JP4230633B2 - 磁気ヘッド - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、磁気記録媒体に対して情報の磁気記録または再生を行なうための電気信号の磁気信号への変換またはその逆の変換を行なう磁気ヘッドに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、上記の磁気ヘッドは、例えば図3に示すように構成されており、リング状の磁気回路としての磁気コアを形成する一対の磁気コア半体1,2と、前記の磁気コアの磁気回路中の磁気ギャップを形成するための磁気ギャップスペーサー3と、電磁変換用の巻線コイル(図示省略)を巻回し、巻線コイルにおける記録又は再生信号の入出力のために巻線コイルの両端に接続される端子5を植設されたコイルボビン4と、これらを組み立ててなる磁気ヘッド素子の磁気コアを保持して所定位置に位置決めするためのホルダー6と、これらを収容し外部ノイズを低減させるための磁気シールドを行なうシールドケース7と、磁気ヘッド素子をシールドケース7内の所定位置に固定するためのネジ8から構成されている。
【0003】
なお、シールドケース7の図3中で奥側となる正面は、記録又は再生時に不図示の磁気テープ等の磁気記録媒体(以下、単に媒体という)が摺動接触する媒体摺動面となっており、この正面には磁気コア半体1,2からなる磁気コアの磁気ギャップを設けた先端面を露出させるための開口部7aが形成されている。
【0004】
また、ネジ8は、磁気コア半体1,2からなる磁気コアとシールドケース7間の電気的導通をとり得るように金属製であり、シールドケース7には、この磁気ヘッドが搭載される磁気記録再生装置側の接地回路に容易に接続できるように、グランド端子10が設けられている。
【0005】
ところで、磁気ヘッドの仕様の一つとして、媒体の所定位置に情報を磁気記録する、及び媒体の所定位置に磁気記録されている情報を読み出すために、シールドケース7に対する磁気コアの位置を図4に示す磁気ヘッドの媒体摺動面においてギャップ位置Gとトラック位置Tとして示した所定位置に設定する必要がある。この要件を満たしながら磁気ヘッドを製造するのであるが、その製法を以下に説明する。なお、ここでギャップ位置Gとは、磁気コアの磁気ギャップスペーサー3により形成される磁気ギャップの媒体摺動方向の位置であり、トラック位置Tとは、磁気コアのトラック幅方向の中心のトラック幅方向の位置である。
【0006】
まず、図3の(a)に示すホルダー6の内側面に形成された溝6aに接着剤の樹脂を塗布し、溝6aに磁気コア半体2を矢印aで示すように挿入し、前記樹脂を硬化させて磁気コア半体2を固着する。
【0007】
ここで、ホルダー6の構成として、前記磁気コアのトラック位置T及びギャップ位置Gを所定位置に設定するために、トラック位置Tに関しては、ホルダー6がシールドケースに対してトラック幅方向に隙間なく嵌合するように、シールドケース7の内法の高さ寸法H1とホルダー6の幅寸法W2を同じ寸法にし、さらにトラック位置Tが磁気ヘッドの高さ寸法(シールドケース7の外形の高さ寸法)H2の中心位置になるように、ホルダー6において溝6aの寸法Aの幅方向の位置をホルダー6の幅寸法W2の中心位置に設定してある。
【0008】
また、ギャップ位置Gについては、図4の磁気ヘッドの幅寸法(シールドケース7の幅寸法)W1に対し磁気コアのスペーサー3による磁気ギャップが中心に配置される様に、G=B3+B1+B2となる様に各々の部材の寸法を設定してある。ここで、B3はシールドケース7の肉厚、B2は磁気コア半体2の媒体摺動方向の寸法、B1はホルダー6の溝6a部分での厚さである。
【0009】
この様な構成のホルダー6に対して磁気コア半体2を上記のように固着した後、図3の(b)の矢印b、cで示す様に、磁気コア半体1,2をコイルボビン4のコア挿入穴4aに挿入し、互いの間に磁気ギャップスペーサー3を挟んで、不図示の突き合わせ治具を用いて磁気コア半体1,2を突き合わせ、これに接着剤の樹脂を塗布し硬化させて固着し、磁気コアとして一体化する。
【0010】
そして、予めグランド端子10をプロジェクション溶接等により内側面に固定したシールドケース7に対して、上記1〜5の部材からなる磁気ヘッド素子とホルダー6のユニットを矢印dで示すように挿入し、ネジ8をシールドケース7の一方の側部に形成されたネジ穴7bにねじ込んで前記ユニットをシールドケース7のネジ穴7bと反対側の内側面に押し付けて固定する。さらに、不図示の樹脂をシールドケース7内に充填して硬化させた後、図4に示すシールドケース7の正面を媒体摺動面として加工して磁気ヘッドが完成する。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記、従来例では、以下の様な問題があった。
【0012】
まず、第1の問題として、ホルダー6の機能は上述のように磁気コアのギャップ位置G及びトラック位置Tを位置決めする機能に限られており、自らの力で磁気コア半体1,2を突き合わせて保持する機能はない。このため、磁気ヘッドの製造工程で、磁気コア半体2をホルダー6へ接着する必要があり、さらに突き合わせ治具を用いて磁気コア半体1,2を突き合わせて接着する必要がある。この結果、突き合わせ治具を使用する際の組み立てコスト、及び接着する際の樹脂の塗布や硬化に伴う組み立てコストが生じ、磁気ヘッドのコストアップの要因となっている。
【0013】
また、第2の問題として、磁気ヘッドが搭載される磁気記録再生装置の接地用の回路に磁気コアを電気的に接続するために、グランド端子10をシールドケース7に設ける必要があり、そのために組み立てコスト及び部品コストが生じ、これも磁気ヘッドのコストアップの要因となっている。
【0014】
そこで本発明の課題は、このような問題を解消し、磁気コアの保持、位置決め、アースに関してコストダウンが図れる磁気ヘッドの構成を提供することにある。
【0015】
【課題を解決するための手段】
上記の課題を解決するため、本発明によれば、磁気ヘッドの構成として、
磁気ギャップ形成用のスペーサーを介して互いに突き合わされて磁気コアを構成する一対の磁気コア半体と、
弾性的な金属の板材から形成され、前記一対の磁気コア半体のそれぞれを弾性力によって互いに突き合わせるように押圧して保持するホルダーと、
前記一対の磁気コア半体からなる磁気コアと前記ホルダーを含む磁気ヘッドの構成部材を収容するケースを有し、
前記ホルダーにおいて前記一対の磁気コア半体の一方を押圧する押圧部は、前記磁気コア半体の一方に面接触し、かつ磁気ヘッドの磁気記録媒体摺動方向に対応する方向に所定の幅寸法を有するように折曲されており、
前記ケース内で前記一対の磁気コア半体を保持した前記ホルダーの前記押圧部が前記ケースの磁気記録媒体摺動方向の一方の内側面に押し付けられることにより、前記一対の磁気コア半体からなる磁気コアの磁気ギャップの磁気記録媒体摺動方向の位置が所定に決められるようにし、
コイルを巻回され、該コイルの巻幅を規制する2つのツバ部を有し、該コイルの両端が接続される一対の端子が前記ツバ部のそれぞれに植設されたコイルボビンが前記一対の磁気コア半体からなる磁気コアに装着され、
前記ホルダーには、前記一対の端子のそれぞれを貫通させるための2つの穴ないし切り欠きが形成されており、
該2つの穴ないし切り欠きの一方の部分で該穴ないし切り欠きに挿入される前記一対の端子の一方が前記ホルダーに対し電気的に接続されることにより、前記磁気コアが前記ホルダーを介して前記一対の端子の一方に対し電気的に接続されるようにした構成を採用した。
【0016】
さらに、前記ホルダーは、弾性的な金属の板材からコの字形に形成され、前記磁気ヘッドの磁気記録媒体摺動方向に対応する方向に所定の幅寸法を有するようにコの字形に折曲されている構成を採用した。
さらに、前記ケースにねじ込まれるネジを有し、該ネジによって前記ケース内の前記一対の磁気コア半体と前記ホルダーを含む組み立て体を押圧することにより、前記ホルダーの前記押圧部を前記ケースの磁気記録媒体摺動方向の一方の内側面に押し付けて前記組み立て体を固定した構成を採用した。
【0018】
さらに、前記ホルダーの表面に、導電性の高い金属のメッキが施された構成を採用した。
【0019】
さらに、前記ホルダーは、前記一対の磁気コア半体と前記コイルボビンを含む組み立て体に対して前記コイルボビンの前記端子が植設された後部側から前記一対の磁気コア半体を保持する装着位置に装着されるようになっており、該装着時に前記コイルボビンに係合して前記ホルダーを装着方向の所定位置に係止するための突起部が前記ホルダーに形成されている構成を採用した。
【0020】
さらに、前記コイルボビンの2つのツバ部には、前記一対の磁気コア半体と前記コイルボビンを含む組み立て体に前記ホルダーを装着するときに、前記ホルダーにおいて前記一対の磁気コア半体のそれぞれを押圧する2つの押圧部を案内し、かつ磁気ヘッドのトラック幅方向における前記ホルダーの装着位置を所定位置に位置決めするための案内溝が形成された構成を採用した。
【0021】
さらに、前記コイルボビンの2つのツバ部が前記ケースに対して磁気ヘッドのトラック幅方向に隙間無く嵌合されるように前記ツバ部の前記トラック幅方向の寸法が設定されていることにより、前記磁気コアのトラック位置が所定に決められる構成を採用した。
【0022】
【発明の実施の形態】
以下、図1及び図2を参照して本発明の実施の形態を説明する。
【0023】
図1は、本発明の実施形態による磁気ヘッドの構成及び組み立てを示す斜視図である。ここに示す本実施形態の磁気ヘッドの構成は、リング状の磁気回路としての磁気コアを形成する一対の磁気コア半体1,2と、前記の磁気コアの磁気回路中の磁気ギャップを形成するための磁気ギャップスペーサー3と、電磁変換用の巻線コイル(図示省略)を巻回し、巻線コイルにおける記録又は再生信号の入出力のために巻線コイルの両端に接続される2本の端子5を植設されたコイルボビン11と、これらと自らを組み立ててなる組み立て体である磁気ヘッド素子17の磁気コアを保持して所定位置に位置決めするためのホルダー12と、磁気ヘッド素子17を収容し外部ノイズを低減させるための磁気シールドを行なうシールドケース7と、磁気ヘッド素子17をシールドケース7内の所定位置に固定するためのネジ8から構成されている。
【0024】
なお、シールドケース7の図1中で奥側となっている正面は、記録又は再生時に不図示の媒体が摺動接触する媒体摺動面となっており、この正面には磁気コア半体1,2からなる磁気コアのスペーサー3による磁気ギャップを設けた先端面を露出させるための開口部7aが形成されている。また、シールドケース7の一方の側部にはネジ穴7bが形成されている。
【0025】
ここで、先述した従来例の図3中と異なる符号12で示したホルダー、及び符号11で示したコイルボビンが従来例と異なっている。以下、これらについて説明する。
【0026】
まず、ホルダー12について説明する。ホルダー12は、自らの弾性力により磁気コア半体1,2を磁気ギャップスペーサー3を介して互いに突き合わせるように押圧して保持する。このために、ホルダー12は、弾性、すなわちバネ性を有した金属の板材から形成され、この金属の板材をプレス機及びホーミング機にて加工して製作される。
【0027】
ホルダー12の金属材料としては、バネ用りん青銅、ステンレス等のバネ性を有し、かつ導電性のある材質を用いると共に、導通性の信頼性の向上を計るために、ホルダー12の表面に金、銀、銅、クロム、ニッケル等の導電性の高い金属のメッキを施している。
【0028】
ホルダー12は、全体として略コの字形に形成されている。そして、前記コの字の対向する2辺のそれぞれの先端部が図2(b)に示すように磁気コア半体1,2を突き合わせるように押圧する押圧部T1,T2となっている。一方の押圧部T1は磁気コア半体1に線接触して押圧するように、円弧状、いわゆるR状に湾曲した形状に形成されている。他方の押圧部T2は、略コの字形に折曲された形状に形成されており、磁気コア半体2に接触する部分は、磁気コア半体2に面接触して押圧してホルダー12のバネ力を効率良く磁気コア半体2に加えられるように、平面に形成されている。また、この押圧部T2において磁気コアのトラック幅方向に対応する図1中上下方向の両端部は、磁気ヘッドの媒体摺動方向に対応する方向に沿って折曲されており、前述した磁気コアのギャップ位置Gを所定位置に出すために、前記の折曲された部分の媒体摺動方向に対応する方向の幅寸法B1が所定に設定されている。
【0029】
また、ホルダー12のコの字の対向する2辺の基端部のそれぞれには、後述のようにホルダー12を磁気コア半体1,2とコイルボビン11からなる組み立て体に装着した際に、ホルダー12がコイルボビン11に対して装着方向の所定位置で係止され位置決めされるように、係止用の突起部15が設けられている。
【0030】
また、ホルダー12の基部には、コイルボビン11の2本の端子5のそれぞれを貫通させるための2つの穴13,14が形成されている。その一方の穴14は径が小さくなっており、この穴14に挿入される一方の端子5をこの穴14部分で半田付けにより容易にホルダー12に接続できるようになっている。これは磁気コアのアースのためにホルダー12を介して磁気コアを一方の端子5に電気的に接続するためである。なお、穴14部分での端子5の接続方法としては、導電性接着剤を用いても良く、他にカシメや嵌合による機械的な方法も考えられる。
【0031】
また、他方の穴15は径が大きくなっており、この穴15を貫通する端子5が穴15の縁に接触せず、ホルダー12に電気的に接続されないようになっている。なお、穴13,14の形状は丸穴に限らず、長穴でもよく、切り欠きとして一方の端部がホルダー12の縁に開口していてもよい。
【0032】
次に、コイルボビン11について説明する。コイルボビン11の本体は、磁気コア半体1,2を挿入する穴11aが形成され不図示の巻線コイルが外周に巻回される筒部11bと、その筒部11bの左右の両端に形成され巻線コイルの巻幅を規制するツバ部11c,11dからなり、ツバ部11c,11dのそれぞれに端子5が植設されている。
【0033】
そしてツバ部11c,11dの外側面には案内溝M1,M2が形成されている。この案内溝M1,M2は、後述のようにホルダー12をコイルボビン11の後部側(端子5側)から磁気コア半体1,2とコイルボビン11の組み立て体に装着する際の図1(a)中矢印aで示す装着方向に沿って形成されている。そして、案内溝M1,M2は、ホルダー12の装着時に、押圧部T1,T2がツバ部11c,11dと干渉せずに上記装着方向に装着可能な様に、押圧部T1,T2を案内するものであり、また、装着後のホルダー12をトラック幅方向に動かないように規制し、トラック幅方向において所定の装着位置に位置決めするものである。
【0034】
次に、上記構成からなる本実施形態の磁気ヘッドの製造方法、特に上記各構成部材の組み立て工程について以下に説明する。
【0035】
まず、図1(a)のように、磁気コア半体1,2の後部をコイルボビン11の左右両側からその穴11aへ図中矢印b,c方向に挿入した後、ホルダー12をコイルボビン11の後部側(端子5側)から図中矢印a方向に押し込み、磁気コア半体1,2とコイルボビン11の組み立て体に装着する。ここで、まずホルダー12の穴13,14にコイルボビン11の端子5のそれぞれが挿入され、さらに押圧部T1,T2が案内溝M1,M2を通り、磁気コア半体1,2のそれぞれの外側面に接触する。この際、ホルダー12は、図2(a)に示すように、押圧部T1,T2がそれぞれ矢印d,eの外側方向へ開くように弾性変形させられた状態で装着され、押圧部T1,T2が内側に復帰しようとする弾性力によって磁気コア半体1,2を押圧することにより、図2(b)及び図1(b)に示すように、磁気コア半体1,2が突き合わされて保持される。
【0036】
なお、ホルダー12を図1(b),図2(b)に示す所定位置まで押し込むと、ホルダー12の係止突起部15がコイルボビン11のツバ部11c,11dと係合して、ホルダー12が係止され、装着方向の所定位置に位置決めされる。
【0037】
しかる後、ホルダー12の押圧により突き合わされた磁気コア半体1,2に力を加えて、その先端部側(媒体摺動面側)をホルダー12の押圧力に抗して開き、磁気コア半体1,2の先端部の開かれた突き合わせ面間に磁気ギャップスペーサー3を挿入し、その後上記の力を抜いて突き合わせ面間を閉じることにより、磁気ヘッド素子17が完成する。
【0038】
次に、一方の端子5とホルダー12とを導通させるために、図1(b)でハッチング部分16として示すホルダー12の穴14の部分に半田付けを行ない、穴14に挿入された一方の端子5とホルダー12を電気的に接続する。なお、磁気コア半体1,2からなる磁気コアとホルダー12間は、ホルダー12の押圧部T1、T2が弾性力で磁気コア半体1,2に圧接することにより導通する。
【0039】
次に、磁気ヘッド素子17を矢印fで示すようにシールドケース7に挿入し、磁気コアの先端面をシールドケース7の開口部7aに露出させて、磁気コアを挿入方向の所定位置に位置決めした後、固定用のネジ8をシールドケース7のネジ穴7bにねじ込み、磁気ヘッド素子17をシールドケース7のネジ穴7bと反対側の内側面(媒体摺動方向の一方の内側面)に押し付けて固定する。
【0040】
次に、シールドケース7内に不図示のモールディング用の樹脂を流し込み、硬化させた後、ネジ8の頭部を切断する。ネジ8は、本実施形態では、一般の頭部付きネジであるが、頭部切断を省くために、頭部の無い止めネジ(通称、イモネジ)でもかまわない。
【0041】
その後、シールドケース7の正面を媒体摺動面として成形加工し、磁気ヘッドが完成する。
【0042】
次に、以上のように製造される本実施形態の磁気ヘッドにおける磁気コアのギャップ位置Gおよびトラック位置T(図4参照)の位置決めについて説明する。
【0043】
まず、ギャップ位置Gについては、ホルダー12の押圧部T2において媒体摺動方向に対応する方向に沿って折曲された折曲部の前記対応する方向の幅寸法B1、磁気コア半体2の媒体摺動方向の幅寸法B2、及びシールドケース7の肉厚B3により設定される。つまり、媒体摺動方向のギャップ位置G=B1+B2+B3となる。これは、磁気コア半体2に弾性的に圧接して密着する押圧部T2がネジ8の押圧力によりシールドケース7の図1中右側の内側面(媒体摺動方向の一方の内側面)に押し付けられて密着するためである。
【0044】
また、磁気コアのトラック位置Tについては、磁気コア半体1,2がコイルボビン11の穴11aに対してトラック幅方向に隙間無く嵌合されてコイルボビン11に対しトラック幅方向に位置決めされるとともに、コイルボビン11のツバ部11c,11dの高さ(トラック幅方向の寸法)W3がシールドケース7の内法の高さH1に合わされており、これによって磁気ヘッド素子17のシールドケース7への挿入時に、ツバ部11c,11dがシールドケース7に対しトラック幅方向に隙間無く嵌合されることにより、トラック位置Tが所定位置に位置決めされるようになっている。
【0045】
以上のような本実施形態によれば、ホルダー12によって磁気コア半体1,2が互いに突き合わされるように押圧されて保持されるので、磁気ヘッドの製造工程において、従来例のようにホルダーに磁気コア半体を接着する工程、及び治具を用いて磁気コア半体どうしを突き合わせて接着する工程がなくなり、製造工程が簡単になり、コストダウンが図れる。
【0046】
また、ホルダー12を介して磁気コアが一方の端子5に電気的に接続されて磁気コアのアースが取られるので、従来例でシールドケースに設けていたグランド端子を省くことができ、この点でもコストダウンが図れる。
【0047】
さらに、ホルダー12の押圧部T2の幅寸法B1によって磁気コアのギャップ位置の位置決めを高精度に行なうことができ、寸法精度が良く、所定の仕様を満足できる磁気ヘッドを安価に提供することができる。
【0048】
【発明の効果】
以上の説明から明らかなように、本発明によれば、磁気ヘッドにおいて、弾性的な金属の板材からなるホルダーの弾性力によって磁気コアを構成する一対の磁気コア半体を互いに突き合わせるように押圧して保持するとともに、前記一対の磁気コア半体の一方を押圧するホルダーの押圧部を介して磁気コアの媒体摺動方向のギャップ位置を位置決めすることができ、さらにホルダーを介して磁気コアがこれに装着されるコイルボビンの端子に電気的に接続されてアースをとることができるように構成したので、製造工程が簡単になるとともに、部品点数を減らすことができ、大幅なコストダウンが図れるという優れた効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態による磁気ヘッドの構成及び組み立てを示す分解斜視図である。
【図2】同磁気ヘッドのホルダーにより一対の磁気コア半体を弾性力で突き合わせて保持する様子を示す説明図である。
【図3】従来の磁気ヘッドの構成及び組み立てを示す分解斜視図である。
【図4】同磁気ヘッドの磁気コアのギャップ位置G及びトラック位置Tを示す媒体摺動面の平面図である。
【符号の説明】
1,2 磁気コア半体
3 磁気ギャップスペーサー
5 端子
7 シールドケース
8 ネジ
11 コイルボビン
11c,11d ツバ部
M1,M2 案内溝
12 ホルダー
13,14 端子貫通用の穴
15 係止用の突起部
T1,T2 押圧部
16 半田付け部
17 磁気ヘッド素子
Claims (7)
- 磁気ギャップ形成用のスペーサーを介して互いに突き合わされて磁気コアを構成する一対の磁気コア半体と、
弾性的な金属の板材から形成され、前記一対の磁気コア半体のそれぞれを弾性力によって互いに突き合わせるように押圧して保持するホルダーと、
前記一対の磁気コア半体からなる磁気コアと前記ホルダーを含む磁気ヘッドの構成部材を収容するケースを有し、
前記ホルダーにおいて前記一対の磁気コア半体の一方を押圧する押圧部は、前記磁気コア半体の一方に面接触し、かつ磁気ヘッドの磁気記録媒体摺動方向に対応する方向に所定の幅寸法を有するように折曲されており、
前記ケース内で前記一対の磁気コア半体を保持した前記ホルダーの前記押圧部が前記ケースの磁気記録媒体摺動方向の一方の内側面に押し付けられることにより、前記一対の磁気コア半体からなる磁気コアの磁気ギャップの磁気記録媒体摺動方向の位置が所定に決められるようにし、
コイルを巻回され、該コイルの巻幅を規制する2つのツバ部を有し、該コイルの両端が接続される一対の端子が前記ツバ部のそれぞれに植設されたコイルボビンが前記一対の磁気コア半体からなる磁気コアに装着され、
前記ホルダーには、前記一対の端子のそれぞれを貫通させるための2つの穴ないし切り欠きが形成されており、
該2つの穴ないし切り欠きの一方の部分で該穴ないし切り欠きに挿入される前記一対の端子の一方が前記ホルダーに対し電気的に接続されることにより、前記磁気コアが前記ホルダーを介して前記一対の端子の一方に対し電気的に接続されることを特徴とする磁気ヘッド。 - 前記ホルダーは、弾性的な金属の板材からコの字形に形成され、前記磁気ヘッドの磁気記録媒体摺動方向に対応する方向に所定の幅寸法を有するようにコの字形に折曲されていることを特徴とする請求項1に記載の磁気ヘッド。
- 前記ケースにねじ込まれるネジを有し、該ネジによって前記ケース内の前記一対の磁気コア半体と前記ホルダーを含む組み立て体を押圧することにより、前記ホルダーの前記押圧部を前記ケースの磁気記録媒体摺動方向の一方の内側面に押し付けて前記組み立て体を固定したことを特徴とする請求項1に記載の磁気ヘッド。
- 前記ホルダーの表面に、導電性の高い金属のメッキが施されたことを特徴とする請求項1から3までのいずれか1項に記載の磁気ヘッド。
- 前記ホルダーは、前記一対の磁気コア半体と前記コイルボビンを含む組み立て体に対して前記コイルボビンの前記端子が植設された後部側から前記一対の磁気コア半体を保持する装着位置に装着されるようになっており、該装着時に前記コイルボビンに係合して前記ホルダーを装着方向の所定位置に係止するための突起部が前記ホルダーに形成されていることを特徴とする請求項1に記載の磁気ヘッド。
- 前記コイルボビンの2つのツバ部には、前記一対の磁気コア半体と前記コイルボビンを含む組み立て体に前記ホルダーを装着するときに、前記ホルダーにおいて前記一対の磁気コア半体のそれぞれを押圧する2つの押圧部を案内し、かつ磁気ヘッドのトラック幅方向における前記ホルダーの装着位置を所定位置に位置決めするための案内溝が形成されたことを特徴とする請求項1または5に記載の磁気ヘッド。
- 前記コイルボビンの2つのツバ部が前記ケースに対して磁気ヘッドのトラック幅方向に隙間無く嵌合されるように前記ツバ部の前記トラック幅方向の寸法が設定されていることにより、前記磁気コアのトラック位置が所定に決められることを特徴とする請求項1、5、6のいずれか1項に記載の磁気ヘッド。
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