JP4688547B2 - 体幹内臓脂肪推定装置及び体幹内臓脂肪推定方法 - Google Patents

体幹内臓脂肪推定装置及び体幹内臓脂肪推定方法 Download PDF

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  • Measurement And Recording Of Electrical Phenomena And Electrical Characteristics Of The Living Body (AREA)

Description

本発明は、体幹内臓脂肪測定方法および装置に関し、また、体幹骨格筋組織量および四肢骨格筋組織量の測定装置にも関する。
BIA(Bioelectrical Impedance Analysis)による体脂肪の推定技術は、体脂肪および体脂肪率を計測する技術として世に広がってきたが、実際には、脂肪組織FM以外の水が支配的な除脂肪組織LBM(Lean Body Mass)またはFFM(Fat Free Mass)を電気的に計測したものである。特に、全身(Whole Body)計測では、旧来のタイプでは仰臥位姿勢で片手-片足間を一つの円柱でモデル化している(片手-片足間誘導法)し、簡易型としては、特許文献1に開示されるような立位姿勢で測定する両掌間誘導法や、特許文献2に開示されるような体重計と一体になった両脚裏間誘導法、上肢と下肢または、上肢と下肢と体幹、または、左右上肢,左右下肢,体幹の様に5セグメントに分けて個別に円柱モデルを適用可能としてインピーダンスを計測した技術も顕在化してきている。
さらに細分化が進んで、特許文献3に開示されるような左右四肢を遠位部と近位部に分けて、全身を9セグメントに細分化した計測技術によって、各セグメント毎の骨格筋組織量の情報を研究用途で顕在化してきている。しかし、前述の説明から、各セグメント間のバランスは、限定された集団(地球重力下で自重負荷の生活環境に適応したデザイン)であるだけに各部位間の相関も高く、全身の体組成を推定する範囲では簡易な末梢からの測定法でもそこそこの有用性のある情報が提供できていた。
さらに、特許文献4に開示されるように、体幹部に通電する周波数を、皮下脂肪より外側と内側組織の両方に通電する第一の周波数と、皮下脂肪層より内部組織層に通電する第二の周波数により計測したインピーダンス情報から、内臓脂肪量を推定する技術も提案されている。
特開平7−51242号公報 特公平5−49050号公報 WО2002/043586号パンフレット 特開平7−79938号公報
しかし、体脂肪組織の情報は、糖尿病や高血圧および高脂血症などの生活習慣病のスクリーニング用としての有用性が特にとわれており、中でも内臓器組織近辺に付着・蓄積脂肪組織に関して、その計測の重要性が日に日に高まってきている。
内臓脂肪組織は、体幹の腹部付近に集中的に分布する脂肪組織で、X線CТ やMRI等による腹部横断画像でその脂肪組織の横断面積で判断されてきていた。しかし、装置が大掛かりで、また、X線の場合被曝の問題もあり、費用面もあり、フィールドおよび家庭用での計測に適さない。そこで、内臓脂肪組織は、全身脂肪との相関または、全身の除脂肪組織との相関からの推定が一般的で、スクリーニング用としても、十分な信頼性を確保するにいたらなかった。
上肢、下肢、体幹に分けたセグメント誘導法でセグメント毎のインピーダンス情報または、その情報から求めた骨格筋組織量を重回帰式に入れた推定式によって内臓脂肪組織を推定する方法でも、下肢が体重との相関が高いことから、体重情報を説明変数として付加することで貢献性が低下し、また、体幹も下肢および大腿との相関が高く、同様の問題を有するとともに、測定スキル(体幹組成が安定な状態の時に測定しないと、例えば、飲水・食後すぐとか、膀胱などに大量の尿が貯留している時等)およびその信頼性が低い( 測定値小さいため、S/Nが悪い)等により、大幅な改善が期待できていないのが実情である。つまり、体幹のインピーダンスは、四肢に比べて非常に小さく、有用性を評価する研究があまり進んでいない部位でもある。
二周波による計測については、体幹部に通電する周波数を、皮下脂肪より外側と内側組織の両方に通電する第一の周波数と、皮下脂肪組織層より内部組織層に通電する第二の周波数により計測したインピーダンス情報から、内臓脂肪組織量を推定する技術としていることから、第一の周波数と第二の周波数の違いは、皮下脂肪組織層より外側の皮下血管組織層しかなく、皮下脂肪組織層より内側を構成する骨格筋組織層と内臓器組織と内臓脂肪組織との関係の内訳を分別可能としない限り、精度の高い有用性の高い内臓脂肪組織情報を得るに至っていないのが実情である。
よって、本発明の目的は、前述したような従来の問題点を解消することにあり、特に、体幹部に蓄積される脂肪組織、特に内臓器組織周辺に付着・蓄積する脂肪組織および皮下層に蓄積する脂肪組織情報を高精度で簡便に測定可能とする方法および装置を提供することにあり、さらに、これらに関し、体幹骨格筋組織量、四肢の骨格筋組織量の測定もできるようにすることにもある。
本発明の一つの観点によれば、体幹の電気的等価回路を利用して体幹の内臓脂肪組織量[FV]を推定する装置であって、前記電気的等価回路は、前記体幹の内臓器組織のインピーダンス[ZVM]と前記体幹の内臓脂肪組織のインピーダンス[ZFV]との直列回路に対して少なくとも前記体幹の骨格筋組織層のインピーダンス[ZMM]が並列に接続されたものであり、前記電気的等価回路を利用して前記体幹の内臓脂肪組織のインピーダンス[ZFV]の推定を行い、該推定した前記体幹の内臓脂肪組織のインピーダンス[ZFV]を利用して前記内臓脂肪組織量[FV]を推定するものであって、前記体幹の骨格筋組織層のインピーダンス[ZMM]を、前記体幹の骨格筋組織層の筋線維方向に対して感度の高い第1の周波数と前記体幹の骨格筋組織層の筋線維方向に対して感度の低い第2の周波数を用いて計測する体幹内臓脂肪推定装置が提供される。
前記電気的等価回路は、前記体幹の内臓器組織のインピーダンス[ZVM]と前記体幹の内臓脂肪組織のインピーダンス[ZFV]との直列回路と、該直列回路に対して並列に接続された前記体幹の骨格筋組織層のインピーダンス[ZMM]に加え、更に、前記直列回路と前記体幹の骨格筋組織層のインピーダンス[ZMM]の双方に対して並列に接続された体幹の皮下脂肪組織層のインピーダンス[ZFS]とを有するものであってもよい。
本発明の一つの実施の形態によれば、前記内臓脂肪組織量[FV]は、身体特定化情報の1つである身長[H]を利用して、
FV = a13*H 2 / ZFV + b13
(a13、b13は、回帰係数で定数である)
によって推定される。
本発明の別の実施の形態によれば、前記内臓脂肪組織量[FV]は、身体特定化情報である身長[H]、体重[W]、年齢[Age]を利用して、
男性用:FV = a14*H 2 /ZFV + b14*H + c14*W + d14*Age + e14
女性用:FV = a15*H 2 /ZFV + b15*H + c15*W + d15*Age + e15
(a14、a15、b14、b15、c14、c15、d14、d15、e14、e15は、回帰係数で定数である)
によって推定される。
本発明のさらに別の実施の形態によれば、前記内臓脂肪組織のインピーダンス[ZFV]は、
ZFV=[(n−1)*Ztm(f1)]/[n−Ztm(f1)/Ztm(f2)]−ZVM
(f1は、前記第1の周波数、f2は、前記第2の周波数、Ztm(f1)は、f1による体幹中部のインピーダンスである実測値、Ztm(f2)は、f2による体幹中部のインピーダンスである実測値、nは、ほぼ一定の減衰係数である)
によって推定される。
本発明のさらに別の実施の形態によれば、前記第1の周波数は、約50kHzであり、前記第2の周波数は、150kHz以上である。
本発明のさらに別の実施の形態によれば、前記内臓器組織のインピーダンス[ZVM]は、身体特定化情報である身長[H]を利用して、
ZVM = a6*H 2 / VM + b6
(VMは、体幹中部の内臓器組織量、a6、b6は、回帰係数で定数である)
によって推定される。
本発明のさらに別の実施の形態によれば、前記内臓器組織のインピーダンス[ZVM]は、身体特定化情報である身長[H]、体重[W]、年齢[Age]を利用して、
男性用:ZVM= a7*H 2 /VM + b7*H + c7*W + d7*Age + e7
女性用:ZVM= a8*H 2 /VM + b8*H + c8*W + d8*Age + e8
(VMは、体幹中部の内臓器組織量、a7、a8、b7、b8、c7、c8、d7、d8、e7、e8は、回帰係数で定数である)
によって推定される。
本発明のさらに別の実施の形態によれば、前記体幹中部の内臓器組織量[VM]は、身体特定化情報である身長[H]、体重[W]、年齢[Age]を利用して、
男性用: 内臓器組織量[VM] = a4*身長[H]+ b4*体重[W] + c4*年齢[Age] + d4
女性用: 内臓器組織量[VM] = a5*身長[H]+ b5*体重[W] + c5*年齢[Age] + d5
(a4、a5、b4、b5、c4、c5、d4、d5は、回帰係数で定数である)
によって推定される。
本発明のさらに別の実施の形態によれば、前記体幹の骨格筋組織層のインピーダンス[ZMM]は、
[1/Ztm(f2)−1/Ztm(f1)]/[n*(n−1)]
(f1は、前記第1の周波数、f2は、前記第2の周波数、Ztm(f1)は、f1による体幹中部のインピーダンスである実測値、Ztm(f2)は、f2による体幹中部のインピーダンスである実測値、nは、ほぼ一定の減衰係数である)
によって計算される。
本発明の一つの観点によれば、体幹の電気的等価回路を利用して体幹の内臓脂肪組織量[FV]を推定する方法であって、前記電気的等価回路は、前記体幹の内臓器組織のインピーダンス[ZVM]と前記体幹の内臓脂肪組織のインピーダンス[ZFV]との直列回路に対して少なくとも前記体幹の骨格筋組織層のインピーダンス[ZMM]が並列に接続されたものであり、前記電気的等価回路を利用して前記体幹の内臓脂肪組織のインピーダンス[ZFV]を推定し、該推定した前記体幹の内臓脂肪組織のインピーダンス[ZFV]を利用して前記内臓脂肪組織量[FV]を推定する段階を備え、前記体幹の骨格筋組織層のインピーダンス[ZMM]は、前記体幹の骨格筋組織層の筋線維方向に対して感度の高い第1の周波数と前記体幹の骨格筋組織層の筋線維方向に対して感度の低い第2の周波数の少なくとも二種類の周波数を用いて計測されることを特徴とする体幹内臓脂肪推定方法が提供される。
前記電気的等価回路は、前記体幹の内臓器組織のインピーダンス[ZVM]と前記体幹の内臓脂肪組織のインピーダンス[ZFV]との直列回路と、該直列回路に対して並列に接続された前記体幹の骨格筋組織層のインピーダンス[ZMM]に加え、更に、前記直列回路と前記体幹の骨格筋組織層のインピーダンス[ZMM]の双方に対して並列に接続された体幹の皮下脂肪組織層のインピーダンス[ZFS]とを有するものであってもよい。
本発明によれば、そのレベルに応じた内臓器組織付近付着、蓄積脂肪組織の蓄積具合を従来の簡易計測法を踏襲する中で、精度の高いスクリーニング情報を顕在化させることができる。
すなわち、本発明によれば、体幹部のインピーダンス計測を骨格筋組織層の周波数特性依存性を応用することで、筋線維走行方向に感度の高い周波数f1と、それより高い周波数帯で筋線維走行方向の依存性がほぼ無視できる周波数f2で実施することで得られた2値の体幹部インピーダンス情報から、体幹中部の骨格筋組織層及び内臓脂肪組織を分離特定化することができ、より高い精度で体幹内臓脂肪組織の測定を行うことができる。
また、本発明によれば、2周波による組織分離特定化を四肢に適用することで、体幹骨格筋組織量や四肢骨格筋組織量の測定もより高い精度で行うことができる。
本発明によれば、小型で簡便な装置にて体幹内臓脂肪組織および四肢骨格筋組織量を精度よく測定できるので、家庭用として最適なものとすることもできる。しかも、内臓器組織付近への脂肪組織の付着・蓄積と四肢体幹各セグメントの骨格筋組織発達量とのバランスをチェックでき、また、測定前の腹部コンディションチェック、すなわち、内臓器組織等での炎症や病的な体液分布異常の早期チェック等も可能で、それに応じた適切な健康指針アドバイスも与えることができる。したがって、ユーザにとっては、食事および運動による日々のダイエットを適正に行い且つそのためのモチベーションを維持し、継続可能な健康の維持増進の自己管理をする上で役立つ諸情報を簡便な仕方で得ることができ、非常に有用なものとなる。
本発明の実施の形態および実施例について説明する前に、本発明の体幹部の内臓脂肪組織および体幹骨格筋組織量、四肢骨格筋組織量の測定原理について説明する。本発明は、基本的には、上肢(腕)、下肢(脚)、体幹(体幹中部)等の四肢誘導法で得られるセグメント毎の生体電気インピーダンス情報と身体特定化情報を用いて、体幹腹部(中部)の内臓脂肪組織情報(横断面積量,体積量または重量)及び皮下脂肪組織量との比(V/S)、皮下脂肪組織と内臓脂肪組織の合計脂肪組織量(体幹腹部脂肪組織量)を推定可能とすることにある。
そして、本発明は、骨格筋組織層の周波数依存特性を応用して、依存性の高い周波数f1:50kHz近辺及びそれ以下の周波数とf1より高い周波数で依存性の影響がほほ無視できる周波数帯f2:150kHz以上(100kHzでも、ぎりぎりS/Nを確保できる可能性あり)の少なくとも二種類の周波数帯で組織層インピーダンスを計測し、内部構成組織分離を可能とすることを特徴とする。
また、本発明は、体幹区間で、2周波数によるインピーダンス計測値と身体特定化情報を用いて、内臓脂肪組織量を分離計測可能とする。
さらにまた、本発明は、四肢区間で2周波数によるインピーダンス計測値と身体特定化情報を用いて、四肢骨格筋組織量を分離計測可能としている。これにより、単周波より、組織量推定精度の向上が実現でき、構成骨格筋群の筋線維特性の違いによる感度のばらつきを改善できる。
本発明は、このため次のような手法を駆使する。
(1)体幹腹部の生体電気インピーダンス情報に含まれる組織情報を骨格筋組織層と内臓器組織と内臓脂肪組織で直並列の等価回路モデルで仮定すること。内臓器組織と内臓脂肪組織を直列に考える。
(2)なお、腹囲長(又は、腹部幅や腹部厚)が身体特定化情報として確保できる場合は、皮下脂肪組織量も、等価回路モデルに含めた、高精度モデルとして、皮下脂肪組織層と骨格筋組織層と内臓器組織と内臓脂肪組織で直並列の等価回路モデルで仮定すること。
(3)皮下脂肪組織量推定は、身体特定化情報のうち腹囲長を主の説明変数とした重回帰式で構成されること。さらには、腹囲長の二乗を主体的説明変数と置くこと。
(4)上肢(腕)、下肢(脚)の四肢誘導法で得られるセグメント毎の生体電気インピーダンス情報の中でも、体幹(中)部のインピーダンス情報と、これを測定するためのインピーダンス測定周波数を2周波数で実施し、身体特定化情報を用いて、体幹腹部(中部)の骨格筋組織層情報を顕在化させ、内臓脂肪組織情報推定のための未確定情報の確定に用いる。
(5)内臓器と内臓脂肪組織の直列組織体と骨格筋組織層の並列構成に対して、2周波数で体幹を計測することで、内臓器組織と内臓脂肪組織の直列組織体を特定化可能とする。
(6)内臓器組織情報の確定は、身体特定化情報のうち、身長情報が主体的な説明変数とした重回帰式で構成し、内臓脂肪組織情報推定のための未確定情報の確定に用いる。
(7)各組織を定量化するための重回帰分析(検量線作成手法)に用いる組織の基準測定は、臍位でのX線CT断層画像からの組織横断面積(CSA:Cross-Section Area)やMRI法によるCSA及び体幹腹部全体でのDEXA法、MRI法(長さ方向へ、スライス毎の積分処理)を用いた組織体積量、重量(体積量から重量への変換は、先行研究による組織密度情報より算出可能)で実現できる。DEXA法では、腹部内臓脂肪組織と皮下脂肪組織の合計の総脂肪組織情報を基準測定できる。
(8)上記の様な手法を用いて内臓脂肪組織の情報を高精度に捕捉可能とするためには、呼吸等による体幹部の計測インピーダンス情報の変動を一定条件値に置き換える手立てが必要となり、インピーダンス計測サンプリング周期を一般的な呼吸周期の1/2以内とし、呼吸変化を時系列的にモニタリングして、呼吸周期及び呼吸周期毎の最大値と最小値を呼吸周期毎に判別し、安静呼吸の中央値を補足可能とすること。
(9)さらに、測定前の飲食及び膀胱尿の貯留などによる悪影響の事前チェックも、計測インピーダンス情報より可能とする。一般に、体幹腹部のインピーダンス値は、健康な一般的な被験者集団では、骨格筋組織層の情報が支配的に反映される。また、体幹の骨格筋組織層の情報は、測定値としては非常に小さく個々人毎で大きな違いが認められない。理由は、地球重力下で自重を支えて発達する抗重力筋との相関の高いデザインとなるため、特別に寝たきりで重力の影響を受けない被験者とか、自重の数倍のストレスが加わる種目のアスリートなど、特殊な集団以外ではほぼ身体サイズで決定されてしまうためである。よって、前記体幹腹部の骨格筋組織量の推定は、四肢骨格筋組織層からの方が測定感度の良い成果が期待できるわけである。ここで、骨格筋組織層及び前記呼吸変動以外で体幹腹部のインピーダンスに影響が大きいのは、飲食及び膀胱尿の貯留などによるものである。よって、集団データとして体幹中部のインピーダンス値を収集し、平均値[mean]と偏差[SD]で見ると、飲食及び膀胱尿の貯留などによる影響は、2SDを超える範囲にあることがわかった。ただ、ある程度のアスリート等の準一般的集団まで踏まえると、3SDをクライテリアとすることで、本影響のスクリーニングを可能と出来る。判定感度を上げる方法としては、性別、体重、身長別で規定値を細分化する。又は、体重で割るか、身長で割って単位当りの値として規定値を規定する。
(10)さらに、体幹腹部の骨格筋組織層及び内臓器組織の局部的炎症による変化部位の特定も、四肢誘導法の通電ルートの異なる誘導法(4種類)からの体幹腹部インピーダンス値の比較から、ある程度の特定が可能と出来る。よって、炎症等の病的とも取れる体幹腹部の体液分布変化の視点からの内臓器組織や骨格筋組織層のコンディションチェックも可能と考えられる。
次に、前述したような手法に基づく本発明の測定原理につき、順を追って詳述していく。
1.2周波による骨格筋組織層のインピーダンスの測定
(1)骨格筋組織層は、長さ方向に対して筋線維方向がほぼ真っ直ぐな紡錘筋と鳥の羽の様に斜めに筋線維が走る羽状筋が混在して各部位の骨格筋組織層を構成し、多様な機能を実現できる様に出来ている。
(2)骨格筋組織層の電気的特性を表す指標として、体積抵抗率ρ[Ω・cm]があるが、骨格筋組織層でのこの値は、筋線維方向によって大きく異なり、筋線維方向に通電した場合と、90°の角度を持って通電した時とでは、ρ90°/ρ0°=5〜10倍異なることが報告されている。
(3)また、この体積抵抗率は、周波数特性を持ち、f1:50kHz近辺の周波数帯でこの筋線維に対する感度が最も高くなると報告されている。つまり、紡錘筋と羽状筋では、または、羽状筋でもその羽状角度によって、体積抵抗率が異なることになり、個々の特質の筋群が並列に存在するモデルで通電方向を長手方向と考えると、体積抵抗率の低い筋群ほど通電量が多くなり、羽状角度が大きい筋ほど通電量が少なくなり、その測定区間の合成インピーダンス情報は、通電量が多い組織に対して支配的な感度で計測されることになる。f1より高いf2:150kHz及びそれ以上の周波数帯では、この筋線維走行方向の影響を受け難くなってくるといわれている。つまり、測定区間中の骨格筋組織層全体を示すインピーダンス情報が得易くなる事になる。ただし、骨格筋組織量を計測する場合は、f2の方が有利だと言うことになるが、体脂肪率等の身体のパフォ−マンスに関連する組織情報等の推定に際しては、f1で得られる偏りのある計測感度の情報の方が、有利となる場合もある。
2.四肢及び体幹中部骨格筋組織層の推定
(4)四肢の骨格筋組織量は、測定区間のインピーダンス計測値とその区間の長さ情報から、骨格筋組織量の推定が可能である。ここで、後述の「2周波四肢誘導法による内臓脂肪組織の特定2周波通電探査による四肢骨格筋組織計測法について」の項において詳述するように、
ZMl(f2)=ZMl(f1)/m’=[1/Zl(f2)−1/Zl(f1)]/[m’ *(m’−1)]・・・式51
ZMu(f2)=ZMu(f1)/m=[1/Zu(f2)−1/Zu(f1)]/[m*(m−1)]・・・式49
よって、
下肢骨格筋組織量[MMl]=a1*Ll2/ZMl(f2) + b1・・・式2(後述の式52と同じ)
上肢骨格筋組織量[MMu]=a2*Lu2/ZMu(f2) + b2・・・式3(後述の式50と同じ)
ここで、a1、a2、b1、b2は、回帰係数で定数である。Ll:下肢の長さ、Luは、上肢の長さ、Zlは、下肢のインピーダンス値、Zuは、上肢のインピーダンス値である。さらに、(f1)、(f2)は、測定周波数を示す。m、m’は、周波数特性からの減衰係数で組織部位ごとで定値で取り扱う。
(5)体幹中部の骨格筋組織発達(量)も、上下肢の骨格筋組織量の推定手法とどうようの手順で推定可能である。つまり、体幹中部のインピーダンス計測値とその区間の長さの二乗Ltm2から、骨格筋組織量の推定が可能である。
ここで、後述の「2周波四肢誘導法による内臓脂肪組織の特定2周波通電探査による内臓脂肪組織計測法について」の項において詳述するように、
ZMM(f2)=ZMM(f1)/n=[1/Ztm(f2)−1/Ztm(f1)]/[n*(n−1)]・・・式18(後述の式39と同じ)
よって、
体幹中部骨格筋組織量[MMtm] =a0*Ltm2/ZMM(f2) + b0・・式1(後述の式40と同じ)
ここで、a0、b0は、回帰係数で定数である。Ltm:体幹中部の長さ、Ztmは、体幹中部のインピーダンス値である。さらに、(f1)、(f2)は、測定周波数を示す。nは、周波数特性からの減衰係数で定値で取り扱う。
(6)四肢長及び体幹長は、一般的な対象者であれば身長、体重、性別、年齢等の身体(個人)特定化情報より推定しても良い(特に、性別毎での身長情報が有用性高い)。
(7)同様に、上下肢の骨格筋組織量及び体幹中部骨格筋組織量の推定式へも、説明変数として性別、年齢、体重等の身体特定化情報を付加することにより、発育発達及び加齢による神経系及び組織の質的変化を統計的に若干補正することも可能である。
(8)尚、重回帰推定式を作成する折の基準側の測定は、MRI法、DEXA法で求めた骨格筋組織量を用いる。
(9)また、もっとシンプルな精度向上が期待できる方法として、体幹及び四肢長情報が測定によって得られる以外の、身長等の身体特定化情報より体幹及び四肢長情報を推定する場合には、四肢のインピーダンス情報を直接体幹中部骨格筋組織量の推定式に組み込む手法である。
体幹中部骨格筋組織量[MMtm]= a3*H2/ZMM(f2) + b3・・・式4
ここで、a3、b3は、回帰係数で定数である。Hは身長である。
3.体幹部構成組織の電気的等価回路モデル化
(10)四肢誘導法より求められる体幹のインピーダンスは、体幹中部の情報となる。このインピーダンスについては、後述する実施例についての説明において詳述する。
(11)体幹中部を構成する組織は、皮下脂肪組織層と、骨格筋組織層(腹筋群、背筋群)と、内臓器組織とその隙間に付着する内臓脂肪組織と考えることが出来る。ここでは、骨組織を構成組織としてあげていないが、骨組織は骨格筋組織層と量的相関が非常に高く、一体の組織体として考える。体積抵抗率も、生体内では骨髄組織なども含めることで可也導電性が良く、骨格筋組織層や内臓器組織に近い特性を有するものと考えられる。よって、この4組織を電気的な等価回路モデルで現すと、内臓器組織と内臓脂肪組織を直列に構成し、その直列の合成組織に対して、皮下脂肪組織層および骨格筋組織層がそれぞれ並列に構成される。この等価回路モデルについては、後述する実施例についての説明において詳述する。このモデルによると、体幹の長さ方向への通電に対しては、骨格筋組織層に支配的に電流が流れる。内臓脂肪組織は、内臓器組織の周辺の隙間に附着することから、内臓脂肪組織が無い時、または少ない時、内臓器組織が骨格筋組織層に近い導電性を示すことから、内臓器組織側にも電流が通電されることになる。また、内臓脂肪組織が多くなるほど、内臓器組織と内臓脂肪組織の複合体としての合成組織層への通電量が低下してゆくことになる。体幹中部の計測インピーダンスと、それを構成する4組織を等価回路モデルで表した時のモデル式は、下記様に表現できる。
Ztm = ZFS//ZMM//(ZVM+ZFV) ・・・式6
ここで、
体幹中部全体のインピーダンス:Ztm
皮下脂肪組織層のインピーダンス:ZFS・・・体積抵抗率は、大きい。
骨格筋組織層のインピーダンス:ZMM・・・体積抵抗率は、小さい。
内臓器組織のインピーダンス:ZVM・・・骨格筋組織層に近い体積抵抗率と考えられている。
内臓脂肪組織のインピーダンス:ZFV・・・体積抵抗率は、皮下脂肪組織層と同等かそれよりも、やや小さ目と考えられる。脂肪の合成分解が皮下脂肪に比べて速いことから、組織内血管及び血液量が多いものと考えられる。
よって、各組織間の電気的特性の比較関係は、
ZFS >> (ZVM+ZFV) >> ZMM ・・・式7
と考えられる。
この式6、7の関係式から、次の様な二つのアプローチ案によって、内臓脂肪組織情報を推測可能とする手法が考えられる。
(12)アプローチ1
皮下脂肪組織層は、他の構成組織と比較する中で体積抵抗率が高いことから体幹中部の等価回路から見て、省略して考える。つまり、体幹中部で計測されるインピーダンス値には、体幹中部の皮下脂肪組織層を除いた内臓脂肪組織を含む除脂肪組織の情報が計測されているものと考えることが出来る。よって、この関係式は、次の様に表現できる。
Ztm ≒ ZMM//(ZVM+ZFV) ・・・式8
式8を変形すると、
1/Ztm ≒ 1/ZMM + 1/(ZVM+ZFV) ・・・式9
この式中の骨格筋組織層のインピーダンスZMMおよび内臓器組織のインピーダンスZVMを下記で記述される手段で顕在化することで、内臓脂肪組織のインピーダンスZFVを算出可能となる。そして、この内臓脂肪組織のインピーダンス情報より、内臓脂肪組織量を推定可能と出来る。式9からZFVを誘導すると、次の式10となり、内臓脂肪組織の情報を有するインピーダンス情報を求めることができる。
ZFV= 1/[ 1/Ztm−1/ZMM] − ZVM・・・式10
(13)アプローチ2
前記アプローチ1では皮下脂肪組織層を省略して考えたが、皮下脂肪組織層を大量に有する被験者に対しては誤差要因となりえるため、式6のままで進める方法である。
この式中の骨格筋組織層のインピーダンスZMMおよび内臓器組織のインピーダンスZVMは、前記手法と同様とし、皮下脂肪組織層のインピーダンスZFSに対して、インピーダンス情報は他の組織と同様の考え方で皮下脂肪組織量と有用な関係が有る。ここで、皮下脂肪組織量は、その組織表面での周囲長、つまり、腹囲長との相関が非常に高い関係があることが一般に報告されている(特に皮下脂肪組織層が多い被験者に対して、または、皮下脂肪組織を除く除脂肪組織に比較して多い場合)ことから、皮下脂肪組織層は腹囲長情報から推定可能となる。よって、皮下脂肪組織層のインピーダンスは、腹囲長の情報から推測可能と出来る。以下、前記アプローチと同様の手法で内臓脂肪組織のインピーダンスZFVを算出可能となる。そして、この内臓脂肪組織のインピーダンス情報より、内臓脂肪組織量を推定可能と出来る。
式6を変形すると、
1/Ztm = 1/ZFS + 1/ZMM + 1/(ZVM+ZFV) ・・・式11
ZFV= 1/[ 1/Ztm−1/ZMM−1/ZFS] − ZVM・・・式12
4.内臓器組織量[VM]からのインピーダンス[ZVM]の推定
(14)体幹中部の内臓器組織量[VM]は、身長,体重,性別,年齢等の身体(個人)特定化情報から推定することが出来る。説明変数の中で、身長項の影響が大きい。
男性用: 内臓器組織量[VM] = a4*身長[H]+ b4*体重[W] + c4*年齢[Age] + d4・・・式13-1
女性用: 内臓器組織量[VM] = a5*身長[H]+ b5*体重[W] + c5*年齢[Age] + d5・・・式13-2
ここで、a4、a5、b4、b5、c4、c5、d4、d5は、回帰係数で定数である。
なお、本検量線(回帰式)に用いる内臓脂肪組織量VMの基準量の計測は、MRI法やX線CТ法により得られるスライス毎のCSA(組織横断面積)を長さ方向に積分して求めた組織体積、または、臍位等の1スライスからのCSAとする。組織体積は、先行研究論文等で公知の組織密度情報から重量へ変換することで組織量とすることが出来る。
(15)次に、内臓器組織のインピーダンスZVMを推定する。
各組織とも、インピーダンスと組織量との関係を式で表現可能とするために、円柱モデルを適用する。適用式は、下記の様に表現できる。
VM ∝ LVM2 / ZVM・・・式14-1
変形すると、
ZVM ∝ LVM2 / VM・・・式14-2
ここで、LVMは、円柱モデル化するときの仮想円柱長であるが、体幹長[Lt],体幹中部長[Ltm]および身長[H]との高い相関関係が有ることから、
LVM ∝ Lt ∝ Ltm ∝ H ・・・式15
よって、 LVMの代わりに身長H(体幹の実測情報が得られるのであれば、LtまたはLtmで式中に用いる)で代用するとすると、
ZVM = a6*H2 / VM + b6・・・式16
となり、内臓器組織のインピーダンスZVMを推定することが出来る。
ここで、a6、b6は、回帰係数で定数である。
この式16は、単回帰式であるが身体特定化情報を説明変数として組み込む重回帰式とすることで、推定精度向上が期待できる。
男性用:ZVM = a7*H2 /VM + b7*H + c7*W + d7*Age + e7・・・式17-1
女性用: ZVM = a8*H2 /VM + b8*H + c8*W + d8*Age + e8・・・式17-2
ここで、a7、a8、b7、b8、c7、c8、d7、d8、e7、e8は、回帰係数で定数である。
5.骨格筋組織層のインピーダンス[ZMM]の算出
(16)後述の「2周波四肢誘導法による内臓脂肪組織の特定 2周波通電探査による内臓脂肪組織計測法について」の項において詳述するように、
ZMM(f2)=ZMM(f1)/n=[1/Ztm(f2)−1/Ztm(f1)]/[n*(n−1)]・・・式18(後述の式39と同じ)
周波数f2で測定した推定骨格筋組織層のインピーダンスをZMM(f2)とする。
以降、ZMM←ZMM(f2)として省略表示する。
6.皮下脂肪組織量[FS]からのインピーダンス[ZFS]の推定
(17)体幹中部の皮下脂肪組織量[FS]は、腹囲長[Lw]2から推定することが出来る。さらに、他の身体特定化情報を説明変数として付加して重回帰式とすることで精度向上が期待できる。
男性用: 皮下脂肪組織量[FS] = a10*腹囲長[Lw]2+b10*身長[H]+ c10*体重[W] + d10*年齢[Age] + e10・・・式22-1
女性用: 皮下脂肪組織量[FS] = a11*腹囲長[Lw]2+b11*身長[H]+ c11*体重[W]+ d11*年齢[Age] + e11・・・式22-2
ここで、a10、a11、b10、b11、c10、c11、d10、d11、e10、e11は、回帰係数で定数である。
なお、本検量線(回帰式)に用いる皮下脂肪組織量FSの基準量の計測は、МRI法やX線CТ法により得られるスライス毎のCSA(組織横断面積)を長さ方向に積分して求めた組織体積、または、臍位等の1スライスからのCSAとする。組織体積は、先行研究論文等で公知の組織密度情報から重量へ変換することで組織量とすることが出来る。
(18)次に、皮下脂肪組織層のインピーダンスZFSを推定する。
各組織とも、インピーダンスと組織量との関係を式で表現可能とするために、円柱モデルを適用する。適用式は、下記の様に表現できる。
FS ∝ Ltm2 / ZFS・・・式23-1
変形すると、
ZFS ∝ Ltm2 / FS・・・式23-2
ここで、Ltmは、円柱モデル化するときの体幹中部長であるが、体幹長[Lt]および身長[H]との高い相関関係が有ることから、
Ltm ∝ Lt ∝ H ・・・式20
よって、 Ltmの代わりに身長H(体幹の実測情報Ltm、Ltが得られない場合)で代用するとすると、
ZFS = a12*H2 / FS + b12・・・式24
となり、皮下脂肪組織層のインピーダンスZFSを推定することが出来る。
ここで、a12、b12は、回帰係数で定数である。
この式24は、単回帰式であるが身体特定化情報を説明変数として組み込む前記同様の手順により重回帰式とすることで、推定精度向上が期待できる。
7.内臓脂肪組織量[FV]の推定
(19)内臓脂肪組織のインピーダンス[ZFV]は、式10または式12へ、体幹中部の実測インピーダンス[Ztm]と、式16、17で求めた内臓器組織のインピーダンス[ZVM]と、式18で求めた骨格筋組織層のインピーダンス[ZMM]を、または式24で求めた皮下脂肪組織層のインピーダンス[ZFS]を代入することで求められる。
(20)この内臓脂肪組織のインピーダンス[ZFV]情報から、内臓脂肪組織量[FV]を推定する。
各組織とも、インピーダンスと組織量との関係を式で表現可能とするために、円柱モデルを適用する。適用式は、下記の様に表現できる。
FV ∝ LFV2 / ZFV・・・式25
ここで、LFVは、円柱モデル化するときの仮想円柱長であるが、体幹長[Lt]、体幹中部長[Ltm]および身長[H]との高い相関関係が有ることから、
LFV ∝ Lt ∝ Ltm ∝ H ・・・式26
よって、 LFVの代わりに身長H(体幹の実測情報が得られるのであれば、Lt またはLtmで式中に用いる)で代用するとすると、
FV = a13*H2 / ZFV + b13・・・式27
となり、内臓脂肪組織量FVを推定することが出来る。
ここで、a13、b13は、回帰係数で定数である。
この式27は、単回帰式であるが身体特定化情報を説明変数として組み込む重回帰式とすることで、推定精度向上が期待できる。
男性用:FV = a14*H2 /ZFV + b14*H + c14*W + d14*Age + e14・・・式28-1
女性用: FV = a15*H2 /ZFV + b15*H + c15*W + d15*Age + e15・・・式28-2
ここで、a14、a15、b14、b15、c14、c15、d14、d15、e14、e15は、回帰係数で定数である。
8.体幹腹部脂肪組織量[FM]の推定
(21)腹部脂肪組織量[FM]は、式22からの皮下脂肪組織量[FS]と式27または式28からの内臓脂肪組織量[FV]から求めることが出来る。
FM=FS+FV・・・式29
(22)他の腹部脂肪組織量[FM]の推定法としては、基準計測情報としてDEXA法を用いて腹部脂肪組織量を計測し、式22からの皮下脂肪組織量[FS]と式27または式28からの内臓脂肪組織量[FV]の主要パラメータを説明変数に用いることで、腹部脂肪組織量[FM]の推定を可能とする。つまり、腹囲長[Lw]2とH2 /ZFVと身体特定化情報とから重回帰式を作成することである。
9.体幹腹部内臓脂肪/皮下脂肪比[V/S]の推定
(23)内臓脂肪/皮下脂肪比[V/S]は、式22からの皮下脂肪組織量[FS]と式27または式28からの内臓脂肪組織量[FV]から求めることが出来る。
V/S=FV/FS・・・式30
10.体幹腹部(中部)のインピーダンスによる内臓器組織異常判定の考え方
(24)前記で内臓脂肪組織量推定に必要な体幹腹部(中部)のインピーダンスZtmは、呼吸及び飲食等により変動が大きな部位でもあることから、安定性及び信頼性の高い情報の計測が必要となる。よって、次の様な処理を加えることで、信頼性の高い体幹腹部のインピーダンス情報を確保出来る。また、一部体幹の体液分布の乱れに関連する情報としての視点から、体幹腹部の組織異常の判定も可能と出来る。
(25)呼吸による変動の影響除去処理
(a)一般的な呼吸周期時間の1/2より短いサンプリング周期で、体幹腹部のインピーダンスを測定する。
(b)サンプリング毎の測定データに対して移動平均等によるスムージング処理を施す。
(c)処理後の時系列データより、呼吸の周期性と周期毎の最大値と最小値を検出する。
(d)毎周期毎の最大値と最小値を各々別個に平均処理する。
(e)最大値と最小値の平均処理後の値を平均して、呼吸の中央値を算出する。
(f)呼吸周期毎の呼吸の中央値が規定回数規定以内の安定域に入った時点で、呼吸中央値確定と判断し、確定した中央値のインピーダンス値を体幹腹部のインピーダンス値として登録し、測定を完了とする。
(26)飲食及び膀胱等への水分貯留(尿等)による異常値判定処理
(a)体幹腹部のインピーダンスは、26.7±3.45Ω(mean±SD)が集団の一般的な値となる。
(b)反面、便秘及び膀胱尿の貯留や胃での飲食物の充満時の値は、mean±3SDの範囲を超える。
(c)よって、3SDを超える測定値が得られる場合には、飲食及び膀胱尿等の影響の可能性を被験者へ報知し、最善の環境で測定に望んで貰う様促す。ただし、実際にこれらの影響なしに骨格筋組織発達及び内臓器組織が標準サイズとは異なる被験者においては、測定を継続出来る様に進める。
(d)さらに、判定感度を上げる方法としては、性別、体重、身長別で規定値を細分化する。又は、体重で割るか、身長で割って単位当りの値として規定値を規定する。
(27)腹部内臓器組織等異常判定処理
(a)体幹腹部のインピーダンス計測は、四肢からの通電ルートの違いと観測側の電圧計測電極配置の組み合わせによって、体幹腹部への通電ルートを異にした測定インピーダンス間のわずかな違いから、内臓器組織や骨格筋組織層の病気・炎症によるコンディション異常及びその部位の特定を検知可能とする。
(b)後述するような4つの誘導法からの体幹腹部計測値の違いを判別のための情報として用いる。
(c)右上肢より通電した場合と、左上肢からの通電ルートとでは、心臓が左寄りである影響(左肺がその分小さい)から、左上肢からの通電による体幹腹部のインピーダンス値の方が低めに観測される。
(d)その他は、左右ほぼ対称のバランスとみなせる測定値となるのが正常状態とする。
Ztmlr ≒ Ztmll < Ztmrr ≒ Ztmrl
ここで、電流通電ルートと体幹腹部インピーダンスの識別表記は、次のようである。
右上肢と右下肢間通電ルート体幹腹部生体インピーダンス Ztmrr
左上肢と右下肢間通電ルート体幹腹部生体インピーダンス Ztmlr
右上肢と左下肢間通電ルート体幹腹部生体インピーダンス Ztmrl
左上肢と左下肢間通電ルート体幹腹部生体インピーダンス Ztmll
(e)この関係を満足できなくなる場合に、体幹腹部内の内臓器組織または骨格筋組織層及び骨格部(骨・関節)等の病気及び炎症の可能性が考えられる。
(f)例えば、左大腿付け根の関節部に炎症による浮腫が認められる場合は、Ztmlr > Ztmll 及びZtmrr > Ztmrl となる。
(g)また、便秘等で左大腸部異常の場合も、同様のバランスの違いが出てくる。
(h)また、右肺に水がたまった場合などでは、
Ztmlr ≒ Ztmll >= Ztmrr ≒ Ztmrl となる。
(i)このような場合に、内臓器組織及び骨格筋組織層、関節等の異常と判断して放置等の処理を設ける。
11.2周波四肢誘導法による内臓脂肪組織の特定 2周波通電探査による内臓脂肪組織計測法について
骨格筋組織層の筋線維走向に対して影響を受け易い周波数f1とそれより高い周波数帯で影響を受けなくなる周波数f2の2周波で体幹のインピーダンスを計測し、身体特定化情報との組み合わせで、体幹部中部の内臓脂肪組織量を特定する。骨格筋組織層は、電気的な周波数特性を持ち、筋線維方向と通電方向との走向角度によって、電気的特質を指す体積抵抗率ρ[Ωcm]が大きく変化する。また、この筋線維に対して感度の高い周波数は、f1:50kHz近辺と言われている。次に、筋線維及び細胞膜などを貫通可能とする周波数では、細胞膜や筋線維の走向等に影響を受けず安定した体積抵抗率ρ[Ωcm]値を示す。この安定な周波数帯は、f2:150kHz以上といわれている。100kHzでも、f1との相対的な特性としてある程度の安定性は確保出来る。そこで、
筋線維走向に対して一番感度が高い周波数帯f1:50kHz
筋線維走向に対して影響を受けない高周波帯f2:150kHz以上(ここでは仮に150kHzとする。)
を使用することを考える。
尚、細胞膜に対する安定周波数は、筋線維に比べて高く、250kHz程度必要と言われている。
先ず、図5の皮下脂肪組織層を省略して考えた体幹腹部の電気的等価回路とした場合における手順について説明する。
[ステップ1]
2周波による骨格筋組織層のインピーダンスは、それぞれ、
ZMM(f1):f1による骨格筋組織層のインピーダンス
ZMM(f2):f2による骨格筋組織層のインピーダンス
とする。ここで、内臓器組織及び内臓脂肪組織は、f1及びf2の周波数帯での体積抵抗率の変化はないものと仮定する。
2周波によって計測される体幹中部のインピーダンスは、それぞれ、
Ztm(f1):f1による体幹中部のインピーダンス
Ztm(f2):f2による体幹中部のインピーダンス
とする。
体幹中部の骨格筋組織層の筋線維走向周波数特性は、ほぼ一定の減衰係数:nで置く事ができ、次の式が成立する。
ZMM(f1)/n=ZMM(f2)・・・式31
よって、計算式は、次の様になる。
Ztm(f1)=ZMM(f1)//(ZVM+ZFV)
1/Ztm(f1)=1/ZMM(f1)+1/[ZVM+ZFV]・・・式32
Ztm(f2)=ZMM(f2)//(ZVM+ZFV)
1/Ztm(f2)=1/ZMM(f2)+1/[ZVM+ZFV]・・・式33
式33に式31を代入すると、
Ztm(f2)=[ZMM(f1)/n]//(ZVM+ZFV)1/Ztm(f2)=1/[ZMM(f1)/n]+1/[ZVM+ZFV]・・式34
式32、34より、
1/[ZVM+ZFV]=1/Ztm(f1)−1/ZMM(f1)=1/Ztm(f2)−1/[ZMM(f1)/n]・・式35
式35より、
1/ZMM(f1)=[1/Ztm(f2)−1/Ztm(f1)]/(n−1)・・・式36
次に、式32へ式36を代入して、
1/Ztm(f1)=[1/Ztm(f2)−1/Ztm(f1)]/(n−1)+1/[ZVM+ZFV]・・・式37
よって、式37を変形してZFVを求めると、
ZFV=[(n−1)*Ztm(f1)]/[n−Ztm(f1)/Ztm(f2)]−ZVM・・・式38
[ステップ2]
内臓器組織量[VM]からのインピーダンス[ZVM]の推定に関しては、身体特定化情報(身長,体重,性別,年齢)から推定できる。これについては、前述の4.項において説明したとおりである。推定値としてのZVMが求まったことによって、その値を式38に代入することで、内臓脂肪組織のインピーダンス[ZFV]を求めることが出来る。
ここで、nは一定値であり、Ztm(f1)、Ztm(f2)は、実測値である。
[ステップ3]
内臓脂肪組織量[FV]は、内臓脂肪組織のインピーダンス[ZFV]より算出できる。これについては、前述の7.項において説明したとおりである。
[ステップ4]
体幹中部の骨格筋組織量[MMtm]は、体幹中部の骨格筋組織層のインピーダンスでf2の周波数の測定値が、骨格筋組織量を推定するのに適した情報となる。f1の周波数では、筋線維の走行方向の違いによる構成筋群ごとのインピーダンス感度の違いが推定誤差として考えられるからである。よって、式36を式31で変形させることにより、体幹中部の骨格筋組織層のインピーダンスは、
ZMM(f2)=ZMM(f1)/n=[1/Ztm(f2)−1/Ztm(f1)]/[n*(n−1)]・・・式39(前述の式18と同じ)
次に、体幹中部の骨格筋組織量[MMtm]は、体幹中部長Ltmの二乗に比例し骨格筋組織層インピーダンスZMM(f2)に反比例することから、次の式で推定できる。この式の回帰解析の基準組織量の計測法は、MRI法及びCT法によるスライス毎の横断面積及び積分処理による体積量とする。
MMtm=a0*Ltm2/ZMM(f2)+b0・・・式40(前述の式1と同じ)
ここで、ZMM(f2)は、式39の情報を採用する。
次に、皮下脂肪組織層を省略せずに考慮した体幹腹部の電気的等価回路とした場合における手順について説明する。
[ステップ1']
2周波による骨格筋組織層のインピーダンスは、それぞれ、
ZMM(f1):f1による骨格筋組織層のインピーダンス
ZMM(f2):f2による骨格筋組織層のインピーダンス
とする。内臓器組織及び皮下・内臓脂肪組織は、f1及びf2の周波数帯での体積抵抗率の変化はないものと仮定する。
2周波によって計測される体幹中部のインピーダンスは、それぞれ、
Ztm(f1):f1による体幹中部のインピーダンス
Ztm(f2):f2による体幹中部のインピーダンス
とする。
体幹中部の骨格筋組織層の筋線維走向周波数特性は、ほぼ一定の減衰係数:nで置く事ができ、次の式が成立する。
ZMM(f1)/n=ZMM(f2)・・・式31
よって、計算式は、次の様になる。
Ztm(f1)=ZMM(f1)//ZFS//(ZVM+ZFV)
1/Ztm(f1)=1/ZMM(f1)+1/ZFS + 1/[ZVM+ZFV]
・・・式32'
Ztm(f2)=ZMM(f2)//ZFS//(ZVM+ZFV)
1/Ztm(f2)=1/ZMM(f2)+1/ZFS +1/[ZVM+ZFV]
・・・式33'
式33'に式31を代入すると、
Ztm(f2)=[ZMM(f1)/n]//ZFS//(ZVM+ZFV)
1/Ztm(f2)=1/[ZMM(f1)/n]+1/ZFS+1/
[ZVM+ZFV]・・・式34'
式32'、34'より、
1/[ZVM+ZFV]+1/ZFS =1/Ztm(f1)−1/ZMM(f1)
=1/Ztm(f2)−1/[ZMM(f1)/n]
・・・式35'
式35’より、
1/ZMM(f1)=[1/Ztm(f2)−1/Ztm(f1)]/(n−1)
・・・式36
次に、式32'へ式36を代入して、
1/Ztm(f1)=[1/Ztm(f2)−1/Ztm(f1)]/(n−1)+1/ZFS+1/[ZVM+ZFV]・・・式37'
よって、式37'を変形してZFVを求めると、
ZFV=[(n−1)*Ztm(f1)]/[n−Ztm(f1)/Ztm(f2)−(n−1)*Ztm(f1)/ZFS]−ZVM・・・式38'
[ステップ2']
内臓器組織量[VM]からのインピーダンス[ZVM]の推定に関しては、身体特定化情報(身長,体重,性別,年齢)から推定できる。これについて、前述の4.項において説明したとおりである。
[ステップ3']
体幹中部の皮下脂肪組織量[FS]は、腹囲長[Lw]2から推定することが出来る。さらに、皮下脂肪組織量[FS]からインピーダンス[ZFS]が推定出来る。これについては、前述の6.項において説明したとおりである。推定値としてのZVM及びZFSが求まったことによって、その値を式38'に代入することで、内臓脂肪組織のインピーダンス[ZFV]を求めることが出来る。
ここで、nは一定値であり、Ztm(f1)、Ztm(f2)は、実測値である。
[ステップ4']
内臓脂肪組織量[FV]は、内臓脂肪組織のインピーダンス[ZFV]より算出できる。これについては、前述の7.項において説明したとおりである。
[ステップ5']
体幹中部の骨格筋組織量[MMtm]は、体幹中部の骨格筋組織層のインピーダンスでf2の周波数の測定値が、骨格筋組織量を推定するのに適した情報となる。f1の周波数では、筋線維の走行方向の違いによる構成筋群ごとのインピーダンス感度の違いが推定誤差として考えられるからである。よって、式36を式31で変形させることにより、体幹中部の骨格筋組織層のインピーダンスは、
ZMM(f2)=ZMM(f1)/n=[1/Ztm(f2)−1/Ztm(f1)]/[n*(n−1)]・・・式39(前述の式18と同じ)
次に、体幹中部の骨格筋組織量[MMtm]は、体幹中部長Ltmの二乗に比例し骨格筋組織層インピーダンスZMM(f2)に反比例することから、次の式で推定できる。この式の回帰解析の基準組織量の計測法は、MRI法及びCT法によるスライス毎の横断面積及び積分処理による体積量とする。
MMtm=a0*Ltm2/ZMM(f2)+b0・・・式40(前述の式1と同じ)
ここで、ZMM(f2)は、式39の情報を採用する。
12.2周波四肢誘導法による内臓脂肪組織の特定2周波通電探査による四肢骨格筋組織計測法について
骨格筋組織層の筋線維走向に対して影響を受け易い周波数f1とそれより高い周波数帯で影響を受けなくなる周波数f2の2周波で体幹のインピーダンスを計測し、身体特定が情報との組み合わせで、四肢各部の骨格筋組織量を特定する。骨格筋組織層は、電気的な周波数特性を持ち、筋線維方向と通電方向との走向角度によって、電気的特質を指す体積抵抗率ρ[Ωcm]が大きく変化する。また、この筋線維に対して感度の高い周波数は、f1:50kHz近辺と言われている。次に、筋線維及び細胞膜などを貫通可能とする周波数では、細胞膜や筋線維の走向等に影響を受けず安定した体積抵抗率ρ[Ωcm]値を示す。この安定な周波数帯は、f2:150kHz以上といわれている。100kHzでも、f1との相対的な特性としてある程度の安定性は確保出来る。そこで、
筋線維走向に対して一番感度が高い周波数帯f1:50kHz
筋線維走向に対して影響を受けない高周波帯f2:150kHz以上(ここでは仮に150kHzとする。)
を使用することを考える。
尚、細胞膜に対する安定周波数は、筋線維に比べて高く、250kHz程度必要とも言われている。
ここで、上肢部の骨格筋組織量を推定する場合について説明することにし、上肢部のインピーダンスZuは、上肢骨格筋組織層インピーダンスZMuと、皮下脂肪組織層インピーダンスZFuと、骨組織インピーダンスZBuとの並列回路から生ずるものとする。
[ステップ1]
2周波による骨格筋組織層のインピーダンスは、それぞれ、
ZMu(f1):f1による骨格筋組織層のインピーダンス
ZMu(f2):f2による骨格筋組織層のインピーダンス
とする。骨及び皮下脂肪組織層は、f1及びf2の周波数帯での体積抵抗率の変化はないものと仮定する。
2周波によって計測される四肢部上肢のインピーダンスは、それぞれ、
Zu(f1):f1による上肢部のインピーダンス
Zu(f2):f2による上肢部のインピーダンス
とする。
上肢部の骨格筋組織層の筋線維走向周波数特性は、ほぼ一定の減衰係数:mで置く事ができ、次の式が成立する。
ZMu(f1)/m=ZMu(f2)・・・式41
よって、計算式は、次の様になる。
Zu(f1)=ZMu(f1)//ZFu//ZBu
1/Zu(f1)=1/ZMu(f1)+1/ZFu+1/ZBu・・・式42
Zu(f2)=ZMu(f2)//ZFu//ZBu
1/Zu(f2)=1/ZMu(f2)+1/ZFu+1/ZBu・・・式43
式43に式41を代入すると、
Zu(f2)=[ZMu(f1)/m]//ZFu//ZBu
1/Zu(f2)=1/[ZMu(f1)/m]+1/ZFu +1/ZBu・・・式44
式42,44より、
1/ZFu+1/ZBu=1/Zu(f1)−1/ZMu(f1)=1/Zu(f2)−1/[ZMu(f1)/m]・・・式45
式45より、
1/ZMu(f1)=[1/Zu(f2)−1/Zu(f1)]/(m−1)・・・式46
[ステップ2]
四肢部上肢の骨格筋組織量[MMu]は、上肢部の骨格筋組織層のインピーダンスでf2の周波数の測定値が、骨格筋組織量を推定するのに適した情報となる。f1の周波数では、筋線維の走行方向の違いによる構成筋群ごとのインピーダンス感度の違いが推定誤差として考えられるからである。よって、式46を式41で変形させることにより、上肢部の骨格筋組織層のインピーダンスは、
ZMu(f2)=ZMu(f1)/m=[1/Zu(f2)−1/Zu(f1)]/[m *(m−1)]・・・式49
次に、四肢部上肢の骨格筋組織量[MMu]は、四肢部上肢長Luの二乗に比例し骨格筋組織層インピーダンスZMu(f2)に反比例することから、次の式で推定できる。この式の回帰解析の基準組織量の計測法は、MRI法及びCT法によるスライス毎の横断面積を積分処理による体積量とする。
MMu=a2*Lu2/ZMu(f2)+b2・・・式50(前述の式3と同じ)
ここで、a2、b2は、定数であり、ZMu(f2)は、式49の情報を採用する。
なお、前述の説明は、四肢部上肢についての説明であるが、下肢および細部セグメントごとでも同様の手法で取り扱いができる。
例えば、下肢については、前述の式49および50は、それぞれ次のような式となる。
ZMl(f2)=ZMl(f1)/m’=[1/Zl(f2)−1/Zl(f1)]/[m’ *(m’−1)]・・・式51
下肢骨格筋組織量[MMl]=a1*Ll2/ZMl(f2) + b1・・・式52(前述の式2と同じ)
次に、前述したような本発明の測定原理に基づいて、体幹内臓脂肪組織を測定する本発明の体幹内臓脂肪測定装置並びにその測定情報を用いた健康指針アドバイス装置の実施例について説明する。
図1は、本発明の体幹内臓脂肪測定装置の一実施例の外観を示す概略斜視図であり、図2は、図1の装置の構成を示すブロック図である。これら図1および図2に示されるように、この実施例の体幹内臓脂肪測定装置は、主として、電力供給部1と、体重測定部2と、部位インピーダンス測定部3と、記憶部4と、表示兼入力部5と、印刷部6と、演算兼制御部7とを備える。電力供給部1は、本装置の電気系統各部に電力を供給する。体重測定部2は、公知の体重計の如き、重量検出部、増幅部およびAD変換部を備え、身体目方特定情報(体重)に基因する電位差を測定する。部位インピーダンス測定部3は、公知の生体インピーダンス測定装置(例えば、体脂肪計、体組成計等)の如き、電流供給部8、通電用電極切替部9、通電用電極10(10a、10b、10c、10d)、測定用電極11(11a、11b、11c、11d)、測定用電極切替部12および電圧測定部13を備え、各種の身体部位間の生体インピーダンス(各種の部位インピーダンス)に基因する電圧を測定する。電流供給部8は、周波数f1の第1の電流源81と、周波数f2の第2の電流源82と、印加周波数(定電流)源切替部83とからなっている。この実施例では、周波数f1は、50kHzとされ、周波数f2は、150kHzとされている。
記憶部4は、身長、四肢長、体幹長、体幹中部長等の身体特定化情報や前記の式1から式52等を記憶する。また、記憶部4は、後述するような健康指針アドバイスのための適当なメッセージ等も記憶する。表示兼入力部5は、入力部5aと表示部5bとが一体となったタッチパネル式の液晶表示器からなり、身長を含む身体特定化情報を入力し、また、各種結果、アドバイス情報等を表示する。印刷部6は、表示部5bにて表示される各種結果、アドバイス情報等を印刷する。演算兼制御部7は、身体目方特定情報(体重)、各種の部位インピーダンス(上肢インピーダンス、下肢インピーダンス、体幹インピーダンス等)、前記式1から式50等に基づいて、体幹中部骨格筋組織量、下肢骨格筋組織量、上肢骨格筋組織量、その他の種々な四肢骨格筋組織量、内臓器組織量、皮下脂肪組織量、内臓脂肪組織量、体幹腹部脂肪組織量、腹部脂肪組織量、体幹腹部内臓脂肪/皮下脂肪比等を演算したり、呼吸による変動の影響除去処理や、内臓器組織異常判定等の処理を行ったり、その他、各種の入出力、測定、演算等行う。
図1によく示されているように、本装置は、外観上は、概略L字型の形状をなし、体重測定部2を下部に、表示兼入力部5を上部に、印刷部6を前面に、およびグリップ部14a、14bを上部左右側面に配設している。そして、体重測定部2には、左足通電用電極10a、左足測定用電極11a、右足通電用電極10bおよび右足測定用電極11bを配設し、グリップ部14aには、左手通電用電極10cおよび左手測定用電極11cを配設し、グリップ部14bには、右手通電用電極10dおよび右手測定用電極11dを配設している。
図3は、本装置にて用いられる四肢誘導法による各種の身体部位間の生体インピーダンスの測定のうち、体幹インピーダンスを測定する場合の電極切替の態様を説明するための図である。この図3の(A)は、右手右足間に通電し、左手左足間にて電位差測定することにより、体幹インピーダンスを測定する場合を示している(右上肢と右下肢間通電ルート体幹腹部生体インピーダンスZtmrrを示している)。この場合において、右手通電用電極10dと右足通電用電極10bとが通電用電極として使用され、左手測定用電極11cと左足測定用電極11aとが測定用電極として使用される。図3の(B)は、左手左足間に通電し、右手右足間にて電位差測定することにより、体幹インピーダンスを測定する場合を示している(左上肢と左下肢間通電ルート体幹腹部生体インピーダンスZtmllを示している)。この場合において、左手通電用電極10cと左足通電用電極10aとが通電用電極として使用され、右手測定用電極11dと右足測定用電極11bとが測定用電極として使用される。図3の(C)は、右手左足間に通電し、左手右足間にて電位差測定することにより、体幹インピーダンスを測定する場合を示している(右上肢と左下肢間通電ルート体幹腹部生体インピーダンスZtmrlを示している)。この場合において、右手通電用電極10dと左足通電用電極10aとが通電用電極として使用され、左手測定用電極11cと右足測定用電極11bとが測定用電極として使用される。図3の(D)は、左手右足間に通電し、右手左足間にて電位差測定することにより、体幹インピーダンスを測定する場合を示している(左上肢と右下肢間通電ルート体幹腹部生体インピーダンスZtmlrを示している)。この場合において、左手通電用電極10cと右足通電用電極10bとが通電用電極として使用され、右手測定用電極11dと左足測定用電極11aとが測定用電極として使用される。このような四肢誘導法による各種の身体部位間の生体インピーダンスの測定における電極切替は、被測定者(ユーザ)が各電極にタッチした状態において、演算兼制御部7により制御のもとで、通電用電極切替部9および測定用電極切替部12によって行われる。同様に、印加周波数の切替も行われる。
図4は、体幹腹部(中部)の構造を模式的に示す図であり、体幹腹部を構成する組織は、皮下脂肪組織層、骨格筋組織層、内臓器組織、その隙間に付着する内臓脂肪組織と考えることができる。体幹部へ通電する場合には、骨格筋組織層へ大半の電流が通電すると考えられる。何故ならば、骨格筋の電気導電性が他の組織に比べて良いからである。内臓器組織は、内臓脂肪組織と直列に考えられ、内臓脂肪組織の大小により、通電量の変化を期待できることがわかる。
図5は、図4の体幹腹部の構造を電気的等価回路として表したもので、皮下脂肪組織層を省略して考えた簡略化体幹腹部等価回路を示しており、前述の「アプローチ1」の手法にて考慮される体幹腹部等価回路である。また、図6は、同様に、図4の体幹腹部の構造を電気的等価回路として表したもので、皮下脂肪組織層を省略せずに考えた体幹腹部等価回路を示しており、前述の「アプローチ2」の手法にて考慮される体幹腹部等価回路である。なお、これらの図において使用されている符号は、前述したとおり、Ztmは、体幹中部全体のインピーダンス、ZFSは、皮下脂肪組織層のインピーダンス、ZMMは、骨格筋組織層のインピーダンス、ZVMは、内臓器組織のインピーダンス、ZFVは、内臓脂肪組織のインピーダンスをそれぞれ示している。そして、前述したとおり、図5の等価回路においては、
Ztm ≒ ZMM//(ZVM+ZFV)の関係式が成り立ち、
図6の等価回路においては、Ztm = ZFS//ZMM//(ZVM+ZFV)の関係式が成り立つ。
次に、図7に示す第1のメインフローチャートおよび図11に示す第2のメインフローチャート、図8から図10および図12から図18に示すサブルーチンフローチャートを参照して、図1および図2に示す本発明の実施例での体幹内臓脂肪測定装置の操作および動作について説明する。
図7に示す第1のメインフローチャートは、皮下脂肪組織層インピーダンスを省略して考える前述のアプローチ1による、2周波四肢誘導法による内臓脂肪組織の特定計測基本処理フローであり、この図7に示す第1のメインフローチャートにおいては、先ず、入力部5aにおける電源スイッチ(図示していない)がオンされると、電力供給部1から電気系統各部に電力を供給し、表示部5bにより身長等を含む身体特定化情報(身長、体重、性別、年齢等)を入力するための画面が表示される(ステップS1)。
続いて、この画面にしたがって、ユーザは、入力部5aから身長、体重、性別、年齢等を入力する(ステップS2)。この場合において、体重については、体重測定部2により身体目方特定情報(体重)に基因する電位差について測定し、演算兼制御部7により身体目方特定情報(体重)を演算するようにしてもよい。これら入力値は、記憶部4に記憶される。
次に、ステップS3にて、四肢長、体幹長、腹囲長等の形態計測実測値を入力する否かの判断を行い、それら形態計測実測値を入力する場合には、ステップS4にて、形態計測を実施して、四肢長(上肢長、下肢長)、体幹長(体幹中部長)、腹囲長等の実測値を入力部5aから入力し、ステップS6へ移行する。ステップS3において、形態計測実測値を入力しないと判断する場合には、ステップS5に移行する。これら入力値も、記憶部4に記憶される。同様に、以下の処理において得られる数値情報等は、記憶部4に記憶される。
ステップS5において、演算兼制御部7は、記憶部4に記憶された身長、体重、性別、年齢等の身体特定化情報から、上肢長、下肢長、体幹中部長、腹囲長等を推定する形態計測情報推定処理(例えば、人間身体情報データベースから作成した検量線使用)を行う。
続いて、演算兼制御部7は、ステップ6において、印加周波数(定電流)源切替部83に周波数切替コントロール信号を出して、通電用電極10に対する印加周波数定電流源の周波数をf1に設定する。次いで、ステップS7において、部位インピーダンス測定部3により、四肢、体幹インピーダンス計測処理を行う。この四肢、体幹インピーダンス計測処理については、図14および図17に示すサブルーチンフローチャートを参照して後述する。このステップS7にて測定された上肢インピーダンスZuは、Zu(f1)として、下肢インピーダンスZlは、Zl(f1)として、体幹インピーダンスZtmは、Ztm(f1)として、それぞれ記憶部4に記憶される。
続いて、演算兼制御部7は、ステップ8において、印加周波数(定電流)源切替部83に周波数切替コントロール信号を出して、通電用電極10に対する印加周波数(定電流)源の周波数をf2に設定する。次いで、ステップS9において、部位インピーダンス測定部3により、四肢、体幹インピーダンス計測処理を行う。この四肢、体幹インピーダンス計測処理については、図14および図17に示すサブルーチンフローチャートを参照して後述する。このステップS9にて測定された上肢インピーダンスZuは、Zu(f2)として、下肢インピーダンスZlは、Zl(f2)として、体幹インピーダンスZtmは、Ztm(f2)として、それぞれ記憶部4に記憶される。
次に、ステップS10において、演算兼制御部7により、体組成情報(体脂肪率等)演算処理を行う。この演算処理によれば、例えば、記憶部4に記憶された上肢の長さLu、上肢のインピーダンス値Zu、下肢の長さLl、下肢のインピーダンス値Zl、体幹長Ltm、体幹中部全体のインピーダンスZtmを用いて、次の演算式にて体脂肪率%Fatが求められる。
%Fat=a*Lu2/Zu+b*Ll2/Zl+c*Ltm2/Ztm+d
ここで、a、b、c、dは、定数である。
なお、2周波で測定したインピーダンス値は、四肢のZu、Zlについては、f1またはf2何れか最適な方の計測値を使用することができる。
次に、ステップS11において、演算兼制御部7により、四肢骨格筋組織層のインピーダンスの推定処理を行う。この四肢骨格筋組織層のインピーダンスの推定処理は、記憶部4に記憶された諸数値および前述の式51および式49に基づいて、それぞれ下肢骨格筋組織層インピーダンスZMl、上肢骨格筋組織層インピーダンスZMuを算出するような処理である。
次に、ステップS12において、演算兼制御部7により、四肢骨格筋組織量の推定処理を行う。この四肢骨格筋組織量の推定処理は、記憶部4に記憶された諸数値および前述の式2(式52)および式3(式50)に基づいて、それぞれ下肢骨格筋組織量MMl、上肢骨格筋組織量MMuを算出するような処理である。
次に、ステップS13において、演算兼制御部7により、体幹中部骨格筋組織層インピーダンスZMMの推定処理を行う。この推定処理は、記憶部4に記憶された諸数値および前述の式18(式39)に基づいて、体幹中部骨格筋組織層インピーダンスZMMを算出するような処理である。
次に、ステップS14において、演算兼制御部7により、体幹中部骨格筋組織量MMtmの推定処理を行う。この体幹中部骨格筋組織量の推定処理は、記憶部4に記憶された諸数値および前述の式1(式40)に基づいて、体幹中部骨格筋組織量MMtmを算出するような処理である。
次に、ステップS15は、演算兼制御部7により、皮下脂肪組織量FSの推定処理を行うものである。このステップ15については、図8に示すサブルーチンフローチャートを参照して後で詳述する。
ステップS16は、演算兼制御部7により、内臓器組織量VMおよび内臓器組織インピーダンスZVMの推定処理を行うものである。このステップ16については、図9に示すサブルーチンフローチャートを参照して後で詳述する。
ステップS17は、演算兼制御部7により、内臓脂肪組織インピーダンスZFVおよび内臓脂肪組織量FVの推定処理を行うものである。このステップ17については、図10に示すサブルーチンフローチャートを参照して後で詳述する。
次に、ステップS18において、演算兼制御部7により、内臓脂肪/皮下脂肪比(V/S)の演算処理を行う。この演算処理は、記憶部4に記憶された皮下脂肪組織量と内臓脂肪組織量を用いて記憶部4に記憶された前述の式29に従って、体幹腹部脂肪組織量を算出し、記憶部4に記憶された前述の式30にしたがって、内臓脂肪/皮下脂肪比を算出するものである。
次に、ステップS19において、演算兼制御部7により、内臓脂肪率演算処理が行われる。この演算処理は、前述の演算処理により算出され記憶部4に記憶された体脂肪率%Fat、内臓脂肪V、皮下脂肪Sから次の式にて体幹内臓脂肪率%VFatを算出するものである。
%VFat=%Fat*(V/S)/[(V/S)+1]
次に、ステップS20において、演算兼制御部7は、前述したような演算処理にて求められた内臓脂肪組織情報、体組成情報や、後述する処理によって得られるようなアドバイス指針等を、表示部5bに表示させるような表示処理を行う。これにより、一連の処理を終了する(ステップS21)。
次に、前述のステップS15の皮下脂肪組織量の推定処理について、図8のサブルーチンフローチャートを参照して詳述する。この推定処理は、ステップS22にて、記憶部4に記憶された諸数値および前述の式22−1、式22−2を用いて皮下脂肪組織量を算出するものである。
次に、前述のステップS16の内臓器組織量および内臓器組織インピーダンスの推定処理について、図9のサブルーチンフローチャートを参照して詳述する。この推定処理は、ステップS23において、記憶部4に記憶された諸数値および前述の式13−1、式13−2を用いて内臓器組織量を算出し、ステップS24において、記憶部4に記憶された諸数値および前述の式14−1、式14−2、式15、式16、式17−1、式17−2を用いて内臓器組織インピーダンスを算出するものである。
次に、前述のステップS17の内臓脂肪組織インピーダンスおよび内臓脂肪組織量の推定処理について、図10のサブルーチンフローチャートを参照して詳述する。この推定処理は、ステップS25において、記憶部4に記憶された諸数値および前述の式6から10、式16、式17−1、式17−2を用いて内臓脂肪組織インピーダンスを算出し、ステップS26において、記憶部4に記憶された諸数値および算出した内臓脂肪組織インピーダンスおよび前述の式25、式26、式27、式28−1、式28−2を用いて内臓脂肪組織量を算出するものである。
図11に示す第2のメインフローチャートは、皮下脂肪組織層インピーダンスを考慮する前述のアプローチ2による、2周波四肢誘導法による内臓脂肪組織の特定計測基本処理フローであり、この図11に示す第2のメインフローチャートにおける操作手順および動作は、第1のメインフローチャートにおける各ステップの大部分と実質的には同じである。したがって、ここでは、対応するステップには、ダッシュ記号を付した同じステップ番号を付して示すだけで繰り返し詳述しないことにし、異なるステップについてのみ以下説明する。例えば、図7の第1のメインフローチャートにおけるステップS1と、図11の第2のメインフローチャートにおけるステップS1’と対応し、ステップS2とステップS2’と対応し、以下同様である。
この皮下脂肪組織層を考慮する第2のメインフローにおけるステップS15’においては、演算兼制御部7により、皮下脂肪組織量および皮下脂肪組織層インピーダンスの推定処理を行う。このステップS15’においては、図12のサブルーチンフローチャートに示されるように、ステップS27にて、記憶部に記憶された諸数値および前述の式22−1、式22−2を用いて皮下脂肪組織量を算出し、ステップS28にて、記憶部に記憶された諸数値および皮下脂肪組織量および前述の式23−1、式23−2、式24を用いて皮下脂肪組織層インピーダンスを算出する。
また、この皮下脂肪組織層を考慮する第2のメインフローチャートにおけるステップS17’においては、演算兼制御部7により、内臓脂肪組織インピーダンスおよび内臓脂肪組織量の推定処理を行う。このステッステップS17’においては、図13のサブルーチンフローチャートに示されるように、ステップS25’にて、記憶部4に記憶された諸数値および前述の式6、式7、式11、式12を用いて内臓脂肪組織インピーダンスを算出し、ステップ26’にて、記憶部4に記憶された諸数値および算出した内臓脂肪組織インピーダンスおよび前述の式25、式26、式27、式28−1、式28−2を用いて内臓脂肪組織量を算出する。
次に、ステップS7、S9およびステップS7’およびステップS9’の四肢、体幹インピーダンス計測処理について、第一の実施形態を示す図14のサブルーチンフローチャートを参照して、詳述する。なお、ステップS7およびステップS7’に対する図14のサブルーチンフローチャートにおける各手順動作と、ステップS9およびステップS9’に対する図14のサブルーチンフローチャートにおける各手順動作との違いは、通電用電極10に対する印加周波数がf1であるか、f2であるかの違いだけである。
この第一形態においては、前項10.(25)および(26)において説明したような「呼吸による変動の影響除去処理」および「飲食および膀胱等への水分貯留(尿等)による異常値判定処理」を行うものである。先ず、ステップS29において、演算兼制御部7は、入力部5a等からの指示に基づいて、体幹腹部(中部)のインピーダンスZtmの測定データの各種メモリカウンタ及びフラグFの初期設定を行う。
続いて、ステップS30において、演算兼制御部7は、測定タイミングか否かの判定を行う。そして、測定タイミングと判定された場合には、ステップS31にて、演算兼制御部7は、体幹中部インピーダンス(Ztm)測定電極配置設定処理を行い体幹中部インピーダンス(Ztmx)計測処理を行う。この場合において、演算兼制御部7は、図3を参照して説明したような電極配置のうちのいずれかを選択する。
次に、ステップS32において、Fが「”0”」かを、また、前回測定上肢かを、判定し、そうでないでない場合には、ステップS33に移行して、演算兼制御部7は、上肢部インピーダンス(Zu)測定電極配置設定処理を行い、上肢部インピーダンス(Zux)計測処理を行う。そして、ステップS34にて、F「”0”」と設定する。
ステップS32において、Fが「”0”」、また、前回測定上肢と判定される場合には、ステップS35にて、演算兼制御部7は、下肢部インピーダンス(Zl)測定電極配置設定処理を行い、下肢部インピーダンス(Zlx)計測処理を行い、ステップS36にて、Fを「”1”」と設定する。このようなステップS30からステップS36までの動作を繰り返す。
ステップS30において測定タイミングでないと判定された場合には、ステップS37に移行して、計測インピーダンス(Zx)データスムージング処理(移動平均処理等)を行う。それから、ステップ38において、体幹中部インピーダンス計測データ呼吸変動補正処理を行う。この補正処理については、図15のサブルーチンフローチャートを参照して後述する。
続いて、ステップS39にて、演算兼制御部7は、各部位毎の計測インピーダンスの時系列安定性確認処理を行う。これは、ステップS38の体幹中部インピーダンス計測データ呼吸変動補正処理後の各値が所定回数所定変動以内の値に収束したかどうかを判定することによって行われる。ステップS40において、演算兼制御部7は、測定したZlx、Zux、Ztmxの各々が安定条件を満足するか否かの判定を行う。この判定は、呼吸周期毎の呼吸の中央値が規定回数規定以内の安定域に入った時点で、呼吸中央値確定と判断するようなものである。このステップS40にて、安定条件が満足されたと判定される場合には、ステップS41に移行して、確定した中央値のインピーダンス値を体幹腹部のインピーダンス値として、最終安定条件判定値を測定値結果値として記憶部4に登録し、この測定を完了する。ステップS40において、安定条件が満足されないと判定される場合には、ステップS30に戻って同様の処理が繰り返される。
ステップS41に続いて、ステップS42において、演算兼制御部7は、飲食および膀胱尿貯留等による異常値判定処理を行う。この異常値判定処理については、図16のサブルーチンフローチャートを参照して後述する。
次に、ステップS38の体幹中部インピーダンス計測データ呼吸変動補正処理について、図15のサブルーチンフローチャートを参照して、詳述する。先ず、ステップS43において、ステップS38にて処理後の時系列データから変極点検知処理を行う。ステップS44において、演算兼制御部7は、変極点か否かの判定を行う。これは、前後の微係数または差分値の極性変化位置のデータを検知することにより行われる。ステップS44にて変極点であると判定される場合には、ステップS45に進み、最大値か否かの判定がなされる。これは、最大値と最小値の振り分けを行うステップである。最大値でない場合には、ステップS46にて、記憶部4に記憶された次の式にて最小値判定データ移動平均化処理が行われる。
[Ztm]minx←([Ztm]minx-1+[Ztm]minx)/2
ステップS45において最大値と判定される場合には、ステップS47において、記憶部4に記憶された次の式にて最大値判定データ移動平均化処理が行われる。
[Ztm]maxx←([Ztm]maxx-1+[Ztm]maxx)/2
続いて、ステップS48において、一呼吸周期分の最大値と最小値データが確保されたかの判定がなされる。ステップS48において、そのデータが確保されたと判定された場合には、ステップS49にて、記憶部4に記憶された次の式にて呼吸変動中央値演算処理(最大値と最小値データの平均値演算)がなされる。
Ztmx←([Ztm]maxx+[Ztm]minx)/2
なお、ステップS44において、変極点でないと判定する場合には、戻るに進み、ステップ48において、一呼吸周期分の最大値と最小値データが確保されないと判定された場合には、戻るに進むことになる。
次に、ステップS42の飲食および膀胱尿貯留等による異常値判定処理について、図16のサブルーチンフローチャートを参照して、詳述する。先ず、ステップS50において、演算兼制御部7は、記憶部4に記憶された次の式にて、体幹中部インピーダンス(Ztm)が正常許容範囲内かのチェックを行う。
Mean−3SD≦Ztm≦Mean+3SD
ここで、許容値例としては、26.7±3.45(Mean±3SD)が考えられる。
ステップS51において、体幹中部インピーダンスが許容範囲内かの判定がなされる。許容範囲内でないと判定される場合には、ステップS52に移行して、演算兼制御部7にて、体幹中部(腹部)コンディション異常に関するメッセージ報知及びブザー報知処理がなされ、表示部5bにおいて適切なアドバイスの表示及びブザー報知部15においてブザー音の発生等がなされる。このアドバイスとしては、例えば、「体幹コンディション異常につき、排便、排尿等の準備処理を実施」の表示、「ピッ、ピッ、ピッ」の音等の報知がなされる。また、準備処理後も同様の判定結果となる場合は、異常値を用いて測定を完了させ、測定の中止はしないようにすることもできる。
ステップS51において許容範囲内で判定される場合には、ステップS53において、演算兼制御部7は、体幹中部(腹部)コンディション正常に関するメッセージ報知及びブザー報知処理がなされ、表示部5bにおいて適切なアドバイスの表示及びブザー報知部15においてブザー音の発生等がなされる。このアドバイスとしては、例えば、「体幹コンディション正常」の表示、「ピッ」の音等による報知がなされる。
次に、ステップS7、S9およびステップS7’およびステップS9’の四肢、体幹インピーダンス計測処理について、第二の実施形態を示す図17のサブルーチンフローチャートを参照して、詳述する。なお、ステップS7およびステップS7’に対する図17のサブルーチンフローチャートにおける各手順動作と、ステップS9およびステップS9’に対する図17のサブルーチンフローチャートにおける各手順動作との違いは、通電用電極10に対する印加周波数がf1であるか、f2であるかの違いだけである。
この第二の形態においては、前項10.(25)および(27)において説明したような「呼吸による変動の影響除去処理」および「腹部内臓器組織等の異常判定処理」を行うものである。先ず、ステップS54において、演算兼制御部7は、測定タイミングか否かの判定を行う。そして、測定タイミングと判定された場合には、体幹部計測の一環として、ステップS55にて、演算兼制御部7は、体幹中部インピーダンス(Ztmrr)測定電極配置設定処理(右腕右脚間通電)(図3の(A)参照)を行い、体幹中部インピーダンス(Ztmrrx)計測処理を行う。次いで、ステップS56にて、演算兼制御部7は、体幹中部インピーダンス(Ztmll)測定電極配置設定処理(左腕左脚間通電)(図3の(B)参照)を行い、体幹中部インピーダンス(Ztmllx)計測処理を行う。次いで、ステップS57にて、演算兼制御部7は、体幹中部インピーダンス(Ztmrl)測定電極配置設定処理(右腕左脚間通電)(図3の(C)参照)を行い、体幹中部インピーダンス(Ztmrlx)計測処理を行う。次いで、ステップS58にて、演算兼制御部7は、体幹中部インピーダンス(Ztmlr)測定電極配置設定処理(左腕右脚間通電)(図3の(D)参照)を行い、体幹中部インピーダンス(Ztmlrx)計測処理を行う。演算兼制御部7は、このような測定動作を所定のサンプル数を得るまで行う。
ステップS54において測定タイミングでないと判定された場合には、ステップS59に移行して、計測インピーダンス(Zx)データスムージング処理(移動平均処理等)を行う(体幹中部:Ztmrrx、Ztmllx、Ztmrlx、Ztmlrx)。それから、ステップ60において、誘導法毎に体幹中部インピーダンス計測データ呼吸変動補正処理を行う。この誘導法毎における補正処理については、図15のサブルーチンフローチャートを参照して前述したのと同様であるので、繰り返し説明しない。
続いて、ステップS61にて、演算兼制御部7は、誘導法毎の計測インピーダンスの時系列安定性確認処理を行う。これは、ステップS60の誘導法毎の体幹中部インピーダンス計測データ呼吸変動補正処理後の各値が所定回数所定変動以内の値に収束したかどうかを判定することによって行われる。ステップS62において、演算兼制御部7は、測定したZtmxの各々が安定条件を満足するか否かの判定を行う。この判定は、呼吸周期毎の呼吸の中央値が規定回数規定以内の安定域に入った時点で、呼吸中央値確定と判断するようなものである。このステップS62にて、安定条件が満足されないと判定される場合には、ステップ54に戻って、同様の測定動作および処理を繰り返す。
ステップS62にて、安定条件が満足されたと判定される場合には、ステップS63に移行して、体幹腹部内臓器組織等異常判定処理を行う。この判定処理については、図18のサブルーチンフローチャートを参照して後述する。
続いて、ステップS64において、演算兼制御部7は、体幹中部インピーダンスの測定における最終安定条件判定値を測定結果値として記憶部4に記憶させ登録する(Ztm←Ztmlrx)。ここでは、4つの体幹インピーダンスの中から、Ztmlr(左腕右脚部間通電インピーダンス)を採用する。
次に、演算兼制御部7は、四肢部計測のため、ステップ65に移行して、測定タイミングかの判定を行う。ここで、測定タイミングと判定された場合には、ステップS66において、演算兼制御部7は、下肢部インピーダンス(Zl)測定電極配置設定処理を行い、下肢部インピーダンス(Zlx)計測処理を行い、ステップS67にて、上肢部インピーダンス(Zu)測定電極配置設定処理を行い、上肢部インピーダンス(Zux)計測処理を行う。そして、演算兼制御部7は、このような測定動作を繰り返し行う。
ステップS65において、測定タイミングでないと判定される場合に、ステップS68にて、演算兼制御部7は、計測インピーダンス(Zx)データスムージング処理(移動平均処理等)を行う(上肢:Zux、下肢Zlx)。それから、ステップ69において、演算兼制御部7は、各部位毎の計測インピーダンスの時系列安定性確認処理を行う。これは、ステップS69の処理後の各値が所定回数以上所定変動以内の値に収束したかどうかを判定することによって行われる。ステップS70において、演算兼制御部7は、測定したZlx、Zux、の各々が安定条件を満足するか否かの判定を行う。この判定は、呼吸周期毎の呼吸の中央値が規定回数規定以内の安定域に入った時点で、呼吸中央値確定と判断するようなものである。このステップS70にて、安定条件が満足されないと判定される場合には、ステップ65に戻って、同様の測定動作および処理を繰り返す。
ステップS70にて、安定条件が満足されたと判定される場合には、ステップS71において、四肢部インピーダンスの測定における最終安定条件判定値を測定結果値として記憶部4に記憶させ登録する(Zl←Zlx、Zu←Zux)。
次に、ステップS63の体幹腹部内臓器組織等異常判定処理について、図18のサブルーチンフローチャートを参照して、詳述する。先ず、ステップS72において、演算兼制御部7は、各誘導法による体幹中部インピーダンス(Ztm)間の関係が、正常バランス条件を満足しているかのチェックを行う。前項10.(27)、(d)にて説明したように、正常条件は、Ztmlr ≒ Ztmll < Ztmrr ≒ Ztmrlの関係である。
ステップS73において、正常条件を満足しないと判定された場合には、ステップS74に移行し、ステップ75にて、次の式を満足するか否かの判定を行う。
Ztmlr ≒ Ztmll および Ztmrr ≒ Ztmrl
この条件を満足しないと判定される場合には、ステップS76に移行し、ステップS77にて、次の式を満足するか否かの判定を行う。
Ztmrl < Ztmrr
この条件を満足しない場合には、ステップS78に移行し、ステップS79にて、次の式を満足するか否かの判定を行う。
Ztmrl > Ztmrl
この条件が満足されない場合には、体幹中部(腹部)の左上部組織に異常バランスがあると判定し、ステップS80にて、演算兼制御部7は、体幹中部(腹部)コンディション異常に関するメッセージ報知処理を行い、表示部5bに適切なアドバイスの表示等がなされる。このアドバイスとしては、例えば、「体幹コンディション左上部異常」等の報知が考えられる。
ステップS79にて、その条件が満足されると判定される場合には、体幹中部(腹部)の右下部組織に異常バランスがあると判定し、ステップS81にて、演算兼制御部7は、体幹中部(腹部)コンディション異常に関するメッセージ報知処理を行い、表示部5bに適切なアドバイスの表示等がなされる。このアドバイスとしては、例えば、「体幹コンディション右下部異常」等の報知が考えられる。
ステップS77にて、その条件が満足されると判定される場合には、体幹中部(腹部)の左下部組織に異常バランスがあると判定し、ステップS82にて、演算兼制御部7は、体幹中部(腹部)コンディション異常に関するメッセージ報知処理を行い、表示部5bに適切なアドバイスの表示等がなされる。このアドバイスとしては、例えば、「体幹コンディション左下部異常」等の報知が考えられる。
ステップS75にて、その条件が満足されると判定される場合には、体幹中部(腹部)の右上部組織に異常バランスがあると判定し、ステップS83にて、演算兼制御部7は、体幹中部(腹部)コンディション異常に関するメッセージ報知処理を行い、表示部5bに適切なアドバイスの表示等がなされる。このアドバイスとしては、例えば、「体幹コンディション右上部異常」等の報知が考えられる。
こうして、演算兼制御部7は、ステップS84にて、体幹中部(腹部)コンディション異常に関するメッセージ報知及びブザー報知処理を行う。例えば、表示部5bにおいて「体幹コンディション異常につき、排便、排尿等の準備処理を実施」等のメッセージの表示及びブザー報知部15においてブザー音(「ピッ、ピッ、ピッ」の発生等がなされる。また、準備処理後も同様の判定結果となる場合は、異常値を用いて測定を完了させ、測定の中止はしないようにすることもできる。
ステップS73において、その条件が満足されると判定される場合には、ステップS85にて、演算兼制御部7は、体幹中部(腹部)コンディション正常に関するメッセージ報知及びブザー報知処理を行い、表示部5bにおいて適切なアドバイスの表示及びブザー報知部15においてブザー音の発生等がなされる。このアドバイスとしては、例えば、「体幹コンディション正常」の表示、「ピッ」の音等の報知がなされる。
このような操作および動作にて、本発明のこの実施例によれば、体幹腹部(中部)の内臓脂肪組織情報、体幹内臓脂肪と皮下脂肪量との比(V/S)、および皮下脂肪と内臓脂肪の合計脂肪組織量(体幹腹部脂肪組織量)を求めることができ、また、これらに関し、上肢、下肢等の四肢骨格筋組織量も求めることができ、しかも、内臓器組織異常判定、すなわち、呼吸による変動の影響除去処理、飲食および膀胱等への水分貯留(尿等)による異常判定処理、腹部内臓器組織等異常判定処理を行い、それに応じたアドバイス情報も提供できる。なお、前述の実施例では、体幹内臓脂肪組織情報として、脂肪率として求めるものとしたが、本発明は、これに限らず、適当な変換式等を用いることにより、横断面積量や、体積量や重量等として求めることができるものである。
なお、前述の実施例では、主として、体幹内臓脂肪測定装置として機能するものとして説明したが、前述の説明からも明らかなように、この実施例の体幹内臓脂肪測定装置は、体幹骨格筋組織量を測定する体幹骨格筋量測定装置や、上肢や下肢等の四肢骨格筋組織量を測定する四肢骨格筋量測定装置としての機能を果たしうるものである。
本発明によれば、そのレベルに応じた内臓器組織付近付着、蓄積脂肪組織の蓄積具合を従来の簡易計測法を踏襲する中で、精度の高いスクリーニング情報を顕在化させることができる。
すなわち、本発明によれば、体幹部のインピーダンス計測を骨格筋組織層の周波数特性依存性を応用することで、筋線維走行方向に感度の高い周波数f1と、それより高い周波数帯で筋線維走行方向の依存性がほぼ無視できる周波数f2で実施することで得られた2値の体幹部インピーダンス情報から、体幹中部の骨格筋組織層及び内臓脂肪組織を分離特定化することができ、より高い精度で体幹内臓脂肪組織の測定を行うことができる。
また、本発明によれば、2周波による組織分離特定化を四肢に適用することで、体幹骨格筋組織量や四肢骨格筋組織量の測定もより高い精度で行うことができる。
本発明によれば、小型で簡便な装置にて体幹内臓脂肪組織および四肢骨格筋組織量を精度よく測定できるので、家庭用として最適なものとすることもできる。しかも、内臓器組織付近への脂肪組織の付着・蓄積と四肢体幹各セグメントの骨格筋組織発達量とのバランスをチェックでき、また、測定前の腹部コンディションチェック、すなわち、内臓器組織等での炎症や病的な体液分布異常の早期チェック等も可能で、それに応じた適切な健康指針アドバイスも与えることができる。したがって、ユーザにとっては、食事および運動による日々のダイエットを適正に行い且つそのためのモチベーションを維持し、継続可能な健康の維持増進の自己管理をする上で役立つ諸情報を簡便な仕方で得ることができ、非常に有用なものとなる。
本発明の一実施例として体幹内臓脂肪測定装置の外観を示す斜視図である。 図1の体幹内臓脂肪測定装置の構成を示すブロック図である。 本発明において使用する四肢誘導法について説明するための模式図である。 体幹腹部の構造を模式的に示す図である。 図4の体幹腹部の構造を、皮下脂肪組織層を省略して考えた体幹腹部の電気的等価回路として示す図である。 図4の体幹腹部の構造を、皮下脂肪組織層を省略せずに考えた体幹腹部の電気的等価回路として示す図である。 本発明の一実施例としての四肢、体幹への通電誘導法による四肢骨格筋組織量、内臓脂肪組織の特定計測の第1の基本フローを示す図である。 図7の第1の基本フローのサブルーチンとしての皮下脂肪組織量の推定処理フローを示す図である。 図7の第1の基本フローおよび図11の第2の基本フローのサブルーチンとしての内臓器組織量および内臓器組織インピーダンスの推定処理フローを示す図である。 図7の第1の基本フローのサブルーチンとしての内臓脂肪組織インピーダンスおよび内臓脂肪組織量の推定処理フローを示す図である。 本発明の一実施例としての四肢、体幹への通電誘導法による四肢骨格筋組織量、内臓脂肪組織の特定計測の第2の基本フローを示す図である。 図11の第2の基本フローのサブルーチンとしての皮下脂肪組織量および皮下脂肪組織層インピーダンスの推定処理フローを示す図である。 図11の第2の基本フローのサブルーチンとしての内臓脂肪組織インピーダンスおよび内臓脂肪組織量の推定処理フローを示す図である。 図7の第1の基本フローおよび図11の第2の基本フローのサブルーチンとしての四肢、体幹インピーダンス計測処理フローを示す図である。 図14の四肢、体幹インピーダンス計測処理フローのサブルーチンとしての体幹中部インピーダンス計測データ呼吸変動補正処理フローを示す図である。 図14の四肢、体幹インピーダンス計測処理フローのサブルーチンとしての飲食および膀胱尿貯留等による異常値判定処理フローを示す図である。 図7の第1の基本フローおよび図11の第2の基本フローのサブルーチンとしての図14のフローとは別の四肢、体幹インピーダンス計測処理フローを示す図である。 図17の四肢、体幹インピーダンス計測処理フローのサブルーチンとしての体幹腹部内臓器組織等異常判定処理フローを示す図である。
符号の説明
1 電力供給部
2 体重測定部
3 部位インピーダンス測定部
4 記憶部
5a 入力部
5b 表示部
6 印刷部
7 演算兼制御部
8 電流供給部
9 通電用電極切替部
10 通電用電極
10a 左足通電用電極
10b 右足通電用電極
10c 左手通電用電極
10d 右手通電用電極
11 測定用電極
11a 左足測定用電極
11b 右足測定用電極
11c 左手測定用電極
11d 右手測定用電極
12 測定用電極切替部
13 電圧測定部
14a グリップ部
14b グリップ部
15 ブザー報知部
81 第1の電流源
82 第2の電流源
83 印加周波数切替部

Claims (12)

  1. 体幹の電気的等価回路を利用して体幹の内臓脂肪組織量[FV]を推定する装置であって、
    前記電気的等価回路は、前記体幹の内臓器組織のインピーダンス[ZVM]と前記体幹の内臓脂肪組織のインピーダンス[ZFV]との直列回路に対して少なくとも前記体幹の骨格筋組織層のインピーダンス[ZMM]が並列に接続されたものであり、前記電気的等価回路を利用して前記体幹の内臓脂肪組織のインピーダンス[ZFV]の推定を行い、該推定した前記体幹の内臓脂肪組織のインピーダンス[ZFV]を利用して前記内臓脂肪組織量[FV]を推定するものであって、前記体幹の骨格筋組織層のインピーダンス[ZMM]を、前記体幹の骨格筋組織層の筋線維方向に対して感度の高い第1の周波数と前記体幹の骨格筋組織層の筋線維方向に対して感度の低い第2の周波数を用いて計測することを特徴とする体幹内臓脂肪推定装置。
  2. 前記内臓脂肪組織量[FV]は、身体特定化情報の1つである身長[H]を利用して、
    FV = a13*H2 / ZFV + b13
    (a13、b13は、回帰係数で定数である)
    によって推定される請求項1に記載の体幹内臓脂肪推定装置。
  3. 前記内臓脂肪組織量[FV]は、身体特定化情報である身長[H]、体重[W]、年齢[Age]を利用して、
    男性用:FV = a14*H2 /ZFV + b14*H + c14*W + d14*Age + e14
    女性用:FV = a15*H2 /ZFV + b15*H + c15*W + d15*Age + e15
    (a14、a15、b14、b15、c14、c15、d14、d15、e14、e15は、回帰係数で定数である)
    によって推定される請求項1に記載の体幹内臓脂肪推定装置。
  4. 前記内臓脂肪組織のインピーダンス[ZFV]は、
    ZFV=[(n−1)*Ztm(f1)]/[n−Ztm(f1)/Ztm(f2)]−ZVM
    (f1は、前記第1の周波数、f2は、前記第2の周波数、Ztm(f1)は、f1による体幹中部のインピーダンスである実測値、Ztm(f2)は、f2による体幹中部のインピーダンスである実測値、nは、ほぼ一定の減衰係数である)
    によって推定される請求項2又は3に記載の体幹内臓脂肪推定装置。
  5. 前記第1の周波数は、約50kHzであり、前記第2の周波数は、150kHz以上である請求項4に記載の体幹内臓脂肪推定装置。
  6. 前記内臓器組織のインピーダンス[ZVM]は、身体特定化情報である身長[H]を利用して、
    ZVM = a6*H2 / VM + b6
    (VMは、体幹中部の内臓器組織量、a6、b6は、回帰係数で定数である)
    によって推定される請求項1乃至5のいずれかに記載の体幹内臓脂肪推定装置。
  7. 前記内臓器組織のインピーダンス[ZVM]は、身体特定化情報である身長[H]、体重[W]、年齢[Age]を利用して、
    男性用:ZVM= a7*H2 /VM + b7*H + c7*W + d7*Age + e7
    女性用:ZVM= a8*H2 /VM + b8*H + c8*W + d8*Age + e8
    (VMは、体幹中部の内臓器組織量、a7、a8、b7、b8、c7、c8、d7、d8、e7、e8は、回帰係数で定数である)
    によって推定される請求項1乃至5のいずれかに記載の体幹内臓脂肪推定装置。
  8. 前記体幹中部の内臓器組織量[VM]は、身体特定化情報である身長[H]、体重[W]、年齢[Age]を利用して、
    男性用: 内臓器組織量[VM] = a4*身長[H]+ b4*体重[W] + c4*年齢[Age] + d4
    女性用: 内臓器組織量[VM] = a5*身長[H]+ b5*体重[W] + c5*年齢[Age] + d5
    (a4、a5、b4、b5、c4、c5、d4、d5は、回帰係数で定数である)
    によって推定される請求項6又は7に記載の体幹内臓脂肪推定装置。
  9. 前記体幹の骨格筋組織層のインピーダンス[ZMM]は、
    [1/Ztm(f2)−1/Ztm(f1)]/[n*(n−1)]
    (f1は、前記第1の周波数、f2は、前記第2の周波数、Ztm(f1)は、f1による体幹中部のインピーダンスである実測値、Ztm(f2)は、f2による体幹中部のインピーダンスである実測値、nは、ほぼ一定の減衰係数である)
    によって計算される請求項1乃至8のずれかに記載の体幹内臓脂肪推定装置。
  10. 前記電気的等価回路は、前記体幹の内臓器組織のインピーダンス[ZVM]と前記体幹の内臓脂肪組織のインピーダンス[ZFV]との直列回路と、該直列回路に対して並列に接続された前記体幹の骨格筋組織層のインピーダンス[ZMM]に加え、更に、前記直列回路と前記体幹の骨格筋組織層のインピーダンス[ZMM]の双方に対して並列に接続された体幹の皮下脂肪組織層のインピーダンス[ZFS]とを有する請求項1乃至9のいずれかに記載の体幹内臓脂肪推定装置。
  11. 体幹の電気的等価回路を利用して体幹の内臓脂肪組織量[FV]を推定する方法であって、
    前記電気的等価回路は、前記体幹の内臓器組織のインピーダンス[ZVM]と前記体幹の内臓脂肪組織のインピーダンス[ZFV]との直列回路に対して少なくとも前記体幹の骨格筋組織層のインピーダンス[ZMM]が並列に接続されたものであり、
    前記電気的等価回路を利用して前記体幹の内臓脂肪組織のインピーダンス[ZFV]を推定し、該推定した前記体幹の内臓脂肪組織のインピーダンス[ZFV]を利用して前記内臓脂肪組織量[FV]を推定する段階を備え、
    前記体幹の骨格筋組織層のインピーダンス[ZMM]は、前記体幹の骨格筋組織層の筋線維方向に対して感度の高い第1の周波数と前記体幹の骨格筋組織層の筋線維方向に対して感度の低い第2の周波数の少なくとも二種類の周波数を用いて計測されることを特徴とする体幹内臓脂肪推定方法
  12. 前記電気的等価回路は、前記体幹の内臓器組織のインピーダンス[ZVM]と前記体幹の内臓脂肪組織のインピーダンス[ZFV]との直列回路と、該直列回路に対して並列に接続された前記体幹の骨格筋組織層のインピーダンス[ZMM]に加え、更に、前記直列回路と前記体幹の骨格筋組織層のインピーダンス[ZMM]の双方に対して並列に接続された体幹の皮下脂肪組織層のインピーダンス[ZFS]とを有する請求項11に記載の体幹内臓脂肪推定方法。
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