支配的に電流が流れる。内臓脂肪組織は、内臓器組織の周辺の隙間に付着することから、内臓脂肪組織が無い時、又は少ない時、内臓器組織が骨格筋組織層に近い導電性を示すことから、内臓器組織側にも電流が通電されることになる。また、内臓脂肪組織が多くなるほど、内臓器組織と内臓脂肪組織の複合体としての複合組織層への通電量が低下してゆくことになる。体幹部の計測インピーダンスと、それを構成する4組織を等価回路モデルで表した時のモデル式は、下記の様に表現できる。
Ztm = ZFS//ZMM//(ZVM+ZFV) ・・・式1
ここで、
体幹部全体のインピーダンス:Ztm
皮下脂肪組織層のインピーダンス:ZFS・・・体積抵抗率は、大きい。
骨格筋組織層のインピーダンス:ZMM・・・体積抵抗率は、小さい。
内臓器組織のインピーダンス:ZVM・・・骨格筋組織層に近い体積抵抗率と考えられている。
内臓脂肪組織のインピーダンス:ZFV・・・体積抵抗率は、皮下脂肪組織層と同等かそれよりも、やや小さ目と考えられる。脂肪組織の合成分解が皮下脂肪組織層に比べて速いことから、組織内血管及び血液量が多いものと考えられる。
組織間の電気的特性は、インピーダンスよりはむしろ体積抵抗率ρ[Ωm]で決まる。上の関係から、各組織の電気的特性値は一般に以下の関係で説明される。
ρMM<<ρ(VM+FV)<ρFS
ρVM<<ρFV
ρMM=ρMV、若しくは、ρMM<ρMV
ρFV=ρFS、若しくは、ρFV<FS
ここで、
皮下脂肪組織層の体積抵抗率:ρFS
骨格筋組織層の内側の内臓器組織と内臓脂肪組織の複合組織層の体積抵抗率:ρ(VM+FV)
骨格筋組織層の体積抵抗率:ρMM
よって、式1との関連により、各組織間の電気的特性の比較関係は、
ZFS >>(ZVM+ZFV) >> ZMM・・・式2
となる。
(2)従来の方法で腹部臍囲周上に電極を配置するだけでは、電流印加電極直下での広がり抵抗の影響により、皮下脂肪組織層のインピ−ダンス分が支配的な計測となり、本来の理想的な四電極法による皮下脂肪組織層の分離除去が実現できなかった。本発明によれば、新電極配置法を適用することで、理想的な四電極法を実現可能とし、皮下脂肪組織層のインピ−ダンス分を削除可能とした。
後述するように、本発明の電極配置法によれば、腹直筋組織層を仮想電極として利用している。したがって、電気的等価回路モデルは、図12に示すように表現できる。すなわち、
Ztm = 2 * ZFS+ZMM2//(ZVM+ZFV) ・・・式3
骨格筋組織層(MM)は、腹直筋組織層(MM1)と腹直筋組織層以外の筋線維走向が斜めのものが支配的な骨格筋組織層(MM2)とに分けられ、ZMM1及びZMM2は、それぞれ、MM1及びMM2のインピーダンスである。本発明の電極配置法によれば、電流印加電極近辺の広がり抵抗の影響を無視できるまで離して配置しているため皮下脂肪組織層の分離除去することでき、また、腹直筋組織層を仮想電極として利用するために、さらに腹直筋組織層での電圧降下分の電極間距離を確保することで腹直筋組織層のインピーダンス直列分を外すことができる。そこで、ZMM=ZMM2とおくと、式3は次のように表される。
Ztm = ZMM//(ZVM+ZFV) ・・・式4
2.体幹部骨格筋組織横断面積量[AMM]及び体幹部骨格筋組織層インピーダンス[ZMM]の推定
(3)骨格筋組織量は、横断面積量と体積量に高い相関が考えられるため、ここでは横断面積量で考える。体幹腹部の骨格筋組織層の横断面積量AMMは、身体特定化情報でおおよそ推定できる。理由は、身体の骨格筋組織層の発達デザインは、地球重力下で自重を支えるための発達・適応でほとんど決まってしまうからである。よって、アスリ−トとか、麻痺患者や介護者などの重力非適応者を除けば、身体特定化情報で推定可能となる。この推定は、身長H、体重W、年齢Ageを以下の式に代入することによって行う。
AMM=a*H+b*W+c*Age+d・・・式5
ここで、a、b、c、dは、男女で別の値を与える定数である。
(4)体幹部骨格筋組織層インピーダンス[ZMM]は、体幹部骨格筋組織横断面積量[AMM]を用いて、次の式で表すことができる。
ZMM=a0*H/AMM+b0・・・式6
ここで、a0、b0は、定数である。
3.内臓器組織量[AVM]及び内臓器組織インピーダンス[ZVM]の推定
(5)体幹部の内臓器組織量[VM]は、身長、体重、性別、年齢等の身体(個人)特定化情報から推定することが出来る。説明変数の中で、身長項の影響が大きい。
内臓器組織量[AVM] = a1*身長[H]+ b1*体重[W] + c1*年齢[Age] + d1・・・式7
ここで、a1、b1、c1、d1は、男女で別の値を与える定数である。
(6)次に、内臓器組織のインピーダンスZVMを推定する。
内臓器組織のインピーダンスZVMは、身長、体重、性別、年齢等の身体(個人)特定化情報から推定することが出来る。説明変数の中で、身長項の影響が大きい。便宜上、ここでは上で求めた内臓器組織量AVMを利用する。この推定は、以下の式を用いて行うことができる。
ZVM=a2*H/AVM+b2・・・式8
ここで、a2、b2は、定数である。
4.内臓脂肪組織インピーダンス[ZFV]及び内臓脂肪組織量[AFV]の推定
(7)次に、内臓脂肪組織のインピーダンスZFVを推定する。
式4を変形すると、
1/Ztm = 1/ZMM + 1/(ZVM+ZFV) ・・・式9
式9からZFVを誘導すると、次のようになり、内臓脂肪組織の情報を有するインピーダンス情報を求めることができる。
ZFV= 1/[ 1/Ztm−1/ZMM] − ZVM・・・式10
本式において、Ztmは実測値である。また、体幹部骨格筋組織層インピーダンスZMMと内臓器組織のインピ−ダンスZVMは、上述したように身体特定化情報により推定できるので、その推定値を代入することで、ZFVが抽出できる。すなわち、式10に、式6及び式8を代入することによって、算出できる。
(8)内臓脂肪組織量AFVは、ここでは内臓脂肪組織横断面積として取り扱う。内臓脂肪組織量AFVは、上記インピーダンス情報と身長情報から算出することができ、
AFV=aa*H/ZFV+bb・・・式11
ここで、aa、bbは定数である。
5.皮下脂肪組織量[AFS]の推定
(9)体幹部の皮下脂肪組織量AFSは、皮下脂肪組織層のインピーダンス情報ZFSと腹囲長Lwから推定することが出来る。
皮下脂肪組織量[AFS] = aa0*ZFS*Lw+bb0・・・式12
ここで、aa0、bb0は、定数である。
6.体幹部内臓脂肪/皮下脂肪比[V/S]の推定
(10)内臓脂肪/皮下脂肪比[V/S]は、式12からの皮下脂肪組織量[AFS]と式11からの内臓脂肪組織量[AFV]から求めることが出来る。
V/S=AFV/AFS・・・式13
7.体幹部(中部)のインピーダンスによる内臓器組織異常判定の考え方
(11)内臓脂肪組織量推定に必要な体幹部のインピーダンスZtmは、呼吸及び飲食等により変動が大きな部位でもあることから、安定性及び信頼性の高い情報の計測が必要となる。よって、次の様な処理を加えることで、信頼性の高い体幹部のインピーダンス情報を確保出来る。また、一部体幹の体液分布の乱れに関連する情報としての視点から、体幹部の組織異常の判定も可能と出来る。
(12)呼吸による変動の影響除去処理
(a)一般的な呼吸周期時間の1/2より短いサンプリング周期で、体幹部のインピーダンスを測定する。
(b)サンプリング毎の測定デ−タに対して移動平均等によるスムージング処理を施す。
(c)処理後の時系列データより、呼吸の周期性と周期毎の最大値と最小値を検出する。
(d)毎周期毎の最大値と最小値を各々別個に平均処理する。
(e)最大値と最小値の平均処理後の値を平均して、呼吸の中央値を算出する。
(f)呼吸周期毎の呼吸の中央値が規定回数規定以内の安定域に入った時点で、呼吸中央値確定と判断し、確定した中央値のインピ-ダンス値を体幹部のインピーダンス値として登録し、測定を完了とする。
(13)飲食及び膀胱等への水分貯留(尿等)による異常値判定処理
(a)体幹部のインピーダンスは、26.7±4.8Ω(mean±SD)が集団の一般的な値となる。
(b)反面、便秘及び膀胱尿の貯留や胃での飲食物の充満時の値は、mean±3SDの範囲を超える。
(c)よって、3SDを超える測定値が得られる場合には、飲食及び膀胱尿等の影響の可能性を被験者へ報知し、最善の環境で測定に望んで貰う様促す。ただし、実際にこれらの影響なしに骨格筋組織層発達及び内臓器組織が標準サイズとは異なる被験者においては、測定を継続出来る様に進める。
(d)さらに、測定感度を上げる方法としては、性別、体重、身長別で規定値を細分化する。又は、体重で割るか、身長で割って単位別の値として規定値を規定する。
次に、前述したような本発明の測定原理に基づいて、本発明による体幹内臓脂肪測定方法及び装置、並びに測定情報を用いた健康指針アドバイス装置の実施例について説明する。
図1は、本発明による体幹内臓脂肪測定装置の一実施例の外観を示す概略斜視図であり、図2は、その使用法、図3は、本発明による体幹内臓脂肪測定装置に含まれる本体部のブロック図である。
本発明の体幹内臓脂肪測定装置1は、本体部11と、本体部11に直接接続されたグリップ電極部130と、本体部11にバンド120を介して接続されたグリップ電極部140とから成る。グリップ電極部130、140は、図2に示すように、グリップ電極部130、140を各手に持って、それらを被験者の測定部位、例えば、腹部に押し当てて使用する。
本体部11の前面には、操作部51と表示部52を有する操作表示パネル5や報知器ブザー22等が設けられており、その内部には、図3から明らかなように、例えば、演算・制御部21や、電源部18、記憶部(メモリ)4、インピーダンス測定部等が設けられている。
操作部51は、身長、体重等を含む身体特定情報の入力等に使用することができ、操作表示パネル5は、各種結果、アドバイス情報等を、表示部52を通じて表示する。この操作表示パネル5は、操作部51と表示部52とが一体となったタッチパネル式の液晶表示器として形成されもよい。
演算・制御部21は、操作部51から入力された身体目方特定情報(体重等)と、計測したインピーダンスと、前記式1〜式13とに基づいて、体幹部骨格筋組織横断面積量、体幹部骨格筋組織層インピーダンス、内臓脂肪組織インピーダンス、内臓脂肪組織量、内臓器組織量、内臓器組織インピーダンス、皮下脂肪組織量、体幹部内臓脂肪/皮下脂肪比等を演算したり、呼吸による変動の影響除去処理や、内臓器組織異常判定等の処理を行ったり、その他、各種の入出力、測定、演算等を行う。
電源部18は、本装置の電気系統各部に電力を供給する。記憶部4は、身長、体幹長、体幹部長等の身体特定情報や、前記の式1〜式13等を記憶する他、後述するような健康指針アドバイスのための適当なメッセージ等も記憶する。
インピーダンス測定部には、被験者の測定部位に電流を印加する複数個の電流印加電極13、被験者の測定部位における電位差を計測する複数個の電圧計測電極14、電流印加電極13に電流を供給する電流源12、複数個の電流印加電極13から任意の電極を選択するための電流印加電極選択部20a、複数個の電圧計測電極14から任意の電極を選択するための電圧計測電極選択部20b、電圧計測電極14によって測定された電位差を増幅する差動増幅器23、フィルタリングのためのバンドパスフィルタ(BPF)24、検波部25、増幅器26、及び、A/D変換器27等が含まれる。
電流印加電極13及び電圧計測電極14は、グリップ電極部130、140の接触面に設けられる。例えば、電流印加電極13は、グリップ電極部140の接触面の下側とグリップ電極部130の接触面の上側に設けられ、電圧計測電極14は、グリップ電極部140の接触面の上側とグリップ電極部130の接触面の下側に設けられる。なお、電極の配置や数は、使用態様に応じて決定されるものであり、特に限定されるものでない。
電流印加電極13及び電圧計測電極14は、SUS材及び樹脂材表面を金属めっき処理等して実現されていてもよい。このタイプの電極は、金属電極表面に、保水性高分子膜をコ−ティングすることで、測定前に水分をふきつけるか、水にぬらして使用する。水にぬらすことにより、皮膚との電気的接触の安定性を確保することができる。また、特に図示しないが、粘着性貼り付けタイプの電極を用いることもできる。これは交換可能な粘着パッドを各電極のベ−ス電極面に貼り付けて皮膚との接触安定性を確保するタイプのものである。このタイプは、例えば、低周波治療器や心電図電極等でよく用いられており、測定後に取り外して廃棄するようなディスポ形態と、パッド表面が汚れて密着性が低下したり水分が蒸発したりした場合にのみ廃棄交換し、廃棄するまでの間はカバ−シ−ト等で保管する形態がある。
電流印加電極選択部20aは、電流印加電極13と電流源12との間に接続される。電圧計測電極選択部20bは、電圧計測電極14と差動増幅器23との間に接続される。
本発明の原理を説明するため、電気的な等価回路モデルを導入する。図4は、この等価回路の基になる体幹腹部の構造を模式的に示した図である。電気的特性の観点でみると、体幹部は、皮下脂肪組織層(FS)、骨格筋組織層(MM)、内臓器組織(VM)、その隙間に付着する内臓脂肪組織(FV)の各組織に分けることができる。
図5は、図4に示された体幹部の模式図を、臍高さにおける腹囲周横断面にてモデル化した図である。この図に示すように、体幹部断面は、最も外側にある皮下脂肪組織層(FS)と、そのすぐ内側にある骨格筋組織層(MM)と、最も内側にある内臓器組織(VM)とそれに取り巻く内臓脂肪組織(FV)を含む。
図6は、図5に示された模式図を更に電気的な等価回路として表したものである。ここでは一例として、臍の前後付近において、電流印加電極13で電流(I)を印加し、その近傍に配置した電圧計測電極14で電圧(V)を測定するものとする。等価回路とした場合、電気抵抗は、主として、臍前後付近の皮下脂肪組織層のインピーダンス(ZFS1、ZFS2)と、腹周囲の皮下脂肪組織層のインピーダンス(ZFS0)と、臍の左右各側の骨格筋組織層のインピーダンス(ZMM1、ZMM2)と、臍前後付近の内臓脂肪組織のインピーダンス(ZFV1、ZFV2)、更に、体幹部中心付近の内臓器組織のインピーダンス(ZVM)として現れる。
図7に、図6を更に簡略化した回路を示す。ZFS1とZFS2は略同じ大きさと考えられるため、ここでは、それらを一まとめにしてZFSとして表し、また、ZMM1とZMM2、或いは、ZFV1とZFV2は、それぞれ、ZMM、ZFVとして表した。また、導電性が他の領域に比べて著しく低いと考えられるZFS0は省略した。これを省略できる点は、前項「1.体幹部構成組織の電気的等価回路モデル化」(1)の記載から明らかであろう。
次に、図8を参照して、四電極法における電極間距離と広がり抵抗の関係を説明する。この図8は、電極間距離と広がり抵抗の関係を示したものである。図中、丸い点線で囲った部分30は広がり抵抗領域である。電流印加電極からの電流は、印加後に徐々に被験者の体内に広がることになるが、印加直後の領域、即ち、広がり抵抗領域においては、それほど大きく広がっておらず、このため、これらの領域では電流密度が他の領域に比べて非常に高くなってしまう。したがって、電流印加電極13と電圧計測電極14をあまりに接近させて配置した場合には、電圧計測電極14において測定される電圧は広がり抵抗領域における電流の影響を大きく受けてしまう。
例えば、前述した式2より明らかなように、臍付近における皮下脂肪組織層のインピーダンス(ZFS)と、骨格筋組織層のインピーダンス(ZMM)、内臓脂肪組織のインピーダンス(ZFV)、及び、体幹部中心付近の内臓器組織のインピーダンス(ZVM)の間には、
ZFS >>(ZVM+ZFV) >> ZMM・・・式2
の関係がある。
したがって、I−V電極間距離がほとんど無く近接して配置されたときの電位差計測インピーダンスΣZ1は、
ΣZ1=2*ZFS+ZMM//(ZVM+ZFV)≒2*ZFS
となる。これにより明らかなように、広がり抵抗の影響でZFSが数倍に増幅されるため、ここでは、ZFSによる情報が支配的となる。
広がり抵抗の影響を小さくするには、電流印加電極と電圧計測電極の間の距離を大きくする必要がある。例えば、I−V電極間距離を10cm程度確保して配置した場合の電位差計測インピーダンスΣZ2は、
ΣZ2≒2*ZFS+ZMM//(ZVM+ZFV)
となる。I−V電極間距離を広げることによって、広がり抵抗の影響は多少小さくなっているが、この程度離しただけでは、まだ、ZFSの情報が支配的である。
広がり抵抗の影響を更に小さくするため、図9に示すように、I−V電極間及びV−V電極間相互の距離が各々1/3程度になるよう10cm程度確保して配置した場合を考える。この場合の電位差計測インピーダンスΣZ3は、
ΣZ3≒2*ZFS+ZMM//(ZVM+ZFV)である。
このとき電極間で計測される電圧降下の関係は、おおよそ次のようになる。
V1=I*ZMM//(ZVM+ZFV)
V2=V3=I*2*ZFS
V1:(V2+V3)≒1〜2:10〜20=S:N
ここで、Sの1〜2やNの10〜20のバラツキは、皮下脂肪組織層の厚みの個人差と骨格筋組織層の発達具合によるものである。この結果からも分かるように、たとえ電極間距離を調節しても、十分なS/Nが確保できるとは言いがたい。
また、ほとんどの電流は骨格筋組織層で支配的に通電されるため、内臓器組織と内臓脂肪組織の複合組織層への通電感度を十分に確保することはできない。即ち、骨格筋組織層に流れる電流をI1、測定対象である内臓器組織と内臓脂肪組織に流れる電流をI2とすれば、
V1=I*ZMM//(ZVM+ZFV)=I1*ZMM=I2*(ZVM+ZFV)
I=I1+I2
となり、よって、
ZMM:(ZVM+ZFV)=I2:I1≒1:2〜5
となる。これより明らかなように、たとえ広がり抵抗の影響を排除できたとしても、骨格筋組織層に流れる電流は内臓器組織と内臓脂肪組織に流れる電流の2〜5倍にも及ぶため、この結果、S/N特性は更に悪くなる。このように、体幹部のような太短い測定部位においては、たとえ電極間距離を調整しても、電流電極間距離で上限が決まってしまうことから、S/N特性の改善には限界がある。
そこで、本発明によれば、骨格筋(腹直筋)組織層を仮想電極層として利用することによって、骨格筋組織層より内側の内臓器組織及び内臓脂肪組織に電流通電量を増やし、内臓脂肪組織への計測感度を確保する。図10〜図12に、本発明による腹直筋組織層仮想電極の配置方法を示す。図10は、体幹腹部の実際の構造を表面側及び背面側から示したものであり、図11は、図10の構造を模式的に示した図である。図12は、図10を等価回路として表した図である。
図10に示すように、腹直筋組織層30は、体幹長手方向に沿って規則正しく筋線維が配列されており、50KHz近辺の筋線維に感度の高い周波数電流を体幹長に沿って通電させると、腹直筋組織層に支配的に電流が誘導される、導電ガイドとなる。他の外腹斜筋組織層31は、斜めに筋線維が走行していて、腹直筋組織層30に比べて通電性が悪くなる。
特に、体幹長手方向の中でも、鳩尾下と背面腰部間に体幹を斜めに通電する区間では、外腹斜筋組織層31は、線維方向が通電方向に対して垂直に配列することとなり、一番体積抵抗率の高い条件となるため、通電ガイドとしての機能は低い。
図11に示すように、体幹腹部の構造は、外側から内側に向かって、皮下脂肪組織層(FS)、骨格筋組織層(MM)、内臓脂肪組織(FV)及び内臓器組織(VM)の組織の層状構造として表される。これは、図4にも示した通りである。そして、骨格筋組織層(MM)は、腹直筋組織層(MM1)と腹直筋組織層以外の斜めに筋線維走向の骨格筋組織層(MM2)とに分けられる。
組織間の電気的特性は、体積抵抗率ρ[Ωm]で決まり、腹直筋組織層(MM1)と、腹直筋組織層以外の斜めに筋線維走向の骨格筋組織層(MM2)の組織の電気的特性値を考慮すると、上記「1.体幹部構成組織の電気的等価回路モデル化」において説明された各組織の電気的特性値は一般に以下の関係で説明される。
ρMM1<<ρ(VM+FV)<ρFS
ρVM<<ρFV
ρMM1<ρMM2
ρMM2=ρVM、若しくは、ρMM2<ρVM
ρFV=ρFS、若しくは、ρFV<ρFS
ここで、
皮下脂肪組織層の体積抵抗率:ρFS
内臓器組織と内臓脂肪組織の複合組織層の体積抵抗率:ρ(VM+FV)
骨格筋組織層の中の腹直筋組織層の体積抵抗率:ρMM1
腹直筋組織層以外の斜めに筋線維走向の骨格筋組織層の体積抵抗率:ρMM2
よって、インピーダンス情報に置き換えると上記式2は、次のように表される。
ZFS >>Z(VM+FV) >ZMM2> ZMM1・・・式14
となる。
ここで、
皮下脂肪組織層のインピーダンス:ZFS
骨格筋組織層の中の腹直筋組織層のインピーダンス: ZMM1
腹直筋組織層以外の斜めに筋線維走向の骨格筋組織層のインピーダンス: ZMM2
内臓器組織と内臓脂肪組織の複合組織層のインピーダンス: Z(VM+FV)=ZVM+ZFV
図10〜図12図に示す実施例では、一方の電流印加電極33が体幹表側鳩尾下部の腹直筋組織層上部上端近くに配置され、他方の電流印加電極34が背面腰下部に配置されている。内臓脂肪組織計測用の電圧計測電極対の一方の電極36を、電流印加電極近辺の広がり抵抗の影響を無視できるまで離して配置する。他方の電極37は、腹直筋組織層のインピーダンス直列分を外すために、腹直筋組織層上の臍囲周近辺に配置する。
電極33と電極34の間に電流Iが印加されると、その電流は図11及び図12の破線で示すような経路に沿って流れる。したがって、電極36と37で計測される電位V1は、内臓脂肪組織計測用電位であり、V1の計測範囲は、S1で示される。ここで選定した電流印加電極位置は、表面側鳩尾下部と背面側腰下部とも、皮下脂肪組織層が非常に薄いため、広がり抵抗の影響回避のためのI−V電極間距離の確保は、容易でわずかで良い。したがって、I、V1から次のインピーダンスが得られる。
Ztm=V1/I=ZMM2//(ZVM+ZFV)
ここで、Ztmは電圧計測電極36及び37で捕捉される体幹腹部の合成インピーダンスであり、ZMM=ZMM2とおくと、
Ztm=ZMM//(ZVM+ZFV)
となり、これは、上記式4と同じである。よって、上述した手法によって、内臓脂肪組織量を計測することができる。
表面側電流印加電極33の位置としては、図13に示すように、腹直筋組織層30上の上部で、腱画40で6区分されている二段目上部ぐらいまで配置可能である。この場合、白線41を挟んだ左右の腹直筋組織層両方にまたがる電極幅を確保する。背面側電流印加電極34の位置としては、臍Aの位置(高さ)から左右大殿筋42の間の結合腱膜部までの範囲で配置可能である。なお、図13において、S3及びS4は、電極33及び34の電流印加電極配置の許容範囲を示す。
また、表面側電圧計測電極37の位置としては、図14に示すように、腹直筋組織層上で臍位置よりやや上から臍位置より下部まで配置可能である。外腹斜筋組織層と腹直筋組織層の結合腱膜部も、腹直筋組織層との近接範囲では許容範囲となる。背面側電圧計測電極36の位置としては、電流印加電圧より広がり抵抗の影響分の距離を確保する中で、広背筋43と大殿筋42の結合腱膜部で腹側部までの範囲で配置可能である。なお、図14において、S5及びS6は、電極37及び36の電圧計測電極配置の許容範囲を示す。
本発明によれば、上述したような内臓脂肪組織の計測技術に皮下脂肪組織層の計測技術を組み合わせることもできる。このような計測技術の組み合わせについて、以下、説明する。
図15〜図17は、皮下脂肪組織層のインピーダンス計測のための電極配置例並びに内臓脂肪組織の計測及び皮下脂肪組織層の計測のための組み合わせ電極配置例を示しており、図15が被験者の臍Aを中心として見た腹部の表面側の図であり、図16が被験者の背面側の図である。また、図17は、左側が被験者の背面側を示し、右側が被験者の表面側を示している。
(i)腹直筋組織層部上に配置した電流印加電極直下の皮下脂肪組織層のインピーダンス計測電極配置例
図15において、53及び54は電流印加電極を示し、55〜60は電圧計測電極を示す。電極53は、図10の33に相当するもので、その配置は、図10と同様である。電極53及び54は、皮下脂肪組織層計測用の電流印加電極対を構成する電極である。電極55及び56は腹部上部(鳩尾下部)皮下脂肪組織層計測用の電圧計測電極対を構成する電極である。また、電極55及び58は、臍部周辺皮下脂肪組織層計測用の電圧計測電極対を構成する電極である。電極56及び58は、電流印加電極53及び54にそれぞれ近接して、電流印加電極直下の広がり抵抗の影響が支配的な位置に配置され、電極55は、電流印加電極53及び54に対して電流印加電極直下の広がり抵抗の影響が軽減されるまで離れた位置に配置されている。V2は、印加電流I2による腹部上部(鳩尾下部)皮下脂肪組織層計測電位、V3は、印加電流I2による臍部周辺皮下脂肪組織層計測電位をそれぞれ示す。
電流印加電極に近接する電圧計測電極56及び58は、その電流印加電極の四方のいずれの位置に配置してもよい。例えば、破線の矢印で示すように、電極56に代えて電極57を配置し、また、電極58に代えて電極59又は電極60を配置することもできる。この場合、これら電流印加電極に近接して四方に配置された電圧計測電極は、いずれの配置の電極を用いてもほぼ同等の計測結果が得られる。
(ii)背面腰部に配置した電流印加電極直下の皮下脂肪組織層のインピーダンス計測電極配置例
図16において、61及び62は電流印加電極を示し、63〜68は電圧計測電極を示す。電極61は、図10の34に相当するもので、その配置は、図10と同様である。電極61及び62は、皮下脂肪組織層計測用の電流印加電極対を構成する電極である。電極63及び64は臍部腰部付近部の皮下脂肪組織層計測用の電圧計測電極対を構成する電極である。また、電極63及び66は、臍位腰部側腹付近部の皮下脂肪組織層計測用の電圧計測電極対を構成する電極である。電極64及び66は、電流印加電極61及び62にそれぞれ近接して、電流印加電極直下の広がり抵抗の影響が支配的な位置に配置され、電極63は、電流印加電極61及び62に対して電流印加電極直下の広がり抵抗の影響が軽減されるまで離れた位置に配置されている。V2は、印加電流I2による臍部腰部付近部の皮下脂肪組織層計測電位、V3は、印加電流I2による臍位腰部側腹付近部の皮下脂肪組織層計測電位をそれぞれ示す。
電流印加電極に近接する電圧計測電極64及び66は、その電流印加電極の四方のいずれの位置に配置してもよい。例えば、破線の矢印で示すように、電極64に代えて電極65を配置し、また、電極66に代えて電極67又は電極68を配置することもできる。この場合、これら電流印加電極に近接して四方に配置された電圧計測電極は、いずれの配置の電極を用いてもほぼ同等の計測結果が得られる。
(iii)内臓脂肪組織の計測と皮下脂肪組織層の計測の組み合わせ電極配置例
図17において、70〜73は電流印加電極を示し、74〜77は電圧計測電極を示す。電極61及び62は、内臓脂肪組織計測用の電流印加電極対を構成する電極である。また、電極70及び72は、臍位付近部皮下脂肪組織層計測用の電流印加電極対を構成する電極であり、電極71及び73は、背面腰側部皮下脂肪組織層計測用の電流印加電極対を構成する電極である。電極70及び71は、図10の33及び34にそれぞれ相当するもので、その配置は、図10と同様である。
電極74及び75は臍位付近部の皮下脂肪組織層計測用の電圧計測電極対を構成する電極である。また、電極76及び77は、背面腰側部の皮下脂肪組織層計測用の電圧計測電極対を構成する電極である。電極75及び77は、電流印加電極72及び73にそれぞれ近接して、電流印加電極直下の広がり抵抗の影響が支配的な位置に配置され、電極74及び76は、それぞれ電流印加電極70、72及び71、73に対して電流印加電極直下の広がり抵抗の影響が軽減されるまで離れた位置に配置されている。V1は、印加電流Iによる内臓脂肪組織計測用電位、V2は、印加電流I2による臍位付近部の皮下脂肪組織層計測電位、V3は、印加電流I3による背面腰側部の皮下脂肪組織層計測電位をそれぞれ示す。
図17に示すように、電圧計測電極対によるインピーダンス計測を、電流印加電極直下の皮下脂肪組織層の影響を受けない又は受け難い組み合わせと、電流印加電極直下の皮下脂肪組織層の影響を大きく受ける(広がり抵抗域の計測)組み合わせの二組以上の電極対の組み合わせで実施し、皮下脂肪組織層の情報と内臓脂肪組織の情報の両方を同時に分離した情報として計測できる。
例えば、皮下脂肪組織層計測電極と内臓脂肪組織(通電の主流は、内臓器組織と内臓脂肪組織の複合組織体への通電によって計測される組織層情報)計測電極の両配置を同時に持ち、図3の電流印加電極選択部20a及び電圧計測電極選択部20bによって電流印加電極対及び電圧計測電極対を適当に選択することによって、両組織情報を分離計測できる。
両組織情報を同時に計測することによって、呼吸等による測定中の変動誤差要因を呼吸の変動より速いサンプリングタイミングで計測する等、両測定を同じ環境で同時に測定できるので、その誤差要因を相対的に除去できる。よって、呼吸以外に心拍等による影響も除去できる。スピードを早くする以外に、同一測定環境でのスムージング処理等でも、同様の効果が得られる。
次に、図18に示す基本フローチャートと図19〜図24に示すサブルーチンフローチャートを参照して、図1〜図3及び図13〜図17に示す本発明の実施例での体幹内臓脂肪測定装置の操作及び動作について説明する。
図18に示す基本フローチャートにおいては、先ず、操作部51における電源スイッチ(図示していない)がオンされると、電源部18から電気系統各部に電力を供給し、表示部52により身長等を含む身体特定化情報(身長、体重、性別、年齢等)を入力するための画面が表示される(ステップS1)。
続いて、この画面にしたがって、ユーザは、操作部51から身長、体重、性別、年齢等を入力する(ステップS2)。この場合において、体重については、操作部51から入力してもよいが、本体部11に接続された体重測定装置(図示されていない)により測定したデータを自動的に入力して、演算・制御部21により身体目方特定情報(体重)を演算するようにしてもよい。これら入力値は、記憶部4に記憶される。
次に、ステップS3にて、体幹長、腹囲長等の形態計測実測値を入力するか否かの判断を行い、それら形態計測実測値を入力する場合には、ステップS4にて、形態計測を実施して、体幹長、腹囲長等の実測値を操作部51から入力し、ステップS6へ移行する。ステップS3において、形態計測実測値を入力しないと判断する場合には、ステップS5に移行する。これら入力値も、記憶部4に記憶される。同様に、以下の処理において得られる数値情報等は、記憶部4に記憶される。
ステップS5において、演算・制御部21は、記憶部4に記憶された身長、体重、性別、年齢等の身体特定化情報から、体幹中部長、腹囲長等を推定する形態計測情報推定処理(例えば、人間身体情報データベースから作成する検量線使用)を行う。
続いて、ステップS6において、インピーダンス測定部により、体幹インピーダンス(Zx)計測処理を行う。この体幹インピーダンス計測処理において、体幹中部インピーダンス(Ztm)及び皮下脂肪組織層インピーダンス(ZFS)を計測する。この体幹インピーダンス計測処理については、図22等に示すサブルーチンフローチャートを参照して後述する。
次に、ステップS7において、演算・制御部21により、体幹部骨格筋組織横断面積量(AMM)の推定処理を行う。この演算処理は、例えば、記憶部4に記憶された身長H、体重W、年齢Ageを用いて、前述の式5に基づいて行われる。
次に、ステップS8において、演算・制御部21により、体幹部骨格筋組織層インピーダンス(ZMM)の推定処理を行う。このZMMは、記憶部4に記憶された身長Hと、ステップS7で求めたAMMとを用いて、前述の式6に基づいて行われる。
次に、ステップ9は、演算・制御部21により、皮下脂肪組織量(AFS)の推定処理を行うものである。このステップ9については、図19に示すサブルーチンフローチャートを参照して後で詳述する。
ステップS10は、演算・制御部21により、内臓器組織量(AVM)及び内臓器組織インピーダンス(ZVM)の推定処理を行うものである。このステップ10については、図20に示すサブルーチンフローチャートを参照して後で詳述する。
ステップS11は、演算・制御部21により、内臓脂肪組織インピーダンス(ZFV)及び内臓脂肪組織量(AFV)の推定処理を行うものである。このステップ11については、図21に示すサブルーチンフローチャートを参照して後で詳述する。
次に、ステップS12において、演算・制御部21により、内臓脂肪/皮下脂肪比(V/S)の演算処理を行う。この処理は、記憶部4に記憶された前述した式13に従って行われる。
次に、ステップS13において、演算・制御部21により、体格指数(BMI)の演算処理を行う。この演算処理は、記憶部4に記憶された体重Wと身長Hから次の式にて算出され得る。
BMI=W/H2
更に、ステップS14において、演算・制御部21により、体幹部体脂肪率(%Fatt)の演算処理を行う。この演算処理は、記憶部4に記憶された皮下脂肪組織量(AFS)、内臓脂肪組織量(AFV)、体幹部骨格筋組織横断面積量(AMM)、及び、内臓器組織量(AVM)から次の式にて算出されるものである。
%Fatt=(AFS+AFV)/[(AFS+AFV)+AMM+AVM]*100
次に、ステップS15において、演算・制御部21により、内臓脂肪率(%VFat)の演算処理が行われる。この処理は、前述の演算処理により算出され記憶部4に記憶された体幹部体脂肪率(%Fatt)、内臓脂肪/皮下脂肪比(V/S)から次の式にて行われる。
%VFat=%Fatt*(V/S)/[(V/S)+1]
最後に、ステップS16において、演算・制御部21は、前述したような演算処理にて求められた内臓脂肪組織情報(AFV、%VFat)、体組成情報(%Fatt、AMM、AFS、AVM)、体格指数(BMI)や、後述する処理によって得られるアドバイス指針等を、表示部52に表示させるような表示処理を行う。これにより、一連の処理を終了する(ステップS17)。
次に、前述のステップS9の皮下脂肪組織量(AFS)の推定処理について、図20のサブルーチンフローチャートを参照して詳述する。この推定処理は、ステップS18にて、記憶部4に記憶された諸数値及び前述の式12を用いて行われる。
次に、前述のステップS10の内臓器組織量(AVM)及び内臓器組織インピーダンス(ZVM)の推定処理について、図21のサブルーチンフローチャートを参照して詳述する。この推定処理は、ステップS19において、記憶部4に記憶された諸数値及び前述の式7を用いて内臓器組織量(AVM)を算出し、ステップS20において、記憶部4に記憶された諸数値及び前述の式8を用いて実行される。
次に、前述のステップS11の内臓脂肪組織インピーダンス(ZFV)及び内臓脂肪組織量(AFV)の推定処理について、図21のサブルーチンフローチャートを参照して詳述する。この推定処理は、ステップS21において、記憶部4に記憶された諸数値及び前述の式10を用いて内臓脂肪組織インピーダンス(ZFV)を算出し、ステップS22において、記憶部4に記憶された身長H及び算出した内臓脂肪組織インピーダンス(ZFV)及び前述の式11を用いて内臓脂肪組織量(AFV)を算出するものである。
次に、ステップS6の体幹インピーダンス(Zx)計測処理について、第1の実施形態を示す図22のサブルーチンフローチャートを参照して、詳述する。この第1形態においては、前項7.(12)及び(13)において説明したような「呼吸による変動の影響除去処理」及び「飲食及び膀胱等への水分貯留(尿等)による異常値判定処理」を行うものである。先ず、ステップS23において、演算・制御部21は、操作部51等からの指示に基づいて、カウンター等の初期設定、例えば、体幹部のインピーダンスZtmの測定データのサンプル数及びフラッグFの初期設定を行う。Fは、“1”、“0”のフラッグの記号である。
続いて、ステップS24において、演算・制御部21は、測定タイミングか否かの判定を行う。そして、測定タイミングと判定された場合には、ステップS25a〜S25bにて、演算・制御部21は、体幹部インピーダンス(Ztm)及び皮下脂肪組織層インピーダンス(ZFS)の測定電極配置設定処理を行い、体幹部インピーダンス(Ztmx)及び皮下脂肪組織層インピーダンス(ZFSx)の計測処理を行う。このサブルーチンフローチャートでは、図15、図16又は図17に示されたような電極配置例によって、体幹部インピーダンス(Ztm)及び皮下脂肪組織層インピーダンス(ZFS)の計測値を得る場合を想定しており、この場合において、演算・制御部21は、各体幹部インピーダンスの計測値(Ztmx)及び(ZFSx)の計測処理を行う。すなわち、図15、図16又は図17に示すような回路配置を行って、内臓脂肪組織計測用電位V1又は皮下脂肪組織層計測電位V2及びV3を計測してその計測値から、Ztmx及びZFSxを算出する。
次いで、ステップS24において測定タイミングでないと判定された場合には、ステップS26に移行して、計測インピーダンス(Zx)データスムージング処理(移動平均処理等)を行う。それから、ステップ27において、体幹部インピーダンス計測データ呼吸変動補正処理を行う。この補正処理については、図23のサブルーチンフローチャートを参照して後述する。
続いて、ステップS28にて、演算・制御部21は、各部位毎の計測インピーダンスの時系列安定性確認処理を行う。これは、ステップS27の体幹部インピーダンス計測データ呼吸変動補正処理後の各値が所定回数所定変動以内の値に収束したかどうかを判定することによって行われる。
ステップS29において、演算・制御部21は、測定したZtmx及びZFSxが安定条件を満足するか否かの判定を行う。この判定は、呼吸周期毎の呼吸の中央値が規定回数規定以内の安定域に入った時点で、呼吸中央値確定と判断するようなものである。このステップS29にて、安定条件が満足されたと判定される場合には、ステップS30に移行して、確定した中央値のインピーダンス値を体幹部のインピーダンス値として、最終安定条件判定値を測定結果値として記憶部4に登録する。一方、ステップS29において、安定条件が満足されないと判定される場合には、ステップS24に戻って同様の処理が繰り返される。
ステップS30に続いて、ステップS31において、演算・制御部21は、飲食及び膀胱尿貯留等による異常値判定処理を行い、更に、ステップS32において、測定の完了を報知器ブザー22(図2参照)等を用いてブザー等で報知し、測定を完了する。尚、ステップ31の異常値判定処理については、図24のサブルーチンフローチャートを参照して後述する。
次に、ステップS27の体幹部インピーダンス計測データ呼吸変動補正処理について、図23のサブルーチンフローチャートを参照して、詳述する。先ず、ステップS33において、演算・制御部21は、ステップS27にて処理後の時系列データから変極点検知処理を行う。ステップS34において、変極点か否かの判定を行う。これは、前後の微係数又は差分値の極性変化位置のデータを検知することにより行われる。ステップS34にて変極点であると判定される場合には、ステップS35に進み、最大値か否かの判定がなされる。これは、最大値と最小値の振り分けを行うステップである。最大値でない場合には、ステップS36にて、記憶部4に記憶された次の式にて最小値判定データ移動平均化処理が行われる。
[Ztm]minx←([Ztm]minx-1+[Ztm]minx)/2
ステップS35において最大値と判定される場合には、ステップS37において、記憶部4に記憶された次の式にて最大値判定データ移動平均化処理が行われる。
[Ztm]maxx←([Ztm]maxx-1+[Ztm]maxx)/2
続いて、ステップS38において、一呼吸周期分の最大値と最小値データが確保されたかの判定がなされる。ステップS38において、そのデータが確保されたと判定された場合には、ステップS39にて、記憶部4に記憶された次の式にて呼吸変動中央値演算処理(最大値と最小値データの平均値演算)がなされる。
Ztmx←([Ztm]maxx+[Ztm]minx)/2
次に、ステップS31の飲食及び膀胱尿貯留等による異常値判定処理について、図24のサブルーチンフローチャートを参照して、詳述する。先ず、ステップS40において、演算・制御部21は、記憶部4に記憶された次の式にて、体幹部インピーダンス(Ztm)が正常許容範囲内かのチェックを行う。
Mean−3SD≦Ztm≦Mean+3SD
ここで、許容値例としては、26.7±4.8(Mean±3SD)が考えられる。
ステップS41において、体幹部インピーダンスが許容範囲内かの判定がなされる。許容範囲内でないと判定される場合には、ステップS42に移行して、演算・制御部21にて、体幹部(腹部)コンディション異常に関するメッセージ報知処理がなされ、表示部52に適切なアドバイスの表示等がなされる。このアドバイスとしては、例えば、「体幹コンディション異常につき、排便、排尿等の準備処理を実施」等の報知が考えられる。また、準備処理後も同様の判定結果となる場合は、異常値を用いて測定を完了させ、測定の中止はしないようにすることもできる。
ステップS41において許容範囲内で判定される場合には、ステップS43において、演算・制御部21は、体幹部(腹部)コンディション正常に関するメッセージ報知処理がなされ、表示部52に適切なアドバイスの表示等がなされる。このアドバイスとしては、例えば、「体幹コンディション正常」等の報知が考えられる。
このような操作及び動作にて、本発明によれば、体幹部(体幹腹部)の内臓脂肪組織情報を求めることができ、しかも、呼吸による変動の影響除去処理や飲食及び膀胱等への水分貯留(尿等)による異常判定処理を行い、それに応じたアドバイス情報も提供できる。なお、前述の実施例では、体幹内臓脂肪組織情報として脂肪率として求めるものとしたが、本発明は、これに限らず、適当な変換式等を用いることにより、横断面積量や、体積量や重量等として求めることができるものである。
本発明による体幹内臓脂肪測定装置の一実施例の外観を示す概略斜視図である。 図1の装置の使用法を示す図である。 本発明による体幹内臓脂肪測定装置の本体部のブロック図である。 体幹腹部の構造を模式的に示す図である。 図4に示された体幹部の模式図を、臍高さにおける腹囲周横断面にてモデル化した図である。 図5のモデル図を電気的等価回路として表した図である。 図6の回路を簡略化して示したものである。 電極間距離と広がり抵抗の関係を説明する図である。 電極間距離と広がり抵抗の関係を説明する図である。 本発明による電極配置の一例を示す体幹腹部の構造図である。 図10の体幹腹部の構造を模式的に示す図である。 図11の電気的等価回路を示す図である。 本発明による電極配置の一例を示す体幹腹部の構造図である。 本発明による電極配置の一例を示す体幹腹部の構造図である。 本発明の皮下脂肪組織層計測を行うための電極配置例を示す図である。 本発明の内臓脂肪組織計測と皮下脂肪組織層計測の組み合わせ合せ計測を行うための電極配置例を示す図である。 本発明の組合せ計測における電極配置のための電極位置決め法を示す図である。 本発明の一実施例による体幹内臓脂肪測定用の基本フローチャートを示す図である。 図18の基本フローのサブルーチンとしての皮下脂肪組織量の推定処理フローを示す図である。 図18の基本フローのサブルーチンとしての内臓器組織量及び内臓器組織インピーダンスの推定処理フローを示す図である。 図18の基本フローのサブルーチンとしての内臓脂肪組織インピーダンス及び内臓脂肪組織量の推定処理フローを示す図である。 図18の基本フローのサブルーチンとしての体幹インピーダンス計測処理フローを示す図である。 図22の体幹インピーダンス計測処理フローのサブルーチンとしての体幹部インピーダンス計測データ呼吸変動補正処理フローを示す図である。 図22の体幹インピーダンス計測処理フローのサブルーチンとしての飲食及び膀胱尿貯留等による異常値判定処理フローを示す図である。
符号の説明
1 体幹内臓脂肪測定装置
5 操作表示パネル
11 本体部
12 バンド
13 電流印加電極
14 電圧計測電極
21 演算・制御部
51 操作部
52 表示部
130 グリップ電極部
140 グリップ電極部
A 臍
30 腹直筋組織層
31 外腹斜筋組織層
40 腱画
41 白線
42 大殿筋
43 広背筋
S1 V1計測範囲
S3 電流印加電極配置許容範囲
S4 電流印加電極配置許容範囲
S5 電圧計測電極配置許容範囲
33、34、53、54 電流印加電極
61、62、70、71、72、73 電流印加電極
36、37、55、56、57、58、59、60 電圧計測電極
63、64、65、66、67、68、74、75、76、77 電圧計測電極

Claims (8)

  1. 体幹に配置した電流印加電極対と電圧計測電極対を使用して測定した体幹の生体インピーダンスを利用して体幹内臓脂肪組織量を求める体幹内臓脂肪測定方法において、前記電流印加電極対の第1の電流印加電極を体幹腹部長手方向に長く延びる腹直筋組織層上に配置して腹直筋組織層を仮想電極層として利用することを特徴とする体幹内臓脂肪測定方法。
  2. 体幹に配置した電流印加電極対と電圧計測電極対を使用して測定した体幹の生体インピーダンスを利用して体幹内臓脂肪組織量を求める体幹内臓脂肪測定装置において、前記電流印加電極対の第1の電流印加電極が体幹腹部長手方向に長く延びる腹直筋組織層上に配置されていることを特徴とする体幹内臓脂肪測定装置。
  3. 前記電圧計測電極対の第1の電圧計測電極が前記電流印加電極対の第2の電流印加電極近辺の広がり抵抗の影響を無視できるまで離れて配置されることを特徴とする請求項2に記載の体幹内臓脂肪測定装置
  4. 前記第2の電流印加電極が背面腰下部に配置されることを特徴とする請求項3に記載の体幹内臓脂肪測定装置
  5. 前記電圧計測電極対の第2の電圧計測電極が前記第1の電圧計測電極と対向する腹部の腹直筋組織層上に配置され、前記第1の電流印加電極と離れて配置されることを特徴とする請求項4に記載の体幹内臓脂肪測定装置。
  6. 前記第1の電流印加電極が体表面鳩尾下部の腹直筋組織層上部上端近くに配置され、前記第2の電圧計測電極が腹直筋組織層上の臍囲周近辺に配置されることを特徴とする請求項5に記載の体幹内臓脂肪測定装置。
  7. 前記体表面鳩尾下部の腹直筋組織層上部上端近くとは、腹直筋組織層上の上部で、腱画で6区分されている二段目上部ぐらいまでの範囲であり、前記背面腰下部とは、臍の位置(高さ)から左右大殿筋の間の結合腱膜部までの範囲であり、前記第2の電流印加電極近辺の広がり抵抗の影響を無視できるまで離れてとは、電流印加電極より広がり抵抗の影響分の距離を確保する中で、広背筋と大殿筋の結合腱膜部で腹側部までの範囲であり、前記腹直筋組織層上の臍囲周近辺とは、腹直筋組織層上で臍位置よりやや上から臍位置より下部までの範囲であることを特徴とする請求項6に記載の体幹内臓脂肪測定装置。
  8. 体幹皮下脂肪組織層のインピーダンスを測定する第2の電圧計測電極対が更に配置され、該第2の電圧計測電極対の第1の電圧計測電極が、電流印加電極直下の広がり抵抗の影響が支配的な電流印加電極に近接した位置に配置され、前記第2の電圧計測電極対の第2の電圧計測電極が、電流印加電極直下の広がり抵抗の影響が軽減されるまで電流印加電極から離れた位置に配置され、前記第2の電圧計測電極対によって測定した体幹皮下脂肪組織層のインピーダンスを利用して皮下脂肪組織量を求めることを特徴とする請求項2〜の何れか1つに記載の体幹内臓脂肪測定装置。
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