JP4740642B2 - 体幹内臓脂肪測定方法および装置並びに体幹骨格筋量測定装置 - Google Patents

体幹内臓脂肪測定方法および装置並びに体幹骨格筋量測定装置 Download PDF

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本発明は、体幹内臓脂肪測定方法および装置並びに体幹骨格筋量測定装置に関する。
生体電気インピーダンスを利用した体脂肪組織の推定技術は、体脂肪組織および体脂肪率を計測する技術として世に広がってきたが、実際には、脂肪組織を直接的に測定するものとはなっておらず、脂肪組織以外の水が支配的な除脂肪組織を電気的に計測したものである。特に、全身(Whole Body)計測では、旧来のタイプでは仰臥位姿勢で片手-片足間を一つの円柱でモデル化している(片手-片足間誘導法)し、簡易型としては、立位姿勢で測定する両掌間誘導法や、体重計と一体になった両脚裏間誘導法、上肢と下肢または、上肢と下肢と体幹、または、左右上肢、左右下肢、体幹の様に5セグメントに分けて個別に円柱モデルを適用可能としてインピ−ダンスを計測した技術も顕在化してきている。また、インピ−ダンスCT計測技術を簡略して体幹部臍囲に電流印加・電圧計測電極を配置して腹部のインピ−ダンスを計測し、内臓脂肪組織量を推定する計測技術について、特許出願がなされている(特許文献1および特許文献2参照)。
特許第3396677号 特許第3396674号
しかし、体脂肪の情報は、糖尿病や高血圧および高脂血症などの生活習慣病のスクリ−ニング用としての有用性が特に問われており、内臓器組織近辺に付着、蓄積した内臓脂肪組織に関して、その計測の重要性が日に日に高まってきている。
内臓脂肪は、体幹の腹部付近に集中的に分布する脂肪組織で、X線CТやMRI等による腹部横断画像でその脂肪組織の横断面積で判断されてきていた。しかし、装置が大掛かりで、また、X線の場合被曝の問題もあり、費用面もあり、フィールドおよび家庭用での計測に適さない。そこで、内臓脂肪組織は、全身脂肪組織との相関または、全身の除脂肪組織との相関からの推定するのが一般的で、スクリーニング用としても、十分な信頼性を確保するにいたらなかった。
最近では、体幹腹部の臍囲周辺に電極を配置し、体幹腹部の内部インピ−ダンスを計測して、内臓脂肪組織情報を推定するといった方法も開発中である。しかしながら、この方法は、骨格筋組織層と皮下脂肪組織層と内臓脂肪組織の間に有意な相関が存在することに基づくものであり、いずれかの組織の情報が捕捉出来ればおおよその情報の推定が可能であることを前提とするものである。このため、非常に有意な相関が存在し得る自立性の高い健康域の被験者については良好な結果が期待できるが、各組織間の相関が異なる対象者、例えば、内臓脂肪組織が顕著に肥大し、かつ、皮下脂肪組織層や骨格筋組織層との相関性が顕著に低い被験者における計測結果については大きな誤差を含んだものとなり得る。つまり、この開発中の方法にあっても、健康な自立生活が可能な被験者であれば、臍部全周囲のどこに電極を配置しても何とか計測の可能性は考えられるが、麻痺・介護患者等、特にベッド上の寝たきり患者での計測となると課題が大きい。
また、この開発中の方法は、測定対象としている組織部位を腹部表面から電流を印加通電させて、内部の組織に関連するインピ−ダンス値を取得している点で高い技術と言えるが、測定部位である体幹部が有する内部構造上の問題から、測定されたインピ−ダンス情報そのものが内臓脂肪組織に対してほとんど有用な感度を有していないのが実情である。即ち、測定部位である体幹中央腹部は太短く、多重構造、つまり、測定対象である内臓脂肪組織は内臓器組織や背骨組織とともに非常に良好な導電性を示す骨格筋組織層で覆われ、更に、この骨格筋組織層は導電性が非常に悪い皮下脂肪組織層で覆われているといった構造になっている。特に、測定対象である内臓脂肪組織周辺は、骨格筋組織層より導電性が劣る内臓器組織とこの内臓器組織に付着、蓄積した導電性が悪い内臓脂肪組織が支配的で、かつ、複雑な構成のため、骨格筋組織層より内部の導電性はかなり劣るものとなっている。このため、単純に電流印加電極対を腹周囲に配置したとしても、大半は、骨格筋組織層を通じた通電になり、電流密度分布も、骨格筋組織層に支配的な電位分布として表面計測電極から観測されることになる。さらに、電流印加電極の表面積または腹周囲方向への電極幅で印加電流密度の分布が決まり、電極直下の皮下脂肪組織層における電流密度が高い拡がり抵抗領域での情報の観測が支配的となってしまう。
更に言えば、測定部位である体幹部は太短いため、電流印加電極直下の電流密度集中(広がり抵抗)領域の皮下脂肪組織層における感度が高くなり、さらに、骨格筋組織は脂肪組織に比べて導電性が相当高いことから、皮下脂肪組織層を通過した電流の大半が骨格筋組織層を介して対抗する電流印加電極側に皮下脂肪組織層を通って戻るル−トを取り、結果的に、内部での電位分布はこの骨格筋組織層で大幅に歪められてしまう。よって、従来の方法では、測定される電位の大半は、皮下脂肪組織層の情報となってしまい、測定対象である内臓脂肪組織、即ち、内臓器組織およびその周囲に付着、蓄積する内臓脂肪組織への通電はほとんど期待できず、全インピ−ダンス計測区間の10%以下の極めて計測感度の低い情報しか捕捉出来ていないのである。
これらの問題を回避するために、皮下脂肪組織層面積と相関性が高い腹囲長を推定式に組み込むことで、その推定誤差の拡大を防止する方法も考えられてはいるが、この方法はあくまで構成組織間の相関性による間接推定にほかならず、腹部中央に必要な通電感度を確保した計測法とは言いづらい。つまり、統計的相関デザインからずれる個々人の誤差は、保証出来ず、特に病的に皮下や内臓脂肪組織が多い場合や、中間の骨格筋組織層が多い/少ない場合などは顕著な誤差が生じ得る。尚、皮下脂肪組織層面積が腹囲長と相関性が高いのは、人間の体幹は同心円状の組織配列デザインとなっており、皮下脂肪組織層は、最も外側の配置であるため、外周囲長と皮下脂肪組織厚でその面積が決まることになるからである。
体幹部に対しての電極配置にも通常は、四電極法が用いられる。この方法は、被験者の体内に電流を印加するとともに、印加電流によって被験者の測定部位区間に生じた電位差を測定して測定部位区間の生体電気インピーダンスを測定するというものである。体幹部のような太短い測定部位に四電極法を適用した場合、電流が広がり始めの電流密度集中(即ち、広がり抵抗領域)が、例えば電流印加電極直下の皮下脂肪組織層付近で大きな電位差を生じ、電圧計測電極間で計測される電位差の大半を占めることになる。この広がり抵抗による影響を小さくするためには、電流印加電極と電圧計測電極間距離を十分確保する配置とすることが重要である。一般的な測定では、測定区間が長く電圧計測電極間距離が十分確保できる条件での測定であるため、いわゆるS/N感度(Nは広がり抵抗による影響(ノイズ)、Sは電圧電極間で計測される信号)は十分確保されるはずである。しかしながら、体幹部のような太短い測定部位の場合は、Nを小さくすべく、電流印加電極からの距離を確保しようとして電圧計測電極を遠ざけると、逆に、電圧計測電極区間距離が小さくなり、この結果、Sが小さくなって、結局、S/Nは悪くなってしまう。さらに、電流密度が高い広がり抵抗部は、皮下脂肪組織層部であり、厚味がある肥満傾向の被験者が一般的であるため、かなり大きなNとなってしまい、二重にS/Nが悪くなってしまう。このように、体幹部のような太短い測定部位に対して四電極法を用いる場合には、単に臍囲周上に電極を配置しただけでは、内臓脂肪組織への有用なS/N感度を確保することにかなり無理があると推測される。尚、S/Nに関しては、後述する実施例についての説明において更に詳述する。
本発明の目的は、これら従来技術における問題点を解消することにあり、通電性の悪い内臓器組織および内臓脂肪組織の領域においても測定に必要な感度を確保し、体幹部に蓄積される脂肪組織、特に、内臓器組織周辺に付着、蓄積する脂肪組織情報を高精度で簡便に測定可能とする方法および装置、並びに測定情報を用いた健康指針アドバイス装置を提供することにある。
本発明の一つの観点によれば、第1および第2の電流印加電極と第1および第2の電圧計測電極とを体幹部に配置し、前記第1および第2の電流印加電極間に電流を流し、前記第1および第2の電圧計測電極間の電位差を測定することにより体幹部のインピーダンスを求め、前記体幹部のインピーダンスから推定される、体幹部内臓脂肪組織情報を利用して、体幹部内臓脂肪組織量を測定する方法において、前記第1の電流印加電極および第1の電圧計測電極を体幹周囲方向において臍を中心として見た場合の左右いずれかの腱部に配置し、第1の周波数及び前記第1の周波数より高い第2の周波数にて、腱部に前記第1の電流印加電極から電流を印加し、該電流によって生じた電位差を前記第1の電圧計測電極によって測定して、体幹の生体インピーダンスを測定し、該測定した生体インピーダンスを利用して体幹内臓脂肪組織量を求めることを特徴とする体幹部内臓脂肪測定方法が提供される。
本発明の別の観点によれば、第1および第2の電流印加電極と第1および第2の電圧計測電極とを体幹部に配置し、前記第1および第2の電流印加電極間に電流を流し、前記第1および第2の電圧計測電極間の電位差を測定することにより体幹部のインピーダンスを求め、前記体幹部のインピーダンスから推定される、体幹部内臓脂肪組織情報を利用して、体幹部内臓脂肪組織量を測定する方法において、前記第1の電流印加電極および前記第1の電圧計測電極を、体幹周囲方向において臍を中心として見た場合の左右いずれか一方の側腱部に、体幹長方向に互いに距離をおいて配置前記第2の電流印加電極および前記第2の電圧計測電極を、体幹周囲方向において臍を中心として見た場合の他方の側腱部に、体幹長方向に互いに距離をおいて配置し、第1の周波数及び前記第1の周波数より高い第2の周波数にて、腹直筋と外腹斜筋間の結合腱部に前記第1および第2の電流印加電極間に電流を印加し、該電流によって生じた電位差を前記第1および第2の電圧計測電極間によって測定して、体幹の生体インピーダンスを測定し、該測定した生体インピーダンスを利用して体幹内臓脂肪組織量を求めることを特徴とする体幹内臓脂肪測定方法が提供される。
本発明の一つの観点によれば、体幹部に配置される第1および第2の電流印加電極と第1および第2の電圧計測電極とを有し、前記第1および第2の電流印加電極間に電流を流し、前記第1および第2の電圧計測電極間の電位差を測定することにより体幹部のインピーダンスを求め、前記体幹部のインピーダンスから推定される、体幹部内臓脂肪組織情報を利用して、体幹部内臓脂肪組織量を測定する装置において、前記第1の電流印加電極および第1の電圧計測電極を体幹周囲方向において臍を中心として見た場合の左右いずれかの腱部に配置し、第1の周波数及び前記第1の周波数より高い第2の周波数にて腱部に前記第1の電流印加電極から電流を印加し、該電流によって生じた電位差を前記第1の電圧計測電極によって測定して、体幹の生体インピーダンスを測定し、該測定した生体インピーダンスを利用して体幹内臓脂肪組織量を求めることを特徴とする体幹部内臓脂肪測定装置が提供される。
本発明の別の観点によれば、体幹部に配置される第1および第2の電流印加電極と第1および第2の電圧計測電極とを有し、前記第1および第2の電流印加電極間に電流を流し、前記第1および第2の電圧計測電極間の電位差を測定することにより体幹部のインピーダンスを求め、前記体幹部のインピーダンスから推定される、体幹部内臓脂肪組織情報を利用して、体幹部内臓脂肪組織量を測定する装置において、前記第1の電流印加電極および前記第1の電圧計測電極は、体幹周囲方向において臍を中心として見た場合の左右いずれか一方の側の腱部に、体幹長方向に互いに距離をおいて配置され、前記第2の電流印加電極および前記第2の電圧計測電極は、体幹周囲方向において臍を中心として見た場合の他方の側の腱部に、体幹長方向に互いに距離をおいて配置され、第1の周波数及び前記第1の周波数より高い第2の周波数にて、腱部に前記第1および第2の電流印加電極間に電流を印加し、該電流によって生じた電位差を前記第1および第2の電圧計測電極間によって測定して、体幹の生体インピーダンスを測定し、該測定した生体インピーダンスを利用して体幹内臓脂肪組織量を求めることを特徴とする体幹内臓脂肪測定装置が提供される。
本発明のさらに別の実施の形態によれば、呼吸周期時間より短いサンプリング周期で測定した体幹部のインピーダンスに基づいて呼吸による変動の影響を除去するための呼吸変動影響除去手段を更に備えるものであってもよい。
本発明のさらに別の実施の形態によれば、前記測定した体幹部のインピーダンスを集団の一般的な値と比較することにより異常値判定処理を行う異常値判定処理手段を更に備えるものであってもよい。
本発明のさらに別の実施の形態によれば、前記異常値判定処理手段による判定結果に基づいてアドバイス情報を表示する表示手段を更に備えるものであってもよい。
本発明のさらに別の実施の形態によれば、前記体幹部内臓脂肪組織量は、体幹部内臓脂肪率で表されてもよいし、体幹部内臓脂肪組織横断面積で表されてもよいし、体幹部内臓脂肪組織体積量で表されてもよいし、体幹部内臓脂肪組織重量で表されてもよい。
また、前記腱部は、腹直筋と外腹斜筋間の結合腱部であってもよい。
本発明の別の観点によれば、体幹の骨格筋組織量を測定するための体幹骨格筋量測定装置において、第1の周波数及び前記第1の周波数より高い第2の周波数にて腱部から電流を印加する第1および第2の電流印加電極と、該電流によって生じた電位差を測定する第1および第2の電圧計測電極とを有し、前記第1の周波数にて体幹の生体インピーダンスを測定し且つ前記第1の周波数より高い第2の周波数にて体幹の生体インピーダンスを測定するための体幹生体インピーダンス測定手段と、前記第1の周波数および第2の周波数にて測定した体幹の生体インピーダンスに基づいて体幹骨格筋組織層のインピーダンスを推定するための体幹骨格筋組織層インピーダンス推定手段と、前記推定した体幹骨格筋組織層のインピーダンスと身体特定化情報とに基づいて体幹骨格筋組織量を推定する体幹骨格筋組織量推定手段とを備え、前記第1の電流印加電極および前記第1の電圧計測電極は、体幹周囲方向において臍を中心として見た場合の左右いずれか一方の側腱部に配置され、前記第2の電流印加電極および前記第2の電圧計測電極は、体幹周囲方向において臍を中心として見た場合の他方の側腱部に配置され、前記第1および第2の電流印加電極と前記第1および第2の電圧計測電極は、腱部において、体幹長方向に距離をおいて配置されていることを特徴とする体幹骨格筋量測定装置が提供される。
本発明によれば、内臓器組織及び内臓脂肪組織への通電量及び感度を引き上げて、体幹内臓脂肪組織を精度よく測定できる。また、ノイズとなる骨格筋組織層による電位の乱れによるN成分も、筋腹を外す位置で電圧計測電極を配置することでS/N特性を改善できる。
また、骨格筋組織層の周波数依存特性を応用して、依存性の高い周波数f1:50kHz近辺及びそれ以下の周波数とf1より高い周波数で依存性の影響がほほ無視できる周波数帯f2:150kHz以上(100kHzでも、ぎりぎりS/Nを確保できる可能性あり)の少なくとも二種類の周波数帯で組織インピーダンスを計測し、内部構成組織分離を可能とすることができる。
更に、体幹区間で、2周波数によるインピーダンス計測値と身体特定化情報を用いて、内臓脂肪組織量を分離計測可能とすることもできる。
更にまた、麻痺患者及び介護等によりベッド上で寝たきりの被験者においても、測定部を背中部を除く腹部前面とすることで、被験者が容易に測定を可能と出来る。更に、腹部への電極装着により、測定部位を被験者が意識できることによって、意識的拘束による測定精度の向上及びモチベ−ションの確保に有益となる。
更に、内臓器組織付近付着、蓄積脂肪組織の蓄積具合を従来の簡易計測法との組み合わせ及び簡便性を踏襲する中で、必要なレベルに応じた精度の高いスクリーニング情報を顕在化させることができる。
更に、本発明によれば、小型で簡便な装置にて体幹内臓脂肪組織を精度よく測定できるので、家庭用として最適なものとすることもできる。しかも、測定前の腹部コンディションチェック、すなわち、内臓器組織等での炎症や病的な体液分布異常の早期チェック等も可能で、それに応じた適切な健康指針アドバイスも与えることができる。したがって、ユーザにとっては、食事および運動による日々のダイエットを適正に行い且つそのためのモチベーションを維持し、継続可能な健康の維持増進の自己管理をする上で役立つ諸情報を簡便な仕方で得ることができ、非常に有用なものとなる。
本発明の実施の形態および実施例について詳細に説明する前に、本発明による体幹部の内臓脂肪組織測定の原理について説明する。本発明は、基本的には、生体電気インピーダンス情報と身体特定化情報を用いて、体幹腹部(中部)の内臓脂肪組織情報(横断面積量、体積量または重量)、更に言えば、体幹腹部に蓄積される脂肪組織、特に内臓器組織周辺に付着、蓄積する内臓脂肪組織および皮下層に蓄積する皮下脂肪組織層情報を、高精度で簡便に測定可能とする方法等に関する。
本発明は、このため次のような手法を駆使する。
(1)体幹腹部の生体電気インピーダンス情報に含まれる組織情報を骨格筋組織と内臓器組織と内臓脂肪組織で直並列の等価回路モデルで仮定すること。ここでは内臓器組織と内臓脂肪組織を直列に考える(したがって、内臓脂肪の大小により通電量の変化を期待できる)。
(2)腹囲長が身体特定化情報として確保できる場合は、皮下脂肪組織量も、等価回路モデルに含めた、高精度モデルとして、皮下脂肪組織層と骨格筋組織層と内臓器組織と内臓脂肪組織で直並列の等価回路モデルで仮定すること。
(3)皮下脂肪組織量推定は、身体特定化情報のうち腹囲長を主体的な説明変数とした重回帰式で構成されること。さらには、腹囲長の二乗を主体的説明変数と置くこと。
(4)体幹(中)部のインピーダンス情報と、これを測定するためのインピーダンス測定周波数を2周波数で実施し、身体特定化情報を用いて、体幹腹部(中部)の骨格筋組織層情報を顕在化させ、内臓脂肪組織情報推定のための未確定情報の確定に用いる。
(5)内臓器組織と内臓脂肪組織の直列組織体と骨格筋組織層の並列構成に対して、2周波数で体幹を計測することで、内臓器組織と内臓脂肪組織の直列組織体を特定化可能とする。
(6)内臓器組織情報の確定は、身体特定化情報のうち、身長情報が主体的な説明変数とした重回帰式で構成し、内臓脂肪組織情報推定のための未確定情報の確定に用いる。
(7)各組織を定量化するための重回帰分析(検量線作成手法)に用いる組織の基準測定は、臍位でのX線CT断層画像からの組織横断面積(CSA)やMRI法によるCSA及び体幹腹部全体でのDEXA法、MRI法(長さ方向へ、スライス毎の積分処理)を用いた組織体積量,重量(体積量から重量への変換は、先行研究による組織密度情報より算出可能)で実現できる。DEXA法では、腹部内臓脂肪組織と皮下脂肪組織の合計の総脂肪組織情報を基準測定できる。
(8)上記のような手法を用いて内臓脂肪組織の情報を高精度に捕捉可能とするためには、呼吸等による体幹部の計測インピ−ダンス情報の変動を一定条件値に置き換える手立てが必要となり、インピーダンス計測サンプリング周期を一般的な呼吸周期の1/2以内とし、呼吸変化を時系列的にモニタリングして、呼吸周期及び呼吸周期毎の最大値と最小値を呼吸周期毎に判別し、安静呼吸の中央値を補足可能とすること。
(9)さらに、測定前の飲食及び膀胱尿の貯留などによる悪影響の事前チェックも、計測インピーダンス情報より可能とする。一般に、体幹腹部のインピーダンス値は、健康な一般的な被験者集団では、骨格筋組織の情報が支配的に反映される。また、体幹の骨格筋組織層の情報は、測定値としては非常に小さく個々人毎で大きな違いが認められない。理由は、地球重力下で自重を支えて発達する抗重力筋との相関の高いデザインとなるため、特別に寝たきりで重力の影響を受けない被験者とか、自重の数倍のストレスが加わる種目のアスリートなど、特殊な集団以外ではほぼ身体サイズで決定されてしまうためである。ここで、骨格筋組織層及び前記呼吸変動以外で体幹腹部のインピーダンスに影響が大きいのは、飲食及び膀胱尿の貯留などによる悪影響である。よって、集団デ−タとして体幹中部のインピーダンス値を収集し、平均値[mean]と偏差[SD]で見ると、飲食及び膀胱尿の貯留などによる影響は、2SDを超える範囲にあることがわかった。ただ、ある程度のアスリート等の準一般的集団まで踏まえると、3SDをクライテリアとすることで、本影響のスクリーニングを可能と出来る。
次に、前述したような手法に基づく本発明の測定原理につき、更に詳述する。
1.2周波による骨格筋組織層のンピ−ダンスの測定
(1)骨格筋組織層は、長さ方向に対して筋線維方向がほぼ真っ直ぐな紡錘筋と鳥の羽の様に斜めに筋線維が走る羽状筋が混在して各部位の骨格筋組織層を構成し、多様な機能を実現できる様に出来ている。
(2)骨格筋組織層の電気的特性を表す指標として、体積抵抗率ρ[Ω・cm]があるが、骨格筋組織層でのこの値は、筋線維方向によって大きく異なり、筋線維方向に通電した場合と、90°の角度を持って通電した時とでは、ρ90°/ρ0°=5〜10倍異なることが報告されている。
(3)また、この体積抵抗率は、周波数特性を持ち、f1:50kHz近辺の周波数帯でこの筋線維に対する感度が最も高くなると報告されている。つまり、紡錘筋と羽状筋では、または、羽状筋でもその羽状角度によって、体積抵抗率が異なることになり、個々の特質の筋群が並列に存在するモデルで通電方向を長手方向と考えると、体積抵抗率の低い筋群ほど通電量が多くなり、羽状角度が大きい筋ほど通電量が少なくなり、その測定区間の合成インピーダンス情報は、通電量が多い組織に対して支配的な感度で計測されることになる。f1より高いf2:150kHz及びそれ以上の周波数帯では、この筋線維走行方向の影響を受け難くなってくるといわれている。つまり、測定区間中の骨格筋組織層全体を示すインピーダンス情報が得易くなる事になる。ただし、骨格筋組織量を計測する場合は、f2の方が有利だと言うことになるが、体脂肪率等の身体のパフォ−マンスに関連する組織情報等の推定に際しては、f1で得られる偏りのある計測感度の情報の方が、有利となる場合もある。
2.体幹部構成組織の電気的等価回路モデル化
(4)体幹中部は、主として、皮下脂肪組織層と、骨格筋組織(腹筋群、背筋群)層と、内臓器組織とその隙間に付着する内臓脂肪組織から成ると考えることが出来る。骨組織を構成組織として挙げていないのは、骨組織は骨格筋組織層と量的相関が非常に高く、一体の組織体として考えられるからである。体積抵抗率も、生体内では骨髄組織なども含めることでかなり導電性が良く、骨格筋組織層や内臓器組織に近い特性を有するものと考えられる。よって、この4組織を電気的な等価回路モデルで表すと、内臓器組織と内臓脂肪組織を直列に構成し、その直列の合成組織に対して、皮下脂肪組織層および骨格筋組織層がそれぞれ並列に構成される。この等価回路モデルについては、後述する実施例についての説明において詳述する。このモデルによると、体幹の長さ方向への通電に対しては、骨格筋組織層に支配的に電流が流れる。内臓脂肪組織は、内臓器組織の周辺の隙間に付着することから、内臓脂肪組織が無い時、または少ない時、内臓器組織が骨格筋組織層に近い導電性を示すことから、内臓器組織側にも電流が通電されることになる。また、内臓脂肪組織が多くなるほど、内臓器組織と内臓脂肪組織の複合体としての合成組織への通電量が低下してゆくことになる。体幹中部の計測インピーダンスと、それを構成する4組織を等価回路モデルで表した時のモデル式は、下記の様に表現できる。
Ztm = ZFS//ZMM//(ZVM+ZFV) ・・・式1
ここで、
体幹中部全体のインピーダンス:Ztm
皮下脂肪組織層のインピーダンス:ZFS・・・体積抵抗率は、大きい。
骨格筋組織層のインピーダンス:ZMM・・・体積抵抗率は、小さい。
内臓器組織のインピーダンス:ZVM・・・骨格筋組織層に近い体積抵抗率と考えられている。
内臓脂肪組織のインピーダンス:ZFV・・・体積抵抗率は、皮下脂肪組織層と同等かそれよりも、やや小さ目と考えられる。脂肪の合成分解が皮下脂肪組織層に比べて速いことから、組織内血管及び血液量が多いものと考えられる。
組織間の電気的特性は、インピーダンスよりはむしろ体積抵抗率ρ[Ωm]で決まる。上の関係から、各組織の電気的特性値は一般に以下の関係で説明される。
ρMM<<ρ(VM+FV)<ρFS
ρVM<<ρFV
ρMM=ρMV、若しくは、ρMM<ρMV
ρFV=ρFS、若しくは、ρFV<FS
ここで、
皮下脂肪組織層の体積抵抗率:ρFS
骨格筋組織層の内側の内臓器組織と内臓脂肪組織の複合組織層の体積抵抗率:ρ(VM+FV)
骨格筋組織層の体積抵抗率:ρMM
よって、式1との関連により、各組織間の電気的特性の比較関係は、
ZFS >> (ZVM+ZFV) >> ZMM ・・・式2
となる。
3.体幹部骨格筋組織層インピーダンス[ZMM]と体幹部骨格筋組織横断面積量[AMM]の2周波インピーダンス計測情報からの推定
(5)骨格筋組織層の筋線維走向に対して影響を受け易い周波数f1とそれより高い周波数帯で影響を受けなくなる周波数f2の2周波で体幹のインピーダンスを計測し、身体特定化情報との組み合わせで、体幹部中部の内臓脂肪組織量を特定する。骨格筋組織層は、電気的な周波数特性を持ち、筋線維方向と通電方向との走向角度によって、電気的特質を指す体積抵抗率ρ[Ωcm]が大きく変化する。また、この筋線維に対して感度の高い周波数は、f1:50kHz近辺と言われている。次に、筋線維及び細胞膜などを貫通可能とする周波数では、細胞膜や筋線維の走向等に影響を受けず安定した体積抵抗率ρ[Ωcm]値を示す。この安定な周波数帯は、f2:150kHz以上といわれている。100kHzでも、f1との相対的な特性としてある程度の安定性は確保出来る。そこで、
筋線維走向に対して一番感度が高い周波数帯f1:50kHz
筋線維走向に対して影響を受けない高周波帯f2:150kHz以上(ここでは仮に150kHzとする。)
を使用することを考える。
尚、細胞膜に対しての安定周波数は、筋線維に比べて高く、250kHz程度必要とも言われている。
先ず、図5の皮下脂肪組織層を省略して考えた体幹腹部の電気的等価回路とした場合における手順について説明する。
(6)[ステップ1]
2周波による骨格筋組織層のインピーダンスは、それぞれ、
ZMM(f1):f1による骨格筋組織層のインピーダンス
ZMM(f2):f2による骨格筋組織層のインピーダンス
とする。ここで、内臓器組織及び内臓脂肪組織は、f1及びf2の周波数帯での体積抵抗率の変化はないものと仮定する。
2周波によって計測される体幹中部のインピーダンスは、それぞれ、
Ztm(f1):f1による体幹中部のインピーダンス
Ztm(f2):f2による体幹中部のインピーダンス
とする。
体幹中部の骨格筋組織層の筋線維走向周波数特性は、ほぼ一定の減衰係数:nで置く事ができ、次の式が成立する。
ZMM(f1)/n=ZMM(f2)・・・式3
よって、計算式は、次の様になる。
Ztm(f1)=ZMM(f1)//(ZVM+ZFV)
1/Ztm(f1)=1/ZMM(f1)+1/[ZVM+ZFV]・・・式4
Ztm(f2)=ZMM(f2)//(ZVM+ZFV)
1/Ztm(f2)=1/ZMM(f2)+1/[ZVM+ZFV]・・・式5
式5に式3を代入すると、
Ztm(f2)=[ZMM(f1)/n]//(ZVM+ZFV)
1/Ztm(f2)=1/[ZMM(f1)/n]+1/[ZVM+ZFV]・・式6
式4、6より、
1/[ZVM+ZFV]=1/Ztm(f1)−1/ZMM(f1)
=1/Ztm(f2)−1/[ZMM(f1)/n]・・式7
式7より、
1/ZMM(f1)=[1/Ztm(f2)−1/Ztm(f1)]/(n−1)
・・・式8
次に、式4へ式8を代入して、
1/Ztm(f1)=[1/Ztm(f2)−1/Ztm(f1)]/(n−1)
+1/[ZVM+ZFV]・・・式9
よって、式9を変形してZFVを求めると、
ZFV=[(n−1)*Ztm(f1)]/[n−Ztm(f1)/Ztm(f2)]
−ZVM・・・式10
(7)[ステップ2]
体幹中部の骨格筋組織層[MMtm]は、体幹中部の骨格筋組織層のインピーダンスでf2の周波数の測定値が、骨格筋組織量を推定するのに適した情報となる。f1の周波数では、筋線維の走行方向の違いによる構成筋群ごとのインピーダンス感度の違いが推定誤差として考えられるからである。よって、式8を式3で変形させることにより、体幹中部の骨格筋組織層のインピーダンスは、
ZMM(f2)=ZMM(f1)/n=[1/Ztm(f2)−1/Ztm(f1)]
/[n*(n−1)]・・・式11
次に、体幹中部の骨格筋組織量[MMtm]は、身長H( ∝ 体幹幅方向長Lwt)に比例し骨格筋組織層インピーダンスZMM(f2)に反比例することから、次の式で推定できる。この式の回帰解析の基準組織量の計測法は、MRI法及びCT法によるスライス毎の横断面積及び積分処理による体積量とする。
AMM=a0*H/ZMM(f2)+b0・・・式12
ここで、ZMM(f2)は、式11の情報を採用する。
4.内臓脂肪組織インピーダンス(ZFV)及び内臓脂肪組織量(AFV)の推定
式1、2の関係式から、次の様な二つのアプローチ案によって、内臓脂肪組織情報を推測可能とする手法が考えられる。
(8)アプローチ1
皮下脂肪組織層は、他の構成組織と比較する中で体積抵抗率が高いことから体幹中部の等価回路から見て、省略して考える。つまり、体幹中部で計測されるインピーダンス値には、体幹中部の皮下脂肪組織層を除いた内臓脂肪組織を含む除脂肪組織の情報が計測されているものと考えることが出来る。よって、この関係式は、次の様に表現できる。
Ztm ≒ ZMM//(ZVM+ZFV)・・・式13
式13を変形すると、
1/Ztm ≒ 1/ZMM + 1/(ZVM+ZFV)・・・式14
この式中の骨格筋組織層のインピーダンスZMMおよび内臓器組織のインピーダンスZVMを下記で記述される手段で顕在化することで、内臓脂肪組織のインピーダンスZFVを算出可能となる。そして、この内臓脂肪組織のインピーダンス情報より、内臓脂肪組織量を推定可能と出来る。式14からZFVを誘導すると、次の式15となり、内臓脂肪組織の情報を有するインピーダンス情報を求めることができる。
ZFV= 1/[ 1/Ztm−1/ZMM] − ZVM・・・式15
(9)アプローチ2
前記アプローチ1では皮下脂肪組織層を省略して考えたが、皮下脂肪組織層を大量に有する被験者に対しては誤差要因となりえるため、式1のままで進める方法である。
この式中の骨格筋組織層のインピーダンスZMMおよび内臓器組織のインピーダンスZVMは、前記手法と同様とし、皮下脂肪組織層のインピーダンスZFSに対して、インピーダンス情報は他の組織と同様の考え方で皮下脂肪組織量と有用な関係がある。ここで、皮下脂肪組織量は、その組織表面での周囲長、つまり、腹囲長との相関が非常に高い関係があることが一般に報告されている(特に皮下脂肪組織層が多い被験者に対して、または、皮下脂肪組織層を除く除脂肪組織に比較して多い場合)ことから、皮下脂肪組織層は腹囲長情報から推定可能となる。よって、皮下脂肪組織層のインピーダンスは、腹囲長の情報から推測可能と出来る。以下、前記アプローチと同様の手法で内臓脂肪組織のインピーダンスZFVを算出可能となる。そして、この内臓脂肪組織のインピーダンス情報より、内臓脂肪組織量を推定可能と出来る。
式1を変形すると、
1/Ztm = 1/ZFS + 1/ZMM + 1/(ZVM+ZFV)・・・式16
ZFV= 1/[ 1/Ztm−1/ZMM−1/ZFS] − ZVM・・・式17
(10)内臓脂肪組織量(AFV)は、ここでは内臓脂肪組織横断面積として取り扱う。内臓脂肪組織組織量(AFV)は、式18において、上記インピーダンス情報と身長情報から算出することができ、
AFV=aa*H/ZFV+bb・・・式18
ここで、aa、bbは定数である。
5.内臓器組織量[AVM]及び内臓器組織インピーダンス [ZVM]の推定
(11)体幹中部の内臓器組織量[VM]は、身長、体重、性別、年齢等の身体(個人)特定化情報から推定することが出来る。説明変数の中で、身長項の影響が大きい。
内臓器組織量[AVM] = a1*身長[H]+ b1*体重[W] + c1*年齢[Age] + d1・・・式19
ここで、a1、b1、c1、d1は、男女で別の値を与える定数である。
なお、本検量線(回帰式)に用いる内臓脂肪組織量VMの基準量の計測は、MRI法やX線CТ法により得られるスライス毎のCSA(組織横断面積)を長さ方向に積分して求めた組織体積、または、臍位等の1スライスからのCSAとする。組織体積は、先行研究論文等で公知の組織密度情報から重量へ変換することで組織量とすることが出来る。
(12)次に、内臓器組織のインピーダンスZVMを推定する。
内臓器組織のインピーダンス[ZVM]は、身長、体重、性別、年齢等の身体(個人)特定化情報から推定することが出来る。説明変数の中で、身長項の影響が大きい。便宜上、ここでは上で求めた内臓器組織量[AVM]を利用する。この推定は、以下の式を用いて行うことができる。
ZVM=a2*H/AVM+b2・・・式20
ここで、a2、b2は、定数である。
6.皮下脂肪組織量[AFS]の推定
(13)体幹中部の皮下脂肪組織量[AFS]の測定方法について説明する。
皮下脂肪組織情報(具体的には、電圧値やインピーダンス値)を得るために、ここでは広がり抵抗を利用する。広がり抵抗は一般には好ましくないものとして捉えられてきたが、特に、電流印加電極直下における広がり抵抗は皮下脂肪組織層に関する情報を表すものということができるため、この領域における電圧を計測することで有用な皮下脂肪情報を得ることができる。
広がり抵抗を測定するため、少なくとも1つの電流印加電極対と、この電流印加電極対から印加された電流によって被験者に生じた電位差を測定し得る、少なくとも1つの電圧計測電極対を備える。ここで、電流印加電極対に含まれる一方の電流印加電極、例えば、電流印加電極は、皮下脂肪組織層が薄い部位、または、骨格筋組織層の筋腹部が無いまたは少ない部位に電流を印加するように使用され、他方の電流印加電極、(例えば、後述する電流印加電極13L)は、皮下脂肪組織層が厚い部位に電流を印加するように使用される。
一方、電圧計測電極対に含まれる一方の電圧計測電極(例えば、後述する電圧計測電極34)は、電流印加電極直下の広がり抵抗の影響が支配的な位置、つまり、電流印加電極に近接して配置される。これに対し、他方の電圧計測電極(例えば、後述する電圧計測電極36)は、電流印加電極直下の広がり抵抗の影響が軽減されるまで離れた位置、つまり、電流印加電極直下の皮下脂肪組織層の影響を受けないまたは受け難い部位に配置される。前者の(一方の)電圧計測電極34が配置される位置としては、例えば、臍位近辺、側腹部(腸骨稜上縁部)、側背部等、皮下脂肪組織層が個人差を反映する非常に厚く蓄積される部位があり、後者の(他方の)電圧計測電極36が配置される位置としては、例えば、臍部と腸骨稜上縁部の間(外腹斜筋と腹直筋の結合腱膜部近辺)等、皮下脂肪組織層が個人差を反映する脂肪の付き易い部位と付き難い部位がある。
電流印加電極から印加された電流によって電圧計測用電極(例えば、電圧計測電極34、36)間に生じた、電位差V2、V3等における電位差計測値は、皮下脂肪部のインピーダンス(ZFS)値に比例し、また、皮下脂肪組織層の厚み(LFS)情報に比例する、インピーダンス情報と考えられる。広がり抵抗部のインピーダンスを△Z、電流印加電極の面積に相当する定数をA0とおけば、
△Z ∝ ZFS ∝ LFS/A0 ∝ LFS
である。故に、皮下脂肪組織層の横断面積量AFSは、
AFS=Lw*LFS=aa0*ZFS*Lw+bb0・・・式21
で求めることができる。尚、上式において、Lwは腹囲長、つまり、腹16周囲の長さ、aa0、bb0は、男女で別の値となる定数である。
なお、本検量線(回帰式)に用いる皮下脂肪組織量FSの基準量の計測は、MRI法やX線CТ法により得られるスライス毎のCSA(組織横断面積)を長さ方向に積分して求めた組織体積、または、臍位等の1スライスからのCSAとする。組織体積は、先行研究論文等で公知の組織密度情報から重量へ変換することで組織量とすることが出来る。
7.体幹内臓脂肪/皮下脂肪比[V/S]の推定
(14)内臓脂肪/皮下脂肪比[V/S]は、式21からの皮下脂肪組織量[AFS]と式18からの内臓脂肪組織量[AFV]から求めることが出来る。
V/S=AFV/AFS・・・式22
8.体幹腹部(中部)のインピーダンスによる内臓器組織異常判定の考え方
(15)内臓脂肪組織量推定に必要な体幹部のインピーダンスZtmは、呼吸及び飲食等により変動が大きな部位でもあることから、安定性及び信頼性の高い情報の計測が必要となる。よって、次の様な処理を加えることで、信頼性の高い体幹部のインピーダンス情報を確保出来る。また、一部体幹部の体液分布の乱れに関連する情報としての視点から、体幹部の組織異常の判定も可能と出来る。
(16)呼吸による変動の影響除去処理
(a)一般的な呼吸周期時間の1/2より短いサンプリング周期で、体幹部のインピーダンスを測定する。
(b)サンプリング毎の測定デ−タに対して移動平均等によるスムージング処理を施す。
(c)処理後の時系列データより、呼吸の周期性と周期毎の最大値と最小値を検出する。
(d)毎周期毎の最大値と最小値を各々別個に平均処理する。
(e)最大値と最小値の平均処理後の値を平均して、呼吸の中央値を算出する。
(f)呼吸周期毎の呼吸の中央値が規定回数規定以内の安定域に入った時点で、呼吸中央値確定と判断し、確定した中央値のインピ-ダンス値を体幹部のインピーダンス値として登録し、測定を完了とする。
(17)飲食及び膀胱等への水分貯留(尿等)による異常値判定処理
(a)体幹部のインピーダンスは、26.7±4.8Ω(mean±SD)が集団の一般的な値となる。
(b)反面、便秘及び膀胱尿の貯留や胃での飲食物の充満時の値は、mean±3SDの範囲を超える。
(c)よって、3SDを超える測定値が得られる場合には、飲食及び膀胱尿等の影響の可能性を被験者へ報知し、最善の環境で測定に望んで貰う様促す。ただし、実際にこれらの影響なしに骨格筋組織層発達及び内臓器組織が標準サイズとは異なる被験者においては、測定を継続出来る様に進める。
(d)さらに、判定感度を上げる方法としては、性別、体重、身長別で規定値を細分化する。又は、体重で割るか、身長で割って単位当たりの値として規定値を規定する。
次に、前述したような本発明の測定原理に基づいて、本発明による体幹内臓脂肪測定方法および装置、並びに体格骨格筋量測定装置の実施例について説明する。
図1に、本発明による体幹内臓脂肪測定装置の一実施例の外観を示す概略斜視図を、図2に、その使用法を、図3に、本発明による体幹内臓脂肪測定装置に含まれる本体部のブロック図を、それぞれ示す。
本発明の体幹内臓脂肪測定装置1は、外観上、本体部14と、電線120L、120Rを介して本体部14に接続された2つのグリップ電極部100、110から成る。グリップ電極部100、110は、図示のようなハンディタイプのものであってもよく、図2に示すように、グリップ電極部100、110を各手に持って、それらを被験者の測定部位、例えば、腹部に押し当てて使用する。また、グリップ電極部100、110には、骨盤(上前腸骨棘)に引っかかって、常に一定位置に押し当てるためのガイド200L、200Rが設けられている。
本体部14の前面には、入力部5aと表示部5bを有する表示兼入力部5や報知部22が現れており、その内部には、表示兼入力部5や報知部22に加え、図3から明らかなように、演算兼制御部7や、電力供給部1、記憶部4、印刷部6、インピーダンス測定部3等が設けてある。
電力供給部1は、本装置の電気系統各部に電力を供給する。
記憶部4は、身長、体幹長、体幹中部長等の身体特定情報や前記の式1から式22等を記憶する。また、記憶部4は、後述するような健康指針アドバイスのための適当なメッセージ等も記憶する。
表示兼入力部5は、入力部5aと表示部5bとが一体となったタッチパネル式の液晶表示器からなり、身長を含む身体特定情報を入力し、また、各種結果、アドバイス情報等を表示する。
印刷部6は、表示部5bにて表示される各種結果、アドバイス情報等を印刷する。
体重測定部2(図3参照)は、公知の体重計の如き、重量検出部、増幅部およびAD変換部を備え、身体目方特定情報(体重)に基因する電位差を測定する。体重測定部2は、図1には示されていないが、通常の体重計と同様の構成を有するものとして、図1の装置に取り付け、或いは、図1の装置と一体的に設けることもできる。
インピーダンス測定部3は、公知の生体インピーダンス測定装置(例えば、体脂肪計、体組成計等)の如き、電流供給部8、電流印加電極切替部9、電流印加電極10(10a、10b)、電圧計測電極11(11a、11b)、電圧計測用電極切替部12および電圧測定部13を備え、各種の身体部位間の生体インピーダンス(各種の部位インピーダンス)に基因する電位差を測定する。
電流供給部8は、周波数f1の第1の電流源81と、周波数f2の第2の電流源82と、印加周波数(定電流)源切替部83とからなっている。この実施例では、周波数f1は、50kHzとされ、周波数f2は、150kHzとされている。
演算兼制御部7は、入力部5aから入力された身体目方特定情報(体重等)、計測したインピーダンス、式1から式22等に基づいて、体幹中部骨格筋組織横断面積量、体幹中部骨格筋組織層インピーダンス、内臓脂肪組織インピーダンス、内臓脂肪組織量、内臓器組織量、内臓器組織インピーダンス、皮下脂肪組織量、体幹内臓脂肪/皮下脂肪比等を演算したり、呼吸による変動の影響除去処理や、内臓器組織異常判定等の処理を行ったり、その他、各種の入出力、測定、演算等を行う。
各グリップ電極部100、110の接触面には、例えば、その下段に、電流印加電極10a、10bが、上段に、電圧計測電極11a、11bが、それぞれ1つずつ設けられている。
電流印加電極10a、10bと電圧計測電極11a、11bは、SUS材及び樹脂材表面を金属めっき処理等して実現されていてもよい。このタイプの電極は、金属電極表面に、保水性高分子膜をコ−ティングすることで、測定前に水分をふきつけるか、水にぬらして使用する。水にぬらすことにより、皮膚との電気的接触の安定性を確保することができる。また、特に図示しないが、粘着性貼り付けタイプの電極を用いることもできる。これは交換可能な粘着パッドを各電極のベ−ス電極面に貼り付けて皮膚との接触安定性を確保するタイプのものである。このタイプは、例えば、低周波治療器や心電図電極等でよく用いられており、測定後に取り外して廃棄するようなディスポ形態と、パッド表面が汚れて密着性が低下したり水分が蒸発した場合にのみ廃棄交換し、廃棄するまでの間はカバ−シ−ト等で保管する形態がある。
本発明の原理を説明するため、ここで、電気的な等価回路モデルを導入する。図4に、この等価回路の基になる体幹腹部(中部)の構造を模式的に示す。電気的特性の観点でみると、体幹腹部は、皮下脂肪組織層(FS)、骨格筋組織層(MM)、内臓器組織(VM)、その隙間に付着する内臓脂肪組織(FV)の各組織に分けることができる。
図5は、図4に示された体幹腹部の模式図を臍高さにおける腹囲周横断面にてモデル化した図である。この図に示すように、体幹腹部断面は、最も外側にある皮下脂肪組織層(FS)と、そのすぐ内側にある骨格筋組織層(MM)と、最も内側にある内臓器組織(VM)とそれに取り巻く内臓脂肪組織(FV)を含む。
図6は、図5に示された模式図を更に電気的な等価回路として表したものである。例えば、電流印加電極10a、10bで電流(I)を印加し、電圧計測電極11a、11bで電位差(V)を測定するものとした場合、この等価回路における電気抵抗は、主として、臍前後付近の皮下脂肪組織層のインピーダンス(ZFS1、ZFS2)と、腹周囲の皮下脂肪組織層のインピーダンス(ZFS0)と、臍の左右各側の骨格筋組織層のインピーダンス(ZMM1、ZMM2)と、臍前後付近の内臓脂肪組織のインピーダンス(ZFV1、ZFV2)、更に、体幹腹部中心付近の内臓器組織のインピーダンス(ZVM)として現れる。
図7に、図6を更に簡略化した回路を示す。ZFS1とZFS2は略同じ大きさと考えられるため、ここでは、それらを同値のZFSとして表し、また、ZMM1とZMM2、或いは、ZFV1とZFV2は、それぞれ、ZMM、ZFVとして表している。また、導電性が他の領域に比べて著しく低いと考えられるZFS0は省略した。これを省略できる点は、前項「2.体幹部構成組織の電気的等価回路モデル化」(4)の記載から明らかであろう。
次に、図8を参照して、四電極法における電極間距離と広がり抵抗の関係を説明する。図8は、電極間距離と広がり抵抗の関係を示したものである。図中、丸い点線で囲った部分30が広がり抵抗領域を示す。電流印加電極からの電流は、印加後に徐々に被験者の体内に広がることになるが、印加直後の領域、即ち、広がり抵抗領域においては、それほど大きくは広がっておらず、このため、これらの領域では電流密度が他の領域に比べて非常に高くなる。したがって、電流印加電極100と電圧計測電極110をあまりに接近させて配置した場合には、電圧計測電極110において測定される電圧は広がり抵抗領域における電流の影響を大きく受けてしまう。
例えば、前述した式2より明らかなように、臍付近における皮下脂肪組織層のインピーダンス(ZFS)と、腹周囲における皮下脂肪組織層のインピーダンス(ZFS0)、骨格筋組織層のインピーダンス(ZMM)、内臓脂肪組織のインピーダンス(ZFV)、及び、体幹中部中心付近の内臓器組織のインピーダンス(ZVM)の間には、
ZFS >> (ZVM+ZFV) >> ZMM
の関係がある。
したがって、I−V電極間距離がほとんど無く近接して配置されたときの電圧計測インピーダンスΣZ1は、
ΣZ1=2*ZFS+ZMM//(ZVM+ZFV)≒2*ZFS
となる。これにより明らかなように、広がり抵抗の影響でZFSが数倍に増幅されるため、ここでは、ZFSによる情報が支配的となる。
広がり抵抗の影響を小さくするには、電流印加電極と電圧計測電極の間の距離を大きくする必要がある。例えば、I−V電極間距離を10cm程度確保して配置した場合の電圧計測インピーダンスΣZ2は、
ΣZ2≒2*ZFS+ZMM//(ZVM+ZFV)
である。明らかなように、I−V電極間距離を広げることによって、広がり抵抗の影響は多少小さくなっているが、この程度離しただけでは、まだZFSの情報が支配的である。
この広がり抵抗の影響を詳細に検討するため、図9に示すように、電極13L、14Lb、14Rb、13RにおけるI−V電極間及びV−V電極間相互の距離が各々1/3程度になるよう10cm程度確保して配置した場合を考える。ただし、電極14La、14Raは、前記I−V電極間距離がほとんど無い近接配置とする。この場合の電圧計測インピーダンスΣZ3は、
ΣZ3≒2*ZFS+ZMM//(ZVM+ZFV)である。
このとき電極間で計測される電圧降下の関係は、おおよそ次のようになる。
V1=I*ZMM//(ZVM+ZFV)
V2=V3=I*2*ZFS
V1:(V2+V3)≒1〜2:10〜20=S:N
上式におけるSの1〜2やNの10〜20のバラツキは、皮下脂肪組織層の厚みの個人差と骨格筋組織層の発達具合によるものである。この結果からも分かるように、たとえ電極間距離を調節しても、十分なS/Nが確保できるとは言いがたい。
また、ほとんどの電流は骨格筋組織層で支配的に通電されるため、内臓器組織と内臓脂肪組織の混成組織層への通電感度を十分に確保することはできない。即ち、骨格筋組織層に流れる電流をI1、測定対象である内臓器組織と内臓脂肪組織に流れる電流をI2とすれば、
V1=I*ZMM//(ZVM+ZFV)=I1*ZMM=I2*(ZVM+ZFV)
I=I1+I2
となり、よって、
ZMM:(ZVM+ZFV)=I2:I1≒1:2〜5
となる。これより明らかなように、たとえ広がり抵抗の影響を排除できたとしても、骨格筋組織層に流れる電流は内臓器組織と内臓脂肪組織に流れる電流の2〜5倍にも及ぶため、この結果、S/N特性は更に悪くなる。このように、体幹中部のような太短い測定部位においては、たとえ電極間距離を調整しても、電流電極間距離で上限が決まってしまうことから、S/N特性の改善には限界がある。
図10に、図4と同様の方法で、本発明による電極配置方法の一例を示す。最適なS/N条件を確保するため、ここでは、骨格筋組織層より内側の内臓器組織及び内臓脂肪組織における電流印加電極10a、10bからの電流通電量を増やし、測定対象組織への計測感度を確保する。更に言えば、皮下脂肪組織層の薄い部位、換言すれば、皮下脂肪組織層のインピーダンス(ZFS)が小さい部位から電流を印加することによって、広がり抵抗の影響を最小限にとどめ、内臓器組織や内臓脂肪組織への通電感度を改善する。広がり抵抗の影響を少なくするため、電圧計測電極11a、11bによる電位差の測定も、皮下脂肪組織層による影響が少ない皮下脂肪組織層の薄い部位、換言すれば、皮下脂肪組織層のインピーダンス(ZFS)が小さい部位で行うのが好ましい。尚、腹囲周横断面積を測定基準とする場合、電流印加電極10a、10bから電流を印加する部位は、皮下脂肪組織層が最も薄く沈着する部位、または、導電性の良い骨格筋組織層の筋腹部が無いまたは薄い骨格筋結合領域である、例えば、腱部(腱画,腱膜等)15、更に具体的に言えば、臍と腸骨稜上縁間の区間、腹直筋と外腹斜筋間の結合腱部(腱膜部)となる。
更に、最適なS/N条件を確保するため、本発明では、四電極の全てを腹囲周上に揃わせることはせず、少なくとも一つの電極を腹囲周上からずらした位置に配置する。臍囲周から離した配置を取ることで、最善の距離条件を確保することができ、また、皮下脂肪組織層のインピ−ダンス(ZFS)を本来の四電極法の計測として、分離除去することができる。
このような配置方法として、例えば、電流印加電極対は腹(臍)囲周上に配置し、電圧計測電極のみを対としてまたは対を形成する電極のうちの一方を周上から外れた位置に配置する方法が考えられる。また、電流印加電極対のうちの一方を周上に配置し、他方を周上から外れた位置に配置してもよい。尚、電流印加電極対、或いは、電圧計測電極対は、被験者の臍Aを中心として見た場合の左右の上記部位間、つまり、皮下脂肪組織層の薄い部位に配置してもよい。但し、電圧計測電極は、例えば、腹(臍)囲周上から外れた腹部領域内の体幹長手方向とする。
図11乃至図13に実際の電極配置例を示す。図11は、電圧計測電極を臍囲周より上部に配置したもの、図12は、電圧計測電極を臍囲周より下部に配置したもの、図13は、図11と同様に、臍囲周より上部であるが、腹直筋の臍Aより少し上の腱画位置の腱膜位置に配置したものである。
次に、図14に示す基本フローチャートと図15から図19に示すサブルーチンフローチャートを参照して、図1および図2に示す本発明の実施例での体幹内臓・皮下脂肪測定装置の操作および動作について説明する。
図14に示す基本フローチャートにおいては、先ず、入力部5aにおける電源スイッチ(図示していない)がオンされると、電力供給部1から電気系統各部に電力を供給し、表示部5bにより身長等を含む身体特定化情報(身長、体重、性別、年齢等)を入力するための画面が表示される(ステップS1)。
続いて、この画面にしたがって、ユーザは、入力部5aから身長、体重、性別、年齢等を入力する(ステップS2)。この場合において、体重については、入力部5aから入力してもよいが、本体部14に接続された体重測定装置(図示されていない)により測定したデータを自動的に入力して、演算兼制御部30により身体目方特定情報(体重)を演算するようにしてもよい。これら入力値は、記憶部4に記憶される。
次に、ステップS3にて、体幹長、腹囲長等の形態計測実測値を入力するか否かの判断を行い、それら形態計測実測値を入力する場合には、ステップS4にて、形態計測を実施して、体幹長、腹囲長等の実測値を入力部5aから入力し、ステップS6へ移行する。ステップS3において、形態計測実測値を入力しないと判断する場合には、ステップS5に移行する。これら入力値も、記憶部4に記憶される。同様に、以下の処理において得られる数値情報等は、記憶部4に記憶される。
ステップS5において、演算兼制御部30は、記憶部4に記憶された身長、体重、性別、年齢等の身体特定化情報から、体幹長、腹囲長等を推定する形態計測情報推定処理(例えば、人間身体情報データベースから作成する検量線使用)を行う。
続いて、演算兼制御部7は、ステップ6において、印加周波数(定電流)源切替部83に周波数切替コントロール信号を出して、電流印加電極10に対する印加周波数定電流源の周波数をf1に設定する。
次いで、ステップS7において、部位インピーダンス測定部3により、体幹インピーダンス計測処理を行う。この体幹インピーダンス計測処理については、図17に示すサブルーチンフローチャートを参照して後述する。このステップS7にて測定された体幹インピーダンスZtmは、Ztm(f1)として、皮下脂肪組織層インピーダンスZFSは、ZFS(f1)として、それぞれ記憶部4に記憶される。
続いて、演算兼制御部7は、ステップ8において、印加周波数(定電流)源切替部83に周波数切替コントロール信号を出して、電流印加電極10に対する印加周波数定電流源の周波数をf2に設定する。次いで、ステップS9において、部位インピーダンス測定部3により、体幹インピーダンス計測処理を行う。この体幹インピーダンス計測処理については、図17に示すサブルーチンフローチャートを参照して後述する。このステップS9にて測定された体幹インピーダンスZtmは、Ztm(f2)として、皮下脂肪組織層インピーダンスZFSは、ZFS(f2)として、それぞれ記憶部4に記憶される。
次に、ステップS10において、演算兼制御部7により、体幹中部骨格筋組織層インピーダンスZMMの推定処理を行う。この推定処理は、記憶部4に記憶された諸数値および前述の式11に基づいて、体幹中部骨格筋組織層インピーダンスZMMを算出するような処理である。
次に、ステップS11において、演算兼制御部7により、体幹部骨格筋組織横断面積量AMMの推定処理を行う。この体幹骨格筋組織横断面積量の推定処理は、記憶部4に記憶された諸数値および前述の式12に基づいて、体幹中部骨格筋組織量MMtmを算出するような処理である。このステップS11の後、皮下脂肪組織層インピーダンスZFSは、「ZFS(f1)+ZFS(f2)」/2として、記憶部4に記憶される。
次に、ステップ12において、演算兼制御部30により、皮下脂肪組織量(AFS)の推定処理を行うものである。この推定処理は、前述した式21にて算出され得る。
ステップS13は、演算兼制御部30により、内臓器組織量(AVM)および内臓脂肪器組織インピーダンス(ZVM)の推定処理を行うものである。このステップ13については、図15に示すサブルーチンフローチャートを参照して後で詳述する。
ステップS14は、演算兼制御部30により、内臓脂肪組織インピーダンス(ZFV)および内臓脂肪組織量(AFV)の推定処理を行うものである。このステップ14については、図16に示すサブルーチンフローチャートを参照して後で詳述する。
次に、ステップS15において、演算兼制御部30により、内臓脂肪/皮下脂肪比(V/S)の演算処理を行う。この処理は、記憶部4に記憶された前述した式22に従って行われる。
次に、ステップS16において、演算兼制御部30により、体格指数(BMI)の演算処理を行う。この演算処理は、記憶部4に記憶された体重Wと身長Hから次の式にて算出され得る。
BMI=W/H2
更に、ステップS17において、演算兼制御部30により、体幹部体脂肪率(%Fatt)の演算処理を行う。この演算処理は、記憶部4に記憶された皮下脂肪組織量(AFS)、内臓脂肪組織量(AFV)、体幹部骨格筋組織横断面積量(AMM)、及び、内臓器組織量(AVM)から次の式にて算出されるものである。
%Fatt=(AFS+AFV)/[(AFS+AFV)+AMM+AVM]*100
次に、ステップS18において、演算兼制御部30により、内臓脂肪率(%VFat)の演算処理が行われる。この処理は、前述の演算処理により算出され記憶部4に記憶された体幹部体脂肪率(%Fatt)、内臓脂肪/皮下脂肪比(V/S)から次の式にて行われる。
%VFat=%Fatt*(V/S)/[(V/S)+1]
最後に、ステップS19において、演算兼制御部30は、前述したような演算処理にて求められた内臓脂肪組織情報(AFV、%VFat)、体組成情報(%Fatt、AMM、AFS、AVM)、体格指数(BMI)や、後述する処理によって得られるアドバイス指針等を、表示部5bに表示させるような表示処理を行う。これにより、一連の処理を終了する(ステップS20)。
次に、前述のステップS13の内臓器組織量(AVM)および内臓器組織インピーダンス(ZVM)の推定処理について、図15のサブルーチンフローチャートを参照して詳述する。この推定処理は、ステップS21において、記憶部4に記憶された諸数値および前述の式19を用いて内臓器組織量(AVM)を算出し、ステップS22において、記憶部4に記憶された諸数値および前述の式20を用いて実行される。
次に、前述のステップS14の内臓脂肪組織インピーダンス(ZFV)および内臓脂肪組織量(AFV)の推定処理について、図16のサブルーチンフローチャートを参照して詳述する。この推定処理は、ステップS23において、記憶部4に記憶された諸数値および前述の式15を用いて内臓脂肪組織インピーダンス(ZFV)を算出し、ステップS24において、記憶部4に記憶された身長Hおよび算出した内臓脂肪組織インピーダンス(ZFV)および前述の式18を用いて内臓脂肪組織量(AFV)を算出するものである。
次に、ステップS7の体幹部インピーダンス計測処理について、第一の実施形態を示す図17のサブルーチンフローチャートを参照して、詳述する。この第一形態においては、前項7.(11)および(12)において説明したような「呼吸による変動の影響除去処理」および「飲食および膀胱等への水分貯留(尿等)による異常値判定処理」を行うものである。先ず、ステップS25において、演算兼制御部30は、入力部5a等からの指示に基づいて、カウンター等の初期設定体幹部のインピーダンスZtmの測定データのサンプル数の初期設定を行う。
続いて、ステップS26において、演算兼制御部30は、測定タイミングか否かの判定を行う。そして、測定タイミングと判定された場合には、ステップS27にて、演算兼制御部30は、体幹部インピーダンス(Ztm)測定電極配置設定処理を行い体幹部インピーダンス(Ztmx)計測処理を行う。更に、ステップ28において、皮下脂肪部インピーダンス(ZFS)測定電極配置設定処理と皮下脂肪組織層インピーダンス(ZFSx)計測処理を行い、ステップ26に戻る。
一方、ステップS26において測定タイミングでないと判定された場合には、ステップS29に移行して、体幹部インピーダンス(Ztmx)と皮下脂肪組織層インピーダンス(ZFSx)に対して、計測インピーダンス(Zx)データスムージング処理(移動平均処理等)、即ち、Zx=(Zx-1+Zx)/2を行う。それから、ステップ30において、体幹部インピーダンス計測データ呼吸変動補正処理を行う。この補正処理については、図18のサブルーチンフローチャートを参照して後述する。尚、皮下脂肪組織層インピーダンス(ZFSx)は、呼吸変動の影響を受けがたいため、体幹部インピーダンスのように補正処理は行われない。
続いて、ステップS31にて、演算兼制御部30は、各部位毎の計測インピーダンスの時系列安定性確認処理を行う。これは、ステップS30の体幹部インピーダンス計測データ呼吸変動補正処理後の各値が所定回数所定変動以内の値に収束したかどうかを判定することによって行われる。ステップS32において、演算兼制御部30は、測定したZtmxとZFSxが安定条件を満足するか否かの判定を行う。この判定は、呼吸周期毎の呼吸の中央値が規定回数規定以内の安定域に入った時点で、呼吸中央値確定と判断するようなものである。このステップS32にて、安定条件が満足されたと判定される場合には、ステップS33に移行して、確定した中央値のインピーダンス値を体幹部のインピーダンス値や皮下脂肪部インピーダンス値として、最終安定条件判定値を測定値結果値として記憶部4に登録する。一方、ステップS32において、安定条件が満足されないと判定される場合には、ステップS26に戻って同様の処理が繰り返される。
ステップS33に続いて、ステップS34において、演算兼制御部30は、飲食および膀胱尿貯留等による異常値判定処理を行い、更に、ステップS35において、測定の完了を報知部22(図2参照)等を用いてブザー等で報知し、測定を完了する。尚、ステップ34の異常値判定処理については、図19のサブルーチンフローチャートを参照して後述する。
次に、ステップS30の体幹部インピーダンス計測データ呼吸変動補正処理について、図18のサブルーチンフローチャートを参照して、詳述する。先ず、ステップS36において、演算兼制御部30は、ステップS30にて処理後の時系列データから変極点検知処理を行う。ステップS37において、変極点か否かの判定を行う。これは、前後の微係数または差分値の極性変化位置のデータを検知することにより行われる。ステップS37にて変極点であると判定される場合には、ステップS38に進み、最大値か否かの判定がなされる。これは、最大値と最小値の振り分けを行うステップである。最大値でない場合には、ステップS39にて、記憶部4に記憶された次の式にて最小値判定データ移動平均化処理が行われる。
[Ztm]minx←([Ztm]minx-1+[Ztm]minx)/2
ステップS38において最大値と判定される場合には、ステップS40において、記憶部4に記憶された次の式にて最大値判定データ移動平均化処理が行われる。
[Ztm]maxx←([Ztm]maxx-1+[Ztm]maxx)/2
続いて、ステップS41において、一呼吸周期分の最大値と最小値データが確保されたかの判定がなされる。ステップS41において、そのデータが確保されたと判定された場合には、ステップS42にて、記憶部4に記憶された次の式にて呼吸変動中央値演算処理(最大値と最小値データの平均値演算)がなされる。
Ztmx←([Ztm]maxx+[Ztm]minx)/2
次に、ステップS34の飲食および膀胱尿貯留等による異常値判定処理について、図19のサブルーチンフローチャートを参照して、詳述する。先ず、ステップS43において、演算兼制御部30は、記憶部4に記憶された次の式にて、体幹部インピーダンス(Ztm)が正常許容範囲内かのチェックを行う。
Mean−3SD≦Ztm≦Mean+3SD
ここで、許容値例としては、26.7±4.8(Mean±3SD)が考えられる。
ステップS44において、体幹部インピーダンスが許容範囲内かの判定がなされる。許容範囲内でないと判定される場合には、ステップS45に移行して、演算兼制御部30にて、体幹部(腹部)コンディション異常に関するメッセージ報知処理がなされ、表示部5bに適切なアドバイスの表示等がなされる。このアドバイスとしては、例えば、「体幹部コンディション異常につき、排便、排尿等の準備処理を実施」等の報知が考えられる。また、準備処理後も同様の判定結果となる場合は、異常値を用いて測定を完了させ、測定の中止はしないようにすることもできる。
ステップS44において許容範囲内で判定される場合には、ステップS46において、演算兼制御部30は、体幹部(腹部)コンディション正常に関するメッセージ報知処理がなされ、表示部5bに適切なアドバイスの表示等がなされる。このアドバイスとしては、例えば、「体幹部コンディション正常」等の報知が考えられる。
このような操作および動作にて、本発明によれば、体幹部(体幹部腹部)の内臓脂肪組織情報を求めることができ、しかも、呼吸による変動の影響除去処理や飲食および膀胱等への水分貯留(尿等)による異常判定処理を行い、それに応じたアドバイス情報も提供できる。なお、前述の実施例では、体幹部内臓脂肪組織情報を脂肪率として求めるものとしたが、本発明は、これに限らず、適当な変換式等を用いることにより、横断面積量や、体積量や重量等として求めることができるものである。
図20に、本発明の第二の実施形態による測定装置の外観斜視図を示す。尚、上の実施形態と同様の部材には同様の番号を付すものとする。本装置1Aは、被験者の腹部形状に適合するように多少湾曲させた本体部60と、この本体部60に対して多少折れ曲がることができるように、例えば蝶番式に、本体部60の左右各側に可動状態で設けられた電極支持部62R、62Lから成る。この装置1は図示のように、ハンディタイプのものであってもよく、例えば、電極支持部62R、62Lの各側を左右の手で把持しながら被験者の腹に押し当てて使用することができる。電極支持部62R、62Lは本体部60に対して可動状態で設けられていることから、本装置1Aは被験者の腹周りにぴったりフィットする。
本体部60の腹側面に、液晶表示部64と各種スイッチ66が設けてある。これらの部分は、測定中、被験者の腹側に配置される。測定中、被験者は、本体部60の表示を見ることはできないが、測定後に、腹から引き離すことによってそれを見ることができる。測定中も液晶表示部を見たり、各種スイッチを操作することができるよう、図21の変形例に示すように、液晶表示部64Aや各種スイッチ66Aを腹側面の対向側に設けても良い。図20の構成は、被験者自身が測定を行うのに適し、図21の構成は、横たわった状態の看者71等を測定するのに適する。特に、図21の構成によれば、本体部60A(の腹側)にも中央電極80Cを設けることができ、また、把持部68R、68Lを電極支持部62の腹側面の対向側に設けることができる。
図20の実施形態に戻って、電極支持部62は、中心に穴を設けた支持枠70R、70Lと、これら支持枠70R、70Lの穴72R、72Lに左右にかけ渡された2本の並列スライド棒74R、74Lと、これらのスライド棒74R、74Lに沿ってスライド可能なスライド支持体76R、76Lから成る。スライド支持体76R、76Lの上面には、被験者の腹に配置される各種電極80R、82R、80L、82Lが設けてある。
電極80、82の数や位置は、使用態様に応じて決定される。図20の例では、電圧計測電極80R、80Lが上段に、電流印加電極82R、82Lが下段に、それぞれ1段ずつ設けてある。上記の構成から明らかなように、スライド支持体76上の電極80、82は、スライド支持体76R、76Lを装置の左右各側に図示矢印ア方向にスライドさせることによって、被験者の体の大きさに応じて様々な幅に設定され得る。この点は、図21に示した実施形態においても同様である。電極を可動とするため、図21の例では、把持部68R、68Lの先端が、各穴69R、69R’、69L、69L’を通じて電極80Rや80Lが載置されたスライド支持体(図示されていない)に連結されている。被験者等は、これら把持部68R、68Lを、各穴69、69’の延長方向沿いに動かすことにより、それらの先端と連結されたスライド支持体やその上に設けた電極80R、80Lを被験者の体の大きさに応じて適当な位置にスライドさせることができる。尚、電圧計測電極80や電流印加電極82は、上に挙げた実施形態と同様に、SUS材及び樹脂材表面を金属めっき処理等して実現されていてもよい。
電極の位置決め精度を上げるため、位置決めガイド部84R、84Lを設けてもよい。位置決めガイド部84R、84Lは、例えば、スライド支持体76R、76Lの一部を下方に延長することによって形成される。実際の使用にあたり、本装置1は、被験者71の臍A周囲付近に配置される。このとき、ガイド部84R、84Lは、スライド支持体76R、76Lを横方向(腹周方向)にスライドさせることによって、例えば、被験者の腸骨の骨盤稜部(上前腸骨棘)をそれらの内側から挟み込むようにして、被験者71の一部部位、例えば、上前腸骨棘と衝突した状態で配置される。
尚、上の実施形態では、2周波を用いる例を例示したが、2周波以上の複数の周波数帯での計測情報によって、骨格筋組織層の周波数特性計測精度を確認に用いることにより、測定値の信頼精度の向上が期待できる。
また、上述したf1(50kHz近辺の周波数帯)を、骨格筋組織層の中でも、抗重力筋である腹筋群の中の腹直筋に感度の高い骨格筋量組織量の推定に、f2(150kHz及びそれ以上の周波数帯)を、骨格筋組織量の推定に、それぞれ、用いることもできる。つまり、f1によるインピーダンス計測値においては、抗重力筋の発達指標として重要な腹直筋を感度良く捕捉できることから、抗重力筋の筋発達をデフォルメしたい場合に有用な情報とする応用も考えられる。尚、腹直筋が感度良く捕捉できる理由は、他の体幹腹部を構成する筋組織が斜めに筋線維方向を有しているのに対して、体幹長手方向に水平に配列しているためであり、体幹腹部表面からの通電に際しては、他の骨格筋組織層に比べて体積抵抗率が高めに計測されるからである。
更に、本発明によれば、内臓脂肪組織量、骨格筋組織量、皮下脂肪組織量は、臍位での横断面積量の場合と、体幹腹部区間長を与えて、体積量として取り扱う場合の両結果に対応することもできる。
本発明による体幹内臓脂肪測定装置の一実施例の外観を示す概略斜視図である。 図1の装置の使用法を示す図である。 本発明による体幹内臓脂肪測定装置の本体部のブロック図である。 体幹腹部の構造を模式的に示す図である。 図4に示した体幹腹部の模式図を臍高さにおける腹囲周横断面にてモデル化した図である。 図5のモデル図を電気的等価回路として表した図である。 図6の回路を簡略化して示したものである。 電極間距離と広がり抵抗の関係を説明する図である。 電極間距離と広がり抵抗の関係を説明する図である。 図4と同様の方法で、本発明による電極配置方法の一例を示す図である。 電極配置の一例を示す図である。 電極配置の一例を示す図である。 電極配置の一例を示す図である。 本発明の一実施例による体幹内臓脂肪測定用の基本フローチャートを示す図である。 図14の基本フローのサブルーチンとしての内臓器組織量および内臓脂肪器組織インピーダンスの推定処理フローを示す図である。 図14の基本フローのサブルーチンとしての内臓脂肪組織インピーダンスおよび内臓脂肪組織量の推定処理フローを示す図である。 図14の基本フローのサブルーチンとしての体幹部インピーダンス計測処理フローを示す図である。 図17の基本フローのサブルーチンとしての体幹部インピーダンス計測データ呼吸変動補正処理フローを示す図である。 図17の体幹部インピーダンス計測処理フローのサブルーチンとしての飲食および膀胱尿貯留等による異常値判定処理フローを示す図である。 本発明の第二の実施形態による測定装置の外観斜視図を示す図である。 本発明の第二の実施形態による位置決めガイド部の変形例を示す図である。
符号の説明
1 電力供給部
3 インピーダンス測定部
4 記憶部
5 表示兼入力部
5a 入力部
5b 表示部
6 印刷部
7 演算兼制御部
14 本体部
22 報知部
110 グリップ電極部
110 グリップ電極部
120 電線

Claims (15)

  1. 第1および第2の電流印加電極と第1および第2の電圧計測電極とを体幹部に配置し、前記第1および第2の電流印加電極間に電流を流し、前記第1および第2の電圧計測電極間の電位差を測定することにより体幹部のインピーダンスを求め、前記体幹部のインピーダンスから推定される、体幹部内臓脂肪組織情報を利用して、体幹部内臓脂肪組織量を測定する方法において、
    前記第1の電流印加電極および第1の電圧計測電極を体幹周囲方向において臍を中心として見た場合の左右いずれかの腱部に配置し、
    第1の周波数及び前記第1の周波数より高い第2の周波数にて、腱部に前記第1の電流印加電極から電流を印加し、該電流によって生じた電位差を前記第1の電圧計測電極によって測定して、体幹の生体インピーダンスを測定し、該測定した生体インピーダンスを利用して体幹内臓脂肪組織量を求めることを特徴とする体幹部内臓脂肪測定方法。
  2. 第1および第2の電流印加電極と第1および第2の電圧計測電極とを体幹部に配置し、前記第1および第2の電流印加電極間に電流を流し、前記第1および第2の電圧計測電極間の電位差を測定することにより体幹部のインピーダンスを求め、前記体幹部のインピーダンスから推定される、体幹部内臓脂肪組織情報を利用して、体幹部内臓脂肪組織量を測定する方法において、
    前記第1の電流印加電極および前記第1の電圧計測電極を、体幹周囲方向において臍を中心として見た場合の左右いずれか一方の側腱部に、体幹長方向に互いに距離をおいて配置
    前記第2の電流印加電極および前記第2の電圧計測電極を、体幹周囲方向において臍を中心として見た場合の他方の側腱部に、体幹長方向に互いに距離をおいて配置
    第1の周波数及び前記第1の周波数より高い第2の周波数にて腱部に前記第1および第2の電流印加電極間に電流を印加し、該電流によって生じた電位差を前記第1および第2の電圧計測電極間によって測定して、体幹の生体インピーダンスを測定し、該測定した生体インピーダンスを利用して体幹内臓脂肪組織量を求めることを特徴とする体幹内臓脂肪測定方法。
  3. 体幹部に配置される第1および第2の電流印加電極と第1および第2の電圧計測電極とを有し、前記第1および第2の電流印加電極間に電流を流し、前記第1および第2の電圧計測電極間の電位差を測定することにより体幹部のインピーダンスを求め、前記体幹部のインピーダンスから推定される、体幹部内臓脂肪組織情報を利用して、体幹部内臓脂肪組織量を測定する装置において、
    前記第1の電流印加電極および第1の電圧計測電極は体幹周囲方向において臍を中心として見た場合の左右いずれかの腱部に配置され、
    第1の周波数及び前記第1の周波数より高い第2の周波数にて腱部に前記第1の電流印加電極から電流を印加し、該電流によって生じた電位差を前記第1の電圧計測電極によって測定して、体幹の生体インピーダンスを測定し、該測定した生体インピーダンスを利用して体幹内臓脂肪組織量を求めることを特徴とする体幹部内臓脂肪測定装置。
  4. 体幹部に配置される第1および第2の電流印加電極と第1および第2の電圧計測電極とを有し、前記第1および第2の電流印加電極間に電流を流し、前記第1および第2の電圧計測電極間の電位差を測定することにより体幹部のインピーダンスを求め、前記体幹部のインピーダンスから推定される、体幹部内臓脂肪組織情報を利用して、体幹部内臓脂肪組織量を測定する装置において、
    前記第1の電流印加電極および前記第1の電圧計測電極は、体幹周囲方向において臍を中心として見た場合の左右いずれか一方の側の腱部に、体幹長方向に互いに距離をおいて配置され、
    前記第2の電流印加電極および前記第2の電圧計測電極は、体幹周囲方向において臍を中心として見た場合の他方の側の腱部に、体幹長方向に互いに距離をおいて配置され、
    第1の周波数及び前記第1の周波数より高い第2の周波数にて、腱部に前記第1および第2の電流印加電極間に電流を印加し、該電流によって生じた電位差を前記第1および第2の電圧計測電極間によって測定して、体幹の生体インピーダンスを測定し、該測定した生体インピーダンスを利用して体幹内臓脂肪組織量を求めることを特徴とする体幹内臓脂肪測定装置。
  5. 呼吸周期時間より短いサンプリング周期で測定した体幹部のインピーダンスに基づいて呼吸による変動の影響を除去するための呼吸変動影響除去手段を更に備える請求項3又は4に記載の体幹部内臓脂肪測定装置。
  6. 前記測定した体幹部のインピーダンスを集団の一般的な値と比較することにより異常値判定処理を行う異常値判定処理手段を更に備える請求項3乃至5のいずれかに記載の体幹部内臓脂肪測定装置。
  7. 前記異常値判定処理手段による判定結果に基づいてアドバイス情報を表示する表示手段を更に備える請求項6に記載の体幹部内臓脂肪測定装置。
  8. 前記体幹部内臓脂肪組織量は、体幹部内臓脂肪率で表される請求項3乃至7のいずれかに記載の体幹部内臓脂肪測定装置。
  9. 前記体幹部内臓脂肪組織量は、体幹部内臓脂肪組織横断面積で表される請求項3乃至7のいずれかに記載の体幹部内臓脂肪測定装置。
  10. 前記体幹部内臓脂肪組織量は、体幹部内臓脂肪組織体積量で表される請求項3乃至7のいずれかに記載の体幹部内臓脂肪測定装置。
  11. 前記体幹部内臓脂肪組織量は、体幹部内臓脂肪組織重量で表される請求項3乃至7のいずれかに記載の体幹部内臓脂肪測定装置。
  12. 前記腱部が、腹直筋と外腹斜筋間の結合腱部である請求項1又は2に記載の体幹部内臓脂肪測定方法。
  13. 前記腱部が、腹直筋と外腹斜筋間の結合腱部である請求項3乃至11のいずれかに記載の体幹部内臓脂肪測定装置。
  14. 前記第1の周波数は、50kHz付近の周波数であり、前記第2の周波数は、150kHz付近の周波数である請求項3乃至13のいずれかに記載の体幹内臓脂肪測定装置。
  15. 体幹の骨格筋組織量を測定するための体幹骨格筋量測定装置において、第1の周波数及び前記第1の周波数より高い第2の周波数にて腱部から電流を印加する第1および第2の電流印加電極と、該電流によって生じた電位差を測定する第1および第2の電圧計測電極とを有し、前記第1の周波数にて体幹の生体インピーダンスを測定し且つ前記第1の周波数より高い第2の周波数にて体幹の生体インピーダンスを測定するための体幹生体インピーダンス測定手段と、前記第1の周波数および第2の周波数にて測定した体幹の生体インピーダンスに基づいて体幹骨格筋組織層のインピーダンスを推定するための体幹骨格筋組織層インピーダンス推定手段と、前記推定した体幹骨格筋組織層のインピーダンスと身体特定化情報とに基づいて体幹骨格筋組織量を推定する体幹骨格筋組織量推定手段とを備え、
    前記第1の電流印加電極および前記第1の電圧計測電極は、体幹周囲方向において臍を中心として見た場合の左右いずれか一方の側腱部に配置され、前記第2の電流印加電極および前記第2の電圧計測電極は、体幹周囲方向において臍を中心として見た場合の他方の側腱部に配置され、前記第1および第2の電流印加電極と前記第1および第2の電圧計測電極は、腱部において、体幹長方向に距離をおいて配置されていることを特徴とする体幹骨格筋量測定装置。
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