JPS6364805B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は読取精度の向上と構造簡易化とを図る
磁気カード読取装置に関する。

磁気カード読取装置は、カードの移動を案内す
るためにカード通路を有するが、その通路空隙は
カードの移動をスムースにするため一般にカード
肉厚より相当の余裕をもつている。ところがその
通路内部において、磁気ヘツドは磁気カードの記
録面と確実に密着するようにしなければならな
い。

従来、この密着を確保するため、弾性材からな
る回転ローラを通路に臨んで配置し、このローラ
によつてカードを磁気ヘツドに押圧することが一
般になされている。このため、ローラおよびロー
ラを支持するための部品の数が増し、またカード
通路の両側に部品を取り付けねばならないという
不具合を生じていた。

本発明は上記に鑑みて、ローラを使用せずに磁
気ヘツド部の密着性を確保した磁気カード読取装
置を提供することを基本目的とする。

このため、本発明はカード通路をなす案内部材
に磁気ヘツド自体に弾性力を与えるとともに、カ
ードの歪みや傾斜に対して磁気ヘツドの読取面が
追随するように回動可能とするべく、磁気ヘツド
を２つの弾性片とその端部を軸止めする２つの支
持部材とで保持することを特徴とする。

さらに本発明は、磁気ヘツドのオフセツト位置
を固定し、かつ弾性片に初期荷重を与えるため
に、上記支持部材とは別に位置決め部材を備える
ことを特徴とする。

本発明の好適な実施例によると、取付作業性が
著しく向上し、かつ特別な調整箇所を要しない磁
気カード読取装置が得られる。

本発明の実施例を示す第１図および第２図にお
いて、１０，１１は金属板をプレス加工して形成
した案内部材で、一定厚さの金属板１２を介在し
てねじ止め固定（図示せず）されており、磁気カ
ード１４が通過し得るカード通路１３を形成す
る。カード通路１３はカード１４の肉厚に対して
２倍弱程度の一定の空隙を有し、磁気カード１４
が金属板１２の端面に接して矢印１５の向きにス
ムースに移動できるようになつている。

一方の案内部材１０において、磁気ヘツド１６
を保持するための保持装置１７が構成されてい
る。保持装置１７は磁気ヘツド１６と一体的に構
成された可動部１８とそれを支持するために案内
部材１０から切り起こされた２つの支持部材１
９，２０とを包含する。

可動部材１８は第３図および第４図に詳細を示
すように、磁気ヘツド１６を圧入して保持するた
めの中空部２１を設けた樹脂（例えばABS樹脂）
製の保持枠２２と、この保持枠から左右に伸びる
金属製（ステンレスばね材またはリン青銅ばね
材、ベリリウム銅ばね材など）の板ばね２３と、
この板ばねの各端部に取付けられた断面円形の樹
脂（例えばABS樹脂）製の棒状部２４，２５と
を主要素としており、これらはインサート成形さ
れている。

詳述すると、保持枠２２は金属板２６と磁気ヘ
ツド１６とを一体にしたものを、矢印３５方向
（第３図参照）に圧入した状態で保持する。この
場合接着剤でヘツドと保持枠とを固定してもよい
が、保持枠２２の内側に突状を一体成形してお
き、磁気ヘツド２２と金属板２６とを圧入したと
き、両者を内側に圧迫して保持するのが、作業性
の簡易化において望ましい。なお、保持枠は磁気
ヘツド１６の圧入位置を決めるための段部２７を
有している。

金属板２６は、第５図に示すように、数個の突
起２６ａをプレス加工にて形成してあり、磁気ヘ
ツド１６の外側板と良好な電気的接触を確保す
る。金属板２６の端子部は磁気ヘツド１６の端子
とともに、保持枠２２の開口部に突出し、リード
線（図示せず）によつて電気回路部と接続され
る。この金属板２６は例えば、磁気ヘツドの外側
板をアースするのに有効である。また金属板２６
はヘツド１６を保持枠２２に圧入するに先だつ
て、保持枠２２の内側に設けた小溝に爪部２６ｂ
をもつて係合されるようにしてあり、ヘツドの圧
入作業を簡便化している。

なお、磁気ヘツド１６の保持強度は、圧入作業
を人力で行なえる程度でよい。保持枠２２は左右
方向に伸びる突部２８を有しており、後述する位
置決め部材２９と協同してカードの誤挿入に対す
るストツパの役割を果す。

板ばね２３は左右方向に伸びて各々弾性部材３
０，３１を形成しており、一方の端部には円柱形
の第１の棒状部２４がインサート成形で一体化さ
れ、他方の端部には円柱形であつて、くびれ部２
５ａを有するつづみ形の第２の棒状部２５が同じ
く一体化されている。これら２つの棒状部は中心
軸が一致しており、その中心軸において回動自在
である。

第１の支持部材１９はプレス加工によつて案内
部材１０から垂直に切り起こされており、円形の
穴部１９ａに第１の棒状部２４を嵌装して、回動
かつ摺動可能に支持する。一方、第２の支持部材
２０は案内部材１０から垂直に切り起こされてお
り、内周が逆Ｊ字状になる切れ溝２０ａを有し、
第２の棒状部２５のくびれ部２５ａを回動可能
（摺動不可）に支持する。なお、切れ溝２０ａは
くびれ部２５ａの支持をより強固にするため、必
要に応じて穴部とくびれ部２５ａを穴部に押し込
むためのくびれ部２５ａよりわずかに狭い通路と
で構成してもよい。

案内部材１０において、第２の支持部材２０が
切り起こされた残りの穴部３２は、この支持部材
の投影面積よりも、切れ溝２０ａの方向において
拡大されている。このことは、棒状部２５の嵌め
こみの作業性を改善するのに役立つている。

２つの位置決め部材２９が、案内部材１０から
垂直に切り起こされている。切り起こされた残り
の穴部は、両位置決め部材２９の投影面積より拡
大されており、磁気ヘツド１６の頭部を臨ませる
開口部３３を形成する。

位置決め部材２９は、可動体１８の取付け状態
において、弾性部材３０，３１の各々保持枠２２
に近い部分に当接し、その当接部と案内部材１０
の基準面との最小間隔を決定し、磁気ヘツド１６
の読取面１６ａのオフセツト位置を決定する。さ
らに、位置決め部材２９の高さは、両支持部材１
９，２０に支持される棒状部２４，２５の中心軸
の、案内部材基準面からの高さに比して、若干高
く設定してある。このため、弾性部材３０，３１
は、各端部を棒状部２４，２５において軸止めし
た状態で、磁気ヘツドの近傍において矢印３４の
向きにわずかに付勢される。

これによつて、弾性部材は磁気ヘツド１６を矢
印３４の反対向きに付勢する初期荷重を与えら
れ、磁気ヘツドの読取面１６ａを磁気カード１４
に対して強く密着させ、また振動や外部からの圧
力などによつて、磁気ヘツド１６の位置が変位す
るのを防ぐ。

位置決め部材２９はまた、可動体１８の回動の
停止位置を設け、また回動がスムースに行なわれ
るように、案内部材１０の基準面と平行な平担部
２９ｂ（第６図参照）を有している。

組付工程において、可動体１８に磁気ヘツド１
６と金属板２６とを圧入保持したものが用意さ
れ、これとは別にプレス加工によつて打ち抜き、
折り曲げされてできた切り起こし部としての支持
部材１９，２０、位置決め部材２９を設けた案内
部材１０ともう１つの案内部材１１とを組み付け
たものが用意される。そして、まず可動体１８の
第１の棒状部２４が第１の支持部材１９の穴部に
挿入され、次に他方の第２の棒状部２５のくびれ
部２５ａが第２の支持部材２０における切れ溝２
０ａに嵌めこまれる。この過程において、位置決
め部材２９に設けたテーパ２９ａは、弾性部材３
０，３１がスムースに平担部２９ｂに納まるのを
助ける。また棒状部２５の第２の支持部材２０へ
の嵌めこみに対して、穴部３２は棒状部２５の動
きを邪魔しないで、スムースに棒状部が移動でき
るようにしている。

かくして磁気ヘツド１６が保持された状態で、
ヘツド１６は第２図に示すごとく、カード通路１
３に対して突出する。読取面１６ａの位置は位置
決め部材２９によつて一定のところに保たれてい
る。

第１図に示すように磁気カード１４がカード通
路１３に沿つて手動で移動されると、カード１４
の肉厚の分だけ磁気ヘツド１６は矢印３４（第２
図参照）の向きに押し上げられる。このため、磁
気ヘツド１６は弾性部材３０，３１の復元力によ
つてさらに付勢され、磁気カード１４により強く
密着する。磁気ヘツド１６の上方変位によつて生
じる弾性部材３０，３１の左右方向の縮みは、第
１の棒状部２４の支持部材１９に対する摺動とし
て現われる。

第６図および第７図は、磁気カード１４が傾い
て挿入された場合と歪んだカードが挿入された場
合とを示す。これらの場合のように、カードの磁
気ヘツド１６との当接面が、カード通路と平行で
ないと、磁気ヘツド１６はカードの肉厚によつて
持ち上げられる際に、傾きを生じる。しかして、
可動体１８は回動可能に支持されており、ヘツド
読取面１６ａがカード１４に密着するようにスム
ースに回動する。従つて、これらの場合にも磁気
カードの記録情報を正確に読取ることができる。

第８図は磁気カード１４の挿入方向が正規の方
向に対して垂直であつて、全く読取不可能な場合
を示している。このような挿入に対し、磁気ヘツ
ド１６はカード１４の端部から圧力を受けて傾け
られ、可動体も回動する。しかし、可動体の保持
枠２２に設けられた２つの突部２８は位置決め部
材２９と当接し、可動体がそれ以上回動するのを
防止する。これによつて、可動体が復元不能な角
度に回転するのが防止され、また各電気リード線
に圧力が加わるのも防がれる。

以上本発明の一実施例について説明したが、本
発明は手動で磁気カードを移動させる場合に限ら
ず、モータ駆動などにより自動的にカードを移動
させる場合にも適用される。

また、棒状部２４，２５は断面円形でなくて、
角形でもよい。要は支持部材１９，２０によつて
その外周部が接触支持され、かつ回動可能であれ
ばよいのである。またその材質は樹脂に限らず、
金属であつてもよい。

案内部材１０，１１も金属板に限らず樹脂で作
成することができる。また支持部材１９，２０お
よび位置決め部材２９も樹脂で作成できる。

位置決め部材２９においてはぢ第９図に例示す
る形状としても、前記実施例と同一の作用を得る
ことができる。

以上述べたように、本発明装置は読取部の密着
性が良好でかつ簡単なる構造で確実な動作が得ら
れる。

【図面の簡単な説明】

第１図ないし第８図は本発明の一実施例を示
し、第１図は斜視図、第２図は一部を破断した正
面図、第３図は可動体１８の正面図、第４図はそ
の下面図、第５図ａは金属板２６の正面図、第５
図ｂは第５図ａのＡ―Ａ断面図、第５図ｃはその
金属板の下面図、第６図および第７図はカードの
挿入形態に応じた磁気ヘツドの回動を示す説明
図、第８図はカードの誤挿入に対するストツパ作
用を示す説明図、第９図は位置決め部材２９の変
形例を示す斜視図である。 １０，１１……案内部材、１３……カード通
路、１４……磁気カード、１５……カードの移動
方向、１６……磁気ヘツド、１７……保持装置、
１８……可動体、１９……第１の支持部材、２０
……第２の支持部材、２０ａ……切れ溝、２２…
…保持枠、２３……板ばね、２４……第１の棒状
部、２５……第２の棒状部、２６……金属板、２
８……突部、２９……位置決め部材、２９ａ……
テーパ部、２９ｂ……平担部、３０，３１……弾
性部材、３２……穴部、３３……開口部。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 磁気カードの移動を案内するために磁気カー
   ドの肉厚より大きい空隙を有するカード通路を形
   成してなる案内部材を備え、この案内部材におい
   て前記通路に臨む取付位置に磁気カードに記録さ
   れた情報を磁気カードの移動中に読み取るための
   トランデユーサを位置せしめる保持装置は、 トランスデユーサの保持枠と、この保持枠を挾
   持するように磁気カードの移動方向に伸びる２つ
   の弾性部材と、この弾性部材の各端部に形成され
   磁気カードの移動方向に伸びる２つの棒状部と、
   を包含する可動体、 前記棒状部の各々の外周部を接触して支持し、
   上記可動体を磁気カードの移動方向と垂直方向に
   回動可能に前記案内部材に対して支持する２つの
   支持部材、および、 前記弾性体に初期荷重を与えるとともに前記ト
   ランスデユーサの初期位置を定めるために前記ト
   ランスデユーサを前記案内部材から所定間隔だけ
   引き離す位置決め部材、 を具備している磁気カード読取装置。 ２ 前記弾性片が金属製ばね板からなり、前記保
   持枠と前記棒状部とが合成樹脂からなり、かつこ
   れら３者がインサート成形にて一体化されている
   特許請求の範囲第１項に記載の磁気カード読取装
   置。 ３ 前記棒状部の一方または両方に、前記可動体
   の磁気カードの移動方向への動きを規制するため
   に、前記支持部材と当接する段部を有する特許請
   求の範囲第１項または第２項に記載の磁気カード
   読取装置。 ４ 前記案内部材が前記トランスデユーサの臨む
   取付位置に開口部を設けた平板からなる特許請求
   の範囲第１項に記載の磁気カード読取装置。 ５ 前記平板が金属板である特許請求の範囲第４
   項に記載の磁気カード読取装置。 ６ 前記２つの支持部材が前記案内部材をなす金
   属板から切り起こされて形成されている特許請求
   の範囲第５項に記載の磁気カード読取装置。 ７ 前記切り起こされて形成された支持部材のう
   ち第１の支持部材が前記棒状部の一方を回動自在
   に嵌挿する穴部を有し、第２の支持部材が前記棒
   状部の他方を回動自在に支持する切れ溝とを有す
   る特許請求の範囲第６項に記載の磁気カード読取
   装置。 ８ 前記第２の支持部材の近傍において前記案内
   部材がその支持部材の投影面積より大きい穴部を
   有する特許請求の範囲第７項に記載の磁気カード
   読取装置。 ９ 前記第２の支持部材に支持される棒状部に、
   前記可動体の磁気カードの移動方向への動きを規
   制するための段部としてくびれ部を有する特許請
   求の範囲第７項または第８項に記載の磁気カード
   読取装置。 １０ 前記位置決め部材が前記トランスデユーサ
   の近傍であつてそのトランスデユーサを挾む２点
   に作用する特許請求の範囲第１０項に記載の磁気
   カード読取装置。 １１ 前記位置決め部材がその２つの作用点の
   各々において磁気カード面と平行でその移動方向
   と交じわる方向に伸びる平担部を有する特許請求
   の範囲第１０項に記載の磁気カード読取装置。 １２ 前記位置決め部材が前記案内部材をなす金
   属板から切り起こされて形成されている特許請求
   の範囲第１１項に記載の磁気カード読取装置。 １３ 前記案内部材において前記位置決め部材が
   切り起こされたあとに前記トランスデユーサを臨
   ませる開口部が形成されている特許請求の範囲第
   １２項に記載の磁気カード読取装置。 １４ 前記２つの支持部材が前記位置決め部材と
   ともに前記案内部材をなす金属板から切り起こさ
   れて形成されている特許請求の範囲第１２項に記
   載の磁気カード読取装置。 １５ 前記位置決め部材が前記第２の支持部材に
   設けられた切れ溝の切れ方向と同方向にテーパ部
   を有する特許請求の範囲第１４項に記載の磁気カ
   ード読取装置。